WO2021145230A1 - 接続部品、端子付き電線、及びワイヤハーネス - Google Patents

Abstract

本開示の一態様は、接続部品の周辺でノイズ電流を容易に抑制可能とした接続部品を提供する。本開示の一態様に従う接続部品（１３）は、電線（１２）に固定される金属端子（１５）と、金属端子（１５）に固定され電線（１２）の周囲を覆う磁性材料含有シート（１６）とを備える。

Description

接続部品、端子付き電線、及びワイヤハーネス

　本開示は、接続部品、端子付き電線、及びワイヤハーネスに関するものである。

　従来、端子付き電線としては、電線と、電線に圧着される接続部品とを備えたものがある（例えば、特許文献１参照）。そして、このような端子付き電線は、接続部品がコネクタ内に収容保持されて、コネクタと共にワイヤハーネスを構成する。

特開２０１８－９８０７２号公報

　ところで、上記のようなワイヤハーネス等において、コネクタ内の接続部品周辺でノイズ電流を抑えようとした場合、コネクタにフェライトコア等の磁性材料を収容保持させることがある。しかしながら、この場合、コネクタが特殊な構成となってしまう。すなわち、フェライトコア等を必要としない構成のコネクタとは、品番の異なるコネクタが必要となる。

　本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、接続部品の周辺でノイズ電流を容易に抑制可能とした接続部品、端子付き電線、及びワイヤハーネスを提供することにある。

　本開示の接続部品は、電線に固定される金属端子と、前記金属端子に固定され前記電線の周囲を覆う磁性材料含有シートとを備える。

　本開示の端子付き電線は、前記電線と、前記接続部品とを備える。

　本開示のワイヤハーネスは、前記端子付き電線と、該端子付き電線の前記接続部品を収容保持するコネクタとを備える。

　本開示の接続部品、端子付き電線、及びワイヤハーネスによれば、接続部品の周辺でノイズ電流を容易に抑制できる。

図１は、一実施形態におけるワイヤハーネスの一部模式平面図である。 図２は、一実施形態における端子付き電線の一部分解平面図である。 図３は、図１における３－３線断面図である。

　［本開示の実施形態の説明］
　最初に本開示の実施態様を列記して説明する。

　本開示の接続部品は、
　［１］電線に固定される金属端子と、前記金属端子に固定され前記電線の周囲を覆う磁性材料含有シートとを備える。

　同構成によれば、金属端子に固定され電線の周囲を覆う磁性材料含有シートを備えるため、接続部品の周辺でノイズ電流を容易に抑制できる。

　［２］前記金属端子は、前記電線の周囲を覆うように圧着される圧着部を有し、前記磁性材料含有シートは、前記圧着部に固定されることが好ましい。

　同構成によれば、前記金属端子は、前記電線の周囲を覆うように圧着される圧着部を有し、前記磁性材料含有シートは、前記圧着部に固定されるため、圧着部を電線に圧着させるだけで磁性材料含有シートを電線の周囲に配置することができる。すなわち、磁性材料含有シートを電線の周囲に配置させるための別の作業が不要となる。

　［３］前記電線は、芯線と該芯線の外周を覆う絶縁被覆とを有し、前記圧着部は、前記芯線に圧着される芯線圧着部と前記絶縁被覆に圧着される被覆圧着部とを有し、前記磁性材料含有シートは、前記被覆圧着部の圧着面に固定されることが好ましい。

　同構成によれば、前記磁性材料含有シートは、前記被覆圧着部の圧着面に固定されるため、被覆圧着部を電線の絶縁被覆に圧着させるだけで磁性材料含有シートを電線の周囲に配置することができる。また、例えば、磁性材料含有シートを被覆圧着部の非圧着面に固定した場合では、磁性材料含有シートが剥がれて脱落する虞があるが、その虞がない。また、磁性材料含有シートを芯線圧着部の圧着面に固定した場合では、芯線と芯線圧着部との電気的接続が不安定になる虞があるが、その虞がない。

　本開示の端子付き電線は、
　［４］前記電線と、前記接続部品とを備える。

　同構成によれば、端子付き電線において、上記した効果を得ることができる。

　本開示のワイヤハーネスは、
　［５］前記端子付き電線と、該端子付き電線の前記接続部品を収容保持するコネクタとを備える。

　同構成によれば、ワイヤハーネスにおいて、上記した効果を得ることができる。また、コネクタ自体にフェライトコア等の磁性材料を収容保持させる必要がないため、接続部品周辺でノイズ電流を抑えることを可能としながら、コネクタの構成を単純とすることができる。すなわち、フェライトコア等を必要としない構成のコネクタを共通部品として採用することができる。

