WO2021015239A1 - 工具保持具、工作機械及びデータ収集システム - Google Patents

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B23Q17/00Arrangements for observing, indicating or measuring on machine tools
    • B23Q17/09Arrangements for observing, indicating or measuring on machine tools for indicating or measuring cutting pressure or for determining cutting-tool condition, e.g. cutting ability, load on tool

Abstract

工具保持具は、保持具本体と、センサとを有している。保持具本体は、工作機械のタレットに取り付けられる被取付部、及び、切削工具を保持可能な保持部を有している。センサは、保持具本体に保持されている。センサは被取付部よりも保持部の近くに位置する。

Description

工具保持具、工作機械及びデータ収集システム
 本発明は、切削工具を保持する工具保持具(ツーリング)、当該工具保持具を含む工作機械及び前記工具保持具を含むデータ収集システムに関する。
 金属などの被削材を切削加工する際に、切削加工の状態を測定することが可能な切削工具として、例えば特許文献1に記載の切削工具が知られている。また、所定の軸回りに回転可能なタレットを有する工作機械(例えば旋盤)が知られている(特許文献2)。タレットは、その外周に沿って複数の工具保持具が取り付けられる。
特開2012-20359号公報 特表2013-500872号公報
 本開示の一態様に係る工具保持具は、保持具本体と、センサと、を有している。前記保持具本体は、工作機械のタレットに取り付けられる被取付部、及び、切削工具を保持可能な保持部を有している。前記センサは、前記保持具本体に保持されており、前記被取付部よりも前記保持部の近くに位置する。
 本開示の一態様に係る工作機械は、上記工具保持具と、前記タレットと、を有している。
 本開示の一態様に係るデータ収集システムは、上記工具保持具と、前記センサから出力される信号に含まれる情報を蓄積する記憶部と、を有している。
実施形態の工作機械の要部を示す斜視図である。 図2(a)、図2(b)及び図2(c)は、工具取付穴について図1とは別の例を示す模式図である。 図3(a)、図3(b)、図3(c)、図3(d)、図3(e)及び図3(f)は、2つの工具取付穴が設けられる場合における作用の例を説明する模式図である。 図4(a)及び図4(b)は、被取付部及び取付部について図1とは別の例を示す模式的な断面図である。 図5(a)及び図5(b)は、保持部及び被保持部の例を示す模式的な断面図である。 切削工具について図1とは別の例を示す斜視図である。 ツールブロックの一例に係る模式的な断面図である。 図8(a)及び図8(b)は、センサの一例としての加速度センサ4を示す斜視図である。 データ収集システムの構成の例を示すブロック図である。
 以下、実施形態に係る工具保持具及び工作機械について図面を用いて詳細に説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、実施形態を説明する上で必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。したがって、工具保持具及び工作機械は、参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
<工作機械>
(工作機械の概略構成)
 図1は、実施形態に係る工作機械1の要部を示す斜視図である。
 図1には、便宜上、A1軸、A2軸及びA3軸からなる直交座標系を付している。この座標系は、実質的に絶対座標系であるものとし、また、この座標系と、鉛直方向及び水平方向との相対関係は任意であるものとする。
 また、図1には、B1軸、B2軸及びB3軸からなる直交座標系を付している。この座標系は、後述するツールブロック7(別の観点では後述するタレット5)に固定的な相対座標系であるものとする。各軸の向きについては後述する。
 工作機械1は、例えば、ターニングセンタ(旋盤の一種)として構成されている。工作機械1は、例えば、A1軸に平行な軸回りに回転する被削材(ここでは不図示)に対して、切削工具3としての旋削工具(バイト等)を当接させることによって被削材を切削する。また、工作機械1は、被削材の回転を停止した状態で、切削工具3としての転削工具(ドリル又はエンドミル等)を回転させて被削材を切削可能であってもよい。
 工作機械1は、切削工具3を保持するための構成として、例えば、タレット5と、タレット5に保持されるツールブロック7(工具保持具の一例)と、を有している。切削工具3は、例えば、ツールブロック7に保持される。
 タレット5は、その外周に沿って複数のツールブロック7(別の観点では複数の切削工具3)を保持可能である(図1では1つのツールブロック7のみを例示。)。そして、タレット5は、例えば、被削材の回転軸から偏心している回転軸R1回りの回転によって、被削材の切削に供される切削工具3を交換することに寄与する。ツールブロック7は、タレット5と切削工具3との間に介在する。ツールブロック7は、互いに構成が異なる複数種類のものが用意されてよい。これにより、例えば、タレット5に取り付け可能な切削工具3の種類を豊富化したり、同一の切削工具3のタレット5に対する向きを豊富化したりできる。
 なお、本実施形態の説明では、種々のツールブロック7及び種々の切削工具3を例示する。便宜上、種類が異なるツールブロック7を区別するために、「ツールブロック7A」のように、ツールブロック7の符号に大文字のアルファベットからなる付加符号を付すことがある。同様に、種類が異なる切削工具3を区別するために、「切削工具3A」のように、ツールブロック7の符号に大文字のアルファベットからなる付加符号を付すことがある。ツールブロック7の構成要素等についても同様に、大文字のアルファベットからなる付加符号を付すことがある。
 また、本実施形態の説明では、回転軸R1は、被削材の回転軸に対して、+A3側に偏心しているものとする。別の観点では、回転軸R1に対して-A3側に位置する切削工具3が被削材の切削に供されるものとする。
(タレット5)
 タレット5は、例えば、概略、回転軸R1を中心とする円盤状の部材である。回転軸R1は、例えば、被削材の回転軸に対して平行である。タレット5の外形の詳細形状、タレット5を回転軸R1回りに回転可能に支持する支持構造、及びタレット5を回転軸R1回りに回転駆動する駆動機構等は、適宜なものとされてよい。図示の例では、タレット5は、回転軸R1に平行に見て正多角形状(図示の例では正12角形)に形成されている。すなわち、タレット5は、回転軸R1回りの外周面が複数の平面によって構成されている。
 タレット5は、既述のように外周に沿って複数のツールブロック7を保持可能である。なお、タレット5は、ツールブロック7だけでなく、切削工具3を直接的に保持可能であっても構わない。ただし、以下の説明では、便宜上、タレット5による切削工具3の直接的な保持に関する事項については基本的に言及しない。
 タレット5は、ツールブロック7を保持するための構成(取付部5a)を、回転軸R1回りの外周面に有していてもよいし(図示の例)、及び/又は回転軸R1に直交する面の外周側の領域に有していてもよい。タレット5が保持可能なツールブロック7の数(取付部5aの数)は適宜に設定されてよい。図示の例では、タレット5が正12角形によって構成されていることから理解されるように、12個のツールブロック7を取り付け可能である。複数の取付部5aは、互いに同一の構成であってもよいし(図示の例)、一部又は全部が互いに異なる構成であってもよい。
 上記のように、工作機械1は、切削工具3としての転削工具(ドリル及びエンドミル等)によって被削材を切削可能であってもよい。この場合、タレット5は、切削工具3を回転させる駆動源(電動機等)を有していてもよいし、タレット5の外部からの回転を切削工具3に伝達する伝達機構を有するだけであってもよい。複数の取付部5aは、その全てが転削工具に回転を入力可能に構成されていてもよいし、一部の取付部5aのみが転削工具に回転を入力可能に構成されていてもよい。
(ツールブロック)
