WO2022190754A1 - 機械式継手管を有する鋼管矢板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

鋼管本体及びその端部に設けた機械式継手管の外周面に継手管を備えた鋼管矢板を、機械式継手管の真円度を確保しつつ製造する方法を提供する。 本発明に係る機械式継手管を有する鋼管矢板の製造方法は、鋼管本体3の端部から200mm以上離れた外周面に、第1パイプ15を取り付ける第1パイプ取付工程S1と、第1パイプ取付工程S1の後、第1パイプ15に第1スリット15aを形成する第1スリット形成工程S3と、第1スリット形成工程S3の後、機械式継手管5を取り付ける機械式継手管取付工程S5と、機械式継手管取付工程S5の後、第2スリット17aが設けられた第2パイプ17を鋼管本体3の外周面に固定し、第1パイプ15の端部と第2パイプ17の一端部を溶接接合する第2パイプ取付工程S7と、第2パイプ取付工程S7の後、第1スリット15aと第2スリット17aを連通させるスリット連通工程S9とを備えたものである。

Description

機械式継手管を有する鋼管矢板の製造方法
 本発明は、鋼管本体の端部にねじ式などの機械式継手管を有すると共に前記鋼管本体及び前記機械式継手管の外周面に管軸方向に延びる継手管を備えた鋼管矢板の製造方法に関する。
 従来、図8、図9に示すような鋼管矢板23に関し、上下の鋼管矢板23同士を管軸方向に連結する際には主に溶接が用いられてきたが、大径厚肉の鋼管を用いる現場や、空頭制限の為に短い管を多数接続しなければならない現場では、溶接や検査に長時間を要するため、溶接に代わって機械式継手を用いることが増えてきている。機械式継手には様々な種類があるが、よく用いられる構造として例えばねじ式継手がある。
 このような機械式継手を製造時に予め鋼管本体3の端部に設けておくことで、作業現場においてはねじ式継手を回転嵌合して上下の鋼管矢板23同士を連結することができ、作業時間を短縮することができる。
 一方、鋼管矢板23は、鋼管本体3の外周面に、隣接する鋼管矢板23同士を連結するための継手管7が設けられている。この継手管7も上述した機械式継手と同様に製造時に予め鋼管本体3の外周面に取り付けられるものであるが、その取り付け時の溶接の熱影響などによって鋼管本体3の真円度が悪化する場合がある。
 これに対し、特許文献1には、管端部の真円度を確保した鋼管矢板とその製造方法が開示されている。特許文献1に開示された方法では、「鋼管矢板の管端部の内周部に、少なくとも爪が溶接された最も熱収縮の影響をうける部位と、それ以外の熱収縮の影響を受けない部位とを互いに固定するリブを接合した」ことにより、管端部の真円度及び平面度を確保できるとしている。なお、特許文献1の「爪」とは、前述した鋼管本体3の外周面に設けられる継手管7と同様のものである。
 また、上記特許文献1では、鋼管矢板の端部に機械式継手を取り付ける場合においても、「鋼管矢板の管端部の平面度が保たれているので、機械継手と鋼管矢板とが均一の溶接条件で全周を溶接できるため、機械継手が均一な溶接品質で曲がることなく取り付けることができる」としている。
特開2009-166084号公報
 特許文献1の方法では、鋼管本体3の外周面に継手管7を取り付けた後、鋼管本体の端部に機械式継手を取り付けているので、機械式継手の外周面には継手管7が設けられていない。
 このような鋼管矢板23は、施工現場において、上下の鋼管矢板23同士を機械式継手によって連結したあと、上下の鋼管矢板23の継手管7をつなぐ部分に別途継手管7を溶接接合する必要がある(図8の網掛けで示す部分)。
 一方、現場施工の省人化・省力化の為には、機械式継手の外周面にも製造時に予め継手管7を取り付けておき、現場での継手管7の取り付け作業を不要としたいという要望があった。
