WO2020045332A1

WO2020045332A1 - ストロークセンサ

Info

Publication number: WO2020045332A1
Application number: PCT/JP2019/033228
Authority: WO
Inventors: 龍二吉田
Original assignee: 日本精機株式会社
Priority date: 2018-08-31
Filing date: 2019-08-26
Publication date: 2020-03-05

Abstract

気密検査に要するコストの低廉化を図ることができるストロークセンサを提供する。　本発明に係るストロークセンサ１００は、ハウジング２００と、ハウジング２００の内部に設けられた収容空間２０１に少なくとも一部が収容され、被検出体の作動に伴い順方向と逆方向に往復移動するシャフト３００と、シャフト３００に設けられた磁石５００と、シャフト３００の移動に伴い変化する磁石５００による磁界を検出する磁気検出素子６００と、磁気検出素子６００が設けられた基板７００と、ハウジング２００において収容空間２０１の外部に形成され、基板７００が収納される基板収納部２０２とを備え、ハウジング２００に、基板収納部２０２と収容空間２０１とを連通するねじ孔２０３が形成されている。

Description

ストロークセンサ

　本発明は、自動二輪車のクイックシフター等に用いられるストロークセンサに関する。

　自動二輪車のクイックシフター等に用いられるストロークセンサとして、例えば特許文献１に記載されたものがある。このストロークセンサは、図６及び図７に示すように、車両に搭載される可動部品（自動二輪車の変速機のシフトペダル等）である被検出体に直接又は間接的に連結され、被検出体の作動に伴い往復移動するシャフト１の一部が、第１ケース２及び第２ケース３からなるハウジング４の内部に形成された収容空間５に収容されて概略構成されている。

　詳しくは、収容空間５においてシャフト１の周囲には、ピストン６，６及びばね７からなる原点復帰手段８が設けられ、シャフト１には、シャフト１の軸方向に二極が着磁された磁石９が設けられ、ハウジング４には、磁石９と対向するように磁気検出素子１０が基板１１上に設けられるとともに、シャフト１との間に異物が入らないようにパッキン１２が組み付けられている。

　そして、被検出体が作動してシャフト１が図７の右方向に移動すると、磁気検出素子１０が磁石９による磁界の向きの変化を検出し、その検出結果が基板１１に接続されたコード（ケーブル）１３により出力され、被検出体の作動（変位）が検出される。コード１３は、図６においては、シャフト１の軸方向に直交する下向きに引き出されているが、ストロークセンサが用いられる車種によっては、逆側（図６において上向き）に引き出されることもある。

特開２０１８－４４１４号公報

　ところで、ストロークセンサについては、収容空間の気密性を確認するために、気密検査が行われるが、特許文献１に記載のようなストロークセンサは、収容空間５が密封されているために、気密検査では差圧式エアリークテスターによりマスターサンプルとのリークによる圧力差が測定されていた。

　しかしながら、この測定方法は、ストロークセンサが正常な場合（正常品の場合）とそうでない場合（ＮＧ品の場合）とで測定される信号の差が弱く、精度が高くない上、測定器具が高価で、かつ、第１ケース２と第２ケース３との接合箇所及びパッキン１２の組付箇所の２箇所を検査しなければならなかったので、コストがかかるという問題があった。

　また、特許文献１に記載のストロークセンサのように、基板１１に接続されたコード１３の引出方向がシャフト１の軸方向に直交していると、ストロークセンサを多車種に展開して（ストロークセンサが採用される車種を増やして）車両の仕様に合わせてコードを逆向きに引き出さなければならなくなった場合に、別形状のハウジング又はその部品を用意しなければならず、やはりコストがかかるという問題があった。

　本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、気密検査又は多車種への展開に要するコストの低廉化を図ることができるストロークセンサを提供することを課題としている。

　上記課題を解決するため、本発明に係るストロークセンサは、ハウジングと、前記ハウジングの内部に設けられた収容空間に少なくとも一部が収容され、被検出体の作動に伴い順方向と逆方向に往復移動するシャフトと、前記シャフトに設けられた磁石と、前記シャフトの移動に伴い変化する前記磁石による磁界を検出する磁気検出素子と、前記磁気検出素子が設けられた基板と、前記ハウジングにおいて前記収容空間の外部に形成され、前記基板が収納される基板収納部とを備え、前記ハウジングに、前記基板収納部と前記収容空間とを連通する連通部が形成されていることを特徴とする。

