WO2022091270A1 - ワイヤレス給電方式に基づく受電装置及び送電装置 - Google Patents

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Abstract

ワイヤレス給電方式に基づいて、送電装置から送電された電力を受電して、その電力でデバイスに給電する受電装置。電磁波を受電する受電アンテナと、受電アンテナと機能的に接続されて、電磁波を直流電圧に変換する整流器と、整流器と機能的に接続されて、直流電圧を蓄電する第1の蓄電装置と、第1の蓄電装置と機能的に接続されて、直流電圧を蓄電する第2の蓄電装置と、第2の蓄電装置と機能的に結合されたデバイスと、整流器と第1の蓄電装置との間で電力の配電を切り替える第1のスイッチと、第1の蓄電装置と第2の蓄電装置との間で電力の配電を切り替える第2のスイッチと、第1の蓄電装置とデバイスとの間で電力の配電を切り替える第3のスイッチと、第2の蓄電装置とデバイスとの間で電力の配電を切り替える第4のスイッチと、制御器を含む。

Description

ワイヤレス給電方式に基づく受電装置及び送電装置
 本発明は、多関節ロボットなどの機械に内蔵される電力を消費するデバイスに対して、ワイヤレス給電を行うための受電装置及び送電装置に関する。
 工場(FA:Factory Automation)、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)、家電などの分野では、様々な機械が用いられている。一般的に、FAなどで用いられている機械は、データ通信線についてはワイヤレス化がなされているものの、電源配線についてはワイヤレス化がなされていない事例が多い。
 本技術分野の背景技術として、特開2014-29326号公報(特許文献1)がある。この公報には、「外力を検知する力覚センサであって、外装部(2)と、前記外装部に配された押圧部材(1)と、前記押圧部材に加えられた力を検知するセンサ部と、非回転側接点(6)と回転側接点(7)を介して給電または信号伝達が行われるスリップリング部と、を有し、前記力センサ部と前記スリップリング部とが共に前記外装部の内側に収納されており、前記スリップリング部と前記力センサ部とのあいだで給電または信号伝達が行われることを特徴とする力覚センサを提供する」と記載されている(要約参照)。
特開2014-29326号公報
 前記特許文献1には、多関節ロボット、特にロボットアームの先端側に内蔵されたセンサに対して、電力を給電する事例が示されている。この事例では、ロボットアーム内に配された電力線を介して、外部の電源から伝送される電力を、センサに給電することが開示されている(特許文献1の図9を参照)。
 しかしながら、特許文献1にはセンサに対してワイヤレスで給電することが検討されていない。
 そこで本発明は、例えば多関節ロボット等の機械等に内蔵されるデバイスを駆動するための電力を効率的にワイヤレス給電する仕組みを提供する。
 上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
 本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を以下に挙げる。
 ワイヤレス給電方式に基づいて、送電装置から送電された電力を受電して、その電力でデバイスを給電する受電装置であって、
 電磁波を受電する受電アンテナと、
 前記受電アンテナと機能的に接続されて、前記電磁波を直流電圧に変換する整流器と、
 前記整流器と機能的に接続されて、前記直流電圧を蓄電する第1の蓄電装置と、
 前記第1の蓄電装置と機能的に接続されて、前記直流電圧を蓄電する第2の蓄電装置と、
 前記第2の蓄電装置と機能的に結合されたデバイスと、
 前記整流器と前記第1の蓄電装置との間で電力の配電を切り替える第1のスイッチと、
 前記第1の蓄電装置と前記第2の蓄電装置との間で電力の配電を切り替える第2のスイッチと、
 前記第1の蓄電装置と前記デバイスとの間で電力の配電を切り替える第3のスイッチと、
 前記第2の蓄電装置と前記デバイスとの間で電力の配電を切り替える第4のスイッチと、
 制御器と、
を含む、受電装置を構成する。
 本発明によれば、機械等に内蔵されるデバイスを駆動するための電力を効率的にワイヤレス給電する仕組みを提供することができる。
 上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
機械に内蔵されるデバイスに対して、ワイヤレス給電する場合を概略的に示した図の例である(実施例1)。 センサに必要な電力量を概略的に示した図の例である(実施例1)。 受電アンテナの構成例を示した図の例である(実施例1)。 図3の受電アンテナの放射効率を示した図の例である(実施例1)。 ワイヤレス給電の送電装置と受電装置の電気回路を示した図の例である(実施例1)。 図5の受電回路の状態1を示した図の例である(実施例1)。 図5の受電回路の状態2を示した図の例である(実施例1)。 図5の受電回路の状態3を示した図の例である(実施例1)。 図5の受電回路の状態4を示した図の例である(実施例1)。 図5の受電回路の状態5を示した図の例である(実施例1)。 図5の受電回路の状態6を示した図の例である(実施例1)。 図5の受電回路の変更例を示した図の例である(実施例2)。 図12の受電回路の状態1を示した図の例である(実施例2)。 図12の受電回路の状態2を示した図の例である(実施例2)。 図12の受電回路の変更例を示した図の例である(実施例3)。 図5の受電回路の変更例を示した図の例である(実施例4)。 図16の受電回路の変更例を示した図の例である(実施例5)。 図17の受電回路の変更例を示した図の例である(実施例6)。 インピーダンス整合の各状態を概略的に示した図の例である。 インピーダンス整合の最適化を概略的に示した図の例である。 図16の受電回路の電圧値を概略的に示した図の例である。 受電状態のフィードバックを概略的に示した図の例である。 送電装置の送電制御を概略的に示した図の例である。 送電アンテナの構成例を示した図の例である。 図24のX-X線の断面での2つの状態を示した図の例である。 受電装置の電解強度追跡を概略的に示した図の例である。 機械に内蔵されるデバイスに対して、電力線を介して、外部の電源から給電する場合を概略的に示した図の例である。 センサ30毎に必要とされる電力量を示す図の例である。 図5の受電装置の受電回路の各状態を示す図の例である。 図16に示した4つのスイッチSW31~SW34の切り替えの状態を示す図の例である。
 図27は、多関節ロボット100の先端側に内蔵された電力を消費するデバイス30に対して、多関節ロボット100の内部に配された配線32を介して、電源34から電力を給電する事例を示した図である。多関節ロボット100のロボットアーム部90及び/またはロボットハンド部80には複数の関節J1a、J1b、J2a、J2b、J2cが設けられている。これら複数の関節が動くことで、多関節ロボット100は、ワークWを掴持したり、移動させるなどの自由度の高い動作を行う。
 多関節ロボット100に内蔵されたセンサ30を給電するために配線32を内設する場合、多関節ロボット100の関節J1a、J1b、J2a、J2b、J2cが動くことで、配線32の負担、配線32の断線、または配線32のメンテナンスなどの問題が発生する可能性がある。また、多関節ロボット100のように、自由度の高い動作を行う機械では、一般的にアクチュエータ等の様々な部品が内部に組み込まれているため、配線32を追加するためのスペースが限定されているという問題がある。
 そこで、上記配線32の問題を回避するため、ワイヤレス給電によって、センサ30を給電することを検討する。ただし、機械100の電源配線のワイヤレス化には特有の課題がある。例えば、ワイヤレス給電では比較的小容量の電力を送電するため、デバイス30に送電される電力の容量が問題になる。十分な電力を送電できない場合には、使用されるデバイス30の種類や使用態様が限定されるため好ましくない。
 また、ワイヤレス給電では、インピーダンスマッチング不整合が問題になる。インピーダンスマッチング不整合とは、インピーダンスの整合(マッチング)ができていない状態をいう。インピーダンスマッチング不整合は、エネルギの伝送という観点から、非効率の原因となるため好ましくない。
 図1は、FA(工場など)、IoT(ビルディング管理システムなど)、家電などの分野で用いられる機械100の先端側に内蔵される電力を消費するデバイス30に対して、ワイヤレス給電を行うための送電装置1と受電装置10を概略的に示した図の例である。
 「多関節ロボット」
 図1に例示した機械100は、例えば、産業用ロボット(工作機械を含む)または家庭用ロボット(家電を含む)等である。機械100は、例えば、ワークまたは部品Wの挟持、持ち上げ(ピック)、配置(プレース)、組み立て、塗装、溶接などの様々な用途に用いることができる。好ましくは、機械100は、自由度の高い動作を行う多関節ロボットである。
 多関節ロボット100は、一般的にロボットアーム部90及び/またはロボットハンド部80を高い自由度で稼働させるために、複数の(少なくとも2つの)軸または関節J1a、J1b、J2a、J2b、J2cを有する(図1参照)。一般的に、多関節ロボット100は、関節J1a、J1b、J2a、J2b、J2cの数が多いほど、より自由度の高い動作が可能になるが、その分、より緻密な制御が必要になる。一方、多関節ロボット100は、関節J1a、J1b、J2a、J2b、J2cの数が少ないほど、その分、機構がよりシンプルになり、誤動作が起こりにくくなる。
 図1では、人間の腕の部分に相当するロボットアーム部90の関節J1a、J1bと、人間の手の部分に相当するロボットハンド部80の関節J2a、J2b、J2cが概略的に示されている。多関節ロボット100は、各関節J1a、J1b、J2a、J2b、J2cにおいて回転や変位などの機能を行う。一般的に、多関節ロボット100は、2軸から8軸程度の複数の軸が実装されている。また、一般的に、ロボットハンド部80には、2本から5本程度の複数の指(フィンガ)が実装されている。本実施例では、多関節ロボット100の関節または指の数、形状、機能などによって限定されない。
 多関節ロボット100は、ロボットアーム部90の複数の関節を動かす機構を様々に構成することができる。例えば、ロボットアーム部90の複数の関節を順番に動かしていく直列(シリアル)機構や、複数の関節を一度に動かしていく並列(パラレルリンク)機構などを用いることができる。多関節ロボット100は、例えば、垂直多関節ロボットや、水平多関節ロボットなどでもよい。多関節ロボット100は、ロボットアームまたはロボットハンドに限定されず、他、ガントリーロボットなどでもよい。
 図1に示したロボットハンド部80は、チャックともいう。チャックは、ワークまたは部品Wをつかむため、アクチュエータによって複数の指を所定方向(例えば、上下方向等)に移動させて、開閉させる(図1のJ2a、J2b、J2c参照)。このチャックの機械的な動きの位置(例えば、上方位置または下方位置等)を検知するためにデバイス30が搭載されることがある。また、このチャックが部品Wをつかんでいるか否かを検知するためにデバイス30が搭載されることがある。前者の場合、所定方向にチャックを開閉移動させる制御等が行われる。後者の場合、部品Wの硬さ(例えば、硬いまたは柔らかい等)を検知して、それに応じたチャックの制御等が行われる。
 図1に示したように、機械100の内部に電力を消費するデバイス30が内蔵される場合、デバイス30への給電が必要になる。本実施例では、機械100の外部に、デバイス30にワイヤレス給電するための送電アンテナ2を有する送電装置1を設けている。また、機械内または機械上に受電アンテナ12を有する受電装置10を設けている。好ましくは、受電装置10は機械100に内蔵されて、送電装置1から送電されるエネルギEをワイヤレスに受電するとともに、デバイス30を給電するようにデバイス30と物理的に接続されている。従って、多関節ロボット100の内部でデバイス30に給電するための配線の必要性を排除または最小にしている。
 「センサ」
 図1に例示した多関節ロボット100に内蔵されるデバイス30として、例えばセンサ30が用いられる。
 図28は、センサ30の種類によって、必要とされる電力量が相違することを例示したものである。センサの消費電力量は、概略的に算出されたものである。キャパシタ間電圧は3.3Vとして、満充電時の電力量を記載し、センサは1時間動作が継続する場合を仮定して電力量を算出した。
 好ましくは、多関節ロボット100に内蔵されるセンサ30は、小型軽量で、低消費電力型センサである。例えば、センサ30は、チャックの機械的な動きや、触覚の状態を検知するため等に用いられるセンサ30である。例えば、センサ30は、近接センサ、MRセンサ、ホール素子、位置センサなどでもよい。
 近接センサ30は、ワークWが近くに寄ってくると反応するセンサである。例えば、近接センサ30は、円筒形状または薄板形状の本体を有し、この本体の一端側に検出面を設けるとともに、この本体の反対側からケーブルを延在させる。検出面は、ロボットハンド部80の適当な場所に設けることができ、ワークWが近付くと反応するように構成される。
