WO2021106125A1 - 定量方法 - Google Patents

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徹也 桑原
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Abstract

ヒスタミンを定量する定量方法では、ヒスタミンを含む含有溶液が、酵素が製膜された酵素膜を表面に有する電極に滴下され、含有溶液に含まれるヒスタミンが酵素と反応して分解し、分解物が生成される(S19)。次いで、ヒスタミンが酵素により分解物に分解される過程で、含有溶液中の酸素が酸化反応により消費される(S21)。次いで、電極に対する電圧印加によって含有溶液中の酸素が分解されるときに流れる電流の電流値が取得される(S23)。次いで、取得された電流値に基づき、ヒスタミンが定量される(S25)。

Description

定量方法
 本発明は、ヒスタミンの定量方法に関する。
 ヒスタミンの定量方法が各種提案されている。例えば特許文献1に記載の定量方法では、次の第一工程~第六工程を経てヒスタミンが定量される。第一工程では、魚介類や食肉等からヒスタミンが抽出される。第二工程では、抽出されたヒスタミンを含むヒスタミン含有水溶液の温度が測定される。第三工程では、第二工程において測定された温度におけるヒスタミン含有水溶液の飽和溶存酸素濃度と化学量論的に等しい第1仮想ヒスタミン濃度が、あらかじめ用意されたテーブルを参照することにより求められる。第四工程では、ヒスタミンオキシダーゼ活性を有する酵素がヒスタミン含有水溶液に注入される。第五工程では、ヒスタミン含有水溶液中のヒスタミンに酵素が反応してイミダゾールアセトアルデヒドが生成される過程で、ヒスタミン含有水溶液中の酸素が酸化反応により消費される。酸化反応後、ヒスタミン含有水溶液の飽和溶存酸素濃度と化学量論的に等しい第2仮想ヒスタミン濃度が、酸素センサからの出力信号に基づいて求められる。第六工程では、第1仮想ヒスタミン濃度と第2仮想ヒスタミン濃度との差が算出されることにより、ヒスタミン含有水溶液中のヒスタミンの濃度が定量される。
特開平10-174599号公報
 上記方法では、ヒスタミンを定量するために必要な工程が多く、手順が煩雑である。これに対し、より簡易な方法で高精度にヒスタミンを定量したいという要求がある。
 本発明の目的は、より簡易な方法で高精度にヒスタミンを定量することが可能な定量方法を提供することである。
 本発明に係る定量方法は、ヒスタミンを定量する定量方法であって、前記ヒスタミンを含む含有溶液を、酵素が製膜された酵素膜を表面に有する電極に滴下し、前記含有溶液に含まれる前記ヒスタミンを前記酵素と反応させて分解し、分解物を生成する分解工程と、前記分解工程において前記ヒスタミンが前記酵素により前記分解物に分解される過程で、前記含有溶液中の酸素が酸化反応により消費される消費工程と、前記電極に対する電圧印加によって前記含有溶液中の前記酸素が分解されるときに流れる電流の電流値を取得する取得工程と、前記取得工程により取得された前記電流値に基づき、前記ヒスタミンを定量する定量工程とを備えたことを特徴とする。
 本発明に係る定量方法では、酵素が製膜された酵素膜を表面に有する電極が用いられる。このため、含有溶液に酵素が注入される方法と比べて、ヒスタミンの定量作業を容易化できる。又、電極は繰り返し使用可能となるため、コストの面でも有効である。
 本発明において、前記取得工程では、前記電極に印加する電圧をスイープした場合に流れる前記電流に基づき、前記電流値を取得してもよい。この場合、ヒスタミンの定量を高精度に実行できる。
 本発明において、前記定量工程は、前記電流値と前記ヒスタミンの濃度との対応関係を示した第1情報に基づき、前記取得工程により取得された前記電流値に対応する前記濃度を特定してもよい。この場合、電極に対する電圧印加時に流れる電流の電流値に基づき、ヒスタミンの濃度を簡易に定量できる。
