WO2022071343A1 - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

上層コア(31)と下層コア(32)を有する吸収性物品(1)において、下層コア(32)は、厚さ方向に凹んだ、所定方向に長さを有する溝(36)を有し、下層コア(32)は溝(36)が設けられた溝領域と溝(36)が設けられていない非溝領域とを有し、厚さ方向に見て上層コア(31)と下層コア(32)が重複する領域に少なくとも一部の溝領域が設けられており、溝領域の肌側部における高吸収性ポリマー(34)の平均密度は、非溝領域の肌側部における高吸収性ポリマー(34)の平均密度よりも低い。

Description

吸収性物品
 本発明は、吸収性物品に関する。
 特許文献1には、上層吸収体と下層吸収体の2層構成の吸収体を備えた吸収性物品が開示されている。上層吸収体の幅方向中央には、少なくとも上層吸収体を厚み方向に貫通するスリットが設けられている。また、上層吸収体の方が下層吸収体に比べて、パルプ繊維に対する高吸収性ポリマーの重量比率が高くなっている。そうすることで、排泄液は上層吸収体にも供給されるが、それよりも優先的にスリットを通して下層吸収体に供給される。下層吸収体に吸収された液分は、下層吸収体の吸収飽和後には、上層吸収体に吸い上げられ、上層吸収体の高吸収性ポリマーで保持される。そのため、リウェット(逆戻り)防止性に優れているとされている。
特開2017-63923号公報
 2層構成の吸収体では、吸収体の吸収量を増やすことができる。ただし、厚さ方向における上層吸収体(上層コア)と下層吸収体(下層コア)の境界部の空間において、排泄液が停滞しやすい。そうすると、下層吸収体の吸収量が減り、下層吸収体の吸収性能を有効に活用できない。 
 また、特許文献1のように上層吸収体に比較的に大きなスリットが設けられた場合、スリットの空間において排泄液が停滞しやすい。特許文献1では、下層吸収体における高吸収性ポリマーの重量比率を低くして、排泄液を吸収し、広範囲に拡散するとしている。しかし、それだけでは、スリットを通して局所的に供給された排泄液を下層吸収体が吸収して拡散するには限界があり、下層吸収体での排泄液の拡散性が不十分であるといえる。
 そこで、本発明は、上記のような問題を鑑みてなされたものであって、その目的は、上層コアと下層コアが積層された吸収性物品において、上層コアと下層コアの境界部における排泄液の停滞を抑制し、かつ、下層コアでの排泄液の拡散性を高めて、下層コアの吸収性能を有効に活用することを目的とする。
 上記目的を達成するための主たる発明は、長手方向と幅方向と厚さ方向を有し、吸収性コアを有する吸収性物品であって、前記吸収性コアは、上層コアと、前記上層コアよりも前記厚さ方向の非肌側に配置された下層コアとを有し、前記下層コアは、高吸収性ポリマーを有し、かつ、前記厚さ方向に前記下層コアの一部が凹んだ溝を有し、前記溝は、所定方向に長さを有し、前記下層コアは、前記厚さ方向に見て、前記溝が設けられた溝領域と、前記溝が設けられていない非溝領域とを有し、前記厚さ方向に見て、前記上層コアと前記下層コアが重複する領域に、少なくとも一部の前記溝領域が設けられており、前記下層コアを前記厚さ方向に二分したときに肌側に位置する部分を肌側部とし、非肌側に位置する部分を非肌側部としたとき、前記溝領域の前記肌側部における前記高吸収性ポリマーの平均密度は、前記非溝領域の前記肌側部における前記高吸収性ポリマーの平均密度よりも低いことを特徴とする吸収性物品である。 
 本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
 本発明によれば、上層コアと下層コアが積層された吸収性物品において、上層コアと下層コアの境界部における排泄液の停滞を抑制し、かつ、下層コアでの排泄液の拡散性を高めて、下層コアの吸収性能を有効に活用することができる。
パンツ型おむつ1(以下「おむつ」とも称す)の概略斜視図である。 展開かつ伸長状態のおむつ1を肌側から見た概略平面図である。 図2のa-a線での概略断面図である。 厚さ方向の肌側から見た上層コア31の平面図である。 厚さ方向の肌側から見た下層コア32の平面図である。 積層された上層コア31と下層コア32を厚さ方向の肌側から見た平面図である。 一部の上層コア31と下層コア32の概略断面図である。 図8Aは、図6のI-I線における断面模式図であり、図8Bは、図6のII-II線における断面模式図である。 図9Aは、コアラップシート39の概略斜視図であり、図9Bは、コアラップシート39の配置の変形例の説明図である。 図10A、図10Bは、溝35,36の変形例の説明図である。 図11A、図11Bは、溝35,36の変形例の説明図である。 第2実施形態における吸収性コア30の断面模式図である。 第3実施形態における吸収性コア30の断面模式図である。 図14A及び図14Bは、第4実施形態における吸収性コア30の断面模式図である。 展開かつ伸張状態である第5実施形態のおむつ1を肌側から見た概略平面図である。 図15中のA-Aにおける模式的断面図である。 積層された上層コア31と下層コア32を厚さ方向の非肌側から見た平面図である。 図18Aは、厚さ方向の肌側から見た上層コア31の平面図である。図18Bは、厚さ方向の非肌側から見た下層コア32の平面図である。 第5実施形態の変形例の吸収性コア30を厚さ方向の非肌側から見た平面図である。
 本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。 
 長手方向と幅方向と厚さ方向を有し、吸収性コアを有する吸収性物品であって、前記吸収性コアは、上層コアと、前記上層コアよりも前記厚さ方向の非肌側に配置された下層コアとを有し、前記下層コアは、高吸収性ポリマーを有し、かつ、前記厚さ方向に前記下層コアの一部が凹んだ溝を有し、前記溝は、所定方向に長さを有し、前記下層コアは、前記厚さ方向に見て、前記溝が設けられた溝領域と、前記溝が設けられていない非溝領域とを有し、前記厚さ方向に見て、前記上層コアと前記下層コアが重複する領域に、少なくとも一部の前記溝領域が設けられており、前記下層コアを前記厚さ方向に二分したときに肌側に位置する部分を肌側部とし、非肌側に位置する部分を非肌側部としたとき、前記溝領域の前記肌側部における前記高吸収性ポリマーの平均密度は、前記非溝領域の前記肌側部における前記高吸収性ポリマーの平均密度よりも低いことを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、上層コアを通液した排泄液を、高吸収性ポリマーの密度が低い下層コアの肌側部の溝領域内に引き込むことができる、又は溝の空間部に落とし込むことができる。よって、溝領域に沿って排泄液を所定方向に拡散できる。そのため、厚さ方向における上層コアと下層コアの境界部での排泄液の停滞を抑制でき、下層コアでの排泄液の拡散性を高めることができる。よって、下層コアの吸収性能を有効に活用できる。また、下層コアの非溝領域の肌側部で吸収された排泄液は、高吸収性ポリマーで保持されるため、上層コアへの排泄液のリウェットを抑制できる。
 かかる吸収性物品であって、前記吸収性コアは、その最大幅を前記幅方向に三分割することで区画される、幅方向中央部と、一対の幅方向側部と、を有し、かつ、展開かつ伸張状態の前記吸収性物品を前記長手方向に二分する中心線よりも前記長手方向の前側に位置する前側部と、前記中心線よりも前記長手方向の後側に位置する後側部と、を有し、前記後側部は、その最大長さを前記長手方向に三分割したときの中央領域である、後側第1領域を有し、前記前側部は、その最大長さを前記長手方向に三分割したときの中央領域である、前側第1領域を有し、前記後側第1領域の前記幅方向中央部に位置する前記下層コアの前記溝領域の面積を、前記後側第1領域の前記幅方向中央部の面積で除した値は、前記前側第1領域の前記幅方向中央部に位置する前記下層コアの前記溝領域の面積を、前記前側第1領域の前記幅方向中央部の面積で除した値よりも小さいことを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、着用者の体圧が加わりやすい後側第1領域の幅方向中央部では、下層コアの溝領域の面積率が小さいため、溝領域からリウェットする排泄液の量を軽減できる。一方、排泄口当接部、又はそれに近い部位となる、前側第1領域では、下層コアの溝領域の面積率が大きく、上層コアを通液した排泄液を、溝領域によって下層コアの内部に素早く引き込みつつ拡散できる。よって、上層コアと下層コアの境界部にて排泄液が停滞し、上層コアが排泄液を吸収しきれずに、吸収性物品の肌側面から排泄液が溢れて漏れてしまうことを抑制できる。
 かかる吸収性物品であって、前記後側第1領域の前記幅方向中央部に位置する前記下層コアは、前記所定方向である前記長手方向に長さを有する前記溝が1本だけ位置する領域を有することを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、着用者の体圧が加わりやすい後側第1領域の幅方向中央部では、複数の溝領域が幅方向に並ばない領域が存在するため、リウェットを抑制できる。また、排泄口当接部から後側第1領域に流れ、上層コアを通液した排泄液を、下層コアの溝領域によって、下層コアの内部に素早く引き込みつつ拡散できる。よって、排泄液の漏れを抑制できる。
 かかる吸収性物品であって、前記後側第1領域の前記幅方向中央部の方が、前記後側第1領域の一対の前記幅方向側部に比べて、前記吸収性コアの平均坪量が高く、前記後側第1領域の一対の前記幅方向側部にそれぞれ位置する前記下層コアは、前記所定方向である前記長手方向に長さを有する前記溝を有することを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、着用者の体圧が加わりやすい後側第1領域の幅方向中央部において、排泄液の吸水保持力が高まるため、リウェットを抑制できる。また、排泄口当接部から後側第1領域に流れてきた排泄液を、幅方向側部に位置する下層コアの溝領域によって、下層コアの内部に素早く引き込みつつ、長手方向に拡散できる。よって、排泄液の漏れ(横漏れ)を抑制できる。
 かかる吸収性物品であって、前記後側部は、前記後側第1領域よりも前記長手方向の前側に、後側第2領域を有し、前記前側部は、前記前側第1領域よりも前記長手方向の後側に、前側第2領域を有し、前記後側第2領域に位置する前記下層コアの前記溝領域と、前記前側第2領域に位置する前記下層コアの前記溝領域との、前記長手方向の間において、前記下層コアは、その前記幅方向の一端から他端に亘り前記非溝領域が連続している領域を有することを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、排泄口当接部、又はそれに近い部位となる前側第2領域に位置する下層コアの溝領域によって、多くの排泄液を、上層コアから下層コアの内部に素早く引き込みつつ拡散できる。吸収された排泄液を非溝領域において保持でき、リウェットを抑制できる。また、前側第2領域で吸収しきれずに後側に流れた排泄液を、後側第2領域に位置する下層コアの溝領域によって、下層コアの内部に素早く引き込みつつ拡散できる。よって、排泄液の漏れを抑制できる。
 かかる吸収性物品であって、前記後側部は、前記後側第1領域よりも前記長手方向の前側に、後側第2領域を有し、前記後側第2領域の前記幅方向中央部に位置する前記下層コアの前記溝領域の面積を、前記後側第2領域の前記幅方向中央部の面積で除した値は、前記後側第1領域の前記幅方向中央部に位置する前記下層コアの前記溝領域の面積を、前記後側第1領域の前記幅方向中央部の面積で除した値よりも大きいことを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、着用者の体圧が加わりやすい後側第1領域の幅方向中央部では、下層コアの溝領域の面積率が小さいため、リウェットを抑制できる。一方、排泄口当接部に近い部位となる後側第2領域では、下層コアの溝領域の面積率が大きいため、上層コアを通液した排泄液を、下層コアの溝領域によって下層コアの内部に素早く引き込みつつ拡散できる。よって、排泄液の漏れを抑制できる。
 かかる吸収性物品であって、前記前側部は、前記前側第1領域よりも前記長手方向の後側に、前側第2領域を有し、前記前側第1領域の前記幅方向中央部に位置する前記下層コアの方が、前記前側第2領域の前記幅方向中央部に位置する前記下層コアに比べて、前記所定方向である前記長手方向に長さを有する前記溝を数多く有することを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、着用者の股下部に当接する前側第2領域に比べて、前側第1領域は着用者の体圧が加わり難いため、溝の数が多くても、リウェットし難い。また、着用者が男性である場合、前側第1領域が、排泄口当接部又はそれに近い部位となるため、排泄口から排泄されて上層コアを通液した排泄液を、下層コアの多くの溝によって下層コアの内部に素早く引き込みつつ拡散できる。よって、排泄液の漏れを抑制できる。
 かかる吸収性物品であって、前記下層コアの平均坪量は、前記上層コアの平均坪量よりも高いことを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、上層コアの吸水保持力が比較的に小さくなるが、上層コアを通液した排泄液を、下層コアの溝によって下層コアの内部に素早く引き込みつつ拡散できる。よって、排泄液の漏れをより効果的に抑制できる。