 しかしながら、製造時に機械式継手の外周面に継手管7の素材となるパイプを溶接接合すると、取り付け時の熱影響によって機械式継手の真円度が変化する。また、パイプを溶接接合したあと、断面C字状(図9参照)の継手管7にするためにパイプに対して管軸方向に延びるスリット7aを形成するが、この際継手管7においてスリット7aを形成した部分が開こうとする変形が起こる。これによって継手管7と溶接接合されている鋼管本体3及び機械式継手に応力の再配分が生じて機械式継手の真円度がさらに変化する。
 前述したねじ式継手のように回転嵌合によって連結するような機械式継手の場合、真円度が変化することで嵌合時の抵抗が大きくなって作業効率が悪化したり、嵌合ができなくなるという問題があった。
 本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、鋼管本体及びその端部に設けた機械式継手管の外周面に継手管を備えた鋼管矢板を、機械式継手管の真円度を確保しつつ製造する方法を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る機械式継手管を有する鋼管矢板の製造方法は、鋼管本体の端部に機械式継手管を有すると共に前記鋼管本体及び前記機械式継手管の外周面に管軸方向に延びる継手管を備えた鋼管矢板の製造方法であって、前記鋼管本体の端部から200mm以上離れた外周面に、前記継手管の一部となる第1パイプを溶接により取り付ける第1パイプ取付工程と、該第1パイプ取付工程の後、前記第1パイプの端部を除く部分に管軸方向に延びる第1スリットを形成する第1スリット形成工程と、該第1スリット形成工程の後、前記鋼管本体の端部に前記機械式継手管を取り付ける機械式継手管取付工程と、該機械式継手管取付工程の後、一端部を除く部分に管軸方向に延びる第2スリットが予め設けられて前記第1パイプと共に前記継手管を構成する第2パイプを、前記一端部を前記第1パイプの端部に当接させると共に前記第2スリットが前記第1パイプの前記第1スリットと同一軸線状に位置するように配置して前記鋼管本体の外周面に固定し、前記第1パイプの端部と前記第2パイプの一端部を溶接接合する第2パイプ取付工程と、該第2パイプ取付工程の後、前記第1パイプ及び前記第2パイプの端部にスリットを形成して前記第1スリットと前記第2スリットを連通させるスリット連通工程と、を備えたものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記第1パイプ取付工程において、前記第1パイプをその端部が前記鋼管本体の端部から500mm以内に位置するように配置し、前記第2パイプ取付工程において、前記第2パイプを鋼管本体に部分溶接によって固定するものである。
 本発明においては、継手管を構成する第1パイプの取付及びスリット形成を機械式継手管の取付前に行い、機械式継手管の取付後に予めスリットが設けられた第2パイプを第1パイプに溶接接合することで、継手管の取り付け時の熱影響及びスリット加工時の影響を最小限に抑えることができ、鋼管本体及びその端部に設けた機械式継手管の外周面に継手管を備えた鋼管矢板を、機械式継手管の真円度を確保しつつ製造することができる。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる鋼管矢板の製造方法の工程を説明する説明図である。 図2は、本発明の一実施の形態にかかる鋼管矢板の製造方法を説明する説明図である。 図3は、本発明の一実施の形態にかかる鋼管矢板における上下連結部近傍の端面図である。 図4は、図3の矢視A-A断面図である。 図5は、実施例における比較例1の説明図である。 図6は、実施例における比較例2の説明図である。 図7は、実施例における本発明例の効果を説明するためのグラフである。 図8は、従来の鋼管矢板の側面図である。 図9は、従来の鋼管矢板の平面図である。