　前記基板収納部には、前記基板をねじ止めするためのねじ止め孔が形成され、前記連通部は、前記ねじ止め孔が前記収容空間まで連通することにより形成されていてもよい。

　また、前記ハウジングには、前記基板に接続されるコードを前記シャフトの軸方向に引き出すためのコード引出部が形成されていてもよく、このとき、前記基板収納部が、前記ハウジングの外周面の一部を凹状とすることにより形成され、前記コード引出部が、前記基板収納部から外側に向かって浅くなるように傾斜して形成され、前記コードを受ける底面と、前記底面が受けるコードを挟む一対の側面とを備えていてもよい。

　さらに、前記基板収納部に、前記基板を位置決めするための複数の位置決め突起が形成され、前記基板に、前記位置決め突起が挿通する複数の挿通部が形成されるとともに、コードが接続される複数の端子が基準直線に対して対称に設けられ、前記複数の位置決め突起及び前記複数の挿通部が、前記基準直線に対して非対称に形成されていてもよい。

　本発明に係るストロークセンサによれば、気密検査又は多車種への展開に要するコストの低廉化を図ることができる。

発明を実施するための形態に係るストロークセンサを示す説明図である。図１のストロークセンサのII－II線に沿った断面図である。図１のストロークセンサの基板にコードが接続されていない状態を示す説明図である。図１のストロークセンサのIV－IV線に沿った断面図である。基板及び基板収納部の他の例を示す説明図である。従来のストロークセンサを示す説明図である。図６のストロークセンサのVII－VII線に沿った断面図である。

　本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。本実施の形態に係るストロークセンサは、自動二輪車のクイックシフター等に用いられ、車両に搭載される可動部品（変速機のシフトペダルや操作レバー、アクセルペダル、吸気スロットル等）の可動部を被検出体として、その移動量（又は操作量等）を検出する。

　図１及び図２に示すように、本実施の形態に係るストロークセンサ１００は、ハウジング２００と、ハウジング２００の内部に設けられた収容空間２０１に摺動可能に収容され、被検出体の作動に伴い順方向（図２の矢印Ａ方向）と逆方向（図２の矢印Ｂ方向）に往復移動するシャフト３００と、収容空間２０１においてシャフト３００の周囲に設けられ、順方向に移動したシャフト３００を逆方向に付勢して原点位置（図２に示す収容空間２０１内部の左端位置）に復帰させる原点復帰手段４００と、シャフト３００に設けられた磁石５００と、シャフト３００の移動に伴い変化する磁石５００による磁界を検出する磁気検出素子６００と、磁気検出素子６００が設けられ、ハウジング２００に形成された基板収納部２０２に収納される基板７００とを備え、ハウジング２００とシャフト３００との間には、異物が入らないようにパッキン８００が組み付けられている。

ハウジング２００は、収容空間２０１を形成する第１ケース２１０及び第２ケース２２０により構成され、第１ケース２１０及び第２ケース２２０は、シャフト３００を構成する第１シャフト３１０及び第２シャフト３２０を摺動可能に収容する。

　第１ケース２１０は、アルミニウムやステンレス鋼、ポリブチレンテレフタレート樹脂等の非磁性材料で形成され、連結手段２１１と、摺動面２１２と、基板収納部２０２とを有するとともに、図３に示すように、コード引出部２１３を有する。

　連結手段２１１は、第１ケース２１０と第２ケース２２０との連結に供するもので、円筒状の内周面に形成されたねじ部２１１ａと、第１ケース２１０の内側に嵌入される第２ケース２２０に当接する当接部２１１ｂとを有する。当接部２１１ｂの奥側（図２の右側）には、後述のピストン４１０に当接する端面２１４が設けられている。

　摺動面２１２は、第１ケース２１０において連結手段２１１よりも奥側（図２の右側）の筒状の内周面に横断面が略Ｄ形状となるように形成され、少なくとも一部が同形状に形成されたシャフト３００（第１シャフト３１０）を摺動可能に軸支するとともに、その軸回りの回転を規制する。

　基板収納部２０２は、第１ケース２１０の外周面の一部を正面視矩形の凹状とすることにより形成され、基板収納部２０２には、第１ケース２１０の外部と収容空間２０１とを連通するねじ孔２０３が形成されている。磁気検出素子６００が実装された基板７００は、ねじ孔２０３に螺合するねじ２０４によりねじ止めされて基板収納部２０２に収納され、熱硬化性樹脂等の充填材のモールドにより基板７００上に形成される封止部２０５により封止される。なお、ねじ孔２０３には、全長にわたってねじが形成されている必要はなく、ねじ２０４の長さに見合うだけのねじが形成されていればよい。