 かかる吸収性物品であって、前記吸収性物品は、前記吸収性コアの前記幅方向の両側部において、肌側に起立可能な一対の防漏壁部を有し、展開かつ伸張状態の前記吸収性物品を前記厚さ方向に見たときに、前記下層コアは、少なくとも一部が前記防漏壁部と重なる前記溝領域を有することを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、防漏壁部で堰き止めて上層コアが吸収した排泄液を、下層コアの溝領域によって下層コアの内部に素早く引き込みつつ拡散できる。また、防漏壁部が存在する部位は、防漏壁部が緩衝材として機能し、体圧が加わり難いため、溝領域のリウェットを抑制できる。
 かかる吸収性物品であって、前記上層コアは、高吸収性ポリマーを有し、前記上層コアにおける前記高吸収性ポリマーの平均密度は、前記下層コアにおける前記高吸収性ポリマーの平均密度よりも高いことを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、下層コアが吸収した排泄液が上層コアにリウェットしても(特に下層コアの溝領域から上層コアに排泄液がリウェットしやすくとも)、上層コアの高吸収性ポリマーにて排泄液が保持される。そのため、吸収性物品の肌側面上へのリウェットを抑制できる。
 かかる吸収性物品であって、前記非溝領域の前記非肌側部における前記高吸収性ポリマーの平均密度は、前記非溝領域の前記肌側部における前記高吸収性ポリマーの平均密度よりも低いことを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、下層コアの溝領域を通液して非肌側部に移行した排泄液は、高吸収性ポリマーの密度が低い非溝領域の非肌側部に吸収されやすい。よって、下層コアの非肌側部での排泄液の拡散性が高まる。また、非溝領域の非肌側部に移行した排泄液は、非溝領域の肌側部に吸い上げられて、高吸収性ポリマーで保持されるため、上層コアへの排泄液のリウェットを抑制できる。
 かかる吸収性物品であって、前記溝は、前記下層コアの非肌側面から前記厚さ方向の肌側に凹んだ溝であることを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、下層コアの溝領域において非肌側部(溝の空間部)への通液性が高まる。そのため、下層コアの非肌側部まで排泄液をしっかり引き込んだ状態で、溝に沿って排泄液を拡散でき、下層コアの吸収性能を有効に活用できる。
 かかる吸収性物品であって、前記上層コアは、高吸収性ポリマーを備え、前記上層コアを前記厚さ方向に二分したときに肌側に位置する部分を肌側部とし、非肌側に位置する部分を非肌側部としたとき、前記下層コアの少なくとも一部において、前記下層コアの或る領域の前記肌側部における前記高吸収性ポリマーの平均密度は、前記或る領域に対向する前記上層コアの領域の前記非肌側部における前記高吸収性ポリマーの平均密度よりも高いことを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、上層コアから下層コアへの液移行の速度を適度に抑えることができる。そのため、上層コアでの排泄液の拡散性が高まり、それを受ける下層コアでは広い範囲に亘り排泄液が吸収される。
 かかる吸収性物品であって、前記溝は、前記所定方向である前記長手方向に長さを有する主溝と、前記主溝から前記幅方向に延在する従溝と、を有し、複数の前記主溝が前記幅方向に間隔を空けて並び、前記主溝から、前記長手方向に間隔を空けて複数の前記従溝が前記幅方向に延在していることを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、下層コアにおいて、排泄液を長手方向に拡散するとともに、従溝に沿って幅方向にも拡散できる。また、下層コアの柔軟性が高まり、下層コアが着用者の身体に沿って変形しやすくなる。
 かかる吸収性物品であって、前記上層コアは、高吸収性ポリマーを有し、かつ、前記厚さ方向に前記上層コアの一部が凹んだ第2の溝を有し、前記第2の溝は、前記長手方向に長さを有し、前記上層コアは、前記厚さ方向に見て、前記第2の溝が設けられた第2の溝領域と、前記第2の溝が設けられていない第2の非溝領域と、を有し、前記厚さ方向に見て、前記上層コアと前記下層コアが重複する領域に、少なくとも一部の前記第2の溝領域が設けられており、前記上層コアを前記厚さ方向に二分したときに肌側に位置する部分を肌側部とし、非肌側に位置する部分を非肌側部としたとき、前記第2の溝領域の前記肌側部における前記高吸収性ポリマーの平均密度は、前記第2の非溝領域の前記肌側部における前記高吸収性ポリマーの平均密度よりも低いことを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、上層コアの肌側面に排泄された排泄液を、高吸収性ポリマーの密度が低い第2の溝領域の肌側部内に引き込むことができる、又は、第2の溝領域の空間部に落とし込むことができる。よって、上層コアでの排泄液の拡散性が向上する。下層コアは上層コアで拡散された排泄液を受けて吸収するため、下層コアでの排泄液の拡散性も向上する。また、第2の非溝領域の肌側部で吸収された排泄液は、高吸収性ポリマーで保持されるため、上層コアの肌側面への排泄液のリウェットを抑制できる。
 かかる吸収性物品であって、前記第2の非溝領域の前記非肌側部における前記高吸収性ポリマーの平均密度は、前記第2の非溝領域の前記肌側部における前記高吸収性ポリマーの平均密度よりもが低いことを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、上層コアの第2の溝領域を通液して非肌側部に移行した排泄液は、高吸収性ポリマーの密度が低い第2の非溝領域の非肌側部に吸収されやすい。よって、上層コアの非肌側部での排泄液の拡散性が高まる。また、第2の非溝領域の非肌側部に移行した排泄液は、第2の非溝領域の肌側部に吸い上げられて、高吸収性ポリマーで保持されるため、上層コアの肌側面への排泄液のリウェットを抑制できる。
 かかる吸収性物品であって、前記第2の溝は、前記上層コアの肌側面から前記厚さ方向の非肌側に凹んだ溝であることを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、上層コアに排泄された排泄液を、上層コアの第2の溝の空間部に直ぐに落とし込み拡散できる。よって、上層コアの肌側面において排泄液が溢れてしまうことを抑制できる。
 かかる吸収性物品であって、前記厚さ方向に見て、前記下層コアの前記溝領域は、前記上層コアの前記第2の溝領域と重複する部分を有することを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、上層コアの第2の溝領域に吸収された多くの排泄液を、下層コアの溝領域に引き込むことができる。よって、上層コアの肌側面において排泄液が溢れてしまうことを抑制できる。
 かかる吸収性物品であって、前記下層コアは、着用者の股下部が当接する領域の前記幅方向の中央部において、前記下層コアを前記厚さ方向に貫通するスリットを有し、前記スリットは、前記長手方向に長さを有し、前記厚さ方向に見て、前記下層コアの前記スリットは前記上層コアと重複し、かつ、前記下層コアの前記スリットの少なくとも一部の領域では、前記上層コアの前記第2の溝領域と重複しないことを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、スリットにより吸収性コアの幅方向の中央部が肌側へ凸となるように変形しやすく、着用者の股下部への吸収性コアのフィット性が向上する。また、スリットが配された吸収性コアの部位と、上層コアの第2の非溝領域が重なることで、吸収性コアの剛性が低下し過ぎてしまうことを防ぎ、吸収性コアの型崩れを抑制できる。
 かかる吸収性物品であって、着用者の股下部が当接する領域に、前記長手方向に伸縮する弾性部材が配置されており、前記厚さ方向に見て、前記下層コアの前記スリットの全ての領域は、前記上層コアの前記第2の溝領域と重複せず、前記厚さ方向に見て、前記スリットは、前記弾性部材と重複する部分を有することを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、スリットと上層コアの溝領域が厚さ方向に重ならないため、上層コアからスリットに排泄液が移行し難くなり、スリットにおいて排泄液が停滞してしまうことを抑制できる。また、下層コアのスリットによる吸収性コアの肌側へ凸となる変形が、弾性部材により促進される。そのため、着用者の股下部への吸収性コアのフィット性が高まり、また、下層コアのスリット部分が折れて排泄液が停滞し難くなる。
 かかる吸収性物品であって、前記下層コアは、着用者の股下部が当接する領域の前記幅方向の側部において、前記下層コアを前記厚さ方向に貫通する一対のサイドスリットを有し、前記一対のサイドスリットよりも前記幅方向の外側であり、前記一対のサイドスリットの少なくとも一部と前記長手方向に重複する位置に、前記溝領域が設けられていることを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、下層コアのサイドスリットにより吸収性コアの幅方向の側部は肌側に立ち上がり、着用者の脚の付け根にフィットしやすくなる。その立ち上がった吸収性コアの側部は、溝領域により柔軟性が高まり、着用者の脚の付け根に沿って変形しやすく、フィット性が向上する。
 かかる吸収性物品であって、前記下層コアは、着用者の股下部が当接する領域の前記幅方向の中央部において、前記下層コアを前記厚さ方向に貫通するスリットを有し、前記スリットは、前記長手方向に長さを有し、前記溝領域は、前記所定方向である前記長手方向に長さを有し、前記下層コアは、前記スリットよりも前記長手方向の後側において、前記幅方向の一端から他端に亘り前記非溝領域が連続している領域を有し、前記非溝領域が連続している領域に、前記上層コアの前記長手方向の後端が位置していることを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、上層コアの後端に沿って下層コアは長手方向に折れ曲がりやすい。よって、下層コアの後端部は着用者の臀部に沿いやすく、吸収性コアのフィット性が向上する。
 かかる吸収性物品であって、前記下層コアは、前記上層コアの長手方向の端よりも長手方向の外側に延出しており、前記上層コアよりも前記長手方向の外側に延出した前記下層コアの部位に、前記溝領域が設けられていることを特徴とする吸収性物品。
 このような吸収性物品によれば、下層コアが上層コアから受けた排泄液を、上層コアと厚さ方向に重複しない下層コアの長手方向の端部まで拡散できる。また、溝領域によって下層コアの端部の柔軟性が高まり、着用者の下腹部や臀部にフィットしやすくなる。
 以下、本実施形態に係る吸収性物品の一例として、大人用のパンツ型おむつを例に挙げて説明する。ただし、吸収性物品は上記に限定されず、他の吸収性物品として、例えば、テープ型おむつ、子ども用のおむつ、軽失禁パッド、生理用ナプキン等が挙げられる。
===パンツ型おむつ1の基本構成===
 図1は、パンツ型おむつ1(以下「おむつ」とも称す)の概略斜視図である。図2は、展開かつ伸長状態のおむつ1を肌側から見た概略平面図である。図3は、図2のa-a線での概略断面図である。
 おむつ1の展開状態とは、後述する前側胴回り部21及び後側胴回り部22の接合部2が解除されて展開された状態である。おむつ1の伸長状態とは、おむつ1を皺なく伸長させた状態である。具体的には、おむつ1を構成する各資材の寸法が、おむつ1が有する弾性部材の影響を受けない状態で、その資材単体の寸法と一致又はそれに近い長さになるまで、おむつ1を伸長させた状態である。
 パンツ状態のおむつ1は、上下方向と幅方向と厚さ方向を有し、吸収性本体10と外装部材20を有する。上下方向において、おむつ1の胴回り開口BHが位置する側を上側とし、その反対側を下側とする。展開状態のおむつ1の長手方向が、パンツ状態のおむつ1の上下方向に対応し、吸収性本体10の長手方向に対応している。長手方向において着用者の腹部に当接する側を前側とし、着用者の臀部に当接する側を後側とする。また、厚さ方向において、着用者の肌に当接する側を肌側とし、その反対側を非肌側とする。
 外装部材20は、吸収性本体10よりも非肌側に配置され、前側胴回り部21と、後側胴回り部22と、股下部23を有する。展開状態のおむつ1が長手方向の略中央で二つ折りされ、前側胴回り部21と後側胴回り部22の幅方向の両端部が溶着等で接合されて、一対の接合部2が形成されることにより、おむつ1はパンツ型となる。
 前側胴回り部21及び後側胴回り部22には、幅方向に沿う胴回り弾性部材211,221(例えば糸ゴム)が上下方向(長手方向)に間隔を空けて複数配置されている。また、前側胴回り部21及び後側胴回り部22には、脚回り開口LHに沿って複数の脚回り弾性部材212,222(例えば糸ゴム)が配置されている。胴回り弾性部材211,221及び脚回り弾性部材212,222は、2層のシート(例えば不織布)の間に伸長状態で固定されている。
 股下部23は、前側胴回り部21と後側胴回り部22を繋ぐシート(例えば不織布)で構成される。ただし、外装部材20は股下部23を有さなくてもよい。
 吸収性本体10は、排泄液を吸収して保持する吸収性コア30と、吸収性コア30よりも肌側に配置された液透過性の表面シート11(例えば不織布や開孔を有する樹脂フィルム)と、表面シート11と吸収性コア30の間に配置された液透過性の中間シート12と、吸収性コア30よりも非肌側に配置された液不透過性のバックシート13(例えば樹脂フィルム)と、吸収性本体10の幅方向の側部に配置された一対のサイドシート14(例えば疎水性の不織布)と、防漏壁弾性部材15と、脚回り弾性部材16と、股下弾性部材17と、股下弾性部材17を非肌側から覆うカバーシート18を有する。
