WO2020208796A1 - ヒンジ構造 - Google Patents

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Abstract

重心(9c)が低いタイプの蓋(9)を、バネ力を利用して簡単かつ安全に開閉することができるヒンジ構造を提供する。ヒンジ構造は、第1部材(1)、第2部材(2)、回転軸(3)、及びリンク機構(4)を備える。第1部材(1)は、開口(81)を有する容器(8)に装着される。第2部材(2)は蓋(9)に装着される。回転軸(3)は、第1部材(1)と第2部材(2)を回転自在に連結させる。リンク機構(4)は、第1部材(1)と第2部材(2)を、回転軸(3)とは異なる箇所で連結させる。リンク機構(4)に含まれるバネ機構(7)は、第2部材(2)に対して蓋(9)を開く方向のトルクを与える。蓋(9)が開口(81)を閉じる状態において、回転軸(3)の軸心(3a)は、蓋(9)の重心(9c)よりも上方に位置する。リンク機構(4)は、開口(81)を閉じた姿勢を含む任意の姿勢で蓋(9)を静止させるように、第2部材(2)にトルクを与える。

Description

ヒンジ構造
 本開示は、ヒンジ構造に関し、より詳細には、蓋の開動作を支援するためのバネを備えたヒンジ構造に関する。
 蓋の開動作を支援することのできるヒンジ構造が、例えば特許文献1に開示されている。このヒンジ構造は、容器に装着される下側の部材と、蓋に装着される上側の部材と、上側の部材と下側の部材を回転自在に連結させる回転軸と、該回転軸を囲んで位置する捩りコイルバネと、を備えている。捩りコイルバネが上側の部材に与えるトルクが、蓋の開動作を支援する。蓋が、容器の開口を閉じる位置(以下「全閉位置」という。)にあるとき、蓋の重心は、回転軸の軸心よりも高く位置する。つまり、従来のヒンジ構造において開動作を支援する蓋は、全閉位置において重心が高く位置するタイプの蓋である。
日本国特許第2948538号公報
 本開示は前記課題に鑑みて発明したものであって、全閉位置において重心が低く位置するタイプの蓋を、バネ力を利用して簡単かつ安全に開閉することができるヒンジ構造を提供することを、目的とする。
 本開示の一態様に係るヒンジ構造は、上方を向く開口を有する容器に装着される第1部材と、前記開口を閉じるための蓋に装着される第2部材と、前記第1部材と前記第2部材を回転自在に連結させる回転軸と、前記第1部材と前記第2部材を前記回転軸とは異なる箇所で連結させるリンク機構と、を備える。
 前記リンク機構は、前記第2部材に対して前記蓋を引っ張り上げて開く方向のトルクを与えるように構成された捩りコイル式のバネ機構を含む。前記回転軸の軸心は、前記蓋が前記開口を閉じている状態において、前記蓋の重心よりも上方に位置するように設けられており、前記リンク機構は、前記開口を閉じた姿勢を含む任意の姿勢で前記蓋を静止させるように、前記第2部材に前記トルクを与えるように構成されている。
図1Aは、実施形態1のヒンジ構造を介して蓋を装着した容器の斜視図である。図1Bは、同上の容器の側面図である。 図2は、同上のヒンジ構造の開度0°のときの側面図である。 図3は、図2のa矢視図である。 図4Aは、図2のb矢視図である。図4Bは、図4AのA-A線断面図である。 図5Aは、同上のヒンジ構造の開度60°のときの上面図である。図5Bは、図5AのB-B線断面図である。 図6Aは、同上のヒンジ構造の開度100°のときの上面図である。図6Bは、図6AのC-C線断面図である。 図7Aは、同上のヒンジ構造を発明する過程で想定した第1モデルの側面図である。図7Bは、同上の第1モデルにおけるトルクと開度の関係を示すグラフである。 図8Aは、同上のヒンジ構造を発明する過程で想定した第2モデルの側面図である。図8Bは、同上の第2モデルにおけるトルクと開度の関係を示すグラフである。 図9は、同上のヒンジ構造における蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。 図10Aは、同上のヒンジ構造において角度αを基準値-10°としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図10Bは、同上のヒンジ構造において角度αを基準値-5°としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図10Cは、同上のヒンジ構造において角度αを基準値+5°としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図10Dは、同上のヒンジ構造において角度αを基準値+10°としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。 図11Aは、同上のヒンジ構造において第1距離d1を基準値-20%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図11Bは、同上のヒンジ構造において第1距離d1を基準値-10%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図11Cは、同上のヒンジ構造において第1距離d1を基準値+10%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図11Dは、同上のヒンジ構造において第1距離d1を基準値+20%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。 