WO2021171685A1 - プリンタ付きデジタルカメラの制御装置、プリンタ付きデジタルカメラの制御装置の作動方法、プリンタ付きデジタルカメラの制御装置の作動プログラム - Google Patents

Abstract

被写体を撮影し、被写体を表す画像を順次出力するカメラ部、および撮影指示に応じて撮影された画像を印刷媒体に印刷するプリンタ部を有するプリンタ付きデジタルカメラの制御装置であって、少なくとも１つのプロセッサを備え、プロセッサは、カメラ部の撮影範囲内におり、被写体に含まれる撮影対象人物による第１行為であって、撮影指示と、画像の印刷指示とを兼ねた撮影印刷指示のための第１行為を認識し、第１行為を認識した場合、印刷すべき画像を出力する撮影動作をカメラ部に行わせ、撮影範囲内にいる撮影対象人物による第２行為であって、印刷すべき画像の印刷中止指示のための第２行為を認識し、予め定められた印刷待機期間中に第２行為を認識しなかった場合、印刷すべき画像の印刷をプリンタ部に行わせ、印刷待機期間中に第２行為を認識した場合、印刷すべき画像の印刷中止をプリンタ部に指示する。

Description

プリンタ付きデジタルカメラの制御装置、プリンタ付きデジタルカメラの制御装置の作動方法、プリンタ付きデジタルカメラの制御装置の作動プログラム

　本開示の技術は、プリンタ付きデジタルカメラの制御装置、プリンタ付きデジタルカメラの制御装置の作動方法、プリンタ付きデジタルカメラの制御装置の作動プログラムに関する。

　特開２００２－１２２９３４号公報には、レリーズボタンを押す等の物理的な画像の撮影指示に代えて、撮影対象人物のＶサインといった手の特定のジェスチャーを撮影指示として受け付けるカメラが記載されている。この特開２００２－１２２９３４号公報に記載の技術によれば、自らが映る画像を撮影対象人物が撮影するいわゆるセルフ撮影を行う場合等に、Ｖサイン等の自然なジェスチャーによって撮影指示を行うことができる。

　特開２０１８－０９４８４０号公報には、プリンタ付きデジタルカメラが記載されている。プリンタ付きデジタルカメラは、被写体を撮影し、被写体を表す画像を順次出力するカメラ部、および撮影指示に応じて撮影された画像をインスタントフイルムに印刷するプリンタ部を有している。このため、プリンタ付きデジタルカメラは、撮影された画像を即座にインスタントフイルムに印刷して楽しむことができる。

　特開２０１８－０９４８４０号公報に記載のプリンタ付きデジタルカメラは、プリンタ付きデジタルカメラに設けられた表示部に、撮影された画像を一定時間プレビュー表示した後、印刷指示を待たずに画像を印刷している。つまり、特開２０１８－０９４８４０号公報に記載のプリンタ付きデジタルカメラでは、撮影指示が印刷指示を兼ねている。

　特開２０１８－０９４８４０号公報に記載のプリンタ付きデジタルカメラに、特開２００２－１２２９３４号公報に記載の技術を適用した場合を考える。この場合、例えばセルフ撮影を行う際に、Ｖサインを撮影指示兼印刷指示として受け付ければ、撮影された画像を即座にインスタントフイルムに印刷可能という長所はそのままで、よりプリンタ付きデジタルカメラの使い勝手を向上させることができる。ただし、特開２０１８－０９４８４０号公報に記載のプリンタ付きデジタルカメラに、特開２００２－１２２９３４号公報に記載の技術を単に適用しただけでは、撮影に失敗した画像も印刷されてしまうので、インスタントフイルムが無駄になるおそれがあるという問題があった。

　撮影に失敗した画像の印刷を防ぐために、プレビュー表示中に印刷中止指示を受け付ける操作部材をプリンタ付きデジタルカメラに設ける態様が考えられる。しかしながら、この態様では、例えばセルフ撮影を行う場合に以下の問題が生じる。すなわち、セルフ撮影終了後、撮影対象人物は、プリンタ付きデジタルカメラの設置位置に移動してプリンタ付きデジタルカメラの表示部のプレビュー表示を確認し、これにより撮影の成否を判断するのであるが、撮影の成否を判断するまでに相応の時間が見込まれるので、プレビュー表示の時間によっては印刷中止指示が間に合わないおそれがあった。

　印刷中止指示のための操作部材をプリンタ付きデジタルカメラに設けるのではなく、印刷中止指示のためのリモートコントローラを撮影対象人物に持たせる態様も考えられる。しかしながら、リモートコントローラの信号の受信機能をプリンタ付きデジタルカメラに搭載する必要がある。また、わざわざ印刷中止指示だけに特化したリモートコントローラを用意することは、コスト面の観点から現実的ではない。

　本開示の技術は、印刷媒体が無駄になるおそれがないプリンタ付きデジタルカメラの制御装置、プリンタ付きデジタルカメラの制御装置の作動方法、プリンタ付きデジタルカメラの制御装置の作動プログラムを提供することを目的とする。

　本開示のプリンタ付きデジタルカメラの制御装置は、被写体を撮影し、被写体を表す画像を順次出力するカメラ部、および撮影指示に応じて撮影された画像を印刷媒体に印刷するプリンタ部を有するプリンタ付きデジタルカメラの制御装置であって、少なくとも１つのプロセッサを備え、プロセッサは、カメラ部の撮影範囲内におり、被写体に含まれる撮影対象人物による第１行為であって、撮影指示と、画像の印刷指示とを兼ねた撮影印刷指示のための第１行為を認識し、第１行為を認識した場合、印刷すべき画像を出力する撮影動作をカメラ部に行わせ、撮影範囲内にいる撮影対象人物による第２行為であって、印刷すべき画像の印刷中止指示のための第２行為を認識し、予め定められた印刷待機期間中に第２行為を認識しなかった場合、印刷すべき画像の印刷をプリンタ部に行わせ、印刷待機期間中に第２行為を認識した場合、印刷すべき画像の印刷中止をプリンタ部に指示する。

　プロセッサは、印刷待機期間中に、印刷すべき画像をカメラ部からプリンタ部に転送する処理を行わせることが好ましい。

　プロセッサは、印刷待機期間中に、撮影範囲内にいる撮影対象人物が視認可能な表示部に、印刷すべき画像をプレビュー表示する制御を行うことが好ましい。

　プロセッサは、印刷待機期間の経過状況を撮影対象人物に報知することが好ましい。

　プリンタ付きデジタルカメラは、カメラ部の撮影範囲を変更することが可能であり、プロセッサは、画像から撮影対象人物の顔を検出し、撮影範囲を変更することで、顔の位置を画像の予め定められた設定位置とする制御を行うことが好ましい。設定位置は、画像の中央の位置であることが好ましい。

　プロセッサは、第１行為を認識した旨、および第２行為を認識した旨を撮影対象人物に報知することが好ましい。

　プロセッサは、第１行為を認識してから予め定められた撮影待機期間が経過するまで待機した後、カメラ部に撮影動作を行わせることが好ましい。

　プロセッサは、撮影待機期間の経過状況を撮影対象人物に報知することが好ましい。

　プロセッサは、撮影動作の実行タイミングを撮影対象人物に報知することが好ましい。

　第１行為および第２行為は、撮影対象人物によるジェスチャーまたは発話音声であることが好ましい。

　ジェスチャーは、撮影対象人物の手で表されるジェスチャーであることが好ましい。第１行為は、人差し指と中指を立てて、その他の指を折り曲げた状態で、プリンタ付きデジタルカメラに手の平側を向けるジェスチャーであり、第２行為は、全ての指を広げた状態で、プリンタ付きデジタルカメラに手の平側を向けるジェスチャーであることが好ましい。

　画像の一部領域がプリンタ部の印刷領域とされており、プロセッサは、画像に印刷領域を表示する制御を行うことが好ましい。

　プロセッサは、印刷媒体の残り枚数を表示する制御を行うことが好ましい。

　印刷媒体はインスタントフイルムである。

　本開示のプリンタ付きデジタルカメラの制御装置の作動方法は、被写体を撮影し、被写体を表す画像を順次出力するカメラ部、および撮影指示に応じて撮影された画像を印刷媒体に印刷するプリンタ部を有するプリンタ付きデジタルカメラの制御装置の作動方法であって、カメラ部の撮影範囲内におり、被写体に含まれる撮影対象人物による第１行為であって、撮影指示と、画像の印刷指示とを兼ねた撮影印刷指示のための第１行為を認識する第１認識ステップと、第１行為を認識した場合、印刷すべき画像を出力する撮影動作をカメラ部に行わせる撮影制御ステップと、撮影範囲内にいる撮影対象人物による第２行為であって、印刷すべき画像の印刷中止指示のための第２行為を認識する第２認識ステップと、予め定められた印刷待機期間中に第２行為を認識しなかった場合、印刷すべき画像の印刷をプリンタ部に行わせ、印刷待機期間中に第２行為を認識した場合、印刷すべき画像の印刷中止をプリンタ部に指示する印刷制御ステップと、を備える。

