WO2021006263A1

WO2021006263A1 - 車両用ドラムブレーキ

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Publication number: WO2021006263A1
Application number: PCT/JP2020/026537
Authority: WO
Inventors: 広地碓井; 直俊中島
Original assignee: 日信工業株式会社
Priority date: 2019-07-10
Filing date: 2020-07-07
Publication date: 2021-01-14
Also published as: JP7442524B2; CN114127435A; EP3998415A1; CN114127435B; JPWO2021006263A1; EP3998415A4

Abstract

バックプレートに形成されるアンカー取付け部に、ブレーキシューを回動可能に支持するアンカープレートが固定され、ブレーキレバーに連結されるブレーキケーブルをガイドするガイド部が、バックプレートの半径方向でアンカー取付け部よりも内側に固定配置される車両用ドラムブレーキにおいて、バックプレート（１３）およびアンカープレート（２１）の少なくとも一方に、ガイド部（４８）に当接して当該ガイド部（４８）を支持する支持部（５０）が一体に設けられる。これにより、ブレーキケーブルに対するガイド部の強度を高めることができる。

Description

車両用ドラムブレーキ

　本発明は、ブレーキドラムへの摺接を可能とした一対のブレーキシューと、それらのブレーキシューを前記ブレーキドラムに摺接させてブレーキ力が得られるように回動することを可能としたブレーキレバーとが、バックプレート内に収容され、前記バックプレートの内方側に隆起して当該バックプレートに形成されるアンカー取付け部に、一対の前記ブレーキシューの一端部に当接してそれらのブレーキシューを回動可能に支持するアンカープレートが固定され、前記ブレーキレバーに連結されるブレーキケーブルをガイドするガイド部が、前記バックプレートの半径方向で前記アンカー取付け部よりも内側に固定配置される車両用ドラムブレーキに関する。

　このような車両用ドラムブレーキは、特許文献１等で既に知られている。

日本特開２０１８－３５８２８号公報

　上記特許文献１で開示されたものでは、抑制部材に一体に設けられるガイド部が、アンカープレートおよびアンカー取付け部から浮いた片持ち構造でブレーキケーブルをガイドしているので、前記ブレーキケーブルからの入力によるモーメントおよび剪断力がガイド部に作用し、これらに耐える強度を持たせるためにガイド部を有する抑制部材の板厚を増す必要があった。

　本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ブレーキケーブルに対するガイド部の強度を高め得るようにした車両用ドラムブレーキを提供することを目的とする。

　上記目的を達成するために、本発明は、ブレーキドラムへの摺接を可能とした一対のブレーキシューと、それらのブレーキシューを前記ブレーキドラムに摺接させてブレーキ力が得られるように回動することを可能としたブレーキレバーとが、バックプレート内に収容され、前記バックプレートの内方側に隆起して当該バックプレートに形成されるアンカー取付け部に、一対の前記ブレーキシューの一端部に当接してそれらのブレーキシューを回動可能に支持するアンカープレートが固定され、前記ブレーキレバーに連結されるブレーキケーブルをガイドするガイド部が、前記バックプレートの半径方向で前記アンカー取付け部よりも内側に固定配置される車両用ドラムブレーキにおいて、前記バックプレートおよび前記アンカープレートの少なくとも一方に、前記ガイド部に当接して当該ガイド部を支持する支持部が一体に設けられることを第１の特徴とする。

　また本発明は、第１の特徴の構成に加えて、前記アンカープレートと、一対の前記ブレーキシューの一端部を前記アンカー取付け部との間に挟む抑制部材とが前記アンカー取付け部に固定され、前記ガイド部が、前記バックプレートの中心側に向けて張り出すようにして前記抑制部材に一体に設けられることを第２の特徴とする。

　本発明は、第１または第２の特徴の構成に加えて、前記支持部が、前記バックプレートの中心軸線と平行な方向で前記ガイド部に当接されることを第３の特徴とする。

　本発明は、第１の特徴の構成に加えて、前記支持部が、前記バックプレートの半径方向で前記ガイド部に当接されることを第４の特徴とする。

　さらに本発明は、第１または第２の特徴の構成に加えて、前記バックプレートおよび前記アンカープレートの少なくとも一方に、前記バックプレートの半径方向で前記ガイド部に当接する第１の支持部と、前記バックプレートの中心軸線と平行な方向で前記ガイド部に当接する第２の支持部とが一体に設けられることを第５の特徴とする。

