WO2022230087A1

WO2022230087A1 - 香味吸引器および喫煙システム

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Publication number: WO2022230087A1
Application number: PCT/JP2021/016900
Authority: WO
Inventors: 干城隅井; 哲哉吉村; 学山田
Original assignee: 日本たばこ産業株式会社
Priority date: 2021-04-28
Filing date: 2021-04-28
Publication date: 2022-11-03
Also published as: TW202241284A

Abstract

香味発生物品に応力が作用した場合であっても、香味発生物品の揺れを抑制して、香味発生物品がチャンバから抜けることを防止する。香味吸引器は、一端に第１開口が形成され、第１開口を介して香味発生物品の少なくとも一部を収容する収容部であって、収容部は、収容された香味発生物品の一部を収容部の軸方向に沿って押圧する接触部と、収容された香味発生物品から離間する離間部と、を含む、収容部と、第１開口に対応して設けられ、香味発生物品が挿入される第２開口と、接触部によって押圧される香味発生物品の挿入側の端部と第２開口との間に設けられ、香味発生物品を支持する支持部と、を備える。

Description

香味吸引器および喫煙システム

　本発明は、香味吸引器および喫煙システムに関する。

　従来、材料の燃焼をすることなく香味等を吸引するための香味吸引器が知られている。このような香味吸引器として、例えば、挿入された香味発生物品を圧縮して保持する非円形形状のチャンバを備えたものが知られている（例えば、特許文献１参照）。この香味吸引器では、挿入された香味発生物品をチャンバで圧縮して保持することにより、香味発生物品の脱落を防止している。

中国実用新案第２０５０５２８８１号明細書

　しかしながら、特許文献１に記載された香味吸引器では、チャンバに保持される香味発生物品の端部とチャンバを収容するハウジングの開口とが離間している。そのため、香味発生物品に意図しない応力が作用した場合、この離間する領域において、チャンバに保持される香味発生物品の端部を支点として香味発生物品の揺れが発生し、揺れに応じて香味発生物品がチャンバから徐々に抜けるおそれがある。

　本発明は、上記のような課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、香味発生物品に応力が作用した場合であっても、香味発生物品の揺れを抑制して、香味発生物品がチャンバから抜けることを防止することができる香味吸引器を得ることを目的とする。

　本発明の第１形態では、香味吸引器が提供される。この香味吸引器は、一端に第１開口が形成され、第１開口を介して香味発生物品の少なくとも一部を収容する収容部であって、収容部は、収容された香味発生物品の一部を収容部の軸方向に沿って押圧する接触部と、収容された香味発生物品から離間する離間部と、を含む、収容部と、第１開口に対応して設けられ、香味発生物品が挿入される第２開口と、接触部によって押圧される香味発生物品の挿入側の端部と第２開口との間に設けられ、香味発生物品を支持する支持部と、を備える。

　本発明の第１形態によれば、接触部によって押圧される香味発生物品の挿入側の端部と第２開口との間に、香味発生物品を支持する支持部を設けることにより、香味発生物品の揺れの支点を支持部とすること、すなわち支点を第２開口側に移動させることができる。そのため、香味発生物品に応力が作用した場合であっても、香味発生物品の揺れを抑制して、香味発生物品が収容部から抜けることを防止することができる。

　本発明の第２形態では、第１形態において、接触部の外面に配置され、収容部に収容された香味発生物品を加熱する加熱部をさらに備え、支持部は、収容部の軸方向から見た場合に、加熱部の加熱領域に対応する箇所またはその近傍に設けられる。

　本発明の第２形態によれば、収容部の軸方向から見た場合に、加熱部の加熱領域に対応する箇所またはその近傍に支持部を設けることにより、香味発生物品を十分に加熱させつつ、香味発生物品に応力が作用した場合であっても、香味発生物品の揺れを抑制して、香味発生物品が収容部から抜けることを防止することができる。

　本発明の第３形態では、第２形態において、接触部および離間部は、収容部の軸方向に直交する断面において、収容部の非円形の内周面を構成し、支持部は、収容部の軸方向に直交する断面において、押圧されていない状態の香味発生物品の外周円と収容部の内周面との交差部分に対応する箇所に複数設けられる。

　本発明の第３形態によれば、収容部の軸方向に直交する断面において、押圧されていない状態の香味発生物品の外周円と収容部の内周面との交差部分に対応する箇所に支持部を複数設けることにより、複数の方向から香味発生物品に応力が作用した場合であっても、香味発生物品の揺れを抑制して、香味発生物品が収容部から抜けることを防止することができる。

　本発明の第４形態では、第３形態において、支持部は、香味発生物品と対向する突起であり、突起の頂点は、収容部の軸方向から見た場合に、一部が交差部分と一致する。

　本発明の第４形態によれば、収容部の軸方向から見た場合に、突起の頂点を、その一部が交差部分と一致するよう配置することにより、収容された香味発生物品が突起と当接するので、香味発生物品に応力が作用した場合であっても、香味発生物品の揺れをより抑制することができ、香味発生物品が収容部から抜けることを防止することができる。

　本発明の第５形態では、第３形態または第４形態において、複数の支持部は、収容部の軸方向に直交する同一平面上に設けられる。

　本発明の第５形態によれば、複数の支持部を、収容部の軸方向に直交する同一平面上に設けることにより、支持部で香味発生物品を安定して支持することができる。

　本発明の第６形態では、第１形態から第５形態までのいずれかにおいて、収容部の第１開口側に設けられ、香味発生物品を収容部に導くガイド部をさらに備え、第２開口は、ガイド部の開口であり、支持部は、ガイド部に設けられる。

　本発明の第６形態によれば、収容部の第１開口側にガイド部を設け、第２開口をガイド部の開口とし、ガイド部に支持部を設けることにより、第２開口や支持部のためだけに新たな部材を追加する必要がなく、香味吸引器の構成を簡素化することができる。

