JPH07290246A - 現地溶接施工性に優れた複層鋼管およびその製造方法 - Google Patents

現地溶接施工性に優れた複層鋼管およびその製造方法

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JPH07290246A
JPH07290246A JP10920194A JP10920194A JPH07290246A JP H07290246 A JPH07290246 A JP H07290246A JP 10920194 A JP10920194 A JP 10920194A JP 10920194 A JP10920194 A JP 10920194A JP H07290246 A JPH07290246 A JP H07290246A
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JP
Japan
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pipe
steel pipe
welding
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double
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JP10920194A
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English (en)
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Hideki Kashiwamura
英樹 柏村
Yuichiro Komatsu
祐一郎 小松
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 石油ガス輸送用ラインパイプ、化学プラント
用配管等に用いられる現地自動溶接施工性に優れた複層
鋼管およびその製造方法に関するものであって、オフセ
ット(目違い)があっても良好な溶接ができるようにす
る。 【構成】 内層と外層から構成される複層鋼管で管端部
には現地溶接接続用の開先加工が施されており、前記内
層の管の管端部には管内面方向の高さが0.5〜1.1
mm、管軸方向の幅が1.0〜2.1mm、断面形状が
略1/4円または1/4楕円状のバンド状の内面突起が
形成されている複層鋼管と、これの内面肉盛溶接による
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石油ガス輸送用ライン
パイプ、化学プラント用配管等に用いられる現地自動溶
接施工性に優れた複層鋼管およびその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】腐食性媒体を輸送する複層鋼管は一般に
内面側は耐食性の優れたニッケル合金やステンレス材、
外面側は強度部材としての炭素鋼から構成されている。
従来このような複層鋼管の現地施工溶接を全自動で行う
場合、外面からの自動GTAW溶接法(TIG)が用い
られることが多い。他の溶接法については手動溶接法は
手入れの手間がかかる、熟練を要する、能率が悪い等の
理由から補修や自動溶接が不可能な場合以外は用いられ
ないことが多い。またGMAW溶接等の電極消耗型の自
動溶接もステンレス等一部には用いられているが、高合
金では良好な裏波が得られるほどの高品質溶接条件は見
いだされていない。
【0003】上記複層鋼管の全自動GTAW溶接を行う
場合、その管端の開先形状としては図3に示すようなJ
型開先が用いられる。すなわち図3は開先を構成する一
方の部材を示し、1が炭素鋼などの外層材、2がステン
レス鋼などの内層材であり、この場合ルート厚み3は
1.0〜1.5mm、ノーズ長さ4は1.5mm〜2.
5mmの範囲で行われることが多い。
【0004】このような開先で良好な裏波を確保するた
めには、図4に示すようなオフセット(目違い)5を
0.5mm以下と厳しく管理しなければならない。オフ
セットを小さくするためには真円度が良いことが必要で
あるが、複層鋼管では厚肉の継ぎ目無鋼管を用いること
も多く良好な真円度を確保するためには余分の工程や厳
しい管理が必要となり、その結果としてのコストアップ
を招く。
【0005】ノーズ部4は短いと1層目のビードが側壁
に触れ易く表面張力により表面側に吸い上げられ、その
結果図6に示すようにルートビード6の裏波7が凹とな
り良好な外観を得ることが困難である。ノーズ部が長い
と図7に示すように良好なルートビード6は得られやす
いが逆に入熱コントロール範囲が狭くなり、図4のよう
なオフセット5があると図5に示すように僅かの過大入
熱でも溶け落ち8の可能性が増えるという問題がある。
【0006】オフセットを回避する対策として以下のこ
とが行われることが多い。内層と外層から構成される複
層鋼管またはクラッド鋼管の現地溶接接続においては例
えばルート部厚みが1〜1.5mmの開先をあらかじめ
加工したうえ、接合すべきパイプの両管端をクランピン
グ治具で拘束しながら開先面隙間やオフセット(目違
い)をできるだけ矯正したのち溶接が行われる。一般に
耐蝕性機能等を備えたクラッド鋼管や二重管では内管の
厚みは1〜1.5mm程度である。一方クランピング等
で矯正できるオフセットの限度は多くは最大1.0mm
とされている。特にシームレス鋼管等の厚肉パイプでは
偏肉から生じる開先面のオフセットが起こり易いが管端
矯正にて内面を合わせることは極めて困難である。
【0007】また単層のパイプで行われているように目
違いがあった場合に内面が同一面になるよう開先を切り
直すことは好ましくない。なぜなら内層の機能(耐蝕性
など)を維持するためには内外層の材質成分が円周継ぎ
手溶接時に稀釈混合されることは極めて好ましくないか
らである。したがって従来はクラッド鋼管や二重管は出
荷前にその真円度を厳しく管理するか、オフセット(目
違い)があった場合は最大約1.0mmまでは高度な溶
接技術により能率を落として溶接施工を主にマニュアル
溶接で行っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとく従来の方
法でクラッド鋼管や二重管を溶接する場合、通常の全姿
勢の全自動溶接においては端面ルート部に食い違いがあ
ると溶け落ちが発生するため、従来はインサートメタル
という線状の補填用金属材を裏波の均一性と同時に前述
のような開先面の目違いへの感受性緩和の目的で使用す
ることがある。しかしながら現地で開先面に的確に装着
することは容易ではないうえ溶接条件が適切でないとか
えって該インサートメタルと母材間の融合不良を起こす
危険性があった。本発明はこのような問題がなくオフセ
ットがあっても良好な溶接が可能な方法を提供すること
を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するものであって、内層と外層から構成される複層鋼管
で管端部には現地溶接接続用の開先加工が施されてお
り、前記内層の管の管端部には管内面方向の高さが0.
