WO2020213379A1 - 車両用装置、車両用装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
実施形態による車両用装置(1)は、複数のコンテンツ(M1、M2、M3、M4、M5、M6、M7、M8)を1つのユーザインターフェース(23)で提供可能なものであって、異なる物理面(30)に描画されたサーフェスを同期させる同期部(21a、21b、21c、21d、21e、21f)を備え、同期部は、自身に割り当てられている物理面とは異なる他の物理面に描画されたサーフェスを取り込み、取り込んだサーフェスを自身が描画したサーフェスとして扱うことにより、自身が描画したサーフェスと他の物理面に描画されたサーフェスとを同期させる。
Description
本出願は、2019年4月16日に出願された日本出願番号2019-077775号に基づくもので、ここにその記載内容を援用する。
本開示は、車両用装置、車両用装置の制御方法に関する。
近年の車両用装置では、複数のコンテンツを1つのユーザインターフェースで提供することがある。このとき、提供される各コンテンツは、異なるアプリケーションプログラム、異なる複数のオペレーティングシステム、あるいは、例えば特許文献1のように異なるユニットによって生成されることがある。
さて、表示されるコンテンツは、一般的に、メモリなどの物理面にサーフェスを描画し、描画したサーフェスをハードウェアで合成することによって表示されている。なお、サーフェスとは、平易に言えば、ある瞬間に表示されているコンテンツ画像の元となる画像データである。以下、サーフェスを描画する主体を、描画部と称する。この描画部には、個別に物理面が割り当てられている。
しかしながら、異なる物理面に描画されたサーフェスを合成して表示する従来の手法では、表示されるコンテンツの同期ずれが生じるおそれがあった。例えば、枠画像とメニュー画像とが表示されるユーザインターフェースにおいて、枠画像とメニュー画像のサーフェスがそれぞれ異なる描画部によって描画されている場合を想定する。この場合、枠画像を例えば横に移動させても、メニュー画像は、そのままの位置に表示されたり枠画像から遅れて移動したりするような同期ずれが生じるおそれがあった。
これは、枠画像のサーフェスを描画する描画部が移動することを通知し、その通知に従ってメニュー画像のサーフェスを描画する描画部が新たなサーフェスを描画するものの、各サーフェスの描画は個別に行われることから、枠画像のサーフェスの描画が完了して枠画像の表示を更新しても、メニュー画像のサーフェスの描画が完了していなければ、メニュー画像の表示は更新されず、元のメニュー画像がそのまま表示される可能性があるためである。
本開示の目的は、異なる物理面に描画されるサーフェスを同期させることができる車両用装置、車両用装置の制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本開示では、車両用装置は、複数のコンテンツを1つのユーザインターフェースで提供可能なものであって、異なる物理面に描画されたサーフェスを同期させる同期部を備え、同期部は、自身に割り当てられている物理面とは異なる他の物理面に描画されたサーフェスを取り込み、取り込んだサーフェスを自身が描画したサーフェスとして扱うことにより、自身が描画したサーフェスと他の物理面に描画されたサーフェスとを同期させる。これにより、異なる物理面に描画されるサーフェスを同期させることができる。
本開示についての上記目的およびその他の目的、特徴や利点は、添付の図面を参照しながら下記の詳細な記述により、より明確になる。その図面は、
図1は、第1実施形態におけるコックピットシステムの構成例を示す図であり、
図2は、車両用装置の電気的構成例を示す図であり、
図3は、車両用装置のソフトウェア構成例を示す図であり、
図4は、メータディスプレイの表示態様の一例を示す図であり、
図5は、センターディスプレイの表示態様の一例を示す図であり、
図6は、ヘッドアップディスプレイの表示態様の一例を示す図であり、
図7は、各アプリに割り当てられている物理面の一例を示す図であり、
図8は、比較例としての、従来の手法による表示態様の一例を示す図であり、
図9は、同期処理の流れを示す図であり、
図10は、サーフェスの取り込み態様の一例を示す図であり、
図11は、車両用装置による表示態様の一例を示す図であり、
図12は、第2実施形態における車両用装置の構成例を示す図であり、
図13は、車両用装置の他の構成例を示す図であり、
図14は、第3実施形態におけるサーフェスの取り込み態様の一例を示す図その1であり、
