WO2022230058A1

WO2022230058A1 - 空気調和システム、空調機器の制御方法、および、空調機器

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Publication number: WO2022230058A1
Application number: PCT/JP2021/016822
Authority: WO
Inventors: 維哉川村
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2021-04-27
Filing date: 2021-04-27
Publication date: 2022-11-03

Abstract

スマートフォン（６Ａ）は、ユーザ（７）からの空調に関する操作を受け付けると、システムコントローラ（１）に向けて、操作に対応する信号を送信する。システムコントローラ（１）は、スマートフォン（６Ａ）からの信号を受信すると、室外機（２Ａ，２Ｂ）に向けて、当該信号に対応する設定を送信する。室外機（２Ａ，２Ｂ）は、室内機（３Ａ，３Ｂ）に向けて、システムコントローラ（１）から受信した設定を送信する。室内機（３Ａ，３Ｂ）は、受信した設定に従って、室外機（２Ａ，２Ｂ）および室内機（３Ａ，３Ｂ）の空調動作を制御する。

Description

空気調和システム、空調機器の制御方法、および、空調機器

　本開示は、空気調和システムにおける空調機器の制御に関する。

　従来、空調管理について、種々の提案がなされている。たとえば、特開２００９－６３１８４号公報（特許文献１）は、各人の座席に対応させて配置した空調ユニットの運転、停止を制御するパーソナル空気調和システムを開示している。このシステムでは、各ユーザは、システム内のパーソナルコンピュータの入力画面上で、空調制御情報を入力する。コントローラは、空調制御情報を受信すると、当該空調制御情報が入力されたパーソナルコンピュータのアドレスに関連付けられた空調ユニットに、当該空調制御情報を送信する。空調ユニットは、空調制御情報に基づいて、空調制御を実行する。コントローラは、また、人の在席、離席に合わせて、各人の座席に対応させて配置した空調ユニットの運転、停止を制御する。

　また、特許第４０５５３１０号（特許文献２）は、空気調和システムの制御装置を開示している。ユーザは、設定用機器（赤外線リモートコントローラ）に配置された設定スイッチを操作することにより、空調機器の設定を入力する。制御装置は、入力された設定に従って空調機器を制御する。制御装置は、また、空調機器の風向の設定が所与の基準に対して上向きである場合には空調機器の目標温度を高くシフトさせ、下向きである場合には当該目標温度を低くシフトさせる。

特開２００９－６３１８４号公報特許第４０５５３１０号公報

　従来の技術では、空調機器に向けて設定を直接送信するような設定用機器（リモートコントローラなど）の操作権限を持たないユーザは、空調機器の設定の変更を希望する場合、当該操作権限を持つユーザに設定の変更のための入力を依頼する必要があり、煩雑であった。

　本開示は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、空調機器の設定用機器の操作権限を持たないユーザが、当該空調機器の設定を容易に変更できるようにするための技術を提供することである。

　本開示のある局面に従うと、空気調和システムが提供される。空気調和システムは、入力端末と、システムコントローラと、空調機器と、を備える。入力端末は、空調に関する操作を受け付ける。システムコントローラは、入力端末が操作を受け付けたことに応じて、操作に対応する信号を取得し、空調機器に向けて、取得した信号に対応する設定を送信する。空調機器は、システムコントローラからの設定を受信し、空調機器をシステムコントローラからの設定に従って制御する制御部を含む。

　本開示の他の局面に従うと、コンピュータによって実行される、空気調和システムの制御方法が提供される。コンピュータは、空調に関する操作を受け付ける入力端末が操作を受け付けたことに応じて、操作に対応する信号を取得するように構成されている。制御方法は、信号を取得したか否かを判断するステップと、信号を取得したと判断した場合に、信号に対応する設定を特定するステップと、空調機器に向けて、特定した設定を送信するステップと、を備える。

　本開示のさらに他の局面に従うと、空調機器が提供される。空調機器は、システムコントローラと通信するための通信インターフェースと、制御部と、を備える。システムコントローラは、空調に関する操作を受け付ける入力端末と通信する。制御部は、システムコントローラからの設定を受信した場合に、所与の条件が成立するまでは、システムコントローラからの設定に従って空調機器を制御し、所与の条件が成立した後は、システムコントローラからの設定を受信する前の設定に従って、空調機器を制御する。

　本開示によれば、空調機器の設定用機器の操作権限を持たないユーザは、入力端末において空調に関する操作を行うことにより、空調機器を当該操作に対応する設定に従って制御することができる。

実施の形態１に従った空気調和システム１００の全体構成を示す図である。システムコントローラ１のブロック構成を示す図である。リモートコントローラ４のブロック構成を示す図である。スマートフォン６Ａのブロック構成を示す図である。表示部６２Ａに表示される、選択肢を提示する画面の一例を示す図である。タブレット６Ｂのブロック構成を示す図である。スイッチボックス６Ｃの構成を示す図である。室内機３のブロック構成を示す図である。室外機２のブロック構成を示す図である。空気調和システム１００内の要素の処理シーケンスの一例を示す図である。Ｓ１１においてシステムコントローラ１が実施する制御の内容を表すフローチャートである。室内機３が実施する処理のフローチャートである。空気調和システム１００内の要素の処理シーケンスの他の例を示す図である。空気調和システム１００内の要素の処理シーケンスのさらに他の例を示す図である。実施の形態２に従った空気調和システム２００の全体構成を示す図である。空気調和システム２００内の要素の処理シーケンスの一例を示す図である。システムコントローラ１がステップＳ２２において実施する処理のフローチャートである。実施の形態３に従った空気調和システム３００の全体構成を示す図である。空気調和システム３００内の要素の処理シーケンスの一例を示す図である。システムコントローラ１が実施する処理のフローチャートである。第３の設定の特定方法の一例を説明するための図である。第３の設定の特定方法の一例を説明するための図である。第３の設定の特定方法の他の例を説明するための図である。第３の設定の特定方法の他の例を説明するための図である。

　以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、複数の実施の形態について説明するが、各実施の形態で説明された構成を適宜組み合わせることは出願当初から予定されている。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。

　実施の形態１．
　実施の形態１は、たとえば飲食店で実現される。飲食店の客席には、注文用のタブレットが配置される。タブレットは、空調に関するアプリケーションがインストールされており、当該アプリケーションを実行することにより、ユーザからの空調に関する操作を受け付ける。タブレットは、入力端末の一例である。飲食店の空調機器は、基本的には、リモートコントローラを介して入力された設定に従って制御される。実施の形態１に従った空気調和システムでは、システムコントローラは、入力端末の操作に対応する設定を空調機器に送信し、空調機器は、当該設定に従って空調動作を実行する。

　　（空気調和システム１００の全体構成）
　図１は、実施の形態１に従った空気調和システム１００の全体構成を示す図である。図１を主に参照しながら、空気調和システムの構成をより具体的に説明する。

　図１の空気調和システム１００は、システムコントローラ１と、室外機２Ａ，２Ｂと、室内機３Ａ，３Ｂ，３Ｃと、接点入力機器５と、スマートフォン６Ａと、タブレット６Ｂと、スイッチボックス６Ｃとを含む。システムコントローラ１は、空気調和システム１００を制御するための制御装置の一例である。

　本明細書は、室外機２Ａおよび室外機２Ｂを、これらの間の共通する構成について言及する場合には「室外機２」と称する場合があり、また、室内機３Ａ、室内機３Ｂ、および室内機３Ｃを、これらの間の共通する構成について言及する場合には「室内機３」と称する場合がある。