図12Aは、同上のヒンジ構造において第2距離d2を基準値-20%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図12Bは、同上のヒンジ構造において第2距離d2を基準値-10%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図12Cは、同上のヒンジ構造において第2距離d2を基準値+10%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図12Dは、同上のヒンジ構造において第2距離d2を基準値+20%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。 図13Aは、同上のヒンジ構造において第3距離d3を基準値-30%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図13Bは、同上のヒンジ構造において第3距離d3を基準値-20%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図13Cは、同上のヒンジ構造において第3距離d3を基準値-10%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図13Dは、同上のヒンジ構造において第3距離d3を基準値+10%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図13Eは、同上のヒンジ構造において第3距離d3を基準値+20%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図13Fは、同上のヒンジ構造において第3距離d3を基準値+30%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。 図14Aは、同上のヒンジ構造において第4距離d4を基準値-20%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図14Bは、同上のヒンジ構造において第4距離d4を基準値-10%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図14Cは、同上のヒンジ構造において第4距離d4を基準値+10%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図14Dは、同上のヒンジ構造において第4距離d4を基準値+20%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。 図15は、実施形態2のヒンジ構造における蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。 図16Aは、同上のヒンジ構造において角度αを基準値-10°としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図16Bは、同上のヒンジ構造において角度αを基準値-5°としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図16Cは、同上のヒンジ構造において角度αを基準値+5°としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図16Dは、同上のヒンジ構造において角度αを基準値+10°としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。 図17Aは、同上のヒンジ構造において第1距離d1を基準値-20%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図17Bは、同上のヒンジ構造において第1距離d1を基準値-10%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図17Cは、同上のヒンジ構造において第1距離d1を基準値+10%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図17Dは、同上のヒンジ構造において第1距離d1を基準値+20%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。 図18Aは、同上のヒンジ構造において第2距離d2を基準値-20%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図18Bは、同上のヒンジ構造において第2距離d2を基準値-10%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図18Cは、同上のヒンジ構造において第2距離d2を基準値+10%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図18Dは、同上のヒンジ構造において第2距離d2を基準値+20%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。 