WO2022230616A1

WO2022230616A1 - ブロー成形用金型およびブロー成形装置

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Publication number: WO2022230616A1
Application number: PCT/JP2022/016844
Authority: WO
Inventors: 幸洋上原
Original assignee: 日精エー・エス・ビー機械株式会社
Priority date: 2021-04-30
Filing date: 2022-03-31
Publication date: 2022-11-03
Also published as: JPWO2022230616A1

Abstract

ブロー成形用金型（１）は、一対のブローキャビティ割型（１０）と、一対のブローキャビティ割型ホルダ（３０）と、を備える。ブローキャビティ割型ホルダ（３０）は、内壁（３４）と、内壁（３４）を挟むように位置する一対の縁部（３６ａ，３６ｂ）と、を有する。縁部の一方の第１縁部（３６ａ）にはブローキャビティ割型ホルダ（３０）の内側に向かって突き出る突出部材（３８ａ）が設けられ、縁部の他方の第２縁部（３６ｂ）にはブローキャビティ割型（１０）をブローキャビティ割型ホルダ（３０）に向けて押圧する押圧部材（３８ｂ）が設けられている。

Description

ブロー成形用金型およびブロー成形装置

　本発明は、ブロー成形用金型およびブロー成形装置に関する。

　特許文献１は、ハーフモールドとハーフモールドホルダとクイック連結装置とを含むブローモールドを開示する。特許文献２は、ブロー成形型セグメント用の担持要素とロック要素とを備える、ブロー成形型セグメントを取り付けるための装置を開示する。

日本国特表２０１９－５０５４１７号公報日本国特表２００９－５０２５５９号公報

　キャビティ割型をホルダに固定して容器をブロー成形する成形装置では、キャビティ割型がホルダに対して変位すると、成形される容器の品質低下が起こるおそれがあり、また金型部品の消耗が進むおそれがある。例えば従来のロータリー式のブロー成形装置ではキャビティ割型が通常高温に設定されないため、熱膨張を考慮してキャビティ割型の変位を抑制する技術は報告されていない。

　本発明は、熱膨張するブローキャビティ割型をブローキャビティ割型ホルダの適正な位置に保持でき、安定して容器をブロー成形できるブロー成形用金型およびブロー成形装置を提供することを目的とする。

　本発明の一側面に係るブロー成形用金型は、
　一対のブローキャビティ割型と、前記ブローキャビティ割型のうちの１つをそれぞれ保持する一対のブローキャビティ割型ホルダと、を備えるブロー成形用金型であって、
　前記ブローキャビティ割型ホルダは、その内側に前記ブローキャビティ割型を収容する凹部を構成する内壁と、前記ブローキャビティ割型のパーティング面と直交する方向から前記ブローキャビティ割型ホルダを見た時に前記内壁を挟むように位置する一対の縁部と、を有し、
　前記縁部の一方の第１縁部には前記ブローキャビティ割型ホルダの内側に向かって突き出る突出部材が設けられ、
　前記縁部の他方の第２縁部には前記ブローキャビティ割型を前記ブローキャビティ割型ホルダに向けて押圧する押圧部材が設けられている、
　ブロー成形用金型である。

　本発明の一側面に係るブロー成形装置は、
　ブロー成形部を備える、樹脂製容器をブロー成形するためのブロー成形装置であって、
　前記ブロー成形部が、上記のブロー成形用金型を備える、
　ブロー成形装置である。

　本発明によれば、熱膨張するブローキャビティ割型をブローキャビティ割型ホルダの適正な位置に保持でき、安定して容器をブロー成形できるブロー成形用金型およびブロー成形装置を提供できる。

実施形態に係るブロー成形用金型を示す図である。図１のＡ－Ａ’断面模式図である。図１のＢ－Ｂ’断面模式図である。実施形態に係る押圧部材を示す図である。ブローキャビティ割型ホルダにブローキャビティ割型を取り付けている様子を示す図である。ブロー成形用金型をブロー成形温度まで昇温した状態における、ブローキャビティ割型およびブローキャビティ割型ホルダを示す図である。実施形態に係るブロー成形装置を示す図である。

　以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、本図面に示された各部材の寸法は、説明の便宜上、実際の各部材の寸法とは異なる場合がある。