　本発明の第１の特徴によれば、バックプレートおよびアンカープレートの少なくとも一方に一体に設けられる支持部が、ガイド部に当接してガイド部を支持するので、部品点数の増加を回避しつつ、ガイド部の強度を確保することができる。

　また本発明の第２の特徴によれば、ガイド部は抑制部材に一体に設けられるので、抑制部材の板厚増加を不要としてガイド部の強度を確保することができる。

　本発明の第３の特徴によれば、支持部がバックプレートの中心軸線と平行な方向でガイド部に当接されるので、ブレーキケーブルからガイド部に作用する力のうち垂直成分および剪断力に対する強度を高めることができる。

　本発明の第４の特徴によれば、支持部がバックプレートの半径方向でガイド部に当接されるので、ブレーキケーブルからガイド部に作用する入力によるモーメントに対する強度を高めることができる。

　さらに本発明の第５の特徴によれば、バックプレートの半径方向ならびにバックプレートの中心軸線と平行な方向のいずれの方向からも支持部がガイド部に当接されるので、ブレーキケーブルから作用する力の垂直成分、剪断力およびモーメントに対する強度を高めることができる。

図１は第１の実施の形態のドラムブレーキの正面図である。（第１の実施の形態）図２はドラムブレーキの背面図である。（第１の実施の形態）図３はアンカープレートおよび抑制部材のアンカー取付け部への取付け状態を示す斜視図である。（第１の実施の形態）図４はブレーキケーブルおよびコイルばねを省略した状態での図１の４－４線断面図である。（第１の実施の形態）図５は第２の実施の形態に図４に対応した断面図である。（第２の実施の形態）図６は第３の実施の形態の図４に対応した断面図である。（第３の実施の形態）図７は第４の実施の形態の図４に対応した断面図である。（第４の実施の形態）

１３・・・バックプレート
１４・・・ブレーキドラム
１５，１６・・・ブレーキシュー
２１・・・アンカープレート
３４・・・ブレーキレバー
３７・・・ブレーキケーブル
４５・・・抑制部材
４６，５１，６４・・・アンカー取付け部
４８，５２，５５，６８・・・ガイド部
５０，５３，５４，６９・・・支持部
Ｂ・・・ドラムブレーキ

　本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。

第１の実施の形態

　本発明の第１の実施の形態について図１～図４を参照しながら説明すると、先ず図１において、四輪車両の車輪たとえば左後輪にドラムブレーキＢが設けられており、このドラムブレーキＢは、前記左後輪の車軸１１を貫通させる貫通孔１２を中央部に有する固定のバックプレート１３と、前記左後輪とともに回転するブレーキドラム１４の内周に摺接することを可能として前記バックプレート１３内に配置される第１および第２のブレーキシュー１５，１６と、第１および第２のブレーキシュー１５，１６が拡張作動する力を発揮するようにして前記バックプレート１３に固定されるホイールシリンダ１７と、第１および第２のブレーキシュー１５，１６および前記ブレーキドラム１４間の間隙を自動的に調整する制動間隙自動調整手段（所謂オートアジャスタ）１８と、第１および第２のブレーキシュー１５，１６間に設けられるリターンスプリング１９とを備える。

　第１および第２のブレーキシュー１５，１６は、前記ブレーキドラム１４の内周に沿うようにして弓形の平板状に形成される第１および第２のウエブ１５ａ，１６ａと、それらの第１および第２のウエブ１５ａ，１６ａの外周に直交するように連設される第１および第２のリム１５ｂ，１６ｂと、第１および第２のリム１５ｂ，１６ｂの外周に貼着される第１および第２のライニング１５ｃ，１６ｃとから成る。

　前記バックプレート１３には、第１および第２のブレーキシュー１５，１６の拡張、収縮時の支点となるアンカープレート２１が、第１および第２のウエブ１５ａ，１６ａの一端部（この実施の形態では下端部）を回動可能に支持するようにして固設される。また前記ホイールシリンダ１７は、ブレーキペダルで操作されるマスタシリンダ（図示せず）の出力液圧によって作動して、前記アンカープレート２１を支点として第１および第２のブレーキシュー１５，１６を拡張する側に駆動する力を発揮するようにして、第１および第２のブレーキシュー１５，１６の他端部間で前記バックプレート１３に固定されており、このホイールシリンダ１７が備える一対のピストン２０の外端部は、第１および第２のウエブ１５ａ，１６ａの他端部（この実施の形態では上端部）に対向するように配置される。