 詳細は図示しないが、サイドシート14は、バックシート13の非肌側面の幅方向の側部から表面シート11の肌側面の幅方向の側部に向かって折り返されている。防漏壁弾性部材15及び脚回り弾性部材16は、長手方向に伸長状態でサイドシート14に固定されている。防漏壁弾性部材15は、表面シート11の肌側面において、幅方向の内側に折り返されたサイドシート14の先端部に配置されている。脚回り弾性部材16は、吸収性本体10の幅方向の側部に配置されている。股下弾性部材17は、吸収性本体10の長手方向及び幅方向の中央部に配置されており、長手方向に伸長状態で、バックシート13とカバーシート18の間に固定されている。
 以上がパンツ型おむつ1の基本構成の説明であるが、パンツ型おむつ1の構成は上記に限定されるものではない。
===吸収性本体10(吸収性コア30)について===
<<第1実施形態>>
 図4は、厚さ方向の肌側から見た上層コア31の平面図である。図5は、厚さ方向の肌側から見た下層コア32の平面図である。図6は、積層された上層コア31と下層コア32を厚さ方向の肌側から見た平面図である。図7は、一部の上層コア31と下層コア32の概略断面図である。図8Aは、図6のI-I線における断面模式図であり、図8Bは、図6のII-II線における断面模式図である。図9Aは、コアラップシート39の概略斜視図であり、図9Bは、コアラップシート39の配置の変形例の説明図である。図10A、図10B、図11A、図11Bは、溝35,36の変形例の説明図である。
 吸収性コア30は、2層構造であり、上層コア31と、上層コア31よりも厚さ方向の非肌側に配置された下層コア32を有する。上層コア31及び下層コア32は、液体吸収性繊維33(パルプ繊維やセルロース系吸収性繊維等)と、高吸収性ポリマー34(SAP)を有する。
 上層コア31及び下層コア32の各平面形状は、長手方向の中央部が幅方向の内側に括れた砂時計形状である。図6に示すように、上層コア31よりも下層コア32の方がひと回り大きい形状であり、上層コア31は下層コア32の外周縁内に収まるように配置されている。
 上層コア31は、厚さ方向に上層コア31の一部が凹んだ溝35(第2の溝)を有し、厚さ方向に見て、溝35が設けられた溝領域A1(第2の溝領域)と、溝が設けられていない非溝領域A2(第2の非溝領域)を有する。溝35は、おむつ1の長手方向に長さを有する。上層コア31では、長手方向に延びた複数の溝35が、幅方向に間隔を空けて並ぶとともに、長手方向にも間隔を空けて並んでいる。また、第1実施形態の溝35は、上層コア31の肌側面から厚さ方向の非肌側に凹んだ上溝である。
 下層コア32も、厚さ方向に下層コア32の一部が凹んだ溝36を有し、厚さ方向に見て、溝36が設けられた溝領域A3と、溝36が設けられていない非溝領域A4を有する。ただし、下層コア32の溝36は、上層コア31の溝35とは逆に、下層コア32の非肌側面から厚さ方向の肌側に凹んだ下溝である。溝36は、おむつ1の長手方向(所定方向)に長さを有する。下層コア32では、長手方向に延びた複数の溝36が、幅方向に間隔を空けて並ぶとともに、長手方向にも間隔を空けて並んでいる。
 さらに、下層コア32は、下層コア32を厚さ方向に貫通する中央スリット37(スリット)と、一対のサイドスリット38を有する。中央スリット37は、長手方向に長い略長方形のスリットであり、おむつ1の股下領域の幅方向の中央部に設けられている。一対のサイドスリット38は、長手方向に長い略長方形のスリットであり、中央スリット37の幅方向の両外側の位置であり、中央スリット37の少なくとも一部と長手方向に重複する位置に設けられている。中央スリット37の方が、サイドスリット38に比べて、幅方向及び長手方向の長さが長い。また、厚さ方向に見て、中央スリット37の全てが上層コア31と重なるが、サイドスリット38の大部分が上層コア31と重なっていない。
 なお、おむつ1の股下領域とは、着用者の股下部が当接すると想定された領域である。具体的には、おむつ1の接合部2よりも上下方向の下側(長手方向の内側)の領域を股下領域とする。或いは、展開かつ伸長状態のおむつ1(図2)を長手方向に3分割したときの中央の領域を股下領域としてもよい。
 ここで、上層コア31及び下層コア32をそれぞれ厚さ方向に二分したときに肌側に位置する部分を肌側部311,321とし、非肌側に位置する部分を非肌側部312,322とする。具体的には、非溝領域A2,A4のうち最も厚い部分における厚さ方向の中心Cから水平に延びる仮想線を境に、肌側部311,321と非肌側部312,322に区分する。
 そして、上層コア31において、溝領域A1の肌側部311における高吸収性ポリマー34の平均密度は、非溝領域A2の肌側部311における高吸収性ポリマー34の平均密度よりも低くなっている。そのため、上層コア31の肌側面に排泄された排泄液は、非溝領域A2よりも、低SAP領域である溝領域A1に流れやすい。よって、排泄液は、長手方向に延びる溝領域A1に沿って長手方向に拡散される。
 特に、上層コア31の溝35は上溝である。よって、溝領域A1の肌側部311は溝35の空間部であり、溝領域A1の肌側部311における高吸収性ポリマー34の平均密度はより低くなっている(ゼロ又はゼロに近い)。上層コア31は排泄液を直接に受けるため、溝35を上溝にすることで、上層コア31の肌側面に排泄された排泄液を直ぐに溝35の空間部に落とし込んで、長手方向に拡散できる。よって、多くの排泄液が排泄された場合にも、上層コア31の肌側面上での排泄液の溢れを抑制できる。
 また、上層コア31の溝35が、仮に、厚さ方向に貫通するスリットであると、溝領域A1に沿って排泄液が拡散する前に下方へ移行し、排泄液が下層コア32の一部分でスポット吸収されてしまう。スポット吸収された部分から排泄液が拡散する範囲には限界があり、下層コア32の広い範囲で排泄液を吸収できなくなってしまう。上層コア31も、上層コア31で排泄液が拡散する前に下層コア32へ移行してしまうため、上層コア31の広い範囲で排泄液を吸収できなくなってしまう。
 これに対して、本実施形態の上層コア31の溝35は、厚さ方向に上層コア31の一部が凹んだ溝35(凹部)である。そのため、排泄液が溝領域A1から下層コア32に直ぐに移行してしまうことを防止でき、排泄液を溝領域A1に沿って上層コア31の広い範囲に拡散できる。
 また、図6に示すように、厚さ方向に見て、上層コア31と下層コア32が重複する領域に、上層コア31の一部の溝領域A1が設けられている。そのため、上層コア31の溝領域A1に沿って拡散された排泄液を下層コア32が受けて吸収できる。よって、下層コア32においても排泄液の拡散性が高く、下層コア32の広い範囲に亘り排泄液が吸収される。また、下層コア32の飽和吸収後は、上層コア31の広い範囲に亘り排泄液が拡散されて吸収される。
 なお、本実施形態の下層コア32は中央スリット37を有する。この場合、下層コア32のうち中央スリット37が配置されていない部分と厚さ方向に重なる上層コア31の部位に溝領域A1が設けられているとよい。そうすることで、溝領域A1に沿って拡散した排泄液を下層コア32が受けて吸収できる。
 また、本実施形態の上層コア31の溝35はスリットとは異なるため、溝領域A1において下層コア32が肌側に露出していない。そのため、上層コア31の溝領域A1と対向する下層コア32の部位に吸収された排泄液がリウェットして肌に触れてしまうことを防止できる。また、上層コア31の非溝領域A2の肌側部311は高SAP領域である。そのため、非溝領域A2の肌側部311が吸収した排泄液は、高吸収性ポリマー34でしっかりと保持される。よって、上層コア31の肌側面上に排泄液がリウェットしてしまうことを抑制できる。
 以上のように、本実施形態の吸収性コア30では、上層コア31と下層コア32での排泄液の拡散性が高く、吸収量が高まる。そのため、繰り返し排泄された場合にも、排泄液の溢れや漏れを抑制できる。また、排泄液のリウェットも抑制できる。
 また、図7では、上層コア31の溝35の底部が肌側部311と非肌側部312の境界部に位置しているが、これに限定されず、溝35の底部は境界部よりも浅くても深くてもよい。また、上層コア31の非溝領域A2における肌側部311の高SAP領域が、溝35の底部(溝35が下溝の場合は溝35の天井部)よりも非肌側まで延びていてもよい。また、溝領域A1の非肌側部312の一部(すなわち溝35の底部の一部又は溝35の天井部の一部)が高SAP領域となっていてもよい。溝35の底部(又は天井部)の一部が高SAP領域である場合、溝35の底部(又は天井部)に排泄液が引き込まれ難くなる。そのため、溝35の底部上を(又は天井部の下方を)排泄液が拡散しやすくなり、上層コア31での排泄液の拡散性が向上する。下層コア32についても同様である。
 さらに、上層コア31において、非溝領域A2の非肌側部312における高吸収性ポリマー34の平均密度は、非溝領域A2の肌側部311における高吸収性ポリマー34の平均密度よりも低くなっていることが好ましい。そうすることで、溝領域A1の肌側部311から下方(非肌側部312)に移行した排泄液は、低SAP領域である非溝領域A2の非肌側部312に移行しやすい。そのため、上層コア31での排泄液の拡散性が高まる。例えば、溝領域A1と幅方向に並ぶ非溝領域A2に排泄液が流れて幅方向にも拡散する。そして、上層コア31でさらに拡散された排泄液を下層コア32で受けるため、下層コア32のより広い範囲に亘り排泄液が吸収される。ただし上記に限定されず、例えば、非溝領域A2の非肌側部312における高吸収性ポリマー34の平均密度が、非溝領域A2の肌側部311における高吸収性ポリマー34の平均密度と同等又はそれ以上であってもよい。
 また、非溝領域A2の非肌側部312に移行した排泄液は、下層コア32に移行するとともに、非溝領域A2の肌側部311にも吸い上げられる。非溝領域A2の肌側部311は高SAP領域であるため、吸い上げられた排泄液は高吸収性ポリマー34でしっかりと保持される。よって、上層コア31の肌側面上に排泄液がリウェットしてしまうことを抑制できる。
 また、上層コア31の溝35が上溝である場合、溝領域A1の非肌側部312に高吸収性ポリマー34と液体吸収性繊維が配置される。この場合、溝領域A1の非肌側部312における高吸収性ポリマー34の平均密度は、非溝領域A2の肌側部311における高吸収性ポリマー34の平均密度よりも低くなっていることが好ましい。
 そうすることで、上層コア31の肌側部311の溝領域A1(空間部)に流れた排泄液は、低SAP領域である溝領域A1の非肌側部312(下方)に移行しやすくなる。つまり、溝領域A1における通液性が高まる。そのため、繰り返し排泄が行われた場合にも、排泄液を吸収した高吸収性ポリマー34で溝領域A1の通液性が阻害されてしまうことを防止できる。
 また、上層コア31の溝35が上溝である場合、非溝領域A2の非肌側部312における液体吸収性繊維の平均密度は、溝領域A1の非肌側部312における液体吸収性繊維の平均密度よりも高いことが好ましい。そうすることで、溝領域A1の非肌側部312に移行した排泄液が、毛細管現象により、非溝領域A2の非肌側部312に移行しやすくなる。そのため、上層コア31での排泄液の拡散性が高まる。そして、上層コア31で拡散された排泄液を受ける下層コア32のより広い範囲に亘り排泄液が吸収される。
 また、本実施形態の上層コア31及び下層コア32はそれぞれ肌側面において厚さの薄い繊維層313,323を有する。繊維層313,323は、液体吸収性繊維33で構成され、高吸収性ポリマー34を含まない。繊維層313,323によって、上層コア31の肌側面及び下層コア32の肌側面において、排泄液が平面方向に拡散されやすくなる。よって、上層コア31及び下層コア32での排泄液の拡散性が高まる。ただし、上層コア31と下層コア32の一方又は両方が繊維層313,323を有していなくてもよい。また、繊維層313,323の厚さは薄い。そのため、上層コア31や下層コア32の肌側部311,321(繊維層313,323が含まれる部位)と非肌側部312,322(繊維層313,323が含まれない部位)との高吸収性ポリマー34の平均密度の差に影響は及ばない。
 また、図示しないが、上層コア31及び下層コア32の非肌側面に、厚さの薄い繊維層(高吸収性ポリマー34を含まない液体吸収性繊維33の層)が設けられていてもよい。その場合にも、上層コア31の非肌側面や下層コア32の非肌側面において、排泄液が平面方向に拡散されやすくなり、上層コア31及び下層コア32での排泄液の拡散性がさらに高まる。
 また、吸収性コア30の各部における高吸収性ポリマー34の平均密度の比較、及び、液体吸収性繊維33の平均密度の比較は、周知の方法で行うことができる。例えば、測定対象の吸収性コア30を液体窒素に含浸させて凍結させた後、剃刀で厚さ方向にカットして、比較対象となる部位(例えば溝領域A1と非溝領域A2)を含む吸収性コア30の断面を取得する。吸収性コア30を常温に戻した後、電子顕微鏡(例えば、キーエンス社VE7800等)を用いて、50倍の倍率の断面画像を得る。当該断面画像に基づいて、比較対象となる部位の高吸収性ポリマー34の平均密度の高低を目視により比較できる。また、この断面画像に基づいて、比較対象となる部位の液体吸収性繊維33の平均密度の高低も目視により比較できる。また、断面画像において、単位面積当たりの高吸収性ポリマー34の数や液体吸収性繊維33の数を数えて比較してもよい。
