WO2022071429A1

WO2022071429A1 - 吸収性物品、及びコアラップシートの製造方法

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Publication number: WO2022071429A1
Application number: PCT/JP2021/035956
Authority: WO
Inventors: 和彰大西
Original assignee: ユニ・チャーム株式会社
Priority date: 2020-09-30
Filing date: 2021-09-29
Publication date: 2022-04-07
Also published as: CN116367801A; EP4223266A1; EP4223266A4; JP2022057566A; JP7546433B2

Abstract

尿等の体液を繰り返し吸収した場合でも、液体吸収性をより高いレベルで維持することができる吸収性物品、及びコアラップシートの製造方法を提供する。吸収体７Ａは、肌対向面１５及び非肌対向面１７を有し、吸収コア９Ａと、肌対向面１５及び非肌対向面１７の少なくとも一方側に配置されたコアラップシート１１Ａとを含み、コアラップシート１１Ａは、内層１６Ａと、外層１８Ａとを有し、内層１６Ａは、セルロース繊維を５０質量％以上含み、吸収コア９Ａに接するコア対向面２１と、非コア対向面２３と、複数の開孔２７とを有し、外層１８Ａは、熱可塑性合成繊維を５０質量％以上含み、非コア対向面２３に接する第１面２９と、第２面３１と、第１面２９に厚さ方向へ窪んだ複数の第１溝３３と、第２面３１に厚さ方向へ窪んだ複数の第２溝３５とを有する。

Description

吸収性物品、及びコアラップシートの製造方法

　本発明は、吸収性物品、及びコアラップシートの製造方法に関する。

　従来、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品において、木材パルプ繊維などの親水性繊維と、親水性繊維に分散された高吸収性ポリマー粒子からなる吸収コアをコアラップシートで覆った吸収体が用いられている。

　特許文献１には、液透過性トップシートと、液不透過性バックシートと、トップシートとバックシートの間に配置された吸収体とを含む吸収性物品が開示されている。吸収体は、吸収コアと下面を覆うコアラップシートとを含む。コアラップシートは、熱可塑性合成繊維を５０質量％以上含み、表面に複数の溝部と畝部が交互に設けられている。複数の溝部と畝部は、吸収コアの長手方向に延び、かつ吸収コアの短手方向に所定の間隔で交互に設けられている。

特開２０１８－５２５号公報

　上記特許文献１の場合、吸収コアとコアラップシートの間及びコアラップシートと液不透過性バックシートの間に復元可能な液輸送チャネルが確保されることによって、多量の体液を吸収した場合でも強度が低下しにくく、高い吸収性を維持することができる。このような吸収性の維持は、吸収性物品の着用感の改善につながるため、液体吸収性をより高めた吸収性物品が望まれている。

　本発明は、尿等の体液を繰り返し吸収した場合でも、液体吸収性をより高いレベルで維持することができる吸収性物品及びコアラップシートの製造方法を提供することを目的とする。

　本発明は、液透過性トップシートと、液不透過性バックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収体とを含む吸収性物品であって、前記吸収体は、肌対向面及び前記肌対向面と反対側の非肌対向面を有し、長手方向、短手方向及び厚さ方向を有する吸収コアと、前記肌対向面及び前記非肌対向面の少なくとも一方側に配置されたコアラップシートとを含み、前記コアラップシートは、内層と、外層とを有し、前記内層は、セルロース繊維を５０質量％以上含み、前記吸収コアに接するコア対向面と、前記コア対向面と反対側の非コア対向面と、前記コア対向面から前記非コア対向面へ貫通する複数の開孔とを有し、前記外層は、熱可塑性合成繊維を５０質量％以上含み、前記非コア対向面に接する第１面と、前記第１面と反対側の第２面と、前記第１面に厚さ方向へ窪んだ複数の第１溝と、前記第２面に厚さ方向へ窪んだ複数の第２溝とを有し、前記複数の第１溝のそれぞれと前記複数の第２溝のそれぞれとは、所定の間隔で交互に配置されている吸収性物品である。

　本発明による吸収性物品は、尿等の体液を繰り返し吸収した場合でも、液体吸収性をより高いレベルで維持することができる。

第１実施形態に係る吸収性物品の平面図である。第１実施形態に係る図１のＩＩ－ＩＩ線に沿った吸収体の断面図である。第１実施形態に係る吸収体の部分拡大断面図である。第１実施形態に係るコアラップシートの部分断面斜視図である。第１実施形態に係るコアラップシートを製造する製造装置の一例を示す模式図である。第１実施形態に係るコアラップシートを製造する製造装置に使用できる賦形ロールを示す模式図である。第１実施形態の変形例（１）に係る図１のＩＩ－ＩＩ線に沿った吸収体の断面図である。第１実施形態の変形例（２）に係る図１のＩＩ－ＩＩ線に沿った吸収体の断面図である。第１実施形態の変形例（３）に係る吸収体の部分拡大断面図である。第２実施形態に係るコアラップシートの部分断面斜視図である。第２実施形態に係るコアラップシートの平面図である。第２実施形態に係るコアラップシートを製造する製造装置に使用できる賦形ロールを示す模式図である。第３実施形態に係る吸収性物品の吸収コアの平面図である。第３実施形態に係る図１２のＸＩＩＩ－ＸＩＩＩ線に沿った吸収コアの断面図である。第３実施形態の変形例に係る図１２のＸＩＩＩ－ＸＩＩＩ線に沿った吸収コアの断面図である。

　本発明の実施形態は、以下の態様に関する。
　［態様１］
　液透過性トップシートと、液不透過性バックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収体とを含む吸収性物品であって、前記吸収体は、肌対向面及び前記肌対向面と反対側の非肌対向面を有し、長手方向、短手方向及び厚さ方向を有する吸収コアと、前記肌対向面及び前記非肌対向面の少なくとも一方側に配置されたコアラップシートとを含み、前記コアラップシートは、内層と、外層とを有し、前記内層は、セルロース繊維を５０質量％以上含み、前記吸収コアに接するコア対向面と、前記コア対向面と反対側の非コア対向面と、前記コア対向面から前記非コア対向面へ貫通する複数の開孔とを有し、前記外層は、熱可塑性合成繊維を５０質量％以上含み、前記非コア対向面に接する第１面と、前記第１面と反対側の第２面と、前記第１面に厚さ方向へ窪んだ複数の第１溝と、前記第２面に厚さ方向へ窪んだ複数の第２溝とを有し、前記複数の第１溝のそれぞれと前記複数の第２溝のそれぞれとは、所定の間隔で交互に配置されている、吸収性物品。

　トップシート表面に排泄された体液はトップシートを透過する。コアラップシートが肌対向面を覆う場合、上記体液は、外層を透過し外層と内層の間へ到達すると共に、内層の複数の開孔を通じて、内層と吸収コアの間へ到達する。またコアラップシートが非肌対向面を覆う場合、トップシートを透過した上記体液は、一部が吸収コアで吸収され、吸収コアで吸収されなかった体液が吸収コアと内層の間へ到達すると共に、内層の複数の開孔を通じて、内層と外層の間へ到達する。吸収コアと内層の間の空間を第１拡散空間、内層と外層の間の空間を第２拡散空間と呼ぶ。上記いずれの場合も、セルロース繊維を５０質量％以上含む内層の拡散性によって、体液は、内層の内部を毛細管現象によって拡散すると共に、第１拡散空間及び第２拡散空間をそれぞれ拡散する。さらに、体液は、第２溝を有する第３拡散空間を通じて拡散する。したがって本吸収性物品は、第１拡散空間、第２拡散空間及び第３拡散空間に加え、内層の内部において生じる毛細管現象によって、より効率的に体液を拡散することができるので、液体吸収性をより高いレベルで維持することができる。外層は、熱可塑性合成繊維を５０質量％以上含むことによって、繰り返し体液を吸収した場合でも強度が低下しにくいため、複数の第１溝及び複数の第２溝の変形を抑制することができる。したがって、本吸収性物品は、繰り返し体液を吸収した場合でも、複数の第１溝及び複数の第２溝を通じて多量の体液を拡散することができる。

　［態様２］
　前記非コア対向面と前記第１面とは互いに接合されていない、態様１に記載の吸収性物品。
　本吸収性物品は、第２拡散空間がより確実に形成されるため、第２拡散空間を体液がより確実に拡散することができる。したがって、本吸収性物品は、液体吸収性をより高いレベルで維持することができる。非コア対向面と第１面とが接着剤によって接合されている場合、及び内層と外層の繊維が交絡することによって非コア対向面と第１面が接合されている場合は、第２拡散空間が塞がれてしまうため、体液の拡散が妨げられる。非コア対向面と第１面とがエンボス加工によって接合されている場合、エンボス加工によって繊維の密度が高くなった部分に体液が滞留し、体液の拡散が妨げられる。

　［態様３］
　前記複数の第１溝のそれぞれと前記複数の第２溝のそれぞれとは、前記長手方向に平行な方向へ延び、かつ前記短手方向に平行な方向へ所定の間隔で交互に配置されている、態様１又は２に記載の吸収性物品。
　体液が複数の第１溝及び複数の第２溝を通じて長手方向に容易に拡散するので、本吸収性物品は、吸収コアをより効率的に活用することができる。

　［態様４］
　前記内層は、前記コア対向面に厚さ方向に窪んだ複数の内層溝を有する、態様１～３のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　吸収コアと内層のコア対向面の間に透過した体液は、複数の内層溝を拡散するので、本吸収性物品は、より効率的に体液を拡散することができる。

　［態様５］
　前記複数の内層溝のそれぞれは、前記複数の第１溝のそれぞれと重なっている、態様４に記載の吸収性物品。
　繰り返し体液を吸収した場合でも、複数の第１溝と共に複数の内層溝の変形が抑制される。したがって、本吸収性物品は、複数の内層溝のそれぞれが重なった複数の第１溝のそれぞれを通じて多量の体液を拡散することができるので、液体吸収性をより高いレベルで維持することができる。

　［態様６］
　前記内層がティッシュであり、前記外層がスパンボンド不織布である、態様１～５のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　内層がティッシュで形成されているため内層の内部を体液がより容易に拡散することができる。外層がスパンボンド不織布であることによって、第２拡散空間及び第３拡散空間をより確実に形成することができる。したがって、本吸収性物品は、液体吸収性をより高いレベルで維持することができる。内層溝のそれぞれが、前記複数の第１溝のそれぞれと重なっている場合、強度が低いティッシュをスパンボンド不織布で支持することによって、優れた親水性を有するティッシュをコアラップシートに用いることができる。ティッシュの伸度は、スパンボンド不織布に比べ小さいため、内層と外層とを重ねた状態で複数の第１溝及び複数の第２溝を形成する加工をした場合、スパンボンド不織布の変形に追従することができずティッシュに亀裂が部分的に生じることによって複数の開孔が形成される。したがって外層に複数の第１溝及び複数の第２溝が形成されるのと同時に、内層に複数の開孔が形成されるので、効率的にコアラップシートを形成することができる。