図19Aは、同上のヒンジ構造において第3距離d3を基準値-30%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図19Bは、同上のヒンジ構造において第3距離d3を基準値-20%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図19Cは、同上のヒンジ構造において第3距離d3を基準値-10%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図19Dは、同上のヒンジ構造において第3距離d3を基準値+10%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図19Eは、同上のヒンジ構造において第3距離d3を基準値+20%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図19Fは、同上のヒンジ構造において第3距離d3を基準値+30%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。 図20Aは、同上のヒンジ構造において第4距離d4を基準値-20%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図20Bは、同上のヒンジ構造において第4距離d4を基準値-10%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図20Cは、同上のヒンジ構造において第4距離d4を基準値+10%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。図20Dは、同上のヒンジ構造において第4距離d4を基準値+20%としたときの蓋の開度とトルクの関係を示すグラフである。
 (実施形態1)
 図1Aと図1Bには、実施形態1のヒンジ構造を容器8と蓋9に装着した状態を、示している。図1Aと図1Bでは、容器8が有する開口81が蓋9で閉じられた状態を、実線で示している。蓋9が開口81を閉じる位置(つまり全閉位置)にあるとき、蓋9の開度は0°である。
 容器8は、開口81を有する中空の容器本体80と、容器本体80を支持する複数の支持脚83を備える。容器本体80は、容器として機能する限りにおいてどのような構造を備えることも可能である。容器本体80に収容される物は、液体でも固体でもよい。また、容器本体80に人間又は動物が収容されてもよい。
 開口81は、上方を向いて開いている。開口81が開く向きは、真上には限定されず、斜め上方であってもよい。開口81を通じて、容器本体80に物を出し入れすることが可能である。あるいは開口81を通じて、人間又は動物が容器本体80に出入りすることが可能である。開口81は容器本体80の上部に形成されているが、容器本体80のうち開口81が形成される箇所は特に限定されない。
 実施形態1のヒンジ構造は、容器8に装着される第1部材1と、蓋9に装着される第2部材2と、第1部材1と第2部材2を回転自在に連結させるピン状の回転軸3(図4B等参照)と、回転軸3とは別の箇所で第1部材1と第2部材2を連結させるリンク機構4と、を備える。蓋9は、回転軸3まわりに(言い換えると、回転軸3の軸心3aまわりに)回転する。
 まず、第1部材1について説明する。
 第1部材1は、容器8の上面の一部でありかつ開口81の近傍である箇所に、固着される金属製の部材である。容器8のうち第1部材1が固着される箇所は、開口81よりも後方の箇所である。言い換えれば、容器8において第1部材1が固着される箇所の前方に、開口81が位置する。
 第1部材1は、容器8に対して移動不能に装着される固定部10と、回転軸3が挿通される挿通部11と、第1軸部51が挿通される挿通部12と、を有する(図4B等参照)。第1軸部51は、リンク機構4の一つのジョイントを構成するピン状の部材である。挿通部11に挿通された回転軸3と、挿通部12に挿通された第1軸部51は、左右方向に伸びる姿勢で、互いに平行に位置する。左右方向は、前後方向に対して直交する方向である。
 第1部材1が容器8に固定された状態において、回転軸3は第1軸部51よりも前方に位置し、かつ第1軸部51よりも上方に位置する。回転軸3は、第1軸部51の前斜め上方に位置する。
 回転軸3と第1軸部51の位置関係は、これに限定されない。例えば、回転軸3が第1軸部51よりも前方に位置し、かつ第1軸部51と同一の高さに位置することも有り得る。
 次に、第2部材2について説明する。
 第2部材2は、蓋9に対して固着される金属製の部材である。第2部材2は、蓋9の周縁部に対して移動不能に装着される固定部20と、回転軸3が挿通される挿通部と、第2軸部52が挿通される挿通部22と、を有する。第2軸部52は、リンク機構4の一つのジョイントを構成するピン状の部材である。蓋9が開度0°の状態において、第2軸部52は回転軸3よりも前方に位置し、かつ回転軸3よりも上方に位置する。第2軸部52は回転軸3の前斜め上方に位置する。
 回転軸3と第2軸部52の位置関係は、これに限定されない。例えば、第2軸部52が回転軸3の前方に位置し、かつ第2軸部52と回転軸3が同一の高さに位置することも有り得る。
 次に、リンク機構4について説明する。