 また、例えば、測定対象の吸収性コア30を凍結させた後にカットして、比較対象となる部位を含む吸収性コア30の断面を取得する。その断面にX線を照射した画像に基づいて、高吸収性ポリマー34の平均密度の高低の比較を行う方法であってもよい。高吸収性ポリマー34の重なりが多い部分ではX線の透過量が少なくなる。そのため、X線撮影の画像において高吸収性ポリマー34の平均密度が高い部位は濃く視認され、比較対象となる部位の濃淡で比較できる。その他、特願2018-542962号公報に記載の測定方法により、高吸収性ポリマー34の重量、及び、液体吸収性繊維33の重量を取得して、密度に換算して比較してもよい。
 上記のように、吸収性コア30を2層構成にすることで、おむつ1が吸収可能な排泄液の量を増やすことができる。ただし、上層コア31から下層コア32に排泄液が移行し難いと、厚さ方向における上層コア31と下層コア32の境界部の空間において排泄液が停滞する恐れがある。そうすると、下層コア32での排泄液の吸収量が減り、下層コア32の吸収性能を有効に活用できなくなってしまう。
 そこで、下層コア32においても、溝領域A3の肌側部321における高吸収性ポリマー34の平均密度を、非溝領域A4の肌側部321における高吸収性ポリマー34の平均密度よりも低くするとよい。そして、厚さ方向に見て、上層コア31と下層コア32が重複する領域に、下層コア32の少なくとも一部の溝領域A3を設けるとよい。
 そうすることで、厚さ方向において上層コア31と下層コア32の境界部に移行した排泄液は、下層コア32の肌側部321のうち、低SAP領域である溝領域A3に吸収されやすくなる。そのため、上層コア31と下層コア32の境界部における排泄液の停滞を抑制でき、排泄液を下層コア32に移行できる。よって、下層コア32はしっかりと排泄液を吸収でき、おむつ1が吸収可能な排泄液の量が減ってしまうことを防止できる。一方、下層コア32の非溝領域A4の肌側部321は高SAP領域である。そのため、非溝領域A4の肌側部321が吸収した排泄液は、高吸収性ポリマー34でしっかりと保持され、排泄液のリウェットを抑制できる。
 また、溝領域A3に吸収された排泄液は、下方の空間部(非肌側部322)に移行しやすい。その後、排泄液は、溝領域A3の空間部に沿って長手方向に拡散される。そのため、上層コア31で拡散された排泄液は、下層コア32において更に拡散され、下層コア32のより広い範囲に排泄液が吸収される。
 また、下層コア32の溝36は、厚さ方向に下層コア32の一部が凹んだ溝36(凹部)である。そのため、溝36が厚さ方向に貫通するスリットである場合とは異なり、溝36で排泄液が停滞してしまうことを抑制できる。つまり、液体吸収性繊維33と高吸収性ポリマー34が配置された部分でも排泄液を拡散できる。
 また、下層コア32の溝36が下溝である場合、溝領域A3における下方(空間部)への通液性が高い。よって、排泄液を下層コア32の非肌側部322まで引き込んだ後に拡散でき、下層コア32を有効に活用できる。また、下層コア32の溝36はスリットではなく下溝であり、下層コア32の肌側面に溝36の空間部(凹部)がないため、上層コア31から下層コア32への排泄液の移行速度を適度に抑えることができる。よって、排泄液は、下層コア32に移行する前に、上層コア31において拡散される。
 また、上層コア31と同様に、下層コア32においても、非溝領域A4の非肌側部322における高吸収性ポリマー34の平均密度は、非溝領域A4の肌側部321における高吸収性ポリマー34の平均密度よりも低いことが好ましい。
 そうすることで、下層コア32の非肌側部321において、溝36の空間部に沿って長手方向に拡散された排泄液は、低SAP領域である非溝領域A4の非肌側部322に移行しやすくなる。そのため、下層コア32での排泄液の拡散性がより高まる。また、非溝領域A4の非肌側部322に移行した排泄液は、非溝領域A4の肌側部321に吸い上げられる。非溝領域A4の肌側部321は高SAP領域であるため、吸い上げられた排泄液はしっかりと保持され、排泄液のリウェットを抑制できる。
 また、下層コア32の平面形状は上層コア31の平面形状よりもひと回り大きく、下層コア32は、上層コア31の長手方向の端31aよりも長手方向の外側に延出している。その上層コア31よりも長手方向の外側に延出した下層コア32の部位では、上層コア31との境界部で排泄液が停滞することはないが、その部位にも下層コア32の溝領域A3を設けることが好ましい。
 そうすることで、厚さ方向に見て上層コア31と重複しない下層コア32の領域まで排泄液を拡散できる。また、下層コア32の長手方向の端部は、溝36によって柔軟性が得られて変形しやすくなる。よって、下層コア32が着用者の下腹部や臀部にフィットしやすくなる。
 また、厚さ方向に見て、下層コア32の溝領域A3は、上層コア31の溝領域A1と重複する部分を有することが好ましい。第1実施形態では、上層コア31が有する溝35の殆どが(中央スリット37と重なる2つの溝35A以外が)、下層コア32の溝36と重なる。
 上層コア31では非溝領域A2よりも溝領域A1を通じて下方(非肌側)へ流れる排泄液の量が多い。そのため、上層コア31の溝領域A1と下層コア32の溝領域A3の位置が揃っていると、上層コア31の溝領域A1を通液した多くの排泄液を、下層コア32の溝領域A3で受けて下層コア32の内部(非肌側部322の空間部)に引き込み拡散できる。よって、上層コア31と下層コア32の境界部での排泄液の停滞をより抑制できる。なお、本実施形態では、上層コア31の溝35と、それに重なる下層コア32の溝36は、形状が同じであり、配置位置も同じであるが、これに限らず、少なくとも一部分が重なっているだけでもよい。
 また、下層コア32の少なくとも一部において、下層コア32の或る領域の肌側部321における高吸収性ポリマー34の平均密度は、前記或る領域に対向する上層コア31の領域の非肌側部312における高吸収性ポリマー34の平均密度よりも高いことが好ましい。そうすることで、上層コア31から下層コア32への排泄液の移行速度を適度に抑えることができる。よって、排泄液は、下層コア32に移行する前に、上層コア31において拡散される。
 具体的に説明すると、第1実施形態の吸収性コア30では、上層コア31の溝領域A1の大部分が下層コア32の溝領域A3と重なっており、上層コア31の非溝領域A2の大部分が下層コア32の非溝領域A4と重なっている。前述したように、下層コア32の肌側部321の非溝領域A4は高SAP領域であり、それに対向する上層コア31の非肌側部312の非溝領域A2は低SAP領域であり、上記の関係となっている。一方、下層コア32の肌側部321の溝領域A3と、それに対向する上層コア31の非肌側部312の溝領域A1は、共に低SAP領域である。そのため、下層コア32の肌側部321の溝領域A3の方が上層コア31の非肌側部312の溝領域A1よりも、高吸収性ポリマー34の平均密度を高くするとよい。
 また、下層コア32は、着用者の股下部が当接する領域の幅方向の中央部において、長手方向に延びる中央スリット37を有する。そのため、下層コア32とそれに重なる上層コア31は、中央スリット37に沿って(長手方向に沿って)折れ曲がる。よって、吸収性コア30の幅方向の中央部が側部に対して肌側に凸となるように変形し、着用者の股下部にフィットしやすくなる。
 さらに、厚さ方向に見て、上層コア31の溝領域A1は、中央スリット37と重複する部分(図6の溝35A)を有する。吸収性コア30において中央スリット37が配されている部分では、排泄液の吸収能力が減ってしまうが、中央スリット37と重なる上層コア31の溝領域A1で排泄液を拡散できる。特に、上層コア31の溝領域A1の長手方向の端部が、中央スリット37よりも長手方向の外側に延出していることが好ましい。そうすることで、中央スリット37と重複しない部分に排泄液を移行できる。よって、股下領域での排泄液の溢れを抑制できる。
 しかし、上記に限定されない。中央スリット37が配されている吸収性コア30の部位は剛性が低くなっている。そのため、厚さ方向に見て、下層コア32の中央スリット37の少なくとも一部の領域では、上層コア31の溝領域A1(溝35)と重複しないようにしてもよい。例えば、図10Aの変形例に示すように、中央スリット37の全ての領域が、上層コア31の溝領域A1と重複しないようにしてもよい。そうすることで、中央スリット37によって剛性が低くなった吸収性コア30の部位が、溝領域A1によって、さらに剛性が低くなってしまうことを防止でき、吸収性コア30の型崩れを抑制できる。よって、長時間に亘り吸収性コア30の吸収性能が発揮される。また、中央スリット37では排泄液の液溜まりが生じやすい。そのため、中央スリット37と重なる上層コア31の領域を非溝領域A2にすることで、肌側部311が高SAP領域となり、中央スリット37への排泄液の移行を抑えることができる。よって、中央スリット37での液溜まりを抑制できる。
 また、上層コア31の溝35は、上層コア31の外周縁まで延びておらず、下層コア32の溝36も下層コア32の外周縁まで延びていないことが好ましい。そうすることで、上層コア31及び下層コア32の型崩れを抑制できる。また、上層コア31や下層コア32の外周縁まで排泄液が拡散されてしまうことを抑制できる。
 また、前述したように、おむつ1には、着用者の股下部が当接する領域において、長手方向に伸縮する股下弾性部材17が配置されている。図6に示すように、厚さ方向に見て、中央スリット37、及び、上層コア31の溝領域A1は、それぞれ股下弾性部材17と重複する部分を有することが好ましい。
 そうすることで、中央スリット37により吸収性コア30が肌側に凸となる変形が、股下弾性部材17の伸縮により促進される。また、吸収性コア30は、溝領域A1によって柔軟となり、着用者の股下部にフィットするように変形しやすくなる。この変形も、股下弾性部材17の伸縮により促進される。よって、おむつ1の着用者へのフィット性が増す。
 また、図10Aの変形例に示すように、下層コア32の中央スリット37の全ての領域が、上層コア31の溝領域A1と重複しない場合にも、厚さ方向に見て、中央スリット37は、股下弾性部材17と重複する部分を有することが好ましい。そうすることで、中央スリット37により吸収性コア30が肌側に凸となる変形が、股下弾性部材17により促進され、下層コア31の中央スリット37の部分が折れて排泄液が停滞し難くなる。
 また、長手方向において下層コア32の中央スリット37と重複する部位において、上層コア31の幅方向の側端は、中央スリット37よりも幅方向の外側に位置し、かつ、下層コア32の幅方向の側端よりも幅方向の内側に位置している。そのため、下層コア32の幅方向の側部は、上層コア31の幅方向の側端に沿って(長手方向に沿って)折れ曲がりやすい。つまり、下層コア32の幅方向の側部が肌側に立ち上がりやすい。
 また、下層コア32は、中央スリット37の幅方向の両側に一対のサイドスリット38を有する。サイドスリット38の幅方向の位置は、上層コア31の幅方向の側端の位置とほぼ同じ位置である。そのため、下層コア32の幅方向の側部は、一対のサイドスリット38によっても肌側に立ち上がりやすい。よって、吸収性コア30は、股下領域において、幅方向の中央部が肌側に凸に変形し、幅方向の側部が肌側に立ち上がり、断面がW字形状に変形しやすい。そのため、着用者の股下部によりフィットしやすくなる。
 そして、下層コア32の中央スリット37よりも幅方向の外側で、上層コア31と下層コア32が重なる領域には、上層コア31の溝35と下層コア32の溝36の少なくとも一方が設けられていることが好ましい。そうすることで、2層のコア31,32が重なる剛性の高い領域が、溝35,36によって柔軟性が得られて変形しやすく、着用者の股下部にフィットしやすくなる。
 また、下層コア32のサイドスリット38よりも幅方向の外側であり、サイドスリット38の少なくとも一部と長手方向に重複する位置に、下層コア32の溝領域A3(溝36A)が設けられていることが好ましい。そうすることで、肌側に立ち上がった下層コア32の幅方向の側部の柔軟性が高まる。そのため、下層コア32の幅方向の側部が着用者の脚の付け根に沿って変形しやすくなり、フィット性が増す。
 ただし、上記に限定されず、下層コア31は、中央スリット37とサイドスリット38の一方又は両方を有さない構成であってもよい。
 また、下層コア32の溝36は、中央スリット37やサイドスリット38の外周縁と離間して配置されていることが好ましい。そうすることで、下層コア32の型崩れを抑制できる。
 なお、中央スリット37及びサイドスリット38の幅(幅方向の長さ)は、上層コア31の溝35及び下層コア32の溝36の幅(主溝351,361の幅方向の長さ、従溝352,362の長手方向の長さ)よりも大きいことが好ましい。そうすることで、吸収性コア30は、中央スリット37及びサイドスリット38によって、W字形状に変形しやすくなる。一方、溝35,36の幅を大きくし過ぎないことで、吸収性コア30の型崩れを防止できる。中央スリット37及びサイドスリット38の幅は、吸収性能が低下し過ぎないように、例えば7mm~50mm程度であることが好ましい。溝35,36の幅は、例えば1mm~8mm程度であることが好ましい。また、中央スリット37及びサイドスリット38の長手方向の長さは、着用者の股下部に当接する長さであるとよく、例えば50~300mm程度、好ましくは100~250mm程度であるとよい。
