WO2022185981A1

WO2022185981A1 - 化粧料

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Publication number: WO2022185981A1
Application number: PCT/JP2022/007102
Authority: WO
Inventors: めぐみ杉原; 亮古川; 香代子直井; 致濟朴
Original assignee: 株式会社資生堂
Priority date: 2021-03-02
Filing date: 2022-02-22
Publication date: 2022-09-09
Also published as: JP2022133776A

Abstract

［課題］優れた皮脂固化効果を有する化粧料を提供する。［解決手段］疎水性酸化亜鉛および非疎水性酸化亜鉛を含んでなる化粧料を用いる。

Description

化粧料

　本発明は、酸化亜鉛を含んでなる化粧料に関する。

　皮膚から分泌される皮脂は、メイクアップ化粧料の成分と混じり、経時での化粧崩れの原因となる。皮脂が多く分泌されると、顔の表面に皮脂が浮き、皮脂崩れを引き起こす。皮脂崩れ対策として、皮脂を固化させる酸化亜鉛等を含む粉体を配合して、皮脂を固化させて、皮脂崩れを抑制することが知られている（例えば、特許文献１）。

　化粧料の油中に配合される酸化亜鉛は、分散性に優れるために、疎水化処理された酸化亜鉛がよく用いられる。

　使用者の皮脂崩れ抑制に対する意識は高く、さらに皮脂崩れ抑制ができる化粧料の開発が求められている。

特開２０２０－３３２７４号公報

　本発明者らは、驚くべきことに、疎水性酸化亜鉛および非疎水性酸化亜鉛を含んでなる化粧料が、皮脂固化効果に優れ、化粧崩れを抑制できる化粧料を実現できることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づくものである。

　したがって、本発明は、疎水性酸化亜鉛および非疎水性酸化亜鉛を含んでなる化粧料を開示する。

　本発明によれば、以下の発明が提供される。
（１）疎水性酸化亜鉛および非疎水性酸化亜鉛を含んでなる、化粧料。
（２）前記疎水性酸化亜鉛が、アルキルアルコキシシランで表面処理された酸化亜鉛である、（１）に記載の化粧料。
（３）前記疎水性酸化亜鉛が、オクチルトリエトキシシランで表面処理された酸化亜鉛である、（１）または（２）に記載の化粧料。
（４）前記疎水性酸化亜鉛の平均粒子径が、２０～６０ｎｍである、（１）～（３）のいずれかに記載の化粧料。
（５）前記疎水性酸化亜鉛の平均粒子径が、３０～５５ｎｍである、（１）～（４）のいずれかに記載の化粧料。
（６）前記非疎水性酸化亜鉛が、板状結晶である、（１）～（５）のいずれかに記載の化粧料。
（７）前記非疎水性酸化亜鉛の平均アスペクト比が、４以上である、（１）～（６）のいずれかに記載の化粧料。
（８）前記非疎水性酸化亜鉛の配合量が、前記非疎水性酸化亜鉛と前記疎水性酸化亜鉛の総量に対して、１～８０質量％である、（１）～（７）のいずれかに記載の化粧料。
（９）さらに、分散剤を含んでなる、（１）～（８）のいずれかに記載の化粧料。
（１０）油中水型または水中油型乳化化粧料である、（１）～（９）のいずれかに記載の化粧料。
（１１）前記疎水性酸化亜鉛および前記非疎水性酸化亜鉛が、油相に存在している、（１０）に記載の化粧料。

　本発明による化粧料は、皮脂固化効果に優れ、化粧崩れを抑制できる。

発明の具体的説明

　本発明は、疎水性酸化亜鉛および非疎水性酸化亜鉛を含んでなる、化粧料に関するものである。

［疎水性酸化亜鉛］
　本発明による化粧料に配合される疎水性酸化亜鉛は、化粧料として一般的に用いられる疎水性酸化亜鉛であれば特に限定されない。
　疎水性酸化亜鉛は、表面を疎水化処理することにより形成される。表面を疎水化処理することにより、耐水性や油中への分散性が向上する。疎水化処理の方法としては、表面の疎水化処理は、好ましくはアルキルアルコキシシラン処理である。アルキルアルコキシシランとしては、例えばオクチルトリエトキシシランおよびオクチルトリメトキシシランが挙げられるが、好ましくはオクチルトリエトキシシラン処理である。
　疎水性酸化亜鉛は、２種以上の組み合わせであってもよい。

