WO2020256125A1 - 調製装置 - Google Patents

Abstract

混合チャンバーで調製した骨セメントを残さずシリンダ側へ移行させやすい調製装置を提供する。　本発明の実施の形態に係る骨セメント調製装置１は、調製された組成物を流出させる流出部２３が設けられており、先端部が流出部２３の内部に嵌め入れられた第１位置と流出部２３から抜き出された第２位置とに遷移可能な軸部（栓部材）４１を有する第１容器２と、流出部２３から流出した組成物を収容する第２容器３と、を備える。

Description

調製装置

　本発明は、骨セメントに例示される組成物を調製する、調製装置に関する。

　従来、種々の用途に組成物が使用されている。例えば医療用に使用される組成物として、生体骨に人工関節を固定する材料、骨充填材、又は人工骨材料等がある。

　医療用の組成物の一つとして骨セメントがある。骨セメントは、一般的に粉末材料、液体モノマー材料及び重合開始剤の３つの材料を撹拌することで調製される。例えば、人工関節と生体骨との固定に骨セメントを使用する場合には、これらの３つの材料を撹拌した直後、完全に硬化（重合）する前の未だ軟らかい状態（軟塊状態又は生地状態という）の骨セメントが生体骨の髄腔内に埋め込まれる。続いて、人工関節のステムが生体骨に挿入される。そして、髄腔内に埋め込まれた骨セメントが完全に硬化すると、この骨セメントを介して人工関節と生体骨とが接合される。

　このように完全に硬化する前に髄腔内へ埋め込むことができるよう、骨セメントは、施術（髄腔内への埋め込み）毎に必要量だけ、施術直前に調製される。

　施術の現場では、骨セメントを必要量だけ容易に調製できるよう、密閉された容器内において複数の材料を撹拌部材により撹拌して骨セメントを調製する小型の調製装置が種々提案されている。例えば特許文献１には、上下チャンバーが封鎖部材によって分離したセメント混合装置であって、上側の混合チャンバーで骨セメント組成物を混合した後、気密性を維持した状態で封鎖部材を開放し、開閉部位を経由して下側のシリンダ内へ骨セメント組成物を移行させる構成が開示されている。

特開２００９－１６５８４１号明細書

　しかしながら、本発明者らの検討によれば、特許文献１に開示されているセメント混合装置では、特に骨セメント組成物の粘性が高い場合には、封鎖部材を開栓して骨セメントを混合チャンバーからシリンダ側に移行させる際に、骨セメントが混合チャンバーと栓部材、またはシリンダと栓部材との間に入り込んでしまうことで、開栓できなくなる場合があることが見いだされた。このような場合、予定した分量の骨セメントをシリンダ側に確保できない。このため、混合チャンバーで調製した骨セメントを残さずシリンダ側へ移行させやすい調製装置が要望されている。

　本発明は、混合チャンバーで調製した骨セメントを残さずシリンダ側へ移行させやすい調製装置を提供することを目的とする。

　上記従来の課題を解決するために、本発明の調製装置は、調製された組成物を流出させる流出部が設けられており、先端部が前記流出部の内部に嵌め入れられた第１位置と前記流出部から抜き出された第２位置とに遷移可能な栓部材を有する第１容器と、前記流出部から流出した前記組成物を収容する第２容器と、を備える。

　本発明の調製装置において、前記流出部は、前記第１容器の下部に設けられており、前記第２容器は、前記第１容器の下側に配置される。

　本発明の調製装置において、前記栓部材は、上下に移動して前記第１位置と前記第２位置とを遷移する。

　本発明の調製装置において、前記第１容器は、前記第１容器が前記第２容器に取り付けられた状態で、前記第２容器の内部と外部の減圧手段とを連通させる連通部を有する。

　本発明の調製装置において、前記第１容器には、前記減圧手段に接続される減圧口、および前記第１容器の外部に対して開放された外気導入口が設けられており、前記栓部材は、第１栓部、第２栓部、及び第３栓部を有し、前記栓部材の前記第１位置において、前記第１栓部は前記流出部に嵌め入れられており、前記第２栓部は前記減圧口を開放しており、かつ前記第３栓部は前記外気導入口を塞ぎ、前記栓部材の前記第２位置において、前記第１栓部は前記流出部から抜き出されており、前記第２栓部は前記減圧口を塞いでおり、かつ前記第３栓部は前記外気導入口を開放している。

　本発明の調製装置において、第１栓部、第２栓部、及び第３栓部は、前記栓部材における上下方向に配置されている。

　本発明の調製装置において、前記第１容器は、材料を撹拌して前記組成物を調製する撹拌部材を有しており、前記栓部材は、前記撹拌部材の一部である。

　本発明の調製装置において、前記撹拌部材は、前記栓部材の外周に沿って設けられた撹拌翼を有し、前記撹拌翼は前記栓部材とともに回転可能である。

　本発明の調製装置において、前記撹拌翼は、前記栓部材が前記第１位置と前記第２位置のどちらに位置していても、前記栓部材に沿った方向において同じ位置にある。

　本発明の調製装置において、前記撹拌翼は、前記栓部材が前記第１位置と前記第２位置のどちらに位置していても前記栓部材の外周に沿って回転可能である。

　本発明の調製装置において、前記撹拌部材には、前記撹拌部材を回転させるためのハンドルが取り付けられる。

　本発明の調製装置において、前記ハンドルは、前記撹拌部材の上側から取り付けられる。

　本発明によれば、調製した骨セメントを調製室からシリンダ室へ好適に移行させることができる。

軸部の第１位置における、骨セメント調製装置をその長手方向に沿って切断した縦断面図。 軸部の第２位置における、骨セメント調製装置をその長手方向に沿って切断した縦断面図。 第１容器について説明するための図であって、第１容器の縦断面を手前側から見た図。 第１容器について説明するための斜視図。 蓋部について説明するための断面図。 撹拌部材の軸部について説明するための斜視図。 撹拌部材の軸部について説明するための断面図。 減圧口を塞ぐ部材の他の例について説明するための断面図。 減圧口を塞ぐ部材の他の例について説明するための断面図。 撹拌部材の羽根部材について説明するための斜視図。 骨セメント調製装置の使用方法について説明するための図。 骨セメント調製装置の使用方法について説明するための図。 骨セメント調製装置の使用方法について説明するための図。 骨セメント調製装置の使用方法について説明するための図。 骨セメント調製装置の使用方法について説明するための図。 骨セメント調製装置の使用方法について説明するための図。 第２容器にノズルを取り付ける様子を説明するための図。 撹拌翼が斜めに傾斜して配置されている様子を説明するための図。 レーキ型に形成された撹拌翼の変形例を示す正面図。 湾曲して形成された撹拌翼の変形例を示す上面図。 複数の撹拌翼を上下にずらして配置した変形例を示す正面図。 複数の撹拌翼を上下にずらして配置した変形例を示す上面図。 複数の撹拌翼を上下にずらして配置した変形例において、上側撹拌翼が傾斜している例を示す正面図。 別の形状を有する本発明の骨セメント調製装置の例が示されている図。

　以下、本発明の実施の形態に係る調製装置について、図面を参照しながら説明する。以下に示す実施の形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施の形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除するものではない。また、実施の形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。さらに、実施の形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。

　以下では、組成物として骨セメントを調製する骨セメント調製装置を、本発明の調製装置の実施の形態として説明する。また、骨セメント調製装置を、後述の第１容器が上側に、後述の第２容器が下側に配置された姿勢で使用されるものとして説明する。また、骨セメント調製装置の各構成要素の上下は、骨セメント調製装置に組み付けられた状態を基準として規定されるものとする。

　なお、実施の形態を説明するための全図において、同一要素は原則として同一の符号を付し、その説明を省略することもある。

　［１．構成］
　以下、図１から図７を参照して本発明の実施の形態に係る骨セメント調製装置の構成について説明する。図１は、軸部の第１位置における、骨セメント調製装置をその長手方向に沿って切断した縦断面図である。図２は、軸部の第２位置における、骨セメント調製装置をその長手方向に沿って切断した縦断面図である。図３Ａは、第１容器について説明するための図であって、第１容器の縦断面を手前側から見た図である。図３Ｂは、第１容器について説明するための斜視図である。図４は、蓋部について説明するための断面図である。図５Ａは、骨セメント調製装置が有する撹拌部材の軸部について説明するための斜視図である。図５Ｂは、骨セメント調製装置が有する撹拌部材の軸部について説明するための断面図である。図６は、減圧口を塞ぐ部材の他の例について説明するための図である。図７は、撹拌部材の羽根部材について説明するための斜視図である。

