JP2002347877A - 包装装置、可燃性冷媒が充填された機器の保管方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被包装体の天面又は底面を保護するトレイ型
段ボールにおいて、積み上げ時の荷重による包装装置の
つぶれ等によって結束バンドの外れや、積み上げ保管時
の被包装体の傾きやぐらつき等の対策を行うこと。 【解決手段】 被包装体１の天面部及び底面部に段ボー
ルの中芯を予め圧縮した結束バンド掛かり部６を形成し
た天面トレイ型段ボール２及び底面トレイ型段ボール３
を備えた包装装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、被包装体を保護
する包装装置の改善に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図１６〜図１９は、例えば実開昭６１−
８０２８４号公報に示された従来の包装装置を示す斜視
図である。図において、１２は被包装体１を覆う外箱、
５は外箱１２周囲に巻き回される結束バンド、１３は外
箱１２のコーナー部に形成された切り欠き部で、結束バ
ンド５が係合する。より詳細には、切り欠き部１３は、
外箱１２を構成する外装段ボールに設けた切り込み部１
６と、被包装体１両側に取り付けられ周囲を外箱１２に
よって覆われる緩衝材１４に設けた面取り部１５とを一
致させて切り欠き形状とし、この位置に結束バンド５を
掛けるものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の被包装体（空気
調和機の室外機等）を保護する包装装置は上記のように
構成されているので、積み上げ時の荷重による包装装置
のつぶれ等によって結束バンドに緩みが生じ、結束バン
ドの外れや、積み上げ保管時の被包装体の傾きやぐらつ
き等の問題点があった。

【０００４】また、被包装体が空気調和機の室外機のよ
うな可燃性冷媒が充填された機器の場合、倉庫に山積み
されたり運搬中に冷媒が漏れても、機器から漏れた冷媒
が包装装置内にこもり、外部から冷媒漏れを検知しにく
いという問題点があった。

【０００５】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、結束バンドの緩みを防止可能な
包装装置を得ることを目的とする。

【０００６】また、可燃性冷媒が充填された機器が包装
装置によって包装状態にあっても、漏れ出した可燃性冷
媒を拡散可能な包装装置や外部から冷媒漏れが検知でき
る可燃性冷媒が充填された機器の保管方法を得ることを
目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明に係る包装装置
は、被包装体の天面部又は底面部に段ボール中芯を予め
圧縮した結束バンド掛かり部を形成したものである。

【０００８】また、前記天面部又は底面部並びにこれら
各部に連続する側面部によって構成されるコーナー部の
結束バンド掛け位置又はその近傍に、平行な２本の切り
込み部を設けたものである。

【０００９】また、前記天面部又は底面部並びにこれら
各部に連続する側面部によって構成されるコーナー部の
結束バンド掛け位置に、穴部を設けたものである。

【００１０】また、前記天面部又は底面部並びにこれら
各部に連続する側面部によって構成されるコーナー部の
結束バンド掛け位置又はその近傍に、切り込み部及び穴
部を設けたものである。

【００１１】また、結束バンド掛け位置に対応する前記
被包装体の緩衝材コーナー部に、面取り部を形成したも
のである。

【００１２】また、結束バンド掛け位置に対応する前記
被包装体の緩衝材コーナー部に、凸状部を形成したもの
である。

【００１３】また、可燃性冷媒が充填された被包装体を
包装するものであって、前記可燃性冷媒の大気中での拡
散方向となる側に通気孔を形成したものである。

【００１４】また、この発明に係る可燃性冷媒が充填さ
れた機器の保管方法は、可燃性冷媒の大気中での拡散方
向となる側に通気孔を形成した包装装置で包装され、可
燃性冷媒が充填された機器を収納するステップと、収納
された機器に対して、前記可燃性冷媒の大気中での拡散
方向となる側に設置された冷媒検出手段にて冷媒漏れを
検出するステップとを備えたものである。

