WO2021130883A1

WO2021130883A1 - 磁気筆記具

Info

Publication number: WO2021130883A1
Application number: PCT/JP2019/050765
Authority: WO
Inventors: 古賀　律生
Original assignee: ＺｅｒｏＬａｂ株式会社
Priority date: 2019-12-25
Filing date: 2019-12-25
Publication date: 2021-07-01

Abstract

【課題】　描画面が垂直な磁気シートであっても描画し易い磁気筆記具を提供する。【解決手段】　本発明の磁気筆記具１００は、磁気シートに磁界を印加して文字等を描画する描画部１３０と、磁気シートの描画面と摺動可能な平坦な摺動面を含み、かつ描画部１３０を保持する摺動部材１４０と、摺動部材１４０上に設けられた弾性部材１５０と、グリップ本体１１０と、弾性部材１５０上に設けられ、グリップ本体１１０を支持する支持部材１２０とを有する。

Description

磁気筆記具

　本発明は、磁性を帯びた表示体を含む表示シートまたは磁気パネルに磁界を作用させ任意の文字、図形、記号等を描画したり、描画した文字、図形、記号等を消去することができる磁気筆記具に関する。

　磁性を帯びた表示体を含む磁気シートに対して先端部に磁石を取り付けた磁気ペンを移動させることで磁気シート上に磁界を作用させて移動軌跡に応じた文字、図形、記号等を描画させることができる（特許文献１など）。また、磁気シート上で磁気消去具を移動させることで描画された文字、図形、記号を消去することができる（特許文献２など）。

特許第６１７９７８８号公報特許第６２１３８８６号公報

　従来の磁気筆記具８００は、図８に示すように、水平に配置された磁気シートＳ上を摺動することを意図して設計されたものであり、ユーザーが把持するグリップ本体８１０に対して磁気描画部８２０を含む先端部８３０が回転軸８４０を介して回転可能に取り付けられ、磁気筆記具８００が磁気シートＳ上を摺動するときに、磁気描画部８２０からの磁力線が磁気シートＳに対して垂直に印加されるようになっている。

　一方、壁掛けタイプの磁気シート、あるいは電子黒板と描画面を共有する磁気シートは、その描画面が垂直であるため、そこに文字等を描画する場合には磁気筆記具を垂直方向に移動させる必要がある。しかしながら、従来の磁気筆記具８００は、垂直方向に描画することを意図して設計されたものではないなめ、垂直方向の描画をし難いという課題がある。例えば、磁気筆記具８００を垂直方向に移動させたとき、磁気シート上を摺動する磁気描画部８２０の面積が小さいため、磁気描画部８２０が磁気シートから離れ易く、その結果、磁力線が不安定となり、磁気シートに鮮明な文字等を描画することができなくなる。また、磁気筆記具を磁気シートから離れないようにしながら磁気筆記具を垂直方向に移動させるには、ユーザーが磁気筆記具を把持するときに過度な姿勢を強いられることがあるが、従来の磁気筆記具８００のグリップ本体８１０の形状は細長いペン型であるため、そのような姿勢の変化を容易に取り難い形状である。さらに、磁気筆記具８００から磁気シート面に印加される操作力も不安定になり、従来の磁気筆記具８００の磁気描画部８２０が摺動する面積が小さいために、局所的に大きな応力が磁気シートに印加され易く、そうすると磁気シートの表面に傷などの損傷が生じるおそれがある。

　本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、描画面が垂直な磁気シートであっても描画し易い磁気筆記具を提供することを目的とする。
　さらに本発明は、磁気シートの描画面の損傷を防止する磁気筆記具を提供することを目的とする。

　本発明に係る磁気筆記具は、磁気シート上に磁界を作用させることで磁気シート上に文字等を描画する機能を備えたもの具であって、磁気シートに磁界を印加して文字等を描画する描画部と、磁気シートの描画面と摺動可能な平坦な摺動面を含み、かつ前記描画部を保持する摺動部材と、前記摺動部材上に設けられた弾性部材と、前記弾性部材上に設けられた操作部とを有する。

