WO2022009278A1 - 室外機の梱包装置 - Google Patents

Abstract

室外機の梱包装置は、室外機の筐体からドレン水を排水するために筐体に取り付けられる逆円錐形状の筐体側接続部と、筐体側接続部に対して反対側の端部を構成してホースが取り付けられる管状のホース側接続部と、筐体側接続部とホース側接続部との間に位置するＬ字形状のつけ根部と、を有するドレン排水管を備えた室外機の梱包装置であって、室外機の底部が載置される一対の下部緩衝材と、上面が開口した箱状に形成されており、一対の下部緩衝材が収納される下部段ボール材と、を備え、一対の下部緩衝材は、互いに対向する内側面部をそれぞれ有し、一対の下部緩衝材のうち一方の下部緩衝材の内側面部には、上下方向に延びる溝状に形成された切欠き部を有し、切欠き部を構成する壁部が、ドレン排水管のホース側接続部を挟んで固定するものである。

Description

室外機の梱包装置

　本開示は、冷凍サイクル装置を構成する室外機の梱包に用いられる室外機の梱包装置に関するものである。

　従来、冷凍サイクル装置の室外機を保管し、あるいは、輸送する際には、室外機は梱包装置で梱包される。この梱包装置は、室外機の天面部を覆う上部段ボール材と、上部段ボール材と室外機の天面部との間に配置される上部緩衝材とを有する。また、梱包装置は、室外機の底部を覆う下部段ボール材と、下部段ボール材と室外機の底部との間に配置される下部緩衝材とを有する。上部段ボール材及び上部緩衝材は、室外機の上部を覆う上部梱包材を構成し、下部段ボール材及び下部緩衝材は、室外機の下部を覆う下部梱包材を構成する。そして、梱包装置は、下部段ボール材及び上部段ボール材の外側からバンド部材が掛けられており、上部梱包材と下部梱包材とはバンド部材によって固定されている。

　ルームエアコン等に用いられる室外機を梱包する梱包装置は、室外機の排水に用いられるドレン排水管が室外機の筐体と共に梱包されているものがある。このような梱包装置は、室外機の下部を覆う下部緩衝材の表面にポケットのように窪んだ形状の部分が形成されており、ドレン排水管は、この窪んだ形状の部分に収納され、梱包されている（例えば、特許文献１参照）。

実開平７－４０５３８号公報

　特許文献１の梱包装置のような下部緩衝材の窪み部分にドレン排水管を収納する梱包装置は、物流の荷扱い上、梱包材と室外機との固定状態を保持するバンド部材が作業者によって故意に引っ張られた場合、下部梱包材とドレン排水管とが破損する恐れがある。より詳細には、物流の荷扱い上、作業者によってバンド部材が故意に引っ張られた場合、下部緩衝材のドレン排水管を収納する窪んだ形状の部分とバンド部材との間の、下部緩衝材の壁が薄い箇所が、バンド部材に対抗できずに凹んで破損するおそれがある。また、下部段ボール材は、下部緩衝材の壁が薄い箇所が、バンド部材に対抗できずに凹んで破損することによって、バンド部材に対抗できず、下部緩衝材と共に凹んで破損する恐れがある。さらに、下部梱包材の破損によって、作業者のバンド部材を引っ張る力が、バンド部材を介してドレン排水管に及ぶためドレン排水管も破損する恐れがある。

　本開示は、上記のような課題を解決するためのもので、バンド部材が引っ張られた場合でも、ドレン排水管が破損しない室外機の梱包装置を提供することにある。

　本開示の室外機の梱包装置は、室外機の筐体からドレン水を排水するために筐体に取り付けられる逆円錐形状の筐体側接続部と、筐体側接続部に対して反対側の端部を構成してホースが取り付けられる管状のホース側接続部と、筐体側接続部とホース側接続部との間に位置するＬ字形状のつけ根部と、を有するドレン排水管を備えた室外機の梱包装置であって、室外機の底部が載置される一対の下部緩衝材と、上面が開口した箱状に形成されており、一対の下部緩衝材が収納される下部段ボール材と、を備え、一対の下部緩衝材は、互いに対向する内側面部をそれぞれ有し、一対の下部緩衝材のうち一方の下部緩衝材の内側面部には、上下方向に延びる溝状に形成された切欠き部を有し、切欠き部を構成する壁部が、ドレン排水管のホース側接続部を挟んで固定するものである。

　本開示に係る室外機の梱包装置は、一対の下部緩衝材のうち一方の下部緩衝材の内側面部に、上下方向に延びる溝状に形成された切欠き部を有し、切欠き部を構成する壁部が、ドレン排水管のホース側接続部を挟んで固定するものである。梱包装置は、下部緩衝材にドレン排水管を収納するための穴を形成する必要がなく、穴とバンド部材との間の下部緩衝材の壁が薄い箇所が存在しない。そのため、梱包装置は、バンド部材が引っ張られた場合でも、下部緩衝材が破損しにくい。そして、梱包装置は、ドレン排水管が一対の下部梱包材によって保護され、作業者のバンド部材を引っ張る力が、バンド部材を介してドレン排水管に及ぶことがないためドレン排水管の破損を防ぐことができる。

実施の形態１に係る梱包装置の前面側の斜視図である。 実施の形態１に係る梱包装置の背面側の斜視図である。 図１の梱包装置の分解斜視図である。 ドレン排水管を示す図である。 室外機の底部の斜視図である。 室外機の底部と、底部に取り付けられる前のドレン排水管とを示した図である。 室外機の底部と、底部に取り付けられたドレン排水管とを示した図である。 図３の右下部緩衝材及び左下部緩衝材の拡大図である。 右下部緩衝材の内側面部側の斜視図である。 図３の下部段ボール材の斜視図である。 図１０の下部段ボール材の展開図である。 下部梱包材と室外機の斜視図である。 ドレン排水管が収納された下部梱包材の上面図である。 切欠き部にドレン排水管が固定された状態を拡大した詳細図である。 比較例に係る梱包装置の梱包を分解した状態を示した図である。 比較例に係る下部梱包材の上面図である。 実施の形態２に係る下部段ボール材の斜視図である。 実施の形態２に係る下部段ボール材の切起こし部の斜視図である。 実施の形態２に係る下部梱包材の上面図である。 実施の形態２に係る切起こし部とドレン排水管との固定部分を拡大した詳細図である。 実施の形態３に係る切欠き部の斜視図である。 実施の形態３に係るドレン排水管の固定部分を拡大した詳細図である。 図２２のＨ－Ｈ線に沿った水平方向の断面を表した概念図である。

　以下、本開示の実施の形態に係る室外機１５０の梱包装置１００について図面等を参照しながら説明する。以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、以下に記載する実施の形態の全文において共通することとする。そして、明細書全文に表されている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定するものではない。また、図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。なお、本実施の形態において、理解を容易にするために方向を表す用語（例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など）を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本開示を限定するものではない。

