WO2022071496A1 - 炎症性疾患治療薬の薬効増強剤、及び造影剤の炎症部位への集積を促進させる集積促進剤 - Google Patents

炎症性疾患治療薬の薬効増強剤、及び造影剤の炎症部位への集積を促進させる集積促進剤 Download PDF

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Abstract

本発明の目的は、炎症性疾患治療薬の薬効を増強できる薬剤を提供することを提供することである。 炎症性疾患の患者に対して、炎症性疾患治療薬の投与に加えて、炎症性疾患治療薬を含まない炭酸アパタイトを投与することにより、炎症性疾患の治療効果を飛躍的に増強できる。

Description

炎症性疾患治療薬の薬効増強剤、及び造影剤の炎症部位への集積を促進させる集積促進剤
 本発明は、炎症性疾患治療薬の薬効を増強させる増強剤に関する。また、本発明は、当該増強剤を使用した炎症性疾患治療用セットに関する。更に、本発明は、造影剤の炎症部位への集積を促進させて炎症部位のイメージングを可能にする集積促進剤に関する。また、本発明は、当該集積促進剤を使用した炎症部位のイメージング用セットに関する。
 関節リウマチ等に代表される炎症性疾患は、近年の医学の進歩により様々な治療薬が開発されている。例えば、関節リウマチの治療薬としては、エタネルセプト、インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブペゴル等のTNF阻害薬;トシリズマブ、サリルマブ等の抗IL-6受容体抗体;アバタセプト等のT細胞選択的共刺激調節薬等が実用化されている。しかしながら、従来の炎症性疾患の治療薬では、一定の有効性が確認されている一方で、依然として十分満足できる薬効が認められないケースもある。そのため、炎症性疾患の治療薬の薬効を増強させる薬剤の開発が求められている。
 また、炎症性疾患の診断や治療計画の策定の際には、炎症部位のイメージング診断を行い、炎症部位の場所と大きさを正確に特定することが重要になる。そこで、炎症部位を効率的にイメージングできる技術の開発も求められている。
 一方、炭酸アパタイトには、抗癌剤の抗腫瘍効果を増強させる作用、造影剤の腫瘍への集積を促進させる作用等があることが報告されている(特許文献1及び2)。また、miR-29a及び/又はmiR-29bを炭酸アパタイト粒子に担持させた複合粒子が炎症性腸疾患の治療に有効であることも報告されている(特許文献3)。しかしながら、炎症性疾患の治療において、炭酸アパタイトを炎症性疾患治療薬と複合化させることなく投与したり、炎症部位のイメージングにおいて炭酸アパタイトを使用したりすることについては、従来報告されていない。
国際公開第2015/125934号 特開2015-151377号公報 国際公開第2018/199121号
 本発明は、炎症性疾患治療薬の薬効を増強できる薬剤を提供することを目的とする。また、本発明は、当該薬剤を使用して、炎症性疾患を治療するための治療用セットを提供することを目的とする。
 更に、本発明の他の目的は、簡便な手法で造影剤を炎症部位に集積させて、炎症部位のイメージングを可能にする集積促進剤を提供することである。また、本発明の他の目的は、当該集積促進剤を使用した炎症部位のイメージング用セットを提供することである。
 本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、炎症性疾患の患者に対して、炎症性疾患治療薬の投与に加えて、炎症性疾患治療薬を含まない炭酸アパタイトを投与することにより、炎症性疾患の治療効果を飛躍的に増強できることを見出した。また、本発明者は、造影剤の投与に加えて、造影剤を含まない炭酸アパタイトを投与することによって造影剤の炎症部位への集積を促進させることができ、高精度な炎症部位のイメージングが可能になることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
 即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 炎症性疾患治療薬を含まない炭酸アパタイトを有効成分とする、炎症性疾患治療薬の薬効増強剤。
項2. 関節リウマチの治療薬の薬効増強に使用される、項1に記載の薬効増強剤。
項3. 関節リウマチの治療薬がTNF阻害薬である、項2に記載の薬効増強剤。
項4. 炎症性疾患治療薬を含む第1製剤と、項1~3のいずれかに記載の薬効増強剤を含む第2製剤とを含み、
 前記第1製剤と第2製剤が別々に投与される、炎症性疾患の治療用セット。
項5. 造影剤を含まない炭酸アパタイトを有効成分とする、造影剤の炎症部位への集積促進剤。
項6. 造影剤が蛍光造影剤である、項5に記載の集積促進剤。
項7. 蛍光造影剤がインドシアニングリーンである、項6に記載の集積促進剤。
項8. 造影剤を含む第1製剤と、項5~7のいずれかに記載の集積促進剤を含む第2製剤とを含み、
 前記第1製剤と第2製剤が別々に投与される、炎症部位のイメージング用セット。
項9. 炎症性疾患の患者に、炎症性疾患治療薬を含む第1製剤と、項1~3のいずれかに記載の薬効増強剤を含む第2製剤とを、別々に投与する工程を含む、炎症性疾患の治療方法。
項10. 炎症性疾患治療薬を含まない炭酸アパタイトの、炎症性疾患治療薬の薬効増強剤の製造のための使用。
項11. 炎症性疾患治療薬の薬効増強のための処理に使用される、炎症性疾患治療薬を含まない炭酸アパタイト。
項12. 炎症部位の造影が求められている被験者に、造影剤を含む第I製剤と、項5~7のいずれかに記載の集積促進剤を含む第II製剤を、別々に投与する工程を含む、炎症部位のイメージング方法。
項13. 造影剤を含まない炭酸アパタイトの、造影剤の炎症部位への集積促進剤の製造のための使用。
項14. 造影剤の炎症部位への集積促進のための処理に使用される、造影剤を含まない炭酸アパタイト。
 本発明の一態様によれば、炎症性疾患治療薬の薬効を格段に増強することができる。従って、本発明によって、炎症性疾患に対する治療効果を高め、炎症性疾患の患者に福音をもたらすことが期待される。