　第１および第２のウエブ１５ａ，１６ａの前記一端部間には、それらの第１および第２のウエブ１５ａ，１６ａの前記一端部を前記アンカープレート２１側に付勢するコイルスプリング２２が設けられ、第１および第２のウエブ１５ａ，１６ａの他端部間には、第１および第２のブレーキシュー１５，１６を収縮方向に付勢する前記リターンスプリング１９が設けられる。

　前記制動間隙自動調整手段１８は、第１および第２のブレーキシュー１５，１６が有する第１および第２のウエブ１５ａ，１６ａ間に設けられるとともにアジャストギヤ２３の回動によって伸長し得る収縮位置規制ストラット２４と、前記アジャストギヤ２３に係合する送り爪２５ａを有して第１および第２のブレーキシュー１５，１６のうち第２のブレーキシュー１６の前記第２のウエブ１６ａに回動可能に支持されるアジャストレバー２５と、前記収縮位置規制ストラット２４を伸長させる方向に前記アジャストギヤ２３を回動させる側に前記アジャストレバー２５を回動付勢するアジャストスプリング２６とで構成される。

　前記収縮位置規制ストラット２４は、第１および第２のブレーキシュー１５，１６の収縮位置を規制するものであり、第１係合連結部２７ａを有する第１ロッド２７と、第２係合連結部２８ａを有して第１ロッド２７と同軸に配置される第２ロッド２８と、第１ロッド２７に一端部が軸方向相対移動可能に挿入されるとともに第２ロッド２８に他端部が同軸に螺合されるアジャストボルト２９とを有しており、前記アジャストギヤ２３は、第１および第２ロッド２７，２８間に配置されて前記アジャストボルト２９の外周に形成される。

　前記アジャストギヤ２３に係合する送り爪２５ａを有するアジャストレバー２５は、前記第２のウエブ１６ａに支軸３２を介して回動可能に支持され、前記第２のウエブ１６ａおよび前記アジャストレバー２５間に前記アジャストスプリング２６が設けられる。しかも前記アジャストスプリング２６のばね力は、前記リターンスプリング１９のばね力よりも小さく設定される。

　ところで、このドラムブレーキＢは、一方向（図１の反時計方向）に回動するのに応じてパーキングブレーキ力を発生させ得るパーキングブレーキレバー３４を備えており、このパーキングブレーキレバー３４は、第１のブレーキシュー１５における前記第１のウエブ１５ａの一部に、前記ブレーキドラム１４の回転軸線に沿う方向での正面視（図１で示す方向）で重なるように配置され、前記第１のウエブ１５ａの長手方向に沿って長く延びる。

　前記パーキングブレーキレバー３４の一端部（この実施の形態では下端部）に設けられる係止部３４ａには、ブレーキケーブル３７の一端部に固定されたケーブルエンド３６が係合され、前記パーキングブレーキレバー３４の他端部（この実施の形態では上端部）は、第１のブレーキシュー１５における前記第１のウエブ１５ａの他端部にピン３５を介して回動可能に支持される。

　前記制動間隙自動調整手段１８における前記第１ロッド２７の前記第１係合連結部２７ａは、前記パーキングブレーキレバー３４の前記他端部寄りの前記車軸１１側に臨む側縁に設けられる第１係止凹部３０に係合され、前記第２ロッド２８の前記第２係合連結部２８ａは、前記第２のブレーキシュー１６が備える前記第２のウエブ１６ａの前記他端部寄りの前記車軸１１側に臨む側縁に設けられる第２係止凹部３１に係合される。

　上述の制動間隙自動調整手段１８によれば、第１および第２のブレーキシュー１５，１６が前記ホイールシリンダ１７の作動によって拡張作動する際に前記第１および第２のライニング１５ｃ，１６ｃの摩耗に起因して一定値以上拡張した場合には、前記アジャストスプリング２６のばね力によって前記アジャストレバー２５が前記支軸３２の軸線まわりに回動し、それによって前記アジャストギヤ２３が回動するのに応じて前記収縮位置規制ストラット２４の有効長さが増加補正される。