実施の形態１．
［梱包装置１００の構成］
　図１は、実施の形態１に係る梱包装置１００の前面側の斜視図である。図２は、実施の形態１に係る梱包装置１００の背面側の斜視図である。図３は、図１の梱包装置１００の分解斜視図である。図１～図３を参照して梱包装置１００の各部の構成を説明する。なお、図１以下の図面において示すＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸は、室外機１５０の熱交換器１８０が配置される側を梱包装置１００の背面側とし、梱包装置１００を梱包装置１００の前面側から見た場合の軸方向を表すものとする。そのため、Ｘ軸は、Ｘ１側を左、Ｘ２側を右として梱包装置１００の左右の幅方向を示す。また、Ｙ軸は、Ｙ１側を前側、Ｙ２側を後側として梱包装置１００の前後の奥行方向を示す。さらに、Ｚ軸は、Ｚ１側を上、Ｚ２側を下として梱包装置１００の上下方向を示すものである。

［梱包装置１００の被包装体］
　梱包装置１００に梱包される被包装体は、冷凍サイクル装置の室外機１５０である。冷凍サイクル装置は、例えば、冷蔵庫あるいは冷凍庫、自動販売機、空気調和装置、冷凍装置、給湯器などの、冷凍用途または空調用途に使用される。

　室外機１５０は、筐体１５５を有する。室外機１５０の筐体１５５は、室外機１５０の外郭を構成する。筐体１５５は、板金製であり、底面を構成する底部１５１と、底面と対向する天面を構成する天面部１５２と、底部１５１と天面部１５２との間の側壁を形成する側壁部１５３と、を有し、略直方体形状に構成されている。室外機１５０の前面（Ｙ１）側の側壁部１５３には、空気の吹出口となる吹出口１５８が形成されている。

　室外機１５０の底部１５１には、側壁部１５３が取り付けられ、底部１５１の下面部には、左右方向（Ｘ軸方向）に間隔を開けて配置された２つの脚部１５４が設けられている。脚部１５４は、室外機１５０を設置場所に固定する際に筐体１５５の土台となる。図３に示すように、脚部１５４は、室外機１５０の前後方向（Ｙ軸方向）に延びるように形成されており、脚部１５４の先端は筐体１５５の前側（Ｙ１側）と背面側（Ｙ２側）とに位置している。

　室外機１５０は、熱交換器１８０と、送風機（図示は省略）と、圧縮機（図示は省略）とを有する。熱交換器１８０は、内部を流れる冷媒と、熱交換器１８０の周りの空気との熱交換を行い、蒸発器又は凝縮器として機能する。この熱交換器１８０は、側壁部１５３に形成された開口部１５３ａから露出するように筐体１５５内に配置されている。この開口部１５３ａは、室外機１５０の背面（Ｙ２）側に形成されている。

　図４は、ドレン排水管９０を示す図である。室外機１５０は、ドレン排水管９０を有する。図５は、室外機１５０の底部１５１の斜視図である。ドレン排水管９０は、室外機１５０を構成する筐体１５５の底部１５１に取り付けられ、室外機１５０の内部で冷房運転時又は暖房運転時に結露等により発生したドレン水を室外機１５０の筐体１５５の外部へ排水するための部品である。

　室外機１５０の筐体１５５は、図５に示すように、底部１５１にドレン水を排水するための貫通孔であるドレン穴１５１ａが形成されている。室外機１５０は、このドレン穴１５１ａにドレン排水管９０が嵌合して取り付けられる。ドレン排水管９０は、底部１５１のドレン穴１５１ａに一端が固定され、他端に、排水穴からの排水を特定の位置に導くためのドレンホースが接続される。

　ドレン排水管９０は、室外機１５０の筐体１５５の外部側から底部１５１に形成された排水穴と連通するように底部１５１に取り付けられる筐体側接続部９１と、筐体側接続部９１に連通するホース側接続部９２とを有している。また、ドレン排水管９０は、筐体側接続部９１とホース側接続部９２との間に位置するつけ根部９４を有している。

　筐体側接続部９１は、排水穴との連通部分からホース側接続部９２との連通口部分に向かって径が小さくなるように形成されている。筐体側接続部９１は、漏斗の逆円錐形の部分のように逆円錐形状、あるいは、逆さにした傘の形状に形成されている。筐体側接続部９１は、筐体１５５の底部１５１と対向する縁部９１ａと、筐体側接続部９１とつけ根部９４との境界である接続部９１ｂと、の間が斜面を形成している。

　ホース側接続部９２は、筐体側接続部９１に対して反対側の端部を構成する。ホース側接続部９２は、ドレンホースとの接続部分であり、ドレンホースの管内に挿入されるように管状に形成されている。つけ根部９４は、Ｌ字形状に形成されており、筐体側接続部９１で採集されたドレン水の流れる向きを変えている。

　ドレン排水管９０は、ドレン水を受け止める筐体側接続部９１に、室外機１５０の底部１５１に嵌合する爪部９５が設けられている。図４では、筐体側接続部９１は、４つの爪部９５を有しているが、爪部９５の数は４つに限定されるものではなく、２つから３つでもよく、あるいは、５つ以上であってもよい。

　図６は、室外機１５０の底部１５１と、底部１５１に取り付けられる前のドレン排水管９０とを示した図である。図７は、室外機１５０の底部１５１と、底部１５１に取り付けられたドレン排水管９０とを示した図である。ドレン排水管９０は、爪部９５が底部１５１のドレン穴１５１ａを形成する底部１５１の縁部に嵌合することで、室外機１５０の底部１５１に取り付けられる。

　ドレン排水管９０の筐体側接続部９１は、底部１５１のドレン穴１５１ａの外径よりも大きく形成されており、底部１５１のドレン穴１５１ａから流れ出るドレン水を外に漏らすことなく受け止めることができる。

［梱包装置１００］
　梱包装置１００は、室外機１５０を梱包する梱包装置である。梱包装置１００は、被梱包体である室外機１５０を保護するものであり、室外機１５０を荷扱い時の接触から保護する耐衝撃性と、室外機１５０にかかる圧力から保護する耐圧性とを有するものである。梱包装置１００は、図１～図３に示すように、被包装体となる室外機１５０の底部１５１が載置される右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０と、右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０が載置される下部段ボール材３０とを有する。

　また、梱包装置１００は、室外機１５０の天面部１５２に載置される上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０と、上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０に載置される上部段ボール材６０とを有する。また、梱包装置１００は、熱交換器１８０を覆うことで、物流における荷扱い時の接触から熱交換器１８０を保護し、熱交換器１８０に係る圧力から熱交換器１８０を保護する背面梱包材８０を有する。さらに、梱包装置１００は、下部段ボール材３０と上部段ボール材６０の外側に掛けられるバンド部材７０を有する。

（右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０）
　図８は、図３の右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０の拡大図である。図３及び図８を用いて右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０について説明する。なお、図３及び図８は、右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０の大まかな構成を概念的に示した図であり、表面の凹凸等を省略している。なお、右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０の総称を下部緩衝材５とする。

　右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０は、室外機１５０の底部１５１が載置される一対の下部緩衝材５である。右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０は、互いに室外機１５０の幅方向（Ｘ軸方向）に間を空けて配置される。右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０はそれぞれ、発泡スチロール等の合成樹脂材を略直方体状に成形したものである。