　図１から図７に示す、本発明の実施の形態に係る骨セメント調製装置１は、材料（例えば、粉末材料、液体モノマー材料及び重合開始剤）を撹拌して骨セメント（本発明の組成物）を調製するためのものである。骨セメント調製装置１は、材料を撹拌して骨セメントを調製するための調製室２ｓを有する第１容器２と、第１容器２内で調製された骨セメントを収容するための収容室３ｓを有する第２容器３と、を備える。そして、第１容器２は、調製室２ｓ内で材料を撹拌する撹拌部材４を備える。

　なお、本実施の形態では、第２容器３の底部にスタンド６が装着されている。スタンド６は、骨セメント調製装置１を、作業者が撹拌操作をしやすいように直立状態に支持するためのものであるとともに、収容室３ｓが減圧されたときでもピストン３３が動かないよう固定しておくためのものである。スタンド６は、例えば第２容器３の底部が内側に嵌まり込む筒部６ａと、筒部６ａより広い底面積を有する円板状の土台部６ｂと、ツメ部６ｃと、を有している。ツメ部６ｃがピストン33の一部に形成された凹部に引っ掛かることにより、ピストン３３が固定される。

　［１－２．第１容器］
　図１から図３Ｂに示すように、第１容器２は、ボウル部２１と、被取付部２２と、流出部２３と、蓋部２４と、ボウル部連通部２５と、を有する。

　ボウル部２１は、ボウル形状に形成されている。ボウル部２１の内部は、骨セメントの材料を入れて撹拌することで骨セメントを調製するための調製室２ｓである。すなわち、ボウル部２１は混合チャンバーに相当する構成である。本実施の形態では、ボウル部２１の水平面に沿った断面は円形状である。図３Ａに示すように、ボウル部２１は、開口２１ａと、ほぼ円筒形状の側面２１ｂと、すり鉢状の底面２１ｃと、を有する。本実施の形態において、ボウル部２１は、軸心線が鉛直方向に沿うように配置される。

　ボウル部２１は、その上端部において、フランジ形状を有するフランジ部２１ｄを有する。すなわち、フランジ部２１ｄは、開口２１ａの周囲に設けられたボウル部２１の壁面の一部である。フランジ部２１ｄには、後述する蓋部２４の管状部２４ｇが挿入されるとともに、第１連通部２５ａと接続される穴２１ｅが設けられている。

　ボウル部２１の下側には、第１容器２が第２容器３に取り付けられるための被取付部２２が設けられている。図１から図３Ｂに示すように、被取付部２２は、第１容器２が第２容器３に取り付けられた状態で第２容器３の上部を覆うカバー２２ａと、ボウル部２１と比較して縮径された縮径部２２ｂと、を有する。縮径部２２ｂの内壁面には、後述する第２容器３の雄ねじ３２ａと噛み合わされる雌ねじ２２ｃが設けられている。また、縮径部２２ｂの上端部は、後に説明するボウル部連通部２５の第２連通部２５ｂと接続されている。

　ボウル部２１の下側、かつ被取付部２２の内部には、ボウル部２１の内部で調製された骨セメントを第２容器３へ流出させるための開口である流出部２３が設けられている。図３Ａ及び図３Ｂに示すように、流出部２３は、上側に位置する主流出部２３ａと、下側に位置する副流出部２３ｂと、を有する。

　図３Ａ及び図３Ｂに示すように、主流出部２３ａは、その上端部がボウル部２１の底面２１ｃの中心部に接続されており、ほぼ円筒形状の内壁面を有する。そして、主流出部２３ａの下端部は、縮径して副流出部２３ｂの上端部に接続されている。副流出部２３ｂは、ほぼ円筒形状の内壁面及び外壁面を有している。副流出部２３ｂは、被取付部２２の縮径部２２ｂの内側に配置されている。すなわち、副流出部２３ｂの外壁面は、被取付部２２の縮径部２２ｂの内壁面から離れた位置に設けられている。副流出部２３ｂの外壁面の下端部は、下方に延びている。これにより、図１及び図２に示すように、第１容器２が第２容器３に取り付けられたとき、副流出部２３ｂの外壁面の下端部が第２容器３の内部に挿入された状態となる。

　なお、第２連通部２５ｂと縮径部２２ｂの上端部とが接続されている部位は、図１から図３Ｂに示すように、副流出部２３ｂの外壁面より外側である。従って、図１及び図２に示すように第１容器２が第２容器３に取り付けられたとき、第２連通部２５ｂは、縮径部２２ｂを介して第２容器３の内部と接続される。

　蓋部２４は、ボウル部２１の開口２１ａに被せられる蓋である。開口２１ａを密閉できるように、蓋部２４の内側には第１シール部材２４ａが設けられている。第１シール部材２４ａは、例えば樹脂等で形成されたＯリングである。本実施の形態では、蓋部２４がボウル部２１に被せられたとき、第１シール部材２４ａが蓋部２４及びボウル部２１のフランジ部２１ｄと密着することで、調製室２ｓ内が密閉される。なお、第１シール部材２４ａがフランジ部２１ｄと密着する位置は、フランジ部２１ｄにおいて、穴２１ｅよりも外側である。

　図４に示すように、蓋部２４の中心部には、上方向に向かって、後述する撹拌部材４の軸部４１を貫通させ、回転可能な状態で保持するための軸保持部２４ｂが設けられている。軸保持部２４ｂの外壁面には、後述するキャップ５を取り付けるための雄ねじ２４ｃが設けられている。

　軸保持部２４ｂの上端部には、軸部４１を挿入可能な外気導入口２４１が開口されている。この外気導入口２４１は、中空に形成された軸保持部２４ｂ、及び後述する筒部２４ｄの内部を介して、蓋部２４がボウル部２１に取り付けられた状態で、調製室２ｓに外気を導入可能とする開口である。

　軸保持部２４ｂは、その内径が比較的大きい拡径部２４ｂ＿１と、拡径部２４ｂ＿１より内径が小さい縮径部２４ｂ＿２と、を含む。拡径部２４ｂ＿１は、後述する撹拌部材４の第３栓部４１ｋの外周と密着しないだけの内径を有する。一方、縮径部２４ｂ＿２は、後述する撹拌部材４の第３栓部４１ｋの外周と密着する内径を有する。拡径部２４ｂ＿１及び縮径部２４ｂ＿２の内径の違いによる効果の詳細については、後述する。

　蓋部２４の中心部には、下方向に向かって、後述する撹拌部材４の第２栓部４１ｇが嵌め入れられる筒部２４ｄが設けられている。筒部２４ｄの上側寄りには、蓋部連通部２４ｆの一端側と接続される減圧口２４ｅが設けられている。

　蓋部連通部２４ｆの他端側には、下方に延在する管状部２４ｇが設けられている。この管状部２４ｇは、上述したようにボウル部２１の穴２１ｅに嵌め入れられる。また、蓋部連通部２４ｆの他端部側には栓２４ｈが設けられており、蓋部２４がボウル部２１に取り付けられた状態で、蓋部連通部２４ｆが外気と接続されないようになっている。なお、本実施の形態では、栓２４ｈを蓋部２４と別体の構成としたが、本発明はこれに限定されず、栓２４ｈと蓋部２４とが一体に形成されていてもよい。　

　図３Ａ等に示すように、ボウル部連通部２５は、第１連通部２５ａと、第２連通部２５ｂと、を有する。第１連通部２５ａは、ボウル部２１の外壁面に沿うように上下方向に設けられた管状の部分である。一方、第２連通部２５ｂは、第１連通部２５ａと接続され、被取付部２２の内部を貫通するように水平方向に設けられた管状の部分である。

　第１連通部２５ａの一端部（上端部）は、上述したフランジ部２１ｄの穴２１ｅに接続されている。上述したように、蓋部２４がボウル部２１に取り付けられた状態では、穴２１ｅに管状部２４ｇが嵌め入れられていることから、第１連通部２５ａは蓋部２４の蓋部連通部２４ｆと接続されている。第１連通部２５ａの他端部（下端部）は、上述したように第２連通部２５ｂと接続されている。

