WO2021124842A1

WO2021124842A1 - 端子金具およびコネクタ

Info

Publication number: WO2021124842A1
Application number: PCT/JP2020/044405
Authority: WO
Inventors: 純弥松浦
Original assignee: 住友電装株式会社
Priority date: 2019-12-20
Filing date: 2020-11-30
Publication date: 2021-06-24
Also published as: CN114830454A; US20230006389A1; JP2021099901A; JP7218718B2; CN114830454B

Abstract

端子金具（１０）は、筒状の接続部（１１）と、接続部（１１）内に配置される撓み変形可能な弾性接触部（２４）と、を備える。接続部（１１）は、弾性接触部（２４）の接点（２５）と対向する基壁部（１４）に、前後方向に延び、かつ接点（２５）側となる内側に突出するビード（２８）を有している。基壁部（１４）の外面は、ビード（２８）の前後両端部において内側に凹む凹部（３１）と、ビード（２８）の前後両端部間において凹部（３１）の底（３６）より外側に位置するショート端子対向部（３２）と、を有している。

Description

端子金具およびコネクタ

　本開示は、端子金具およびコネクタに関する。

　特許文献１のコネクタは、互いに嵌合可能な雌ハウジングおよび雄ハウジングを備える。雌ハウジングには、一対の雌端子およびショート端子が収容されている。ショート端子は、一対の雌端子に接触する接点部を有している。一対の雌端子は、ショート端子を介して互いに短絡される。一対の雌端子の短絡状態は、雌ハウジングおよび雄ハウジングの嵌合完了時に解除される。

　なお、特許文献１には、雌端子の具体的な形状が記載されていない。特許文献２および特許文献３には、この種の雌端子の具体的な形状が記載されている。雌端子は、通常、筒状の接続部を備える。接続部内には、撓み変形可能な弾性接触部が配置される。接続部は、弾性接触部の接点との間に、雄端子のタブを挟み込むビードを有している。なお、接続部、弾性接触部、接点およびビードは、特許文献２において、それぞれ、挟圧部、弾性接触片、ドーム状エンボス接点部および内部対向接触面と称される部分になり、特許文献３において、それぞれ、箱部、弾性たわみ部、インデント部および対向接触部と称される部分になる。

特開２０１２－１３４００４号公報特開２０１３－９８０８８号公報特開２０１５－２０４１８６号公報

　ところで、雌ハウジング、雌端子およびショート端子の設計上の事情などの諸事情によって、ショート端子の接点部を、接続部におけるビードの外面部分に接触させざるを得ないことがある。しかし、ビードの外面部分は、接続部において内側に凹む凹みを有している。このため、上記構成の場合、ショート端子の接点部がビードの凹みに入り込む懸念がある。接点部がビードの凹みに入り込むと、ショート端子と雌端子との間で十分な接触荷重を得ることができず、ショート端子と雌端子との導通が不十分になるおそれがある。

　そこで、ショート端子との接続信頼性を確保することが可能な端子金具およびコネクタを提供することを目的とする。

　本開示の端子金具は、筒状の接続部と、前記接続部内に配置される撓み変形可能な弾性接触部と、を備え、前記接続部は、前記弾性接触部の接点と対向する基壁部に、前後方向に延び、かつ前記接点側となる内側に突出するビードを有し、前記基壁部の外面は、前記ビードの前後両端部において内側に凹む凹部と、前記ビードの前後両端部間において前記凹部の底より外側に位置するショート端子対向部と、を有している。

　また、本開示のコネクタは、上述した構成の端子金具と、一対の前記端子金具およびショート端子を収容するハウジングと、を備え、前記ショート端子は、一対の前記端子金具における前記ショート端子対向部に対向する、一対の接触面を有している。

　本開示によれば、ショート端子との接続信頼性を確保することが可能な端子金具およびコネクタを提供することができる。

図１は、実施形態にかかる端子金具を前上方から見た斜視図である。図２は、端子金具を前下方から見た斜視図である。図３は、端子金具の接続部の断面図である。図４は、実施形態にかかるコネクタにおいて、端子金具およびショート端子がハウジングに収容された状態を示す断面図である。図５は、図４のＡ－Ａ線断面図の上部側を示す図である。図６は、基壁部の外面に凹部およびショート端子対向部を形成するプレス工程を示す拡大断面図である。

