WO2020241350A1 - 画像形成方法及びインクセット - Google Patents

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Abstract

色材、ゲル化剤、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含有するインクAを被記録媒体上に付与する第1工程と、被記録媒体上に付与されたインクAに対し、インクAの反応率が10%~80%となる条件にて、活性エネルギー線を照射する第2工程と、活性エネルギー線が照射されたインクAの一部の上に、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含有するインクBを付与する第3工程と、被記録媒体上のインクA及びインクBに対し、活性エネルギー線を照射する第4工程と、を含む画像形成方法、並びに、インクセット。

Description

画像形成方法及びインクセット
 本開示は、画像形成方法及びインクセットに関する。
 ゲル化剤を含む活性光線硬化型インクを用いた画像形成方法が知られている。
 例えば、特許文献1には、ゲル化剤を含む活性光線硬化型インクを硬化させ、さらにその上から別の活性光線硬化型インクを付与して硬化させる際に、濡れ性、密着性、硬化性に優れた画像形成方法が開示されている。
 詳細には、特許文献1には、色材、ゲル化剤、光重合性化合物および光開始剤を含有し、温度により可逆的にゾルゲル相転移する第1の活性光線硬化型インクを記録媒体に付与する第1の工程と、該第1のインクに活性光線を照射し、該第1のインクを硬化定着させる第2の工程と、光重合性化合物および光開始剤を含有する第2の活性光線硬化型インクをさらに付与する第3の工程と、第2のインクに活性光線を照射する第4の工程と、をこの順番で行う画像形成方法であって、第1の活性光線硬化型インクは、インク全体の質量に対して0.5~5.0質量%のゲル化剤を含有し、第2の活性光線硬化型インクは、インク全体の質量に対して5.0質量%未満のゲル化剤を含有し、該第4の工程は、該硬化定着した第1のインクがインクの表面側から加熱された状態で行う画像形成方法が開示されている。
 特許文献1:国際公開第2015/133605号
 しかしながら、特許文献1に記載の画像形成方法では、形成される画像の画質及び光沢性が不足する場合がある。
 本開示の一態様の課題は、画質及び光沢性に優れる画像を形成できる画像形成方法及びインクセットを提供することである。
 課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 色材、ゲル化剤、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含有するインクAを被記録媒体上に付与する第1工程と、
 被記録媒体上に付与されたインクAに対し、インクAの反応率が10%~80%となる条件にて、活性エネルギー線を照射する第2工程と、
 活性エネルギー線が照射されたインクAの一部の上に、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含有するインクBを付与する第3工程と、
 被記録媒体上のインクA及びインクBに対し、活性エネルギー線を照射する第4工程と、
を含む画像形成方法。
<2> ゲル化剤の融点が、40℃~90℃である<1>に記載の画像形成方法。
<3> ゲル化剤が、脂肪族エステル、脂肪族ケトン、石油系ワックス、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、硬化ヒマシ油誘導体、ポリエチレンワックス誘導体、炭素数12以上の脂肪酸、炭素数12以上のアルコール、ヒドロキシステアリン酸、脂肪酸アミド、N-置換脂肪酸アミド、及び炭素数12以上のアミンからなる群から選択される少なくとも1種である<1>又は<2>に記載の画像形成方法。
<4> 第4工程は、被記録媒体上のインクA及びインクBに対し、インクA及びインクBの全体の反応率が80%~100%となる条件にて、活性エネルギー線を照射する<1>~<3>のいずれか1つに記載の画像形成方法。
<5> インクAが、カラーインク及びブラックインクからなる群から選択される少なくとも1種であり、
 インクBが、ホワイトインク及びクリアインクからなる群から選択される少なくとも1種である<1>~<4>のいずれか1つに記載の画像形成方法。
<6> インクAの25℃での表面張力が、インクBの25℃での表面張力よりも高い<1>~<5>のいずれか1つに記載の画像形成方法。
<7> インクBが、更に、ゲル化剤を含有し、
 インクAに含有されるゲル化剤をゲル化剤Aとし、インクBに含有されるゲル化剤をゲル化剤Bとした場合に、インクBの全量に対するゲル化剤Bの含有量の比率が、インクAの全量に対するゲル化剤Aの含有量の比率よりも低い<1>~<6>のいずれか1つに記載の画像形成方法。
<8> インクBの全量に対するゲル化剤Bの含有量の比率が、0.3質量%~0.8質量%である<7>に記載の画像形成方法。
<9> 第4工程は、酸素濃度が5体積%以下の環境下で、被記録媒体上のインクA及びインクBに対し、活性エネルギー線を照射する<1>~<8>のいずれか1つに記載の画像形成方法。
<10> 更に、第3工程と第4工程との間に、被記録媒体上のインクA及びインクBに対し、第4工程における活性エネルギー線の照射エネルギーよりも低い照射エネルギーにて、活性エネルギー線を照射する工程Xを含む<1>~<9>のいずれか1つに記載の画像形成方法。
<11> 色材、ゲル化剤、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含有するインクAと、
 光重合性モノマー及び光重合開始剤を含有するインクBと、
を備え、
 インクAが、カラーインク及びブラックインクからなる群から選択される少なくとも1種であり、
 インクBが、ホワイトインク及びクリアインクからなる群から選択される少なくとも1種であるインクセット。
<12> インクBが、更に、ゲル化剤を含有し、
 インクAに含有されるゲル化剤をゲル化剤Aとし、インクBに含有されるゲル化剤をゲル化剤Bとした場合に、インクBの全量に対するゲル化剤Bの含有量の比率が、インクAの全量に対するゲル化剤Aの含有量の比率よりも低い<11>に記載のインクセット。
 本開示の一態様によれば、画質及び光沢性に優れる画像を形成できる画像形成方法及びインクセットが提供される。
 本開示において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
 本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する上記複数の物質の合計量を意味する。
 本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよく、また、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
 本開示において、「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
 本開示において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
 本開示において、「光」は、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線等の活性エネルギー線を包含する概念である。
 本開示においては、紫外線を、「UV(Ultra Violet)光」ということがある。
 本開示において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及びメタクリル酸の両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド及びメタクリルアミドの両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリロイル基」はアクリロイル基及びメタクリロイル基の両方を包含する概念である。
 本開示において、「画像」とは、インクジェットインク組成物を用いて形成される膜全般を意味し、「画像の記録」及び「画像記録」とは、それぞれ、膜の形成及び膜形成を意味する。従って、本開示における「画像」は、色彩を有する膜には限定されず、例えば、透明の膜であってもよい。ここで、膜について、透明とは、波長400nm~700nmの可視光の透過率が、80%以上(好ましくは90%以上)であることを意味する。
 また、本開示における「画像」の概念には、ベタ画像(solid image)も包含される。
〔画像形成方法〕
 本開示の画像形成方法は、
 色材、ゲル化剤、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含有するインクAを被記録媒体上に付与する第1工程と、
 被記録媒体上に付与されたインクAに対し、インクAの反応率が10%~80%となる条件にて、活性エネルギー線を照射する第2工程と、
 活性エネルギー線が照射されたインクAの一部の上に、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含有するインクBを付与する第3工程と、
 被記録媒体上のインクA及びインクBに対し、活性エネルギー線を照射する第4工程と、
を含む。
 本開示の画像形成方法は、必要に応じ、その他の工程を含んでいてもよい。
 本開示の画像形成方法によれば、画質及び光沢性に優れる画像を形成できる。
 より詳細には、本開示の画像形成方法によれば、インクAに由来する画像Aと、画像Aの一部の上に配置され、画質及び光沢性に優れる、インクBに由来する画像Bと、を含む複合画像(例えば多色画像)を形成できる。
 かかる効果が奏される理由は、以下のように推測される。