　本開示のプリンタ付きデジタルカメラの制御装置の作動プログラムは、被写体を撮影し、被写体を表す画像を順次出力するカメラ部、および撮影指示に応じて撮影された画像を印刷媒体に印刷するプリンタ部を有するプリンタ付きデジタルカメラの制御装置の作動プログラムであって、カメラ部の撮影範囲内におり、被写体に含まれる撮影対象人物による第１行為であって、撮影指示と、画像の印刷指示とを兼ねた撮影印刷指示のための第１行為を認識する第１認識部と、第１行為を認識した場合、印刷すべき画像を出力する撮影動作をカメラ部に行わせる撮影制御部と、撮影範囲内にいる撮影対象人物による第２行為であって、印刷すべき画像の印刷中止指示のための第２行為を認識する第２認識部と、予め定められた印刷待機期間中に第２行為を認識しなかった場合、印刷すべき画像の印刷をプリンタ部に行わせ、印刷待機期間中に第２行為を認識した場合、印刷すべき画像の印刷中止をプリンタ部に指示する印刷制御部として、コンピュータを機能させる。

　本開示の技術によれば、印刷媒体が無駄になるおそれがないプリンタ付きデジタルカメラの制御装置、プリンタ付きデジタルカメラの制御装置の作動方法、プリンタ付きデジタルカメラの制御装置の作動プログラムを提供することができる。

撮影システムを示す図である。 プリンタ付きデジタルカメラと制御装置の間で送受信される情報を示す図である。 プリンタ付きデジタルカメラの正面斜視図である。 プリンタ付きデジタルカメラを下側から見た図である。 プリンタ付きデジタルカメラのブロック図である。 印刷画像生成部の処理を示す図である。 制御装置を構成するコンピュータを示すブロック図である。 制御装置のブロック図である。 顔検出部および手検出部の処理を示す図である。 カメラ部の撮影範囲を変更させることで、顔の位置を画像の中央の位置とする様子を示す図である。 第１行為として認識されるジェスチャーを示す図である。 第２行為として認識されるジェスチャーを示す図である。 第１行為を認識してからのカメラ部の動作の推移を示す図である。 第１行為を認識して、第２行為を認識しなかった場合のカメラ部およびプリンタ部の動作の推移を示す図である。 第１行為を認識して、かつ、第２行為を認識した場合のカメラ部およびプリンタ部の動作の推移を示す図である。 参加者が撮影位置に立っておらず、顔検出領域が予め定められた設定サイズとなっていない場合のライブビュー表示画面およびガイド音声を示す図である。 カメラ部の撮影範囲を変更させる制御を行っている場合のライブビュー表示画面およびガイド音声を示す図である。 カメラ部の撮影範囲の変更が終了した場合のライブビュー表示画面およびガイド音声を示す図である。 参加者の顔の位置が画像の中央の位置であった場合のライブビュー表示画面およびガイド音声を示す図である。 参加者がＶサインを行って、ジェスチャー認識部により第１行為が認識された場合のライブビュー表示画面およびガイド音声を示す図である。 撮影待機期間の残り秒数が３秒の場合のライブビュー表示画面およびガイド音声を示す図である。 撮影待機期間の残り秒数が２秒の場合のライブビュー表示画面およびガイド音声を示す図である。 撮影待機期間の残り秒数が１秒の場合のライブビュー表示画面およびガイド音声を示す図である。 画像の撮影動作が行われた場合のライブビュー表示画面および擬似シャッタ音を示す図である。 印刷待機期間の残り秒数が１０秒の場合のプレビュー表示画面およびガイド音声を示す図である。 印刷待機期間の残り秒数が７秒の場合のプレビュー表示画面およびガイド音声を示す図である。 参加者がストップサインを行って、ジェスチャー認識部により第２行為が認識された場合のプレビュー表示画面およびガイド音声を示す図である。 プリンタ付きデジタルカメラおよび制御装置の処理手順を示すフローチャートである。 プリンタ付きデジタルカメラおよび制御装置の処理手順を示すフローチャートである。 プリンタ付きデジタルカメラおよび制御装置の処理手順を示すフローチャートである。 第１行為として認識されるジェスチャーの別の例を示す図である。 第２行為として認識されるジェスチャーの別の例を示す図である。 第１行為として認識されるジェスチャーの別の例を示す図である。 第２行為として認識されるジェスチャーの別の例を示す図である。 第１行為として認識される発話音声を示す図である。 第２行為として認識される発話音声を示す図である。 移動制御信号生成部、撮影制御信号生成部、および印刷制御信号生成部の機能を、プリンタ付きデジタルカメラに担わせた態様を示す図である。 顔検出部、手検出部、ジェスチャー認識部、移動制御信号生成部、撮影制御信号生成部、および印刷制御信号生成部の機能を、プリンタ付きデジタルカメラに担わせた態様を示す図である。

　図１において、撮影システム２は、プリンタ付きデジタルカメラ１０および制御装置１１を備え、例えば展覧会の受付カウンター１２に設置される。プリンタ付きデジタルカメラ１０は、受付カウンター１２上に配されている。プリンタ付きデジタルカメラ１０は、受付カウンター１２に訪れた展覧会の参加者１３の顔を撮影し、これにより得られた画像１４Ｐをインスタントフイルム１５に印刷する。参加者１３は、本開示の技術に係る「撮影対象人物」の一例である。画像１４Ｐは、本開示の技術に係る「印刷すべき画像」の一例である。また、インスタントフイルム１５は、本開示の技術に係る「印刷媒体」の一例である。

　インスタントフイルム１５には、画像１４Ｐに加えて二次元コード１６が印刷される。二次元コード１６には、展覧会への入場パスが登録されている。参加者１３は、インスタントフイルム１５を受け取り、図示しない受付ゲートのコードリーダに二次元コード１６をかざして展覧会に入場する。つまり、インスタントフイルム１５が、展覧会の入場券の役割を果たす。

　制御装置１１は、プリンタ付きデジタルカメラ１０と接続されている。制御装置１１は、例えばデスクトップ型のパーソナルコンピュータであり、本体は受付カウンター１２内に配されている。制御装置１１はディスプレイ１７を有する。ディスプレイ１７は、受付カウンター１２上であって、プリンタ付きデジタルカメラ１０の横に配されている。ディスプレイ１７は、参加者１３に向けられている。制御装置１１は、プリンタ付きデジタルカメラ１０から順次出力される画像（スルー画像）１４（図２参照）をディスプレイ１７にライブビュー表示したり、インスタントフイルム１５に印刷する画像１４Ｐを、印刷前にディスプレイ１７にプレビュー表示したりする。ディスプレイ１７は、本開示の技術に係る「表示部」の一例である。

　図２において、プリンタ付きデジタルカメラ１０は、移動機構２０、カメラ部２１、プリンタ部２２、およびスピーカー２３を有している。移動機構２０は、プリンタ付きデジタルカメラ１０を移動させる。この移動機構２０により、プリンタ付きデジタルカメラ１０は、カメラ部２１の撮影範囲１１０（図１０参照）を変更することが可能である。

　カメラ部２１は、撮影範囲１１０に映る被写体（参加者１３、および背景の壁等を含む）を撮影し、被写体を表す画像１４を順次出力する。カメラ部２１から出力された画像１４は、制御装置１１に送信される。プリンタ部２２は、画像１４Ｐをインスタントフイルム１５に印刷する。プリンタ部２２は、印刷が終わる毎にインスタントフイルム１５の枚数をデクリメントすることで、インスタントフイルム１５の残り枚数２４を計数する。プリンタ部２２で計数された残り枚数２４は、制御装置１１に送信される。スピーカー２３は、画像１４Ｐの撮影および印刷の手順を参加者１３にガイドする各種ガイド音声を出力する。

　制御装置１１は、移動制御信号２５、撮影制御信号２６、および印刷制御信号２７をプリンタ付きデジタルカメラ１０に送信する。移動制御信号２５は移動機構２０の動作を制御するための信号であり、撮影制御信号２６はカメラ部２１の動作を制御するための信号であり、印刷制御信号２７はプリンタ部２２の動作を制御するための信号である。

　図３および図４に示すように、プリンタ付きデジタルカメラ１０は、本体３０を有する。本体３０は、全体として丸みを帯びた箱状をしており、内部にインスタントフイルム１５のフイルムパック３２が交換可能に装填される。フイルムパック３２には、未使用のインスタントフイルム１５が複数枚、例えば１０枚収容されている。

　本体３０の正面には、被写体光を取り込む撮影レンズ３３が配されている。撮影レンズ３３は単焦点レンズである。また、本体３０の上部には、排出口３４が形成されている。画像１４Ｐが印刷されたインスタントフイルム１５は、この排出口３４から排出される。なお、以下の説明では、撮影レンズ３３が配された方を本体３０の前と規定する。

　本体３０の底面には、一対の車輪３５と、２個のサポートボール３６とが取り付けられている。車輪３５は、本体３０の後部側の左右対称な位置に配されている。サポートボール３６は、前後の対称な位置に配されている。車輪３５は前後に回転し、サポートボール３６は車輪３５の回転に従動して回転する。車輪３５は操舵輪である。この車輪３５およびサポートボール３６の回転によって、本体３０が前後左右に移動する。

　図５に示すように、プリンタ付きデジタルカメラ１０は撮影光学系４０を有する。撮影光学系４０は、前述の撮影レンズ３３と、絞り４１と、シャッタ４２とで構成される。絞り４１は、撮影レンズ３３を通過した被写体光の光量を調整する。シャッタ４２は、撮影レンズ３３を通過した被写体光を遮光する。