　［態様７］
　前記内層と前記吸収コアとが、ホットメルト接着剤によって接合されている、態様６に記載の吸収性物品。
　内層はティッシュで構成されているため繊維密度が高く、その分、内層とホットメルト接着剤との接触面積が広くなるので、吸収コアとの接着性が高い。外層は、繰り返し体液を吸収した場合でも強度が低下しにくいため、複数の第１溝及び複数の第２溝の変形を抑制することができる。したがって、本吸収性物品は、繰り返し体液を吸収した場合でも、型崩れを抑制することができる。

　［態様８］
　前記外層と前記吸収コアとが、前記複数の開孔を通じて接合されている、態様１～７のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　外層と吸収コアとが直接接合されていることによって、体液を吸収した内層が変形しても、外層と吸収コアの位置ずれを防止することができる。したがって、本吸収性物品は、繰り返し体液を吸収した場合でも、型崩れをより確実に抑制することができる。

　［態様９］
　前記吸収コアが、周囲よりも吸収材料の坪量が小さい低坪量部を有し、前記内層が、前記吸収コアと異なる色に着色されている、態様１～８のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　体液を吸収していない吸収体は、低坪量部を透過した内層の色によって低坪量部の位置を確認することができる。したがってドライ時において使用者は、低坪量部を目印に位置合わせをすることができる。体液を吸収した後の吸収体は、吸収した体液によって湿潤するので、低坪量部を透過した内層の色を視認しにくくなる。したがってウェット時において使用者は、体液の吸収状態を視認することができる。

　［態様１０］
　前記コアラップシートが、前記非肌対向面側に配置されている、態様１～９のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　トップシート表面に排泄された体液は、トップシートを透過し一部が吸収コアで吸収される。吸収コアで吸収されなかった体液は、吸収コアの非肌対向面から第１拡散空間へ到達すると共に、内層の複数の開孔を通じて第２拡散空間へ到達する。セルロース繊維を５０質量％以上含む内層の拡散性によって、体液は、内層の内部、第１拡散空間、及び第２拡散空間をそれぞれ拡散する。さらに、体液は、外層を透過し第２面へ到達することによって、第３拡散空間を通じて拡散される。したがって本吸収性物品は、内層の内部、第１拡散空間、第２拡散空間、及び第３拡散空間を通じて、より効率的に体液を拡散することができる。

　［態様１１］
　前記内層は、前記コア対向面に厚さ方向に窪んだ複数の内層溝を有し、前記複数の内層溝のそれぞれに前記複数の開孔のそれぞれが形成されている、態様１０に記載の吸収性物品。
　体液は、内層溝を拡散しながら、複数の開孔を通じて非コア対向面と第１面の間へ透過し、非コア対向面と第１面の間を拡散する。したがって、本吸収性物品は、より効率的に体液を拡散することができる。

　［態様１２］
　前記吸収コアは、前記肌対向面を含む肌側層と、前記非肌対向面を含む非肌側層と、を含み、前記肌側層又は前記非肌側層は、前記厚さ方向に貫通する複数の主溝部を含む複数の溝部と、複数の基部と、を備え、前記複数の溝部のそれぞれと前記複数の基部のそれぞれとは、交互に配置されている、態様１～１１のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　排泄された体液は、複数の溝部を通って吸収コアの排泄部位から離れた位置まで輸送されて、より広い面積で吸収されるので、吸収コア全体の吸収性をより向上することができる。液体が排泄部位から輸送されるので、排泄部位付近における吸収コアの吸収力の低下を抑制することができる。

　［態様１３］
　液透過性トップシートと、液不透過性バックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収体とを含む吸収性物品であって、前記吸収体は、肌対向面及び前記肌対向面と反対側の非肌対向面を有し、長手方向、短手方向及び厚さ方向を有する吸収コアと、前記肌対向面及び前記非肌対向面の少なくとも一方側に配置されたコアラップシートとを含み、前記吸収コアは、前記肌対向面を含む肌側層と、前記非肌対向面を含む非肌側層と、を含み、前記肌側層又は前記非肌側層は、前記厚さ方向に貫通する複数の主溝部を含む複数の溝部と、複数の基部と、を備え、前記複数の溝部のそれぞれと前記複数の基部のそれぞれとは、交互に配置されており、前記コアラップシートは、内層と、外層とを有し、前記内層は、セルロース繊維を５０質量％以上含み、前記吸収コアに接するコア対向面と、前記コア対向面と反対側の非コア対向面とを有し、前記外層は、熱可塑性合成繊維を５０質量％以上含み、前記非コア対向面に接する第１面と、前記第１面と反対側の第２面と、前記第１面に厚さ方向へ窪んだ複数の第１溝と、前記第２面に厚さ方向へ窪んだ複数の第２溝とを有し、前記複数の第１溝のそれぞれと前記複数の第２溝のそれぞれとは、所定の間隔で交互に配置されている、吸収性物品。
　本吸収性物品は、態様１と同様、第１拡散空間、第２拡散空間、及び第３拡散空間を有するので、態様１と同様の効果を得ることができる。

　［態様１４］
　吸収コアと吸収コアラップシートを含む吸収体用のコアラップシートの製造方法であって、前記コアラップシートは、熱可塑性合成繊維を５０質量％以上含み、第１面と、前記第１面と反対側の第２面とを有する外層と、セルロース繊維を５０質量％以上含み、コア対向面と、前記コア対向面と反対側の非コア対向面とを有する内層と、を備え、前記外層からなる外層連続体を予熱するステップと、予熱された前記外層連続体と、前記内層からなる内層連続体とを、第１賦形部材及び第２賦形部材を備える一対の賦形部材の間に、前記第１面と前記非コア対向面が接する状態で搬送し、前記コア対向面に厚さ方向に窪んだ複数のコア対向溝と、前記第２面に厚さ方向に窪んだ複数の非コア対向溝と、前記内層連続体に前記コア対向面から前記非コア対向面へ貫通する複数の開孔と、を形成するステップと、を備える、コアラップシートの製造方法。
　外層連続体と内層連続体を重ねた状態で複数のコア対向溝、複数の非コア対向溝、及び複数の開孔を形成することによって、内層と外層とが一体化したコアラップシートを容易に製造することができる。得られたコアラップシートは、吸収コアの肌対向面及び非肌対向面の少なくとも一方を覆った場合、吸収コアと内層の間の空間を第１拡散空間、内層と外層の間の空間を第２拡散空間、第２溝を有する第３拡散空間、及び内層の内部を体液が拡散するので、より効率的に体液を拡散することができる。

　以下、実施形態に係る吸収性物品について説明する。
　本明細書においては、特に断りのない限り、「展開した状態で水平面上に置いた対象物（例示：吸収性物品、吸収体、吸収コア）を、それらの厚さ方向の上方又は下方側から対象物を見ること」を「平面視」という。対象物が吸収性物品の場合、吸収性物品を展開した状態で表面シート側から厚さ方向に見ることを、単に「平面視」ということがある。対象物が吸収コアの場合、吸収性物品を展開した状態で吸収コアの非肌対向面側から厚さ方向に見ることを、単に「平面視」ということがある。

　本明細書において用いる各種方向等については、特に断りのない限り、以下のとおりである。「長手方向」は「平面視における縦長の対象物の長さの長い方向」を指し、「短手方向」は「平面視における縦長の対象物の長さの短い方向」を指し、「厚さ方向」は「展開した状態で水平面上に置いた対象物に対して垂直方向」を指す。これらの長手方向、短手方向及び厚さ方向は、それぞれ互いに直交する関係にある。なお、方向はそれぞれ逆の二つの向きを含むが、図面において示す場合、紙面に直交する方向については一方の向きのみを示す場合がある。

１．第１実施形態
　第１実施形態に係る吸収性物品について、図面を参照して説明する。図１に示すように、吸収性物品１は、使い捨ておむつの例であり、液透過性トップシート３と、液不透過性バックシート５と、トップシート３とバックシート５の間に配置された吸収体７Ａとを含む。吸収性物品１は、長手方向Ｌにおいて、前胴周り領域ＦＷと、後胴周り領域ＲＷと、前胴周り領域ＦＷ及び後胴周り領域ＲＷの間の股部領域Ｃとの三領域に区画される。吸収性物品１は、弾性部材１０３を含む一対の防漏壁１０１と、防漏壁１０１をトップシート３に固定する固定部１０５と、脚部周りの弾性部材１０７と、テープファスナ１０９等をさらに備える。なお、これらは、当技術分野で公知のものであるため、説明を省略する。

　吸収体７Ａは、トップシート３に排泄された体液を吸収し、保持する。吸収体７Ａは、長手方向Ｌと短手方向Ｗと厚さ方向Ｔとを有する。吸収体７Ａは、上記三領域に亘って配置されている。吸収体７Ａは、長手方向Ｌの両端部分に、短手方向Ｗの長さが互いに同じ長さの第１端部２及び第２端部６と、長手方向Ｌの中央部分に、第１端部２及び第２端部６より短手方向Ｗの長さが短い、括れ部４とを有する。第１端部２と括れ部４、及び第２端部６と括れ部４は、それぞれ括れ部４へ向かって短手方向Ｗの内側へ傾斜する傾斜辺を介して接続されている。

　図２に示すように、吸収体７Ａは、吸収コア９Ａと、コアラップシート１１Ａとを含む。なお、本実施形態では、吸収性物品１の長手方向、短手方向及び厚さ方向は吸収体７Ａのそれら方向と同じなので、吸収性物品１のそれら方向としても長手方向Ｌ、短手方向Ｗ及び厚さ方向Ｔを使用する。吸収コア９Ａは、吸水性繊維及び高吸収性ポリマー粒子（ＳＡＰ）を含む。吸水性繊維は、パルプ繊維を用いることができる。パルプ繊維としては、衛生用品として使用可能であれば特に制限はないが、例えば、セルロース繊維が挙げられる。セルロース繊維としては、例えば、木材パルプ（例えば、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ）、架橋パルプ、非木材パルプ等が挙げられる。高吸収性ポリマー粒子は、衛生用品として使用可能であれば特に制限はないが、例えば、ポリアクリル酸塩系、ポリスルホン酸塩系、無水マレイン酸塩系のものが挙げられる。吸収コア９Ａにおける吸水性繊維の平均坪量は、好ましくは５０～４５０ｇ／ｍ^２、より好ましくは８０～３５０ｇ／ｍ^２である。吸収コア９Ａにおける高吸収性ポリマー粒子の平均坪量は、好ましくは１００～５００ｇ／ｍ^２、より好ましくは１５０～４００ｇ／ｍ^２である。吸収コアの平均坪量は以下の測定方法に従って測定される。５ｃｍ×５ｃｍの大きさに切り出して試料とし、１００℃以上の雰囲気での乾燥処理後に質量を測定する。次いで、測定した質量を試料の面積で割り算して試料の坪量を算出する。１０個の試料の坪量を平均した値を吸収コアの平均坪量とする。高吸収性ポリマー粒子の平均坪量の測定方法は、以下の通りである。吸収コアから所定の長さ及び幅のサンプルを５つ切り出し（例示：４ｍｍ×４ｍｍ）、各サンプルに含まれる高吸収性ポリマー粒子を選別し、各サンプルに含まれる高吸収性ポリマー粒子の合計質量をそれぞれ計測し、この計測値を、サンプルの面積で除したものの平均値により平均坪量が得られる。また平均坪量を、後述するサンプルの厚みで除することにより平均密度が得られる。

