WO2021014816A1 - 加工装置 - Google Patents

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    • G03F7/20Exposure; Apparatus therefor

Abstract

露光装置1は、光学ユニット30と、基板50を光学ユニット30に対して相対移動させる移動ユニット20と、を備え、光学ユニット30は、検査光Lを出射する光源31と、検査光Lを基板50の表面に集光する集光レンズ33と、検査光Lが基板50の表面で反射した反射光Lに基づいて、基板50の表面での検査光Lの合焦状態を検出する検出手段34~37と、を含み、露光装置1は、水平方向に基板50を相対移動させている際の検出手段34~37の検出結果に基づいて、基板50の表面における所定量よりも大きな変位の有無を判定する判定部42と、を含んでいる。

Description

加工装置
 本発明は、加工装置に関するものである。
 文献の参照による組み込みが認められる指定国については、2019年7月24日に日本国に出願された特願2019-135984に記載された内容を参照により本明細書に組み込み、本明細書の記載の一部とする。
 半導体レーザーから出射されたレーザービームを対象物の表面で走査させることによって、対象物上に画像を直接描画する画像形成装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開平5-191604号公報
 しかしながら、対象物の表面には、異物、傷、又は意図的に形成した凹凸などに起因する変位が存在するため、直接描画型の画像形成装置を用いる場合に、対象物の表面の変位によってワークの表面とレーザービームの焦点が合わず、目的とする描画パターンの解像度を確保できない場合がある。
 そのため、描画工程の前に、レジスト層の表面形状を予め測定しておき、当該測定した形状に追従するようにレーザービームの焦点位置を設定してからワークの加工をしている。しかしながら、ワークの加工時には、振動等によって予め測定した表面形状とズレが生じてしまい、ワークの表面に焦点が合わず、描画パターンの解像度を確保できなくなってしまう場合があった。
 本発明が解決しようとする課題は、ワークの表面を加工しながら、ワークの表面上に存在する異物やワーク表面の傷をリアルタイムに検知することができる加工装置を提供することである。
[1]本発明に係る加工装置は、光学ユニットと、ワークを前記光学ユニットに対して相対移動させる移動ユニットと、を備え、前記光学ユニットは、加工光を前記ワークの表面に照射する加工用光源と、検査光を出射する検査用光源と、前記検査光を前記ワークの表面に集光するレンズと、前記検査光が前記ワークの表面で反射した反射光に基づいて、前記ワークの表面での前記検査光の合焦状態を検出する検出手段と、を含み、加工装置は、前記ワークの平面方向に対して実質的に平行な平面方向に前記ワークを相対移動させている際の前記検出手段の検出結果に基づいて、前記ワークの表面における所定量よりも大きな変位の有無を判定する判定手段をさらに備える加工装置である。
[2]上記発明において、前記加工用光源は、前記検査光と同軸の前記加工光を出射してもよい。
[3]上記発明において、前記検査用光源は、第1の波長を有する第1の検査光を出射する第1の検査用光源を含み、前記検出手段は、前記第1の検査光が前記ワーク上で反射した第1の反射光に基づいて、前記ワークの表面からの前記第1の検査光の焦点の第1のズレ量を算出し、前記判定手段は、前記第1のズレ量に基づいて、前記ワークの表面に前記変位が有ると判定してもよい。
[4]上記発明において、前記判定手段は、前記第1のズレ量、又は、前記第1のズレ量の微分値が所定値以上である場合に、前記ワークの表面に前記変位が有ると判定してもよい。
[5]上記発明において、前記加工装置は、前記検査光を前記ワークの表面で合焦させる合焦手段と、前記合焦手段の動作を制限する制限手段と、をさらに備え、前記検査用光源は、前記第1の検査光と同軸であると共に、第2の波長を有する第2の検査光を出射する第2の検査用光源を含み、前記検出手段は、前記第2の検査光が前記ワーク上で反射した第2の反射光に基づいて、前記ワークの表面からの前記第2の検査光の焦点の第2のズレ量を算出し、前記合焦手段は、前記第2のズレ量に基づいて、前記第2の検査光を前記ワークの表面で合焦させ、前記判定手段は、前記第1のズレ量に基づいて、前記制限手段により前記合焦手段の動作を制限させ、又は、前記制限手段に前記合焦手段の動作の制限のための準備をさせてもよい。
[6]上記発明において、前記第1の波長は、前記第2の波長よりも長い波長であってもよい。
[7]上記発明において、前記第1の波長は、前記第2の波長と実質的に同一の波長であってもよい。
[8]上記発明において、前記合焦手段は、前記移動ユニットであり、前記移動ユニットは、前記第2のズレ量に基づいて、前記平面方向に対して実質的に垂直な垂直方向に前記ワークを相対移動させ、前記制限手段は、前記ワークの前記垂直方向の相対移動を制限してもよい。
[9]上記発明において、前記検出手段は、前記反射光を受光する受光素子と、前記反射光の光路上で前記受光素子と隣り合うように配置されたシリンドリカルレンズと、前記反射光の光路上で前記シリンドリカルレンズと隣り合うように配置された集光レンズと、前記集光レンズを前記シリンドリカルレンズに接近又は離遠させるように移動させるアクチュエータと、を含んでいてもよい。
 本発明に係る加工装置では、ワークを光学ユニットに対して相対移動させながら、ワークの表面での検査光の合焦状態の検出結果に基づいて、ワークの表面における所定量よりも大きな変位の有無を判定する。これにより、本発明では、ワークの表面を加工しながら、ワークの表面上に存在する異物やワーク表面の傷をリアルタイムに検知することが可能となる。