 近接センサには様々な種類が知られているが、例えば、金属が近付くと反応するものがある。近接センサ30の検出距離には様々な種類があるが、例えば、mm単位で検出するものがある。近接センサ30は、非接触のため摩耗などの劣化はなく、防水性と防塵性があり、壊れにくいという利点を有する。特に、金属に反応するタイプでは、ホコリや水滴などの影響を受けにくく、誤検出が少ないという利点を有する。
 センサ30は、MR(Magnetic Resistance)センサまたは磁気センサでもよい。MRセンサ30は、磁場(磁界)の大きさ・方向を計測するセンサであり、測定対象磁場の強さ、交流・直流の別や測定環境等、目的に応じて様々な種類が知られている。例えば、MRセンサ30は、固体の電気抵抗が磁界によって変化する磁気抵抗効果を利用して磁場の大きさを計測する。
 センサ30は、ホール素子でもよい。ホール素子30は、ホール効果を用いて磁束密度を測定するセンサである。ホール効果とは、電流の流れている物に対し、電流に垂直に磁場をかけると、電流と磁場の両方に直交する方向に起電力が現れる現象をいう。ホール素子30は、磁束密度に比例したアナログ電圧が出るセンサと,デジタル出力が出るセンサがある。
 他、センサ30は、変位センサ、検査用センサ、判別用センサ、測定用センサ、測長センサ、振動センサ、マイクロフォトセンサ、圧力センサ、流量センサ、温湿度センサ、人感センサ、摩耗センサ、加速度センサ、ひずみセンサ、力覚センサなどでもよい。
 さらに、センサ30は、CMOSセンサ、光電センサ、レーザーセンサ、超音波センサ、タッチセンサ、リニアケージ、ポテンショメータ、画像センサ、カラーセンサ、LiDARセンサ、TOFセンサ、感震センサ、ジャイロセンサ、傾斜センサ、回転センサ、角度センサ、回転計、ロードセル、フォールスセンサ、トルクセンサ、液面センサ、漏液/水検出センサ、非接触温度センサ、電流センサ、電力センサ、静電気センサ、またはアイソレータなどでもよい。
 センサ30は、検知対象のワークWの色、形状、傾き、厚さ、透明度などに応じて、ワークWを適当に検知することができるように、構成されてもよい。例えば、黒色のワーク、金属製ワーク、薄いワーク、透明のワークなどを検出できるように、センサ30を構成してもよい。さらに、センサ30は、検知対象のワークWの特性などに基づいて、複数のセンサの組み合わせであってもよい。
 好ましくは、デバイス30は、消費電力が100mWh以下の低消費電力型センサである、
 より好ましくは、デバイス30は、消費電力が数10mWh以下の低消費電力型センサである。
 さらに好ましくは、デバイス30は、消費電力が10mWh以下の低消費電力型センサである。
 「ワイヤレス給電」
 ワイヤレス給電には、幾つかの種類があるが、本実施例では、好適にはマイクロ波方式により、送電装置1と受電装置10との間でワイヤレス給電を行う。マイクロ波方式では、比較的遠方にエネルギまたは電力を伝送することができる。このため、給電対象のセンサ30が多関節ロボット100に内蔵されていて、その位置を頻繁に変化させる場合であっても、離れた場所から必要な電力をセンサ30に送ることができる。ただし、マイクロ波方式では、伝送可能なエネルギの容量には上限がある。例えば、マイクロ波方式でワイヤレス給電を行う場合、1m程度の距離で、1mW程度の容量の電力を送ることができる。
 再度図28を参照すると、センサ30が近接センサ、感震センサ、温湿度センサの場合には、比較的小容量(1mW~10mW)の電力で対応できる。センサ30が圧力センサや角度センサの場合には、より大きな容量(10mW~100mW)の電力が必要になる。センサ30がカラーセンサやレーザーセンサなどの場合には、さらにより大きな容量(100mW~1000mW)の電力が必要になる。従って、マイクロ波方式に基づく場合、センサ30に送られる電力の確保が問題となる。
 図2は、一般的に、様々な種類のデバイス30に必要とされている消費電力について概略的に示した図である。例えば、符号D1に示すように、エッジ・コンピューティング(マイコン、端末、処理装置など)を稼働させるのに要する電力の容量は、比較的大きいのに対して、符号D2に示すように、センサを稼働させるのに要する電力の容量は比較的小さくて済む。符号D3に示すように、無線通信ICを稼働させるのに要する電力の容量は、D1ほどではないものの、D2よりも大きい。これら電子部品は様々な分野で小型化・大容量化の研究開発が進められており、図2から理解できるように、これらに要する消費電力は年々減少傾向にある。ただし、D2などの値は概略化されたものであって、図28に例示したように、センサ30の種類によっては、必要とされる電力は変動する。
 符号D4に示すように、給電対象のデバイス30に無線通信ICが接続される場合、必要とされる電力の容量は増加する。無線通信ICとして、例えば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、サブギガヘルツ(Sub-1GHzまたは1GHzに満たない周波数帯)、Wi-Fi(登録商標)、IO‐Link(登録商標)、Thread、マルチ・スタンダード、WIRED、IEEE802.15.1やIEEE802.15.4などを物理層にもつプロトコル、などの近距離無線通信規格がある。センサ30に無線通信ICを組み合わせると、例えば、データ送受信時には、約10~30mW程度の電力が必要になることがある。なお、センサ30は、無線通信ICと接続されていなくても、無線通信機能を有するセンサ(例えば、SAWセンサまたは表面弾性波フィルターなど)でもよい。
 マイクロ波方式のワイヤレス給電を行う場合、送電されるエネルギの容量には上限がある。そこで、給電対象のセンサ30の種類が比較的大きな容量を必要とする場合(図28参照)や、センサ30が無線通信ICと接続されている場合(図2参照)や、給電対象のセンサ30が2つ以上の場合などでは、送電される電力が問題になる。そこで、本実施例では、マイクロ波方式のワイヤレス給電に、バッテリ管理システム21を組み合わせて用いる(図1参照)。バッテリ管理システム21とは、バッテリにワイヤレス給電で充電し、その電力でシステム(デバイス30)を駆動するシステムである。図1には、送電装置1の送電アンテナ2から送電されたエネルギまたは電力Eが、受電装置10の受電アンテナ12によって受け取られることと、このエネルギEがバッテリ管理システム21内のバッテリに蓄電された後、センサ30に送られることが概略的に例示されている。
 図28と図2に例示したように、デバイス30(センサ、無線通信IC、エッジ・コンピューティング)ごとに消費電力はおおよそ決まっており、かつバッテリを使用せずに駆動することができるデバイス30には制限がある。また、図2に例示したように、各デバイス30の消費電力は年々減少傾向にある。つまり、 ワイヤレス給電に対してバッテリ管理システム21を組み合わせて用いることで、バッテリを用いないシステムに比べて、より多くの種類のデバイス30を駆動することができ、かつその対象範囲は年々増加傾向にある。よって、本実施例では、ワイヤレス給電にバッテリ管理システム21を組み合わせることは重要ある。
 図1では、受電装置10は、多関節ロボット100の先端側(ロボットアーム90の先端側またはロボットハンド80の先端側など)に収容されている。様々な部品から構成される多関節ロボット100のうち、ロボットハンド80の指の内部は比較的スペースに余裕がある。このため、このスペース内に、受電アンテナ12、バッテリ管理システム21及びセンサ30を含む受電装置10を収容することが好ましい。この際、比較的大きめの嵩張る部品は、可撓性を有するように構成して、指のスペース内にまるめて収納してもよい。また、一部の部品は指から離れた場所(例えば、ロボットハンド部80の指の根元や、付近の広めの場所)に配置してもよい。また、一部の部品は、必要に応じて機械100の外側に突出することは可能である。好ましくは、部品間の離間距離を短めに抑えて、配線の長さを最小にする。
 1つの送電装置1によって、1つの受電装置10にエネルギEを送電してもよい。または1つの送電装置1によって、複数の受電装置10にエネルギEを送電してもよい。機械100内に複数の受電装置10が設けられる場合、ロボットハンド80の複数の指の各スペース内に、受電装置10がそれぞれ設けてもよい。または、ロボットハンド80の各指のスペース内に、それぞれセンサ30を搭載して、指の根元のスペース内に各センサ30を給電するための受電アンテナ12及び/またはバッテリ管理システム21を設けてもよい。
 「受電アンテナ」
 図3は、受電アンテナ12の構成例を示す平面図の例である。
 受電アンテナ12は、送電装置1から送信された無線周波数(RF:radio frequency)信号または電磁波を受信する作用を有する電力受信素子である。この受電アンテナ12は、例えば、正面の大きさが12cm×12cm、厚さが0.5mmの薄板状に形成されている。ただし、大きさは13cm×13cm又は14cm×14cm程度に変更することは可能である。また、厚さは、1mm程度に変更することは可能である。
 図3を参照すると、受電アンテナ12は、複数の方向からエネルギE(図1参照)を受け取れるように、複数のアンテナ部110、120、130、140、150、160から構成されている。アンテナ部は、レクテナ(rectenna)ともいい、マイクロ波を直流電流に整流変換する素子である。これらアンテナ部110、120、130、140、150、160は、全体として、適当な大きさを有する略薄板状のアンテナ12を形成する。アンテナ12は、複数層に構成でき、たとえば、アンテナ部110~160をフレキシブル基板に乗せて、可撓性(折り曲げたり丸めたりできる)を有するようにしてもよい。
 図3に示した例では、表面側に5本のアンテナ部110、120、130、140、150を配置するとともに、裏面側に1本のアンテナ部160を配置している。さらに、これらの間に表面側のアンテナ部110、120、130、140、150と裏面側のアンテナ部160を結ぶ接続部(DCコネクション)171、172、173、174、175を配置している。
 表面側では、四角形状の各辺に沿って1つのアンテナ部110、120、130、140が配置されている。各アンテナ部110、120、130、140は、四辺にて好適に受電できるように、所定長さで延在し、互いに直交するように配置されている。各アンテナ部110、120、130、140は、受電電力を確保するため、例えば、各辺に沿って直線状に延在する部分111、121、131、141と、両端側で内側に向って折曲されて延在する部分とを有する。従って、アンテナ部110、120、130、140は、四角形状の各辺の長さに限定されず、内側に湾曲した部分を含めて、比較的長い長さでエネルギを受け取る。例えば、各アンテナ部は、四角形の角側では、約45度の角度で内側に向って折曲される第1の折曲部分112、113、122、123、132、133、142、143と、さらに約90度の角度で内側に向って折曲される第2の折曲部分114、115、124、125、134、135、144、145とを有する。各アンテナ部は、さらに第3の折曲部分を有することは可能である(図示略)。
 さらに、各アンテナ部110、120、130、140が配置される四角形状の中央側には、表面側から見て、四角形状の右側上方から左側下方に向って斜めに(45度で)直線状に延在するアンテナ部150が配置されている。表面側のこれら5本のアンテナ部110、120、130、140、150は、隣接するもの同士が接触することなく、かつ、隣接するもの同士の間隔が広がりすぎないように配置されている。従って、各アンテナ部は、アンテナ同士が近いことで電磁カップリングによるロスが生じることを回避するように配置されている。さらに、この配置構成によって、あらゆる角度から電磁エネルギをアンテナで受電できるようにしている。
 さらに、裏面側では、同様に斜めに直線状に延在するアンテナ部160が配置されている。この裏面側のアンテナ部160は、表面側のアンテナ部150に対して鏡像関係で延在していて、四角形状の中央で見かけ上交差するように配置されている。このアンテナ部160は、表面側から見て、四角形状の左側上方から右側下方に向って斜めに直線状に延在する。
 さらに、上記6つのアンテナ部110、120、130、140、150、160を互いに結ぶ接続部171、172、173、174、175が設けられており、直流成分を合成する。例えば、接続部171、172、173、174、175は、表面側から見て、一筆書きで、四角形状の各辺に沿って延在する4つのアンテナ部110、120、130、140の各中央部111、121、131、141を直線状に結ぶとともに、斜めに直線状に延在する2つのアンテナ部150、160の各中央部を結ぶ。これらの接続箇所には、それぞれ整流器14a、14b、14c、14d、14eが設けられている。これら複数の整流器14a、14b、14c、14d、14eは、全体として、1つの整流器14を構成すると考えることができる。
 このように、受電アンテナは複数のアンテナを含み、これらのアンテナは、略四角形状の四辺及び/または略略四角形状の対角線に沿って配置される。
 このように、複数のアンテナ部110~160から構成される受電アンテナ12の受け取ったエネルギは、受電アンテナ12と機能的に接続された整流器14に送られる。整流器14は、電流を一方向にだけ流す整流作用を有する素子である。受電アンテナ12と整流器14は一体的に構成されていてもよく、受電アンテナ12で受け取られたRF(電磁波)をDC(直流電圧)に変換する。