　本発明の第７形態では、第６形態において、支持部は、ガイド部の収容部とは反対側の端部に設けられる。

　本発明の第７形態によれば、ガイド部の収容部とは反対側の端部に支持部を設けることにより、香味発生物品の揺れの支点を第２開口側に移動させることができるので、香味発生物品に応力が作用した場合であっても、香味発生物品の揺れを抑制して、香味発生物品が収容部から抜けることを防止することができる。

　本発明の第８形態では、喫煙システムが提供される。この喫煙システムは、香味吸引器と香味発生物品とを備え、香味吸引器は、一端に第１開口が形成され、第１開口を介して香味発生物品の少なくとも一部を収容する収容部であって、収容部は、収容された香味発生物品の一部を収容部の軸方向に沿って押圧する接触部と、収容された香味発生物品から離間する離間部と、を含む、収容部と、第１開口に対応して設けられ、香味発生物品が挿入される第２開口と、接触部によって押圧される香味発生物品の挿入側の端部と第２開口との間に設けられ、香味発生物品を支持する支持部と、を有する。

　本発明の第８形態によれば、接触部によって押圧される香味発生物品の挿入側の端部と第２開口との間に、香味発生物品を支持する支持部を設けることにより、香味発生物品の揺れの支点を支持部とすること、すなわち支点を第２開口側に移動させることができる。そのため、香味発生物品に応力が作用した場合であっても、香味発生物品の揺れを抑制して、香味発生物品が収容部から抜けることを防止することができる。

　本発明の第９形態では、第８形態において、接触部の外面に配置され、収容部に収容された香味発生物品を加熱する加熱部をさらに備え、支持部は、収容部の軸方向から見た場合に、加熱部の加熱領域に対応する箇所またはその近傍に設けられる。

　本発明の第９形態によれば、収容部の軸方向から見た場合に、加熱部の加熱領域に対応する箇所またはその近傍に支持部を設けることにより、香味発生物品を十分に加熱させつつ、香味発生物品の揺れを抑制して、香味発生物品が収容部から抜けることを防止することができる。

　本発明の第１０形態では、第９形態において、接触部および離間部は、収容部の軸方向に直交する断面において、収容部の非円形の内周面を構成し、支持部は、収容部の軸方向に直交する断面において、押圧されていない状態の香味発生物品の外周円と収容部の内周面との交差部分に対応する箇所に複数設けられる。

　本発明の第１０形態によれば、収容部の軸方向に直交する断面において、押圧されていない状態の香味発生物品の外周円と収容部の内周面との交差部分に対応する箇所に支持部を複数設けることにより、複数の方向から香味発生物品に応力が作用した場合であっても、香味発生物品の揺れを抑制して、香味発生物品が収容部から抜けることを防止することができる。

　本発明の第１１形態では、第１０形態において、支持部は、香味発生物品と対向する突起であり、突起の頂点は、収容部の軸方向から見た場合に、一部が交差部分と一致する。

　本発明の第１１形態によれば、収容部の軸方向から見た場合に、突起の頂点を、その一部が交差部分と一致するよう配置することにより、収容された香味発生物品が突起と当接するので、香味発生物品に応力が作用した場合であっても、香味発生物品の揺れをより抑制することができ、香味発生物品が収容部から抜けることを防止することができる。

　本発明の第１２形態では、第１０形態または第１１形態において、複数の支持部は、収容部の軸方向に直交する同一平面上に設けられる。

　本発明の第１２形態によれば、複数の支持部を、収容部の軸方向に直交する同一平面上に設けることにより、支持部で香味発生物品を安定して支持することができる。

本実施形態に係る香味吸引器の概略正面図である。本実施形態に係る香味吸引器の概略上面図である。本実施形態に係る香味吸引器の概略底面図である。香味発生物品の概略側断面図である。図１Ｂに示した矢視３－３における香味吸引器の断面図である。チャンバの斜視図である。図４Ａに示す矢視４Ｂ－４Ｂにおけるチャンバの断面図である。図４Ｂに示す矢視５Ａ－５Ａにおけるチャンバの断面図である。図４Ｂに示す矢視５Ｂ－５Ｂにおけるチャンバの断面図である。チャンバおよび加熱部の斜視図である。チャンバ内の所望の位置に香味発生物品が配置された状態の図５Ｂに示す断面図である。第２保持部を、挿入ガイド部材およびチャンバに挿入された香味発生物品とともに示す拡大断面図である。挿入ガイド部材を示す斜視図である。挿入ガイド部材を示す平面図である。チャンバの長手方向から見た場合における、押圧されていない状態の香味発生物品の外周円と、チャンバの内周面と、挿入ガイド部材の支持部との関係を示す模式図である。チャンバの長手方向から見た場合における、押圧されていない状態の香味発生物品の外周円と、チャンバの内周面と、挿入ガイド部材の支持部との関係を示す別の模式図である。挿入ガイド部材を示す断面図である。

　以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一のまたは相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。

　図１Ａは、本実施形態に係る香味吸引器１００の概略正面図である。図１Ｂは、本実施形態に係る香味吸引器１００の概略上面図である。図１Ｃは、本実施形態に係る香味吸引器１００の概略底面図である。本明細書で説明する図面においては、説明の便宜のためにＸ－Ｙ－Ｚ直交座標系を付することがある。この座標系において、Ｚ軸は鉛直上方を向いており、Ｘ－Ｙ平面は香味吸引器１００を水平方向に切断するように配置されており、Ｙ軸は香味吸引器１００の正面から裏面へ延出するように配置されている。Ｚ軸は、後述する霧化部３０のチャンバ５０に収容される香味発生物品の挿入方向、またはチャンバ５０の軸方向ということもできる。また、Ｘ軸は、Ｙ軸およびＺ軸に直交する方向である。

　本実施形態に係る香味吸引器１００は、例えば、エアロゾル源を含んだ香味源を有するスティック型の香味発生物品を加熱することで、香味を含むエアロゾルを生成するように構成される。