 本開示の画像形成方法では、被記録媒体上にインクAが付与され、被記録媒体上に付与されたインクAが反応率10%~80%となる範囲で硬化され、この範囲で硬化されたインクAの一部の上にインクBが付与される(第1工程~第3工程)。本開示の画像形成方法では、更に、上記反応率10%~80%となる範囲で硬化されたインクAと、このインクAの一部の上のインクBと、に対し、第4工程において、活性エネルギー線が照射される。本開示の画像形成方法では、以上のようにして、被記録媒体上に、インクAの硬化物である画像Aと、画像Aの一部の上に配置された、インクBの硬化物である画像Bと、を含む複合画像(例えば多色画像)が形成される。
 本開示の画像形成方法では、反応率10%~80%となる範囲で硬化されたインクAの一部の上にインクBが付与されることにより、付与されたインクBのドットの拡がり具合が程よい程度となり、かつ、インクBのドット同士の打滴干渉(即ち、隣り合うインクドット同士の合一)が抑制されると考えられる。
 その結果、
インクBのドットの拡がり不足に起因する画像Bの光沢性の低下が抑制され、
インクBのドットの拡がり過剰に起因する画像Bの画質の低下(例えば、滲みの発生)が抑制され、
インクBのドット同士の打滴干渉に起因する画像Bの光沢性の低下が抑制される
と考えられる。
 より詳細には、本開示の画像形成方法では、反応率10%未満となる範囲で硬化されたインクAの一部の上にインクBが付与される場合と比較して、インクBのドットがインクAに埋まり込む度合いが抑制され、その結果、インクBのドットの拡がり不足が抑制されると考えられる。更に、本開示の画像形成方法では、反応率80%超となる範囲で硬化されたインクAの一部の上にインクBが付与される場合と比較して、インクBの拡がりが過剰となることが抑制され、かつ、インクBのドット同士の打滴干渉が抑制されると考えられる。
 本開示の画像形成方法によれば、以上の理由により、画像Aと、画像Aの一部の上に配置され、画質及び光沢性に優れる画像Bと、を含む複合画像(例えば多色画像)を形成できると考えられる。
 本開示の画像形成方法に類似した画像形成方法として、前述した特許文献1(国際公開第2015/133605号)に記載の画像形成方法が挙げられる。
 しかし、特許文献1に記載の画像形成方法では、反応率80%超となる範囲で硬化されたインクA(例えば、完全に硬化されたインクA)の一部の上にインクBが付与される場合があり、その結果、画像Bの画質の低下及び光沢性の低下が生じる場合がある。
 以下、まず、本開示の画像形成方法に用いられる、被記録媒体、インクA、及びインクBについて説明し、引き続き、本開示の画像形成方法の各工程について説明する。
<被記録媒体>
 被記録媒体としては特に限定はない。
 被記録媒体としては、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等の金属の板)、プラスチックフィルム(例えば、ポリ塩化ビニル(PVC:Polyvinyl Chloride)樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene Terephthalate)、ポリエチレン(PE:Polyethylene)、ポリスチレン(PS:Polystyrene)、ポリプロピレン(PP:Polypropylene)、ポリカーボネート(PC:Polycarbonate)、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂等のフィルム)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙、上述した金属がラミネートされ又は蒸着されたプラスチックフィルムなどが挙げられる。
<インクA>
 インクAは、色材、ゲル化剤、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含有する
(色材)
 インクAは、色材を少なくとも1種含有する。
 色材としては、特に制限はなく、顔料、水溶性染料、分散染料等の公知の色材から任意に選択して使用することができる。この中でも、耐候性に優れ、色再現性に富む点から、顔料がより好ましい。
 顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の有機顔料及び無機顔料などが挙げられる。
 また、顔料としては、染料で染色した樹脂粒子、市販の顔料分散体や表面処理された顔料〔例えば、顔料を分散媒(例えば、ラジカル重合性モノマー、有機溶剤等)に分散させたもの、及び、樹脂や顔料誘導体等で顔料表面を処理したもの等〕も挙げられる。
 有機顔料及び無機顔料としては、例えば、イエロー顔料、赤色顔料、マゼンタ顔料、青色顔料、シアン顔料、緑色顔料、橙色顔料、紫色顔料、褐色顔料、黒色顔料、白色顔料等が挙げられる。
 インクAが、色材として顔料を用いる場合、必要に応じて顔料分散剤を含有してもよい。
 顔料等の色材及び顔料分散剤については、国際公開第2015/133605号の段落0060~段落0074、特開2011-225848号公報の段落0152~0158、特開2009-209352号公報の段落0132~0149、等の公知文献を適宜参照することができる。
 インクAが色材を含有する場合、色材の含有量は、インクAの全量に対し、好ましくは0.1質量%~20質量%であり、より好ましくは0.5質量%~10質量%である。
 インクAは、好ましくは、カラーインク及びブラックインクからなる群から選択される少なくとも1種である。
 ここで、カラーインクとは、有彩色の色材(例えば、イエロー顔料、マゼンタ顔料、又はシアン顔料)を0.1質量%以上含むインクを意味する。
 また、ブラックインクとは、黒色色材(例えば、カーボンブラック等の黒色顔料)を0.1質量%以上含むインクを意味する。
 一方、後述するインクBは、好ましくは、ホワイトインク及びクリアインクからなる群から選択される少なくとも1種である。
 ここで、ホワイトインクとは、白色色材(例えば、二酸化チタン等の白色顔料)を0.1質量%以上含むインクを意味する。
 また、クリアインクとは、色材を含有しないか、又は、含有する場合には色材の含有量がインク全量に対して0.1質量%未満であるインクを意味する。
 インクAが、カラーインク及びブラックインクからなる群から選択される少なくとも1種であり、かつ、インクBが、ホワイトインク及びクリアインクからなる群から選択される少なくとも1種である態様によれば、下地としての少なくとも1種の画像A上に、少なくとも1種の画像Bを形成することができる。
 この態様では、意匠性により優れた複合画像を形成できる。形成された複合画像は、加飾目的の画像として特に好適である。
(ゲル化剤)
 インクAは、ゲル化剤を少なくとも1種含有する。
 ゲル化剤としては、インクAを温度により可逆的にゾルゲル相転移させる機能を有する化合物を用いることができる。
 かかる機能を有するゲル化剤としては、国際公開第2015/133605号の段落0018~段落0032に記載のゲル化剤等が挙げられる。
 ゲル化剤として、好ましくは、脂肪族エステル、脂肪族ケトン、石油系ワックス、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、硬化ヒマシ油誘導体、ポリエチレンワックス誘導体、炭素数12以上(好ましくは炭素数12~25)の脂肪酸、炭素数12以上(好ましくは炭素数12~25)のアルコール、ヒドロキシステアリン酸、脂肪酸アミド、N-置換脂肪酸アミド、及び炭素数12以上(好ましくは炭素数12~25)のアミンからなる群から選択される少なくとも1種である。
 脂肪族エステルとしては、下記式(1)で表される脂肪族エステルが好ましい。
 脂肪族ケトンとしては、下記式(2)で表される脂肪族ケトンが好ましい。
 R-COO-R  … 式(1)
 R-CO-R  … 式(2)
 式(1)及び式(2)中、R~Rは、それぞれ独立に、炭素数12以上の直鎖部分を含むアルキル基を表す。
 R~Rで表されるアルキル基は、分岐部分を含んでいてもよい。
 R~Rで表されるアルキル基中の直鎖部分の炭素数は、好ましくは12~26である。
 石油系ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等が挙げられる。
 植物系ワックスとしては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウ、ホホバエステル、等が挙げられる。
 動物系ワックスとしては、ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、等が挙げられる。
 鉱物系ワックスとしては、モンタンワックス、水素化ワックス、等が挙げられる。
 炭素数12以上の脂肪酸としては、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、およびエルカ酸、等が挙げられる。
 炭素数12以上のアルコールとしては、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、等が挙げられる。
 脂肪酸アミドとしては、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸アミド、等が挙げられる。
 N-置換脂肪酸アミドとしては、N-ステアリルステアリン酸アミド、N-オレイルパルミチン酸アミド、等が挙げられる。
 炭素数12以上のアミンとしては、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、オクタデシルアミン等が挙げられる。
 ゲル化剤の融点は、好ましくは40℃~90℃である。
 ゲル化剤の融点が40℃以上である場合には、ゲル化剤が室温で固体となるため、被記録媒体上でのインクAに由来するドットの合一が抑制され、画像Aの画質がより向上する。更に、画像Aの一部の上に形成される画像Bの画質も向上し得る。