　図１は、本実施形態に係るブロー成形用金型１を示す図である。ブロー成形用金型１は、一対のブローキャビティ割型１０と、ブローキャビティ割型１０のうちの１つをそれぞれ保持する一対のブローキャビティ割型ホルダ３０と、を備える。ブロー成形用金型１は、２ステップ式（コールドパリソン式）のロータリー式のブロー成形装置に用いることができ、開閉機構によって型閉じ状態と型開き状態とを切り替え可能に構成されている。ブロー成形用金型１は、樹脂製のプリフォームを収容した型閉じ状態でブローエアを導入して樹脂製容器を成形するように構成されている。詳細には、ブロー成形用金型１は、図示を省略する底型と、ブローキャビティ割型１０と、によって、成形する容器の形状に対応したキャビティを規定する。当該キャビティに収容されたプリフォームに図示を省略するブローコアからブローエアを導入することで、容器を成形する。

　一対のブローキャビティ割型１０および一対のブローキャビティ割型ホルダ３０において、各割型および各ホルダの態様はそれぞれ同様である。以降の説明においては、１つのブローキャビティ割型１０ａおよび１つのブローキャビティ割型ホルダ３０ａの態様を説明する。
　図１は、ブローキャビティ割型１０ａのパーティング面Ｐと直交する方向からブロー成形用金型１を見た状態を示す。なお、本実施形態における「直交する」とは、厳密に９０°の角度で交差する態様に限定されるものではなく、例えば９０°±５°の範囲内で交差する態様も含みうる。図１に示されるブロー成形用金型１は、中心軸Ｘを定める容器のブロー成形に用いられる。ブローキャビティ割型１０ａは、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａの内側に収容されている。

　ここで、図１、図２および図３を参照して、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａを説明する。図２は図１のＡ－Ａ’断面模式図である。図３は図１のＢ－Ｂ’断面模式図である。
　ブローキャビティ割型ホルダ３０ａは、その内側にブローキャビティ割型１０ａを収容する凹部３２を構成する実質的に半円筒状の内壁３４を有する。ブローキャビティ割型ホルダ３０ａは、ブローキャビティ割型１０ａのパーティング面Ｐと直交する方向からブローキャビティ割型ホルダ３０ａを見た時に内壁３４（凹部３２）を挟むように位置する一対の縁部３６ａ，３６ｂを有する。一対の縁部３６ａ，３６ｂは、ブローキャビティ割型１０ａの内壁３４の周方向の縁に位置する。一対の縁部３６ａ，３６ｂは、中心軸Ｘに平行に延びている。

　縁部の一方の第１縁部３６ａには、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａの内側に向かって突き出る突出部材３８ａが設けられている。突出部材３８ａは、第１縁部３６ａに締結されている板状の部材で構成されてもよく、その一部において第１縁部３６ａからブローキャビティ割型ホルダ３０ａの内側に向かって突き出る突出部３８ａａを有してもよい。図１に示す例において、突出部材３８ａは板状の部材で構成されて、中心軸Ｘが延びる方向に並ぶ少なくとも２つの突出部３８ａａを有している。
　縁部の他方の第２縁部３６ｂには、押圧部材３８ｂが設けられている。押圧部材３８ｂは、ブローキャビティ割型１０ａをブローキャビティ割型ホルダ３０ａに向けて押圧する。押圧部材３８ｂは第２縁部３６ｂの表面と直交する回転軸を中心に回動可能に設けられている。また、押圧部材３８ｂの回転軸はパーティング面Ｐとも直交するように設けられてもよい。これにより押圧部材３８ｂは、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａの内側に向かって突き出る押圧位置と、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａの内側に向かって突き出ない退避位置と、を切り替え可能に構成されている。

　ここで図４を参照して押圧部材３８ｂを詳細に説明する。図４は押圧部材３８ｂを示す図である。図４に示す押圧部材３８ｂは、ブローキャビティ割型１０ａをブローキャビティ割型ホルダ３０ａに向けて押圧する押圧部３８ｂａと、押圧部３８ｂａを収容するハウジング３８ｂｂと、第２縁部３６ｂに締結される締結部３８ｂｃと、を有する。図４に示す例では、押圧部３８ｂａはバネ等の付勢部材とピン状部材とで構成されるプランジャーピンである。押圧部３８ｂａの先端部はハウジング３８ｂｂを出入り可能に構成されている。付勢部材により付勢されたピン状部材がブローキャビティ割型１０ａに接触して、ブローキャビティ割型１０ａをブローキャビティ割型ホルダ３０ａに向けて押圧する（図３）。