　第２連通部２５ｂの一端部（第１容器２の軸心に近い方の端部）は、上述したように縮径部２２ｂの上端部と接続されている。第２連通部２５ｂの他端部（第１容器２の外周側に近い方の端部）は、外部のポンプ等（図示せず）の減圧手段と接続されるための接続部２５ｃとなっている。

　減圧手段としてのポンプは、接続部２５ｃ、第１連通部２５ａ、管状部２４ｇ、蓋部連通部２４ｆ、及び減圧口２４ｅを介して、第１容器２内部の調製室２ｓと接続される。ポンプと調製室２ｓとを接続する接続部２５ｃ、第１連通部２５ａ、管状部２４ｇ、蓋部連通部２４ｆ、及び減圧口２４ｅを、以下の記載では、まとめて第１減圧ラインと記載することがある。第１減圧ラインによるポンプと調製室２ｓとの接続状態は、減圧口２４ｅを開閉可能な、後述する第２栓部４１ｇによって変化する。第１減圧ラインによるポンプと調製室２ｓとの接続状態の変化についての詳細は、後述する。

　また、減圧手段としてのポンプは、接続部２５ｃ及び第２連通部２５ｂを介して、第２容器３の収容室３ｓと接続される。ポンプと収容室３ｓとを接続する接続部２５ｃ及び第２連通部２５ｂを、以下の記載では、まとめて第２減圧ラインと記載することがある。

　第１減圧ラインを介して調製室２ｓとポンプとが接続された状態で、ポンプが動作することで、調製室２ｓ及び収容室３ｓの内部が減圧される。

　［１－３．第２容器］
　次に、第２容器３について詳細に説明する。第２容器３は、円筒形状を有し、第１容器で調製された骨セメントを収容する収容室３ｓを内部に有するシリンダ３１と、シリンダ３１に第１容器２または後述のノズル９を取り付けるための取付部３２と、ピストン３３とを備える。

　シリンダ３１は、軸心線が鉛直方向に沿うように配置される。図１及び図２に示すように、シリンダ３１の上端部には、シリンダ３１よりも内壁面の水平方向における直径が小さい取付部３２が設けられている。取付部３２の上端部には開口が設けられている。

　取付部３２の外周面には、第１容器２の被取付部２２の雌ねじ２２ｃと噛み合わされる雄ねじ３２ａが形成されている。第１容器２の被取付部２２の内部に取付部３２がねじ込まれることで、第１容器２が第２容器３に取り付けられる。これにより、開放されている取付部３２の内部に副流出部２３ｂの外壁面の先端が挿入される。本実施の形態では、図１及び図２に示すように、第１容器２が第２容器３に取り付けられた状態で、副流出部２３ｂの外壁面の下端部は、取付部３２の下端部、すなわちシリンダ３１の上端部よりも下側に位置している。

取付部３２の上端部付近には、Ｏリング等の第２シール部材３２ｂが設けられている。第１容器２が第２容器３に取り付けられた状態で、第２シール部材３２ｂは第１容器２の縮径部２２ｂの内壁面と密着する。これにより、第１容器２が第２容器３に取り付けられた状態で、調製室２ｓ及び収容室３ｓの気密が保たれる。

　なお、第１容器２が第２容器３に取り付けられた状態では、第１容器２のボウル部２１の軸心線と、第２容器３のシリンダ３１の軸心線とが一致するようになっている。また、シリンダ３１の下端部も開放されているが、下端部にはピストン３３が嵌め込まれている。

　シリンダ３１の内部には、第１容器２の調製室２ｓ内で撹拌されて調製された骨セメントが収容される収容室３ｓが形成されている。

　シリンダ３１の下端部の開口には、ピストン３３が嵌め込まれる。ピストン３３は、骨セメントの調製が完了するまで、スタンド６のツメ部６ｃにより固定されている。調製が完了すると、スタンド６が取り外されることにより、ピストン３３は、シリンダ３１内を上下に移動できるようになる。これにより、ピストン３３は、収容室３ｓ内の骨セメントを第２容器３の上部開口から押し出すことができる。

　［１－４．撹拌部材］
　撹拌部材４は、蓋部２４の軸保持部２４ｂ内を貫通して配置され、軸保持部２４ｂによって保持される軸部４１と、軸部４１の外周に沿って設けられた羽根部材４２と、を有する。軸部４１は、本発明の栓部材の一例である。

　図５Ａ及び図５Ｂに示すように、軸部４１の上端部には開口４１ａが設けられており、開口４１ａは軸部４１の内部に設けられた中空部４１ｂに繋がっている。中空部４１ｂは、図５Ｂに示すように、軸部４１の上下の長さのうち上側から３／４程度まで設けられており、それより下側においては、軸部４１は中空ではない。なお、図５Ｂに示した軸部４１及び中空部４１ｂは一例であって、軸部４１の上下の長さのうち、中空部４１ｂがどこまで設けられるかについては限定されない。

　中空部４１ｂの下端部には、中空部４１ｂと軸部４１の外部とを接続する窓部４１ｃが複数設けられている。図５Ｂに示す例では、窓部４１ｃは２つ設けられているが、これは一例であって、窓部４１ｃの数は限定されない。

　詳細は後述するが、骨セメント調製装置１を用いて骨セメントが調製される際には、後述する漏斗７等を介して、開口４１ａに骨セメントの材料が投入される。開口４１ａに投入された材料は、中空部４１ｂを通り、窓部４１ｃから調製室２ｓ内に流入する。このような構成により、第１容器２から蓋部２４及び撹拌部材４を取り外さなくても、材料を第１容器２内部の調製室２ｓに投入することが可能となる。

　軸部４１の下端部には、第１栓部４１ｄが設けられている。軸部４１は、図１及び図２に示すように、上下に移動可能となっている。図１には、軸部４１が最下端にある状態が示されており、図２には、軸部４１が最上端にある状態が示されている。以下の説明において、図１に示す、最下端にある場合の軸部４１の位置を第１位置と記載する。また、図２に示す、最上端にある場合の軸部４１の位置を第２位置と記載する。なお、以下の説明において、軸部４１に含まれる構成要素である、第１栓部４１ｄ、第２栓部４１ｇ、または第３栓部４１ｋの位置についても、第１位置、及び第２位置を用いて説明することがある。第１栓部４１ｄ、第２栓部４１ｇ、または第３栓部４１ｋが第１位置にあるとは、軸部４１が第１位置にあることを示し、第１栓部４１ｄ、第２栓部４１ｇ、または第３栓部４１ｋが第２位置にあるとは、軸部４１が第２位置にあることを示している。

　第１栓部４１ｄは、図１に示すように、軸部４１が第１位置にある場合には、第１容器２の主流出部２３ａの内部に嵌め入れられた状態となる。図５Ａ及び図５Ｂに示すように、第１栓部４１ｄには、第３シール部材４１ｅ（例えば、Ｏリング）が設けられている。第１栓部４１ｄが第１位置にある状態では、第３シール部材４１ｅが主流出部２３ａの内壁面と密着する。すなわち、第１栓部４１ｄは、第１位置にある場合、第１容器２の調製室２ｓと第２容器３の収容室３ｓとを分断する栓の役割を果たす。

　これにより、骨セメントの未調製の材料が調製室２ｓから収容室３ｓに流れてしまうことが防止されるとともに、調製室２ｓ及び収容室３ｓの気密がそれぞれ保たれる。

　一方、第１栓部４１ｄは、図２に示すように、軸部４１が第２位置にある場合には、主流出部２３ａから抜き出された状態となる。この状態では、第１栓部４１ｄによって調製室２ｓと収容室３ｓとが分断されない。

　図５Ａ及び図５Ｂの説明に戻る。軸部４１における第１栓部４１ｄの上側には、軸部４１の外周方向に向かって突出する複数の突起部４１ｆが設けられている。この突起部４１ｆは、後述する羽根部材４２の歯合部４２ｄと噛み合わされることで、軸部４１が回転させられたときに羽根部材４２を同時に回転させる役割を果たす。本発明では突起部４１ｆの数については特に限定しないが、図５Ａに示す例では、４つの突起部４１ｆが互いに等間隔に設けられている。