 ツールブロック7の全体形状は、切削工具3をいずれの向きに保持する目的のツールブロック7であるか等の具体的な事情に応じて適宜に設定されてよい。例えば、図1に示すように、ツールブロック7の全体形状は、概ね直方体状とされてよい。その他の形状としては、例えば、板状部分を含む形状、円柱状部分を有する形状等を挙げることができる。
 ここで、既述のように、ツールブロック7に固定的な直交座標系B1-B2-B3を定義する。B1軸は、回転軸R1に平行な軸であるものとする。B2軸は、回転軸R1から任意のツールブロック7への方向に平行で、B1軸(回転軸R1)に直交する軸であるものとする。換言すれば、B2軸は、任意のツールブロック7に関して、タレット5の半径方向に平行な軸であるものとする。B3軸は、B1軸及びB2軸に直交する軸であるものとする。換言すれば、B3軸は、任意のツールブロック7に関して、回転軸R1回りの円周の接線方向に平行な軸であるものとする。
 このようにB1軸、B2軸及びB3軸を定義した場合、いずれの形状にせよ、以下の第1外面7a~第6外面7fを有しているということができる。第1外面7a及び第2外面7bは、B1方向において互いに逆側に面している。第3外面7c及び第4外面7dは、B2方向において互いに逆側に面している。第5外面7e及び第6外面7fは、B3方向において互いに逆側に面している。なお、ツールブロック7の形状によっては、いずれかの面の面積が極めて小さい場合もある。
 上記の各外面は、平面状であってもよいし、曲面状であってもよい。また、各方向(B1~B3)と、その方向に面している面とは、直交していてもよいし、直交していなくてもよい。図示の例では、第1外面7a及び第2外面7bは、B1軸に直交しており、かつ平面状である。第3外面7c及び第4外面7dは、B2軸に直交しており、かつ平面状である。第5外面7e及び第6外面7fは、B3軸に直交しており、かつ平面状である。
 ツールブロック7は、基本的な構成として、タレット5の取付部5aに取り付けられる被取付部9(9A)と、切削工具3を保持可能な保持部11と、を有している。被取付部9及び保持部11の構成は、後に例示するように、種々の構成とされてよい。ただし、本実施形態の説明では、保持部11の構成としては、切削工具3の一部が挿入される工具取付穴11hを有するものを例に取る。
 切削工具3が工具取付穴11hに挿入されることによって、例えば、切削工具3の軸方向は、工具取付穴11hの開口方向に一致する。従って、以下の説明において、工具取付穴11hの開口方向の語は、切削工具3の軸方向の語に置換されてよい。
 なお、ここでいう切削工具3の軸方向は、例えば、一般的な棒状の旋削工具(バイト等)において当該旋削工具の長手方向とされる方向である。別の観点では、例えば、旋削工具が被削材の回転軸回りの外周面を切削するものである場合においては、通常、切削工具3の軸方向は、被削材の回転軸に直交する方向である。また、例えば、旋削工具が穴ぐりを行うものである場合においては、切削工具3の軸方向は、通常、被削材の回転軸に平行な方向である。また、切削工具3がアングルヘッドでない転削工具(ドリル及びエンドミル等)である場合においては、切削工具3の軸方向は、転削工具の回転軸に平行な方向である。
(工具取付穴)
 座標系B1-B2-B3と工具取付穴11hの開口方向との相対関係が互いに異なる複数種類のツールブロック7を用意することによって、切削工具3の向きが多様化される。また、タレット5が切削工具3を直接的に保持可能な場合においては、タレット5が切削工具3を保持する向きとは異なる向きでツールブロック7が切削工具3を保持することによって、切削工具3の向きを多様化できる。向きについて述べたが、位置等についても同様のことがいえる。切削工具3の向き等の種類について、以下に例示する。
 図1に示すツールブロック7Aでは、工具取付穴11hは、B1方向に開口している。より詳細には、工具取付穴11hは、+B1側に面している第1外面7aに開口している。このような工具取付穴11hに取り付けられる切削工具3としては、例えば、タレット5に対して+B1側に位置している被削材に対して中ぐりを行う旋削工具、及び被削材に対して転削加工を行う転削工具を挙げることができる。なお、特に図示しないが、B1方向に開口している工具取付穴11hは、-B1側に(第2外面7b)に開口していても構わない。
 図2(a)~図2(c)は、工具取付穴11hの他の例を示す図である。
 図2(a)に示すツールブロック7Bでは、工具取付穴11hは、B2方向に開口している。より詳細には、工具取付穴11hは、+B2側に面している第3外面7cに開口している。このような工具取付穴11hに取り付けられる切削工具3としては、例えば、タレット5に対して+B2側に位置している被削材の外周面を旋削する旋削工具(そのような旋削工具で端面加工が行われてもよい)、被削材に対して転削加工を行う転削工具を挙げることができる。なお、特に図示しないが、ツールブロック7BにB1方向又はB3方向に延在する部分を設け、当該部分に-B2側に開口する工具取付穴11hを設けることも不可能ではない。
 図2(b)に示すツールブロック7Cでは、工具取付穴11h(保持部11)が2つ設けられている。より詳細には、この2つの工具取付穴11hは、B1方向において並んでいる。換言すれば、2つの工具取付穴11hは、タレット5の回転軸R1に平行な方向の位置が互いに異なっている。2つの工具取付穴11hは、例えば、ツールブロック7Bにおける工具取付穴11hと同様に、+B2側に(第3外面7cに)開口している。
 なお、特に図示しないが、3つ以上の工具取付穴11hがB1方向の位置を互いに異ならせて設けられていてもよい。また、B1方向の位置が互いに異なる2つ以上の工具取付穴11hのB3方向及び/又はB2方向の位置は、図示の例とは異なり、互いにずれていても構わない。また、2つ以上の工具取付穴11hは、いずれか又は全てがB1方向に開口していても構わない。2つ以上の保持部11は、その構成(切削工具3の保持機構及び大きさ等)が互いに異なっていてもよいし、互いに同一であってもよい。
 図2(c)に示すツールブロック7Dでは、ツールブロック7Bと同様に、工具取付穴11h(保持部11)が2つ設けられている。ただし、この例では、2つの工具取付穴11hは、B3方向において並んでいる。換言すれば、2つの工具取付穴11hは、タレット5の回転方向(別の観点では接線方向)の位置が互いに異なっている。2つの工具取付穴11hは、例えば、ツールブロック7Bにおける工具取付穴11hと同様に、+B2側に(第3外面7cに)開口している。
 なお、特に図示しないが、3つ以上の工具取付穴11hがB3方向の位置を互いに異ならせて設けられていてもよい。また、B3方向の位置が互いに異なる2つ以上の工具取付穴11hのB1方向及び/又はB2方向の位置は、図示の例とは異なり、互いにずれていても構わない。また、2つ以上の工具取付穴11hは、いずれか又は全てがB1方向に開口していても構わない。2つ以上の保持部11は、その構成(切削工具3の保持機構及び大きさ等)が互いに異なっていてもよいし、互いに同一であってもよい。
 既に触れたように、3つ以上の工具取付穴11hが設けられてよい。この場合において、例えば、図2(b)の例と図2(c)の例とが組み合わされてよい。例えば、B1軸及びB3軸に平行な隣辺を有する直角三角形の頂点に3つの工具取付穴11hが配置されてもよいし、B1軸及びB3軸に平行な4辺を有する矩形の頂点に4つの工具取付穴11hが配置されてもよい。
 図3(a)~図3(f)は、2つの工具取付穴11hが設けられる場合における作用の例を説明する模式図である。なお、図3(a)~図3(f)の説明では、切削工具3として、旋削工具を例示するが、切削工具3は、転削工具であっても構わない。
 図3(a)及び図3(b)は、図2(a)のツールブロック7Cの作用を例示している。
 図3(a)では、ツールブロック7Cに対して+B1側に位置しているメインスピンドル13Aによって被削材101の+B1側部分が保持されている。被削材101は、メインスピンドル13Aの回転によって回転軸R0回りに回転されている。そして、ツールブロック7Cに保持されている2つの切削工具3のうち、+B1側に位置している切削工具3としての旋削工具によって被削材101の外周面が切削されている。
 その後、図3(b)に示すように、被削材101は、メインスピンドル13Aからサブスピンドル13Bに受け渡される。サブスピンドル13Bは、メインスピンドル13Aに対して同軸的に、かつメインスピンドル13Aに対して-B1側に設けられており、被削材101の-B1側部分を保持する。被削材101は、サブスピンドル13Bの回転によって回転軸R0回りに回転される。そして、ツールブロック7Cに保持されている2つの切削工具3のうち、-B1側に位置している切削工具3としての旋削工具によって被削材101の外周面が切削される。
