WO2021059432A1

WO2021059432A1 - 室外機の梱包装置

Info

Publication number: WO2021059432A1
Application number: PCT/JP2019/037861
Authority: WO
Inventors: 大輝藤田; 久保野　俊行; 佐藤　圭
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2019-09-26
Filing date: 2019-09-26
Publication date: 2021-04-01
Also published as: JP7162752B2; JPWO2021059432A1

Abstract

室外機の梱包装置は、冷凍サイクル装置を構成する室外機の梱包装置であって、圧縮機が配置される機械室と熱交換器が配置される送風機室とが長手方向に沿って形成された室外機が載置される下部緩衝材と、下部緩衝材の側面と底面とを覆う下部段ボール材と、下部段ボール材の外側から側壁部と底板部とに掛けられ、下部段ボール材が、室外機が載置された下部緩衝材を覆う状態を維持するバンド部材と、を備え、下部段ボール材は、長手方向の端部に位置する箱端部において、側壁部と底板部とが折り曲げられた境界部分として形成された箱角部と、室外機の短手方向において箱角部の間に形成されており、側壁部及び底板部に対して傾斜面を形成する箱傾斜部を有することで箱角部に対して下部段ボール材の内側に凹んだ状態に形成されるバンド受け部と、を有し、バンド受け部は、長手方向の中央に対して圧縮機が配置される側の箱端部に形成されている第１のバンド受け部を有し、バンド部材が、第１のバンド受け部に配置され、箱傾斜部に沿って掛けられるものである。

Description

室外機の梱包装置

　本発明は、冷凍サイクル装置を構成する室外機の梱包に用いられる室外機の梱包装置に関するものである。

　従来、冷凍サイクル装置の室外機を保管し、あるいは、輸送する際には、室外機は梱包装置で梱包される（例えば、特許文献１参照）。特許文献１の梱包装置は、室外機の天面部を覆う上部段ボール材と、上部段ボール材と室外機の天面部との間に配置される上部緩衝材とを有する。また、梱包装置は、室外機の底部を覆う下部段ボール材と、下部段ボール材と室外機の底部との間に配置される下部緩衝材とを有する。そして、梱包装置は、下部段ボール材及び上部段ボール材の外側からバンド部材が掛けられており、上部ダンボールと下部段ボールとはバンド部材によって固定されている。

特開２００３－２３８８号公報

　特許文献１の梱包装置の場合、梱包作業者が荷扱い時にバンド部材を持ち上げて引っ張ると、室外機の自重がバンド部材を通じて下部段ボール材の底面と側面とにより形成される角部にかかる。このとき、特許文献１の梱包装置では、下部段ボール材は室外機の自重を角部の稜線部分でしか受けていないため、下部段ボール材はバンド部材に対抗できず、下部ダンボールを破損させてしまう場合がある。特に、室外機の長手方向において、圧縮機が配置された側の下部段ボール材の角部は、圧縮機の重量によって、圧縮機が配置されていない側の下部段ボール材の角部と比較して、バンド部材との接触部分に更に荷重がかかり、下部ダンボールが破損しやすい。

　本発明は、上記のような課題を解決するためのもので、バンド部材を介して下部段ボール材に室外機の自重がかかっても、室外機の長手方向において、圧縮機が配置された側の下部段ボール材の破損を防止することができる室外機の梱包装置を提供することにある。

　本発明の室外機の梱包装置は、冷凍サイクル装置を構成する室外機の梱包装置であって、圧縮機が配置される機械室と熱交換器が配置される送風機室とが長手方向に沿って形成された室外機が載置される下部緩衝材と、下部緩衝材の側面と底面とを覆う下部段ボール材と、下部段ボール材の外側から側壁部と底板部とに掛けられ、下部段ボール材が、室外機が載置された下部緩衝材を覆う状態を維持するバンド部材と、を備え、下部段ボール材は、長手方向の端部に位置する箱端部において、側壁部と底板部とが折り曲げられた境界部分として形成された箱角部と、室外機の短手方向において箱角部の間に形成されており、側壁部及び底板部に対して傾斜面を形成する箱傾斜部を有することで箱角部に対して下部段ボール材の内側に凹んだ状態に形成されるバンド受け部と、を有し、バンド受け部は、長手方向の中央に対して圧縮機が配置される側の箱端部に形成されている第１のバンド受け部を有し、バンド部材が、第１のバンド受け部に配置され、箱傾斜部に沿って掛けられるものである。

　本発明に係る室外機の梱包装置は、箱角部とバンド受け部とを有する下部段ボール材を備えている。このバンド受け部は、箱角部の間に形成されており、側壁部及び底板部に対して傾斜面を形成する箱傾斜部を有することで箱角部に対して下部段ボール材の内側に凹んだ状態に形成される。また、バンド受け部は、長手方向の中央に対して圧縮機が配置される側の箱端部に形成されている第１のバンド受け部を有し、バンド部材は、第１のバンド受け部に配置され、箱傾斜部に沿って掛けられている。室外機の梱包装置は、箱傾斜部の傾斜面にバンド部材が掛かることにより、梱包作業者がバンド部材を持ち上げて引っ張る荷扱いを行っても、下部段ボール材にかかる室外機の自重を面で受けることができる。その結果、室外機の梱包装置は、室外機の自重が箱傾斜部の面で分散され、バンド部材を介して下部段ボール材に室外機の自重がかかっても、圧縮機の重みがかかる圧縮機が配置された側の下部段ボール材の破損を防止することができる。

実施の形態１に係る梱包装置の斜視図である。図１に示す梱包装置の分解斜視図である。図１に示す室外機の背面斜視図である。図１に示す室外機の正面斜視図である。図１に示す室外機の天面部を取り外した上面図である。図２に示す右下部緩衝材及び左下部緩衝材の斜視図である。図６に示す右下部緩衝材の側面図である。図６に示す右下部緩衝材の底面図である。図７に示す右下部緩衝材の端部におけるＡ－Ａ線断面の概念図である。図９に示す右下部緩衝材の緩衝材角部の概念図である。変形例の係合部を表すものである。他の変形例の係合部を表すものである。下部段ボール材の斜視図である。図１３に示す下部段ボール材の側面図である。図１３に示す下部段ボール材の底面図である。図１４に示す下部段ボール材のＢ－Ｂ線断面の概念図であり、下部段ボール材の長手方向（Ｘ軸方向）の端部を表すものである。図１３に示す下部段ボール材の箱角部の概念図である。図１３に示す下部段ボール材の展開図である。図１８に示す下部段ボール材において点線Ｊで囲んだバンド受け部の拡大図である。図１に示す梱包装置の側面図である。図２０に示す梱包装置のＣ－Ｃ線断面を示す概念図である。図２１に示す梱包装置のＫ部の拡大図である。実施の形態２に係る梱包装置の分解斜視図である。図２３の右下部緩衝材及び左下部緩衝材の斜視図である。図２４に示す左下部緩衝材の側面図である。図２４に示す左下部緩衝材の底面図である。図２５に示す左下部緩衝材の端部におけるＤ－Ｄ線断面の概念図である。図２７に示す左下部緩衝材の緩衝材角部の概念図である。図２３に示す下部段ボール材の斜視図である。図２９に示す下部段ボール材の展開図である。図２０に示す梱包装置のＣ－Ｃ線断面位置における梱包装置の断面を示す概念図である。実施の形態３に係る梱包装置の分解斜視図である。図３２に示す下部段ボール材の斜視図である。図３３に示す下部段ボール材において点線Ｌで囲んだバンド受け部の拡大図である。図３３に示す下部段ボール材の展開図である。図３５に示す下部段ボール材において点線Ｍで囲んだバンド受け部の拡大図である。実施の形態３に係る梱包装置の側面図である。図３７に示す梱包装置のＥ－Ｅ線断面位置における梱包装置の断面を示す概念図である。梱包装置の被梱包体である室外機を有する冷凍サイクル装置の構成を示す冷媒回路図である。

　以下、実施の形態に係る室外機１５０の梱包装置１００、梱包装置１００Ａ及び梱包装置１００Ｂについて図面等を参照しながら説明する。以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、以下に記載する実施の形態の全文において共通することとする。そして、明細書全文に表されている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定するものではない。また、図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。なお、本実施の形態において、理解を容易にするために方向を表す用語（例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」及び「後」等）を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本願発明を限定するものではない。

実施の形態１．
［梱包装置１００の構成］
　図１は、実施の形態１に係る梱包装置１００の斜視図である。図２は、図１に示す梱包装置１００の分解斜視図である。図３は、図１に示す室外機１５０の背面斜視図である。図４は、図１に示す室外機１５０の正面斜視図である。図５は、図１に示す室外機１５０の天面部１５２を取り外した上面図である。図１～図５を参照して梱包装置１００の各部の構成を説明する。なお、図１以降の図面において示すＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸は、室外機１５０の室外熱交換器１０５が配置される側を梱包装置１００の背面側とし、梱包装置１００を梱包装置１００の前面側から見た場合の軸方向を表すものとする。そのため、Ｘ軸は、Ｘ１側を左、Ｘ２側を右として梱包装置１００の左右の幅方向を示す。また、Ｙ軸は、Ｙ１側を前側、Ｙ２側を後側として梱包装置１００の前後の奥行方向を示す。さらに、Ｚ軸は、Ｚ１側を上、Ｚ２側を下として梱包装置１００の上下方向を示すものである。なお、図２では、バンド部材７０が掛けられる部材の構成を説明するためにバンド部材７０の一部の図示を省略している。

［梱包装置１００の被包装体］
　梱包装置１００に梱包される被包装体は、後述する冷凍サイクル装置２００を構成する室外機１５０である。室外機１５０の筐体１５５は、図３及び図４に示すように、室外機１５０の外郭を構成する。筐体１５５は、板金製であり、底面を構成する底部１５１と、底面と対向する天面を構成する天面部１５２と、底部１５１と天面部１５２との間の側壁を形成する側壁部１５３とを有し、略直方体形状に構成されている。

　室外機１５０の前面（Ｙ１）側の側壁部１５３には、吹出口１５８が形成されている。後述する室外送風機１０８によって、筐体１５５内に吸い込まれた空気は、吹出口１５８から筐体１５５の外に吹き出される。また、吹出口１５８を形成する側壁部１５３には、室外送風機１０８を覆うファンガード１５６が取り付けられている。これに対し、室外機１５０の背面（Ｙ２）側の側壁部１５３には開口部１５３ａが形成されている。この側壁部１５３に形成された開口部１５３ａを介して室外熱交換器１０５が筐体１５５内に配置されている。

　室外機１５０の底部１５１には、側壁部１５３が取り付けられ、底部１５１の下面部には、左右方向（Ｘ軸方向）に間隔を開けて配置された２つの脚部１５４が設けられている。脚部１５４は、室外機１５０を設置場所に固定する際に筐体１５５の土台となる。図３及び図４に示すように、脚部１５４は、室外機１５０の前後方向（Ｙ軸方向）に延びるように形成されており、脚部１５４の先端は筐体１５５の前側（Ｙ１側）と背面側（Ｙ２側）とに位置している。

　図５に示すように、筐体１５５の内部には仕切板１７が設けられている。室外機１５０の筐体１５５内の空間は、仕切板１７によって、送風機室１４１と機械室１４２とに隔てられている。室外機１５０は、長手方向（Ｘ軸方向）に沿って、機械室１４２と送風機室１４１とが形成されている。仕切板１７は、板状の部材であり、例えば、板金等を折曲して形成されている。仕切板１７は、筐体１５５内において底部１５１上に配置され、底部１５１から上方向（Ｚ軸方向）に延びるように設けられていると共に、底部１５１の前後方向（Ｙ軸方向）に延びるように設けられている。

　送風機室１４１は、側壁部１５３、天面部１５２、底部１５１及び仕切板１７によって囲まれた空間である。送風機室１４１は、室外機１５０の外部から開口部１５３ａ等の吸込口を介して室外空気を取り込み、室外機１５０の内部の空気を吹出口１５８を介して室外機１５０の外部へ排出できるように構成されている。機械室１４２は、側壁部１５３、天面部１５２、底部１５１、及び仕切板１７によって取り囲まれた空間であり、仕切板１７を介して送風機室１４１とは反対側に形成された空間である。

　室外機１５０は、筐体１５５内に室外熱交換器１０５と、室外送風機１０８と、圧縮機１０１とを有する。筐体１５５内の送風機室１４１側の空間には、室外熱交換器１０５と、室外熱交換器１０５に対向するように配置された室外送風機１０８とが収納されており、筐体１５５内の機械室１４２側の空間には、圧縮機１０１が収納されている。

　圧縮機１０１は、室外機１５０の長手方向（Ｘ軸方向）において、中央部ＣＥと機械室１４２側の端部ＥＤとの間に配置されている。すなわち、圧縮機１０１は、室外機１５０の長手方向（Ｘ軸方向）において、中央から外れた位置に配置されている。ここで、圧縮機１０１は、筐体１５５内に配置される各種の機器及び装置の中で重量の重い装置である。したがって、室外機１５０は、圧縮機１０１によって、圧縮機１０１が配置される機械室１４２側の底部１５１には、圧縮機１０１が配置されていない送風機室１４１側の底部１５１と比較して、大きい荷重がかかっている。また、圧縮機１０１の重量によって、機械室１４２側に設けられた脚部１５４ａには、送風機室１４１側に設けられた脚部１５４ｂよりも大きい荷重がかかっている。そのため、室外機１５０は、機械室１４２側が送風機室１４１側よりも重くなるように重量のバランスが偏っている。

［梱包装置１００］
　梱包装置１００は、室外機１５０を梱包する梱包装置である。梱包装置１００は、被梱包体である室外機１５０を保護するものであり、室外機１５０を荷扱い時の接触から保護する耐衝撃性と、室外機１５０にかかる圧力から保護する耐圧性とを有するものである。梱包装置１００は、図１及び図２に示すように、被包装体となる室外機１５０の底部１５１が載置される右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０と、右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０が載置される下部段ボール材３０とを有する。

　また、梱包装置１００は、室外機１５０の天面部１５２に載置される上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０と、上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０に載置される上部段ボール材６０とを有する。また、梱包装置１００は、室外熱交換器１０５を覆うことで、物流における荷扱い時の接触から室外熱交換器１０５を保護し、室外熱交換器１０５に係る圧力から室外熱交換器１０５を保護する背面梱包材８０を有する。さらに、梱包装置１００は、下部段ボール材３０と上部段ボール材６０の外側に掛けられるバンド部材７０を有する。

（右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０）
　図６は、図２に示す右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０の斜視図である。図２及び図６を用いて右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０について説明する。右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０は、室外機１５０の底部１５１が載置される一対の下部緩衝材である。右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０は、室外機１５０の幅方向（Ｘ軸方向）に間を空けて配置される。右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０はそれぞれ、発泡スチロール等の合成樹脂材を略直方体状に成形したものである。右下部緩衝材１０に室外機１５０が載置されることによって、右下部緩衝材１０の上方には、圧縮機１０１が配置される。そのため、梱包装置１００において、圧縮機１０１の荷重は、左下部緩衝材２０よりも右下部緩衝材１０に大きくかかる。