 ゲル化剤の融点が90℃以下である場合には、画像Aの表面の凹凸がより低減され、その結果、画像Aの一部の上に形成される画像Bの光沢性がより向上する。また、ゲル化剤の融点が90℃以下である場合には、インクAの吐出性がより向上する。
 ゲル化剤Aの融点は、より好ましくは40℃~70℃であり、更に好ましくは40℃~55℃である。
 インクAに含有されるゲル化剤の含有量には特に制限はない。
 ゲル化剤の含有量は、ゲル化剤の上記機能(即ち、インクAを温度により可逆的にゾルゲル相転移させる機能)をより効果的に発揮させる観点から、インクAの全量に対し、好ましくは0.1質量%~5.0質量%であり、より好ましくは0.1質量%~4.0質量%であり、更に好ましくは0.5質量%~2.5質量%である。
(光重合性モノマー)
 インクAは、光重合性モノマーを少なくとも1種含有する。
 光重合性モノマーとしては、光(即ち、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線等の活性エネルギー線)の照射により重合又は架橋する公知の光重合性モノマーが挙げられる。活性エネルギー線として、好ましくは紫外線である。
 光重合性モノマーとしては、国際公開第2015/133605号の段落0036~段落0051に記載の光重合性化合物を用いてもよい。
 光重合性モノマーとしては、ラジカル重合性モノマー又はカチオン重合性モノマーが好ましく、ラジカル重合性モノマーがより好ましい。
 ラジカル重合性モノマーは、ラジカル重合性基として、ビニル基、アリル基、又は(メタ)アクリロイル基を含むことが好ましく、(メタ)アクリロイル基を含むことがより好ましい。
 ラジカル重合性モノマーとしては、単官能のラジカル重合性モノマー及び多官能のラジカル重合性モノマーからなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。
 ここで、単官能のラジカル重合性モノマーとは、分子内にラジカル重合性基を1つ含むラジカル重合性モノマーを意味し、多官能のラジカル重合性モノマーとは、分子内にラジカル重合性基を2つ以上含むラジカル重合性モノマーを意味する。
 ラジカル重合性モノマーとしては、多官能のラジカル重合性モノマーが好ましく、2官能~6官能のラジカル重合性モノマーがより好ましく、2官能~4官能のラジカル重合性モノマーが更に好ましく、2官能又は3官能のラジカル重合性モノマーが更に好ましい。
 ラジカル重合性モノマーとしては、(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
 また、ラジカル重合性モノマーとしては、光硬化性、硬化収縮抑制、ゾルゲル相転移の繰り返し再現性の観点から、分子内に、エチレンオキシ(EO)鎖及びプロピレンオキシ(PO)鎖の少なくとも一方を含むラジカル重合性モノマーが好ましく、分子内に、EO鎖及びPO鎖の少なくとも一方を含む(メタ)アクリレート化合物が更に好ましく、分子内に、EO鎖及びPO鎖の少なくとも一方を含む多官能の(メタ)アクリレート化合物が更に好ましい。
 光重合性モノマーの分子量としては、280~1500が好ましく、280~1000がより好ましく、280~800が更に好ましい。
 インクAに含有される光重合性モノマーの含有量は、インクAの全量に対し、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上である。
 インクAの全量に対する光重合性モノマーの含有量の上限には特に制限はないが、上限として、例えば、90質量%が挙げられる。
(光重合開始剤)
 インクAは、光重合開始剤を少なくとも1種含有する。
 光重合開始剤としては、インクAがラジカル重合性モノマーを含有する場合にはラジカル重合開始剤を用いることができ、インクAがカチオン重合性モノマーを含有する場合には光酸発生剤を用いることができる。
 光重合開始剤としては、国際公開第2015/133605号の段落0036~段落0051に記載の光重合性化合物を用いてもよい。
 インクAがラジカル重合開始剤を含有する場合、インクAは、分子内結合開裂型のラジカル重合開始剤、及び、分子内水素引き抜き型のラジカル重合開始剤の少なくとも一方を含有することが好ましい。
 分子内結合開裂型のラジカル重合開始剤としては;
ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン等のアセトフェノン系重合開始剤;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン系重合開始剤;
2,4,6-トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系重合開始剤;
ベンジルグリオキシエステル;
メチルフェニルグリオキシエステル;
等が挙げられる。
 分子内水素引き抜き型のラジカル重合開始剤としては;
ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル-4-フェニルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤;
2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤;
ミヒラーケトン、4,4’-ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系重合開始剤;
10-ブチル-2-クロロアクリドン;
2-エチルアンスラキノン;
9,10-フェナンスレンキノン;
カンファーキノン;
等が挙げられる。
 インクAに含有される光重合開始剤の含有量は、インクAの全量に対し、好ましくは0.01質量%~10質量%であり、より好ましくは0.1質量%~10質量%であり、更に好ましくは1質量%~10質量%である。
(界面活性剤)
 インクAは、界面活性剤を少なくとも1種含有していてもよい。
 界面活性剤としては、特開昭62-173463号、同62-183457号の各公報に記載された界面活性剤が挙げられる。
 界面活性剤としては、例えば;
ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、脂肪酸塩等のアニオン性界面活性剤;
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、アセチレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、シリコーン(例えば変性ポリジメチルシロキサン)、ポリアクリレート、シリコーンアクリレート、シリコーンポリエーテルアクリレート等のノニオン性界面活性剤;
アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;
カルボベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤;
等が挙げられる。
 また、界面活性剤としては、有機フルオロ化合物も挙げられる。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素含有界面活性剤、オイル状フッ素含有化合物(例、フッ素油)、固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)等が挙げられ、特公昭57-9053号(第8~17欄)、特開昭62-135826号の各公報に記載された化合物が挙げられる。
 インクAが界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量は、インクの全量に対し、0.001質量%~5.0質量%が好ましく、0.05質量%~3.0質量%がより好ましく、0.05質量%~2.0質量%が特に好ましい。
(その他の成分)
 インクAは、上述した成分以外のその他の成分を含有していてもよい。
 その他の成分としては、増感助剤、マット剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤、塩基性化合物(例えば、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、塩基性有機化合物(例えばアミン)、等)、上述した成分に該当しない樹脂(例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、等)等が挙げられる。
(インクジェットインクである場合のインクAの好ましい物性)
 インクAは、インクジェットインクであることが好ましい。
 以下、インクAがインクジェットインクである場合の好ましい物性について説明する。
 インクAは、ゲル化剤を含有するため、温度により可逆的にゾルゲル相転移することができる。温度により可逆的にゾルゲル相転移するインクAは、高温(例えば80℃程度)では液体(ゾル)である。このため、高温下でインクAをインクジェットヘッドから吐出して被記録媒体に付与することにより、インクAをゾル状態で被記録媒体に付与することができる。被記録媒体に付与されたインクAは、自然冷却されてゲル化する。これにより、隣り合うインクドット同士の合一が抑制され、画像Aの画質が高められる。
 インクAのインクジェットヘッドからの吐出性を高める観点から、高温下におけるインクの粘度は、ある程度低いことが好ましい。具体的には、インクAの、80℃における粘度が3~20mPa・sであることが好ましい。
 一方、隣り合うインクドットの合一を抑制する観点から、着弾後の常温下におけるインクの粘度は、ある程度高いことが好ましい。具体的には、インクAの25℃における粘度は1000mPa・s以上であることが好ましい。
 インクAのゲル化温度は、40℃以上70℃以下であることが好ましく、50℃以上65℃以下であることがより好ましい。