　吸収コア９Ａは、肌対向面１５及び肌対向面１５と反対側の非肌対向面１７を有し、長手方向Ｌ、短手方向Ｗ及び厚さ方向Ｔを有する。吸収コア９Ａは、吸収体７Ａの外形形状とほぼ同じ外形形状を有する。吸収コア９Ａの厚みは、好ましくは０．２～１０ｍｍ、より好ましくは１．０～８．０ｍｍ、さらに好ましくは２．０～６．０ｍｍである。なお、本明細書において特に断りがない場合、対象物（例示：吸収体、吸収コア）の厚み（ｍｍ）は、（株）大栄科学精器製作所製のＦＳ－６０ＤＳ［測定面４４ｍｍ（直径），測定圧３ｇ／ｃｍ^２］により、標準状態（温度２３±２℃，相対湿度５０±５％）で、吸収体の異なる５つの部位を加圧し、各部位における加圧１０秒後の厚みを測定した５つの測定値の平均値を指す。

　コアラップシート１１Ａは、吸収コア９Ａを内包する。コアラップシート１１Ａは、例えば、複数の線状又は点状の接着部（図示しない）によって吸収コア９Ａと接着されていてもよい。接着部は、例えばホットメルト接着剤によって形成することができる。コアラップシート１１Ａは、上側コアラップシート１２Ａと下側コアラップシート１４Ａとを有する。上側コアラップシート１２Ａは、吸収コア９Ａの肌対向面１５を覆っている。上側コアラップシート１２Ａは、肌対向面１５と同じか肌対向面１５より一回り小さい外形形状を有し、後述する外層と同様の親水性の不織布で形成されている。下側コアラップシート１４Ａは、吸収コア９Ａの非肌対向面１７及び側面を覆っている。下側コアラップシート１４Ａは、非肌対向面１７から側面を覆って、下側コアラップシート１４Ａの短手方向Ｗの端部を、上側コアラップシート１２Ａの短手方向Ｗの端部に重ねた状態で、肌対向面１５において上側コアラップシート１２Ａに接合されている。

　図３に示すように、下側コアラップシート１４Ａは、内層１６Ａと、外層１８Ａとを有する。内層１６Ａは、吸収コア９Ａに接している。内層１６Ａは、吸収コア９Ａと、上記ホットメルト接着剤によって接合されている。内層１６Ａは、セルロース繊維を５０質量％以上含む繊維の集合層である不織布を含む。セルロース繊維としては、例えば、木材パルプ（例えば、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ）、架橋パルプ、及び非木材パルプが挙げられるがこれに限定されない。内層１６Ａは、セルロース繊維のほかに、熱可塑性合成繊維や紙力増強剤を含んでもよい。内層１６Ａの厚みは、好ましくは０．１～０．５ｍｍである。内層１６Ａは、ティッシュでもよい。ティッシュとは、湿潤強度が与えられた坪量が１０ｇ／ｍ^２～２０ｇ／ｍ^２の薄葉紙をいう。内層１６Ａは、吸収コア９Ａに対面するコア対向面２１と、コア対向面２１と反対側の非コア対向面２３とを有する。内層１６Ａは、吸収コア９Ａと同じ外形形状、吸収コアよりも一回り小さい外形形状、又は外層１８Ａと同じ外形形状を有する。内層１６Ａは、コア対向面２１に厚さ方向Ｔに窪んだ複数の内層溝２５を有していてもよい。複数の内層溝２５は、それぞれが長手方向Ｌへ延びており、短手方向Ｗへ所定の間隔で設けられている。

　図４に示すように、内層１６Ａは、内層１６Ａの厚さ方向へ貫通する開孔２７を有する。開孔２７は、コア対向面２１と非コア対向面２３の間を貫通しており、コア対向面２１から非コア対向面２３へ通じている。開孔２７は、繊維間に形成される細孔とは異なり、内層１６Ａに意識的に形成され、繊維間に形成される細孔よりも遥かに大きい面積を有している。複数の開孔２７は、それぞれ長手方向Ｌに連なっており、内層溝２５の底部から頂部の間に複数列配置されている。複数の開孔２７は、内層溝２５の底部から頂部の間の中腹に主に形成されていてもよい。図４に示す開孔２７の配置及び形状は一様であるが、実際上、開孔２７の配置及び形状が一様である必要はない。開孔２７の形状は、概ね、円形状、長手方向Ｌに長い楕円形状、菱形形状のような形状である。開孔２７は、線対称である必要はない。開孔２７は、完全に開放された空間とはなっていなくてもよい。開孔２７は、その内部空間に架け渡された繊維と、一部の延出した繊維とが混在した状態となっていてもよい。開孔２７の長手方向Ｌの長さは、０．１～５ｍｍ、好ましくは０．２～２ｍｍ、短手方向Ｗの長さが０．０５～３ｍｍ、好ましくは０．１～１ｍｍである。内層１６Ａのコア対向面２１は、内層溝２５と内層溝２５の間の頂部において、非肌対向面１７に接している。開孔２７の内部空間の開孔率は、好ましくは１～５０％、より好ましくは１．５～３５％、さらに好ましくは２．５～２０％である。

　外層１８Ａは、内層１６Ａの吸収コア９Ａと反対側に配置されている（図３）。外層１８Ａは、吸収コア９Ａの非肌対向面１７及び側面を覆う外形形状を有する。外層１８Ａは、内層１６Ａと接合していなくてもよい。外層１８Ａは、親水性の不織布で形成される。外層１８Ａは、例えば、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、エアスルー不織布及びエアレイド不織布のいずれか一種以上を含んでいてもよい。外層１８Ａは、熱可塑性合成繊維を５０質量％以上含む。熱可塑性合成繊維は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、エチレン－酢酸ビニル共重合体、エチレン－アクリル酸エチル共重合体、エチレン－アクリル酸共重合体、アイオノマー樹脂等のポリオレフィン；ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタラート、ポリトリメチレンテレフタラート、ポリ乳酸等のポリエステル；ナイロン等のポリアミド等が挙げられる。その他の構成繊維の例としては、例えば、木材又は非木材パルプ繊維、天然繊維（例えば、羊毛、綿等）、再生セルロース繊維（例えば、レーヨン，アセテート等）、無機繊維（例えば、ガラス繊維，炭素繊維等）が挙げられる。外層１８Ａを構成する繊維は、芯・鞘型繊維、サイド・バイ・サイド型繊維、島／海型繊維等の複合繊維；中空タイプの繊維；扁平、Ｙ型、Ｃ型等の異型繊維；潜在捲縮又は顕在捲縮の立体捲縮繊維；水流、熱、エンボス加工等の物理的負荷により分割する分割繊維等の形態を有するものでもよい。外層の坪量は、通常は１０～７５ｇ／ｍ^２であり、好ましくは１０～４５ｇ／ｍ²であり、更に好ましくは１０～２５ｇ／ｍ^２である。外層の厚みは、通常は０．１～５ｍｍであり、好ましくは０．２～３ｍｍであり、更に好ましくは０．４～２ｍｍである。外層１８Ａは、メルトブローン不織布をスパンボンド不織布で挟んだ３層構造のＳＭＳ不織布、２枚のメルトブローン不織布をスパンボンド不織布で挟んだ４層構造のＳＭＭＳ不織布を用いてもよい。

　図４に示すように、外層１８Ａは、非コア対向面２３に対面する第１面２９と、第１面２９と反対側の第２面３１と、第１面２９に厚さ方向Ｔへ窪んだ複数の第１溝３３と、第２面３１に厚さ方向Ｔへ窪んだ複数の第２溝（非コア対向溝とも呼ぶ）３５とを有する。複数の第１溝３３のそれぞれと前記複数の第２溝３５のそれぞれとは、所定の間隔で交互に配置されている。複数の第１溝３３のそれぞれと複数の第２溝３５のそれぞれとは、長手方向Ｌに平行な方向へ延び、かつ短手方向Ｗに平行な方向へ所定の間隔で交互に配置されている。第２溝３５は、第１面２９からみると厚さ方向Ｔへ凸となる第１畝３７を形成する。第１畝３７は、第１溝３３同士の間に配置され、非コア対向面２３に接している。第１畝３７は、開孔２７を通じて上記接着部によって非肌対向面１７と接合していてもよい。第１溝３３は、第２面３１からみると厚さ方向Ｔへ凸となる第２畝３９を形成する。第２畝３９は、第２溝３５同士の間に配置され、バックシート５（本図には図示しない）に接している。複数の第１溝３３のそれぞれは、複数の内層溝２５のそれぞれと重なっていてもよい。重なった状態の第１溝３３と内層溝２５を、コア対向溝２４（図３）と称する。非コア対向面２３と前記第１面２９とは互いに接合されていない。

　外層１８Ａの第１溝３３の底部から第１畝３７の頂部までの高さ（以下、「上面側畝部高さ」という）は好ましくは０．１～５ｍｍ、さらに好ましくは０．２～３ｍｍ、より好ましくは０．２５～２ｍｍである。なお、第１畝３７の頂部は、短手方向Ｗにおける第１畝３７の略中央部に位置する。第１面２９側において、隣り合う第１畝３７の頂部間の間隔（以下、「上面側畝部間隔」という）は好ましくは０．２５～５ｍｍ、さらに好ましくは０．５～３ｍｍ、より好ましくは０．７５～２ｍｍである。これらの範囲の上面側畝部高さ及び上面側畝部間隔では、内層１６Ａと外層１８Ａの間及び外層１８Ａとバックシート５の間に液輸送チャネルとして作用する空間が形成され、当該空間に体液を引き込んで拡散させることができる。液体拡散性向上の観点から、上記複数の第１畝３７及び第１溝３３は、吸収コア９Ａの長手方向Ｌに平行な方向において、外層１８Ａの一方の端縁から他方の端縁まで連続して延びていることが好ましい。上記の上面側畝部高さ及び上面側畝部間隔は、２次元レーザー変位計を用いて測定される。２次元レーザー変位計としては、例えば、キーエンス株式会社製の高精度２次元レーザー変位計ＬＪ－Ｇシリーズ（型式：ＬＪ－Ｇ０３０）が挙げられる。