図1は、本発明の実施形態における露光装置を示す斜視図である。 図2は、本発明の実施形態における移動ユニットの構成を示す図である。 図3は、本発明の実施形態における光学ユニットの構成を示す図である。 図4(a)~図4(c)は、本発明の実施形態における受光素子上の反射光の形状を示す図である。 図5は、本発明の実施形態において基板上に照射された検査光及び加工光の被照射領域を示す平面図である。 図6は、本発明の実施形態における制御システムの構成を示すブロック図である。 図7(a)~図7(d)は、本発明の実施形態における基板の表面の変位の検出方法の説明図である。
 以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
 図1は本実施形態における露光装置を示す斜視図であり、図2は、本発明の実施形態における移動ユニットの構成を示す図であり、図3は本実施形態における光学ユニットの構成を示す図であり、図4は本実施形態における制御システムの構成を示すブロック図であり、図5(a)~図5(c)は本実施形態における受光素子上の反射光の形状を示す図である。
 本実施形態における露光装置1は、マスク(又はレチクル)等を介することなく、基板50に加工光を直接的に照射する直接描画型の露光装置である。基板50の表面には化学増幅型のレジスト層51が形成されており、露光装置1はレジスト層51の上に加工光を連続的に照射しながら走査して、レジスト層51を現像することで基板50の表面にパターンを描画する。
 この露光装置1は、パターンを描写しながら、リアルタイムにレジスト層51の表面の変位を検出し、当該変位に加工光の焦点を追従させることで加工光をレジスト層51の表面に合焦させながら描画を行う。本実施形態における露光装置1が本実施形態における「加工装置」の一例に相当し、本実施形態におけるレジスト層51を有する基板50が本実施形態における「ワーク」の一例に相当する。
 露光装置1は、図1~図4に示すように、ステージ10と、移動ユニット20と、光学ユニット30と、制御システム40と、を備えている。本実施形態における移動ユニット20が本実施形態における「移動ユニット」及び「合焦手段」の一例に相当し、本実施形態における光学ユニット30が本実施形態における「光学ユニット」の一例に相当する。
 ステージ10は、露光対象の基板50が載置されて当該基板50を保持するための台である。本実施形態では、ステージ10は固定されているが、これに限定されない。このステージ10は、基板50を保持する保持板11と、当該保持板11を支持する脚部12と、を備えている。特に図示しないが、保持板11には、基板50を吸着保持する吸着機構が埋設されており、この吸着機構により基板50が保持板11に固定されている。なお、本実施形態では、吸着機構は保持板11に埋設されているが、これに限定されず、吸着機構が保持板11と基板50との間に配置されていてもよい。
 移動ユニット20は、光学ユニット30を水平方向(図中のXY方向)及び垂直方向(図中のZ方向)に移動させるユニットである。本実施形態では、移動ユニット20は、基板50の表面において、露光すべきパターンに沿って光学ユニット30を走査させる。すなわち、本実施形態の露光装置1では、走査方式としてベクタースキャン方式を採用している。なお、走査方式はベクタースキャンのみに限定されず、例えば、ラスタースキャンを用いてもよいが、方向性が無いベクタースキャンを用いることがより好ましい。
 移動ユニット20は、図2に示すように、Y軸移動機構21と、X軸移動機構22と、Z軸移動機構23と、を備えている。
 Y軸移動機構21は、X軸移動機構22をY方向に移動させる機構であり、一対のY軸レール211と、ガントリ212と、Y軸アクチュエータ213と、Y軸センサ214と、を備えている。
 一対のY軸レール211は、Y方向に沿ってステージ10上に固定されている。ガントリ212はこのY軸レール211にスライド可能に設けられている。このガントリ212は、Y軸レール211上に設けられた一対の柱状の支持部212aと、一対の支持部212aを連結している連結部212bを有している。
 Y軸アクチュエータ213は、ガントリ212を移動(スライド)させることができ、Y軸センサ214は、ガントリ212の位置を検出することができる。特に限定されないが、Y軸アクチュエータ213の一例としては、ボールネジ機構を備えた電動モータ等を例示することができ、Y軸センサ214の一例としては、ロータリエンコーダやリニアエンコーダ等を例示することができる。
 X軸移動機構22は、Z軸移動機構23をX方向に移動させる機構であり、ガントリ212の連結部212bに設けられている。このX軸移動機構22は、X軸レール221と、X軸ステージ222と、X軸アクチュエータ223と、X軸センサ224と、を備えている。
 X軸レール221は、X方向に沿って連結部212bに固定されている。X軸ステージ222は、X軸レール221にスライド可能に設けられている。X軸アクチュエータ223は、X軸ステージ222を移動(スライド)させることができ、X軸センサ224は、X軸ステージ222の位置を検出することができる。特に限定されないが、X軸アクチュエータ223としてY軸アクチュエータ213と同様のアクチュエータを用いることができ、X軸センサ224としてY軸センサ214と同様のセンサを用いることができる。
 Z軸移動機構23は、X軸ステージ222上に設けられており、Z軸レール231と、Z軸アクチュエータ233と、Z軸センサ234と、を備えている。
 Z軸レール231は、Z方向に沿ってX軸ステージ222上に固定されている。光学ユニット30は、Z軸レール231にスライド可能に設けられている。Z軸アクチュエータ233は、光学ユニット30を移動(スライド)させることができ、Z軸センサ234は、光学ユニット30の位置を検出することができる。特に限定されないが、Z軸アクチュエータ233としてY軸アクチュエータ213と同様のアクチュエータを用いることができ、Z軸センサ234としてY軸センサ214と同様のセンサを用いることができる。