　右下部緩衝材１０は、上面部１１ａと、底面部１１ｂと、前面側の壁面及び後面側の壁面をそれぞれ形成する２つの側面部１１ｃと、外側面部１１ｄと、内側面部１１ｅとを有する六面体である。上面部１１ａは、右下部緩衝材１０の天面を構成し、底面部１１ｂは右下部緩衝材１０の底面を構成する。そして、２つの側面部１１ｃと、外側面部１１ｄと、内側面部１１ｅとは、右下部緩衝材１０の側壁を構成する。

　なお、図８では、上面部１１ａ、底面部１１ｂ、２つの側面部１１ｃ、外側面部１１ｄ及び内側面部１１ｅはそれぞれ、平面で構成されているように記載されている。しかし、上面部１１ａ、底面部１１ｂ、２つの側面部１１ｃ、外側面部１１ｄ及び内側面部１１ｅは、平面を構成する形態に限定されるものではない。上面部１１ａ、底面部１１ｂ、２つの側面部１１ｃ、外側面部１１ｄ及び内側面部１１ｅにはそれぞれ、凹凸が設けられてもよい。また、壁面によって構成される角部は、面取りされていてもよい。

　同様に、左下部緩衝材２０は、上面部２１ａと、底面部２１ｂと、前面側の壁面及び後面側の壁面をそれぞれ形成する２つの側面部２１ｃと、外側面部２１ｄと、内側面部２１ｅとを有する六面体である。上面部２１ａは、左下部緩衝材２０の天面を構成し、底面部２１ｂは左下部緩衝材２０の底面を構成する。そして、２つの側面部２１ｃと、外側面部２１ｄと、内側面部２１ｅとは、左下部緩衝材２０の側壁を構成する。

　図８では、上面部２１ａ、底面部２１ｂ、２つの側面部２１ｃ、外側面部２１ｄ及び内側面部２１ｅはそれぞれ、平面で構成されているように記載されている。しかし、上面部２１ａ、底面部２１ｂ、２つの側面部２１ｃ、外側面部２１ｄ及び内側面部２１ｅは、平面を構成する形態に限定されるものではない。上面部２１ａ、底面部２１ｂ、２つの側面部２１ｃ、外側面部２１ｄ及び内側面部２１ｅにはそれぞれ、凹凸が設けられてもよい。また、壁面によって構成される角部は、面取りされていてもよい。

　一対の下部緩衝材５である右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０は、下部段ボール材３０の後述する底板部３１に載置された場合に、内側面部１１ｅと内側面部２１ｅとが互いに対向している。

　右下部緩衝材１０は、上面部１１ａに凹部１２が形成されており、同様に、左下部緩衝材２０は、上面部２１ａに凹部２２が形成されている。凹部１２及び凹部２２は、上面部１１ａ及び上面部２１ａから内側に凹んだ溝状に形成された部分であり、梱包装置１００の短手方向（Ｙ軸方向）に延びるように形成されている。室外機１５０が右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０に載置された状態では、凹部１２及び凹部２２には、室外機１５０の底部１５１に設けられた脚部１５４が挿入されており、凹部１２及び凹部２２内に脚部１５４が配置されている。

　図９は、右下部緩衝材１０の内側面部１１ｅ側の斜視図である。図９に示すように、右下部緩衝材１０には、ドレン排水管９０を嵌合する切欠き部１５が設けられている。切欠き部１５は、梱包装置１００の左右方向（Ｘ軸方向）において、右下部緩衝材１０の内側１１１ｅに設けられている。すなわち、切欠き部１５は、右下部緩衝材１０の内側面部１１ｅに形成されている。

　図９では、ドレン排水管９０を嵌合する切欠き部１５が右下部緩衝材１０に設けられているが、左右方向（Ｘ軸方向）において、下部緩衝材５の内側１１１ｅであるならば、ドレン排水管９０を嵌合する切欠き部１５は、左下部緩衝材２０に設けられてもよい。ドレン排水管９０を嵌合する切欠き部１５が左下部緩衝材２０に設けられている場合には、切欠き部１５は、左下部緩衝材２０の内側面部２１ｅに形成されている。

　切欠き部１５は、梱包装置１００の前後方向（Ｙ軸方向）において、室外機１５０の筐体１５５と下部段ボール材３０との間の隙間から作業者が視認できる位置に形成されている。切欠き部１５は、生産上あるいは運搬上、ドレン排水管９０の紛失及び破損がないことを視認できる位置に設けられている。切欠き部１５は、室外機１５０を梱包しても梱包状態でドレン排水管９０が確認できる位置に形成されている。

　切欠き部１５は、内側面部１１ｅに形成された凹んだ溝であり、右下部緩衝材１０の上下方向（Ｚ軸方向）に延びるように形成された溝である。上述したように、梱包装置１００は、左下部緩衝材２０に、切欠き部１５が形成されてもよい。左下部緩衝材２０に形成された切欠き部１５は、内側面部２１ｅに形成された凹んだ溝であり、左下部緩衝材２０の上下方向（Ｚ軸方向）に延びるように形成された溝である。

　切欠き部１５は、上下端が開口した溝である。切欠き部１５を構成する溝の底面は、溝壁面部１５ｂによって形成されている。したがって、内側面部１１ｅは、右下部緩衝材１０の最も外側の壁を形成する内側表面部１１ｅ１と、内側表面部１１ｅ１から外側面部１１ｄに近づいて形成された壁部を構成する溝壁面部１５ｂとを有する。

　内側面部１１ｅは、内側表面部１１ｅ１と溝壁面部１５ｂとの間に段差が生じている。内側表面部１１ｅ１は、内側面部１１ｅの第１内側壁部であり、溝壁面部１５ｂは、内側面部１１ｅの第２内側壁部である。切欠き部１５はまた、前縦壁部１５ａ２及び後縦壁部１５ａ１を有する。前縦壁部１５ａ２及び後縦壁部１５ａ１は、内側表面部１１ｅ１と溝壁面部１５ｂとの間の壁を形成し、内側表面部１１ｅ１と溝壁面部１５ｂとの間の段差を形成する。切欠き部１５において、前縦壁部１５ａ２と後縦壁部１５ａ１とは、前後方向（Ｙ軸方向）に対向する壁を構成する。

　ドレン排水管９０は、ホース側接続部９２が切欠き部１５の前縦壁部１５ａ２と後縦壁部１５ａ１とによって挟持される。そのため、ドレン排水管９０は、前後左右方向の固定位置が切欠き部１５の形成位置によって決定される。また、ドレン排水管９０は、梱包状態で室外機１５０の底部１５１と下部段ボール材３０とによって、切欠き部１５の上下端が閉塞される。そのため、ドレン排水管９０は、上下方向に移動することがなく切欠き部１５に固定され保持されている。

（下部段ボール材３０）
　図１０は、図３の下部段ボール材３０の斜視図である。図１１は、図１０の下部段ボール材３０の展開図である。図３、図１０及び図１１を用いて下部段ボール材３０について説明する。なお、図２及び図３に示すように、右下部緩衝材１０、左下部緩衝材２０、及び、下部段ボール材３０は、室外機１５０の下部を覆う、下部梱包材１３０である。梱包装置１００は、被包装体となる室外機１５０の底部１５１が載置される下部梱包材１３０を有する。

　下部段ボール材３０は、右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０の底面及び側面を被うように形成されたトレイ型の段ボール材である。下部段ボール材３０は、上面が開口した箱状に形成されており、一対の下部緩衝材５が収納される。梱包装置１００において、下部段ボール材３０は、右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０の外側に被せられる。下部段ボール材３０は、下部段ボール材３０の外側に掛けられるバンド部材７０によって、室外機１５０が載置された右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０を覆う状態が維持される。

