WO2021002120A1 - インパクト工具 - Google Patents

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中原 雅之
隆司 草川
尊大 植田
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Abstract

本開示は、作業性を向上させることができるインパクト工具を提供することを目的とする。インパクト工具(1)は、電動機(15)と、インパクト機構と、打撃検知部(49)と、制御部(4)と、を備える。電動機(15)は、永久磁石(131)及びコイル(141)を有する。インパクト機構は、電動機(15)から動力を得て打撃力を発生させる打撃動作を行う。打撃検知部(49)は、打撃動作の有無を検知する。制御部(4)は、電動機(15)の動作を制御する。制御部(4)の制御は、弱め磁束電流をコイル(141)に流させる弱め磁束制御を含む。弱め磁束電流は、永久磁石(131)の磁束を弱める磁束をコイル(141)に発生させる。制御部(4)は、弱め磁束制御において、打撃検知部(49)が打撃動作を検知した後に、弱め磁束電流を減少させる。

Description

インパクト工具
 本開示は一般にインパクト工具に関し、より詳細には、電動機を備えるインパクト工具に関する。
 特許文献1に記載のインパクト回転工具は、インパクト機構と、打撃検出部と、制御部と、電圧検出部とを備える。インパクト機構は、ハンマを有し、モータ出力によって出力軸に打撃衝撃を加える。打撃検出部は、インパクト機構による打撃を検出する。制御部は、打撃検出部の検出結果に基づいてモータの回転を停止させる。電圧検出部は、打撃検出部の電圧を検出する。制御部は、モータが回転していないときに電圧検出部が検出した電圧に基づいて、打撃検出部が異常であるか否かを判定する。
特開2017-132021号公報
 本開示は、作業性を向上させることができるインパクト工具を提供することを目的とする。
 本開示の一態様に係るインパクト工具は、電動機と、インパクト機構と、打撃検知部と、制御部と、を備える。前記電動機は、永久磁石及びコイルを有する。前記インパクト機構は、前記電動機から動力を得て打撃力を発生させる打撃動作を行う。前記打撃検知部は、前記打撃動作の有無を検知する。前記制御部は、前記電動機の動作を制御する。前記制御部の制御は、弱め磁束電流を前記コイルに流させる弱め磁束制御を含む。前記弱め磁束電流は、前記永久磁石の磁束を弱める磁束を前記コイルに発生させる。前記制御部は、前記弱め磁束制御において、前記打撃検知部が前記打撃動作を検知した後に、前記弱め磁束電流を減少させる。
図1は、一実施形態に係るインパクト工具のブロック図である。 図2は、同上のインパクト工具の概略図である。 図3は、同上のインパクト工具の動作例を示すグラフである。 図4は、同上のインパクト工具の別の動作例を示すグラフである。
 以下、実施形態に係るインパクト工具1について、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する図2は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
 (1)概要
 本実施形態のインパクト工具1は、例えば、インパクトドライバ、ハンマドリル、インパクトドリル、インパクトドリルドライバ又はインパクトレンチとして用いられる。本実施形態では、代表例として、インパクト工具1がねじをねじ締めするためのインパクトドライバとして用いられる場合について説明する。インパクト工具1は、図1、図2に示すように、電動機15(交流電動機)と、インパクト機構17と、制御部4と、を備えている。
 インパクト機構17は、電動機15から動力を得て打撃力を発生させる打撃動作を行う。制御部4は、インパクト機構17の打撃動作の有無を検知する打撃検知部49を有している。制御部4は、電動機15の動作を制御する。
 電動機15は、例えばブラシレスモータである。特に、本実施形態の電動機15は、同期電動機であり、より詳細には、永久磁石同期電動機(PMSM(Permanent Magnet Synchronous Motor))である。電動機15は、永久磁石131を有する回転子13と、コイル141を有する固定子14と、を含んでいる。回転子13は、回転軸16を含む。コイル141と永久磁石131との電磁的相互作用により、回転子13は、固定子14に対して回転する。制御部4は、コイル141に供給される励磁電流(d軸電流)とトルク電流(q軸電流)とを独立に制御するベクトル制御を行う。制御部4の制御は、ベクトル制御による弱め磁束制御を含む。弱め磁束制御では、制御部4は、電動機15のコイル141に弱め磁束電流(マイナスの励磁電流)を流させる。弱め磁束電流は、永久磁石131の磁束を弱める磁束(弱め磁束)をコイル141に発生させる。これにより、電動機15の回転数(回転軸16の回転数)が増加するので、作業時間の短縮を図ることができる。
 また、制御部4は、弱め磁束制御において、打撃検知部49が打撃動作を検知した後に、弱め磁束電流を減少させる。これにより、電動機15の回転数(回転軸16の回転数)が低下し、電動機15を停止させやすい状態にできる。また、電動機15の回転数が低下することで、電動機15のトルクは増加する。すなわち、弱め磁束電流を減少させない場合と比較して、インパクト機構17は、より大きいトルクで打撃動作を行うことができる。
 「永久磁石131の磁束を弱める磁束をコイル141に発生させる」とは、言い換えると、コイル141で発生する磁束により、永久磁石131の周囲の磁束密度を弱めることである。
 以上により、本実施形態のインパクト工具1では、弱め磁束制御を行わない場合と比較して、作業性を向上させることができる。また、本実施形態のインパクト工具1では、弱め磁束制御において弱め磁束電流を減少させる制御を行わない場合と比較しても、作業性を向上させることができる。