 また、上層コア31の溝35及び下層コア32の溝36は、それぞれ、長手方向に長さを有する主溝351,361と、主溝351,361から幅方向に延在する従溝352,362を有する。具体的には、主溝351,361から、長手方向に間隔を空けて複数の従溝352,362が幅方向に延在している。そのような主溝351,361が、幅方向及び長手方向に間隔を空けて複数並んでいる。
 従溝352,362によって、上層コア31の肌側面に排泄された排泄液や、下層コア32の非肌側部322(空間部)に引き込まれた排泄液を、長手方向だけでなく幅方向にも拡散できる。よって、上層コア31と下層コア32での排泄液の拡散性をより高めることができる。
 また、吸収性コア30を2層構造にすることで、排泄液の吸収量が増える一方で、吸収性コア30は、剛性が高まり、変形し難くなる。しかし、本実施形態の上層コア31及び下層コア32は溝35,36を有する。特に、上層コア31と下層コア32が重複し、剛性が高まる領域に溝35,36が設けられている。そのため、吸収性コア30は柔軟性が得られ、着用者の身体に沿って変形しやすくなる。
 また、溝35,36は、長手方向に沿う主溝351,361だけでなく、幅方向に沿う従溝352,362も有する。そのため、上層コア31及び下層コア32は、長手方向に沿って折れ曲がりやすくなるだけでなく、従溝352,362を起点に幅方向に沿っても折れ曲がりやすくなる。そのため、着用者の下腹部から臀部に亘る部位に沿って、吸収性コア30は長手方向に湾曲しやすくなる。
 また、第1実施形態では、上層コア31が有する溝35の殆どが下層コア32の溝36と重なる。また、上層コア31の主溝351と下層コア32の主溝361が重なるだけでなく、上層コア31の従溝352と下層コア32の従溝362も重なっている。そのため、上層コア31と下層コア32が重複する領域は、より一層、溝35,36に沿って長手方向や幅方向に折れ曲がりやすく、着用者の身体に沿って変形しやすい。
 また、幅方向に隣り合う従溝352,362の長手方向の位置が揃っている。そのため、上層コア31及び下層コア32は、従溝352,362を起点に幅方向に沿って折れ曲がりやすく、着用者の身体に沿って変形しやすくなる。
 また、図6に示すように、上層コア31及び下層コア32は、中央スリット37よりも長手方向の後側において、幅方向の一端から他端に亘り非溝領域A2,A4が連続している領域A21,A41,A42を有する。このように、上層コア31及び下層コア32の後端部において、幅方向に連続して溝35,36が配置されていない領域A21,A41,A42を設けることで、その領域に沿って(溝35,36の長手方向の端を起点に)、上層コア31及び下層コア32が長手方向に折れ曲がりやすくなる。換言すると、長手方向に延びる溝35,36によって上層コア31及び下層コア32の長手方向の折りが阻害され難くなる。そのため、上層コア31及び下層コア32の後端部は、丸みのある着用者の臀部に沿いやすくなる。
 さらに、図6に示すように、下層コア32の後端32aは、上層コア31の後端31aよりも後側に位置し、上層コア31の後端31aは、下層コア32の幅方向に連続する非溝領域A42に位置している。そのため、下層コア32の後端部は、上層コア31の後端32aに沿って、長手方向に折れ曲がりやすい。よって、下層コア32の後端部は、丸みのある着用者の臀部に沿いやすくなる。
 また、上記のように吸収性コア30の後端部が長手方向に折れ曲がりやすくなることで、吸収性コア30の股下領域でのW字状の変形(中央スリット37及びサイドスリット38による変形)が、吸収性コア30の後方に伝達してしまうことを防止できる。よって、吸収性コア30の後端部は着用者の臀部に沿いやすくなる。
 また、厚さ方向に見て、上層コア31と下層コア32が重複しない領域(下層コア32のみの領域)は、剛性が低く、柔軟性が高い。そのため、図示しないが、下層コア32のみの領域では、上層コア31と下層コア32が重複する領域に比べて、下層コア32の溝36の幅(具体的には主溝361の幅方向の長さや従溝362の長手方向の長さ)を細くしてもよい。そうすることで、下層コア32の型崩れを抑制できる。
 また、厚さ方向に見て、上層コア31と下層コア32が重複する領域と重複しない領域の境界部(上層コア31の外周縁部)は、吸収性コア30の折れ起点になりやすい一方で、吸収性コア30の型崩れの起点ともなりやすい。そこで、前記境界部には、溝領域A1,A3を設けないことが好ましい、特に下層コア32の溝領域A3を設けないことが好ましい。そうすることで、吸収性コア30の型崩れを抑制できる。
 図8A及び図8Bに示すように、上層コア31と下層コア32の間の境界部には液透過性のシート(例えばティッシュや不織布等)であるコアラップシート39が設けられていてもよい。コアラップシート39としては、図9Aに示すように、長手方向に延びる凸部391と凹部392を有する凹凸加工された不織布を例示できる。コアラップシート39の凹凸によって、排泄液を長手方向に拡散させることができ、上層コア31や下層コア32での排泄液の拡散性が向上する。なお、コアラップシート39の凹凸は長手方向に延びるに限らず、幅方向やその他の方向に延びていてもよい。また、コアラップシート39の凹凸によって、排泄液の収容空間が増える。よって、多量に排泄液が排泄された場合にも、コアラップシート39の収容空間に排泄液を一時的に貯水できるため、上層コア31の肌側面において排泄液が溢れてしまうことを抑制できる。また、図示しないが、コアラップシート39において、長手方向に延びる凸部391と凹部392が長手方向に間欠に配置されていてもよい。その場合、凹凸の間欠部において排泄液を幅方向にも拡散させることができる。
 また、上記のコアラップシート39を、上層コア31と下層コア32の境界部に配置することで(コアラップシート39の凹凸面を上層コア31の非肌側面に対向させることで)、上層コア31の非肌側面において排泄液をより拡散させることができる。ただし、コアラップシート39は凹凸を有するシートに限定されないものとする。
 また、上層コア31と下層コア32の境界部にのみコアラップシート39を配置するに限らない。例えば、図9Bに示すように、下層コア32の非肌側面から肌側面側に向かって巻き込むようにコアラップシート39を配置してもよい。そうすることで、コアラップシート39により下層コア32の型崩れを抑制できる。また、上層コア31と下層コア32の境界部以外の部位(例えば図9Bのp1~p2の部位を除く下層コア32の部位)に、コアラップシート39を配置してもよい。そうすることで、上層コア31と下層コア32の境界部において、コアラップシート39と吸収性コア30を接着する接着剤を無くすことができ、上層コア31から下層コア32への通液性が良くなる。また、図9Bとは反対向きに、下層コア32の肌側面から非肌側面側に向かって巻き込むようにコアラップシート39を配置してもよい。その場合、下層コア32を完全に巻き込もうとするとコアラップシート39がオーバーラップするが、そのオーバーラップ領域が、下層コア32の非肌側面に配置される為、上層コア31と下層コア32の間に配置される場合に比べて、上層コア31から下層コア32への液移行がスムーズになり、排泄液の液溜まりを抑制できる。その他、上層コア31の一部又は周囲にコアラップシート39を配置してもよいし、吸収性コア30にコアラップシート39を配置しなくてもよい。
 また、上層コア31の溝35及び下層コア32の溝36の形状、数、配置位置は、図4~図6に例示するものに限定されない。例えば、図10Bの吸収性コア30では、上層コア31の前端部において幅方向の側部に設けられた溝35B,36Bが、長手方向の中央側に向かって幅方向の内側に傾斜している。そのため、下層コア32の最も括れた部分を起点に立ち上がる吸収性コア30の前端部は、着用者の下腹部を包むように逆三角形のカップ形状に変形しやすく、おむつ1のフィット性が向上する。
 また、例えば、図11Aに示すように、長手方向における吸収性コア30の中央部では、主溝351,361から従溝352,362が延出しているが、長手方向における吸収性コア30の端部では、従溝352,362が設けられていない。また、下層コア32の長手方向の端部は非溝領域A4となっている。このように、上層コア31や下層コア32の長手方向の端部の方が中央部に比べて、溝領域A1,A3の面積率が小さくなるようにしてもよい。そうすることで、吸収性コア30の型崩れを抑制できる。
 また、例えば、図11Bに示すように、上層コア31及び下層コア32の長手方向の両端まで溝35,36が長く延びていてもよい。そうすることで、排泄液を長手方向に長く拡散させることができる。その場合に、吸収性コア30の後端部が着用者の臀部に沿うように、中央スリット37よりも後方に幅方向に連続する非溝領域A22,A43が設けられていてもよいし(図11B)、図示しないが、上層コア31及び下層コア32の長手方向の前端から後端まで溝35,36が連続して延びていてもよい。
 その他、上層コア31の溝35及び下層コア32の溝36は、長手方向に所定の長さを有するに限らず、例えば、幅方向等の別の方向に延びた溝であってもよい。また、上層コア31の溝35と下層コア32の溝36が異なる方向に延びた溝であってもよい。また、厚さ方向に見て上層コア31の溝35と下層コア32の溝36が全く重複していなくてもよい。また、上層コア31の溝35と下層コア32の溝36が従溝352,362を有していなくてもよい。また、厚さ方向に見て上層コア31と下層コア32が重複しない領域に溝領域A1,A3が設けられていなくてもよい。
<<第2実施形態>>
 図12は、第2実施形態における吸収性コア30の断面模式図である。第2実施形態の下層コア32は第1実施形態の下層コア32と同じである。また、第2実施形態の上層コア31は、第1実施形態の上層コア31と同様に、肌側面から非肌側に凹んだ溝35(上溝)を有する。ただし、第2実施形態では、上層コア31の全体(繊維層313を除く部分)に高吸収性ポリマー34が均等に配置されている。つまり、上層コア31の各部における高吸収性ポリマー34の平均密度の高低差は、同等であり、下層コア32の各部(例えば肌側部321の溝領域A3と非溝領域A4)における高吸収性ポリマー34の平均密度の高低差よりも小さい。
 この場合、上層コア31の肌側面に排泄された排泄液を、上層コア31の溝35の空間部に直ぐに落とし込み、長手方向に拡散させることができる。また、上層コア31に高吸収性ポリマー34が均等に配置されているため、繰り返し排泄が行われた場合にも、排泄液を吸収した高吸収性ポリマー34に液移行を阻害され難く、上層コア31の通液性が良い。そのため、排泄液は上層コア31で拡散されつつ、厚さ方向における上層コア31と下層コア32の境界部に移行する。境界部に移行した排泄液は、下層コア32の肌側部321の溝領域A3(低SAP領域)により内部に引き込まれた後、非肌側部322の溝領域A3(空間部)によって更に拡散される。
 このように均等に高吸収性ポリマー34が配置された上層コア31が溝35を有する場合、その溝35は、図12に示す上溝にであってもよいし、下溝(不図示)であってもよい。下溝の場合も、上層コア31の溝領域A1を通液して非肌側部312に移行した排泄液を、溝35の空間部によって拡散できる。
<<第3実施形態>>
 図13は、第3実施形態における吸収性コア30の断面模式図である。第3実施形態の下層コア32は第1実施形態の下層コア32と同じである。また、第3実施形態の上層コア31は溝35を有さず、上層コア31の全体(繊維層313を除く部分)に高吸収性ポリマー34が均等に配置されている。
 この場合、上層コア31の肌側面に排泄された排泄液は、上層コア31の内部に取り込まれ、平面方向に拡散しつつ、厚さ方向における上層コア31と下層コア32の境界部に移行する。上層コア31の肌側面に繊維層313が設けられている場合には、上層コア31の肌側面において排泄液が平面方向に拡散される。また、上層コア31に高吸収性ポリマー34が均等に配置されているため、繰り返し排泄が行われた場合にも、排泄液を吸収した高吸収性ポリマー34に液移行を阻害され難く、上層コア31の通液性が良い。上層コア31と下層コア32の境界部に移行した排泄液は、下層コア32の肌側部321の溝領域A3(低SAP領域)により内部に引き込まれた後、非肌側部322の溝領域A3(空間部)によって拡散される。
<<第4実施形態>>
 図14A及び図14Bは、第4実施形態における吸収性コア30の断面模式図である。第4実施形態の下層コア32の溝36は、第1実施形態の下層コア32とは逆に上溝となっている。この場合、下層コア32の肌側部321において、溝領域A3が空間部となり、非溝領域A4に比べて高吸収性ポリマー34の平均密度が低くなる。そして、上層コア31を通液した排泄液は、下層コア32の肌側部321の溝36の空間部に落とし込まれて長手方向に拡散される。そのため、厚さ方向における上層コア31と下層コア32の境界部において排泄液が停滞してしまうことを抑制できる。また、下層コア32での排泄液の拡散性を高めることができる。
 また、下層コア32の溝36が上溝である場合、第1実施形態の上層コア31と同様に、溝領域A3の非肌側部322における高吸収性ポリマー34の平均密度を、非溝領域A4の肌側部321における高吸収性ポリマー34の平均密度よりも低くするとよい。そうすることで、排泄液を吸収した高吸収性ポリマー34によって、下層コア32の溝領域A3の通液性が阻害されてしまうことを抑制できる。また、下層コア32の非溝領域A4の非肌側部322における液体吸収性繊維33の平均密度を、溝領域A3の非肌側部322における液体吸収性繊維33の平均密度よりも高くするとよい。そうすることで、溝領域A3の非肌側部322に移行した排泄液が、毛細管現象により、非溝領域A4の非肌側部322に移行しやすくなり、下層コア32での排泄液の拡散性が更に高まる。