　ここで、図１、図２および図３に戻り、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａを説明する。ブローキャビティ割型ホルダ３０ａの内壁３４には、その表面から突き出たピン状の位置決め部材４０が設けられている。位置決め部材４０は、ブローキャビティ割型１０ａと接触して位置決めする部材である。図示される例では、位置決め部材４０は内壁３４の周方向の中央から若干ずらされて設けられている。また図示される例では、位置決め部材４０は中心軸Ｘが延びる方向に並んで少なくとも２つ設けられている。

　次に、図１、図２および図３を参照して、ブローキャビティ割型１０ａを説明する。ブローキャビティ割型１０ａは、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａの内壁３４に少なくとも部分的に接触する実質的に円筒状の外壁１２を有する。ブローキャビティ割型１０ａの外壁１２には周方向に延びる溝部１４が設けられている。溝部１４の周方向の一方の第１端部１４ａは外壁１２の縁で開放されている。第１端部１４ａはブローキャビティ割型ホルダ３０ａの第１縁部３６ａ側で開放されている、溝部１４の周方向の他方の第２端部１４ｂは外壁１２の縁まで延びずに閉鎖されている。図示される例では、第２端部１４ｂは外壁１２の周方向の略中央に設けられている。また図示される例では、溝部１４は中心軸Ｘの延びる方向に並んで少なくとも２つ設けられている。溝部１４の深さ量は、位置決め部材４０の突き出し量よりも小さくしてもよい。

　ブローキャビティ割型１０ａの外壁１２の周方向における縁のそれぞれには、凹部１６ａ，１６ｂが設けられている。ブローキャビティ割型ホルダ３０ａの第１縁部３６ａ側に設けられた第１凹部１６ａには、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａの突出部材３８ａの突出部３８ａａが配置される。ブローキャビティ割型ホルダ３０ａの第２縁部３６ｂ側に設けられた第２凹部１６ｂには、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａの押圧部材３８ｂの押圧部３８ｂａが配置される。ブローキャビティ割型ホルダ３０ａの押圧部材３８ｂの押圧部３８ｂａは、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａの第２凹部１６ｂに接触して、位置決め部材４０にブローキャビティ割型１０ａを押し付けている。

　ここで、図３および図５を参照して、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａにブローキャビティ割型１０ａを取り付ける態様を説明する。図５は、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａにブローキャビティ割型１０ａを取り付けている様子を示す図である。図５に示す状態では、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａの押圧部材３８ｂは、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａの内側に向かって突き出ない退避位置にある。押圧部材３８ｂが退避位置にあることで、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａの第２縁部３６ｂ側から、ブローキャビティ割型１０ａをブローキャビティ割型ホルダ３０ａの凹部３２に収容させることができる。また、ブローキャビティ割型１０ａの外壁１２に設けられた溝部１４に、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａの内壁３４に設けられた位置決め部材４０を通すことで、ブローキャビティ割型１０ａをブローキャビティ割型ホルダ３０ａの凹部３２にスムーズに収容させることができる。

　ブローキャビティ割型１０ａの溝部１４の第２端部１４ｂに位置決め部材４０が当接したところで、押圧部材３８ｂを回動させて、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａの内側に向かって突き出る押圧位置に切り替えることで、ブローキャビティ割型１０ａがブローキャビティ割型ホルダ３０ａに保持される（図３）。押圧部材３８ｂを押圧位置に切り替えることで、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａの押圧部材３８ｂの押圧部３８ｂａが、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａの第２凹部１６ｂに接触して、位置決め部材４０にブローキャビティ割型１０ａを押し付ける。この時、ブローキャビティ割型１０ａの溝部１４の第２端部１４ｂと、位置決め部材４０と、は、それぞれブローキャビティ割型１０ａの外壁１２およびブローキャビティ割型ホルダ３０ａの内壁３４の周方向における中央で接触している。