　室外機２は、１台以上の室内機３と接続される。室外機２と室内機３との組合せによって、空調機器の一例が構成される。図１の例では、室外機２Ａは、室内機３Ａと接続される。室外機２Ｂは、室内機３Ｂと接続され、また、室内機３Ｂを介して室内機３Ｃと接続される。

　空気調和システム１００は、リモートコントローラ４Ａ，４Ｂ，４Ｃを含む。本明細書は、リモートコントローラ４Ａ、リモートコントローラ４Ｂ、およびリモートコントローラ４Ｃを、これらの間の共通する構成について言及する場合には「リモートコントローラ４」と称する場合がある。リモートコントローラ４Ａ，４Ｂ，４Ｃのそれぞれは、室内機３Ａ，３Ｂ，３Ｃのそれぞれに対する動作の設定を遠隔で入力するために利用される。

　スマートフォン６Ａ、タブレット６Ｂ、およびスイッチボックス６Ｃのそれぞれは、空調に関する操作を受け付ける入力端末の一例である。なお、空気調和システム１００では、入力端末は、基本的には、空調を直接的に操作するための装置ではなく、ユーザの空調に関する好みを入力するための装置（暑い、寒い、などの意思表示を行う装置）として、たとえば飲食店の各テーブルに配置される。一方、リモートコントローラ４は、温度設定やモード設定など、空調を直接的に操作するための装置ではある。ただし、リモートコントローラ４の操作は、飲食店の従業員などの限られた人物に対してのみ許可され、飲食店の客などの一般のユーザには許可されていない。

　スマートフォン６Ａおよびタブレット６Ｂのそれぞれには、空調用のアプリケーションがインストールされている。ユーザ７は、当該アプリケーションを利用して、スマートフォン６Ａおよびタブレット６Ｂを操作してもよい。スマートフォン６Ａおよびタブレット６Ｂのそれぞれは、ユーザからの操作に応じた信号を、ネットワーク１０１を介して、システムコントローラ１に向けて送信する。なお、スマートフォン６Ａおよびタブレット６Ｂの少なくとも一方は、システムコントローラ１に、ネットワークを介することなく信号を送信してもよい。

　スイッチボックス６Ｃは、１以上のボタンを有する。スイッチボックス６Ｃに含まれるボタンは、操作要素の一例である。スイッチボックス６Ｃは、ユーザ７によって当該スイッチボックス６Ｃの１以上のボタンを操作されることにより、接点入力機器５からシステムコントローラ１へ入力される信号を変更し得る。システムコントローラ１は、接点入力機器５からの入力信号の変化を、スイッチボックス６Ｃのボタンの操作に対応する信号として取得する。

　空気調和システム１００では、システムコントローラ１は、室外機２Ａ，２Ｂと、管理用通信路で接続される。システムコントローラ１は、また、スマートフォン６Ａおよびタブレット６Ｂと、管理用通信路で接続される。システムコントローラ１は、さらに、接点入力機器５を介してスイッチボックス６Ｃと、管理用通信路で接続される。室外機２と室内機３、室内機３同士、および、室内機３とリモートコントローラ４は、操作用通信路で接続される。スマートフォン６Ａ、タブレット６Ｂ、および／またはスイッチボックス６Ｃは、ユーザ７が飲食するテーブル９９に載置されている。また、スマートフォン６Ａ、タブレット６Ｂ、および、リモートコントローラ４Ａ，４Ｂ，４Ｃは、無線通信が可能な範囲（無線通信対象範囲）に位置している。

　次に、図２～図８を主に参照しながら、空気調和システム１００内の各要素の構成を説明する。

　　（システムコントローラ１の構成）
　図２は、システムコントローラ１のブロック構成を示す図である。図２に示されるように、システムコントローラ１は、制御部１０と、表示部１１と、操作部１２と、管理用通信部１３と、記憶部１４とを含む。制御部１０、表示部１１、操作部１２、管理用通信部１３、および、記憶部１４は、内部バスで連結されていてもよい。

　制御部１０は、システムコントローラ１の動作を制御する。たとえば、システムコントローラ１は、汎用のコンピュータとして実現されてもよく、制御部１０は、ＣＰＵ（Central　Processing　Unit）を含む制御基板として実現されてもよい。表示部１１は、たとえば、液晶ディスプレイなどの表示装置として実現されてもよい。操作部１２は、たとえば、キーボードおよび／またはマウスなどの入力装置として実現されてもよい。

　管理用通信部１３は、システムコントローラ１を、スマートフォン６Ａ、タブレット６Ｂ、接点入力機器５、および、室外機２と通信させるための通信インターフェースである。この通信は、有線であってもよいし、無線であってもよい。管理用通信部１３は、たとえば、ネットワークカードとして実現されてもよい。

　記憶部１４は、不揮発的に情報を格納する。記憶部１４は、たとえば、ＨＤＤ（Hard　Disk　Drive）および／またはＳＳＤ（Solid　State　Drive）として実現されてもよい。

　　（リモートコントローラ４の構成）
　図３は、リモートコントローラ４のブロック構成を示す図である。図３に示されるように、リモートコントローラ４は、表示部４１と、操作部４２と、記憶部４３と、操作用通信部４４と、無線通信部４５とを含む。

　表示部４１は、たとえば、液晶ディスプレイとして実現されてもよい。操作部４２は、たとえば、ハードウェアボタンおよび／またはソフトウェアキーとして実現されてもよい。記憶部４３は、たとえば、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリとして実現されてもよい。記憶部４３は、操作部４２に対する操作の内容に対応した情報であって、室内機３に送信されるべき信号を特定するための情報を格納していてもよい。

　操作用通信部４４は、操作部４２の操作に応じた信号を室内機３に送信するための通信インターフェースである。操作用通信部４４は、たとえば、有線での通信のインターフェースとして実現されてもよい。

　無線通信部４５は、室内機３と無線で通信するためのインターフェースである。たとえば、無線通信部４５は、たとえば、赤外線（IR）方式の通信インターフェース、および／または、高周波（RF）の電磁波を利用する通信インターフェースとして実現されてもよい。無線通信部４５（リモートコントローラ４）と室内機３との間の無線通信は、たとえば、Bluetooth（登録商標）やBLE（登録商標）（Bluetooth　Low　Energy）、Wifi（登録商標）、EnOcean（登録商標）、または、ZigBee（登録商標）の規格に従ったものである。

　　（スマートフォン６Ａ）
　図４は、スマートフォン６Ａのブロック構成を示す図である。スマートフォン６Ａは、制御部６０Ａと、入力部６１Ａと、表示部６２Ａと、通信部６３Ａとを含む。

　制御部６０Ａは、スマートフォン６Ａを制御する。制御部６０Ａは、たとえば、ＣＰＵを含む制御基板として実現されてもよい。入力部６１Ａは、ユーザの操作を受け付ける。入力部６１Ａは、たとえば、ハードウェアボタンとして実現されてもよい。入力部６１Ａは、また、タッチセンサとして実現されてもよい。表示部６２Ａは、ＬＥＤ（Light　Emitting　Diode）ランプ、ならびに／または、液晶ディスプレイまたはプラズマディスプレイなどの各種の表示装置として実現されてもよい。通信部６３Ａは、スマートフォン６Ａを他の機器（システムコントローラ１など）と通信させるためのインターフェースである。通信部６３Ａは、たとえば、通信回路基板として実現されてもよい。