　図１Ａから図１Ｃに示すように、香味吸引器１００は、アウタハウジング１０１（ハウジングの一例に相当する）と、スライドカバー１０２と、スイッチ部１０３と、端子１０４と、を有する。アウタハウジング１０１は、香味吸引器１００の最外のハウジングを構成し、ユーザの手に収まるようなサイズを有する。ユーザが香味吸引器１００を使用する際は、香味吸引器１００を手で保持して、エアロゾルを吸引することができる。アウタハウジング１０１は、複数の部材を組み立てることによって構成されてもよい。アウタハウジング１０１は、例えばアルミニウム等の金属で形成され得る。なお、アウタハウジング１０１は、樹脂製、例えばポリカーボネート（ＰＣ）、ＡＢＳ（Ａｃｒｙｌｏｎｉｔｒｉｌｅ－Ｂｕｔａｄｉｅｎｅ－Ｓｔｙｒｅｎｅ）樹脂、ＰＥＥＫ（ポリエーテルエーテルケトン）または複数種類のポリマーを含有するポリマーアロイ等で形成された部材を有していてもよい。

　アウタハウジング１０１は、香味発生物品を受け入れるための開口１０１ａ（第２開口の一例に相当する）を有し、スライドカバー１０２は、この開口１０１ａを閉じるようにアウタハウジング１０１にスライド可能に取り付けられる。具体的には、スライドカバー１０２は、アウタハウジング１０１の開口１０１ａを閉鎖する閉位置（図１Ａおよび図１Ｂに示す位置）と、開口１０１ａを開放する開位置との間を、アウタハウジング１０１の外表面に沿って移動可能に構成される。例えば、ユーザがスライドカバー１０２を手動で操作することにより、スライドカバー１０２を閉位置と開位置とに移動させることができる。これにより、スライドカバー１０２、香味吸引器１００の内部への香味発生物品のアクセスを許可または制限することができる。なお、アウタハウジング１０１の開口１０１ａは、後述するチャンバ５０の開口５２に対応して外部に開口している。

　スイッチ部１０３は、香味吸引器１００の作動のオンとオフとを切り替えるために使用される。例えば、ユーザは、香味発生物品を香味吸引器１００に挿入した状態でスイッチ部１０３を操作することで、図示しない加熱部に図示しない電源から電力が供給され、香味発生物品を燃焼させずに加熱することができる。なお、スイッチ部１０３は、アウタハウジング１０１の外部に設けられるスイッチであってもよいし、アウタハウジング１０１の内部に位置するスイッチであってもよい。スイッチがアウタハウジング１０１の内部に位置する場合、アウタハウジング１０１の表面のスイッチ部１０３を押下することで、間接的にスイッチが押下される。本実施形態では、スイッチ部１０３のスイッチがアウタハウジング１０１の内部に位置する例を説明する。

　端子１０４は、香味吸引器１００を例えば外部電源と接続するＵＳＢ等のインターフェースである。香味吸引器１００が備える電源が充電式バッテリである場合は、端子１０４に外部電源を接続することで、外部電源が電源に電流を流し、電源を充電することができる。また、香味吸引器１００は、端子１０４にデータ送信ケーブルを接続することにより、香味吸引器１００の作動に関連するデータを外部装置に送信できるように構成され得る。

　次に、本実施形態に係る香味吸引器１００で使用される香味発生物品について説明する。図２は、香味発生物品１１０の概略側断面図である。本実施形態において、香味吸引器１００と香味発生物品１１０とにより喫煙システムが構成され得る。図２に示す例においては、香味発生物品１１０は、喫煙可能物１１１と、筒状部材１１４と、中空フィルタ部１１６と、フィルタ部１１５と、を有する。

　喫煙可能物１１１は、第１の巻紙１１２によって巻装される。筒状部材１１４、中空フィルタ部１１６、およびフィルタ部１１５は、第１の巻紙１１２とは異なる第２の巻紙１１３によって巻装される。第２の巻紙１１３は、喫煙可能物１１１を巻装する第１の巻紙１１２の一部も巻装する。これにより、筒状部材１１４、中空フィルタ部１１６、およびフィルタ部１１５と喫煙可能物１１１とが連結される。ただし、第２の巻紙１１３が省略され、第１の巻紙１１２を用いて筒状部材１１４、中空フィルタ部１１６、およびフィルタ部１１５と喫煙可能物１１１とが連結されてもよい。第２の巻紙１１３のフィルタ部１１５側の端部近傍の外面には、ユーザの唇を第２の巻紙１１３から離しやすくするためのリップリリース剤１１７が塗布される。香味発生物品１１０のリップリリース剤１１７が塗布される部分は、香味発生物品１１０の吸口として機能する。なお、中空フィルタ部１１６には、中空フィルタ部１１６の周方向に同心状に開孔が設けられてもよい。この開孔は、ユーザの吸引による外部からの空気の流入を促進させるためのものであり、開孔から流入する空気により、香味発生物品１１０から流入する成分や空気の温度を下げることができる。

　喫煙可能物１１１は、例えばたばこ等の香味源と、エアロゾル源とを含み得る。また、喫煙可能物１１１を巻く第１の巻紙１１２は、通気性を有するシート部材であり得る。筒状部材１１４は、紙管または中空フィルタであり得る。図示の例では、香味発生物品１１０は、喫煙可能物１１１、筒状部材１１４、中空フィルタ部１１６、およびフィルタ部１１５を備えているが、香味発生物品１１０の構成はこれに限られない。例えば、中空フィルタ部１１６が省略され、筒状部材１１４とフィルタ部１１５とが互いに隣接配置されてもよい。