図15は、サーフェスの取り込み態様の一例を示す図その2である。
以下、複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。また、各実施形態において実質的に共通する部位には同一の符号を付して説明する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について説明する。図1に示すように、車両用装置1は、例えば、メータディスプレイ2、センターディスプレイ3およびヘッドアップディスプレイ4の3つの表示器を備えるコックピットシステム5を構成している。
以下、第1実施形態について説明する。図1に示すように、車両用装置1は、例えば、メータディスプレイ2、センターディスプレイ3およびヘッドアップディスプレイ4の3つの表示器を備えるコックピットシステム5を構成している。
メータディスプレイ2は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイで構成されており、ダッシュボードの運転者の正面付近に設けられるものを想定している。センターディスプレイ3は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイで構成され、センターコンソール付近に設けられるものを想定している。
ヘッドアップディスプレイ4は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイあるいはフロントウィンドに画像を投影する投影器で構成されており、ダッシュボード上の運転者の正面付近に設けられるものを想定している。ただし、表示器の数や配置あるいは構成は一例であり、これらに限定されない。
なお、図1では車両用装置1が複数の表示器に接続されている例を示しているが、後述するように、本実施形態の車両用装置1は、1つのユーザインターフェースにおけるサーフェスを同期させることを目的としている。そのため、車両用装置1に接続される表示器は1つ以上であればよい。
この、車両用装置1は、車両に設けられている幾つかの電子制御装置6(以下、ECU6)と通信可能に接続されている。なお、車両用装置1もECU6の1つとして考えることはできるものの、理解し易くするために、本明細書では車両用装置1とECU6とを分けている。
車両用装置1は、図2に示すように、CPU10、バスマスタ11、メインメモリ12、グラフィック処理ユニット13(以下、GPU13)、画像処理ユニット14(以下、IPU14)、通信部15などを備えている。
GPU13は、後述するように、アプリケーションプログラムから指示されたサーフェスを実際に描画する機能部である。なお、サーフェスとは、平易に言えば、ある瞬間に表示されているコンテンツ画像の元となる画像データである。IPU14は、描画されたサーフェスを各表示器に映像信号として出力する機能部である。
CPU10は、複数例えば8個のコア10aを備えている。これら8個のコア10aは、4個ずつにとりまとめられ、2つのCPUモジュール16AとCPUモジュール16B割り振られている。つまり、車両用装置1内には、機能的に独立して動作可能な複数のCPUモジュール16が設けられている。
また、CPUモジュール16Aは相対的にリアルタイム性が要求されるアプリケーション群22Aに割り当てられ、CPUモジュール16Bは相対的にリアルタイム性が要求されないアプリケーション群22Bに割り当てられている。以下、CPUモジュール16に共通する説明をする際にはAまたはBを付さず、単にCPUモジュール16と称する。
各CPUモジュール16およびGPU13にはそれぞれ専用のキャッシュメモリ17が設けられている。以下、CPUモジュール16Aに設けられているものを便宜的にキャッシュ17Aと称し、CPUモジュール16Bに設けられているものを便宜的にキャッシュ17Bと称し、GPU13に設けられているものを便宜的にキャッシュ17Gと称する。そして、各キャッシュメモリ17は、バス11aおよびバスマスタ11を介してメインメモリ12とIPU14に接続されており、相互にデータの送受信が可能に構成されている。
通信部15は、他のECU6との間の通信を行う。この通信部15は、例えばController Area Networkインターフェースで構成されている。なお、ECU6の種類によっては、例えばWifiのような無線通信方式、あるいは、USBのような有線通信方式を採用することもできる。