 インクジェットヘッドからのインクAの吐出温度は、80℃近傍である場合が多いため、インクのゲル化温度を70℃以下とすることで、吐出時にゾル状態で吐出でき、インクの吐出を安定させやすい。
 一方、インクAのゲル化温度を40℃以上とすると、記録媒体に着弾後、速やかにゲル化しやすくなる。
 ここで、ゲル化温度とは、ゾル状態にあるインクを冷却する過程において、ゲル化して流動性が低下するときの温度である。
 インクAの80℃における粘度、25℃における粘度およびゲル化温度は、レオメータにより、インクの動的粘弾性の温度変化を測定することにより求めることができる。具体的には、インクを100℃に加熱し、剪断速度11.7(/s)、降温速度0.1℃/sの条件で20℃まで冷却したときの、粘度の温度変化曲線を得る。そして、80℃における粘度と25℃における粘度は、粘度の温度変化曲線において80℃、25℃における粘度をそれぞれ読み取ることにより求めることができる。ゲル化温度は、粘度の温度変化曲線において、粘度が大きく変化する温度とすることができ、例えば粘度が500mPa・sとなる温度とすることができる。
 レオメータとしては、Anton Paar社製 ストレス制御型レオメータ PhysicaMCRシリーズを用いることができる。コーンプレートの直径は75mm、コーン角は1.0°とすることができる。
 インクAの表面張力には特に制限はない。
 インクAの25℃での表面張力(以下、単に、「インクAの表面張力」ともいう)は、好ましくは20mN/m~50mN/mであり、より好ましくは28mN/m~50mN/mである。
 インクAの表面張力が20mN/m以上である場合には、インクAの吐出性がより向上し、かつ、画像A上の画像Bの画質がより向上する。
 インクAの表面張力が50mN/m以下である場合には、画像A上の画像Bの光沢性がより向上する。
 インクAの表面張力は、表面張力計(例えば、DY-700(協和界面化学(株)製))を用い、25℃で測定された値である。後述するインクBの表面張力も同様である。
 インクAの表面張力(即ち、25℃での表面張力)は、インクBの表面張力(即ち、25℃での表面張力)よりも高いことが好ましい。
 これにより、画像A上の画像Bの光沢性がより向上する。
 インクAの表面張力がインクBの表面張力よりも高い場合、インクAの表面張力からインクBの表面張力を差し引いた値(以下、「表面張力差〔インクA-インクB〕」ともいう)は、好ましくは5mN/m以上であり、より好ましくは10mN/m以上であり、更に好ましくは15mN/m以上である。
 表面張力差〔インクA-インクB〕の上限は特に制限はない。
 インクA及びインクBの各々の製造適性の観点から、表面張力差〔インクA-インクB〕の上限としては、30mN/m、25mN/m等が挙げられる。
 画像A上の画像Bの画質をより向上させる観点から見た場合、表面張力差〔インクA-インクB〕は、好ましくは22mN/m以下である。
<インクB>
 インクBは、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含有する。
 インクB中の光重合性モノマーの好ましい態様及び好ましい含有量は、それぞれ、インクA中の光重合性モノマーの好ましい態様及び好ましい含有量と同様である。
 インクB中の光重合開始剤の好ましい態様及び好ましい含有量は、それぞれ、インクA中の光重合開始剤の好ましい態様及び好ましい含有量と同様である。
 インクBは、更に、ゲル化剤を少なくとも1種含有することが好ましい。
 これにより、画像Bの光沢度がより向上する。
 インクBがゲル化剤を含有する場合、インクBに含有されるゲル化剤の好ましい態様は、インクAに含有されるゲル化剤の好ましい態様と同様である。
 インクBがゲル化剤を含有する場合において、インクBに含有されるゲル化剤をゲル化剤Bとし、インクAの含有されるゲル化剤をゲル化剤Aとした場合に、インクBの全量に対するゲル化剤Bの含有量の比率(質量%)が、インクAの全量に対するゲル化剤Aの含有量の比率(質量%)よりも低いことが好ましい。
 これにより、画像Bの光沢度がより向上する。
 インクBの全量に対するゲル化剤Bの含有量の比率は、画像Bの光沢性をより向上させる観点から、好ましくは0.1質量%~5質量%であり、より好ましくは0.2質量%~1.5質量%であり、更に好ましくは0.2質量%~1.0質量%であり、更に好ましくは0.3質量%~0.8質量%である。
 インクBは、上述した成分以外のその他の成分を含有していてもよい。
 インクBに含有され得るその他の成分としては、インクAに含有され得る、色材、界面活性剤、及びその他の成分が挙げられる。インクBに含有され得る各成分の好ましい態様及び好ましい含有量は、インクAに含有され得る各成分の好ましい態様及び好ましい含有量と同様である。
 前述したとおり、インクBは、ホワイトインク及びクリアインクからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
 インクBがホワイトインクを含む場合には、画像Bとして、隠蔽性に優れたホワイト画像を形成できる。
 ここで、隠蔽性に優れるとは、光の透過率が低いことを意味する。
 隠蔽性に優れたホワイト画像とは、下地である画像Aの色の影響が低減され、白色としての色味に優れた画像を意味する。
 インクBは、インクジェットインクであることが好ましい。
 インクBがインクジェットインクである場合の好ましい物性は、インクAがインクジェットインクである場合の好ましい物性と同様である。
 インクBの表面張力には特に制限はない。
 インクBの表面張力(即ち、25℃での表面張力)は、好ましくは20mN/m~50mN/mであり、より好ましくは26mN/m~50mN/mである。
 インクBの表面張力が20mN/m以上である場合には、インクBの吐出性がより向上し、かつ、画像A上の画像Bの画質がより向上する。
 インクBの表面張力が50mN/m以下である場合には、画像A上の画像Bの光沢性がより向上する。
<第1工程>
 第1工程は、インクAを被記録媒体上に付与する工程である。
 被記録媒体に対するインクAの付与方法としては、塗布法、インクジェット法、浸漬法などの公知の方法が挙げられる。
 被記録媒体に対するインクAの付与方法としては、インクジェット法が好ましい。言い換えれば、インクAが、インクジェットインクであることが好ましい。
 インクジェット法は、版を必要とせずデジタル画像のみで必要な箇所に必要な量だけ打滴できるという利点を有する。
 インクジェット法によるインクAの付与は、インクジェットヘッドのノズル(吐出孔)からインクAを吐出して被記録媒体上に付与する公知の方法を適用でき、インクジェット記録装置を用いて行うことができる。
 インクジェット記録装置としては特に制限はなく、目的とする解像度を達成し得る公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。すなわち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置を用いることができる。
 インクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、及び加熱手段を含む装置が挙げられる。
 インク供給系は、例えば、インクAが収容される元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1pL~100pL、より好ましくは1pL~60pLのマルチサイズドットを、好ましくは320dpi(dot per inch)×320dpi~4000dpi×4000dpi(dot per inch)、より好ましくは400dpi×400dpi~1600dpi×1600dpi、さらに好ましくは720dpi×720dpi~1600dpi×1600dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。
 なお、dpiとは、2.54cm(1inch)当たりのドット数を表す。
 インクAを吐出する際、インクジェットヘッド内のインクAの温度は、インクAの吐出性の観点から、60℃~80℃であることが好ましい。
 インクジェットヘッド内のインクAの温度が60℃以上である場合には、インクAの吐出性がより向上する。
 インクジェットヘッド内のインクAの温度が80℃以下である場合には、インクAの劣化がより抑制される。
 インクAの加熱は、インク供給タンク、インクジェットヘッド、これらを接続するインク流路、等に設けられた加熱手段によって行うことができる。
 インクジェットヘッドの各ノズルから吐出される1滴あたりの液滴量は、画像の解像度にもよるが、0.5pL~10pLであることが好ましく、高精細の画像を形成するため
には、0.5pL~2.5pLであることがより好ましい。
 被記録媒体に着弾したインク液滴は、冷却されてゾルゲル相転移によりゲル化される。これにより、被記録媒体上でのインク液滴の拡散が抑制される。
 インクジェット法によるインクAの付与方式は、シングルパス方式及びスキャン方式のいずれでもよいが、画像形成速度の観点から、シングルパス方式が好ましい。
 ここで、シングルパス方式とは、インクジェットヘッドとして、被記録媒体の1辺の全域に対応してノズルが配列されているラインヘッドを用い、ラインヘッドを固定配置し、被記録媒体を、ラインヘッドのノズルの配列方向に対して交差する方向に搬送しながら、搬送中の被記録媒体上にインクを付与する方式である。
 これに対し、スキャン方式とは、インクジェットヘッドとして、短尺のシリアルヘッドを用い、被記録媒体に対し、短尺のシリアルヘッドを走査させてインクを付与する方式である。
 第1工程における被記録媒体の搬送速度は、好ましくは1m/s~120m/sであり、より好ましくは50m/s~120m/minである。
 なお、第2工程以降における被記録媒体の搬送速度の好ましい範囲も、第1工程における被記録媒体の搬送速度の好ましい範囲と同様である。