 また、制御部4の制御は、通常制御を含む。通常制御では、制御部4は、コイル141に弱め磁束電流を流させない。つまり、通常制御においてコイル141に流れる電流は、トルク電流(q軸電流)のみとなる。本実施形態において、上述の弱め磁束電流を減少させる制御は、具体的には、通常制御である。制御部4は、電動機15のトルク電流が比較的大きくなった場合(例えば、トルク電流の大きさが所定値を超えた場合)に、制御を弱め磁束制御から通常制御に切り替える。
 (2)インパクト工具
 図2に示すように、インパクト工具1は、電動機15と、電源32と、駆動伝達部18と、インパクト機構17と、ソケット23と、トリガボリューム29と、制御部4と、モータ回転測定部27と、を備えている。また、インパクト工具1は、先端工具28を更に備えている。
 インパクト機構17は、出力軸21を有している。出力軸21は、電動機15から伝達された駆動力により回転する部分である。ソケット23(チャック)は、出力軸21に固定されており、先端工具28が着脱自在に取り付けられる部分である。インパクト工具1は、先端工具28を電動機15の駆動力で駆動する工具である。先端工具28(ビットとも言う)は、例えば、ドライバビット又はドリルビット等である。各種の先端工具28のうち用途に応じた先端工具28が、ソケット23に取り付けられて用いられる。なお、出力軸21に直接に先端工具28が装着されてもよい。
 本実施形態の先端工具28は、ねじを締めるためのドライバビットである。すなわち、インパクト機構17の出力軸21は、ねじを締めるためのドライバビットを保持可能であり、電動機15から動力を得て回転する。ねじの種類は特に限定されず、例えば、ボルト、ビス又はナットであってよい。図2には、ねじとしてのテクスねじ(ドリルねじ)30を図示している。テクスねじ30は、頭部301と、タップ302と、ドリル303と、を有している。軸状のタップ302の両端に、頭部301とドリル303とがつながっている。頭部301には、先端工具28に適合するねじ穴(例えば、十字穴)が形成されている。タップ302には、ねじ山が形成されている。ドリル303は、刃を含んでいる。
 先端工具28がテクスねじ30の頭部301のねじ穴に挿入された状態で、先端工具28は、電動機15に駆動されて回転し、テクスねじ30を回転させる。テクスねじ30は、ねじ締め対象の部材(例えば、金属板又は木材)にドリル303により穴を空け、穴の内面にタップ302によりねじを切る。タップ302の全体が穴に挿入されると、頭部301がねじ締め対象の部材に接する、言い換えると、テクスねじ30がねじ締め対象の部材に着座する。
 電動機15は、先端工具28を駆動する駆動源である。電動機15は、回転動力を出力する回転軸16を有している。電源32は、電動機15を駆動する電流を供給する。電源32は、例えば、1又は複数の2次電池を含む。駆動伝達部18は、電動機15の回転動力を調整して所望のトルクを出力する。駆動伝達部18は、出力部である駆動軸22を備えている。
 駆動伝達部18の駆動軸22は、インパクト機構17に接続されている。インパクト機構17は、駆動伝達部18を介して受け取った電動機15の回転動力をパルス状のトルクに変換してインパクト力を発生する。インパクト機構17は、ハンマ19と、アンビル20と、出力軸21と、ばね24と、を備えている。ハンマ19は、駆動伝達部18の駆動軸22にカム機構を介して取り付けられている。アンビル20はハンマ19に結合されており、ハンマ19と一体に回転する。ばね24は、ハンマ19をアンビル20側に押している。アンビル20は、出力軸21と一体に形成されている。なお、アンビル20は、出力軸21とは別体に形成されて出力軸21に固定されていてもよい。
 出力軸21に所定の大きさ以上の負荷(トルク)がかかっていないときには、カム機構により連結された駆動軸22とハンマ19とが一体に回転し、さらにハンマ19とアンビル20とが一体に回転するので、アンビル20と一体に形成された出力軸21が回転する。一方で、出力軸21に所定の大きさ以上の負荷がかかった時には、ハンマ19がカム機構による規制を受けながらばね24に抗して後退する(つまり、アンビル20から離れる)。ハンマ19の後退によりハンマ19とアンビル20との結合が外れた時点で、ハンマ19は回転しながら前進してアンビル20に回転方向の打撃力を与え、出力軸21を回転させる。インパクト機構17の打撃動作では、ハンマ19がアンビル20に回転方向の打撃力を与える動作が繰り返される。インパクト機構17の動作が正常な場合には、ハンマ19が前進と後退とを1回ずつ行う間に、打撃動作が1回行われる。
 トリガボリューム29は、電動機15の回転を制御するための操作を受け付ける操作部である。トリガボリューム29を引く操作により、電動機15のオンオフを切替可能である。また、トリガボリューム29を引く操作の引込み量で、出力軸21の回転速度、つまり電動機15の回転速度を調整可能である。上記引込み量が大きいほど、電動機15の回転速度が速くなる。制御部4は、トリガボリューム29を引く操作の引込み量に応じて、電動機15を回転又は停止させ、また、電動機15の回転速度を制御する。このインパクト工具1では、先端工具28がソケット23に取り付けられる。そして、トリガボリューム29への操作によって電動機15の回転速度が制御されることで、先端工具28の回転速度が制御される。
 なお、本実施形態のインパクト工具1はソケット23を備えることで、先端工具28を用途に応じて交換可能であるが、先端工具28が交換可能であることは必須ではない。例えば、インパクト工具1は、特定の先端工具28のみ用いることができるインパクト工具であってもよい。
 モータ回転測定部27は、電動機15の回転角を測定する。モータ回転測定部27としては、例えば、光電式エンコーダ又は磁気式エンコーダを採用することができる。