　撮影光学系４０の後段には、撮像素子４３が配されている。撮像素子４３は、周知のように、被写体光を光電変換してアナログの電気信号に変換する複数の画素が、撮像面に配列された構成である。撮像素子４３は、例えばＣＣＤ（Ｃｈａｒｇｅ－Ｃｏｕｐｌｅｄ　Ｄｅｖｉｃｅ）イメージセンサ、あるいはＣＭＯＳ（Ｃｏｍｐｌｅｍｅｎｔａｒｙ　Ｍｅｔａｌ－Ｏｘｉｄｅ　Ｓｅｍｉｃｏｎｄｕｃｔｏｒ）イメージセンサである。

　撮像素子４３には、アナログ信号処理部（以下、ＡＦＥ（Ａｎａｌｏｇ　Ｆｒｏｎｔ　Ｅｎｄ）と略す）４４が接続されている。撮像素子４３は、被写体光を光電変換したアナログの電気信号を、所定のフレームレートにしたがってＡＦＥ４４に出力する。ＡＦＥ４４は、アナログの電気信号に対して、相関二重サンプリング処理、増幅処理等の各種アナログ信号処理を施した後、アナログの電気信号をデジタルの電気信号に変換するＡ／Ｄ（Ａｎａｌｏｇ－ｔｏ－Ｄｉｇｉｔａｌ）変換処理を施す。なお、撮像素子４３がＣＭＯＳイメージセンサであった場合は、ＡＦＥ４４は撮像素子４３に内蔵される。

　プリンタ付きデジタルカメラ１０は、画像入力部４５、画像メモリ４６、デジタル信号処理部（以下、ＤＳＰ（Ｄｉｇｉｔａｌ　Ｓｉｇｎａｌ　Ｐｒｏｃｅｓｓｏｒ）と略す）４７、印刷画像生成部４８、フイルム供給部４９、フイルム搬送部５０、プリントヘッド５１、送信部５２、受信部５３、モータ５４等を備えている。これら画像入力部４５、画像メモリ４６、ＤＳＰ４７、印刷画像生成部４８、フイルム供給部４９、フイルム搬送部５０、プリントヘッド５１、送信部５２、受信部５３、モータ５４等は、バスライン５５を介してコントローラ５６に接続されている。バスライン５５には、前述のスピーカー２３も接続されている。

　画像入力部４５は、ＡＦＥ４４からのデジタルの電気信号を、画像１４として取り込む。画像入力部４５は、取り込んだ画像１４を画像メモリ４６に格納する。画像メモリ４６は、複数フレーム分の画像１４を格納することが可能である。

　ＤＳＰ４７は、画像メモリ４６から画像１４を読み出す。ＤＳＰ４７は、読み出した画像１４に対して、欠陥画素補正処理、オフセット補正処理、ゲイン補正処理、リニアマトリクス処理、ホワイトバランス補正処理、ガンマ補正処理、デモザイク処理、ＹＣ（Ｙは輝度、Ｃは色差の意）変換処理といった各種デジタル信号処理を施す。ＤＳＰ４７は、処理済みの画像１４を画像メモリ４６に格納するとともに、送信部５２に出力する。送信部５２は、画像１４を制御装置１１に送信する。

　印刷画像生成部４８は、画像メモリ４６に格納された処理済みの画像１４から画像１４Ｐを生成する。印刷画像生成部４８は、生成した画像１４Ｐを画像メモリ４６に格納するとともに、送信部５２に出力する。送信部５２は、画像１４Ｐを制御装置１１に送信する。なお、撮影光学系４０、撮像素子４３、ＡＦＥ４４、画像入力部４５、画像メモリ４６、ＤＳＰ４７、および印刷画像生成部４８は、カメラ部２１を構成する。

　フイルム供給部４９は、フイルムパック３２から１枚のインスタントフイルム１５を送出し、送出したインスタントフイルム１５をプリントヘッド５１に供給する。フイルム搬送部５０は、フイルム供給部４９によりフイルムパック３２から送出された１枚のインスタントフイルム１５を、排出口３４に向けて搬送する。

　プリントヘッド５１は、インスタントフイルム１５に画像１４Ｐを印刷する。プリントヘッド５１は例えばライン型の露光ヘッドで構成される。プリントヘッド５１は画像メモリ４６から画像１４Ｐを読み出す。プリントヘッド５１は、フイルム搬送部５０によって搬送されるインスタントフイルム１５に、１ラインずつ画像１４Ｐを記録する。なお、フイルム供給部４９、フイルム搬送部５０、およびプリントヘッド５１は、プリンタ部２２を構成する。

　プリンタ部２２は、インスタントフイルム１５を画像１４Ｐの印刷に消費する度に、残り枚数２４を送信部５２に出力する。送信部５２は、残り枚数２４を制御装置１１に送信する。

　受信部５３は、移動制御信号２５、撮影制御信号２６、および印刷制御信号２７を受信する。受信部５３は、受信した移動制御信号２５、撮影制御信号２６、および印刷制御信号２７をコントローラ５６に出力する。

　モータ５４は車輪３５を前後左右に回転させる。このモータ５４と車輪３５とは、移動機構２０を構成する。

　コントローラ５６は、例えばＭＰＵ（Ｍｉｃｒｏ－Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ）であり、プリンタ付きデジタルカメラ１０の全体の動作を制御する。コントローラ５６には、プログラムメモリ５７およびワークメモリ５８が接続されている。プログラムメモリ５７には作動プログラム６０が記憶されている。作動プログラム６０は、本開示の技術に係る「プリンタ付きデジタルカメラの制御装置の作動プログラム」の一例である。

　ワークメモリ５８は、コントローラ５６が処理を実行するための作業用メモリである。コントローラ５６は、プログラムメモリ５７に記憶された作動プログラム６０をワークメモリ５８にロードして、作動プログラム６０にしたがった処理を実行する。これにより、コントローラ５６は、移動制御部６５、撮影制御部６６、印刷制御部６７、および音声制御部６８として機能する。すなわち、コントローラ５６は、本開示の技術に係る「プロセッサ」の一例である。また、コントローラ５６、プログラムメモリ５７、およびワークメモリ５８で構成されるコンピュータ７０は、本開示の技術に係る「プリンタ付きデジタルカメラの制御装置」の一例である。

　移動制御部６５は、制御装置１１からの移動制御信号２５に基づいて、移動機構２０、具体的にはモータ５４の動作を制御する。撮影制御部６６は、制御装置１１からの撮影制御信号２６に基づいて、カメラ部２１の動作を制御する。具体的には、撮影制御信号２６は画像１４Ｐの撮影指示を表し、撮影制御部６６は、撮影制御信号２６を受けて、画像１４Ｐを出力する撮影動作をカメラ部２１に行わせる。

　印刷制御部６７は、制御装置１１からの印刷制御信号２７に基づいて、プリンタ部２２の動作を制御する。印刷制御信号２７には、画像１４Ｐの印刷指示を表す信号と、画像１４Ｐの印刷中止指示を表す信号とがある。印刷制御部６７は、画像１４Ｐの印刷指示を表す印刷制御信号２７を受けて、画像１４Ｐの印刷をプリンタ部２２に行わせる。対して、印刷制御部６７は、画像１４Ｐの印刷中止指示を表す印刷制御信号２７を受けた場合、画像１４Ｐの印刷中止をプリンタ部２２に指示する。音声制御部６８は、スピーカー２３の動作を制御する。

　図６に示すように、画像１４は、例えば４：３のアスペクト比の長方形状をしている。この画像１４の一部領域が、プリンタ部２２の印刷領域７３とされている。印刷領域７３は、１：１のアスペクト比の正方形状をしている。印刷領域７３の辺の長さは、画像１４の短辺の長さと一致しており、印刷領域７３の中心は、画像１４の中心と一致している。印刷画像生成部４８は、画像メモリ４６に格納された処理済みの画像１４から印刷領域７３を切り出すことで、画像１４Ｐを生成する。このため画像１４Ｐは、画像１４の左右両端の領域を除いた画像となる。

　図７において、制御装置１１を構成するコンピュータは、前述のディスプレイ１７に加えて、ストレージデバイス７５、メモリ７６、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ　Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ）７７、および通信部７８を備えている。これらはバスライン７９を介して相互接続されている。

　ストレージデバイス７５は、例えば、制御装置１１を構成するコンピュータに内蔵されたハードディスクドライブ、あるいはソリッドステートドライブである。ストレージデバイス７５には、オペレーティングシステム等の制御プログラム、各種アプリケーションプログラム、およびこれらのプログラムに付随する各種データ等が記憶されている。

　メモリ７６は、ＣＰＵ７７が処理を実行するための作業用メモリである。ＣＰＵ７７は、ストレージデバイス７５に記憶されたプログラムをメモリ７６へロードして、プログラムにしたがった処理を実行することにより、コンピュータの各部を統括的に制御する。通信部７８は、プリンタ付きデジタルカメラ１０等との各種情報の伝送制御を行うインターフェースである。