 リンク機構4は、第1部材1に設けられた第1軸部51と、第2部材に2設けられた第2軸部52に加えて、第1リンク61、第2リンク62、第3軸部53、及びバネ機構7を含む。
 第1リンク61は、第1軸部51を介して、第1部材1に対して1自由度で回転自在に連結する。第1軸部51は、第1部材1に対して回り止めされている。第2リンク62は、第2軸部52を介して、第2部材2に対して1自由度で回転自在に連結する。
 第3軸部53は、リンク機構4の一つのジョイントを構成するピン状の部材である。第1リンク61と第2リンク62は、第3軸部53を介して、1自由度で互いに回転自在に連結する。
 リンク機構4の三つのジョイントを構成する第1軸部51、第2軸部52及び第3軸部53は、いずれも左右方向に伸びる姿勢で保持されており、回転軸3と平行に位置する。つまり、第1軸部51、第2軸部52、第3軸部53及び回転軸3はいずれも左右方向に伸びる姿勢で保持されており、互いに平行である。
 実施形態1のヒンジ構造において、第2リンク62は、左右に距離をあけて互いに平行に位置する二本のアーム621,622を含む。二本のアーム621,622の各々に、第2軸部52と第3軸部53が挿通される。二本のアーム621,622は、それぞれ第2軸部52まわりに(つまり第2軸部52の軸心52aまわりに)1自由度で回転自在であり、かつ第3軸部53まわりに(つまり第3軸部53の軸心53aまわりに)1自由度で回転自在である。
 第1リンク61は、第1軸部51が挿通される挿通部と、第3軸部53が挿通される挿通部を、別々の箇所に備える。蓋9が開度0°の状態において、第3軸部53は、第1軸部51よりも上方に位置する。
 バネ機構7は、第1軸部51の外周を囲むように設けられた捩りコイル式のバネ機構であり、第2部材2に対して蓋9を引っ張り上げて開く方向のトルクを与えるように構成されている。
 実施形態1のヒンジ構造において、バネ機構7は、左右に距離をあけて位置する二つの捩りコイルバネ71,72を含む。二つの捩りコイルバネ71,72は、共に第1軸部51の外周を囲んで位置する。一つの捩りコイルバネ71は、第1軸部51の軸方向の第1端部511の外周を囲んで位置し、もう一つの捩りコイルバネ72は、第1軸部51の軸方向の第2端部512の外周を囲んで位置する。実施形態1のヒンジ構造においては、バネ機構7全体が蓋9から大きく後方に突出することが、抑えられている。
 実施形態1のヒンジ構造では、第1リンク61が、一つの捩りコイルバネ71を覆うカバー615と、もう一つの捩りコイルバネ72を覆うカバー616を備えているが、カバー615,616を備えることは必須ではない。
 実施形態1のヒンジ構造においては、第1リンク61が第1軸部51まわりに回転して姿勢を変化させると、その変化に応じて捩りコイルバネ71,72が共に変形し、第1リンク61に及ぼすバネ力を変化させる。
 捩りコイルバネ71,72が第1リンク61に及ぼすバネ力は、第2リンク62を介して第2部材2に伝わる。第2部材2に伝わったバネ力が、蓋9を開く方向(即ち、蓋9を後方に向けて引っ張り上げる方向)のトルクを生じさせる。二つの捩りコイルバネ71,72が第2部材2に与えるトルクが、蓋9の開動作を支援するためにバネ機構7が第2部材2に与えるトルクである。
 図4A、図4Bには蓋9が開度0°の状態を示している。図5A、図5Bには蓋9が開度60°の状態、つまり蓋9を全閉位置から回転軸3まわりに60°回転させた状態を示している。図6A、図6Bには蓋9が開度100°の状態、つまり蓋9を全閉位置から回転軸3まわりに100°回転させた状態を示している。
 図9には、蓋9の開度に応じてトルクが変化する様子を、グラフで示している。図9の横軸は、蓋9の開度[°]である。縦軸は、トルク[N・mm]である。図9中の曲線C1は、蓋9をその姿勢で支持するために必要なトルクが、蓋9の開度の変化に応じて漸次変化する様子を示している。図9中の曲線C2は、蓋9の開動作を支援するようにバネ機構7が発生させるトルクが、蓋9の開度の変化に応じて漸次変化する様子を示している。
 実施形態1のヒンジ構造においては、蓋9の開動作を支援するトルクの曲線C2が、蓋9をその姿勢で支持するために必要なトルクの曲線C1に近似するように、主要なパラメータを決定している。トルクの曲線C2がトルクの曲線C1に近似することで、蓋9を閉じた状態から所定の範囲内(例えば開度0°から90°の範囲内)の任意の姿勢で蓋9を静止させ、蓋9の開度が前記所定の範囲を超えたときは、蓋9が自ずと後方に倒れるようになっている。ここでの所定の範囲は、蓋9の開度0°から90°の範囲に限定されず、別の例として、蓋9の開度0°から80°の範囲であることも有り得るし、蓋9の開度0°から100°の範囲であることも有り得る。
 実施形態1のヒンジ構造は、いわゆるフリーストップヒンジに構成されている。なお、トルクの曲線C1とトルクの曲線C2が完全に一致していなくても、近似していれば実用上は問題なくフリーストップヒンジとして機能する。
 上述した主要なパラメータは、例えば、角度α、角度β、第1距離d1、第2距離d2、第3距離d3、及び第4距離d4である。
 角度αは、蓋9が開度0°のとき(つまり蓋9が全閉位置にあるとき)において、回転軸3の軸心3aと第1軸部51の軸心51aを含んだ仮想的な第1平面P1と、回転軸3の軸心3aと第2軸部52の軸心52aを含んだ仮想的な第2平面P2とが、なす角度である(図4B参照)。角度αは鋭角である。