 本開示の画像形成方法では、全工程を通じ、被記録媒体の搬送速度を同一としてもよいし、少なくとも一部の工程において、被記録媒体の搬送速度を変化させてもよい。
 第1工程において被記録媒体上に付与されるインクAは、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
 第1工程において被記録媒体上に付与されるインクAが2種以上である場合には、後述する第2工程において、2種以上のインクAに対し、活性エネルギー線が照射される。
 2種以上のインクAとしては、カラーインク(例えば、シアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクからなる群から選択される少なくとも1種)及びブラックインクからなる群から選択される2種以上が挙げられる。
<第2工程>
 第2工程は、被記録媒体上に付与されたインクAに対し、インクAの反応率が10%~80%となる条件にて、活性エネルギー線を照射する工程である。
 第2工程では、インクAに対し、上記条件の活性エネルギー線が照射されることにより、インクA中の光重合性モノマーの一部が重合する。
 本開示において、インクAの反応率とは、高速液体クロマトグラフィーによって求められた、インクA中の光重合性モノマーの重合率を意味する。
 詳細には、インクAの反応率は、以下の方法によって求める。
 第2工程終了(即ち、被記録媒体上のインクAに対する活性エネルギー線の照射終了)までの操作が施された被記録媒体を準備し、この被記録媒体のインクAが付与された領域から20mm×50mmの大きさのサンプル片(以下、照射後サンプル片とする)を切り出し、切り出した照射後サンプル片を、10mLのTHF(テトラヒドロフラン)中に24時間浸漬し、インクAが溶出した溶出液を得る。得られた溶出液について、高速液体クロマトグラフィーにより、光重合性モノマーの量(以下、「照射後モノマー量X1」とする)を求める。
 別途、被記録媒体上のインクAに対して活性エネルギー線を照射しないこと以外は上記と同じ操作を実施し、光重合性モノマーの量(以下、「未照射時モノマー量X1」とする)を求める。
 照射後モノマー量X1及び未照射時モノマー量X1に基づき、下記式により、インクAの反応率(%)を求める。
 インクAの反応率(%) = ((未照射時モノマー量X1-照射後モノマー量X1)/未照射時モノマー量X1)×100
 前述のとおり、インクAの反応率が10%以上であることにより、後述の第3工程で付与されるインクBのドットの拡がり不足が抑制され、その結果、画像Bの光沢性の低下が抑制される。
 また、前述のとおり、インクAの反応率が80%以下であることにより、後述の第3工程で付与されるインクBの拡がりが過剰となることが抑制され、かつ、インクBのドット同士の打滴干渉が抑制され、その結果、画像Bの画質の低下(例えば、滲みの発生)及び画像Bの光沢性の低下が抑制される
 インクAの反応率は、画像Bの光沢度をより向上させる観点から、15%以上であることが好ましい。
 インクAの反応率は、画像Bの光沢度及び画質をより向上させる観点から、75%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、40%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、25%以下であることが更に好ましい。
 第2工程において照射される活性エネルギー線として、好ましくはUV光(即ち、紫外光)であり、より好ましくは、385nm~410nmの波長域に最高照度を有するUV光である。
 第2工程において照射される活性エネルギー線の照度は、上述したインクAの反応率をより達成し易い観点から、好ましくは0.10W/cm~0.50W/cmであり、より好ましくは0.20W/cm~0.49W/cmであり、更に好ましくは0.20W/cm~0.45W/cmである。
 第2工程において照射される活性エネルギー線の照射エネルギー(以下、「露光量」ともいう)は、上述したインクAの反応率をより達成し易い観点から、好ましくは2mJ/cm~20mJ/cmであり、より好ましくは4mJ/cm~15mJ/cmである。
 UV光源(即ち、UV光の光源)としては、照度及び照射時間の少なくとも一方が可変である公知のUV光源を用いることができる。
 UV光源として、好ましくはLED(Light Emitting Diode)光源である。
 第2工程における活性エネルギー線の照射は、酸素濃度が20体積%以下(より好ましくは20体積%未満、更に好ましくは5体積%以下)の環境下で行われてもよい。これにより、酸素による重合阻害が抑制され、被記録媒体との密着性により優れた複合画像が得られる。
 酸素濃度20体積%未満の環境下としては、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス)の存在下が好適である。
 本開示の画像形成方法は、第1工程及び第2工程の組み合わせを、1回のみ行ってもよいし、2回以上行ってもよい。
 第1工程及び第2工程の組み合わせを2回以上行う場合、上記2回以上の組み合わせの後に、後述する第3工程及び第4工程を行う。
 第1工程及び第2工程の組み合わせを2回以上行う場合の具体例としては、
1回目の上記組み合わせとして、インクAとしてのブラックインクの付与及び活性エネルギー線の照射を行い、
2回目の上記組み合わせとして、インクAとしてのシアンインクの付与及び活性エネルギー線の照射を行い、
3回目の上記組み合わせとして、インクAとしてのマゼンタインクの付与及び活性エネルギー線の照射を行い、
4回目の上記組み合わせとして、インクAとしてのイエローインクの付与及び活性エネルギー線の照射を行う
態様が挙げられる。
<第3工程>
 第3工程は、第2工程で活性エネルギー線が照射されたインクA(即ち、上記反応率にて反応したインクA)の一部の上に、インクBを付与する工程である。
 インクBの付与方法として、好ましくはインクジェット法である。言い換えれば、インクBは、インクジェットインクであることが好ましい。インクジェット法によってインクBを付与する態様によれば、より高精細な画像Bを形成できるので、本開示の画像形成方法による画像Bの画質向上の効果がより効果的に発揮される。
 第3工程において付与されるインクBは、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
 第3工程において付与されるインクBが2種以上である場合には、後述する第4工程において、2種以上のインクBと1種以上のインクAとに対し、活性エネルギー線が照射される。
 2種以上のインクBとしては、2種のインクBとして、ホワイトインク及びクリアインクが挙げられる。
<第4工程>
 第4工程は、被記録媒体上のインクA及びインクB(即ち、上述した反応率にて反応した後のインクAと、このインクAの一部の上に付与されたインクB)に対し、活性エネルギー線を照射する工程である。
 第4工程における活性エネルギー線の照射により、上述した反応率にて反応した後のインクA中に残存する光重合性モノマーが重合して画像Aが形成され、かつ、インクB中の光重合性モノマーが重合して画像Bが形成される。これにより、被記録媒体上に、インクAに由来する画像Aと、画像Aの一部の上に配置された、インクBに由来する画像Bと、を含む複合画像(例えば多色画像)が形成される。
 得られた複合画像中の画像Bは、画質及び光沢性に優れる。
 得られた複合画像は、被記録媒体との密着性にも優れる。
 詳細には、インクAの反応(即ち、インクA中の光重合性モノマーの重合)は、第2工程において既に反応率10%~80%の範囲にまで進行している。インクAの反応は、第4工程における活性エネルギー線の照射により、第2工程での反応率よりも更に高い反応率となるまで進行する。
 インクBの反応(即ち、インクB中の光重合性モノマーの重合)は、第4工程における活性エネルギー線の照射により、反応率0%の状態から反応が進行する。
 第4工程は、被記録媒体上のインクA及びインクBに対し、インクA及びインクBの全体の反応率が80%~100%となる条件にて、活性エネルギー線を照射する工程であることが好ましい。
 これにより、被記録媒体と複合画像との密着性がより向上する。
 インクA及びインクBの全体の反応率は、より好ましくは85%以上であり、更に好ましくは90%以上である。
 本開示において、インクA及びインクBの全体の反応率とは、高速液体クロマトグラフィーによって求められた、インクA及びインクB全体の中の光重合性モノマーの重合率を意味する。
 詳細には、インクA及びインクB全体の反応率は、以下の方法によって求める。
 第4工程終了(即ち、被記録媒体上のインクA及びインクBに対する活性エネルギー線の照射終了)までの操作が施された被記録媒体を準備し、この被記録媒体のインクA及びインクBが付与された領域から、20mm×50mmの大きさのサンプル片(以下、照射後サンプル片とする)を切り出し、切り出した照射後サンプル片を、10mLのTHF(テトラヒドロフラン)中に24時間浸漬し、インクA及びインクBが溶出した溶出液を得る。得られた溶出液について、高速液体クロマトグラフィーにより、光重合性モノマーの量(以下、「照射後モノマー量X2」とする)を求める。
 別途、被記録媒体上のインクA及びインクBに対する活性エネルギー線の照射を行わないこと以外は上記と同じ操作を実施し、光重合性モノマーの量(以下、「未照射時モノマー量X2」とする)を求める。ここで、「被記録媒体上のインクA及びインクBに対する活性エネルギー線の照射を行わない」とは、第4工程における活性エネルギー線の照射を行わないだけでなく、第2工程における活性エネルギー線の照射も行わないことを意味する。後述の工程Xを実施する場合のインクA及びインクB全体の反応率を求める場合において、「被記録媒体上のインクA及びインクBに対する活性エネルギー線の照射を行わない」とは、第2工程における活性エネルギー線の照射、工程Xにおける活性エネルギー線の照射、及び第4工程における活性エネルギー線の照射を行わないことを意味する。