 また、本発明の他の一態様によれば、炭酸アパタイトを投与するという簡易な手法により、造影剤の炎症部位への蓄積を促進し、炎症部位を可視化してイメージングすることができる。従って、本発明によれば、簡易な手法で、炎症性疾患の診断、炎症性疾患の治療計画の立案、実験動物における炎症部位の検出等を高精度に行うことが可能となり、炎症性疾患の診断や治療分野における技術進歩に大きく貢献できる。
試験例1において、自然発症関節リウマチモデル、及びリウマチ未発症・軽発症モデルの足関節の腫脹を観察し、スコアリングした結果である。 試験例1において、自然発症関節リウマチモデル及びリウマチ未発症モデルに対して、インドシアニングリーン(ICG)を腹腔投与(ICG(i.p.))、又は炭酸アパタイト(sCA)を静脈投与且つICGを腹腔投与(sCA(i.v.)+ICG(i.p.))し、5時間後及び8時間後に足関節を観察した結果である。上の像は、足関節を観察した像であり、下の像は、足関節を蛍光イメージングした像である。 試験例1において、自然発症関節リウマチモデルにICGを腹腔投与(ICG(i.p.))又はsCAを静脈投与且つICGを腹腔投与(sCA(i.v.)+ICG(i.p.))し、5時間後及び8時間後に足関節の蛍光シグナルを定量した結果である。 aは、試験例2において、自然発症関節リウマチモデルにsCAを静脈投与し、1時間後及び2時間後に両足関節周辺組織のRNA分析を行った結果である。また、bは、aにおいて変動が認められた845個の遺伝子セットについて、IPAのUpsteam解析を行った結果である。 試験例3において、自然発症関節リウマチモデルに対して、ICGを腹腔投与(ICG i.p.)、又は凍結乾燥sCAを静脈投与且つICGを腹腔投与(sCA i.v.+ICG i.p.)し、30分後、60分後、90分後、及び150分後に炎症部位を蛍光イメージングした結果である。 試験例3において、自然発症関節リウマチモデルに対して、ICGを腹腔投与(ICG i.p.)、又は凍結乾燥sCAを静脈投与且つICGを腹腔投与(sCA i.v.+ICG i.p.)し、30分後、60分後、90分後、及び150分後に炎症部位の蛍光シグナルを定量した結果である。 試験例4において、自然発症関節リウマチモデルに対して、ICGを腹腔投与した場合(ICG i.p.)、又はsCAを静脈投与してその100分後にICGを腹腔投与した場合(sCA i.v.(-100min)+ICG i.p.)について、足関節の蛍光シグナルを経時的に定量した結果である。 試験例5において、自然発症関節リウマチモデルに対して、ICGを腹腔投与(ICG i.p.)、又は凍結乾燥sCAを静脈投与且つICGを腹腔投与(sCA i.v.+ICG i.p.)し、足関節の蛍光シグナルを経時的に定量した結果である。 aは、試験例6において、自然発症関節リウマチモデルに対して、ICGを腹腔投与した場合(ICG i.p.)、又は凍結乾燥sCAを静脈投与してその100分後にICGを腹腔投与した場合(1/2sCA i.v.(-100min)+ICG i.p.)について、足関節の蛍光シグナルを経時的に定量した結果である。bは、試験例6において、ICG i.p.群及び1/2sCA i.v.(-100min)+ICG i.p.群において、1回目のICG投与から103.5時間後にICGのみを再投与し、足関節の蛍光シグナルを経時的に定量した結果である。 aは、試験例7において、関節炎を発症させたマウスの後足を観察した像である。bは、試験例7において、関節炎を発症させたマウスを、未治療群(Con)、エタネルセプト投与群(Etanercept i.p.)、sCA投与群(sCA i.v.)、及びsCAとエタネルセプトの併用群(sCA i.v. + Etanercept i.p.)に分けて、関節炎発症の足の幅を経時的に測定した結果を示す図である。b中の矢印は、薬物を投与した日を指している。 試験例8において、関節リウマチ未発症マウスの未治療群(RA(-))、関節リウマチ発症マウスの未治療群(RA(+))、関節リウマチ発症マウスのエタネルセプト投与群(RA(+) Etanercept i.p.)、関節リウマチ発症マウスのsCAとエタネルセプトの併用群(RA(+) sCA i.v. + Etanercept i.p.)、及び、関節リウマチ発症マウスのsCA投与群(RA(+) sCA i.v.)について、薬物の最初の投与日(day0)から98日後にリウマチ関節炎の症状の程度を観察した結果を示す図である。
1.炎症性疾患治療薬の薬効増強剤
 本発明の薬効増強剤は、炎症性疾患の薬効を増強させる目的で使用されるものであって、炎症性疾患治療薬を含まない炭酸アパタイトを有効成分とすることを特徴とする。以下、本発明の薬効増強剤について詳述する。
炭酸アパタイト
 炭酸アパタイトは、水酸アパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2)の水酸基の一部をCO3で置換した構造を有し、一般式Ca10-mXm(PO4)6(CO3)1-nYnで表される化合物である。ここで、Xは、炭酸アパタイトにおけるCaを部分的に置換し得る元素であり、例えば、Sr、Mn、希土類元素等が挙げられる。mは、通常0以上1以下の正数であり、好ましくは0以上0.1以下であり、より好ましくは0以上0.01以下であり、更に好ましくは0以上0.001以下である。Yは、炭酸アパタイトにおけるCO3を部分的に置換しうる基又は元素であり、OH、F、Cl等が挙げられる。nは、通常0以上0.1以下の正数であり、好ましくは0以上0.01以下であり、より好ましくは0以上0.001以下であり、更に好ましくは0以上0.0001以下である。
 本発明で使用される炭酸アパタイトの平均粒子径については、生体内に投与されて、細胞内へ移行できる程度の大きさである限り、特に制限されないが、通常50nm超(例えば50nm超3000nm以下)、好ましくは100~3000nm、更に好ましくは100~2000nm、より好ましくは200~2000nm又は400~3000nm、特に好ましくは400~2000nmが挙げられる。