　下部段ボール材３０は、右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０が載置される平板状の底板部３１を有する。この底板部３１は、平面視で矩形状に形成されている。

　下部段ボール材３０は、底板部３１の長手方向（Ｘ軸方向）の縁部３１ａに沿って設けられ、この縁部３１ａを境にして底板部３１に対して角度をつけて折り曲げられる長辺側壁部３２を有する。下部段ボール材３０は、下部段ボール材３０の短手方向（Ｙ軸方向）において互いに対向するように、１対の長辺側壁部３２が設けられている。底板部３１に対して、折り曲げられた１対の長辺側壁部３２は、それぞれ底板部３１の長手方向（Ｘ軸方向）に延びるように形成されており、また、底板部３１から上方（Ｚ１方向）に延びるように形成されている。

　２つの長辺側壁部３２のうち、下部段ボール材３０の前方の側壁を構成するものが第１側壁部３２ａであり、下部段ボール材３０の後方の側壁を構成するものが第２側壁部３２ｂである。第１側壁部３２ａと第２側壁部３２ｂとは、それぞれ底板部３１の縁部３１ａを境に折り曲げられ、互いに対向するように下部段ボール材３０の側壁を構成する。なお、第１側壁部３２ａは、室外機１５０の吹出口１５８が形成されている側の面の側壁であり、第２側壁部３２ｂは、室外機１５０の熱交換器１８０が外部に露出している側の面の側壁である。

　下部段ボール材３０は、底板部３１の短手方向（Ｙ軸方向）の縁部３１ｂに沿って設けられ、この縁部３１ｂを境にして底板部３１に対して角度をつけて折り曲げられる短辺側壁部３３を有する。下部段ボール材３０は、下部段ボール材３０の長手方向（Ｘ軸方向）において互いに対向するように、１対の短辺側壁部３３が設けられている。底板部３１に対して、折り曲げられた１対の短辺側壁部３３は、それぞれ底板部３１の短手方向（Ｙ軸方向）に延びるように形成されており、また、底板部３１から上方（Ｚ１方向）に延びるように形成されている。

　２つの短辺側壁部３３のうち、下部段ボール材３０の左側の側壁を構成するものが第３側壁部３３ａであり、下部段ボール材３０の右側の側壁を構成するものが第４側壁部３３ｂである。第３側壁部３３ａと第４側壁部３３ｂとは、組み立てられた下部段ボール材３０において、第１側壁部３２ａと第２側壁部３２ｂとの間に形成されている。第３側壁部３３ａと第４側壁部３３ｂとは、それぞれ底板部３１の縁部３１ｂを境に折り曲げられ、互いに対向するように下部段ボール材３０の側壁を構成する。

　下部段ボール材３０は、一枚の板状の下部段ボール材３０の短辺側壁部３３と長辺側壁部３２とを折り曲げて接続させ、下部段ボール材３０の側壁を形成することで、底板部３１を底面とした器状に形成される。

（上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０）
　図３に戻り、上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０は、発泡スチロール材を略直方体状に成形したものである。上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０は、室外機１５０の幅方向（Ｘ軸方向）において、室外機１５０の天面部１５２の両肩に被せられる。上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０は、室外機１５０の天面部１５２が嵌るように、下面側にそれぞれ天面部１５２の形状に沿った凹部（図示は省略）が形成されている。上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０は、室外機１５０の天面部１５２の端縁部及び角部と当接する部分を中心に肉厚に形成されている。

　上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０は、図３に示すように、天面部１５２の中央付近と対向する部分に切り欠き部４１及び切り欠き部５１が形成されてもよい。上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０に切り欠き部４１及び切り欠き部５１が形成されることで、上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０を構成する材料の量を削減することができる。なお、上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０は、別体として説明しているが、１つの部材として形成されてもよい。

（上部段ボール材６０）
　上部段ボール材６０は、上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０の上面及び側面を被うように形成されたトレイ型の段ボール材であり、上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０の外側に被せられる。なお、図３に示すように、上部緩衝材４０、上部緩衝材５０、及び、上部段ボール材６０は、室外機１５０の上部を覆う、上部梱包材１４０である。上部段ボール材６０は、上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０に載置される平板状の天板部６１を有する。この天板部６１は、平面視で矩形状に形成されている。

　また、上部段ボール材６０は、天板部６１の長手方向（Ｘ軸方向）の縁部に沿って、天板部６１の長手方向（Ｘ軸方向）に延びるように形成された対向する２つの長辺側壁部６２を有する。また、上部段ボール材６０は、天板部６１の短手方向（Ｙ軸方向）の縁部に沿って、天板部６１の短手方向（Ｙ軸方向）に延びるように形成された対向する２つの短辺側壁部６３を有する。

　上部段ボール材６０は、一枚の板状の上部段ボール材６０の短辺側壁部６３と長辺側壁部６２とを折り曲げて接続させ、上部段ボール材６０の側壁を形成することによって、天板部６１を底面とした器状に形成されている。

（背面梱包材８０）
　背面梱包材８０は、室外機１５０の背面側から室外機１５０の熱交換器１８０を覆う。室外機１５０を梱包する際には、熱交換器１８０は、室外機１５０の背面側から背面梱包材８０によって覆われる。背面梱包材８０は、被梱包体である熱交換器１８０を外的要因から保護するものであり、例えば、物流における荷扱い時の接触から被梱包体を保護する耐衝性と、被梱包体に係る圧力から被梱包体を保護する耐圧性とを有するものである。

　熱交換器１８０がフィンアンドチューブ型の熱交換器である場合、熱交換器１８０は、間隔を置いて並列に配置された複数の板状フィンと、複数の板状フィンと交差する複数の伝熱管と、を有する。特に、フィンが板状のフィンである場合に、フィンは接触により変形しやすい。背面梱包材８０は、熱交換器１８０を構成する板状のフィンを覆うことで、板状のフィンへの接触を防止することができ、これらの変形を防ぐことができる。

　背面梱包材８０は、板状に形成されている。背面梱包材８０の素材は、例えば、段ボール材から形成されている。しかし、背面梱包材８０の素材は、段ボール材に限定されるものではなく、例えば、樹脂材等から形成されてもよい。

　背面梱包材８０は、室外機１５０の包装状態において、上部が上部段ボール材６０で固定され、下部が下部段ボール材３０で固定される。なお、背面梱包材８０は、梱包装置１００の必須の構成要素ではなく、梱包装置１００は、背面梱包材８０を有してもよく、背面梱包材８０を有さなくてもよい。

（バンド部材７０）
　図１及び図２に戻り、バンド部材７０は、室外機１５０に右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０並びに上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０が嵌めこまれ、それらを下部段ボール材３０及び上部段ボール材６０で覆った状態を維持するためのものである。梱包装置１００は、室外機１５０を覆うようにして上部梱包材１４０と下部梱包材１３０とが室外機１５０に充てられ、上部梱包材１４０及び下部梱包材１３０がバンド部材７０によって拘束されている。また、バンド部材７０は、熱交換器１８０を背面梱包材８０で覆った状態を維持するためのものである。