　窓部４１ｃより上側には、第２栓部４１ｇが設けられている。第２栓部４１ｇは、軸部４１の他の部位よりも径が大きくなるように形成されたフランジ形状を有する。また、第２栓部４１ｇのフランジ形状の上面及び下面を貫通するように、貫通孔４１ｈが設けられている。図５Ａ及び図５Ｂに示す例では、第２栓部４１ｇに２つの貫通孔４１ｈが設けられた例が示されているが、貫通孔４１ｈの数については特に限定しない。

　第２栓部４１ｇの外周側には、第４シール部材４１ｉ（例えば、Ｏリング）が設けられている。図５Ａ及び図５Ｂでは、第２栓部４１ｇに２本の第４シール部材４１ｉが設けられているが、第４シール部材４１ｉの数については特に限定しない。第４シール部材４１ｉは、図１及び図２に示すように、蓋部２４の筒部２４ｄの内壁面と接触する。第４シール部材４１ｉの材料は、例えばエラストマー等の弾性体であることが望ましい。

　図１に示すように、軸部４１が第１位置にある場合、第２栓部４１ｇは、筒部２４ｄ内部の最下部に位置する。この状態では、蓋部連通部２４ｆに接続された減圧口２４ｅが第２栓部４１ｇおよび第４シール部材４１ｉに覆われず、減圧口２４ｅが開かれた状態となる。この状態では、調製室２ｓが、貫通孔４１ｈ、および、第１減圧ラインを通じて、図示しないポンプと接続される。このとき、第１栓部４１ｄが主流出部２３ａに嵌め入れられた状態であるため、調製室２ｓは収容室３ｓとは分断されている。この状態で当該ポンプが動作することで、調製室２ｓ内の圧力を調整することができる。

　一方、図２に示すように、軸部４１が第２位置にある場合、第２栓部４１ｇは、筒部２４ｄ内部の最上部に位置する。この場合、第２栓部４１ｇおよび第４シール部材４１ｉにより減圧口２４ｅが覆われ、減圧口２４ｅと調製室２ｓとが分断された状態となる。従って、この状態では、調製室２ｓが、ポンプと接続されていない状態となる。このとき、第１栓部４１ｄは主流出部２３ａから抜き出された状態であるため、調製室２ｓと収容室３ｓとは接続されている。

　なお、図１および図２に示す例では、２つの第４シール部材４１ｉが第２栓部４１ｇの外周側に設けられており、軸部４１が第２位置にある場合には、２本の第４シール部材４１ｉの間に減圧口２４ｅが位置することで、減圧口２４ｅと調製室２ｓとが分断されていた。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば第２栓部４１ｇの外周側に１本の第４シール部材４１ｉのみが設けられ、軸部４１が第２位置にある場合に、この第４シール部材４１ｉが減圧口２４ｅを直接塞ぐことにより、減圧口２４ｅと調製室２ｓとが分断されるようにしてもよい。なお、第４シール部材４１ｉが１本である場合、２本である場合と比較して、部品点数が低減するため骨セメント調製装置１の製造コストが低減するとともに、摺動性が向上するため撹拌部材４の操作性がよくなる。

　さらに言えば、本発明では、第２栓部４１ｇおよび第４シール部材４１ｉは、軸部４１が第１位置にあるとき減圧口２４ｅと調製室２ｓとを接続し、軸部４１が第２位置にあるとき減圧口２４ｅと調製室２ｓとを分断することができれば、どのような構成であってもよい。

　例えば、図６Ａおよび図６Ｂに示すように、断面形状がほぼＬ字形状であるスライドシャッター部材２６が、減圧口２４ｅと第２栓部４１ｇとの間に設けられていてもよい。図６Ａは、軸部４１が第１位置にある場合に対応しており、図６Ｂは、軸部４１が第２位置にある場合に対応している。スライドシャッター部材２６の水平方向に沿って延びる部位は、第２栓部４１ｇと接触しており、鉛直方向に沿って延びる部位は、筒部２４ｄの内壁面と接触している。これにより、軸部４１が第１位置にある場合、図６Ａに示すように、減圧口２４ｅは解放されており、軸部４１が第２位置にある場合、図６Ｂに示すように、減圧口２４ｅはスライドシャッター部材２６により塞がれる。

　なお、撹拌部材４は、後述するように、ハンドル８（図８Ｂおよび図８Ｃ参照）によって、軸部４１を軸中心として回転させられる。この回転の際、第４シール部材４１ｉは筒部２４ｄの内壁面に接触したままの状態となる。このため、筒部２４ｄの内壁面、および、第４シール部材４１ｉの筒部２４ｄとの接触面は、撹拌部材４の回転の妨げとならない程度に小さい摩擦係数を有していることが望ましい。

　軸部４１における開口４１ａの下側には、後述するキャップ５と接触する段差４１ｊが設けられている。

　段差４１ｊより下側には、第３栓部（第５シール部材）４１ｋ（例えば、Ｏリング）が設けられている。図１に示すように、軸部４１が第１位置にある状態では、第３栓部４１ｋが縮径部２４ｂ＿２の内壁面と密着する。これにより、図４等に示す外気導入口２４１が塞がれ、調製室２ｓの気密が保たれる。一方、軸部４１が第２位置にある状態では、第３栓部４１ｋは拡径部２４ｂ＿１と同じ高さに位置する。このとき、第３栓部４１ｋの外周部は、縮径部２４ｂ＿２より径が大きい拡径部２４ｂ＿１の内壁面とは密着しないため、調製室２ｓの気密が破られ、拡径部２４ｂ＿１と第３栓部４１ｋとの隙間を通って外気が調製室２ｓ内に導入される。

　以上のように、軸部４１が第１位置にあるか、第２位置にあるかによって、調製室２ｓ内の環境が変化する。軸部４１が第１位置にある場合、第１栓部４１ｄによって流出部２３が塞がれるため、調製室２ｓ内で好適に材料を撹拌することができる。この際、第２栓部４１ｇが減圧口２４ｅを塞がないので、第１減圧ラインにより減圧手段としてのポンプと調製室２ｓが接続され、調製室２ｓ内が減圧される。また、第３栓部４１ｋが外気導入口２４１を塞ぐので、調製室２ｓ内の気密が保たれ、撹拌中の材料に気泡が入り込むことが防止される。

　一方、軸部４１が第２位置にある場合、第１栓部４１ｄが流出部２３から抜き出されるため、調製室２ｓ内で撹拌されて調製された骨セメントが流出部から収容室３ｓへ流出する。この状態では、第３栓部４１ｋが外気導入口２４１を開放するので、調製室２ｓ内の気密が破られ、調製室２ｓ内が常圧となる。これにより、調製室２ｓ内は常圧、収容室３ｓ内は負圧となるため、圧力差により調製室２ｓから収容室３ｓへ流れ込む気流が生じ、調製室２ｓ内の骨セメントを収容室３ｓへ移行させるのが容易となる。この際、第２栓部４１ｇが減圧口２４ｅを塞ぐので、減圧手段としてのポンプと調製室２ｓとが分断される。このため、調製室２ｓ内が常圧にもかかわらずポンプが減圧を続けることで、ポンプに大きな負荷が掛かる事態を防止することができる。

　図７に示すように、羽根部材４２は、内部に軸部４１を通すことができるように中空に形成された外筒部４２ａと、外筒部４２ａの外周面から径方向外側へ向かって延びるように設けられた複数の撹拌翼４２ｂ及び４２ｃと、外筒部４２ａの内壁面に設けられた歯合部４２ｄと、を有する。

　羽根部材４２における外筒部４２ａの内部には軸部４１が嵌め入れられる。その状態で、上述した軸部４１の突起部４１ｆと歯合部４２ｄとが噛み合うようになっている。軸部４１が羽根部材４２に嵌め入れられた状態で軸部４１が回転させられると、突起部４１ｆと歯合部４２ｄとの噛み合いによって、撹拌翼４２ｂも軸部とともに回転する。これにより、撹拌翼４２ｂは調製室２ｓ内に投入された材料を撹拌することができる。