　次に、香味吸引器１００の内部構造について説明する。図３は、図１Ｂに示した矢視３－３における香味吸引器１００の断面図である。図３に示すように、香味吸引器１００のアウタハウジング１０１の内側には、後述する電源部２０や霧化部３０等の被収容物が載置される載置部１０が設けられる。載置部１０は、例えば樹脂製であり、特に、ポリカーボネート（ＰＣ）、ＡＢＳ（Ａｃｒｙｌｏｎｉｔｒｉｌｅ－Ｂｕｔａｄｉｅｎｅ－Ｓｔｙｒｅｎｅ）樹脂、ＰＥＥＫ（ポリエーテルエーテルケトン）または複数種類のポリマーを含有するポリマーアロイ等で形成され得る。なお、載置部１０は、例えばアルミニウム等の金属で形成された部分を含んでいてもよい。ここで、耐熱性や加工性、強度の観点から、載置部１０は、ポリカーボネートであることが好ましい。載置部１０の内部空間には、電源部２０と、霧化部３０と、が設けられる。なお、電源部２０および霧化部３０は、香味吸引器１００が組み立てられた後は、交換不可能である。また、アウタハウジング１０１と載置部１０とを合わせて筐体と呼ぶことがある。

　電源部２０は、電源２１を有する。電源２１は、例えば、充電式バッテリまたは非充電式のバッテリであり得る。電源２１は、霧化部３０と電気的に接続される。これにより、電源２１は、香味発生物品１１０を適切に加熱するように、霧化部３０に電力を供給することができる。

　霧化部３０は、図示のように、香味発生物品１１０の挿入方向（Ｚ軸方向）に延びるチャンバ５０（収容部の一例に相当する）と、チャンバ５０の一部を覆う加熱部４０と、断熱部３２と、略筒状の挿入ガイド部材７０（ガイド部の一例に相当する）と、を有する。チャンバ５０は、香味発生物品１１０を収容するように構成される。加熱部４０は、チャンバ５０の外周面に接触し、チャンバ５０に収容された香味発生物品１１０を加熱するように構成される。図示のように、チャンバ５０の底部には、底部材３６が設けられていてもよい。底部材３６は、チャンバ５０に挿入された香味発生物品１１０を位置決めするストッパとして機能し得る。底部材３６は、香味発生物品１１０が当接する面に凹凸を有し、香味発生物品１１０が当接する面に空気を供給可能な空間を画定し得る。底部材３６は、例えば樹脂製であり、特に、ポリカーボネート（ＰＣ）、ＡＢＳ（Ａｃｒｙｌｏｎｉｔｒｉｌｅ－Ｂｕｔａｄｉｅｎｅ－Ｓｔｙｒｅｎｅ）樹脂、ＰＥＥＫ（ポリエーテルエーテルケトン）または複数種類のポリマーを含有するポリマーアロイ等、あるいは、アルミニウム等の金属で形成され得る。なお、底部材３６は、断熱部３２等に熱が伝わることを抑制するために、熱伝導率の小さい素材で形成されることが好ましい。

　断熱部３２は、全体として略筒状であり、チャンバ５０を覆うように配置される。断熱部３２は、例えばエアロゲルシートを含み得る。挿入ガイド部材７０は、アウタハウジング１０１とチャンバ５０との間に設けられる。挿入ガイド部材７０は、アウタハウジング１０１の開口１０１ａから筐体内に差し込まれると、爪が筐体に係合し、筐体外に脱出不能に構成されている。挿入ガイド部材７０は、例えば樹脂製であり、特に、ポリカーボネート（ＰＣ）、ＡＢＳ（Ａｃｒｙｌｏｎｉｔｒｉｌｅ－Ｂｕｔａｄｉｅｎｅ－Ｓｔｙｒｅｎｅ）樹脂、ＰＥＥＫ（ポリエーテルエーテルケトン）または複数種類のポリマーを含有するポリマーアロイ等で形成され得る。なお、挿入ガイド部材７０は、金属やガラス、セラミック等で形成されてもよい。また、耐熱性の観点から、挿入ガイド部材７０は、ＰＥＥＫであることが好ましい。挿入ガイド部材７０は、スライドカバー１０２が開位置にあるときに、香味吸引器１００の外部と連通し、香味発生物品１１０を挿入ガイド部材７０の貫通孔７０ａ（第２開口の一例に相当する）に挿入することで、チャンバ５０への香味発生物品１１０の挿入を案内する。スライドカバー１０２は、開位置にあるときに、挿入ガイド部材７０の貫通孔７０ａを外部に露見させつつ、チャンバ５０の軸方向において挿入ガイド部材７０の少なくとも一部を覆うように構成されている。なお、貫通孔７０ａは、後述するチャンバ５０の開口５２に対応して設けられている。挿入ガイド部材７０の貫通孔７０ａを第２開口として用いることにより、第２開口のためだけに新たな部材を追加する必要がなく、香味吸引器１００の構成を簡素化することができる。図３において、スライドカバー１０２が挿入ガイド部材７０の貫通孔７０ａの全体を覆うように閉じている状態を２点鎖線で示す。

　香味吸引器１００は、さらに、チャンバ５０および断熱部３２の両端を保持する、第１保持部３７と、第２保持部３８とを有する。第１保持部３７は、チャンバ５０および断熱部３２のＺ軸負方向側の端部を保持するように配置される。第２保持部３８は、チャンバ５０および断熱部３２のスライドカバー１０２側（Ｚ軸正方向側）の端部を保持するように配置される。第２保持部３８についての詳細は後述する。

　次に、チャンバ５０の構造について説明する。図４Ａは、チャンバ５０の斜視図である。図４Ｂは、図４Ａに示す矢視４Ｂ－４Ｂにおけるチャンバ５０の断面図である。図５Ａは、図４Ｂに示す矢視５Ａ－５Ａにおけるチャンバ５０の断面図である。図５Ｂは、図４Ｂに示す矢視５Ｂ－５Ｂにおけるチャンバ５０の断面図である。図６は、チャンバ５０および加熱部４０の斜視図である。