車両用装置1は、図3に示すように、CPU10上でオペレーティングシステム20(以下、OS20)が実行され、そのOS20上で複数のアプリケーションプログラム21(以下、アプリ21)が実行されている。OS20上で実行されるアプリ21としては、メータアプリ21a、ナビアプリ21b、安全アプリ21c、映像アプリ21d、HUDアプリ21eなどが設けられている。なお、HUDは、Head Up Displayの略である。また、各アプリ21は一例であり、OS20上で実行されるアプリ21はこれらに限定されない。
メータアプリ21aは、車両の速度や回転数あるいは警告などをユーザに報知するものであるとともに、主にメータディスプレイ2に表示されるサーフェスを描画する。例えば、メータアプリ21aは、図4に通常表示モードとして示すユーザインターフェース23のように、速度計M1や回転数計M2あるいは警告灯M3などのコンテンツを表示するためのサーフェスを描画する。
ただし、メータアプリ21aが描画したサーフェスは、センターディスプレイ3やヘッドアップディスプレイ4にも表示可能である。また、メータアプリ21aによって描画されるサーフェスは、例示した他のアプリ21によって描画されるサーフェスよりも、相対的にリアルタイム性が要求されるものとなっている。また、実際にはメータアプリ21aがGPU13に指示してサーフェスを描画させているものの、説明の簡略化のために、ここではメータアプリ21が描画すると表現している。これは、他のアプリ21についても同様である。
ナビアプリ21bは、ナビゲーション機能を実現するものであるとともに、主にセンターディスプレイ3に表示されるサーフェスを描画する。例えば、ナビアプリ21bは、図5に示すように、地図や車両の現在位置などを含むナビゲーション画面M4などのコンテンツを表示するためのサーフェスを描画する。ただし、ナビアプリ21bが描画したサーフェスは、例えば図4にナビ表示モードとして示すようにメータディスプレイ2に表示することもできるし、ヘッドアップディスプレイ4にも表示することもできる。
安全アプリ21cは、メニューの表示や運転支援用の各種の機能を実現するものであるとともに、主にセンターディスプレイ3に表示されるサーフェスを描画する。例えば、安全アプリ21cは、図5に示すように、対象となる機能やコンテンツを選択するための複数のアイコンM5などのコンテンツを表示するためのサーフェスを描画する。ただし、安全アプリ21cが描画したサーフェスは、例えば図4にメニュー表示モードとして示すようにメータディスプレイ2に表示することもできるし、ヘッドアップディスプレイ4にも表示することもできる。
HUDアプリ21eは、例えば速度や今後の進路などをユーザに報知するものであるとともに、主にヘッドアップディスプレイ4に表示されるサーフェスを描画する。例えば、HUDアプリ21eは、図6に示すように、現在の速度情報M6や時刻情報M7あるいは曲がり角までの距離や曲がる方向などを示す進路情報M8を表示するためのサーフェスを描画する。ただし、HUDアプリ21eが描画したサーフェスは、メータディスプレイ2やセンターディスプレイ3にも表示可能である。
これらの各アプリ21には、図7に示すように、サーフェスを描画するための物理面30が個別に割り当てられている。つまり、各アプリ21は、コンテンツの保持単位であるサーフェスを自身に割り当てられている物理面30に描画する描画部として機能する。また、各アプリ21は、詳細は後述するが、コンテンツの保持単位であるサーフェスを自身に割り当てられている物理面30に取り込んで同期させる同期部に相当する。
これらの物理面30は、キャッシュメモリ17やメインメモリ12上に、必要となるサーフェスを描画つまりは配置できる大きさで確保されている。なお、物理面30の大きさは必ずしも表示器の画素数と一致させる必要はない。これは、物理面30に描画されたサーフェスのうち必要なサーフェスが選択されて表示器に表示されるためである。
本実施形態では、メータアプリ21aには物理面30Aが割り当てられており、ナビアプリ21bには物理面30Bが割り当てられており、安全アプリ21cには物理面30Cが割り当てられており、映像アプリ21dには物理面30Dが割り当てられており、HUDアプリ21eには物理面30Eが割り当てられている。そして、各物理面30には、各アプリ21によって1つ以上のサーフェスが描画される。
例えば、物理面30Aには、メータアプリ21aによってサーフェスSA1~SA3が描画される。同様に、物理面30Bには、ナビアプリ21bによってサーフェスSB1が描画される。物理面30Cには、安全アプリ21cによってサーフェスSC1、SC2が描画される。なお、図7では、説明の簡略化のために、安全アプリ21cによって描画される複数のサーフェスをまとめてサーフェスSC1としている。物理面30Dには、映像アプリ21によってサーフェスSD1が描画される。物理面30Eには、HUDアプリ21eによってサーフェスSE1~SE3が描画される。なお、これらのサーフェスは一例である。