5〜1.1mm、管軸方向の幅が1.0〜2.1mm、
断面形状が略1/4円または1/4楕円状のバンド状の
内面突起が形成されていることを特徴とする現地溶接施
工性に優れた複層鋼管である。
【0010】またさらに、内層と外層から構成される複
層鋼管の管端部の開先加工において、前記内層の管の管
端部内面に肉盛ビードを形成し、続いて現地溶接接続用
の開先加工を施すことにより前記肉盛ビードを管内面方
向の高さが0.5〜1.1mm、管軸方向の幅が1.0
〜2.1mm、断面形状が略1/4円または1/4楕円
状のバンド状の内面突起となるように加工することを特
徴とする現地溶接施工性に優れた複層鋼管の製造方法で
ある。
【0011】
【作用】以下に本発明の構成および製造方法について述
べる。本発明の特殊開先を備えた複層鋼管の基になる複
層鋼管は拡管焼ばめ法等で製造された複層鋼管であり、
内管はステンレス鋼や高合金の厚み2〜3mmの高耐蝕
金属鋼管であり、外管は多くは肉厚10〜30mmの高
張力鋼管等の炭素鋼である。内管と外管は上記拡管焼ば
め法では機械的に密着せしめられている。管端部は通常
図8に示すようにシール溶接9が施されている。このシ
ール溶接の目的は継ぎ手円周溶接のさいに溶接金属の内
外管の境界部分から欠陥が出ることを防ぐためである。
このシール溶接は当該複層鋼管の製造現場にてパイプの
外面にパイプ回転下向き溶接にて施され、その後の現地
溶接接続用の開先加工により図9のように加工される。
【0012】本発明の内面肉盛付き開先の基となる内面
肉盛ビード10はこのシール溶接施工時にシール溶接と
同じ方法で図2に示すようにパイプの内面に実施するこ
とができる。施工工程としては上記シール溶接と同時あ
るいは別々に行うことができる。上記内面肉盛ビードの
肉盛溶接はGTAW法やGMAW法あるいは他のアーク
溶接法を用いることができる。
【0013】上記内面肉盛ビードの肉盛溶接後、すでに
終了している、あるいはこの後に行われる前記管端シー
ル溶接と併せて図1に示すように現地溶接接続用の開先
加工として最適の形状に機械加工により仕上げることが
できる。すなわち前記の内面肉盛ビード10の幅の約半
分を削り落とすことにより1/4円または1/4楕円状
のバンド状の内面突起11となすことができる。精密に
制御された最近の自動溶接技術でもってすれば表面の切
削加工はほとんど必要とせず簡単な端面加工で対応でき
るため工程上の大きな負担とならない。本発明の管端加
工法は一般のクラッド鋼管に適用しても効果を発揮する
ことができる。
【0014】本発明の構成の数値限定の理由は以下の通
りである。端部の肉盛部の最大厚h(図1参照)を1.