　図８において、ストレージデバイス７５には、作動プログラム８０が記憶されている。作動プログラム８０は、制御装置１１を構成するコンピュータを、本開示の技術に係る「プリンタ付きデジタルカメラの制御装置」として作動させるためのプログラムである。すなわち、作動プログラム８０は、作動プログラム６０と同じく、本開示の技術に係る「プリンタ付きデジタルカメラの制御装置の作動プログラム」の一例である。また、制御装置１１は、本開示の技術に係る「プリンタ付きデジタルカメラの制御装置」の一例である。

　作動プログラム８０が起動されると、制御装置１１のＣＰＵ７７は、メモリ７６等と協働して、画像受信部８５、残り枚数受信部８６、顔検出部８７、手検出部８８、ジェスチャー認識部８９、移動制御信号生成部９０、撮影制御信号生成部９１、印刷制御信号生成部９２、制御信号送信部９３、および表示制御部９４として機能する。ＣＰＵ７７は、本開示の技術に係る「プロセッサ」の一例である。

　画像受信部８５は、プリンタ付きデジタルカメラ１０からの画像１４および１４Ｐを受信する。画像受信部８５は、受信した画像１４を、顔検出部８７、手検出部８８、および表示制御部９４に出力する。また、画像受信部８５は、受信した画像１４Ｐを、表示制御部９４に出力する。

　残り枚数受信部８６は、プリンタ付きデジタルカメラ１０からの残り枚数２４を受信する。残り枚数受信部８６は、受信した残り枚数２４を表示制御部９４に出力する。

　顔検出部８７は、ＳＳＤ（Ｓｉｎｇｌｅ　Ｓｈｏｔ　ＭｕｌｔｉＢｏｘ　Ｄｅｔｅｃｔｏｒ）等の物体検出用機械学習モデルといった周知の画像認識技術を用いて、画像１４から参加者１３の顔を検出する。顔検出部８７は、顔の検出結果を、移動制御信号生成部９０および表示制御部９４に出力する。

　手検出部８８は、顔検出部８７と同様に、ＳＳＤ等の物体検出用機械学習モデルといった周知の画像認識技術を用いて、画像１４から参加者１３の手を検出する。手検出部８８は、手の検出結果を、ジェスチャー認識部８９および表示制御部９４に出力する。

　ジェスチャー認識部８９は、手検出部８８からの手の検出結果に基づいて、参加者１３の手で表されるジェスチャーを認識する。ジェスチャー認識部８９は、ジェスチャーの認識結果を、撮影制御信号生成部９１、印刷制御信号生成部９２、および表示制御部９４に出力する。ジェスチャー認識部８９は、本開示の技術に係る「第１認識部」および「第２認識部」の一例である。

　移動制御信号生成部９０は、顔検出部８７からの顔の検出結果に基づいて、移動制御信号２５を生成する。移動制御信号生成部９０は、移動制御信号２５を制御信号送信部９３に出力する。

　撮影制御信号生成部９１は、ジェスチャー認識部８９からのジェスチャーの認識結果に基づいて、撮影制御信号２６を生成する。撮影制御信号生成部９１は、撮影制御信号２６を制御信号送信部９３に出力する。

　印刷制御信号生成部９２は、ジェスチャー認識部８９からのジェスチャーの認識結果に基づいて、印刷制御信号２７を生成する。印刷制御信号生成部９２は、印刷制御信号２７を制御信号送信部９３に出力する。

　制御信号送信部９３は、移動制御信号２５、撮影制御信号２６、および印刷制御信号２７をプリンタ付きデジタルカメラ１０に送信する。

　表示制御部９４は、ディスプレイ１７への各種画面の表示を制御する。各種画面には、画像１４をライブビュー表示するライブビュー表示画面１００（図１６等参照）、印刷前の画像１４Ｐをプレビュー表示するプレビュー表示画面１０１（図２５等参照）がある。

　図９に示すように、顔検出部８７は、参加者１３の顔を取り囲む矩形状の領域（以下、顔検出領域という）１０５の位置情報を、顔の検出結果として出力する。顔検出領域１０５の位置情報は、例えば、顔検出領域１０５の中心ＣＰの位置座標である。また、手検出部８８は、参加者１３の手を取り囲む矩形状の領域（以下、手検出領域という）１０６を、手の検出結果として出力する。

　図１０の矢印左側に示すように、顔検出領域１０５の中心ＣＰと画像１４の長辺の中心線ＣＬとがずれていた場合、移動制御信号生成部９０は、中心ＣＰと中心線ＣＬとを一致させるための移動制御信号２５を生成する。この移動制御信号２５に応じて、移動制御部６５は移動機構２０を動作させ、矢印右側に示すように、プリンタ付きデジタルカメラ１０を移動させ、中心ＣＰと中心線ＣＬとを一致させる。すなわち、移動制御部６５は、カメラ部２１の撮影範囲１１０を変更することで、参加者１３の顔の位置を画像１４の中央の位置とする。

　図１０では、画像１４の中心線ＣＬに対して、顔検出領域１０５の中心ＣＰが左側にずれていて、これらを一致させるためにプリンタ付きデジタルカメラ１０が左に移動される例を示している。中心線ＣＬは、本開示の技術に係る「設定位置」および「画像の中央の位置」の一例である。

　移動制御信号生成部９０は、参加者１３が予め定められた撮影位置に立ち、顔検出領域１０５が予め定められた設定サイズとなった場合に移動制御信号２５を生成する。撮影位置は、例えば受付カウンター１２の前に敷かれた足型シート等で示される。

　図１１に示すように、ジェスチャー認識部８９は、人差し指と中指を立てて、その他の指を折り曲げた状態で、プリンタ付きデジタルカメラ１０に手の平側を向けるジェスチャーを、画像１４Ｐの撮影指示と、画像１４Ｐの印刷指示とを兼ねた撮影印刷指示のための第１行為として認識する。第１行為を認識したとの認識結果をジェスチャー認識部８９から受けた場合、撮影制御信号生成部９１は、画像１４Ｐの撮影指示を表す撮影制御信号２６を生成する。また、第１行為を認識したとの認識結果をジェスチャー認識部８９から受けた場合、印刷制御信号生成部９２は、画像１４Ｐの印刷指示を表す印刷制御信号２７を生成する。以下では、人差し指と中指を立てて、その他の指を折り曲げた状態で、プリンタ付きデジタルカメラ１０に手の平側を向けるジェスチャーを、Ｖサインという。

　また、図１２に示すように、ジェスチャー認識部８９は、全ての指を広げた状態で、プリンタ付きデジタルカメラ１０に手の平側を向けるジェスチャーを、画像１４Ｐの印刷中止指示のための第２行為として認識する。第２行為を認識したとの認識結果をジェスチャー認識部８９から受けた場合、印刷制御信号生成部９２は、画像１４Ｐの印刷中止指示を表す印刷制御信号２７を生成する。以下では、全ての指を広げた状態で、プリンタ付きデジタルカメラ１０に手の平側を向けるジェスチャーを、ストップサインという。なお、図１１および図１２では、いずれも右手を示しているが、左手でもよい。

　図１３に示すように、撮影制御部６６は、第１行為を認識してから予め定められた撮影待機期間ＷＰＳが経過するまで待機した後、カメラ部２１に撮影動作を行わせる。撮影制御部６６は、撮影待機期間ＷＰＳの間、カメラ部２１に画像（ライブビュー表示用のスルー画像）１４を出力させる。撮影待機期間ＷＰＳは、例えば３秒である。

　図１４に示すように、撮影制御部６６は、予め定められた印刷待機期間ＷＰＰ中に、印刷すべき画像１４Ｐを、カメラ部２１の画像メモリ４６からプリンタ部２２のプリントヘッド５１に転送する処理を行わせる。また、印刷制御部６７は、印刷待機期間ＷＰＰ中に第２行為を認識しなかった場合、画像１４Ｐの印刷をプリンタ部２２に行わせる。印刷待機期間ＷＰＰは、カメラ部２１が画像１４Ｐを出力したときに始まる期間であり、例えば１０秒である。

　一方、図１５に示すように、印刷待機期間ＷＰＰ中に第２行為を認識した場合、撮影制御部６６は画像１４Ｐの転送を中止する。また、印刷制御部６７は、画像１４Ｐの印刷中止をプリンタ部２２に指示する。

　図１６に示すように、表示制御部９４の制御の下でディスプレイ１７に出力されるライブビュー表示画面１００には、画像１４がライブビュー表示される。画像１４の印刷領域７３以外の左右両端の領域１１５Ｌ、１１５Ｒは、ハッチングで示すようにグレーアウトされる。すなわち、表示制御部９４は、画像１４に印刷領域７３を表示する制御を行う。

　表示制御部９４は、領域１１５Ｒの下部に、インスタントフイルム１５の残り枚数２４を表示する制御を行う。また、表示制御部９４は、画像１４に顔検出領域１０５および手検出領域１０６を表示する制御を行う。

　図１６は、参加者１３が撮影位置に立っておらず、顔検出領域１０５が予め定められた設定サイズとなっていない場合のライブビュー表示画面１００を示している。この場合、音声制御部６８は、符号１１６に示すように、参加者１３を撮影位置に誘導するガイド音声である「撮影位置にお立ち下さい。」をスピーカー２３から出力させる。