　ある実施態様では、前記摺動部材は、透明な材料から構成され、前記描画部は、前記摺動部材の摺動面から突出しないように前記摺動部材に保持される。ある実施態様では、前記摺動部材の平面形状の面積は、前記弾性部材の平面形状の面積よりも大きい。ある実施態様では、前記弾性部材は、３次元方向に弾性変形が可能である。ある実施態様では、前記弾性部材は、一定の厚さを有する弾性シートである。ある実施態様では、前記弾性部材は、発泡ウレタンから構成される。ある実施態様では、前記操作部は、一方の端部と当該一方の端部と対向する他方の端部とを有するグリップ本体と、前記一方の端部を回転可能に支持する支持部材とを有し、前記支持部材は、前記弾性部材上に配置される。ある実施態様では、前記グリップ部材の他方の端部に、磁気シートに描画された文字等を消去するための消去部が設けられる。ある実施態様では、前記操作部は、動物、人形または玩具等を模したキャラクター部と、当該キャラクター部を支持する支持部材とを有し、前記支持部材は、前記弾性部材上に配置される。ある実施態様では、前記キャラクター部は、前記支持部材から着脱可能である。ある実施態様では、前記操作部は、指キャップを含む。

　本発明によれば、摺動部材上に弾性部材を設け、弾性部材上に操作部を設け、摺動部材の平坦な面を磁気シートの描画面上で摺動させるとき、操作部の姿勢または角度の変化を弾性部材の弾性変形により吸収するようにしたので、ユーザーは、例えば、垂直な描画面上であっても操作部の姿勢を容易に安定的に変化させることができ、描画部から磁気シートへの磁力線の印加が安定し、磁気シート上に鮮明な文字等を描画することができる。また、操作部から印加される力は、弾性部材を介して摺動部材に印加されるため、磁気シートの描画面への局所的な応力の印加が抑制され、磁気シートの描画面が磁気筆記具により損傷するのが防止される。さらに本発明によれば、ペンを上手く握ることができない人、指に障害がある人、介護を要する人、幼児や子供などの幅広いユーザーが磁気筆記具を容易に把持し磁気シート面上に文字等を描画することができる。

本発明の第１の実施例に係る磁気筆記具を示し、図１（Ａ）は磁気筆記具の斜視図、図１（Ｂ）はその上面図、図１（Ｃ）はその側面図である。本実施例の描画部の構成を示す概略断面図である。本発明の実施例に係る磁気筆記具の使用例を示す図である。本発明の第２の実施例に係る磁気筆記具の変形例を示す図である。本発明の第３の実施例に係る磁気筆記具の概略側面図である。本発明の第４の実施例に係る磁気筆記具を示す図である。本発明の第５の実施例に係る磁気筆記具を示す図である。本発明の第６の実施例に係る磁気筆記具を示す図である。従来の磁気筆記具の概略側面図である。

　次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。ある実施態様では、磁気筆記具は、磁気シートの描画面を摺動する摺動部材に弾性部材を介して取り付けられた操作部を備え、摺動部材には、文字、図形、絵等を描画するための描画部が保持される。磁気シート上で摺動部材を摺動させたとき、描画部の移動軌跡に応じた文字等が磁気シート上に描画される。ある実施態様では、壁に掛けられた磁気シートや電子黒板と描画面を教諭する磁気シートのように、垂直な描画面を持つ磁気シート上への描画を容易にし、かつ鮮明な文字等の描画を可能にする。なお、本発明の実施例で参照する図面は、発明を理解し易くするために各部を強調しており、実際の製品の大きさや形状とは必ずしも同一ではないことに留意すべきである。

　図１は、本発明の実施例に係る磁気筆記具を示し、図１（Ａ）は斜視図、図１（Ｂ）は上面図、図１（Ｃ）は側面図を示している。本実施例の磁気筆記具１００は、ユーザー操作部としてのグリップ本体（または把持本体）１１０と、グリップ本体１１０の一方の端部を回転可能に支持する支持部材１２０と、磁気シート上に磁界を作用させて文字等の描画を行う描画部１３０と、描画部１３０を保持する摺動部材１４０と、摺動部材１４０と支持部材１２０との間に介在される弾性部材１５０とを含んで構成される。