 インパクト工具1は、インバータ回路部51(図1参照)を備えている。インバータ回路部51は、電動機15に電流を供給する。制御部4は、インバータ回路部51と共に用いられ、フィードバック制御により電動機15の動作を制御する。
 (3)制御部
 制御部4は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、制御部4の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
 制御部4の制御は、弱め磁束制御と、通常制御と、を含む。制御部4は、弱め磁束制御では、インバータ回路部51から電動機15のコイル141に弱め磁束電流を流させる。制御部4は、通常制御では、インバータ回路部51からコイル141に供給される励磁電流の大きさを0にする。つまり、制御部4は、通常制御では、インバータ回路部51からコイル141に弱め磁束電流(マイナスの励磁電流)を流させない。後述する切替条件が満たされる場合に、制御部4の制御は弱め磁束制御となる。通常制御は、励磁電流の指令値(目標値)cid1を0にし、励磁電流の電流測定値id1がこの指令値cid1に収束するように行う制御と言える。弱め磁束制御は、励磁電流の指令値cid1を0より小さくし、電流測定値id1がこの指令値cid1に収束するように行う制御と言える。励磁電流の指令値cid1が0より小さくなると、電動機15にマイナスの励磁電流が流れ、弱め磁束により、永久磁石131の磁束が弱まる。
 また、制御部4は、着座検知部53の検知結果に基づいて電動機15の動作を制御する。より詳細には、制御部4は、着座検知部53がねじの着座を検知すると、電動機15を停止させる。これにより、ねじの締め過ぎを抑制できる。
 図1に示すように、制御部4は、指令値生成部41と、速度制御部42と、電流制御部43と、第1の座標変換器44と、第2の座標変換器45と、磁束制御部46と、推定部47と、脱調検出部48と、打撃検知部49と、着座検知部53と、を有している。また、インパクト工具1は、複数(図1では2つ)の電流センサ61、62を備えている。
 複数の電流センサ61、62はそれぞれ、例えば、ホール素子電流センサ又はシャント抵抗素子を含んでいる。複数の電流センサ61、62は、電源32からインバータ回路部51を介して電動機15に供給される電流を測定する。ここで、電動機15には、3相電流(U相電流、V相電流及びW相電流)が供給されており、複数の電流センサ61、62は、少なくとも2相の電流を測定する。図1では、電流センサ61がU相電流を測定して電流測定値i1を出力し、電流センサ62がV相電流を測定して電流測定値i1を出力する。
 推定部47は、モータ回転測定部27で測定された電動機15の回転角θ1を時間微分して、電動機15の角速度ω1(回転軸16の角速度)を算出する。
 取得部60は、2つの電流センサ61、62と、第2の座標変換器45と、を有している。取得部60は、電動機15に供給されるd軸電流及びq軸電流を取得する。すなわち、2つの電流センサ61、62で測定された2相の電流が第2の座標変換器45で変換されることで、d軸電流の電流測定値id1及びq軸電流の電流測定値iq1が算出される。
 第2の座標変換器45は、複数の電流センサ61、62で測定された電流測定値i1、i1を、モータ回転測定部27で測定された電動機15の回転角θ1に基づいて座標変換し、電流測定値id1、iq1を算出する。すなわち、第2の座標変換器45は、3相電流に対応する電流測定値i1、i1を、磁界成分(d軸電流)に対応する電流測定値id1と、トルク成分(q軸電流)に対応する電流測定値iq1とに変換する。
 指令値生成部41は、電動機15の角速度の指令値cω1を生成する。指令値生成部41は、例えば、トリガボリューム29(図2参照)を引く操作の引込み量に応じた指令値cω1を生成する。すなわち、指令値生成部41は、上記引込み量が大きいほど、角速度の指令値cω1を大きくする。
 速度制御部42は、指令値生成部41で生成された指令値cω1と推定部47で算出された角速度ω1との差分に基づいて、指令値ciq1を生成する。指令値ciq1は、電動機15のトルク電流(q軸電流)の大きさを指定する指令値である。速度制御部42は、指令値cω1と角速度ω1との差分を小さくするように指令値ciq1を決定する。
 磁束制御部46は、推定部47で算出された角速度ω1と、電流制御部43で生成される指令値cvq1(後述する)と、電流測定値iq1(q軸電流)と、打撃検知部49の検知結果とに基づいて、指令値cid1を生成する。指令値cid1は、電動機15の励磁電流(d軸電流)の大きさを指定する指令値である。制御部4の制御が通常制御の場合は、磁束制御部46で生成される指令値cid1は、励磁電流の大きさを0にするための指令値となる。制御部4の制御が弱め磁束制御の場合は、磁束制御部46は、指令値cid1を0より小さい値にする。
 電流制御部43は、磁束制御部46で生成された指令値cid1と第2の座標変換器45で算出された電流測定値id1との差分に基づいて、指令値cvd1を生成する。指令値cvd1は、電動機15のd軸電圧の大きさを指定する指令値である。電流制御部43は、指令値cid1と電流測定値id1との差分を小さくするように指令値cvd1を決定する。
 また、電流制御部43は、速度制御部42で生成された指令値ciq1と第2の座標変換器45で算出された電流測定値iq1との差分に基づいて、指令値cvq1を生成する。指令値cvq1は、電動機15のq軸電圧の大きさを指定する指令値である。電流制御部43は、指令値ciq1と電流測定値iq1との差分を小さくするように指令値cvq1を生成する。
 第1の座標変換器44は、指令値cvd1、cvq1を、モータ回転測定部27で測定された電動機15の回転角θ1に基づいて座標変換し、指令値cv1、cv1、cv1を算出する。すなわち、第1の座標変換器44は、磁界成分(d軸電圧)に対応する指令値cvd1と、トルク成分(q軸電圧)に対応する指令値cvq1とを、3相電圧に対応する指令値cv1、cv1、cv1に変換する。指令値cv1はU相電圧に、指令値cv1はV相電圧に、指令値cv1はW相電圧に対応する。