 本発明において、前記酵素膜の膜厚を、前記ヒスタミンの定量範囲に基づき決定する決定工程を備え、前記定量工程は、前記電流値及び前記ヒスタミンの濃度との対応関係を前記膜厚別に示した第2情報に基づき、前記取得工程により取得された前記電流値と、前記決定工程により決定された前記膜厚とに対応する前記濃度を特定してもよい。この場合、ヒスタミンの濃度を酵素膜の膜厚別に定量できる。又、ヒスタミンの定量範囲に基づいて酵素膜の膜厚を決定することにより、ヒスタミンの定量範囲に対して最適な酵素膜の膜厚を選択して適用できる。
 本発明において、前記酵素は、ヒスタミンオキシダーゼであり、前記分解物は、イミダゾールアセトアルデヒドであってもよい。この場合、ヒスタミンがヒスタミンオキシダーゼにより分解されることで、含有溶液中の酸素は酸化反応により消費される。従って、酸素の消費量に応じて変動する電流値に基づき、ヒスタミンの濃度を適切に定量できる。
 本発明において、イオン交換体を前記含有溶液に混合し、夾雑物を除去する第1前工程を備え、前記分解工程は、前記第1前工程により前記夾雑物が除去された前記含有溶液を用いて前記分解物を生成してもよい。この場合、ヒスタミンの定量を更に高精度に行うことができる。
 本発明において、前記イオン交換体は、陰イオン交換体であってもよい。この場合、含有溶液に含まれる陰イオンの夾雑物を、陰イオン交換体により適切に除去できる。
 本発明において、タンパク質凝集剤を前記含有溶液に混合し、タンパク質を除去する第2前工程を備え、前記分解工程は、前記第2前工程により前記タンパク質が除去された前記含有溶液を用いて前記分解物を生成してもよい。この場合、ヒスタミンの定量を更に高精度に行うことができる。
 本発明において、前記タンパク質凝集剤はポリエチレングリコール及びデキストランのうち何れかであってもよい。この場合、含有溶液に含まれるタンパク質を、ポリエチレングリコール及びデキストランの何れかにより適切に除去できる。
 本発明において、pH調整剤を前記含有溶液に混合する第3前工程を備え、前記分解工程は、前記第3前工程によりpHが調整された前記含有溶液を用いて前記分解物を生成してもよい。この場合、ヒスタミンの定量を更に高精度に行うことができる。
酵素反応を示す図である。 電極11、12、13、及び測定部3を示す模式図である。 定量方法を示すフローチャートである。 第1グラフである。 第1グラフを導出するための測定結果を示すグラフである。 変形例における第2グラフである。 変形例における第3グラフである。
 本発明を具体化した実施形態について、図面を参照して順に説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。本実施形態に係るヒスタミンの定量方法は、酵素の触媒作用によりヒスタミンが分解されるという化学反応を利用し、電気化学的手法によりヒスタミンを定量するものである。
<定量方法の概要>
 図1、図2を参照し、ヒスタミンの定量方法の概要について説明する。図1に示すように、ヒスタミンは、酵素として用いられるヒスタミンオキシダーゼ(HOD)と反応することにより、酸化及び脱アミノ化され分解される。この反応により、ヒスタミンからイミダゾールアセトアルデヒドが生成され(矢印Y11)、HODは還元反応により酸化型から還元型に変位する(矢印Y12)。又、還元型のHODの酸化反応(矢印Y13)により酸素が分解され、分解された酸素と水から過酸化水素が生成される(矢印Y14)。つまり、HODによるヒスタミン1分子の分解反応に応じ、ヒスタミン及び酸素が夫々1分子ずつ消失し、イミダゾールアセトアルデヒド及び過酸化水素が夫々1分子ずつ生成される。