［本開示の実施形態の説明］
　最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
　本開示の端子金具は、
　（１）筒状の接続部と、前記接続部内に配置される撓み変形可能な弾性接触部と、を備え、前記接続部は、前記弾性接触部の接点と対向する基壁部に、前後方向に延び、かつ前記接点側となる内側に突出するビードを有し、前記基壁部の外面は、前記ビードの前後両端部において内側に凹む凹部と、前記ビードの前後両端部間において前記凹部の底より外側に位置するショート端子対向部と、を有している。ショート端子がショート端子対向部に対向して接触可能に配置されることにより、ショート端子が凹部の底側に入り込むのを防止することができる。このため、端子金具とショート端子が導通する状態を良好に実現することができ、端子金具とショート端子との接続信頼性を確保することができる。

　（２）前記基壁部における前記ビードの前後両端部間の部分は、前記ビードの前後両端部より厚い厚さを有しているのが好ましい。基壁部の外面をプレスで加圧することにより、ビードの前後両端部に凹部を形成することができる。プレス加圧時に、ビードの前後両端部の肉がビードの前後両端部間に寄るようにプレスパーツを設計することにより、ビードの前端両端部間の部分を厚くすることができる。そして、プレス加圧によって、基壁部の外面におけるビードの前後両端部間に、凹部の底より外側に位置するショート端子対向部を簡単に形成することができる。ビードの前後両端部間の部分を厚くすることにより、この部分の剛性を高めることができる。

　また、本開示のコネクタは、
　（３）上述した構成の端子金具と、一対の前記端子金具およびショート端子を収容するハウジングと、を備え、前記ショート端子は、一対の前記端子金具における前記ショート端子対向部に対向する、一対の接触面を有している。この構成によれば、ショート端子の一対の接触面がショート端子対向部に対向して接触可能となるため、端子金具とショート端子との接続信頼性を確保することができる。

　（４）前記凹部は、前記基壁部の外面の幅方向中央部に配置され、前記接触面の幅方向中央部は、前記基壁部の外面の幅方向中央部から幅方向にずれた位置に配置されると良い。この構成によれば、ショート端子が凹部にいっそう入り込みにくくなり、端子金具とショート端子との接続信頼性をより向上させることができる。

［本開示の実施形態の詳細］
　本開示の端子金具およびコネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

　＜コネクタ＞
　コネクタは、図４に示すように、ハウジング８０、ショート端子６０および端子金具１０を備える。なお、以下の説明において、上下方向は、ハウジング８０、ショート端子６０および端子金具１０が図４に示す状態に配置された場合を基準とする。前後方向は、図４の右側を前側とする。

　ハウジング８０は、合成樹脂製であって、端子金具１０およびショート端子６０を収容する。ハウジング８０は、全体として角ブロック状をなし、前側から図示しない相手ハウジングに嵌合される。ハウジング８０は、前後方向に貫通する複数のキャビティ８１を有している。ハウジング８０は、各キャビティ８１の内面に、撓み変形可能なランス８２を有している。端子金具１０は、後方からキャビティ８１に挿入され、ランス８２により係止される。

　ハウジング８０は、前面に開口する複数のショート端子収容部８３を有している。図５に示すように、ショート端子収容部８３は、ハウジング８０の前端部において、幅方向（図５の左右方向であって、前後方向および上下方向と直交する方向）に隣接する一対のキャビティ８１と連通している。

　図４に示すように、ハウジング８０は、前後方向の途中に、上下方向に延びてハウジング８０の下面に開口する装着孔８４を有している。ハウジング８０の装着孔８４には、下方からリテーナ９０が挿入される。ショート端子収容部８３およびキャビティ８１は、装着孔８４に連通している。ショート端子収容部８３は、装着孔８４の前方に位置している。