 なお、前記の炭酸アパタイトの平均粒子径は、動的光散乱法粒子計測(DLS)により測定される値である。DLSを用いた測定に適さない巨大な粒子(例えば、粒径5μm以上)が存在する場合は、それらは測定対象範囲から除去される。また、本明細書において、粒径とは、走査型プローブ顕微鏡で測定した際に、別個の粒子として認識可能な独立した粒子の粒径を意味する。よって、複数の粒子が凝集している場合は、それらの集合体を一つの粒子と判断する。
 本発明の薬効増強剤は炎症性疾患治療薬とは別々に投与されるため、本発明の薬効増強剤では、炎症性疾患治療薬を含まない炭酸アパタイトが使用される。ここで、「炎症性疾患治療薬を含まない炭酸アパタイト」とは」、粒子内部に炎症性疾患治療薬が含まれておらず、且つ粒子表面に炎症性疾患治療薬が付着又は結合していない炭酸アパタイトを指す。
 炭酸アパタイトは、公知の手法に従って得ることができる。例えば、水溶液中で、カルシウムイオン、リン酸イオン及び炭酸水素イオンを共存させることによって調製することにより得ることができる。水溶液中の各イオン濃度は、炭酸アパタイトが形成される限り特に制限されず、下記を参考に適宜設定することができる。
 水溶液中のカルシウムイオン濃度は、通常0.1~1000mM、好ましくは0.5~100mM、更に好ましくは1~10mMが挙げられる。
 水溶液中のリン酸イオン濃度は、通常0.1~1000mM、好ましくは0.5~100mM、更に好ましくは1~10mMが挙げられる。
 水溶液中の炭酸水素イオン濃度は、通常1.0~10000mM、好ましくは5~1000mM、更に好ましくは10~100mMが挙げられる。
 カルシウムイオン、リン酸イオン及び炭酸水素イオンの供給源としては、水溶液中にこれらのイオンを供給可能である限り特に制限されないが、例えば、これらのイオンの水溶性塩が挙げられる。具体的には、カルシウムイオン源としてCaCl2を用いることができ、リン酸イオン源としてNaH2PO4・2H2Oを用いることができ、炭酸イオン源としてNaHCO3を用いることができる。
 炭酸アパタイトを調製するための水溶液は、炭酸アパタイトが形成される限り、上述する各イオン供給源及び他の物質以外の成分を含んでも良い。例えば、水溶液中に上記組成物中に、フッ素イオン、塩素イオン、Sr、Mn、ポリエチレングリコール(PEG)等を添加することにより、炭酸アパタイトにおけるCaまたはCO3等を部分的に置換、或は修飾したりしてもよい。但し、フッ素イオン、塩素イオン、Sr、Mn、PEG等の添加量は、形成される複合体粒子のpH溶解性、粒径範囲に著しい影響を与えない範囲内とすることが好ましい。また、炭酸アパタイトを調製するための水溶液は、基剤として水を使用すればよいが、細胞培養用の各種培地やバッファー等を使用してもよい。
 本発明で使用される炭酸アパタイトの調製において、水溶液中への各イオン供給源及び他の物質の混合順序は特に限定されず、目的とする炭酸アパタイトが得られる限り、いかなる混合順序で水溶液を調製してもよい。例えば、カルシウムイオン及び他の物質を含有する第1の溶液を調製すると共に、別途、リン酸イオン及び炭酸水素イオンを含有する第2の溶液を調製し、第1の溶液と第2の溶液とを混合して水溶液を調製することができる。
 炭酸アパタイトは、上記の各イオンを含有する水溶液のpHを6.0~9.0の範囲に調整し、一定時間放置(インキュベート)することによって得ることができる。炭酸アパタイトを形成する際の当該水溶液のpHとしては、例えば7.0~8.5、好ましくは7.1~8.5、更に好ましくは7.2~8.5、より更に好ましくは7.3~8.5、特に好ましくは7.4~8.5、最も好ましくは7.5~8.0が挙げられる。
 炭酸アパタイトを形成する際の当該水溶液の温度条件は、炭酸アパタイトが形成される限り特に制限されないが、通常4℃以上であり、好ましくは25~80℃、更に好ましくは37~70℃以上が挙げられる。
 炭酸アパタイトを形成するための当該水溶液のインキュベート時間は、炭酸アパタイトが形成される限り特に制限されないが、通常1分~24時間、好ましくは5分~1時間が挙げられる。粒子形成の有無は、例えば、顕微鏡下で観察することによって確認することができる。
 また、炭酸アパタイトの平均粒径を前記範囲に制御する方法としては、特に制限されないが、例えば、前記の水溶液中で形成した炭酸アパタイトを超音波振動処理する方法が挙げられる。超音波振動処理としては、具体的には、超音波破砕機等の超音波振動子を直接試料に接触させて超音波をかける処理;超音波振動子及び水槽(洗浄槽)を備えた超音波洗浄器を用いて、当該水槽に液体(例えば、水)を入れ、そこに炭酸アパタイトを収容した容器(例えば、プラスチック製のチューブ)を浮かべ、液体を介して炭酸アパタイトを含む水溶液に超音波をかける処理等が挙げられる。このような超音波振動処理によって、簡便且つ効率的に炭酸アパタイトの粒径を前記範囲に微細化することができる。更に、超音波処理した後に、所定の孔径のフィルターにて所望の粒子径の炭酸アパタイトを分離することによっても、炭酸アパタイトの粒径を前記範囲に調整することができる。
 上記の超音波振動処理の条件は、粒子径を所定範囲に制御可能である限り特に制限されない。例えば、超音波振動子及び水槽(洗浄槽)を備えた超音波洗浄器を用いて行う場合であれば、以下の条件が例示される。
水槽の温度:例えば5~45℃、好ましくは10~35℃、更に好ましくは20~30℃。
高周波出力:例えば10~500W、好ましくは20~400W、更に好ましくは30~300W、より好ましくは40~100W。
発振周波数:例えば10~60Hz、好ましくは20~50Hz、更に好ましくは30~40Hz。
処理時間:例えば、30秒~30分、好ましくは1~20分、更に好ましくは3~10分。
 超音波振動処理を行う際に用いる、炭酸アパタイトを包含する容器の種類は、粒子を所定の粒子径範囲に微細化することが可能である限り制限されず、水溶液の容量や使用目的に応じて適宜選択することができる。例えば、1~1000ml容量のプラスチック製チューブを用いることができる。