 インバータ回路部51は、指令値cv1、cv1、cv1に応じた3相電圧を電動機15に供給する。制御部4は、インバータ回路部51をPWM(Pulse Width Modulation)制御することにより、電動機15に供給される電力を制御する。
 電動機15は、インバータ回路部51から供給された電力(3相電圧)により駆動され、回転動力を発生させる。
 この結果、制御部4は、電動機15のコイル141に流れる励磁電流が、磁束制御部46で生成された指令値cid1に対応した大きさとなるように励磁電流を制御する。また、制御部4は、電動機15の角速度が、指令値生成部41で生成された指令値cω1に対応した角速度となるように電動機15の角速度を制御する。
 脱調検出部48は、第2の座標変換器45から取得した電流測定値id1、iq1と、電流制御部43から取得した指令値cvd1、cvq1と、に基づいて、電動機15の脱調を検出する。脱調が検出された場合は、脱調検出部48は、インバータ回路部51に停止信号cs1を送信して、インバータ回路部51から電動機15への電力供給を停止させる。
 制御部4の打撃検知部49及び着座検知部53の詳細については、後述する。
 (4)弱め磁束制御と通常制御との切替
 所定の切替条件が満たされる場合に、制御部4の制御は弱め磁束制御となる。特に、電動機15の角速度ω1(回転数)が比較的大きい場合に、切替条件が満たされて、弱め磁束制御により電動機15は比較的大きい回転数を維持することが可能となる。切替条件は、例えば、電動機15の角速度ω1、q軸電流及びq軸電圧に関する条件である。切替条件の具体例は、角速度ω1が基準値以上、かつ、電流測定値iq1が所定の電流値以下、かつ、q軸電圧の指令値cvq1が基準電圧以上という条件である。
 そして、制御部4は、弱め磁束制御において、打撃検知部49がインパクト機構17の打撃動作を検知した後に、弱め磁束電流を減少させて0にする。言い換えると、打撃検知部49がインパクト機構17の打撃動作を検知すると、制御部4の制御は弱め磁束制御から通常制御に切り替わる。
 より詳細には、制御部4は、弱め磁束制御において、打撃検知部49がインパクト機構17の打撃動作を検知した後に、弱め磁束電流を時間経過に伴って減少させる。
 また、制御部4は、弱め磁束制御において、打撃検知部49が打撃動作を検知し、その後、打撃検知部49が打撃動作を検知しなくなると、弱め磁束電流を増加させる。より詳細には、制御部4は、弱め磁束制御において、打撃検知部49が打撃動作を検知し、弱め磁束電流を減少させ、その後、打撃検知部49が打撃動作を最後に検知してからある時間(例えば、数100ミリ秒)の経過後に、弱め磁束電流を増加させる。更に詳細には、このとき制御部4は、弱め磁束電流を時間経過に伴って増加させる。
 「弱め磁束電流を時間経過に伴って減少(又は増加)させる」とは、次のような態様を含む。すなわち、弱め磁束電流を1度のステップで変化させ、弱め磁束電流がその変化後の電流値で安定するのではなく、複数のステップで弱め磁束電流を変化させてから弱め磁束電流の値が安定するような態様を含む。また、「弱め磁束電流を時間経過に伴って減少(又は増加)させる」とは、電流測定値id1のサンプリング周期よりも長い時間に亘って弱め磁束電流が変化し続ける態様を含む。弱め磁束電流が時間経過に伴って徐々に変化することで、電動機15の回転数も徐々に変化する。これにより、制御部4の制御により回転数が自動的に変化しても、インパクト工具1を使用している作業者が違和感を感じる可能性を低減できる。
 なお、上記の切替条件が満たされなくなった場合にも、制御部4は、弱め磁束電流を時間経過に伴って減少させる。これにより、制御部4の制御は弱め磁束制御から通常制御に切り替わる。
 (5)打撃検知部
 打撃検知部49は、インパクト機構17の打撃動作の有無を検知する。より詳細には、打撃検知部49は、コイル141に供給されるトルク電流及び励磁電流のうち少なくとも一方に基づいて、インパクト機構17の打撃動作の有無を検知する。
 図3は、インパクト工具1を動作させる場合の電流測定値id1、iq1及び角速度ω1の時間的な推移の一例である。
 打撃検知部49は、次の第1条件及び第2条件のうち一方が満たされてから、他方が満たされるまでに要した時間が所定の時間以内の場合に、インパクト機構17が打撃動作をしているという検知結果(打撃検知信号b1)を出力する。また、打撃検知部49は、それ以外の場合に、インパクト機構17が打撃動作をしていないという検知結果を出力する。第1条件は、第2の座標変換器45で算出された電流測定値id1の交流成分の大きさが所定のd軸閾値よりも大きいことである。第2条件は、第2の座標変換器45で算出された電流測定値iq1の交流成分の大きさが所定のq軸閾値よりも大きいことである。言い換えると、打撃検知部49は、d軸電流の電流測定値id1に関する第1条件が満たされるタイミングと、q軸電流の電流測定値iq1に関する第2条件が満たされるタイミングとの差が上記所定の時間内の場合に、打撃動作が行われていることを検知する。つまり、このとき打撃検知部49は、インパクト機構17が打撃動作を行っているという判定結果を導出する。
 電流測定値id1、iq1の交流成分の大きさは、ある時間ごとに算出され、上記ある時間ごとに、第1条件が満たされたか否か及び第2条件が満たされたか否かが打撃検知部49により判定される。
 d軸閾値及びq軸閾値は、例えば、制御部4を構成するマイクロコントローラのメモリに予め記録されている。
 インパクト機構17が打撃動作を開始すると、打撃動作を開始する前よりもd軸電流及びq軸電流の脈動成分並びにこれらに対応する電流測定値id1、iq1の脈動成分が増加する。脈動成分が増加することにより、電流測定値id1の交流成分の大きさはd軸閾値よりも大きくなることがあり、また、電流測定値iq1の交流成分の大きさはq軸閾値よりも大きくなることがある。そのため、電流測定値id1とd軸閾値との比較、及び、電流測定値iq1とq軸閾値との比較を行うことで、打撃動作の有無を検知することができる。