　コアラップシート１１Ａの製造方法について、以下説明する。図５は、第１実施形態に係るコアラップシートを製造する製造装置の一例を示す模式図である。図６は、第１実施形態に係るコアラップシートを製造する製造装置に使用できる賦形ロールを示す模式図である。図５に示す製造装置４１は、第１巻出装置４３、予熱装置４５、第２巻出装置４７、賦形装置４９Ａ、及び巻取装置５２を備える。第１巻出装置４３は、外層１８Ａからなる外層連続体１１８がロール状に巻かれており、外層連続体１１８を搬送方向へ巻き出す。予熱装置４５は、巻き出された外層連続体１１８を予熱する。予熱装置４５は、この実施の形態においては、上下一対の加熱ロール４４，４６を備えている。予熱装置４５は、搬送されてきた外層連続体１１８を、回転している下方の加熱ロール４４に巻き付けて加熱する。下方の加熱ロール４４で外層連続体１１８を加熱した後、回転している上方の加熱ロール４６に外層連続体１１８を受け渡し、上方の加熱ロール４６によって外層連続体１１８を再度加熱する。第２巻出装置４７は、内層１６Ａからなる内層連続体１１６がロール状に巻かれており、内層連続体１１６を搬送方向へ巻き出す。

　図６に示すように、賦形装置４９Ａは、上下一対の延伸ロール４８，５０Ａを備えている。上方の延伸ロール５０Ａは、複数の突稜５１と、複数の突稜５１のそれぞれの間に配設された複数の凹溝５３とを備える。複数の突稜５１と複数の凹溝５３とは、周方向に延び、ロール幅方向に一定の間隔で交互に配設されている。一方、下方の延伸ロール４８は、外周面に、上方の延伸ロール５０Ａの突稜５１と噛み合うように設けられた複数の凹溝５７と、上方の延伸ロール５０Ａの凹溝５３と噛み合うように設けられた複数の突稜５５とを備えている。

　製造装置４１を用いて、コアラップシート１１Ａを製造する場合、第１巻出装置４３から巻き出された外層連続体１１８を予熱する予熱工程と、予熱工程を経た外層連続体１１８と、第２巻出装置４７から巻き出された内層連続体１１６とを重ねた状態で賦形加工する賦形工程とを順次行う。予熱工程は、外層連続体１１８を、上下一対の加熱ロール４４，４６の外周面に順次接触させることにより、予熱する。予熱温度は、外層連続体１１８に含まれる熱可塑性合成繊維の融点より低い温度である。例えば外層連続体１１８に含まれる熱可塑性合成繊維が、ポリエチレンテレフタラート（ＰＥＴ）と高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）との芯鞘型の複合繊維の場合、予熱温度は、加熱ロールの外周面の温度が６０～１２０℃程度であることが好ましい。

　賦形工程は、内層連続体１１６と、予熱工程を経て搬送されてきた外層連続体１１８とを、非コア対向面２３と第１面２９とが接する状態で、賦形装置４９Ａにおいて、噛み合いながら回転している上下一対の延伸ロール４８，５０Ａの間に搬送する。上下一対の延伸ロール４８，５０Ａは、内層連続体１１６及び外層連続体１１８を、噛み合っている上方の延伸ロール５０Ａの突稜５１及び凹溝５３と、下方の延伸ロール４８の凹溝５７及び突稜５５の間で延伸して賦形する。このとき、上方の延伸ロール５０Ａは、突稜５１が内層連続体１１６と接触している部分を下方の延伸ロール４８の凹溝５７に押し込むことによって、コア対向溝２４を形成する。下方の延伸ロール４８は、突稜５５が外層連続体１１８と接触している部分を上方の延伸ロール５０Ａの凹溝５３内に押し込むことによって、非コア対向溝（第２溝）３５を形成する。なお、賦形工程は、賦形を行い易いように、延伸ロール４８，５０Ａを６０～１２０℃に加熱しながら賦形してもよい。賦形工程が終了したコアラップシート連続体１１１を巻取装置５２で巻き取り、コアラップシート連続体１１１を吸収性物品１用のコアラップシート１１Ａとして使用して公知の方法に従って吸収性物品１を製造することができる。

　賦形工程において、上方の延伸ロール５０Ａの突稜５１によって下方の延伸ロール４８の凹溝５７に押し込まれ、同時に下方の延伸ロール４８の突稜５５によって上方の延伸ロール５０Ａの凹溝５３に押し込まれる。外層連続体１１８は、突稜５１と突稜５５の間の部分（以下、「噛み合い部分」という。）において引き伸ばされながら、突稜５１と突稜５５とに沿って変形することによって、第１溝３３及び第２溝３５が形成される。

　内層連続体１１６をティッシュで形成し、外層連続体１１８をスパンボンド不織布で形成した場合、ティッシュの伸度は、スパンボンド不織布に比べ小さい。これによって、内層連続体１１６は、外層連続体１１８のようには伸びないため、上記噛み合い部分において部分的に引き裂かれる。このようにして内層連続体１１６は、外層連続体１１８の変形に追従することができず、セルロース繊維が破断することによって、表面に亀裂が部分的に生じ、内層連続体１１６を貫通した複数の開孔２７が形成される。したがって、複数のコア対向溝２４と同時に複数の開孔２７を形成することができるので、より効率的にコアラップシート１１Ａを製造することができる。

　上記吸収性物品１の作用及び効果について説明する。まず、トップシート３表面に排泄された体液はトップシート３を透過する。トップシート３を透過した体液は、上側コアラップシート１２Ａを通じて、肌対向面１５から吸収コア９Ａの内部へ透過し、一部が吸収コア９Ａで吸収される。吸収コア９Ａで吸収されなかった体液は、非肌対向面１７からしみ出し、非肌対向面１７とコア対向面２１の間の第１拡散空間へ到達すると共に、内層１６Ａの複数の開孔２７を通じて、非コア対向面２３と第１面２９の間の第２拡散空間へ到達する。内層１６Ａがセルロース繊維を５０質量％以上含むことによって拡散性に優れるため、体液は、内層１６Ａの内部、第１拡散空間、及第２拡散空間をそれぞれ拡散する。さらに、第１面２９に到達した体液は、第１溝３３を通じて拡散しながら、外層１８Ａの内部を透過し第２面３１とバックシート５の間の第３拡散空間へ到達する。第２面３１とバックシート５の間へ到達した体液は、第３拡散空間を通じて拡散する。したがって吸収性物品１は、第１拡散空間、第２拡散空間、及び第３拡散空間に加え、内層１６Ａの内部において生じる毛細管現象によって、より効率的に体液を拡散することができるので、液体吸収性をより高いレベルで維持することができる。外層１８Ａは、熱可塑性合成繊維を５０質量％以上含むことによって、繰り返し体液を吸収した場合でも強度が低下しにくいため、複数の第１溝３３及び複数の第２溝３５の変形を抑制することができる。したがって、吸収性物品１は、体液を繰り返し吸収した場合でも、複数の第１溝３３及び複数の第２溝３５を通じて多量の体液を拡散することができる。

　非コア対向面２３と第１面２９が互いに接合されていない場合、第２拡散空間がより確実に確保される。したがって、第２拡散空間を体液が、より確実に拡散することができる。内層溝２５を有する場合、吸収コア９Ａと内層１６Ａのコア対向面２１に透過した体液が内層溝２５を拡散することができる。内層溝２５が第１溝３３と重なったコア対向溝２４を有する場合、コア対向溝２４の内層溝２５が第１溝３３によって保持されるので、繰り返し体液を吸収した場合でも、コア対向溝２４の変形が抑制される。したがって、吸収性物品１は、コア対向溝２４を通じて多量の体液を拡散することができる。内層１６Ａがティッシュで形成され、内層１６Ａと吸収コア９Ａがホットメルト接着剤によって接合されている場合、内層１６Ａのティッシュは繊維密度が高く、その分、内層１６Ａとホットメルト接着剤との接触面積が広くなるので、吸収コア９Ａとの接着性が高い。したがって、吸収性物品１は、繰り返し体液を吸収した場合でも、型崩れを抑制することができる。外層１８Ａが、上記のとおり複数の第１畝３７（第２溝３５）及び複数の第１溝３３を有することによって、外層１８Ａの柔軟性及び伸縮性が向上し、コアラップシート１１Ａが着用者の動きに追従して変形する能力を高めることができ、吸収性物品１の装着感を向上することができる。第１畝３７が、開孔２７を通じて上記接着部によって非肌対向面１７と接合している場合、体液を吸収した内層１６Ａが変形しても、外層１８Ａと吸収コア９Ａの位置ずれを防止することができる。

　本発明の吸収性物品は、上述した各実施形態に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜組合せや変更等が可能である。例えば、内層溝２５、第１溝３３、及び第２溝３５は、長手方向Ｌに延びる場合について説明したが、短手方向Ｗに延びるように形成してもよい。この場合、図５に示した賦形工程において、図６に示した一対の延伸ロール４８，５０Ａに変えて複数の突稜と複数の凹溝の向きが異なる一対の延伸ロール（図示しない）を用いてもよい。例えば、上方の延伸ロールの複数の突稜と複数の凹溝は、ロールの幅方向に伸び、ロールの周方向に一定の間隔で交互に配設される。一方、下方の延伸ロールは、外周面に、上方の延伸ロールの突稜と噛み合うように設けられた複数の凹溝と、上方の延伸ロールの凹溝と噛み合うように設けられた複数の突稜を備える。内層溝２５、第１溝３３、及び第２溝３５が短手方向Ｗに延びる場合、開孔は短手方向Ｗに細長い楕円形状、菱形形状でもよい。

　図７Ａは、第１実施形態の変形例（１）に係る図１のＩＩ－ＩＩ線に沿った吸収体７Ｂの断面図である。コアラップシート１１Ｂは、非肌対向面１７において接合されていてもよい。コアラップシート１１Ｂは、上側コアラップシート１２Ｂと下側コアラップシート１４Ｂとを備える。下側コアラップシート１４Ｂは、非肌対向面１７と同じか非肌対向面１７より一回り小さい外形形状を有し、内層１６Ａと外層１８Ｂとを有する。上側コアラップシート１２Ｂは、肌対向面１５及び側面を覆っている。上側コアラップシート１２Ｂは、短手方向Ｗの端部を、肌対向面１５から側面を覆って、下側コアラップシート１４Ｂの短手方向Ｗの端部に重ねた状態で、非肌対向面１７において、下側コアラップシート１４Ｂに接合されている。