 また、超音波振動処理は、分散剤の存在下(即ち、分散剤を、炭酸アパタイトを含む水溶液に添加した状態)で行うことが好ましい。これは、分散剤と炭酸アパタイトとが共存する環境で超音波振動処理を行うことにより、より微細な粒径を有する炭酸アパタイトナノが得られ、粒子の再凝集を抑制することも可能となるためである。分散剤の種類については、炭酸アパタイトを分散可能であることを限度として特に制限されず、一般に医薬品に添加される分散剤であればよいが、一例としてアルブミンが挙げられる。分散剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。炭酸アパタイトを含む水溶液中での分散剤の濃度としては、微細化及び/又は再凝集抑制の効果が得られる限り特に制限されないが、例えば、0.1~500mg/ml、好ましくは1~100mg/ml、更に好ましくは1~10mg/ml程度;或は0.001~10重量%程度が挙げられる。このように、炭酸アパタイト粒子を微細化するために添加された分散剤は、炭酸アパタイト粒子と共に、本発明の薬効増強剤に含有させた状態で生体内に投与できる。
 本発明の薬効増強剤は、生理食塩水等の溶媒に炭酸アパタイトを分散させた分散液の状態で使用される。本発明の薬効増強剤は、炭酸アパタイトの分散液として提供されてもよく、また、凍結乾燥等の乾燥状態で炭酸アパタイトが提供され、使用時に生理食塩水等の溶媒に分散させて使用してもよい。
用法・用量
 本発明の薬効増強剤は、炎症性疾患治療薬の薬効を増強させる目的で使用される。本発明において「炎症性疾患治療薬の薬効」とは、炎症性疾患治療薬によって奏される炎症性疾患の予防、緩和、改善又は治療効果を指す。
 本発明の薬効増強剤の適用対象となる炎症性疾患(即ち、増強対象となる炎症性疾患治療薬の対象疾患)としては、例えば、慢性炎症疾患、自己免疫疾患、アレルギー性疾患等が挙げられる。これらの炎症性疾患の中でも、好ましくは、炎症性の自己免疫疾患が挙げられる。
 炎症性疾患として、具体的には、関節リウマチ、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、多発性硬化症、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、ギラン・バレー症候群、バセドウ病、原田病、天疱瘡、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性強皮症、皮膚筋炎、乾癬、尋常性白斑、水疱性類天疱瘡、突発性拡張型心筋症、1型糖尿病、橋本病、重症筋無力症、IgA腎症、膜性腎症、悪性貧血、抗リン脂質抗体症候群、多発性筋炎、皮膚筋炎、強皮症、IgG4関連疾患、血管炎症候群、混合性結合組織病、炎症性腸疾患、アトピー性皮膚炎等が挙げられる。
 これらの炎症性疾患の中でも、本発明の薬効増強剤の適用対象として、好ましくは関節リウマチが挙げられる。
 本発明の薬効増強剤において、薬効の増強対象となる炎症性疾患治療薬の種類については、特に制限されず、炎症性疾患の種類に応じて適宜選定される。例えば、関節リウマチの治療薬としては、エタネルセプト、インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブペゴル等のTNF阻害薬;トシリズマブ、サリルマブ等の抗IL-6受容体抗体;アバタセプト等のT細胞選択的共刺激調節薬等が挙げられる。これらの関節リウマチの治療薬の中でも、本発明の薬効増強剤は、TNF阻害薬(とりわけエタネルセプト)の薬効増強目的で特に好適に使用される。
 本発明の薬効増強剤は、全身投与によって投与される。全身投与としては、具体的には、血管内(動脈内又は静脈内)投与、皮下投与、腹膜内投与等が挙げられ、好ましくは血管内投与、更に好ましくは動静脈内投与である。なお、血管内投与には、血管内注射のみならず、持続点滴も含まれる。なお、本発明の薬効増強剤の投与方法は、薬効の増強対象となる炎症性疾患治療薬の投与方法と同一であってもよく、また異なってもよい。
 また、本発明の薬効増強剤によって薬効を増強させる炎症性疾患治療薬の投与方法についても特に制限されず、炎症性疾患治療薬の種類等に応じて適宜設定され、本発明の薬効増強剤の投与方法と同一であってもよく、また異なっていてもよい。炎症性疾患治療薬の投与方法としては、具体的には、腹腔内投与、血管内(動脈内又は静脈内)投与、皮下投与、経口投与等が挙げられる。なお、血管内投与には、血管内注射のみならず、持続点滴も含まれる。
 本発明の薬効増強剤の投与量については、薬効の増強対象となる炎症性疾患治療薬の種類、患者の性別、年齢、症状などに応じて適宜決定されるため、一概に決定することはできないが、例えば、炭酸アパタイト量換算で1回あたり10mg~1g/kg(体重)程度であればよい。
 また、本発明の薬効増強剤によって薬効を増強させる炎症性疾患治療薬の投与量については、治療有効量であればよく、治療対象となる炎症性疾患の種類、使用する炎症性疾患治療薬の種類、患者の性別、年齢、症状等に応じて適宜決定すればよいが、例えば、成人1人あたり一回量1~1500mg程度または10~1200mg程度であればよい。
 本発明の薬効増強剤は、炎症性疾患治療薬とは別々に投与される。本発明において「炎症性疾患治療薬とは別々に投与される」とは、本発明の薬効増強剤と炎症性疾患治療薬とを同一製剤(混合物にして投与されないことを意味する。本発明の薬効増強剤と炎症性疾患治療薬の投与タイミングが同時であってもよいが、その場合、本発明の薬効増強剤は炎症性疾患治療薬とは別々に投与されることになる。
 また、本発明の薬効増強剤の投与タイミングについては、特に制限されないが、例えば、薬効の増強対象となる炎症性疾患治療薬の投与と同時又はその前後100時間程度以内であればよく、炎症性疾患治療薬の投与と同時又はその前後24時間以内が好ましく、炎症性疾患治療薬の投与と同時又はその前後6時間以内がより好ましく、炎症性疾患治療薬の投与と同時又はその前後2時間以内が更に好ましい。
2.炎症性疾患の治療用セット
 本発明の炎症性疾患の治療用セットは、炎症性疾患の治療のために使用される治療薬のセットであり、炎症性疾患治療薬を含む第1製剤と、前記薬効増強剤を含む第2製剤とを含み、前記第1製剤と第2製剤が別々に投与されることを特徴とする。