 また、本実施形態の移動ユニット20は、上記の基板50を相対移動させる機能に加えて、光学ユニット30の合焦機能を有している。具体的には、この移動ユニット20は、光学ユニット30からの出力(後述)に基づいて、集光レンズ33(後述)の焦点位置を基板50の表面上に一致させるように、光学ユニット30をZ軸方向に移動させる。
 なお、本実施形態では、ステージ10を固定して移動ユニット20によって光学ユニット30を移動させることで、基板50を光学ユニット30に対して相対移動させているが、特にこれに限定されない。ステージ10の保持板11を移動可能とし、光学ユニット30を固定して基板50をXYZ方向に移動させることで、光学ユニット30に対して基板50を相対移動させてもよい。或いは、ステージ10の保持板11及び光学ユニット30の双方を移動可能とすることで、基板50を光学ユニット30に対して相対移動させてもよい。
 光学ユニット30は、図3に示すように、光源31と、コリメータレンズ32と、集光レンズ33と、を有している。本実施形態における光源31が本発明における「検査用光源」、「加工用光源」、「第1の検査用光源」、及び「第2の検査用光源」の一例に相当し、本実施形態における集光レンズ33が本発明における「レンズ」の一例に相当する。
 本実施形態において、光源31は、検査光Lと加工光Lを基板50の表面に向かって出射する。本実施形態における検査光Lが本発明における「検査光」の一例に相当し、本実施形態における加工光Lが本発明における「加工光」の一例に相当する。
 光源31は、複数のLDから構成されており、当該複数のLDは、相互に異なる波長を有する光を出射することが可能となっている。なお、本実施形態の光源31はLDから構成されているが、これに限定されず、例えば、LDに代えて白色LED等から構成されていてもよい。
 加工光Lは、基板50の表面の加工(露光)に用いられる光である。本実施形態では、この加工光Lは、レジスト層51を形成するレジスト材料を感光させることができる光から構成されている。加工光Lは、特に限定されないが、本実施形態では単一の光から構成されている。
 これに対し、検査光Lは、基板50の表面の変位の測定に用いられる光である。本実施形態では、この検査光Lは、レジスト材料を感光させることがない光から構成されている。本実施形態の露光装置1は、検査光L(具体的には、後述の検査光Li3)の反射光L(後述)に基づいて、加工光Lのフォーカスを行う。
 この検査光Lは、本実施形態において、第1の検査光Li1と、第2の検査光Li2と、第3の検査光Li3と、を含んでいる。第1~第3の検査光Li1~Li3は、いずれも同軸の光であり、すなわち、光軸が一致している。また、この第1~第3の検査光Li1~Li3は、いずれも、上記の加工光Lとも同軸の光であり、すなわち、光軸が一致している。
 この第1~第3の検査光Li1~Li3は、いずれも、上記の加工光Lの波長λよりも長い波長λ~λを有している。また、第1~第3の検査光Li1~Li3は、相互に異なる波長を有しており、第1の検査光Li1の波長λが第2の検査光Li2の波長λよりも大きく、第2の検査光Li2の波長λが第3の検査光Li3の波長λよりも大きくなっている(λ>λ>λ>λ)。
 特に限定されないが、波長λ~λ,λの具体例としては、第1の検査光Li1の波長λが765μmであり、第2の検査光Li2の波長λが532μmであり、第3の検査光Li3の波長λが405μmであり、加工光Lの波長λが266μmである。
 また、光学ユニット30は、第1の検査光Li1の合焦状態を検出するために、第1のビームスプリッタ34aと、第1の集光レンズ35aと、第1のシリンドリカルレンズ36aと、第1の受光素子37aと、を有している。また、光学ユニット30は、第2の検査光Li2の合焦状態を検出するために、第2のビームスプリッタ34bと、第2の集光レンズ35bと、第2のシリンドリカルレンズ36bと、第2の受光素子37bと、を有している。さらに、光学ユニット30は、第3の検査光Li3の合焦状態を検出するために、第3のビームスプリッタ34cと、第3の集光レンズ35cと、第3のシリンドリカルレンズ36cと、第3の受光素子37cと、を有している。
 以下、第1~第3のビームスプリッタ34a~34cを「ビームスプリッタ34」と総称し、第1~第3の集光レンズ35a~35cを「集光レンズ35」と総称し、第1~第3のシリンドリカルレンズ36a~36cを「シリンドリカルレンズ36」と総称し、第1~第3の受光素子37a~37cを「受光素子37」と総称することもある。また、本実施形態におけるビームスプリッタ34と集光レンズ35とシリンドリカルレンズ36と受光素子37が、本発明における「検出手段」の一例に相当する。
 なお、光源31、コリメータレンズ32、集光レンズ33、ビームスプリッタ34、シリンドリカルレンズ36、及び、受光素子37は、光学ユニット30の筐体38(図1参照)に固定されており、集光レンズ35は、後述のアクチュエータ351a~351cを介して光学ユニット30の筐体38に支持されている。
 露光装置1は、光学ユニット30を移動ユニット20によって基板50に対して相対移動させながら、検査光Lと加工光Lを基板50の表面に照射する。このとき、光源31から出射された検査光L及び加工光Lは、コリメータレンズ32によって平行光にされる。平行光にされた検査光L及び加工光Lは、第1~第3のビームスプリッタ34a~34cを透過し、集光レンズ33によって集光されて基板50の表面で結像する。このように本実施形態の光学ユニット30では、検査光Lと加工光Lとが同一のレンズを通過するTTL(Through the Lens)方式を採用している。
