WO2020170955A1 - 燃焼装置およびこれを備えた温水装置 - Google Patents
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Abstract
燃焼装置Cは、炎孔プレート2、この炎孔プレート2の外周縁寄り部分が背後に重ねられる枠状の前壁部10を有する枠状ベース1、点火プラグ6、および枠状ベース1の前壁部10に設けられ、かつ前壁部10の内周部10aから炎孔プレート2の表面部側に向けて部分的に突出する突出部12を備えており、点火プラグ6は、突出部12の燃料ガス流れ方向下流側に位置して突出部12に対向し、突出部12は、点火プラグ6に対応するスパーク発生用のターゲットとされている。このような構成によれば、着火性能を良好にし得るとともに、製造コストの低減化なども適切に図ることが可能である。
Description
本発明は、全1次燃焼式バーナ、あるいは全面燃焼バーナなどと称されるタイプの燃焼装置、およびこれを備えた給湯装置などの温水装置に関する。
燃焼装置の具体例として、特許文献1に記載のものがある。
同文献に記載の燃焼装置においては、複数の炎孔が設けられている炎孔プレートが、枠状ベースに固定されて支持されている。枠状ベースは、炎孔プレートの表面部の外周縁部に当接する枠状の前壁部、およびこの前壁部からその背面側に起立する矩形筒状の起立壁部を有している。炎孔プレートの複数の炎孔は、炎孔プレートの背面側から供給されてくる燃料ガスと空気との混合ガスを炎孔プレートの表面側に通過させ、かつこの表面側領域に、前記燃料ガスの燃焼領域を形成するための孔である。
同文献に記載の燃焼装置においては、複数の炎孔が設けられている炎孔プレートが、枠状ベースに固定されて支持されている。枠状ベースは、炎孔プレートの表面部の外周縁部に当接する枠状の前壁部、およびこの前壁部からその背面側に起立する矩形筒状の起立壁部を有している。炎孔プレートの複数の炎孔は、炎孔プレートの背面側から供給されてくる燃料ガスと空気との混合ガスを炎孔プレートの表面側に通過させ、かつこの表面側領域に、前記燃料ガスの燃焼領域を形成するための孔である。
このような燃焼装置においては、他のタイプの燃焼装置と同様に、スパークを利用して燃焼ガスに点火をする必要があり、そのための手段として、点火電極および接地電極からなる2芯タイプの点火プラグが、炎孔プレートの表面領域に設けられている。
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように、改善すべき余地があった。
第1に、点火プラグは、炎孔プレートの表面領域に設けられているため、炎孔プレートの複数の炎孔を通過した燃料ガスと空気との混合ガスの流れに直接晒された状態となる。ここで、前記した混合ガスは、比較的微小な炎孔を通過するため、この炎孔を通過した混合ガスの流速は、かなりの高速になるのが一般的である。このため、点火プラグを利用してスパークを発生させたとしても、前記混合ガスへの着火不良を生じる場合があり、着火性能の点で改善の余地があった。
第2に、点火プラグは、2芯タイプであるため、1芯タイプの点火プラグと比較すると、その部品コストが高く、また部品点数も多くなるため、その組み付け作業工数も多くなる。したがって、生産性を高め、製造コストの低減を図る上においては、そのようなことも改善することが望まれる。
本発明の目的は、着火性能を良好にし得るとともに、製造コストの低減なども適切に図ることが可能な燃焼装置、およびこれを備えた温水装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面により提供される燃焼装置は、複数の炎孔が設けられた炎孔プレートと、この炎孔プレートの外周縁寄り部分が背後に重ねられる枠状の前壁部を有する枠状ベースと、前記複数の炎孔を前記炎孔プレートの背後からその表面部側に通過した燃料ガスに点火を行なうための点火プラグと、前記枠状ベースの前記前壁部に設けられ、かつ前記前壁部の内周部から前記炎孔プレートの表面部側に部分的に突出する突出部と、を備えており、前記点火プラグは、前記突出部の燃料ガス流れ方向下流側に位置して前記突出部に対向しており、前記突出部は、前記点火プラグに対応するスパーク発生用のターゲットとされていることを特徴としている。
好ましくは、前記突出部は、先端部が基端部よりも幅狭な形状である。