　基板７００には、シャフト３００の軸方向と直交する同一直線上に等間隔で並ぶ端子７０１，７０２，７０３が設けられ、端子７０１，７０２，７０３に結線されるコード９００が接続されている。コード引出部２１３は、そのコード９００の基板収納部２０２からの引出しに供するもので、シャフト３００の軸方向に沿って基板収納部２０２に隣接して設けられ、基板収納部２０２から外側に向かって（離れるにつれて）浅くなるように傾斜して形成され、コード９００を受ける底面２１３ａと、底面２１３ａが受けるコード９００を図４に示すように挟み込む一対の側面２１３ｂ，２１３ｂとを備える。

　第２ケース２２０は、金属材料で形成され、連結手段２２１と、摺動面２２２とを有する。第２ケース２２０も、第１ケース２１０と同様に、非磁性材料で形成されることが好ましいが、磁石５００や磁気検出素子６００から距離があり、鋼材等の軟磁性材料であっても磁気検出素子６００が検出する磁界への影響度が低いことから、コストや強度に照らして適宜の材料を選択することが可能である。

　連結手段２２１は、第１ケース２１０と第２ケース２２０との連結に供するもので、円筒状の外周面に形成されて連結手段２１１のねじ部２１１ａと螺合する（螺合に際し、シールロック剤等の補強用接着剤を用いてもよい。）ねじ部２２１ａと、第１ケース２１０との連結に際して連結手段２２１の連結手段２１１内部への進入がガイドされるように、第１ケース２１０の当接部２１１ｂに当接する当接部２２１ｂとを有する。当接部２２１ｂの先端には、当接部２２１ｂを当接部２１１ｂに当接する位置に導くためのテーパー面が形成されていてもよく、当接部２２１ｂの奥側（図２の左側）には、後述のピストン４１０に当接する端面２２３が設けられている。

摺動面２２２は、第２ケース２２０において連結手段２２１よりも奥側（図２の左側）の円筒状の内周面に形成され、シャフト３００（第２シャフト３２０）を摺動可能に軸支する。

　シャフト３００は、第１シャフト３１０及び第２シャフト３２０が連結されて構成され、原点復帰手段４００とともにユニット化されて第２ケース２２０に組み付けられた後、第２ケース２２０とともに第１ケース２１０に組み付けられてハウジング２００に収容される。

　第１シャフト３１０は、オーステナイト系のステンレス鋼等のある程度剛性を有する非磁性金属からなり、連結部３１１と、保持部３１２と、摺動部３１３と、収容部３１４と、ガイド部３１５とを有する。

　連結部３１１は、第１シャフト３１０と第２シャフト３２０との連結に供するもので、第１シャフト３１０の一端側（図２の左側）の円柱状の外周面にねじ山３１１ａが形成されてなる。

保持部３１２は、その周囲に原点復帰手段４００を摺動可能に保持する。原点復帰手段４００は、第１シャフト３１０と連結された第２シャフト３２０の端面３２０ａと、端面３２０ａに対向する第１シャフト３１０の端面３１２ａとにより、シャフト３００の軸方向の両側から挟まれるように保持され、その端面３２０ａ，３１２ａが、後述する原点復帰手段４００のピストン４１０，４１０に接し、シャフト３００が順方向に押し込まれる場合に、その押し込む力をピストン４１０，４１０に伝達する。一方、シャフト３００には、ピストン４１０，４１０の間に介装された後述のばね４２０により、逆方向の抗力が作用する。

摺動部３１３は、第１シャフト３１０の他端側（図２の右側）に形成され、第１ケース２１０の摺動面２１２に摺動可能に軸支される。摺動部３１３の少なくとも一部は、摺動面２１２と同様に断面略Ｄ形状に形成され、摺動面２１２により軸回りの回転が規制される。摺動部３１３には溝部３１３ａが設けられ、そこに潤滑剤が留め置かれる。

収容部３１４は、第１シャフト３１０の他端側（図２の右側）の端面に凹状に形成され、磁石５００が圧入される。磁石５００は、収容部３１４において位置ずれ、回転しないように、接着剤等により強固に固定されている。