 図3(b)において切削される部分は、例えば、図3(a)の切削において、メインスピンドル13Aに保持されていたことなどによって切削ができなかった部分である。このように、ツールブロック7Cは、例えば、被削材101のB1方向の全体を切削することに寄与する。
 図3(c)及び図3(d)は、図2(b)のツールブロック7Dの作用を例示している。
 図3(c)では、ツールブロック7Dに保持されている2つの切削工具3のうち、+B3側に位置している切削工具3としての旋削工具によって被削材101の外周面が切削されている。その後、図3(d)に示すように、タレット5は、+B3側へ平行移動される。そして、ツールブロック7Dに保持されている2つの切削工具3のうち、-B3側に位置している切削工具3としての旋削工具によって被削材101の外周面が切削される。
 このように、ツールブロック7Dは、タレット5によって交換可能な切削工具3の数をタレット5の取付部5aの数よりも多くすることに寄与する。なお、この作用は、タレット5又は被削材101(被削材101を保持するスピンドル)がA2方向(ここではB3方向)に平行移動可能であることが前提となる。
 図3(e)及び図3(f)は、図2(b)のツールブロック7Dの作用の他の例を示している。なお、図3(c)及び図3(d)の作用を奏するツールブロック7Dと、図3(e)及び図3(f)の作用を奏するツールブロック7Dとは、厳密には異なる構成であるが、便宜上、同一の符号を付すものとする。
 図3(e)では、ツールブロック7Dに保持されている2つの切削工具3のうち、+B3側に位置している切削工具3としての旋削工具によって被削材101の外周面が切削されている。その後、図3(f)に示すように、タレット5は、ツールブロック7Dが+B3側へ移動する向きで、回転軸R1(図1)回りに回転される。そして、ツールブロック7Dに保持されている2つの切削工具3のうち、-B3側に位置している切削工具3としての旋削工具によって被削材101の外周面が切削される。
 このように、ツールブロック7Dは、タレット5が平行移動可能な場合と同様に、タレット5によって交換可能な切削工具3の数をタレット5の取付部5aの数よりも多くすることに寄与する。なお、この作用は、360°を取付部5aの数で割った角度(取付部5aのピッチ。図示の例では30°)よりも小さい角度(例えば図示の例では15°)でタレット5の回転位置を位置決め可能であることが前提となる。
(被取付部)
 ツールブロック7の被取付部9及びタレット5の取付部5aの構成は、適宜な構成とされてよい。以下では、いくつかの例について説明する。なお、以下の説明では、ツールブロック7がタレット5の外周面に取り付けられるものとして説明する。ただし、以下の説明は、ツールブロック7が回転軸R1に交差する面に取り付けられる場合にも適用可能である。
 図1に示す被取付部9Aは、ねじ15が挿通される孔部(ねじ15に隠れて不図示)を有している。このねじ15がタレット5に設けられた雌ねじ部16に螺合されることによって、ツールブロック7は、タレット5に対して固定される。なお、ねじ15を含んで被取付部9Aが定義されたり、又はねじ15を含んで取付部5aが定義されてもよい。
 図4(a)及び図4(b)は、被取付部9及び取付部5aについて他の例を示す模式的な断面図である。なお、被取付部9及び取付部5a等について、図1とは具体的な構成が異なる場合においても、便宜上、図1と同様の符号を用いることがある。
 図4(a)では、いわゆるVDI方式の構成が例示されている。この例では、タレット5の取付部5aは、タレット5の外周面にて+B2側へ開口するブロック取付穴5h(図1も参照)を有している。ツールブロック7の被取付部9Bは、ブロック取付穴5hに概ね嵌合する形状及び大きさの軸状部とされている。そして、被取付部9Bは、タレット5に挿通されたピン17によってブロック取付穴5hの内面に押し付けられて固定される。ピン17は、例えば、図4(a)の紙面に直交する方向に傾斜する方向に延びている部材であり、ピン17の長手方向に挿通されているねじ19のタレット5に対する螺合によって被取付部9Bに押し当てられる。ピン17と被取付部9Bとの互いに当接する面には、互いに噛み合う複数の歯が形成されていてよい。
 図4(b)では、いわゆるテーパシャンクを用いた構成が例示されている。この例では、タレット5のブロック取付穴5hは、奥側ほど径が縮小するテーパ状とされている。また、ツールブロック7の被取付部9Cは、ブロック取付穴5hに概ね嵌合する形状及び大きさの軸状部とされている。また、被取付部9Cは、先端側(ブロック取付穴5hの奥側)ほど径が小さくなるテーパ状とされている。そして、被取付部9Cは、タレット5に設けられたクランプ機構21によってブロック取付穴5h内に引き込まれる。なお、クランプ機構21の構成は適宜なものとされてよい。図示の例では、クランプ機構21は、被取付部9Cの内部に対して係合しているが、被取付部9Cの外部(プルスタッド等)に係合してもよい。図示の例では、被取付部9Cは、テーパ面の軸方向における長さが比較的短い(例えばテーパ面の最大径の1.5倍以下)のショートシャンクとされている。
(保持部)
 ツールブロック7の保持部11、及び切削工具3のうちの保持部11に保持される被保持部23(図1)の構成は、適宜な構成とされてよい。以下では、いくつかの例について説明する。
 まず、図4(a)及び図4(b)に例示した取付部5a及び被取付部9の原理は、保持部11及び被保持部23に援用されてよい。すなわち、切削工具3の被保持部23は、工具取付穴11h(図1)に挿入され、VDI方式又はテーパシャンク方式の保持機構によってツールブロック7に保持されてよい。なお、被保持部23は、ショートシャンクのように比較的短くてもよいし、比較的長くてもよい。
 図5(a)及び図5(b)は、保持部11及び被保持部23について他の例を示す模式的な断面図である。なお、保持部11及び被保持部23等について、図1とは具体的な構成が異なる場合においても、便宜上、図1と同様の符号を用いることがある。
 図5(a)では、ねじ25を用いた構成が例示されている。具体的には、例えば、ねじ25は、保持部11に形成された貫通孔状の雌ねじ部(符号省略)に螺合されている。一方、被保持部23は、工具取付穴11hに挿入されて、その側面をねじ25に向けている。被保持部23の側面には、ねじ25の先端が差し込まれる穴(符号省略)が形成されている。この穴及びねじ25の先端は、被保持部23の内側ほど径が小さくなるテーパ面を有している。ねじ25がねじ込まれると、両テーパ面の間の接触圧が増大する。これにより、被保持部23が工具取付穴11hの開口方向において位置決めされる。また、被保持部23が工具取付穴11hの内面のねじ25とは反対側の領域に押し付けられて、工具取付穴11hの径方向においても位置決めされる。
 図5(b)では、保持部11は、チャックによって構成されている。図示の例では、チャックは、コレットチャックの一種であり、コレット29と、ナット27と、を有している。コレット29は、切削工具3の被保持部23の外周に位置しているとともに、径方向において収縮可能に分割されている。ナット27は、ツールブロック7の保持部11に形成された雄ねじ部(符号省略)に螺合されており、螺合に伴う軸方向の移動によって、コレット29の外面のテーパ面を介してコレット29を径方向内側に押圧する。これにより、コレット29と被保持部23の外周面との接触圧が増大し、被保持部23は保持される。
 複数のツールブロック7が用意され、同一のタレット5に取り付けられる場合において、複数のツールブロック7は、その一部又は全部において、保持部11の構成が互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
(切削工具)
 切削工具3は、種々の構成のものとされてよく、例えば、既に言及しているように、旋削工具であってもよいし、転削工具であってもよい。ここでは、被削材101(図3(a))の外周面を切削する旋削工具について例示する。
 図6は、切削工具3(3B)の斜視図である。この図では、便宜上、切削工具3に固定的な直交座標系C1-C2-C3が付されている。C1軸は、切削工具3における既述の軸方向(別の観点では工具取付穴11hの開口方向)に平行な軸である。C2軸は、C1軸に直交する軸であり、いわゆる送り方向に基本的に平行な軸である。C3軸は、C1軸及びC2軸に直交する軸である。切削加工時に切削工具3に加わる切削負荷のうち主要な負荷である主分力は、基本的に-C3側に向かって加わる。