好ましくは、前記突出部は、前記炎孔プレートの表面部との間に隙間が形成されるように、前記表面部から前記点火プラグ寄りにオフセットされた配置である。
好ましくは、前記点火プラグの先端部は、前記突出部の先端寄り部分に対向接近している。
本発明の第2の側面により提供される燃焼装置は、複数の炎孔が設けられた炎孔プレートと、前記複数の炎孔を前記炎孔プレートの背後からその表面部側に通過した燃料ガスに点火を行なうための点火プラグと、前記炎孔プレートのうち、前記複数の炎孔が設けられていない領域に設けられ、かつ燃料ガス流れ方向下流側に部分的に膨出する膨出部と、を備えており、前記点火プラグは、前記膨出部の燃料ガス流れ方向下流側に位置して前記膨出部に対向しており、前記膨出部は、前記点火プラグに対応するスパーク発生用のターゲットとされていることを特徴としている。
好ましくは、本発明に係る燃焼装置は、前記炎孔プレートの外周縁寄り部分が背後に重ねられる枠状の前壁部を有する枠状ベースを、さらに備えており、前記膨出部は、前記前壁部の内周部に接近した配置である。
本発明の第3の側面により提供される燃焼装置は、複数の炎孔が設けられた炎孔プレートと、前記複数の炎孔を前記炎孔プレートの背後からその表面部側に通過した燃料ガスに点火を行なうための点火プラグと、前記炎孔プレートに対向するようにして前記炎孔プレートの背後に配された通気性を有するディストリビューションプレートと、このディストリビューションプレートに設けられ、かつ前記炎孔プレートに設けられた貫通孔を通過して前記炎孔プレートの表面部側に部分的に突出する突出部と、を備えており、前記点火プラグは、前記突出部の燃料ガス流れ方向下流側に位置して前記突出部に対向しており、前記突出部は、前記点火プラグに対応するスパーク発生用のターゲットとされていることを特徴としている。
好ましくは、前記炎孔プレートの外周縁寄り部分が背後に重ねられる枠状の前壁部を有する枠状ベースを、さらに備えており、前記突出部は、前記ディストリビューションプレートから前記燃料ガス流れ方向下流側に起立する起立部と、この起立部の先端に屈曲した形態で繋がり、かつ前記枠状ベースの前記前壁部の内周部に接近する屈曲片部と、を有しており、前記屈曲片部は、前記前壁部の内周部寄りの基端部よりも先端部の方が幅狭な形状であり、前記点火プラグの先端部は、前記屈曲片部の先端寄り部分に対向接近している。
本発明の第4の側面により提供される温水装置は、本発明の第1ないし第3の側面のいずれかにより提供される燃焼装置と、この燃焼装置を用いて発生される燃焼ガスからの熱回収により湯水加熱を行なうことが可能な熱交換器と、を備えていることを特徴としている。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1Aに示す温水装置WHは、バーナユニットUを用いて構成された燃焼装置Cと、湯水加熱用の熱交換器HEとを組み合わせて構成されている。
燃焼装置Cの詳細については後述するが、この燃焼装置Cは、逆燃焼方式であり、この燃焼装置Cの下側に配された熱交換器HEの缶体8内に燃焼ガスを供給可能である。
熱交換器HEは、缶体8内に、複数の伝熱管9A,9Bが収容された構成である。複数の伝熱管9Aは、いわゆる胴パイプであり、缶体8の内周面に沿って配されている。複数の伝熱管9Bは、吸熱用のフィン90に貫通して略水平状に並んだ状態で一連に接続されている。伝熱管9Aの一端側の入水口91aに外部から供給された湯水は、伝熱管9Aを矢印N1~N5で示す経路で流れてから、矢印N6に示すように伝熱管9Bに到り、かつこの伝熱管9Bを矢印N7~N9で示す経路で流れて出湯口91bに到達する。このような過程において、前記湯水は、燃焼装置Cによって発生された燃焼ガスによって加熱され、出湯口91bから出湯し、所望の給湯先に送られる。
燃焼装置Cは、バーナユニットUに加え、このバーナユニットUの上側を覆うバーナケース5、点火プラグ6、および燃料ガスと空気との混合ガスをバーナケース5内に供給するファンFを備えている。バーナケース5には、燃料ガス導入口50が設けられており、この燃料ガス導入口50を介してファンFから吐出される前記混合ガスがバーナケース5内に供給されるように構成されている。燃料ガス導入口50には、バーナケース5内からファンF側に前記混合ガスが逆流することを防止するための逆止弁(不図示)が設けられている。