 角度βは、回転軸3の軸心3aを基準として、蓋9の重心9cがどの程度低い位置にあるかを示す角度である。図1Bに示すように、角度βは、回転軸3の軸心3aと蓋9の重心9cを含んだ仮想的な第3平面P3と、回転軸3の軸心3aを含んだ水平面Phとが、なす角度である。角度βは鋭角であり、一例として、0°よりも大きくかつ40°より小さな範囲内で設定することや、5°よりも大きくかつ35°よりも小さな範囲内で設定することや、10°よりも大きくかつ35°よりも小さな範囲内で設定することが可能である。
 第1距離d1は、回転軸3の軸心3aと、第1軸部51の軸心51aとの間の距離である(図4B参照)。第2距離d2は、回転軸3の軸心3aと、第2軸部52の軸心52aとの間の距離である。第3距離d3は、第2軸部52の軸心52aと、第3軸部53の軸心53aとの間の距離である。第4距離d4は、第3軸部53の軸心53aと、第1軸部51の軸心51aと、の間の距離である。
 回転軸3の軸心3aは、第1部材1と第2部材2が回転自在に連結する回転中心である。第1軸部51の軸心51aは、第1部材1と第1リンク61が回転自在に連結する回転中心である。第2軸部52の軸心52aは、第2部材2と第2リンク62が回転自在に連結する回転中心である。第3軸部53の軸心53aは、第1リンク61と第2リンク62が回転自在に連結する回転中心である。
 基本的に、開動作を支援する対象の蓋9の重心9cの位置に基づいて角度βが設定され、この角度βに対して、フリーストップヒンジを実現するように角度α、第1距離d1、第2距離d2、第3距離d3、及び第4距離d4が設定される。
 本発明者は、全閉位置において重心9cが低く位置するタイプの蓋9を、バネ力を利用して簡単かつ安全に開閉することができるヒンジ構造を実現するために、上記した主要なパラメータのなかでも角度αが重要であることを、論理的アプローチとこれに基づいた様々な試行錯誤により、見出した。
 図7Aに示すモデルは、論理的アプローチの過程で想定したヒンジ機構の第1のモデルである。第1のモデルにおいて、角度αは90°であり、第1距離d1と第3距離d3は等しく、第2距離d2と第4距離d4は等しい。
 図7Bには、第1のモデルにおいて、バネ機構7のバネ力に基づいて発生するトルクが、第2部材2の回転角度に応じて漸次変化する様子を示している。図7Bの横軸は、第2部材2が回転軸3まわりに回転する回転角度(蓋9の開度に相当する。)であり、縦軸はトルク[N・mm]である。
 図7Bから明らかなように、第1のモデルでは、回転角度が0°のときにトルクがピークである。そのため、トルクがピークとなるときの回転角度を、0°よりも大きくするための修正が必要である。
 図8Aに示すモデルは、論理的アプローチの過程で想定したヒンジ機構の第2のモデルである。第2のモデルは、角度αが60°である点において、第1のモデルとは相違している。
 図8Bには、第2のモデルにおいて、バネ機構7のバネ力に基づいて発生するトルクが、回転角度に応じて漸次変化する様子を示している。図8Bの横軸は、第2部材2が回転軸3まわりに回転する回転角度(蓋9の開度に相当する。)であり、縦軸はトルク[N・mm]である。
 図8Bから明らかなように、第2のモデルでは、0°よりも大きな回転角度において、トルクがピークとなる。なお、トルクがピークとなるときの回転角度が30°ではなくこれより小さいのは、回転角度が大きくなるほど、バネ機構7が及ぼすバネ力が小さくなるからである。
 第1モデルと第2モデルの比較から推察することができるように、実施形態1のヒンジ機構において、バネ機構7が発生させるトルクの変化を、蓋9を支持するために必要なトルクの変化に近似させるため(つまり曲線C2を曲線C1に近似させるため)には、角度αの設定が最も重要である。
 ここで、図8Bに示す曲線と、図9に示す曲線C1とを比較して分かるように、第2のモデルで発生するトルクの変動幅は、蓋9を支持するために必要なトルクの変動幅よりも大きい。したがって、第2のモデルに対して、トルクの変動幅を小さくするための修正を加えることが望ましい。トルクの変動幅を小さくするために、実施形態1のヒンジ構造では、第4距離d4を第2距離d2よりも大きく設定している。また、実施形態1のヒンジ構造では、第1距離d1と第3距離d3の比を調整することで、第2リンク62が第2軸部52を介して第2部材2を引っ張る方向を、回転軸3の軸心3aを中心としかつ第2軸部52の軸心52aを通る仮想的な円の、軸心52aでの接線方向に近づけている。
 上述のアプローチに基づいた様々な試行錯誤により、発明者は、曲線C2を曲線C1に近似させるためには、角度αが下記の式(1)の関係を満たす範囲に設定されることが好ましいことを見出した。加えて、発明者は、曲線C2を曲線C1に近似させるためには、第1距離d1、第2距離d2、第3距離d3、及び第4距離d4が下記の式(2)の関係を満たす範囲に設定されることが好ましいことを見出した。
  α=(40-β)×1.2(±5)[°]  ・・・(1)
  d1:d2:d3:d4=1(±10%):1(±10%):1.5(±20%):1.4(±10%)  ・・・(2)
 上記の式(1)に示すように、角度αは、α=(40-β)×1.2[°]で算出される基準の角度から上下5°の範囲内で設定されることが好ましい。実施形態1のヒンジ構造においては、角度βが18°であるから、角度αを基準の角度である26.4°に設定している。式(1)によれば、曲線C2を曲線C1に近似させるためには、角度αは26.4°±5°の範囲内(つまり21.4°から31.4°の範囲内)で設定することが好ましい。