また、各表示器に表示されるコンテンツは、少なくとも1つがアニメーション動作するものとなっている。ここで、アニメーション動作とは、コンテンツを示す画像の位置や大きさが徐々に変化したり、画像が回転したり、スワイプ操作にともなってユーザインターフェース23が全体的に移動したり、画像が徐々にフェードインあるいはフェードアウトしたり、画像の色が変化したりするような表示態様である。
例えば、図4に示したように、速度計M1や回転数計M2あるいは地図やメニューなどは、表示モードや表示先の表示器によってその大きさや位置が変化するコンテンツである。ただし、アニメーション動作はこれらに限定されず、ある時点から連続的あるは断続的に表示態様が変化するものであればアニメーション動作に含まれる。
次に、上記した構成の作用について説明する。
上記したように、各物理面30は各アプリ21に個別に割り当てられており、その物理面30に各アプリ21が個別にサーフェスを描画している。このとき、各物理面30に描画されたサーフェスをIPU14で合成するという従来の手法で表示を行うと、表示されるコンテンツの同期ずれが生じるおそれがある。
上記したように、各物理面30は各アプリ21に個別に割り当てられており、その物理面30に各アプリ21が個別にサーフェスを描画している。このとき、各物理面30に描画されたサーフェスをIPU14で合成するという従来の手法で表示を行うと、表示されるコンテンツの同期ずれが生じるおそれがある。
これは、サーフェスを描画が完了するタイミングが各アプリ21で異なることがあるためである。ここで、従来の手法を用いて、図8に示す比較例:画面遷移のナビ表示モードにおいて速度計M1や回転数計M2を拡大表示するアニメーション動作をさせる場合を想定してみる。なお、図8では、コンテンツの符号は図示を省略している。
この場合、相対的に地図を縮小必要があることから、図8に比較例:シーケンスとして示すように、メータアプリ21aは、まず、更新するサーフェスの大きさや位置を演算し、その演算結果をナビアプリ21bに通知するとともに、更新後の大きさや位置に合わせたサーフェスを描画する。一方、ナビアプリ21bは、メータアプリ21aから通知を受け取ると、通知に基づいてサーフェスの更新後の大きさや位置を特定し、その大きさや位置となるように新たなサーフェスを描画つまりは更新する。
このとき、メータアプリ21a側でサーフェスの描画が先に完了したとすると、その時点でIPU14によってサーフェスが合成されて表示されることになる。ただし、ナビアプリ21b側ではサーフェスの描画か完了していないため、元のサーフェスがそのまま表示されることになる。その結果、図8に同期ずれ状態として示すように、速度計M1や回転数計M2とナビゲーション画面M4とが重なった状態となる。
そして、その後にナビアプリ21bでのサーフェスの描画が完了すると、図8に同期状態として示すように、各サーフェスが意図した通りの状態で表示されることになる。なお、図8に示した同期ずれは一例であり、例えば枠内にメニューを表示するような場合には、枠を移動させてもメニューが移動しないといった同期ずれが発生する可能性がある。
このように、従来の手法を用いた場合には、表示がずれるなど、異なる物理面30に描画されたサーフェスを同期させることができなかった。また、表示器に表示する際の同期がずれるため、ユーザが視認できてしまい、不具合感を抱かせる懸念もある。
そこで、車両用装置1では、以下のようにして、異なる物理面30に描画されるサーフェスを同期させている。なお、以下の処理はいずれのアプリ21によっても実施可能であるものの、ここでは、上記した図8に例と対比させて、メータアプリ21aが描画する速度計M1などのサーフェスと、ナビアプリ21bが描画するナビゲーション画面M4のサーフェスとを同期させる場合を例にして説明する。
メータアプリ21aは、図9に示す同期処理を実行しており、ステップS1において、上記した図7で示したように、自身に割り当てられている物理面30Aに、サーフェスSA1~SA3を描画する。例えば、メータアプリ21aは、速度計M1を表示するためのサーフェスSA1、回転数計M2を表示するためのサーフェスSA2、警告灯M3を表示するためのサーフェスSA3を描画する。