　図４Ａおよび図４Ｂに示すように、チャンバ５０は、香味発生物品１１０が挿入される開口５２（第１開口の一例に相当する）と、香味発生物品１１０を収容する筒状の側壁部６０と、を含む筒状形状を有し得る。チャンバ５０の開口５２を画定する端部には、フランジ部５２ａが形成される。チャンバ５０は、底部５６の反対側に設けられたフランジ部５２ａがアウタハウジング１０１の開口１０１ａを向くように配置される。チャンバ５０は、耐熱性を有し、熱膨張率の小さい素材で形成されることが好ましく、例えば、ステンレス鋼等で形成され得る。なお、チャンバ５０は、金属の他、ＰＥＥＫ等の樹脂や、ガラス、セラミック等で形成されてもよい。これにより、チャンバ５０から香味発生物品１１０へ効果的な加熱が可能になる。なお、チャンバ５０は、筒状形状に限定されず、カップ形状を有していてもよい。

　図４Ｂおよび図５Ｂに示すように、側壁部６０は、接触部６２と、離間部６６と、を含む。香味発生物品１１０がチャンバ５０内の所望の位置に配置されたとき、接触部６２は、チャンバ５０の軸方向に沿って香味発生物品１１０の一部と接触または押圧し、離間部６６は、香味発生物品１１０から離間する。すなわち、チャンバ５０は、挿入された香味発生物品１１０を圧縮して保持する。なお、本明細書において、「チャンバ５０内の所望の位置」とは、香味発生物品１１０が適切に加熱される位置、またはユーザが喫煙するときの香味発生物品１１０の位置をいう。接触部６２は、内面６２ａと、外面６２ｂとを有する。離間部６６は、内面６６ａと、外面６６ｂとを有する。図６に示すように、加熱部４０は、接触部６２の外面６２ｂに配置される。加熱部４０は、接触部６２の外面６２ｂに隙間なく配置されることが好ましい。なお、加熱部４０は接着層を含んでもよい。その場合、接着層を含む加熱部４０が、接触部６２の外面６２ｂに隙間なく配置されることが好ましい。

　図４Ａおよび図５Ｂに示すように、接触部６２の外面６２ｂは平面である。接触部６２の外面６２ｂが平面であることにより、図６に示すように接触部６２の外面６２ｂに配置される加熱部４０に帯状の電極４８が接続されている場合に、帯状の電極４８が撓むことを抑制することができる。図４Ｂおよび図５Ｂに示すように、接触部６２の内面６２ａは平面である。また、図４Ｂおよび図５Ｂに示すように、接触部６２の厚みは均一である。

　図４Ａ、図４Ｂおよび図５Ｂに示すように、チャンバ５０は、接触部６２をチャンバ５０の周方向に２つ有し、２つの接触部６２は、互いに平行になるように対向する。２つの接触部６２の内面６２ａ間の少なくとも一部の距離は、チャンバ５０に挿入される香味発生物品１１０の接触部６２間に配置される箇所の幅よりも小さいことが好ましい。

　図５Ｂに示すように、離間部６６の内面６６ａは、チャンバ５０の長手方向（Ｚ軸方向）に直交する断面において、全体的に円弧状の断面を有し得る。また、離間部６６は、接触部６２と周方向において隣接するように配置される。すなわち、接触部６２および離間部６６は、チャンバ５０の長手方向（Ｚ軸方向）に直交する断面において、非円形の内周面を構成する。

　図４Ｂに示すように、チャンバ５０は図３に示した底部材３６が貫通してチャンバ５０内部に配置されるように、その底部５６に孔５６ａを有し得る。底部材３６は、チャンバ５０の底部５６の内部に接着剤等により固定され得る。なお、底部材３６と底部５６との間に介在する接着剤は、エポキシ樹脂等の樹脂材料で構成され得る。また、これに代えて、セメントや溶接等、無機の接着剤も用いられ得る。底部５６に設けられる底部材３６は、香味発生物品１１０の端面の少なくとも一部を露出するように、チャンバ５０に挿入された香味発生物品１１０の一部を支持し得る。また、底部５６は、露出した香味発生物品１１０の端面が後述する空隙６７（図７参照）と連通するように、香味発生物品１１０の一部を支持し得る。

　図４Ａ、図４Ｂおよび図５Ａに示すように、チャンバ５０は、開口５２と側壁部６０との間に筒状の非保持部５４を有することが好ましい。香味発生物品１１０がチャンバ５０の所望の位置に位置決めされた状態において、非保持部５４と香味発生物品１１０との間に隙間が形成され得る。また、図４Ａおよび図４Ｂに示すように、チャンバ５０は、非保持部５４の内面と接触部６２の内面６２ａとを接続するテーパ面５８ａを備えた第１ガイド部５８を有することが好ましい。

　図６に示すように、加熱部４０は、加熱要素４２を有する。加熱要素４２は、例えばヒーティングトラックであってもよい。加熱要素４２は、チャンバ５０の離間部６６に接触せず、接触部６２を加熱するように配置されることが好ましい。言い換えれば、加熱要素４２は、接触部６２の外面にのみ配置されることが好ましい。加熱要素４２は、チャンバ５０の離間部６６を加熱する部分と、接触部６２を加熱する部分とで、加熱能力に差を有していてもよい。具体的には、加熱要素４２は、離間部６６よりも接触部６２を高い温度に加熱するように構成されていてもよい。例えば、接触部６２と離間部６６とにおける加熱要素４２のヒーティングトラックの配置密度が調整され得る。また、加熱要素４２は、チャンバ５０の全周において略同一の加熱能力を有して、チャンバ５０の外周に巻回されてもよい。図６に示すように、加熱部４０は、加熱要素４２に加えて、加熱要素４２の少なくとも一面を覆う電気絶縁部材４４を有することが好ましい。本実施形態においては、電気絶縁部材４４は加熱要素４２の両面を覆う様に配置される。