 複数のアンテナ部を並置してアンテナを構成する場合、隣接するアンテナ部同士が干渉して、受電機能に悪影響(電波障害)を及ぼすことがあった。また、この干渉を避けるために、隣り合うアンテナ部同士の間に比較的大きなスペースを設けて、全体としてアンテナを大きくし過ぎることがあった。本実施例では、上記のように6つのアンテナ部110~160を配置することによって、これらアンテナ部110~160を全体的にコンパクトに配置するとともに、隣り合うアンテナ部の干渉を回避して、各アンテナ部110~160が好適に受電できるようにする。
 図4は、上記アンテナ部110~160の受電状態のシミュレーション結果を示す図の例である。図4では、横軸に周波数(GHz)、縦軸に受電効率または放射効率(大きさ)を示している。図4から理解できるように、完全な(理想的な)アンテナ部の放射効率を100%と仮定するとき、特に0.9~0.92GHzの周波数では、すべてのアンテナ部110~160が90%を上回る放射効率を示すことが確認された。なお、図4の結果は3次元電磁界シミュレーションに基づく。従って、図3に例示したアンテナ12は、3次元空間内で、X軸Y軸Z軸の各方向(上下左右前後の各方向)で良好な受信結果を示すことが期待できる。なお、各アンテナ部110~160や整流器14a~14eの位置、個数、大きさ、形状は、図3に示した構成に限定されない。
 受電アンテナ12は、ほぼ全方位をカバーするように、適当な大きさを有する。さらに、受電アンテナ12は、可撓性を有するように構成してもよい。このため、例えば、ロボットハンド部80の指の中などの比較的狭いスペース内では、受電アンテナ12をまるめて収容することができる。この場合であっても、受電アンテナ12の高い効率は維持できる。また、受電アンテナ12は、機械100の内部に収容される他、機械100の上部で、機械の本体や関連する部品(例えば、アクチュエータ等)の筐体等に巻き付けられて収容されてもよい。なお、アンテナ12の輪郭を形成する四角形状は、完全な正方形状に限定されず、また、四角形の二辺のなす各角度は90度に限定されない。さらに、アンテナ12の輪郭は、多角形状または円形状でもよい。
 従って、複数のアンテナから得られる受信電力を最大化し、あらゆる角度にも対応して受電可能な受電アンテナ12を用いることで、受電状況を最適化する。複数のアンテナ(アレーアンテナ)を取り扱う場合、位相制御などをしながら高周波成分を足し合わせるので、放射の方向が一様に決定されていた。あらゆる角度においても電波が受電できるようにするには、アンテナごとの放射を切り分ける必要があった。本実施例では、アンテナごとは高周波では完全に分離されており、整流後の直流成分のみを足し合わせることで、アンテナごとの電波干渉を極小化することが可能となる。また、限られた範囲において各アンテナ間の電波干渉を無くし、高いアンテナ効率(90%以上)をキープしながら配置することにも優位性がある。
 「受電回路」
 図5は、図1に概略的に示した送電装置1と受電装置10との間で行われるワイヤレス給電において、電気回路をより具体的に示した図の例である。
 なお、本実施例では、受電装置10はセンサ30を含む形で提供されているが、他の実施例では、受電装置10はセンサ30を含まない形で提供されて、実装時にセンサ30と接続されてもよい。
 図5を参照すると、送電装置1は、少なくとも所定の周波数範囲の周波数で無線周波数(RF)信号を生成する送電回路6と、RF信号を電磁エネルギまたは電磁波Eとして外部に送信する送電アンテナ2と、制御器4とを含む。好ましくは、送電装置1は制御器4を用いて、ワイヤレス給電を効果的に行うための制御(例えば、送電アンテナ2の送電方向の制御など)を行うが、その詳細は後述する。
 図5を参照すると、受電装置10は、電磁波(RF信号)を受電する受電アンテナ12(図3参照)と、受電アンテナ12と機能的に接続されて、電磁波(RF信号)を直流電圧(DC)に変換する整流器14(図3参照)と、整流器14と機能的に接続されて、直流電圧(DC)を蓄電する第1の蓄電装置16と、第1の蓄電装置16と機能的に接続されて、直流電圧(DC)を蓄電する第2の蓄電装置20と、第2の蓄電装置20と機能的に結合されたデバイス(センサ)30と、を含む。
 「蓄電装置」
 図5を参照すると、第1の蓄電装置16と第2の蓄電装置20は、いずれも内部に電気を溜める蓄電装置であって、合わせて図1に例示したバッテリ管理システム21を構成する。好ましくは、第1の蓄電装置16はキャパシタであり、第2の蓄電装置20は充電器18を有するバッテリ20である。
 キャパシタ16は、電気(電荷)を内部に蓄えたり、放出したりする電子部品である。キャパシタ16は、特にセンサ30を駆動するための電力を蓄える。給電対象のセンサ30に必要な電力を考慮して、適当な容量を有するキャパシタ16が選択される。例えば、キャパシタ16は、数10mF以上または1F以上などの大きな静電容量を蓄えることができる、比較的容量の大きいキャパシタである。キャパシタ16は、様々な分野で小型化・大容量化の研究開発が進められており、その具体的な容量によって本発明の範囲は制限されないが、少なくともセンサ30への給電を可能にする容量を有する。
 例えば、キャパシタ16は、電気二重層コンデンサまたは電気二重層キャパシタ(EDLC)である。電気二重層コンデンサ16は、固体(活性炭電極)と液体(電解液)の界面に形成される電気二重層を誘電体の代わりとして使用する。電気二重層コンデンサ16は、表面積が極めて大きい活性炭を電極として用いており、比較的大きな容量を有する。電気二重層コンデンサの静電容量は理想的には電極の表面積に比例すると共に電極間の距離に反比例するため、非常に大きい静電容量を実現することが可能である。
 電気二重層コンデンサ16は、充放電回数の制限が無く、メンテナンスフリーであり、大電流の充放電に強く、温度条件の厳しい環境下でも利用でき、急速充放電に優れるなどの利点を有する。電気二重層コンデンサ16は、スーパーキャパシタまたはウルトラキャパシタともいう。
 キャパシタ16は、擬似キャパシタ(シュードキャパシタまたはレドックスキャパシタ)でもよい。擬似キャパシタは、ファラデー反応を利用したキャパシタであり、電気二重層キャパシタ(EDLC)に近い機能を有する蓄電デバイスである。
 キャパシタ16は、ハイブリッド・キャパシタでもよい。ハイブリッド・キャパシタは、2つの電極のうち、片方の電極が電気二重層を使用し、他方の電極がレドックス反応(酸化還元反応)を使用したキャパシタである。
 キャパシタ16は、リチウムイオン・キャパシタ(Liイオンキャパシタ)でもよい。リチウムイオン・キャパシタは、陽極が電気二重層、陰極がLiイオン二次電池の構造を有する。
 他、キャパシタ16は、金属酸化物焼結体(セラミック)を誘電体とするキャパシタまたはセラミックコンデンサでもよい。他、キャパシタ16は、電界コンデンサなどでもよい。
 第2の蓄電装置20は、内部に電気を溜めるデバイスであって、具体的にはバッテリである。バッテリ20には充電器18が組み合わせられている。充電器18は、バッテリ20を充電する作用を有する電子部品である。充電器18とバッテリ20は、互いにケーブルまたはコネクタなどによって物理的に接続されている。
 バッテリ20は、充電を行うことにより、複数回(一回限りではなく)繰り返し使用することが出来る電池(化学電池)の作用を有する電子部品である。バッテリ20は、二次電池、蓄電池または充電式電池ともいう。バッテリ20は、リニウムイオン電池、ニッケル水素、全固体電池などでもよい。
 給電対象のセンサ30に必要な電力を考慮して、適当な容量のバッテリ20が選択される。本実施例では、バッテリ20に蓄えられる電力は、2Vから5V程度に限定され得る。ただし、他の実施例では、バッテリ20に蓄えられる電力は上記数値に限定されない。
 蓄電装置16、20は、容量が小さい程、より早い速度で電力を蓄電することができる。従って、給電対象のセンサ30の種類や使用態様に応じて、好適な充電時間と蓄電容量を有する蓄電装置16、20が選択される。
 例えば、図28を再度参照すると、給電対象が近接センサ等の場合、小容量コンデンサが利用でき、給電対象が圧力センサ等の場合、大容量コンデンサが利用できる。
 また、図2を再度参照すると、給電対象が近接センサであっても無線ICと接続されている場合には、大容量コンデンサが利用できる。
 センサ30の駆動に要する電力がより大きい場合には、二次電池20が必要とされる。
 「インピーダンス不整合」
 図1に示したように、ワイヤレス給電では、送電装置1の送電アンテナ2から受電装置10の受電アンテナ12に向って、電磁波または無線周波数(RF)信号Eが送信される。受電装置10では、このRF信号を直流(DC)電圧に変換してから、バッテリ管理システム21のバッテリ20(図5参照)を充電する。ただし、ワイヤレス給電では、整流器側(RF側)とデバイス側(DC側)とが接続されると、インピーダンス不整合(インピーダンスミスマッチ)が生じることがある。インピーダンス不整合は、エネルギの伝送という観点から、非効率の原因となるため好ましくない。特に、マイクロ波のワイヤレス電力伝送を行う場合、比較的小さな電力または微弱な電力を扱うため、効率の低下が致命的な問題を引き起こし得る。
 ここで、バッテリ20は、理想的には、電力を消費せず、電荷を溜めるデバイスである。電力を消費しないということは、抵抗成分がないことを意味するため、理想的には、RF側とバッテリ側とが接続しても、インピーダンス不整合の問題は生じない。ただし、実際的には、バッテリが抵抗成分を持つ場合があるため、上記問題がまったく生じないわけではない。
 一方、センサ30はバッテリと異なり、電力を消費するデバイスであるため、抵抗成分を有している。このため、この抵抗成分がRF側と結合すると、より高い度合いでインピーダンス不整合が生じる。この場合、センサ30の回路の効率が低下することにより、不利益を被る虞がある。特に、センサ30が比較的に微小電力で作用する場合、この低効率化の問題はより深刻化する。
 従って、本実施例は、送電装置1と受電装置10との間でマイクロ波方式のワイヤレス給電を行う際、バッテリ管理システム21(図1参照)を用いることにより、デバイス30に対して十分な電力を送電するとともに、デバイス30側にインピーダンス不整合の問題が生じることを回避できるように電気回路(図5参照)を構成する。このことは、本実施例では、図5に示した電気回路において、蓄電装置16、20への電力の流れを切り替える手段(例えば、スイッチSW1~SW4)によって達成される。
 「スイッチSW1~SW4」
 図5に示した受電装置10の受電回路は、上述のように、周波数に基づいて2つの領域に分けることができる。即ち、キャパシタ16を境として、上流側のアンテナ12、整流器14を含むRF(高周波)領域と、下流側の充電器18、バッテリ20及びセンサ30を含むDC(低周波)領域の2つの領域に分けることができる。特にセンサ30側でインピーダンス不整合の問題が生じることを回避または最小にするように、複数のスイッチSW1~SW4を用いて、キャパシタ16、バッテリ20及びセンサ30を選択的に給電する。
 スイッチSW1~SW4は、特に、アンテナ12側で受信したマイクロ波のワイヤレス電力を、好適には微弱な電力を扱うセンサ30に送信する際に、インピーダンス不整合が生じることを回避または最小にするように構成されている。スイッチSW1~SW4は、電力の配電を選択的に中断することができる素子であり、配電を可能にするオンの状態と、配電を不可能にするオフの状態とを切り替える。スイッチSW1~SW4は、図5に例示した形態に限定されず、配電の切替を行うことができる任意の素子でもよい。例えば、スイッチSW4は、LDO(Low Drop-Out regulator)を用いて構成されてもよい。
 図5に示した実施例では、受電回路は、以下のように配置されたスイッチSW1~SW4を含む。
 第1のスイッチSW1は、整流器14と第1の蓄電装置(例えば、キャパシタ)16との間で電力の配電を切り替えるように配置されている。
 第2のスイッチSW2は、第1の蓄電装置16と第2の蓄電装置(例えば、バッテリ)18、20との間で電力の配電を切り替えるように配置されている。
 第3のスイッチSW3は、第1の蓄電装置16とデバイス30との間で電力の配電を切り替えるように配置されている。
 第4のスイッチSW4は、第2の蓄電装置18、20とデバイス30との間で電力の配電を切り替えるように配置されている。
 ここで、「配電を切り替える」とは、配電するかしないかを切り替える、すなわちスイッチをオンまたはオフに切り替えることである。
 図5の例では、4つのスイッチSW1~SW4は、実線で示しているように、電力の配電を中断するオフの状態(状態0)で示されている。ただし、各スイッチSW1~SW4は、破線で示しているように、電力の配電を可能にするオンの状態に移行することができる。状態0は、例えば、送電装置1が機能を停止している場合や、送電装置1が機能していても、その電力効率が悪い状態などに相当する。受電装置10の電気回路は、4つのスイッチSW1~SW4をオンとオフに切り替えることで、以下に例示するように、少なくとも6つの異なる状態(状態1~状態6)のいずれかを選択できる。