 切削工具3は、ツールブロック7に取り付けられる概略棒状のホルダ31と、ホルダ31に保持されているインサート33と、を有している。切削工具3は、回転している被削材101にインサート33を当接させることによって切削を行う。
(ホルダ)
 ホルダ31は、例えば、基体35と、インサート33を基体35に着脱するための着脱機構37と、を含んでいる。
 基体35は、例えば、鋼又は鋳鉄等の金属によって一体的に構成されている。基体35は、インサート33を保持する固定部35aと、既述の被保持部23と、両者の間に介在する中間部35bと、を有している。
 固定部35aは、例えば、インサート33の種類及び/又は加工の種類等に応じた適宜な形状とされている。例えば、固定部35aは、被保持部23及び中間部35bのC1軸に平行な中心線に対して適宜な方向(図示の例では+C2側)に突出する部分を有する形状とされている。固定部35aにおけるインサート33を保持する部分の形状及び大きさは適宜なものとされてよい。図示の例では、固定部35aは、インサート33の少なくとも一部が収容される凹部39を有している。このような凹部39は、一般的には、ポケットと呼ばれる。凹部39の位置、形状及び大きさは、取り付けられるインサート33の形状及び大きさに応じて適宜に設定されてよい。図示の例では、凹部39は、+C1側、+C2側かつ+C3側の角部に構成されており、その形状は、概略、直方体状である。
 中間部35bの形状及び大きさは適宜に設定されてよい。例えば、中間部35bは、C1方向を高さ方向とする直柱状とされてよい。直柱状は、高さ(C1方向の長さ)が径((C2-C3平面における長さ)よりも小さいものも含むものとする。また、直柱状は、例えば、四角柱状(図示の例)又は円柱状(円盤状を含む)とされてよい。また、中間部35bは、被保持部23及び/又は固定部35aよりも径が小さくてもよいし、同等でもよいし、大きくてもよい。中間部35bは、自動工具交換装置(ATC)が把持するための形状(例えば円盤の外周面に溝が形成されている形状)を有していてもよい。
 着脱機構37の構成も種々のものとされてよい。図示の例では、基体35(凹部39の内面)とでインサート33を挟み込むクランプ41と、クランプ41に挿通され、基体35に螺合されるねじ43と、が設けられている。ねじ43が基体35にねじ込まれることにより、インサート33は基体35とクランプ41とに締め付けられて、ホルダ31に固定される。図示の例以外の構成としては、例えば、インサート33に挿通されたねじを基体35に螺合する構成が挙げられる。
(インサート)
 インサート33は、スローアウェイチップとも呼ばれる。インサート33は、その一部又は全部によって、切削に直接に寄与する刃部33aを構成している。
 刃部33aは、例えば、切刃33bと、切刃33bを稜線として互いに交差するすくい面33c及び逃げ面33dと、を有している。切刃33bは、刃部33aのうち被削材の切削に直接に寄与する。すくい面33cも切削に直接寄与し得る部分であり、また、切屑が流れる領域を有している。逃げ面33dは、刃部33aと切削仕上げ面との不必要な接触をさけることに寄与する。
 図示の例では、すくい面33cは、C1方向に見てC2方向に対して所定のすくい角で傾斜している。別の観点では、すくい面33cは、その法線をC3方向に対して傾斜させつつも+C3側に面している。また、逃げ面33dは、C1方向に見て、C3方向に対して所定の逃げ角で傾斜している。別の観点では、逃げ面33dは、その法線をC2方向に傾斜させつつも+C2側に面している。
 インサート33の形状は、加工の種類等に応じて種々のものとされてよい。図示の例では、インサート33の形状は、四角板形状とされている。この他にも、インサート33の形状としては、三角板形状及び六角板形状等の種々のものを挙げることができる。
 インサート33の大きさは特に限定されない。寸法の一例を挙げると、例えば、すくい面33cの一辺の長さは、3mm以上20mm以下とされてよい。また、例えば、すくい面33cに直交する方向で示されるインサート33の高さは、5mm以上20mm以下とされてよい。
 インサート33の材料も特に限定されない。例えば、インサート33の材料としては、超硬合金及びサーメットなどが挙げられる。超硬合金の組成としては、例えば、WC-Co、WC-TiC-Co及びWC-TiC-TaC-Coが挙げられる。ここで、WC、TiC、TaCは硬質粒子であり、Coは結合相である。また、サーメットは、セラミック成分に金属を複合させた焼結複合材料である。具体的には、サーメットとして、炭化チタン(TiC)及び/又は窒化チタン(TiN)を主成分としたチタン化合物が挙げられる。
 インサート33の表面は、化学蒸着(CVD)法、又は物理蒸着(PVD)法を用いて被膜でコーティングされていてもよい。被膜の組成としては、炭化チタン(TiC)、窒化チタン(TiN)、炭窒化チタン(TiCN)及びアルミナ(Al2O3)などが挙げられる。
 以上のような切削工具3Bは、例えば、C1軸、C2軸及びC3軸がB2軸、B1軸及びB3軸にそれぞれ平行になるようにツールブロック7に取り付けられる。そして、図3(a)~図3(f)に例示したように、切削が行われる。
(ツールブロックのセンシングに係る構成)
 図7は、ツールブロック7の模式的な断面図である。ここでは、具体的には、図2(b)に示したツールブロック7Cを例に取っており、図7は、図2(b)のVII-VII線に対応している。
 ツールブロック7は、既述の被取付部9(ここでは図示省略)及び保持部11を有しているブロック本体45と、ブロック本体45に保持されたセンサ47と、を有している。センサ47は、ブロック本体45内に位置してもよい。ツールブロック7は、センサ47が検出した物理量の情報を外部へ送信する通信部49と、センサ47及び通信部49に電力を供給するバッテリ51と、をさらに有してもよい。このようにしてツールブロック7は多機能化されている。
(保持体)
 ブロック本体45は、例えば、ブロック本体45の主体となる基体53と、基体53に取り付けられるカバー55と、を有している。基体53は、例えば、センサ47及び通信部49を収容する空間(図7に示す一例では凹部57)を有している。カバー55は、凹部57を塞いでいる。なお、空間は、凹部ではなく、貫通孔によって構成されるなどしてもよい。
(基体)
 基体53は、ブロック本体45の大部分を構成しており、その外形については、既述のツールブロック7の形状の説明が援用されてよい。なお、以下の説明では、基体53のうち、既述の第1外面7a、第2外面7b、第3外面7c、第4外面7d、第5外面7e及び第6外面7fに対応する面を第1外面53a、第2外面53b、第3外面53c、第4外面53d、第5外面53e及び第6外面53fということがある。
 基体53は、一体的に形成されていてもよいし、複数の部材が組み合わされて構成されていてもよい。基体53の材料は任意である。例えば、基体53の材料としては、鋼、鋳鉄などの金属が挙げられる。
 凹部57の位置、形状及び大きさは適宜に設定されてよい。例えば、図示の例では、凹部57は、タレット5に対向して当接する面(第4外面53d)に開口している。もちろん、凹部57は、第4外面53d以外のいずれかの面(53a~53c、53e又は53f)に開口していてもよい。また、凹部57は、互いに交差する2面以上に亘って開口していてもよい。
 また、例えば、凹部57の開口面積は、凹部57が開口する面(ここでは第4外面53d)の面積(凹部57が存在しないと仮定した場合の面積)の1/2未満であってもよいし、1/2以上であってもよい。また、例えば、凹部57の深さ(ここではB2方向の長さ)は、凹部57の深さ方向における基体53の厚さの1/2未満であってもよいし、1/2以上であってもよい。
 また、例えば、凹部57は、直方体状であってもよいし、円柱状であってもよい。また、例えば、凹部57は、深さ等が互いに異なる部位を有し、各部位に1つ又は2以上の要素(ここではセンサ47、通信部49及びバッテリ51)が収容されていてもよい。これまで、凹部57は一つであるものとして説明したが、複数の凹部57が互いに別個に基体53の外面に開口し、各凹部57に1つ又は2以上の要素が収容されていてもよい。
(カバー)
 カバー55の形状、大きさ及び材料は任意である。例えば、カバー55は、概略平板状とされてよい。その平面視における形状及び大きさについては、上述の凹部57の開口の形状及び大きさの説明が援用されてよい。また、例えば、カバー55の材料としては、基体53の材料として挙げたものが用いられてもよいし、その他の材料(例えば樹脂)が用いられてもよい。カバー55の基体53に対する固定方法も任意であり、例えば、ねじが用いられてもよいし、溶接がなされてもよい。