　グリップ本体１１０は、従来のグリップ本体に比べて軸方向の長さが短く、ペン型として把持するよりも複数の指で上からつまむように把持することが容易な形状である。但し、グリップ本体１１０は、ユーザーにとって把持することができる任意な形状であることができ、図には、角柱状のグリップ本体１１０が示される。また、グリップ本体１１０は、必ずしも一様な太さである必要はなく、端部に向けて細くなるようなテーパが形成されてもよいし、把持がし易くなるように表面に凹部や凸部が形成されてもよい。グリップ本体１１０は、任意の材料から構成することができ、例えば、プラスチック、ゴムまたは金属から構成され、内部は中空であってもよい。

　１つの実施態様では、グリップ本体１１０の一方の端部が支持部材１２０に回転可能に支持され、他方の端部には磁気消去部１６０が取り付けられる。磁気消去部１６０は、磁気シートに磁界を作用させ、磁気シートに描画された文字等を消去するものである。消去部１６０の取り付けは任意であり、磁気筆記具１００は、必ずしも消去部１６０を含む必要はない。

　支持部材１２０は、例えば、プラスチックまたは金属から構成され、その平面形状は任意である。図の例では、支持部材１２０は矩形状である。支持部材１２０には、グリップ本体１１０を回転可能に支持するための回転軸１２２を取付けるための貫通孔が対向する側面に形成される。貫通孔内に回転軸１２２が挿入され、回転軸１２２の一端がグリップ本体１１０の端部の一方の側板に結合され、回転軸１２２の他端が他方の側板に結合され、これによりグリップ本体１１０が支持部材１２０に対して回転軸１２２を中心に回転可能に支持される。

　支持部材１２０と摺動部材１４０との間には、弾性部材１５０が設けられる。弾性部材１５０の平面形状は任意であるが、ある実施態様では、弾性部材１５０の平面形状は、支持部材１２０と概ね同一であり、支持部材１２０の底面の全体が弾性部材１５０の上面の全体に接触する。弾性部材１５０とは、例えば、接着剤により支持部材１２０に接合される。弾性部材１５０は、弾性変形可能な材料から構成され、例えば発砲ウレタン、ゴム、樹脂等から構成され、３次元方向（平面方向と厚さ方向）に弾性変形できるように一定の厚さを有する。例えば、グリップ本体１１０は摺動部材１４０に対してよじれるような動きが可能になる。

　弾性部材１５０の底面には摺動部材１４０が取り付けられる。摺動部材１４０は、例えば、透明なプラスチック等の材料から構成される。摺動部材１４０の平面形状は任意であるが、平面形状の大きさは、少なくとも弾性部材１５０や支持部材１２０の平面形状よりも大きい。図の例では、摺動部材１４０は、弾性部材１５０を支持するための矩形部分と、当該矩形部分に接続された三角形部分とを含み、矩形部分上には、接着剤などにより弾性部材１５０が接合される。

　摺動部材１４０は、図示しない磁気シート上を摺動するため、摺動する底面は平坦である。三角形部分の先端には、磁気シート上に文字等を描画するための描画部１３０が保持される。描画部１３０は、磁気シートに磁界を作用させるための磁石を含み、描画部１３０が磁気シート上を移動したとき、その移動軌跡に応じた文字等が磁気シート上に描画される。摺動部材１４０が透明であるため、ユーザーは、摺動部材１４０の上から描画した文字等を確認しながら磁気筆記具を移動させることができる。

　描画部１３０の概略断面を図２に示す。図２（Ａ）に示すように、描画部１３０は、円筒状のホルダー１３２と、ホルダー１３２内に収容された磁石１３４とを有する。ホルダー１３２は、磁性体材料から構成され、一方の端部に凹部１３４が形成され、その凹部１３４内に磁石１３６が保持される。ある実施態様では、磁石１３６は、その表面がホルダー１３２の先端部１３８の表面からΔｄだけ窪んだ位置にあるように凹部１３４内に取り付けられる。磁石１３４のＳ極またはＮ極が凹部１３４において磁気シート上に露出され、磁石１３４から生じる磁界または磁力線は、ホルダー１３２の側壁を通ることで半径方向の広がりが制限される。