　本発明では撹拌翼の数については特に限定しないが、図１、２、及び7に示す例では、羽根部材４２は、２枚の撹拌翼４２ｂ及び４２ｃを有する。撹拌翼４２ｂと４２ｃとはそれぞれ異なる形状に形成されている。撹拌翼４２ｃは、撹拌翼４２ｂより大きく形成されている。撹拌翼の数が２枚より多い場合は、例えばそのうち１枚のみを撹拌翼４２ｃのように大きく形成してもよいし、比較的大きい撹拌翼と比較的小さい撹拌翼とが同数ずつ形成されてもよい。

　軸部４１の中心軸を通る平面において、撹拌翼４２ｂ及び４２ｃの下端部は、図１に示すように、ボウル部２１の形状（底面２１ｃ）に合わせて形成されている。これにより、撹拌翼４２ｂ及び４２ｃの下端部と底面２１ｃとの間にはほぼ隙間が生じない。このため、撹拌翼４２ｂが回転する際に材料が撹拌翼４２ｂと底面２１ｃとの間に入り込みにくく、効率のよい撹拌が可能となる。

　軸部４１の中心軸を通る平面における、撹拌翼４２ｂの断面形状は、図７等に示すようにほぼ三角形状である。一方、撹拌翼４２ｃの断面形状は、撹拌翼４２ｂよりも大きく上側に張り出した形状を有する。

　撹拌翼４２ｃの外周部は、図１に示すように、ボウル部２１の形状（側面２１ｂ）に合わせて形成されている。これにより、撹拌翼４２ｃの外周部と側面２１ｂとの間にほぼ隙間が生じない。このため、撹拌翼４２ｂが回転する際に材料が撹拌翼４２ｂと底面２１ｃとの間に入り込みにくく、効率のよい撹拌が可能となる。

　また、撹拌翼４２ｃには、ほぼ三角形状の穴４２ｅが設けられている。撹拌翼４２ｂが回転する際に、材料が穴４２ｅを通り抜けることができるため、効率のよい撹拌が可能となる。

　撹拌翼４２ｂ及び４２ｃは、外筒部４２ａの外周に沿って互いに等間隔に設けられている。

　なお、軸部４１と羽根部材４２とは互いに固定されておらず、軸部４１が回転する際に突起部４１ｆが歯合部４２ｄと接触することで軸部４１の回転が羽根部材４２に伝達されるに過ぎない。このため、詳細は後述するが、軸部４１が上下方向に移動させられる際に、羽根部材４２の上下方向における位置は変わらないようになっている。

　［１－５．キャップ］
　キャップ５は、撹拌部材４の軸部４１が第１容器２の軸保持部２４ｂ内に挿入された状態で、撹拌部材４の上下方向の移動を規制するために取り付けられる部材である。

　図１及び図２に示すように、キャップ５は、上端部材５１と、側面部材５２と、バネ５３と、を有する。上端部材５１の中心部には、軸部４１を通すための開口が設けられている。この開口の周縁部は、図５Ａ及び図５Ｂに示す軸部４１の段差４１ｊに噛み合わされるようになっている。これにより、キャップ５が下記に示す方法で蓋部２４に固定されているときは、軸部４１の上下方向の移動が規制される。また、キャップ５が蓋部２４から取り外されている状態では、軸部４１が移動する際にキャップ５も一体となって移動する。

　側面部材５２の内壁面には雌ねじ５２ａが設けられており、蓋部２４の軸保持部２４ｂの外周面に設けられた雄ねじ２４ｃと噛み合わされることで、キャップ５が蓋部２４に固定される。

　キャップ５の側面部材５２の形状は、蓋部２４の外形に合わせて形成されている。側面部材５２の下端部付近には、バネ５３が設けられている。このバネ５３は、キャップ５が蓋部２４に取り付けられた際に縮んだ状態となっており、キャップ５に上方向の力を付与する。このため、詳細は後述するが、キャップ５が緩められて雌ねじ５２ａと雄ねじ２４ｃとの噛み合わせが外れると、キャップ５は軸部４１とともに上方向に移動する。

　［２．使用方法］
　以下、図１から図７に加え、図８Ａ～図８Ｆ及び図９を参照して、骨セメント調製装置１の使用方法について説明する。図８Ａ～図８Ｆは、骨セメントの調製工程のそれぞれにおける骨セメント調製装置１の状態について説明するための図である。図９は、調製され収容された骨セメントを射出するために、第２容器３にノズル９が取り付けられる様子を示す図である。

　まず、骨セメントを調製するために、骨セメント調製装置１は、図１及び図２に示すように、第１容器２が第２容器３に取り付けられ、キャップ５が完全に締められた状態とされる。また、軸部４１は第１位置に配置されており、第１栓部４１ｄが第１容器２の主流出部２３ａに嵌め入れられ、第２栓部４１ｇは減圧口２４ｅを塞いでいない状態とされ、第３栓部４１ｋが外気導入口２４１を塞いだ状態とされる。

　この状態で、まず、図８Ａに示すように、撹拌部材４の軸部４１の上端部に漏斗７が取り付けられ、漏斗７を介して骨セメントの材料が投入される。これにより、漏斗７から投入された材料が、上述したように軸部４１の内部（図５Ｂに示す開口４１ａ及び中空部４１ｂ）を通り、窓部４１ｃから第１容器２の調製室２ｓ内に流入する（図８Ａに示す矢印Ａ１）。

　この際、調製室２ｓ内は、第１減圧ラインを介して図示しないポンプ等により減圧されている。この状態では、調製室２ｓ内は負圧となっているため、軸部４１の内部（図５Ｂに示す開口４１ａ及び中空部４１ｂ）及び窓部４１ｃを通って、調製室２ｓ外部の空気が調製室２ｓ内へ流入する。従って、調製室２ｓ外部から調製室２ｓ内へ向かう気流が生じ、漏斗７を介して投入される骨セメント材料、特に粉末材料は、この気流によってスムーズに調製室２ｓ内に到達する。また、この状態では、撹拌部材４の第１栓部４１ｄは流出部２３に嵌め入れられているため、投入された材料は流出部２３から第２容器３へ漏れないようになっている。

　所定の分量の材料が投入され終わると、図８Ｂに示すように、開口４１ａから漏斗７が取り外された後、ハンドル８が上側から開口４１ａに取り付けられる。詳細な図示は省略するが、ハンドル８の下端部は開口４１ａから軸部４１の内部に嵌め入れられ、ハンドル８は軸部４１に固定される。

　ハンドル８を軸部４１に固定するための構成については特に限定しないが、例えば以下のような構成を採用すればよい。すなわち、軸部４１の内壁面（中空部４１ｂを構成する壁面の一部）と、ハンドル８が軸部４１に固定されたとき軸部４１の内壁面と接触する部位の外壁面（以下、ハンドル８の一部の外壁面と記載する）を、水平な方向において八角形の断面を有するような構成である。このような構成により、ハンドル８が開口４１ａに嵌め入れられたとき、軸部４１の内壁面とハンドル８の一部の外壁面とが密着することで、ハンドル８が軸部４１に対して固定される。

　なお、ハンドル８が軸部４１に固定されたとき、軸部４１の内壁面とハンドル８の一部の外壁面とが密着するため、ハンドル８によって軸部４１の開口４１ａが閉塞され、調製室２ｓ内の気密が確保される。この状態で、上述したように調製室２ｓ内は減圧されているため、調製室２ｓ内が負圧となり、これから調製される骨セメントに気泡が入り込みにくくなる。

　ハンドル８を軸部４１に取り付けたとき、調製室２ｓ内の気密が確保されるようにするためには、例えばハンドル８及び／または軸部４１に以下のような構成を追加することがより望ましい。第１の構成の例は、ハンドル８の一部の外壁面及び軸部４１の内壁面を、ほぼ同じ角度、向きを有するテーパー形状に形成し、ハンドル８を軸部４１内に嵌め入れたとき、互いの壁面が密着するようにした構成である。第２の構成の例は、ハンドル８の一部の外壁面または軸部４１の内壁面にＯリング等のシール材を設けておき、このシール材により互いの壁面が密着するようにした構成である。第３の構成の例は、ハンドル８の一部の外壁面及び軸部４１の内壁面に互いに噛み合う爪部材を形成しておき、ハンドル８を軸部４１内に嵌め入れたとき、互いの爪部材が噛み合うことで気密が確保されるような構成である。