　図１７は、参加者１３が撮影位置に立ち、顔検出領域１０５が予め定められた設定サイズとなっている場合のライブビュー表示画面１００を示している。かつ、図１７は、顔検出領域１０５の中心ＣＰと画像１４の長辺の中心線ＣＬとがずれていて、移動制御部６５により、カメラ部２１の撮影範囲１１０を変更することで、参加者１３の顔の位置を画像１４の中央の位置とする制御を行っている場合のライブビュー表示画面１００を示している。この場合、音声制御部６８は、符号１１７に示すように、カメラ部２１の撮影範囲１１０を変更している旨のガイド音声である「撮影範囲を変更中です。」をスピーカー２３から出力させる。

　図１８は、移動制御部６５によるカメラ部２１の撮影範囲１１０の変更が終了し、参加者１３の顔の位置が画像１４の中央の位置となった場合のライブビュー表示画面１００を示している。この場合、音声制御部６８は、符号１１８に示すように、カメラ部２１の撮影範囲１１０の変更が終了した旨のガイド音声である「撮影範囲の変更が終わりました。」をスピーカー２３から出力させる。

　図１９は、参加者１３の顔の位置が画像１４の中央の位置であった場合のライブビュー表示画面１００を示している。この場合、音声制御部６８は、符号１１９に示すように、参加者１３に第１行為であるＶサインを促す旨のガイド音声である「Ｖサインをして下さい。」をスピーカー２３から出力させる。

　図２０は、参加者１３がＶサインを行って、ジェスチャー認識部８９により第１行為が認識された場合のライブビュー表示画面１００を示している。この場合、音声制御部６８は、符号１２０に示すように、Ｖサインを認識した旨と画像１４Ｐの撮影動作を行う旨のガイド音声である「Ｖサインを認識しました。撮影を開始します。」をスピーカー２３から出力させる。すなわち、音声制御部６８は、第１行為を認識した旨を参加者１３に報知する。

　図２１～図２３は、撮影待機期間ＷＰＳにおけるライブビュー表示画面１００を示している。この場合、表示制御部９４は、領域１１５Ｌの中央部に、撮影待機期間ＷＰＳの残り秒数１２５を表示する制御を行う。すなわち、表示制御部９４は、撮影待機期間ＷＰＳの経過状況を参加者１３に報知する。

　図２１は、撮影待機期間ＷＰＳが始まった、残り秒数１２５が３秒の場合のライブビュー表示画面１００を示している。この場合、音声制御部６８は、符号１２６に示すように、残り秒数１２５が３秒である旨のガイド音声である「３」をスピーカー２３から出力させる。

　図２２は、残り秒数１２５が２秒の場合のライブビュー表示画面１００を示している。この場合、音声制御部６８は、符号１２７に示すように、残り秒数１２５が２秒である旨のガイド音声である「２」をスピーカー２３から出力させる。

　図２３は、残り秒数１２５が１秒の場合のライブビュー表示画面１００を示している。この場合、音声制御部６８は、符号１２８に示すように、残り秒数１２５が１秒である旨のガイド音声である「１」をスピーカー２３から出力させる。すなわち、音声制御部６８も、撮影待機期間ＷＰＳの経過状況を参加者１３に報知する。

　図２４は、残り秒数１２５が０秒となって撮影待機期間ＷＰＳが終わり、画像１４Ｐの撮影動作が行われた場合のライブビュー表示画面１００を示している。この場合、音声制御部６８は、符号１２９に示すように、シャッタ４２が切られたことを示す擬似シャッタ音である「カシャッ」をスピーカー２３から出力させる。すなわち、音声制御部６８は、画像１４Ｐの撮影動作の実行タイミングを参加者１３に報知する。画像１４Ｐの撮影動作の実行タイミングは、画像１４Ｐの撮影タイミングと言い換えてもよい。なお、この場合のライブビュー表示画面１００には、シャッタ４２が切られたときに得られた黒画像が一瞬表示される。この黒画像によっても、画像１４Ｐの撮影動作の実行タイミングを参加者１３に報知することができる。

　図２５に示すように、表示制御部９４の制御の下で印刷待機期間ＷＰＰ中にディスプレイ１７に出力されるプレビュー表示画面１０１には、印刷前の画像１４Ｐがプレビュー表示される。領域１１５Ｌ、１１５Ｒは、ハッチングで示すようにブラックアウトされる。すなわち、表示制御部９４は、ライブビュー表示画面１００の場合と同じく、プレビュー表示画面１０１においても、印刷領域７３を表示する制御を行う。

　表示制御部９４は、領域１１５Ｌの中央部に、印刷待機期間ＷＰＰの残り秒数１３５を表示する制御を行う。すなわち、表示制御部９４は、印刷待機期間ＷＰＰの経過状況を参加者１３に報知する。

　図２５は、印刷待機期間ＷＰＰが始まった、残り秒数１３５が１０秒の場合のプレビュー表示画面１０１を示している。この場合、音声制御部６８は、符号１３６に示すように、表示の画像１４Ｐを印刷する旨と、印刷を中止する場合は第２行為であるストップサインを行ってほしい旨のガイド音声である「表示の画像を印刷します。印刷を中止する場合は手の平を広げて見せるストップサインをして下さい。」をスピーカー２３から出力させる。

　図２６は、残り秒数１３５が７秒の場合のプレビュー表示画面１０１を示している。この場合、音声制御部６８は、符号１３７に示すように、残り秒数１３５が７秒である旨のガイド音声である「７」をスピーカー２３から出力させる。なお、図示は省略するが、残り秒数１３５が６秒以下の場合も、音声制御部６８の制御の下、残り秒数１３５を示すガイド音声がスピーカー２３から出力される。

　図２７は、参加者１３がストップサインを行って、ジェスチャー認識部８９により第２行為が認識された場合のプレビュー表示画面１０１を示している。この場合、音声制御部６８は、符号１３８に示すように、ストップサインを認識し、画像１４Ｐの印刷を中止した旨と、画像１４Ｐの再撮影を促す旨のガイド音声である「ストップサインを認識し、印刷を中止しました。もう一度Ｖサインをして撮影をし直して下さい。」をスピーカー２３から出力させる。すなわち、音声制御部６８は、第２行為を認識した旨を参加者１３に報知する。

　次に、上記構成による作用について、図２８～図３０のフローチャートを参照して説明する。まず、作動プログラム６０が起動されると、図５で示したように、プリンタ付きデジタルカメラ１０のコントローラ５６が、移動制御部６５、撮影制御部６６、印刷制御部６７、および音声制御部６８として機能される。また、作動プログラム８０が起動されると、図８で示したように、制御装置１１のＣＰＵ７７が、画像受信部８５、残り枚数受信部８６、顔検出部８７、手検出部８８、ジェスチャー認識部８９、移動制御信号生成部９０、撮影制御信号生成部９１、印刷制御信号生成部９２、制御信号送信部９３、および表示制御部９４として機能される。

　プリンタ付きデジタルカメラ１０では、カメラ部２１から画像１４が出力される。画像１４は、送信部５２により制御装置１１に送信される。

　制御装置１１では、画像受信部８５によりプリンタ付きデジタルカメラ１０からの画像１４が受信される。画像１４は、画像受信部８５から顔検出部８７、手検出部８８、および表示制御部９４に出力される。

　図２８において、顔検出部８７により画像１４から参加者１３の顔が検出され（ステップＳＴ１００でＹＥＳ）、かつ、顔検出領域１０５の中心ＣＰと画像１４の中心線ＣＬとがずれていて、顔の位置が画像１４の中央の位置になかった場合（ステップＳＴ１０１でＮＯ）、移動制御信号生成部９０により、中心ＣＰと中心線ＣＬとを一致させ、顔の位置を画像１４の中央の位置とするための移動制御信号２５が生成される。移動制御信号２５は、移動制御信号生成部９０から制御信号送信部９３に出力され、制御信号送信部９３によってプリンタ付きデジタルカメラ１０に送信される（ステップＳＴ１０２）。

　プリンタ付きデジタルカメラ１０では、受信部５３により移動制御信号２５が受信される（ステップＳＴ２００でＹＥＳ）。移動制御信号２５は、受信部５３から移動制御部６５に出力される。

　図１０で示したように、移動制御部６５により、移動制御信号２５に応じて移動機構２０が動作され、カメラ部２１の撮影範囲１１０を変更することで、参加者１３の顔の位置を画像１４の中央の位置とする制御が行われる（ステップＳＴ２０１）。

　図２９において、手検出部８８により画像１４から参加者１３の手が検出され（ステップＳＴ１１０でＹＥＳ）、かつ、検出された手の形状が、図１１で示したＶサインであった場合（ステップＳＴ１１１でＹＥＳ）、ジェスチャー認識部８９により第１行為が認識される（ステップＳＴ１１２）。第１行為を認識したとの認識結果は、ジェスチャー認識部８９から撮影制御信号生成部９１および印刷制御信号生成部９２に出力される。ステップＳＴ１１２は、本開示の技術に係る「第１認識ステップ」の一例である。

　撮影制御信号生成部９１により、画像１４Ｐの撮影指示を表す撮影制御信号２６が生成される。撮影制御信号２６は、撮影制御信号生成部９１から制御信号送信部９３に出力される。また、印刷制御信号生成部９２により、画像１４Ｐの印刷指示を表す印刷制御信号２７が生成される。印刷制御信号２７は、印刷制御信号生成部９２から制御信号送信部９３に出力される。撮影制御信号２６および印刷制御信号２７は、制御信号送信部９３によってプリンタ付きデジタルカメラ１０に送信される（ステップＳＴ１１３）。