 本発明の炎症性疾患の治療用セットは、前記薬効増強剤と炎症性疾患治療薬がセットになって提供されるものである。本発明の炎症性疾患の治療用セットにおいて、治療対象となる炎症性疾患の種類、第1製剤(炎症性疾患治療薬)及び第2製剤(前記薬効増強剤)の種類、投与方法や投与量等は、前記「1.炎症性疾患治療薬の薬効増強剤」の欄に示す通りである。また、前述の通り、前記薬効増強剤は、炎症性疾患治療薬とは別々に投与されるので、前記第2製剤には、炎症性疾患治療薬は含まれない。
3.造影剤の炎症部位への集積促進剤
 本発明の集積促進剤は、造影剤の炎症部位への集積を促進させる目的で使用されるものであって、造影剤を含まない炭酸アパタイトを有効成分とすることを特徴とする。以下、本発明の集積促進剤について詳述する。
炭酸アパタイト
 本発明で使用される炭酸アパタイトの平均粒子径や製造方法については、前記「1.炎症性疾患治療薬の薬効増強剤」の欄に記載の通りである。
 本発明の集積促進剤は造影剤とは別々に投与されるため、本発明の集積促進剤では、造影剤を含まない炭酸アパタイトが使用される。ここで、「造影剤を含まない炭酸アパタイト」とは」、粒子内部に造影剤が含まれておらず、且つ粒子表面に造影剤が付着又は結合していない炭酸アパタイトを指す。
用法・用量
 本発明の集積促進剤は、炎症性疾患において生じている炎症部位に造影剤の集積を促進させる目的で使用される。本発明において、炎症部位への蓄積を促進させる造影剤の種類については、細胞毒性がなく、且つ生体内の組織を造影可能であることを限度として特に制限されず、造影剤自体の炎症部位への蓄積能の有無は問わない。造影剤自体に炎症部位への蓄積能がなくても、本発明の集積促進剤によって、炎症部位に造影剤を集積させて炎症部位を画像化させることができる。
 本発明の集積促進剤において、炎症部位に集積させる造影剤としては、具体的には、蛍光造影剤、X線造影剤、MRI用造影剤、PET用造影剤、SPECT用造影剤等が挙げられる。これらの造影剤の中でも、蛍光造影剤は、炎症部位への蓄積促進効果が高く、被験者にとっても負担が少ないため、本発明の集積促進剤の適用対象として好適である。
 蛍光造影剤としては、具体的には、インドシアニングリーン(ICG)、フルオレセイン、量子ドット、近赤外蛍光色素(Cy5.5、Cy7、AlexaFluoro等)、その他蛍光物質等が挙げられる。インドシアニングリーンは、波長805nm付近の励起光を受けて、波長835nm付近の蛍光を発する蛍光造影剤である。5-アミノレブリン酸は、波長380nm付近の励起光を受けて、波長620nm付近の蛍光を発する蛍光造影剤である。フルオレセインは、波長494nm付近の励起光を受けて、波長521nm付近の蛍光を発する蛍光造影剤である。これらの蛍光造影剤の中でも、より一層効率的に腫瘍への蓄積を促進させるという観点から、好ましくはインドシアニングリーンが挙げられる。
 また、本発明の集積促進剤の適用対象となる炎症性疾患の好適な一例として、炎症性の自己免疫疾患が挙げられる。炎症性の自己免疫疾患としては、例えば、関節リウマチ、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、多発性硬化症、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、ギラン・バレー症候群、バセドウ病、原田病、天疱瘡等が挙げられる。これらの炎症性疾患の中でも、本発明の集積促進剤の適用対象として、好ましくは関節リウマチが挙げられる。
 本発明の集積促進剤は、全身投与によって投与される。全身投与としては、具体的には、血管内(動脈内又は静脈内)投与、皮下投与、腹膜内投与等が挙げられ、好ましくは血管内投与、更に好ましくは動静脈内投与である。なお、血管内投与には、血管内注射のみならず、持続点滴も含まれる。なお、本発明の集積促進剤の投与方法は、造影剤の投与方法と同一であってもよく、また異なってもよい。
 また、本発明の集積促進剤によって炎症部位に蓄積させる造影剤の投与方法についても特に制限されず、造影剤の種類、炎症部位等に応じて適宜設定され、本発明の集積促進剤の投与方法と同一であってもよく、また異なっていてもよい。造影剤の投与方法が、本発明の集積促進剤の投与方法と異なっていても、本発明の集積促進剤によって造影剤の炎症部位への蓄積を促進することができる。造影剤の投与方法としては、具体的には、腹腔内投与、血管内(動脈内又は静脈内)投与、皮下投与等が挙げられ、好ましくは腹腔内投与である。なお、血管内投与には、血管内注射のみならず、持続点滴も含まれる。
 本発明の集積促進剤の投与量については、炎症部位への蓄積促進の対象となる造影剤の種類、患者の性別、年齢、症状などに応じて適宜決定されるため、一概に決定することはできないが、例えば、炭酸アパタイト量換算で1回あたり10mg~1g/kg(体重)程度であればよい。
 また、本発明の集積促進剤によって炎症部位に蓄積させる造影剤の投与量については、炎症部位、患者の性別、年齢、症状等に応じて適宜決定すればよいが、例えば、成人1人あたり一回量5~30mg程度であればよい。
 本発明の集積促進剤は、造影剤とは別々に投与される。本発明において「造影剤とは別々に投与される」とは、本発明の集積促進剤と造影剤とを同一製剤(混合物)にして投与されないことを意味する。本発明の集積促進剤と造影剤の投与タイミングが同時であってもよいが、その場合、本発明の集積促進剤は造影剤とは別々に投与されることになる。
 また、本発明の集積促進剤の投与タイミングについては、特に制限されないが、例えば、造影剤の投与と同時又はその前後100時間以内であればよく、造影剤の投与と同時又はその前後24時間以内が好ましく、造影剤の投与と同時又はその前後6時間以内がより好ましく、造影剤の投与と同時又はその前後2時間以内が更に好ましい。
 本発明の集積促進剤及び造影剤を別々投与することによって、造影剤が炎症部位に蓄積される。その後、使用した造影剤の種類に応じた公知の手法で炎症部位をイメージングすることができる。例えば蛍光造影剤を使用した場合であれば、励起光を照射することにより、蛍光造影剤から蛍光を発せられるので、当該蛍光を観察することにより、炎症部位をイメージングすることができる。