　スマートフォン６Ａには、空調の制御に関連するアプリケーションがインストールされていてもよい。制御部６０Ａは、当該アプリケーションを実行することにより、ユーザに、空調に関するユーザの好みを入力するための選択肢を提示してもよい。

　図５は、表示部６２Ａに表示される、選択肢を提示する画面の一例を示す図である。図５に示されるように、画面６２０は、３つのソフトウェアキー６２１，６２２，６２３を含む。ソフトウェアキー６２１は、現在の空調が「寒い」と感じていることを入力するために操作される。ソフトウェアキー６２２は、現在の空調が「暑い」と感じていることを入力するために操作される。ソフトウェアキー６２３は、現在の空調が「ちょうどいい」と感じていることを入力するために操作される。

　現在の空調が「寒い」と感じていることを入力することは、現状の空調の気温より高い気温を好むという好みを入力することの一例である。現在の空調が「暑い」と感じていることを入力することは、現状の空調の気温より低い気温を好むという好みを入力することの一例である。現在の空調が「ちょうどいい」と感じていることを入力することは、現状の空調の気温を維持することを好むという好みを入力することの一例である。

　スマートフォン６Ａは、画面６２０を表示し、ボタンに対するタッチ操作を受け付けても良い。なお、画面６２０のような選択肢の提示は、必須ではない。スマートフォン６Ａは、画面６２０のような選択肢を提示することなく、ユーザの操作を受け付けてもよい。

　スマートフォン６Ａは、タッチ操作以外の操作（たとえば、ジェスチャおよび／または音声などの他の態様での操作）を受け付けてもよい。

　　（タブレット６Ｂ）
　図６は、タブレット６Ｂのブロック構成を示す図である。タブレット６Ｂは、制御部６０Ｂと、入力部６１Ｂと、表示部６２Ｂと、通信部６３Ｂとを含む。制御部６０Ｂ、入力部６１Ｂ、表示部６２Ｂ、および、通信部６３Ｂのそれぞれの構成は、スマートフォン６Ａの制御部６０Ａ、入力部６１Ａ、表示部６２Ａ、および、通信部６３Ａのそれぞれと同様とすることができるため、ここでは詳細な説明は繰り返さない。タブレット６Ｂは、スマートフォン６Ａと同様の態様で、空調に関する操作を受け付けてもよい。

　　（スイッチボックス６Ｃ）
　図７は、スイッチボックス６Ｃの構成を示す図である。スイッチボックス６Ｃは、ボタン６１Ｃを含む。ボタン６１Ｃは、ハードウェアボタンであってもよいし、ソフトウェアキーであってもよい。ユーザは、ハードウェアボタンとして実現されたボタン６１Ｃを押下することによって、スイッチボックス６Ｃを操作してもよい。ユーザは、ソフトウェアキーとして実現されたボタン６１Ｃをタッチすること（または、ボタン６１Ｃに対して所定の距離以下の距離に指などの身体の一部を位置させること）によって、スイッチボックス６Ｃを操作してもよい。

　スイッチボックス６Ｃは、接点入力機器５と電気的に接続されており、ボタン６１Ｃが操作されることにより、接点入力機器５からシステムコントローラ１への信号の送信態様を切り替える。一例では、スイッチボックス６Ｃは、ボタン６１Ｃを操作されることにより、接点入力機器５に、システムコントローラ１へ、第１の種類の信号を送信させてもよい。一例では、スイッチボックス６Ｃは、ボタン６１Ｃを操作されることにより、接点入力機器５に、システムコントローラ１に当該操作が無いときに送信されていた上記第１の種類の信号の送信を停止させてもよい。

　　（室内機３）
　図８は、室内機３のブロック構成を示す図である。室内機３は、制御部３０と、操作部３１と、記憶部３２と、操作用通信部３３と、シリアル通信部３４と、無線通信部３５とを含む。制御部３０は、室内機３を制御する。制御部３０は、たとえば、ＣＰＵを含む制御基板として実現されてもよい。

　操作部３１は、ユーザからの操作を受け付ける。操作部３１は、たとえば、電源ボタンなどのハードウェアボタンとして実現されてもよい。

　記憶部３２は、制御部３０のＣＰＵによって実行されるプログラム、および／または、当該プログラムの実行に必要なデータなどの、各種の情報を格納する。記憶部３２は、たとえばフラッシュメモリとして実現されてもよい。

　操作用通信部３３は、リモートコントローラ４の操作用通信部４４と通信するためのインターフェースである。

　シリアル通信部３４は、室外機２とシリアル通信するためのインターフェースである。なお、空気調和システム１００では、室外機２と室内機３との間の通信はシリアル通信に限定されず、シリアル通信部３４は、室外機２と室内機３との間の通信態様に応じた要素に変更され得る。

　無線通信部３５は、リモートコントローラ４の無線通信部４５と通信するためのインターフェースである。

　また、室内機３同士の通信も、いかなる態様の通信であってもよい。
　図８では図示は省略されているが、室内機３は、ファンを回転させるモータなどの、空調動作のための要素をさらに含む。制御部３０は、空調動作のための要素を制御することにより、空調動作を制御する。

　　（室外機２）
　図９は、室外機２のブロック構成を示す図である。室外機２は、制御部２０と、ネットワーク通信部２１と、シリアル通信部２２とを含む。

　制御部２０は、室外機２を制御する。制御部２０は、たとえば、ＣＰＵを含む制御基板として実現されてもよい。

　ネットワーク通信部２１は、外部の機器（システムコントローラ１など）と通信するためのインターフェースである。シリアル通信部２２は、室内機３と通信するためのインターフェースである。

　　（処理の流れ）
　図１０～図１４を主に参照しながら、空気調和システム１００において実施される処理について説明する。システムコントローラ１の処理は、制御部１０のＣＰＵが各種のプログラムを実行することによって実施されてもよい。室外機２の処理は、制御部２０のＣＰＵが各種のプログラムを実行することによって実施されてもよい。室内機３の処理は、制御部３０のＣＰＵが各種のプログラムを実行することによって実施されてもよい。スマートフォン６Ａの処理は、制御部６０ＡのＣＰＵが各種のプログラムを実行することによって実施されてもよい。タブレット６Ｂの処理は、制御部６０ＢのＣＰＵが各種のプログラムを実行することによって実施されてもよい。

　図１０は、空気調和システム１００内の要素の処理シーケンスの一例を示す図である。図１０の例では、ユーザは、空調に関する好みを入力するために、スマートフォン６Ａを操作する。

　ユーザがスマートフォン６Ａに好みを入力すると、スマートフォン６Ａは、システムコントローラ１に向けて、入力された好みに対応する信号を送信する（Ｓ１０）。たとえば、ユーザが、ソフトウェアキー６２１をタッチすることによって、「寒い」（現状の空調の気温より高い気温を好むという好み）を入力すると、スマートフォン６Ａは、当該入力に対応する信号をシステムコントローラ１に向けて送信する。

　システムコントローラ１は、スマートフォン６Ａからの信号を受信すると、室外機２に向けて、当該信号に対応する設定を送信する（Ｓ１１）。室外機２に送信される設定には、設定の送信先を含む情報（「室内機３」）を含む。ここで、図１１を参照しながら、Ｓ１１の内容をより詳細に説明する。図１１は、Ｓ１１においてシステムコントローラ１が実施する制御の内容を表すフローチャートである。