 加えて、実施形態1のヒンジ構造では、上記の式(2)の関係を満たすように、第1距離d1、第2距離d2、第3距離d3及び第4距離d4の比を、d1:d2:d3:d4=1:1:1.5:1.4となるように設定しているが、これに限定されず、第1距離d1、第2距離d2、及び第4距離d4においては上記値の上下10%の範囲内で設定することが許容され、第3距離d3においては上記関係の上下20%の範囲内で設定することが許容される。
 図10Aから図14Dに示すグラフは、式(1)と式(2)で示す範囲の臨界的意義を示すためのグラフである。
 図10Aから図10Dに示すグラフは、図9に示すグラフを基準として、角度αだけを相違させたグラフである。図10Aのグラフでは角度αを基準の値(26.4°)-10°とし、図10Bのグラフでは角度αを基準の値(26.4°)-5°とし、図10Cのグラフでは角度αを基準の値(26.4°)+5°とし、図10Dのグラフでは角度αを基準の値(26.4°)+10°としている。これらのグラフから、曲線C2を曲線C1に近似させるためには、角度αが基準の値±5°の範囲内にあることが好ましいと分かる。
 図11Aから図11Dに示すグラフは、図9に示すグラフを基準として、第1距離d1だけを相違させたグラフである。図11Aのグラフでは第1距離d1を基準の値-20%とし、図11Bのグラフでは第1距離d1を基準の値-10%とし、図11Cのグラフでは第1距離d1を基準の値+10%とし、図11Dのグラフでは第1距離d1を基準の値+20%としている。これらのグラフから、曲線C2を曲線C1に近似させるためには、第1距離d1が基準の値±10°の範囲内にあることが好ましいと分かる。
 図12Aから図12Dに示すグラフは、図9に示すグラフを基準として、第2距離d2だけを相違させたグラフである。図12Aのグラフでは第2距離d2を基準の値-20%とし、図12Bのグラフでは第2距離d2を基準の値-10%とし、図12Cのグラフでは第2距離d2を基準の値+10%とし、図12Dのグラフでは第1距離d1を基準の値+20%としている。これらのグラフから、曲線C2を曲線C1に近似させるためには、第2距離d2が基準の値±10°の範囲内にあることが好ましいと分かる。
 図13Aから図13Fに示すグラフは、図9に示すグラフを基準として、第3距離d3だけを相違させたグラフである。図13Aのグラフでは第3距離d3を基準の値-30%とし、図13Bのグラフでは第3距離d3を基準の値-20%とし、図13Cのグラフでは第3距離d3を基準の値-10%とし、図13Dのグラフでは第3距離d3を基準の値+10%とし、図13Eのグラフでは第3距離d3を基準の値+20%とし、図13Fのグラフでは第3距離d3を基準の値+30%としている。これらのグラフから、曲線C2を曲線C1に近似させるためには、第3距離d3が基準の値±20°の範囲内にあることが好ましいと分かる。
 図14Aから図14Dに示すグラフは、図9に示すグラフを基準として、第4距離d4だけを相違させたグラフである。図14Aのグラフでは第2距離d2を基準の値-20%とし、図14Bのグラフでは第4距離d4を基準の値-10%とし、図14Cのグラフでは第4距離d4を基準の値+10%とし、図14Dのグラフでは第4距離d4を基準の値+20%としている。これらのグラフから、曲線C2を曲線C1に近似させるためには、第4距離d4が基準の値±10°の範囲内にあることが好ましいと分かる。
 (実施形態2)
 次に、実施形態2のヒンジ構造について説明する。以下において、実施形態1と同様の構成については同一符号を付して詳しい説明を省略し、実施形態1と相違する構成についてのみ説明する。
 実施形態2のヒンジ構造においては、角度αと角度βのみが実施形態1と相違している。実施形態2のヒンジ構造においては、実施形態1の場合よりも蓋9の重心9cが低い位置にあり、具体的には角度β=30°である。これに対応して、角度αは上記の式(1)の関係を満たすように角度α=12°に設定している。第1距離d1、第2距離d2、第3距離d3、及び第4距離d4の比は、実施形態1と同様であり、上記の式(2)を満たしている。
 図15に示すように、実施形態2においても上記の式(1)(2)を満たすように主要なパラメータを設定したことで、曲線C2が曲線C1に良好に近似している。
 実施形態2のヒンジ構造における、式(1)と式(2)で示す範囲の臨界的意義は、図16Aから図20Dに示すグラフから理解することが可能である。
 図16Aから図16Dに示すグラフは、図15に示すグラフを基準として、角度αだけを相違させたグラフである。図16Aのグラフでは角度αを基準の値(12°)-10°とし、図16Bのグラフでは角度αを基準の値(12°)-5°とし、図16Cのグラフでは角度αを基準の値(12°)+5°とし、図16Dのグラフでは角度αを基準の値(12°)+10°としている。これらのグラフから、実施形態2のヒンジ構造においても曲線C2を曲線C1に近似させるためには、角度αが基準の値±5°の範囲内にあることが好ましいと分かる。