 ここでは、打撃検知部49は、電流測定値id1、iq1の各々の交流成分の大きさを、交流成分の実効値により評価する。図3では、時点T5における電流測定値id1の交流成分の実効値Ed1を図示し、さらに、時点T4における電流測定値iq1の交流成分の実効値Eq1を図示している。
 上記所定の時間は、例えば、100ミリ秒、50ミリ秒又は10ミリ秒程度である。電流測定値id1、iq1はそれぞれ、所定のサンプリング周期ごとに出力される。打撃検知部49は、例えば、電流測定値id1、iq1が出力された回数をカウントすることで、上記所定の時間が経過したか否かを判定する。一例として、上記所定の時間は、電流測定値id1又はiq1のサンプリング周期に一致していてもよい。電流測定値id1、iq1の各々のサンプリングのタイミングが同期している場合に、打撃検知部49は、電流測定値id1、iq1のあるサンプリングのタイミングで第1条件と第2条件とが共に満たされることをもって、打撃動作が行われていることを検知してもよい。
 なお、打撃検知部49は、電動機15の始動時(回転開始時)から所定のマスク期間Tm1(図3参照)が経過した後に、インパクト機構17の打撃動作の有無の検知を開始する。これにより、電動機15の始動時にq軸電流の電流測定値iq1が一時的に増加する場合であっても、打撃動作による電流測定値iq1の増加を始動時の電流測定値iq1の増加と区別して検知できる。
 (6)着座検知部
 着座検知部53(検知部)は、取得部60で取得されたトルク電流取得値(電流測定値iq1)に基づいて、先端工具28による作業の進行状況を検知する。着座検知部53により検知される作業の進行状況の一例は、ねじの着座の有無である。
 先端工具28により、ねじがねじ締めされる。着座検知部53は、ねじがねじ締め対象の部材に着座したか否かを検知する。より詳細には、着座検知部53は、トルク電流取得値(電流測定値iq1)が増加した後、トルク電流取得値(電流測定値iq1)の変化量が所定量以下になることをもって、ねじがねじ締め対象の部材に着座したことを検知する。
 ここで、着座検知部53は、電流測定値iq1を平滑化し、平滑化後の電流測定値iq1に基づいて着座を検知する。図3では、時点T4~T8において、平滑化後の電流測定値iq1を破線L1で図示している。平滑化後の電流測定値iq1は、時点T6~T7において増加した後、時点T7~T8において、その変化量が所定量以下となる。これをもって、着座検知部53はねじの着座を検知する。より具体的には、着座検知部53は、平滑化後の電流測定値iq1が所定時間(例えば、100ミリ秒)に所定量(例えば、10%)以上増加した後、その変化量がある範囲内(例えば、変化量の絶対値が電流測定値iq1の5%以下)の状態がある時間(例えば、100ミリ秒)継続することをもって、ねじの着座を検知する。
 更に詳細には、着座検知部53は、打撃検知部49がインパクト機構17の打撃動作を検知してから、所定のマスク期間Tm2が経過した後に、着座の有無の検知を開始する。
 制御部4は、ねじがねじ締め対象の部材に着座したことを着座検知部53が検知すると、電動機15の動作を停止させる(時点T8参照)。
 (7)動作例
 次に、インパクト工具1の動作例について、図3を参照して説明する。
 図3では、時点T1においてユーザがインパクト工具1のトリガボリューム29を引く操作をすることで、電動機15が回転を開始する。その後、トリガボリューム29に対する引込み量に応じて、角速度ω1は徐々に増加する。ここでは、トリガボリューム29に対する引込み量は最大である。そのため、角速度ω1は、調整可能な範囲内で上限まで増加する。時点T2において、弱め磁束制御から通常制御に切り替えるための切替条件が満たされる。そのため、時点T2から、制御部4の磁束制御部46は、励磁電流の指令値cid1を0から負の値へと低下させ、これに応じて、励磁電流の電流測定値id1が0から負の値へと低下し始める。すなわち、時点T2から、弱め磁束電流が流れ始める。
 制御部4のメモリには、励磁電流の下限値J1が記憶されている。磁束制御部46は、励磁電流の指令値cid1を、下限値J1を下回らない範囲の値にする。そのため、励磁電流の電流測定値id1は、下限値J1を大きく下回らない範囲で推移する。図3では、時点T3から時点T4までの間において電流測定値id1が下限値J1に近い値で推移する。
 時点T4付近において、インパクト機構17が打撃動作を開始し、これを打撃検知部49が検知する。打撃検知部49が打撃動作を検知すると、制御部4の磁束制御部46は、弱め磁束電流を減少させる。すなわち、励磁電流の指令値cid1を負の値から0に近づけるように変化させることで、励磁電流を負の値から0に近づけるように変化させる。弱め磁束電流の減少により、電動機15の角速度ω1(回転数)は低下する。時点T5以降は、励磁電流の指令値cid1は0である。
 時点T5において、励磁電流の電流測定値id1は略0になる。すなわち、時点T5において弱め磁束電流の大きさが0になる。
 その後、時点T6と時点T8との間の時点において、ねじがねじ締め対象の部材に着座し、時点T8において、着座検知部53が着座を検知する。着座検知部53が着座を検知すると、制御部4は、電動機15の動作を停止させる。すなわち、制御部4は、電動機15の角速度ω1の指令値cω1を0にする。これにより、電動機15の角速度ω1は0となる。
 テクスねじ30(図2参照)をねじ締め対象の部材にねじ締めする場合において、ねじ締め対象の部材にドリル303により穴をあける際には、電動機15は、比較的高回転数にて動作する。そのため、インパクト機構17は打撃動作を行わず、かつ、制御部4は弱め磁束制御を行う。その結果、電動機15のトルクは比較的小さくなる。その後、ねじ締め対象の部材にタップ302によりねじを切る際には、電動機15は、比較的高トルクにて動作する。そのため、インパクト機構17は打撃動作を行い、これを打撃検知部49が検知するので、制御部4は、弱め磁束電流を減少させる。その結果、電動機15の回転数は比較的小さくなる。弱め磁束電流が減少して、0になることで、制御部4の制御は弱め磁束制御から通常制御に切り替わる。