　続いて、図３および図６を参照して、ブロー成形用金型１の昇温前と昇温後の態様を説明する。図６は、ブロー成形用金型１をブロー成形温度まで昇温した状態における、ブローキャビティ割型１０ａおよびブローキャビティ割型ホルダ３０ａを示す図である。図３は、ブロー成形用金型１が昇温されていない状態を示す。本実施形態におけるブロー成形用金型１は容器をブロー成形する際に高温に設定される。ここでいう「高温」とは、例えば６０℃以上、８０℃以上、１００℃以上、１３０℃以上、１５０℃以上、１８０℃以上、および、２５０℃以下の態様を指す。このような高温状態ではブローキャビティ割型１０ａは熱膨張しうる。

　ブロー成形用金型１は、ブローキャビティ割型１０ａが昇温されていない未昇温状態において（図３）、ブローキャビティ割型１０ａが押圧部材３８ｂにより押圧されつつ、ブローキャビティ割型１０ａと突出部材３８ａとの間に隙間Ｓａが存在するように構成されている。そして、ブロー成形用金型１は、ブローキャビティ割型１０ａがブロー成形温度まで昇温された昇温状態において（図６）、ブローキャビティ割型１０ａが押圧部材３８ｂにより押圧されつつ、ブローキャビティ割型１０ａと突出部材３８ａとが接触するように構成されている。

　本実施形態において、ブローキャビティ割型１０ａは、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａの位置決め部材４０が、溝部１４の第２端部１４ｂに当接することで位置決めされている。そして、未昇温状態においてブローキャビティ割型１０ａの第１凹部１６ａと、突出部材３８ａの突出部３８ａａと、の間に隙間Ｓａが存在するように、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａに突出部材３８ａが設けられている。そして、昇温状態においてブローキャビティ割型１０ａの第１凹部１６ａと、突出部材３８ａの突出部３８ａａと、が接触するように、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａに突出部材３８ａが設けられている。

　また、未昇温状態においてブローキャビティ割型１０ａの第２凹部１６ｂと、押圧部材３８ｂのハウジング３８ｂｂと、の間に隙間Ｓｂが存在するように、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａに押圧部材３８ｂが設けられている。そして、昇温状態において押圧部３８ｂａがハウジング３８ｂｂに収容されて、ブローキャビティ割型１０ａの第２凹部１６ｂと、押圧部材３８ｂのハウジング３８ｂｂと、が接触するように、ブローキャビティ割型ホルダ３０ａに押圧部材３８ｂが設けられている。

　続いて、図７を参照して、本実施形態に係るブロー成形装置を説明する。図７は本実施形態に係るブロー成形装置１００を示す図である。ブロー成形装置１００は、ブロー成形部１１０を備える。ブロー成形部１１０は、ブロー成形用金型１を備える。

　詳細には、ブロー成形装置１００は、プリフォーム供給シューター１０２と、プリフォーム加熱部１０４と、プリフォーム供給ホイール１０６と、第１ブロー成形ロータリー部１１０ａと、中継ロータリー部１２０と、第２ブロー成形ロータリー部１１０ｂと、成形品取出ホイール１２２と、成形品取出レール１２４と、を備える。なお、ここに挙げた各種の構成については特開２０１０－０６４４５３号公報に開示される構成を適宜採用することができ、詳細な説明は省略する。なお、本実施形態ではブロー成形用金型１は１つの容器を成形するように構成されており、それに合わせて搬送手段も調整されている。

　本実施形態において、第１ブロー成形ロータリー部１１０ａおよび第２ブロー成形ロータリー部１１０ｂの少なくとも一方がブロー成形用金型１を備えてもよい。本実施形態において、第１ブロー成形ロータリー部１１０ａおよび第２ブロー成形ロータリー部１１０ｂの少なくとも一方が高温状態で成形品をブロー成形してもよい。

［作用・効果］
　上記ブロー成形用金型１は、一対のブローキャビティ割型１０と一対のブローキャビティ割型ホルダ３０と、を備える。ブローキャビティ割型ホルダ３０の内壁３４を挟むように位置する一対の縁部３６ａ，３６ｂでは、一方の第１縁部３６ａに突出部材３８ａが設けられ、他方の第２縁部３６ｂに押圧部材３８ｂが設けられている。押圧部材３８ｂがブローキャビティ割型１０をブローキャビティ割型ホルダ３０に向けて押圧することで、ブローキャビティ割型１０が熱膨張してもブローキャビティ割型１０の位置は大きく変位しない。そして、熱膨張したブローキャビティ割型１０は突出部材３８ａに接触することで、適正な位置でブローキャビティ割型ホルダ３０に保持される（図６）。これにより、安定したブロー成形を実現できる。