　図７は、チャンバ５０内の所望の位置に香味発生物品１１０が配置された状態の図５Ｂに示す断面図である。図７に示すように、香味発生物品１１０がチャンバ５０内の所望の位置に配置されると、香味発生物品１１０はチャンバ５０の接触部６２と接触して押圧され得る。他方、香味発生物品１１０と離間部６６との間には、空隙６７が形成される。空隙６７は、チャンバ５０の開口５２と、チャンバ５０内に位置づけられた香味発生物品１１０の端面と連通し得る。これにより、チャンバ５０の開口５２から流入した空気は、空隙６７を通過して、香味発生物品１１０の内部に流入することができる。言い換えれば、香味発生物品１１０と離間部６６との間に空気流路（空隙６７）が形成される。

　次に、チャンバ５０および断熱部３２を保持する第２保持部３８の構造について説明する。図８は、第２保持部３８を、挿入ガイド部材７０およびチャンバ５０に挿入された香味発生物品１１０とともに示す拡大断面図である。

　図８に示すように、第２保持部３８は、ガスケット８０と、円環部材９０と、を有する。ガスケット８０は、チャンバ５０の非保持部５４の周囲に配置され、チャンバ５０を支持するように構成される。ガスケット８０は、例えば樹脂製であり、特に、ポリカーボネート（ＰＣ）、ＡＢＳ（Ａｃｒｙｌｏｎｉｔｒｉｌｅ－Ｂｕｔａｄｉｅｎｅ－Ｓｔｙｒｅｎｅ）樹脂、ＰＥＥＫ（ポリエーテルエーテルケトン）または複数種類のポリマーを含有するポリマーアロイ等から形成され得る。なお、ガスケット８０は、金属やガラス、セラミック等で形成されてもよい。また、耐熱性の観点から、ガスケット８０は、ＰＥＥＫであることが好ましい。

　円環部材９０は、挿入ガイド部材７０およびガスケット８０と係合してこれらを支持するように構成される。円環部材９０は、例えばシリコーンゴム等の弾性部材で形成され得る。なお、シリコーンゴムを用いる場合、好適なショアＡ硬度の範囲は、４０～６０であり、円環部材９０の変形に応じて適宜選択可能である。また、円環部材９０は、図示しないインナハウジングに固定された固定部に位置決め固定されるよう構成される。また、チャンバ５０のフランジ部５２ａは、全周にわたって挿入ガイド部材７０の貫通孔７０ａとは反対側と当接するよう構成される。ここで、ガスケット８０および円環部材９０は、挿入ガイド部材７０の中心軸とチャンバ５０の中心軸とを一致させるように機能する。

　なお、挿入ガイド部材７０は、貫通孔７０ａに近づくに従い挿入ガイド部材７０の中心軸から離れるように傾斜する第１傾斜部７５と、貫通孔７０ａから遠ざかるに従い挿入ガイド部材７０の中心軸から離れるように傾斜する第２傾斜部７６とを有する。ここで、香味発生物品１１０がチャンバ５０に挿入された状態において、第１傾斜部７５と第２傾斜部７６とが連続する部分は、香味発生物品１１０の中空フィルタ部１１６に設けられた開孔よりもチャンバ５０側に位置する。

　上述したように、チャンバ５０に挿入された香味発生物品１１０は、チャンバ５０の接触部６２によって押圧されることにより、圧縮されて保持される。ここで、香味発生物品１１０のアウタハウジング１０１から突出している部分に力がかかると、香味発生物品１１０に応力が作用することがある。この場合、接触部６２の挿入ガイド部材７０側の端部を支点として香味発生物品１１０にＸ軸方向の揺れが発生し、揺れに応じて香味発生物品１１０がチャンバ５０から徐々に抜けることがある。

　そこで、香味発生物品１１０の揺れを抑制するために、挿入ガイド部材７０には、香味発生物品１１０を支持するための支持部７４が設けられている。支持部７４は、接触部６２の挿入ガイド部材７０側の端部、すなわち接触部６２によって押圧される香味発生物品１１０の挿入側の端部と挿入ガイド部材７０の貫通孔７０ａとの間に設けられている。そのため、香味発生物品１１０の揺れの支点を支持部７４とすること、すなわち支点を挿入ガイド部材７０の貫通孔７０ａ側に移動させることができる。これにより、香味発生物品１１０に応力が作用した場合であっても、香味発生物品１１０の揺れを抑制して、香味発生物品１１０がチャンバ５０から抜けることを防止することができる。また、挿入ガイド部材７０に支持部７４を設けることにより、支持部のためだけに新たな部材を追加する必要がなく、香味吸引器１００の構成を簡素化することができる。なお、挿入ガイド部材７０は、必ずしも設けられる必要はなく、挿入ガイド部材７０が設けられない場合、アウタハウジング１０１の開口１０１ａの近傍に支持部が設けられてもよい。

　以下、挿入ガイド部材７０に設けられる支持部７４について詳細に説明する。図９は、挿入ガイド部材７０を示す斜視図である。図１０は、挿入ガイド部材７０を示す平面図である。図１１は、チャンバ５０の長手方向（Ｚ軸方向）から見た場合における、押圧されていない状態の香味発生物品１１０の外周円と、チャンバ５０の内周面と、挿入ガイド部材７０の支持部７４との関係を示す模式図である。

　図９および図１０に示すように、挿入ガイド部材７０は、貫通孔７０ａを有する筒状の本体部７１と、アウタハウジング１０１の開口１０１ａ側に拡管された拡管部７２と、筐体と係合する爪７３と、拡管部７２に設けられた４つの支持部７４と、を有する。また、図１１において、押圧されていない状態の香味発生物品１１０の外周円を破線で示し、チャンバ５０の内周面を実線で示している。また、接触部６２の外面には、加熱部４０（図６参照）が配置されている。ここで、チャンバ５０の長手方向（Ｚ軸方向）から見た場合において、接触部６２の外面と、押圧されていない状態の香味発生物品１１０の外周円とにより、加熱部４０の加熱領域４１が画定される。