【００１５】

【発明の実施の形態】実施の形態１．以下、この発明の
実施の形態１を図について説明する。図１はこの発明の
実施の形態１による包装装置を示す斜視図である。図１
において１は被包装体（空気調和機の室内機又は室外機
など）で、ここではセパレート型ルームエアコンの室外
機である。２は被包装体１の天面を保護し、長方形状の
天面とこの天面の4辺にそれぞれ連続する側面とから構
成される天面トレイ型段ボール箱、３は被包装体１の底
面を保護し、長方形状の底面とこの底面の4辺にそれぞ
れ連続する側面とから構成される底面トレイ型段ボール
箱、５は被包装体及び包装装置全体を結束する結束バン
ドで上下を含む周囲に巻き回されている。

【００１６】６は天面トレイ型段ボール箱２の天面およ
び底面トレイ型段ボール箱３の底面にて段ボール中芯を
予め圧縮加工して形成した結束バンド掛かり部で、結束
バンド５の厚み以上の深さになるよう圧縮されている。
図２はこの発明の実施の形態１による天面トレイ型段ボ
ール箱２の展開図、図３は図２の段ボールのＡ−Ａ断面
図である。図２の斜線部および図３の窪みが段ボール中
芯を予め圧縮加工した結束バンド掛かり部６である。

【００１７】次に動作について説明する。天面トレイ型
段ボール２の型抜き時に、結束バンド５の掛かる天面部
分の段ボール中芯を、予め、結束バンド５の幅よりも広
い範囲で圧縮加工し、結束バンド掛かり部６を形成す
る。同様に底面トレイ型段ボール３の型抜き時に、結束
バンド５の掛かる底面部分の段ボール中芯を、予め、結
束バンド５の幅よりも広い範囲で圧縮加工し、結束バン
ド掛かり部６を形成する。底面トレイ型段ボール３上に
被包装体１を載置し、この被包装体１の天面に天面トレ
イ型段ボール２を被せ、結束バンド５にて結束する。

【００１８】これにより、バンド掛けによる段ボール中
芯のつぶれが発生しにくくなり、結束バンド５の巻長も
短くなるから、積み上げ保管等による沈みが小さくな
り、結束バンドの緩み防止となる。また、組み立て加工
時の結束バンド掛け位置の目印となるため、段ボール印
刷によるバンド位置マークが不要となり、印版費用が節
減できる。

【００１９】実施の形態２．以下、この発明の実施の形
態２を図について説明する。図４はこの発明の実施の形
態２による包装装置を示す斜視図である。図４におい
て、７は天面トレイ型段ボール２の天面と側面とによっ
て構成されるコーナー部に形成された切り欠き部で、結
束バンド５の幅より若干広い幅で結束バンド５の巻き方
向に平行に２本ある。図５はこの発明の実施の形態２に
よる天面トレイ型段ボール箱２の展開図、図６は図５の
段ボールのＢ−Ｂ部分断面図である。その他の構成は実
施の形態１と同一であり、同一部分には同一符号を付し
てその説明を省略する。

【００２０】次に動作について説明する。天面トレイ型
段ボール２の型抜き時に、結束バンド５の掛かる天面部
分の段ボール中芯を、予め、結束バンド５の幅よりも広
い範囲で圧縮加工し、結束バンド掛かり部６を形成する
とともに、結束バンド５の掛かるコーナー部に結束バン
ド５の幅よりも広い幅の２本の平行な切り欠き部７を設
ける。同様に底面トレイ型段ボール３の型抜き時に、結
束バンド５の掛かる底面部分の段ボール中芯を、予め、
結束バンド５の幅よりも広い範囲で圧縮加工し、結束バ
ンド掛かり部６を形成するとともに、結束バンド５の掛
かるコーナー部に結束バンド５の幅よりも広い幅の２本
の平行な切り欠き部７を設ける。底面トレイ型段ボール
３上に被包装体１を載置し、この被包装体１の天面に天
面トレイ型段ボール２を被せ、結束バンド５にて結束す
る。