 ねじ締め対象の部材にドリル303により穴をあける際には、弱め磁束制御を行うことにより、通常制御を行う場合と比較して作業時間を短縮できる。ねじ締め対象の部材にタップ302によりねじを切る際には、通常制御を行うことにより、弱め磁束制御を行う場合と比較して大きいトルクを得られるので、ねじを切りやすい。
 次に、インパクト工具1の別の動作例について、図4を参照して説明する。
 上述の通り、インパクト機構17が打撃動作をしているという検知結果を打撃検知部49が出力する条件には、電流測定値iq1の交流成分の大きさがq軸閾値よりも大きいという条件が含まれている。
 図4では、時点T5までのインパクト工具1の動作は図3と同様である。図4では、弱め磁束制御において、時点T4に打撃検知部49が打撃動作を検知する。その後、時点T6付近において、電流測定値iq1の交流成分の大きさは、q軸閾値未満の値(略0)となる。そのため、時点T6において、打撃検知部49は、打撃動作を検知しなくなる。
 打撃検知部49が打撃動作を最後に検知してからある時間の経過後に、制御部4は、弱め磁束電流(負の励磁電流)を増加させる。すなわち、時点T6~T7では、時点T2~T3と同様に、制御部4は、励磁電流の指令値cid1を0から負の値へと低下させるので、時点T6以降では、コイル141に弱め磁束電流が流れる。コイル141に弱め磁束電流が流れることにより、電動機15の回転数が増加する。
 以上説明した実施形態によれば、電動機15のコイル141に弱め磁束電流を流させることにより、弱め磁束電流を流させない場合と比較して、電動機15の回転数を増加させることができる。これにより、インパクト工具1を用いてねじ締め等の作業に要する時間の短縮を図ることができる。また、インパクト工具1をドリルとして用いる場合に、回転数が増加することにより、穴あけ対象の部材に形成する穴の形状が歪む可能性を低減できる。
 また、電動機15の製造誤差に起因する誘導起電圧のばらつき、又は、電源32の電圧(電池電圧)の変動により、インパクト工具1の動作特性にばらつきが生じる可能性がある。弱め磁束電流の大きさを調整することにより、インパクト工具1の動作特性のばらつきを補正することができる。
 また、電動機15のトルクが比較的大きく回転数が比較的小さい低速域では、弱め磁束を0にする又は比較的小さくすることでトルクの大きさを確保することができる。一方で、電動機15の回転数が比較的大きい高速域では、弱め磁束電流を流すことで回転数を更に増加させることができる。つまり、弱め磁束電流を流すことで、弱め磁束電流を流さない場合の回転数の上限よりも更に大きい回転数で電動機15を回転させることができる。
 (実施形態の変形例)
 以下、実施形態の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
 電動機15において、回転子13がコイル141を有しており、かつ、固定子14が永久磁石131を有していてもよい。
 制御部4は、弱め磁束制御において、打撃検知部49がインパクト機構17の打撃動作を検知してから所定時間の経過後に、弱め磁束電流を減少させてもよい。所定時間は、例えば、200ミリ秒以下又は100ミリ秒以下である。また、所定時間の間に打撃検知部49がインパクト機構17の打撃動作を検知しなくなった場合は、制御部4は、弱め磁束電流を減少させる制御を行わなくてもよい。
 打撃検知部49は、例えば、所定時間ごとに打撃動作の有無を検知する。制御部4は、弱め磁束制御において、打撃検知部49がインパクト機構17の打撃動作を2回以上の所定回数検知した後に、弱め磁束電流を減少させてもよい。制御部4は、打撃検知部49がインパクト機構17の打撃動作を所定回数、連続して検知した場合に、その後、弱め磁束電流を減少させてもよい。あるいは、制御部4は、打撃検知部49がインパクト機構17の打撃動作を検知した回数のカウントを、ある時間ごとにリセットしてもよい。
 制御部4は、弱め磁束制御において、次の第1のモードと、第2のモードと、を有していてもよい。第1のモードでは、制御部4は、打撃検知部49がインパクト機構17の打撃動作を検知した後に、弱め磁束電流を減少させる。第2のモードでは、制御部4は、打撃検知部49がインパクト機構17の打撃動作を検知した後に、弱め磁束電流の大きさを、打撃検知部49が打撃動作を検知した時点における弱め磁束電流の大きさ以上に維持する。インパクト工具1は、第1のモードと第2のモードとを切り替える操作を受け付ける操作部を備えていてもよい。また、制御部4は、第1のモードと第2のモードとを条件に応じて自動で切り替えてもよい。条件とは、例えば、先端工具28の種類に関する条件である。インパクト工具1は、例えば、先端工具28の種類を先端工具28に付された識別符号を読み取ることで判定し、先端工具28の種類に応じて第1のモードと第2のモードとを切り替えてもよい。
 実施形態において、制御部4は、打撃検知部49がインパクト機構17の打撃動作を検知した後に、励磁電流の指令値cid1を下限値J1から0へと増加させる。ここで、制御部4は、打撃検知部49が打撃動作を検知する度に、所定量だけ指令値cid1を増加させてもよい。そして、制御部4は、指令値cid1が0に達すると、それ以上は指令値cid1を増加させないように構成されていてもよい。あるいは、制御部4は、指令値cid1が0に達するまで所定の時間ごとに指令値cid1を増加させてもよい。また、制御部4は、打撃検知部49が打撃動作を検知すると、直ちに、指令値cid1を0に変化させてもよい。