そして、メータアプリ21aは、同期処理のステップS2において、他の物理面30に描画されたサーフェスを取り込む。この場合、メータアプリ21aは、図10示すように、サーフェスSA1~SA3を描画した物理面30Aに、ナビアプリ21bによって他の物理面30Bに描画されたサーフェスSB1を取り込む。なお、取り込んだ時点では、サーフェスSB1は、ナビアプリ21bが描画した大きさや形状となっている。
続いて、メータアプリ21aは、同期処理のステップS3において、自身が描画したサーフェスSA1~SA3と取り込んだサーフェスSB1を含め、各サーフェスの位置や大きさあるいは変形量などを演算する。つまり、メータアプリ21aは、取り込んだサーフェスSB1をテクスチャーとして扱い、そのテクスチャーの位置や大きさあるいは変形量を演算することにより、擬似的に自身が描画したものとして処理する。
演算が終わると、メータアプリ21aは、同期処理のステップS4において、演算結果に従って自身の物理面30Aに各サーフェスを描画する。これにより、図10に示すように、物理面30Aには、メータアプリ21aが描画したサーフェスSA1~SA3とナビアプリ21bが描画したサーフェスSB1とが、演算した大きさや位置に従って描画される。つまり、演算結果に従って各サーフェスが再描画あるいは再配置される。
このとき、他の物理面30Bに描画されていたサーフェスSB1は、物理面30Aに取り込まれた時点で物理面30Bからは切り離されている。このため、ナビアプリ21bの描画動作に関わらず、メータアプリ21a側でサーフェスSB1を適切な大きさや位置あるいは変形量で表示させることが可能な状態となっている。
そのため、メータアプリ21aは、同期処理のステップS5において、再描画あるいは再配置が完了した各サーフェスの表示を指示することにより、各サーフェスを適切な状態で表示することができるようになる。これは、アニメーション動作させた際、速度計M1や回転数計M2を拡大するにつれてナビゲーション画面M4が縮小されて、それらが重なることなくシームレスに表示を変更できることを意味している。
より具体的には、車両用装置1では、図11に実施例:シーケンスとして示すように、各アプリ21でそれぞれサーフェスを描画する。そして、他の物理面30に描画されたサーフェスを必要とするアプリ21、ここでは、メータアプリ21aは、ナビアプリ21bが描画したサーフェスを自身の物理面30に取り込み、取り込んだサーフェスの位置や大きさなどを演算して再描画する。
これにより、例えばメータアプリ21aが速度計M1や回転数計M2を拡大表示するようなアニメーション動作をさせる場合において、メータアプリ21a側で、そのアニメーション動作に対応するように異なる物理面30に描画されたサーフェスの大きさや位置などを制御することができる。従って、実施例:画面遷移として示すように、速度計M1や回転数計M2とナビゲーション画面M4とが重なることが防止される。すなわち、異なる物理面30に描画されたサーフェスを同期させることができる。なお、図11では、コンテンツの符号は図示を省略している。
以上説明した実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
車両用装置1は、複数のコンテンツを1つのユーザインターフェース23で提供可能なものであって、コンテンツの保持単位であるサーフェスを同期させる同期部を備えている。そして、同期部は、自身に割り当てられている物理面30とは異なる他の物理面30に描画されたサーフェスを取り込み、取り込んだサーフェスを自身が描画したサーフェスとして扱うことにより、自身が描画したサーフェスと他の物理面30に描画されたサーフェスとを同期させる。
車両用装置1は、複数のコンテンツを1つのユーザインターフェース23で提供可能なものであって、コンテンツの保持単位であるサーフェスを同期させる同期部を備えている。そして、同期部は、自身に割り当てられている物理面30とは異なる他の物理面30に描画されたサーフェスを取り込み、取り込んだサーフェスを自身が描画したサーフェスとして扱うことにより、自身が描画したサーフェスと他の物理面30に描画されたサーフェスとを同期させる。
これにより、異なる物理面30に描画されたサーフェスであっても、ユーザインターフェース23に表示する際には、その表示が更新されるタイミングを同期部が制御することができる。つまり、他の物理面30に描画されたサーフェスを共有することが可能になる。これにより、異なる物理面30に描画されたサーフェスを同期させることができる。より具体的には、自身が描画したサーフェスと他の物理面30に描画されたサーフェスとを同期させることができ、表示がずれるなど、ユーザが視認できてしまう状態を回避することができる。