【００２１】これによりバンド掛けによる段ボール中芯
のつぶれが発生しにくくなり、実施の形態１の場合に比
べ、切り欠き部７により結束バンド５の巻長もさらに短
くなるから、積み上げ保管等による沈みが小さくなり、
結束バンドの緩み防止となる。また、コーナー部におい
て、切り欠き部７分だけ結束バンド５が深く食い込むか
ら、荷扱い時の結束バンド５の横ズレ等による結束バン
ド５の外れ防止となる。また、組み立て加工時の結束バ
ンド掛け位置の目印となるため、段ボール印刷によるバ
ンド位置マークが不要となり、印版費用が節減できる。

【００２２】実施の形態３．以下、この発明の実施の形
態３を図について説明する。図７はこの発明の実施の形
態３による包装装置を示す斜視図である。図７におい
て、８は天面トレイ型段ボール２の天面と側面とによっ
て構成されるコーナー部に形成された穴部で、結束バン
ド５の幅より若干広い幅を有する。図８はこの発明の実
施の形態３による天面トレイ型段ボール箱２の展開図、
図９は図８の段ボールのＣ−Ｃ部分断面図である。その
他の構成は実施の形態１と同一であり、同一部分には同
一符号を付してその説明を省略する。

【００２３】次に動作について説明する。天面トレイ型
段ボール２の型抜き時に、結束バンド５の掛かる天面部
分の段ボール中芯を、予め、結束バンド５の幅よりも広
い範囲で圧縮加工し、結束バンド掛かり部６を形成する
とともに、結束バンド５の掛かるコーナー部に結束バン
ド５の幅よりも広い幅の穴部８を設ける。同様に底面ト
レイ型段ボール３の型抜き時に、結束バンド５の掛かる
底面部分の段ボール中芯を、予め、結束バンド５の幅よ
りも広い範囲で圧縮加工し、結束バンド掛かり部６を形
成するとともに、結束バンド５の掛かるコーナー部に結
束バンド５の幅よりも広い幅の穴部８を設ける。底面ト
レイ型段ボール３上に被包装体１を載置し、この被包装
体１の天面に天面トレイ型段ボール２を被せ、結束バン
ド５にて結束する。

【００２４】これによりバンド掛けによる段ボール中芯
のつぶれが発生しにくくなり、実施の形態１の場合に比
べ、穴部８により結束バンド５の巻長もさらに短くなる
から、積み上げ保管等による沈みが小さくなり、結束バ
ンドの緩み防止となる。また、コーナー部において、穴
部８分だけ結束バンド５が深く食い込むから、荷扱い時
の結束バンド５の横ズレ等による結束バンド５の外れ防
止となる。また、組み立て加工時の結束バンド掛け位置
の目印となるため、段ボール印刷によるバンド位置マー
クが不要となり、印版費用が節減できる。

【００２５】実施の形態４．以下、この発明の実施の形
態４を図について説明する。図１０はこの発明の実施の
形態４による包装装置を示す斜視図である。図１０にお
いて、９は天面トレイ型段ボール２の天面と側面とによ
って構成されるコーナー部に形成された切り欠き及び穴
部で、結束バンド５の幅より若干広い幅を有する。図１
１はこの発明の実施の形態４による天面トレイ型段ボー
ル箱２の展開図、図１２は図１１の段ボールのＤ−Ｄ部
分断面図である。その他の構成は実施の形態１と同一で
あり、同一部分には同一符号を付してその説明を省略す
る。

【００２６】次に動作について説明する。天面トレイ型
段ボール２の型抜き時に、結束バンド５の掛かる天面部
分の段ボール中芯を、予め、結束バンド５の幅よりも広
い範囲で圧縮加工し、結束バンド掛かり部６を形成する
とともに、結束バンド５の掛かるコーナー部に結束バン
ド５の幅よりも広い幅の切り欠き及び穴部９を設ける。
同様に底面トレイ型段ボール３の型抜き時に、結束バン
ド５の掛かる底面部分の段ボール中芯を、予め、結束バ
ンド５の幅よりも広い範囲で圧縮加工し、結束バンド掛
かり部６を形成するとともに、結束バンド５の掛かるコ
ーナー部に結束バンド５の幅よりも広い幅の切り欠き及
び穴部９を設ける。底面トレイ型段ボール３上に被包装
体１を載置し、この被包装体１の天面に天面トレイ型段
ボール２を被せ、結束バンド５にて結束する。