 また、制御部4は、打撃検知部49がインパクト機構17の打撃動作を検知した後に、指令値cid1を0より大きい値に変化させてもよい。つまり、制御部4は、打撃検知部49がインパクト機構17の打撃動作を検知した後に、コイル141に強め磁束電流を流させてもよい。
 制御部4は、打撃検知部49がインパクト機構17の打撃動作を検知した後に、例えば、電動機15のトルクを最大にする最大トルク制御、又は、電動機15の効率を最大にする最大効率制御を行ってもよい。通常モードの動作が最大トルク制御又は最大効率制御であってもよいし、通常モード及び弱め磁束制御とは別のモードの動作が最大トルク制御又は最大効率制御であってもよい。
 打撃検知部49は、制御部4に含まれていなくてもよい。すなわち、打撃検知部49と制御部4とが別個に設けられていてもよい。
 打撃検知部49は、電流測定値id1、iq1の各々の交流成分の大きさを、交流成分の実効値に代えて、交流成分の振幅により評価してもよい。つまり、打撃検知部49は、電流測定値id1、iq1の各々の実効値に代えて、電流測定値id1の交流成分の振幅と電流測定値iq1の交流成分の振幅とのうち少なくとも一方を、対応する閾値と比較してもよい。より詳細には、打撃検知部49は、d軸電流の電流測定値id1の交流成分の振幅とq軸電流の電流測定値iq1の交流成分の振幅とのうち少なくとも一方が、対応する閾値よりも大きいことをもって、打撃動作が行われていることを検知してもよい。
 打撃検知部49は、電流測定値id1、iq1の各々の交流成分の大きさに代えて、電流測定値id1、iq1の各々の瞬時値に基づいて、インパクト機構17の打撃の有無を検知してもよい。例えば、打撃検知部49は、電流測定値id1の瞬時値が対応する閾値を下回ることと、電流測定値iq1の瞬時値が対応する閾値を上回ることと、のうち少なくとも一方をもって、打撃動作が行われていることを検知してもよい。
 打撃検知部49は、インパクト機構17の打撃動作を、電流測定値id1、iq1のうちいずれか一方のみに基づいて検知してもよい。
 打撃検知部49は、ショックセンサを備えていてもよい。ショックセンサは、ショックセンサに加えられた振動の大きさに応じた大きさの電圧又は電流を出力する。打撃検知部49は、ショックセンサの出力に基づいてインパクト機構17の打撃動作の有無を検知してもよい。ショックセンサは、インパクト機構17で発生する振動が伝わる位置に配置されていればよい。例えば、インパクト機構17の付近に配置されてもよいし、制御部4の付近に配置されてもよい。
 実施形態において、打撃検知部49は、コイル141に供給されるトルク電流及び励磁電流のうち少なくとも一方に基づいて、インパクト機構17の打撃動作の有無を検知する。ここで、打撃検知部49は、トルク電流として、電流測定値iq1を用いてもよいし、トルク電流の指令値ciq1を用いてもよい。また、打撃検知部49は、励磁電流として、電流測定値id1を用いてもよいし、励磁電流の指令値cid1を用いてもよい。
 先端工具28は、インパクト工具1の構成に含まれていなくてもよい。
 インパクト工具1は、着座検知部53(検知部)の検知結果を報知する報知部を備えていてもよい。報知部は、例えば、ブザー又は光源を有し、着座検知部53が着座を検知すると、音又は光を発することにより着座を報知する。
 インパクト工具1は、トルク測定部(トルクセンサ)を備えていてもよい。トルク測定部は、電動機15の動作トルクを測定する。トルク測定部は、例えば、ねじり歪みの検出が可能な磁歪式歪センサである。磁歪式歪センサは、電動機15の回転軸16にトルクが加わることにより発生する歪みに応じた透磁率の変化を、電動機15の非回転部分に設置したコイルで検出し、歪みに比例した電圧信号を出力する。
 インパクト工具1は、ビット回転測定部を備えていてもよい。ビット回転測定部は、出力軸21の回転角を測定する。ここでは、出力軸21の回転角は、先端工具28(ビット)の回転角に等しい。ビット回転測定部としては、例えば、光電式エンコーダ又は磁気式エンコーダを採用することができる。
 (まとめ)
 以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
 第1の態様に係るインパクト工具1は、電動機15と、インパクト機構17と、打撃検知部49と、制御部4と、を備える。電動機15は、永久磁石131及びコイル141を有する。インパクト機構17は、電動機15から動力を得て打撃力を発生させる打撃動作を行う。打撃検知部49は、打撃動作の有無を検知する。制御部4は、電動機15の動作を制御する。制御部4の制御は、弱め磁束電流をコイル141に流させる弱め磁束制御を含む。弱め磁束電流は、永久磁石131の磁束を弱める磁束をコイル141に発生させる。制御部4は、弱め磁束制御において、打撃検知部49が打撃動作を検知した後に、弱め磁束電流を減少させる。
 上記の構成によれば、制御部4が電動機15を弱め磁束制御することにより、弱め磁束制御を実行しない場合と比較して、電動機15の回転数を増加させることができる。また、打撃動作時には弱め磁束電流を減少させることにより、電動機15の速度を低下させ、電動機15を停止させやすい状態にできる。以上により、インパクト工具1の作業性を向上させることができる。
 また、第2の態様に係るインパクト工具1では、第1の態様において、制御部4は、弱め磁束制御において、打撃検知部49が打撃動作を検知してから所定時間の経過後に、弱め磁束電流を減少させる。
 上記の構成によれば、打撃検知部49が打撃動作を検知してから所定時間の経過前には、弱め磁束電流を減少させないことにより電動機15が比較的高速にて動作するので、作業を速く行うことができる。
 また、第3の態様に係るインパクト工具1では、第1又は2の態様において、制御部4は、弱め磁束制御において、打撃検知部49が打撃動作を2回以上の所定回数検知した後に、弱め磁束電流を減少させる。
 上記の構成によれば、打撃検知部49が打撃動作を1回だけ誤検知した場合に、弱め磁束電流が減少して電動機15の速度が低下することを抑制できる。