　図２（Ｂ）は、描画部１３０の他の構成を示している。円筒状のホルダー２００は、一方の端部が開放され、他方の端部には、直径Ｄ１の開口が形成された先端部２１０が形成される。ホルダー２００の内部に磁石２２０が収容され、先端部２１０の開口から磁石２２０のＳ極またはＮ極の表面が磁気シート上に露出される。先端部２１０は厚さΔｔを有し、磁石２２０の表面は、先端部２１０の表面から厚さΔｔだけ窪んだ位置にあり、Δｔは、概ねΔｄと等しい。磁石２２０から生じる磁界または磁力線は、直径Ｄ１の開口の大きさに制限される。

　図２（Ｃ）に示すホルダー２００Ａは、図２（Ｂ）と同様の構成を有するが、先端部２１０には、直径Ｄ２の開口が形成される（Ｄ２＜Ｄ１）。つまり、磁石２２０から生じる磁界または磁力線の半径方向の広がりは、直径Ｄ２に制限される。例えば、直径Ｄ１のホルダー２００は太線描画用であり、直径Ｄ２のホルダー２００Ａは細線描画用である。

　摺動部材１４０に描画部１３０が取り付けられたとき、描画部１３０の先端部１３８または先端部２１０の表面は、摺動部材１４０の平坦な底面と同一であるか、あるいは底面よりも幾分だけ窪んだ位置にある。これにより、描画部１３０の先端部１３８または２１０は、摺動部材１４０が磁気シート面上を摺動したとき、事実上、磁気シート面と干渉しない。

　次に、本実施例の磁気筆記具の動作例について説明する。図３は、垂直な描画面をもつ磁気シートに本実施例の磁気筆記具で描画するときの例を示している。磁気シート３００は、例えば壁に掛けられたり、あるいは電子黒板の描画面と共有される。垂直な描画面において、ユーザーが磁気筆記具１００を把持し、これを鉛直方向に移動させるとき、図３（Ａ）、（Ｂ）に示すように、グリップ本体１１０は姿勢または角度を変化することを余儀なくされるが、グリップ本体１１０Ａは支持部材１２０上で回転可能に支持され、かつ支持部材１２０が弾性部材１５０により３次元方向で弾性変形可能に支持されるため、グリップ本体１１０の角度または姿勢の変化は容易となり、ユーザーへの負担も軽減される。その結果、摺動部材１４０を描画面から逸脱させることなく描画面に垂直方向から安定的に磁界を印加して鮮明な文字等を描画することができる。また、グリップ本体１１０に大きな力が印加されたとしても、その力は弾性部材１５０によって分散されるため、磁気シート上への局所的な応力の印加が抑制される。

　次に、本発明の第２の実施例について説明する。図４（Ａ）は、磁気筆記具１００Ａの斜視図、図４（Ｂ）はその側面図である。磁気筆記具１００Ａは、ユーザー操作部として円柱状のグリップ１１０Ａを有し、グリップ１１０Ａの先端に向けて徐々に細くなるテーパが形成されている。グリップ本体１１０Ａの先端には、ボール状のジョイント１１２が形成され、支持部材１２０には、ジョイント１１２と係合する凹部が形成される。ボール状のジョイント１１２の姿勢は、支持部材１２０の凹部との摩擦力によって保持され、この摩擦力よりも大きな操作力が印加されたとき、グリップ本体１１０Ａは、支持部材１２０に対してジョイント１１２を介して３次元方向に回転可能に支持される。