 本発明の一実施の形態に係る鋼管矢板の製造方法は、鋼管本体の端部に機械式継手管を有すると共に鋼管本体及び機械式継手管の外周面に管軸方向に延びる継手管を備えた鋼管矢板を製造するものである。本実施の形態の鋼管矢板の製造方法は、図1、図2に示すように、第1パイプ取付工程S1と、第1スリット形成工程S3と、機械式継手管取付工程S5と、第2パイプ取付工程S7と、スリット連通工程S9とを備えたものである。
 上記製造方法の説明に先立ち、まずは、本実施の形態にかかる鋼管矢板について図3、図4を用いて詳細に説明する。
 図3は、上下の鋼管矢板を管軸方向に連結した状態で、連結部近傍を管軸方向に切断した場合の端面図であり、図4は図3の矢視A-A断面図である。
 本実施の形態に係る鋼管矢板1は、上述したように、鋼管本体3の端部に機械式継手管5を有すると共に鋼管本体3及び機械式継手管5の外周面に管軸方向に延びる継手管7を備えている。
 機械式継手管5は、雌ねじを有する外側継手管9と、雄ねじを有する内側継手管11を有しており、外側継手管9は嵌合時に外側に配置され、内側継手管11は嵌合時に内側に配置されるものである。図3は、図中上側の鋼管本体3の下端部に内側継手管11が設けられ、図中下側の鋼管本体3の上端部に外側継手管9が設けられた例である。
 また、図4に示すように、外側継手管9と内側継手管11には回転防止ボルト13を挿入するためのタップ孔9a、11aが設けられている。そして、外側継手管9と内側継手管11を嵌合させた状態でタップ孔9a、11aに回転防止ボルト13を挿入することで、内側継手管11が逆回転して嵌合が外れるのを防止できる。
 鋼管本体3及び機械式継手管5(外側継手管9及び内側継手管11)の外周面の対向する位置には、管軸方向に延びる継手管7が設けられている。そして、機械式継手管5が嵌合して上下の鋼管矢板1が連結している状態において、内側継手管11が設けられた上方の鋼管矢板1側の継手管7の端部と、外側継手管9が設けられた下方の鋼管矢板1側の継手管7の端部が接触もしくは近接するようになっている。
 上記のように構成された鋼管矢板1の製造方法の各工程について図1、図2を用いて以下、具体的に説明する。なお、図2は、鋼管本体3の端部に外側継手管9を設ける場合を例示している。
<第1パイプ取付工程>
 第1パイプ取付工程S1は、図2(a)に示すように、鋼管本体3の端部から距離a離れた外周面に、継手管7の一部となる第1パイプ15を取り付ける工程である。
 第1パイプ15の取り付けは全長溶接によって行い、第1パイプ15の端部と鋼管本体3の端部との距離aは200mm以上とする。距離aを200mm以上とする理由は以下の通りである。
 第1パイプ15の端部は、後段の第2パイプ取付工程S7で第2パイプ17と溶接接合する部分である。距離aを200mm以上とすれば、第1パイプ15と第2パイプ17を溶接接合する際、機械式継手管5に熱影響を与えにくいので、真円度への影響を低減できる。
 また、第1パイプ15の端部と鋼管本体3の端部に200mm以上の距離aを設けることで、当該部分を作業台等の上に固定する部分として用いることができ、第1パイプ15の取り付け作業や、後段の工程での作業性が良くなる。
<第1スリット形成工程>
 第1スリット形成工程S3は、第1パイプ取付工程S1の後、図2(b)に示すように、第1パイプ15の端部を除く部分に管軸方向に延びる第1スリット15aを形成する工程である。
 第1スリット15aの形成は溶断(ガス切断やプラズマ切断など)によって行う。
 第1パイプ15の端部を除いて第1スリット15aを形成する理由は以下の通りである。
 第1パイプ15に管軸方向全長に亘るスリットを形成すると、前述したように、スリットが開こうとする変形が起こる。このような変形が起こると、後段の第2パイプ取付工程S7で第2パイプ17と溶接接合する際に第1パイプ15の端面と第2パイプ17の端面が合わないという不具合が生じる。
 この点、本実施の形態においては第1パイプ15の端部に第1スリット15aを形成しないので端部の形状が保たれ、上記のような不具合が生じない。