【００２７】これによりバンド掛けによる段ボール中芯
のつぶれが発生しにくくなり、実施の形態１の場合に比
べ、穴部８により結束バンド５の巻長もさらに短くなる
から、積み上げ保管等による沈みが小さくなり、結束バ
ンドの緩み防止となる。また、コーナー部において、穴
部８分だけ結束バンド５が深く食い込むから、荷扱い時
の結束バンド５の横ズレ等による結束バンド５の外れ防
止となる。特に、天（底）面に切り欠きを設け、側面に
穴部を設ける構造とした場合は、上方からの異物（ご
み、ほこり等）の進入を防ぐことができる。また、組み
立て加工時の結束バンド掛け位置の目印となるため、段
ボール印刷によるバンド位置マークが不要となり、印版
費用が節減できる。

【００２８】実施の形態５．以下、この発明の実施の形
態５を図について説明する。図１３はこの発明の実施の
形態５による包装装置の部分断面図である。図１３にお
いて、４は天面トレイ型段ボール箱２と被包装体１との
間に介在する天面緩衝材、１０は天面緩衝材４の天面及
びこれに連続する側面によって構成されるコーナー部に
形成された面取り部で、結束バンド５が対応する箇所で
ある。図１３では天面トレイ型段ボール箱２の形状を実
施の形態２と同形状にしているが、実施の形態１〜４の
何れの形状であっても良い。本実施の形態では底面につ
いても天面緩衝材４と同様な形状の底面緩衝材が設けら
れている。

【００２９】次に動作について説明する。天面トレイ型
段ボール２の型抜き時に、結束バンド５の掛かる位置の
段ボール中芯に、予め、結束バンド５の幅よりも広い範
囲で、圧縮した部分６を設け、かつ、結束バンド５の掛
かるコーナー部に結束バンド５の幅よりも広い幅の切り
欠き部７等を設ける。また、天面緩衝材４の結束バンド
５の掛かる位置のコーナー部に結束バンド５の幅よりも
広い幅の面取り部１０を形成する。この天面トレイ型段
ボール２と天面緩衝材４を被包装体１に被せ、結束バン
ド５にて切り欠き部７等及び面取り部１０の上を通して
結束する。

【００３０】これによりバンド掛けによる段ボール中芯
のつぶれが発生しにくくなり、切り欠き部７により結束
バンド５の巻長もさらに短くなるから、積み上げ保管等
による沈みが小さくなり、結束バンドの緩み防止とな
る。また、コーナー部において、切り欠き部７分だけ結
束バンド５が深く食い込むから、荷扱い時の結束バンド
５の横ズレ等による結束バンド５の外れ防止となる。ま
た、組み立て加工時の結束バンド掛け位置の目印となる
ため、段ボール印刷によるバンド位置マークが不要とな
り、印版費用が節減できる。さらに、結束時の天面、底
面の湾曲変形を防止できる。また、天面緩衝材４が天面
トレイ型段ボール２に比べて小さい場合でも、面取り部
１０と切り欠き部７とによって両者の位置合わせができ
る。

【００３１】実施の形態６．以下、この発明の実施の形
態６を図について説明する。図１４はこの発明の実施の
形態６による包装装置の部分断面図である。図１４にお
いて、４は天面トレイ型段ボール箱２と被包装体１との
間に介在する天面緩衝材、１１は天面緩衝材４の天面及
びこれに連続する側面によって構成されるコーナー部か
ら水平方向へ突設形成された凸部で、結束バンド５が対
応する箇所である。図１４では天面トレイ型段ボール箱
２の形状を実施の形態３と同形状にしているが、実施の
形態１〜４の何れの形状であっても良い。本実施の形態
では底面についても天面緩衝材４と同様な形状の底面緩
衝材が設けられている。