　支持部材１２０および弾性部材１５０は円形状である。摺動部材１４０もまた概ね円形状であるが、支持部材１２０および弾性部材１５０よりも大きな面積を有する。また、摺動部材１４０の円周上の端部には、描画部１３０が保持される。また、ある態様では、グリップ本体１１０Ａが支持部材１２０から離脱しないようにするため、支持部材１２０の表面にストッパー部材１２１が取り付けられる。ストッパー部材１２１の中央には、開口が形成され、この開口の直径をジョイント１１２の直径よりも小さくすることでジョイント１１２の脱落が防止される。

　図４（Ｃ）は、さらに他の磁気筆記具１００Ｂを示している。グリップ本体１１０Ｂの先端には、弾性変形可能な剛性のワイヤ部材１１４を介して球状のボール１１６が取り付けられる。一方、支持部材１２０には、その中央に開口が形成され、その開口内に環状の弾性リング１２４が取り付けられる。弾性リング１２４の直径は、球状のボール１１６の直径よりも幾分小さく、ボール１１６は、弾性リング１２４内に挿入され、ボール１１６の姿勢は弾性的に保持される。ホール１１６を回転させるとき、ボール１１６と弾性リング１２４との間に摩擦力が生じ、それ故、グリップ本体１１０Ｂを回転させる場合には、この摩擦力により大きな操作力が必要となる。また、グリップ本体１１０Ｂに操作力が加えられたとき、ワイヤ部材１１４もＸＹ平面において幾分弾性的に変形する。また、ある態様では、ボール１１６が支持部材１２０から離脱しないようにするため、支持部材１２０の表面にストッパー部材１２１Ａが取り付けられる。

　図４（Ｄ）は、さらに他の磁気筆記部１００Ｃを示している。この例では、図４（Ｃ）に示す弾性部材１５０を用いる代わりに、弾性リング１２６が貫通孔ではなく凹部を有する。つまり、弾性リング１２６は底部を有し、摺動部材１２０は露出されない。グリップ本体１１０Ｂに取り付けられたボール１１６が弾性リング１２６内に挿入され、ボール１１６は、弾性リング１２６の側部と底部によって弾性的に保持される。弾性リング１２６は、ボール１１６を回転可能に支持するとともに、グリップ本体１１０Ｂの軸方向の力を吸収する。

　次に、本発明の第３の実施例について図４Ａを参照して説明する。同図（Ａ）に示す弾性部材１５０Ａは、その厚さは一様であるが、その平面形状の面積が支持部材１２０の平面形状の面積よりも小さい。これにより、支持部材１２０が弾性部材１５０Ａを介して摺動部材１４０に対して３次元方向の姿勢の変化を容易にすることができる。

　同図（Ｂ）に示す弾性部材１５０Ｂは、端部よりも中央部分が厚くなるように、その表面が扇状または円弧状に形成される。これにより、支持部材１２０と弾性部材１５０Ｂとの間隔が端部に向けて大きくなり、支持部材１２０の３次元方向の姿勢の変化を容易にすることができる。

　同図（Ｃ）は、弾性部材１５０Ｃが複数の部材から構成される。例えば、弾性部材１５０Ｃは、矩形状を有し、複数の弾性部材１５０の間には一定の間隔が形成される。この場合、弾性部材１５０Ｃは、すべてが同じ材質であってもよいし、中央に配置される弾性部材よりも端部に配置される弾性部材が弾性変形し易いものにすることができる。さらに同図（Ｄ）に示すように、中央に配置される弾性部材１５０Ｄの厚さを端部の弾性部材の厚さよりも大きくしてもよい。これにより、支持部材１２０の３次元方向の姿勢変化を容易にすることができる。また、ここには図示しないが、複数の弾性部材を厚さ方向に積層するものであってもよく、積層される弾性部材は、同一の材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。さらに弾性部材の膜厚はそれぞれが均一であってもよいし、異なるものであってもよいし、弾性部材の平面形状はそれぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。