　ハンドル８は、図８Ｂに示すように、把持部８ａを有する。この把持部８ａを作業者が把持することで、ハンドル８をしっかりと回転させることができる。また、この把持部８ａの存在により、作業者がハンドル８が回転させるべきものであることが作業者にとって一目で分かるようになっている。さらに、把持部８ａにより、作業者がハンドル８を回転させる際に、ハンドル８に上下方向の力が掛かりにくくなっている。

　このように、軸部４１に対してハンドル８が上側から取り付けられるとともに、ハンドル８が把持部８ａを有することによって、ハンドル８及びハンドル８が固定される軸部４１に対して、上下方向の力が掛かりにくくされている理由は、以下の通りである。すなわち、ハンドル８を回転させて調製室２ｓ内の材料を撹拌する際には、第１栓部４１ｄが流出部２３に対して、隙間なく嵌め入れられている必要がある。第１栓部４１ｄが流出部２３から抜けてしまうと、調製完了前の材料が流出部２３を通って収容室３ｓへ漏れてしまうからである。

　さらに、ハンドル８を回転させて調製室２ｓ内の材料を撹拌する際に軸部４１が上方向に移動してしまうと、第２栓部４１ｇによって蓋部２４の減圧口２４ｅが塞がれてしまうとともに、第３栓部４１ｋと軸保持部２４ｂの内壁面との間に隙間が生じるため、調製室２ｓ内の負圧が失われてしまう。材料の撹拌中にこのような事態が生じると、材料内に気泡が入り込みやすくなるため、骨セメントの好適な調製が困難となる。

　以上のような事態を防止するため、ハンドル８に把持部８ａが設けられることにより、作業者によるハンドル８の回転時に、ハンドル８に上下方向の力が掛かりにくくなっている。

　ハンドル８が取り付けられた状態で、図８Ｂの矢印Ａ２に示すように骨セメント調製装置１の作業者によってハンドル８が回転させられると、軸部４１を介して撹拌翼４２ｂ及び４２ｃが回転し、調製室２ｓ内の材料が撹拌される。この撹拌によって材料が好適に混合され、生地状態の骨セメントが調製される。このとき、調製室２ｓ内は負圧となっているため、調製される骨セメントの内部に気泡が入り込みにくい。

　なお、撹拌翼４２ｂが回転する工程において、キャップ５によって軸部４１の上下方向の移動が規制されているため、第１栓部４１ｄが流出部２３から抜けてしまい、調製中の材料が第１容器２から第２容器３へ流出してしまう事態が防止される。また、キャップ５による軸部４１の上下方向の移動規制によって、作業者がハンドル８を回転させる際にハンドル８のがたつきが抑えられ、材料を撹拌する動作が容易となっている。

　また、比較的小さい撹拌翼４２ｂと、比較的大きい撹拌翼４２ｃとが回転することにより、調製室２ｓ内の材料を好適に撹拌することができる。また、比較的大きい撹拌翼４２ｃは、外周部がボウル部２１の側面２１ｂに沿った形状に形成されており、かつ中心部に穴４２ｅが形成されているため、側面２１ｂに付着した材料を好適に削ぎ落とすことができる。このため、材料が撹拌されて調製された骨セメントがボウル部２１の側面２１ｂに付着して残ってしまう事態を防止することができる。

　材料が十分に撹拌され、骨セメントが調製されると、蓋部２４の雄ねじ２４ｃとキャップ５の雌ねじ５２ａとの噛み合わせ（図１及び図２参照）が解除され、キャップ５が緩められた状態とされる。これにより、軸部４１の上方向への移動規制が解除される。この状態で、作業者がハンドル８とともに軸部４１を上方向に移動させると、図８Ｃに示すように第１栓部４１ｄが流出部２３から抜け、流出部２３が開放される（矢印Ａ３）。これとともに、第２栓部４１ｇが上側に移動し、減圧口２４ｅが塞がれる。この際、キャップ５にはバネ５３による上方向への付勢力が働いているため、作業者はわずかな力で軸部４１を上方向に移動させることができる。

　第１栓部４１ｄが流出部２３から抜けることで流出部２３が開放され、図８Ｃの矢印Ａ４に示すように、調製された生地状態の骨セメントが流出部２３を通って速やかに第２容器３の収容室３ｓ内に移行する。なお、本実施の形態において、生地状態の骨セメントは流動性を有し、自らの重みで下方へと移動しうる。このため、第１栓部４１ｄが流出部２３から抜け出ることで、骨セメントは自然と調製室２ｓから収容室３ｓへと落下する。この際、第３栓部４１ｋは外気導入口２４１を開放しているため、調製室２ｓ内に外気が導入され、調製室２ｓ内が常圧に戻る。なお、十分に撹拌されて調製された骨セメントには常圧でも気泡等が入り込みにくいため、この段階では調製室２ｓが常圧に戻されても問題はない。

　なお図８Ｃに示す状態では、第２減圧ラインを介して、ポンプは収容室３ｓ内を負圧としている。このため、調製室２ｓと収容室３ｓとの圧力差が生じ、調製室２ｓから収容室３ｓへ流入するような気流が生じる。調製された骨セメントは、この気流によって、調製室２ｓから収容室３ｓへと移行されやすくなっている。

　キャップ５、ハンドル８及び軸部４１が上方向に移動した状態（軸部４１が第２位置にある状態）でも、図８Ｃに示すように、撹拌翼４２ｂの位置は元の位置から移動しない。元の位置とは、羽根部材４２の撹拌翼４２ｂの下端部がボウル部２１の底面２１ｃとほぼ接する位置である。これは、上述したように軸部４１と羽根部材４２とが互いに固定されていないためである。これにより、例えハンドル８及び軸部４１が第２位置にある状態でも、作業者がハンドル８を回転させれば、軸部４１の突起部４１ｆと羽根部材４２の歯合部４２ｄとが噛み合って撹拌翼４２ｂが回転される。これにより、ボウル部２１の内壁面、特に側面２１ｂおよび底面２１ｃ付近にこびりついた骨セメントを撹拌翼４２ｂ及び４２ｃによって削ぎ落とすことができる。

　図８Ｄに示すように、骨セメントが全て収容室３ｓ内に移行されると、接続部２５ｃからポンプが外され、収容室３ｓ内が常圧に戻される。

　この状態で、第２容器３から第１容器２が取り外され、収容室３ｓが大気開放される。そして、図８Ｅ及び図９に示すように、ノズル９が第２容器３の取付部３２に取り付けられる。ノズル９の取付部３２への取り付けは、例えばノズル９の内壁面に設けられた雌ねじ（図示せず）が、取付部３２の雄ねじ３２ａと噛み合わされることで行われればよい。また、この際、図８Eに示すように、スタンド６も第２容器３から取り外される。これにより、ピストン３３は第２容器３内を上下に移動可能となる。図８Ｅには、第２容器３にノズル９が取り付けられた様子が示されている。

　この状態で、第２容器３のピストン３３側に冶具（図示略）が取り付けられる。治具として、例えば、整形外科用セメント注入器、整形外科用セメントディスペンサ、セメントガン等が挙げられる。この治具の引き金が手技的に引かれることで、ピストン３３に圧力が加えられる。この圧力により、ピストン３３がノズル９側に押し込まれると、図８Ｆの矢印Ａ５に示すように、第２容器３内の骨セメントがノズル９から射出される。これにより、調製された骨セメントを、例えば髄腔内等の患部に、直接供給することができる。

　［３．作用、効果］
　本発明の実施の形態に係る骨セメント調製装置１は、調製された組成物を流出させる流出部２３が設けられており、先端部が流出部２３の内部に嵌め入れられた第１位置と流出部２３から抜き出された第２位置とに遷移可能な軸部（栓部材）４１を有する第１容器２と、流出部２３から流出した組成物を収容する第２容器３と、を備える。

　本発明の実施の形態に係る骨セメント調製装置１によれば、以下のような効果が得られる。すなわち、軸部４１が流出部２３に嵌め入れられた第１位置においては、材料が第１容器２から漏れ出てしまうことはなく、好適に材料を撹拌して組成物を調製することができる。また、調製が終わった際には、軸部４１が流出部２３から抜き出された第２位置へ遷移されることで、流出部２３が開放され、組成物は自重によって流出部２３から第２容器３へと流れ落ちていく。このような構成により、低粘度の骨セメントを調製する場合でも、開栓して第１容器２から第２容器３へ骨セメントを移行させる際に、骨セメントが容器（特に第１容器２）と軸部４１との間に入り込み、開栓できなくなることを回避できる。