　ハウジング８０には、フロントホルダ７０が装着される。フロントホルダ７０の前壁は、ハウジング８０の前面を覆い、端子金具１０を前止めする。また、ショート端子６０の前側部分（後述する弾性片６３の前端部）は、フロントホルダ７０の前壁の内側に配置される。フロントホルダ７０の前壁には、各キャビティ８１と対応する位置に、挿入口７１が設けられている。相手端子金具２００のタブ２１０（図３を参照）は、挿入口７１を通してキャビティ８１内に挿入され、キャビティ８１内に配置された端子金具１０に電気的に接続される。

　＜ショート端子＞
　ショート端子６０は、導電性の金属板を曲げ加工などして形成される。図５に示すように、ショート端子６０は、上端において幅方向に沿った平板状の基部６１と、基部６１の幅方向両端から下向きに屈曲する一対の固定部６２と、基部６１の後端から下向きに突出したあと前方に延びる一対の弾性片６３と、を有している。

　図５に示すように、基部６１は、ショート端子収容部８３の内壁上面に沿って配置される。固定部６２は、ショート端子収容部８３の幅方向両端部に形成された段付き部８５に係止される。ショート端子６０は、固定部６２の段付き部８５への係止によってショート端子収容部８３に抜け止めされる。

　弾性片６３は、帯板状に形成されている。弾性片６３の前部は、後部に比べて幅狭になっている。図４に示すように、弾性片６３の前部は、側面視において下向きに湾曲し、下端部に、幅方向に沿った接触面６４を有している。弾性片６３の接触面６４は、端子金具１０に接触可能とされている。接触面６４の幅寸法は、後述するビード２８の幅寸法よりも大きく、かつ後述する基壁部１４の幅寸法の半分よりも大きい。

　＜端子金具＞
　端子金具１０は、同じく導電性の金属板を曲げ加工などして形成される。図１および図２に示すように、端子金具１０は、全体として前後方向に細長い形状になっている。端子金具１０は、前部に配置される筒状の接続部１１と、後部に配置されるオープンバレル状のワイヤバレル部１２およびインシュレーションバレル部１３と、を有している。端子金具１０は、雌型端子金具である。

　ワイヤバレル部１２は、被覆電線１００の端部において被覆部１１０の除去によって露出する芯線部１２０に圧着して電気的に接続される。インシュレーションバレル部１３は、ワイヤバレル部１２より後方に位置する。インシュレーションバレル部１３は、被覆電線１００の端部における被覆部１１０に圧着して機械的に接続される。

　接続部１１は、前後方向に延びる角筒状の形態になっている。接続部１１は、基壁部１４と、基壁部１４の幅方向両端から下向きに突出する一対の側壁部１５、１６と、一方の側壁部１５の下端から他方の側壁部１６の下端側に向けて架け渡される内側壁部１７（図３を参照）と、他方の側壁部１６の下端から一方の側壁部１５の下端側に向けて架け渡され、内側壁部１７の外側（下側）に配置される外側壁部１８と、を有している。

　図３に示すように、接続部１１の下壁部分は、内側壁部１７と外側壁部１８とによって二重壁構造になっている。内側壁部１７および外側壁部１８は、前後方向の途中に、下壁部分を内外に貫通するランス孔１９を有している。外側壁部１８は、ランス孔１９の前方に、下向きに屈曲する形態の係止突起２１を有している。

　接続部１１は、後端部に、下向きに突出する門型の突部２２を有している。突部２２は、係止突起２１に対向して配置される。内側壁部１７および外側壁部１８の各後端部は、突部２２の下壁部分を構成している。接続部１１の下壁部分は、突部２２と係止突起２１との間において凹状に凹むランス進入部２３を有している。

　図４に示すように、端子金具１０がハウジング８０のキャビティ８１に挿入されると、ランス８２がランス進入部２３に進入して係止突起２１に対向して配置される。端子金具１０は、ランス８２により一次的に係止され、後方に抜け止めされる。ランス８２の先端部は、ランス孔１９に臨み、内側壁部１７および外側壁部１８との干渉を回避して配置される。リテーナ９０がハウジング８０の装着孔８４に深く挿入されると、リテーナ９０の抜止部９１が突部２２に対向して配置される。端子金具１０は、リテーナ９０により二次的に係止され、後方に確実に抜け止めされた状態になる。