 本発明の集積促進剤を利用した炎症部位のイメージングは、炎症性疾患の診断や進行度の確認、実験動物における炎症部位の確認等に好適に使用される。
4.炎症部位のイメージング用セット
 本発明の炎症部位のイメージング用セットは、炎症部位のイメージングのために使用される薬剤のセットであり、造影剤を含む第I製剤と、前記集積促進剤を含む第II製剤とを含み、前記第I製剤と第II製剤が別々に投与されることを特徴とする。
 本発明の炎症部位のイメージング用セットは、前記集積促進剤と造影剤がセットになって提供されるものである。本発明の炎症部位のイメージング用セットにおいて、イメージングの対象となる炎症性疾患の種類、第I製剤(造影剤)及び第II製剤(前記集積促進剤)の種類、投与方法や投与量等は、前記「3.造影剤の炎症部位への集積促進剤」の欄に示す通りである。また、前述の通り、前記集積促進剤は、造影剤とは別々に投与されるので、前記第II製剤には、造影剤は含まれない。
 以下、実施例を挙げて本発明を説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されて解釈されるものではない。
参考例1:炭酸アパタイト(sonicated carbonate apatite; sCA)の製造
 先ず、無機水溶液(NaHCO3; 44 mM, NaH2PO4; 0.9 mM, CaCl2; 1.8 mM, pH 7.5)を調製し、37℃で30分間インキュベートした。その後、12,000rpm×3分で遠沈して、炭酸アパタイト(sCA)のペレットを得た。得られたペレットに200μLとなるように生理食塩水(0.5重量%アルブミン含有)を添加して分散させ、これを超音波振動処理(38 kHz, 80 W)に10分間かけて、直ちに試験に使用、又はこれを凍結乾燥した。得られたsCAは、平均粒径が400~2000nmであることがゼータサイザーナノZS(マルバーン)を用いた動的光散乱法粒子計測(DLS)において確認されている。
試験例1:リウマチモデルを用いた炎症部位における蛍光物質のイメージング
 8週齢のSKG/Jclマウス(メス、日本クレアより購入)にマンナン(sigmaより購入)を腹腔投与(20mg/500μl生理食塩水/匹)し、数週間後にヒト関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis:RA)と免疫病理学的に酷似した自己免疫性関節炎を発症させ、自然発症関節リウマチモデルを樹立した。自然発症関節リウマチモデル、及びマンナンを投与していないマウス(リウマチ未発症モデル)の足関節の腫脹の程度を下記基準に従ってスコアリングした。なお、後述する試験例でも、炎症スコアは下記基準に従っている。また、炎症スコアの合計とは、マウスに認められる各腫脹部位の炎症スコアの合計値である。
<足関節の腫脹の程度のスコアリング(炎症スコア、RA score)の基準>
 0:腫脹なし
 0.5:中等度腫脹
 1:重度腫脹
 自然発症関節リウマチモデル及びリウマチ未発症モデルの足関節の腫脹を観察し、スコアリングした結果を図1に示す。
 前記で樹立した自然発症関節リウマチモデル及びリウマチ未発症モデルに対して、1.25mg/mlのインドシアニングリーン(ICG)を含む生理食塩水を200 μl腹腔投与(i.p.)し、5時間後及び8時間後に、IVIS Spectrumを用いた蛍光イメージングにて足関節のイメージングを行なった(ICG(i.p.)群)。更に、その3日後に、sCAを含む生理食塩水(前記参考例1において無機水溶液50mlから調製される量に相当するsCAを含む生理食塩水)を静脈投与(i.v.)すると共に、1.25 mg/mlのICGをを含む生理食塩水を200 μl腹腔投与(i.p.)し、5時間後及び8時間後に、IVIS Spectrumを用いた蛍光イメージングにて足関節のイメージングを行なった(sCa(i.v.)+ICG(i.p.)群)。
 図2にIVIS Spectrumを用いた蛍光イメージングによってICGを検出した結果を示す。この結果、炎症スコアが2の自然発症関節リウマチモデルでは、ICG(i.p.)群に比べ、sCA(i.v.)+ICG (i.p.)群の方が、足関節における蛍光シグナル強度が強いことが分かった。また、図3に、自然発症関節リウマチモデルにおける足関節の蛍光シグナルを定量した結果を示す。その結果、sCA(i.v.)+ICG(i.p.)群では、蛍光強度がICG(i.p.)群と比べて、有意に高いことが確認された。
試験例2:sCAによる炎症部位の薬剤集積増強効果のメカニズム
 前記試験例1と同様の方法で自然発症関節リウマチモデル(炎症スコアの合計は2)を作製した。自然発症関節リウマチモデルに、sCAを含む生理食塩水(前記参考例1において無機水溶液50mlから調製される量に相当するsCAを含む生理食塩水)を静脈投与(i.v.)し、投与から1時間後及び2時間後に、サクリファイスして同一マウスの両足関節周辺組織を採集した。また、sCAを投与せずに同量の生理食塩水を静脈投与して、投与から1時間後及び2時間後に、サクリファイスして同一マウスの両足関節周辺組織を採集した(未処置群)。
 未処置群(マウスn=4)、sCA静脈投与1時間後群(マウスn=3)、sCA静脈投与2時間後群(マウスn=3)の各群について、採集した両足関節周辺組織のRNA分析を行った。結果を図4のaに示す。その結果、未処置群と比べ、sCA静脈投与2時間後群において、Fold changeが±2, p<0.05の遺伝子が845個を認められ、これらの遺伝子は、経時的に変動していることが分かった。更に、この845個の遺伝子セットをIngenuity Pathways Analysis(IPA)のUpsteam解析を行なった結果を図4のbに示す。その結果、sCA静脈投与によって、H2O2、NFkB、EGF、VEGF、prostaglandin E2、reactive oxygen species、TNF、PTGS2、NOS1等のUpstream regulatorが活性化していることが予測された。これらの因子は血管透過性を高めるものとして知られている。