【００３２】次に動作について説明する。天面トレイ型
段ボール２の型抜き時に、結束バンド５の掛かる位置の
段ボール中芯に、予め、結束バンド５の幅よりも広い範
囲で、圧縮した部分６を設け、かつ、結束バンド５の掛
かるコーナー部に結束バンド５の幅よりも広い幅の穴部
７等を設ける。また、天面緩衝材４の結束バンド５の掛
かる位置のコーナー部に結束バンド５の幅よりも広い幅
の凸部１１を形成する。この天面トレイ型段ボール２と
天面緩衝材４を被包装体１に被せ、結束バンド５にて穴
部８等及び凸部１１の上を通して結束する。

【００３３】これによりバンド掛けによる段ボール中芯
のつぶれが発生しにくくなり、穴部８により結束バンド
５の巻長もさらに短くなるから、積み上げ保管等による
沈みが小さくなり、結束バンドの緩み防止となる。ま
た、コーナー部において、穴部８分だけ結束バンド５が
深く食い込むから、荷扱い時の結束バンド５の横ズレ等
による結束バンド５の外れ防止となる。また、組み立て
加工時の結束バンド掛け位置の目印となるため、段ボー
ル印刷によるバンド位置マークが不要となり、印版費用
が節減できる。さらに、結束時に結束バンド５の食い込
みを緩衝材に設けた凸部１１にて吸収することにより、
天面・底面の湾曲変形を防止する。また、天面緩衝材４
が天面トレイ型段ボール２に比べて小さい場合でも、凸
部１１と穴部８とによって両者の位置合わせができる。
尚、凸部１１は天面緩衝材４のコーナー部全体にわたっ
て形成しても良い。

【００３４】実施の形態７．以下、この発明の実施の形
態７を図について説明する。図１５はこの発明の実施の
形態７による空気調和機の室外機を保管した倉庫を示す
概念図である。図１５において、１７は機器の搬出入口
１７ａを有し、壁面、屋根および搬出入口１７ａを開閉
する扉によって外部と仕切られた倉庫である。この倉庫
１７は屋根が高く、室内の充分高い位置に照明機器が取
り付けられている。１８は倉庫に保管された空気調和機
で、冷凍サイクル中に組み込まれる圧縮機を内蔵し、予
め冷媒が充填されている。

【００３５】この冷媒は、Ｒ３２、Ｒ２９０又はＲ６０
０ａ等の可燃性冷媒であり、その比重は空気より重い。
空気調和機１８は上述した実施の形態２乃至６の何れか
の包装装置によって包装されている。従って、天面トレ
イ型段ボール２および底面トレイ型段ボール３のコーナ
ー部には、切り欠き部７、穴部８又は切り欠き及び穴部
９によって包装装置内外を連通する通気孔が穿設された
のと同じ状態になり、これら各部は通気孔としての役割
を果たす。１９は倉庫１７内の充分低い床面付近に設置
され、前記冷媒を検出する冷媒検出手段で、冷媒を検出
するとその旨が倉庫の管理センターに自動的に通報され
る仕組みになっている。

【００３６】上記のように構成された倉庫１７内で、荷
積み作業や倉庫までの運搬作業時等何らかの原因で空気
調和機１８から冷媒が漏れた場合、漏れ出した冷媒は空
気よりも比重が重いため、包装装置下部に溜まる。この
とき底面トレイ型段ボール３のコーナー部には、切り欠
き部７、穴部８又は切り欠き及び穴部９にいよって漏れ
出した冷媒は包装装置外部へと流出し、やがて倉庫１７
内の床面付近へと滞留する。滞留した冷媒は倉庫１７内
床面付近に設置された冷媒検出手段１９によって冷媒漏
れとして検出され、冷媒漏れが管理センターへと自動的
に通報される。通報は電話回線等公知の手段が用いられ
る。