　バンド部材７０は、下部段ボール材３０及び上部段ボール材６０の外側に掛けられる。すなわち、バンド部材７０は、例えば、ＰＰバンド（ポリプロピレンバンド）である。バンド部材７０は、下部段ボール材３０に対して右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０とは反対側に配置される。同様に、バンド部材７０は、上部段ボール材６０に対して上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０とは反対側に配置される。

　バンド部材７０は、下部段ボール材３０の外側から短辺側壁部３３と底板部３１とに掛けられ、下部段ボール材３０が、室外機１５０が載置された右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０を覆う状態を維持するものである。また、バンド部材７０は、上部段ボール材６０の外側から短辺側壁部６３と天板部６１とに掛けられ、上部段ボール材６０が、室外機１５０に被せられた上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０を覆う状態を維持するものである。下部段ボール材３０及び上部段ボール材６０に、このように掛けられるバンド部材７０が、後述する長手バンド７１である。

　バンド部材７０は、下部段ボール材３０の外側から長辺側壁部３２と底板部３１とに掛けられ、下部段ボール材３０が、室外機１５０が載置された右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０を覆う状態を維持するものである。また、バンド部材７０は、上部段ボール材６０の外側から長辺側壁部６２と天板部６１とに掛けられ、上部段ボール材６０が、室外機１５０に被せられた上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０を覆う状態を維持するものである。下部段ボール材３０及び上部段ボール材６０に、このように掛けられるバンド部材７０が、後述する短手バンド７２である。

　バンド部材７０は、長手バンド７１と、短手バンド７２とを有する。図１及び図２に示すように、２本の短手バンド７２が室外機１５０の前後方向及び上下方向（Ｙ軸方向及びＺ軸方向）に配置されて掛けられており、１本の長手バンド７１が幅方向及び上下方向（Ｘ軸方向及びＺ軸方向）に配置されて掛けられている。すなわち、バンド部材７０は、３本使用されている。しかし、使用されるバンド部材７０の本数は３本に限定されるものではなく、１本又は２本でもよく、４本以上であってもよい。但し、バンド部材７０は、少なくとも１本の長手バンド７１を含むものである。なお、短手バンド７２は、下部段ボール材３０の破損を防ぐため、下部段ボール材３０を介して、右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０と対向する位置に掛けられるのが望ましい。

［梱包作業］
　図１２は、下部梱包材１３０と室外機１５０の斜視図である。図１３は、ドレン排水管９０が収納された下部梱包材１３０の上面図である。図１４は、切欠き部１５にドレン排水管９０が固定された状態を拡大した詳細図である。図１～図３、及び、図１２～図１４を用いて、梱包装置１００により室外機１５０を梱包する作業について説明する。上記のような梱包装置１００により室外機１５０を梱包するには、梱包作業者は、図３に示すように、右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０を下部段ボール材３０の底板部３１に配置する。

　次に、梱包作業者は、図１３に示すように、ドレン排水管９０を右下部緩衝材１０の切欠き部１５に配置する。図１４に示すように、右下部緩衝材１０に設けられた切欠き部１５の幅寸法Ａは、ドレン排水管９０のホース側接続部９２の管径よりも小さく設定されている。そのため、梱包作業者が、ドレン排水管９０のホース側接続部９２を切欠き部１５に圧入することによって、ドレン排水管９０のホース側接続部９２は、右下部緩衝材１０に挟持されて固定される。梱包装置１００は、切欠き部１５を構成する前縦壁部１５ａ２及び後縦壁部１５ａ１の壁部が、ドレン排水管９０のホース側接続部９２を挟んで固定するように形成されている。なお、幅寸法Ａは、前後方向（Ｙ軸方向）における、前縦壁部１５ａ２と後縦壁部１５ａ１との間の距離である。

　右下部緩衝材１０は、上述したように、発泡スチロール材で作られている。そのため、右下部緩衝材１０は、ドレン排水管９０のホース側接続部９２が圧入された状態となってもドレン排水管９０のホース側接続部９２の外形に沿って変形することができる。

　切欠き部１５は、図１２に示すように、室外機１５０を梱包しても梱包状態で筐体１５５と下部段ボール材３０の長辺側壁部３２との間の隙間にドレン排水管９０が確認できる位置に形成されている。ここで、側面部１１ｃと切欠き部１５との間の距離、すなわち、側面部１１ｃと前縦壁部１５ａ２との間の距離を右下部緩衝材１０の寸法Ｂと定義する。右下部緩衝材１０は、寸法Ｂがドレン排水管９０の筐体側接続部９１の半径の大きさと同等の距離、もしくは、筐体側接続部９１の半径の大きさよりも大きい距離となるような位置に切欠き部１５が形成されている。

　梱包装置１００は、切欠き部１５がこのような位置に形成されていることによって、寸法Ｂを構成する部分の右下部緩衝材１０の肉厚を確保し、右下部緩衝材１０の強度の低下を防ぐことができる。梱包装置１００は、寸法Ｂを構成する部分の右下部緩衝材１０の肉厚を確保することによって、梱包装置１００が落下した場合に右下部緩衝材１０の破損を防ぐことができる。

　梱包作業者は、図１及び図２に示すように、室外機１５０の底部１５１を右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０の上に載置する。また、梱包作業者は、室外機１５０の一対の脚部１５４をそれぞれ凹部１２及び凹部２２に嵌入する。そして、梱包作業者は、図３に示すように、背面梱包材８０を、下部段ボール材３０に配置し、室外機１５０の天面部１５２に上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０を載置して、その上に上部段ボール材６０を嵌合して覆う。この際、背面梱包材８０は、倒れないように上部段ボール材６０によって、背面梱包材８０の上部が固定される。その後、梱包作業者は、下部段ボール材３０と上部段ボール材６０との間に１つ又は複数のバンド部材７０を掛けて緊縛して固定し、室外機１５０の梱包作業を終了する。なお、ここで説明した梱包作業の順番は一例であり、各工程の順番が入れ替わってもよい。

［梱包装置１００の作用効果］
　室外機１５０の梱包装置１００は、一対の下部緩衝材５のうち一方の下部緩衝材５の内側面部１１ｅに、上下方向に延びる溝状に形成された切欠き部１５を有し、切欠き部１５を構成する壁部が、ドレン排水管９０のホース側接続部９２を挟んで固定するものである。梱包装置１００は、下部緩衝材５にドレン排水管９０を収納するための穴を形成する必要がなく、穴とバンド部材７０との間の下部緩衝材５の壁が薄い箇所が存在しない。そのため、梱包装置１００は、バンド部材７０が引っ張られた場合でも、下部緩衝材５が破損しにくい。そして、梱包装置１００は、ドレン排水管９０が一対の下部緩衝材５によって保護され、作業者のバンド部材７０を引っ張る力が、バンド部材７０を介してドレン排水管９０に及ぶことがないためドレン排水管９０の破損を防ぐことができる。また、仮に下部緩衝材５の破損が起こったとしても、ドレン排水管９０は、内側面部１１ｅ側に固定されているためバンド部材７０によってドレン排水管９０が破損することがない。