　図７Ｂは、第１実施形態の変形例（２）に係る図１のＩＩ－ＩＩ線に沿った吸収体７Ｃの断面図である。コアラップシート１１Ｃは、上側コアラップシートと下側コアラップシートとを一体とした一体シートを用いてもよい。一体シートからなるコアラップシート１１Ｃは、非肌対向面１７を覆う非肌対向領域５９と、側面を覆う一対の側面領域６１と、肌対向面１５を覆う一対の肌対向領域６３とを有する。非肌対向領域５９は、コアラップシート１１Ｃの短手方向Ｗの中央に配置される。非肌対向領域５９のコアラップシート１１Ｃと吸収コア９Ａの間に、内層１６Ａが配置される。非肌対向領域５９において、コアラップシート１１Ｃは、非コア対向面２３に接する第１面２９と、第１面２９と反対側の第２面３１と、第１面２９に厚さ方向Ｔへ窪んだ複数の第１溝３３と、第２面３１に厚さ方向Ｔへ窪んだ複数の第２溝３５とを有する。一対の側面領域６１のそれぞれは、非肌対向領域５９の短手方向Ｗの両端部に連続して配置されている。一対の肌対向領域６３のそれぞれは、一対の側面領域６１のそれぞれの短手方向Ｗの端部に連続して配置されている。コアラップシート１１Ｃは、非肌対向面１７を内層１６Ａと共に非肌対向領域５９で覆い、吸収コア９Ａの両側面を一対の側面領域６１のそれぞれで覆い、肌対向面１５に一対の肌対向領域６３を重ねた状態で、肌対向面１５において一対の肌対向領域６３が互いに接合されている。

　コアラップシートは、非肌対向面１７を含む吸収コア９Ａの全体を覆う場合に限らず、非肌対向面１７のみを覆うこととしてもよいし、肌対向面１５のみを覆うこととしてもよい。コアラップシートは、吸収コア９Ａの側面を除く、肌対向面１５及び非肌対向面１７を覆うこととしてもよい。

　図８は、第１実施形態の変形例（３）に係る吸収体７Ｄの部分拡大断面図である。コアラップシート１１Ｄは、肌対向面１５を覆う上側コアラップシート１２Ｃを備える。上側コアラップシート１２Ｃは、吸収コア９Ａに対面した内層１６Ａと、内層１６Ａの吸収コア９Ａと反対側に配置された外層１８Ａとを有する。外層１８Ａは、トップシート３に接している。トップシート３表面に排泄され、トップシート３を透過した体液は、この場合、トップシート３と外層１８Ａの間の第３拡散空間へ到達すると共に、外層１８Ａを透過し外層１８Ａと内層１６Ａの間の第２拡散空間へ到達する。さらに体液は、内層１６Ａの複数の開孔２７（本図には図示しない）を通じて、内層１６Ａと吸収コア９Ａの間の第１拡散空間へ到達する。内層１６Ａの拡散性によって、体液は、内層１６Ａの内部、第１拡散空間、及び第２拡散空間をそれぞれ拡散する。さらに、体液は第２溝３５を有する第３拡散空間を通じて拡散する。したがって上記第１実施形態と同様の効果を得ることができる。

　内層の開孔は、例えば、ニードルを内層の厚さ方向に突き刺すことによって、形成してもよい。このようにあらかじめ開孔が形成された内層を、第１溝及び第２溝を有する外層に重ね、コアラップシートとして用いてもよい。

　第１実施形態において吸収性物品が使い捨ておむつである場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。吸収性物品は、例えば、尿を主に吸収する吸収性物品、例えば、尿取りパッド、動物用の排尿シート等、経血等を主に吸収する吸収性物品、例えば、生理用ナプキン、パンティーライナー等が挙げられる。

２．第２実施形態
　第２実施形態に係る吸収性物品は、上記第１実施形態に対し、コアラップシートが異なる。上記第１実施形態と同様の構成には同様の符号を付し、説明を省略する。なお図９に示すコアラップシートは、下側コアラップシートのみを示しているが、図８に示したように上側コアラップシートに適用してもよい。

　図９に示すコアラップシート１１Ｅは、内層１６Ｂと外層１８Ｄとを含む下側コアラップシート１４Ｃを備える。外層１８Ｄは、第１面２９と第２面３１とを有し、第１面２９に複数の第１溝３３と、第２面３１に複数の第２溝３５とを有する。第１溝３３同士の間には、第１面２９から厚さ方向Ｔへ凸となる第１畝３７が設けられている。第１溝３３及び第１畝３７は、長手方向Ｌに平行な方向へ延び、かつ、短手方向Ｗにあらかじめ定められた間隔で交互に設けられている。第１溝３３は短手方向Ｗの中央に第１底部６５を有する。第１底部６５に、凹部６７が形成されている。凹部６７は、第１底部６５から厚さ方向Ｔへ窪んでおり、長手方向Ｌへ不連続に設けられている。各凹部６７は、周壁部６８及び第２底部７１を有する。周壁部６８は、長手方向Ｌに延び相互に向かい合う一対の第１周壁部６９と、短手方向Ｗに延び相互に向かい合う一対の第２周壁部７０とを備える。

　周壁部６８は、周壁部６８を貫通し、第２面３１へ通じる孔部７２を有していてもよい。孔部７２を通じて外層１８Ｄの第１面２９側から第２面３１側に体液が移行することができるため、外層１８Ｄの第１面２９側から第２面３１側への体液の移行を促進することができる。孔部７２は、第１周壁部６９における凹部６７の第２底部７１寄りの位置に形成されており、各凹部６７に２つの孔部７２が存在する。かかる孔部７２は、第２周壁部７０に設けられていない。孔部７２は、一対の第１周壁部６９に設けられている場合について説明したが、一対の第２周壁部７０に設けられていてもよく、また、いずれか１つの周壁部６８に設けられていてもよい。

　第１面２９側において、第１底部６５の高さから第２底部７１の上面側の高さまでの距離（以下、「上面側凹部深さ」という）は、上面側畝部高さの１０～８０％であることが好ましく、さらに好ましくは１５～７０％、より好ましくは２０～６０％である。上面側凹部深さが上記範囲内であれば、体液を貯留するのに十分な容積を有する空間を凹部６７内に確保することができる。凹部６７の長手方向Ｌの長さは、好ましくは０．２５～５ｍｍ、さらに好ましくは０．５～３ｍｍ、より好ましくは０．７５～２ｍｍである。凹部６７の短手方向Ｗの長さは、上面側畝部間隔によるが、好ましくは０．２５～５ｍｍ、さらに好ましくは０．５～３ｍｍ、より好ましくは０．７５～２ｍｍである。凹部６７の長手方向Ｌ及び／又は短手方向Ｗの長さが上記範囲内であると、吸収コアを透過した体液を凹部６７に一次的に貯留するという効果を十分に発揮することができる。上面側凹部深さ、凹部６７の長手方向Ｌの長さ及び凹部６７の短手方向Ｗの長さは、２次元レーザー変位計を用いて測定される。２次元レーザー変位計としては、例えば、キーエンス株式会社製の高精度２次元レーザー変位計ＬＪ－Ｇシリーズ（型式：ＬＪ－Ｇ０３０）が挙げられる。

　孔部７２は、凹部６７に隣接する第２溝３５に向けて開口しており、第２溝３５が液輸送チャネルとして作用することができるため、体液の第１面２９から第２面３１側への移行、第２面３１側から第１面２９側への移行を促進することができる。その結果、吸収性物品は、体液を外層１８Ｄの面内方向に拡散させることを促進することができる。孔部７２は、外層１８Ｄの熱可塑性合成繊維を溶融せずに形成することが好ましい。熱可塑性合成繊維を溶融切断した場合には、繊維の端部が溶けて丸くなるために繊維径が大きくなり、その結果、孔部７２の周縁部において毛細管作用が生じにくくなるため、熱可塑性合成繊維を破断することにより孔部７２を形成することが好ましい。孔部７２の内部空間内には、その内部空間に架け渡された繊維と、一部の延出した繊維とが混在した状態となっていて、完全に開放された空間とはなっていないことが好ましい。孔部７２の内部空間の開孔率は、１～５０％であるのが好ましく、さらに好ましくは１．５～３５％、より好ましくは２．５～２０％である。孔部７２の内部空間の開孔率が上記範囲内であると、孔部７２によりもたらされる効果が十分であり、孔部７２が設けられた第１周壁部６９の強度が低くるのを抑制できる。ただし、孔部７２の内部空間の開孔率については、本発明の吸収性物品の種類や用途等に応じて、上記の範囲以外であってもよく、任意に設定することができる。

　内層１６Ｂの内層溝２５は、第１溝３３と重なっている。内層１６Ｂは、内層溝２５に複数の開孔２７を有する。複数の開孔２７は、長手方向Ｌに所定の間隔をあけ、内層溝２５の底部から頂部の間に複数列配置されている。図１０に示すように、開孔２７は、凹部６７に対応した短手方向Ｗの両側の位置にそれぞれ配置されている。図１０に示すように、開孔２７は、凹部６７の短手方向Ｗの両側にそれぞれ２行３列（６個ずつ）で配置されてもよい。

　コアラップシート１１Ｅは、平面視において、２段階に窪んだ外層１８Ｄを備えているため、厚み方向の嵩回復性が高い。したがって当該コアラップシート１１Ｅを備えた吸収性物品は、多量の尿等の体液に繰り返し曝された場合でも高い液体吸収速度をより維持することができる。また、外層１８Ｄの凹部６７は吸収コア側に開いた開口を有するため、吸収コアを透過した体液を上記の第１溝３３及び第２溝３５により拡散させつつ体液を凹部６７内の空間に一時的に貯留することができる。凹部６７に貯留された体液は、第１溝３３を通じて拡散し、及び／又は、毛細管現象により第２面３１側に移行し第２面３１側で流動し、外層１８Ｄの面内方向に拡散する。第２面３１側に移行した体液は、拡散後、再び外層１８Ｄを透過して第１面２９側に移行し、開孔２７を通じて内層１６Ｂと吸収コアの間へ移行して吸収コアにより吸収される。