バーナユニットUは、枠状ベース1、炎孔プレート2、およびディストリビューションプレート3を備えている(図2A,図2Bも参照。ただし、図2Aは、図1A,図1Bとは、バーナユニットUの向きが上下反対に示されている)。
炎孔プレート2は、耐熱性に優れた金属製(たとえばステンレス製)であり、この炎孔プレート2の厚み方向に貫通した複数の炎孔20を有している。なお、本実施形態においては、枠状ベース1およびディストリビューションプレート3も、ステンレス製などの金属製である。複数の炎孔20は、炎孔プレート2の背面側に供給されてきた燃料ガスと空気との混合ガスを通過させ、炎孔プレート2の表面部側において燃料ガスを燃焼させるための孔である。たとえば、図2A,図2Bに示す炎孔プレート2のうち、網点模様が付された領域S1に複数の炎孔20が適当な配列で設けられている。複数の炎孔20は、たとえば図1Cに示すような丸孔であるが、これに限定されず、矩形または矩形スリット状の孔や、これら異なる形状の孔を複合的に設けるなど、種々の態様に設けることができる。
枠状ベース1は、炎孔プレート2の支持部材として、またカバー部材としての役割を果たす部材であり、炎孔プレート2の表面部の外周縁寄り部分に当接する枠状の前壁部10、この前壁部10から枠状ベース1の背面側(図1A,図1Bの上側)に起立する起立壁部11、およびこの起立壁部11の後端部に連設されたフランジ部13を備えている。ただし、本実施形態においては、後述するように、この枠状ベース1には、点火プラグ6に対応するスパーク発生用のターゲットとしての突出部12が設けられている。
ディストリビューションプレート3は、背後から供給されてくる燃料ガスと空気との混合ガスの整流を図って複数の炎孔20に導くための複数の分配孔30が設けられたプレートである。図2Bに示されたディストリビューションプレート3のうち、網点模様が付された領域S2に、複数の分配孔30が適当な配列で設けられている。ディストリビューションプレート3は、炎孔プレート2の背後に位置し、かつその外周縁部が枠状ベース1の起立壁部11に溶接されるなどして、枠状ベース1に固定されている。
ディストリビューションプレート3には、炎孔プレート2側に突出して炎孔プレート2に当接する複数の凸状部31が設けられている。このことにより、炎孔プレート2は、複数の凸状部31と枠状ベース1の前壁部10との相互間に挟まれた状態で保持されている。ディストリビューションプレート3は、枠状ベース1に溶接などの手段を用いて接合されているが、炎孔プレート2は、枠状ベース1に対して非接合である。好ましくは、炎孔プレート2の外周囲には、起立壁部11に対する隙間14が形成されている。このことにより、燃焼装置Cが駆動燃焼して炎孔プレート2が熱膨張した際に、炎孔プレート2の外周縁部が起立壁部11と強く干渉することを回避し、炎孔プレート2に大きな熱応力を生じないようにすることが可能である。
バーナユニットUは、枠状ベース1のフランジ部13が、バーナケース5のフランジ部51に対し、ビスなどの締結部材49を用いて取付けられている。バーナケース5は、枠状の補助プレート59を介して熱交換器HEの缶体8の上側のフランジ部82に、ビスなどの締結部材48を用いて取付けられている。
枠状ベース1の前壁部10には、突出部12が設けられている。より具体的には、この突出部12は、前壁部10の内周部10aから炎孔プレート2の中央部寄りに向けて(炎孔プレート2の表面部側に向けて)部分的に突出している。また、この突出部12は、炎孔プレート2の表面部に沿い、かつ炎孔20と干渉するように配置されている。図1Cに示すように、この突出部12は、燃焼装置Cの底面視(突出部12自体の正面視)において、先端部の幅Laが基端部の幅Lbよりも狭くされた略三角形状である。図示説明は省略するが、枠状ベース1は、電気的に接地されており、陽極としての点火プラグ6に対応するスパーク発生用のターゲットとされている。
点火プラグ6は、電圧印加がなされる陽極としての芯材60が絶縁ホルダ61に保持された構成であり、バーナケース5に設けられた点火プラグ取付け用壁部58に設けられた孔部57に差し込まれた状態に取付けられている。この点火プラグ6の先端部60a(芯材60の先端部60a)は、突出部12の下方(燃料ガス流れ方向下流側)に位置し、かつ突出部12の先端寄り部分に対向接近している。点火プラグ6の先端部60aと、突出部12との相互間距離は、これら両者間にスパークを発生させ得る距離である。