　車両のパーキングブレーキ作動時には、前記ブレーキケーブル３７から入力される牽引力により、前記パーキングブレーキレバー３４が前記ピン３５を支点として図１の反時計方向に回動、駆動されるものであり、このパーキングブレーキレバー３４の回動によって、第２のブレーキシュー１６に、当該ブレーキシュー１６が有する前記第２のライニング１６ｃを前記ブレーキドラム１４の内周に圧接させる方向の力が前記収縮位置規制ストラット２４を介して作用する。さらに前記パーキングブレーキレバー３４が図１の反時計方向に続けて回動、駆動されると、前記パーキングブレーキレバー３４が前記収縮位置規制ストラット２４の第１係合連結部２７ａとの係合部を支点として回動し、今度は、前記ピン３５を介して第１のブレーキシュー１５が拡張作動し、第１のブレーキシュー１５の前記第１のライニング１５ｃが前記ブレーキドラム１４の内周に圧接することになる。すなわち前記パーキングブレーキレバー３４は、第１および第２のブレーキシュー１５，１６の前記第１および第２のライニング１５ｃ，１６ｃが前記ブレーキドラム１４の内周に圧接するようにした作動位置に作動し、この状態でパーキングブレーキ状態が得られることになる。

　また前記ブレーキケーブル３７を緩めることで前記パーキングブレーキレバー３４に対する回動駆動力の付与を停止したときには、前記ブレーキドラム１４の内周から離反する方向に前記リターンスプリング１９のばね力によって作動する第１および第２のブレーキシュー１５，１６とともに前記パーキングブレーキレバー３４は非作動位置に戻ることになる。

　図２を併せて参照して、前記ブレーキケーブル３７は、電動アクチュエータ３８が発揮する動力で牽引されるものであり、この電動アクチュエータ３８は、前記ブレーキケーブル３７に連結されるねじ軸３９と、当該ねじ軸３９をその回転を阻止しつつ軸線方向の往復運動を可能として支持するアクチュエータケース４０と、正逆回転を自在として前記アクチュエータケース４０に支持される電動モータ４１と、その電動モータ４１で発生する回転運動を前記ねじ軸３９の直線運動に変換することを可能としつつ前記電動モータ４１および前記ねじ軸３９間に介設されて前記アクチュエータケース４０に収容される運動変換機構（図示せず）とを備える。

　前記電動アクチュエータ３８の前記アクチュエータケース４０は、前記ホイールシリンダ１７とは反対側で前記バックプレート１３に取付け部材４２を介して取付けられる。前記取付け部材４２は、前記アクチュエータケース４０に固着されており、この取付け部材４２が複数個たとえば３個のボルト４３で前記バックプレート１３に締結される。

　前記ブレーキケーブル３７は、その一部を除いて樹脂製のインナーケーブルコート５７で覆われており、このブレーキケーブル３７の前記電動アクチュエータ３８側の端部は、前記電動アクチュエータ３８の前記ねじ軸３９にケーブルジョイント５８を介して連結される。また前記バックプレート１３の下部の車両前後方向に沿う前部には筒部１３ａが一体に突設されており、前記ブレーキケーブル３７は前記筒部１３ａから前記バックプレート１３内に導入され、前記ドラムブレーキＢの車輪への装着状態で前記バックプレート１３内では前記車軸１１よりも下方位置となるように配索される。

　また前記ねじ軸３９および前記ブレーキケーブル３７の連結部を覆う保護筒５９が前記アクチュエータケース４０に取付けられ、この保護筒５９および前記バックプレート１３の前記筒部１３ａとの間で、前記ブレーキケーブル３７は前記インナーケーブルコート５７とともにアウターケーブル６０で覆われ、このアウターケーブル６０の両端部は、前記保護筒５９および前記筒１３ａにガイドチューブ６１，６２を介して取付けられる。

　前記アウターケーブル６０は、たとえば鉄製の線材をコイル状に巻回して成り、前記電動アクチュエータ３８の出力による反力を受けるものであるが、アウターケーブル６０に代えて金属製の筒状部材が用いられるようにしてもよい。

　図３および図４を併せて参照して、第１および第２のブレーキシュー１５，１６における第１および第２のウエブ１５ａ，１６ａの一端部（下端部）には、前記アンカープレート２１が当接するものであり、このアンカープレート２１と、第１および第２のブレーキシュー１５，１６の前記バックプレート１３からの浮き上がりを抑えるようにして前記バックプレート１３との間に第１および第２のウエブ１５ａ，１６ａの一端部を挟む抑制部材４５とが、前記バックプレート１３の内方側に隆起するようにして前記バックプレートに形成されるアンカー取付け部４６に、当該アンカー取付け部４６および前記抑制部材４５間に前記アンカープレート２１が挟まれた状態で、一対のリベット４７によって固定される。