　図９から図１１に示すように、支持部７４は、香味発生物品と対向するボス（突起の一例に相当する）である。ここで、支持部７４は半球形状を有しているが、支持部７４の形状は、これに限定されず、香味発生物品１１０を支持できる形状であれば、どのような形状であってもよい。また、支持部７４は、金型により形成されても、射出成形により形成されてもよく、任意の方法で形成され得る。また、支持部７４と挿入ガイド部材７０とが一体的に形成されてもよいし、挿入ガイド部材７０に支持部７４が別体として設けられてもよい。支持部７４と挿入ガイド部材７０とが一体的に形成される場合には、支持部７４は、樹脂により構成されてもよい。また、挿入ガイド部材７０に支持部７４が別体として設けられる場合には、支持部７４は、特に限定しないが、金属（例えば、ステンレス鋼）等により構成されてもよい。

　また、支持部７４は、挿入ガイド部材７０の拡管部７２に設けられている。このように、支持部７４を挿入ガイド部材７０のチャンバ５０とは反対側の端部に設けることにより、香味発生物品１１０の揺れの支点を最大限挿入ガイド部材７０の貫通孔７０ａ側に移動させることができるので、香味発生物品１１０に応力が作用した場合であっても、香味発生物品１１０の揺れを抑制して、香味発生物品１１０がチャンバ５０から抜けることを防止することができる。なお、支持部は、必ずしも挿入ガイド部材７０の拡管部７２に設けられる必要はなく、接触部６２の挿入ガイド部材７０側の端部よりも挿入ガイド部材７０の貫通孔７０ａ側に設けられていれば、香味発生物品１１０の揺れの支点を挿入ガイド部材７０の貫通孔７０ａ側に移動させることができ、香味発生物品１１０の揺れを抑制することができる。

　また、支持部７４は、チャンバ５０の長手方向（Ｚ軸方向）から見た場合において、加熱部４０（図６参照）の加熱領域４１に対応する箇所の近傍に設けられている。加熱部４０の加熱領域４１に対応する箇所の近傍に支持部７４を設けることにより、香味発生物品１１０を十分に加熱させつつ、香味発生物品１１０に応力が作用した場合であっても、香味発生物品１１０のＸ軸方向の揺れを抑制して、香味発生物品１１０がチャンバ５０から抜けることを防止することができる。

　なお、支持部は、加熱部の加熱領域に対応する箇所またはその近傍であれば、図９から図１１に示した位置および数に限定されない。図１２は、チャンバ５０の長手方向（Ｚ軸方向）から見た場合における、押圧されていない状態の香味発生物品１１０の外周円と、チャンバ５０の内周面と、挿入ガイド部材７０の支持部７４との関係を示す別の模式図である。図１２に示すように、挿入ガイド部材７０には、加熱部４０の加熱領域４１に対応する箇所に、２つの支持部７４が設けられている。この場合であっても、香味発生物品１１０に応力が作用したときに、香味発生物品１１０のＸ軸方向の揺れが抑制され、香味発生物品１１０がチャンバ５０から抜けることを防止することができる。さらに、チャンバ５０の内周面は、図１１に示した形状に限定されない。チャンバ５０の内周面の形状が三角形や四角形等、他の形状であったとしても、加熱部の加熱領域に対応する箇所またはその近傍に支持部を設けることで、香味発生物品１１０の揺れを抑制して、香味発生物品１１０がチャンバ５０から抜けることを防止することができる。

　より具体的には、図１１に示すように、支持部７４は、チャンバ５０の長手方向（Ｚ軸方向）から見た場合において、押圧されていない状態の香味発生物品１１０の外周円（破線）とチャンバ５０の内周面（実線）との交差部分に対応する４箇所に設けられている。このように、チャンバ５０の長手方向（Ｚ軸方向）から見た場合において、上記交差部分に対応する箇所に支持部７４を複数設けることにより、複数の方向から香味発生物品１１０に応力が作用した場合であっても、香味発生物品１１０の揺れを抑制して、香味発生物品１１０がチャンバ５０から抜けることを防止することができる。すなわち、上記交差部分に対応する４箇所に支持部７４を設けることにより、香味発生物品１１０のＸ軸方向に発生する揺れのみならず、香味発生物品１１０のＹ軸方向に発生する揺れも抑制することができ、少数の支持部７４により、香味発生物品１１０の揺れを抑制することができる。

　このとき、支持部７４の頂点は、チャンバ５０の長手方向（Ｚ軸方向）から見た場合において、一部が上記交差部分と一致するように設けられることが好ましい。なお、支持部７４の頂点とは、チャンバ５０の長手方向（Ｚ軸方向）から見た場合において、支持部７４の最も突出している部分である。このように、チャンバ５０の長手方向（Ｚ軸方向）から見た場合において、支持部７４、すなわちボスの頂点を、その一部が上記交差部分と一致するよう配置することにより、収容された香味発生物品１１０がボスと当接するので、香味発生物品１１０に応力が作用した場合であっても、香味発生物品１１０の揺れをより抑制することができ、香味発生物品１１０がチャンバ５０から抜けることを防止することができる。また、図１０に示した各支持部７４の頂点に内接する香味発生物品１１０の中心Ｃ_１と、図１１に示したチャンバ５０の中心Ｃ_２とが実質的に一致していることが好ましい。なお、チャンバ５０の内周面は、例えば図１２等、図１１に示した形状以外の形状を有する場合であっても、収容された香味発生物品１１０と当接するように支持部が設けられることが好ましい。

　また、このとき、４つの支持部７４は、チャンバ５０の長手方向（Ｚ軸方向）に直交する同一平面上に実質的に設けられることが好ましい。このように、複数の支持部７４を、チャンバ５０の長手方向（Ｚ軸方向）に直交する同一平面上に設けることにより、支持部７４で香味発生物品１１０を安定して支持することができる。なお、複数の支持部は、必ずしもチャンバ５０の長手方向（Ｚ軸方向）に直交する同一平面上に設けられる必要はなく、互いに異なる平面上に設けられてもよい。図１３は、挿入ガイド部材７０を示す断面図である。図１３において、複数の支持部７４は、チャンバ５０の長手方向（Ｚ軸方向）に直交する、互いに異なる平面上に設けられている。この場合であっても、複数の支持部により香味発生物品１１０の揺れを抑制し、香味発生物品１１０がチャンバ５０から抜けることを防止することができる。