　また、本発明の実施の形態に係る骨セメント調製装置１において、第１容器２には、外部の減圧手段に接続される減圧口２４ｅ、および前記第１容器の外部に対して開放された外気導入口２４１が設けられており、軸部４１は、第１栓部４１ｄ、第２栓部４１ｇ、及び第３栓部４１ｋを有し、軸部４１の第１位置において、第１栓部４１ｄは流出部２３に嵌め入れられており、第２栓部４１ｇは減圧口２４ｅを開放しており、かつ第３栓部４１ｋは外気導入口２４１を塞ぎ、軸部４１の第２位置において、第１栓部４１ｄは流出部２３から抜き出されており、第２栓部４１ｇは減圧口２４ｅを塞いでおり、かつ第３栓部４１ｋは外気導入口２４１を開放している。

　このような構成により、軸部４１が第１位置にあるか、第２位置にあるかによって、調製室２ｓ内の環境が変化する。軸部４１が第１位置にある場合、第２栓部４１ｇが減圧口２４ｅを塞がないので、第１減圧ラインにより減圧手段としてのポンプと調製室２ｓが接続され、調製室２ｓ内が減圧される。このため、材料の撹拌中に気泡が入り込みにくく、好適な撹拌を行うことができる。

　また、軸部４１が第２位置にある場合、第３栓部４１ｋが外気導入口２４１を開放するので、調製室２ｓ内の気密が破られ、調製室２ｓ内が常圧となる。これにより、調製室２ｓ内は常圧、収容室３ｓ内は負圧となるため、圧力差により調製室２ｓから収容室３ｓへ流れ込む気流が生じ、調製室２ｓ内の骨セメントを収容室３ｓへ移行させるのが容易となる。この際、第２栓部４１ｇが減圧口２４ｅを塞ぐので、減圧手段としてのポンプと調製室２ｓとが分断される。このため、調製室２ｓ内が常圧にもかかわらずポンプが減圧を続けることで、ポンプに大きな負荷が掛かる事態を防止することができる。

　また、本発明の実施の形態に係る骨セメント調製装置１において、第１栓部４１ｄ、第２栓部４１ｇ、及び第３栓部は４１ｋ、軸部４１における上下方向に配置されており、軸部４１を上下方向に移動させることにより、第１栓部４１ｄ、第２栓部４１ｇ、及び第３栓部は４１ｋを一度に移動させることができる。このため、軸部４１を第1位置と第2位置の間で遷移させる１操作のみで、3つの栓部の開閉を同時に行うことができ、操作性に優れる。

　また、本発明の実施の形態に係る骨セメント調製装置１において、第１容器２は、材料を撹拌して組成物を調製する撹拌部材４を有している。軸部４１は、撹拌部材４の一部であって、撹拌部材４は、軸部４１の外周に沿って設けられた撹拌翼４２ｂ、４２ｃを有し、撹拌翼４２ｂ、４２ｃは軸部４１とともに回転可能である。さらに、撹拌翼４２ｂ、４２ｃは、軸部４１が第１位置と前記第２位置のどちらに位置していても、軸部４１に沿った方向において同じ位置にある。

　このような構成により、軸部４１が第２位置にある状態で撹拌翼４２ｂ、４２ｃを回転させることで、第１容器２の壁に付着した骨セメントを掻き取って第２容器３へ移行させることができる。また、流出部２３周辺に溜まった骨セメントは、軸部４１の第1位置から第2位置への遷移により、第２容器に押し込まれる。これにより、調製後の骨セメントを、第１容器２から第２容器３へ容易に移行させることができる。

　また、本発明の実施の形態に係る骨セメント調製装置１において、撹拌部材４には、撹拌部材４を回転させるためのハンドル８が上側から取り付けられる。これにより、骨セメント調製時は軸部を回転させる操作が必要であることを作業者に認識させ、骨セメント調製中に軸部を引っ張る誤操作を行わないよう注意させることができる。

　［４．変形例］
　本発明は、骨及び／又は軟骨等の硬組織と人工関節との固定用等に用いる硬組織補修用組成物として骨セメントを調製する装置に適用した例を説明したが、本発明は、骨セメント以外の医療用の組成物、例えば、硬組織同士の接着、硬組織内への充填、硬組織と金属製人工物との接着及び／又は接合、硬組織と軟組織等の他の組織との接着及び／又は接合、骨の欠損部への充填材、骨補填材、人工骨等のみならず、種々の用途の様々な組成物を調製する装置に適用可能である。

　上述した実施の形態では、撹拌部材４は互いに異なる形状の２枚の撹拌翼４２ｂ及び４２ｃを有していたが、撹拌翼の数、及び形状については、本発明では特に限定されない。撹拌翼の数、及び形状は、骨セメント及びその材料の粘度等によって適宜設計されればよい。

　上述した実施の形態では、図７等に示すように、撹拌部材４は、比較的小型の撹拌翼４２ｂと、比較的大型の撹拌翼４２ｃと、を有していた。本発明では、撹拌部材が有する複数の撹拌翼が、全て同じ大きさであってもよいが、効率のよい撹拌のためには、少なくとも１つの撹拌翼が他の撹拌翼と異なる大きさに形成されていることが望ましい。

　撹拌翼の形状は、撹拌部材の中心軸を含む平面における断面がほぼ三角形であってもよい（図７の撹拌翼４２ｂ、４２ｃを参照）し、ほぼ四角形であってもよい。ただし、撹拌部材が第１容器に取り付けられた状態で、撹拌翼の下端部および外周部は、第１容器のボウル部の内面形状に合わせて形成されていることが望ましい。また、上述した実施の形態の撹拌翼４２ｂには設けられていないが、比較的小型の撹拌翼にも穴が設けられて中空に形成されていてもよい。

　比較的大型の撹拌翼に穴が設けられている場合、その穴の一部に柱部材が設けられていてもよい。柱部材の形状については特に限定しないが、例えば棒状、または板状を有していてもよい。また、柱部材の向きについても特に限定しないが、例えば柱部材を穴の対角線上に設けたり、比較的細い柱を網目状に設けたりしてもよい。穴の面積の例えば半分ほどを柱部材が占めることにより、より効率よく撹拌を行うことができるようになる。

　上述した実施の形態では、撹拌翼４２ｂ、４２ｃは、撹拌部材の中心軸を含む平面に沿って配置されていたが、本発明はこれに限定されない。本発明では、撹拌翼は、例えば撹拌部材の中心軸を含む平面から斜めに傾斜して設けられていてもよい。

　図１０は、斜めに傾斜した撹拌翼を説明するための図である。図１０では、撹拌部材４Ｖの撹拌翼４２Ｖを、撹拌部材４Ｖの外周側から見た様子が示されている。図１０に示す例では、撹拌翼４２Ｖは、撹拌部材の中心軸を含む平面から３０°傾斜して設けられている。なお、図１０に示す傾斜角は一例であって、本発明はこれに限定されない。

　なお、撹拌部材が複数の撹拌翼を有している場合、全ての撹拌翼が撹拌部材の中心軸を含む平面から傾斜していてもよいし、傾斜するものと傾斜しないものとが混在していてもよい。また、複数の撹拌翼が傾斜している場合、傾斜する角度はそれぞれ同じでもよいし、それぞれ異なっていてもよい。

　また、上述した実施の形態では、２枚の撹拌翼４２ｂ、４２ｃが、撹拌部材４の軸部４１を含む同一平面にあるように配置されていた（図１、図７等参照）が、本発明はこれに限定されない。例えば２枚の撹拌翼が、撹拌部材の中心軸を含む平面のうち、互いに異なる平面上に配置されていてもよい。撹拌翼の数が３枚以上である場合、これらの撹拌翼は互いに等間隔に配置されていてもよいし、ランダムな間隔で配置されていてもよい。

　図１１Ａ、図１１Ｂ、図１２Ａ、図１２Ｂ、および図１３は、撹拌翼の形状の他の変形例を示した図である。図１１Ａには、レーキ（熊手）型に形成された撹拌翼４２Ｖ１を含む撹拌部材４Ｖの正面図が示されている。上下に延びてレーキ型を形成する複数の足部４３Ｖの下端部は、図示しないボウル部の内面形状に合わせて形成されている。なお、図１１Ａに示すように、複数の足部４３Ｖは、軸部４１Ｖを挟んで左右非対称の位置に配置されていることが望ましい。このような足部４３Ｖの配置により、骨セメントの効率のよい撹拌が可能となる。