　図３に示すように、接続部１１の内側には、弾性接触部２４が配置されている。弾性接触部２４は、帯板状をなし、内側壁部１７の前端から後方へ延びる形態になっている。弾性接触部２４は、内側壁部１７の前端側を支点として上下方向に撓み変形可能とされている。

　弾性接触部２４は、前後方向（延び方向）の途中に、上向きに突出するエンボス状の接点２５を有している。弾性接触部２４の接点２５と基壁部１４の後述するビード２８との間には、相手端子金具２００のタブ２１０の挿入を許容する間隙が形成されている。タブ２１０は、弾性接触部２４からの弾性反力を受けつつ弾性接触部２４の接点２５とビード２８との間に挟まれる。これにより、端子金具１０が相手端子金具２００に電気的に接続される。

　図１に示すように、基壁部１４は、ワイヤバレル部１２側の領域と前後方向に一体に連続している。基壁部１４は、後端部に、幅方向に沿って切り込み２６を有し、切り込み２６の後方に、上方に曲げ起こされた形態のスタビライザ２７を有している。スタビライザ２７は、ハウジング８０のキャビティ８１に対する端子金具１０の挿入をガイドするとともに、端子金具１０の誤挿入を防止する役割を有している。

　基壁部１４は、前後方向の途中（詳しくは基壁部１４の前端寄りの領域）に、ビード２８を有している。ビード２８は、基壁部１４の幅方向中央部において、下向きに突出し、かつ前後方向に延びるリブ状の形態になっている。図１に示すように、ビード２８は、基壁部１４の幅方向中央部において、前後方向に長い矩形状の平面視形状を呈している。

　図３に示すように、ビード２８の下面（内面）は、弾性接触部２４の接点２５と対向し、前後方向に沿って配置される。ビード２８の上面（外面）は、前後両端部に一対の凹部３１を有し、前後両端部間の位置（本実施形態の場合は前後中央位置）にショート端子対向部３２を有している。ビード２８の上面（凹部３１およびショート端子対向部３２）は、幅方向において同一高さに連続して配置されている。基壁部１４の上面は、ビード２８の上面を挟んだ前後両側に、前後方向に沿った基準面２９を有している。基準面２９は、基壁部１４の上面におけるビード２８の周囲面であって、基壁部１４の上面のうち、ビード２８、切り込みおよびスタビライザ２７を除く領域に平坦に形成されている。

　凹部３１は、ビード２８の上面において凹曲面状に形成されている。図６に示すように、凹部３１は、基準面２９から凹部３１の底３６に向けて直線状に下向きに傾斜する第１領域３３と、凹部３１の底３６からショート端子対向部３２に向けて直線状に上向きに傾斜する第２領域３４と、を有している。第１領域３３と基準面２９との間、第１領域３３と底３６との間、第２領域３４と底３６との間および第２領域３４とショート端子対向部３２との間は、曲面状に連なっている。第１領域３３の傾斜角（前後方向に対する傾斜角）は、第２領域３４の傾斜角より大きい。

　ショート端子対向部３２は、前後の凹部３１間において、前後方向に平坦または凸曲面状に配置されている。ショート端子対向部３２は、凹部３１の底３６より上側（外側）で、且つ基準面２９より下側（内側）に配置されている。ショート端子対向部３２は、ショート端子６０の弾性片６３の接触面６４に対向して接触し得る。なお、ビード２８は、前後対称な形態になっている。

　＜ビードの形成方法＞
　まず、母材である金属板が打ち抜かれ、端子金具１０の展開形状が形成される。端子金具１０が展開形状にあるときに、基壁部１４の母体（プレス加工前の基壁部１４に対応する部分）が受け型３００の受け面３１０に載せられる。図６に示すように、受け型３００の受け面３１０は、基壁部１４の下面形状に対応した形状を呈している。受け部の受け面３１０は、ビード２８の下面に対応した凹面部３１１を有している。