　以上に本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、および明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書および図面に記載のない何れの形状や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。

　例えば、本実施形態の香味吸引器１００は、チャンバ５０の開口５２から流入した空気が香味発生物品１１０の端面に供給される、いわゆるカウンターフロー式の空気流路を有するが、これに限らず、チャンバ５０の底部５６からチャンバ５０内に空気が供給する、いわゆるボトムフロー式の空気流路を有してもよい。また、加熱要素４２は、抵抗加熱型に限らず、誘導加熱型であってもよい。その場合、加熱要素４２は、誘導加熱によってチャンバ５０を加熱することができる。また、香味発生物品１１０がサセプタを有する場合には、加熱要素４２が誘導加熱によって香味発生物品１１０のサセプタを加熱することができる。なお、チャンバ５０の周囲に加熱要素４２を配置して、チャンバ５０内の香味発生物品１１０を昇温させる構造を説明したが、チャンバ５０内の香味発生物品１１０を昇温させる方法は、加熱要素４２を香味発生物品１１０に直接当てたり、香味発生物品１１０の中の物質同士の振動により摩擦熱を生じさせたりしてもよい。

　　４０…加熱部
　　４１…加熱領域
　　５０…チャンバ
　　５２…開口
　　６２…接触部
　　６６…離間部
　　７０…挿入ガイド部材
　　７０ａ…貫通孔
　　７４…支持部
　　１００…香味吸引器
　　１０１…アウタハウジング
　　１０１ａ…開口
　　１１０…香味発生物品

Claims

　香味吸引器であって、
　一端に第１開口が形成され、前記第１開口を介して香味発生物品の少なくとも一部を収容する収容部であって、前記収容部は、収容された前記香味発生物品の一部を前記収容部の軸方向に沿って押圧する接触部と、収容された前記香味発生物品から離間する離間部と、を含む、収容部と、
　前記第１開口に対応して設けられ、前記香味発生物品が挿入される第２開口と、
　前記接触部によって押圧される前記香味発生物品の挿入側の端部と前記第２開口との間に設けられ、前記香味発生物品を支持する支持部と、
　を備えた香味吸引器。
　請求項１に記載の香味吸引器であって、
　前記接触部の外面に配置され、前記収容部に収容された前記香味発生物品を加熱する加熱部をさらに備え、
　前記支持部は、前記収容部の軸方向から見た場合に、前記加熱部の加熱領域に対応する箇所またはその近傍に設けられる、
　香味吸引器。
　請求項２に記載の香味吸引器であって、
　前記接触部および前記離間部は、前記収容部の軸方向に直交する断面において、前記収容部の非円形の内周面を構成し、
　前記支持部は、前記収容部の軸方向に直交する断面において、押圧されていない状態の前記香味発生物品の外周円と前記収容部の内周面との交差部分に対応する箇所に複数設けられる、
　香味吸引器。
　請求項３に記載の香味吸引器であって、
　前記支持部は、前記香味発生物品と対向する突起であり、
　前記突起の頂点は、前記収容部の軸方向から見た場合に、一部が前記交差部分と一致する、
　香味吸引器。
　請求項３または請求項４に記載の香味吸引器であって、
　複数の前記支持部は、前記収容部の軸方向に直交する同一平面上に設けられる、
　香味吸引器。
　請求項１から請求項５までのいずれか１項に記載の香味吸引器であって、
　前記収容部の前記第１開口側に設けられ、前記香味発生物品を前記収容部に導くガイド部をさらに備え、
　前記第２開口は、前記ガイド部の開口であり、
　前記支持部は、前記ガイド部に設けられる、
　香味吸引器。
　請求項６に記載の香味吸引器であって、
　前記支持部は、前記ガイド部の前記収容部とは反対側の端部に設けられる、
　香味吸引器。
　喫煙システムであって、
　香味吸引器と香味発生物品とを備え、
　前記香味吸引器は、
　一端に第１開口が形成され、前記第１開口を介して香味発生物品の少なくとも一部を収容する収容部であって、前記収容部は、収容された前記香味発生物品の一部を前記収容部の軸方向に沿って押圧する接触部と、収容された前記香味発生物品から離間する離間部と、を含む、収容部と、
　前記第１開口に対応して設けられ、前記香味発生物品が挿入される第２開口と、
　前記接触部によって押圧される前記香味発生物品の挿入側の端部と前記第２開口との間に設けられ、前記香味発生物品を支持する支持部と、を有する、
　喫煙システム。
　請求項８に記載の喫煙システムであって、
　前記接触部の外面に配置され、前記収容部に収容された前記香味発生物品を加熱する加熱部をさらに備え、
　前記支持部は、前記収容部の軸方向から見た場合に、前記加熱部の加熱領域に対応する箇所またはその近傍に設けられる、
　喫煙システム。
　請求項９に記載の喫煙システムであって、
　前記接触部および前記離間部は、前記収容部の軸方向に直交する断面において、前記収容部の非円形の内周面を構成し、
　前記支持部は、前記収容部の軸方向に直交する断面において、押圧されていない状態の前記香味発生物品の外周円と前記収容部の内周面との交差部分に対応する箇所に複数設けられる、
　喫煙システム。
　請求項１０に記載の喫煙システムであって、
　前記支持部は、前記香味発生物品と対向する突起であり、
　前記突起の頂点は、前記収容部の軸方向から見た場合に、一部が前記交差部分と一致する、
　喫煙システム。
　請求項１０または請求項１１に記載の喫煙システムであって、
　複数の前記支持部は、前記収容部の軸方向に直交する同一平面上に設けられる、
　喫煙システム。