　本実施形態に係るコアラップシートは、図５に示した製造装置４１において賦形装置４９Ａを図１１に示す賦形装置４９Ｂに置き換えることで製造することができる。賦形装置４９Ｂは、上下一対の延伸ロール４８，５０Ｂを備えている。下方の延伸ロール４８は、複数の突稜５５と、複数の突稜５５のそれぞれの間に配設された複数の凹溝５７とを備える。複数の突稜５５と複数の凹溝５７とは、周方向に延び、ロール幅方向に一定の間隔で交互に配設されている。一方、上方の延伸ロール５０Ｂは、外周面に、下方の延伸ロール４８の凹溝５７と噛み合うように設けられた複数のピン５４を備えている。ピン５４は、ロール幅方向に対しては、上方の延伸ロール５０Ｂの突稜５５と接触しないように一定の間隔で配設されていると共に、ロールの周方向に対しては、外周面に沿って一定の間隔でほぼ直線的に配設されている。上方の延伸ロール５０Ｂは、上方の延伸ロール５０Ｂの外周面に千鳥状に複数のピン５４を配設してもよい。

　賦形工程において、下方の延伸ロール４８は、突稜５５が外層連続体１１８と接触している部分を上方の延伸ロール５０Ｂの方向に押し込み、これにより第１畝３７（第２溝３５）が賦形される。一方で、上方の延伸ロール５０Ｂは、周方向に一列に並んでいる複数のピン５４が、そのピン５４の先端部分に接触している内層連続体１１６を、下方の延伸ロール４８の同一の凹溝５７内に押し込む。このとき、内層連続体１１６及び外層連続体１１８のうち、ピン５４と非接触状態で凹溝５７内に引っ張られた部分はコア対向溝２４となる。また、ピン５４の先端部分と接触していた部分は、凹溝５７内に強く押し込まれて賦形されるため、第１畝３７及び第１溝３３が長手方向Ｌに延びる第１周壁部６９、ロール幅方向に延びる第２周壁部７０、及び第２底部７１を有する凹部６７が形成される。なお、凹部６７の第２底部７１は、形成時において、上方の延伸ロール５０Ｂと下方の延伸ロール４８とが内層連続体１１６及び外層連続体１１８を噛み込んだ状態で、ピン５４の先端部分が外層連続体１１８の当接部分を凹溝５７内に押し込んで形成される。

　外層連続体１１８において、ピン５４の先端部分の幅方向（ロール幅方向）の両端部に接触していた部分は、突稜５５が外層連続体１１８を上方の延伸ロール５０Ｂの方向に押し込む際に発生する張力も手伝って、ピン５４が第１周壁部６９を形成する熱可塑性合成繊維を掻き分けたり、あるいは、繊維を破断して、破断端部を有する破断繊維を形成したりする。これにより、凹部６７に、破断繊維の破断端部が含まれた孔部７２が形成される。なお、一部の熱可塑性合成繊維は、孔部７２の内部空間に架け渡された状態で残り、また、一部の破断繊維の破断端部は内部空間内に延出した状態となる。ここで、孔部７２が形成されるのは、外層連続体１１８の搬送方向ＭＤに沿う方向、即ち、延伸ロール４８の回転方向であって、第１畝３７及び第１溝３３が延びる方向であることから、孔部７２も第１畝３７及び第１溝３３が延びる方向に沿う第１周壁部６９に形成される。凹部６７は略直方体状に形成されている場合について説明したが、凹部６７の形状については、円柱状や角柱状等、任意の形状とすることができる。

　内層連続体１１６をティッシュで形成し、外層連続体１１８をスパンボンド不織布で形成した場合、ティッシュの伸度は、スパンボンド不織布に比べ小さい。これによって内層連続体は、外層連続体１１８のようには伸びないため、ピン５４の先端部分が当接した位置において、引き裂かれる。このように、特に外層連続体１１８の凹部６７が形成される部分において、外層連続体１１８の変形に追従することができずセルロース繊維が破断することによって、亀裂が部分的に生じ、内層連続体１１６に複数の開孔２７が形成される。なお、一部のセルロース繊維は、開孔２７の内部空間に架け渡された状態で残り、また、一部の破断したセルロース繊維の破断端部は内部空間内に延出した状態となる。図９及び図１０において、開孔２７は、長手方向Ｌに不連続、すなわち凹部６７に対応した位置に部分的に形成されている場合について図示したが、これに限らず、凹部６７の間にも形成されていてもよい。

３．第３実施形態
　第３実施形態に係る吸収性物品は、上記第１実施形態に対し、吸収コアが異なる。第３実施形態に係る吸収コアは、溝部を有している。溝部は、長手方向Ｌ又は短手方向Ｗに延びていてもよく、直線状、非直線状、例えば、湾曲状に延びていてもよい。溝部は、平面視において環状に形成されていてもよい。溝部は、主溝部を備えていてもよい。溝部は、主溝部及び従溝部を備えていてもよい。以下の説明において、「主溝部」は、長手方向Ｌと平行な方向に延びる溝部のみならず、長手方向Ｌに沿って延びる溝部を意味する。主溝部は、長手方向Ｌとなす角度が、好ましくは４５°未満、より好ましくは３０°未満、さらにより好ましくは１５°未満である。主溝部は、直線状、非直線状、例えば、湾曲状に延びることができる。本明細書において、主溝部の幅は、対象部分における、主溝部が延びる方向と直交する方向における主溝部の長さを意味する。「従溝部」は、短手方向Ｗと平行又は略平行な方向に延びる溝部のみならず、長手方向Ｌ以外の方向に延びる溝部を意味する。従溝部は、主溝部と連通する場合、連通する部分（基端）における主溝部（又は主溝部の接線）となす角度が、好ましくは４５°以上、より好ましくは６０°以上、さらにより好ましくは８０°以上である。従溝部は、直線状、非直線状、例えば、湾曲状に延びることができる。本明細書において、従溝部の幅は、対象部分における、従溝部が延びる方向と直交する方向における従溝部の長さを意味する。

　図１２に示す吸収コア９Ｂは、図１に示した吸収体７Ａと同様の外形形状を有する。すなわち、吸収コア９Ｂは、第１端部１２１、括れ部１４１、第２端部１３１を、長手方向に順に有する。吸収コア９Ｂは、図１３に示すように、肌対向面１５側の肌側層７６Ａと、非肌対向面１７側の非肌側層７８Ａとを含む。肌側層７６Ａは、肌側層７６Ａを厚さ方向Ｔに貫通する複数の溝部８０Ａと、複数の溝部８０Ａ同士の間に設けられた基部８２Ａとを備える。

　溝部８０Ａは、複数の主溝部７９Ａと、複数の従溝部８１Ａとを有する。複数の主溝部７９Ａは、それぞれ、肌対向面１５から非肌対向面１７へ向かって、吸収コア９Ｂの厚さ方向Ｔに窪んでおり、かつ、長手方向Ｌに延びている。第３実施形態の場合、主溝部７９Ａは、第１端部１２１の端８４、及び第２端部１３１の端８５をそれぞれ基端とし、短手方向Ｗに均等に４本ずつ配置されている。第１端部１２１及び第２端部１３１の４本の主溝部７９Ａのうち、内側の２本は、括れ部１４１より第１端部１２及び第２端部１３側にそれぞれ先端を有している。主溝部７９Ａは、吸収体７Ａの厚みの、好ましくは０．５～３．０倍、より好ましくは０．８～２．５倍、そしてさらに好ましくは１．０～２．０倍の幅を有する。主溝部７９Ａの幅が上記範囲内にあると、吸収性物品１が体液を吸収した後に、主溝部７９Ａがその通水機能を保持しやすい。複数の従溝部８１Ａは、それぞれ、基端が主溝部７９Ａに連通しており、短手方向Ｗに延びた位置に先端を有している。従溝部８１Ａは、第１端部１２１から括れ部１４１、及び第２端部１３１から括れ部１４１へかけて、主溝部７９Ａが傾斜している範囲においても、短手方向Ｗに沿って延びている。従溝部８１Ａの深さ及び幅は、主溝部７９Ａの深さと同じである。従溝部８１Ａは、通常、主溝部７９Ａの両側に形成されるが、吸収コア９Ｂの短手方向Ｗの最も外側にある両端の主溝部７９Ａでは、それの主溝部７９Ａの外側の従溝部８１Ａを省略することも可能である。基部８２Ａは、従溝部８１Ａ同士の間にある幅狭部８６と、主溝部７９Ａ同士の間にある幅広部８８とを有する。

　非肌側層７８Ａは、厚さ方向Ｔにおいて、高吸収性ポリマー粒子の坪量が小さい低坪量部として、複数の溝部８０Ａと重複する位置に複数の溝部対応部９２と、複数の基部８２Ａと重複する位置に、複数の基部対応部９４とを備える。非肌側層７８Ａの非肌対向面１７は、平らである。複数の基部８２Ａ、複数の溝部対応部９２、及び複数の基部対応部９４は、一体に形成されてもよい。

　吸収コア９Ｂは、吸水性繊維９３及び高吸収性ポリマー粒子（ＳＡＰ）９５を含み、吸収性物品１に排出された体液を吸収、保持する機能を持つ。吸収コア９Ｂ全体に含まれる高吸収性ポリマー粒子に対する、非肌側層（溝部対応部９２、基部対応部９４）７８Ａに含まれる高吸収性ポリマー粒子の比率は、０％以上５０％未満であり、０％以上３０％未満であるのが好ましく、０％以上２０％以下であるのがより好ましい。肌側層７６Ａ及び非肌側層７８Ａにおける吸水性繊維の平均坪量は、いずれも、好ましくは５０～２５０ｇ／ｍ^２、より好ましくは８０～２００ｇ／ｍ^２である。非肌側層７８Ａにおける高吸収性ポリマー粒子の平均坪量は、好ましくは０～２００ｇ／ｍ^２、より好ましくは０～１５０ｇ／ｍ^２であり、肌側層７６Ａにおける高吸収性ポリマー粒子の平均坪量は、好ましくは１００～５００ｇ／ｍ^２、より好ましくは１５０～４００ｇ／ｍ^２である。非肌側層７８Ａにおける高吸収性ポリマー粒子の平均密度（以下、「第１平均密度」という。）は、肌側層（基部８２Ａ）６Ａにおける高吸収性ポリマー粒子の平均密度（以下、「第２平均密度」という。）よりも小さい。第１平均密度は、例えば０～０．１５ｇ／ｃｍ^３、０～０．１ｇ／ｃｍ^３、０～０．０８ｇ／ｃｍ^３であり、第２平均密度は、例えば０．０３～０．４ｇ／ｃｍ^３、０．０４～０．３５ｇ／ｃｍ^３、０．０５～０．３ｇ／ｃｍ^３である。