 図17Aから図17Dに示すグラフは、図15に示すグラフを基準として、第1距離d1だけを相違させたグラフである。図17Aのグラフでは第1距離d1を基準の値-20%とし、図17Bのグラフでは第1距離d1を基準の値-10%とし、図17Cのグラフでは第1距離d1を基準の値+10%とし、図17Dのグラフでは第1距離d1を基準の値+20%としている。これらのグラフから、実施形態2のヒンジ構造においても曲線C2を曲線C1に近似させるためには、第1距離d1が基準の値±10°の範囲内にあることが好ましいと分かる。
 図18Aから図18Dに示すグラフは、図15に示すグラフを基準として、第2距離d2だけを相違させたグラフである。図18Aのグラフでは第2距離d2を基準の値-20%とし、図18Bのグラフでは第2距離d2を基準の値-10%とし、図18Cのグラフでは第2距離d2を基準の値+10%とし、図18Dのグラフでは第1距離d1を基準の値+20%としている。これらのグラフから、実施形態2のヒンジ構造においても曲線C2を曲線C1に近似させるためには、第2距離d2が基準の値±10°の範囲内にあることが好ましいと分かる。
 図19Aから図19Fに示すグラフは、図15に示すグラフを基準として、第3距離d3だけを相違させたグラフである。図19Aのグラフでは第3距離d3を基準の値-30%とし、図19Bのグラフでは第3距離d3を基準の値-20%とし、図19Cのグラフでは第3距離d3を基準の値-10%とし、図19Dのグラフでは第3距離d3を基準の値+10%とし、図19Eのグラフでは第3距離d3を基準の値+20%とし、図19Fのグラフでは第3距離d3を基準の値+30%としている。これらのグラフから、実施形態2のヒンジ構造においても曲線C2を曲線C1に近似させるためには、第3距離d3が基準の値±20°の範囲内にあることが好ましいと分かる。
 図20Aから図20Dに示すグラフは、図15に示すグラフを基準として、第4距離d4だけを相違させたグラフである。図20Aのグラフでは第4距離d4を基準の値-20%とし、図20Bのグラフでは第4距離d4を基準の値-10%とし、図20Cのグラフでは第4距離d4を基準の値+10%とし、図20Dのグラフでは第4距離d4を基準の値+20%としている。これらのグラフから、実施形態2のヒンジ構造においても曲線C2を曲線C1に近似させるためには、第4距離d4が基準の値±10°の範囲内にあることが好ましいと分かる。
 以上、本開示のヒンジ構造を実施形態1,2に基づいて説明したが、本開示のヒンジ構造は実施形態1,2に限定されるものではなく、本開示の技術的思想の範囲内において適宜の設計変更を行うことが可能である。
 例えば、実施形態1においては角度αを26.4°±5°の範囲で設定し、実施形態2においては角度αを12°±5°の範囲内で設定しているが、45°以下となる範囲内において式(1)を満たすように角度αを設定することで、実用上問題のないフリーストップヒンジが実現される。
 (態様)
 以上述べた実施形態から明らかなように、第1の態様のヒンジ構造は、第1部材1、第2部材2、回転軸3、及びリンク機構4を備える。第1部材1は、上方を向く開口81を有する容器8に装着される。第2部材2は、開口81を閉じるための蓋9に装着される。回転軸3は、第1部材1と第2部材2を回転自在に連結させる。リンク機構4は、第1部材1と第2部材2を、回転軸3とは異なる箇所で連結させる。リンク機構4は、捩りコイル式のバネ機構7を含む。バネ機構7は、第2部材2に対して蓋9を引っ張り上げて開く方向のトルクを与えるように構成されている。回転軸3の軸心3aは、蓋9が開口81を閉じている状態において、蓋9の重心9cよりも上方に位置するように設けられている。リンク機構4は、開口81を閉じた姿勢を含む任意の姿勢で蓋9を静止させるように、第2部材2にトルクを与えるように構成されている。
 第1の態様のヒンジ構造によれば、開口81を閉じた姿勢で重心9cが低く位置するタイプ(つまり、重心9cが回転軸3の軸心3aよりも低く位置するタイプ)の蓋9を、バネ機構7が発生させるトルクによって、任意の姿勢で静止させることができる。そのため、重量の大きな蓋9であっても安全に開閉することが可能である。
 第2の態様のヒンジ構造は、第1の態様との組み合わせによって実現される。第2の態様のヒンジ構造において、リンク機構4は、第1軸部51、第1リンク61、第2軸部52、第2リンク62、第3軸部53、及びバネ機構7を含む。第1軸部51は、第1部材1に設けられる。第1リンク61は、第1軸部51を介して第1部材1に回転自在に連結する。第2軸部52は、第2部材2に設けられる。第2リンク62は、第2軸部52を介して第2部材2に回転自在に連結する。第3軸部53は、第1リンク61と第2リンク62を回転自在に連結させる。バネ機構7は、第1軸部51の外周を囲むように設けられる。リンク機構4は、第1部材1に対する第1リンク61の姿勢に応じてトルクを変化させ、開口81を閉じた姿勢を含む任意の姿勢で蓋9を静止させるように、第2部材2にトルクを与えるように構成されている。
 第2の態様のヒンジ構造によれば、第1リンク61、第3軸部53、第2リンク62、及び第2軸部52を介して、第2部材2に対して蓋9を引っ張り上げるトルクを発生させ、重心9cの位置が低いタイプの蓋9を、任意の姿勢で静止させることができる。
 第3の態様のヒンジ構造は、第2の態様との組み合わせによって実現される。第3の態様のヒンジ構造において、角度αは、45°以下で設定されている。角度αは、回転軸3の軸心3aと第1軸部51の軸心51aを含む第1平面P1と、回転軸3の軸心3aと第2軸部52の軸心52aを含む第2平面P2とがなす角度である。