 本実施形態では、検査光Lと加工光Lとが同一の光学系を利用していることで、加工用の光学ユニットとは別に変位検出装置を備える露光装置と比較して、より精度よく変位の検出が可能となる。さらに、検査光Lと加工光Lとが同一の光学系を利用していることで、加工光Lに対する検査光Lの方向性が無くなるので、ベクタースキャンのような加工用の光学ユニットの走査方向の自由度が高い描画方法に対応することができる。
 基板50の表面に入射した検査光Lの一部は、反射され反射光Lとなる。この反射光Lは、第1の検査光Li1が反射した第1の反射光Lr1と、第2の検査光Li2が反射した第2の反射光Lr2と、第3の検査光Li3が反射した第3の反射光Lr3と、を含んでいる。第1~第3の反射光Lr1~r3は、集光レンズ33に再度入射し平行光とされる。
 第1の反射光Lr1は、第1のビームスプリッタ34aにおいて反射され、第1の集光レンズ35a及び第1のシリンドリカルレンズ36aを透過して受光素子37aに入射する。なお、第1のビームスプリッタ34aは、波長λの光のみを反射するように調整されており、本実施形態では、第1の反射光Lr1のみを反射し、第2及び第3の反射光Lr2,Lr3は反射しない。特に限定されないが、第1のビームスプリッタ34aに代えてダイクロイックミラーを用いてもよい。
 図4(a)~図4(c)に示すように、第1の受光素子37aは、受光面に4分割フォトダイオード371を有しており、第1の反射光Lr1はこの4分割フォトダイオード371に集光する。この4分割フォトダイオード371に集光した第1の反射光Lr1には、シリンドリカルレンズ36aにより非点収差が生じている。
 非点収差が生じた結果、基板50の表面が集光レンズ33の焦点位置(検査光Li1の焦点位置)よりも集光レンズ33から遠い場合は、図4(a)に示すような、縦長の楕円が4分割フォトダイオード371上に形成される。また、集光レンズ33の焦点位置と基板50の表面が一致している場合は、図4(b)に示す円が4分割フォトダイオード371上に形成される。また、基板50の表面が集光レンズ33の焦点位置よりも集光レンズ33に近い場合は、図4(c)に示す横長の楕円が4分割フォトダイオード371上に形成される。
 第1の受光素子37aは、図4(a)~図4(c)に示す第1の反射光Lr1の形状の情報をフォーカス誤差信号に変換し、制御システム40(図3参照)に出力する。フォーカス誤差信号としては、以下のように演算された第1の電圧Vを出力する。
 すなわち、まず、図4(a)~図4(c)の第1のフォトダイオード371aから出力される電圧Vと、第2のフォトダイオード371bから出力される電圧Vとの和を演算するとともに、第3のフォトダイオード371cから出力される電圧Vと、第4のフォトダイオード371dから出力される電圧Vとの和を演算する。そして、これらの和同士の差(V+V)-(V+V)を第1の電圧Vとする。この第1の電圧Vは、集光レンズ33と基板50の表面の位置関係に対応するフォーカス誤差信号として出力される。
 具体的には、このフォーカス誤差信号が0[V]である場合には、第1の検査光Li1の焦点位置が基板50の表面に合っている状態を示している。これに対し、当該フォーカス誤差信号が0以外の値である場合には、第1の検査光Li1の焦点位置が基板50の表面に対してズレている状態を示している。従って、このフォーカス誤差信号が0[V]となるように、制御システム40の制御部41が移動ユニット20を制御して、光学ユニット30を上下動させることで、第1の検査光Li1を基板50の表面上で合焦させることができる。このように、本実施形態では、非点収差法を用いて、基板50上での第1の検査光Li1の合焦状態を検出する。
 また、本実施形態では、図3に示すように、光学ユニット30は、第1の反射光Lr1の光軸上で、シリンドリカルレンズ36aに隣り合うように配置された第1の集光レンズ35aを有している。すなわち、第1の集光レンズ35aと第1の受光素子37aとの間にシリンドリカルレンズ36aが配置されている。これにより、第1の反射光Lr1がシリンドリカルレンズ36aに斜めから入射するため非点収差の量が大きくなり、合焦状態の検出感度をより向上させることができる。
 さらに、光学ユニット30は、第1の集光レンズ35aを第1の反射光Lr1の光軸方向に沿って移動させる第1のアクチュエータ351aを有している。この第1のアクチュエータ351aにより、第1の集光レンズ35aを移動させることで、第1の検出光Liの合焦状態の検出感度を可変制御することができる。そのため、光源31から出射される第1の検出光Liの波長を検査光レジスト層51の表面異物等の種類に応じて変更した場合であっても、適切な検出感度を維持できる。
 第2の反射光Lr2は、上記の第1の反射光Lr1と同様に、第2のビームスプリッタ34bにおいて反射され、集光レンズ35b及びシリンドリカルレンズ36bを透過して第2の受光素子37bに入射する。なお、第2のビームスプリッタ34bは、波長λの光のみを反射するように調整されており、本実施形態では、第2の反射光Lr2のみを反射し、第1及び第3の反射光Lr1,Lr3は反射しない。特に限定されないが、第2のビームスプリッタ34bに代えてダイクロイックミラーを用いてもよい。
 さらに、第3の反射光Lr3は、第3のビームスプリッタ34cにおいて反射され、集光レンズ35c及びシリンドリカルレンズ36cを透過して第3の受光素子37cに入射する。なお、第3のビームスプリッタ34cは、波長λの光のみを反射するように調整されており、本実施形態では、第3の反射光Lr3のみを反射し、第1及び第2の反射光Lr1,Lr2は反射しない。特に限定されないが、第3のビームスプリッタ34cに代えてダイクロイックミラーを用いてもよい。
 第2及び第3の反射光Lr2,Lr3は、第1の反射光Lr1と同様に、第2の受光素子37b及び第3の受光素子37c上で、図4(a)~図4(c)のような形状を示す。そして、第2の受光素子37b及び第3の受光素子37cにおいても、第1の受光素子と同様の演算が行われ、第2の受光素子37bからフォーカス誤差信号Sとして第2の電圧Vが制御システム40へ出力され、第3の受光素子37cからフォーカス誤差信号Sとして第3の電圧Vが制御システム40へ出力される。