 図6(状態1)の例では、第1のスイッチSW1だけがオンにされ、他のスイッチSW2~SW4がすべてオフの状態にある。この状態1は、例えば、電力効率が良い状態にあり、受電アンテナ12側で受信した電力によってキャパシタ16を充電する状態に相当する。この状態では、整流器14の出力が、充電器18、バッテリ20及びセンサ30に流れていない。即ち、RF側とDC側(特にセンサ30)との間が接続されていないため、これらの間でインピーダンス不整合が生じるのを回避している。
 図7(状態2)の例では、第1のスイッチSW1と第2のスイッチSW2だけがオンにされ、他のスイッチSW3~SW4がすべてオフの状態にある。この状態は、例えば、電力効率が良い状態にあり、アンテナ12側で受信した電力によってキャパシタ16を充電し、そのキャパシタ16に蓄電した電力によって、充電器18を介して、バッテリ20を充電する状態に相当する。なお、電力の流れを捨てることでエネルギに無駄が生じることを防ぐため、第1のスイッチSW1はオフにはされていない。この状態では、特に第3のスイッチSW3がオフにされているため、整流器14の出力がセンサ30には流れていない。即ち、RF側とDC側(特にセンサ30)との間が接続されていないため、これらの間でインピーダンス不整合が生じるのを回避している。
 図8(状態3)の例では、第4のスイッチSW4だけがオンにされ、他のスイッチSW1~SW3がすべてオフの状態にある。この状態は、例えば、電力効率が悪い状態または送電装置と受電装置との間でワイヤレス給電が行われていない状態に相当する。ただし、バッテリ20は既に充電されているため(充電率は100%である必要はない)、その電力によってセンサ30を給電している。この状態では、特に第3のスイッチSW3がオフにされているため、整流器14の出力がセンサ30には流れていない。即ち、RF側とDC側(特にセンサ30)との間が接続されていないため、これらの間でインピーダンス不整合が生じるのを回避している。
 図9(状態4)の例では、第1のスイッチSW1と第4のスイッチSW4がオンにされ、他のスイッチSW2~SW3がすべてオフの状態にある。この状態は、例えば、電力効率が良い状態にあり、アンテナ12側で受信した電力によってキャパシタ16を充電している状態に相当する。ただし、バッテリ20は既に充電されているため、その電力によってセンサ30を給電している。この状態では、特に第3のスイッチSW3がオフにされているため、整流器14の出力がセンサ30には流れていない。即ち、RF側とDC側(特にセンサ30)との間が接続されていないため、これらの間でインピーダンス不整合が生じるのを回避している。
 図10(状態5)の例では、第1のスイッチSW1と第2のスイッチSW2と第4のスイッチSW4がオンにされ、第3のスイッチSW3だけがオフの状態にある。この状態は、例えば、電力効率が良い状態にあり、アンテナ12側で受信した電力によってキャパシタ16の充電が完了している状態に相当する。バッテリ20は充電可能であるとともに、その電力によってセンサ30を給電している。この状態では、特に第3のスイッチSW3がオフにされているため、整流器14の出力がセンサ30には流れていない。即ち、RF側とDC側(特にセンサ30)との間が接続されていないため、これらの間でインピーダンス不整合が生じるのを回避している。
 図11(状態6)の例では、第1のスイッチSW1と第3のスイッチSW3がオンにされている。この状態は、例えば、電力効率が良い状態にあり、アンテナ12側で受信した電力によってキャパシタ16を充電し、そのキャパシタ16に蓄電した電力によってセンサ30を給電する状態に相当する。この状態では、バッテリ20の電力ではなく、キャパシタ16の電力によってセンサ30を給電している。なお、このとき、第2のスイッチSW2をオフにすることは可能である。この状態では、第1のスイッチSW1と第3のスイッチSW3がオンにされているため、整流器14の出力がセンサ30には流れる結果、RF側とDC側(特にセンサ)との間が接続されている。
 図11に示した状態6の例では、RF側とDC側(特にセンサ)との間が接続されることに起因するインピーダンス不整合の問題が生じ得る。ただし、この問題は、例示した全ての状態1~6のうち、状態6に限り生じている。この状態6を選択しない、または状態6を選択してもその頻度または期間を限定することによって、全体として、インピーダンス不整合の問題が生じることを回避または最小にすることができる。
 図11に示した状態6の例には、デメリットだけではなく、メリットもある。例えば、バッテリ20とキャパシタ16の双方からセンサ30を給電可能にすることで、システムに多様性を付与することができる。また、状態6を選択することで、バッテリへの充電損失の問題に対応するという面もある。
 従って、本実施例では、4つのスイッチSW1~SW4を適当に制御することにより、受電装置20の内部の電力の状態を区別する。この結果、インピーダンス不整合に起因する受電効率の低下の問題を回避または最小にし、センサーシステムの消費電力の増加の問題に対応することができ、そして、センサーシステムへの給電配線が不要になる。さらに、使用状況によっては、バッテリ20からセンサ30を給電する他、キャパシタ16から直接センサ30を給電することも可能にする。従って、ユーザーは、センサーシステムの維持管理コストの削減、センサーシステムの原価コスト削減、システムの長寿命化に伴う環境デバイスの軽減などの利益を得る。
 図29は、図5の受電装置の受電回路の各状態を示す図の例である。
 図29において、状態0~状態2では、センサ30はオフ(非使用時)の状態にあり、状態3~状態6では、センサ30はオン(使用時)の状態にある。各状態0~6において、特にキャパシタ16の前後の電圧値v1、v2が制御器40に送信されるようになっている。
 「受電状況の監視」
 FAなどで稼働する機械100のデバイス30にワイヤレス給電を行う場合、送電装置1の送電アンテナ2の送電方向と、受電装置10の受電アンテナ12の受電方向とが最適化されない場合、十分な給電が行えない事態が生じ得る(図1の符号E参照)。例えば、受電アンテナ12がロボットアーム/ロボットハンドに内蔵されていて、ロボットアーム/ロボットハンドの移動に伴って、受電アンテナ12の位置、角度、高さなどが高い自由度で変化するとき、送電装置1と受電装置10の間の送電状況は様々に変化し得る。FAなどでは、速やかに、受電装置10の受電状況を把握することができない場合があった。
 受電装置10の受電状況は、様々な手段から把握することができる。
 例えば、キャパシタ16の蓄電に要する時間が短く、短期間でバッテリ20に送電できるとき、その電圧値と時間とに基づいて、制御器40は受電装置10の受電状況を理解することができる。これは、キャパシタ16の蓄電に要する時間が短い程、受電アンテナ12によって受電されている電力が大きいことを意味するからである。反対に、キャパシタ16の蓄電に要する時間が長い程、受電アンテナ12によって受電されている電力が小さいことを意味するからである。他の電気的な検査を行うことも可能である。実施例1では、より迅速かつ容易に受電アンテナ12の受電状況を監視するための手段SW5を受電装置10に設けている。
 図5を再度参照すると、受電装置10の受電回路には、上記4つのスイッチSW1~SW4に加えて、整流器14の出力側(整流器14と第1のスイッチSW1との間)で電力の配電を切り替えるさらなるスイッチSW5を含むとともに、このスイッチSW5を発光ダイオード(LED)22と機能的に結合させている。例えば、このスイッチSW5は、LED22とケーブルまたはコネクタなどによって物理的に接続されている。
 上記スイッチSW5をオンにすると、整流器14側の電圧がスイッチSW5を介してLED22に流れて、その電力が所定値を上回る時には、LED22のランプが点灯するように構成されている。LED22の点灯は、機械100(図1参照)の外部から視覚的に確認できるものとする。従って、このLED22の点灯に基づいて、使用者(例えば、検査員)は、受電装置10の受電状況を、電気的な検査を行うことなく、簡単に把握することができる。
 LED22の発する光の強さは流れる電流の量におおよそ比例する。ワイヤレス給電での利用可能な電力に無駄が生じるのを防ぐため、LED22の点灯の頻度または期間をできるだけ小さくすることが好ましい。例えば、受電装置10の使用開始前または後などで、給電操作に影響が及ぶのを最小にするように、スイッチSW5だけをオンにして、他のスイッチSW1~SW4をオフにする。
 例えば、図1を参照して、送電装置1から受電装置10に向けてエネルギEの送電が行われているものの、受電装置10のLED22(図5参照)が点灯しない場合(または点灯が弱い場合)、送電装置1の送電アンテナ2の送電方向と、受電装置10の受電アンテナ12の受電方向とが好適に適合していないか、何らかの手段によってエネルギEの送電が妨害されていることが推定できる。この場合、以下で後述するように、送電装置1の送電アンテナ2のビーム・フォーミングを行うことが検討される。または、送電アンテナ2の複数のビームのうち、2つまたは3つまたはより多くをスプリットさせて発射させることが検討できる。
 図12~図14は、図5~図11に例示した受電装置10の実施例1に対して一部修正を加えた実施例2を示している。
 実施例2は、実施例1と基本的に同様に構成されていて、相違点は実施例1の4つのスイッチSW1~SW4の配置変更と、その制御のみである。送電装置1、受電装置10、機械100の他の構成要素は、実施例1と同様に構成可能なため、記載の重複を避けるため、これら他の構成要素の詳細は割愛する。
 実施例2では、4つのスイッチSW11~SW14は、以下のように配置されている。
 第1スイッチSW11は、整流器14と、充電器18/バッテリ20との間の電力の受取りを選択的に中断することができるように配置されている。
 第2スイッチSW12は、整流器14と、キャパシタ16との間の電力の受取りを選択的に中断することができるように配置されている。
 第3スイッチSW13は、キャパシタ16と、センサ30との間の電力の受取りを選択的に中断することができるように配置されている。
 第4スイッチSW14は、バッテリ20と、センサ30との間の電力の受取りを選択的に中断することができるように配置されている。
 図12では、上記4つのスイッチSW11~SW14は、実線と破線とで示されているように、オンの状態とオフの状態とを切り分けられるようになっている。図12では、4つのスイッチSW11~SW14のすべてが、電力の受取りを中断するオフの状態にある。この状態は、例えば、送電装置1の電力効率が悪い状態または送電装置1と受電装置10との間でワイヤレス給電が行われていない状態などに相当する。この場合、整流器14の出力がキャパシタ16、バッテリ20及びセンサ30に流れていない。
 図13を参照すると、実施例2の状態1では、第1のスイッチSW11と第3のスイッチSW13のみが同時にオンにされ、第2のスイッチSW12と第4のスイッチSW14が同時にオフにされている。この状態1は、例えば、電力効率が良い状態にあり、アンテナ12側で受信した電力によってバッテリ20を充電する状態に相当する。さらに、前もってキャパシタ16の充電が完了している場合には、その出力でセンサ30を給電する状態に相当する。この状態では、整流器14の出力がバッテリ20にだけ流れていて、キャパシタ16及びセンサ30には流れていない。即ち、RF側とDC側(特にセンサ)との間が接続されていないため、これらの間でインピーダンス不整合が生じていない。
 図14を参照すると、実施例2の状態2では、第2のスイッチSW12と第4のスイッチSW14のみが同時にオンにされ、第1のスイッチSW11と第3のスイッチSW13が同時にオフにされている。この状態2は、例えば、電力効率が良い状態にあり、アンテナ12側で受信した電力によってキャパシタ16を充電する状態に相当する。さらに、前もってバッテリ20の充電が完了している場合には、その出力でセンサ30を給電する状態に相当する。この状態では、整流器14の出力がキャパシタ16にだけ流れていて、バッテリ20及びセンサ30には流れていない。即ち、RF側とDC側(特にセンサ)との間が接続されていないため、これらの間でインピーダンス不整合が生じていない。
 実施例2では、スイッチSW11とスイッチSW13を同時にオンにする状態1(図13)と、スイッチSW12とスイッチSW14を同時にオンにする状態2(図14)とを、適当な時間と期間とで切り替えることで、整流器14の出力を常にキャパシタ16またはバッテリ20の一方に流して、その間、充電されている他方によってセンサ30を稼働することができる。このため、整流器14の出力は常に使用されていて、エネルギに無駄が生じない。
 実施例2では、整流器14とセンサ30の間には2つのスイッチSW12、SW13が設けられており、常に、少なくともいずれか一方のスイッチがオフの状態にあるため、整流器の出力14がセンサ30に直接流れることはない。実施例2では、実施例1の状態6(図11)に相当する状態は生じない。従って、RF側とDC側(特にセンサ)との間でインピーダンス不整合が生じることが常に回避されている。