　吸収コア９Ｂは、例えば、主溝部７９Ａに対応する領域又は主溝部７９Ａと従溝部８１Ａに対応する領域に突起を有する凹部を含む型に、吸収コア９Ｂを構成する材料（たとえばパルプとＳＡＰ）を堆積することにより形成することができる。具体的には、同一出願人の特開２０１０－２３３８３９号公報、特開２０１４－１３６１２６号公報等に記載の方法に従って形成することができる。具体的には、パルプをハンマーミルで綿状に粉砕しながらサクションボックスの成形用凹部に空気搬送しながら積層する。成型用凹部には、溝部に対応した突起が設けられている。成型用凹部から取り出した後、上下逆にすることで吸収コア９Ｂを形成することができる。高吸収性ポリマー粒子（ＳＡＰ）のブレンド率は、パルプ供給時間を前半と後半に分け、ＳＡＰの供給量を変えることで、調整することができる。パルプとＳＡＰの供給時間の前半が肌側層７６Ａに、後半が非肌側層７８Ａに相当する。パルプとＳＡＰの供給時間の前半において、ＳＡＰの供給量を多くし、後半においてＳＡＰの供給量を少なくすることによって、低坪量部としての溝部対応部９２が非肌側層７８Ａに形成された吸収コア９Ｂを作製することができる。

　溝部８０Ａへ通水された体液は、主溝部７９Ａを通じて排泄部位から吸収コア９Ｂの長手方向Ｌに輸送されると共に、主溝部７９Ａ、及び主溝部７９Ａと連通した従溝部８１Ａから吸収コア９Ｂの内部に吸収される。さらに溝部対応部９２へ透過した体液は、基部対応部９４を通じて拡散し、同時に高吸収性ポリマー粒子を多く含み、密度の高い基部８２Ａへ吸い上げられ、高吸収性ポリマー粒子内に保持され得る。このように吸収性物品は、複数の溝部を通って吸収コアの排泄部位から離れた位置まで体液を輸送することによって、吸収コアのより広い面積で体液を吸収し、排泄部位付近における吸収コアの吸収力の低下を抑制する。したがって、体液を繰り返し吸収させても、上記サイクルを繰り返すことによって、吸収性物品１は、吸収コア全体の吸収性、例えば吸収速度を維持することができる。

　第３実施形態に係る吸収コア９Ｂは、コアラップシートによって内包され、吸収性物品に用いられる。コアラップシートは、セルロース繊維を５０質量％以上含む内層と、熱可塑性合成繊維を５０質量％以上含む外層とを有する。吸収性物品は、溝部を有する吸収コアと、拡散性に優れる内層とを備えることによって、液体吸収性をより高いレベルで維持することができる。吸収性物品は、内層を有することによって、耐変形性を向上することができる。内層を有する吸収性物品は、人工尿を吸収した状態で、ドールに履かせ、一定の動作を行ったところ、内層を有しない従来の吸収性物品に比べ、変形量が少ないことが確認された。

　内層は、内層の厚さ方向へ貫通する複数の開孔を有してもよい。外層は、第１面に厚さ方向Ｔへ窪んだ複数の第１溝と、第２面３１に厚さ方向Ｔへ窪んだ複数の第２溝とを有する。複数の第１溝のそれぞれと前記複数の第２溝のそれぞれとは、前記短手方向Ｗに平行な方向へ所定の間隔で交互に配置されている。内層は、吸収コアと異なる色に着色されていてもよい。吸収体は、低坪量部を通して、着色された内層を視認することができる。体液を吸収していない吸収体は、低坪量部である溝部対応部９２を透過した内層の色によって溝部対応部９２の位置を確認することができる。したがってドライ時において使用者は、低坪量部を目印に位置合わせをすることができる。体液を吸収した後の吸収体は、吸収した体液によって湿潤するので、低坪量部を透過した内層を視認しにくくなる。したがってウェット時において使用者は、体液の吸収状態を視認することができる。ここで、内層の着色に用いる着色剤は、特に限定されず、当分野において公知の任意の着色剤（例えば、顔料、染料等）を採用することができる。さらに、この着色剤による着色手段も特に限定されず、内層は、例えば、着色剤を塗工または印刷することによって着色してもよいし、着色剤を内層の構成成分に含有させることによって着色してもよい。

　吸収コアは、非肌側層に溝部を有してもよい。図１４に示す吸収コア９Ｂ’は、非肌側層７８Ｂに、非肌側層７８Ｂを厚さ方向Ｔに貫通する複数の溝部８０Ａと、複数の溝部８０Ａ同士の間に設けられた低坪量部としての基部８２Ｂとを備える。肌側層７６Ｂは、溝部８０Ａに対応した位置に低坪量部としての溝部対応部９６と、基部対応部９８とを備える。基部８２Ｂの高吸収性ポリマー粒子の平均密度は、好ましくは０～０．１５ｇ／ｃｍ^３、より好ましくは０～０．１ｇ／ｃｍ^３である。溝部対応部９６の高吸収性ポリマー粒子の平均密度は、好ましくは０～０．１５ｇ／ｃｍ^３、より好ましくは０～０．１ｇ／ｃｍ^３である。基部対応部９８の高吸収性ポリマー粒子の平均密度は、好ましくは０．１～０．３ｇ／ｃｍ^３、より好ましくは０．１～０．２ｇ／ｃｍ^３である。吸収コア９Ｂ’は、吸収コア９Ｂと同様の方法によって作製し、成型用凹部から取り出した後、上限逆にせずにそのままの向きとすることで、得られる。第３実施形態は、上記第１実施形態又は上記第２実施形態と組み合わせることができ、組み合わせることによって、上記第１実施形態と同様の効果を得ることができる。

４．評価
　実際に上記実施形態に対応した吸収性物品を作製し、評価を行った。以下、実施例を示して本発明を説明するが、本発明はこの実施例に限定されない。
　（１）試料
　［下側コアラップシートＡ］
　親水性ポリプロピレンスパンボンド（ＰＰＳＢ）不織布（坪量：１５ｇ／ｍ^２）を原反として図５及び図１１に示した製造装置４１を用いて加工することによって下側コアラップシートＡを作製した。具体的には、上記ポリプロピレンスパンボンド不織布を、外周面温度が９０～９５℃である一対の加熱ロールで予熱後、一対の延伸ロールにより賦形した。不織布の搬送速度は１５０ｍ／分であった。賦形された不織布は、複数の第１溝及び第２溝を有し、延伸ロールと当接した面に図９に示した凹部に相当する凹部を複数有していた。上記複数の第１溝及び第２溝は、当該コアラップシートの一方の端縁から他方の端縁まで連続して延びていた。賦形された不織布において、複数の凹部を有する側が、吸収性物品におけるシートのコア対向面側に対応する。賦形された不織布を３５５ｍｍ×１４０ｍｍのサイズに裁断して下側コアラップシートＡを作製した。電子顕微鏡観察により求めた場合、下側コアラップシートＡの上面側において、連続する第１溝の底部から連続する第１畝の頂部までの高さは１．０ｍｍであり、隣り合う第１畝の頂部間の間隔は１．０ｍｍであった。凹部は略直方体状の空間を有し、凹部の深さは、約０．２ｍｍであった。
　［下側コアラップシートＢ］
　セルロース繊維として木材パルプからなるティッシュ（坪量：１６ｇ／ｍ^２、３５５ｍｍ×１４０ｍｍ）を内層とし、当該内層に上記下側コアラップシートＡを外層として重ねて、下側コアラップシートＢを作製した。下側コアラップシートＢのティッシュは、賦形加工されていない。
　［下側コアラップシートＣ］
　セルロース繊維として木材パルプからなるティッシュ（坪量：１６ｇ／ｍ^２）を内層連続体１１６とし、親水性ポリプロピレンスパンボンド（ＰＰＳＢ）不織布（坪量：１５ｇ／ｍ^２）を外層連続体１１８として図５及び図１１に示した製造装置４１を用いて加工した。具体的な条件は、上記下側コアラップシートＡと同じである。賦形された２枚重ねの不織布は、ティッシュとポリプロピレンスパンボンド不織布が重なった状態で保持されており、複数のコア対向溝及び非コア対向溝（第２溝）を有していた。コア対向溝は、ティッシュの内層溝と、ポリプロピレンスパンボンド不織布の第１溝が重なっていた。内層連続体及び外層連続体は、図９に示した開孔に相当する開孔、凹部に相当する凹部を複数有していた。賦形された不織布を３５５ｍｍ×１００ｍｍのサイズに裁断して下側コアラップシートＣを作製した。
　［下側コアラップシートＤ］
　下側コアラップシートＣを作製する際に得られた賦形された２枚重ねの不織布において、ティッシュをポリプロピレンスパンボンド不織布から剥がした。ティッシュを３５５ｍｍ×１００ｍｍのサイズに、ポリプロピレンスパンボンド不織布を３５５ｍｍ×１４０ｍｍのサイズに、それぞれ裁断した。再度ティッシュをポリプロピレンスパンボンド不織布に、互いの短手方向の中心が一致するように重ね、下側コアラップシートＤを作製した。ティッシュをポリプロピレンスパンボンド不織布から一度剥がしているので、ティッシュの内層溝と、ポリプロピレンスパンボンド不織布の第１溝の位置は、ずれており、重なってはいなかった。
　［上側コアラップシート］
　親水性ポリプロピレンスパンボンド（ＰＰＳＢ）不織布（坪量：１５ｇ／ｍ^２）を３５５ｍｍ×１００ｍｍ又は３５５ｍｍ×１４０ｍｍのサイズに裁断して２種類のサイズの上側コアラップシートＤを作製した。
　図２に示したように、下側コアラップシートで吸収コアの非肌対向面から側面を覆う場合、３５５ｍｍ×１００ｍｍのサイズの上側コアラップシートを用いた。当該上側コアラップシートで肌対向面を覆い、肌対向面において下側コアラップシートと上側コアラップシートを接合した。肌対向面で接合された吸収体を下記表１では、「上側及び下側コアラップシートの接合位置」について、「上面側」と表す。
　図７Ａに示したように、上側コアラップシートで吸収コアの肌対向面から側面を覆う場合、３５５ｍｍ×１４０ｍｍのサイズの上側コアラップシートを用いた。下側コアラップシートで非肌対向面を覆い、非肌対向面において上側コアラップシートと下側コアラップシートを接合した。非肌対向面で接合された吸収体を下記表１では、「上側及び下側コアラップシートの接合位置」について、「下面側」と表す。
　［吸収コアＡ］
　表１に記載の坪量になるように吸水性繊維（パルプ）をハンマーミルで綿状に粉砕しながらサクションボックスの３３５ｍｍ×１００ｍｍ（長手方向×短手方向）のサイズを有する成形用凹部に空気搬送しながら積層し、成型用凹部から取り出した後、上下逆にすることで吸収コアを形成する。高吸収性ポリマー粒子（ＳＡＰ）のブレンド率は、パルプ供給時間を前半と後半に分け、ＳＡＰの供給量を変えることで、調整した。パルプとＳＡＰの供給時間の前半が肌側層に、後半が非肌側層に相当する。前半と後半のＳＡＰ供給量を同量とすることで、均一ブレンドの吸収コアＡを得た。
　［吸収コアＢ］
　肌対向面に溝部を有する吸収コアＢは、溝部に対応した突起を有する成型用凹部を用いる以外は、吸収コアＡと同様の手順で作製した。肌側層と非肌側層の高吸収性ポリマー粒子（ＳＡＰ）のブレンド比１００／０は、前半においてＳＡＰの総供給量の全量を供給し、後半にＳＡＰを供給しないで積層することで作製した。このようにして、図１２に示した溝部に相当する溝部を肌側層に備えた吸収コアＢを得た。主溝部の短手方向長さは４ｍｍ、従溝部の短手方向長さは６ｍｍ、従溝部の長手方向長さは４ｍｍとした。
　［吸収性物品］
　非肌対向面に配置した下側コアラップシート、及び肌対向面に配置した上側コアラップシートで、吸収コアを覆い、吸収体を作製した。吸収体を油圧プレス機でプレスすることにより吸収コアの厚みを調整した。その後、各吸収体の肌側層側に液透過性シート（エアスルー不織布）を貼り付け、そして非肌側層側に液不透過性シート（ポリエチレンフィルム）を貼り付けた。それにより、実施例１～５、比較例１、及び参考例１の簡易の吸収性物品を作製した。
　（２）試験方法
　得られた吸収性物品サンプルを下記の試験法により評価し、評価結果を吸収体の構成とともに下記表１に示す。
　［吸収性試験］
（１）吸収性物品の長手方向の中央位置Ａに十字にマーク、更に、その長手方向の腹側寄り５０ｍｍの位置Ｂに十字のマークを付けた。吸収性物品を、側面視が略Ｕ字型であるＵ字器具にセットする。なお、吸収性物品は、Ｕ字器具に、吸収体の長手方向の中央位置Ａと、Ｕ字器具中央部（最も高さが低い位置）との位置を合わせるようにセットする。