 図2に示すように、本実施形態では、酵素が製膜された酵素膜10を表面に有する電極11、12、13が用いられる。電極11は作用極であり、電極12は対極であり、電極13は参照極である。ヒスタミンを含む溶液(以下、「含有溶液21」という。)として、魚肉等の生体から得られたサンプルを溶媒に溶解した溶液が調製される。調製された含有溶液21が、酵素膜10に滴下される。このとき、含有溶液21に含まれるヒスタミンは、酵素膜10のHODと反応して分解し、イミダゾールアセトアルデヒド(IAA)が生成される(矢印Y21)。又、ヒスタミンがHODにより分解される過程で、含有溶液21中の酸素が酸化反応により消費され、過酸化水素が生成される(矢印Y22)。
 測定部3により、電極11に電圧が印加される。含有溶液21中に残留する酸素は、電極11の酵素膜10を浸透して電極11に到達する。酸素は、電極11から供給される電子と結合し、分解する(矢印Y23)。
 このため、電圧印加時において電極11に流れる電流値を、測定部3にて電気化学的に計測することにより、分解された酸素の量、言い換えれば、含有溶液21中に残留する酸素の量を測定できる。なお、含有溶液21中に残留する酸素の量は、含有溶液21に含有されるヒスタミンが酵素反応により分解される程、少なくなる。即ち、含有溶液21に含有されるヒスタミンの量と、電圧印加時において電極11に流れる電流の電流値とは、相関がある。従って、測定部3にて計測された電流値に基づき、含有溶液21に含有されるヒスタミンの濃度が定量可能となる。
<定量手順>
 図3を参照し、ヒスタミンの定量手順について説明する。はじめに準備工程が実行される(S11)。準備工程では、魚肉等の生体からサンプルが抽出される。サンプルにはヒスタミンが含まれる。サンプルが溶媒に溶解されることにより、ヒスタミンを含む含有溶液21が調製される。
 次に、含有溶液21から夾雑物を除去するための工程として、第1前工程が実行される(S13)。第1前工程では、陰イオン交換体が含有溶液21に混合されることにより、含有溶液21中の陰イオンの夾雑物が除去される。陰イオン交換体は、官能基としてアミノ基が導入されたイオン交換樹脂であり、Clイオン、SOイオン、アミノ酸等の陰イオンの夾雑物を除去できる。
 次に、含有溶液21からタンパク質を除去するための工程として、第2前工程が実行される(S15)。第2前工程では、ポリエチレングリコール及びデキストランの何れかがタンパク質凝集剤として含有溶液21に混合されることにより、含有溶液21中のタンパク質が除去される。
 次に、含有溶液21のpHを調整するための工程として、第3前工程が実行される(S17)。第3前工程では、pH調整剤としてリン酸粉末が含有溶液21に混合されることにより、含有溶液21のpHが中性~弱アルカリ性に調整される。
 次に、酵素膜10を表面に有する電極11が準備される。第1前工程(S13)、第2前工程(S15)、及び第3前工程(S17)を経て調製された含有溶液21が、酵素膜10に滴下される。これにより、含有溶液21に含まれるヒスタミンが酵素膜10のHODと反応して分解され、イミダゾールアセトアルデヒドが生成される(S19)。又、ヒスタミンを分解したHODにより、含有溶液21中の酸素が酸化反応により消費される(S21)。
 次に、測定部3によって電極11に電圧が印加される。より詳細には、測定部3は、電極11に印加される電圧をスイープする。含有溶液21中に残留する酸素は分解され、過酸化水素が生成される。又、酸素が分解する時に流れる電流の電流値が、測定部3により計測され取得される(S23)。より詳細には、電圧のスイープ時に流れた電流の極値が、測定部3により電流値として取得される。
 次に、S23の工程により取得された電流値に基づき、ヒスタミンが定量される(S25)。ヒスタミンの具体的な定量方法は、次の通りである。図4に示すように、電流値とヒスタミンの濃度との対応関係を示した第1グラフが予め準備される。第1グラフにおいて、x軸はヒスタミンの濃度を規定する。y軸は、電極に印加する電圧をスイープさせた時に測定部3で取得される電流値を規定する。ヒスタミンの濃度(変数x)と電流値(変数y)とは、略線形の関係を有する。第1グラフを線形近似した直線を示す関数は、式(1)の関係を満たす。但し、変数xの単位はppmであり、変数yの単位はnAである。