　疎水性酸化亜鉛の平均粒子径は、好ましくは２０～６０ｎｍであり、より好ましくは３０～５５ｎｍである。なお、本発明における平均粒子径は、平均一次粒子径のことを意味し、例えば、透過電子顕微鏡の画像解析から、粒子の長軸と短軸の相加平均として求めることができる。

　疎水性酸化亜鉛の粒子形状は特に限定されるものでなく、球状、板状、破砕状等の形状の別も特に限定されるものでない。

　疎水性酸化亜鉛の配合量は、本発明の化粧料の全量に対して、好ましくは１～５０質量％であり、より好ましくは３～３０質量％である。

［非疎水性酸化亜鉛］
　本発明による化粧料に配合される非疎水性酸化亜鉛は、その表面が疎水化処理されていない酸化亜鉛のことをいい、親水性である。
　油中では分散性が良好であることから疎水性酸化亜鉛が用いられることが一般的であるところ、非疎水性酸化亜鉛と疎水性酸化亜鉛とを組み合わせることで、疎水性酸化亜鉛のみの場合と比較して、驚くべきことに、皮脂固化効果が顕著に向上する。
　非疎水性酸化亜鉛の配合量は、非疎水性酸化亜鉛と疎水性酸化亜鉛の総量に対して、好ましくは１～８０質量％であり、より好ましくは１～６０質量％であり、さらに好ましくは３～４０質量％であり、よりさらに好ましくは１０～３０質量％である。

　非疎水性酸化亜鉛の平均粒子径は、特に限定されないが、好ましくは３０～５０００ｎｍであり、より好ましくは５０～４０００ｎｍである。
　非疎水性酸化亜鉛の粒子形状は、特に限定されないが、好ましくは板状であり、より好ましくは六角板状である。
　非疎水性酸化亜鉛の平均アスペクト比は、特に限定されないが、好ましくは４以上である。ここで、本発明において、平均アスペクト比とは、（平均粒子径）／（平均厚さ）を表す。平均厚さは、例えば、透過電子顕微鏡の画像解析から、粒子２０個の厚さの相加平均として求めることができる。

　本発明による化粧料が油中水型または水中油型乳化化粧料である場合、非疎水性酸化亜鉛および疎水性酸化亜鉛は、好ましくは油相に存在している。

［分散剤］
　本発明による化粧料は、分散剤をさらに含むことが好ましい。分散剤は、非疎水性酸化亜鉛を化粧料中に分散させるものであり、好ましくは油相中に分散させる。分散剤としては、例えば、イソステアリン酸、ビスブチルジメチコンポリグリセリル－３、セスキイソステアリン酸ソルビタンが挙げられる。
　分散剤の配合量は、化粧料の総量に対して、好ましくは０．１～５質量％であり、より好ましくは０．３～３質量％である。

［紫外線吸収剤］
　本発明による化粧料は、紫外線吸収剤を含むことができる。紫外線吸収剤としては、従来から日焼け止め化粧料に通常配合される紫外線吸収剤から選択される少なくとも１種とすることができる。

　ＵＶＡ吸収剤の具体例としては、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ｔ－ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸２－エチルヘキシル、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、およびビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンを挙げることができる。
　ＵＶＢ吸収剤の具体例としては、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、エチルヘキシルトリアゾン、オクトクリレン、ジメチコジエチルベンザルマロネート、ポリシリコン－１５、オキシベンゾン－３、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ホモサレート、ドロメトリゾールトリシロキサン、およびサリチル酸エチルへキシル等を挙げることができる。

［界面活性剤］
　本発明による化粧料は、界面活性剤を含むことができる。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤が挙げられる。