　［本開示の実施形態の詳細］
　本開示のワイヤハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

　図１に示すように、ワイヤハーネス１１は、電線１２と、接続部品１３と、コネクタ１４とを備える。電線１２は、導電性の芯線１２ａと該芯線１２ａの外周を覆う絶縁被覆１２ｂとを有する。電線１２の端部は、芯線１２ａが露出するように絶縁被覆１２ｂが除去されている。

　図１及び図２に示すように、接続部品１３は、電線１２に固定される金属端子１５と、その金属端子１５に固定され電線１２の周囲を覆う磁性材料含有シート１６とを備える。

　金属端子１５は、アルミニウムや銅等を含む導電性の金属板材からなる。金属端子１５は、雌端子部１５ａと、第１連結部１５ｂと、芯線圧着部１５ｃと、第２連結部１５ｄと、被覆圧着部１５ｅとを有する。雌端子部１５ａと、第１連結部１５ｂと、芯線圧着部１５ｃと、第２連結部１５ｄと、被覆圧着部１５ｅとは、この順で連なって一体成形されており、この連なる方向は電線１２の延在方向と対応している。なお、本実施形態では、芯線圧着部１５ｃと被覆圧着部１５ｅとが圧着部を構成している。

　雌端子部１５ａは、図示しない雄端子が嵌合可能な筒状に形成されている。第１連結部１５ｂは、雌端子部１５ａと芯線圧着部１５ｃとを連結するように平板状に形成されている。芯線圧着部１５ｃは、芯線１２ａに圧着される前の状態で平板状に形成され、板厚方向から見て、電線１２の延在方向と直交する方向（図２中、上下方向）の幅が第１連結部１５ｂよりも広く形成されている。そして、図１に示すように、芯線圧着部１５ｃは、露出した芯線１２ａを包むように変形されて芯線１２ａに圧着される。

　第２連結部１５ｄは、芯線圧着部１５ｃと被覆圧着部１５ｅとを連結するように平板状に形成されている。被覆圧着部１５ｅは、絶縁被覆１２ｂに圧着される前の状態で平板状に形成され、板厚方向から見て、電線１２の延在方向と直交する方向（図２中、上下方向）の幅が第２連結部１５ｄよりも広く形成されている。そして、図１に示すように、被覆圧着部１５ｅは、電線１２の絶縁被覆１２ｂを包むように変形されて絶縁被覆１２ｂに圧着される。そして、この被覆圧着部１５ｅの圧着面１５ｆ（図３参照）には磁性材料含有シート１６が固定されている。

　磁性材料含有シート１６は、ノイズ電流を抑えることが可能で可撓性を有するシートであって、本実施形態では磁性材料と合成ゴムとが混合されて成形されたシートである。また、本実施形態では、磁性材料はフェライト粉末が採用されている。

　そして、磁性材料含有シート１６は、被覆圧着部１５ｅの圧着面１５ｆ、言い換えると絶縁被覆１２ｂと相対向して密着する側面のほぼ全面に固定されている。そして、磁性材料含有シート１６は、被覆圧着部１５ｅを電線１２の絶縁被覆１２ｂに圧着させることで絶縁被覆１２ｂの周囲全周を覆うように設定されている。

　図１及び図３に示すように、本実施形態の被覆圧着部１５ｅは、一対の片の先端が付き合って絶縁被覆１２ｂの周囲全周を覆うものであって、磁性材料含有シート１６は、被覆圧着部１５ｅにおける一対の片の先端同士の間から外部に突出しないように、圧着面１５ｆの全面よりも僅かに小さく設定されている。

　そして、図１に示すように、電線１２と接続部品１３とを備えた端子付き電線１７は、接続部品１３の例えば全体がコネクタ１４の内部に収容保持される。ワイヤハーネス１１は、一または複数の端子付き電線１７、および一または複数の端子付き電線１７に接続されたコネクタ１４を備える。

　次に、上記のように構成されたワイヤハーネス１１の作用について説明する。

　例えば、ワイヤハーネス１１の一端のコネクタ１４に図示しない外部コネクタが嵌合されて該外部コネクタの図示しない雄端子が雌端子部１５ａに嵌合されると、ワイヤハーネス１１の他端に接続された電気機器と外部コネクタに接続された電気機器とがワイヤハーネス１１を介して電気的に接続される。そして、電気機器同士の間を電流が流れる際のノイズ電流は、磁性材料含有シート１６によって抑制される。