　また上記ブロー成形用金型１において、未昇温状態において、ブローキャビティ割型１０が押圧部材３８ｂにより押圧されつつ、ブローキャビティ割型１０と突出部材３８ａとの間に隙間Ｓａが存在する（図３）。これにより、ブローキャビティ割型１０の熱膨張による変位を突出部材３８ａ側に誘導できる。そして、昇温状態においてブローキャビティ割型１０と突出部材３８ａとが接触することで、ブローキャビティ割型１０をより適正な位置でブローキャビティ割型ホルダ３０に保持できる。

　また上記ブロー成形用金型１において、ブローキャビティ割型ホルダ３０の内壁３４にブローキャビティ割型１０を位置決めする位置決め部材４０が設けられている。これにより、押圧部材３８ｂが位置決め部材４０にブローキャビティ割型１０を押し付けることで、より適正な位置でブローキャビティ割型ホルダ３０にブローキャビティ割型１０を保持できる。

　また上記ブロー成形用金型１において、ブローキャビティ割型１０の外壁１２の溝部１４の第２端部１４ｂにブローキャビティ割型ホルダ３０の内壁３４の位置決め部材４０が接触している。これにより、より適正な位置でブローキャビティ割型ホルダ３０にブローキャビティ割型１０を保持できる。さらに、ブローキャビティ割型１０の外壁１２が周方向に延びる溝部１４を備えることで、例えば突出部材３８ａが固定された状態で押圧部材３８ｂによるブローキャビティ割型１０の押圧を解除してブローキャビティ割型１０の交換作業をする場合に、溝部１４を位置決め部材４０の通り道にすることで押圧部材３８ｂが設けられていた第２縁部３６ｂ側からブローキャビティ割型１０の取り付けおよび取り外しを容易に実行できる。これによりキャビティ型の交換作業の負担を軽減できる。

　また上記ブロー成形用金型１において、溝部１４の第１端部１４ａがブローキャビティ割型ホルダ３０の第１縁部３６ａ側で開放されている。これにより、第２縁部３６ｂ側からブローキャビティ割型１０の交換作業をする場合に、溝部１４を位置決め部材４０の通り道にすることでブローキャビティ割型１０の取り付けおよび取り外しを容易に実行できる。これにより金型の交換作業の負担をより軽減できる。

　また上記ブロー成形用金型１において、押圧部材３８ｂがブローキャビティ割型ホルダ３０の内側に向かって突き出る押圧位置と、ブローキャビティ割型ホルダ３０の内側に向かって突き出ない退避位置と、を切り替え可能に構成されている。これにより、キャビティ型の交換作業の負担を軽減できる。具体的には、キャビティ型の交換作業の際に押圧部材３８ｂを退避位置に切り替えることで交換を容易に行え、キャビティ型の交換作業が済んだ後で押圧部材３８ｂを押圧位置に切り替えることで、ブローキャビティ割型１０をブローキャビティ割型ホルダ３０の適正な位置に容易に保持できる。

　またブロー成形装置１００によれば、上記ブロー成形用金型１を備えることで、熱膨張するブローキャビティ割型１０をブローキャビティ割型ホルダ３０の適正な位置に保持して、安定したブロー成形を実現できる。

　なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。

　上記の実施形態において、押圧部材３８ｂを回動可能に構成することにより、押圧位置と退避位置とを切り替え可能である態様を説明したが、押圧部材３８ｂをスライド式にして押圧位置と退避位置とを切り替え可能にしてもよい。

　上記実施形態において、第１ブロー成形ロータリー部１１０ａおよび第２ブロー成形ロータリー部１１０ｂを備えるダブルブロー方式のブロー成形装置１００を説明したが、シングルブロー方式のブロー成形装置にブロー成形用金型１を採用してもよい。

　上記実施形態において、突出部３８ａａおよび押圧部材３８ｂがそれぞれ２つずつ設けられた態様を説明したが、設ける数は適宜変更可能である。また、上記実施形態において、溝部１４および位置決め部材４０がそれぞれ２つずつ設けられた態様を説明したが、適宜設ける数は変更可能である。溝部１４および位置決め部材４０は２以上設けると、熱膨張するブローキャビティ割型１０をブローキャビティ割型ホルダ３０に対してより適正な位置に保持できて好ましい。