　図１５は、比較例に係る梱包装置１００Ｌの梱包を分解した状態を示した図である。図１６は、比較例に係る下部梱包材１３０Ｌの上面図である。なお、図１５は、上部梱包材１４０及びバンド部材７０等の記載を省略している。比較例に係る梱包装置１００Ｌは、従来、一般的に使用されている装置である。ここで、比較例に係る梱包装置１００Ｌについて説明する。

　図１５及び図１６に示すように、梱包装置１００Ｌは、下部梱包材１３０Ｌを構成する下部緩衝材５のうち右下部緩衝材１０にドレン排水管９０を収納する貫穴形状部１７が設けられている。貫穴形状部１７は、右下部緩衝材１０に形成された貫通孔である。ドレン排水管９０は、室外機１５０の梱包状態において、右下部緩衝材１０に設けられた貫穴形状部１７に収納される。

　室外機１５０が梱包された状態で、ドレン排水管９０は、上下を室外機１５０の底部１５１と下部段ボール材３０の底板部３１で挟まれている。また、室外機１５０が梱包された状態で、ドレン排水管９０は、左右前後方向を右下部緩衝材１０に設けた貫穴形状部１７の内壁により保持される。室外機１５０が梱包された状態で、ドレン排水管９０は、室外機１５０の底部１５１、下部段ボール材３０の底板部３１、及び、貫穴形状部１７の内壁によって囲まれるためドレン排水管９０は、下部梱包材１３０から脱落することはない。

　梱包装置１００Ｌは、物流の荷扱い上、作業者によってバンド部材７０が故意に引っ張られた場合に右下部緩衝材１０が破損する恐れがある。より詳細には、図１６に示すように、右下部緩衝材１０は、ドレン排水管９０を収納する貫穴形状部１７とバンド部材７０との間の、右下部緩衝材１０の壁が薄い箇所Ｋが、バンド部材７０に対抗できずに凹んで破損するおそれがある。

　また、下部段ボール材３０は、右下部緩衝材１０の壁が薄い箇所Ｋが、バンド部材７０に対抗できずに凹んで破損することによって、バンド部材７０に対抗できず、右下部緩衝材１０と共に凹んで破損する恐れがある。さらに、梱包装置１００Ｌは、右下部緩衝材１０の破損によって、作業者のバンド部材７０を引っ張る力が、バンド部材７０を介してドレン排水管９０に及ぶためドレン排水管９０も破損する恐れがある。

　梱包装置１００Ｌは、右下部緩衝材１０にドレン排水管９０を収納する貫穴形状部１７を設けられている。これに対して、実施の形態１に係る梱包装置１００は、ドレン排水管９０を固定し保持するために右下部緩衝材１０の内側面部１１ｅに切欠き部１５が設けられている。実施の形態１に係る梱包装置１００は、ドレン排水管９０を切欠き部１５に嵌め込み、固定する。実施の形態１に係る梱包装置１００は、切欠き部１５を有することによって、貫穴形状部１７を形成する必要がなく、バンド部材７０が引っ張られた場合でも、ドレン排水管９０が破損する恐れがない。

　また、切欠き部１５の幅寸法Ａは、ドレン排水管９０のホース側接続部９２の管径よりも小さく形成されている。そのため、作業者が、ドレン排水管９０のホース側接続部９２を切欠き部１５に挿入するだけで、梱包装置１００は、切欠き部１５を構成する前縦壁部１５ａ２及び後縦壁部１５ａ１の壁部が、ドレン排水管９０のホース側接続部９２を挟んで固定することができる。

実施の形態２．
　図１７は、実施の形態２に係る下部段ボール材３０の斜視図である。図１８は、実施の形態２に係る下部段ボール材３０の切起こし部３５の斜視図である。図１９は、実施の形態２に係る下部梱包材１３０の上面図である。図２０は、実施の形態２に係る切起こし部３５とドレン排水管９０との固定部分を拡大した詳細図である。図１～図２０の梱包装置１００と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。

　実施の形態１では、ドレン排水管９０は、ドレン排水管９０が切欠き部１５に圧入され保持されることによって左右方向（Ｘ軸方向）の移動が規制されて、下部梱包材１３０に固定されている。これに対し、実施の形態２では、梱包装置１００は、切欠き部１５に追加して下部段ボール材３０に切起こし部３５を設けて、ドレン排水管９０の左右方向（Ｘ軸方向）の移動の規制と、下部梱包材１３０に対するドレン排水管９０の固定とを強化している。

　図１７及び図１８に示すように、下部段ボール材３０の底板となる底板部３１には、梱包装置１００の左右方向（Ｘ軸方向）において、ドレン排水管９０を固定する切起こし部３５を形成するための切断部３５ａが設けられている。切起こし部３５は、底板部３１に形成された切断部３５ａが切断され、底板部３１から切り起こされることによって所謂フラットアーチ状の壁として形成される。

　図１８に示すように、切起こし部３５は、底板部３１から折り曲げられて底板部３１から上方に延びる一対の立壁３５ｂと、一対の立壁３５ｂの上端部において、一対の立壁３５ｂの間に延びる横板３５ｃとを有する。切起こし部３５は、立壁３５ｂの基部となる谷折部３５ｄが切り残されており底板部３１と接続している。

　切起こし部３５の谷折部３５ｄは、底板部３１を垂直方向に見た平面視において、隣接する右下部緩衝材１０の内側面部１１ｅと平行に形成されている。そのため、切起こし部３５が底板部３１に対して垂直となるように切起こされた場合には、図１９及び図２０に示すように、切起こし部３５と右下部緩衝材１０の内側面部１１ｅとは、互いに対向する壁を構成する。また、切起こし部３５は、水平方向において切欠き部１５と対向するように形成されている。

　図１８に示すように、切起こし部３５は、底板部３１から切り起こされると、一対の立壁３５ｂと、横板３５ｃと、底板部３１との間に空間Ｍを形成する。図１９及び図２０に示すように、下部梱包材１３０にドレン排水管９０を収納する際に、空間Ｍには、ドレン排水管９０の筐体側接続部９１の一部が挿入される。

　図２０に示すように、ドレン排水管９０は、下部梱包材１３０において、右下部緩衝材１０に設けた切欠き部１５に挿入され、ホース側接続部９２が右下部緩衝材１０と嵌合しており、筐体側接続部９１が切起こし部３５に引っ掛かり保持された状態となる。ドレン排水管９０は、筐体側接続部９１の先端側が空間Ｍに挿入されて、切起こし部３５の横板３５ｃ、又は、立壁３５ｂと引っ掛かることによって、ドレン排水管９０の筐体側接続部９１が固定される。すなわち、梱包装置１００は、切起こし部３５と底板部３１との間の空間Ｍに、ドレン排水管９０の筐体側接続部９１が挿入されてドレン排水管９０が固定される。

　上述したように、ドレン排水管９０は、右下部緩衝材１０に設けられた切欠き部１５に固定された状態で下部段ボール材３０に設けられた切起こし部３５にドレン排水管９０の筐体側接続部９１が引っ掛かる。この時、ドレン排水管９０の筐体側接続部９１は、立壁３５ｂに引っ掛かることによって、左右前後方向の移動が規制され、横板３５ｃに引っ掛かることよって上下方向の移動が規制される。