　ステップＳ１１０にて、システムコントローラ１は、入力端末（スマートフォン６Ａ、タブレット６Ｂ、など）から信号を受信したか否かを判断する。システムコントローラ１は、信号を受信したと判断するまでステップＳ１１０の制御を繰り返し（Ｓ１１０にてＮＯ）、信号を受信したと判断すると（Ｓ１１０にてＹＥＳ）、ステップＳ１１１へ制御を進める。

　ステップＳ１１１にて、システムコントローラ１は、入力端末から受信した信号に対応する設定を特定する。システムコントローラ１では、記憶部１４は、信号に対応する設定の送信先を特定する情報を格納していてもよい。また、記憶部１４は、信号の種類と設定とを関連付ける情報を格納していてもよい。システムコントローラ１は、当該情報において入力端末から受信した信号に関連付けられている設定を取得することにより、入力端末から受信した信号に対応する設定を特定してもよい。

　設定は、空調機器のオンまたはオフを指定する情報を含んでいてもよい。
　設定は、空調機器の動作モード（冷房、暖房、除湿、加湿、など）を指定する情報を含んでいてもよい。

　設定は、空調機器による空調動作の設定温度を指定する情報を含んでいてもよい。
　設定は、空調機器（室内機３）が吐出する風の向き（「風向」とも称される）を含んでいてもよい。より具体的には、設定は、風向について、「上向き」「中間」「下向き」の三段階の中の一つの段階を含んでいてもよい。

　設定は、空調機器（室内機３）が吐出する風の量（「風量」とも称される）を含んでいてもよい。より具体的には、設定は、風量について、「強」「中」「弱」の三段階の中の一つの段階を含んでいてもよい。

　設定の特定に利用される上記情報は、たとえば、「寒い」（現状の空調の気温より高い気温を好むという好み）に対応する信号に、風向「上向き」および風量「弱」を含む設定を関連付けていてもよい。

　設定の特定に利用される上記情報は、たとえば、「暑い」（現状の空調の気温より低い気温を好むという好み）に対応する信号に、風向「下向き」および風量「強」を含む設定を関連付けていてもよい。

　設定の特定に利用される上記情報は、一例では、「ちょうどいい」（現状の空調の気温を維持することを好むという好み）に対応する信号に、風向「中間」および風量「中」を含む設定を関連付けていてもよい。設定の特定に利用される上記情報は、他の例では、「ちょうどいい」（現状の空調の気温を維持することを好むという好み）に対応する信号に、空調機器をオフする設定を関連付けていてもよい。

　ステップＳ１１２にて、システムコントローラ１は、ステップＳ１１１において特定された設定を室外機２に向けて送信する。

　再度図１０を参照する。室外機２は、システムコントローラ１から設定を受信すると、受信した設定を、（当該設定において送信先として指定されている）室内機３へ送信する（Ｓ１２）。

　室外機２から設定を受信すると、室内機３は、受信した設定に従って、空調機器（室外機２および室内機３）の空調動作を制御する。

　図１２は、室内機３が実施する処理のフローチャートである。図１２を参照しながら、室内機３が実施する処理をより詳細に説明する。

　ステップＳ９００にて、室内機３は、設定を受信したか否かを判断する。室内機３は、設定を受信したと判断するとステップＳ９０１へ制御を進め（ステップＳ９００にてＹＥＳ）、設定を受信していないと判断するとステップＳ９０６へ制御を進める（ステップＳ９００にてＮＯ）。

　ステップＳ９０１にて、室内機３は、ステップＳ９００において受信したと判断した設定の送信元がシステムコントローラ１であるかリモートコントローラ４であるかを判断する。

　室内機３は、図１０に示されたように、室外機２から設定を受信した場合には、当該設定の送信元はシステムコントローラ１であると判断してもよい。

　空気調和システム１００では、室外機２に送信される設定に、送信元を表す情報が含まれていても良い。すなわち、リモートコントローラ４は、ユーザからの操作を受け付けると、当該操作に対応する設定に送信元がリモートコントローラ４であることを表す情報を付加し、当該情報を付加された設定を室内機３へ送信してもよい。一例では、システムコントローラ１は、室外機２に送信する設定に、送信元がシステムコントローラ１であることを表す情報を含ませてもよい。他の例では、室外機２は、システムコントローラ１から受信した設定に送信元がシステムコントローラ１であることを表す情報を付加して、当該情報を付加された設定を室内機３へ送信してもよい。

　ステップＳ９０１にて、室内機３は、送信元がリモートコントローラ４であると判断すると、ステップＳ９０２へ制御を進め、送信元がシステムコントローラ１であると判断すると、ステップＳ９０４へ制御を進める。

　ステップＳ９０２にて、室内機３は、受信した設定を記憶部３２に格納する。
　ステップＳ９０３にて、室内機３は、ステップＳ９０２において記憶部３２に格納された設定（リモートコントローラ４から受信した設定）に従って、空調機器（室外機２および室内機３）による空調動作を制御する。たとえば、格納された設定が風向「上向き」を含む場合、室内機３は、当該室内機３のルーバーの角度を風向「上向き」を実現するように制御する。その後、室内機３は、ステップＳ９００へ制御を戻す。

　ステップＳ９０４にて、室内機３は、受信した設定を記憶部３２に格納する。
　ステップＳ９０５にて、室内機３は、ステップＳ９０４において記憶部３２に格納された設定（システムコントローラ１から受信した設定）に従って、空調機器（室外機２および室内機３）による空調動作を制御する。その後、室内機３は、ステップＳ９００へ制御を戻す。

　ステップＳ９０６にて、室内機３は、システムコントローラ１からの最後の設定の受信から一定時間（たとえば、２時間）が経過したか否かを判断する。室内機３は、当該一定時間がまだ経過していないと判断すると（ステップＳ９０６にてＮＯ）、ステップＳ９００へ制御を戻す。一方、室内機３は、当該一定時間が経過していると判断すると（ステップＳ９０６にてＹＥＳ）、ステップＳ９０３へ制御を進める。

　図１２に示された処理では、室内機３は、リモートコントローラ４から受信した設定に従って空調機器の動作を制御し、また、システムコントローラ１から（室外機２を介して）受信した設定に従って空調機器の動作を制御する。

　より具体的には、室内機３は、システムコントローラ１からの設定を受信すると、システムコントローラ１からの当該設定に従って空調機器の動作を制御する（Ｓ９０１，Ｓ９０４，Ｓ９０５）。その後、室内機３は、リモートコントローラ４から新たな設定を受信すると、当該新たな設定に従って空調機器の動作を制御する（Ｓ９０１，Ｓ９０２，Ｓ９０３）。

　室内機３は、システムコントローラ１から設定を受信した後、一定時間が経過すると、空調機器の制御に利用する設定を、システムコントローラ１から設定を受信する前に空調機器の制御に利用されていた設定（すなわち、リモートコントローラ４から受信して記憶部３２に格納されていた設定）に戻す（Ｓ９０６，Ｓ９０３）。なお、室内機３は、一定時間が経過しても、新たにリモートコントローラ４から設定を受信するまでは、システムコントローラ１からの設定に従った空調機器の制御を維持してもよい。

　以上説明された実施の形態１では、第１の入力端末の一例は、ユーザの操作を受け付けるスマートフォン６Ａによって実現され得る。第１の操作の一例は、スマートフォン６Ａへの、空調に関する好みを入力するための操作によって実現され得る。第１の信号の一例は、スマートフォン６Ａからシステムコントローラ１に向けて送信される（Ｓ１０）、入力された好みに対応する信号によって実現され得る。第１の設定の一例は、スマートフォン６Ａからの信号の受信に応じて、システムコントローラ１から空調機器（室外機２）に向けて送信される（Ｓ１１）、当該信号に対応する設定によって実現され得る。