　次いで、プレス型４００のプレス面４１０が基壁部１４の母体の上面に押し当てられる。プレス型４００のプレス面４１０は、基壁部１４の上面形状に対応した形状を呈している。プレス型４００のプレス面４１０は、ビード２８の上面に対応した曲面部分を有している。プレス型４００の曲面部分は、前後の凹部３１と対応する位置に凸曲面状の凸部４１１を有し、ショート端子対向部３２と対応する位置に凹曲面状の逃げ部４１２を有している。逃げ部４１２は、上下方向に関して凹部３１の底３６からショート端子対向部３２までの高さより大きい深さで凹む形態になっている。

　プレス型４００が基壁部１４の上面を加圧することにより、プレス型４００の凸部４１１と受け型３００の凹面部３１１との間にビード２８の前後両端部が挟圧され、ビード２８の上面に凹部３１が形成される。同時に、凹部３１側の肉がプレス型４００の逃げ部４１２に寄り、ビード２８の前端両端部間の部分が盛り上がって、ビード２８の上面にショート端子対向部３２が形成される。

　上述のとおり、基壁部１４の上面がプレス加圧されることにより、ビード２８の前後両端部側から前後中央側に肉（材料）が寄る。その結果、図６に示すように、ビード２８において、ショート端子対向部３２を有する前後両端部間の部分は、凹部３１を有する前後両端部と比べ、厚さが厚くなる。また、ビード２８の前後両端部間の部分は、基壁部１４の基準面２９側の部分と比べても厚さが厚くなる。

　＜端子金具とショート端子の接続構造＞
　組み付けに際し、ショート端子６０がショート端子収容部８３に収容され、端子金具１０がキャビティ８１に収容される。このうち、一対の端子金具１０は、キャビティ８１に挿入された状態で、キャビティ８１に臨むショート端子６０の弾性片６３と接触する（図５を参照）。言い換えれば、一対の弾性片６３は、キャビティ８１に挿入された端子金具１０に弾性反力を付与しつつ接触する。これにより、一対の端子金具１０がショート端子６０を介して電気的に短絡される。なお、一対の端子金具１０の短絡状態は、ハウジング８０と図示しない相手ハウジングとの正規嵌合時に、図示しない解除部によって解除される。

　本実施形態の場合、コネクタの設定事情により、基壁部１４の上面のうちのビード２８と対応する領域に、一対の弾性片６３の接触面６４が配置されるようになっている。
　ここで、ビード２８の上面は、前後両端部に凹部３１を有するものの、前後両端間にショート端子対向部３２を有している。このため、弾性片６３の接触面６４は、ショート端子対向部３２に対向して接触することができる（図４を参照）。ショート端子対向部３２の凹み量は、凹部３１の凹み量より十分に小さい。よって、弾性片６３がビード２８内に過度に落ち込むことはなく、ショート端子６０と端子金具１０との間には良好な接触荷重が確保される。

　また、本実施形態の場合、図５に示すように、弾性片６３の接触面６４の幅方向中央部は、基壁部１４の上面の幅方向中央部から幅方向にずれた位置に設定されている。そうすると、弾性片６３の接触面６４は、基壁部１４の上面に対し、幅方向片側（本実施形態の場合、幅方向内側であって、隣接するキャビティ８１間を仕切る隔壁８６側）に偏って接触することになる。基壁部１４の上面の幅方向片側は、基準面２９によって構成されている。このため、弾性片６３の接触面６４は、基壁部１４の基準面２９に対し、幅方向に沿って安定して接触することができる。

　一方、仮に、本実施形態と異なり、弾性片６３の接触面６４の幅方向中央部と基壁部１４の上面の幅方向中央部が幅方向に一致する構成である場合には、弾性片６３が組み付け誤差や振動などによって幅方向に位置ずれしたときに、弾性片６３が凹部３１に落ち込む懸念が生じる。
　その点、上記構成によれば、基壁部１４の上面の幅方向片側において、弾性片６３の接触面６４が基壁部１４の基準面２９に広く接触することができる。その結果、弾性片６３が凹部３１に落ち込む懸念を少なくすることができる。