 照射後モノマー量X2及び未照射時モノマー量X2に基づき、下記式により、インクA及びインクB全体の反応率を求める。
 インクA及びインクB全体の反応率(%) = ((未照射時モノマー量X2-照射後モノマー量X2)/未照射時モノマー量X2)×100
 第4工程において照射される活性エネルギー線として、好ましくはUV光(即ち、紫外光)であり、より好ましくは、385nm~410nmの波長域に最高照度を有するUV光である。
 第4工程において照射される活性エネルギー線の照度は、被記録媒体と複合画像との密着性をより向上させる観点から、好ましくは1.0W/cm以上であり、より好ましくは2.0W/cm以上であり、更に好ましくは4.0W/cm以上である。
 第4工程において照射される活性エネルギー線の照度の上限には特に制限はないが、上限は、例えば10W/cmである。
 第4工程において照射される活性エネルギー線の照射エネルギー(即ち、露光量)は、被記録媒体と複合画像との密着性をより向上させる観点から、好ましくは20mJ/cm以上であり、より好ましくは80mJ/cm以上である。
 第4工程において照射される活性エネルギー線の照射エネルギーの上限には特に制限はないが、上限は、例えば240mJ/cmである。
 UV光源(即ち、UV光の光源)としては、照度及び照射時間の少なくとも一方が可変である公知のUV光源を用いることができる。
 UV光源として、好ましくはLED(Light Emitting Diode)光源である。
 第4工程における活性エネルギー線の照射は、酸素濃度が20体積%以下(より好ましくは20体積%未満、更に好ましくは5体積%以下)の環境下で行われることが好ましい。これにより、酸素による重合阻害が抑制され、被記録媒体との密着性により優れた複合画像が得られる。
 酸素濃度20体積%未満の環境下としては、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス)の存在下が好適である。
 本開示の画像形成方法は、第3工程及び第4工程の組み合わせを、1回のみ行ってもよいし、2回以上行ってもよい。
 第3工程及び第4工程の組み合わせを2回以上行う場合、前述した第1工程及び第2工程の後に、2回以上の第3工程及び第4工程の組み合わせが実施される。
<工程X>
 本開示の画像形成方法は、第3工程と第4工程との間に、被記録媒体上のインクA及びインクBに対し、第4工程における活性エネルギー線の照射エネルギーよりも低い照射エネルギーにて、活性エネルギー線を照射する工程Xを含んでもよい。
 これにより、画像Bの画質がより向上する。
 工程Xにおける活性エネルギー線の照射条件(活性エネルギー線の種類、照度、照射エネルギー等)の好ましい態様は、第2工程における活性エネルギー線の照射条件(活性エネルギー線の種類、照度、照射エネルギー等)の好ましい態様と同様である。
 但し、工程Xにおける活性エネルギー線の照射条件と、第2工程における活性エネルギー線の照射条件と、が同一である必要はなく、互いに異なっていてもよい。
 工程Xにおける活性エネルギー線の照射は、酸素濃度が20体積%以下(より好ましくは20体積%未満、更に好ましくは5体積%以下)の環境下で行われることが好ましい。これにより、酸素による重合阻害が抑制され、被記録媒体との密着性により優れた複合画像が得られる。
 酸素濃度20体積%未満の環境下としては、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス)の存在下が好適である。
 本開示の画像形成方法は、必要に応じ、上述した工程以外のその他の工程を含んでいてもよい。
〔インクセット〕
 本開示の画像形成方法は、インクA及びインクBを備えるインクセットを用いて実施してもよい。
 インクセットにおけるインクA及びインクBについては、それぞれ、上述した画像形成方法におけるインクA及びインクBと同義であり、好ましい態様も同様である。
 例えば、好ましい態様のインクセットとして、インクAとインクBとを備え、インクAが、カラーインク及びブラックインクからなる群から選択される少なくとも1種であり、インクBが、ホワイトインク及びクリアインクからなる群から選択される少なくとも1種であるインクセットが挙げられる。
 また、好ましい態様のインクセットとして、
 インクBが、ゲル化剤を含有し、
 インクAに含有されるゲル化剤をゲル化剤Aとし、インクBに含有されるゲル化剤をゲル化剤Bとした場合に、インクBの全量に対するゲル化剤Bの含有量の比率が、インクAの全量に対するゲル化剤Aの含有量の比率よりも低いインクセットも挙げられる。
 これらの好ましい態様は、組み合わせてもよい。
 以下、本開示の実施例を示すが、本開示は以下の実施例には限定されない。
 以下において、特に断りがない限り、「部」および「%」は質量基準である。
<顔料分散物の調製>
 インクの調製に用いる顔料分散物として、シアンミルベースC、マゼンタミルベースM、イエローミルベースY、ブラックミルベースK、及びホワイトミルベースWをそれぞれ調製した。
 詳細には、各顔料分散物の組成中の各成分を、分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れ、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散させることにより、各顔料分散物を得た。
-シアンミルベースCの組成-
・C顔料(シアン顔料):IRGALITE BLUE GLVO(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):30質量部
・SR9003(Sarotmer社製)(プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート):50質量部
・SOLSPERSE 32000(Lubrizol社製;顔料分散剤):20質量部
-マゼンタミルベースMの組成-
・M顔料(マゼンタ顔料):CINQUASIA MAGENTA RT-355D(BASFジャパン社製):30質量部
・SR9003(Sarotmer社製)(プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート):50質量部
・SOLSPERSE 32000(Lubrizol社製;顔料分散剤):20質量部
-イエローミルベースYの組成-
・Y顔料(イエロー顔料):NOVOPERM YELLOW H2G(クラリアント社製):30質量部
・SR9003(Sarotmer社製)(プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート):50質量部
・SOLSPERSE 32000(Lubrizol社製;顔料分散剤):20質量部
-ブラックミルベースKの組成-
・K顔料(ブラック顔料):SPECIAL BLACK 250(BASFジャパン(株)製):30質量部
・SR9003(Sarotmer社製)(プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート):50質量部
・SOLSPERSE 32000(Lubrizol社製;顔料分散剤):20質量部
-ホワイトミルベースWの組成-
・W顔料(ホワイト顔料):KRONOS 2300(ホワイト顔料、KRONOS社製):50質量部
・SR9003(Sarotmer社製)(プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート):45質量部
・SOLSPERSE 41000(Lubrizol社製;顔料分散剤):5質量部
<インクの調製>
 表1~表5中の各成分を混合し、各インク(詳細には、ブラックインクK-1~K-14、シアンインクC-1~C-2、マゼンタインクM-1~M-2、イエローインクY-1~Y-2、ホワイトインクW-1~W-31、及び、クリアインクCL-1~CL-15)を調製した。
 表1~表5中の各成分の量は、インク全量に対する質量%を意味する。
 表1~表5中の空欄は、該当する成分を含有しないことを意味する。
 表1~表5中の各ゲル化剤の融点、及び、各インクの表面張力は、後述の表6~表8中に示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
<画像形成装置の準備>
 被記録媒体を搬送するための搬送系と、被記録媒体の搬送方向上流側から順次配列された、ブラックインク用ヘッド、UV(Ultraviolet)光源、シアンインク用ヘッド、UV光源、マゼンタインク用ヘッド、UV光源、イエローインク用ヘッド、UV光源、ホワイトインク用ヘッド、クリアインク用ヘッド、及び窒素パージUV露光機と、を備える画像形成装置(詳細には、インクジェット記録装置)を準備した。搬送系は、シングルパス方式の枚葉印刷機の搬送系とした。
 ブラックインク用ヘッド、シアンインク用ヘッド、マゼンタインク用ヘッド、イエローインク用ヘッド、ホワイトインク用ヘッド、及びクリアインク用ヘッドは、それぞれ、インクジェットノズル(以下、単に「ノズル」ともいう)を備えるピエゾ型のインクジェットヘッド(詳細には、ラインヘッド)である。各ノズルからは、1pL~60pLのマルチサイズドットを1,200×1,200dpiの解像度で射出できる。ここで、dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
 このインクジェット記録装置のインク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、及びインクジェットヘッドによって構成されている。本実施例における画像形成では、上記インク供給系における、インク供給タンクからインクジェットヘッドまでの部分に対し、断熱及び加温を行った。また、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ温度センサーを設け、ノズル部分が常に70℃±2℃となるよう、温度制御を行った。