次に、前記した燃焼装置Cおよびこれを備えた温水装置WHの作用について説明する。
まず、温水装置WHを駆動させるには、伝熱管9A,9Bに湯水を流通させた状態において、ファンFからバーナケース5内に燃料ガスと空気との混合ガスの供給を開始させて前記燃料ガスに着火し、燃焼させる。燃料ガスへの着火は、点火プラグ6の先端部60aと、スパーク発生用のターゲットとしての突出部12との相互間領域(スパーク発生領域Sa)にスパークを発生させることにより行なうが、スパーク発生領域Saは、突出部12の燃料ガス流れ方向下流側に位置しており、炎孔20を通過した高速の燃料ガス流(燃料ガスと空気との混合ガス流)がスパーク発生領域Saに直接進行することはない。スパーク発生領域Saには、突出部12の傍らを通過した燃料ガス流の一部が流速の遅い渦流となって到達する。したがって、スパークを発生させた場合に、燃料ガス流が高速であることに起因して燃料ガスへの着火がなされない事態を発生しないようにし、燃料ガスへの着火を確実なものとすることができる。
突出部12は、既述したように、先端部の幅Laが基端部の幅Lbよりも狭い略三角形状とされており、また点火プラグ6の先端部60aは、突出部12の先端寄り部分に対向接近している。このため、点火プラグ6への電圧印加時には、点火プラグ6と突出部12との間でスパークを安定的に発生させることも可能である。その結果、燃焼装置Cの着火性能を優れたものとすることが可能である。
一方、点火プラグ6は、1芯タイプでよく、点火電極および接地電極からなる2芯タイプの点火プラグを用いる必要はない。その結果、点火プラグ6の部品コストを廉価にし得るとともに、点火プラグ6の取付け構造を簡素とし、生産性の向上や製造コストの低減を適切に図ることもできる。
図3A~図8Cは、本発明の他の実施形態を示している。これらの図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付すこととし、重複説明は省略する。
図3A,図3Bに示す実施形態においては、スパーク発生用のターゲットとしての突出部12が、前壁部10の周辺部分よりも下方(燃料ガス流れ方向下流側)にオフセットされている。このことにより、突出部12と炎孔プレート2の表面部との間には、隙間15または15aが形成されている。図3Aにおいては、突出部12の基端部が屈曲部とされ、突出部12は、炎孔プレート2の表面部に対して斜めに延びている。図3Bにおいては、突出部12の基端部に段差部が形成されており、突出部12は、炎孔プレート2の表面部と略平行に延びている。
このような構成によれば、突出部12を前壁部10や炎孔プレート2の他の部分よりも点火プラグ6の先端部60aにより接近させることができる。したがって、スパークを確実に発生させる上で好ましいものとなる。また、突出部12は、炎孔20を塞がないため、炎孔プレート2の表面部における燃料ガスの燃焼領域の均一化などを図る上でも好ましいものとなる。
図4A~図4Cは、突出部の形状の他の具体例を示している。図4Aに示す突出部12Aは、先端部の幅Lcが基端部の幅Ldよりも狭い略台形状とされており、図4Bに示す突出部12Bは、略半円状とされている。このような構成によれば、突出部12Bは、先端部が基端部よりも幅狭な形状であるため、上述の実施形態の略三角形状の突出部12と同様に、スパークを安定的に発生させる上で好ましい。
図4Cに示す突出部12Cは、基端部から先端部にわたって幅が略一定の略矩形状である。このような構成であっても、スパークを適切に発生させることが可能である。これらの実施形態から理解されるように、本発明における突出部は、様々な形状とすることが可能である。突出部のサイズなども限定されない。
図5に示す実施形態においては、炎孔プレート2に膨出部22が設けられている。この膨出部22は、炎孔プレート2のうち、複数の炎孔20が設けられていない領域の表面部が、その下方(燃料ガス流れ方向下流側)に向けて部分的に膨出した部分であり、スパーク発生用のターゲットであって、電気的に接地された状態にある(炎孔プレート2の全体が接地状態にある)。点火プラグ6の先端部60aは、膨出部22の下方に位置して膨出部22に対向接近している。