　ところで前記インナーケーブルコート５７で覆われた前記ブレーキケーブル３７をガイドするガイド部４８が、前記バックプレート１３の半径方向で前記アンカー取付け部４６よりも内側に固定配置されるものであり、この実施の形態では、前記ガイド部４８が前記抑制部材４５から前記バックプレート１３の中心側に向けて張り出すようにして当該抑制部材４５に一体に設けられる。

　このガイド部４８は、前記抑制部材４５に面一に連なって前記バックプレート１３の中心側に向けて延出される平板部４８ａと、その平板部４８ａの先端部に連なって前記バックプレート１３から離反する方向に湾曲した第１の湾曲部４８ｂと、前記平板部４８ａの前記パーキングブレーキレバー３４の端部で前記平板部４８ａおよび第１の湾曲部４８ｂに連なって第１の湾曲部４８ｂと協働して略Ｕ字状の溝４９を形成する第２の湾曲部４８ｃとを一体に有するように形成される。

　本発明に従えば、前記バックプレート１３および前記アンカープレート２１の少なくとも一方、この第１の実施の形態では前記アンカープレート２１に、前記ガイド部４８に当接して当該ガイド部４８を支持する支持部５０が一体に設けられる。この支持部５０は、前記バックプレート１３の中心軸線と平行な方向で前記ガイド部４８に当接されるものであり、前記ガイド部４８における前記平板部４８ａに前記バックプレート１３側から当接するようにして前記アンカープレート２１に面一に連なって前記バックプレート１３の中心側に向けて前記アンカープレート２１から延出される。

　次にこの第１の実施の形態の作用について説明すると、バックプレート１３には内方側に隆起するアンカー取付け部４６が形成され、前記ブレーキレバーに連結されるブレーキケーブルをガイドするガイド部が、インナーケーブルコート５７で覆われたブレーキケーブル３７をガイドするガイド部４８が、前記バックプレート１３の半径方向で前記アンカー取付け部４６よりも内側に固定配置され、前記バックプレート１３およびアンカープレート２１の少なくとも一方、この第１の実施の形態では前記アンカープレート２１に、前記ガイド部４８に当接して当該ガイド部４８を支持する支持部５０が一体に設けられるので、部品点数の増加を回避しつつ、前記ガイド部４８の強度を確保することができる。

　しかもこの第１の実施の形態では、前記ガイド部４８が、前記アンカー取付け部４６との間にアンカープレート２１を挟むようにして当該アンカープレート２１とともに前記アンカー取付け部４６に固定される抑制部材４５に、前記バックプレート１３の中心側に向けて張り出すようにして一体に設けられるので、ガイド部４８を有する抑制部材４５の板厚増加を不要としてガイド部４８の強度を確保することができる。

　また前記支持部５０は、前記バックプレート１３の中心軸線と平行な方向で前記ガイド部４８に当接されるので、前記ブレーキケーブル３７から前記ガイド部４８に作用する力のうち垂直成分および剪断力に対する強度を高めることができる。

第２の実施の形態

　本発明の第２の実施の形態について図５を参照しながら説明すると、バックプレート１３には、その内方側に隆起したアンカー取付け部５１が形成され、このアンカー取付け部５１に、アンカープレート２１と、そのアンカープレート２１を前記アンカー取付け部５１との間に挟む抑制部材４５とがリベット４７で固定され、前記抑制部材４５には、前記インナーケーブルコート５７で覆われた前記ブレーキケーブル３７をガイドするガイド部５２が、前記抑制部材４５から前記バックプレート１３の中心側に向けて張り出すようにして一体に設けられる。

　前記ガイド部５２は、バックプレート１３の半径方向に沿う前記抑制部材４５の内端部から前記バックプレート１３に入り込む側に延出される縦壁部５２ａと、その縦壁部の５２ａの先端部に連なって半円状に湾曲される湾曲部５２ｂとを一体に有して横断面略Ｊ字状に形成され、前記ブレーキケーブル３７は前記湾曲部５２ｂでガイドされる。