(センサ)
 センサ47は、切削加工時における切削工具3(及び/又はツールブロック7。以下、同様。)の状態を測定することが可能な部材である。切削工具3の状態としては、例えば、温度、加速度、振動、ひずみ、内部応力及び損耗などの物理量が挙げられる。切削工具3の状態を測定するとは、切削工具3における上記に代表される物理量の少なくともいずれか1つの情報を測定することを意味する。また、測定の対象は、静的な状態での情報に限定されず、動的な状態での情報、すなわち、状態の変化であってもよい。
 例えば、測定対象の情報を温度とする。また、切削加工前のブロック本体45の温度が20°であって、切削加工時にブロック本体45の温度が80°に上昇したとする。このとき、切削加工前のブロック本体45の温度である20°が、温度に関する静的な状態での情報である。また、20°から80°へのブロック本体45の温度の上昇が、温度に関する動的な状態での情報である。これらの情報のいずれか一方が測定されてもよく、また、両方が測定されてもよい。
 例えば、センサ47が熱電対を含む場合には、ブロック本体45の温度を測定することが可能である。ブロック本体45の温度を測定することによって、通信部49及びバッテリ51などの温度監視を間接的に行ってもよい。この場合には、例えば通信部49が有する電子基板への影響を把握できる。センサ47がピエゾ素子を用いた圧電センサを含む場合にも、加速度、振動、ひずみ及び内部応力などを測定することが可能である。また、センサ47は、センサとして機能する配線回路を含んでいてもよい。具体的には、ブロック本体45の損耗に伴って配線回路が損耗し、この回路の抵抗値が変化した場合に、この抵抗値の変化によってブロック本体45の損耗状態を測定してもよい。
 なお、センサ47で測定され得る切削工具3の状態は上記の物性値に限定されない。また、センサ47は上記の具体例に限定されるものではなく、上に例示した物性値を測定できる特に記載していない他の素子を用いてもよい。例えば、カメラ及びマイクが挙げられる。また、上記の説明から理解されるように、センサ47の形状は任意である。図では、センサ47を断面視で矩形状に示しているが、そのような形状に限定されない。
 センサ47は、物理量を電気信号に変換するトランスデューサーの部分だけであってもよいし(狭義のセンサであってもよいし)、トランスデューサーに加えて増幅器等を含んでいてもよい。また、センサ47は、例えば、測定された物理量に対してエッジ処理を行うことが可能なマイクロコンピューターを含んでもよい。また、センサ47は、電力を消費するものであってもよいし、電力を消費しないものであってもよい。なお、本開示の説明では、基本的に、センサ47として、電力を消費するものを例に取る。
 センサ47のブロック本体45(基体53)に対する固定方法は、センサ47の種類等に応じて適宜なものとされてよい。例えば、当該固定は、接着剤によってなされてもよいし、粘着テープによってなされてもよいし、直接的な接合によってなされてもよいし、ねじによってなされてもよいし、爪(係合)によってなされてもよいし、カバー55によって押さえ付けられることによってなされてもよい。また、特に図示しないが、センサ47は、凹部57に充填された封止材(例えば樹脂)によって封止されつつ(埋設されつつ)、基体53に固定されてもよい。
(通信部)
 通信部49は、センサ47に有線接続されており、センサ47で測定された物理量の情報が通信部49に伝達される。通信部49に伝達された情報は、通信部49から切削工具3の外部へ向けて無線で送信される。通信部49は、基本的には、電力を消費する。
 センサ47及び通信部49を有線接続する不図示の接続部としては、例えば、導体を用いた配線及び回路が挙げられる。なお、センサ47から通信部49への情報の伝達は、上記に限定されず、例えば、光配線を用いて行われてもよい。
 通信部49が行う無線通信としては、例えば、電波を用いたものが挙げられる。この場合、通信部49は、例えば、センサ47からの電気信号(又はセンサ47からの光信号等に基づく電気信号)に対して変調及び周波数の引き上げ(搬送波周波数を有する高周波信号への変換)を行い、その後、アンテナによって高周波信号を電波に変換して送信する。なお、無線通信は、上記に限定されず、例えば、光を用いたものであってもよい。
 また、通信部49が送信する無線信号が届く範囲(通信部49が直接に無線通信を行う範囲)は、狭くてもよいし、広くてもよい。例えば、上記範囲は、工作機械の周囲をカバーできる範囲であってもよいし、1つの工場(建屋)をカバーできる範囲であってもよいし、複数の工場が建てられている1つの敷地をカバーできる範囲であってもよいし、市町村等の地域をカバーできる範囲であってもよいし、それよりも広い範囲であってもよい。
 通信部49のブロック本体45(基体53)に対する固定方法については、上述したセンサ47のブロック本体45に対する固定方法の説明が援用されてよい。また、通信部49の固定方法と、センサ47の固定方法とは、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
(バッテリ)
 バッテリ51の種類、蓄電可能な電力量、形状及び寸法等は適宜に設定されてよい。例えば、バッテリ51の種類としては、リチウムイオン電池を挙げることができる。また、バッテリ51が蓄電可能な電力量は、ツールブロック7内の要素(ここではセンサ47及び通信部49)を駆動可能な時間に換算して、1時間未満であってもよいし、1時間以上であってもよいし、1日以上であってもよいし、1週間以上であってもよい。
(加速度センサ)
 上述のように、センサ47は、種々の物理量に対応したものとされてよい。ここでは、センサ47として、加速度を検出する加速度センサを例示する。
 図8(a)は、センサ47の一例としての加速度センサ47Aを示す斜視図である。図8(b)は、加速度センサ47Aを図8(a)とは別の方向から見た斜視図である。これらの図には、便宜上、D1軸、D2軸及びD3軸からなる直交座標系を付している。この座標系は、加速度センサ47Aに固定的な相対座標系であるものとする。
 加速度センサ47Aは、D1軸、D2軸及びD3軸それぞれの加速度を検出可能な3軸加速度計として構成されている。加速度センサ47Aは、例えば、外力(加速度)が加えられると、その外力に応じた変形を生じる。この変形に応じた加速度センサ47A内の抵抗値の変化によって加速度が検出される。具体的には、以下のとおりである。
 加速度センサ47Aは、例えば、重り部61と、重り部61を囲む枠状の固定部63と、重り部61と固定部63とに掛け渡される複数の梁部65と、複数の梁部65に位置している複数の抵抗素子67(67-1、67-2及び67-3)と、を有している。重り部61、固定部63及び梁部65は、例えば、シリコン基板を加工することによって一体的に形成されている。抵抗素子67は、例えば、シリコン基板の表面にボロンを打ち込むことにより形成されたピエゾ抵抗素子である。
 複数の梁部65としては、D1方向に延びており、重り部61を挟んで互いに直列な1対の梁部65と、D2方向に延びており、重り部61を挟んで互いに直列な1対の梁部65と、が設けられている。D1方向に延びる各梁部65には、D1方向の加速度を検出するための2つの抵抗素子67-1が梁部65に沿って設けられている。また、D1方向に延びる各梁部65には、D3方向の加速度を検出するための2つの抵抗素子67-3も梁部65に沿って設けられている。D2方向に延びる各梁部65には、D2方向の加速度を検出するための2つの抵抗素子67-2が梁部65に沿って設けられている。各方向に対応する4つの抵抗素子67は、例えば、ブリッジ回路(ただし、抵抗素子67-1及び67-2のブリッジ回路と、抵抗素子67-3のブリッジ回路と、は異なる。)を構成するように結線され、固定部63に位置しているパッド69に接続されている。
 加速度センサ47Aに加速度が加えられると固定部63に対して重り部61が動き、それに伴って梁部65が変形し、抵抗素子67も変形する。抵抗素子67は、変形に起因する抵抗値の変化を反映した信号を生成し、パッド69へ出力する。抵抗素子67-1は、重り部61のD1方向への変位(別の観点ではD1方向の加速度)に応じた信号を生成する。抵抗素子67-2は、重り部61のD2方向への変位(D2方向の加速度)に応じた信号を生成する。抵抗素子67-3は、重り部61のD3方向への変位(D3方向の加速度)に応じた信号を生成する。