【００３７】通報を受けた管理センターは倉庫１７へ作
業員を派遣し、漏れ冷媒の除去作業と、冷媒漏れした空
気調和機１８の処分を行なう。倉庫１７内は包装装置一
つ一つに比べて充分大きな床面積及び容積なので、漏れ
出した冷媒の濃度は薄められている。また、図１５のよ
うに比較的密に空気調和機１８を積み重ねても、結束バ
ンド５は垂直方向に巻き回されているため、上段の空気
調和機１８における底面トレイ型段ボール３の通気孔
と、その下段の空気調和機１８における天面トレイ型段
ボール２の通気孔とが合致するので、天面トレイ型段ボ
ール２および底面トレイ型段ボール３の通気孔を通じて
冷媒は拡散可能である。

【００３８】また、倉庫１７内の照明機器は高天井の倉
庫１７内において充分高い位置に設置され、少なくとも
多段積みされる空気調和機１８の積み高さ制限よりも充
分高い位置にあるから、冷媒漏れがあった場合に照明機
器を付けたとしても照明による影響は発生しない。この
ように前記可燃性冷媒の大気中での拡散方向となる下
側、すなわち比重が空気より重い冷媒が下側へ流れるよ
うに通気孔を形成した包装装置で包装され、可燃性冷媒
が充填された空気調和機１８を倉庫１７収納し、収納さ
れた空気調和機１８対して、可燃性冷媒の大気中での拡
散方向となる下側に設置された冷媒検出手段１９にて冷
媒漏れを検出するので、可燃性冷媒が漏れた場合でも可
燃性冷媒の濃度を低下させることができ、しかも確実に
検出することができるようになる。

【００３９】また、空気調和機の室外機を包装する包装
装置表面には段積方向が明示されている。このように包
装装置の天地が明確である場合には、包装装置の下側に
通風孔を形成しておくことにより、漏洩した可燃性冷媒
を包装装置外部に排出して濃度を充分下げることが可能
になる。天地が明確でない場合には下側となると思われ
る側（即ち上下）に通風孔を形成することで、上下逆さ
まに置かれても確実に漏洩した可燃性冷媒を排出でき
る。尚、可燃性冷媒の比重が空気よりも軽い場合には、
冷媒検出手段１９を天井付近に設置すればよい。

【００４０】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、積み
上げ保管時の荷重による包装装置天面部又は底面部のつ
ぶれ等に対し、段ボール中芯を予め圧縮加工しておくこ
とにより、包装装置を結束した直後と積み上げ保管によ
る荷重後の包装装置の沈み高さ（クリープ変位）が小さ
くなり、結束バンドの外れや、積み上げ保管時の傾きや
ぐらつきを低減できる。

【００４１】また、包装装置のコーナー部に切り込みや
穴を設けることにより、また、天面又は底面緩衝材の結
束バンドに対応するコーナー部に面取り部を設けること
により、包装装置のつぶれや結束バンドの食い込みによ
る結束バンドのゆるみ・外れや結束バンドの締め付けに
よる包装装置の変形による包装装置の傾きやぐらつきを
低減できる。

【００４２】また、緩衝部材のコーナー部に凸部を設
け、この凸部に結束バンドを巻き回すことにより、包装
装置のつぶれや結束バンドの食い込みによる結束バンド
のゆるみ・外れや結束バンドの締め付けによる包装装置
の変形による包装装置の傾きやぐらつきを低減できる。

【００４３】また、包装装置における可燃性冷媒の拡散
方向に通気孔を形成することで、可燃性冷媒が漏れ出し
た場合でも拡散し、濃度を下げることができ、さらには
拡散した可燃性冷媒を冷媒検出手段で検出できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の実施の形態１による包装装置の斜
視図である。