　右下部緩衝材１０は、上面部１１ａと、底面部１１ｂと、前面側の壁面及び後面側の壁面をそれぞれ形成する２つの側面部１１ｃと、外側面部１１ｄと、内側面部１１ｅとを有する六面体である。上面部１１ａは、右下部緩衝材１０の天面を構成し、底面部１１ｂは右下部緩衝材１０の底面を構成する。そして、２つの側面部１１ｃと、外側面部１１ｄと、内側面部１１ｅとは、右下部緩衝材１０の側壁を構成する。なお、図２及び図６では、上面部１１ａ、底面部１１ｂ、２つの側面部１１ｃ、外側面部１１ｄ及び内側面部１１ｅはそれぞれ、平面で構成されているように記載されている。しかし、上面部１１ａ、底面部１１ｂ、２つの側面部１１ｃ、外側面部１１ｄ及び内側面部１１ｅは、平面を構成する形態に限定されるものではない。上面部１１ａ、底面部１１ｂ、２つの側面部１１ｃ、外側面部１１ｄ及び内側面部１１ｅにはそれぞれ、凹凸が設けられてもよい。また、壁面によって構成される角部は、面取りされていてもよい。

　同様に、左下部緩衝材２０は、上面部２１ａと、底面部２１ｂと、前面側の壁面及び後面側の壁面をそれぞれ形成する２つの側面部２１ｃと、外側面部２１ｄと、内側面部２１ｅとを有する六面体である。上面部２１ａは、左下部緩衝材２０の天面を構成し、底面部２１ｂは左下部緩衝材２０の底面を構成する。そして、２つの側面部２１ｃと、外側面部２１ｄと、内側面部２１ｅとは、左下部緩衝材２０の側壁を構成する。なお、図２及び図６では、上面部２１ａ、底面部２１ｂ、２つの側面部２１ｃ、外側面部２１ｄ及び内側面部２１ｅはそれぞれ、平面で構成されているように記載されている。しかし、上面部２１ａ、底面部２１ｂ、２つの側面部２１ｃ、外側面部２１ｄ及び内側面部２１ｅは、平面を構成する形態に限定されるものではない。上面部２１ａ、底面部２１ｂ、２つの側面部２１ｃ、外側面部２１ｄ及び内側面部２１ｅにはそれぞれ、凹凸が設けられてもよい。また、壁面によって構成される角部は、面取りされていてもよい。

　一対の下部緩衝材である右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０は、下部段ボール材３０の後述する底板部３１に載置された場合に、内側面部１１ｅと内側面部２１ｅとが互いに対向している。

　右下部緩衝材１０は、上面部１１ａに上面側凹部１２０が形成されており、同様に、左下部緩衝材２０は、上面部２１ａに上面側凹部１２０が形成されている。上面側凹部１２０は、上面部１１ａ及び上面部２１ａから内側に凹んだ溝状に形成された部分であり、梱包装置１００の短手方向（Ｙ軸方向）に延びるように形成されている。

　上面側凹部１２０は、互いに対向する溝面部１２４及び上段面部１２１によって構成される。右下部緩衝材１０において、一方の溝面部１２４は、外側面部１１ｄに対して反対側の面であり、他方の溝面部１２４は、内側面部１１ｅに対して反対側の面である。また、上段面部１２１は、上面側凹部１２０内における右下部緩衝材１０の上面部である。同様に、左下部緩衝材２０において、一方の溝面部１２４は、外側面部２１ｄに対して反対側の面であり、他方の溝面部１２４は、内側面部２１ｅに対して反対側の面である。また、上段面部１２１は、上面側凹部１２０内における左下部緩衝材２０の上面部である。

　室外機１５０が右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０に載置された状態で、上面側凹部１２０には、室外機１５０の底部１５１に設けられた脚部１５４が挿入され、上面側凹部１２０内に脚部１５４が配置される。

（右下部緩衝材１０の係合部１５）
　図７は、図６に示す右下部緩衝材１０の側面図である。図７に示す右下部緩衝材１０の側面図は、図６の白抜矢印ＶＰ１で示した方向に見た右下部緩衝材１０を表したものである。図８は、図６に示す右下部緩衝材１０の底面図である。図８に示す右下部緩衝材１０の底面図は、図６の白抜矢印ＶＰ２で示した方向に見た右下部緩衝材１０を表したものである。図９は、図７に示す右下部緩衝材１０の端部におけるＡ－Ａ線断面の概念図である。図１０は、図９に示す右下部緩衝材１０の緩衝材角部１１ｇの概念図である。図１０に示す右下部緩衝材１０は、図９の白抜矢印ＶＰ３で示した方向に見た右下部緩衝材１０を表したものである。図７～図１０を用いて、右下部緩衝材１０の構造を更に詳細に説明する。

　図７～図１０に示すように、右下部緩衝材１０は、室外機１５０の短手方向（Ｙ軸方向）において、２つの緩衝材角部１１ｇの間に係合部１５を有する。右下部緩衝材１０が下部段ボール材３０に載置されると、後述する下部段ボール材３０のバンド受け部３５が係合部１５に入り込み、係合部１５は、バンド受け部３５と緩く嵌り合う。そのため、右下部緩衝材１０が下部段ボール材３０に載置された場合に、係合部１５は、後述する下部段ボール材３０のバンド受け部３５と対向する位置に形成されている。

　右下部緩衝材１０が下部段ボール材３０に載置された場合に、係合部１５は、室外機１５０の短手方向（Ｘ軸方向）において、バンド受け部３５と対向する共に、室外機１５０の短手方向（Ｙ軸方向）において、バンド受け部３５と対向する。右下部緩衝材１０が、下部段ボール材３０に載置された場合に、係合部１５は、室外機１５０の短手方向（Ｘ軸方向）において、バンド受け部３５と当接してもよく、室外機１５０の短手方向（Ｙ軸方向）において、バンド受け部３５と当接してもよい。

　緩衝材角部１１ｇは、右下部緩衝材１０の外側面部１１ｄと底面部１１ｂとの境界線となる稜線部分である。係合部１５は、右下部緩衝材１０において凹状に形成された部分であり、緩衝材角部１１ｇに対して凹んでいる部分である。係合部１５は、外側面部１１ｄ及び底面部１１ｂに対して傾斜面を形成する傾斜部１５ａを有する。係合部１５は、傾斜面である傾斜部１５ａが形成されるように緩衝材角部１１ｇが切り欠かれている部分である。

　傾斜部１５ａは、図９に示すように、底面部１１ｂに対して傾いた斜面として形成されており、底面部１１ｂとの間において面の内側で傾斜角度αとなる斜面を形成している。傾斜部１５ａと底面部１１ｂとの間の傾斜角度αは、９０度以上１８０度未満である。ただし、傾斜角度αは、後述する下部段ボール材３０のバンド受け部３５の傾斜角度βと等しい角度であるか、傾斜角度βにできるだけ近い角度に形成されることが望ましい。傾斜部１５ａは、平面状に形成されているが曲面状に形成されてもよい。

　図９及び図１０に示すように、係合部１５は、側部稜線部１５ｂと底部稜線部１５ｃとを有する。側部稜線部１５ｂは、傾斜部１５ａと外側面部１１ｄとの境界線となる稜線部分であり、傾斜部１５ａの上縁部分を構成する。底部稜線部１５ｃは、傾斜部１５ａと底面部１１ｂとの境界線となる稜線部分であり、傾斜部１５ａの下縁部分を構成する。側部稜線部１５ｂ及び底部稜線部１５ｃは、右下部緩衝材１０の前後方向（Ｙ軸方向）に延びる稜線を形成する。右下部緩衝材１０は、側部稜線部１５ｂ及び底部稜線部１５ｃの延びる方向と、緩衝材角部１１ｇが延びる方向とが平行となるように形成されていることが望ましい。ただし、右下部緩衝材１０は、側部稜線部１５ｂ及び底部稜線部１５ｃの延びる方向と、緩衝材角部１１ｇが延びる方向とが平行となるように形成されているものに限定されるものではない。

　図７に示すように、係合部１５は、側部接続部１５ｄと側部接続部１５ｅとを有する。側部接続部１５ｄは、側部稜線部１５ｂの延びる方向における側部稜線部１５ｂの一方の端部と、緩衝材角部１１ｇとを接続する稜線部分を形成している。側部接続部１５ｅは、側部稜線部１５ｂの延びる方向における側部稜線部１５ｂの他方の端部と、緩衝材角部１１ｇとを接続する稜線部分を形成している。側部接続部１５ｄ及び側部接続部１５ｅは、緩衝材角部１１ｇ及び側部稜線部１５ｂの延びる方向に対して傾斜している。より詳細には、側部接続部１５ｄ及び側部接続部１５ｅは、互いの間隔が側部稜線部１５ｂ側よりも緩衝材角部１１ｇ側が大きくなるように傾斜している。すなわち、側部接続部１５ｄ及び側部接続部１５ｅは、互いの間隔が緩衝材角部１１ｇ側よりも側部稜線部１５ｂ側が小さくなるように傾斜している。

　図８に示すように、係合部１５は、底部接続部１５ｆと底部接続部１５ｇとを有する。底部接続部１５ｆは、底部稜線部１５ｃの延びる方向における底部稜線部１５ｃの一方の端部と、緩衝材角部１１ｇとを接続する稜線部分を形成している。底部接続部１５ｇは、底部稜線部１５ｃの延びる方向における底部稜線部１５ｃの他方の端部と、緩衝材角部１１ｇとを接続する稜線部分を形成している。底部接続部１５ｆ及び底部接続部１５ｇは、緩衝材角部１１ｇ及び底部稜線部１５ｃの延びる方向に対して傾斜している。より詳細には、底部接続部１５ｆ及び底部接続部１５ｇは、互いの間隔が底部稜線部１５ｃ側よりも緩衝材角部１１ｇ側が大きくなるように傾斜している。すなわち、底部接続部１５ｆ及び底部接続部１５ｇは、互いの間隔が緩衝材角部１１ｇ側よりも底部稜線部１５ｃ側が小さくなるように傾斜している。

　図１０に示すように、係合部１５は、傾斜部１５ａに対して垂直方向に見た場合に、側部稜線部１５ｂ、底部稜線部１５ｃ、側部接続部１５ｄ、側部接続部１５ｅ、底部接続部１５ｆ及び底部接続部１５ｇにより構成される縁部が六角形となるように形成されている。ただし、係合部１５は、傾斜部１５ａに対して垂直方向に見た場合に、縁部が六角形となる形状に限定されるものではない。係合部１５は、側部接続部１５ｄ、底部接続部１５ｆ及び緩衝材角部１１ｇによって頂点となる頂点部１５ｉが形成されている。換言すれば、緩衝材角部１１ｇは、頂点部１５ｉにおいて側部接続部１５ｄ及び底部接続部１５ｆに分岐している。同様に、係合部１５は、側部接続部１５ｅ、底部接続部１５ｇ及び緩衝材角部１１ｇによって頂点となる頂点部１５ｊが形成されている。換言すれば、緩衝材角部１１ｇは、頂点部１５ｊにおいて側部接続部１５ｅ及び底部接続部１５ｇに分岐している。

　側部接続部１５ｄ、底部接続部１５ｆ及び傾斜部１５ａによって囲まれる領域１５ｍは、平面状に形成されてもよく、曲面状に形成されてもよい。また、領域１５ｍと傾斜部１５ａとは明確に境界が設けられていなくてもよく、連続して形成されていてもよい。同様に、側部接続部１５ｅ、底部接続部１５ｇ及び傾斜部１５ａによって囲まれる領域１５ｎは、平面状に形成されてもよく、曲面状に形成されてもよい。また、領域１５ｎと傾斜部１５ａとは明確に境界が設けられていなくてもよく、連続して形成されていてもよい。

　係合部１５は、下部段ボール材３０のバンド受け部３５が係合部１５に入り込む形状であり、バンド受け部３５の箱傾斜部３５ａと対向する傾斜面として形成された傾斜部１５ａを有する形状であればよい。例えば、係合部１５は、箱傾斜部３５ａに対して垂直な方向から見た場合に、六角形状に形成されている等、バンド受け部３５の縁部と相似の形状に形成されていてもよい。以下の図１１及び図１２では、係合部１５の縁部が他の形状を構成する係合部１５の変形例を説明する。なお、図１１及び図１２に示す係合部１５の変形例の形状は一例であり、係合部１５の形状は他の形状であってもよい。

　図１１は、変形例の係合部１５ｐを表すものである。係合部１５ｐは、傾斜部１５ａに対して垂直方向に見た場合に、側部稜線部１５ｂ、底部稜線部１５ｃ、側部接続部１５ｄ、側部接続部１５ｅ、底部接続部１５ｆ及び底部接続部１５ｇにより構成される縁部が四角形となるように形成されている。側部接続部１５ｄ及び側部接続部１５ｅは、緩衝材角部１１ｇ及び側部稜線部１５ｂの延びる方向に対して垂直となるように形成されている。より詳細には、側部接続部１５ｄ及び側部接続部１５ｅは、互いの間隔が側部稜線部１５ｂ側と、緩衝材角部１１ｇ側とが等しくなるように形成されている。また、底部接続部１５ｆ及び底部接続部１５ｇは、緩衝材角部１１ｇ及び底部稜線部１５ｃの延びる方向に対して垂直となるように形成されている。より詳細には、底部接続部１５ｆ及び底部接続部１５ｇは、互いの間隔が底部稜線部１５ｃ側と、緩衝材角部１１ｇ側とが等しくなるように形成されている。

　図１２は、他の変形例の係合部１５ｑを表すものである。係合部１５ｑは、傾斜部１５ａに対して垂直方向に見た場合に、側部稜線部１５ｂ、底部稜線部１５ｃ、側部接続部１５ｄ、側部接続部１５ｅ、底部接続部１５ｆ及び底部接続部１５ｇにより構成される縁部が長円形となるように形成されている。側部接続部１５ｄ及び側部接続部１５ｅは、弧状となるように形成されている。同様に、底部接続部１５ｆ及び底部接続部１５ｇは、弧状となるように形成されている。

（下部段ボール材３０）
　図１及び図２に戻り、下部段ボール材３０について説明する。下部段ボール材３０は、右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０の底面及び側面を覆うように形成されたトレイ型の段ボール材であり、右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０の外側に被せられるように構成される。下部段ボール材３０は、外側に掛けられるバンド部材７０によって、室外機１５０が載置された右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０を覆う状態が維持される。下部段ボール材３０は、右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０が載置される平板状の底板部３１を有する。この底板部３１は、平面視で矩形状に形成されている。

　下部段ボール材３０は、２つの長辺側壁部３２を有する。２つの長辺側壁部３２はそれぞれ、底板部３１から上方に延びる側壁を形成する。２つの長辺側壁部３２は、底板部３１の長手方向（Ｘ軸方向）の縁部に沿って、底板部３１の長手方向（Ｘ軸方向）に延びるように設けられている。２つの長辺側壁部３２のうち、下部段ボール材３０の後方の側壁を構成するものが第１側壁部３２ａであり、下部段ボール材３０の前方の側壁を構成するものが第２側壁部３２ｂである。第１側壁部３２ａと第２側壁部３２ｂとは、それぞれ底板部３１の縁部から上方に延びるように設けられており、短手方向（Ｙ軸方向）において互いに対向する。

　また、下部段ボール材３０は、２つの短辺側壁部３３を有する。２つの短辺側壁部３３はそれぞれ、底板部３１から上方に延びる側壁を形成する。２つの短辺側壁部３３は、底板部３１の短手方向（Ｙ軸方向）の縁部に沿って、底板部３１の短手方向（Ｙ軸方向）に延びるように設けられている。２つの短辺側壁部３３のうち、下部段ボール材３０の右側の側壁、すなわち、圧縮機１０１が配置される室外機１５０の機械室１４２側の側壁を構成するものが第３側壁部３３ａである。また、２つの短辺側壁部３３のうち、下部段ボール材３０の左側の側壁、すなわち、室外機１５０の送風機室１４１側の側壁を構成するものが第４側壁部３３ｂである。第３側壁部３３ａと第４側壁部３３ｂとは、第１側壁部３２ａと第２側壁部３２ｂとの間に形成されており、それぞれ底板部３１の縁部から上方に延びるように設けられており、長手方向（Ｘ軸方向）において互いに対向する。