 また、光学ユニット30は、第2の集光レンズ35bを第2の反射光Lr2の光軸方向に沿って移動させる第2のアクチュエータ351bを有しているとともに、第3の集光レンズ35cを第3の反射光Lr3の光軸方向に沿って移動させる第3のアクチュエータ351cを有している。これにより、第2の検出光Li及び第3の検出光Liの合焦状態の検出感度を可変制御することができる。そのため、光源31から出射される第2及び第3の検出光Li,Liの波長を検査光レジスト層51の表面異物等の種類に応じて変更した場合であっても、適切な検出感度を維持できる。
 このように、本実施形態では第1~第3の検出光Li~Liのそれぞれの合焦状態の検出感度を任意に調節することができる。これにより、第1~第3の検出光Li~Liとして加工対象物の吸収波長を有する光を選択して使用することができたり、異物や傷等に起因した変位を効率的に検知できる波長を選択して使用できる。
 図5は本実施形態において基板50(厳密にはレジスト層51の表面)上に照射された検査光L及び加工光Lの被照射領域Rを示す平面図である。基板50上のレジスト層51には、第1の被照射領域Ri1と、第2の被照射領域Ri2と、第3の被照射領域Ri3と、第4の被照射領域Rと、から成る被照射領域Rが形成されている。
 第1~第3の被照射領域Ri1~Ri3は、基板50上のレジスト層51において、第1~第3の検査光Li1~Li3がそれぞれ結像している領域である。一方で、第4の被照射領域Rは、基板50上のレジスト層51において加工光Lが結像している領域である。
 集光レンズ33は色消し構造を有しているため、波長が相互に異なる光であっても、同一の点に焦点を結ぶ。一方で、光の波長が長いほど当該光の焦点径(集光径)は大きくなる。そのため、第1~第4の被照射領域Ri1~Ri3,Rにおいて、第1~第3の検査光Li1~Li3及び加工光Lは、それぞれ、相互に直径の異なる同心円状の像を結んでいる。
 よって、上述の第1の受光素子37aから出力される第1の電圧Vは、第1の領域Ri1における第1の検査光Li1の焦点と基板50の表面との位置関係(すなわち、基板50上での第1の検査光Li1の合焦状態)を示している。
 同様に、第2の受光素子37bから出力される第2の電圧Vは、第2の領域Ri2における第2の検査光Li2の焦点と表面との位置関係(すなわち、基板50上での第2の検査光Li2の合焦状態)を示している。また、第3の受光素子37cから出力される第3の電圧Vは、第3の領域Ri3における第3の検査光Li3の焦点と表面との位置関係(すなわち、基板50上での第3の検査光Li3の合焦状態)を示している。
 制御システム40は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器、及び、入出力インターフェイス等を含んで構成されるマイクロコンピュータである。この制御システム40は、図6に示すように、制御部41と、判定部42と、制限部43と、を機能的に有している。本実施形態における判定部42が本発明における「判定手段」の一例に相当し、本実施形態における制限部43が本発明における「制限手段」の一例に相当する。
 制御部41は、移動ユニット20のX軸アクチュエータ213、Y軸アクチュエータ223、及び、Z軸アクチュエータ233を制御する。この制御部41により、光学ユニット30は、XY方向に水平移動しながら、同時に、Z方向に垂直移動する。すなわち、光学ユニット30は、レジスト層51上を走査しながら、レジスト層51との相対的な距離を調整される。
 この制御部41は、X軸制御信号SをX軸アクチュエータ213に出力し、Y軸制御信号SをY軸アクチュエータ223に出力する。X軸アクチュエータ213とY軸アクチュエータ223の駆動は、所望の描画パターンに基づいて制御される。
 また、制御部41は、第3の受光素子37cから、フォーカス誤差信号として第3の電圧Vを受信する。制御部41は、この第3の電圧Vに基づいて、当該第3の電圧VをゼロにするためのZ軸アクチュエータ233の駆動量を算出する。そして、算出結果をZ軸制御信号Sとして、制限部43を介して、Z軸アクチュエータ233に入力する。この制御部41が実行するZ軸方向の制御方式としては、例えば、PID(Proportional-Integral-Differential)制御を例示することができる。
 本実施形態では、加工光Lに最も近接した第3の領域Ri3(図5参照)に基づき加工光Lのフォーカスを行うため、加工光Lに近い領域でのレジスト層51の表面の変位を検出することができる。そのため、加工光Lのフォーカスの精度をより向上させることができる。なお、第2の領域Ri2又は第1の領域Ri1に基づいて加工光Lのフォーカスを行ってもよい。
 判定部42は、第1~第3の受光素子37a~37cから第1~第3の電圧V~Vを受信する。本実施形態では、この判定部42は、第1の電圧Vの絶対値が、所定値V以上であった場合(|V|≧V)に、制限部43に制限信号Sを出力する。本実施形態における所定値Vが、本発明における「所定値」の一例に相当する。
 第1の電圧Vの絶対値が、所定値V以上である場合としては、例えば、レジスト層51の表面に、異物や傷等による凹凸が存在する場合などが挙げられる。異物や傷によるレジスト層51の表面の変位(変化量)は所定量(所定の高さ、或いは、所定の深さ)よりも大きいため、第1の電圧Vの絶対値|V|が所定値V以上となる。また、この所定値Vは、異物や傷等による凹凸に対応する第1の電圧Vの値に基づいて設定することができる。この異物の具体例としては、例えば、粉塵やゴミ等が挙げられる。