【図２】 この発明の実施の形態１による包装装置の段
ボール展開図である。

【図３】 この発明の実施の形態１による包装装置の断
面図である。

【図４】 この発明の実施の形態２による包装装置の斜
視図である。

【図５】 この発明の実施の形態２による包装装置の段
ボール展開図である。

【図６】 この発明の実施の形態２による包装装置の断
面図である。

【図７】 この発明の実施の形態３による包装装置の斜
視図である。

【図８】 この発明の実施の形態３による包装装置の段
ボール展開図である。

【図９】 この発明の実施の形態３による包装装置の断
面図である。

【図１０】 この発明の実施の形態４による包装装置の
斜視図である。

【図１１】 この発明の実施の形態４による包装装置の
段ボール展開図である。

【図１２】 この発明の実施の形態４による包装装置の
断面図である。

【図１３】 この発明の実施の形態５による包装装置の
断面図である。

【図１４】 この発明の実施の形態６による包装装置の
断面図である。

【図１５】 この発明の実施の形態７による空気調和機
の室外機を保管した倉庫を示す概念図である。

【図１６】 従来の被包装体を保護する包装装置の斜視
図である。

【図１７】 従来の被包装体を保護する包装装置の段ボ
ール斜視図である。

【図１８】 従来の被包装体を保護する包装装置の段ボ
ール斜視図である。

【図１９】 従来の被包装体を保護する包装装置の緩衝
材の斜視図である。

【符号の説明】

１ 被包装体、２ 天面トレイ型段ボール、３ 底面ト
レイ型段ボール、４天面緩衝材、５ 結束バンド、６
段ボール中芯の予め圧縮加工した部分、７切り欠き部、
８ 穴部、９ 切り欠き及び穴部、１０ 面取り部、１
１ 凸部、１７ 倉庫、１８ 空気調和機、１９ 冷媒
検出手段。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3E037 AA20 BA02 BB03 BB11 CA05 3E060 AA03 AB32 BC02 BC04 CC02 CC19 CD03 CD12 CG02 DA19 DA30 EA07 EA17 3E066 AA21 BA05 CA04 DB10 GA06 GA07 NA05 3E085 BD06 BG10

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 天面部又は底面部に段ボールの中芯を予
   め圧縮した結束バンド掛かり部を形成したことを特徴と
   する包装装置。
2. 【請求項２】 前記天面部又は底面部並びにこれら各部
   に連続する側面部によって構成されるコーナー部の結束
   バンド掛け位置又はその近傍に、平行な２本の切り込み
   部を設けたことを特徴とする請求項１記載の包装装置。
3. 【請求項３】 前記天面部又は底面部並びにこれら各部
   に連続する側面部によって構成されるコーナー部の結束
   バンド掛け位置に、穴部を設けたことを特徴とする請求
   項１記載の包装装置。
4. 【請求項４】 前記天面部又は底面部並びにこれら各部
   に連続する側面部によって構成されるコーナー部の結束
   バンド掛け位置又はその近傍に、切り込み部及び穴部を
   設けたことを特徴とする請求項１記載の包装装置。
5. 【請求項５】 結束バンド掛け位置に対応する前記被包
   装体の緩衝材コーナー部に、面取り部を形成したことを
   特徴とする請求項１乃至４の何れか記載の包装装置。
6. 【請求項６】 結束バンド掛け位置に対応する前記被包
   装体の緩衝材コーナー部に、凸状部を形成したことを特
   徴とする請求項１乃至４の何れか記載の包装装置。
7. 【請求項７】 可燃性冷媒が充填された被包装体を包装
   するものであって、前記可燃性冷媒の大気中での拡散方
   向となる側に通気孔を形成したことを特徴とする包装装
   置。
8. 【請求項８】 可燃性冷媒の大気中での拡散方向となる
   側に通気孔を形成した包装装置で包装され、可燃性冷媒
   が充填された機器を収納するステップと、収納された機
   器に対して、前記可燃性冷媒の大気中での拡散方向とな
   る側に設置された冷媒検出手段にて冷媒漏れを検出する
   ステップとを備えたことを特徴とする可燃性冷媒が充填
   された機器の保管方法。