また、車両用装置1の制御方法は、複数のコンテンツを1つのユーザインターフェース23で提供する際に、コンテンツの保持単位であるサーフェスを自身に割り当てられている物理面30に描画する工程と、自身に割り当てられている物理面30とは異なる他の物理面30に描画されたサーフェスを取り込む工程と、取り込んだサーフェスを自身が描画したサーフェスとして扱うことにより、自身が描画したサーフェスと他の物理面30に描画されたサーフェスとを同期させる工程と、を含んでいる。
このような車両用装置1の制御方法によっても、異なる物理面30に描画されたサーフェスを同期させることができ、自身が描画したサーフェスと他の物理面30に描画されたサーフェスとを同期させることができる。
また、車両用装置1では、コンテンツのうち少なくとも1つは、アニメーション動作するものである。コンテンツをアニメーション動作させる場合、元になるサーフェスが同期していないと、コンテンツの表示がずれたり重なって表示されたりするなど、ユーザが視認できるような不具合が生じる可能性がある。そこで、元になるサーフェスを同期させることにより、コンテンツの位置や大きさを変化させた場合であっても、上記した不具合が生じることを防止できる。
車両用装置1は、複数のアプリ21が実行されるものであり、同期部は、アプリ21として実装されており、自身が描画したサーフェスと、他のアプリ21によって他の物理面30に描画されたサーフェスとを同期させる。これにより、それぞれのアプリ21ケーションに過度に負荷が掛かることを抑制できる。
そのため、実施形態のメータアプリ21aのように、他の物理面30に描画されるサーフェスよりも相対的にリアルタイム性が必要とされるサーフェスを描画するアプリ21であっても、必要とされる速度計M1や回転数計M2あるいは警告灯M3の表示を遅延させることなく、他の物理面30に描画されたサーフェスと同期させることができる。
車両用装置1は、複数のCPUモジュール16を備えており、同期部は、自身が描画したサーフェスと、他のCPUモジュール16側に設けられている他の物理面30に描画されたサーフェスとを同期させる。この場合、物理面30はCPUモジュール16ごとに管理されるため、メータアプリ21aがサーフェスを描画する物理面30Aと、ナビアプリ21bがサーフェスを描画する物理面30Bとは、CPUモジュール16を跨いで共有されることになる。このような構成によっても、上記した制御方法を採用することにより、異なる物理面30に描画されたサーフェスを同期させることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態とは異なる車両用装置1の構成例について説明する。なお、説明の簡略化のために、車両用装置1やOS20あるいはアプリ21には共通する符号を付して説明する。また、同期制御の方法などは、第1実施形態と共通する。
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態とは異なる車両用装置1の構成例について説明する。なお、説明の簡略化のために、車両用装置1やOS20あるいはアプリ21には共通する符号を付して説明する。また、同期制御の方法などは、第1実施形態と共通する。
<第1の構成例>
第1の構成例では、車両用装置1は、図12に示すように、CPU10上でハイパーバイザ40が実行され、そのハイパーバイザ40上で複数例えば2つのOS20AおよびOS20Bが実行される。このとき、OS20AはCPUモジュール16Aに割り当てられており、OS20BはCPUモジュール16Bに割り当てられている。本実施形態では、OS20Aは相対的にリアルタイム性が高い処理を担当し、OS20Bは相対的にリアルタイム性が低い処理を担当するものを想定している。
第1の構成例では、車両用装置1は、図12に示すように、CPU10上でハイパーバイザ40が実行され、そのハイパーバイザ40上で複数例えば2つのOS20AおよびOS20Bが実行される。このとき、OS20AはCPUモジュール16Aに割り当てられており、OS20BはCPUモジュール16Bに割り当てられている。本実施形態では、OS20Aは相対的にリアルタイム性が高い処理を担当し、OS20Bは相対的にリアルタイム性が低い処理を担当するものを想定している。
そのため、OS20Aでは、リアルタイム性が要求される例えばメータアプリ21aが実行され、OS20Bでは、リアルタイム性がOS20Aほど要求されないナビアプリ21bや安全アプリ21c、HUDアプリ21eや映像アプリ21などが実行される。なお、OS20の種類やアプリ21ケーションの配置は一例であり、これらに限定されない。