 下層コア32の溝36が上溝である場合にも、上層コア31の溝35は上溝(図14A)であっても、下溝(図14B)であってもよく、また、第2実施形態や第3実施形態で説明した上層コア31であってもよい。
 また、図14Bに示すように、上層コア31の溝35(下溝)と下層コア32の溝36(上溝)の位置を揃えることで、上層コア31の肌側部311を通液した排泄液を一時的に貯水可能な空間が大きくなり、貯水した排泄液を溝35,36に沿って拡散できる。そのため、多量に排泄液が排泄された場合にも、上層コア31の肌側面において排泄液が溢れてしまうことを抑制できる。
 また、上層コア31の溝35が下溝である場合、上層コア31は、幅方向の中央部が側部に対して肌側に凸となるように変形しやすくなる。よって、下層コア32の中央スリット37による変形が促進され、吸収性コア30は着用者の股下部にフィットしやすくなる。逆に、下層コア32の溝36が上溝である場合、下層コア32は、幅方向の中央部が側部に比べて非肌側に凸となるように変形しやすくなる。よって、丸みのある臀部に沿って変形しやすくなる。
<<第5実施形態>>
 図15は、展開かつ伸張状態である第5実施形態のおむつ1を肌側から見た概略平面図である。図16は、図15中のA-Aにおける模式的断面図である。図17は、積層された上層コア31と下層コア32を厚さ方向の非肌側から見た平面図である。図18Aは、厚さ方向の肌側から見た上層コア31の平面図である。図18Bは、厚さ方向の非肌側から見た下層コア32の平面図である。図19は、第5実施形態の変形例の吸収性コア30を厚さ方向の非肌側から見た平面図である。
 第5実施形態の下層コア32は、図16に示すように、下層コア32の非肌側面から厚さ方向の肌側に凹んだ溝36(下溝)を有するが、中央スリット37と一対のサイドスリット38は有さない。上層コア31は、上層コア31の一部が凹んだ溝を有さない。ただし、上記に限定されず、下層コア32のうち溝領域A3が設けられていない領域にスリット(例えば、サイドスリット38)が設けられていてもよい。
 図17に示すように、吸収性コア30は、その最大幅を幅方向に三分割(三等分割)することで区画される「幅方向中央部」と一対の「幅方向側部」を有する。また、吸収性コア30は、製品中心線CLよりも長手方向の前側に位置する「前側部30F」と、製品中心線CLよりも長手方向の後側に位置する「後側部30B」を有する。
 製品中心線CL(中心線)とは、展開かつ伸張状態のおむつ1(図15)を長手方向に二分(二等分)する線である。また、吸収性コア30の長手方向の中心は、製品中心線CLと一致するに限られず、ずれていてもよい。すなわち、吸収性コア30がおむつ1の前側又は後側に偏って配置されていてもよい。その場合、前側部30Fと後側部30Bの長手方向の長さが異なる。
 そして、吸収性コア30の後側部30Bは、その最大長さ(製品中心線CLから吸収性コア30の最後端までの長さ)を長手方向に三分割(三等分割)した領域を有する。そのときの中央領域を「後側第1領域30B1」と称し、後側第1領域30B1よりも前側の領域を「後側第2領域30B2」と称し、後側第1領域30B1よりも後側の領域を「後側第3領域30B3」と称す。
 同様に、吸収性コア30の前側部30Fは、その最大長さ(製品中心線CLから吸収性コア30の最前端までの長さ)を長手方向に三分割(三等分割)した領域を有する。そのときの中央領域を「前側第1領域30F1」と称し、前側第1領域30F1よりも後側の領域を「前側第2領域30F2」と称し、前側第1領域30F1よりも前側の領域を「前側第3領域30F3」と称す。
 つまり、以下の説明では、吸収性コア10の最大幅と最大長さにて規定される矩形領域を、製品中心線CLを境に長手方向の前側の領域と、後側の領域に区画する。その前側の領域と後側の領域を、それぞれ9分割した領域に合わせて吸収性コア30も区画する。
 なお、第5実施形態では、吸収性物品としてパンツ型おむつ1を例に挙げているが、第5実施形態の吸収性物品は、テープ型おむつや吸収性パッド等のその他の吸収性物品にも適用可能である。テープ型おむつや、吸収性パッドに適用する場合にも、それらを長手方向に展開した状態において製品中心線を特定し、図17に示すように吸収性コアを区画する。
 第1実施形態にて説明しているように、下層コア32の溝領域A3の肌側部は、非溝領域A4の肌側部に比べて、高吸収性ポリマー34の平均密度が低くなっている。そのため、上層コア31を通液した排泄液は、低SAP領域である溝領域A3から下層コア32の内部に吸収されやすく、溝領域A3の空間部に沿って拡散される。そのため、上層コア31と下層コア32の境界部における排泄液の停滞を抑制できる。排泄液が上層コア31から下層コア32の内部にスムーズに移行することで、上層コア31が排泄液を吸収しきれずに、おむつ1の表面から排泄液が溢れて外部に漏れてしまうことを抑制できる。また、排泄液を拡散することで、下層コア32を平面方向の広範囲に亘り有効に活用できる。
 特に、下層コア32の溝36が下溝である場合、溝領域A3における下方(空間部)への通液性が高いため、排泄液を下層コア32の非肌側部まで引き込んだ後に拡散でき、下層コア32を有効に活用できる。ただし、第4実施形態の下層コア32の溝36のように上溝であってもよく、この場合、上層コア31を通液した排泄液を、溝36の空間部に落とし込んで拡散しつつ、溝36を形成する3面(底面と一対の側面)から排泄液を下層コア32の内部に吸収でき、上層コア31と下層コア32の境界部での排泄液の停滞を抑制できる。
 さらに、第1実施形態の図7に示す吸収性コア30と同様に、下層コア32の溝36は厚さ方向に圧縮された溝ではなく、溝領域A3では、非溝領域A4に比べて、下層コア32(液体吸収性繊維33及び高吸収性ポリマー34)の坪量(g/m)が低くなっているとよい。そうすることで、上層コア31を通液した排泄液は、より一層、溝領域A3に流れやすく、溝領域A3から下層コア32の内部に吸収されやすくなる。
 なお、溝領域A3と非溝領域A4における下層コア32の坪量(g/m)の比較は周知の方法で確認できる。例えば、下層コア32を液体窒素に含浸させて凍結させた後、剃刀で厚さ方向にカットして、比較対象となる部位(溝領域A3と非溝領域A4)を含む下層コア32の断面を取得する。下層コア32を常温に戻した後、電子顕微鏡を用いて断面画像を観察し、溝領域A3と非溝領域A4の資材の量を目視にて比較したり、資材の数を数えて比較したりするとよい。
 また、溝領域A3の方が非溝領域A4に比べて坪量の低い下層コア32(吸収性コア30)の製造方法としては、例えば、溝領域A3に応じた突起が底面に設けられたパターンプレートに、下層コア32の資材を積層することで製造できる。また、パターンプレートに向けて供給する資材(液体吸収性繊維33及び高吸収性ポリマー34)の量等を制御することで、資材の坪量や平均密度を制御できる。
 以上のように、上層コア31を通液した排泄液は、下層コア32の溝領域A3から下層コア32の内部に吸収されやすい。しかし、溝領域A3が配された吸収性コア30の部位では、その厚みが薄くなり、坪量も低くなることが多いため、おむつ1の表面へのリウェットが生じやすくなる。また、本実施形態の下層コア32は、肌側部321が低SAP領域であるため、下層コア32から上層コア31へのリウェットが生じやすく、おむつ1の表面へのリウェットに繋がる恐れがある。
 そこで、第5実施形態の吸収性コア30では、後側第1領域30B1の幅方向中央部に位置する下層コア32の溝領域A3の面積を、後側第1領域30B1の幅方向中央部の面積で除した値が、前側第1領域30F1の幅方向中央部に位置する下層コア32の溝領域A3の面積を、前側第1領域30F1の幅方向中央部の面積で除した値よりも小さくなっている。具体的には、図17に示すように、後側第1領域30B1の幅方向中央部には、幅方向よりも長手方向に長さを有する主溝361が1本のみ設けられているのに対して、前側第1領域30F1の幅方向中央部には、主溝361が4本設けられている。
 吸収性コア30のうち、後側第1領域30B1の幅方向中央部は、着用者の座位姿勢や仰向けの寝姿勢時に、体圧が加わりやすい部位である。そのため、後側第1領域30B1の幅方向中央部において、溝36の面積率を小さくすることで、後側第1領域30B1に体圧が強く加わったとしても、溝領域A3からの排泄液のリウェット量を軽減できる。
 これに対して、吸収性コア30の前側部30Fは、後側部30Bに比べて、着用者の排泄口が当接し、排泄液が排泄されやすい部位であり、かつ、着用者の座位時等において体圧が加わり難い部位である。特に、着用者の股下部が当接する前側第2領域30F2や、おむつ1の胴回り弾性部材211,221等により着用者に密着しやすい前側第3領域30F3に比べて、その間の前側第1領域30F1は、着用者の体圧が加わり難い。そのため、前側第1領域30F1の幅方向中央部において、溝36の面積率を大きくすることで、着用者から排泄された多くの排泄液は、上層コア31を通過した後に、上層コア31と下層コア32の境界部で停滞し難く、溝領域A3から下層コア32の内部に素早く引き込まれる。特に、着用者が男性である場合、前側第1領域30F1が着用者の排泄口に当接しやすいため、より効果的に、排泄液を下層コア32の内部に吸収できる。その結果、上層コア31が排泄液を吸収しきれずに、おむつ1の表面から排泄液が溢れて外部に漏れてしまうことを抑制できる。さらに、前側第1領域30F1の幅方向中央部には、体圧が加わり難いので、リウェットも生じ難い。
 また、下層コア32全体の平均坪量(g/m)は、上層コア31の平均坪量(g/m)よりも高いとよい。この場合、上層コア31の吸水保持力が比較的に小さくなる。そのため、上記のように、前側第1領域30F1の幅方向中央部において溝36の面積率を大きくすることで、排泄口から排泄された多量の排泄液を上層コア31から下層コア32の内部に素早く移行できる。よって、上層コア31の平均坪量が低くても、上層コア31が排泄液を吸収しきれずに、排泄液が漏れてしまうことを効果的に抑制できる。
 ただし、上記に限定されず、下層コア32全体の平均坪量(g/m)が、上層コア31全体の平均坪量(g/m)以下であってもよい。なお、平均坪量の比較は、周知の方法で行うことができ、例えば、おむつ1から上層コア31と下層コア32を分離して取り出し、各コア31,32の重量(g)と外形面積(m)を測定して坪量を算出するとよい。
 また、第5実施形態の吸収性コア30も、これまでの実施形態にて説明した吸収性コア30と同様に、上層コア31と下層コア32が積層された構成であり、上層コア31と下層コア32の重なり部分に溝領域A3の少なくとも一部が設けられている。つまり、上層コア31と下層コア32が積層されて、比較的に吸収性コア30の坪量が高く、排泄液の保持力が高い領域に、溝領域A3が設けられている。そのため、溝領域A3が配されている吸収性コア30の部位が多くの排泄液を吸収しても、単層の吸収性コアと比べて、溝領域A3からのリウェットを抑制できる。
 なお、図17では、上層コア31の方が、下層コア32に比べて、幅方向及び長手方向の長さが短い吸収性コア30を例示する。しかし、これに限定されることなく、例えば、下層コア32の方が、上層コア31に比べて、幅方向及び長手方向の長さが短くてもよいし、上層コア31の幅方向の長さは、下層コア32の幅方向の長さよりも長いが(或いは短いが)、上層コア31の長手方向の長さは、下層コア32の長手方向の長さよりも短くてもよい(或いは長くてもよい)。また、図17では、下層コア32の方が、上層コア31よりも長手方向の両側に延出している。しかし、これに限定されることなく、例えば、上層コア31の方が、下層コア32よりも長手方向の両側に延出していてもよいし、長手方向の一方側では、下層コア32の方が上層コア31よりも長手方向に延出し、長手方向の他方側では、上層コア31の方が下層コア32よりも長手方向に延出していてもよい。
 また、排泄口当接部にて吸収性コア30に吸収されなかった排泄液の多くは、吸収性コア30の幅方向中央部を通って長手方向の後側へ流れる。そのため、後側第1領域30B1の幅方向中央部に下層コア32の溝36が設けられているとよい。ただし、体圧が加わりやすく、リウェットしやすい領域である。そこで、図17に示すように、後側第1領域30B1の幅方向中央部に位置する下層コア32は、幅方向よりも長手方向に長さを有する主溝361が1本だけ位置する領域を有することが好ましい。つまり、複数の主溝361が幅方向に並んでいない領域が存在することが好ましい。そうすることで、排泄口当接部から後側第1領域30B1に流れてきた排泄液は、上層コア31を通液した後に、下層コア32の溝領域A3によって、下層コア32の内部に吸収されつつ、長手方向に拡散される。よって、排泄口当接部から流れてきた排泄液を、上層コア31から下層コア32の内部にスムーズに移行でき、排泄液の漏れを抑制できる。さらに、溝領域A3の面積率を小さい値に保つことができ、溝領域A3からのリウェット量を軽減できる。
 なお、図17とは異なるが、後側第1領域30B1の幅方向中央部のうち、前側の一部分(排泄口当接部に近い部位)では、複数の主溝361が幅方向に並んでいてもよい。また、後側第1領域30B1の幅方向中央部に位置する下層コア32に、長手方向とは異なる方向に延びた溝36が設けられていてもよいし、溝36が全く設けられていなくてもよい。