本実施形態においては、点火プラグ6の先端部60aと膨出部22との相互間領域が、スパーク発生領域Sbとなるが、このスパーク発生領域Sbには、炎孔20を通過した高速の燃料ガス流が直接進行することはなく、膨出部22の傍らを通過する燃料ガスの一部が低速の渦流となって到達する。したがって、燃料ガスの流速が高速であることに起因して、燃料ガスへの着火不良が発生することを適切に防止することが可能である。また、点火プラグ6としては、2芯タイプの高価なものを用いる必要がなくなるため、製造コストの低減化などを図ることができる。
図6に示す実施形態においては、点火プラグ6が熱交換器HEの缶体8に設けられた孔部88に差し込まれた状態で取付けられている。点火プラグ6は、本実施形態のように、燃焼装置Cの構成部材とは異なる部材に取付けられた構成とすることも可能である。
図7Aおよび図7Bに示す実施形態においては、ディストリビューションプレート3に、突出部32が設けられている。この突出部32は、ディストリビューションプレート3の表面から炎孔プレート2に設けられた貫通孔21を通過して炎孔プレート2の表面部側の燃焼領域に突出している。
より具体的には、前記した突出部32は、ディストリビューションプレート3から下向き(燃料ガス流れ方向下流側)に起立する起立部32aと、この起立部32aの先端に屈曲した形態で繋がった屈曲片部32bとを有している。屈曲片部32bは、前壁部10の内周部10aに接近している。また、屈曲片部32bは、図7Bに示すように、底面視において、前壁部10の内周部10a寄りの基端部の幅Leよりも先端部の幅Lfの方が狭い略三角形状とされている。点火プラグ6の先端部60aは、屈曲片部32bの下方に位置し、かつ屈曲片部32bの先端寄り部分に対向接近しており、これらの相互間領域は、スパーク発生領域Saとされている。屈曲片部32bを含む突出部32は、電気的に接地されており、陽極としての点火プラグ6に対応するスパーク発生用のターゲットとなっている。
このような構成によれば、スパーク発生領域Saは、突出部32の屈曲片部32bの燃料ガス流れ方向下流側に位置しており、炎孔20を通過した高速の燃料ガス流がスパーク発生領域Saに直接進行することはない。スパーク発生領域Saには、屈曲片部32bの傍らを通過した燃料ガス流の一部が流速の遅い渦流となって到達する。したがって、燃料ガス流が高速であることに起因して燃料ガスへの着火がなされない事態を防止し、燃料ガスへの着火を確実なものとすることができる。また、屈曲片部32bは、図1Cに示した突出部12と同様な略三角形状であり、点火プラグ6の先端部60aは、屈曲片部32bの先端寄り部分に対向接近しているため、点火プラグ6への電圧印加時には、点火プラグ6と屈曲片部32bとの間でスパークを安定的に発生させ、着火性能を一層優れたものにすることが可能である。
図8A~図8Cは、突出部32の屈曲片部32bの形状の他の具体例を示している。図8A~図8Cにそれぞれ示す屈曲片部32bは、図4A~図4Cに示した突出部12A~12Cと同様に、底面視略台形状、略半円状、および略矩形状とされている。これらの実施形態に示すように、突出部32の屈曲片部32bの具体的な形状は種々に変更可能である。ただし、スパークを安定的に発生させる上では、図8A、図8B、および図7Bに示すように、屈曲片部32bを先細の形状とすることが好ましい。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る燃焼装置、および温水装置の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
上述の実施形態においては、炎孔プレート2の周囲に隙間14を設け、また炎孔プレート2をディストリビューションプレート3によって押圧することにより、炎孔プレート2の熱膨張時に大きな熱応力が発生しないようにしており、好ましいが、本発明はこれに限定されない。本発明においては、たとえば炎孔プレート2を枠状ベース1に溶接などの手段を用いて固定させた構成とすることもできる。
炎孔プレート2に点火プラグ6に対応するスパーク発生用のターゲットとしての膨出部22を設ける場合には、炎孔プレート2を導電性の材質とする必要があるものの、枠状ベース1に点火プラグ6に対応するスパーク発生用のターゲットとしての突出部12を設ける場合や、ディストリビューションプレート3に突出部32を設ける場合には、炎孔プレート2を導電性の材質にする必要はなく、たとえばセラミックス製などとすることも可能である。