　次に、上記実施形態の効果を以下に記載する。

　（１）接続部品１３は、金属端子１５に固定され電線１２の周囲を覆う磁性材料含有シート１６を備えるため、接続部品１３の周辺でノイズ電流を容易に抑制できる。

　（２）金属端子１５は、電線１２の周囲を覆うように圧着される圧着部であって本実施形態では芯線圧着部１５ｃ及び被覆圧着部１５ｅを有し、磁性材料含有シート１６は、前記圧着部に固定されるため、圧着部を電線１２に圧着させるだけで磁性材料含有シート１６を電線１２の周囲に配置することができる。すなわち、磁性材料含有シート１６を電線１２の周囲に配置させるための別の作業が不要となる。

　（３）磁性材料含有シート１６は、金属端子１５の圧着部のうちの被覆圧着部１５ｅの圧着面１５ｆに固定されるため、被覆圧着部１５ｅを電線１２の絶縁被覆１２ｂに圧着させるだけで磁性材料含有シート１６を電線１２の周囲に配置することができる。また、例えば、磁性材料含有シート１６を被覆圧着部１５ｅの非圧着面に固定した場合では、磁性材料含有シート１６が剥がれて脱落する虞があるが、その虞がない。また、磁性材料含有シート１６を芯線圧着部１５ｃの圧着面に固定した場合では、芯線１２ａと芯線圧着部１５ｃとの電気的接続が不安定になる虞があるが、その虞がない。

　（４）ワイヤハーネス１１は、コネクタ１４自体にフェライトコア等の磁性材料を収容保持させる必要がないため、接続部品１３周辺でノイズ電流を抑えることを可能としながら、コネクタ１４の構成を単純とすることができる。すなわち、フェライトコア等を必要としない構成のコネクタ１４を共通部品として採用することができる。

　本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。

　・上記実施形態では、磁性材料含有シート１６は、電線１２の周囲を覆うように圧着される圧着部であって被覆圧着部１５ｅに固定されるとしたが、これに限定されず、金属端子１５の他の部位に固定してもよい。例えば、電線１２に対して圧着されずに電線１２の周囲を覆う部位を金属端子１５に新設してその部位に磁性材料含有シート１６を固定してもよい。

　・上記実施形態では、磁性材料含有シート１６は、金属端子１５の圧着部のうちの被覆圧着部１５ｅの圧着面１５ｆに固定されるとしたが、これに限定されない。磁性材料含有シート１６は、例えば、金属端子１５の被覆圧着部１５ｅの非圧着面に、例えば絶縁被覆１２ｂと対向しない側の面に固定してもよい。また、例えば、磁性材料含有シート１６は、芯線圧着部１５ｃの圧着面および／または非圧着面に固定してもよい。

　・上記実施形態では、金属端子１５は、電線１２の周囲を覆う磁性材料含有シート１６が固定できれば、芯線圧着部１５ｃや被覆圧着部１５ｅを有していない構成としてもよい。金属端子１５は、例えば、芯線圧着部１５ｃを有さず、芯線１２ａが溶接にて固定される金属端子としてもよい。

　・上記実施形態では、被覆圧着部１５ｅは、一対の片の先端が付き合って絶縁被覆１２ｂの周囲全周を覆うものであるとしたが、これに限定されず、例えば、一対の片が電線１２の延在方向にずれた位置に配置されて互い違いに絶縁被覆１２ｂに巻き付けられるものとしてもよい。

　・上記実施形態では、磁性材料含有シート１６は、フェライト粉末と合成ゴムとが混合されて成形されたものとしたが、ノイズ電流を抑えることが可能で可撓性を有するシートであれば、素材は変更してもよい。

　・磁性材料含有シート１６に含有される合成ゴムは磁性材料含有シート１６に可撓性および／または弾性を付与することができる。磁性材料含有シート１６の可撓性および／または弾性は、被覆圧着部１５ｅによる電線Ｗの傷つきを低減するのにも有利である。上記実施形態の磁性材料含有シート１６は、金属端子１５の雌端子部１５ａから被覆圧着部１５ｅへおよびその逆に流れるノイズ電流を低減または弱化するおよび／または金属端子１５がノイズ電流を伝搬するのを抑制するように構成された、合成ゴムと磁性材料とを含有する弾性ノイズフィルタシートと呼称することがある。

　・上記実施形態の金属端子１５と接続される外部コネクタの雄端子は、相手端子と呼称することがある。上記実施形態の金属端子１５の雌端子部１５ａは、相手端子と接続される金属端子１５の端子接続部と呼称することがある。上記実施形態の金属端子１５の雌端子部１５ａは雄端子部に変更してよく、この場合、上記実施形態の外部コネクタの雄端子は、雌端子に変更してよい。上記実施形態の金属端子１５の雌端子部１５ａは、雄端子部および雌端子部の一方である第１の端子接続部と呼称することがある。上記実施形態の外部コネクタの図示しない雄端子は、雄端子部および雌端子部の他方である第２の端子接続部と呼称することがある。