　図１１Ｂには、湾曲して形成された撹拌翼４２Ｖ２を含む撹拌部材４Ｖが示されている。図１１Ｂは撹拌部材４Ｖの上面図である。図１１Ｂに示すように、撹拌翼４２Ｖ２は上面視において湾曲した形状を有する。これにより、撹拌翼４２Ｖ２はより多くの骨セメントを押すことができ、効率のよい撹拌が可能となる。

　図１２Ａおよび図１２Ｂに示すように、複数の撹拌翼を上下にずらして配置するようにしてもよい。図１２Ａおよび図１２Ｂでは、上側撹拌翼４２Ｕと下側撹拌翼４２Ｌとが、上面視において互いにほぼ９０°ずつずれた位置に配置された例が示されている。図１２Ａは、撹拌部材４Ｖを下側撹拌翼４２Ｌの正面から見た正面図である。図１２Ｂは撹拌部材４Ｖの上面図である。

　なお、図１２Ａおよび図１２Ｂでは、上側撹拌翼４２Ｕと下側撹拌翼４２Ｌとして湾曲した形状の撹拌翼を示したが、本発明はこれに限定されず、湾曲していない撹拌翼がこのように上下にずらして配置されていてもよい。また、上面視において上側撹拌翼と下側撹拌翼とがずれる角度は９０°に限定されず、ランダムな間隔で配置されていてもよい。

　さらに、図１３に示すように、例えば上側撹拌翼４２Ｕが、撹拌部材４Ｖの中心軸に垂直な平面から上下方向に傾斜して配置されていてもよい。図１３は撹拌部材４Ｖを上側撹拌翼４２Ｕの正面から見た正面図である。

　また、図１から図７に例示した骨セメント調製装置１は本発明の一例であり、本発明は図１から図７に示した構造および形状に限定されるものではない。図１４には、別の形状を有する本発明の骨セメント調製装置の例が示されている。

　図１４に示す骨セメント調製装置では、第１容器の撹拌部材における撹拌翼の形状が上述した実施の形態と異なっている。詳細には、一方の撹拌翼の下端が第１容器の下面と接触していない。このような形状により、撹拌翼を回転させたとき、調製室の中で材料がまとまったまま撹拌翼とともに回転してしまい、材料が好適に撹拌されない事態をより好適に回避することができる。

　また、図１４に示す例では、第２容器のシリンダ上端部が、中心から外側へ向かうにつれて斜めに下がる形状を有する。さらに、シリンダ内部に配置されているピストンの上面が、シリンダ上端部の傾斜とほぼ同じ角度、中心から外側へ向かうにつれて斜めに下がる形状を有する。このような形状により、第２容器内の骨セメントをピストンにて押し出す時に、セメントを残さず、かつ低負荷にて押し出すことができる。

　本出願は、２０１９年６月２０日出願の特願２０１９－１１４９０７の日本出願、および２０１９年９月９日出願の特願２０１９－１６３９０４の日本出願に基づく優先権を主張する出願であり、当該出願の特許請求の範囲、明細書、図面および要約書の開示内容は、全て本願に援用される。

　本発明は、例えば骨セメントを調製する調製装置として好適に利用される。

　１　骨セメント調製装置
　２　第１容器
　２ｓ　調製室
　２１　ボウル部
　２１ａ　開口
　２１ｂ　側面
　２１ｃ　底面
　２１ｄ　フランジ部
　２１ｅ　穴
　２２　被取付部
　２２ａ　カバー
　２２ｂ　縮径部
　２２ｃ　雌ねじ
　２３　流出部
　２３ａ　主流出部
　２３ｂ　副流出部
　２４　蓋部
　２４１　外気導入口
　２４ａ　第１シール部材
　２４ｂ　軸保持部
　２４ｂ＿１　拡径部
　２４ｂ＿２　縮径部
　２４ｃ　雄ねじ
　２４ｄ　筒部
　２４ｅ　減圧口
　２４ｆ　蓋部連通部
　２４ｇ　管状部
　２４ｈ　栓
　２５　ボウル部連通部
　２５ａ　第１連通部
　２５ｂ　第２連通部
　２５ｃ　接続部
　２６　スライドシャッター部材
　３　第２容器
　３ｓ　収容室
　３１　シリンダ
　３２　取付部
　３２ａ　雄ねじ
　３２ｂ　第２シール部材
　３３　ピストン
　４　撹拌部材
　４１　軸部
　４１ａ　開口
　４１ｂ　中空部
　４１ｃ　窓部
　４１ｄ　第１栓部
　４１ｅ　第３シール部材
　４１ｆ　突起部
　４１ｇ　第２栓部
　４１ｈ　貫通孔
　４１ｉ　第４シール部材
　４１ｊ　段差
　４１ｋ　第３栓部
　４２　羽根部材
　４２ａ　外筒部
　４２ｂ，４２ｃ　撹拌翼
　４２ｄ　歯合部
　４２ｅ　穴
　５　キャップ
　５１　上端部材
　５２　側面部材
　５２ａ　雌ねじ
　５３　バネ
　６　スタンド
　６ａ　筒部
　６ｂ　土台部
　６ｃ　ツメ部
　７　漏斗
　８　ハンドル
　８ａ　把持部
　９　ノズル

Claims (12)

1. 　調製された組成物を流出させる流出部が設けられており、
   　先端部が前記流出部の内部に嵌め入れられた第１位置と前記流出部から抜き出された第２位置とに遷移可能な栓部材を有する第１容器と、
   　前記流出部から流出した前記組成物を収容する第２容器と、
   　を備える、調製装置。
2. 　前記流出部は、前記第１容器の下部に設けられており、
   　前記第２容器は、前記第１容器の下側に配置される、
   　請求項１に記載の調製装置。
3. 　前記栓部材は、上下に移動して前記第１位置と前記第２位置とを遷移する、
   　請求項２に記載の調製装置。
4. 　前記第１容器は、前記第１容器が前記第２容器に取り付けられた状態で、前記第２容器の内部と外部の減圧手段とを連通させる連通部を有する、
   　請求項１から３のいずれか一項に記載の調製装置。
5. 　前記第１容器には、前記減圧手段に接続される減圧口、および前記第１容器の外部に対して開放された外気導入口が設けられており、
   　前記栓部材は、第１栓部、第２栓部、及び第３栓部を有し、
   　前記栓部材の前記第１位置において、前記第１栓部は前記流出部に嵌め入れられており、前記第２栓部は前記減圧口を開放しており、かつ前記第３栓部は前記外気導入口を塞ぎ、
   　前記栓部材の前記第２位置において、前記第１栓部は前記流出部から抜き出されており、前記第２栓部は前記減圧口を塞いでおり、かつ前記第３栓部は前記外気導入口を開放している、
   　請求項４に記載の調製装置。
6. 　前記第１栓部、前記第２栓部、及び前記第３栓部は、前記栓部材における上下方向に配置されている、
   　請求項５に記載の調製装置。
7. 　前記第１容器は、材料を撹拌して前記組成物を調製する撹拌部材を有しており、
   　前記栓部材は、前記撹拌部材の一部である、
   　請求項１から請求項６のいずれか一項に記載の調製装置。
8. 　前記撹拌部材は、前記栓部材の外周に沿って設けられた撹拌翼を有し、
   　前記撹拌翼は前記栓部材とともに回転可能である、
   　請求項７に記載の調製装置。
9. 　前記撹拌翼は、前記栓部材が前記第１位置と前記第２位置のどちらに位置していても、前記栓部材に沿った方向において同じ位置にある、
   　請求項８に記載の調製装置。
10. 　前記撹拌翼は、前記栓部材が前記第１位置と前記第２位置のどちらに位置していても前記栓部材の外周に沿って回転可能である、
    　請求項８に記載の調製装置。
11. 　前記撹拌部材には、前記撹拌部材を回転させるためのハンドルが取り付けられる、
    　請求項７から１０のいずれか一項に記載の調製装置。
12. 　前記ハンドルは、前記撹拌部材の上側から取り付けられる、
    　請求項１１に記載の調製装置。

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