　前記バックプレート１３および前記アンカープレート２１の少なくとも一方、この第２の実施の形態では前記バックプレート１３に、前記ガイド部５２に当接して当該ガイド部５２を支持する支持部５３が一体に設けられる。

　前記支持部５３は、前記バックプレート１３の前記アンカー取付け部５１が一体に有するものであり、前記ガイド部５２の前記縦壁部５２ａに当接するようにして前記アンカー取付け部５１に一体に形成され、前記バックプレート１３の半径方向で前記支持部５３が前記ガイド部５２に当接されることになる。

　この第２の実施の形態によれば、上記第１の実施の形態と同様に、部品点数の増加を回避しつつ、ガイド部５２を有する抑制部材４５の板厚増加を不要としてガイド部５２の強度を確保することができ、しかも前記支持部５３は、前記バックプレート１３の半径方向で前記ガイド部５２に当接されるので、前記ブレーキケーブル３７から前記ガイド部５２への入力によるモーメントに対する強度を高めることができる。

第３の実施の形態

　本発明の第３の実施の形態について図６を参照しながら説明すると、バックプレート１３には、その内方側に隆起したアンカー取付け部５１が形成され、このアンカー取付け部５１に、アンカープレート２１と、そのアンカープレート２１を前記アンカー取付け部５１との間に挟む抑制部材４５とがリベット４７で固定され、前記抑制部材４５には、前記インナーケーブルコート５７で覆われた前記ブレーキケーブル３７をガイドするガイド部５５が、前記抑制部材４５から前記バックプレート１３の中心側に向けて張り出すようにして一体に設けられる。

　前記ガイド部５５は、バックプレート１３の半径方向に沿う前記抑制部材４５の内端部から前記バックプレート１３に入り込む側に延出される縦壁部５５ａと、その縦壁部の５５ａの先端部に連なって半円状に湾曲される湾曲部５５ｂとを一体に有して横断面略Ｊ字状に形成され、前記ブレーキケーブル３７は前記湾曲部５５ｂでガイドされる。

　前記バックプレート１３および前記アンカープレート２１の少なくとも一方、この第２の実施の形態では前記バックプレート１３に、前記ガイド部５５に当接して当該ガイド部５５を支持する第１および第２の支持部５３，５４が一体に設けられる。

　第１および第２の支持部５３，５４は、前記バックプレート１３の前記アンカー取付け部５１が一体に有するものであり、第１の支持部５３は、前記バックプレート１３の半径方向で前記ガイド部５５に当接され、第２の支持部５４は、前記バックプレート１３の中心軸線と平行な方向で前記ガイド部５５に当接される。

　而して前記第１の支持部５３は、前記ガイド部５５の前記縦壁部５５ａに当接するようにして前記アンカー取付け部５１に一体に形成され、前記第２の支持部５４は、前記ガイド部５５の前記湾曲部５５ｂに当接するようにして前記アンカー取付け部５１に一体に形成される。

　この第３の実施の形態によれば、上記第１および第２の実施の形態と同様に、部品点数の増加を回避しつつ、ガイド部５５を有する抑制部材４５の板厚増加を不要としてガイド部５５の強度を確保することができ、しかも前記第１の支持部５３が、前記バックプレート１３の半径方向で前記ガイド部５５に当接され、前記第２の支持部５４が前記バックプレート１３の中心軸線と平行な方向で前記ガイド部５５に当接されるので、前記ブレーキケーブル３７から前記ガイド部５５への入力によるモーメントに対する強度を高めることができるとともに、前記ブレーキケーブル３７から前記ガイド部５５に作用する力のうち垂直成分および剪断力に対する強度を高めることができる。

第４の実施の形態

　本発明の第４の実施の形態について図７を参照しながら説明すると、バックプレート１３には、その内方側に隆起したアンカー取付け部６４が形成され、このアンカー取付け部６４に、アンカープレート２１と、当該アンカープレート２１および前記アンカー取付け部６４間に挟まれる平板状の板部材６５と、前記アンカープレート２１および前記板部材６５を前記アンカー取付け部６４との間に挟む抑制部材６６とが、リベット６７で固定される。

　インナーケーブルコート５７で覆われたブレーキケーブル３７をガイドするガイド部６８が、バックプレート１３の半径方向で前記アンカー取付け部６４よりも内側に固定配置されるものであり、この第４の実施の形態では、前記ガイド部６８が、前記板部材６５から前記バックプレート１３の中心側に向けて張り出すようにして、当該板部材６５に一体に設けられる。