　下部段ボール材３０は、一枚の板状の下部段ボール材３０の短辺側壁部３３と長辺側壁部３２とを折り曲げて接続させて下部段ボール材３０の側壁を形成することで、底板部３１を底面とした器状に形成される。

（下部段ボール材３０のバンド受け部３５）
　図１３は、下部段ボール材３０の斜視図である。図１４は、図１３に示す下部段ボール材３０の側面図である。図１４に示す下部段ボール材３０の側面図は、図１３の白抜矢印ＶＰ４で示した方向に見た下部段ボール材３０を表したものである。図１５は、図１３に示す下部段ボール材３０の底面図である。図１５に示す下部段ボール材３０の底面図は、図１３の白抜矢印ＶＰ５で示した方向に見た下部段ボール材３０を表したものである。図１６は、図１４に示す下部段ボール材３０のＢ－Ｂ線断面の概念図であり、下部段ボール材３０の長手方向（Ｘ軸方向）の端部を表すものである。図１７は、図１３に示す下部段ボール材３０の箱角部３１ｇの概念図である。図１７に示す下部段ボール材３０は、図１６の白抜矢印ＶＰ５で示した方向に見た下部段ボール材３０を表したものである。図１３～図１７を用いて、下部段ボール材３０の構造を更に詳細に説明する。

　図１３～図１７に示すように、下部段ボール材３０は、箱角部３１ｇと、バンド受け部３５とを有する。箱角部３１ｇは、下部段ボール材３０の短辺側壁部３３と底板部３１とが折り曲げられた境界部分である。すなわち、箱角部３１ｇは、短辺側壁部３３と底板部３１とにより形成される稜線部分である。箱角部３１ｇは、下部段ボール材３０において、室外機１５０の長手方向（Ｘ軸方向）の一方の箱端部ＳＲと、他方の箱端部ＳＬとに形成されている。

　バンド受け部３５は、バンド部材７０を下部段ボール材３０に掛けた状態において、長手方向（Ｘ軸方向）にかけ回される長手バンド７１が配置される部分である。バンド受け部３５は、外表面が箱角部３１ｇに対して下部段ボール材３０の内側に凹んでいる部分である。換言すれば、バンド受け部３５は、内表面が下部段ボール材３０の内側に突出している部分である。

　バンド受け部３５は、下部段ボール材３０において、室外機１５０の長手方向（Ｘ軸方向）の一方の箱端部ＳＲに形成されている。より詳細には、バンド受け部３５は、下部段ボール材３０において、室外機１５０の長手方向（Ｘ軸方向）の中央ＣＴに対して圧縮機１０１が配置される側の箱端部ＳＲに形成されている。すなわち、実施の形態１では、圧縮機１０１は右下部緩衝材１０の上方に配置されるため、バンド受け部３５は、下部段ボール材３０において、右下部緩衝材１０が配置される側の箱端部ＳＲに形成されている。なお、下部段ボール材３０において、室外機１５０の長手方向（Ｘ軸方向）の中央ＣＴに対して圧縮機１０１が配置される側の箱端部ＳＲに形成されているバンド受け部３５は、第１のバンド受け部である。

　バンド受け部３５は、室外機１５０の短手方向（Ｙ軸方向）において、２つの箱角部３１ｇの間に形成されている。すなわち、箱角部３１ｇは、室外機１５０の短手方向（Ｙ軸方向）において、バンド受け部３５の両側に形成されている。バンド受け部３５は、バンド受け部３５が形成されていない場合に箱角部３１ｇとなる部分に形成されている。バンド受け部３５は、室外機１５０の短手方向（Ｙ軸方向）において、中央部分に形成されていることが望ましい。しかし、バンド受け部３５は、室外機１５０の短手方向（Ｙ軸方向）において、中央部分に形成されている態様に限定されるものではない。

　バンド受け部３５は、第３側壁部３３ａ及び底板部３１に対して傾斜面を形成する箱傾斜部３５ａを有する。バンド受け部３５は、短辺側壁部３３及び底板部３１に対して傾斜面を形成する箱傾斜部３５ａを有することで箱角部３１ｇに対して下部段ボール材３０の内側に凹んだ状態に形成される。箱傾斜部３５ａは、図１６に示すように、底板部３１との間で傾斜角度βをなすように形成されている。箱傾斜部３５ａと底板部３１との間の傾斜角度βは、９０度以上１８０度未満である。箱傾斜部３５ａは、断面が直線となる平面状に形成されている。なお、箱傾斜部３５ａは、断面が直線となる平面状に形成されているものに限定されるものではなく、例えば、外側に凸の曲線となる曲面状に形成されてもよい。なお、箱傾斜部３５ａの大きさは、バンド部材７０がずれる量を考慮し、設計の範疇とする。バンド受け部３５は、バンド部材７０を掛けるための目印として、下部段ボール材３０に人工的に設けられた凹みであることを梱包作業者に認識してもらうことが望ましい。そのため、バンド受け部３５は、ある程度の大きさに形成されることが望ましく、一例として、前後方向（Ｙ軸方向）の５割～６割位の領域を占めるように設けられるとよい。

　図１６及び図１７に示すように、バンド受け部３５は、側部折曲部３５ｂと底部折曲部３５ｃとを有する。側部折曲部３５ｂは、箱傾斜部３５ａと第３側壁部３３ａとの境界線となる稜線部分であり、箱傾斜部３５ａの上縁部分を構成する。底部折曲部３５ｃは、箱傾斜部３５ａと底板部３１との境界線となる稜線部分であり、箱傾斜部３５ａの下縁部分を構成する。側部折曲部３５ｂ及び底部折曲部３５ｃは、下部段ボール材３０の前後方向（Ｙ軸方向）に延びる稜線を形成する。下部段ボール材３０は、側部折曲部３５ｂ及び底部折曲部３５ｃの延びる方向と、箱角部３１ｇが延びる方向とが平行となるように形成されていることが望ましい。ただし、下部段ボール材３０は、側部折曲部３５ｂ及び底部折曲部３５ｃの延びる方向と、箱角部３１ｇが延びる方向とが平行となるように形成されているものに限定されるものではない。例えば、側部折曲部３５ｂ及び底部折曲部３５ｃは、弧を形成するように曲線状に形成されてもよい。

　図１４に示すように、バンド受け部３５は、箱側部接続部３５ｄと箱側部接続部３５ｅとを有する。箱側部接続部３５ｄは、側部折曲部３５ｂの延びる方向における側部折曲部３５ｂの一方の端部３５ｂ１と、箱角部３１ｇとを接続する稜線部分を形成している。箱側部接続部３５ｅは、側部折曲部３５ｂの延びる方向における側部折曲部３５ｂの他方の端部３５ｂ２と、箱角部３１ｇとを接続する稜線部分を形成している。すなわち、箱側部接続部３５ｄ及び箱側部接続部３５ｅの２つの側部接続部は、側部折曲部３５ｂの延びる方向における側部折曲部３５ｂの両端部と、２つの箱角部３１ｇとを接続する稜線部分を形成している。

　箱側部接続部３５ｄ及び箱側部接続部３５ｅは、箱角部３１ｇ及び側部折曲部３５ｂの延びる方向に対して傾斜している。より詳細には、箱側部接続部３５ｄ及び箱側部接続部３５ｅは、互いの間隔が側部折曲部３５ｂ側よりも箱角部３１ｇ側が大きくなるように傾斜している。すなわち、箱側部接続部３５ｄ及び箱側部接続部３５ｅは、互いの間隔が箱角部３１ｇ側よりも側部折曲部３５ｂ側が小さくなるように傾斜している。

　図１５に示すように、バンド受け部３５は、箱底部接続部３５ｆと箱底部接続部３５ｇとを有する。箱底部接続部３５ｆは、底部折曲部３５ｃの延びる方向における底部折曲部３５ｃの一方の端部３５ｃ１と、箱角部３１ｇとを接続する稜線部分を形成している。箱底部接続部３５ｇは、底部折曲部３５ｃの延びる方向における底部折曲部３５ｃの他方の端部３５ｃ２と、箱角部３１ｇとを接続する稜線部分を形成している。すなわち、箱底部接続部３５ｆと箱底部接続部３５ｇとの２つの箱底部接続部は、底部折曲部３５ｃの延びる方向における底部折曲部３５ｃの両端部と、２つの箱角部３１ｇとを接続する稜線部分を形成している。

　箱底部接続部３５ｆ及び箱底部接続部３５ｇは、箱角部３１ｇ及び底部折曲部３５ｃの延びる方向に対して傾斜している。より詳細には、箱底部接続部３５ｆ及び箱底部接続部３５ｇは、互いの間隔が底部折曲部３５ｃ側よりも箱角部３１ｇ側が大きくなるように傾斜している。すなわち、箱底部接続部３５ｆ及び箱底部接続部３５ｇは、互いの間隔が箱角部３１ｇ側よりも底部折曲部３５ｃ側が小さくなるように傾斜している。

　図１７に示すように、バンド受け部３５は、縁部が六角形となるように形成されている。バンド受け部３５は、箱傾斜部３５ａに対して垂直方向に見た場合に、側部折曲部３５ｂ、底部折曲部３５ｃ、箱側部接続部３５ｄ、箱側部接続部３５ｅ、箱底部接続部３５ｆ及び箱底部接続部３５ｇにより構成される縁部が六角形となるように形成されている。ただし、バンド受け部３５は、箱傾斜部３５ａに対して垂直方向に見た場合に、縁部が六角形となる形状に限定されるものではない。例えば、バンド受け部３５は、箱傾斜部３５ａに対して垂直方向に見た場合に、長円形状に形成されてもよい。バンド受け部３５は、箱側部接続部３５ｄ、箱底部接続部３５ｆ及び箱角部３１ｇによって頂点となる箱頂点部３５ｉが形成されている。換言すれば、箱角部３１ｇは、箱頂点部３５ｉにおいて箱側部接続部３５ｄ及び箱底部接続部３５ｆに分岐している。同様に、バンド受け部３５は、箱側部接続部３５ｅ、箱底部接続部３５ｇ及び箱角部３１ｇによって頂点となる箱頂点部３５ｊが形成されている。換言すれば、箱角部３１ｇは、箱頂点部３５ｊにおいて箱側部接続部３５ｅ及び箱底部接続部３５ｇに分岐している。

　箱側部接続部３５ｄ、箱底部接続部３５ｆ及び箱傾斜部３５ａによって囲まれる領域３５ｍは、平面状に形成されてもよく、曲面状に形成されてもよい。また、領域３５ｍと箱傾斜部３５ａとは明確に境界が設けられていなくてもよく、連続して形成されていてもよい。同様に、箱側部接続部３５ｅ、箱底部接続部３５ｇ及び箱傾斜部３５ａによって囲まれる領域３５ｎは、平面状に形成されてもよく、曲面状に形成されてもよい。また、領域３５ｎと箱傾斜部３５ａとは明確に境界が設けられていなくてもよく、連続して形成されていてもよい。

　バンド受け部３５は、全体として箱角部３１ｇに対して凹み形状に形成されている。右下部緩衝材１０が、下部段ボール材３０に載置されると下部段ボール材３０のバンド受け部３５が係合部１５に入り込み、バンド受け部３５と係合部１５とが緩く嵌り合う。そして、右下部緩衝材１０が、下部段ボール材３０に載置されると、右下部緩衝材１０の傾斜部１５ａと、下部段ボール材３０の箱傾斜部３５ａとが対向する。バンド受け部３５は、右下部緩衝材１０の係合部１５に入り込む形状であり、係合部１５の傾斜部１５ａと対向する箱傾斜部３５ａを有する形状であればよい。

　図１８は、図１３に示す下部段ボール材３０の展開図である。図１９は、図１８に示す下部段ボール材３０において点線Ｊで囲んだバンド受け部３５の拡大図である。下部段ボール材３０は、上述したように折り曲げられて箱状に形成される。下部段ボール材３０は、折り曲げ前の状態では、１枚の平面状の段ボール材である。箱角部３１ｇ、側部折曲部３５ｂ、底部折曲部３５ｃ、箱側部接続部３５ｄ、箱側部接続部３５ｅ、箱底部接続部３５ｆ及び箱底部接続部３５ｇの部分は、折り目線として形成されている。折り目線は、下部段ボール材３０を立体的な形状に組み立てる際に折り曲がるように加工された部分である。例えば、折り目線は、箱角部３１ｇ、側部折曲部３５ｂ、底部折曲部３５ｃ、箱側部接続部３５ｄ、箱側部接続部３５ｅ、箱底部接続部３５ｆ及び箱底部接続部３５ｇの位置に加工された段を潰した罫線である。

　下部段ボール材３０の展開状態において、箱傾斜部３５ａは、側部折曲部３５ｂ、箱側部接続部３５ｄ及び箱側部接続部３５ｅを境界線として、第３側壁部３３ａと同一平面状に形成されている。同様に、下部段ボール材３０の展開状態において、箱傾斜部３５ａは、底部折曲部３５ｃ、箱底部接続部３５ｆ及び箱底部接続部３５ｇを境界線として、底板部３１と同一平面状に形成されている。また、下部段ボール材３０は、下部段ボール材３０の展開状態において、箱角部３１ｇを境界線として第３側壁部３３ａと底板部３１とが同一平面状に形成されている。

　下部段ボール材３０は、組み立て時に箱角部３１ｇを境界線として第３側壁部３３ａと底板部３１とが折り曲げられる。また、下部段ボール材３０は、箱傾斜部３５ａに対して下部段ボール材３０の内側方向に圧力がかけられることで、側部折曲部３５ｂが稜線となるように、側部折曲部３５ｂを境界線として第３側壁部３３ａと箱傾斜部３５ａとが折り曲げられる。同様に、下部段ボール材３０は、箱傾斜部３５ａに対して下部段ボール材３０の内側方向に圧力がかけられることで、底部折曲部３５ｃが稜線となるように、底部折曲部３５ｃを境界線として底板部３１と箱傾斜部３５ａとが折り曲げられる。第３側壁部３３ａと箱傾斜部３５ａとが折り曲げられ、また、底板部３１と箱傾斜部３５ａとが折り曲げられることによって、箱傾斜部３５ａが、底板部３１及び第３側壁部３３ａと傾斜するように形成される。なお、下部段ボール材３０は、箱傾斜部３５ａを形成する際に、側部折曲部３５ｂ又は底部折曲部３５ｃ、あるいは、側部折曲部３５ｂ及び底部折曲部３５ｃが弧状に歪む場合があるが、箱傾斜部３５ａを有していればよい。また、下部段ボール材３０は、箱傾斜部３５ａを形成する際に、バンド受け部３５と連続する部分において、第３側壁部３３ａ又は底板部３１、あるいは、第３側壁部３３ａ及び底板部３１が歪む場合があるが、箱傾斜部３５ａを有していればよい。

（上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０）
　上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０は、発泡スチロール材を略直方体状に成形したものである。上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０は、室外機１５０の幅方向（Ｘ軸方向）において、室外機１５０の天面部１５２の両肩に被せられる。上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０は、室外機１５０の天面部１５２が嵌るように、下面側にそれぞれ天面部１５２の形状に沿った凹部（図示は省略）が形成されている。上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０は、室外機１５０の天面部１５２の端縁部及び角部と当接する部分を中心に肉厚に形成されている。上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０は、図２に示すように、天面部１５２の中央付近と対向する部分に切り欠き部４１及び切り欠き部５１が形成されてもよい。上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０に切り欠き部４１及び切り欠き部５１が形成されることで、上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０を構成する材料の量を削減することができる。なお、上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０は、別体として説明しているが、１つの部材として形成されてもよい。