ガイド部３１５は、保持部３１２と同径の円柱状を呈して外周面が平滑に形成され、第２シャフト３２０との連結時に第１シャフト３１０が第２シャフト３２０内部へ進入するが、その進入を案内する。

　第２シャフト３２０は、一端側（図２の左側）がハウジング２００の外部に露出し、他端側（図２の右側）が第１シャフト３１０と連結されてハウジング２００（第２ケース２２０）に収容される。

　第２シャフト３２０は、金属材料で形成され、連結部３２１と、摺動部３２２と、ガイド部３２３とを有する。第２シャフト３２０も、第１シャフト３１０と同様に、非磁性材料で形成されることが好ましいが、磁石５００や磁気検出素子６００から距離があり、鋼材等の軟磁性材料であっても磁気検出素子６００が検出する磁界への影響度が低いことから、コストや強度に照らして適宜の材料を選択することが可能である。

　連結部３２１は、第１シャフト３１０と第２シャフト３２０との連結に供するもので、円筒状の内周面にねじ山３２１ａが形成されてなり、保持部３１２に原点復帰手段４００が保持された第１シャフト３１０の連結部１１１に螺合して（螺合に際し、シールロック剤等の補強用接着剤を用いてもよい。）連結される。

　摺動部３２２は、第２シャフト３２０の他端側（図２の右側）に形成され、第２ケース２２０の摺動面２２２に摺動可能に軸支される。摺動部３２２には溝部３２２ａが設けられ、そこに潤滑剤が留め置かれる。

　ガイド部３２３は、第１シャフト３１０のガイド部３１５の外径と略同一の内径の円筒状を呈して内周面が平滑に形成され、第１シャフト３１０との連結時にガイド部３１５とともに第１シャフト３１０の第２シャフト３２０内部への進入を案内する。

　原点復帰手段４００は、例えば金属材料からなる一対のピストン４１０，４１０と、ピストン４１０，４１０の間に介装され、ピストン４１０，４１０を互いに引き離すように付勢するばね４２０とにより構成されている。ピストン４１０は、非磁性材料で形成されることが好ましいが、磁石５００や磁気検出素子６００から距離があり、鋼材等の軟磁性材料であっても磁気検出素子６００が検出する磁界への影響度が低いことから、コストや強度に照らして適宜の材料を選択することが可能である。

ピストン４１０は、有底円筒状に形成され、底部分の中心に第１シャフト３１０の保持部３１２に装着するための装着穴４１０ａが形成されている。ピストン４１０，４１０は、底部分を外側にして対向し、ばね４２０は、そのピストン４１０，４１０の間に介装され、第１シャフト３１０の保持部３１２の周囲に装着されて摺動可能に保持される。

　ピストン４１０，４１０は、収容空間２０１において、ハウジング２００（第２ケース２２０）の内周面に対してクリアランスを有するように、端面２１４，２２３の間に配置される。

　ばね４２０には、ステンレス鋼、例えばＳＵＳ３０４ＷＰＢ等の非磁性金属からなるコイルばねが好ましく用いられるが、ばね４２０は、磁石５００や磁気検出素子６００から距離があり、ＳＷＢやＳＷＣ等の硬鋼線、あるいは、その他の軟磁性材料であっても、磁気検出素子６００が検出する磁界への影響度が低いことから、コストや強度に照らして適宜の材料を選択することが可能である。

原点復帰手段４００のピストン４１０，４１０は、図２に示す原点位置では、ハウジング２００の端面２１４，２２３及びシャフト３００の端面３１２ａ，３２０ａに当接して離間距離が規制される。そして、この状態（原点位置）でのピストン４１０，４１０の離間距離（間隔）が、シャフト３００の検出ストロークとなる。

原点復帰手段４００では、原点位置にあるシャフト３００がハウジング２００に押し込まれるように順方向に変位すると、ピストン４１０，４１０が、ハウジング２００（第１ケース２１０）の端面２１４及びシャフト３００（第２シャフト３２０）の端面３２０ａに当接しながら、ハウジング２００（第２ケース２２０）の端面２２３及びシャフト３００（第１シャフト３１０）の端面３１２ａから離れて移動し、ばね４２０に抗してピストン４１０，４１０の各円筒部が互いに接触するまでの検出ストローク分だけ移動することができる。そして、シャフト３００を押し込む力がなくなると、ばね４２０に蓄積されたばね力により、シャフト３００が原点位置に戻される。