　・上記実施形態の芯線圧着部１５ｃおよび被覆圧着部１５ｅは、金属端子１５の電線接続部と呼称することがある。一例では、金属端子１５の電線接続部はオープンバレルであってよく、別の例では、クローズドバレルであってよい。

　本開示は、以下の態様を包含する。限定のためでなく、理解の補助として例示的な実施形態のいくつかの構成要素の参照符号を付した。以下の態様において記述した事項のうちの一部を省略してもよく、態様において記述した事項のうちのいくつかを選択または抽出して組合せてもよい。

　［付記１］本開示の一態様は、電線（Ｗ）とともに用いられる金属端子（１５）に向けられており、前記金属端子（１５）は、
　相手端子と接触し前記相手端子と電気的に接続されるように構成された端子接続部（１５ａ）と、
　前記金属端子（１５）を前記電線（Ｗ）に固定的に接続すべく可塑変形するように構成された電線接続部（１５ｅ）と、
　前記電線接続部（１５ｅ）に固定され、金属端子（１５）の前記端子接続部（１５ａ）から前記電線接続部（１５ｅ）へおよびその逆に流れるノイズ電流を低減または弱化するおよび／または金属端子（１５）がノイズ電流を伝搬するのを抑制するように構成された、合成ゴムと磁性材料とを含有する弾性ノイズフィルタシート（１６）とを備えることができる。

　［付記２］図３に示すように、本開示の一態様では、前記弾性ノイズフィルタシート（１６）は、前記電線接続部（１５ｅ）に密着する密着面を有することができる。

　［付記３］図３に示すように、本開示の一態様では、前記弾性ノイズフィルタシート（１６）は、前記電線接続部（１５ｅ）が可塑変形されたときに、前記電線接続部（１５ｅ）の変形に追従して弾性的に変形するように構成されてよい。

　［付記４］図３に示すように、本開示の一態様では、前記電線接続部（１５ｅ）が前記電線（Ｗ）に固定的に接続されたときに、前記弾性ノイズフィルタシート（１６）は、前記電線（Ｗ）の外周面の全周と直接接触するように構成されることができる。

　［付記５］図３に示すように、本開示の一態様では、前記電線接続部（１５ｅ）が前記電線（Ｗ）に固定的に接続されたときに、前記弾性ノイズフィルタシート（１６）は、前記電線接続部（１５ｅ）によって前記電線（Ｗ）の外周面に押し付けられるように構成されることができる。

　［付記６］図３に示すように、本開示の一態様では、
　前記電線接続部（１５ｅ）が前記電線（Ｗ）に固定的に接続されたときに、前記電線接続部（１５ｅ）は、前記電線（Ｗ）の所定の長さ位置において前記電線（Ｗ）の全周を包囲するように構成されることができ、
　前記電線接続部（１５ｅ）が前記電線（Ｗ）に固定的に接続されたときに、前記弾性ノイズフィルタシート（１６）は、前記電線（Ｗ）の前記所定の長さ位置において前記電線（Ｗ）の全周を包囲するように構成されることができる。

　１１　ワイヤハーネス
　１２　電線
　１２ａ　芯線
　１２ｂ　絶縁被覆
　１３　接続部品
　１４　コネクタ
　１５　金属端子
　１５ａ　雌端子部
　１５ｂ　第１連結部
　１５ｃ　芯線圧着部（圧着部）
　１５ｄ　第２連結部
　１５ｅ　被覆圧着部（圧着部）
　１５ｆ　圧着面
　１６　磁性材料含有シート
　１７　端子付き電線

Claims (5)

1. 　電線に固定される金属端子と、
   　前記金属端子に固定され前記電線の周囲を覆う磁性材料含有シートと
   を備えた接続部品。
2. 　前記金属端子は、前記電線の周囲を覆うように圧着される圧着部を有し、
   　前記磁性材料含有シートは、前記圧着部に固定された請求項１に記載の接続部品。
3. 　前記電線は、芯線と該芯線の外周を覆う絶縁被覆とを有し、
   　前記圧着部は、前記芯線に圧着される芯線圧着部と前記絶縁被覆に圧着される被覆圧着部とを有し、
   　前記磁性材料含有シートは、前記被覆圧着部の圧着面に固定された請求項２に記載の接続部品。
4. 　前記電線と、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の接続部品とを備えた端子付き電線。
5. 　請求項４に記載の端子付き電線と、該端子付き電線の前記接続部品を収容保持するコネクタとを備えたワイヤハーネス。

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