（上部段ボール材６０）
　上部段ボール材６０は、上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０の上面及び側面を被うように形成されたトレイ型の段ボール材であり、上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０の外側に被せられるように構成される。上部段ボール材６０は、上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０に載置される平板状の天板部６１を有する。この天板部６１は、平面視で矩形状に形成されている。また、上部段ボール材６０は、天板部６１の長手方向（Ｘ軸方向）の縁部に沿って、天板部６１の長手方向（Ｘ軸方向）に延びるように形成された対向する２つの長辺側壁部６２を有する。また、上部段ボール材６０は、天板部６１の短手方向（Ｙ軸方向）の縁部に沿って、天板部６１の短手方向（Ｙ軸方向）に延びるように形成された対向する２つの短辺側壁部６３を有する。上部段ボール材６０は、一枚の板状の上部段ボール材６０の短辺側壁部６３と長辺側壁部６２とを折り曲げて接続させ、上部段ボール材６０の側壁を形成することで、天板部６１を底面とした器状に形成されている。

（背面梱包材８０）
　背面梱包材８０は、室外機１５０の背面側から室外機１５０の室外熱交換器１０５を覆う。図１及び図２に示すように、室外機１５０を梱包する際には、室外熱交換器１０５は、背面梱包材８０によって覆われる。背面梱包材８０は、被梱包体である室外熱交換器１０５を外的要因から保護するものであり、例えば、物流における荷扱い時の接触から被梱包体を保護する耐衝撃性と、被梱包体に係る圧力から被梱包体を保護する耐圧性とを有するものである。室外熱交換器１０５がフィンアンドチューブ型の熱交換器である場合、室外熱交換器１０５は、間隔を置いて並列に配置された複数の板状フィンと、複数の板状フィンと交差する複数の伝熱管と、を有する。特に、フィンが板状のフィンである場合に、フィンは接触により変形しやすい。背面梱包材８０は、室外熱交換器１０５を構成する板状のフィンを覆うことで、板状のフィンへの接触を防止することができ、これらの変形を防ぐことができる。

　背面梱包材８０は、板状に形成されている。背面梱包材８０の素材は、例えば、段ボール材から形成されている。しかし、背面梱包材８０の素材は、段ボール材に限定されるものではなく、例えば、樹脂材等から形成されてもよい。背面梱包材８０は、室外機１５０の包装状態において、上部が上部段ボール材６０で固定され、下部が下部段ボール材３０で固定される。

（バンド部材７０）
　バンド部材７０は、室外機１５０に右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０並びに上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０が嵌めこまれ、それらを下部段ボール材３０及び上部段ボール材６０で覆った状態を維持するためのものである。また、バンド部材７０は、室外熱交換器１０５を背面梱包材８０で覆った状態を維持するためのものである。

　バンド部材７０は、例えば、ＰＰバンド（ポリプロピレンバンド）である。バンド部材７０は、下部段ボール材３０に対して右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０とは反対側に配置される。同様に、バンド部材７０は、上部段ボール材６０に対して上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０とは反対側に配置される。バンド部材７０は、下部段ボール材３０及び上部段ボール材６０の外側に掛けられる。バンド部材７０は、少なくとも下部段ボール材３０の外側から短辺側壁部３３と底板部３１とに掛けられ、下部段ボール材３０が、室外機１５０が載置された右下部緩衝材１０を覆う状態を維持するものである。

　バンド部材７０は、長手バンド７１と、短手バンド７２とを有する。図１に示すように、２本の短手バンド７２が室外機１５０の前後方向及び上下方向（Ｙ軸方向及びＺ軸方向）に配置されて掛けられており、１本の長手バンド７１が幅方向及び上下方向（Ｘ軸方向及びＺ軸方向）に配置されて掛けられている。すなわち、バンド部材７０は、３本使用されている。しかし、使用されるバンド部材７０の本数は３本に限定されるものではなく、１本又は２本でもよく、４本以上であってもよい。但し、バンド部材７０は、少なくとも１本の長手バンド７１を含むものである。

［梱包作業］
　図１及び図２を用いて、梱包装置１００により室外機１５０を梱包する作業について説明する。梱包作業者が、上記のような梱包装置１００により室外機１５０を梱包するには、組み立てられた下部段ボール材３０を用意し、下部段ボール材３０内に、右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０を配置する。

　梱包作業者は、右下部緩衝材１０の底面部１１ｂを底板部３１に載置する。右下部緩衝材１０が下部段ボール材３０に取り付けられると、右下部緩衝材１０の側面部１１ｃは、下部段ボール材３０の長辺側壁部３２と対向する。右下部緩衝材１０の側面部１１ｃと、下部段ボール材３０の長辺側壁部３２との間の隙間は小さい方が望ましく、側面部１１ｃは、長辺側壁部３２と当接していることが更に望ましい。また、右下部緩衝材１０の外側面部１１ｄは、下部段ボール材３０の短辺側壁部３３と対向する。右下部緩衝材１０の外側面部１１ｄと、下部段ボール材３０の短辺側壁部３３との間の隙間は小さい方が望ましく、外側面部１１ｄは、短辺側壁部３３と当接していることが更に望ましい。また、梱包作業者が、右下部緩衝材１０を下部段ボール材３０に載置すると、下部段ボール材３０の内側に突出したバンド受け部３５が、右下部緩衝材１０の凹状に形成された係合部１５に入り込む。

　同様に、梱包作業者は、左下部緩衝材２０の底面部２１ｂを底板部３１に載置する。左下部緩衝材２０が下部段ボール材３０に取り付けられると、左下部緩衝材２０の側面部２１ｃは、下部段ボール材３０の長辺側壁部３２と対向する。左下部緩衝材２０の側面部２１ｃと、下部段ボール材３０の長辺側壁部３２との間の隙間は小さい方が望ましく、側面部２１ｃは、長辺側壁部３２と当接していることが更に望ましい。また、左下部緩衝材２０の外側面部２１ｄは、下部段ボール材３０の短辺側壁部３３と対向する。左下部緩衝材２０の外側面部２１ｄと、下部段ボール材３０の短辺側壁部３３との間の隙間は小さい方が望ましく、外側面部２１ｄは、短辺側壁部３３と当接していることが更に望ましい。

　梱包作業者は、室外機１５０の底部１５１を右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０の上に載置する。また、梱包作業者は、図９に示すように、室外機１５０の一対の脚部１５４を、右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０に形成された上面側凹部１２０にそれぞれ嵌入する。そして、梱包作業者は、背面梱包材８０を用いて室外熱交換器１０５を覆う。ついで、梱包作業者は、室外機１５０の天面部１５２に上部緩衝材４０及び上部緩衝材５０を載置して、その上に上部段ボール材６０を嵌合して覆う。この際、背面梱包材８０が倒れないように、上部段ボール材６０によって、背面梱包材８０の上部が固定される。その後、下部段ボール材３０と上部段ボール材６０との間に１つ又は複数のバンド部材７０を掛けて緊縛し、固定すれば室外機１５０の梱包作業が終了する。なお、ここで説明した梱包作業の順番は一例であり、各工程の順番が入れ替わってもよい。

　図２０は、図１に示す梱包装置１００の側面図である。図２１は、図２０に示す梱包装置１００のＣ－Ｃ線断面を示す概念図である。図２２は、図２１に示す梱包装置１００のＫ部の拡大図である。図２０～図２２を用いて、梱包装置１００における下部段ボール材３０と、バンド部材７０の長手バンド７１との関係について更に説明する。

　図２１に示すように、長手バンド７１は、室外機１５０の幅方向（Ｘ軸方向）及び上下方向（Ｚ軸方向）に配置され、下部段ボール材３０及び上部段ボール材６０の外側から巻きつけられて掛けられている。そして、図２２に示すように、長手バンド７１は、バンド受け部３５に配置され、バンド受け部３５の箱傾斜部３５ａに沿って下部段ボール材３０に掛けられている。梱包装置１００は、下部段ボール材３０の箱角部３１ｇではなく、バンド受け部３５の傾斜面を形成する箱傾斜部３５ａが長手バンド７１と接触している。そのため、作業者が荷扱い時に長手バンド７１を持ち上げて引っ張ると、室外機１５０の自重が長手バンド７１を介して傾斜面である箱傾斜部３５ａによって受けられる。

　また、図２２に示すように、梱包装置１００は、下部段ボール材３０のバンド受け部３５と対向する位置に設けられた右下部緩衝材１０の係合部１５を有する。バンド受け部３５の箱傾斜部３５ａと、係合部１５の傾斜部１５ａとは互いに対向するように配置されている。下部段ボール材３０の外側から内側に向かって長手バンド７１による圧力が下部段ボール材３０にかかる場合には、箱傾斜部３５ａと、傾斜部１５ａとは、当接する。すなわち、下部段ボール材３０の外側から内側に向かって長手バンド７１による圧力が下部段ボール材３０にかかる場合には、下部段ボール材３０の箱傾斜部３５ａは、右下部緩衝材１０の傾斜部１５ａによって内側から支持されている。この際、箱傾斜部３５ａ及び傾斜部１５ａの傾斜面は略同じ角度で形成されている。そのため、箱傾斜部３５ａと傾斜部１５ａとの接する面積は、箱傾斜部３５ａと緩衝材角部１１ｇとの接する面積よりも大きく、箱傾斜部３５ａは、内側に係合部１５を有しない場合と比較して更に強度が確保される。

（梱包装置１００の作用効果）
　室外機１５０の梱包装置１００は、箱角部３１ｇとバンド受け部３５とを有する下部段ボール材３０を備えている。このバンド受け部３５は、２つの箱角部３１ｇの間に形成されており、２つの箱角部３１ｇに対して下部段ボール材３０の内側に凹んでいるように形成されている。また、バンド受け部３５は、室外機１５０の長手方向（Ｘ軸方向）の中央ＣＴに対して圧縮機１０１が配置される側の箱端部ＳＲに形成されていると共に、短辺側壁部３３及び底板部３１に対して傾斜面を形成する箱傾斜部３５ａを有している。そして、バンド部材７０の長手バンド７１は、バンド受け部３５に配置され、箱傾斜部３５ａに沿って掛けられている。室外機１５０の梱包装置１００は、箱傾斜部３５ａの傾斜面にバンド部材７０が掛かることにより、梱包作業者がバンド部材７０を持ち上げて引っ張る荷扱いを行っても、下部段ボール材３０にかかる室外機１５０の自重を面で受けることができる。そのため、室外機１５０の梱包装置１００は、室外機１５０の自重が箱傾斜部３５ａの面で分散される。その結果、室外機１５０の梱包装置１００は、バンド部材７０を介して下部段ボール材３０に室外機１５０の自重がかかっても、圧縮機１０１の重みがかかる圧縮機１０１が配置された側の下部段ボール材３０の破損を防止することができる。

　また、バンド受け部３５は、２つの箱角部３１ｇの間に形成されており、２つの箱角部３１ｇに対して下部段ボール材３０の内側に凹んでいるように形成されている。下部段ボール材３０には、バンド部材７０が掛かる範囲に凹状に形成れたバンド受け部３５が形成されているため、バンド受け部３５は、バンド部材７０を掛ける際に梱包作業者の目印になる。そのため、梱包装置１００は、バンド部材７０を掛ける位置のズレを防止することができる。

　また、バンド受け部３５は、稜線部分であり、箱傾斜部３５ａの上縁部分を構成する側部折曲部３５ｂと、稜線部分であり、箱傾斜部３５ａの下縁部分を構成する底部折曲部３５ｃと、を有する。そのため、室外機１５０の梱包装置１００は、室外機１５０の自重が側部折曲部３５ｂと底部折曲部３５ｃとの間に形成された箱傾斜部３５ａの面で分散される。その結果、室外機１５０の梱包装置１００は、バンド部材７０を介して下部段ボール材３０に室外機１５０の自重がかかっても、圧縮機１０１の重みがかかる圧縮機１０１が配置された側の下部段ボール材３０の破損を防止することができる。また、箱傾斜部３５ａの上縁部分を構成する側部折曲部３５ｂと、箱傾斜部３５ａの下縁部分を構成する底部折曲部３５ｃとに掛かるバンド部材７０の角度は、１つの角で構成される箱角部３１ｇに係るバンド部材７０が曲がる角度よりも大きい。そのため、バンド部材７０によって、側部折曲部３５ｂ及び底部折曲部３５ｃにかかる室外機１５０の自重は、箱角部３１ｇにかかる室外機１５０の自重よりも分散される。その結果、室外機１５０の梱包装置１００は、バンド部材７０を介して下部段ボール材３０に室外機１５０の自重がかかっても、圧縮機１０１の重みがかかる圧縮機１０１が配置された側の下部段ボール材３０の破損を防止することができる。

　また、側部折曲部３５ｂ及び底部折曲部３５ｃは、下部段ボール材３０の展開状態では折り目線として形成されている。そのため、梱包作業者は、下部段ボール材３０を組み立てる際に、箱傾斜部３５ａに外部から圧力をかけることで容易にバンド受け部３５を形成することができる。

　また、バンド受け部３５は、側部折曲部３５ｂの端部３５ｂ１と、箱角部３１ｇとを接続する稜線部分を形成している箱側部接続部３５ｄを有する。また、側部折曲部３５ｂの端部３５ｂ２と、箱角部３１ｇとを接続する稜線部分を形成している箱側部接続部３５ｅを有する。また、バンド受け部３５は、底部折曲部３５ｃの端部３５ｃ１と、箱角部３１ｇとを接続する稜線部分を形成している箱底部接続部３５ｆを有する。また、バンド受け部３５は、底部折曲部３５ｃの端部３５ｃ２と、箱角部３１ｇとを接続する稜線部分を形成している箱底部接続部３５ｇを有する。バンド受け部３５は、箱側部接続部３５ｄ、箱側部接続部３５ｅ、箱底部接続部３５ｆ及び箱底部接続部３５ｇを有することで、これらを有しない場合と比較してバンド受け部３５を凹状に形成しやすくなる。

　また、箱側部接続部３５ｄ、箱側部接続部３５ｅ、箱底部接続部３５ｆ及び箱底部接続部３５ｇは、下部段ボール材３０の展開状態では折り目線として形成されている。そのため、梱包作業者は、下部段ボール材３０を組み立てる際に、箱傾斜部３５ａに外部から圧力をかけることで容易にバンド受け部３５を形成することができる。

　また、バンド受け部３５は、箱傾斜部３５ａに対して垂直な方向から見た場合に、側部折曲部３５ｂ、底部折曲部３５ｃ、箱側部接続部３５ｄ、箱側部接続部３５ｅ、箱底部接続部３５ｆ及び箱底部接続部３５ｇの縁部により形成される形状が六角形である。バンド受け部３５は、縁部の形状が六角形となるように形成されていることで、縁部の形状が六角形に形成されていない場合と比較してバンド受け部３５を凹状に形成しやすくなる。また、バンド受け部３５の縁部の形状が六角形となるように形成されていることで、梱包作業者は、人工的に形成された部分であると認識することができ、バンド受け部３５が、バンド部材７０を掛ける際に梱包作業者の目印になる。そのため、梱包装置１００は、バンド部材７０を掛ける位置のズレを防止することができる。