 ただし、図12に示した電気回路の状態は、図13と図14に例示した状態に限定されない。例えば、所定期間だけ、スイッチSW11とスイッチSW12の一方だけをオンにして、他のスイッチをすべてオフにして、キャパシタ16またはバッテリ20の充電だけを行ってもよい。
 また、図13と図14で示した2つのスイッチを同時にオンにすることは、厳密に同時でなくてもよい。実施形態に応じて、スイッチSW11とスイッチSW13を時間差があるようにオンにしてもよい。また、スイッチSW12とスイッチSW14を時間差があるようにオンにしてもよい。
 この実施形態でも、受電状況を監視する手段として、スイッチSW15とLED22が設けられている。また、受電回路内の電圧v1、v2の値が制御器40に送信されるようになっている。
 図15は、図12~図14に例示した受電装置10の実施例2に対して一部修正を加えた実施例3を示している。
 実施例3は、実施例2と基本的に同様に構成されていて、相違点は実施例2のキャパシタ16とバッテリ20の組み合わせのみである。送電装置1、受電装置10、機械100の他の構成要素は、実施例1と同様に構成可能なため、記載の重複を避けるため、これら他の構成要素の詳細は割愛する。
 実施例2では、充電されるキャパシタ16の電力は、センサの稼働にだけ使用されて、バッテリの充電には使用されない。キャパシタ16とバッテリ20は、交互に(相補的に)センサを稼働するために用いられている。そのため、キャパシタ16とバッテリ20は、いずれも電気を溜める蓄電デバイスとしての作用を共通させている。
 実施例3では、受電装置10は、センサ30に給電するためのバッテリ管理システムとして、キャパシタ16とバッテリ20の組み合わせではなく、2つのキャパシタ16a、16bの組み合わせを用いている。キャパシタ16a、16bは、両方とも同じ種類及び/または容量でもよい。キャパシタ16a、16bは、種類及び/または容量を相違させてもよい。
 4つのスイッチSW21~SW24は、以下のように配置されている。
 第1スイッチSW21は、整流器14とキャパシタ16aとの間の電力の受取りを選択的に中断することができるように配置されている。
 第2スイッチSW22は、キャパシタ16aとセンサ30との間の電力の受取りを選択的に中断することができるように配置されている。
 第3スイッチSW23は、整流器14とキャパシタ16bとの間の電力の受取りを選択的に中断することができるように配置されている。
 第4スイッチSW24は、キャパシタ16bとセンサ30との間の電力の受取りを選択的に中断することができるように配置されている。
 実施例2では、4つのスイッチのうち、一組の2つのスイッチを同時にオンにし、残りの一組の2つのスイッチを同時にオフにすることで、2つの蓄電装置16、20のいずれかを充電し、他方の電力でセンサ30を給電する。
 実施例3では、2つのキャパシタ16a、16bのいずれかまたは双方を充電し、その電力でセンサ30を給電するに当たり、4つのスイッチSW21~SW24を様々な組み合わせでオンとオフに切り替えてもよい。
 例えば、以下の状態0~6のうち、任意の状態が選択され得る。
 状態0では、4つのスイッチSW21~SW24のすべてがオフにされる。
 状態1では、スイッチSW21だけをオンにすることで、キャパシタ16aだけを充電する。
 状態2では、スイッチSW21とSW22だけをオンにすることで、キャパシタ16aの電力でセンサ30を給電する。
 状態3では、スイッチSW23だけをオンにすることで、キャパシタ16bだけを充電する。
 状態4では、スイッチSW23とSW24だけをオンにすることで、キャパシタ16bの電力でセンサ30を給電する。
 状態5では、スイッチSW21とSW23だけをオンにすることで、キャパシタ16a、16bを充電する。
 状態6では、スイッチSW21~SW24をすべてオンにすることで、キャパシタ16a、16bの電力でセンサ30を給電する。
 実施例1、2に示したように、蓄電装置としてバッテリ20が用いられる場合、バッテリに蓄えられる電力は、2Vまたは4Vに限定されることがある。これに対して、実施例3に示したように、蓄電装置としてキャパシタ16a、16bを用いる場合、キャパシタに蓄えられる電力は、例えば5V以下でよい。このため、キャパシタからセンサ30に給電する場合の方が、バッテリからセンサ30に給電することよりも、過放電に強いという利点がある。従って、センサ30に給電するための電力が比較的小さく、過放電への対応が求められる場合、実施例3が検討され得る。
 なお、図15に例示した実施例3では、2つのキャパシタ16a、16bを並列して用いている。これに対して、他の実施例では、3つ以上のキャパシタを並列して用いることは可能である。また、他の実施例では、2つ以上のキャパシタを直列で用いることは可能である。ただし、キャパシタを直列(縦に2段重ね)にする場合、極性があるキャパシタの場合は破壊に至る可能性があるため、接続方向に注意する。
 図16は、図5に例示した受電装置10の実施例1に対して一部修正を加えた実施例4を例示している。
 実施例4は、実施例1と基本的に同様に構成されていて、相違点は、第1の蓄電装置16について、1つのキャパシタ16を、2つのキャパシタ16c、16dに変更した点である。送電装置1、受電装置10、機械100の他の構成要素は、実施例1と同様に構成可能なため、記載の重複を避けるため、これら他の構成要素の詳細は割愛する。
 図16を参照すると、キャパシタ16cは、整流器14の下流側で、第1のスイッチSW31の上流側に設けられている。キャパシタ16cは、整流器14と常時接続されているが、キャパシタ16cの機能上、問題はない。キャパシタ16dは、第1のスイッチSW31の下流側で、センサ30の上流側に設けられている。
 4つのスイッチSW31~SW34は、以下のように配置されている。
 第1スイッチSW31は、整流器14(キャパシタ16c)と、キャパシタ16dとの間の電力の受取りを選択的に中断することができるように配置されている。
 第2スイッチSW32は、キャパシタ16dと、充電器18/バッテリ20との間の電力の受取りを選択的に中断することができるように配置されている。
 第3スイッチSW33は、キャパシタ16dと、センサ30との間の電力の受取りを選択的に中断することができるように配置されている。
 第4スイッチSW34は、バッテリ20と、センサ30との間の電力の受取りを選択的に中断することができるように配置されている。
 図16に示した実施例4の受電回路では、整流器14から出る出力は、まずキャパシタ16cに落とし込まれる。このキャパシタ16cに蓄電された電力が、さらに、バッテリ20またはキャパシタ16dに蓄電されて、それら蓄電装置20、16dによってセンサ30を給電する。各状態において、整流器14側とセンサ30側とが接続されて、インピーダンス不整合が生じることが回避するように、スイッチSW31~SW34が操作される。
 上記4つのスイッチSW31~SW34を適宜切り替えることで、受電装置20の充電回路の状態を様々な状態に切り替えることができる。
 特に、図16に示した実施例4の受電回路では、バッテリ20とは別に2つのキャパシタ16c、16dを配置しているので、これら2つのキャパシタ16c、16dによってバッテリ20の充電とセンサ30の給電を最適化することを可能にする。
 図30は、図16に示した4つのスイッチSW31~SW34の切り替えの状態を示している。
 実施例4においても同様に、受電装置10の受電状態を視覚的に確認するため、スイッチSW35とLED22を備えており、作業者が電波受信状態を把握できるようにしている。
 さらに、受電装置10の電圧値v2、v3を無線通信ICに送信するため、スイッチSW36~SW37を備えている。これら電圧値は、VD(Voltage Detector)などによって検知される。
 図30を参照すると、状態0では、スイッチSW31~SW37がすべてオフにされている。この状態は、送電装置1から電波が送信されていないか、または受電装置10の電波受信状態悪い場合に相当する。または、スイッチSW35だけがオンにされている。この状態は、受電装置10の受電状況を確認する場合に相当する。
 従って、蓄電装置(キャパシタ)16cは常に整流器14と接続されているため、常に充電されているが、その蓄電された電力は、蓄電装置(キャパシタ)16d、蓄電装置(バッテリ)20等の他の素子に流れていない。
 状態1では、スイッチSW31だけがオンになり、他のスイッチSW32~SW37はすべてオフにされている。この状態は、送電装置1から受電装置10に送電される電力効率が良い状態に相当する。このため、蓄電装置16cに蓄電された電力が、蓄電装置16dに流れているが、まだ蓄電装置16dが十分に充電されていない状態に相当する。蓄電装置16dがキャパシタの場合、充電に要する時間は短くて済む。
 状態2では、スイッチSW32だけがオンになり、他のスイッチSW31、SW33~SW37はすべてオフにされている。この状態は、送電装置1から受電装置10に送電される電力効率が良い状態に相当する。このため、蓄電装置16cに蓄電された電力によって、蓄電装置16dが十分に充電されているため、その蓄電された電力が蓄電装置20に流れている状態に相当する。
 通常、バッテリ20は、キャパシタ16dよりも多くの電力を内部に蓄えることができる。したがって、バッテリ20が完全に充電されるまで、上記状態1、2を繰り返して、キャパシタ16c、16dの蓄電と送電を繰り返してもよい。
 状態1、2までは、センサ30はオフの状態にある。状態3以降、センサ30はオンの状態になる。
 状態3では、スイッチSW34だけがオンになり、他のスイッチSW31~スイッチSW33、SW35~SW37はすべてオフにされている。この状態では、バッテリ20に蓄電された電力によって、センサ30を給電している状態に相当する。また、整流器14の出力によってキャパシタ16cが充電されている。
 状態4では、スイッチSW31、スイッチSW34だけがオンになり、他のスイッチSW32~スイッチSW33、SW35~SW37はすべてオフにされている。この状態では、蓄電装置16cに蓄電された電力が、蓄電装置16dに流れるとともに、蓄電装置20に蓄電された電力によって、センサ30を給電している状態に相当する。
 この場合も、上記状態3、4を繰り返して、キャパシタ16c、16dの蓄電と送電を繰り返してもよい。
 状態5では、スイッチSW33だけがオンになり、他のスイッチSW31~スイッチSW32、SW34~SW37はすべてオフにされている。この状態では、蓄電装置(キャパシタ)16dに蓄電された電力によって、センサ30を給電している状態に相当する。このとき、スイッチSW31はオフにされているため、整流器の出力は、直接センサ30に流れていないため、RF側とDC側とが直接接続されていない。即ち、この実施例では、実施例1の状態6(図11)のように、整流器14側とセンサ30側とが直接つながれることに起因するインピーダンス不整合が生じないようにされている。
 状態0~5までは、無線通信ICはオフの状態にある。状態6以降、無線通信ICはオンの状態になる。
 状態6では、スイッチSW34、SW36だけがオンになり、他のスイッチSW31~スイッチSW33、SW35、SW37はすべてオフにされている。この状態では、状態3において、蓄電装置(バッテリ)20から無線通信IC50まで給電されている状態に相当する。この値は、受電装置10の制御器40と、送電装置1の制御器(ホスト・コンピュータ)4に送信される。
 なお、制御器40は、無線通信機能を有することができる。また、無線通信IC50を制御器40に含めることは可能である。基本的に、制御器40と無線通信IC50の双方またはいずれか一方が、本発明の無線通信機能を発揮する。
 制御器40及び/または無線通信IC50をセンサ30と組み合わせることで、センサ30の検知結果を外部に送信することができる。ただし、センサ30としてSAWセンサを用いる場合、制御器40及び/または無線通信IC50を用いることなく、SAWセンサが有する無線通信機能によって、センサ30の検知結果を外部に送信することができる。 このように、受電装置10は、デバイス30に要する電力に加えて、無線通信機能に要する電力を給電するように構成できる。
 状態7では、スイッチSW31、SW34、SW36だけがオンになり、他のスイッチSW32、スイッチSW33、SW35、SW37はすべてオフにされている。この状態では、状態4において、蓄電装置(バッテリ)20から無線通信IC50まで給電されている状態に相当する。この値は、受電装置10の制御器40と、送電装置1の制御器4に送信される。
 状態8では、スイッチSW33、SW37だけがオンになり、他のスイッチSW31、スイッチSW32、SW34~SW36はすべてオフにされている。この状態では、状態5において、蓄電装置(キャパシタ)16dから無線通信IC50まで給電されている状態に相当する。この値は、受電装置10の制御器40と、送電装置1の制御器4に送信される。
 状態1から状態8のいずれにおいても、整流器の出力は、直接センサ30に流れていないため、RF側とDC側とが直接接続されていない。即ち、RF側とDC側(特にセンサ30)との間でインピーダンス不整合が生じるのを回避している。
 状態6から状態8で無線通信IC50に送信される電圧値は、受電装置10の受電状況を、制御器40及び/または制御器4が把握するために利用される。