この場合、物理面30はOS20ごとに管理されるため、メータアプリ21aがサーフェスを描画する物理面30Aと、ナビアプリ21bがサーフェスを描画する物理面30Bとは、CPUモジュール16およびOS20を跨ぐことになる。換言すると、同期部は、CPUモジュール16およびOS20を跨いでサーフェスを共有する必要がある。このような場合であっても、第1実施形態で説明した制御方法を採用することにより、異なる物理面30、ここでは、異なるCPUモジュール16側の異なるOS20側の物理面30に描画されたサーフェスを共有して同期させることができる。
また、第1実施形態では同期部つまりは自身でもサーフェスを描画するアプリ21により各サーフェスを同期部として用いる構成を例示したが、同期専用の同期アプリ21fを実装し、サーフェスの描画とサーフェスの共有とを別々に処理する構成とすることもできる。換言すると、コンテンツの保持単位であるサーフェスを自身に割り当てられている物理面30に描画する同期部と、自身に割り当てられている物理面30に他の物理面30に描画されたサーフェスを取り込み、取り込んだサーフェスの位置や大きさあるいは変形量を演算する同期部としての同期アプリ21fを備える構成とすることもできる。このような構成によっても、同期部によって描画されたサーフェスを同期部で取り込むことにより、異なる物理面30に描画されたサーフェスを同期させることができる。この同期アプリ21fは、全ての表示器を対象とする構成とすることもできるし、各表示器に個別に設ける構成とすることもできる。
なお、ハイパーバイザ40は、OS20Aの機能として実行される構成とすることもできる。すなわち、CPU10上でOS20Aを実行し、そのOS20の機能としてハイパーバイザ40を動作させ、そのハイパーバイザ40上でOS20Bを実行する構成とすることもできる。
<第2の構成例>
第2の構成例では、車両用装置1は、図13に示すように、複数のCPU10を備え、各CPU10上でそれぞれOS20AおよびOS20Bが実行される。この場合、物理面30はCPU10ごとに管理されるため、メータアプリ21aがサーフェスを描画する物理面30Aと、ナビアプリ21bがサーフェスを描画する物理面30Bとは、CPU10を跨ぐことになる。
第2の構成例では、車両用装置1は、図13に示すように、複数のCPU10を備え、各CPU10上でそれぞれOS20AおよびOS20Bが実行される。この場合、物理面30はCPU10ごとに管理されるため、メータアプリ21aがサーフェスを描画する物理面30Aと、ナビアプリ21bがサーフェスを描画する物理面30Bとは、CPU10を跨ぐことになる。
換言すると、同期部は、CPU10を跨いでサーフェスを共有する必要がある。このような場合であっても、第1実施形態で説明した制御方法を採用することにより、異なる物理面30、ここでは、異なるCPUモジュール16側の物理面30に描画されたサーフェスを共有して同期させることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、車両用装置1とECU6との間でサーフェスを同期させる例について説明する。なお、説明の簡略化のために、車両用装置1やOS20あるいはアプリ21には共通する符号を付して説明する。また、車両用装置1の構成は第1実施形態や第2実施形態と共通し、同期制御の方法は第1実施形態と共通するものを採用することができる。
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、車両用装置1とECU6との間でサーフェスを同期させる例について説明する。なお、説明の簡略化のために、車両用装置1やOS20あるいはアプリ21には共通する符号を付して説明する。また、車両用装置1の構成は第1実施形態や第2実施形態と共通し、同期制御の方法は第1実施形態と共通するものを採用することができる。
第3実施形態では、図14に示すように、車両用装置1は、他のECU6に通信可能に接続されるものであり、自身の側で同期部によって物理面30に描画されたサーフェスと、ECU6側の他の物理面30に描画されたサーフェスとを、第1実施形態と同様の制御方法を用いて同期させる。
具体的には、車両用装置1は、上記した図9の処理に従って、例えばメータアプリ21aであれば、物理面30Fに描画されたサーフェスを自身の物理面30Aに取り込み、位置や大きさあるいは変形量を演算し、演算結果に基づいて各サーフェスを描画し、その後に表示することで、自身が物理面30Aに描画したサーフェスと、異なる物理面30Fに描画されたサーフェスを同期させる。