　また、右下部緩衝材１０は、右下部緩衝材１０を下部段ボール材３０に載置した際に、バンド受け部３５が入り込む凹状に形成された係合部１５を有する。右下部緩衝材１０が係合部１５を有することで、緩衝材角部１１ｇがバンド受け部３５の箱傾斜部３５ａと当接することがないため、右下部緩衝材１０が、下部段ボール材３０に対して傾いて配置されることを抑制することができる。また、右下部緩衝材１０が係合部１５を有することで、右下部緩衝材１０を下部段ボール材３０に載置した際に、係合部１５にバンド受け部３５が入り込む。これにより、係合部１５は、右下部緩衝材１０の下部段ボール材３０に対する位置決め部材となり、右下部緩衝材１０の下部段ボール材３０に対する短手方向（Ｙ軸方向）の位置ズレを防止することができる。

　また、係合部１５は、箱傾斜部３５ａに対して垂直な方向から見た場合に、バンド受け部３５の側部折曲部３５ｂ、底部折曲部３５ｃ、箱側部接続部３５ｄ、箱側部接続部３５ｅ、箱底部接続部３５ｆ及び箱底部接続部３５ｇの縁部と相似の形状に形成されている。そのため、係合部１５は、右下部緩衝材１０の下部段ボール材３０に対する位置決め部材となり、右下部緩衝材１０の下部段ボール材３０に対する短手方向（Ｙ軸方向）の位置ズレを防止することができる。

　また、係合部１５は、右下部緩衝材１０を下部段ボール材３０に載置した際に、箱傾斜部３５ａと対向する傾斜面として形成された傾斜部１５ａを有する。そのため、下部段ボール材３０の外側から内側に向かって長手バンド７１による圧力が下部段ボール材３０にかかる場合には、下部段ボール材３０の箱傾斜部３５ａは、右下部緩衝材１０の傾斜部１５ａによって内側から支持されている。箱傾斜部３５ａと傾斜部１５ａとの接する面積は、箱傾斜部３５ａと緩衝材角部１１ｇとの接する面積よりも大きいため、箱傾斜部３５ａは、内側に係合部１５を有しない場合と比較して更に強度が確保される。

実施の形態２．
　図２３は、実施の形態２に係る梱包装置１００Ａの分解斜視図である。図１～図２２の梱包装置１００と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。梱包装置１００Ａは、冷凍サイクル装置を構成する室外機１５０の梱包装置である。実施の形態２に係る梱包装置１００Ａで特に記述しない項目については、実施の形態１に係る梱包装置１００と同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。実施の形態１に係る梱包装置１００では、圧縮機１０１は右下部緩衝材１０の上方に配置されるため、バンド受け部３５は、下部段ボール材３０において、右下部緩衝材１０が配置される側の箱端部ＳＲに形成されていた。これに対し、実施の形態２の梱包装置１００Ａは、下部段ボール材３０Ａにおいて、左下部緩衝材２０が配置される側の箱端部ＳＬにもバンド受け部３５が設けられている点で実施の形態１の梱包装置１００と相違する。

（左下部緩衝材２０の係合部２５）
　図２４は、図２３の右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０の斜視図である。図２５は、図２４に示す左下部緩衝材２０の側面図である。図２５に示す左下部緩衝材２０の側面図は、図２４の白抜矢印ＶＰ６で示した方向に見た左下部緩衝材２０を表したものである。図２６は、図２４に示す左下部緩衝材２０の底面図である。図２６に示す左下部緩衝材２０の底面図は、図２４の白抜矢印ＶＰ７で示した方向に見た左下部緩衝材２０を表したものである。図２７は、図２５に示す左下部緩衝材２０の端部におけるＤ－Ｄ線断面の概念図である。図２８は、図２７に示す左下部緩衝材２０の緩衝材角部２１ｇの概念図である。図２８に示す左下部緩衝材２０は、図２７の白抜矢印ＶＰ８で示した方向に見た左下部緩衝材２０を表したものである。図２４～図２８を用いて、左下部緩衝材２０の構造を更に詳細に説明する。

　図２４～図２８に示すように、左下部緩衝材２０は、室外機１５０の短手方向（Ｙ軸方向）において、２つの緩衝材角部２１ｇの間に係合部２５を有する。左下部緩衝材２０が下部段ボール材３０に載置されると、下部段ボール材３０のバンド受け部３５が係合部２５に入り込み、係合部２５は、バンド受け部３５と緩く嵌り合う。そのため、左下部緩衝材２０が下部段ボール材３０に載置された場合に、係合部２５は、下部段ボール材３０のバンド受け部３５と対向する位置に形成されている。

　左下部緩衝材２０が下部段ボール材３０に載置された場合に、係合部２５は、室外機１５０の短手方向（Ｘ軸方向）において、バンド受け部３５と対向する共に、室外機１５０の短手方向（Ｙ軸方向）において、バンド受け部３５と対向する。左下部緩衝材２０が下部段ボール材３０に載置された場合に、係合部２５は、室外機１５０の短手方向（Ｘ軸方向）において、バンド受け部３５と当接してもよく、室外機１５０の短手方向（Ｙ軸方向）において、バンド受け部３５と当接してもよい。

　左下部緩衝材２０の係合部２５は、右下部緩衝材１０の係合部１５と同じ構造である。ただし、左下部緩衝材２０の係合部２５は、右下部緩衝材１０の係合部１５と同じ構造であるものに限定されるものではない。左下部緩衝材２０の係合部２５は、係合部２５に対応するバンド受け部３５が内部に入り込むように凹状に形成された構造であればよく、右下部緩衝材１０の係合部１５と異なる構造であってもよい。

　緩衝材角部２１ｇは、左下部緩衝材２０の外側面部２１ｄと底面部２１ｂとの境界線となる稜線部分である。係合部２５は、右下部緩衝材１０において凹状に形成された部分であり、緩衝材角部２１ｇに対して凹んでいる部分である。係合部２５は、外側面部２１ｄ及び底面部２１ｂに対して傾斜面を形成する傾斜部２５ａを有する。係合部２５は、傾斜面である傾斜部２５ａが形成されるように緩衝材角部２１ｇが切り欠かれている部分である。

　傾斜部２５ａは、図２７に示すように、底面部２１ｂに対して傾いた斜面として形成されており、底面部２１ｂとの間において面の内側で傾斜角度α１となる斜面を形成している。傾斜部２５ａと底面部２１ｂとの間の傾斜角度α１は、９０度以上１８０度未満である。ただし、傾斜角度α１は、下部段ボール材３０Ａのバンド受け部３５の傾斜角度βと等しい角度であるか、傾斜角度βにできるだけ近い角度に形成されることが望ましい。傾斜部２５ａは、平面状に形成されているが曲面状に形成されてもよい。

　図２７及び図２８に示すように、係合部２５は、側部稜線部２５ｂと底部稜線部２５ｃとを有する。側部稜線部２５ｂは、傾斜部２５ａと外側面部２１ｄとの境界線となる稜線部分であり、傾斜部２５ａの上縁部分を構成する。底部稜線部２５ｃは、傾斜部２５ａと底面部２１ｂとの境界線となる稜線部分であり、傾斜部２５ａの下縁部分を構成する。側部稜線部２５ｂ及び底部稜線部２５ｃは、左下部緩衝材２０の前後方向（Ｙ軸方向）に延びる稜線を形成する。左下部緩衝材２０は、側部稜線部２５ｂ及び底部稜線部２５ｃの延びる方向と、緩衝材角部２１ｇが延びる方向とが平行となるように形成されていることが望ましい。ただし、左下部緩衝材２０は、側部稜線部２５ｂ及び底部稜線部２５ｃの延びる方向と、緩衝材角部２１ｇが延びる方向とが平行となるように形成されているものに限定されるものではない。

　図２５に示すように、係合部２５は、側部接続部２５ｄと側部接続部２５ｅとを有する。側部接続部２５ｄは、側部稜線部２５ｂの延びる方向における側部稜線部２５ｂの一方の端部と、緩衝材角部２１ｇとを接続する稜線部分を形成している。側部接続部２５ｅは、側部稜線部２５ｂの延びる方向における側部稜線部２５ｂの他方の端部と、緩衝材角部２１ｇとを接続する稜線部分を形成している。側部接続部２５ｄ及び側部接続部２５ｅは、緩衝材角部２１ｇ及び側部稜線部２５ｂの延びる方向に対して傾斜している。より詳細には、側部接続部２５ｄ及び側部接続部２５ｅは、互いの間隔が側部稜線部２５ｂ側よりも緩衝材角部２１ｇ側が大きくなるように傾斜している。すなわち、側部接続部２５ｄ及び側部接続部２５ｅは、互いの間隔が緩衝材角部２１ｇ側よりも側部稜線部２５ｂ側が小さくなるように傾斜している。

　図２６に示すように、係合部２５は、底部接続部２５ｆと底部接続部２５ｇとを有する。底部接続部２５ｆは、底部稜線部２５ｃの延びる方向における底部稜線部２５ｃの一方の端部と、緩衝材角部２１ｇとを接続する稜線部分を形成している。底部接続部２５ｇは、底部稜線部２５ｃの延びる方向における底部稜線部２５ｃの他方の端部と、緩衝材角部２１ｇとを接続する稜線部分を形成している。底部接続部２５ｆ及び底部接続部２５ｇは、緩衝材角部２１ｇ及び底部稜線部２５ｃの延びる方向に対して傾斜している。より詳細には、底部接続部２５ｆ及び底部接続部２５ｇは、互いの間隔が底部稜線部２５ｃ側よりも緩衝材角部２１ｇ側が大きくなるように傾斜している。すなわち、底部接続部２５ｆ及び底部接続部２５ｇは、互いの間隔が緩衝材角部２１ｇ側よりも底部稜線部２５ｃ側が小さくなるように傾斜している。

　図２８に示すように、係合部２５は、縁部の形状が六角形となるように形成されている。係合部２５は、傾斜部２５ａに対して垂直方向に見た場合に、側部稜線部２５ｂ、底部稜線部２５ｃ、側部接続部２５ｄ、側部接続部２５ｅ、底部接続部２５ｆ及び底部接続部２５ｇにより構成される縁部の形状が六角形となるように形成されている。ただし、係合部２５は、傾斜部２５ａに対して垂直方向に見た場合に、縁部が六角形となる形状に限定されるものではない。例えば、一例として係合部２５は、傾斜部２５ａに対して垂直方向に見た場合に、縁部が四角形となる形状であってもよく、縁部が長円形となる形状であってもよい。係合部２５は、側部接続部２５ｄ、底部接続部２５ｆ及び緩衝材角部２１ｇによって頂点となる頂点部２５ｉが形成されている。換言すれば、緩衝材角部２１ｇは、頂点部２５ｉにおいて側部接続部２５ｄ及び底部接続部２５ｆに分岐している。同様に、係合部２５は、側部接続部２５ｅ、底部接続部２５ｇ及び緩衝材角部２１ｇによって頂点となる頂点部２５ｊが形成されている。換言すれば、緩衝材角部２１ｇは、頂点部２５ｊにおいて側部接続部２５ｅ及び底部接続部２５ｇに分岐している。

　側部接続部２５ｄ、底部接続部２５ｆ及び傾斜部２５ａによって囲まれる領域２５ｍは、平面状に形成されてもよく、曲面状に形成されてもよい。また、領域２５ｍと傾斜部２５ａとは明確に境界が設けられていなくてもよく、連続して形成されていてもよい。同様に、側部接続部２５ｅ、底部接続部２５ｇ及び傾斜部２５ａによって囲まれる領域２５ｎは、平面状に形成されてもよく、曲面状に形成されてもよい。また、領域２５ｎと傾斜部２５ａとは明確に境界が設けられていなくてもよく、連続して形成されていてもよい。

　係合部２５は、緩衝材角部２１ｇに対して凹み形状に形成されている。係合部２５は、下部段ボール材３０Ａのバンド受け部３５が係合部２５に入り込む形状であり、バンド受け部３５と対向する傾斜部２５ａを有する形状であればよい。係合部２５は、上述した右下部緩衝材１０の係合部１５ｐ、あるいは、右下部緩衝材１０の係合部１５ｑのような構造であってもよい。

（下部段ボール材３０Ａのバンド受け部３５）
　図２９は、図２３に示す下部段ボール材３０Ａの斜視図である。図３０は、図２９に示す下部段ボール材３０Ａの展開図である。図２９及び図３０に示すように、下部段ボール材３０Ａは、箱角部３１ｇと、バンド受け部３５とを有する。

　バンド受け部３５は、下部段ボール材３０Ａにおいて、室外機１５０の長手方向（Ｘ軸方向）の少なくとも一方の箱端部ＳＲに形成されている。より詳細には、バンド受け部３５は、下部段ボール材３０Ａにおいて、室外機１５０の長手方向（Ｘ軸方向）の中央ＣＴに対して圧縮機１０１が配置される側の箱端部ＳＲに形成されている。すなわち、実施の形態２の梱包装置１００Ａでは、圧縮機１０１は右下部緩衝材１０の上方に配置されるため、バンド受け部３５は、下部段ボール材３０Ａにおいて、右下部緩衝材１０が配置される側の箱端部ＳＲに形成されている。上述したように、下部段ボール材３０において、室外機１５０の長手方向（Ｘ軸方向）の中央ＣＴに対して圧縮機１０１が配置される側の箱端部ＳＲに形成されているバンド受け部３５は、第１のバンド受け部である。

　更に、バンド受け部３５は、下部段ボール材３０Ａにおいて、室外機１５０の長手方向（Ｘ軸方向）の他方の箱端部ＳＬにも形成されている。より詳細には、バンド受け部３５は、下部段ボール材３０Ａにおいて、室外機１５０の長手方向（Ｘ軸方向）の中央ＣＴに対して圧縮機１０１が配置されていない側の箱端部ＳＬに形成されている。すなわち、実施の形態２の梱包装置１００Ａでは、バンド受け部３５は、下部段ボール材３０Ａにおいて、左下部緩衝材２０が配置される側の箱端部ＳＬにも形成されている。したがって、実施の形態２の梱包装置１００Ａは、下部段ボール材３０Ａの長手方向（Ｘ軸方向）の両端部にバンド受け部３５が設けられている。なお、下部段ボール材３０Ａにおいて、室外機１５０の長手方向（Ｘ軸方向）の中央ＣＴに対して圧縮機１０１が配置されていない側の箱端部ＳＬに形成されているバンド受け部３５は、第２のバンド受け部である。すなわち、バンド受け部３５は、長手方向（Ｘ軸方向）において、第１のバンド受け部が形成されている箱端部ＳＲと反対側に位置する箱端部ＳＬに形成されている第２のバンド受け部を有する。

　箱角部３１ｇは、下部段ボール材３０Ａの第３側壁部３３ａと底板部３１との境界線となる稜線部分であると共に、下部段ボール材３０Ａの第４側壁部３３ｂと底板部３１との境界線となる稜線部分である。下部段ボール材３０Ａの長手方向（Ｘ軸方向）において、下部段ボール材３０Ａの一方の箱端部ＳＲに形成されたバンド受け部３５は、第３側壁部３３ａ及び底板部３１に対して傾斜面を形成する箱傾斜部３５ａを有する。また、下部段ボール材３０Ａの長手方向（Ｘ軸方向）において、下部段ボール材３０Ａの他方の箱端部ＳＬに形成されたバンド受け部３５は、第４側壁部３３ｂ及び底板部３１に対して傾斜面を形成する箱傾斜部３５ａを有する。すなわち、バンド受け部３５は、短辺側壁部３３及び底板部３１に対して傾斜面を形成する箱傾斜部３５ａを有する。