 図16に例示した実施例4では、3つの蓄電装置16c、16d、20が用いられている。好ましくは、このうちの2つ(16c、16d)は大容量キャパシタであり、1つ(20)はバッテリである。ただし、実施形態によっては、このうちの3つすべてをキャパシタにしてもよい(図示略)。この場合も同様に、スイッチSW31~SW37の切り替えに基づく受電回路の詳細は、図30を参照することができる。
 図17は、図16に例示した受電装置10の実施例4に対して一部修正を加えた実施例6を例示している。
 実施例5は、実施例4と基本的に同様に構成されていて、構成要素の相違点は、キャパシタ16cの削除と、スイッチSW31,SW33の削除である。送電装置1、受電装置10、機械100の他の構成要素は、実施例4と同様に構成可能なため、記載の重複を避けるため、これら他の構成要素の詳細は割愛する。
 実施例5では、蓄電装置として、1つのキャパシタ16cとバッテリ20の組み合わせを用いるとともに、受電回路内に組み込まれるスイッチの数を最小にしている。これによって、受電装置10の実装面積を最小にし、制御の複雑化を避け、運用コストを抑えている。さらに、スイッチSW31、SW33を除くことで、実応用例の要求を満たしつつ、なるべくインピーダンスの不整合を防ぐことができるように受電回路を構成している。
 一般的に、受電装置10の電気回路内にスイッチ等の動作が必要な素子が増えると、全体として、電力消費が増大する。スイッチに要する電力は小さいものの、ワイヤレス電力伝送で送電される電力の量には限りがあるため、センサの給電に貢献しない形で電力消費が増大することは好ましくない。また、一般的に、構成要素の増大によって、受電装置10の制御が複雑化されることは好ましくない。従って、実施例5では、スイッチインピーダンス不整合への対応と、受電回路の制御の簡易化との両立を図っている。
 即ち、実施例5では、実施例1~4と異なり、全体のうち5%または10%の程度でインピーダンス不整合が生じたとしても、その与える影響が小さければ、無視するという方針である。100%完全にインピーダンス不整合が生じるのを防ぐために、複雑化された受電回路の制御を行うことよりも、簡易化された受電回路の制御を行うことで、実施コストの削減を図っている。
 図17に例示した実施例5の受電回路では、整流器14の出力は、まず、キャパシタ16dに落とし込まれる。この際、整流器14とキャパシタ16dとの間で配電を切り替えるスイッチを削除している。このため、キャパシタ16dは常時蓄電され得るが、それによって特段の不都合は生じさせない。
 キャパシタ16dとバッテリ20(充電器18)の間にはスイッチSW32が配置されており、キャパシタ16dを蓄電する状態と、その蓄電した電力によってバッテリ20を充電する状態とが切り替えられるようになっている。
 従って、キャパシタ16dが充電されている間はスイッチSW32がオフにされ、キャパシタ16dが充電されて、その電力をバッテリ20に送電する間はスイッチSW32がオンにされる。
 バッテリ20とセンサ30の間には、スイッチSW34が配置されており、バッテリ20を充電する状態と、その充電した電力によってセンサ30を充電する状態とが切り替えられるようになっている。
 従って、バッテリ20が充電されている間はスイッチSW34がオフにされ、バッテリ20が充電されて、その電力をセンサ30に送電する間はスイッチSW34がオンにされる。
 図18は、図17に例示した受電装置10の実施例5に対して一部修正を加えた実施例6を例示している。
 実施例6は、実施例5と基本的に同様に構成されていて、相違点は、スイッチSW34のLDOへの変更のみである。送電装置1、受電装置10、機械100の他の構成要素は、実施例4と同様に構成可能なため、記載の重複を避けるため、これら他の構成要素の詳細は割愛する。
 実施例6では、バッテリ20とセンサ30の間には、スイッチSW34の替わりにLDOが配置されている。このLDOを操作することで、機械的なスイッチを用いることなく、バッテリ20を充電する状態と、その充電した電力によってセンサ30を充電する状態とを切り替えるようにしている。
 実施例6においても、実施例5と同様に、100%完全にインピーダンス不整合が生じるのを防ぐために、複雑化された受電回路の制御を行うことよりも、簡易化された受電回路の制御を行うことで、実施コストの削減を図っている。
 LDOは、低損失レギュレータともいう。これは、入力電圧と出力電圧の差を極めて小さくして動作することのできるシリーズレギュレータである。LDOを操作することで、実質上スイッチと同じ機能を達成することができる。
 「インピーダンスマッチングの最適化」
 上記実施例1~実施例6の各電気回路において、さらにインピーダンスマッチングの最適化を行うことは可能である。
 図19は、横軸に入力電力(インプット・パワー)、縦軸に受電回路の効率をとった、電気回路のインピーダンスマッチングの最適化の様子を概略的に示した図の例である。
 図19の(1)に例示されているように、受電装置10の受電回路において、RF領域とDC領域が接続して、インピーダンスマッチング不整合が生じる場合、その効率は悪化する。
 図19の(2)に例示されているように、上記場合において、インピーダンスマッチング不整合を回避した場合、効率の悪化を改善することができる。
 しかし、この場合であっても、図19の(3)に例示されているように、インピーダンスマッチングの最適化が行われていなければ、高い効率を達成することは難しい。
 そこで、本発明では、インピーダンスマッチング不整合を回避するだけでなく、さらにインピーダンスマッチングの最適化を可能にする手段を備える。
 図20(A)、(B)を参照して、インピーダンスマッチングを最適化する手段を例示する。なお、図20(B)の電気回路は説明上、簡略化されているが、以下の説明は上述した各実施例(特に、実施例5、6)に適用可能である。
 図20(B)に簡略化して示した電気回路は、整流器と、スイッチと、符号Z1で示す蓄電装置(キャパシタ)と、Z2で示す電源回路とデバイス(センサ)の合成インピーダンスを含む。
 図20(B)に示した状態では、スイッチは、電力の配電を行わないオフの位置にある。この場合、整流器の出力は、キャパシタのインピーダンスZ1のみがつながっている。
 図20(B)に示した状態に対して、スイッチが電力の配電を行うオンの位置になると、整流器の出力には、キャパシタのインピーダンスZ1と電源回路とセンサの合成インピーダンスZ2が並列接続される。
 図20(A)の左側では、スイッチをオンにしたときのインピーダンスZaを例示している。このとき、インピーダンス不整合が起きていて、電力(パワー)は低い値となっている。
 図20(A)の右側では、スイッチをオフにしたときのインピーダンスZcを例示している(Zc=Z1)。このとき、インピーダンス不整合が起きていないが、インピーダンスの最適化はされていない。従って、インピーダンスの最適化がされたときの値をZbとすると、Zcの値はZaよりも大きいが、Zbよりも小さい。
 ここで、スイッチがオンのときの比率を「D」%、スイッチがオフのときの比率を「1-D」%とすると、整流器の負荷インピーダンスZは、次のように定めることができる。
 Z=(Z1//Z2)×(1-D)+Z1×D
 なお、上式において、記号「//」は、並列値計算の数式表現を簡略化して記したものである。例えば、抵抗の並列値計算では、1/(1/R1+1/R2)という数式表現を簡略化して、R1//R2と記すことができるのと同様である。
 図20(B)を参照すると、スイッチを高速でオンとオフに切り替えると、整流器からみて、見かけ上、インピーダンスがZ1だけの状態と、Z1とZ2が並列接続される状態とが交互に切り替えられる。このとき、Z2につながる時間を調整するが、例えば、1ミリ秒単位で、スイッチの切り替えを行う。そのとき、整流器から見たインピーダンスが、図20(A)に概略的に例示するように、山型(凸状)の曲線を描くようにあらわれる。このことはシミュレーションによって確認されている。
 従って、Z1とZ2を、スイッチの高速の切り替えでインピーダンスを調整すると、図20(A)に概略的に示しているように、Za、Zb、Zcのようにインピーダンスを変化させることと等価になる。その際、スイッチのオンオフ比率を調整して、整流器からみて、見かけ上、Zbのインピーダンスを作りだすことができれば、出力電力が最大化されると考えられる。なお、スイッチを高速で動かすときの電力はマイクロワット程度で済み、スイッチによる電力ロスは小さい。
 このように、本発明では、キャパシタに充電する時間と電源回路に接続するDuty比を調整することでインピーダンスマッチングの最適化する。このため、Z1とZ2に対して等価的なインピーダンスを求める状態平均化法を適用する。これによって、本発明では、単にスイッチの切り替えによって、インピーダンスマッチング不整合を回避するだけでなく、さらにスイッチを高速でオンとオフに切り替えて、整流器からみたインピーダンスを見かけ上平均化することで、インピーダンスマッチングの最適化を可能にする。
 特に、実施例5、6に例示した電気回路において、状態平均化法を適用することで、受電装置を全体として、受電回路の効率を向上させることが可能となる。
 図20(B)に例示した電気回路を図16または図17に例示した実施例5、6の受電回路に適用する場合、整流器に対して、キャパシタとセンサが並列接続されるように電気回路の配線を変更してもよい。
 このように、第2のスイッチSW32(図16、図17)を高速で切り替えて、第2のスイッチSW32のオンオフ比を適当に定めることで、整流器14から見て、大きい抵抗と小さい抵抗(Z1、Z2)に対して状態平均化法を適用することで、インピーダンスを最適化させる。
 他、図20(B)に例示した電気回路を実施例1~6に適用する際、実施形態に応じて電気回路に修正することができる。たとえば、インピーダンスマッチングの最適化について例示した図20(B)の電気回路では、Z2の素子には、DC―DCコンバータが用いられてもよい。この場合、DC―DCコンバータ内部の2つのインピーダンスをスイッチで調整することで、インピーダンスマッチングの最適化を行う。DC―DCコンバータとは、直流を直流へ変換するデバイスであって、必要な電圧に変換したり、安定化するために用いられる素子である。また、Z2の素子には、LDOやセンサが接続される場合がある。この場合、スイッチとしてLDOを用いることができる。
 「受電状況の最適化」
 以上例示した実施例1~実施例6の各電気回路において、さらに電界強度の観測を行うことは可能である。
 例えば、図5に例示した実施例1の電気回路において、スイッチSW5のみをオンにして、LED22の点灯状態を観察することで、使用者は、受電装置10の給電状況を把握することができる。
 さらに、各実施例1~6では、受電回路の電圧値をフィードバック信号として送電装置1に送信することで、送電装置1側で受電装置10側の受電状況を把握してもよい。それに基づいて、受電装置10の受電状況の最適化が可能になる。
 以下に説明するフィードバック制御は、各実施形態1~6で適用可能だが、以下、図16に示した実施例4の受電回路に基づいて説明する。
 例えば、図16の受電回路において、第1のスイッチSW31の上流側で、第1のキャパシタ16cに送られる電力の値をv1、第1のスイッチSW31の下流側で、第2のキャパシタ16dに送られる電力の値をv2とする。
 このときの電圧値の変位を図21に概略的に例示している。
 図21は、図16に示した実施例4の受電回路のv1、v2の電圧値を縦軸にとり、横軸に時間をとったときのグラフを概略的に示している。
 図21において、時間t0から時間t1までの間では、図16に示した実施例4の受電回路のスイッチSW31~SW35のすべてがオフにされており、整流器14から出るエネルギがすべて第1のキャパシタ16cに送られる状態に相当する。この期間、第1のキャパシタ16cの電圧値v1は上昇し続ける。
 時間t1で、第1のキャパシタ16cの電圧値v1がVth1に達した時、スイッチSW31がオンにされる。Vth1はスイッチSW31をオンする閾値である。このとき、第1のキャパシタ16cは十分に蓄電されている。Vth1の値と、t1は、用いられるキャパシタ16cの種類によって変化し得る。
 時間t1で、スイッチSW31がオフからオンに切り替えられると、第1のキャパシタ16cに蓄電されたエネルギが第2のキャパシタ16dへと流れはじめる。t1からt2までの間、第2のキャパシタ16dに蓄電される電力が増え続ける。
 時間t2は、v1の電圧がv2に供給されて、互いに同電位になった時に相当する。その後、時間t2から時間t3までの間、第2のキャパシタ16dの電圧値v2は上昇し続ける。
 時間t3で、第2のキャパシタ16dの電圧値v2がVth2に達した時、スイッチSW31がオンにされる。Vth1はスイッチSW32をオンする閾値である。このとき、第2のキャパシタ16dは十分に蓄電されている。Vth2の値と、t2は、用いられるキャパシタ16dの種類によって変化し得る。
 図21において、t1からt3までの時間を観測することで、受電装置10の受信強度を疑似的に観測することが可能になる。なお、t1からt2までの時間は受信強度の観測に使用されないが、図21のグラフを実応用例の電圧波形に近づけるために記載している。