 第3の態様のヒンジ構造によれば、発明者により最重要のパラメータであることが見出された角度αの設定によって、重心9cの位置が低いタイプの蓋9を、バネ機構7が及ぼすバネ力を用いて任意の姿勢で静止させることが、実現される。
 第4の態様のヒンジ構造は、第2の態様との組み合わせによって実現される。第4の態様のヒンジ構造において、角度αは、角度βに基づいて、α=(40-β)×1.2(±5)[°]の関係を満たす範囲に設定される。角度αは、回転軸3の軸心3aと第1軸部51の軸心51aを含む第1平面P1と、回転軸3の軸心3aと第2軸部52の軸心52aを含む第2平面P2とがなす角度である。角度βは、回転軸3の軸心3aと蓋9の重心9cを含む第3平面P3と、回転軸3の軸心3aを含む水平面Phとがなす角度である。
 第4の態様のヒンジ構造によれば、発明者により最重要のパラメータであることが見出された角度αの設定によって、重心9cの位置が低いタイプの蓋9を、バネ機構7が及ぼすバネ力を用いて任意の姿勢で静止させることが、実現される。
 第5の態様のヒンジ構造は、第3又は第4の態様との組み合わせによって実現される。第5の態様のヒンジ構造において、第1距離d1と、第2距離d2と、第3距離d3と、第4距離d4とが、d1:d2:d3:d4=1(±10%):1(±10%):1.5(±20%):1.4(±10%)の関係を満たす範囲に設定される。第1距離d1は、回転軸3の軸心3aと第1軸部51の軸心51aとの間の距離である。第2距離d2は、回転軸3の軸心3aと第2軸部52の軸心52aとの間の距離である。第3距離d3は、第2軸部52の軸心52aと第3軸部53の軸心53aとの間の距離である。第4距離d4は、第3軸部53の軸心53aと第1軸部51の軸心51aとの間の距離である。
 第5の態様のヒンジ構造によれば、より高精度のフリーストップヒンジが実現される。
 1 第1部材
 2 第2部材
 3 回転軸
 3a 軸心
 4 リンク機構
 51 第1軸部
 51a 軸心
 52 第2軸部
 52a 軸心
 53 第3軸部
 53a 軸心
 61 第1リンク
 62 第2リンク
 7 バネ機構
 8 容器
 80 容器本体
 81 開口
 9 蓋
 9c 重心
 d1 第1距離
 d2 第2距離
 d3 第3距離
 d4 第4距離
 P1 第1平面
 P2 第2平面
 P3 第3平面
 Ph 水平面

Claims (5)

  1.  上方を向く開口を有する容器に装着される第1部材と、
     前記開口を閉じるための蓋に装着される第2部材と、
     前記第1部材と前記第2部材を回転自在に連結させる回転軸と、
     前記第1部材と前記第2部材を前記回転軸とは異なる箇所で連結させるリンク機構と、を備え、
     前記リンク機構は、
     前記第2部材に対して前記蓋を引っ張り上げて開く方向のトルクを与えるように構成された捩りコイル式のバネ機構を含み、
     前記回転軸の軸心は、前記蓋が前記開口を閉じている状態において、前記蓋の重心よりも上方に位置するように設けられており、
     前記リンク機構は、前記開口を閉じた姿勢を含む任意の姿勢で前記蓋を静止させるように、前記第2部材に前記トルクを与えるように構成されている
     ヒンジ構造。
  2.  前記リンク機構は、
     前記第1部材に設けられた第1軸部と、
     前記第1軸部を介して前記第1部材に回転自在に連結する第1リンクと、
     前記第2部材に設けられた第2軸部と、
     前記第2軸部を介して前記第2部材に回転自在に連結する第2リンクと、
     前記第1リンクと前記第2リンクを回転自在に連結させる第3軸部と、
     前記第1軸部の外周を囲むように設けられた前記バネ機構と、を含み、
     前記リンク機構は、前記第1部材に対する前記第1リンクの姿勢に応じて前記トルクを変化させ、前記開口を閉じた姿勢を含む任意の姿勢で前記蓋を静止させるように、前記第2部材に前記トルクを与えるように構成されている
     請求項1のヒンジ構造。
  3.  前記回転軸の前記軸心と前記第1軸部の軸心を含む平面と、前記回転軸の前記軸心と前記第2軸部の軸心を含む平面とがなす角度αは、45°以下で設定されている
     請求項2のヒンジ構造。
  4.  前記回転軸の前記軸心と前記第1軸部の軸心を含む平面と、前記回転軸の前記軸心と前記第2軸部の軸心を含む平面とがなす角度αは、前記回転軸の前記軸心と前記蓋の前記重心を含む平面と、前記回転軸の前記軸心を含む水平面とがなす角度βに基づいて、α=(40-β)×1.2(±5)[°]の関係を満たす範囲に設定される
     請求項2のヒンジ構造。
  5.  前記回転軸の前記軸心と前記第1軸部の前記軸心との間の第1距離d1と、前記回転軸の前記軸心と前記第2軸部の前記軸心との間の第2距離d2と、前記第2軸部の前記軸心と前記第3軸部の前記軸心との間の第3距離d3と、前記第3軸部の前記軸心と前記第1軸部の前記軸心との間の第4距離d4とが、d1:d2:d3:d4=1(±10%):1(±10%):1.5(±20%):1.4(±10%)の関係を満たす範囲に設定される
     請求項3又は4のヒンジ構造。
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