y=51.742x-9372.2   (1)
ヒスタミンの定量時、S23の工程で取得された電流値が式(1)の変数yに代入されたときに算出される変数xの値が、ヒスタミンの濃度として特定される。
 図5は、図4の第1グラフを導出するために測定された測定結果を示す。キハダマグロの生肉から抽出されたサンプルについて、ヒスタミンの濃度が0ppm、50ppm、100ppmとなるように調製された含有溶液21が用いられた。pHは略7とされた。そして、電極11の電圧を、0mVから-800mVまでの間で-20mV/secの条件でスイープさせ、この時に電極11に流れた電流の電流値が、夫々2回ずつ測定された。図4に示す第1グラフは、図5に示す測定結果の夫々において極小となる時の電流値と、対応するヒスタミンの濃度との関係をプロットしたものである。
 図4に示す第1グラフでは、ヒスタミンの濃度が増加する程、電流値の絶対値は小さくなっている。この結果は、ヒスタミンの濃度が増加する程、酵素の酸化反応(矢印Y13、図1参照)により分解される酸素(矢印Y14、図1参照)の量も増加し、含有溶液21に残留する酸素の量が少なくなることを示している。
 なお、上記のS25の工程は、測定部3により実行されてもよいし、別の方法で実行されてもよい。例えば測定部3は、取得した電流値を外部に出力してもよい。使用者は、出力された電流値に基づき、式(1)を参照することによってヒスタミンを定量してもよい。
<本実施形態の作用、効果>
 以上のように、本実施形態に係るヒスタミンの定量方法では、酵素として用いるHODが製膜された酵素膜10を表面に有する電極11が用いられる。このため、含有溶液21に酵素が注入される従来の方法と比べて、ヒスタミンの定量作業を容易化できる。又、酵素膜10を有する電極11は繰り返し使用可能となるため、ヒスタミンの定量に要するコストを削減できる。
 なお、酸素が電圧印加により分解するときに要する電圧は、-1000mV~-400mVである(図4参照)。一方、ヒスタミンがHODにより分解されることに応じて生成されるイミダゾールアセトアルデヒド(図1参照)が電圧印加により分解するときの電圧は、300~500mVである。又、酸素がHODにより分解されることに応じて生成される過酸化水素(図1参照)が電圧印加により分解するときの電圧は、700mV~1000mVである。つまり、酸素は負電圧で分解することができるため、正電圧で容易に酸化される物質による影響を受けない。このため、含有溶液21に残留する酸素の量を電気化学測定により測定してヒスタミンを定量する本実施形態の定量方法は、含有溶液21に残留するイミダゾールアセトアルデヒド又は過酸化水素の量を電気化学的に測定してヒスタミンを定量する場合と比べて、安定的に実行可能である。従って、上記方法によりヒスタミンを定量することにより、ヒスタミンの濃度を精度よく定量できる。
 S23の工程において、電極11に印加する電圧が測定部3によりスイープされ、その時に流れる電流に基づいて電流値が取得される。なお、電極11に印加する電圧をスイープさせることにより、含有溶液21及び酵素膜10中の酸素の移動、拡散を考慮して電流値を取得できる。従って、取得された電流値に基づくヒスタミンの定量を高精度に実行できる。
 S25の工程において、S23の工程で取得された電流値に対応するヒスタミンの濃度は、式(1)の変数yに電流値が代入されたときに算出される変数xの値として算出される。この場合、取得された電流値に基づき、ヒスタミンの濃度を容易に定量できる。
 ヒスタミンを分解するための酵素として、ヒスタミンオキシダーゼ(HOD)が用いられる。ヒスタミンがヒスタミンオキシダーゼにより分解される場合、含有溶液21中の酸素は酸化反応により消費される。又、ヒスタミンはイミダゾールアセトアルデヒドに分解される(図1参照)。従って、酸素の消費量に応じて変動する電流値に基づき、ヒスタミンの濃度を適切に定量できる。