　プリンタ付きデジタルカメラ１０では、受信部５３により撮影制御信号２６および印刷制御信号２７が受信される（ステップＳＴ２１０でＹＥＳ）。撮影制御信号２６は、受信部５３から撮影制御部６６に出力される。印刷制御信号２７は、受信部５３から印刷制御部６７に出力される。

　図２０で示したように、音声制御部６８の制御の下、第１行為を認識した旨のガイド音声１２０がスピーカー２３から出力される（ステップＳＴ２１１）。そして、図２１～図２３で示したように、表示制御部９４により、撮影待機期間ＷＰＳの残り秒数１２５がライブビュー表示画面１００に表示される（ステップＳＴ１１４）。また、音声制御部６８の制御の下、残り秒数１２５を示すガイド音声１２６～１２８がスピーカー２３から出力される（ステップＳＴ２１２）。これにより、撮影待機期間ＷＰＳの経過状況が参加者１３に報知される。

　図１３で示したように、撮影待機期間ＷＰＳの経過後（ステップＳＴ２１３でＹＥＳ）、撮影制御部６６の制御の下、カメラ部２１において画像１４Ｐの撮影動作が行われる。このとき、図２４で示したように、音声制御部６８の制御の下、擬似シャッタ音１２９がスピーカー２３から出力される（ステップＳＴ２１４）。ステップＳＴ２１４は、本開示の技術に係る「撮影制御ステップ」の一例である。

　図３０において、撮影動作後、図２５および図２６で示したように、表示制御部９４により、印刷待機期間ＷＰＰの残り秒数１３５がプレビュー表示画面１０１に表示される（ステップＳＴ１２０）。また、音声制御部６８の制御の下、表示の画像１４Ｐを印刷する旨と、印刷を中止する場合はストップサインを行ってほしい旨のガイド音声１３６がスピーカー２３から出力された後、残り秒数１３５を示すガイド音声１３７がスピーカー２３から出力される（ステップＳＴ２２０）。これにより、印刷待機期間ＷＰＰの経過状況が参加者１３に報知される。

　図１４および図１５で示したように、印刷待機期間ＷＰＰにおいては、撮影制御部６６の制御の下、画像１４Ｐを、カメラ部２１の画像メモリ４６からプリンタ部２２のプリントヘッド５１に転送する処理が行われる（ステップＳＴ２２１）。

　手検出部８８により画像１４から参加者１３の手が検出され（ステップＳＴ１２１でＹＥＳ）、かつ、検出された手の形状が、図１２で示したストップサインであった場合（ステップＳＴ１２２でＹＥＳ）、ジェスチャー認識部８９により第２行為が認識される（ステップＳＴ１２３）。第２行為を認識したとの認識結果は、ジェスチャー認識部８９から印刷制御信号生成部９２に出力される。ステップＳＴ１２３は、本開示の技術に係る「第２認識ステップ」の一例である。

　印刷制御信号生成部９２により、画像１４Ｐの印刷中止指示を表す印刷制御信号２７が生成される。印刷制御信号２７は、印刷制御信号生成部９２から制御信号送信部９３に出力される。印刷制御信号２７は、制御信号送信部９３によってプリンタ付きデジタルカメラ１０に送信される（ステップＳＴ１２４）。

　プリンタ付きデジタルカメラ１０では、受信部５３により印刷制御信号２７が受信される（ステップＳＴ２２２でＹＥＳ）。印刷制御信号２７は、受信部５３から印刷制御部６７に出力される。この場合、図２７で示したように、音声制御部６８の制御の下、第２行為を認識した旨のガイド音声１３８がスピーカー２３から出力される（ステップＳＴ２２３）。そして、図１５で示したように、印刷制御部６７によりプリンタ部２２が動作されず、インスタントフイルム１５への画像１４Ｐの印刷が中止される（ステップＳＴ２２４）。ステップＳＴ２２４は、本開示の技術に係る「印刷制御ステップ」の一例である。

　印刷待機期間ＷＰＰ中に第２行為が認識されず、印刷中止指示を表す印刷制御信号２７が受信部５３において受信されなかった場合（ステップＳＴ２２２でＮＯ、ステップＳＴ２２５でＹＥＳ）、図１４で示したように、印刷制御部６７によりプリンタ部２２が動作され、インスタントフイルム１５に画像１４Ｐが印刷される（ステップＳＴ２２６）。これにより、画像１４Ｐが印刷されたインスタントフイルム１５が参加者１３に供される。ステップＳＴ２２６は、ステップＳＴ２２４と同じく、本開示の技術に係る「印刷制御ステップ」の一例である。

　印刷待機期間ＷＰＰの経過後（ステップＳＴ１２５でＹＥＳ）、表示制御部９４により、プレビュー表示画面１０１からライブビュー表示画面１００に表示が切り替えられる（ステップＳＴ１２６）。

　以上説明したように、プリンタ付きデジタルカメラ１０のコントローラ５６は、撮影制御部６６および印刷制御部６７として機能する。制御装置１１のＣＰＵ７７は、ジェスチャー認識部８９として機能する。ジェスチャー認識部８９は、カメラ部２１の撮影範囲１１０内にいる参加者１３による第１行為であって、画像１４Ｐの撮影指示と、画像１４Ｐの印刷指示とを兼ねた撮影印刷指示のための第１行為を認識する。また、ジェスチャー認識部８９は、撮影範囲１１０内にいる参加者１３による第２行為であって、画像１４Ｐの印刷中止指示のための第２行為を認識する。撮影制御部６６は、第１行為を認識した場合、画像１４Ｐを出力する撮影動作をカメラ部２１に行わせる。印刷待機期間ＷＰＰ中に第２行為を認識しなかった場合、印刷制御部６７は、画像１４Ｐの印刷をプリンタ部２２に行わせる。一方、印刷待機期間ＷＰＰ中に第２行為を認識した場合、印刷制御部６７は、画像１４Ｐの印刷中止をプリンタ部２２に指示する。したがって、インスタントフイルム１５が無駄になるおそれがない。

　参加者１３は、プリンタ付きデジタルカメラ１０の設置位置に移動することなく、第２行為を行うだけで画像１４Ｐの印刷中止指示をプリンタ付きデジタルカメラ１０に入力することができる。このため、印刷中止指示が間に合わなくなるおそれが低減される。また、印刷中止指示のためのリモートコントローラを用意しなくともよい。

　撮影制御部６６は、印刷待機期間ＷＰＰ中に、画像１４Ｐをカメラ部２１からプリンタ部２２に転送する処理を行わせる。このため、印刷待機期間ＷＰＰが、画像１４Ｐの転送に充てられた期間であることを参加者１３に認識させることなく、あくまでも印刷中止指示を受け付ける期間として参加者１３に認識させることができる。したがって、画像１４Ｐの転送のために待たされているというストレスを、参加者１３に感じさせないで済む。

　表示制御部９４は、印刷待機期間ＷＰＰ中に、画像１４Ｐを、撮影範囲１１０内にいる参加者１３が視認可能なディスプレイ１７にプレビュー表示する制御を行う。このため、参加者１３は、顔の映り具合が良いか否かといった撮影の成否を確実に判断することができる。参加者１３は、撮影に失敗したと判断した場合に、迷うことなく印刷中止指示のための第２行為を行うことができる。

　音声制御部６８および表示制御部９４は、残り秒数１３５およびガイド音声１３７等により、印刷待機期間ＷＰＰの経過状況を参加者１３に報知する。このため、参加者１３は、印刷待機期間ＷＰＰの経過状況を確実に把握することができる。

　プリンタ付きデジタルカメラ１０は、移動機構２０によって、カメラ部２１の撮影範囲１１０を変更することが可能である。顔検出部８７は、画像１４から参加者１３の顔を検出する。移動制御部６５は、撮影範囲１１０を変更することで、参加者１３の顔の位置を画像１４の中央の位置とする制御を行う。このため、参加者１３に関わらず、顔が中央に位置する、構図が略同じ画像１４Ｐを撮影することができる。

　音声制御部６８は、ガイド音声１２０および１３８により、第１行為を認識した旨、および第２行為を認識した旨を参加者１３に報知する。このため、参加者１３は、自らが行った第１行為および第２行為が確かに認識されたことを把握することができる。

　撮影制御部６６は、第１行為を認識してから撮影待機期間ＷＰＳが経過するまで待機した後、カメラ部２１に画像１４Ｐの撮影動作を行わせる。このため、参加者１３は、撮影待機期間ＷＰＳの間に、表情および／またはポーズを整えることができる。したがって、撮影の失敗自体を減らすことができる。

　音声制御部６８および表示制御部９４は、残り秒数１２５およびガイド音声１２６～１２８により、撮影待機期間ＷＰＳの経過状況を参加者１３に報知する。このため、参加者１３は、撮影待機期間ＷＰＳの経過状況を確実に把握することができる。

　音声制御部６８は、擬似シャッタ音１２９により、画像１４Ｐの撮影動作の実行タイミングを参加者１３に報知する。このため、参加者１３は、画像１４Ｐの撮影動作の実行タイミングを確実に把握することができる。