 なお、第1パイプ15の端部の変形防止やスリット連通工程S9での作業性を考慮すると、第1パイプ15の管端と第1スリット15aとの距離bは20mmから80mm程度とするのが好ましい。
<機械式継手管取付工程>
 機械式継手管取付工程S5は、第1スリット形成工程S3の後、図2(c)に示すように、鋼管本体3の端部に機械式継手管(図2では外側継手管9)を取り付ける工程である。
 外側継手管9の取り付けは全周溶接によって行う。
<第2パイプ取付工程>
 第2パイプ取付工程S7は、機械式継手管取付工程S5の後、図2(d)に示すように、第2パイプ17を取り付ける工程である。
 第2パイプ17は、第1パイプ15と共に継手管7を構成するものであり、外側継手管9の端部から第1パイプ15の端部に亘る長さを有している。また第2パイプ17には、一端部を除く部分に管軸方向に延びる第2スリット17aが予め設けられている。
 第2パイプ17の一端部を除いて第2スリット17aを形成している理由は第1パイプ15の第1スリット15aと同様に端部の変形を防ぐためである。また、第2パイプ17の管端と第2スリット17aとの距離cは第1パイプ15の距離bと同様に20mmから80mm程度とするのが好ましい。
 第2パイプ17の取り付けは下記のように行う。
 まず、第2パイプ17の一端部を第1パイプ15の端部に当接させると共に第2スリット17aが第1パイプ15の第1スリット15aと同一軸線状に位置するように配置する。
 次に、第2パイプ17を鋼管本体3の外周面に溶接する等して固定する。
 そして、第1パイプ15の端部と第2パイプ17の一端部を周方向に溶接して接合する。
 前述したように、第1パイプ15の端部と第2パイプ17の一端部にはスリットが形成されていないため管端の形状が保たれており、不具合なく周方向に溶接することができる。
 なお、第2パイプ17を鋼管本体3の外周面に固定する際の外側継手管9への熱影響を考慮する場合には、第2パイプ17を鋼管本体3に部分溶接(組み立て溶接ともいう)して固定してもよい。その場合、第1パイプ取付工程S1における距離a(図2(a)参照)を500mm以内とし、第2パイプ17の長さが長くなりすぎないようすると、第2パイプ17の取り付け強度を確保できるので好ましい。
<スリット連通工程>
 スリット連通工程S9は、第2パイプ取付工程S7の後、図2(e)に示すように、第1パイプ15及び第2パイプ17の端部にスリットを形成して第1スリットと第2スリットを連通させる工程である。
 第1スリット15aと第2スリット17aを連通させることで、第1パイプ15と第2パイプ17で構成され全長に亘ってスリット7aが設けられた継手管7が形成される。
 なお、図2は鋼管本体3の端部に外側継手管9を有する鋼管矢板1を製造する例であったが、鋼管本体3の端部に内側継手管11を有する鋼管矢板1を製造する場合も同様に行う。
 もっとも、内側継手管11を有する鋼管矢板1の場合、第2パイプ取付工程S7で取り付ける第2パイプ17の長さは内側継手管11のねじが形成されていない部分から第1パイプ15の端部まで亘る長さとなる。具体的には、第2パイプ17の長さは、内側継手管11に外側継手管9が嵌合した状態で(図3参照)、外側継手管9の管端が当接する部分から第1パイプ15の端部まで亘る長さとなる。
 以上のように、本実施の形態においては、機械式継手管5を鋼管本体3に取り付ける前に第1パイプ15の取り付け及び第1スリット15aの形成を行う。よって、第1パイプ15を全長溶接する際の熱や、第1スリット15aを形成する際の応力の再配分が機械式継手管5の真円度に影響しない。
 また、第2パイプ17においても、第2スリット17aが予め設けられており、鋼管本体3に固定して第1パイプ15に溶接接合しているので、機械式継手管5の真円度に与える影響は小さい。