＜第１サイクル＞
（２）吸収体の位置Ｂに、ビュレットから、８０ｍＬの人工尿（１回目）を、８０ｍＬ／１０秒の速度で注入する。
（３）１回目の人工尿の注入開始から、Ｕ字器具内の人工尿がなくなるまでの時間を、吸収時間（８０ｍＬ）として記録する。
＜第２サイクル＞
（４）１回目の人工尿の注入開始から１０分後、吸収体の位置Ｂに、ビュレットから、８０ｍＬの人工尿（２回目）を、８０ｍＬ／１０秒の速度で注入する。
（５）２回目の人工尿の注入開始から、Ｕ字器具内の人工尿がなくなるまでの時間を、吸収時間（１６０ｍＬ）として記録する。
＜第３サイクル＞
（６）　（４）及び（５）の操作を繰り返し、吸収時間（２４０ｍＬ）を測定する。
　なお、人工尿は、イオン交換水１０Ｌに、尿素２００ｇ、塩化ナトリウム８０ｇ、硫酸マグネシウム８ｇ、塩化カルシウム３ｇ及び色素：青色１号約１ｇを溶解させることにより調製した。

　実施例１～５は、コアラップシートが、内層と、外層とを有し、内層は、セルロース繊維を５０質量％以上含み、外層は、熱可塑性合成繊維を５０質量％以上含み、第１面に厚さ方向へ窪んだ複数の第１溝と、第２面に厚さ方向へ窪んだ複数の第２溝とを有し、複数の第１溝のそれぞれと複数の第２溝のそれぞれとは、所定の間隔で交互に配置されている。実施例１～５と比較例１を比較し、コアラップシートに内層を有していることによって、３サイクル目において吸収時間が短くなることが分かった。実施例１～４の内層は複数の開孔を有しているが、実施例５及び参考例１の内層は開孔を有していない。実施例１，２と参考例１を比較して、内層が開孔を有していることによって、３サイクル目の吸収時間がより短くなることが確認された。実施例１，２の吸収コアは溝部を有していないが、実施例３，４の吸収コアは溝部を有している。実施例１，２と実施例３，４を比較して、吸収コアが溝部を有することによって、３サイクル目の吸収時間がさらに短くなることが確認された。実施例５の内層は開孔を有していないが、吸収コアは溝部を有している。実施例５は、参考例１と比較して、吸収コアが溝部を有していることによって、吸収時間が大幅に短縮することが確認できた。

１　　　　　　　吸収性物品
３　　　　　　　トップシート
５　　　　　　　バックシート
７Ａ～７Ｄ　　　吸収体
９Ａ、９Ｂ　　　吸収コア
１１Ａ～１１Ｅ　コアラップシート
１５　　　　　　肌対向面
１６Ａ、１６Ｂ　内層
１７　　　　　　非肌対向面
１８Ａ、１８Ｄ　外層
２１　　　　　　コア対向面
２３　　　　　　非コア対向面
２５　　　　　　内層溝
２７　　　　　　開孔
２９　　　　　　第１面
３１　　　　　　第２面
３３　　　　　　第１溝
３５　　　　　　第２溝
７６Ａ、７６Ｂ　肌側層
７８Ａ、７８Ｂ　非肌側層
８０Ａ　溝部
８２Ａ　基部

Claims

　液透過性トップシートと、
　液不透過性バックシートと、
　前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収体と
を含む吸収性物品であって、
　前記吸収体は、
　肌対向面及び前記肌対向面と反対側の非肌対向面を有し、長手方向、短手方向及び厚さ方向を有する吸収コアと、
　前記肌対向面及び前記非肌対向面の少なくとも一方側に配置されたコアラップシートと
を含み、
　前記コアラップシートは、内層と、外層とを有し、
　前記内層は、セルロース繊維を５０質量％以上含み、前記吸収コアに接するコア対向面と、前記コア対向面と反対側の非コア対向面と、前記コア対向面から前記非コア対向面へ貫通する複数の開孔とを有し、
　前記外層は、熱可塑性合成繊維を５０質量％以上含み、前記非コア対向面に接する第１面と、前記第１面と反対側の第２面と、前記第１面に厚さ方向へ窪んだ複数の第１溝と、前記第２面に厚さ方向へ窪んだ複数の第２溝とを有し、
　前記複数の第１溝のそれぞれと前記複数の第２溝のそれぞれとは、所定の間隔で交互に配置されている、
　吸収性物品。
　前記非コア対向面と前記第１面とは互いに接合されていない、請求項１に記載の吸収性物品。
　前記複数の第１溝のそれぞれと前記複数の第２溝のそれぞれとは、前記長手方向に平行な方向へ延び、かつ前記短手方向に平行な方向へ所定の間隔で交互に配置されている、請求項１又は２に記載の吸収性物品。
　前記内層は、前記コア対向面に厚さ方向に窪んだ複数の内層溝を有する、請求項１～３のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　前記複数の内層溝のそれぞれは、前記複数の第１溝のそれぞれと重なっている、請求項４に記載の吸収性物品。
　前記内層がティッシュであり、前記外層がスパンボンド不織布である、請求項１～５のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　前記内層と前記吸収コアとが、ホットメルト接着剤によって接合されている、請求項６に記載の吸収性物品。
　前記外層と前記吸収コアとが、前記複数の開孔を通じて接合されている、請求項１～７のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　前記吸収コアが、周囲よりも吸収材料の坪量が小さい低坪量部を有し、
　前記内層が、前記吸収コアと異なる色に着色されている、
　請求項１～８のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　前記コアラップシートが、前記非肌対向面側に配置されている、請求項１～９のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　前記内層は、前記コア対向面に厚さ方向に窪んだ複数の内層溝を有し、前記複数の内層溝のそれぞれに前記複数の開孔のそれぞれが形成されている、請求項１０に記載の吸収性物品。
　前記吸収コアは、前記肌対向面を含む肌側層と、前記非肌対向面を含む非肌側層と、を含み、
　前記肌側層又は前記非肌側層は、
　前記厚さ方向に貫通する複数の主溝部を含む複数の溝部と、
　複数の基部と、
を備え、
　前記複数の溝部のそれぞれと前記複数の基部のそれぞれとは、交互に配置されている、
請求項１～１１のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　液透過性トップシートと、
　液不透過性バックシートと、
　前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収体と
を含む吸収性物品であって、
　前記吸収体は、
　肌対向面及び前記肌対向面と反対側の非肌対向面を有し、長手方向、短手方向及び厚さ方向を有する吸収コアと、
　前記肌対向面及び前記非肌対向面の少なくとも一方側に配置されたコアラップシートと
を含み、
　前記吸収コアは、前記肌対向面を含む肌側層と、前記非肌対向面を含む非肌側層と、を含み、前記肌側層又は前記非肌側層は、前記厚さ方向に貫通する複数の主溝部を含む複数の溝部と、複数の基部と、を備え、前記複数の溝部のそれぞれと前記複数の基部のそれぞれとは、交互に配置されており、
　前記コアラップシートは、内層と、外層とを有し、
　前記内層は、セルロース繊維を５０質量％以上含み、前記吸収コアに接するコア対向面と、前記コア対向面と反対側の非コア対向面とを有し、
　前記外層は、熱可塑性合成繊維を５０質量％以上含み、前記非コア対向面に接する第１面と、前記第１面と反対側の第２面と、前記第１面に厚さ方向へ窪んだ複数の第１溝と、前記第２面に厚さ方向へ窪んだ複数の第２溝とを有し、
　前記複数の第１溝のそれぞれと前記複数の第２溝のそれぞれとは、所定の間隔で交互に配置されている、
　吸収性物品。
　吸収コアと吸収コアラップシートを含む吸収体用のコアラップシートの製造方法であって、
　前記コアラップシートは、
　熱可塑性合成繊維を５０質量％以上含み、第１面と、前記第１面と反対側の第２面とを有する外層と、
　セルロース繊維を５０質量％以上含み、コア対向面と、前記コア対向面と反対側の非コア対向面とを有する内層と、
　を備え、
　前記外層からなる外層連続体を予熱するステップと、
　予熱された前記外層連続体と、前記内層からなる内層連続体とを、第１賦形部材及び第２賦形部材を備える一対の賦形部材の間に、前記第１面と前記非コア対向面が接する状態で搬送し、前記コア対向面に厚さ方向に窪んだ複数のコア対向溝と、前記第２面に厚さ方向に窪んだ複数の非コア対向溝と、前記内層連続体に前記コア対向面から前記非コア対向面へ貫通する複数の開孔と、を形成するステップと、
　を備える、コアラップシートの製造方法。