 このように、本実施形態の判定部42は、異物等によるレジスト層51の表面の所定量よりも大きな変位の有無を、第1の電圧Vの絶対値|V|(第1の検査光Liの焦点とレジスト層51の表面とのズレ量)と所定値Vと、を比較して判定する。
 本実施形態では、第1の検査光Li1が本発明における「第1の検査光」の一例に相当し、第1の反射光Lr1が本発明における「第1の反射光」の一例に相当し、第1の電圧Vの絶対値|V|が本発明における「第1のズレ量」の一例に相当し、所定値Vが本発明における「所定値」の一例に相当する。また、本実施形態では、第3の検査光Li3が本発明における「第2の検査光」の一例に相当し、第3の反射光Lr3が本発明における「第2の反射光」の一例に相当し、第3の電圧Vの絶対値|V|が本発明における「第2のズレ量」の一例に相当する。
 なお、判定部42は、第1の電圧Vの絶対値|V|と第1の所定値Vとの比較に代えて、第1の電圧Vの微分値dVの絶対値|dV|が所定値以上であった場合に制限信号Sを出力してもよい。この微分値dVは、第1の電圧Vのグラフを時間tで微分したものであり、第1の電圧Vのグラフの接線の傾きを意味している。上記の通り、異物や傷によるレジスト層51の表面の変位は大きくなるため、異物や傷が存在する場合に第1の電圧Vの変化の割合も大きくなる。この時に、判定部42が制限信号Sを出力すればよい。本実施形態では、微分値dVの絶対値|dV|が本発明における「第1のズレ量の微分値」の一例に相当する。
 また、判定部42は、第1の電圧Vに代えて、第2の電圧Vに基づいて制限信号Sを出力してもよい。つまり、判定部42は、第2の検査光Li2の焦点とレジスト層51の表面とのズレ量が所定値以上である場合に、レジスト層51の表面に所定量よりも大きな変位があると判断してもよい。この場合、第1の検査光Li1に関する光学系を省略してもよい。この場合には、第2の検査光Li2が本発明の「第1の検査光」の一例に相当し、第2の反射光Lr1が本発明における「第1の反射光」に相当し、第2の電圧Vの絶対値|V|が本発明における「第1のズレ量」の一例に相当する。
 或いは、判定部42は、第3の電圧Vに基づいて制限信号Sを出力してもよい。つまり、判定部42は、第3の検査光Li3の焦点とレジスト層51の表面とのズレ量が所定値以上である場合に、レジスト層51の表面に所定量よりも大きい変位があると判断してもよい。この場合、第1及び第2の検査光Li1,Li2に関する光学系を省略してもよい。この場合には、第3の検査光Li3が本発明の「第1の検査光」の一例に相当し、第3の反射光Lr3が本発明における「第1の反射光」に相当し、第3の電圧Vの絶対値|V|が本発明における「第1のズレ量」の一例に相当する。
 制限部43は、制御部41と移動ユニット20のZ軸アクチュエータ233との間に介在しており、判定部42から制限信号Sが入力された時に、移動ユニット20のZ軸アクチュエータ233の動作を制限する。具体的には、本実施形態では、この制限部43は、判定部42から制限信号Sが入力された時に、Z軸制御信号Sのうち、所定値以上の駆動量を指示するZ軸制御信号Sを遮断する。一方で、所定値未満の駆動量を指示するZ軸制御信号Sを通過させる。すなわち、制限部43は、判定部42から制限信号Sが入力された時に、ローパスフィルタとして機能する。
 レジスト層51の表面に異物等が存在する場合、表面の変位は急激に変化し、第1~第3の電圧V~Vの絶対値も急増してしまう。このため、異物等に起因した大きな変位にも追従した制御を行う場合には、走査速度が速いほど制御が遅れてしまい、加工光Lの焦点深度の範囲からレジスト層51が外れてしまう場合がある。また、光学ユニット30が急激に上下動することで、光学ユニット30の静定までに時間がかかってしまう場合がある。
 これに対して、本実施形態の露光装置1は、第1の電圧Vの絶対値|V|が所定値V以上である場合に、光学ユニット30のZ軸方向の移動を制限するため、レジスト層51を加工光Lの焦点深度の範囲内に位置させることができる。さらに、光学ユニット30の静定時間に長時間を要することもない。
 なお、制限部43は、判定部42から制限信号Sが入力された時に、PID制御における比例ゲインKを小さくする機能を有していてもよい。比例ゲインKを小さくすることで、Z軸制御信号Sに基づくZ軸アクチュエータ233の駆動量を小さくすることができる。
 或いは、判定部42は、第1の電圧Vが、予め設定した特定の値となった時に、制限信号Sを出力してもよい。異物のおおよその大きさを事前に予測できる場合には、当該異物に応じた第1の電圧Vの値を予め特定することができる。よって、異物であると判断できる第1の電圧Vが判定部42に入力された時に、制限部43に制限信号Sを入力すればよい。
 このとき、制限部43は、判定部42から制限信号Sが入力された時に、特定の値に基づく駆動量を指示するZ軸制御信号Sのみを遮断するノッチフィルタとして機能してもよい。第1の電圧Vが特定の値となった場合、その後、第3の電圧Vも当該特定の値となる可能性が高い。よって、ノッチフィルタにより当該特定の値に基づく駆動量を指示するZ軸制御信号Sのみを遮断することで、光学ユニット30の急激な上下動も抑制することができる。
 或いは、制限部43は、第3の電圧Vの絶対値|V|が所定値V以上である場合にZ軸制御信号Sによる制御を制限するプログラムを備えていてもよい(|V|≧V)。この場合には、例えば、判定部42は、第1の受光素子37aから出力される第1の電圧Vの絶対値|V|が所定値V以上となった場合(|V|≧V)に、制限信号Sを出力し、制限部43は、この制限信号Sが入力された時点で上記のプログラムを起動する。そして、判定部42は、第3の受光素子37cから出力される第3の電圧Vの絶対値|V|が所定値V以上となった場合(|V|≧V)に、当該プログラムによりZ軸制御信号Sによる制御を制限してもよい。