 このように、加速度センサ47Aは、加速度の互いに異なる方向(D1、D2及びD3)の成分を個別に検出する。なお、加速度センサ47Aは、3軸の加速度を検出可能な1つのセンサ47として構成されている。ただし、図示の例とは異なり、それぞれ1軸の加速度を検出可能な3つの加速度センサが互いに異なる向きで配置されて、3軸の加速度を検出可能なセンサ47が構成されていてもよい。この場合において、例えば、3つの加速度センサは、互いに同一の凹部57に収容されてもよいし、互いに異なる凹部57に収容されても構わない。
 加速度は、ベクトル量として捉えることができる。ベクトル量としては、加速度の他、例えば、変位、速度、歪及び力を挙げることができる。これらのベクトル量についても、互いに異なる方向の成分を個別に検出可能なセンサ47が設けられてもよい。
(センサの位置)
 図7に戻る。センサ47のブロック本体45に対する位置は、適宜に設定されてよい。例えば、ブロック本体45の工具取付穴11hが開口している外面(図7の例では第3外面7c)を第1面とし、その背面(図7の例では第4外面7d)を第2面とする。このとき、センサ47は、第2面との距離が第1面との距離よりも短くてもよいし(図7の例)、長くてもよい。
 なお、図1の例では、第1面は第1外面7aであり、第2面は第2外面7bである。また、第1面又は第2面との距離は、最短距離であり、別の観点では、第1面又は第2面に直交する方向の長さである。第2面がタレット5側の面(第4外面7d)である場合において、ブロック取付穴5hに挿入される部分(図4(a)の被取付部9B及び図4(b)の被取付部9C)は無視されてよい。第1面におけて工具取付穴11hは無いものとして第1面との距離が特定されてよい。第1面又は第2面に凹凸が存在する場合は、例えば、最も面積が広い領域を延長した仮想面を基準としてよい。以下の被取付面についても同様である。
 また、例えば、被取付部9においてブロック本体45のタレット5に対向して当接する外面(第4外面7d)を被取付面とする。このとき、センサ47は、工具取付穴11hとの距離d1が被取付面との距離よりも短くてもよいし(図7の例)、長くてもよい。センサ47から工具取付穴11hまでの距離d1が相対的に短い場合には、切削工具3の状態をより一層高い精度で測定することが可能である。
 なお、工具取付穴11hとの距離は最短距離である。当該距離の方向は、センサ47と工具取付穴11hとの位置関係に応じて決まり、図7の例では、B1軸及びB2軸に対して傾斜している。一方、被取付面との距離(最短距離)は、被取付面と直交する方向の距離となる。距離d1の測定において、工具取付穴11hは、切削工具3を挿入可能な範囲として定義されてよく、工具取付穴11hにつながっている他の穴(例えばクランプ機構が配置される穴)は無視されてよい。
 また、例えば、ブロック本体45が所定方向(図7の例ではB1方向)の位置が互いに異なる2つの工具取付穴11h(別の観点では保持部11)を有している場合において、センサ47は、2つの工具取付穴11hに対して共通に一つのセンサ47が設けられてもよいし(図7の例)、2つの工具取付穴11h毎にセンサ47が設けられてもよい。前者の場合において、センサ47は、2つの工具取付穴11hに対して概ね等距離で位置していてもよいし(図7の例)、一方の工具取付穴11hの近くに位置していてもよい。
 図7の例では、B1方向に直交する方向(例えばB2方向又はB3方向)に透視したときに、センサ47は、B1方向において2つの工具取付穴11hの間に位置している。図示の例のセンサ47は、B1方向において、2つの工具取付穴11hの間隔よりも小さく、その全体が2つの工具取付穴11hの間に位置している。センサ47が間隔よりも大きい場合も考慮して換言すると、図示の例では、センサ47は、B1方向において、少なくとも中心が2つの保持部11の間に位置していると言える。
 加速度センサ47Aによって例示したように、センサ47がベクトル量の互いに異なる検出方向の成分を個別に検出可能である場合において、タレット5、ツールブロック7、切削工具3及び/又は刃部33aに対するセンサ47の向き(検出方向の向き)は、適宜に設定されてよい。
 例えば、工具取付穴11hを有しているブロック本体45においては、工具取付穴11hが開口している方向(図7の例ではB2方向)と、この開口方向に直交する方向(図7の例ではB1方向又はB3方向等)との2軸を概念することができる。そして、互いに直交する2軸方向(例えばD1方向及びD2方向)の成分を検出可能なセンサ47は、後者の2軸(2つの検出方向)と前者の2軸(開口方向に基づく2軸)とがそれぞれ平行になる向きで、ブロック本体45に固定されてよい。例えば、D1方向と開口方向とが平行、かつD2方向と開口方向に直交する方向とが平行とされてよい。
 また、ブロック本体45が概略直方体状である場合においては、各面に直交する3軸(B1軸、B2軸及びB3軸)を概念することができる。このとき、ベクトル量の互いに直交する3軸(D1軸、D2軸及びD3軸)の成分を個別に検出するセンサ47は、後者の3軸が前者の3軸にそれぞれ平行になる向きで、ブロック本体45に固定されてよい。例えば、D1軸とB1軸とが平行、D2軸とB2軸とが平行、かつD3軸とB3軸とが平行とされてよい。
 また、刃部33aにおいても、すくい面33c及び逃げ面33dの向きから、及び/又は切削時の動作から、3軸(C1軸、C2軸及びC3軸)を概念することができる。このとき、ベクトル量の互いに直交する3軸(D1軸、D2軸及びD3軸)の成分を個別に検出するセンサ47は、後者の3軸が前者の3軸にそれぞれ平行になる向きで、ブロック本体45に固定されてよい。
<切削工具の応用例>
 図9は、ツールブロック7の応用例としてのデータ収集システム71の構成を示すブロック図である。
 データ収集システム71は、工作機械1と、切削工具3と、ツールブロック7のセンサ47が検出した情報を処理する情報処理装置73と、を有している。
 ここでは、切削工具3を工作機械1とは別個の要素として概念している。ただし、切削工具3も工作機械1の一部として捉えられても構わない。また、ここでは、切削工具3及び工作機械1をデータ収集システム71の要素として概念している。ただし、ツールブロック7及び情報処理装置73によって(タレット5等を除いて)データ収集システム71が構成されていると捉えられてもよい。
 工作機械1は、旋盤等の種々の公知の工作機械と同様とされて構わない。図示の例では、工作機械1と情報処理装置73との間で信号の送信及び/又は受信がなされることを示す矢印が描かれている。ただし、工作機械1は、そのような送信及び/又は受信がなされない構成、又はできない構成であってもよい。
 情報処理装置73は、工作機械1に対して比較的近くに配置されてもよいし、比較的遠くに配置されてもよい。また、情報処理装置73は、複数の場所に分散して配置された複数のハードウェアによって構成されていてもよい。例えば、情報処理装置73の一部又は全部は、工作機械1に隣接して配置されていてもよいし、工作機械1が配置されている工場(建屋)内で工作機械1から離れて配置されていてもよいし、上記の工場が建てられている敷地と同一の敷地内の別の建物に配置されていてもよいし、上記の敷地がある地域と同一の地域内の別の地域に配置されていてもよいし、上記の地域とは異なる地域又は国に配置されていてもよい。
 また、情報処理装置73は、ツールブロック7(その通信部49)からの無線信号を直接に受信することなどによりツールブロック7と通信を行ってもよいし、ツールブロック7からの無線信号を受信した他の機器及び/又は通信網を介してツールブロック7と通信を行ってもよい。通信網としては、例えば、インターネットを挙げることができる。なお、上記のように、分散して配置された複数のハードウェアを情報処理装置73と捉える場合においては、上記の他の機器及び/又は通信網は、情報処理装置73の一部として捉えられてもよい。
 情報処理装置73は、例えば、コンピュータを含んで構成されている。コンピュータは、CPU、RAM、ROM及び外部記憶装置を含む。そして、CPUがROM及び/又は外部記憶装置に記録されているプログラムを実行することによって、種々の処理を実行する種々の機能部が構築される。図示の例では、機能部として、ツールブロック7との間で通信を行う通信部75と、通信に基づく及び/又は通信のための情報処理を行う情報処理部77とが示されている。また、RAM及び/又は外部記憶装置は、センサ47が出力した信号に基づく情報を蓄積する記憶部79として機能する。