　次に、本発明の第４の実施例について説明する。第４の実施例では、ユーザー操作部として、動物、人形、玩具等の形状を模したキャラクター部を有する。図５（Ａ）に示すように、磁気筆記具１００Ｄは、支持部材１２０上に動物（例えばブタ）の外観を有するキャラクター部３００を取り付ける。ある態様では、キャラクター部３００は、他のキャラクター部に交換可能にするため、支持部材１２０に対して着脱自在に取り付けられる。取り付け方法は任意であるが、例えば、キャラクター部３００の凸部と支持部材１２０の凹部とを着脱可能に結合したり、ネジや締結部品を用いた両者を結合したり、あるいはマジックテープで両者を結合する。図５（Ｂ）は、ブタのキャラクター部３００を、像の外観を有するキャラクター部３１０に交換した例を示し、図５（Ｃ）は、乗り物のキャラクター３２０に交換した例を示す。

　本実施例のようなキャラクター部を備えた磁気筆記具１００Ｄは、特にペンを上手く握ることができない人や幼児や子供にとって把持し易く、幼児や子供であっても磁気シート上に容易に文字や図形等を描画することができる。

　次に、本発明の第５の実施例について説明する。第５の実施例では、ユーザー操作部として、ユーザーの指を装着可能な指サック部を有する。図６（Ａ）に示すように、磁気筆記具１００Ｅは、摺動部材１４０上に、弾性材料から構成された指サック部４００を取付ける。指サック部４００は、軸方向に切り欠きが形成された円筒状を有し、その内部空間にユーザーの指を挿入させることが可能である。指サック部４００は、それ自身が弾性変形可能であるため、第１ないし第３の実施例のときのような弾性部材１５０は必ずしも必要としない。

　図６（Ｂ）は、指サック部の変形例を示し、指サック部４００の回転を容易にするため、指サック部４００の底部が、蝶番のような回転機構４１０を介して摺動部材１４０に接続される。これにより、指サック部４００は、回転機構４１０を介してＹ方向に揺動することが可能である。

　図６（Ｃ）は、指サック部の更なる変形例を示し、指サック部４２０は、その軸方向の先端部に向けて内部空間が細くなるように構成される。これにより、ユーザーは、指Ｆを指サック部４２０内に挿入し易くなる。

　図６（Ｄ）は、指サック部の更なる変形例を示し、指サック部４３０は、その底部にはマジックテープ４４０が取り付けられ、摺動部材１４０の表面にもマジックテープ４４２が取り付けられる。指サック部４３０は、マジックテープ４４０、４４２により摺動部材１４０に着脱可能に取り付けられる。

　本実施例のような指サック部を備えた磁気筆記具１００Ｅは、特に全体の指を使用してグリップ本体やキャラクター部をつまむことが容易でないユーザー（例えば、指に障害がある人や介護を要するような人など）は、指サック部に指を挿入するだけで磁気筆記具１００Ｅを摺動させ、磁気シート上に文字等を容易に描画することができる。

　次に、本発明の第６の実施例について説明する。第６の実施例では、磁気筆記具１００Ｆは、摺動部材１４０と、摺動部材１４０上に取り付けられる操作部とを含む。つまり、第６の実施例の磁気筆記具１００Ｆは、第１ないし第５の実施例と異なり、操作部と摺動部材１４０との間に弾性部材１４０を含まない。図７（Ａ）ないし（Ｃ）は、操作部３００、３１０、３２０としてキャラクター部を例示しているが、これ以外にも、ペン型を握るのではなく、上方から指でつまみやすい形状であればよい。

　第６の実施例では、摺動部材１４０の平面形状は、操作部３００、３１０、３２０の平面形状あるいは外観形状よりも大きく構成される。また、摺動部材１４０の一部に描画部１３０が保持され、描画部１３０の底面は、摺動部材１４０の摺動面と同一かそれよりも幾分だけ内側に一定距離だけ凹んだ位置にある。これにより、磁気筆記具１００Ｆを用いて垂直方向の磁気シートに描画を行うとき、面積の大きい摺動部材１４０は磁気シートの描画面を追従し易くなり、同時に磁気シートへの局所的な応力の印加を防止することができる。