 このように、本発明によれば、継手管7の取り付け時の熱影響及びスリット加工時の影響を最小限に抑えている。よって、鋼管本体3及びその端部に設けた機械式継手管5の外周面に継手管7を備えた鋼管矢板1を、機械式継手管5の真円度を確保しつつ製造することができる。したがって、機械式継手管5の嵌合性が確保されると共に、現場施工において継手管7の取り付けを必要としないので省人化・省力化に寄与する。
 なお、上述した実施の形態では、ねじ式の機械式継手管5を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、他の種類の機械式継手管にも効果を奏することができる。例えば、外側継手管に内側継手管を差し込んで、外側継手管に設けられた凹部と内側継手管に設けられた凸部を係合させて連結する差し込み式の機械式継手管の場合にも、本発明を適用することで現場での施工性に優れた鋼管矢板を製造することができる。
 また、本発明は、鋼管本体の一端部に機械式継手管を有するもの、及び、鋼管本体の両端部に機械式継手管を有するもののどちらの場合にも適用できる。即ち、複数の鋼管矢板を上下方向に連結する際、最上段又は最下段に配置されて鋼管本体の下端又は上端にのみ機械式継手管を有するもの、中間に配置されて鋼管本体の両端に機械式継手管を有するもの、そのいずれの場合の鋼管矢板にも本発明を適用できる。
 本発明の鋼管矢板1の製造方法による作用効果について確認するための具体的な実験を行ったので、その結果について以下に説明する。
 鋼管本体3には、外径=1000mm、板厚=12mmのものを使用した。
 また、継手管7または継手管7を構成する第1パイプ15、第2パイプ17には、外径=165.2mm、板厚=11mmのものを使用した。
 発明例として、図1、図2で説明した実施の形態における製造方法を用いて鋼管矢板1を製造した。本発明例では、距離a=300mm、距離b=80mm、距離c=80mm(図2参照)とした。
 また、比較例1、2として、図2に示した製造方法と異なる手順で鋼管矢板19、21を製造した。
 比較例1における製造方法を図5に示す。図5は、図2と同様に、鋼管本体3の端部に外側継手管9を設ける場合を例示している(以下、図6も同様)。
 比較例1では、まず図5(a)に示すように、鋼管本体3の端部に外側継手管9を全周溶接によって取り付けた。
 次に、図5(b)に示すように、外側継手管9と鋼管本体3の外周面に継手管7を取り付けた。このとき、外側継手管9には溶接を行わず、図中矢印で示す鋼管本体3の端部から300mmの間は部分溶接、その他の部分は全長溶接とした。
 次に、図5(c)に示すように、図5(b)で取り付けた継手管7の全長にスリット7aを形成し、鋼管矢板19を製造した。内側継手管11を有する鋼管矢板19も同様に製造した。
 比較例2における製造方法を図6に示す。
 比較例2では、まず図6(a)に示すように、鋼管本体3の端部に外側継手管9を全周溶接によって取り付けた。
 次に、図6(b)に示すように、鋼管本体3の端部から300mm離れた外周面に、継手管7の一部となる第1パイプ15を全長溶接によって取り付けた。
 次に、図6(c)に示すように、図6(b)で取り付けた第1パイプ15の端部を除く部分に第1スリット15aを形成した。第1パイプ15の管端と第1スリット15aとの距離は80mmとした。
 次に、図6(d)に示すように、第1パイプ15と共に継手管7を構成する第2パイプ17を取り付けた。第2パイプ17には、一端部を除く部分に第2スリット17aが予め設けられており、第2パイプ17の管端と第2スリット17aとの距離は80mmとした。
 第2パイプ17の取り付けは、図2(d)で説明したものと同様の方法で行い、第2パイプ17を鋼管本体3に固定する際には部分溶接を用いた。
 次に、図6(e)に示すように、第1スリット15aと第2スリット17aを連通させて第1パイプ15と第2パイプ17で構成される継手管7を形成し、鋼管矢板21を製造した。内側継手管11を有する鋼管矢板21も同様に製造した。