 また、下層コア32が有する溝領域A3の面積率の比較や、溝領域A3の数等の確認は、周知の方法で行うことができる。例えば、おむつ1から吸収性コア30(下層コア32)を分離、又は露出させて、目視にて溝領域A3を確認できる場合には、図17に示すように吸収性コア30を区画した後に、目視にて、対象部位の溝領域A3の面積率を比較したり、数を確認したりするとよい。或いは、下層コア32を厚さ方向から撮影した画像データ上にて、溝領域A3(輪郭)を特定し、面積算出ソフト等を用いて溝領域A3の面積を実際に算出して比較してもよい。
 また、前述したように、高吸収性ポリマー34の重なりが多い部分ではX線の透過量が少なくなる。そこで、非溝領域A4に比べて溝領域A3の高吸収性ポリマー34の密度(坪量)が少ない場合には、下層コア32の厚さ方向にX線を照射した画像に基づいて、溝領域A3を特定できる。つまり、X線画像において溝領域A3と非溝領域A4には濃度差が生じる。そのため、X線画像の濃淡に基づいて溝領域A3を目視にて特定し、対象部位の溝領域A3の面積率を比較したり、数を確認したりするとよい。或いは、X線画像を二値化処理して溝領域A3(輪郭)を特定し、面積算出ソフト等を用いて溝領域A3の面積を実際に算出して比較してもよい。
 また、排泄口当接部にて吸収性コア30に吸収されなかった排泄液の多くは、吸収性コア30の幅方向中央部を通って長手方向の後側へ流れる。そこで、後側第1領域30B1の幅方向中央部の方が、後側第1領域30B1の一対の幅方向側部に比べて、吸収性コア30(上層コア31及び下層コア32)の平均坪量(g/m)を高くすることが好ましい。具体的には、図17に示すように、後側第1領域30B1のうち、幅方向側部(矩形領域)の一部には、上層コア31や下層コア32が存在していないのに対して、幅方向中央部では、その全域(矩形領域の全域)に上層コア31と下層コア32が存在している。
 そうすることで、後側第1領域30B1の幅方向中央部の吸収性コア30が、排泄口当接部から流れてきた多くの排泄液を吸収保持できる。また、後側第1領域30B1の幅方向中央部は、着用者の体圧が加わりやすい部位であるが、リウェットを抑制できる。
 また、後側第1領域30B1の幅方向中央部に位置する吸収性コア30が吸収しきれなかった排泄液は、幅方向側部にも流れやすい。そのため、後側第1領域30B1の一対の幅方向側部にそれぞれ位置する下層コア32に、主溝361を設けるとよい。そうすることで、幅方向の側部に流れ、上層コア31を通液した排泄液は、主溝361によって下層コア32の内部に吸収されつつ、長手方向に拡散される。つまり、吸収性コア30の幅方向側部において、排泄液が上層コア31から下層コア32の内部にスムーズに移行し、排泄液の漏れ、特に横漏れを抑制できる。
 なお、吸収性コア30の平均坪量の比較は周知の方法にて行うことができる。例えば、おむつ1から吸収性コア30を分離し、図17に示すように吸収性コア30を区画する。その後、後側第1領域30B1の幅方向中央部と幅方向側部にそれぞれ位置する吸収性コア30(上層コア31と下層コア32の積層体)を切り出し、それぞれの重量(g)を測定する。また、後側第1領域30B1の幅方向中央部の面積a(m)を測定する。そして、後側第1領域30B1の幅方向中央部と幅方向側部にそれぞれ位置する吸収性コア30の重量(g)を、面積a(m)で除すことで、坪量(g/m)が算出される。
 また、図17に例示する上層コア31の平面形状は砂時計形状である。上層コア31は、前側第2領域30F2において、その幅が最も狭くなっており、前側第2領域30F2よりも長手方向の前側及び後側では、その幅が広くなっている。上層コア31の幅狭部(前側第2領域30F2)は、排泄口当接部、又はそれに近い部位となる。そのため、上層コア31の幅狭部よりも長手方向の後側の、幅が広くなった部位の幅方向側部には、下層コア32の溝領域A3を設けるとよい。
 そうすることで、上記と同様に、排泄口当接部から吸収性コア30の幅方向中央部を通って後側へ流れた排泄液であり、吸収性コア30の幅方向中央部では吸収しきれなかった排泄液が、吸収性コア30の幅方向側部に流れる。その排泄液は、上層コア31を通液した後に、溝領域A3によって拡散しつつ、下層コア32の内部に吸収される。つまり、吸収性コア30の幅方向側部において、排泄液が上層コア31から下層コア32の内部にスムーズに移行し、排泄液の漏れ、特に横漏れを抑制できる。
 また、図18Bに示すように、後側第2領域30B2に位置する下層コア32の溝領域A3と、前側第2領域30F2に位置する下層コア32の溝領域A3との、長手方向の間において、下層コア32は、その幅方向の一端から他端に亘り非溝領域A4が連続している領域を有することが好ましい。
 そうすることで、排泄口当接部、又はそれに近い部位となる前側第2領域30F2では、上層コア31を通液した排泄液が、溝領域A3によって下層コア32の内部にスムーズに吸収される。その排泄液は、前側第2領域30F2よりも後側の非溝領域A2、つまり、下層コア32の坪量が高い領域にて、しっかりと吸収保持され、リウェットを抑制できる。また、前側第2領域30F2に位置する吸収性コア30では吸収しきれずに後側に流れた排泄液は、後側第2領域30B2の上層コア31を通液した後に、溝領域A3によって、拡散されつつ、下層コア32の内部に吸収され、排泄液の漏れを抑制できる。
 また、後側第2領域30B2の幅方向中央部に位置する下層コア32の溝領域A3の面積を、後側第2領域30B2の幅方向中央部の面積で除した値は、後側第1領域30B1の幅方向中央部に位置する下層コア32の溝領域A3の面積を、後側第1領域30B1の幅方向中央部の面積で除した値よりも大きいことが好ましい。具体的には、後側第1領域30B1の幅方向中央部には、幅方向よりも長手方向に長さを有する下層コア32の主溝361が1本のみ設けられているのに対して、後側第2領域30B2の幅方向中央部には、下層コア32の主溝361が3本設けられている。
 排泄口当接部に近い後側第2領域30B2では、溝領域A3の面積率を大きくすることで、排泄口当接部から流れて上層コア31を通液した多量の排泄液を、下層コア32の内部にスムーズに移行でき、排泄液の漏れを抑制できる。一方、着用者の体圧が加わりやすい後側第1領域30B1では、溝領域A3の面積率を小さくすることで、リウェットを抑制できる。
 ただし、上記に限定されず、図19に示す変形例のように、後側第2領域30B2の幅方向中央部にも、後側第1領域30B1の幅方向中央部と同じ数(ここでは1本)の主溝361が設けられるだけでもよい。例えば、排泄量の多い着用者を対象にした場合には、図17に示すように、後側第2領域30B2の幅方向中央部に位置する下層コア32に多くの溝領域A3を設けるとよい。一方、排泄量の少ない着用者を対象にした場合には、図19に示すように、後側第2領域30B2の幅方向中央部に位置する下層コア32の溝領域A3の数が少なくとも、排泄液の漏れを抑制できる。
 また、前側第1領域30F1の幅方向中央部に位置する下層コア32の方が、前側第2領域30F2の幅方向中央部に位置する下層コア32に比べて、幅方向よりも長手方向に長さを有する主溝361を数多く有することが好ましい。図17の下層コア32では、前側第2領域30F2には2本の主溝361が設けられているのに対して、前側第1領域30F1には4本の主溝361が設けられている。好ましくは、前側第1領域30F1の方が、前側第2領域30F2に比べて、下層コア32の溝領域A3の面積率が大きいとよい。
 前述したように、着用者の股下部が当接する前側第2領域30F2に比べて、前側第1領域30F1の方が着用者の体圧が加わり難い。そのため、主溝361の数を多くしても、排泄液のリウェットを抑制できる。また、着用者が男性の場合には、比較的に前側の部位が排泄口当接部となる。そのため、前側第1領域30F1の主溝361の数を多くすることで、排泄口から排泄された多量の排泄液は、上層コア31を通液した後に、多数の主溝361によって素早く下層コア32の内部に吸収されつつ拡散する。そのため、排泄液の漏れを抑制できる。
 また、後側第1領域30B1の幅方向中央部や、後側第2領域30B2の幅方向中央部では、その矩形領域を幅方向に二分する中心線上に、下層コア32の主溝361が設けられている。そうすることで、排泄口当接部から吸収性コア30の幅方向中央部を通って後側に流れ、上層コア31を通液した排泄液が、下層コア32の溝領域A3に流れ込みやすく、下層コア32の内部に吸収されやすくなる。
 これに対して、前側第1領域30F1の幅方向中央部や、前側第2領域30F2の幅方向中央部では、その矩形領域を幅方向に二分する中心線上に、下層コア32の主溝361が設けられず、その両側に主溝361が設けられている。そうすることで、着用者の排泄口が下層コア32の主溝361に位置し難くなり、最も多くの排泄液を受ける部位の吸収性コア30の坪量が確保される。よって、効果的にリウェットを抑制できる。
 また、おむつ1は、図15に示すように、吸収性コア30(吸収性本体10)の幅方向の両側部において、肌側に起立可能な一対の防漏壁部19を有する。具体的には、図16に示すように、サイドシート14は、バックシート13の非肌側面の幅方向の側部から表面シート11の肌側面の幅方向の側部に向かって折り返されている。その折り返されたサイドシート14の幅方向内側の端部には、防漏壁弾性部材15が長手方向に伸長した状態で固定されている。
 また、サイドシート14は、図15に示すように、接着剤等が塗布された第1接合部191及び第2接合部192によって、表面シート11の肌側面に接合されている。第1接合部191は、吸収性本体10の長手方向の一端から他端に亘り設けられている。第2接合部192は、第1接合部191よりも幅方向の内側において、吸収性本体10の長手方向の両端部に設けられている。したがって、サイドシート14のうち、第1接合部191の幅方向内側端(起立支点)よりも幅方向内側の部位であり、第2接合部192の長手方向内側端(起立支点)よりも長手方向内側の部位が、肌側に起立可能となり、その部位を防漏壁部19とする。
 おむつ1が防漏壁部19を有する場合、展開かつ伸張状態のおむつ1(図15)を厚さ方向に見たときに、下層コア32は、少なくとも一部が防漏壁部19と重なる溝領域A3を有することが好ましい。そうすることで、防漏壁部19で堰き止められて、上層コア31に吸収された排泄液を、溝領域A3から下層コア32の内部に素早く吸収できる。よって、防漏壁部19を超えて排泄液が漏れてしまうことを抑制できる。
 また、防漏壁部19が設けられている部位では、着用者の肌は、表面シート11に直接接触せずに、サイドシート14を介して接触する。そのため、防漏壁部19と厚さ方向に重なる溝領域A3から排泄液がリウェットしてしまったとしても、着用者はリウェットを感じ難く、おむつ1の着け心地の低下を防止できる。また、防漏壁弾性部材15の収縮により肌側に起立する防漏壁部19は、緩衝材として機能しやすく、防漏壁部19が設けられている部位では、着用者の体圧が加わり難い。そのため、防漏壁部19と厚さ方向に重なる部位に溝領域A3が設けられていても、リウェットを抑制できる。
 また、図16に示すように、下層コア32と同様に、上層コア31も高吸収性ポリマー34を有する場合、上層コア31全体における高吸収性ポリマー34の平均密度は、下層コア32全体における高吸収性ポリマー34の平均密度よりも高いことが好ましい。
 液体吸収性繊維の間に存在する排泄液に比べて、高吸収性ポリマー34に保持された排泄液は、自由に動き難く、リウェットし難い。そのため、上層コア31における高吸収性ポリマー34の平均密度を高めることで、下層コア32(特に溝領域A3)から上層コア31にリウェットした排泄液を、上層コア31の高吸収性ポリマー34でしっかりと保持できる。ゆえに、吸収性コア30に着用者の体圧が加わっても、上層コア31から表面シート11上へのリウェットを抑制できる。
 また、第5実施形態の上層コア31は、溝領域A1(溝35)を有さない構成であるが、これに限定されない。上層コア31がその肌側面から厚さ方向の非肌側に凹んだ溝35(上溝)を有していてもよいし、上層コア31がその非肌側面から厚さ方向の肌側に凹んだ溝35(下溝)を有していてもよい。
 上層コア31が溝領域A1を有する場合、下層コア32と同様に、後側第1領域30B1の幅方向中央部に位置する上層コア31の溝領域A1の面積率を比較的に小さくするとよい。例えば前側第1領域30F1の幅方向中央部に位置する上層コア31の溝領域A1の面積率よりも小さくするとよい。
 後側第1領域30B1の幅方向中央部に位置する上層コア31に溝領域A1を設けることで、排泄口当接部から吸収性コア30の幅方向中央部を通って後側第1領域30B1に流れた排泄液を、上層コア31の溝領域A1によって吸収性コア30の内部に引き込むことができ、排泄液の漏れを抑制できる。ただし、その面積率を小さくすることで、リウェットを抑制できる。
 一方、前側第1領域30F1は、排泄口当接部、又はそれに近い部位となる。そのため、前側第1領域30F1の幅方向中央部に位置する上層コア31の溝領域A1の面積率を大きくすることで、着用者から排泄された多量の排泄液を、上層コア31の溝領域A1によって吸収性コア30の内部に素早く吸収でき、排泄液の漏れを抑制できる。
 なお、吸収性コア30を厚さ方向に見たときに、上層コア31が有する溝領域A1と、下層コア32が有する溝領域A3の位置が一致していてもよいし、ずれていてもよい。位置が一致する場合、上層コア31の溝領域A1から吸収された排泄液を、下層コア32の溝領域A3によって素早く下層コア32の内部に吸収しつつ、拡散できる。これに対して、溝領域A1,A3の位置がずれている場合、各溝領域A1,A3が配された吸収性コア30の坪量が局所的に低下してしまうことを抑制でき、溝領域A1,A3からのリウェットを抑制できる。