図1Aに示した温水装置WHは、逆燃焼方式とされているが、本発明はこれに限定されず、たとえば熱交換器の下側に燃焼装置が配され、かつこの燃焼装置から上向きに燃焼ガスが進行する正燃焼方式とすることもできる。温水装置を構成する熱交換器の具体的な構成も限定されない。
Claims (9)
- 燃焼装置であって、
複数の炎孔が設けられた炎孔プレートと、
この炎孔プレートの外周縁寄り部分が背後に重ねられる枠状の前壁部を有する枠状ベースと、
前記複数の炎孔を前記炎孔プレートの背後からその表面部側に通過した燃料ガスに点火を行なうための点火プラグと、
前記枠状ベースの前記前壁部に設けられ、かつ前記前壁部の内周部から前記炎孔プレートの表面部側に部分的に突出する突出部と、
を備えており、
前記点火プラグは、前記突出部の燃料ガス流れ方向下流側に位置して前記突出部に対向しており、前記突出部は、前記点火プラグに対応するスパーク発生用のターゲットとされていることを特徴としている。 - 請求項1に記載の燃焼装置であって、
前記突出部は、先端部が基端部よりも幅狭な形状である。 - 請求項1または2に記載の燃焼装置であって、
前記突出部は、前記炎孔プレートの表面部との間に隙間が形成されるように、前記表面部から前記点火プラグ寄りにオフセットされた配置である。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の燃焼装置であって、
前記点火プラグの先端部は、前記突出部の先端寄り部分に対向接近している。 - 燃焼装置であって、
複数の炎孔が設けられた炎孔プレートと、
前記複数の炎孔を前記炎孔プレートの背後からその表面部側に通過した燃料ガスに点火を行なうための点火プラグと、
前記炎孔プレートのうち、前記複数の炎孔が設けられていない領域に設けられ、かつ燃料ガス流れ方向下流側に部分的に膨出する膨出部と、
を備えており、
前記点火プラグは、前記膨出部の燃料ガス流れ方向下流側に位置して前記膨出部に対向しており、前記膨出部は、前記点火プラグに対応するスパーク発生用のターゲットとされていることを特徴としている。 - 請求項5に記載の燃焼装置であって、
前記炎孔プレートの外周縁寄り部分が背後に重ねられる枠状の前壁部を有する枠状ベースを、さらに備えており、
前記膨出部は、前記前壁部の内周部に接近した配置である。 - 燃焼装置であって、
複数の炎孔が設けられた炎孔プレートと、
前記複数の炎孔を前記炎孔プレートの背後からその表面部側に通過した燃料ガスに点火を行なうための点火プラグと、
前記炎孔プレートに対向するようにして前記炎孔プレートの背後に配された通気性を有するディストリビューションプレートと、
このディストリビューションプレートに設けられ、かつ前記炎孔プレートに設けられた貫通孔を通過して前記炎孔プレートの表面部側に部分的に突出する突出部と、
を備えており、
前記点火プラグは、前記突出部の燃料ガス流れ方向下流側に位置して前記突出部に対向しており、前記突出部は、前記点火プラグに対応するスパーク発生用のターゲットとされていることを特徴としている。 - 請求項7に記載の燃焼装置であって、
前記炎孔プレートの外周縁寄り部分が背後に重ねられる枠状の前壁部を有する枠状ベースを、さらに備えており、
前記突出部は、前記ディストリビューションプレートから前記燃料ガス流れ方向下流側に起立する起立部と、この起立部の先端に屈曲した形態で繋がり、かつ前記枠状ベースの前記前壁部の内周部に接近する屈曲片部と、を有しており、
前記屈曲片部は、前記前壁部の内周部寄りの基端部よりも先端部の方が幅狭な形状であり、
前記点火プラグの先端部は、前記屈曲片部の先端寄り部分に対向接近している。 - 温水装置であって、
請求項1ないし8のいずれかに記載の燃焼装置と、
この燃焼装置を用いて発生される燃焼ガスからの熱回収により湯水加熱を行なうことが可能な熱交換器と、
を備えていることを特徴としている。
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WO (1) | WO2020170955A1 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2020-02-14 WO PCT/JP2020/005730 patent/WO2020170955A1/ja active Application Filing
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