　前記ガイド部６８は、前記バックプレート１３の半径方向に沿う前記板部材６５の内端部から前記バックプレート１３に入り込む側に延出される縦壁部６８ａと、その縦壁部６８ａの先端部に連なって半円状に湾曲される湾曲部６８ｂとを一体に有して横断面略Ｊ字状に形成され、前記ブレーキケーブル３７は前記湾曲部６８ｂでガイドされる。

　前記バックプレート１３および前記アンカープレート２１の少なくとも一方、この第４の実施の形態では前記バックプレート１３に、前記ガイド部６８に当接して当該ガイド部６８を支持する支持部６９が一体に設けられる。

　前記支持部６９は、前記バックプレート１３の前記アンカー取付け部６４が一体に有するものであり、前記ガイド部６８の前記縦壁部６８ａに当接するようにして前記アンカー取付け部６４に一体に形成され、前記バックプレート１３の半径方向で前記支持部６９が前記ガイド部６８に当接されることになる。

　この第４の実施の形態によれば、上述の各実施の形態と同様に、部品点数の増加を回避しつつ、ガイド部６８を有する板部材６５の板厚増加を不要としてガイド部６８の強度を確保することができ、しかも前記支持部６９は、前記バックプレート１３の半径方向で前記ガイド部６８に当接されるので、前記ブレーキケーブル３７から前記ガイド部６８への入力によるモーメントに対する強度を高めることができる。

　以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。

　たとえば上述の実施の形態ではブレーキケーブル３７を電動アクチュエータ３８で牽引するようにしていたが、人力でブレーキケーブル３７を牽引するようにしたドラムブレーキにも本発明を適用することができる。

Claims

　ブレーキドラム（１４）への摺接を可能とした一対のブレーキシュー（１５，１６）と、それらのブレーキシュー（１５，１６）を前記ブレーキドラム（１４）に摺接させてブレーキ力が得られるように回動することを可能としたブレーキレバー（３４）とが、バックプレート（１３）内に収容され、前記バックプレート（１３）の内方側に隆起して当該バックプレート（１３）に形成されるアンカー取付け部（４６，５１，６４）に、一対の前記ブレーキシュー（１５，１６）の一端部に当接してそれらのブレーキシュー（１５，１６）を回動可能に支持するアンカープレート（２１）が固定され、前記ブレーキレバー（３４）に連結されるブレーキケーブル（３７）をガイドするガイド部（４８，５２，５５，６９）が、前記バックプレート（１３）の半径方向で前記アンカー取付け部（４６，５１，６４）よりも内側に固定配置される車両用ドラムブレーキにおいて、前記バックプレート（１３）および前記アンカープレート（２１）の少なくとも一方に、前記ガイド部（４８，５２，５５，６８）に当接して当該ガイド部（４８，５２，５５，６８）を支持する支持部（５０，５３，５４，６９）が一体に設けられることを特徴とする車両用ドラムブレーキ。
　前記アンカープレート（２１）と、一対の前記ブレーキシュー（１５，１６）の一端部を前記アンカー取付け部（４６，５１）との間に挟む抑制部材（４５）とが、前記アンカー取付け部（２１）に固定され、前記ガイド部（４８，５２，５５）が、前記バックプレート（１３）の中心側に向けて張り出すようにして前記抑制部材（４５）に一体に設けられることを特徴とする請求項１に記載の車両用ドラムブレーキ。
　前記支持部（５０，５４）が、前記バックプレート（１３）の中心軸線と平行な方向で前記ガイド部（４８，５５）に当接されることを特徴とする請求項１または２に記載の車両用ドラムブレーキ。
　前記支持部（５３，６９）が、前記バックプレート（１３）の半径方向で前記ガイド部（５２，５５，６８）に当接されることを特徴とする請求項１に記載の車両用ドラムブレーキ。
　前記バックプレート（１３）および前記アンカープレート（２１）の少なくとも一方に、前記バックプレート（１３）の半径方向で前記ガイド部（５５）に当接する第１の支持部（５３）と、前記バックプレート（１３）の中心軸線と平行な方向で前記ガイド部（５５）に当接する第２の支持部（５４）とが一体に設けられることを特徴とする請求項１または２に記載の車両用ドラムブレーキ。