 以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのは言うまでもない。
 例えば、上層コア31は、高吸収性ポリマー34を含む液体吸収性繊維33を所定の形状に成形した吸収性コアであるに限らない。上層コア31は、親水性のシートにSAP層を付着させたSAPシートや、液体吸収性繊維をエアレイド法によってシート状に成形したエアレイドシート等であってもよい。
1 (パンツ型)おむつ(吸収性物品)、2 接合部、
10 吸収性本体、11 表面シート、12 中間シート、13 バックシート、
14 サイドシート、15 防漏壁弾性部材、16 脚回り弾性部材、
17 股下弾性部材(弾性部材)、18 カバーシート、
20 外装部材、21 前側胴回り部、22 後側胴回り部、23 股下部、
211,221 胴回り弾性部材、212,222 脚回り弾性部材、
30 吸収性コア、31 上層コア、32 下層コア、
33 液体吸収性繊維、34 高吸収性ポリマー、
35 溝(第2の溝)、36 溝、
37 中央スリット(スリット)、38 サイドスリット、
39 コアラップシート、
A1 溝領域(第2の溝領域)、A2 非溝領域(第2の非溝領域)、
A3 溝領域、A4 非溝領域

Claims (23)

  1.  長手方向と幅方向と厚さ方向を有し、吸収性コアを有する吸収性物品であって、
     前記吸収性コアは、上層コアと、前記上層コアよりも前記厚さ方向の非肌側に配置された下層コアとを有し、
     前記下層コアは、高吸収性ポリマーを有し、かつ、前記厚さ方向に前記下層コアの一部が凹んだ溝を有し、
     前記溝は、所定方向に長さを有し、
     前記下層コアは、前記厚さ方向に見て、前記溝が設けられた溝領域と、前記溝が設けられていない非溝領域とを有し、
     前記厚さ方向に見て、前記上層コアと前記下層コアが重複する領域に、少なくとも一部の前記溝領域が設けられており、
     前記下層コアを前記厚さ方向に二分したときに肌側に位置する部分を肌側部とし、非肌側に位置する部分を非肌側部としたとき、
     前記溝領域の前記肌側部における前記高吸収性ポリマーの平均密度は、前記非溝領域の前記肌側部における前記高吸収性ポリマーの平均密度よりも低いことを特徴とする吸収性物品。
  2.  請求項1に記載の吸収性物品であって、
     前記吸収性コアは、
      その最大幅を前記幅方向に三分割することで区画される、幅方向中央部と、一対の幅方向側部と、を有し、
      かつ、展開かつ伸張状態の前記吸収性物品を前記長手方向に二分する中心線よりも前記長手方向の前側に位置する前側部と、前記中心線よりも前記長手方向の後側に位置する後側部と、を有し、
     前記後側部は、その最大長さを前記長手方向に三分割したときの中央領域である、後側第1領域を有し、
     前記前側部は、その最大長さを前記長手方向に三分割したときの中央領域である、前側第1領域を有し、
     前記後側第1領域の前記幅方向中央部に位置する前記下層コアの前記溝領域の面積を、前記後側第1領域の前記幅方向中央部の面積で除した値は、前記前側第1領域の前記幅方向中央部に位置する前記下層コアの前記溝領域の面積を、前記前側第1領域の前記幅方向中央部の面積で除した値よりも小さいことを特徴とする吸収性物品。
  3.  請求項2に記載の吸収性物品であって、
     前記後側第1領域の前記幅方向中央部に位置する前記下層コアは、前記所定方向である前記長手方向に長さを有する前記溝が1本だけ位置する領域を有することを特徴とする吸収性物品。
  4.  請求項2又は3に記載の吸収性物品であって、
     前記後側第1領域の前記幅方向中央部の方が、前記後側第1領域の一対の前記幅方向側部に比べて、前記吸収性コアの平均坪量が高く、
     前記後側第1領域の一対の前記幅方向側部にそれぞれ位置する前記下層コアは、前記所定方向である前記長手方向に長さを有する前記溝を有することを特徴とする吸収性物品。
  5.  請求項2から4の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
     前記後側部は、前記後側第1領域よりも前記長手方向の前側に、後側第2領域を有し、
     前記前側部は、前記前側第1領域よりも前記長手方向の後側に、前側第2領域を有し、
     前記後側第2領域に位置する前記下層コアの前記溝領域と、前記前側第2領域に位置する前記下層コアの前記溝領域との、前記長手方向の間において、前記下層コアは、その前記幅方向の一端から他端に亘り前記非溝領域が連続している領域を有することを特徴とする吸収性物品。
  6.  請求項2から5の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
     前記後側部は、前記後側第1領域よりも前記長手方向の前側に、後側第2領域を有し、
     前記後側第2領域の前記幅方向中央部に位置する前記下層コアの前記溝領域の面積を、前記後側第2領域の前記幅方向中央部の面積で除した値は、前記後側第1領域の前記幅方向中央部に位置する前記下層コアの前記溝領域の面積を、前記後側第1領域の前記幅方向中央部の面積で除した値よりも大きいことを特徴とする吸収性物品。
  7.  請求項2から6の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
     前記前側部は、前記前側第1領域よりも前記長手方向の後側に、前側第2領域を有し、
     前記前側第1領域の前記幅方向中央部に位置する前記下層コアの方が、前記前側第2領域の前記幅方向中央部に位置する前記下層コアに比べて、前記所定方向である前記長手方向に長さを有する前記溝を数多く有することを特徴とする吸収性物品。
  8.  請求項2から7の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
     前記下層コアの平均坪量は、前記上層コアの平均坪量よりも高いことを特徴とする吸収性物品。
  9.  請求項1から8の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
     前記吸収性物品は、前記吸収性コアの前記幅方向の両側部において、肌側に起立可能な一対の防漏壁部を有し、
     展開かつ伸張状態の前記吸収性物品を前記厚さ方向に見たときに、前記下層コアは、少なくとも一部が前記防漏壁部と重なる前記溝領域を有することを特徴とする吸収性物品。
  10.  請求項1から9の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
     前記上層コアは、高吸収性ポリマーを有し、
     前記上層コアにおける前記高吸収性ポリマーの平均密度は、前記下層コアにおける前記高吸収性ポリマーの平均密度よりも高いことを特徴とする吸収性物品。
  11.  請求項1から10の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
     前記非溝領域の前記非肌側部における前記高吸収性ポリマーの平均密度は、前記非溝領域の前記肌側部における前記高吸収性ポリマーの平均密度よりも低いことを特徴とする吸収性物品。
  12.  請求項1から11の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
     前記溝は、前記下層コアの非肌側面から前記厚さ方向の肌側に凹んだ溝であることを特徴とする吸収性物品。
  13.  請求項1から12の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
     前記上層コアは、高吸収性ポリマーを備え、
     前記上層コアを前記厚さ方向に二分したときに肌側に位置する部分を肌側部とし、非肌側に位置する部分を非肌側部としたとき、
     前記下層コアの少なくとも一部において、前記下層コアの或る領域の前記肌側部における前記高吸収性ポリマーの平均密度は、前記或る領域に対向する前記上層コアの領域の前記非肌側部における前記高吸収性ポリマーの平均密度よりも高いことを特徴とする吸収性物品。
  14.  請求項1から13の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
     前記溝は、前記所定方向である前記長手方向に長さを有する主溝と、前記主溝から前記幅方向に延在する従溝と、を有し、
     複数の前記主溝が前記幅方向に間隔を空けて並び、
     前記主溝から、前記長手方向に間隔を空けて複数の前記従溝が前記幅方向に延在していることを特徴とする吸収性物品。
  15.  請求項1から14の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
     前記上層コアは、高吸収性ポリマーを有し、かつ、前記厚さ方向に前記上層コアの一部が凹んだ第2の溝を有し、
     前記第2の溝は、前記長手方向に長さを有し、
     前記上層コアは、前記厚さ方向に見て、前記第2の溝が設けられた第2の溝領域と、前記第2の溝が設けられていない第2の非溝領域と、を有し、
     前記厚さ方向に見て、前記上層コアと前記下層コアが重複する領域に、少なくとも一部の前記第2の溝領域が設けられており、
     前記上層コアを前記厚さ方向に二分したときに肌側に位置する部分を肌側部とし、非肌側に位置する部分を非肌側部としたとき、
     前記第2の溝領域の前記肌側部における前記高吸収性ポリマーの平均密度は、前記第2の非溝領域の前記肌側部における前記高吸収性ポリマーの平均密度よりも低いことを特徴とする吸収性物品。
  16.  請求項15に記載の吸収性物品であって、
     前記第2の非溝領域の前記非肌側部における前記高吸収性ポリマーの平均密度は、前記第2の非溝領域の前記肌側部における前記高吸収性ポリマーの平均密度よりもが低いことを特徴とする吸収性物品。
  17.  請求項15又は16に記載の吸収性物品であって、
     前記第2の溝は、前記上層コアの肌側面から前記厚さ方向の非肌側に凹んだ溝であることを特徴とする吸収性物品。
  18.  請求項15から17の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
     前記厚さ方向に見て、前記下層コアの前記溝領域は、前記上層コアの前記第2の溝領域と重複する部分を有することを特徴とする吸収性物品。
  19.  請求項15から18の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
     前記下層コアは、着用者の股下部が当接する領域の前記幅方向の中央部において、前記下層コアを前記厚さ方向に貫通するスリットを有し、
     前記スリットは、前記長手方向に長さを有し、
     前記厚さ方向に見て、前記下層コアの前記スリットは前記上層コアと重複し、かつ、前記下層コアの前記スリットの少なくとも一部の領域では、前記上層コアの前記第2の溝領域と重複しないことを特徴とする吸収性物品。
  20.  請求項19に記載の吸収性物品であって、
     着用者の股下部が当接する領域に、前記長手方向に伸縮する弾性部材が配置されており、
     前記厚さ方向に見て、前記下層コアの前記スリットの全ての領域は、前記上層コアの前記第2の溝領域と重複せず、
     前記厚さ方向に見て、前記スリットは、前記弾性部材と重複する部分を有することを特徴とする吸収性物品。
  21.  請求項1から20の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
     前記下層コアは、着用者の股下部が当接する領域の前記幅方向の側部において、前記下層コアを前記厚さ方向に貫通する一対のサイドスリットを有し、
     前記一対のサイドスリットよりも前記幅方向の外側であり、前記一対のサイドスリットの少なくとも一部と前記長手方向に重複する位置に、前記溝領域が設けられていることを特徴とする吸収性物品。
  22.  請求項1から21の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
     前記下層コアは、着用者の股下部が当接する領域の前記幅方向の中央部において、前記下層コアを前記厚さ方向に貫通するスリットを有し、
     前記スリットは、前記長手方向に長さを有し、
     前記溝領域は、前記所定方向である前記長手方向に長さを有し、
     前記下層コアは、前記スリットよりも前記長手方向の後側において、前記幅方向の一端から他端に亘り前記非溝領域が連続している領域を有し、
     前記非溝領域が連続している領域に、前記上層コアの前記長手方向の後端が位置していることを特徴とする吸収性物品。
  23.  請求項1から22の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
     前記下層コアは、前記上層コアの長手方向の端よりも長手方向の外側に延出しており、
     前記上層コアよりも前記長手方向の外側に延出した前記下層コアの部位に、前記溝領域が設けられていることを特徴とする吸収性物品。
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