このとき、車両用装置1は、ECU6側の物理面30Fに描画されたサーフェスを、個別にコネクションを貼って取り込む構成とすることができる。これにより、必要となるサーフェスを個別に取り込むことが可能になり、異なる物理面30に描画されたサーフェスを同期させることができる。
あるいは、車両用装置1は、図15に示すように、ECU6側の物理面30Fに描画された複数のサーフェスをECU6側でまとめたサーフェス群SGを一括して取り込むとともに、取り込んだサーフェス群SGを例えばメータアプリ21aに割り当てられている物理面30Aに個別に分配するアプリ21として分配部21gを設ける構成とすることもできる。
これにより、サーフェスを取り込む処理を簡略化しつつ、また、車両用装置1とECU6との間の通信量を削減しつつ、異なる物理面30に描画されたサーフェスを同期させることができる。なお、分配部21gは、ハードウェアで構成することもできる。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に含まれるものである。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
Claims (10)
- 複数のコンテンツ(M1、M2、M3、M4、M5、M6、M7、M8)を1つのユーザインターフェース(23)で提供可能な車両用装置(1)であって、
異なる物理面(30)に描画されたサーフェス(SA1、SA2、SA3、SB1、SC1、SD1、SE1)を同期させる同期部(21a、21b、21c、21d、21e、21f)を備え、
前記同期部は、自身に割り当てられている物理面とは異なる他の物理面に描画されたサーフェスを取り込み、取り込んだサーフェスを自身が描画したサーフェスとして扱うことにより、自身が描画したサーフェスと他の物理面に描画されたサーフェスとを同期させる車両用装置。 - 車両用装置では、サーフェスを描画する複数のアプリケーションプログラム(21a、21b、21c、21d、21e)が実行され、
前記同期部は、前記アプリケーションプログラムとして実装されており、自身が描画したサーフェスと、他の前記アプリケーションプログラムによって他の物理面に描画されたサーフェスとを同期させる請求項1記載の車両用装置。 - 前記コンテンツのうち少なくとも1つは、アニメーション動作するものである請求項1または2記載の車両用装置。
- 車両用装置は、複数のオペレーティングシステム(30)が実行されるものであり、
前記同期部は、自身が描画したサーフェスと、他の前記オペレーティングシステム側に設けられている他の物理面に描画されたサーフェスとを同期させる請求項1から3のいずれか一項記載の車両用装置。 - 車両用装置は、複数のCPUモジュール(16)を備えており、
前記同期部は、自身が描画したサーフェスと、他の前記CPUモジュール側に設けられている他の物理面に描画されたサーフェスとを同期させる請求項1から4のいずれか一項記載の車両用装置。 - 車両用装置は、他の装置(6)に通信可能に接続されるものであり、
前記同期部は、自身が描画したサーフェスと、他の前記装置側に設けられている他の物理面に描画されたサーフェスとを同期させる請求項1から5のいずれか一項記載の車両用装置。 - 前記同期部は、他の物理面に描画されるサーフェスよりも相対的にリアルタイム性が必要とされるサーフェスを描画する請求項1から6のいずれか一項記載の車両用装置。
- 前記同期部は、他の物理面に描画された複数のサーフェスを個別に取り込む請求項1から7のいずれか一項記載の車両用装置。
- 他の物理面に描画された複数のサーフェスを一括してサーフェス群(SG)として取り込むとともに、取り込んだサーフェス群を個別のサーフェスに分配する分配部(21f)を備える請求項1から7のいずれか一項記載の車両用装置。
- 複数のコンテンツ(M1、M2、M3、M4、M5、M6、M7、M8)を1つのユーザインターフェース(23)で提供する車両用装置(1)の制御方法であって、
自身に割り当てられている物理面(30)とは異なる他の物理面に描画されたサーフェス(SA1、SA2、SA3、SB1、SC1、SD1、SE1)を取り込む工程と、
取り込んだサーフェスを自身が描画したサーフェスとして扱うことにより、自身が描画したサーフェスと他の物理面に描画されたサーフェスとを同期させる工程と、
を含む車両用装置の制御方法。
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