 既述の説明から理解されるように、通信部75は、ツールブロック7の通信部49からの無線信号を直接に受信するものであってもよいし、他の機器及び/又は通信網を介して通信部49からの信号を受信するものであってもよい。通信部75の構成は、上記の受信態様に応じて適宜なものとされてよい。例えば、通信部75は、無線信号としての電波を受信するアンテナを有していてもよいし、入力された高周波信号を復調する復調装置を有していてもよい。
 情報処理部77が実行する処理は、適宜なものとされてよい。例えば、情報処理部77は、通信部75を介して得られる、センサ47が出力した信号に含まれる情報を記憶部79に蓄積する処理を行ってよい。また、例えば、情報処理部77は、センサ47から得られる情報及び/又は記憶部79に蓄積した情報に基づいて、ツールブロック7(切削工具3)の状態を評価する処理を行ってもよい。また、例えば、情報処理部77は、上記の評価結果に基づいて、工作機械1に対して加工条件の変更を指示する信号を出力したり、ディスプレイに評価結果に基づく画像を表示させたりしてもよい。なお、情報の蓄積では、例えば、センサ47から順次送信される情報が順次記憶部79に記憶されて、時系列データが生成される。
 なお、上記の説明では、情報処理装置73は、工作機械1が有している制御装置とはハードウェア的に別個の装置として説明された。ただし、情報処理装置73は、工作機械1が有している制御装置に含まれていてもよい。また、情報処理装置73は、ハードウェア的に工作機械1の制御装置とは別個に設けられていても、タレット5等を含む工作機械本体に隣接して設けられている場合等において、工作機械1の一部とみなされても構わない。
 情報処理装置73は、複数のツールブロック7と通信可能とされ、複数のセンサ47から情報を受信してもよい。そして、情報処理装置73は、情報の蓄積によって、いわゆるビッグデータを生成してもよい。なお、逆に、1つのツールブロック7から複数の情報処理装置73へ情報が送信されてもよい。
 以上のとおり、本実施形態に係る工具保持具(ツールブロック7)は、保持具本体(ブロック本体45)と、センサ47と、を有している。ブロック本体45は、工作機械1のタレット5に取り付けられる被取付部9、及び、切削工具3を保持可能な保持部11を有している。センサ47は、ブロック本体45に保持されている。
 従って、例えば、センサ47をタレット5に設ける態様に比較して、センサ47が切削工具3に近い。その結果、切削工具3の状態のセンシングの精度が向上する。また、例えば、センサ47を切削工具3に設ける態様に比較して、通常、ツールブロック7は切削工具3よりも体積が大きいから、センサ47を配置するスペースを確保することが容易である。また、ツールブロック7に設けられたセンサ47は、ツールブロック7に選択的に着脱される複数の切削工具3によって兼用されることになるから、切削工具3毎にセンサ47を設ける態様に比較して、センサ47の必要数を低減することができる。その結果、コスト削減を図ることができる。
 特に、センサ47が被取付部9よりも保持部11の近くに位置する場合には、センサ47が切削工具3のより近くに位置することになる。そのため、切削工具3の状態をより高い精度で測定することが可能である。なお、センサ47が被取付部9よりも保持部11の近くに位置するとは、センサ47から保持部11までの距離が、センサ47から被取付部9までの距離よりも短い、と言い換えてもよい。
 本実施形態では、ツールブロック7は、ブロック本体45に保持されており、センサ47が検出した情報を含む無線信号を送信する通信部49を更に有している。
 通信部49は、センサ47よりも保持部11から離れていてもよい。言い換えれば、保持部11から通信部49までの距離が、保持部11からセンサ47までの距離より長くてもよい。センサ47が相対的に保持部11の近くに位置する場合には、センサ47によって切削工具3の状態を高い精度で測定できる。また、通信部49が相対的に保持部11から離れて位置する場合には、切削加工の影響を通信部49が受けにくい。そのため、通信部49によって切削工具3の状態を安定して外部へ送信できる。切削加工の影響としては、例えば、切削加工に伴い生じる熱や切屑の存在が挙げられる。
 ここで、例えば、ツールブロック7から延び出るケーブルを設け、当該ケーブルを介してセンサ47の情報を外部へ送信する態様(当該態様も本開示に係る技術に含まれる)を考える。この態様においては、タレット5が回転したとき、及び/又はタレット5に保持されるツールブロック7を交換したときに、ケーブルと周囲の部材との接触に配慮しなければならない。しかし、無線通信を行う通信部49を設けた場合においては、このような接触が生じる蓋然性は低減される。
 また、本実施形態では、ツールブロック7は、ブロック本体45に保持されており、センサ47と電気的に接続されているバッテリ51を有している。
 ここで、例えば、ツールブロック7から延び出るケーブルを設け、当該ケーブルを介してセンサ47へ電力を供給する態様(当該態様も本開示に係る技術に含まれる)を考える。この態様においては、上記の通信用のケーブルが設けられた場合と同様に、ケーブルと周囲の部材との接触に配慮しなければならない。しかし、バッテリ51を設けた場合においては、そのような接触が生じる蓋然性は低減される。
 上記の実施形態においては、バッテリ51がセンサ47と電気的に接続されているが、例えば、バッテリ51が通信部49に接続されていてもよく、また、バッテリ51がセンサ47及び通信部49の両方に接続されていてもよい。例えば、センサ47が圧電センサである場合においては、バッテリ51が必ずしもセンサ47に電気的に接続されていなくてもよく、この場合には、バッテリ51が通信部49に接続されていてもよい。
 バッテリ51は、センサ47よりも保持部11から離れていてもよい。言い換えれば、保持部11からバッテリ51までの距離が、保持部11からセンサ47までの距離より長くてもよい。センサ47が相対的に保持部11の近くに位置する場合には、センサ47によって切削工具3の状態を高い精度で測定できる。また、バッテリ51が相対的に保持部11から離れて位置する場合には、切削加工の影響をバッテリ51が受けにくい。そのため、バッテリ51によってセンサ47及び/又は通信部49に安定して電力が供給され易い。切削加工の影響としては、例えば、切削加工に伴い生じる熱や切屑の存在が挙げられる。
 また、本実施形態では、ブロック本体45は、所定方向(図7ではB1方向)における位置が互いに異なる2つの保持部11を有していてよい。また、センサ47は、B1方向に直交する方向(例えばB2方向又はB3方向)に透視したときに、少なくとも中心がB1方向において2つの保持部11の間に位置していてよい。
 この場合、例えば、センサ47を2つの保持部11に保持される2つの切削工具3の状態のセンシングに兼用したときに、センシングの精度を2つの切削工具3同士において均等にしやすい。その結果、全体として、センシングの精度が向上する。
 また、本実施形態では、例えば、ブロック本体45は、切削工具3が挿入される工具取付穴11hを有している。センサ47(加速度センサ47A)は、第1センサ部(抵抗素子67-1)及び第2センサ部(抵抗素子67-2)を有している。抵抗素子67-1は、所定のベクトル量(例えば加速度)の、加速度センサ47Aに固定的な第1方向(D1方向)における成分に応じた信号を生成する。抵抗素子67-2は、加速度の、加速度センサ47Aに固定的でD1方向に直交する第2方向(D2方向)における成分に応じた信号を生成する。加速度センサ47Aは、D1方向及びD2方向が開口方向に直交する向きで、ブロック本体45に固定されてよい。
 ここで、切削工具3に係るベクトル量は、一般に、工具取付穴11hの開口方向における成分と、当該開口方向に直交する方向における成分とで、大きさ及び変化、並びに大きさ及び変化に影響を及ぼす因子が異なる。例えば、図3(a)等に示したように回転している被削材の外周面を切削する場合においては、B1方向に送り分力が生じ、B2方向に背分力が生じ、B3方向に主分力が生じ、これらの大きさ、変化及び因子は異なる。従って、ベクトル量の成分毎の情報が得られると、切削工具3の状態を評価することが容易化される。そして、上記のように、センサ47の検出方向と、工具取付穴11hに基づく方向と、が一致していると、センサ47の検出方向毎の検出値を、そのまま工具取付穴11hに基づく方向毎の成分の値として利用することができる。すなわち、検出方向と、工具取付穴11hに基づく方向と、のずれを考慮して、センサ47の検出値を工具取付穴11hに基づく方向の成分の値に変換する演算は不要である。その結果、例えば、ツールブロック7内のIC(Integrated Circuit)を不要とし、又は小型化し、コスト削減を図ることができる。なお、上記のような演算を行うものも本開示に係る技術に含まれる。