 ブラックインク用ヘッドに繋がる元タンクには、前述のブラックインクK-1~K-14のいずれか1つを収容し、
 シアンインク用ヘッドに繋がる元タンクには、前述のシアンインクC-1~C-2のいずれか1つを収容し、
 マゼンタインク用ヘッドに繋がる元タンクには、前述のマゼンタインクM-1~M-2のいずれか1つを収容し、
 イエローインク用ヘッドに繋がる元タンクには、前述のイエローインクY-1~Y-2のいずれか1つを収容し、
 ホワイトインク用ヘッドに繋がる元タンクには、前述のホワイトインクW-1~W-31のいずれか1つを収容し、
 クリアインク用ヘッドに繋がる元タンクには、前述のクリアインクCL-1~CL-15のいずれか1つを収容した。
 各インクジェットヘッドの直後の各UV光源及び窒素パージUV露光機におけるUV光源としては、それぞれ、385nm~410nmの波長域に最高照度を有するUV光を照射できるLED(Light Emitting Diode)ランプ((株)京セラ製、4cm幅、G4B、最大照度10W)を使用した。
 これらの各UV光源は、UV光の照度及び照射時間を変更できるUV光源である。
 本実施例における画像形成では、各ヘッドから吐出されたインクが被記録媒体上に着弾してから0.1秒後に、着弾したインクに対するUV光の照射が開始されるように、被記録媒体の搬送速度を調整した。
〔実施例1~64及び比較例1~2〕
 上記各インク、画像形成装置、及び被記録媒体を用い、以下の画像形成方法をベースとして各種の画像を形成し、各評価を実施した。
 被記録媒体としては、OKトップコート紙(84.9g/m、王子製紙社製)を用いた。
<画像形成方法>
 上記画像形成装置を用い、
 インクAとしてのブラックインクを被記録媒体上に付与する第1工程と、
 被記録媒体上に付与されたインクAに対し、活性エネルギー線としてのUV光を照射する第2工程と、
 UV光が照射されたインクA上に、インクBとしてのホワイトインク又はクリアインクを付与する第3工程と、
 被記録媒体上のインクA及びインクBに対し、活性エネルギー線を照射する第4工程と、
を含む画像形成を実施した。
 ブラックインク(インクA)、ホワイトインク(インクB)、及びクリアインク(インクB)としては、表6~表8に示すインクを用いた。
<画像の画質の評価>
 上記画像形成方法において、各工程を以下のように実施し、画像の画質評価を行った。
 第1工程では、被記録媒体上に、インクAを、網点率100%にて、10cm×10cmのベタ画像状に付与した。
 第2工程では、被記録媒体上に付与されたインクAに対し、表6~表8に示すUV照度にてUV光を照射することにより、被記録媒体上のインクAを表6~表8に示す反応率(%)にて反応させた。比較例2以外の例では、UV光の照射時間を0.024秒とした。比較例2では、UV光の照射時間は0.09秒とした。UV光の照射時間は、被記録媒体の搬送速度を調整することによって調整した。
 第3工程では、UV光が照射されたインクA上(即ち、ベタ画像上)に、インクBを、0.1pt、0.2pt、0.3pt、0.35pt、及び0.4ptの各々のサイズの細線画像状に付与した。ここで、ptは、線の太さを示すDTPポイントを指し、1ptは1/72inchである。
 第4工程では、被記録媒体上のインクA及びインクBの全体に対し、表6~表8に示すUV照度にてUV光を照射することにより、被記録媒体上のインクA及びインクBの全体を表6~表8に示す反応率(%)にて硬化させた。比較例2以外の例では、UV光の照射時間を0.024秒とした。比較例2では、UV光の照射時間は0.09秒とした。
 以上により、被記録媒体上に、インクA由来のベタ画像(画像A)と、インクA由来のベタ画像上に設けられたインクB由来の細線画像(画像B)と、からなる複合画像を形成した。
 インクB由来の細線画像(画像B)は、0.1pt、0.2pt、0.3pt、0.35pt、及び0.4ptの各々のサイズの細線画像である。
 第2工程及び第4工程における反応率(%)は、それぞれ、高速液体クロマトグラフィーにより、前述した方法で測定した。
 後述の実施例64以降についても同様である。
 上記複合画像における細線画像(画像B)を、キーエンス社製のデジタルマイクロスコープ「VHX-700F」により倍率50倍にて観察し、下記評価基準に従い、画像(詳細には、インクB由来の画像B)の画質を評価した。
 結果を表6~表8に示す。
 下記評価基準において、画質に最も優れるランクは「5」である。
-画質の評価基準-
5:0.1pt、0.2pt、0.3pt、0.35pt、及び0.4ptの全ての細線画像に、滲みが確認されなかった。
4:0.1ptの細線画像に滲みが確認されたが、0.2pt、0.3pt、0.35pt、及び0.4ptの細線画像には、滲みが確認されなかった。
3:0.1pt及び0.2ptの細線画像に滲みが確認されたが、0.3pt、0.35pt、及び0.4ptの細線画像には、滲みが確認されなかった。
2:0.1pt、0.2pt、及び0.3ptの細線画像に滲みが確認されたが、0.35pt及び0.4ptの細線画像には、滲みが確認されなかった。
1:0.1pt、0.2pt、0.3pt、及び0.35ptの細線画像に滲みが確認された。
<画像の光沢性の評価>
 第3工程において、インクBを、UV光が照射されたインクA上(即ち、ベタ画像上)の半分の領域(即ち、5cm×10cmの領域)に、網点率100%にてベタ画像状に付与したこと以外は画像の画質の評価と同様の条件で、被記録媒体上に、インクA由来の10cm×10cmのベタ画像(画像A)と、インクA由来のベタ画像上の半分の領域(即ち、5cm×10cmの領域)を被覆する、インクB由来のベタ画像(画像B)と、からなる複合画像を形成した。
 複合画像におけるインクB由来のベタ画像(画像B)の光沢度(詳細には、60°光沢度)を、HORIBA社製の高光沢グロスチェッカ「IG-410」を用いて測定した。
 測定結果に基づき、下記評価基準により、画像の光沢性を評価した。
 結果を表6~表8に示す。
 下記評価基準において、画質に最も優れるランクは「5」である。
-画像の光沢度の評価基準-
5:インクB由来のベタ画像(画像B)の光沢度が35以上50未満であった。
4:インクB由来のベタ画像(画像B)の光沢度が30以上35未満であった。
3:インクB由来のベタ画像(画像B)の光沢度が25以上30未満であった。
2:インクB由来のベタ画像(画像B)の光沢度が20以上25未満であった。
1:インクB由来のベタ画像(画像B)の光沢度が20未満であった。
<画像の密着性の評価>
 画像の光沢性の評価に用いた複合画像の形成と同様にして、複合画像を形成した。
 複合画像におけるインクB由来のベタ画像(画像B)上に、1cm幅のセロテープ(登録商標)を貼り付け、貼り付けたセロテープ(登録商標)を、剥離速度300mm/分にて90°剥離する際の剥離力(剥離するまでにかかる力:N/cm)を測定した。本評価は、IMADA製標準タイプデジタルフォースゲージ ZTSシリーズ、縦型電動計測スタンドMX2シリーズ、及び90°剥離試験治具P90‐200N/200N-EZフィルムチャックFCシリーズを用いて実施した。
 得られた剥離力に基づき、下記評価基準に従い、画像(即ち、複合画像)と被記録媒体との密着力を評価した。
 結果を表6~表8に示す。
 下記評価基準において、画像と被記録媒体との密着力に最も優れるランクは、「5」である。
-画像の密着性の評価基準-
5:剥離力が0.5N以上であった。
4:剥離力が0.3N/cm以上0.5N/cm未満であった。
3:剥離力が0.2N/cm以上0.3N/cm未満であった。
2:剥離力が0.1N/cm以上0.2N/cm未満であった。
1:剥離力が0.1N/cm未満であった。
<ホワイト画像の隠蔽性の評価>
 インクBとしてホワイトインクを用いた実施例群について、以下のようにしてホワイト画像の隠蔽性を評価した。インクBとしてクリアインクを用いた実施例群については、この評価を省略した。
 第3工程において、インクBを、UV光が照射されたインクA上(即ち、ベタ画像上)の半分の領域(即ち、5cm×10cmの領域)に重なる、網点率100%の10cm×10cmのベタ画像状に付与したこと以外は画像の画質の評価と同様の条件で、被記録媒体上に、インクA由来の10cm×10cmのベタ画像(詳細には、画像Aとしてのブラック画像)と、インクA由来のベタ画像上の半分の領域(即ち、5cm×10cmの領域)を被覆する、インクB由来の10cm×10cmのベタ画像(詳細には、画像Bとしてのホワイト画像)と、からなる複合画像を形成した。
 この複合画像において、インクB由来の10cm×10cmのベタ画像のうち、半分の領域(即ち、5cm×10cmの領域)は、インクA由来のベタ画像上に形成されており、残りの半分の領域は、被記録媒体上に直接形成されている。
 インクB由来の10cm×10cmのベタ画像のうち、被記録媒体上に直接形成されている領域の明度(以下、L1とする)、及び、インクA由来のベタ画像上に形成されている領域の明度(以下、L2とする)を、それぞれ、グレタグ社製SPM100-IIにて測定した。
 得られたL1及びL2に基づき、下記式により、インクB由来のベタ画像(画像Bとしてのホワイト画像)の隠蔽率(%)を求めた。
 隠蔽率(%)=100×(L2/L1)
 得られた隠蔽率(%)に基づき、下記評価基準により、ホワイト画像の隠蔽性を評価した。
 結果を表6~表8に示す。
 下記評価基準において、ホワイト画像の隠蔽性に最も優れるランクは、「5」である。
-ホワイト画像の隠蔽性の評価基準-
5:隠蔽率が90%以上であった。
4:隠蔽率が85%以上90%未満であった。
3:隠蔽率が80%以上85%未満であった。
2:隠蔽率が70%以上80%未満であった。
1:隠蔽率が70未満であった。
<インクAの吐出性(吐出性A)>