　実施の形態１では、図１２を参照して説明されたように、室内機３は、システムコントローラ１からの設定を受信すると、当該設定に従って空調機器を制御する（Ｓ９０５）。その後、システムコントローラ１からの最後の設定の受信から一定時間が経過すると、室内機３は、システムコントローラ１から設定を受信する前にリモートコントローラ４から受信していた設定に従って空調機器を制御する（Ｓ９０６→Ｓ９０３）。

　「一定時間」の一例は２時間であるが、飲食店における客の平均的な店内滞在時間である９０分であってもよい。

　上記の「一定時間」は、システムコントローラ１からの設定の内容に従って変更されてもよい。たとえば、システムコントローラ１からの設定が、比較的多くのエネルギ消費を必要とするものである場合、比較的少ないエネルギ消費を必要とするものである場合よりも、「一定時間」は短くてもよい。たとえば、システムコントローラ１からの設定が風量「弱」を含む場合の「一定時間」は９０分であってもよく、システムコントローラ１からの設定が風量「強」を含む場合の「一定時間」は３０分であってもよい。

　　（第１変形例）
　以上説明された実施の形態１は、たとえば飲食店で実現されるが、実現される場面は飲食店に限定されない。実施の形態１は、空調機器が、当該空調機器のリモートコントローラの操作権限を与えられていないユーザの操作に対応する設定に従って制御されるべき、いかなる場面においても実現され得る。

　　（第２変形例）
　図１３は、空気調和システム１００内の要素の処理シーケンスの他の例を示す図である。図１３の例では、図１０の例と比較して、ユーザは、スマートフォン６Ａではなくタブレット６Ｂを操作して、空調に関する好みを入力する。

　ユーザからの入力に応じて、タブレット６Ｂは、システムコントローラ１に向けて、入力された好みに対応する信号を送信する（Ｓ１０Ｘ）。その後、システムコントローラ１は、室外機２に向けて、信号に対応する設定を送信する（Ｓ１１）。室外機２は、システムコントローラ１から受信した設定を、室内機３へ送信する（Ｓ１２）。

　　（第３変形例）
　図１４は、空気調和システム１００内の要素の処理シーケンスのさらに他の例を示す図である。図１４の例では、図１０の例と比較して、ユーザは、スマートフォン６Ａではなくスイッチボックス６Ｃを操作する。より具体的には、ユーザは、ボタンを押下することにより、スイッチボックス６Ｃを操作する。

　ボタンの押下に応じて、スイッチボックス６Ｃは、接点入力機器５に向けてボタンの押下を通知する（Ｓ１０Ｙ）。これに応じて、接点入力機器５は、システムコントローラ１に向けて、ボタンの押下に対応する信号を送信する（Ｓ１０Ｚ）。その後、システムコントローラ１は、室外機２に向けて、信号に対応する設定を送信する（Ｓ１１）。室外機２は、システムコントローラ１から受信した設定を、室内機３へ送信する（Ｓ１２）。

　スイッチボックス６Ｃは、ボタンの押下に応じて、接点入力機器５に対し、通知の代わりに、接点入力機器５の電気的な状態を直接的に変更するように構成されていてもよい。たとえば、スイッチボックス６Ｃは、ボタンの押下によって、接点入力機器５を構成する電気回路の開閉状態を切り替えるように構成されていてもよい。この場合、ステップＳ１０Ｙの通知は省略され、接点入力機器５は、当該電気回路の開閉状態が切り替えられたことに応じて、システムコントローラ１に向けて、ボタンの押下に対応する信号を送信する（Ｓ１０Ｚ）。

　　（第４変形例）
　スマートフォン６Ａは、画面６２０の代わりに、温度についての２以上の選択肢（たとえば、「寒い」「暑い」「ちょうどいい」）、および、湿度についての２以上の選択肢（たとえば、「湿度をもっと低く」「湿度をもっと高く」「ちょうどいい」）を提示する画面を表示してもよい。この場合、ユーザは、温度および湿度のそれぞれについての選択のために、スマートフォン６Ａを操作する。

　スマートフォン６Ａは、温度についての選択と湿度についての選択との組合せに対応する信号をシステムコントローラ１に向けて送信する。システムコントローラ１は、温度についての選択と湿度についての選択との組合せに対応する設定を特定し、特定された設定を、室外機２を介して室内機３へ送信する。たとえば、温度についての選択「暑い」と湿度についての選択「湿度をもっと低く」との組合せに対して、設定「弱冷房除湿（除湿のために温度を下げた空気をそのまま室内に戻す）」が特定されてもよく、また、温度についての選択「寒い」と湿度についての選択「湿度をもっと低く」との組合せに対して、設定「再熱除湿（温度を下げた空気を暖めた後で室内に戻す）」が特定されてもよい。

　　（第５変形例）
　システムコントローラ１は、空気調和システム１００が２台以上の室内機３を含む場合、当該２台以上の室内機３のうち一部の室内機３にのみ、設定を送信してもよい。

　たとえば、システムコントローラ１は、一部の室内機３に関連付けられたユーザの操作に対応する信号を取得した場合、当該一部の室内機３にのみ、当該信号に対応する設定を送信してもよい。

　また、入力端末は、システムコントローラ１に、さらに、操作を受け付けたユーザの位置情報（たとえば、その時点の入力端末の位置情報）を送信してもよい。空気調和システム１００では、２台以上の室内機３の少なくとも一部が、位置情報に関連付けられていてもよい。システムコントローラ１は、２台以上の室内機３から、入力端末から受信した位置情報に関連付けられた室内機３を特定し、特定された室内機３にのみ、ユーザの操作に対応する設定を送信してもよい。

　入力端末の位置は、店舗または店舗内のテーブル等に、固定されていてもよい。システムコントローラ１は、各入力端末のＩＤと当該入力端末の位置とを関連付ける情報を格納していてもよい。入力端末は、上記信号とともに、当該入力端末のＩＤを、システムコントローラ１に送信してもよい。システムコントローラ１は、入力端末のＩＤを受信すると、上記情報を参照することによって、当該ＩＤに関連付けられている位置情報を特定し、特定された位置情報に関連付けられている室内機３を特定してもよい。

　システムコントローラ１は、各入力端末のＩＤと各室内機３とを関連付ける情報を格納していてもよい。入力端末は、上記信号とともに、当該入力端末のＩＤを、システムコントローラ１に送信してもよい。システムコントローラ１は、入力端末のＩＤを受信すると、上記情報を参照することによって、当該ＩＤに関連付けられている室内機３を特定してもよい。

　　（第６変形例）
　ユーザの操作に対応する設定は、操作によって特定されるユーザの好みを実現するための空調機器の動作を規定する設定であってもよい。一例として、空調機器が冷房運転している場合を想定して、好みを実現するための動作について具体例を説明する。

　操作によって特定されるユーザの好みが「現状の空調の気温より低い気温を好むという好み」である場合、空調機器から吐出される冷却用の空気がユーザに直接向けられることは、ユーザの好みを実現するための空調機器の動作の一例と考えられる。したがって、この好みを実現するため設定は、風向「下向き」を含んでいてもよい。