 すなわち、図5の最も外側の被照射領域Ri1で異物や傷に起因する大きな変位を検出した場合に、制限部43の制限処理の準備をしておき、図5の最も内側の被照射領域Ri3で当該変位を検出したら当該制限処理を実行するように構成してもよい。これにより、制御の処理速度を速めることができ、リアルタイム性の一層の向上を図ることができる。
 この場合には、第3及び第1の検査光Li3,Li1が本発明における「第1の検査光」の一例に相当し、第3及び第1の反射光Lr3,Lr1が本発明における「第1の反射光」の一例に相当し、第3及び第1の電圧V,Vの絶対値|V|,|V|が本発明における「第1のズレ量」の一例に相当し、所定値Vが本発明における「所定値」の一例に相当する。また、第1の検査光Li1が本発明における「第2の検査光」の一例にも相当し、第1の反射光Lr1が本発明における「第2の反射光」の一例にも相当し、第1の電圧Vの絶対値|V|が本発明における「第2のズレ量」の一例にも相当する。
 なお、第2の電圧Vに基づいて制限部43の制限処理を準備し、第3の電圧Vに基づいて当該制限処理を実行してもよい。或いは、第1の電圧Vに基づいて制限部43の制限処理を準備し、第2の電圧Vに基づいて当該制限処理を実行してもよい。
 次に、上記のような露光装置1を用いてレジスト層51を露光する際のレジスト層51の表面の変位の検出方法を説明する。図7は本実施形態におけるレジスト層51の表面の変位の検出方法の説明図である。なお、図7中の矢印は光学ユニット30の走査方向を示している。
 ここでは、図7(a)に示すように、被照射領域Rの進行方向(光学ユニット30の走査方向)に異物FMが存在する場合を例示する。まず、異物FMは、図7(b)のように、第1の被照射領域Riに侵入する。このとき、第1の電圧Vの絶対値|V|は、予め設定された所定値Vよりも大きくなるため、判定部42は、制限部43に制限信号Sを出力する。これにより、制限部43は、制御部41からのZ軸制御信号Sを上記のようにフィルタリング処理を実行する。
 次に、図7(c)に示すように、第2の被照射領域Ri2に異物FMが侵入する。次に、図7(d)に示すように、第3の被照射領域Ri3に異物FMが侵入する。これにより、第3の電圧Vの値が急増する。このとき、制御部41からは、急増した第3の電圧Vの値に基づくZ軸制御信号Sが出力されるが、既に、このZ軸制御信号Sは制限部43によりフィルタリングされるため、光学ユニット30が急激に上下動することはない。
 すなわち、本実施形態の露光装置1は、第3の被照射領域Ri3に異物FMが侵入する前に、光学ユニット30の上下動を異物FMに起因する変位に追従しないように制限する。これにより、光学ユニット30が異物FMに起因する変位に追従し始める前に、光学ユニット30の上下動をより確実に制限できるため、レジスト層51が加工光Lの焦点深度の範囲からより外れ難くなる。
 さらに、本実施形態では、第1の被照射領域Ri1で異物FMを検知してから、フィルタリング等の処理を行う。すなわち、フィルタリングを常時行うのではなく必要な時にだけ行っている。よって、フィルタリングを常時行う場合に比べて、制御の処理速度をより向上させることができ、光学ユニット30を走査させながらリアルタイムに変位検出を行う場合であっても制御の速度をより向上させることができる。
 さらに、本実施形態では、合焦状態の検出に非点収差法を用いており、第1~第3の電圧V~Vを利用して制御を行っている。そのため、制御の処理速度が速いため、制御の速度をより向上させることができる。
 以上のように、本実施形態の露光装置1は、基板50を光学ユニット30に対して相対移動させながら、基板50上のレジスト層51の表面での第3の検査光Li3の合焦状態に基づいて、レジスト層51の表面の所定値よりも大きな変位を検知する。このため、レジスト層51の表面に存在する異物やレジスト層51の表面の傷を検知することができる。
 また、予め測定した表面形状に焦点位置を追従させると、加工時の振動によって表面の位置が動いた場合などに、加工光の焦点をワークの表面に合わせることができない場合があった。さらに、レジスト層の表面形状を予め測定しておき、当該測定した形状に追従するように焦点位置を設定してからワークの加工をする場合、加工中に、熱レンズ効果によって焦点位置がズレてしまう場合があった。
 これに対して、本実施形態では、加工と同時にレジスト層51の表面の変位を検出し、焦点が合うようにリアルタイムに制御しているため、振動等による表面位置の変化にも対応して加工光の焦点をワークの表面に合わせることができる。また、本実施形態では、検査光を加工光と同軸に配置しているため、熱レンズ効果による焦点位置の変化にも対応することができる。
 なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
 例えば、上記の実施形態では光学ユニット30をZ軸方向に移動させることで、加工光Lを合焦させているが、これに限定されない。例えば、基板50をZ軸方向に移動させてもよい。または、集光レンズ33のみをZ軸方向に移動させてもよい。
 また、上記の実施形態では、第1~第3の受光素子37a~37cで測定された電圧に基づいて、Z軸アクチュエータ233を制御することで、検査光L及び加工光Lをワークの表面に合焦させているが、これに限定されない。例えば、操作者が、カメラ等で4分割フォトダイオード371上に映る光の形状を見ながら、当該形状が正円となるように光学ユニット30のZ軸方向の位置を調節してもよい。
 また、上記の実施形態では検査光Lは、3種類の光から構成されているがこれに限定されない。検査光Lは、1種類若しくは2種類の光から構成されていてもよいし、4種類以上の光から構成されていてもよい。
 また、上記の実施形態では、加工装置の一例として、露光装置1を例示したがこれに限定されず、例えば、材料の紫外線硬化に用いられる紫外線照射装置や、3Dプリンタ等の加工装置であってもよい。