 第1前工程(S13)では、イオン交換体が含有溶液21に混合され、夾雑物が除去される。S19~S25の工程では、夾雑物が除去された含有溶液21が用いられてヒスタミンが定量される。この場合、酵素によるヒスタミンの分解が夾雑物により阻害されることを抑制できるので、ヒスタミンの定量を更に高精度に行うことができる。又、イオン交換体として陰イオン交換体が用いられることにより、含有溶液21に含まれる陰イオンの夾雑物を、陰イオン交換体により適切に除去できる。
 第2前工程(S15)では、タンパク質凝集剤が含有溶液21に混合され、タンパク質が除去される。S19~S25の工程では、タンパク質が除去された含有溶液21が用いられてヒスタミンが定量される。この場合、酵素によるヒスタミンの分解がタンパク質により阻害されることを抑制できるので、ヒスタミンの定量を更に高精度に行うことができる。又、タンパク質凝集剤としてポリエチレングリコール及びデキストランのうち何れかが用いられることにより、含有溶液21に含まれるタンパク質をより適切に除去できる。
 第3前工程(S17)では、pH調整剤が含有溶液21に混合され、pHが中性~弱アルカリ性に調整される。S19~S25の工程では、pHが調整された含有溶液21が用いられてヒスタミンが定量される。この場合、適切なpHとすることにより酵素によるヒスタミンの分解を促進できるので、ヒスタミンの定量精度を更に向上させることができる。
<変形例>
 本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。上記実施形態において、測定部3に測定機本体が接続されてもよい。測定機本体には、測定部3により測定された電流値が出力されてもよい。測定機本体の記憶部に、式(1)が記憶されてもよい。測定機本体のCPUは、測定部3が出力した電流値を取得して式(1)を適用することにより、ヒスタミンの濃度を特定してもよい。CPUは、特定したヒスタミンの濃度を、測定機本体の表示部に出力してもよい。更に例えば、測定部3は、電極11に印加する電圧をスイープさせたときに流れる電流の電流値を、そのまま測定機本体に出力してもよい。測定機本体は、測定部3から出力された電流値に基づき、極値を特定してもよい。測定機本体は、特定した極値を式(1)に適用することにより、ヒスタミンの濃度を特定してもよい。
 測定部3、及び電極11~13が一体となった測定チップであってもよい。測定チップは、測定機本体のインタフェースに接続されて使用されてもよい。測定部3は、測定された電流値を、インタフェースを介して測定器本体に出力してもよい。
 S23の工程で取得される電流値は、電圧のスイープ時に流れた電流の極値でなくてもよい。例えば、電圧のスイープ時に流れた電流の総量が、電流値として取得されてもよい。又、S23の工程で電極11に印加される電圧は、スイープされなくてもよい。例えば測定部3は、酸素が分解される電圧を、電極11に一定時間連続して印加し、その時に流れる電流の電流値を取得してもよい。
 S25の工程でヒスタミンを定量する方法は、式(1)を用いる方法に限定されない。例えば、電流値とヒスタミンの濃度との対応関係を示すテーブルが予め準備されてもよい。この場合、テーブルのうちS23の工程で取得された電流値に対応するヒスタミンの濃度を取得することにより、ヒスタミンが定量されてもよい。ヒスタミンを分解するための酵素として用いられる物質は、ヒスタミンオキシダーゼである場合に限定されず、ヒスタミンを分解可能な他の酵素が用いられてもよい。