　操作によって特定されるユーザの好みが「現状の空調の気温より低い気温を好むという好み」である場合、空調機器から吐出される冷却用の空気の量を多くすることは、ユーザの好みを実現するための空調機器の動作の一例と考えられる。したがって、この好みを実現するための設定は、風量「強」を含んでいてもよい。

　操作によって特定されるユーザの好みが「現状の空調の気温より高い気温を好むという好み」である場合、空調機器から吐出される冷却用の空気がユーザに直接向けられないことは、ユーザの好みを実現するための空調機器の動作の一例と考えられる。したがって、この好みを実現するための設定は、風向「上向き」を含んでいてもよい。

　操作によって特定されるユーザの好みが「現状の空調の気温より高い気温を好むという好み」である場合、空調機器から吐出される冷却用の空気の量を少なくすることは、ユーザの好みを実現するための空調機器の動作の一例と考えられる。したがって、この好みを実現するための設定は、風量「弱」を含んでいてもよい。

　　（第７変形例）
　スイッチボックス６Ｃは、スマートフォン６Ａがソフトウェアキー６２１，６２２，６２３として複数の選択肢を提示するように、複数のボタンとして複数の選択肢を提示してもよい。スイッチボックス６Ｃには、各ボタンが対応するユーザの好みを表す情報（「暑い」「寒い」「ちょうどいい」）、および／または、各ボタンの操作によって室内機３に送信される設定を説明する情報（このボタンが操作されると、空調を弱めます。）を示すメモが付与されていてもよい。

　　（第８変形例）
　システムコントローラ１は、空調機器とは別体で構成されたが、空調機器に内蔵されていてもよい。

　実施の形態２．
　実施の形態２は、飲食店において、料理の種類に従って、料理の器を含む領域を空調対象領域とする空調機器を制御する。空調対象領域の一例は、客が料理を食べる空間（部屋）である。

　図１５は、実施の形態２に従った空気調和システム２００の全体構成を示す図である。図１の空気調和システム１００が、入力端末として、スマートフォン６Ａ、タブレット６Ｂ、および、スイッチボックス６Ｃを含んでいたのに対し、空気調和システム２００は、入力端末として、リーダ８を含む。

　リーダ８は、たとえば客に提供される料理９が置かれるテーブル９９の上に配置される。料理９にはタグ９Ｘが貼付されている。ユーザは、リーダ８がタグを読み込むことが可能な領域内に料理９を置くことにより、リーダ８に、料理９に貼付されたタグ９Ｘを読み取らせる。リーダ８は、タグ９Ｘを読み取ると、所与の信号（図１６の信号「料理検知」）をシステムコントローラ１に向けて送信する。システムコントローラ１は、信号「料理検知」を受信したことに応じて、当該信号に対応する設定を特定し、特定された設定を空調機器（室外機２）へ送信する。これにより、空調機器は、料理９にとって適切な環境を提供するために動作する。

　タグ９Ｘは、ＲＦＩＤ（Radio　Frequency　IDentifier）タグであってもよいし、バーコードタグまたはＱＲコード（登録商標）タグであってもよい。

　図１６は、空気調和システム２００内の要素の処理シーケンスの一例を示す図である。図１６を参照しながら、空気調和システム２００において実施される処理を説明する。

　リーダ８は、料理９のＩＤを取得すると、接点入力機器５に向けて、信号「料理検知」を送信する（Ｓ２０）。

　接点入力機器５は、リーダ８から信号「料理検知」を受信すると、システムコントローラ１に向けて、信号「料理検知」を送信する（Ｓ２１）。

　システムコントローラ１は、接点入力機器５から信号「料理検知」を受信すると、室外機２に向けて、信号「料理検知」に対応する設定を送信する（Ｓ２２）。信号「料理検知」に対応する設定の一例は、料理９の冷却を回避するための設定（風向「上向き」、風量「弱」）である。

　図１７は、システムコントローラ１がステップＳ２２において実施する処理のフローチャートである。図１７を参照しながら、システムコントローラ１が実施する処理の内容をより詳細に説明する。

　ステップＳ２２０にて、システムコントローラ１は、信号「料理検知」を受信したか否かを判断する。システムコントローラ１は、信号「料理検知」を受信するまでステップＳ２２０の制御を繰り返し（ステップＳ２２０にてＮＯ）、信号「料理検知」を受信すると（ステップＳ２２０にてＹＥＳ）、ステップＳ２２１へ制御を進める。

　ステップＳ２２１にて、システムコントローラ１は、信号「料理検知」に対応する設定を特定する。記憶部１４には、信号「料理検知」に対応する設定が格納されていてもよい。システムコントローラ１は、記憶部１４から当該設定を読み出すことによって、信号「料理検知」に対応する設定を特定してもよい。

　ステップＳ２２２にて、システムコントローラ１は、ステップＳ２２１において特定された設定を、室外機２に向けて送信し、その後、ステップＳ２２０へ制御を戻す。

　図１６を再度参照する。室外機２は、システムコントローラ１から受信した設定を、室内機３に送信する（Ｓ２３）。

　室内機３は、受信した設定に従って空調機器（室外機２および室内機３）を制御する。
　以上説明されたように、実施の形態２では、リーダ８がタグ９Ｘを読み込むことにより料理９のＩＤを取得すると、空調機器は、当該ＩＤに応じた設定で動作する。

　実施の形態２では、ユーザがリモートコントローラ４を利用して室内機３に設定を送信していたとしても、リーダ８が料理９に貼付されたタグを読み取ると、一時的に、空調機器は料理９に適した環境を提供するための設定に従って動作する。これにより、空調機器は、ユーザが料理９のためにわざわざリモートコントローラ４を操作しなくても、提供される料理９に適した環境を提供する態様で動作し得る。

　タグ９Ｘが貼付される対象は、料理の器（物体の容器）に限定されない。タグ９Ｘは、鍋料理を調理するための調理用具（カセットコンロ）に貼付されてもよい。また、タグ９Ｘは、姿焼きにされた魚そのもの（物体そのもの）に貼付されてもよい。

　タグ９Ｘは、料理９の種類ごとに異なるＩＤを含み、リーダ８は、料理９の種類ごとに異なるＩＤを取得してもよい。記憶部１４には、料理ごとの設定が格納されていてもよい。料理ごとの設定の一例は、制御対象時間である。制御対象時間は、各料理を食べるのに必要とされる時間に対応していてもよい。たとえば、料理がステーキである場合には制御対象時間は３０分であってもよく、料理が鍋料理である場合には制御対象時間は１時間であってもよい。

　実施の形態２では、入力端末は、リーダ８に限定されない。システムコントローラ１に料理を特定する情報を入力するためのタブレットであってもよいし、特別な空調の設定を必要とする料理が提供されたときに押下されるボタンであってもよい。

　実施の形態２において、料理は食品の一例であり、そして、食品は空調対象領域内の物体の一例である。ただし、実施の形態２において、空調対象領域内の物体は、料理に限定されない。物体は、アイスクリームや野菜や果物などの食品そのものであってもよいし、保冷剤などの食品以外のものであってもよい。

　物体（料理９）に適した環境を提供するための設定は、物体が低温になること（料理９が冷めること）を回避するための設定に限定されない。物体が高温になることを回避するための設定であってもよい。物体が高温になることを回避するための設定は、たとえば、風向「下向き」および／または風量「強」を含む。

　実施の形態３．
　実施の形態３では、空調に関する２以上の操作のそれぞれに対応する設定が互いに異なる場合に、空調機器は、２以上の操作のそれぞれに対応する設定の間の設定に従って動作する。