　以上説明したように、本実施形態によれば、ショート端子６０の弾性片６３の接触面６４がショート端子対向部３２に対向して接触可能に配置されることにより、弾性片６３の接触面６４が凹部３１の底３６側に入り込む（落ち込む）のを防止することができる。このため、端子金具１０とショート端子６０が導通する状態を良好に実現することができ、端子金具１０とショート端子６０との接続信頼性を確保することができる。

　また、本実施形態の場合、基壁部１４の外面をプレスで加圧することにより、ビード２８の前後両端部に凹部３１を形成することができ、さらに凹部３１側の肉が寄ることでビード２８の前後両端部間の部分を厚肉に形成することができる。同時に、基壁部１４の外面に、ショート端子対向部３２を、凹部３１の底３６より高い位置に形成することができる。
　ビード２８の前後両端部間の部分がビード２８の前後両端部より厚肉に形成されることにより、ショート端子６０がショート端子対向部３２と接触したときにショート端子６０に対して十分な耐性を確保することができる。その結果、端子金具１０とショート端子６０との接続信頼性をより向上させることができる。

［本開示の他の実施形態］
　今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えるべきである。
　上記実施形態の場合、ビードの下面（内面）が前後方向に沿って直線状に形成されていたが、他の実施形態としては、ビードの下面は上向きに湾曲する形状であっても良い。
　上記実施形態の場合、ショート端子対向部が基壁部の基準面より低い位置に配置されていたが、他の実施形態としては、ショート端子対向部が基壁部の基準面と同じ高さ位置または基準面より高い位置に配置されていても良い。
　上記実施形態の場合、ビードの上面において、凹部とショート端子対向部との間が曲面状に連なっていたが、他の実施形態としては、凹部とショート端子対向部との間が鈍角に屈曲して連なっていても良い。

　１０…端子金具
　１１…接続部
　１２…ワイヤバレル部
　１３…インシュレーションバレル部
　１４…基壁部
　１５、１６…側壁部
　１７…内側壁部
　１８…外側壁部
　１９…ランス孔
　２１…係止突起
　２２…突部
　２３…ランス進入部
　２４…弾性接触部
　２５…接点
　２６…切り込み
　２７…スタビライザ
　２８…ビード
　２９…基準面
　３１…凹部
　３２…ショート端子対向部
　３３…第１領域
　３４…第２領域
　３６…底
　６０…ショート端子
　６１…基部
　６２…固定部
　６３…弾性片
　６４…接触面
　７０…フロントホルダ
　７１…挿入口
　８０…ハウジング
　８１…キャビティ
　８２…ランス
　８３…ショート端子収容部
　８４…装着孔
　８５…段付き部
　８６…隔壁
　９０…リテーナ
　９１…抜止部
　１００…被覆電線
　１１０…被覆部
　１２０…芯線部
　２００…相手端子金具
　２１０…タブ
　３００…受け型
　３１０…受け面
　３１１…凹面部
　４００…プレス型
　４１０…プレス面
　４１１…凸部
　４１２…逃げ部

Claims

　筒状の接続部と、
　前記接続部内に配置される撓み変形可能な弾性接触部と、
　を備え、
　前記接続部は、前記弾性接触部の接点と対向する基壁部に、前後方向に延び、かつ前記接点側となる内側に突出するビードを有し、
　前記基壁部の外面は、
　前記ビードの前後両端部において内側に凹む凹部と、
　前記ビードの前後両端部間において前記凹部の底より外側に位置するショート端子対向部と、
　を有している端子金具。
　前記基壁部における前記ビードの前後両端部間の部分は、前記ビードの前後両端部より厚い厚さを有している請求項１に記載の端子金具。
　請求項１又は請求項２に記載の端子金具と、
　一対の前記端子金具およびショート端子を収容するハウジングと、
　を備え、
　前記ショート端子は、一対の前記端子金具における前記ショート端子対向部に対向する、一対の接触面を有しているコネクタ。
　前記凹部は、前記基壁部の外面の幅方向中央部に配置され、
　前記接触面の幅方向中央部は、前記基壁部の外面の幅方向中央部から幅方向にずれた位置に配置される請求項３に記載のコネクタ。