 第1前工程において含有溶液21に混合されるイオン交換体は、陰イオン交換体に限定されず、含有物質を吸着しない条件下では陽イオン交換体を使用してもよい。又、陰イオン交換体と陽イオン交換体との両方が含有溶液21に混合されてもよい。第2前工程において含有溶液21に混合されるタンパク質凝集剤は、ポリエチレングリコール及びデキストランに限定されず、他の材料であってもよい。第3前工程において含有溶液21に混合されるpH調整剤は、リン酸粉末に限定されず、含有溶液21を中性~弱アルカリ性とすることが可能な他の物質が用いられてもよい。第1前工程(S13)、第2前工程(S15)、第3前工程(S17)のうち一部または全部は、ヒスタミンの定量過程で実行されなくてもよい。
 定量方法の準備工程(S11)において、電極11の表面に形成される酵素膜10の膜厚が、ヒスタミンの定量範囲に基づいて決定されてもよい。膜厚の具体的な決定方法は、次の通りである。
 図6に示す第2グラフでは、含有溶液21中のヒスタミンの濃度と、電極11に電圧が印加されることに応じて分解される酸素の量との関係を示す理論曲線が、酵素膜10の膜厚毎に示されている。酵素膜10の膜厚が大きくなる程、ヒスタミンの濃度に対する酸素の消費量の割合が大きくなる。又、理論曲線は、酵素膜10の膜厚が大きくなる程、線形部分の範囲がヒスタミンの濃度の小さい領域に分布し、傾きは急峻となる。一方、酵素膜10の膜厚が小さくなる程、線形部分の範囲がヒスタミンの濃度の大きい部分まで広く分布し、傾きは緩やかになる。なお、第2グラフを用いてヒスタミンの濃度が特定される場合、理論曲線の線形部分を利用した方が、より詳細かつ正確に濃度を特定できるため好ましい。
 従って、例えば準備工程(S11)において、サンプルに含まれるヒスタミンの濃度として想定される値が小さく、且つ定量範囲が狭い程、酵素膜10の膜厚として大きい値が決定される。一方、サンプルに含まれるヒスタミンの濃度として想定される値が大きく、且つ定量範囲が広い程、酵素膜10の膜厚として小さい値が決定される。具体的には、例えばヒスタミンの定量範囲が範囲31(約20~50ppm)であることが想定される場合、最も膜厚の大きい理論曲線32に基づき、対応する膜厚が決定される。又、例えばヒスタミンの定量範囲が範囲33(約50~170ppm)であることが想定される場合、最も膜厚の小さい理論曲線34に基づき、対応する膜厚が決定される。
 又、S25の工程でヒスタミンが定量される場合、図6に示す第2グラフが用いられる。具体的には次の通りである。S23の工程により取得された電流値は、所定の関数が用いられることにより、酸素消費量に換算される。第2グラフにおいて、使用された酵素膜10の膜厚に対応する理論曲線が参照され、換算された酸素消費量に対応するヒスタミンの濃度が特定される。例えば、理論曲線32に対応する膜厚の酵素膜10が使用された場合、範囲31(約20~50ppm)内のヒスタミンの濃度は、理論曲線32の線形部分32Aを利用して特定される。又、例えば、理論曲線34に対応する膜厚の酵素膜10が使用された場合、範囲33(約50~170ppm)内のヒスタミンの濃度は、理論曲線34の線形部分34Aを利用して特定される。
 以上のように、電極11に電圧を印加した時に流れる電流の電流値に基づき、ヒスタミンの濃度を酵素膜10の膜厚別に定量できる。従って、酵素膜10の膜厚が変動した場合でも、ヒスタミンの濃度を高精度に定量できる。又、酵素膜10の膜厚を、ヒスタミンの定量範囲に応じて決定することにより、第2グラフの理論曲線のうち線形部分を利用してヒスタミンの濃度を特定できる。従って、より詳細かつ正確にヒスタミンの濃度を特定できる。
 図7に示す第3グラフは、含有溶液21中のヒスタミンの濃度と、電極11に印加する電圧をスイープさせた時に測定部3で取得される電流値との関係を、酵素膜10の膜厚(1μm、3μm)毎に示した実測値である。第3グラフから、特にヒスタミンの濃度が約10ppmよりも大きい場合において、酵素膜10の膜厚が大きくなる程電流値が増加することが明らかとなった。
<その他>