　側部折曲部３５ｂは、箱傾斜部３５ａと第４側壁部３３ｂとの境界線となる稜線部分であり、箱傾斜部３５ａの上縁部分を構成する。下部段ボール材３０Ａの展開状態において、箱傾斜部３５ａは、側部折曲部３５ｂ、箱側部接続部３５ｄ及び箱側部接続部３５ｅを境界線として、第３側壁部３３ａと同一平面状に形成されている。同様に、下部段ボール材３０Ａの展開状態において、箱傾斜部３５ａは、側部折曲部３５ｂ、箱側部接続部３５ｄ及び箱側部接続部３５ｅを境界線として、第４側壁部３３ｂと同一平面状に形成されている。また、下部段ボール材３０Ａは、下部段ボール材３０Ａの展開状態において、箱角部３１ｇを境界線として第３側壁部３３ａと底板部３１とが同一平面状に形成されている。同様に、下部段ボール材３０Ａは、下部段ボール材３０Ａの展開状態において、箱角部３１ｇを境界線として第４側壁部３３ｂと底板部３１とが同一平面状に形成されている。

　下部段ボール材３０Ａは、組み立て時に箱角部３１ｇを境界線として第４側壁部３３ｂと底板部３１とが折り曲げられる。また、下部段ボール材３０Ａは、箱傾斜部３５ａに対して下部段ボール材３０Ａの内側方向に圧力がかけられることで、側部折曲部３５ｂが稜線となるように、側部折曲部３５ｂを境界線として第４側壁部３３ｂと箱傾斜部３５ａとが折り曲げられる。同様に、下部段ボール材３０Ａは、箱傾斜部３５ａに対して下部段ボール材３０Ａの内側方向に圧力がかけられることで、底部折曲部３５ｃが稜線となるように、底部折曲部３５ｃを境界線として底板部３１と箱傾斜部３５ａとが折り曲げられる。下部段ボール材３０Ａは、第４側壁部３３ｂと箱傾斜部３５ａとが折り曲げられ、また、底板部３１と箱傾斜部３５ａとが折り曲げられることで、箱傾斜部３５ａが、底板部３１及び第４側壁部３３ｂと傾斜するように形成される。なお、下部段ボール材３０は、箱傾斜部３５ａを形成する際に、側部折曲部３５ｂ又は底部折曲部３５ｃ、あるいは、側部折曲部３５ｂ及び底部折曲部３５ｃが弧状に歪む場合があるが、箱傾斜部３５ａを有していればよい。また、下部段ボール材３０は、箱傾斜部３５ａを形成する際に、バンド受け部３５と連続する部分において、第４側壁部３３ｂ又は底板部３１、あるいは、第４側壁部３３ｂ及び底板部３１が歪む場合があるが、箱傾斜部３５ａを有していればよい。

　図３１は、図２０に示す梱包装置１００のＣ－Ｃ線断面位置における梱包装置１００Ａの断面を示す概念図である。図３１に示すように、長手バンド７１は、室外機１５０の幅方向（Ｘ軸方向）及び上下方向（Ｚ軸方向）に配置され、下部段ボール材３０Ａ及び上部段ボール材６０の外側から巻きつけられて掛けられている。そして、長手バンド７１は、下部段ボール材３０Ａの長手方向（Ｘ軸方向）の両端部において、第１のバンド受け部と第２のバンド受け部とに配置され、バンド受け部３５の箱傾斜部３５ａに沿って下部段ボール材３０Ａに掛けられている。

　また、図３１に示すように、梱包装置１００Ａは、下部段ボール材３０Ａのバンド受け部３５と対向する位置に設けられた右下部緩衝材１０の係合部１５を有する。バンド受け部３５の箱傾斜部３５ａと、係合部１５の傾斜部１５ａとは互いに対向するように配置されている。同様に、梱包装置１００Ａは、下部段ボール材３０Ａのバンド受け部３５と対向する位置に設けられた左下部緩衝材２０の係合部２５を有する。バンド受け部３５の箱傾斜部３５ａと、係合部２５の傾斜部２５ａとは互いに対向するように配置されている。

　下部段ボール材３０Ａの外側から内側に向かって長手バンド７１による圧力が下部段ボール材３０Ａにかかる場合には、箱傾斜部３５ａと、傾斜部１５ａとは、当接する。すなわち、下部段ボール材３０Ａの外側から内側に向かって長手バンド７１による圧力が下部段ボール材３０Ａにかかる場合には、下部段ボール材３０Ａの箱傾斜部３５ａは、右下部緩衝材１０の傾斜部１５ａによって内側から支持されている。また、下部段ボール材３０Ａの外側から内側に向かって長手バンド７１による圧力が下部段ボール材３０Ａにかかる場合には、下部段ボール材３０Ａの箱傾斜部３５ａは、左下部緩衝材２０の傾斜部２５ａによって内側から支持されている。

　箱傾斜部３５ａ及び傾斜部１５ａの傾斜面は略同じ角度で形成されている。そのため、箱傾斜部３５ａと傾斜部１５ａとの接する面積は、箱傾斜部３５ａと緩衝材角部１１ｇとの接する面積よりも大きく、箱傾斜部３５ａは、内側に係合部１５を有しない場合と比較して更に強度が確保される。また、箱傾斜部３５ａ及び傾斜部２５ａの傾斜面は略同じ角度で形成されている。そのため、箱傾斜部３５ａと傾斜部２５ａとの接する面積は、箱傾斜部３５ａと緩衝材角部２１ｇとの接する面積よりも大きく、箱傾斜部３５ａは、内側に係合部２５を有しない場合と比較して更に強度が確保される。その結果、梱包作業者が、長手バンド７１を持って梱包装置１００Ａを長手方向（Ｘ軸方向）のいずれの方向に引っ張ったとしても、稜線となる箱角部３１ｇではなく、面である箱傾斜部３５ａによって長手バンド７１が受け止められる。そのため、梱包作業者が、長手バンド７１を持って梱包装置１００Ａを移動させたとしても、下部段ボール材３０Ａの破損を防ぐことができる。

（梱包装置１００Ａの作用効果）
　また、バンド受け部３５は、長手方向（Ｘ軸方向）において、第１のバンド受け部が形成されている箱端部ＳＲと反対側に位置する箱端部ＳＬに形成されている第２のバンド受け部を有する。そして、バンド部材７０は、第１のバンド受け部と第２のバンド受け部とに配置され、箱傾斜部３５ａに沿って掛けられている。すなわち、バンド受け部３５は、下部段ボール材３０Ａの箱端部ＳＲと反対側に位置する長手方向（Ｘ軸方向）の他方の箱端部ＳＬにおいて更に形成されていると共に、箱傾斜部３５ａを有しているものである。室外機１５０の梱包装置１００Ａは、箱傾斜部３５ａの傾斜面にバンド部材７０が掛かることにより、梱包作業者がバンド部材７０を持ち上げて引っ張る荷扱いを行っても、下部段ボール材３０Ａにかかる室外機１５０の自重を面で受けることができる。また、室外機１５０の梱包装置１００Ａは、箱傾斜部３５ａの傾斜面にバンド部材７０が掛かる。そのため、室外機１５０の梱包装置１００Ａは、梱包作業者がバンド部材７０を持ち上げて上記とは反対側に引っ張る荷扱いを行っても、下部段ボール材３０Ａにかかる室外機１５０の自重を面で受けることができる。室外機１５０の梱包装置１００Ａは、室外機１５０の自重が箱傾斜部３５ａの面で分散される。その結果、室外機１５０の梱包装置１００Ａは、バンド部材７０を介して下部段ボール材３０Ａに室外機１５０の自重がかかっても下部段ボール材３０の破損を防止することができる。

　また、室外機１５０の梱包装置１００Ａは、箱角部３１ｇとバンド受け部３５とを有する下部段ボール材３０Ａを備えている。このバンド受け部３５は、２つの箱角部３１ｇの間に形成されており、２つの箱角部３１ｇに対して下部段ボール材３０Ａの内側に凹んでいるように形成されている。また、バンド受け部３５は、室外機１５０の長手方向（Ｘ軸方向）の中央ＣＴに対して圧縮機１０１が配置される側の箱端部ＳＲに形成されていると共に、短辺側壁部３３及び底板部３１に対して傾斜面を形成する箱傾斜部３５ａを有している。そして、バンド部材７０の長手バンド７１は、バンド受け部３５に配置され、箱傾斜部３５ａに沿って掛けられている。室外機１５０の梱包装置１００Ａは、箱傾斜部３５ａの傾斜面にバンド部材７０が掛かることにより、梱包作業者がバンド部材７０を持ち上げて引っ張る荷扱いを行っても、下部段ボール材３０Ａにかかる室外機１５０の自重を面で受けることができる。そのため、室外機１５０の梱包装置１００Ａは、室外機１５０の自重が箱傾斜部３５ａの面で分散される。その結果、室外機１５０の梱包装置１００Ａは、バンド部材７０を介して下部段ボール材３０Ａに室外機１５０の自重がかかっても、圧縮機１０１の重みがかかる圧縮機１０１が配置された側の下部段ボール材３０Ａの破損を防止することができる。

　また、左下部緩衝材２０は、左下部緩衝材２０を下部段ボール材３０に載置した際に、バンド受け部３５が入り込む凹状に形成された係合部２５を有する。左下部緩衝材２０が係合部２５を有することで、緩衝材角部２１ｇがバンド受け部３５の箱傾斜部３５ａと当接することがないため、左下部緩衝材２０が、下部段ボール材３０に対して傾いて配置されることを抑制することができる。また、左下部緩衝材２０が係合部２５を有することで、左下部緩衝材２０を下部段ボール材３０に載置した際に、係合部２５にバンド受け部３５が入り込む。これにより、係合部２５は、左下部緩衝材２０の下部段ボール材３０に対する位置決め部材となり、左下部緩衝材２０の下部段ボール材３０に対する短手方向（Ｙ軸方向）の位置ズレを防止することができる。

　また、右下部緩衝材１０は、右下部緩衝材１０を下部段ボール材３０に載置した際に、バンド受け部３５が入り込む凹状に形成された係合部１５を有する。そのため、係合部１５は、右下部緩衝材１０の下部段ボール材３０に対する位置決め部材となり、右下部緩衝材１０の下部段ボール材３０に対する短手方向（Ｙ軸方向）の位置ズレを防止することができる。

　また、係合部２５は、箱傾斜部３５ａに対して垂直な方向から見た場合に、バンド受け部３５の側部折曲部３５ｂ、底部折曲部３５ｃ、箱側部接続部３５ｄ、箱側部接続部３５ｅ、箱底部接続部３５ｆ及び箱底部接続部３５ｇの縁部と相似の形状に形成されている。そのため、係合部２５は、左下部緩衝材２０の下部段ボール材３０に対する位置決め部材となり、左下部緩衝材２０の下部段ボール材３０に対する短手方向（Ｙ軸方向）の位置ズレを防止することができる。

　また、係合部２５は、左下部緩衝材２０を下部段ボール材３０に載置した際に、箱傾斜部３５ａと対向する傾斜面として形成された傾斜部２５ａを有する。そのため、下部段ボール材３０の外側から内側に向かって長手バンド７１による圧力が下部段ボール材３０にかかる場合には、下部段ボール材３０の箱傾斜部３５ａは、左下部緩衝材２０の傾斜部２５ａによって内側から支持されている。箱傾斜部３５ａと傾斜部２５ａとの接する面積は、箱傾斜部３５ａと緩衝材角部２１ｇとの接する面積よりも大きいため、箱傾斜部３５ａは、内側に係合部２５を有しない場合と比較して更に強度が確保される。

実施の形態３．
　図３２は、実施の形態３に係る梱包装置１００Ｂの分解斜視図である。図１～図３１の梱包装置１００及び梱包装置１００Ａと同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。梱包装置１００Ｂは、冷凍サイクル装置を構成する室外機１５０の梱包装置である。実施の形態３に係る梱包装置１００Ｂで特に記述しない項目については、実施の形態１に係る梱包装置１００及び実施の形態２に係る梱包装置１００Ａと同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。実施の形態１に係る梱包装置１００及び実施の形態２に係る梱包装置１００Ａでは、バンド受け部３５が折り曲げられることで形成されている。これに対し、実施の形態３に係る梱包装置１００Ｂは、バンド受け部３５ｐの一部が切り離されることによって形成されている。以下、バンド受け部３５ｐの構成を中心に梱包装置１００Ｂの構成について説明する。

（下部段ボール材３０Ｂのバンド受け部３５ｐ）
　図３３は、図３２に示す下部段ボール材３０Ｂの斜視図である。図３４は、図３３に示す下部段ボール材３０Ｂにおいて点線Ｌで囲んだバンド受け部３５ｐの拡大図である。図３５は、図３３に示す下部段ボール材３０Ｂの展開図である。図３６は、図３５に示す下部段ボール材３０Ｂにおいて点線Ｍで囲んだバンド受け部３５ｐの拡大図である。図３３～図３６を用いて下部段ボール材３０Ｂのバンド受け部３５ｐの構成について説明する。

　図３３に示すように、下部段ボール材３０Ｂは、箱角部３１ｇと、バンド受け部３５ｐとを有する。バンド受け部３５ｐは、下部段ボール材３０Ｂにおいて、室外機１５０の長手方向（Ｘ軸方向）の一方の箱端部ＳＲに形成されている。より詳細には、バンド受け部３５ｐは、下部段ボール材３０Ｂにおいて、室外機１５０の長手方向（Ｘ軸方向）の中央ＣＴに対して圧縮機１０１が配置される側の箱端部ＳＲに形成されている。すなわち、実施の形態３の梱包装置１００Ｂでは、圧縮機１０１は右下部緩衝材１０の上方に配置されるため、バンド受け部３５ｐは、下部段ボール材３０Ｂにおいて、右下部緩衝材１０が配置される側の箱端部ＳＲに形成されている。下部段ボール材３０Ｂにおいて、室外機１５０の長手方向（Ｘ軸方向）の中央ＣＴに対して圧縮機１０１が配置される側の箱端部ＳＲに形成されているバンド受け部３５ｐは、第１のバンド受け部である。

　更に、バンド受け部３５ｐは、下部段ボール材３０Ｂにおいて、室外機１５０の長手方向（Ｘ軸方向）の他方の箱端部ＳＬにも形成されている。より詳細には、バンド受け部３５ｐは、下部段ボール材３０Ｂにおいて、室外機１５０の長手方向（Ｘ軸方向）の中央ＣＴに対して圧縮機１０１が配置されていない側の箱端部ＳＬに形成されている。すなわち、実施の形態３の梱包装置１００Ｂでは、バンド受け部３５ｐは、下部段ボール材３０Ｂにおいて、左下部緩衝材２０が配置される側の箱端部ＳＬにも形成されている。下部段ボール材３０Ｂにおいて、室外機１５０の長手方向（Ｘ軸方向）の中央ＣＴに対して圧縮機１０１が配置されていない側の箱端部ＳＬに形成されているバンド受け部３５ｐは、第２のバンド受け部である。したがって、実施の形態３の梱包装置１００Ｂは、下部段ボール材３０Ｂの長手方向（Ｘ軸方向）の両端部において、第１のバンド受け部及び第２のバンド受け部の２つのバンド受け部３５ｐが形成されている。

　梱包装置１００Ｂは、上述したように、下部段ボール材３０Ｂの長手方向（Ｘ軸方向）の両端部にバンド受け部３５ｐを有している。しかし、梱包装置１００Ｂは、下部段ボール材３０Ｂの長手方向（Ｘ軸方向）の両端部にバンド受け部３５ｐを有している構成に限定されない。梱包装置１００Ｂは、実施の形態１に係る梱包装置１００のように、下部段ボール材３０Ｂにおいて、室外機１５０の長手方向（Ｘ軸方向）の中央ＣＴに対して圧縮機１０１が配置される側の箱端部ＳＲにのみバンド受け部３５ｐを有してもよい。