　そのため、切起こし部３５は、内側幅寸法Ｃの大きさが、筐体側接続部９１の直径の大きさよりも小さくなるように形成されている。また、切起こし部３５は、内側高さ寸法Ｄが、ドレン排水管９０の爪部９５を下に向けた時の筐体側接続部９１の縁部９１ａと接続部９１ｂとの間の位置の高さと同じ高さに形成されている。なお、内側幅寸法Ｃは、一対の立壁３５ｂ同士の間の距離であり、内側高さ寸法Ｄは、横板３５ｃと底板部３１との間の距離である。また、筐体側接続部９１は、爪部９５が設けられていない側から見ると円錐台状に形成されており、爪部９５を下に向けた状態の平面視で、円形状に形成されている。

　なお、上記の説明では、切起こし部３５と右下部緩衝材１０との関係について説明した。しかし、切欠き部１５が左下部緩衝材２０に形成されている場合には、切起こし部３５と右下部緩衝材１０との関係は、切起こし部３５と左下部緩衝材２０との関係に当てはまる。

［梱包装置１００の作用効果］
　梱包装置１００は、切起こし部３５と底板部３１との間に、ドレン排水管９０の筐体側接続部９１が挿入されてドレン排水管９０が固定される。ドレン排水管９０は、一方の端部であるホース側接続部９２が切欠き部１５によって固定され、他方の端部である筐体側接続部９１が切起こし部３５によって固定される。梱包装置１００は、下部緩衝材５の切欠き部１５からドレン排水管９０が外れそうになっても、切起こし部３５によってドレン排水管９０の移動が規制されるためドレン排水管９０の固定を保持できる。梱包装置１００は、切欠き部１５に加えて切起こし部３５を設けることによって、ドレン排水管９０を固定する能力を高めることができる。

　また、切起こし部３５は、水平方向において切欠き部１５と対向するように形成されている。ドレン排水管９０は、一方の端部と他方の端部とが固定され、切起こし部３５と切欠き部１５との位置する方向において移動が規制されたため、切起こし部３５と切欠き部１５とから外れにくくなる。

実施の形態３．
　図２１は、実施の形態３に係る切欠き部１８の斜視図である。図２２は、実施の形態３に係るドレン排水管９０の固定部分を拡大した詳細図である。図２３は、図２２のＨ－Ｈ線に沿った水平方向の断面を表した概念図である。図１～図２３の梱包装置１００と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。実施の形態３は、切欠き部１８の構造が、実施の形態１及び２に係る切欠き部１５の構造と異なるものである。

　実施の形態３では、右下部緩衝材１０にドレン排水管９０の筐体側接続部９１を嵌合する円形溝を設け、ドレン排水管９０と右下部緩衝材１０とが嵌合し、ドレン排水管９０が右下部緩衝材１０に固定される構成を説明する。

　図２１に示すように、右下部緩衝材１０には、ドレン排水管９０のホース側接続部９２と嵌合する切欠き部１８ｃが設けられている。また、右下部緩衝材１０には、切欠き部１８ｃと連通し、ドレン排水管９０のつけ根部９４と嵌合する位置に、ドレン排水管９０のつけ根部９４が挿入されるつけ根挿入部１８ｂが設けられている。

　また、右下部緩衝材１０には、切欠き部１８ｃとつけ根挿入部１８ｂの上方に、切欠き部１８ｃとつけ根挿入部１８ｂと連通し、ドレン排水管９０の筐体側接続部９１が挿入され嵌合する収納部１８ａが設けられている。右下部緩衝材１０に形成された切欠き部１８は、上述した、切欠き部１８ｃと、つけ根挿入部１８ｂと、収納部１８ａとによって形成されている。

　切欠き部１８ｃは、右下部緩衝材１０に形成された直方体形状の貫通孔である。切欠き部１８ｃは、前縦壁部１８ｃ２と、後縦壁部１８ｃ１とによって形成されている。前縦壁部１８ｃ２及び後縦壁部１８ｃ１は、内側面部１１ｅとつけ根挿入部１８ｂとの間の壁を構成する。ドレン排水管９０のホース側接続部９２は、切欠き部１８ｃの前縦壁部１８ｃ２と後縦壁部１８ｃ１とによって挟まれ固定される。

　一対の下部緩衝材５のうち切欠き部１８ｃが形成された下部緩衝材５は、ドレン排水管９０のつけ根部９４が挿入されるつけ根挿入部１８ｂを有する。つけ根挿入部１８ｂは、右下部緩衝材１０に形成された円柱形状の貫通孔である。つけ根挿入部１８ｂは、円筒形状の内壁面１８ｂ１によって形成されている。水平方向において、内壁面１８ｂ１と、前縦壁部１８ｃ２及び後縦壁部１８ｃ１とは、連続して形成されている。内壁面１８ｂ１と、前縦壁部１８ｃ２及び後縦壁部１８ｃ１とは、底板部３１を垂直方向に見た場合に、鍵穴形状に形成されている。つけ根挿入部１８ｂと切欠き部１８ｃとは、水平方向で連通している。つけ根挿入部１８ｂは、収納部１８ａの下方に切欠き部１８ｃと連通するように形成されている。

　一対の下部緩衝材５のうち切欠き部１８ｃが形成された下部緩衝材５は、切欠き部１８ｃの上方に筐体側接続部９１の少なくとも一部を挿入するための収納部１８ａを有する。収納部１８ａは、側面の一部に矩形状の切欠き部分を有する略円柱状に形成された切り欠き部分である。収納部１８ａは、切欠き部１８にドレン排水管９０が配置された場合に、筐体側接続部９１と対向する中間底部１８ａ１を有する。

　また、収納部１８ａは、切欠き部１８にドレン排水管９０が配置された場合に、水平方向から筐体側接続部９１を囲む円筒形状の内壁面１８ａ２を有する。内壁面１８ａ２は、右下部緩衝材１０の上面部１１ａと中間底部１８ａ１との間の段差を形成する。収納部１８ａは、上下方向（Ｚ軸方向）において、切欠き部１８ｃ及びつけ根挿入部１８ｂと連通する。

　図２２及び図２３に示すように、ドレン排水管９０は、ホース側接続部９２が切欠き部１８ｃに圧入され、ホース側接続部９２が右下部緩衝材１０と嵌合され、右下部緩衝材１０に固定される。この状態において、ドレン排水管９０の筐体側接続部９１は収納部１８ａに収納される。ドレン排水管９０は、右下部緩衝材１０に嵌合され固定された状態で、ドレン排水管９０のつけ根部９４もまた右下部緩衝材１０のつけ根挿入部１８ｂに収納される。

　右下部緩衝材１０は、ドレン排水管９０が右下部緩衝材１０に嵌合され固定された状態で、切欠き部１８ｃ及びつけ根挿入部１８ｂの高さＧが、ホース側接続部９２とつけ根部９４との合計の高さよりも大きくなるように形成されている。なお、高さＧは、右下部緩衝材１０の底面部１１ｂと中間底部１８ａ１との間の距離である。

　また、右下部緩衝材１０は、ドレン排水管９０が右下部緩衝材１０に嵌合され固定された状態で、収納部１８ａの高さＦが、ドレン排水管９０の筐体側接続部９１と爪部９５との合計の高さよりも大きくなるように形成されている。なお、高さＦは、右下部緩衝材１０の中間底部１８ａ１と上面部１１ａとの間の距離である。