 画像形成装置のインクジェットヘッド(詳細にはブラックインク用ヘッド)からインクA(詳細にはブラックインク)を、1200dpiのモードで5分間連続吐出する操作を6回実施した。この6回の連続吐出の各々において、ノズル抜けの数を確認し、下記評価基準に従い、インクAの吐出性(以下、「吐出性A」ともいう)を評価した。
 結果を表6~表8に示す。
 下記評価基準において、吐出性Aに最も優れるランクは、「5」である。
-吐出性Aの評価基準-
5:6回の連続吐出のうちのいずれにおいても、ノズル抜けが発生しなかった。
4:6回の連続吐出のうちの1回において、1本のノズル抜けが発生した。
3:6回の連続吐出のうちの2回において、1本のノズル抜けが発生した。
2:6回の連続吐出のうちの3回において、1本のノズル抜けが発生した。
1:6回の連続吐出のうちの4回において1本のノズル抜けが発生したこと、及び、6回の連続吐出のうちの1回以上において2本以上のノズル抜けが発生したことの少なくとも一方に該当した。
<インクBの吐出性(吐出性B)>
 吐出性Aと同様の方法及び同様の判断基準により、インクBの吐出性(以下、「吐出性B」ともいう)を評価した。
 結果を表6~表8に示す。
〔実施例65~68〕
 第3工程と第4工程との間に、第4工程におけるUV光の照射エネルギー(露光量)よりも低い照射エネルギー(露光量)にて、UV光を照射する工程Xを追加したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
 結果を表8に示す。
 これらの例において、工程XにおけるUV光の照度は表8に示すとおりである。
 また、これらの例において、UV光の照射時間は、0.024秒(共通)とした。
〔実施例69~71〕
 第4工程におけるUV光の照度を、表8に示すように変更したこと以外は実施例67と同様の操作を行った。
 結果を表8に示す。
〔実施例72~74〕
 第4工程におけるUV光の照射領域における酸素濃度を、表8に示すように変更したこと以外は実施例67と同様の操作を行った。
 結果を表8に示す。
 酸素濃度の変更は、窒素パージUV露光機における窒素パージを作動させることによって行った。
〔実施例75~80〕
 インクAとしてのブラックインクを、表8に示すカラーインク(シアンインクC-1~C-2、マゼンタインクM-1~M-2、イエローインクY-1~Y-2)に変更したこと以外は実施例74と同様の操作を行った。
 結果を表8に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000008
 表6~表8に示すように、色材、ゲル化剤、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含有するインクAを被記録媒体上に付与する第1工程と、
 被記録媒体上に付与されたインクAに対し、インクAの反応率が10%~80%となる条件にて、活性エネルギー線を照射する第2工程と、
 活性エネルギー線が照射されたインクA上に、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含有するインクBを付与する第3工程と、
 被記録媒体上のインクA及びインクBに対し、活性エネルギー線を照射する第4工程と、
を含む各実施例の画像形成方法により、画像Aと、画像Aの一部の上に配置され、画質及び光沢性に優れる画像Bと、を含む複合画像(例えば多色画像)を形成できることが確認された。
 各実施例で得られた複合画像は、被記録媒体との密着性にも優れていた。
 各実施例におけるインクA及びインクBは、吐出性(吐出性A及び吐出性B)にも優れていた。
 インクBとしてホワイトインクを用いた実施例では、ホワイト画像の隠蔽性にも優れていた。
 各実施例に対し、第2工程におけるインクAの反応率が10%未満である比較例1では、画像Bの光沢性が低下した。
 各実施例に対し、第2工程におけるインクAの反応率が80%超である比較例2では、画像Bの画質及び光沢性が低下した。
 実施例53及び54に示すように、インクBが、更にゲル化剤を含有する場合(実施例54)、画像Bの光沢性がより向上することが確認された。
 実施例56及び57に示すように、インクBが、更にゲル化剤を含有し、かつ、インクBの全量に対するゲル化剤Bの含有量の比率が、インクAの全量に対するゲル化剤Aの含有量の比率よりも低い場合(実施例56)、画像Bの光沢性がより向上することが確認された。
 実施例33及び39に示すようにインクAの25℃での表面張力が、インクBの25℃での表面張力よりも高い場合(実施例39)、画像Bの光沢性がより向上することが確認された。
 以上、インクAを1種のみ用い、かつ、インクBを1種のみ用いた実施例を示したが、インクAを2種以上用いた場合、インクBを2種以上用いた場合、インクAを2種以上用い且つインクBを2種以上用いた場合でも、上記実施例と同様の結果が得られることは言うまでもない。
 2019年5月30日に出願された日本国特許出願2019-101007号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
 本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。

Claims (12)

  1.  色材、ゲル化剤、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含有するインクAを被記録媒体上に付与する第1工程と、
     前記被記録媒体上に付与された前記インクAに対し、前記インクAの反応率が10%~80%となる条件にて、活性エネルギー線を照射する第2工程と、
     前記活性エネルギー線が照射された前記インクAの一部の上に、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含有するインクBを付与する第3工程と、
     前記被記録媒体上の前記インクA及び前記インクBに対し、活性エネルギー線を照射する第4工程と、
    を含む画像形成方法。
  2.  前記ゲル化剤の融点が、40℃~90℃である請求項1に記載の画像形成方法。
  3.  前記ゲル化剤が、脂肪族エステル、脂肪族ケトン、石油系ワックス、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、硬化ヒマシ油誘導体、ポリエチレンワックス誘導体、炭素数12以上の脂肪酸、炭素数12以上のアルコール、ヒドロキシステアリン酸、脂肪酸アミド、N-置換脂肪酸アミド、及び炭素数12以上のアミンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は請求項2に記載の画像形成方法。
  4.  前記第4工程は、前記被記録媒体上の前記インクA及び前記インクBに対し、前記インクA及び前記インクBの全体の反応率が80%~100%となる条件にて、前記活性エネルギー線を照射する請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5.  前記インクAが、カラーインク及びブラックインクからなる群から選択される少なくとも1種であり、
     前記インクBが、ホワイトインク及びクリアインクからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  6.  前記インクAの25℃での表面張力が、前記インクBの25℃での表面張力よりも高い請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  7.  前記インクBが、更に、ゲル化剤を含有し、
     前記インクAに含有される前記ゲル化剤をゲル化剤Aとし、前記インクBに含有される前記ゲル化剤をゲル化剤Bとした場合に、前記インクBの全量に対する前記ゲル化剤Bの含有量の比率が、前記インクAの全量に対する前記ゲル化剤Aの含有量の比率よりも低い請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  8.  前記インクBの全量に対する前記ゲル化剤Bの含有量の比率が、0.3質量%~0.8質量%である請求項7に記載の画像形成方法。
  9.  前記第4工程は、酸素濃度が5体積%以下の環境下で、前記被記録媒体上の前記インクA及び前記インクBに対し、前記活性エネルギー線を照射する請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  10.  更に、前記第3工程と前記第4工程との間に、前記被記録媒体上の前記インクA及び前記インクBに対し、前記第4工程における前記活性エネルギー線の照射エネルギーよりも低い照射エネルギーにて、活性エネルギー線を照射する工程Xを含む請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  11.  色材、ゲル化剤、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含有するインクAと、
     光重合性モノマー及び光重合開始剤を含有するインクBと、
    を備え、
     前記インクAが、カラーインク及びブラックインクからなる群から選択される少なくとも1種であり、
     前記インクBが、ホワイトインク及びクリアインクからなる群から選択される少なくとも1種であるインクセット。
  12.  前記インクBが、更に、ゲル化剤を含有し、
     前記インクAに含有される前記ゲル化剤をゲル化剤Aとし、前記インクBに含有される前記ゲル化剤をゲル化剤Bとした場合に、前記インクBの全量に対する前記ゲル化剤Bの含有量の比率が、前記インクAの全量に対する前記ゲル化剤Aの含有量の比率よりも低い請求項11に記載のインクセット。
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