 受電装置10の制御器40には、v1の電圧値とv2の電圧値とが送信される。制御器40は、Vth1からVth2までの時間を計測することで、v2の上昇するスピードを計測して、このときの電界強度を疑似的に観測する。
 従って、制御器40は、これら値をフィードバック信号fsとして、送電装置1に送信する。送電装置1は、フィードバック信号fsの値に基づいて、受電装置10側の受信強度を疑似的に観測する。送電装置1の制御器4は、この結果に基づいて、送電アンテナ2の送電方向を最適化する制御を行うことが可能になる。
 このように、v2の上昇するスピードで電界強度を疑似的に観測するが、他、v1、v2、v3(図16参照)の各値等を用いて、受電装置10の受電状態を観察してもよい。
 図22は、受電装置10から送電装置1に対してフィードバック信号fsを送信するときのフローを示した図である。
 図22の右側に例示されているように、受電装置10内では、受電アンテナ12で受けとられたエネルギは整流器14に送られた後、バッテリ20に送られる。この際、v1、v2の値などが受電装置10の制御器40に送られる。制御器40と接続された無線通信IC50によって、これらの値がフィードバック信号fsとして送電装置1に送られる。
 なお、受電アンテナ12は、上述のように、3次元空間内でそれぞれ良好に受電可能なように構成されている(図3、図4参照)。そこで、受電状況が悪い場合に、ワイヤレス給電を最適化するためには、送電アンテナ2の制御が効果的になる。
 図22の中央に例示されているように、送電装置1の制御器4には無線通信5が接続されており、上記フィードバック信号fsが制御器(コントローラ)4に送られるように構成されている。
 図22の左側に例示されているように、送電装置1には、信号発生器6aと増幅器6bとを有する送信回路が設けられており、送電アンテナ2から周囲にエネルギが送られるように構成されている。
 従って、制御器4は、上記フィードバック信号fsに基づいて、RFスイッチ3を制御して、送電アンテナ2を制御することができる。
 図23は、送電装置1の制御器4で行われる送電アンテナ2の制御を概略的に示した図である。
 制御器4は、小型のコンピュータ(マイコンなど)であって、例えば、ARMプロセッサを搭載したシングルボードコンピュータである。
 送信アンテナ2は、複数のアンテナ部2a、2b、2c、2d、2eを含み、これらにはRFソース6からの出力が送られるように構成されている。
 各アンテナ部2a、2b、2c、2d、2eは、RFスイッチ3a、3bを介して、それぞれ制御器4によって独立して制御される。
 制御器は、例えば、複数のアンテナ部2a、2b、2c、2d、2eのうち、最適なアンテナ部2c、2dのみからエネルギを外部に送るように、アンテナ2を制御する。
 送電アンテナは、ビームを2つまたは3つ以上にスプリットさせて発射するように構成できる。
 これによって、送電装置1の制御器4は、ワイヤレス給電を最適化するための制御を行う。 さらに、送電装置1は、図16のフィードバック信号fsに対して、受電装置10に対してse信号(イネーブル信号:Sensor Enable)を送信してもよい。受電装置10は、このse信号に基づいて、各状態の切り替えを行ってもよい。
 「ビーム・フォーミング」
 上述のように、本実施例1~6では、図23に例示したように、送電装置1は、送電アンテナ2を構成する複数のアンテナ部2a~2eのうち任意のものを選択して制御することで、リコンフィギュラブルアンテナによるビーム・フォーミングを行うことができる。以下、図24、図25を参照して、送電アンテナ2のビーム・フォーミングについてより具体的に説明する。
 図24を参照すると、アンテナ200にRF信号を送信する機能を有する、RFソース(高周波源)202が示されている。これは、図22に例示した、信号発生器6aから増幅器6bを経て、送信アンテナ2に送られるRF信号や、図23に例示した、RFソース6に相当する。
 アンテナ200は、複数のアンテナ部210、220、230、240、250から構成されるが、これらは図23で例示したアンテナ部2a、2b、2c、2d、2eに相当する。
 各アンテナ部210~250は、それぞれ同心円状に入れ子状に配置されて、それぞれ円周状に延在している。従って、各アンテナ部210~250は、それぞれ周囲にエネルギを円周状に放射する。
 図24を参照すると、各アンテナ部210、220、230、240、250は、それぞれ1つの円周を2つの半円に等分するように、スイッチ部(位相差をつくるための部品)212、222、232、242、252及び214、224、234、244、254を有する。これらスイッチ部によって、電磁波の位相を制御する。
 図24の右側には、上記スイッチ部のうちの1つ254の構成例が拡大して示されている。この図に示されているように、各スイッチ部には、LC回路が設けられている。LC回路は、コイルLとコンデンサCで構成される電気回路であって、共振回路の一種である。LC回路は特定の周波数の信号を生成するように構成されている。さらに、このLC回路には、ショート(Short)が組み込まれている。スイッチングによって、これらコンポーネント(L、C、Short)が選択されるようになっている。
 図24を参照すると、LC回路には、その回路を流れる電力の配電を切り替えるスイッチSWが設けられている。スイッチSWは、LC回路のうち、コイルLとコンデンサCの間で、コイルLだけに流れる場合と、コンデンサCだけに流れる場合と、これら双方のいずれにも流れない場合(Short)との3つの場合のうちのいずれかを選択可能にする。
 各アンテナ部210~250は、それぞれスイッチ部212~252及び214~254を独立して機能させることができる。各スイッチは3通りの切り替えが可能なため、N個のスイッチが用いられる場合、理論上、3通りの組み合わせが可能になる。例えば、5個のスイッチが用いられる場合、理論上、243(3)通りの組み合わせが可能になる。従って、アンテナ200は、構成要素のアンテナ部210~250を個別に制御することにより、波の重ね合わせを近距離で集光させるような複雑な制御を可能にする。
 図25には、図24に示したアンテナ200のX-X線に沿った断面を例示したものであって、上記スイッチ部の操作に基づいた(A)と(B)の2つの異なる送電状態を例示した図である。
 例えば、図25の(A)の状態では、各アンテナ部210~250を2つに等分するスイッチ部212~252及び214~254は、互いに等しい状態に選択されている。即ち、スイッチ部212~252は、順に、C1、C2,C3、L1、L2の状態にある。Cはコンデンサ、Lはコイル、数値は流れる電力の度合いを表す。同様に、スイッチ部214~254は、順に、C1、C2,C3、L1、L2の状態にある。従って、図26の(A)の状態では、各アンテナ部210~250は、2つの半円の部分が、互いに等しく周囲にエネルギを送り、上下で均等に、正面の浅い角度に集光させている。
 これに対して、図25の(B)の状態では、各アンテナ部210~250を2つに等分するスイッチ部212~252及び214~254は、2つの半円の部分を互いに異なる状態にしている。即ち、スイッチ部212~252は、順に、L5、C2、Short、Short、C3の状態にある。一方、スイッチ部214~254は、順に、L5、L4、L3、L1、L2の状態にある。従って、図25の(B)の状態では、各アンテナ部210~250は、2つの半円の部分が互いに異なるように周囲にエネルギを送り、上下で不均等に、斜め方向の浅い角度に集光させている。
 例えば、図25の(A)の状態では、受電装置10の受電アンテナ12の受電状態が良好ではないことを示すフィードバック信号が送電装置1まで送られてきたと仮定する。このとき、送電装置1の制御器4が送電アンテナ2/200のビーム・フォーミングが必要であると判定すると、図24のスイッチ部212~252及び214~254を制御して、送電アンテナ200の送電方向を、例えば、図25の(B)の状態に切り替える。
 以上のように、送電装置1の送電アンテナ2/200のリコンフィギュアブル・メタサーフェスを構成する。ただし、この形状および構成は、図示したものに限定されない。例えば、図示した実施形態では、複数の円形のアンテナ部を同心円状に入れ子状に配置しているが、この形状は円形に限定されない。また、図示した実施形態では、複数の円形のアンテナ部を2つの半円部に2等分しているが、他、3等分、または4等分以上に分割して、より細かい制御を行えるようにしてもよい。また、図示した送電アンテナは平面状に構成されているが、他の実施形態では、各アンテナ部210~250は同一平面上に配置されていなくてもよい。
 以上のように、リコンフィギュラブル送信機を構成する。なお、図示した実施形態では、各スイッチは、L、C,Shortの3通りで選択されているが、他の実施形態では、LとCの2通りで選択されてもよい。この場合、N個のスイッチが用いられるとすると、全体で、2の組み合わせが可能となる。従って、送電アンテナは、複数のアンテナ部から構成され、この際、各アンテナ部にはそれぞれ2通りまたは3通りの位相差をつけることができるスイッチが設けられる。全体でN個のスイッチが用いられる場合、2または3の組み合わせのビーム・フオーミングを可能にする。さらに、これらスイッチは、L、C,Shortの3通りの選択を可能にするものと、LとCの2通りの選択を可能にするものとの組合せでもよい。
 このように、送電アンテナは、複数のアンテナ部から構成され、この際、各アンテナ部にはそれぞれ2通りまたは3通りの位相差をつけることができるスイッチが設けられ、全体でN個のスイッチが用いられる場合、2のN乗及び/または3のN乗の組み合わせのビーム・フォーミング を可能にする。
 中長距離ワイヤレス給電において、受信デバイスがモバイルである際には、送信機側は常に最大となる電磁エネルギを伝送する必要があった。すなわち、状況に応じて送信機のビーム・フォーミングが必要とされていたが、その方法として、一般にはアレーアンテナにより、各アンテナの位相制御を行うことでビームフォームを行っていた。しかし、この構成だと、ビームフォームの方向が一方向しかない、高コスト、ビーム角の限度等の問題があった。本実施例では、係る課題を解決するために、受信強度をフィードバックし、これに向けてアンテナ周りに配置した寄生素子とGNDをオンオフするスイッチを設けることで、スイッチ数に応じたビームパターンと広いビーム角により常に送信電力が最大化となるシステムを構成する。ビーム角は例えば2,3ある受信デバイスに向けてそれぞれ放射するパターンなども形成可能である。
 「電界強度」
 上述のように、本実施例1~6では、送電装置1の制御器4は、送電アンテナ2のビーム・フォーミングを行うが、そのため、受電装置10の各場合での電界強度を予め知っておくのが好ましい。
 例えば、送電装置1の制御器4は、FAなどにおいてロボットアーム部90及び/またはロボットハンド部80などを稼働する各場合で(図1参照)、受電装置10の受電状況を記憶する。
 このため、例えば、様々な状況下で、高い自由度で稼働するロボットアーム部90及び/またはロボットハンド部80の各位置で、受電装置10の電圧の値を実際に計測してもよい。
 または、コンピュータ・シミュレーションや、VR(ヴァーチャルリアリティ)システムなどを利用して、様々な状況下で、高い自由度で稼働するロボットアーム部90及び/またはロボットハンド部80の各位置で、受電装置10側の電圧を疑似的に求めてもよい。
 制御器4は、これら様々に変化する各電圧値とロボットアーム部90及び/またはロボットハンド部80の位置などをあらかじめ記憶するが、例えば、表やデータベースなどに記憶してもよい。
 送電装置1の制御器4は、上記表やデータベースなどに対して、受電装置10の制御器40からのフィードバック信号fsを用いることで、そのときの受電アンテナ12の位置、方位などを推定することができる。従って、送電装置1の制御器4は、推定された受電アンテナ12に対してより良好にエネルギが送られるように、送電アンテナ2の制御(ビーム・フォーミング)を行うことができる。
 受電装置10が使用されるFA(工場現場)での電界分布を実測によって前もって把握することには、様々な方法がある。
 図26は、受電装置10のLED22の光を追跡することで、電界分布を実測することを概略的に例示した図である。
 上述のように、本実施例1~6では、受電アンテナ12の受電状況を簡単に確認するために、LED22が設けられている。このLED22の点灯状況を連続して追跡することで、機械100が様々に稼働するときの電界分布を把握することができる。例えば、機械100の近くにカメラを設置して、LED22の点灯状況を連続して静止画像として撮影する。例えば、カメラのシャッター速度が短いと、LED22の点灯は点として撮影されるが、カメラのシャッター速度がより長くなると、LED22の点灯は線として撮影できる。後者の場合、光の軌跡を1枚の絵に記録することができる。
 例えば、図26では、多関節ロボット100は、垂直方向の矢印に例示するように、上下方向に移動できる。また、多関節ロボット100は、水平方向の矢印に例示するように、左右方向に移動できる。さらに、多関節ロボット100は、角度を付けた移動や、回転移動等を行うことがある。自由度の高い動作を行う多関節ロボット100の各場合で、LED22の点灯状況を連続的に観察し、記録する結果、受電装置10の電界分布を実測することができる。なお、動画を用いて、LED22の光の軌跡を追跡することは可能である。