［金属塩］
　本発明による化粧料は、水溶性アルミニウム化合物、水溶性ジルコニウム化合物、およびスルホン酸亜鉛化合物からなる群から選択される金属塩を含むことができる。金属塩としては、例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロロキシアルミニウム、ブロモヒドロキシアルミニウム、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウムジルコニウム、クロルヒドロキシジルコニウム、硫酸アルミニウムカリウム、およびパラフェノールスルホン酸亜鉛からなる群から選択され、さらに好ましくはクロルヒドロキシアルミニウムまたはパラフェノールスルホン酸亜鉛からなる群から選択され、好ましくはクロルヒドロキシアルミニウムまたはパラフェノールスルホン酸亜鉛である。

［顔料］
　本発明による化粧料は、顔料を含むことができる。顔料としては、例えば、無機白色顔料、無機赤色系顔料、無機褐色系顔料、無機黄色系顔料、無機黒色系顔料、無機紫色系顔料、無機緑色系顔料、無機青色系顔料、パール顔料、金属粉末顔料、有機顔料、天然色素が挙げられる。具体的には、タルク、マイカ、セリサイト等が挙げられる。

［微粒子金属酸化物］
　本発明による化粧料は、上記以外の微粒子酸化物を含むことができる。微粒子酸化物としては、例えば、微粒子酸化鉄、微粒子酸化チタン、酸化セリウム等が挙げられる。

［その他の粉末］
　本発明による化粧料は、顔料、微粒子金属酸化物以外の粉末を含むことができる。その他の粉末としては、例えば、シリカ、デンプン粉末、セルロース粉末等が挙げられる。
　その他の粉末の配合量は、化粧料の総量に対して、好ましくは１０質量％以下であり、より好ましくは５質量％以下である。本発明による化粧料が、その他の粉末を含まない（０質量％）であることも本発明の一態様である。

　上記以外の任意成分として、化粧料に通常用いられる成分、例えば、保湿剤、酸化防止剤、防腐剤、アルコール、油相増粘剤、水相増粘剤、シリコーン油やエステル油等の油性成分、美白剤、エキス等が挙げられる。

　なお、本発明による化粧料は、水を含むことができる。好ましくは、水の配合量は、化粧料の総量に対して、２０～８０質量％であり、より好ましくは３０～６０質量％である。

　本発明による化粧料は、例えば、化粧下地、ファンデーションなどのメイクアップ化粧料、下地化粧料、日焼け止め化粧料として好ましく使用できる。
　本発明による化粧料の剤型は、特に限定されないが、好ましくは、油中水型または水中油型乳化化粧料であり、より好ましくは油中水型乳化化粧料である。

　本発明の化粧料は、常法に従って製造することができる。本発明による化粧料が油中水型または水中油型乳化化粧料である場合に、乳化の方法は特に限定されるものではない。

　以下の例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。含有量は特記しない限り、総量に対する質量％で示す。