試験例3:凍結乾燥sCAによる炎症部位への蛍光物質集積増強効果 -sCA同時投与による経時的イメージング-
 前記試験例1と同様の方法で自然発症関節リウマチモデル(炎症スコアの合計は2)を作製した。なお、本試験で使用した自然発症関節リウマチモデルは尾部にも関節が複数あり、炎症部位として評価した。
 前記自然発症関節リウマチモデルに対して、0.83 mg/mlのICGを含む生理食塩水を500 μl腹腔投与(i.p.)し、投与から30分後、60分後、90分後、及び150分後に、IVIS Spectrumを用いた蛍光イメージングにて足関節のイメージングを行なった(ICG i.p.群)。また、前記自然発症関節リウマチモデルに対して、凍結乾燥sCAを含む生理食塩水(前記参考例1において無機水溶液30mlから調製される量に相当するsCAを含む生理食塩水)を静脈投与(i.v.)すると同時に0.83 mg/mlのICGを含む生理食塩水を500 μl腹腔投与(i.p.)し、投与から30分後、60分後、90分後、及び150分後に、IVIS Spectrumを用いた蛍光イメージングにて炎症部位のイメージングを行なった(sCA i.v.+ICG i.p.群)。
 図5にIVIS Spectrumを用いた蛍光イメージングによってICGを検出した結果を示す。この結果、自然発症関節リウマチモデルでは、ICG i.p.群に比べ、sCA i.v.+ICG i.p.群の方が、炎症部位における蛍光シグナル強度が強いことが分かった。また、図6に、炎症部位の蛍光シグナルを定量した結果を示す。その結果、sCA i.v.+ICG i.p.群では、ICG i.p.群と比べて、炎症部位における蛍光シグナル強度が有意に高いことが確認された。
試験例4:凍結乾燥sCAによる炎症部位への蛍光物質集積増強効果 -sCA100min前投与による経時的イメージング-
 前記試験例1と同様の方法で自然発症関節リウマチモデル(炎症スコアの合計は2)を作製した。
 前記自然発症関節リウマチモデルに対して、0.83 mg/mlのICGを含む生理食塩水を500 μl腹腔投与(i.p.)し、投与から70時間後まで経時的にIVIS Spectrumを用いた蛍光イメージングにて足関節のイメージングを行なって、足関節における蛍光シグナル強度を定量した(ICG i.p.群)。また、前記自然発症関節リウマチモデルに対して、凍結乾燥sCAを含む生理食塩水(前記参考例1において無機水溶液30mlから調製される量に相当するsCAを含む生理食塩水)を静脈投与(i.v.)し、sCa投与から100分後に0.83 mg/mlのICGを含む生理食塩水を500 μl腹腔投与(i.p.)し、ICG投与から70時間後まで経時的にIVIS Spectrumを用いた蛍光イメージングにて足関節のイメージングを行なって、足関節における蛍光シグナル強度を定量した(sCA i.v.(-100min)+ICG i.p.群)。
 結果を図7に示す。この結果、足関節の相対蛍光強度は、sCA i.v.(-100min)+ICG i.p.群の方がICG i.p.群より高かった。即ち、ICGの投与の100分前にsCaを投与しても、ICGを効率的に炎症部位に集積できることが明らかになった。
試験例5:凍結乾燥sCAによる炎症部位への蛍光物質集積増強効果 -sCA同時投与による経時的イメージング-
 前記試験例1と同様の方法で自然発症関節リウマチモデル(炎症スコアの合計は2)を作製した。
 前記自然発症関節リウマチモデルに対して、0.83 mg/mlのICGを含む生理食塩水を500 μl腹腔投与(i.p.)し、投与から45時間後まで経時的にIVIS Spectrumを用いた蛍光イメージングにて足関節のイメージングを行なって、足関節における蛍光シグナル強度を定量した(ICG i.p.群)。また、前記自然発症関節リウマチモデルに対して、(凍結乾燥sCAを含む生理食塩水(前記参考例1において無機水溶液30mlから調製される量に相当するsCAを含む生理食塩水)を静脈投与(i.v.)すると同時に、0.83 mg/mlのICGを含む生理食塩水を500 μl腹腔投与(i.p.)し、投与から45時間後まで経時的にIVIS Spectrumを用いた蛍光イメージングにて足関節のイメージングを行なって、足関節における蛍光シグナル強度を定量した(sCA i.v.+ICG i.p.群)。
 結果を図8に示す。この結果、足関節の相対蛍光強度は、sCA i.v.+ICG i.p.群の方がICG i.p.群より高かった。
試験例6:凍結乾燥sCAによる炎症部位への蛍光物質集積増強効果 -sCA減量及び増強作用持続性の評価-
 前記試験例1と同様の方法で自然発症関節リウマチモデル(炎症スコアの合計は2)を作製した。
 前記自然発症関節リウマチモデルに対して、0.83 mg/mlのICGを含む生理食塩水を500 μl腹腔投与(i.p.)し、経時的にIVIS Spectrumを用いた蛍光イメージングにて足関節のイメージングを行なって、足関節における蛍光シグナル強度(1回目)を定量した(ICG i.p.群)。更に、ICG i.p.群において、1回目のICG投与から103.5時間後に、再度、0.83mg/mlのICGを含む生理食塩水を500 μl腹腔投与(i.p.)し、同様に、経時的に足関節における蛍光シグナル強度(2回目)を定量した。
 また、前記自然発症関節リウマチモデルに対して、凍結乾燥sCAを含む生理食塩水(前記参考例1において無機水溶液15mlから調製される量に相当するsCAを含む生理食塩水;前記試験例4のsCaよりも半量)を静脈投与(i.v.)し、sCa投与から100分後に0.83 mg/mlのICGを含む生理食塩水を500 μl腹腔投与(i.p.)し、経時的にIVIS Spectrumを用いた蛍光イメージングにて足関節のイメージングを行なって、足関節における蛍光シグナル強度を定量した(1/2sCA i.v.(-100min)+ICG i.p.群)。更に、1/2sCA i.v.(-100min)+ICG i.p.群において、1回目のICG投与から103.5時間後に、再度、0.83 mg/mlのICGを含む生理食塩水を500 μl腹腔投与(i.p.)し、同様に、経時的に足関節における蛍光シグナル強度(2回目)を定量した。