　図１８は、実施の形態３に従った空気調和システム３００の全体構成を示す図である。空気調和システム３００では、室内機３Ａおよび室内機３Ｂによって空気を調和される領域に、ユーザ７Ａとユーザ７Ｂが位置する。ユーザ７Ａは、空調に関する好みを入力するために、テーブル９９Ａでスマートフォン６Ａを操作する。ユーザ７Ｂは、空調に関する好みを入力するために、テーブル９９Ｂでタブレット６Ｂを操作する。すなわち、ユーザ７Ａとユーザ７Ｂは、同じ空調対象領域において、互いに異なるテーブルの近傍に位置する。

　図１９は、空気調和システム３００内の要素の処理シーケンスの一例を示す図である。図１９を参照しながら、空気調和システム３００において実施される処理を説明する。

　まず、ユーザ７Ａが、スマートフォン６Ａを操作して、好み「寒い」を入力する。この操作に応じて、スマートフォン６Ａは、システムコントローラ１に、好み「寒い」に対応する信号を送信する（Ｓ３０Ｘ）。

　好み「寒い」に対応する信号を受信したことに応じて、システムコントローラ１は、好み「寒い」に対応する設定（風向「上向き」、風量「弱」、送信先「室内機３Ａ」）を、室外機２Ａに向けて送信する（Ｓ３１Ｘ）。システムコントローラ１は、また、好み「寒い」に対応する設定（風向「上向き」、風量「弱」、送信先「室内機３Ｂ」）を、室外機２Ｂに向けて送信する（Ｓ３３Ｘ）。

　室外機２Ａおよび室外機２Ｂのそれぞれは、システムコントローラ１から受信した設定を室内機３Ａおよび室内機３Ｂのそれぞれに送信する（Ｓ３２Ｘ，Ｓ３４Ｘ）。

　次に、ユーザ７Ｂが、タブレット６Ｂを操作して、好み「暑い」を入力する。この操作に応じて、タブレット６Ｂは、システムコントローラ１に、好み「暑い」に対応する信号を送信する（Ｓ３０Ｙ）。

　システムコントローラ１は、ユーザ７Ａの操作に対応する設定（第１の設定）とユーザ７Ｂの操作に対応する設定（第２の設定）を利用して、第３の設定を特定し、当該第３の設定を室外機２Ａ，２Ｂに送信する（Ｓ３１Ｙ，Ｓ３３Ｙ）。

　図１９の例において、スマートフォン６Ａは、第１の入力端末の一例である。タブレット６Ｂは、第２の入力端末の一例である。スマートフォン６Ａによって受け付けられる操作は、第１の操作の一例である。タブレット６Ｂによって受け付ける操作は、第２の操作の一例である。スマートフォン６Ａからシステムコントローラ１に向けて送信される信号は、第１の信号の一例である。タブレット６Ｂからシステムコントローラ１に向けて送信される信号は、第２の信号の一例である。

　スマートフォン６Ａからの信号に応じて、システムコントローラ１によって特定され、かつ、システムコントローラ１から空調機器（室外機２および室内機３）に向けて送信される設定は、第１の設定の一例である。タブレット６Ｂからの信号に応じて、システムコントローラ１によって特定される設定は、第２の設定の一例である。タブレット６Ｂからの信号に応じて、第１の設定と第２の設定とに基づいて特定され、システムコントローラ１から空調機器（室外機２および室内機３）に向けて送信される設定は、第３の設定の一例である。

　ここで、図２０を参照しながら、システムコントローラ１による室外機２Ａ，２Ｂへの設定の送信（Ｓ３１Ｘ，Ｓ３３Ｘ，Ｓ３１Ｙ，Ｓ３３Ｙ）のための処理をより詳細に説明する。図２０は、システムコントローラ１が実施する処理のフローチャートである。ステップＳ３１０にて、システムコントローラ１は、入力端末から信号を受信したか否かを判断する。

　システムコントローラ１は、信号を受信していないと判断すると（ステップＳ３１０にてＮＯ）、ステップＳ３１０の制御を繰り返し、信号を受信したと判断すると（ステップＳ３１０にてＹＥＳ）、ステップＳ３１１へ制御を進める。

　ステップＳ３１１にて、システムコントローラ１は、ステップＳ３１０において信号を受信したと判断した時点から過去の一定時間（たとえば、２時間）以内に、他の信号を受信していたか否かを判断する。システムコントローラ１は、過去の一定時間以内に他の信号を受信していないと判断すると（ステップＳ３１１にてＮＯ）、ステップＳ３１２へ制御を進め、過去の一定時間以内に他の信号を受信していたと判断すると（ステップＳ３１１にてＹＥＳ）、ステップＳ３１４へ制御を進める。

　ステップＳ３１２にて、システムコントローラ１は、図１１のステップＳ１１１と同様に、受信した信号の内容に対応する設定を特定する。ステップＳ３１３にて、システムコントローラ１は、ステップＳ３１２にて特定された設定を室外機２Ａ，２Ｂへ送信し、ステップＳ３１０へ制御を戻す。

　一方、ステップＳ３１４にて、システムコントローラ１は、図１１のステップＳ１１１と同様に、受信した信号の内容に対応する設定を特定する。

　ステップＳ３１５にて、システムコントローラ１は、第３の設定を特定する。システムコントローラ１は、第３の設定の特定に、ステップＳ３１４で特定された設定（第２の設定）と、ステップＳ３１１において受信したと判断した他の信号に応じて特定された設定（第１の設定）とを利用してもよい。より具体的には、システムコントローラ１は、第１の設定に従った動作と第２の設定に従った動作の間の動作を規定するように、第３の設定を特定する。

　図２１および図２２のそれぞれは、第３の設定の特定方法の一例を説明するための図である。図２１および図２２には、設定内容の一例として、風向の設定値の具体例が示される。より具体的には、第１の設定における設定値は「上向き」であり、第２の設定における設定値は「下向き」である。

　図２１において、設定値「上向き」と設定値「下向き」の間に位置する設定値は「中間」である。したがって、システムコントローラ１は、図２２に示されるように、第３の設定として、風向の設定値「中間」を有する設定を特定する。

　図２３および図２４のそれぞれは、第３の設定の特定方法の他の例を説明するための図である。図２３および図２４には、設定内容の一例として、風量の設定値の具体例が示される。より具体的には、第１の設定における設定値は「弱」であり、第２の設定における設定値は「強」である。

　図２３において、設定値「弱」と設定値「強」の間に位置する設定値は「中」である。したがって、システムコントローラ１は、図２４に示されるように、第３の設定として、風量の設定値「中」を有する設定を特定する。

　再度、図２０を参照する。ステップＳ３１５において第３の設定を特定すると、ステップＳ３１６にて、システムコントローラ１は、特定された第３の設定を室外機２Ａ，２Ｂへ送信する。その後、システムコントローラ１は、ステップＳ３１０へ制御を戻す。

　再度、図１９を参照する。室外機２Ａは、ステップＳ３１Ｙにてシステムコントローラ１から第３の設定を受信すると、当該第３の設定を室内機３Ａに送信する（Ｓ３２Ｙ）。これにより、室内機３Ａは、第３の設定に従って空調機器（室外機２Ａおよび室内機３Ａ）を制御する。すなわち、室内機３Ａは、空調機器（室外機２Ａおよび室内機３Ａ）の制御に利用する設定を、第１の設定から第３の設定に切り替える。