 上記発明例を用いて製造した鋼管矢板1及び比較例1、2を用いて製造した鋼管矢板19、21について、それぞれ機械式継手管5の真円度(最大外径-最小外径)を算出し、比較したものを図7に示す。図7は、比較例2の真円度で基準化した真円度比を示している。
 図7のグラフに示すように、本発明例における鋼管矢板1の真円度比は、比較例1、2と比較して著しく小さく、比較例2と比べると75%減少出来た。
 比較例1、2では、鋼管本体3に機械式継手管5を取り付けた後に、継手管7または第1パイプ15を取り付けてスリット加工している。これに対し、発明例は、第1パイプ15を取り付けて第1スリット15aを形成した後に、機械式継手管5を取り付けている。これにより、第1パイプ15溶接時の熱影響やスリット加工時の応力再配分等が機械式継手管5に影響せず、上述のように鋼管矢板の真円度比を著しく小さくすることができる。
 また、比較例1、2の製造方法で製造した鋼管矢板19、21は、上下の鋼管矢板19、21を連結する際、上方の鋼管矢板19、21を人力だけで回転させることができず、チェーンブロックやチルホール等の補助治具が必要であった。
 一方、本発明例の製造方法で製造した鋼管矢板1は、真円度が確保されているため機械式継手管5の嵌合性が良く、補助治具を必要とせずに人力だけで上方の鋼管矢板1を回転することができ、比較例1、2と比較して施工性が向上した。
 上記実施例の結果より、鋼管矢板の製造において、機械式継手管の取り付け、継手管の取り付け、スリット形成の順序が、機械式継手管の真円度及び篏合性に影響があることは自明である。
 本発明によれば、継手管の取り付け時の熱影響及びスリット加工時の影響を最小限に抑えて機械式継手管の嵌合性を十分に確保しつつ、鋼管本体及び機械式継手管の外周面に継手管を備えた鋼管矢板を製造することができる。
  1 鋼管矢板
  3 鋼管本体
  5 機械式継手管
  7 継手管
  7a スリット
  9 外側継手管
  9a タップ孔
  11 内側継手管
  11a タップ孔
  13 回転防止ボルト
  15 第1パイプ
  15a 第1スリット
  17 第2パイプ
  17a 第2スリット
  19 鋼管矢板(比較例1)
  21 鋼管矢板(比較例2)
  23 鋼管矢板(従来例)

Claims (2)

  1.  鋼管本体の端部に機械式継手管を有すると共に前記鋼管本体及び前記機械式継手管の外周面に管軸方向に延びる継手管を備えた鋼管矢板の製造方法であって、
     前記鋼管本体の端部から200mm以上離れた外周面に、前記継手管の一部となる第1パイプを溶接により取り付ける第1パイプ取付工程と、
     該第1パイプ取付工程の後、前記第1パイプの端部を除く部分に管軸方向に延びる第1スリットを形成する第1スリット形成工程と、
     該第1スリット形成工程の後、前記鋼管本体の端部に前記機械式継手管を取り付ける機械式継手管取付工程と、
     該機械式継手管取付工程の後、一端部を除く部分に管軸方向に延びる第2スリットが予め設けられて前記第1パイプと共に前記継手管を構成する第2パイプを、前記一端部を前記第1パイプの端部に当接させると共に前記第2スリットが前記第1パイプの前記第1スリットと同一軸線状に位置するように配置して前記鋼管本体の外周面に固定し、前記第1パイプの端部と前記第2パイプの一端部を溶接接合する第2パイプ取付工程と、
     該第2パイプ取付工程の後、前記第1パイプ及び前記第2パイプの端部にスリットを形成して前記第1スリットと前記第2スリットを連通させるスリット連通工程と、を備えた、機械式継手管を有する鋼管矢板の製造方法。
  2.  前記第1パイプ取付工程において、前記第1パイプをその端部が前記鋼管本体の端部から500mm以内に位置するように配置し、
     前記第2パイプ取付工程において、前記第2パイプを鋼管本体に部分溶接によって固定する、請求項1記載の機械式継手管を有する鋼管矢板の製造方法。
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