　本願は、２０２１年４月３０日付で出願された日本国特許出願（特願２０２１－７７５８１）に基づいており、その全体が引用により援用される。また、ここに引用されるすべての参照は全体として取り込まれる。

１：ブロー成形用金型、１０，１０ａ：ブローキャビティ割型、１２：外壁、１４：溝部、１４ａ：第１端部、１４ｂ：第２端部、１６ａ：第１凹部、１６ｂ：第２凹部、３０，３０ａ：ブローキャビティ割型ホルダ、３２：凹部、３４：内壁、３６ａ：第１縁部、３６ｂ：第２縁部、３８ａ：突出部材、３８ａａ：突出部、３８ｂ：押圧部材、３８ｂａ：押圧部、３８ｂｂ：ハウジング、３８ｂｃ：締結部、４０：位置決め部材、１００：ブロー成形装置、１０２：プリフォーム供給シューター、１０４：プリフォーム加熱部、１０６：プリフォーム供給ホイール、１１０：ブロー成形部、１１０ａ：第１ブロー成形ロータリー部、１１０ｂ：第２ブロー成形ロータリー部、１２０：中継ロータリー部、１２２：成形品取出ホイール、１２４：成形品取出レール、Ｐ：パーティング面、Ｓａ：隙間、Ｓｂ：隙間、Ｘ：中心軸

Claims

　一対のブローキャビティ割型と、前記ブローキャビティ割型のうちの１つをそれぞれ保持する一対のブローキャビティ割型ホルダと、を備えるブロー成形用金型であって、
　前記ブローキャビティ割型ホルダは、その内側に前記ブローキャビティ割型を収容する凹部を構成する内壁と、前記ブローキャビティ割型のパーティング面と直交する方向から前記ブローキャビティ割型ホルダを見た時に前記内壁を挟むように位置する一対の縁部と、を有し、
　前記縁部の一方の第１縁部には前記ブローキャビティ割型ホルダの内側に向かって突き出る突出部材が設けられ、
　前記縁部の他方の第２縁部には前記ブローキャビティ割型を前記ブローキャビティ割型ホルダに向けて押圧する押圧部材が設けられている、
　ブロー成形用金型。
　前記ブローキャビティ割型が昇温されていない未昇温状態において、前記ブローキャビティ割型が前記押圧部材により押圧されつつ、前記ブローキャビティ割型と前記突出部材との間に隙間が存在するように構成され、
　前記ブローキャビティ割型がブロー成形温度まで昇温された昇温状態において、前記ブローキャビティ割型が前記押圧部材により押圧されつつ、前記ブローキャビティ割型と前記突出部材とが接触するように構成されている、
　請求項１に記載のブロー成形用金型。
　前記ブローキャビティ割型は前記ブローキャビティ割型ホルダの前記内壁に少なくとも部分的に接触する外壁を有し、
　前記ブローキャビティ割型ホルダの前記内壁には、前記ブローキャビティ割型の前記外壁と接触して前記ブローキャビティ割型を位置決めする位置決め部材が設けられ、
　前記押圧部材は前記位置決め部材に前記ブローキャビティ割型を押し付けている、
　請求項１または請求項２に記載のブロー成形用金型。
　前記ブローキャビティ割型ホルダの前記内壁および前記ブローキャビティ割型の前記外壁は実質的に円筒状であり、
　前記ブローキャビティ割型の前記外壁には周方向に延びる溝部が設けられ、
　前記溝部の前記周方向の一方の第１端部は前記外壁の縁で開放されており、
　前記溝部の前記周方向の他方の第２端部は前記外壁の縁まで延びずに閉鎖されており、
　前記第２端部が前記位置決め部材に接触している、
　請求項３に記載のブロー成形用金型。
　前記溝部の前記第１端部は前記ブローキャビティ割型ホルダの前記第１縁部側で開放されている、
　請求項４に記載のブロー成形用金型。
　前記押圧部材が、前記ブローキャビティ割型ホルダの内側に向かって突き出る押圧位置と、前記ブローキャビティ割型ホルダの内側に向かって突き出ない退避位置と、を切り替え可能に構成されている、
　請求項１から請求項５のいずれか一項に記載のブロー成形用金型。
　ブロー成形部を備える、樹脂製容器をブロー成形するためのブロー成形装置であって、
　前記ブロー成形部が、請求項１から請求項６のいずれか一項に記載のブロー成形用金型を備える、
　ブロー成形装置。