 また、本実施形態では、例えば、ブロック本体45は、6つの面(第1外面7a~第6外面7f)を有している。第1外面7a及び第2外面7bは、所定の第1軸(B1軸)を法線方向として互いに逆側に面している。第3外面7c及び第4外面7dは、B1軸に直交する第2軸(B2軸)を法線方向として互いに逆側に面している。第5外面7e及び第6外面7fは、B1軸及びB2軸に直交する第3軸(B3軸)を法線方向として互いに逆向きに面している。センサ47としての加速度センサ47Aは、第1センサ部(抵抗素子67-1)、第2センサ部(抵抗素子67-2)及び第3センサ部(抵抗素子67-3)を有している。抵抗素子67-1は、所定のベクトル量(加速度)の、加速度センサ47Aに固定的な第1方向(D1方向)における成分に応じた信号を生成する。抵抗素子67-2は、加速度の、加速度センサ47Aに固定的でD1方向に直交する第2方向(D2方向)における成分に応じた信号を生成する。抵抗素子67-3は、加速度の、加速度センサ47Aに固定的でD1方向及びD2方向に直交する第3方向(D3方向)における成分に応じた信号を生成する。加速度センサ47Aは、D1方向がB1軸に平行になり、D2方向がB2軸に平行になり、かつD3方向がB3軸に平行になる向きで、ブロック本体45に固定されている。
 ここで、ブロック本体45が上記のような6つの面を有している場合、6つの面に直交するB1軸、B2軸及びB3軸それぞれは、送り分力の方向、背分力の方向及び主分力の方向のいずれかに対応することが多い。従って、6つの面に直交する3軸に加速度センサ47Aの検出方向である3軸が一致していると、例えば、上述した演算を不要とする効果が得られる。
 また、本実施形態では、例えば、ブロック本体45は、第1面(図7では第3外面7c)と、第1面の背面の第2面(図7では第4外面7d)と、第3外面7cに開口しており、切削工具3が挿入される工具取付穴11hと、を有している。センサ47は、第4外面7dとの距離が第3外面7cとの距離よりも短い。
 この場合、例えば、センサ47(又はその周辺要素:例えば、通信部49、バッテリ51又は不図示のケーブル。本段落において以下同様。)がブロック本体45の外部に露出している態様において、切削屑がセンサ47に接触する蓋然性が低減される。その結果、センサ47の保護が図られる。また、例えば、第4外面7dに開口する凹部57にセンサ47を収容することが容易である。凹部57が第4外面7dに開口している場合においては、例えば、切削工具3と被削材101との接触位置に供給された切削剤が凹部57に侵入する蓋然性が低減される。すなわち、凹部57に要求される密閉性を低くすることができる。
 また、本実施形態では、例えば、被取付部9は、タレット5に対向して当接する被取付面(第4外面7d)を有し、保持部は、第4外面7dに交差する、又は第4外面7dとは反対側に面する保持面(図7の例では第3外面7c)と、第3外面7cに開口しており、切削工具3が挿入される工具取付穴11hと、を有する。センサ47は、工具取付穴11hとの距離d1が第4外面7dとの距離よりも短い。
 この場合、例えば、センサ47は、タレット5よりも切削工具3に近い位置に配置されているといえるから、切削工具3の状態のセンシングの精度が向上する。
 なお、以上の実施形態において、ツールブロック7は工具保持具の一例である。ブロック本体45は、保持具本体の一例である。図2(b)及び図7のB1方向、及び図2(c)のB3方向はそれぞれ、2つの保持部を有する工具保持部の所定方向の一例である。D1方向、D2方向及びD3方向はそれぞれ、第1方向、第2方向及び第3方向のいずれかの一例である。抵抗素子67-1、67-2及び67-3はそれぞれ、第1センサ部、第2センサ部及び第3センサ部のいずれかの一例である。B1軸、B2軸及びB3軸はそれぞれ、第1軸、第2軸及び第3軸のいずれかの一例である。工具取付穴11hが開口している、図1の第1外面7a、並びに図2(a)~図2(c)及び図7の第3外面7cはそれぞれ、第1面及び保持面の一例であり、その背面は第2面の一例である。第4外面7dは、被取付面の一例である。
 本開示に係る技術は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
 切削工具は、インサート(チップの一種)をホルダ(切削工具本体)に着脱可能に機械的に取り付けるインサート式の工具に限定されない。例えば、切削工具は、チップが切削工具本体に溶接される溶接工具又はチップが切削工具本体にろう付けされるろう付け工具であってもよいし、切削工具本体の一部によって刃部が構成されるむく工具(ソリッド工具とも呼ばれる)であってもよい。
 工具保持具は、ツールブロック以外の構成要素を含んで概念されてもよい。例えば、切削工具がアーバ又はチャックに保持されるとともに、アーバ又はチャックがツールブロックに保持されている場合においては、アーバ又はチャックとツールブロックとの組み合わせが工具保持具と捉えられてもよい。
 1…工作機械、3…切削工具、5…タレット、7…ツールブロック(工具保持具)、9…被取付部、11…保持部、47…センサ。

Claims (12)

  1.  工作機械のタレットに取り付けられる被取付部、及び、切削工具を保持可能な保持部を有している保持具本体と、
     前記保持具本体に保持されており、前記被取付部よりも前記保持部の近くに位置するセンサと、
     を有している工具保持具。
  2.  前記被取付部は、前記タレットに対向して当接する被取付面を有し、
     前記保持部は、前記被取付面に交差する、又は前記被取付面とは反対側に面する保持面と、前記保持面に開口しており、前記切削工具が挿入される工具取付穴と、を有しており、
     前記センサは、前記工具取付穴との距離が前記被取付面との距離よりも短い
     請求項1に記載の工具保持具。
  3.  前記保持具本体に保持されており、前記センサが検出した情報を含む無線信号を送信する通信部を更に有している
     請求項1又は2に記載の工具保持具。
  4.  前記通信部は、前記センサよりも前記保持部から離れている
     請求項3に記載の工具保持具。
  5.  前記保持具本体に保持されており、前記センサと電気的に接続されているバッテリを更に有している
     請求項1~4のいずれか1項に記載の工具保持具。
  6.  前記バッテリは、前記センサよりも前記保持部から離れている
     請求項5に記載の工具保持具。
  7.  前記保持具本体は、所定方向における位置が互いに異なる2つの前記保持部を有しており、
     前記センサは、前記所定方向に直交する方向に透視したときに、少なくとも中心が前記所定方向において前記2つの保持部の間に位置している
     請求項1~6のいずれか1項に記載の工具保持具。
  8.  前記保持具本体は、前記切削工具が挿入される工具取付穴を有しており、
     前記センサは、
      所定のベクトル量の、当該センサに固定的な第1方向における成分に応じた信号を生成する第1センサ部と、
      前記ベクトル量の、当該センサに固定的で前記第1方向に直交する第2方向における成分に応じた信号を生成する第2センサ部と、を有しており、
      前記第1方向及び前記第2方向が前記工具取付穴の開口方向に直交する向きで、前記保持具本体に固定されている
     請求項1~7のいずれか1項に記載の工具保持具。
  9.  前記センサは、
      前記ベクトル量の、当該センサに固定的で前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向における成分に応じた信号を生成する第3センサ部をさらに有している
     請求項8に記載の工具保持具。
  10.  前記保持具本体は、
      第1面と、
      前記第1面の背面の第2面と、
      前記第1面に開口しており、前記切削工具が挿入される工具取付穴と、を有しており、
     前記センサは、前記第2面との距離が前記第1面との距離よりも短い
     請求項1~9のいずれか1項に記載の工具保持具。
  11.  請求項1~10のいずれか1項に記載の工具保持具と、
     前記タレットと、
     を有している工作機械。
  12.  請求項1~10のいずれか1項に記載の工具保持具と、
     前記センサから出力される信号に基づく情報を蓄積する記憶部と、
     を有しているデータ収集システム。
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