1mmとしたのはそれを越えると溶け込み不足が生じや
すくなり、あるいはそれを避けるために必要以上に入熱
を増加させることが必要になる。0.5mm未満だとオ
フセットが1.0mm以上あるときに良好な裏波ビード
が得られないばかりか溶け落ちが生じる可能性がでてく
る。さらに最大高さ0.5mm未満の肉盛り金属層を肉
盛り溶接のみで造ることはかなり困難であり切削等の加
工工程がふえる。
【0015】また幅w(図1参照)が2.1mmを越え
ると増肉部に熱が貯まる程度が少ないため従来と同じ入
熱では十分な溶融がなされず結果として融合不良が生じ
たりスムーズな裏波が得られなくなる可能性がある。ま
た幅1.0mm未満では形状バランスが悪いためやはり
融合不良が生じるほか、肉盛り部をアーク溶接等で均一
に造ることが難しい。
【0016】上記のように本発明の管端内面に余盛り形
状を備えた開先を持つ複合鋼管を全自動GTAW溶接す
ると以下の効果が発揮される。オフセットが無い場合は
安定した裏波が形成される。オフセットが0〜2mmあ
ってもルート部での肉盛部の厚さhによりメタルコンタ
クトがあるため溶け落ちを生じることなく裏波不足とな
ることはない。ルート部は厚肉化しているが幅wを制限
することにより端部に限られているため溶融効率の低下
への影響は少ない。
【0017】なお本発明の開先はグラインダ等によって
手直しもすることで突き合わせ面の一層厳密な寸法調整
が可能となる。また万が一内面に溶け込み不良が残った
場合でも必要ルート厚みを越えてかつ引張応力のかから
ない場合では検査上また実用上問題はなく逆に溶接条件
の許容範囲が広げられる効果がある。さらに上記内面肉
盛材料に内管材料より耐蝕性の良い金属を選ぶことが可
能で、それにより溶接部の信頼性を高めることもでき
る。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例について述べる。表1
に示す各種組成の拡管焼ばめ型二重管およびクラッド鋼
管を用いて開先形状部の状況を変えて全姿勢全自動GT
AW溶接実験を行った。オフセットへの適用性、裏波の
品質、溶接作業性を評価した結果を示す。表1において
開先角度は図1のθを、内面肉盛w×hは図1のw、h
をあらわしている。本発明による製造方法によれば、良
好なルートビードが得られる許容オフセット値は従来よ
り大幅に増え、困難なオフセット調整の手間がはぶけ、
また溶け落ちの発生とその補修というトラブルも回避で
きることがわかる。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明により製造された複合鋼管は、現
地中継ぎ溶接のさいオフセット許容範囲が広がり高品
質、高能率溶接を可能とし、現地施工のトータルコスト
が低廉化する。従来の該鋼管に比し、現地施工性、溶接
部の信頼性を飛躍的に向上させるものであり、工業的価
値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複層鋼管の管端部を示す図
【図2】本発明の複層鋼管の製造方法における管端部の
内面肉盛ビードの状況を示す図
【図3】J型開先を示す図
【図4】オフセット状況を示す図
【図5】オフセットが大きい場合の溶け落ち状況を示す
【図6】ルートビード例を示す図
【図7】ルートビード例を示す図
【図8】管端部のシール溶接状況を示す図
【図9】シール溶接部の開先加工例を示す図
【符号の説明】
1 外層材 2 内層材 3 ルート厚み 4 ノーズ長さ 5 オフセット 6 ルートビード 7 裏波 8 溶け落ち 9 シール溶接部 10 内面肉盛ビード 11 内面突起

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内層と外層から構成される複層鋼管で管
    端部には現地溶接接続用の開先加工が施されており、前
    記内層の管の管端部には管内面方向の高さが0.5〜
    1.1mm、管軸方向の幅が1.0〜2.1mm、断面
    形状が略1/4円または1/4楕円状のバンド状の内面
    突起が形成されていることを特徴とする現地溶接施工性
    に優れた複層鋼管。
  2. 【請求項2】 内層と外層から構成される複層鋼管の管
    端部の開先加工において、前記内層の管の管端部内面に
    肉盛ビードを形成し、続いて現地溶接接続用の開先加工
    を施すことにより前記肉盛ビードを管内面方向の高さが
    0.5〜1.1mm、管軸方向の幅が1.0〜2.1m
    m、断面形状が略1/4円または1/4楕円状のバンド
    状の内面突起となるように加工することを特徴とする現
    地溶接施工性に優れた複層鋼管の製造方法。
JP10920194A 1994-04-26 1994-04-26 現地溶接施工性に優れた複層鋼管およびその製造方法 Withdrawn JPH07290246A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101531133B1 (ko) * 2014-06-19 2015-06-24 현대하이스코 주식회사 인발방식 이중관 및 인발방식 이중관 제조방법
CN107191727A (zh) * 2017-05-27 2017-09-22 延安中海石油工程技术开发有限公司 一种重防腐弯头弯管及其制备方法
JP2021089020A (ja) * 2019-12-03 2021-06-10 株式会社クボタ 挿し口突部の形成方法

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Effective date: 20010703