 1回目のICG投与後に経時的に足関節における蛍光シグナル強度を測定した結果を図9のaに示し、2回目のICG投与後に経時的に足関節における蛍光シグナル強度を測定した結果を図9のbに示す。この結果から、sCAの投与量を減量しても、sCAによるICGの炎症部位への集積増強効果が認められ、更にsCAによるICGの炎症部位への集積増強効果はsCAの投与から100時間程度は持続することが確認できた。
試験例7:抗体誘発コラーゲン関節炎マウスモデルに対するsCAの治療効果の増強作用の検討
 8週齢の雌DBA-1マウス(日本チャールス・リバー株式会社)に感作物質として関節炎惹起用モノクローナル抗体カクテル(Arthrogen-CIA 関節炎惹起用モノクローナル抗体 Chondrex社)を75mg/kgの用量で静脈投与し、6日後にLPS(Lipopolysaccharide)を1.25mg/kgの用量で腹腔投与した。LPS投与から7日後に、図10のaのように、マウス右足に関節炎が発症し、広範囲に腫脹を認めた。
 関節炎が発症したマウス(LPS投与から7日後のマウス、Day0)を表1に示す4群に分けて、各条件で薬物投与を行い、薬物の投与開始(Day0)から6日間、関節炎発症の足の幅を経時的に測定し、各群の治療効果を評価した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 結果を図10のbに示す。この結果、sCAとエタネルセプトの併用群では、腫脹した足の縮小傾向がもっとも顕著であり、Day6において他の群よりも有意に幅が小さかった。(One Way ANOVA with Tukey's multiple comparisons test : Con vs. sCA i.v. + Etanercept i.p. p < 0.001; Etanercept i.p. vs. sCA i.v. + Etanercept i.p. p < 0.05, sCA i.v. + Etanercept i.p. vs. sCA i.v. p < 0.05)。
試験例8:自然発症関節リウマチモデルに対するsCAの治療効果の増強作用の検討
 約8週齢のSKG/Jclマウス(メス、日本クレアより購入)にマンナン(sigmaより購入)を腹腔投与(20mg/500μl生理食塩水/匹)し、マンナン投与から19日後(day0)にヒト関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis:RA)と免疫病理学的に酷似した自己免疫性関節炎を発症し、足関節の腫脹の炎症スコアの合計が2である関節リウマチ発症マウスを準備した。また、別途、約8週齢のSKG/Jclマウスにマンナンを投与せず、自己免疫性関節炎を発症させていない関節リウマチ未発症マウスも準備した。
 関節リウマチ発症マウス及び関節リウマチ未発症マウスを表2に示す5群に分けて、各条件で薬物投与を行い、薬物の最初の投与日(day0)から98日後に、各マウスのリウマチ関節炎の症状の程度を観察した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 結果を図12に示す。この結果、RA(+)群では、RA(-)群に比べ、関節の腫脹、硬直、変形、肢指の拘縮が見られた。また、RA(+) Etanercept i.p.群の3匹の関節リウマチ発症マウスでは、リウマチ関節炎の症状が改善されなかった。一方、RA(+) sCA i.v. + Etanercept i.p.群では、リウマチ関節炎の症状が著しく改善されていた。即ち、本結果から、sCaにはエタネルセプトの治療効果を増強する作用があることが明らかとなった。なお、通常、エタネルセプトは週2回、3.0mg/kg投与が必要とされているが、sCaと併用することによって、エタネルセプトの月1回の投与でも十分な治療効果が認められた。

Claims (14)

  1.  炎症性疾患治療薬を含まない炭酸アパタイトを有効成分とする、炎症性疾患治療薬の薬効増強剤。
  2.  関節リウマチの治療薬の薬効増強に使用される、請求項1に記載の薬効増強剤。
  3.  関節リウマチの治療薬がTNF阻害薬である、請求項2に記載の薬効増強剤。
  4.  炎症性疾患治療薬を含む第1製剤と、請求項1~3のいずれかに記載の薬効増強剤を含む第2製剤とを含み、
     前記第1製剤と第2製剤が別々に投与される、炎症性疾患の治療用セット。
  5.  造影剤を含まない炭酸アパタイトを有効成分とする、造影剤の炎症部位への集積促進剤。
  6.  造影剤が蛍光造影剤である、請求項5に記載の集積促進剤。
  7.  蛍光造影剤がインドシアニングリーンである、請求項6に記載の集積促進剤。
  8.  造影剤を含む第1製剤と、請求項5~7のいずれかに記載の集積促進剤を含む第2製剤とを含み、
     前記第1製剤と第2製剤が別々に投与される、炎症部位のイメージング用セット。
  9.  炎症性疾患の患者に、炎症性疾患治療薬を含む第1製剤と、請求項1~3のいずれかに記載の薬効増強剤を含む第2製剤とを、別々に投与する工程を含む、炎症性疾患の治療方法。
  10.  炎症性疾患治療薬を含まない炭酸アパタイトの、炎症性疾患治療薬の薬効増強剤の製造のための使用。
  11.  炎症性疾患治療薬の薬効増強のための処理に使用される、炎症性疾患治療薬を含まない炭酸アパタイト。
  12.  炎症部位の造影が求められている被験者に、造影剤を含む第I製剤と、請求項5~7のいずれかに記載の集積促進剤を含む第II製剤を、別々に投与する工程を含む、炎症部位のイメージング方法。
  13.  造影剤を含まない炭酸アパタイトの、造影剤の炎症部位への集積促進剤の製造のための使用。
  14.  造影剤の炎症部位への集積促進のための処理に使用される、造影剤を含まない炭酸アパタイト。
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