 S19の処理は、本発明の「分解工程」の一例である。S21の処理は、本発明の「消費工程」の一例である。S23の処理は、本発明の「取得工程」の一例である。S25の処理は、本発明の「定量工程」の一例である。式(1)は、本発明の「第1情報」の一例である。S11の処理は、本発明の「決定工程」の一例である。第2グラフは、本発明の「第2情報」の一例である。
3   :測定部
10  :酵素膜
11、12、13  :電極
21  :含有溶液

Claims (10)

  1.  ヒスタミンを定量する定量方法であって、
     前記ヒスタミンを含む含有溶液を、酵素が製膜された酵素膜を表面に有する電極に滴下し、前記含有溶液に含まれる前記ヒスタミンを前記酵素と反応させて分解し、分解物を生成する分解工程と、
     前記分解工程において前記ヒスタミンが前記酵素により前記分解物に分解される過程で、前記含有溶液中の酸素が酸化反応により消費される消費工程と、
     前記電極に対する電圧印加によって前記含有溶液中の前記酸素が分解されるときに流れる電流の電流値を取得する取得工程と、
     前記取得工程により取得された前記電流値に基づき、前記ヒスタミンを定量する定量工程と
    を備えたことを特徴とする定量方法。
  2.  前記取得工程では、
      前記電極に印加する電圧をスイープした場合に流れる前記電流に基づき、前記電流値を取得することを特徴とする請求項1に記載の定量方法。
  3.  前記定量工程は、
      前記電流値と前記ヒスタミンの濃度との対応関係を示した第1情報に基づき、前記取得工程により取得された前記電流値に対応する前記濃度を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の定量方法。
  4.  前記酵素膜の膜厚を、前記ヒスタミンの定量範囲に基づき決定する決定工程を備え、
     前記定量工程は、
      前記電流値及び前記ヒスタミンの濃度との対応関係を前記膜厚別に示した第2情報に基づき、前記取得工程により取得された前記電流値と、前記決定工程により決定された前記膜厚とに対応する前記濃度を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の定量方法。
  5.  前記酵素は、ヒスタミンオキシダーゼであり、
     前記分解物は、イミダゾールアセトアルデヒドであることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の定量方法。
  6.  イオン交換体を前記含有溶液に混合し、夾雑物を除去する第1前工程を備え、
     前記分解工程は、
      前記第1前工程により前記夾雑物が除去された前記含有溶液を用いて前記分解物を生成することを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の定量方法。
  7.  前記イオン交換体は、陰イオン交換体であることを特徴とする請求項6に記載の定量方法。
  8.  タンパク質凝集剤を前記含有溶液に混合し、タンパク質を除去する第2前工程を備え、
     前記分解工程は、
      前記第2前工程により前記タンパク質が除去された前記含有溶液を用いて前記分解物を生成することを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の定量方法。
  9.  前記タンパク質凝集剤はポリエチレングリコール及びデキストランのうち何れかであることを特徴とする請求項8に記載の定量方法。
  10.  pH調整剤を前記含有溶液に混合する第3前工程を備え、
     前記分解工程は、
      前記第3前工程によりpHが調整された前記含有溶液を用いて前記分解物を生成することを特徴とする請求項1から9の何れかに記載の定量方法。
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