 3Dプリンタとしては、特に限定されないが、例えば、光造形方式(SLA(Stereo Lithography Apparatus))、レーザ焼結方式(SLS(Selective laser sintering))、又はレーザ溶融方式(SLM(Selective laser melting))等の3Dプリンタを挙げることができる。例えば、光造形方式の3Dプリンタでは、光硬化性の液体樹脂に対して、当該液体樹脂を硬化させる加工光を照射することで、一層毎に液体樹脂を硬化させる。そして、この硬化処理を繰り返し行うことで立体物を造形する。このとき、加工光と共に検査光を液体樹脂に照射することで、液体樹脂の硬化処理と同時に、液体樹脂の表面上に存在する異物やワーク表面の傷をリアルタイムに検知することができる。
1…露光装置
  10…ステージ
    11…保持板
    12…脚部
  20…移動ユニット
    21…Y軸移動機構
      211…一対のY軸レール
      212…ガントリ
         212a…支持部
         212b…連結部
      213…Y軸アクチュエータ
      214…Y軸センサ
    22…X軸移動機構
      221…X軸レール
      222…X軸ステージ
      223…X軸アクチュエータ
      224…X軸センサ
    23…Z軸移動機構
      231…Z軸レール
      233…Z軸アクチュエータ
      234…Z軸センサ
  30…光学ユニット
    31…光源
    32…コリメータレンズ
    33…集光レンズ
    34a~34c…第1~第3のビームスプリッタ
    35a~35c…第1~第3の集光レンズ
      351a~351c…第1~第3のアクチュエータ
    36a~36c…第1~第3のシリンドリカルレンズ
    37a~37c…第1~第3の受光素子
      371…4分割フォトダイオード
      371a~371d…第1~第4のフォトダイオード
    38…筐体
  40…制御システム
   41…制御部
   42…判定部
   43…制限部
50…基板
 51…レジスト層

Claims (9)

  1.  光学ユニットと、
     ワークを前記光学ユニットに対して相対移動させる移動ユニットと、を備え、
     前記光学ユニットは、
     加工光を前記ワークの表面に照射する加工用光源と、
     検査光を出射する検査用光源と、
     前記検査光を前記ワークの表面に集光するレンズと、
     前記検査光が前記ワークの表面で反射した反射光に基づいて、前記ワークの表面での前記検査光の合焦状態を検出する検出手段と、を含み、
     加工装置は、前記ワークの平面方向に対して実質的に平行な平面方向に前記ワークを相対移動させている際の前記検出手段の検出結果に基づいて、前記ワークの表面における所定量よりも大きな変位の有無を判定する判定手段をさらに備える加工装置。
  2.  請求項1に記載の加工装置であって、
     前記加工用光源は、前記検査光と同軸の前記加工光を出射する加工装置。
  3.  請求項1又は2に記載の加工装置であって、
     前記検査用光源は、第1の波長を有する第1の検査光を出射する第1の検査用光源を含み、
     前記検出手段は、前記第1の検査光が前記ワーク上で反射した第1の反射光に基づいて、前記ワークの表面からの前記第1の検査光の焦点の第1のズレ量を算出し、
     前記判定手段は、前記第1のズレ量に基づいて、前記ワークの表面に前記変位が有ると判定する加工装置。
  4.  請求項3に記載の加工装置であって、
     前記判定手段は、前記第1のズレ量、又は、前記第1のズレ量の微分値が所定値以上である場合に、前記ワークの表面に前記変位が有ると判定する加工装置。
  5.  請求項3又は4に記載の加工装置であって、
     前記加工装置は、
     前記検査光を前記ワークの表面で合焦させる合焦手段と、
     前記合焦手段の動作を制限する制限手段と、をさらに備え、
     前記検査用光源は、前記第1の検査光と同軸であると共に、第2の波長を有する第2の検査光を出射する第2の検査用光源を含み、
     前記検出手段は、前記第2の検査光が前記ワーク上で反射した第2の反射光に基づいて、前記ワークの表面からの前記第2の検査光の焦点の第2のズレ量を算出し、
     前記合焦手段は、前記第2のズレ量に基づいて、前記第2の検査光を前記ワークの表面で合焦させ、
     前記判定手段は、前記第1のズレ量に基づいて、前記制限手段により前記合焦手段の動作を制限させ、又は、前記制限手段に前記合焦手段の動作の制限のための準備をさせる加工装置。
  6.  請求項5に記載の加工装置であって、
     前記第1の波長は、前記第2の波長よりも長い波長である加工装置。
  7.  請求項5に記載の加工装置であって、
     前記第1の波長は、前記第2の波長と実質的に同一の波長である加工装置。
  8.  請求項5~7のいずれか一項に記載の加工装置であって、
     前記合焦手段は、前記移動ユニットであり、
     前記移動ユニットは、前記第2のズレ量に基づいて、前記平面方向に対して実質的に垂直な垂直方向に前記ワークを相対移動させ、
     前記制限手段は、前記ワークの前記垂直方向の相対移動を制限する加工装置。
  9.  請求項1~8のいずれか一項に記載の加工装置であって、
     前記検出手段は、
     前記反射光を受光する受光素子と、
     前記反射光の光路上で前記受光素子と隣り合うように配置されたシリンドリカルレンズと、
     前記反射光の光路上で前記シリンドリカルレンズと隣り合うように配置された集光レンズと、
     前記集光レンズを前記シリンドリカルレンズに接近又は離遠させるように移動させるアクチュエータと、を含む加工装置。
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