　梱包装置１００は、室外機１５０の梱包状態において、右下部緩衝材１０の上下方向に位置する下部段ボール材３０の底板部３１と、室外機１５０の底部１５１とによってドレン排水管９０が覆われて、ドレン排水管９０が上下方向に移動しないように固定される。

　また、ドレン排水管９０は、筐体側接続部９１が収納部１８ａに収納されることによって水平方向の移動が規制され、右下部緩衝材１０に固定される。収納部１８ａは、内側面部１１ｅに開口している。内側面部１１ｅにおける収納部１８ａの開口部寸法Ｅは、ドレン排水管９０の筐体側接続部９１の外径よりも小さく形成されており、収納部１８ａからドレン排水管９０が外れることはない。

　上述した説明では、右下部緩衝材１０に切欠き部１８が形成されている態様を説明したが、切欠き部１８は、左下部緩衝材２０に形成されてもよい。

［梱包装置１００の作用効果］
　一対の下部緩衝材５のうち切欠き部１５が形成された下部緩衝材５は、切欠き部１５の上方に筐体側接続部９１の少なくとも一部を挿入するための収納部１８ａを有する。梱包装置１００は、下部緩衝材５の内側面部１１ｅ側に収納部１８ａを設けることで筐体側接続部９１の破損からの保護を更に強化することができる。また、実施の形態１と同様に、梱包装置１００は、ドレン排水管９０が一対の下部緩衝材５によって保護され、作業者のバンド部材７０を引っ張る力が、バンド部材７０を介してドレン排水管９０に及ぶことがないためドレン排水管９０の破損を防ぐことができる。また、仮に下部緩衝材５の破損が起こったとしても、ドレン排水管９０は、内側面部１１ｅ側に固定されているためバンド部材７０によってドレン排水管９０が破損することがない。

　また、一対の下部緩衝材５のうち切欠き部１５が形成された下部緩衝材５は、ドレン排水管９０のつけ根部９４が挿入されるつけ根挿入部１８ｂを有し、つけ根挿入部１８ｂは、収納部１８ａの下方に切欠き部１８ｃと連通するように形成されている。梱包装置１００は、ドレン排水管９０のつけ根部９４を収容するつけ根挿入部１８ｂを有しすることで、ドレン排水管９０を安定して保持することができ、ドレン排水管９０の固定を強化することができる。

　上記の各実施の形態１～３は、互いに組み合わせて実施することが可能である。また、以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。

　５　下部緩衝材、１０　右下部緩衝材、１１ａ　上面部、１１ｂ　底面部、１１ｃ　側面部、１１ｄ　外側面部、１１ｅ　内側面部、１１ｅ１　内側表面部、１２　凹部、１５　切欠き部、１５ａ１　後縦壁部、１５ａ２　前縦壁部、１５ｂ　溝壁面部、１７　貫穴形状部、１８　切欠き部、１８ａ　収納部、１８ａ１　中間底部、１８ａ２　内壁面、１８ｂ　つけ根挿入部、１８ｂ１　内壁面、１８ｃ　切欠き部、１８ｃ１　後縦壁部、１８ｃ２　前縦壁部、２０　左下部緩衝材、２１ａ　上面部、２１ｂ　底面部、２１ｃ　側面部、２１ｄ　外側面部、２１ｅ　内側面部、２２　凹部、３０　下部段ボール材、３１　底板部、３１ａ　縁部、３１ｂ　縁部、３２　長辺側壁部、３２ａ　第１側壁部、３２ｂ　第２側壁部、３３　短辺側壁部、３３ａ　第３側壁部、３３ｂ　第４側壁部、３５　切起こし部、３５ａ　切断部、３５ｂ　立壁、３５ｃ　横板、３５ｄ　谷折部、４０　上部緩衝材、４１　切り欠き部、５０　上部緩衝材、５１　切り欠き部、６０　上部段ボール材、６１　天板部、６２　長辺側壁部、６３　短辺側壁部、７０　バンド部材、７１　長手バンド、７２　短手バンド、８０　背面梱包材、９０　ドレン排水管、９１　筐体側接続部、９１ａ　縁部、９１ｂ　接続部、９２　ホース側接続部、９４　つけ根部、９５　爪部、１００　梱包装置、１００Ｌ　梱包装置、１１１ｅ　内側、１３０　下部梱包材、１３０Ｌ　下部梱包材、１４０　上部梱包材、１５０　室外機、１５１　底部、１５１ａ　ドレン穴、１５２　天面部、１５３　側壁部、１５３ａ　開口部、１５４　脚部、１５５　筐体、１５８　吹出口、１８０　熱交換器、Ａ　幅寸法、Ｂ　寸法、Ｃ　内側幅寸法、Ｄ　内側高さ寸法、Ｅ　開口部寸法、Ｆ　高さ、Ｇ　高さ、Ｋ　箇所、Ｍ　空間。

Claims (6)

1. 　室外機の筐体からドレン水を排水するために前記筐体に取り付けられる逆円錐形状の筐体側接続部と、前記筐体側接続部に対して反対側の端部を構成してホースが取り付けられる管状のホース側接続部と、前記筐体側接続部と前記ホース側接続部との間に位置するＬ字形状のつけ根部と、を有するドレン排水管を備えた室外機の梱包装置であって、
   　前記室外機の底部が載置される一対の下部緩衝材と、
   　上面が開口した箱状に形成されており、前記一対の下部緩衝材が収納される下部段ボール材と、
   を備え、
   　前記一対の下部緩衝材は、
   　互いに対向する内側面部をそれぞれ有し、
   　前記一対の下部緩衝材のうち一方の下部緩衝材の前記内側面部には、上下方向に延びる溝状に形成された切欠き部を有し、
   　前記切欠き部を構成する壁部が、
   　前記ドレン排水管の前記ホース側接続部を挟んで固定する室外機の梱包装置。
2. 　前記切欠き部の幅は、
   　前記ドレン排水管の前記ホース側接続部の管径よりも小さく形成されている請求項１に記載の室外機の梱包装置。
3. 　前記下部段ボール材は、
   　前記一対の下部緩衝材が載置される板状の底板部を有し、
   　前記底板部は、
   　前記一対の下部緩衝材の間において、前記底板部から切り起こされて形成されるアーチ状の切起こし部を有し、
   　前記切起こし部と前記底板部との間に、前記ドレン排水管の前記筐体側接続部が挿入されて前記ドレン排水管が固定される請求項１又は２に記載の室外機の梱包装置。
4. 　前記切起こし部は、
   　水平方向において前記切欠き部と対向するように形成されている請求項３に記載の室外機の梱包装置。
5. 　前記一対の下部緩衝材のうち前記切欠き部が形成された下部緩衝材は、
   　前記切欠き部の上方に前記筐体側接続部の少なくとも一部を挿入するための収納部を有する請求項１又は２に記載の室外機の梱包装置。
6. 　前記一対の下部緩衝材のうち前記切欠き部が形成された下部緩衝材は、
   　前記ドレン排水管の前記つけ根部が挿入されるつけ根挿入部を有し、
   　前記つけ根挿入部は、
   　前記収納部の下方に前記切欠き部と連通するように形成されている請求項５に記載の室外機の梱包装置。

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