　また、室外機２Ｂは、ステップＳ３３Ｙにてシステムコントローラ１から第３の設定を受信すると、当該第３の設定を室内機３Ｂに送信する（Ｓ３４Ｙ）。これにより、室内機３Ｂは、第３の設定に従って空調機器（室外機２Ｂおよび室内機３Ｂ）を制御する。すなわち、室内機３Ｂは、空調機器（室外機２Ｂおよび室内機３Ｂ）の制御に利用する設定を、第１の設定から第３の設定に切り替える。

　実施の形態３では、ユーザ７Ａの操作に対応する設定（第１の設定）とユーザ７Ｂの操作に対応する設定（第２の設定）とが異なる場合に、第２の設定の代わりに、第３の設定が、室内機３Ａおよび室内機３Ｂに送信される。

　第３の設定は、第１の設定によって規定される値（図２１の「上向き」または図２３の「弱」）と第２の設定によって規定される値（図２１の「下向き」または図２３の「強」）の間の値（図２１の「中間」または図２３の「中」）を有する。これにより、連続した複数の操作が互いに競合する設定に対応する場合、当該複数の操作に対応するそれぞれのユーザ全員に、ある程度の快適性が提供され得る。

　今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

　１　システムコントローラ、２，２Ａ，２Ｂ　室外機、３，３Ａ，３Ｂ，３Ｃ　室内機、４，４Ａ，４Ｂ，４Ｃ　リモートコントローラ、５　接点入力機器、６Ａ　スマートフォン、６Ｂ　タブレット、６Ｃ　スイッチボックス、７，７Ａ，７Ｂ　ユーザ、８　リーダ、９　料理、９Ｘ　タグ、９９，９９Ａ，９９Ｂ　テーブル、１００，２００，３００　空気調和システム、１０１　ネットワーク、６２０　画面、６２１，６２２，６２３　ソフトウェアキー。

Claims

　第１の入力端末と、
　システムコントローラと、
　空調機器と、
　リモートコントローラと、を備え、
　前記空調機器は、前記空調機器の室内機および室外機を前記リモートコントローラから受信した設定に従って制御する制御部を含み、
　前記第１の入力端末は、空調に関する第１の操作を受け付け、
　前記システムコントローラは、前記第１の操作に対応する第１の信号を取得し、前記第１の信号に対応する第１の設定を前記空調機器に向けて送信し、
　前記空調機器は、前記システムコントローラからの前記第１の設定を受信する通信インターフェースをさらに含み、
　前記制御部は、前記通信インターフェースが前記第１の設定を受信した場合に、前記室内機および室外機を前記第１の設定に従って制御する、空気調和システム。
　前記第１の操作は、ユーザの空調に関する好みの入力を含み、
　前記第１の設定は、前記好みを実現するための前記室内機および室外機の動作を規定する、請求項１に記載の空気調和システム。
　前記第１の入力端末は、空調に関する２以上の選択肢を提供し、
　前記第１の操作は、前記２以上の選択肢からの１以上の選択を含む、請求項１または請求項２に記載の空気調和システム。
　前記第１の入力端末は、当該第１の入力端末にインストールされたアプリケーションの実行において前記第１の操作を受け付ける、請求項１～請求項３のいずれか１項に記載の空気調和システム。
　前記第１の入力端末は、１以上の操作要素を有するスイッチボックスを含み、
　前記第１の操作は、前記１以上の操作要素に対する操作を含む、請求項１～請求項４のいずれか１項に記載の空気調和システム。
　前記第１の操作は、前記空調機器の空調対象領域内の物体を特定する情報を前記第１の入力端末に向けて提示することを含む、請求項１に記載の空気調和システム。
　前記物体は、食品を含み、
　前記物体を特定する情報を前記第１の入力端末に向けて提示することは、前記食品、前記食品の容器、または、前記食品の調理用具に貼付されたタグを前記第１の入力端末に読み取らせることを含む、請求項６に記載の空気調和システム。
　前記制御部は、
　　前記通信インターフェースが前記第１の設定を受信した後、所与の条件が成立するまでは、前記室内機および室外機を前記第１の設定に従って制御し、
　　前記所与の条件が成立した後は、前記室内機および室外機を前記リモートコントローラからの設定に従って制御する、請求項１～請求項７のいずれか１項に記載の空気調和システム。
　前記所与の条件は、前記通信インターフェースが前記第１の設定を受信してから一定時間が経過したこと、および、前記リモートコントローラから新たな設定を受信したこと、のうち少なくとも一方を含む、請求項８に記載の空気調和システム。
　前記制御部は、
　　前記通信インターフェースが前記第１の設定を受信した後、所与の条件が成立するまでは、前記室内機および室外機を前記第１の設定に従って制御し、
　　前記所与の条件が成立した後は、前記室内機および室外機を、前記通信インターフェースが前記第１の設定を受信する前に前記室内機および室外機の制御に利用されていた設定に従って制御する、請求項１～請求項７のいずれか１項に記載の空気調和システム。
　前記第１の設定は、オンまたはオフ、動作モード、空調動作の設定温度、風向、および、風量のうち少なくとも１つを指定する情報を含む、請求項１～請求項１０のいずれか１項に記載の空気調和システム。
　前記システムコントローラは、
　　前記第１の入力端末の位置情報を取得し、
　　入力端末と位置情報と空調機器の位置情報とを関連付ける情報を参照することにより、前記第１の入力端末の位置情報に関連付けられた位置情報を有する前記空調機器を特定する、請求項１～請求項１１のいずれか１項に記載の空気調和システム。
　空調に関する第２の操作を受け付ける第２の入力端末をさらに備え、
　前記システムコントローラは、
　　前記第２の入力端末が前記第２の操作を受け付けたことに応じて、前記第２の操作に対応する第２の信号を取得し、
　　前記第２の信号に対応する第２の設定を特定し、
　　前記第１の設定によって規定される値と前記第２の設定によって規定される値の間の値を有する第３の設定を特定し、
　　前記空調機器に向けて、前記第３の設定を送信し、
　前記通信インターフェースは、前記システムコントローラからの前記第３の設定を受信し、
　前記制御部は、前記通信インターフェースが前記第３の設定を受信したことに応じて、前記室内機および室外機の制御に利用する設定を前記第１の設定から前記第３の設定に切り替える、請求項１～請求項１２のいずれか１項に記載の空気調和システム。
　コンピュータによって実行される、空調機器の制御方法であって、
　前記空調機器は、リモートコントローラからの設定に従って前記空調機器の室内機および室外機を制御するように構成されており、
　前記コンピュータは、入力端末が空調に関する操作を受け付けたことに応じて、前記操作に対応する信号を取得するように構成されており、
　前記入力端末は、前記リモートコントローラとは異なる装置によって構成され、
　前記信号を取得したか否かを判断するステップと、
　前記信号を取得したと判断した場合に、前記信号に対応する設定を特定するステップと、
　特定した前記設定を前記空調機器に向けて送信するステップと、を備える、空調機器の制御方法。
　通信インターフェースと、
　制御部と、を備える空調機器であって、
　前記制御部は、前記空調機器の室内機および室外機をリモートコントローラから受信した設定に従って制御し、
　前記通信インターフェースは、第１の設定を受信し、
　前記第１の設定は、前記リモートコントローラとは異なる装置によって構成される入力端末が空調に関する操作を受け付けたことに応じて特定された設定であり、
　前記制御部は、前記通信インターフェースが前記第１の設定を受信した場合に、前記室内機および室外機を前記第１の設定に従って制御する、空調機器。