　第１行為および第２行為は、参加者１３によるジェスチャーであり、ジェスチャーは、参加者１３の手で表されるジェスチャーである。このため、参加者１３は、手の形状を変化させるだけで、第１行為による撮影印刷指示と第２行為による印刷中止指示とを行うことができる。

　第１行為は、人差し指と中指を立てて、その他の指を折り曲げた状態で、プリンタ付きデジタルカメラ１０に手の平側を向けるジェスチャー（Ｖサイン）であり、第２行為は、全ての指を広げた状態で、プリンタ付きデジタルカメラ１０に手の平側を向けるジェスチャー（ストップサイン）である。Ｖサインは、写真撮影を行う場合にしばしばとられるポピュラーなポーズである。また、ストップサインは、例えば人の接近を阻止したり、勧められた事柄を断ったりする場合にしばしばとられるポピュラーなポーズである。こうしたポピュラーなポーズを第１行為および第２行為に採用したので、参加者１３にとっては直感的に分かりやすい。参加者１３は、心理的な抵抗なく第１行為および第２行為を行うことができる。

　表示制御部９４は、印刷領域７３以外の領域１１５Ｌ、１１５Ｒをグレーアウトさせることで、画像１４に印刷領域７３を表示する制御を行う。このため、参加者１３は、印刷領域７３を確実に把握することができる。

　表示制御部９４は、インスタントフイルム１５の残り枚数２４を表示する制御を行う。このため、フイルムパック３２の交換を行う撮影システム２の管理者等に、残り枚数２４を確実に報せることができる。

　第１行為は例示のＶサインに限らず、第２行為は例示のストップサインに限らない。例えば図３１に示すように、人差し指を立てて、その他の指を折り曲げた状態で、プリンタ付きデジタルカメラ１０に手の平側を向けるジェスチャーを、撮影印刷指示のための第１行為として認識してもよい。また、図３２に示すように、全ての指を折り曲げた状態で、プリンタ付きデジタルカメラ１０に手の平側を向けるジェスチャーを、印刷中止指示のための第２行為として認識してもよい。

　ジェスチャーは、手で表されるジェスチャーに限らない。例えば図３３に示すように、頭上に両腕で○印を形成したジェスチャーを、撮影印刷指示のための第１行為として認識してもよい。また、図３４に示すように、胸の前に両腕で×印を形成したジェスチャーを、印刷中止指示のための第２行為として認識してもよい。

　第１行為および第２行為は、ジェスチャーに限らない。例えば図３５に示すように、参加者１３の「撮影」という発話音声を、撮影印刷指示のための第１行為として認識してもよい。また、図３６に示すように、参加者１３の「印刷中止」という発話音声を、印刷中止指示のための第２行為として認識してもよい。この場合、プリンタ付きデジタルカメラ１０は、参加者１３の発話音声を取り込むマイクロフォンを備える。また、制御装置１１は、ジェスチャー認識部８９の代わりに、マイクロフォンで取り込まれた参加者１３の発話音声を認識する音声認識部を備える。

　ライブビュー表示画面１００とプレビュー表示画面１０１とを並列表示してもよい。また、プレビュー表示画面１０１内にライブビュー表示画面１００を入れ子画面として表示してもよい。

　ここで、撮影動作の実行タイミングで目を瞑ってしまったとか、ポーズを取り損ねてしまったとかいったことは、参加者１３自身が分かっている。このため、参加者１３は、場合によっては、プレビュー表示画面１０１で画像１４Ｐを確認しなくとも、撮影の成否を判断可能である。そこで、画像１４Ｐをディスプレイ１７にプレビュー表示することなく、印刷待機期間ＷＰＰの残り秒数１３５のみを参加者１３に報知してもよい。

　上記実施形態では、カメラ部２１の撮影範囲を変更することで、顔検出領域１０５の中心ＣＰと画像１４の長辺の中心線ＣＬとを一致させているが、これに限らない。顔検出領域１０５の中心ＣＰと画像１４の中心とを一致させてもよい。この場合、画像１４の中心が、本開示の技術に係る「設定位置」および「画像の中央の位置」の一例である。

　顔の位置と一致させる設定位置は、画像の中央の位置に限らない。画像１４の上下左右のいずれかに設定位置を偏らせてもよい。この場合、偏らせてできた余白領域に展覧会名等の文字情報を印刷してもよい。

　カメラ部２１の撮影範囲を変更する機構は、本体３０を前後左右に移動させる例示の移動機構２０に限らない。本体３０を上下左右に首振りさせる機構でもよい。また、撮影光学系４０および撮像素子４３のユニットを移動させる機構でもよい。

　印刷領域７３を設定せずに、撮像素子４３から出力された画像１４自体を印刷してもよい。

　ガイド音声１１６、１１７、１１８、１１９、１２０、１２６、１２７、１２８、１３６、１３７、１３８、擬似シャッタ音１２９といった音声を、プリンタ付きデジタルカメラ１０のスピーカー２３ではなく、制御装置１１のスピーカー、例えばディスプレイ１７に内蔵されたスピーカーから出力してもよい。

　「撮影位置にお立ち下さい。」、「Ｖサインをして下さい。」、「印刷を中止する場合は手の平を広げて見せるストップサインをして下さい。」等のガイド音声は、現場にいる撮影システム２の管理者が発話してもよい。

　擬似シャッタ音１２９は、例示の「カシャッ」に限らない。シャッタ４２が切られたことを示す音であればよく、チャイム音等でもよい。

　撮影対象人物は、例示の展覧会の参加者１３に限らない。結婚式の二次会、野外レクリエーション等の他のイベントの参加者でもよい。また、イベントの参加者に限らず、プリンタ付きデジタルカメラ１０を用いてセルフ撮影を行う一般ユーザでもよい。

　画像１４Ｐを印刷する印刷媒体はインスタントフイルム１５に限らない。普通紙でもよい。

　上記実施形態では、本開示の「プリンタ付きデジタルカメラの制御装置」の機能を、プリンタ付きデジタルカメラ１０のコンピュータ７０と、制御装置１１とが担う例を示したが、これに限らない。プリンタ付きデジタルカメラ１０のコンピュータ７０に、本開示の「プリンタ付きデジタルカメラの制御装置」の全機能を担わせてもよい。逆に、制御装置１１に、本開示の「プリンタ付きデジタルカメラの制御装置」の全機能を担わせてもよい。

　図３７は、移動制御信号生成部９０、撮影制御信号生成部９１、および印刷制御信号生成部９２の機能を、プリンタ付きデジタルカメラ１０に担わせた態様を示す。この場合、制御装置１１の顔検出部８７による顔の検出結果は、プリンタ付きデジタルカメラ１０の移動制御信号生成部９０に送信される。また、制御装置１１のジェスチャー認識部８９によるジェスチャーの認識結果は、プリンタ付きデジタルカメラ１０の撮影制御信号生成部９１および印刷制御信号生成部９２に送信される。

　図３８は、顔検出部８７、手検出部８８、ジェスチャー認識部８９、移動制御信号生成部９０、撮影制御信号生成部９１、および印刷制御信号生成部９２の機能を、プリンタ付きデジタルカメラ１０に担わせた態様を示す。この場合、顔の検出、手の検出、ジェスチャーの認識、各制御信号２５～２７の生成は、全てプリンタ付きデジタルカメラ１０において行われる。また、この場合の制御装置１１は、単に表示制御部９４の機能だけを持つものとなる。

　上記実施形態では、本開示の技術に係る「第１認識部」および「第２認識部」を、１つのジェスチャー認識部８９が担っているが、「第１認識部」に相当する認識部と、「第２認識部」に相当する認識部とを分けてもよい。また、画像受信部８５と残り枚数受信部８６は、１つの受信部に統合してもよい。このように、制御装置１１を構成するコンピュータのハードウェア構成は、処理能力、安全性、信頼性等の要求される性能に応じて適宜変更することができる。コンピュータ７０（コントローラ５６）のハードウェア構成も同様である。さらに、ハードウェアに限らず、作動プログラム６０および８０等のプログラムについても、安全性および信頼性の確保を目的として、二重化したり、あるいは、複数のストレージデバイスに分散して格納することももちろん可能である。

　上記実施形態において、例えば、移動制御部６５、撮影制御部６６、印刷制御部６７、音声制御部６８、画像受信部８５、残り枚数受信部８６、顔検出部８７、手検出部８８、ジェスチャー認識部８９、移動制御信号生成部９０、撮影制御信号生成部９１、印刷制御信号生成部９２、制御信号送信部９３、および表示制御部９４といった各種の処理を実行する処理部（Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ）のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ（Ｐｒｏｃｅｓｓｏｒ）を用いることができる。各種のプロセッサには、ソフトウェア（作動プログラム６０および８０）を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるコントローラ５６およびＣＰＵ７７に加えて、ＦＰＧＡ（Ｆｉｅｌｄ　Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ　Ｇａｔｅ　Ａｒｒａｙ）等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス（Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ　Ｌｏｇｉｃ　Ｄｅｖｉｃｅ:ＰＬＤ）、および／またはＡＳＩＣ（Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ　Ｓｐｅｃｉｆｉｃ　Ｉｎｔｅｇｒａｔｅｄ　Ｃｉｒｃｕｉｔ）等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。なお、コントローラ５６およびＣＰＵ７７に代えて、ＧＰＵ（Ｇｒａｐｈｉｃｓ　Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ）を用いてもよい。