 なお、LED22の光の点灯は、実際には微弱な光であるが、周囲光を消して暗闇にすることで、微弱な光を追跡することが可能になる。多関節ロボット100の各関節の動作状態に応じて、各場合で、LED22の光の点灯度合を観測し、集約することで、電界分布を得ることができる。送電装置1は、この電界分布を予め記憶しておくことで、上記フィードバック信号fsを組み合わせることで、ワイヤレス給電を最適化するためのビーム・フォーミングを行ってもよい。
 以上のように電力受信機にLED22を実装することで、その点灯の有無、点灯の強さに応じて、受電電力を視覚的に把握することができる。しかし、受電システム(例:ロボットハンド、ロボットアームなど)が作動すると受電箇所と受電電力が変化するため、LED22の状態が変化する。これらの状態を継続的に記録するために、カメラで長時間露光することで、LED22の強度、受電システムの動作の軌跡を記録し、どの状態のときに、どの程度の電力を受信しているか、把握することができる。
 以上のように、電界強度を把握し、その結果を記憶してデータをマッピングすることで、電界分布をマッピングすることができる。例えば送電装置1内の記憶装置内にデータを記憶する。これにより、実際に製品が使用されるFAの現場の電界分布を予め把握することができ、実際の使用時に、ワイヤレス電力伝送に適した環境になっているかどうか理解することができる。
 再度、図1を参照すると、センサ30への給電をワイヤレス化する場合、定期的に二次電池の交換が必要とされることがある。特にFAは一日当たりの稼働頻度が高いため、二次電池の交換頻度が高いと考えられる。そのため、ワイヤレス給電を用いて、FAならではの、センサ30と無線通信を用いたバッテリ管理システム21を定期的に管理する必要がある。
 上記各実施例1~6では、バッテリ20が用いられる場合、電池故障予測を可能にしてもよい。一般的にバッテリ(電池)は劣化するため寿命が限られている。従って、その劣化具合を把握し故障予測をすることができれば有用である。本発明では、充電効率の変化で劣化具合の把握することができる。充電の効率を定期的に監視し、運用開始時と比較し、著しく劣化している場合や予測された故障時期が近い場合には、電池の交換を行う。このことは、送電装置1の制御器4及び/または受電装置10の制御器40等によって実現してもよい。さらに、実施例1~6に例示した本発明は、受電装置10全体を比較的コンパクトにまとめ、好適には工作機械100の先端側にまとめて収容される。このため、工作機械100内部での配線を不要または最小にし、かつ、外部からのアクセスを容易にする。この結果、センサ30への給電を確保するとともに、メンテナンス性を高めている。
 「磁気共鳴方式」
 上述のように、本実施例1~6では、比較的長距離で、比較的小電力(例:1m、1mW)を供給できるマイクロ波方式に基づいて放射型のワイヤレス給電を行う。
 他、ワイヤレス給電には、他、比較的短距離で、比較的大電力(例:1cm、5W)を供給できる磁気共鳴方式などの非放射型が公知である。
 マイクロ波方式の場合、比較的小容量の電力で稼働するセンサとの間でインピーダンス不整合に起因する効率減少が生じる場合、大きな問題になり得る。これに対して、磁気共鳴方式の場合、比較的小容量の電力で稼働するセンサとの間でインピーダンス不整合に起因する効率減少が生じる場合、現実的に、その効率減少は無視できる範囲と考えることができる。
 ただし、磁気共鳴方式に基づくワイヤレス給電の場合であっても、マイクロ波方式と同様に、RF(電磁波)をDC(直流電圧)に変換する。RF領域とDC領域が結合すると、インピーダンス不整合が生じ得るため、RFの電力を効率よく受電するためにはインピーダンス整合の技術が必要とされる。この問題自体は、磁気共鳴方式でもマイクロ波方式でも同一のため、この問題を解決するため、本実施例1~6を磁気共鳴方式に適用することは可能である。ただし、その適用の効果は、磁気共鳴方式の場合よりも、マイクロ波方式の場合の方が、現実的にはより大きい。従って、本実施例1~6は、マイクロ波方式に基づいてワイヤレス給電を行う場合におおいに役立つ。
 1   送電装置
 2   送電アンテナ
 4   制御器(ホスト・コンピュータ)
 10  受電装置
 12  受電アンテナ
 14  整流器
 16  蓄電装置(キャパシタ)
 20  蓄電装置(バッテリ)
 30  デバイス(センサ)
 40  制御器
 50  無線通信IC
 80  ロボットハンド部
 90  ロボットアーム部
 100 機械(多関節ロボット)
 200 送電アンテナ

 

Claims (21)

  1.  ワイヤレス給電方式に基づいて、送電装置から送電された電力を受電して、その電力でデバイスに給電する受電装置であって、
     電磁波を受電する受電アンテナと、
     前記受電アンテナと機能的に接続されて、前記電磁波を直流電圧に変換する整流器と、
     前記整流器と機能的に接続されて、前記直流電圧を蓄電する第1の蓄電装置と、
     前記第1の蓄電装置と機能的に接続されて、前記直流電圧を蓄電する第2の蓄電装置と、
     前記第2の蓄電装置と機能的に結合されたデバイスと、
     前記整流器と前記第1の蓄電装置との間で電力の配電を切り替える第1のスイッチと、
     前記第1の蓄電装置と前記第2の蓄電装置との間で電力の配電を切り替える第2のスイッチと、
     前記第1の蓄電装置と前記デバイスとの間で電力の配電を切り替える第3のスイッチと、
     前記第2の蓄電装置と前記デバイスとの間で電力の配電を切り替える第4のスイッチと、
     制御器と、
    を含む、受電装置。
  2.  前記第1のスイッチと前記第2のスイッチだけをオンにして、前記第2の蓄電装置を充電し、
     その後、前記第4のスイッチだけをオンにして、前記第2の蓄電装置の電力で前記デバイスに給電する制御を行うように前記制御器を構成した、請求項1に記載の受電装置。
  3.  前記第1のスイッチと前記第2のスイッチだけをオンにして、前記第2の蓄電装置を充電し、
     その後、前記第1のスイッチと前記第4のスイッチだけをオンにして、前記第1の蓄電装置を充電するとともに、前記第2の蓄電装置の電力で前記デバイスに給電する制御を行うように前記制御器を構成した、請求項1に記載の受電装置。
  4.  ワイヤレス給電方式に基づいて、送電装置から送電された電力を受電して、その電力でデバイスに給電する受電装置であって、
     電磁波を受電する受電アンテナと、
     前記受電アンテナと機能的に接続されて、前記電磁波を直流電圧に変換する整流器と、
     前記整流器と機能的に接続されて、前記直流電圧を蓄電する第1の蓄電装置と、
     前記整流器と機能的に接続されて、前記直流電圧を蓄電する第2の蓄電装置と、
     前記第1の蓄電装置及び前記第2の蓄電装置と機能的に接続されたデバイスと、
     前記整流器と前記第2の蓄電装置との間で電力の配電を切り替える第1のスイッチと、
     前記整流器と前記第1の蓄電装置との間で電力の配電を切り替える第2のスイッチと、
     前記第1の蓄電装置と前記デバイスとの間で電力の配電を切り替える第3のスイッチと、
     前記第2の蓄電装置と前記デバイスとの間で電力の配電を切り替える第4のスイッチと、
     制御器と、
    を含む、受電装置。
  5.  前記第1のスイッチと前記第3のスイッチを同時にオンにし、かつ前記第2のスイッチと前記第4のスイッチを同時にオフにして、
     前記第1の蓄電装置の電力で前記デバイスに給電するとともに、前記第2の蓄電装置を充電する制御を行うように前記制御器を構成した、請求項5に記載の受電装置。
  6.  前記第1のスイッチと前記第3のスイッチを同時にオフにし、かつ前記第2のスイッチと前記第4のスイッチを同時にオンにして、
     前記第1の蓄電装置を充電するとともに、前記第2の蓄電装置の電力で前記デバイスに給電する制御を行うように前記制御器を構成した、請求項5に記載の受電装置。
  7.  ワイヤレス給電方式に基づいて、送電装置から送電された電力を受電して、その電力でデバイスに給電する受電装置であって、
     電磁波を受電する受電アンテナと、
     前記受電アンテナと機能的に結合されて、前記電磁波を直流電圧に変換する整流器と、
     前記整流器と機能的に結合されて、前記直流電圧を内部に蓄電する一対の第1の蓄電装置と、
     前記一対の第1の蓄電装置の少なくとも一方と機能的に結合されて、前記直流電圧を内部に蓄電する第2の蓄電装置と、
     前記一対の第1の蓄電装置の少なくとも一方及び前記第2の蓄電装置と機能的に結合されたデバイスと、
     前記一対の第1の蓄電装置の間で電力の受取りを切り替える第1のスイッチと、
     前記一対の第1の蓄電装置の少なくとも一方と前記第2の蓄電装置との間で電力の受取りを切り替える第2のスイッチと、
     前記一対の第1の蓄電装置の少なくとも一方と前記デバイスとの間で電力の受取りを切り替える第3のスイッチと、
     前記第2の蓄電装置と前記デバイスとの間で電力の受取りを切り替える第4のスイッチと、
     制御器と、
    を含む、受電装置。
  8.  ワイヤレス給電方式に基づいて、送電装置から送電された電力を受電して、その電力でデバイスに給電する受電装置であって、
     電磁波を受電する受電アンテナと、
     前記受電アンテナと機能的に接続されて、前記電磁波を直流電圧に変換する整流器と、
     前記整流器と機能的に接続されて、前記直流電圧を蓄電する第1の蓄電装置と、
     前記第1の蓄電装置と機能的に接続されて、前記直流電圧を蓄電する第2の蓄電装置と、
     前記第2の蓄電装置と機能的に結合されたデバイスと、
     前記第1の蓄電装置と前記第2の蓄電装置との間で電力の配電を切り替えるスイッチと、
     前記第2の蓄電装置と前記デバイスとの間で電力の配電を切り替えるスイッチまたは低損失レギュレータ(LOD)と、
     制御器と、
    を含む、受電装置。
  9.  さらに、前記整流器の出力を発光ダイオード(LED)と機能的に結合させたスイッチを含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の受電装置。
  10.  前記第1の蓄電装置は、キャパシタであり、前記第2の蓄電装置は、充電器を有するバッテリである、請求項1から9のいずれか1項に記載の受電装置。
  11.  前記第1の蓄電装置と前記第2の蓄電装置は、いずれもキャパシタである、請求項1から9のいずれか1項に記載の受電装置。
  12.  前記キャパシタは、電気二重層キャパシタ、擬似キャパシタ、ハイブリッド・キャパシタ及びリチウムイオン・キャパシタ、セラミックコンデンサ、電界コンデンサのうちのいずれかである、請求項10または11に記載の受電装置。
  13.  前記デバイスは、消費電力が100mWh以下の低消費電力型センサである、請求項1から12のいずれか1項に記載の受電装置。
  14.  前記受電装置は、前記デバイスに要する電力に加えて、無線通信機能に要する電力を給電するように構成された、請求項1から13のいずれか1項に記載の受電装置。
  15.  前記デバイスは、多関節ロボットに内蔵されている、請求項1から14のいずれか1項に記載の受電装置。
  16.  マイクロ波方式に基づいてワイヤレス給電を行う、請求項1から15のいずれか1項に記載の受電装置。
  17.  前記受電アンテナは、複数のアンテナを含み、この際、前記複数の前記アンテナ部を略四角形状の四辺及び/または略四角形状の対角線に沿って配置した、請求項1から16のいずれか1項に記載の受電装置。
  18.  スイッチのオンとオフを高速で切り替える状態平均化法によって、前記整流器から見たインピーダンスマッチングの最適化を行うように前記制御器を構成した、請求項1から17のいずれか1項に記載の受電装置。
  19.  ワイヤレス給電方式に基づいて、受電装置に対して電力を送電する送電装置であって、少なくとも送電アンテナと送電回路と制御器とを有し、
     前記受電装置は、請求項1から18のいずれか1項に記載のように構成され、かつ前記受電装置内の制御器は、前記受電装置内の電圧値をフィードバック信号として前記送電装置に送信するように構成され、
     前記送電装置の制御器は、前記受電装置の制御器から送信された前記フィードバック信号を受信して、前記フィードバック信号に基づいて前記送電アンテナの制御を行うように構成された、
    送電装置。
  20.  前記送電アンテナは、複数のアンテナ部から構成され、この際、各アンテナ部にはそれぞれ2通りまたは3通りの位相差をつけることができるスイッチが設けられ、全体でN個のスイッチが用いられる場合、2のN乗及び/または3のN乗の組み合わせのビーム・フォーミングを可能にした、請求項19に記載の送電装置。
  21.  前記送電アンテナは、ビームを2つまたは3つ以上にスプリットさせて発射するように構成された、請求項19に記載の送電装置。

     
     
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