　以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。

１００、１００Ａ、１００Ｂ、１００Ｃ、１００Ｄ、１００Ｅ：磁気筆記具
１１０、１１０Ａ、１１０Ｂ、１１０Ｃ：グリップ本体
１１２：ジョイント
１２０：支持部材
１３０：描画部
１３２、２００、２００Ａ：ホルダー
１３４：凹部
１３６、２２０：磁石
１３８、２１０：先端部
１４０：摺動部材
１５０：弾性部材
１６０：消去部
３００、３１０：キャラクター部
４００、４２０、４３０：指サック部

Claims

磁気シート上に磁界を作用させることで磁気シート上に文字等を描画する機能を備えた磁気筆記具であって、
　磁気シートに磁界を印加して文字等を描画する描画部を保持し、かつ磁気シートの描画面と摺動可能な平坦な摺動面を含む摺動部材と、
　前記摺動部材上に設けられた弾性部材と、
　前記弾性部材上に設けられた操作部と、
　を有する磁気筆記具。
前記摺動部材は、透明な材料から構成され、前記描画部は、前記摺動部材の摺動面から突出しないように前記摺動部材に保持される、請求項１に記載の磁気筆記具。
前記摺動部材の平面形状の面積は、前記弾性部材の平面形状の面積よりも大きい、請求項１または２に記載の磁気筆記具。
前記弾性部材は、３次元方向に弾性変形が可能である、請求項１に記載の磁気筆記具。
前記弾性部材は、一定の厚さを有する弾性シートである、請求項４に記載の磁気筆記具。
前記弾性部材は、発泡ウレタンから構成される、請求項４または５に記載の磁気筆記具。
前記弾性部材の平面形状の面積は、前記操作部の平面形状の面積よりも小さい、請求項１ないし６いずれか１つに記載の磁気筆記具。
前記弾性部材の中央部分の厚さが端部よりも厚く、当該中央部分が前記操作部に接触する、請求項１ないし６いずれか１つに記載の磁気筆記具。
前記操作部は、一方の端部と当該一方の端部と対向する他方の端部とを有する把持本体と、前記一方の端部を回転可能に支持する支持部材とを有し、
　前記支持部材は、前記弾性部材上に配置される、請求項１に記載の磁気筆記具。
前記一方の端部は、前記支持部材に形成された凹部内に回転可能に支持される、請求項９に記載の磁気筆記具。
前記一方の端部は球状を有し、前記支持部材の凹部内に弾性部材が設けられ、前記把持本体の姿勢が維持されるように前記一方の端部が前記凹部の弾性部材によって支持される、請求項１０に記載の磁気筆記具。
前記把持本体の他方の端部に、磁気シートに描画された文字等を消去するための消去部が設けられる、請求項９に記載の磁気筆記具。
前記操作部は、動物、人形または玩具等を模したキャラクター部と、当該キャラクター部を支持する支持部材とを有し、
　前記支持部材は、前記弾性部材上に配置される、請求項１に記載の磁気筆記具。
前記キャラクター部は、前記支持部材から着脱可能である、請求項１３に記載の磁気筆記具。
前記操作部は、指キャップを含む、請求項１に記載の磁気筆記具。
磁気シート上に磁界を作用させることで磁気シート上に文字等を描画する機能を備えた磁気筆記具であって、
　磁気シートに磁界を印加して文字等を描画する描画部を保持し、かつ磁気シートの描画面と摺動可能な平坦な摺動面を含む摺動部材と、

　前記摺動部材上に設けられた操作部と、
　を有する磁気筆記具。
前記操作部の平面形状に対して前記摺動部材の平面形状の面積が大きい、請求項１６に記載の磁気筆記具。
前記描画部の底面は、前記摺動部材の摺動面と同じかそれよりも一定の距離だけ内部に凹んでいる、請求項１６または１７に記載の磁気筆記具。
前記操作部は、ペン型の形状とは異なる立体形状である、請求項１６ないし１８いずれか１つに記載の磁気筆記具。
前記操作部は、キャラクターを模した形状である、請求項１６ないし１９いずれか１つに記載の磁気筆記具。
請求項１ないし２０いずれか１つに記載の磁気筆記具と磁気シートを含む磁気筆記システム。