　バンド受け部３５ｐは、第３側壁部３３ａ及び底板部３１に対して傾斜面を形成する箱傾斜部３５ａを有する。また、バンド受け部３５ｐは、第４側壁部３３ｂ及び底板部３１に対して傾斜面を形成する箱傾斜部３５ａを有する。すなわち、バンド受け部３５ｐは、短辺側壁部３３及び底板部３１に対して傾斜面を形成する箱傾斜部３５ａを有する。箱傾斜部３５ａは、上述したように底板部３１との間で傾斜角度βをなすように形成されている。

　図３４及び図３６に示すように、バンド受け部３５ｐは、側部折曲部３５ｂと底部折曲部３５ｃとを有する。側部折曲部３５ｂは、箱傾斜部３５ａの上縁部分を構成し、底部折曲部３５ｃは、箱傾斜部３５ａの下縁部分を構成する。側部折曲部３５ｂ及び底部折曲部３５ｃは、下部段ボール材３０Ｂの前後方向（Ｙ軸方向）に延びる稜線を形成する。

　図３４に示すように、バンド受け部３５ｐは、前部縁部３５ｓ１と後部縁部３５ｔ１とを有する。前部縁部３５ｓ１は、箱傾斜部３５ａの縁部であり、側部折曲部３５ｂの端部３５ｂ１と、底部折曲部３５ｃの端部３５ｃ１との間の縁部を形成する。後部縁部３５ｔ１は、箱傾斜部３５ａの縁部であり、側部折曲部３５ｂの端部３５ｂ２と、底部折曲部３５ｃの端部３５ｃ２との間の縁部を形成する。したがって、箱傾斜部３５ａは、側部折曲部３５ｂ、底部折曲部３５ｃ、前部縁部３５ｓ１及び後部縁部３５ｔ１によって囲まれる領域によって形成されている。

　図３５及び図３６に示すように、前部縁部３５ｓ１は、下部段ボール材３０の展開状態において、側部折曲部３５ｂの端部３５ｂ１と、底部折曲部３５ｃの端部３５ｃ１と、を結ぶ切れ目である前部切込部３５ｓを形成する。同様に、後部縁部３５ｔ１は、下部段ボール材３０の展開状態において、側部折曲部３５ｂの端部３５ｂ２と、底部折曲部３５ｃの端部３５ｃ２と、を結ぶ切れ目である後部切込部３５ｔを形成する。すなわち、前部縁部３５ｓ１及び後部縁部３５ｔ１は、下部段ボール材３０の展開状態において、側部折曲部３５ｂの両端部と、底部折曲部３５ｃの両端部と、を結ぶ切れ目である前部切込部３５ｓ及び後部切込部３５ｔによる切込部を形成する。

　前部縁部３５ｓ１は、前部切込部３５ｓにおいて、箱傾斜部３５ａ側の壁部である。また、後部縁部３５ｔ１は、後部切込部３５ｔにおいて、箱傾斜部３５ａ側の壁部である。前部切込部３５ｓ及び後部切込部３５ｔは、側部折曲部３５ｂと底部折曲部３５ｃとを結ぶように、短辺側壁部３３及び底板部３１に形成された切れ目である。すなわち、前部切込部３５ｓ及び後部切込部３５ｔの２つの切込部は、側部折曲部３５ｂの延びる方向における側部折曲部３５ｂの両端部と、底部折曲部３５ｃの延びる方向における底部折曲部３５ｃの両端部と、をそれぞれ結ぶ切れ目として形成されている。

　前部切込部３５ｓは、箱角部３１ｇの延びる方向と平行な方向において、側部折曲部３５ｂの一方の端部３５ｂ１と、底部折曲部３５ｃの一方の端部３５ｃ１とを結ぶように形成されている。前部切込部３５ｓは、第３側壁部３３ａ及び底板部３１と、箱傾斜部３５ａとを切り離す切れ目である。また、後部切込部３５ｔは、箱角部３１ｇの延びる方向と平行な方向において、側部折曲部３５ｂの他方の端部３５ｂ２と、底部折曲部３５ｃの他方の端部３５ｃ２とを結ぶように形成されている。後部切込部３５ｔは、第３側壁部３３ａ及び底板部３１と、箱傾斜部３５ａとを切り離す切れ目である。すなわち、前部切込部３５ｓ及び後部切込部３５ｔは、短辺側壁部３３及び底板部３１と、箱傾斜部３５ａとを切り離す切れ目である。

　同様に、前部切込部３５ｓ及び後部切込部３５ｔは、第４側壁部３３ｂ及び底板部３１に形成された切れ目である。前部切込部３５ｓは、第４側壁部３３ｂ及び底板部３１と、箱傾斜部３５ａとを切り離す切れ目である。また、後部切込部３５ｔは、第４側壁部３３ｂ及び底板部３１と、箱傾斜部３５ａとを切り離す切れ目である。

　図３６に示すように、前部切込部３５ｓ及び後部切込部３５ｔは、下部段ボール材３０Ｂの長手方向（Ｘ軸方向）に延びるように直線状に形成されている。また、前部切込部３５ｓ及び後部切込部３５ｔは、互いに平行に延びるように形成されている。そのため、下部段ボール材３０の展開状態において、前部縁部３５ｓ１及び後部縁部３５ｔ１は、下部段ボール材３０Ｂの長手方向（Ｘ軸方向）に延びるように直線状に形成されている。また、下部段ボール材３０の展開状態において、前部縁部３５ｓ１及び後部縁部３５ｔ１は、互いに平行に延びるように形成されている。

　なお、前部切込部３５ｓ及び後部切込部３５ｔは、下部段ボール材３０Ｂの長手方向（Ｘ軸方向）に延びるように直線状に形成されている構成に限定されるものではない。また、前部切込部３５ｓ及び後部切込部３５ｔは、互いに平行に延びるように形成されている構成に限定されるものではない。前部切込部３５ｓ及び後部切込部３５ｔは、側部折曲部３５ｂと底部折曲部３５ｃとを結ぶ切れ目であり、室外機１５０の短手方向（Ｙ軸方向）において、互いに間隔を開けて形成されていればよい。例えば、前部切込部３５ｓ及び後部切込部３５ｔは、直線状ではなく、曲線状に形成されてもよい。同様に、前部縁部３５ｓ１及び後部縁部３５ｔ１は、下部段ボール材３０の展開状態において、下部段ボール材３０Ｂの長手方向（Ｘ軸方向）に延びるように直線状に形成されている構成に限定されるものではない。また、下部段ボール材３０の展開状態において、前部縁部３５ｓ１及び後部縁部３５ｔ１は、互いに平行に延びるように形成されている構成に限定されるものではない。

　バンド受け部３５ｐは、箱傾斜部３５ａに対して垂直方向に見た場合に、側部折曲部３５ｂ、底部折曲部３５ｃ、前部縁部３５ｓ１及び後部縁部３５ｔ１により構成される縁部が四角形となるように形成されている。ただし、バンド受け部３５ｐは、箱傾斜部３５ａに対して垂直方向に見た場合に、縁部が四角形となる形状に限定されるものではない。例えば、バンド受け部３５ｐは、箱傾斜部３５ａに対して垂直方向に見た場合に、六角形状に形成されてもよく、長円形状に形成されてもよい。

　バンド受け部３５ｐは、全体として箱角部３１ｇに対して凹み形状に形成されている。右下部緩衝材１０が、下部段ボール材３０Ｂに載置されると下部段ボール材３０Ｂのバンド受け部３５ｐが係合部１５に入り込み、バンド受け部３５ｐと係合部１５とが緩く嵌り合う。そして、右下部緩衝材１０が、下部段ボール材３０Ｂに載置されると、右下部緩衝材１０の傾斜部１５ａと、下部段ボール材３０Ｂの箱傾斜部３５ａとが対向する。バンド受け部３５ｐは、右下部緩衝材１０の係合部１５に入り込む形状であり、係合部１５の傾斜部１５ａと対向する箱傾斜部３５ａを有する形状であればよい。

　下部段ボール材３０Ｂは、上述したように折り曲げられて箱状に形成される。下部段ボール材３０Ｂは、折り曲げ前の状態では、１枚の平面状の段ボール材である。箱角部３１ｇ、側部折曲部３５ｂ及び底部折曲部３５ｃの部分は、下部段ボール材３０Ｂの組み立て前の状態において、折り目線として形成されている。前部縁部３５ｓ１及び後部縁部３５ｔ１は、下部段ボール材３０Ｂの組み立て前の状態では、前部切込部３５ｓ及び後部切込部３５ｔを構成する部分として形成されている。

　下部段ボール材３０Ｂの展開状態において、箱傾斜部３５ａは、側部折曲部３５ｂ、前部切込部３５ｓ及び後部切込部３５ｔを境界線として、短辺側壁部３３と同一平面状に形成されている。同様に、下部段ボール材３０Ｂの展開状態において、箱傾斜部３５ａは、底部折曲部３５ｃ、前部切込部３５ｓ及び後部切込部３５ｔを境界線として、底板部３１と同一平面状に形成されている。また、下部段ボール材３０Ｂは、下部段ボール材３０の展開状態において、箱角部３１ｇを境界線として短辺側壁部３３と底板部３１とが同一平面状に形成されている。

　下部段ボール材３０Ｂは、組み立て時に箱角部３１ｇを境界線として短辺側壁部３３と底板部３１とが折り曲げられる。また、下部段ボール材３０Ｂは、箱傾斜部３５ａに対して下部段ボール材３０Ｂの内側方向に圧力がかけられることで、側部折曲部３５ｂが稜線となるように、側部折曲部３５ｂを境界線として短辺側壁部３３と箱傾斜部３５ａとが折り曲げられる。同様に、下部段ボール材３０Ｂは、箱傾斜部３５ａに対して下部段ボール材３０Ｂの内側方向に圧力がかけられることで、底部折曲部３５ｃが稜線となるように、底部折曲部３５ｃを境界線として底板部３１と箱傾斜部３５ａとが折り曲げられる。下部段ボール材３０Ｂは、短辺側壁部３３と箱傾斜部３５ａとが折り曲げられ、また、底板部３１と箱傾斜部３５ａとが折り曲げられることで、箱傾斜部３５ａが、底板部３１及び短辺側壁部３３と傾斜するように形成される。なお、下部段ボール材３０Ｂは、箱傾斜部３５ａを形成する際に、側部折曲部３５ｂ又は底部折曲部３５ｃ、あるいは、側部折曲部３５ｂ及び底部折曲部３５ｃが弧状に歪む場合があるが、箱傾斜部３５ａを有していればよい。また、下部段ボール材３０Ｂは、箱傾斜部３５ａを形成する際に、バンド受け部３５と連続する部分において、短辺側壁部３３又は底板部３１、あるいは、短辺側壁部３３及び底板部３１が歪む場合があるが、箱傾斜部３５ａを有していればよい。

　図３７は、実施の形態３に係る梱包装置１００Ｂの側面図である。図３８は、図３７に示す梱包装置１００ＢのＥ－Ｅ線断面位置における梱包装置１００Ｂの断面を示す概念図である。図３８に示すように、長手バンド７１は、室外機１５０の幅方向（Ｘ軸方向）及び上下方向（Ｚ軸方向）に配置され、下部段ボール材３０Ｂ及び上部段ボール材６０の外側から巻きつけられて掛けられている。そして、長手バンド７１は、下部段ボール材３０Ｂの長手方向（Ｘ軸方向）の両端部において、第１のバンド受け部と第２のバンド受け部とに配置され、バンド受け部３５ｐの箱傾斜部３５ａに沿って下部段ボール材３０Ｂに掛けられている。

　また、図３８に示すように、梱包装置１００Ｂは、下部段ボール材３０Ｂのバンド受け部３５ｐと対向する位置に設けられた右下部緩衝材１０の係合部１５を有する。バンド受け部３５ｐの箱傾斜部３５ａと、係合部１５の傾斜部１５ａとは互いに対向するように配置されている。同様に、梱包装置１００Ｂは、下部段ボール材３０Ｂのバンド受け部３５ｐと対向する位置に設けられた左下部緩衝材２０の係合部２５を有する。バンド受け部３５ｐの箱傾斜部３５ａと、係合部２５の傾斜部２５ａとは互いに対向するように配置されている。

　下部段ボール材３０Ｂの外側から内側に向かって長手バンド７１による圧力が下部段ボール材３０Ｂにかかる場合には、箱傾斜部３５ａと、傾斜部１５ａとは、当接する。すなわち、下部段ボール材３０Ｂの外側から内側に向かって長手バンド７１による圧力が下部段ボール材３０Ｂにかかる場合には、下部段ボール材３０Ｂの箱傾斜部３５ａは、右下部緩衝材１０の傾斜部１５ａによって内側から支持されている。また、下部段ボール材３０Ｂの外側から内側に向かって長手バンド７１による圧力が下部段ボール材３０Ｂにかかる場合には、下部段ボール材３０Ｂの箱傾斜部３５ａは、左下部緩衝材２０の傾斜部２５ａによって内側から支持されている。

　箱傾斜部３５ａ及び傾斜部１５ａの傾斜面は略同じ角度で形成されている。そのため、箱傾斜部３５ａと傾斜部１５ａとの接する面積は、箱傾斜部３５ａと緩衝材角部１１ｇとの接する面積よりも大きく、箱傾斜部３５ａは、内側に係合部１５を有しない場合と比較して更に強度が確保される。また、箱傾斜部３５ａ及び傾斜部２５ａの傾斜面は略同じ角度で形成されている。そのため、箱傾斜部３５ａと傾斜部２５ａとの接する面積は、箱傾斜部３５ａと緩衝材角部２１ｇとの接する面積よりも大きく、箱傾斜部３５ａは、内側に係合部２５を有しない場合と比較して更に強度が確保される。その結果、梱包作業者が、長手バンド７１を持って梱包装置１００Ｂを長手方向（Ｘ軸方向）のいずれの方向に引っ張ったとしても、稜線となる箱角部３１ｇではなく、面である箱傾斜部３５ａによって長手バンド７１が受け止められる。そのため、梱包作業者が、長手バンド７１を持って梱包装置１００Ｂを移動させたとしても、下部段ボール材３０Ｂの破損を防ぐことができる。

（梱包装置１００Ｂの作用効果）
　バンド受け部３５ｐは、側部折曲部３５ｂの両端部と、底部折曲部３５ｃの両端部と、をそれぞれ結ぶ前部縁部３５ｓ１及び後部縁部３５ｔ１を有する。この前部縁部３５ｓ１及び後部縁部３５ｔ１は、下部段ボール材３０Ｂの展開状態において、側部折曲部３５ｂの両端部と、底部折曲部３５ｃの両端部と、をそれぞれ結ぶ切れ目である前部切込部３５ｓ及び後部切込部３５ｔを形成する。そのため、梱包作業者は、下部段ボール材３０Ｂを組み立てる際に、箱傾斜部３５ａに外部から圧力をかけることで容易にバンド受け部３５ｐを形成することができる。

　また、箱傾斜部３５ａは、側部折曲部３５ｂと、底部折曲部３５ｃと、前部縁部３５ｓ１及び後部縁部３５ｔ１とにより囲まれる領域によって形成されている。そのため、梱包作業者は、下部段ボール材３０Ｂを組み立てる際に、箱傾斜部３５ａに外部から圧力をかけることで容易にバンド受け部３５ｐの箱傾斜部３５ａを形成することができる。