 また、第4の態様に係るインパクト工具1では、第1~3の態様のいずれか1つにおいて、制御部4は、弱め磁束制御において、打撃検知部49が打撃動作を検知した後に、弱め磁束電流を時間経過に伴って減少させる。
 上記の構成によれば、打撃検知部49が打撃動作を検知した後に、弱め磁束電流の大きさが例えば2値的に切り替わる場合と比較して、弱め磁束電流の変化が緩やかになるので、作業者がインパクト工具1を用いた作業を行いやすくなる。
 また、第5の態様に係るインパクト工具1では、第1~4の態様のいずれか1つにおいて、制御部4は、弱め磁束制御において、第1のモードと、第2のモードと、を有する。第1のモードでは、制御部4は、打撃検知部49が打撃動作を検知した後に、弱め磁束電流を減少させる。第2のモードでは、制御部4は、打撃検知部49が打撃動作を検知した後に、弱め磁束電流の大きさを、打撃検知部49が打撃動作を検知した時点における弱め磁束電流の大きさ以上に維持する。
 上記の構成によれば、必要に応じて第1のモードと第2のモードとを切り替えてインパクト工具1を使用することができる。
 また、第6の態様に係るインパクト工具1では、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、制御部4は、弱め磁束制御において、打撃検知部49が打撃動作を検知し、弱め磁束電流を減少させ、その後、打撃検知部49が打撃動作を最後に検知してからある時間の経過後に、弱め磁束電流を増加させる。
 上記の構成によれば、打撃動作が行われていないときには、打撃動作時よりも弱め磁束電流を増加させることで電動機15を比較的高速にて動作させられる。これにより、作業を速く行うことができる。
 また、第7の態様に係るインパクト工具1では、第1~6の態様のいずれか1つにおいて、打撃検知部49は、コイル141に供給されるトルク電流及び励磁電流のうち少なくとも一方に基づいて打撃動作の有無を検知する。
 上記の構成によれば、インパクト工具1の電源32の出力電流の測定値等を用いることなく打撃動作の有無を検知することができる。
 また、第8の態様に係るインパクト工具1は、第1~7の態様のいずれか1つにおいて、出力軸21を更に備える。出力軸21は、ねじを締めるためのドライバビット(先端工具28)を保持可能である。出力軸21は、電動機15から動力を得て回転する。制御部4は、着座検知部53を更に有する。着座検知部53は、ねじがねじ締め対象の部材に着座したか否かを検知する。制御部4は、ねじが部材に着座したことを着座検知部53が検知すると、電動機15の動作を停止させる。
 上記の構成によれば、ねじの締め過ぎを抑制できる。
 第1の態様以外の構成については、インパクト工具1に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
1 インパクト工具
4 制御部
15 電動機
17 インパクト機構
21 出力軸
28 先端工具(ドライバビット)
49 打撃検知部
53 着座検知部
131 永久磁石
141 コイル

Claims (8)

  1.  永久磁石及びコイルを有する電動機と、
     前記電動機から動力を得て打撃力を発生させる打撃動作を行うインパクト機構と、
     前記打撃動作の有無を検知する打撃検知部と、
     前記電動機の動作を制御する制御部と、を備え、
     前記制御部の制御は、前記永久磁石の磁束を弱める磁束を前記コイルに発生させる弱め磁束電流を前記コイルに流させる弱め磁束制御を含み、
     前記制御部は、前記弱め磁束制御において、前記打撃検知部が前記打撃動作を検知した後に、前記弱め磁束電流を減少させる、
     インパクト工具。
  2.  前記制御部は、前記弱め磁束制御において、前記打撃検知部が前記打撃動作を検知してから所定時間の経過後に、前記弱め磁束電流を減少させる、
     請求項1に記載のインパクト工具。
  3.  前記制御部は、前記弱め磁束制御において、前記打撃検知部が前記打撃動作を2回以上の所定回数検知した後に、前記弱め磁束電流を減少させる、
     請求項1又は2に記載のインパクト工具。
  4.  前記制御部は、前記弱め磁束制御において、前記打撃検知部が前記打撃動作を検知した後に、前記弱め磁束電流を時間経過に伴って減少させる、
     請求項1~3のいずれか一項に記載のインパクト工具。
  5.  前記制御部は、前記弱め磁束制御において、
      前記打撃検知部が前記打撃動作を検知した後に、前記弱め磁束電流を減少させる第1のモードと、
      前記打撃検知部が前記打撃動作を検知した後に、前記弱め磁束電流の大きさを、前記打撃検知部が前記打撃動作を検知した時点における前記弱め磁束電流の大きさ以上に維持する第2のモードと、を有する、
     請求項1~4のいずれか一項に記載のインパクト工具。
  6.  前記制御部は、前記弱め磁束制御において、前記打撃検知部が前記打撃動作を検知し、前記弱め磁束電流を減少させ、その後、前記打撃検知部が前記打撃動作を最後に検知してからある時間の経過後に、前記弱め磁束電流を増加させる、
     請求項1~5のいずれか一項に記載のインパクト工具。
  7.  前記打撃検知部は、前記コイルに供給されるトルク電流及び励磁電流のうち少なくとも一方に基づいて前記打撃動作の有無を検知する、
     請求項1~6のいずれか一項に記載のインパクト工具。
  8.  ねじを締めるためのドライバビットを保持可能であり、前記電動機から動力を得て回転する出力軸を更に備え、
     前記制御部は、前記ねじがねじ締め対象の部材に着座したか否かを検知する着座検知部を更に有し、前記ねじが前記部材に着座したことを前記着座検知部が検知すると、前記電動機の動作を停止させる、
     請求項1~7のいずれか一項に記載のインパクト工具。
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