［実施例１～１３および比較例１、２］
　表１に示される配合で、実施例１～１３および比較例１、２の化粧料を調製し、皮脂固化効果について評価を行った。

表中、
・疎水性酸化亜鉛Ａ：「ＭＺＸ－３０４ＯＴＳ」（テイカ株式会社製）、オクチルトリエトキシシラン処理、不定形、平均粒子径３５ｎｍ、
・疎水性酸化亜鉛Ｂ：「ＸＺ－３００Ｆ－ＬＰ」（堺化学工業株式会社製）、ハイドロゲンジメチコン処理、六角板状、平均粒子径３００ｎｍ、平均アスペクト比３、
・疎水性酸化亜鉛Ｃ：「ＸＺ－１０００Ｆ－ＬＰ」（堺化学工業株式会社製）、ハイドロゲンジメチコン処理、六角板状、平均粒子径１０００ｎｍ、平均アスペクト比３．４、
・非疎水性酸化亜鉛Ａ：「ＸＺ　１０００ＦＳＴ」（堺化学工業株式会社製）、六角板状、平均粒子径１０００ｎｍ、平均アスペクト比１０～１２．５、
・非疎水性酸化亜鉛Ｂ：不定形、平均粒子径４０ｎｍ、
・非疎水性酸化亜鉛Ｃ：不定形、平均粒子径５００ｎｍ、
・非疎水性酸化亜鉛Ｄ：不定形、平均粒子径２００ｎｍ、
・非疎水性酸化亜鉛Ｅ：「Ｃａｎｄｙ　Ｚｉｎｃ」（堺化学工業株式会社製）、鱗片集合体の球状、平均粒子径１０００ｎｍ、
・非疎水性酸化亜鉛Ｆ：「ＸＺ－１００Ｆ」（堺化学工業株式会社製）、六角板状、平均粒子径１００ｎｍ、
・非疎水性酸化亜鉛Ｇ：「ＸＺ－３００Ｆ」（堺化学工業株式会社製）、六角板状、平均粒子径３００ｎｍ、
・非疎水性酸化亜鉛Ｈ：「ＸＺ－１０００Ｆ」（堺化学工業株式会社製）、六角板状、平均粒子径１０００ｎｍ、
・非疎水性酸化亜鉛Ｉ：「ＭＺ－２００」（テイカ株式会社製）、不定形、平均粒子径５０ｎｍ、
・非疎水性酸化亜鉛Ｊ：「ＭＺ－５００」（テイカ株式会社製）、不定形、平均粒子径２５ｎｍ。

［皮脂固化効果の評価方法］
　人工皮革（「サプラ－レ」、イデアテックスジャパン株式会社製）に、実施例および比較例の化粧料を１ｍｇ／ｃｍ^２の量を塗布し、塗布から１５分後に、グロスメーター「ＶＧ－２０００」（日本電色工業株式会社製）を用いて、６０°での光沢値を測定した。さらに、オレイン酸を０．５ｍｇ／ｃｍ^２の量を塗布し、オレイン酸塗布から３０分後に、同様に光沢値を測定した。オレイン酸塗布から３０分後の測定まで、３７℃のホットプレートの上に人工皮革を静置した。各実施例および比較例について、上記測定をそれぞれ３回行い、その３回の平均値を用いて、グロスメーターの差（オレイン酸塗布後の光沢値－オレイン酸塗布前の光沢値）を算出した。得られた結果を表１に示す。
　なお、人工皮革に化粧料を塗布しない以外は、上記と同様にした場合、グロスメーターの差は２．５であった。

　表１の結果から、疎水性酸化亜鉛および非疎水性酸化亜鉛を含んでなる化粧料が、高い皮脂固化効果を有することがわかった。

Claims

　疎水性酸化亜鉛および非疎水性酸化亜鉛を含んでなる、化粧料。
　前記疎水性酸化亜鉛が、アルキルアルコキシシランで表面処理された酸化亜鉛である、請求項１に記載の化粧料。
　前記疎水性酸化亜鉛が、オクチルトリエトキシシランで表面処理された酸化亜鉛である、請求項１または２に記載の化粧料。
　前記疎水性酸化亜鉛の平均粒子径が、２０～６０ｎｍである、請求項１～３のいずれか一項に記載の化粧料。
　前記疎水性酸化亜鉛の平均粒子径が、３０～５５ｎｍである、請求項１～４のいずれか一項に記載の化粧料。
　前記非疎水性酸化亜鉛が、板状結晶である、請求項１～５のいずれか一項に記載の化粧料。
　前記非疎水性酸化亜鉛の平均アスペクト比が、４以上である、請求項１～６のいずれか一項に記載の化粧料。
　前記非疎水性酸化亜鉛の配合量が、前記非疎水性酸化亜鉛と前記疎水性酸化亜鉛の総量に対して、１～８０質量％である、請求項１～７のいずれか一項に記載の化粧料。
　さらに、分散剤を含んでなる、請求項１～８のいずれか一項に記載の化粧料。
　油中水型または水中油型乳化化粧料である、請求項１～９のいずれか一項に記載の化粧料。
　前記疎水性酸化亜鉛および前記非疎水性酸化亜鉛が、油相に存在している、請求項１０に記載の化粧料。