　また、室外機１５０の梱包装置１００Ｂは、箱角部３１ｇとバンド受け部３５ｐとを有する下部段ボール材３０Ｂを備えている。このバンド受け部３５ｐは、２つの箱角部３１ｇの間に形成されており、２つの箱角部３１ｇに対して下部段ボール材３０Ｂの内側に凹んでいるように形成されている。また、バンド受け部３５ｐは、室外機１５０の長手方向（Ｘ軸方向）の中央ＣＴに対して圧縮機１０１が配置される側の箱端部ＳＲに形成されていると共に、短辺側壁部３３及び底板部３１に対して傾斜面を形成する箱傾斜部３５ａを有している。そして、バンド部材７０の長手バンド７１は、バンド受け部３５ｐに配置され、箱傾斜部３５ａに沿って掛けられている。室外機１５０の梱包装置１００Ｂは、箱傾斜部３５ａの傾斜面にバンド部材７０が掛かることにより、梱包作業者がバンド部材７０を持ち上げて引っ張る荷扱いを行っても、下部段ボール材３０Ｂにかかる室外機１５０の自重を面で受けることができる。そのため、室外機１５０の梱包装置１００Ｂは、室外機１５０の自重が箱傾斜部３５ａの面で分散される。その結果、室外機１５０の梱包装置１００Ｂは、バンド部材７０を介して下部段ボール材３０Ｂに室外機１５０の自重がかかっても、圧縮機１０１の重みがかかる圧縮機１０１が配置された側の下部段ボール材３０Ｂの破損を防止することができる。

　また、右下部緩衝材１０は、右下部緩衝材１０を下部段ボール材３０に載置した際に、バンド受け部３５が入り込む凹状に形成された係合部１５を有する。そのため、右下部緩衝材１０が、下部段ボール材３０に対して傾いて配置されることを抑制することができる。また、係合部１５は、右下部緩衝材１０の下部段ボール材３０に対する位置決め部材となり、右下部緩衝材１０の下部段ボール材３０に対する短手方向（Ｙ軸方向）の位置ズレを防止することができる。

　また、左下部緩衝材２０は、左下部緩衝材２０を下部段ボール材３０に載置した際に、バンド受け部３５が入り込む凹状に形成された係合部２５を有する。そのため、左下部緩衝材２０が、下部段ボール材３０に対して傾いて配置されることを抑制することができる。また、係合部２５は、左下部緩衝材２０の下部段ボール材３０に対する位置決め部材となり、左下部緩衝材２０の下部段ボール材３０に対する短手方向（Ｙ軸方向）の位置ズレを防止することができる。

　また、係合部１５は、箱傾斜部３５ａに対して垂直な方向から見た場合に、バンド受け部３５の側部折曲部３５ｂ、底部折曲部３５ｃ、前部縁部３５ｓ１及び後部縁部３５ｔ１の縁部と相似の形状に形成されている。そのため、係合部１５は、右下部緩衝材１０の下部段ボール材３０に対する位置決め部材となり、右下部緩衝材１０の下部段ボール材３０に対する短手方向（Ｙ軸方向）の位置ズレを防止することができる。同様に係合部２５は、箱傾斜部３５ａに対して垂直な方向から見た場合に、バンド受け部３５の側部折曲部３５ｂ、底部折曲部３５ｃ、前部縁部３５ｓ１及び後部縁部３５ｔ１の縁部と相似の形状に形成されている。そのため、係合部２５は、左下部緩衝材２０の下部段ボール材３０に対する位置決め部材となり、左下部緩衝材２０の下部段ボール材３０に対する短手方向（Ｙ軸方向）の位置ズレを防止することができる。

［冷凍サイクル装置２００］
　図３９は、梱包装置１００の被梱包体である室外機１５０を有する冷凍サイクル装置２００の構成を示す冷媒回路図である。なお、図３９において、点線で示す矢印は、冷媒回路１１０において、冷房運転時における冷媒の流れる方向を示すものであり、実線で示す矢印は、暖房運転時における冷媒の流れる方向を示すものである。上記実施の形態では、冷凍サイクル装置２００として空気調和装置を例示しているが、冷凍サイクル装置２００は、例えば、冷蔵庫あるいは冷凍庫、自動販売機、空気調和装置、冷凍装置、給湯器などの、冷凍用途または空調用途に使用される。なお、図示した冷媒回路１１０は一例であって、回路要素の構成等について実施の形態で説明した内容に限定されるものではなく、実施の形態に係る技術の範囲内で適宜変更が可能である。

　冷凍サイクル装置２００は、圧縮機１０１、流路切替装置１０２、室内熱交換器１０３、減圧装置１０４及び室外熱交換器１０５が冷媒配管を介して環状に接続された冷媒回路１１０を有している。冷凍サイクル装置２００は、室外機１５０及び室内機１６０を有している。室外機１５０には、圧縮機１０１、流路切替装置１０２、室外熱交換器１０５及び減圧装置１０４と、室外熱交換器１０５に室外空気を供給する室外送風機１０８と、が収容されている。室内機１６０には、室内熱交換器１０３と、室内熱交換器１０３に空気を供給する室内送風機１０９と、が収容されている。室外機１５０と室内機１６０との間は、冷媒配管の一部である２本の延長配管１１１及び延長配管１１２を介して接続されている。

　圧縮機１０１は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する流体機械である。流路切替装置１０２は、例えば四方弁であり、制御装置（図示は省略）の制御により、冷房運転時と暖房運転時とで冷媒の流路を切り替える装置である。

　室内熱交換器１０３は、内部を流通する冷媒と、室内送風機１０９により供給される室内空気と、の熱交換を行う熱交換器である。室内熱交換器１０３は、暖房運転時には凝縮器として機能し、冷房運転時には蒸発器として機能する。

　減圧装置１０４は、例えば膨張弁であり、冷媒を減圧させる装置である。減圧装置１０４としては、制御装置の制御により開度が調節される電子膨張弁を用いることができる。

　室外熱交換器１０５は、内部を流通する冷媒と、室外送風機１０８により供給される空気と、の熱交換を行う熱交換器である。室外熱交換器１０５は、暖房運転時には蒸発器として機能し、冷房運転時には凝縮器として機能する。

［冷凍サイクル装置の動作］
　次に、図１を用いて冷凍サイクル装置２００の動作の一例について説明する。冷凍サイクル装置２００の暖房運転時には、圧縮機１０１から吐出される高圧高温のガス状態の冷媒は、流路切替装置１０２を介して室内熱交換器１０３に流入し、室内送風機１０９によって供給される空気と熱交換を行い凝縮する。凝縮した冷媒は、高圧の液状態となり、室内熱交換器１０３から流出し、減圧装置１０４によって、低圧の気液二相状態となる。低圧の気液二相状態の冷媒は、室外熱交換器１０５に流入し、室外送風機１０８によって供給される空気との熱交換によって蒸発する。蒸発した冷媒は、低圧のガス状態となり、圧縮機１０１に吸入される。

　冷凍サイクル装置２００の冷房運転時には、冷媒回路１１０を流れる冷媒は暖房運転時とは逆方向に流れる。すなわち、冷凍サイクル装置２００の冷房運転時には、圧縮機１０１から吐出される高圧高温のガス状態の冷媒は、流路切替装置１０２を介して室外熱交換器１０５に流入し、室外送風機１０８によって供給される空気と熱交換を行い凝縮する。凝縮した冷媒は、高圧の液状態となり、室外熱交換器１０５から流出し、減圧装置１０４によって、低圧の気液二相状態となる。低圧の気液二相状態の冷媒は、室内熱交換器１０３に流入し、室内送風機１０９によって供給される空気との熱交換によって蒸発する。蒸発した冷媒は、低圧のガス状態となり、圧縮機１０１に吸入される。

　実施の形態は上記実施の形態に限定されない。例えば、梱包装置１００、梱包装置１００Ａ及び梱包装置１００Ｂにおいて、右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０は別体として構成されているが、右下部緩衝材１０及び左下部緩衝材２０は一体として１つの下部緩衝材として構成されてもよい。また、バンド受け部３５及びバンド受け部３５ｐは、下部段ボール材３０の長手方向（Ｘ軸方向）の端部に設けられているが、下部段ボール材３０の短手方向（Ｙ軸方向）の端部に設けられてもよい。すなわち、バンド受け部３５及びバンド受け部３５ｐは、長手バンド７１が掛けられる部分として設けられているが、短手バンド７２が掛けられる部分として設けられてもよい。

　１０　右下部緩衝材、１１ａ　上面部、１１ｂ　底面部、１１ｃ　側面部、１１ｄ　外側面部、１１ｅ　内側面部、１１ｇ　緩衝材角部、１５　係合部、１５ａ　傾斜部、１５ｂ　側部稜線部、１５ｃ　底部稜線部、１５ｄ　側部接続部、１５ｅ　側部接続部、１５ｆ　底部接続部、１５ｇ　底部接続部、１５ｉ　頂点部、１５ｊ　頂点部、１５ｍ　領域、１５ｎ　領域、１５ｐ　係合部、１５ｑ　係合部、１７　仕切板、２０　左下部緩衝材、２１ａ　上面部、２１ｂ　底面部、２１ｃ　側面部、２１ｄ　外側面部、２１ｅ　内側面部、２１ｇ　緩衝材角部、２５　係合部、２５ａ　傾斜部、２５ｂ　側部稜線部、２５ｃ　底部稜線部、２５ｄ　側部接続部、２５ｅ　側部接続部、２５ｆ　底部接続部、２５ｇ　底部接続部、２５ｉ　頂点部、２５ｊ　頂点部、２５ｍ　領域、２５ｎ　領域、３０　下部段ボール材、３０Ａ　下部段ボール材、３０Ｂ　下部段ボール材、３１　底板部、３１ｇ　箱角部、３２　長辺側壁部、３２ａ　第１側壁部、３２ｂ　第２側壁部、３３　短辺側壁部、３３ａ　第３側壁部、３３ｂ　第４側壁部、３５　バンド受け部、３５ａ　箱傾斜部、３５ｂ　側部折曲部、３５ｂ１　端部、３５ｂ２　端部、３５ｃ　底部折曲部、３５ｃ１　端部、３５ｃ２　端部、３５ｄ　箱側部接続部、３５ｅ　箱側部接続部、３５ｆ　箱底部接続部、３５ｇ　箱底部接続部、３５ｉ　箱頂点部、３５ｊ　箱頂点部、３５ｍ　領域、３５ｎ　領域、３５ｐ　バンド受け部、３５ｓ　前部切込部、３５ｓ１　前部縁部、３５ｔ　後部切込部、３５ｔ１　後部縁部、４０　上部緩衝材、４１　切り欠き部、５０　上部緩衝材、５１　切り欠き部、６０　上部段ボール材、６１　天板部、６２　長辺側壁部、６３　短辺側壁部、７０　バンド部材、７１　長手バンド、７２　短手バンド、８０　背面梱包材、１００　梱包装置、１００Ａ　梱包装置、１００Ｂ　梱包装置、１０１　圧縮機、１０２　流路切替装置、１０３　室内熱交換器、１０４　減圧装置、１０５　室外熱交換器、１０８　室外送風機、１０９　室内送風機、１１０　冷媒回路、１１１　延長配管、１１２　延長配管、１２０　上面側凹部、１２１　上段面部、１２４　溝面部、１４１　送風機室、１４２　機械室、１５０　室外機、１５１　底部、１５２　天面部、１５３　側壁部、１５３ａ　開口部、１５４　脚部、１５４ａ　脚部、１５４ｂ　脚部、１５５　筐体、１５６　ファンガード、１５８　吹出口、１６０　室内機、２００　冷凍サイクル装置。

Claims

　冷凍サイクル装置を構成する室外機の梱包装置であって、
　圧縮機が配置される機械室と熱交換器が配置される送風機室とが長手方向に沿って形成された前記室外機が載置される下部緩衝材と、
　前記下部緩衝材の側面と底面とを覆う下部段ボール材と、
　前記下部段ボール材の外側から側壁部と底板部とに掛けられ、前記下部段ボール材が、前記室外機が載置された前記下部緩衝材を覆う状態を維持するバンド部材と、
を備え、
　前記下部段ボール材は、
　前記長手方向の端部に位置する箱端部において、前記側壁部と前記底板部とが折り曲げられた境界部分として形成された箱角部と、
　前記室外機の短手方向において前記箱角部の間に形成されており、前記側壁部及び前記底板部に対して傾斜面を形成する箱傾斜部を有することで前記箱角部に対して前記下部段ボール材の内側に凹んだ状態に形成されるバンド受け部と、
を有し、
　前記バンド受け部は、
　前記長手方向の中央に対して前記圧縮機が配置される側の前記箱端部に形成されている第１のバンド受け部を有し、
　前記バンド部材が、前記第１のバンド受け部に配置され、前記箱傾斜部に沿って掛けられる室外機の梱包装置。
　前記バンド受け部は、
　前記箱傾斜部と前記側壁部との境界線となる稜線部分であり、前記箱傾斜部の上縁部分を構成する側部折曲部と、
　前記箱傾斜部と前記底板部との境界線となる稜線部分であり、前記箱傾斜部の下縁部分を構成する底部折曲部と、
を有する請求項１に記載の室外機の梱包装置。
　前記側部折曲部及び前記底部折曲部は、
　前記下部段ボール材の展開状態では折り目線として形成されている請求項２に記載の室外機の梱包装置。
　前記バンド受け部は、
　前記側部折曲部の延びる方向における前記側部折曲部の端部と、前記箱角部とを接続する稜線部分を形成している側部接続部と、
　前記底部折曲部の延びる方向における前記底部折曲部の端部と、前記箱角部とを接続する稜線部分を形成している底部接続部と、
を有する請求項２又は３に記載の室外機の梱包装置。
　前記側部接続部及び前記底部接続部は、
　前記下部段ボール材の展開状態では折り目線として形成されている請求項４に記載の室外機の梱包装置。
　前記バンド部材は、
　前記箱傾斜部に対して垂直な方向から見た場合に、
　前記側部折曲部、前記底部折曲部、前記側部接続部及び前記底部接続部の縁部により形成される形状が六角形となるように形成されている請求項４又は５に記載の室外機の梱包装置。
　前記バンド受け部は、
　前記側部折曲部の延びる方向における前記側部折曲部の両端部と、前記底部折曲部の延びる方向における前記底部折曲部の両端部と、をそれぞれ結ぶ縁部を有し、
　前記縁部は、
　前記下部段ボール材の展開状態において、前記側部折曲部の延びる方向における前記側部折曲部の両端部と、前記底部折曲部の延びる方向における前記底部折曲部の両端部と、をそれぞれ結ぶ切れ目である切込部を形成する請求項２又は３に記載の室外機の梱包装置。
　前記箱傾斜部は、
　前記側部折曲部と、前記底部折曲部と、前記縁部とにより囲まれる領域によって形成されている請求項７に記載の室外機の梱包装置。
　前記バンド受け部は、
　前記長手方向において、前記第１のバンド受け部が形成されている前記箱端部と反対側に位置する前記箱端部に形成されている第２のバンド受け部を有し、
　前記バンド部材は、
　前記第１のバンド受け部と前記第２のバンド受け部とに配置され、前記箱傾斜部に沿って掛けられている請求項１～８のいずれか１項に記載の室外機の梱包装置。
　前記下部緩衝材は、
　前記下部緩衝材を前記下部段ボール材に載置した際に、前記バンド受け部が入り込む凹状に形成された係合部を有する請求項１～９のいずれか１項に記載の室外機の梱包装置。
　前記係合部は、
　前記下部緩衝材を前記下部段ボール材に載置した際に、前記箱傾斜部と対向する傾斜面として形成された傾斜部を有する請求項１０に記載の室外機の梱包装置。