　１つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの１つで構成されてもよいし、同種または異種の２つ以上のプロセッサの組み合わせ（例えば、複数のＦＰＧＡの組み合わせ、および／または、ＣＰＵとＦＰＧＡとの組み合わせ、もしくはＣＰＵとＧＰＵとの組み合わせ）で構成されてもよい。また、複数の処理部を１つのプロセッサで構成してもよい。

　複数の処理部を１つのプロセッサで構成する例としては、第１に、クライアントおよびサーバ等のコンピュータに代表されるように、１つ以上のＣＰＵとソフトウェアの組み合わせで１つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第２に、システムオンチップ（Ｓｙｓｔｅｍ　Ｏｎ　Ｃｈｉｐ:ＳｏＣ）等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を１つのＩＣ（Ｉｎｔｅｇｒａｔｅｄ　Ｃｉｒｃｕｉｔ）チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの１つ以上を用いて構成される。

　さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路（Ｃｉｒｃｕｉｔｒｙ）を用いることができる。

　本開示の技術は、上述の種々の実施形態および／または種々の変形例を適宜組み合わせることも可能である。また、上記実施形態に限らず、要旨を逸脱しない限り種々の構成を採用し得ることはもちろんである。さらに、本開示の技術は、プログラムに加えて、プログラムを非一時的に記憶する記憶媒体にもおよぶ。

　以上に示した記載内容および図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、および効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、および効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容および図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことはいうまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容および図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。

　本明細書において、「Ａおよび／またはＢ」は、「ＡおよびＢのうちの少なくとも１つ」と同義である。つまり、「Ａおよび／またはＢ」は、Ａだけであってもよいし、Ｂだけであってもよいし、ＡおよびＢの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、３つ以上の事柄を「および／または」で結び付けて表現する場合も、「Ａおよび／またはＢ」と同様の考え方が適用される。

　本明細書に記載された全ての文献、特許出願および技術規格は、個々の文献、特許出願および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (18)

1. 　被写体を撮影し、被写体を表す画像を順次出力するカメラ部、および撮影指示に応じて撮影された画像を印刷媒体に印刷するプリンタ部を有するプリンタ付きデジタルカメラの制御装置であって、
   　少なくとも１つのプロセッサを備え、
   　前記プロセッサは、
   　前記カメラ部の撮影範囲内におり、前記被写体に含まれる撮影対象人物による第１行為であって、前記撮影指示と、画像の印刷指示とを兼ねた撮影印刷指示のための第１行為を認識し、
   　前記第１行為を認識した場合、印刷すべき画像を出力する撮影動作を前記カメラ部に行わせ、
   　前記撮影範囲内にいる前記撮影対象人物による第２行為であって、前記印刷すべき画像の印刷中止指示のための第２行為を認識し、
   　予め定められた印刷待機期間中に前記第２行為を認識しなかった場合、前記印刷すべき画像の印刷を前記プリンタ部に行わせ、前記印刷待機期間中に前記第２行為を認識した場合、前記印刷すべき画像の印刷中止を前記プリンタ部に指示する、
   プリンタ付きデジタルカメラの制御装置。
2. 　前記プロセッサは、
   　前記印刷待機期間中に、前記印刷すべき画像を前記カメラ部から前記プリンタ部に転送する処理を行わせる請求項１に記載のプリンタ付きデジタルカメラの制御装置。
3. 　前記プロセッサは、
   　前記印刷待機期間中に、前記撮影範囲内にいる前記撮影対象人物が視認可能な表示部に、前記印刷すべき画像をプレビュー表示する制御を行う請求項１または請求項２に記載のプリンタ付きデジタルカメラの制御装置。
4. 　前記プロセッサは、
   　前記印刷待機期間の経過状況を前記撮影対象人物に報知する請求項１から請求項３のいずれか１項に記載のプリンタ付きデジタルカメラの制御装置。
5. 　前記プリンタ付きデジタルカメラは、前記カメラ部の前記撮影範囲を変更することが可能であり、
   　前記プロセッサは、
   　画像から前記撮影対象人物の顔を検出し、
   　前記撮影範囲を変更することで、前記顔の位置を画像の予め定められた設定位置とする制御を行う請求項１から請求項４のいずれか１項に記載のプリンタ付きデジタルカメラの制御装置。
6. 　前記設定位置は、画像の中央の位置である請求項５に記載のプリンタ付きデジタルカメラの制御装置。
7. 　前記プロセッサは、
   　前記第１行為を認識した旨、および前記第２行為を認識した旨を前記撮影対象人物に報知する請求項１から請求項６のいずれか１項に記載のプリンタ付きデジタルカメラの制御装置。
8. 　前記プロセッサは、
   　前記第１行為を認識してから予め定められた撮影待機期間が経過するまで待機した後、前記カメラ部に前記撮影動作を行わせる請求項１から請求項７のいずれか１項に記載のプリンタ付きデジタルカメラの制御装置。
9. 　前記プロセッサは、
   　前記撮影待機期間の経過状況を前記撮影対象人物に報知する請求項８に記載のプリンタ付きデジタルカメラの制御装置。
10. 　前記プロセッサは、
    　前記撮影動作の実行タイミングを前記撮影対象人物に報知する請求項１から請求項９のいずれか１項に記載のプリンタ付きデジタルカメラの制御装置。
11. 　前記第１行為および前記第２行為は、前記撮影対象人物によるジェスチャーまたは発話音声である請求項１から請求項１０のいずれか１項に記載のプリンタ付きデジタルカメラの制御装置。
12. 　前記ジェスチャーは、前記撮影対象人物の手で表されるジェスチャーである請求項１１に記載のプリンタ付きデジタルカメラの制御装置。
13. 　前記第１行為は、人差し指と中指を立てて、その他の指を折り曲げた状態で、前記プリンタ付きデジタルカメラに手の平側を向けるジェスチャーであり、
    　前記第２行為は、全ての指を広げた状態で、前記プリンタ付きデジタルカメラに手の平側を向けるジェスチャーである請求項１２に記載のプリンタ付きデジタルカメラの制御装置。
14. 　画像の一部領域が前記プリンタ部の印刷領域とされており、
    　前記プロセッサは、
    　画像に前記印刷領域を表示する制御を行う請求項１から請求項１３のいずれか１項に記載のプリンタ付きデジタルカメラの制御装置。
15. 　前記プロセッサは、
    　前記印刷媒体の残り枚数を表示する制御を行う請求項１から請求項１４のいずれか１項に記載のプリンタ付きデジタルカメラの制御装置。
16. 　前記印刷媒体はインスタントフイルムである請求項１から請求項１５のいずれか１項に記載のプリンタ付きデジタルカメラの制御装置。
17. 　被写体を撮影し、被写体を表す画像を順次出力するカメラ部、および撮影指示に応じて撮影された画像を印刷媒体に印刷するプリンタ部を有するプリンタ付きデジタルカメラの制御装置の作動方法であって、
    　前記カメラ部の撮影範囲内におり、前記被写体に含まれる撮影対象人物による第１行為であって、前記撮影指示と、画像の印刷指示とを兼ねた撮影印刷指示のための第１行為を認識する第１認識ステップと、
    　前記第１行為を認識した場合、印刷すべき画像を出力する撮影動作を前記カメラ部に行わせる撮影制御ステップと、
    　前記撮影範囲内にいる前記撮影対象人物による第２行為であって、前記印刷すべき画像の印刷中止指示のための第２行為を認識する第２認識ステップと、
    　予め定められた印刷待機期間中に前記第２行為を認識しなかった場合、前記印刷すべき画像の印刷を前記プリンタ部に行わせ、前記印刷待機期間中に前記第２行為を認識した場合、前記印刷すべき画像の印刷中止を前記プリンタ部に指示する印刷制御ステップと、
    を備えるプリンタ付きデジタルカメラの制御装置の作動方法。
18. 　被写体を撮影し、被写体を表す画像を順次出力するカメラ部、および撮影指示に応じて撮影された画像を印刷媒体に印刷するプリンタ部を有するプリンタ付きデジタルカメラの制御装置の作動プログラムであって、
    　前記カメラ部の撮影範囲内におり、前記被写体に含まれる撮影対象人物による第１行為であって、前記撮影指示と、画像の印刷指示とを兼ねた撮影印刷指示のための第１行為を認識する第１認識部と、
    　前記第１行為を認識した場合、印刷すべき画像を出力する撮影動作を前記カメラ部に行わせる撮影制御部と、
    　前記撮影範囲内にいる前記撮影対象人物による第２行為であって、前記印刷すべき画像の印刷中止指示のための第２行為を認識する第２認識部と、
    　予め定められた印刷待機期間中に前記第２行為を認識しなかった場合、前記印刷すべき画像の印刷を前記プリンタ部に行わせ、前記印刷待機期間中に前記第２行為を認識した場合、前記印刷すべき画像の印刷中止を前記プリンタ部に指示する印刷制御部として、
    コンピュータを機能させるプリンタ付きデジタルカメラの制御装置の作動プログラム。

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