　一方、原点復帰手段４００では、原点位置にあるシャフト３００がハウジング２００から引き出されるように逆方向に変位すると、ピストン４１０，４１０が、ハウジング２００（第２ケース２２０）の端面２２３及びシャフト３００（第１シャフト３１０）の端面３１２ａに当接しながら、ハウジング２００（第１ケース２１０）の端面２１４及びシャフト３００（第２シャフト３２０）の端面３２０ａから離れて移動し、ばね４２０に抗してピストン４１０，４１０の各円筒部が互いに接触するまでの検出ストローク分だけ移動することができる。そして、シャフト３００を引き出す力がなくなると、ばね４２０に蓄積されたばね力により、シャフト３００が原点位置に戻される。

　磁石５００には、四角柱形状又は円柱形状に形成された希土類系磁石（ＳｍＣｏやＮｄＦｅＢ等を材料とする磁石）が好適に用いられ、本実施の形態では、磁石５００は、円柱形状のＳｍＣｏ焼結磁石からなる。なお、磁石５００は、焼結磁石ではなくプラスチック磁石でもよく、焼結磁石は強力な磁力を有する一方、プラスチック磁石は大量生産性や耐割れ性に優れる特性を有するから、使用条件や設計要件に応じて適宜選択すればよい。

　磁石５００は、シャフト３００の収容部３１４においてシャフト３００の軸方向に二極が着磁され、第１ケース２１０の基板収納部２０２に対向して設けられた磁気検出素子６００に磁界を及ぼす。

　磁気検出素子６００は、ホール素子等により構成されて基板７００の磁石５００側の面（下面）に実装され、シャフト３００とともに変位する磁石５００による磁界の向き（磁力）の変化を検出し、これによりシャフト３００の移動量の検出に供する。磁気検出素子６００は、その磁気検出面が磁石５００の着磁方向に垂直な方向に配置され、磁気検出素子６００への電源の取込みや磁気検出素子６００から外部への出力は、コード９００により行われる。磁気検出素子６００から外部への出力方式は、例えばその検出結果を利用するコントロールユニット（ＥＣＵ）に応じて選択すればよく、アナログ、ＰＷＭ、ＳＥＮＴ等のどのような方式であってもかまわない。

　パッキン８００には、ハウジング２００（第２ケース２２０）とシャフト３００（第２シャフト３２０）との隙間を塞ぐ、円筒状の蛇腹付きのゴムパッキンを適用することが可能で、その蛇腹部分によって、ストローク量の変位を吸収しながらハウジング２００内部の気密を保つことができる。なお、パッキン８００は、第１ケース２１０と第２ケース２２０とが連結手段２１１及び連結手段２２１の螺合によって連結される際に、第２ケース２２０に対して第２シャフト３２０が回転するため、その螺合後に組み付けられることが好ましい。

　本実施の形態に係るストロークセンサ１００では、ハウジング２００に、基板収納部２０２と収容空間２０１とを連通する連通部としてねじ孔２０３が形成されているので、気密検査は、磁石５００が設けられたシャフト３００、原点復帰手段４００及びパッキン８００をハウジング２００に組み付けた後、基板７００を基板収納部２０２にねじ止めする前に、ねじ孔２０３を通じて収容空間２０１内部の空気を加減圧し、リークテスターでリークを確認するという簡単な方法で行うことができる。これにより、低廉なリークテスターで、第１ケース２１０と第２ケース２２０との接合箇所及びパッキン１８０の組付箇所の２箇所を同時に検査することが可能となり、気密検査に要するコストの低廉化を図ることができる。

　また、従来と異なり、マスターサンプルと比較した相対評価ではなく、絶対評価が可能となるので、正常品とＮＧ品との差が顕著となり、不具合品の検出が容易となる。

　本実施の形態では、連通部が、ねじ孔２０３が収容空間２０１まで連通することにより形成されているので、気密検査の終了後、ねじ孔２０３にねじ２０４を螺合させるだけで、収容空間２０１の気密性が一次的に確保され、さらに封止部２０５を設けることによって、収容空間２０１の気密性が高いものとなっている。封止部２０５はモールドにより形成されるが、連通部のねじ孔２０３は、ねじ２０４の螺合により閉塞されるので、モールド時の充填材の収容空間２０１への流入を、ねじ２０４により防止することができる。

　さらに、ハウジング２００に、基板７００に接続されるコード９００をシャフト３００の軸方向に引き出すためのコード引出部２１３が形成され、コード引出部２１３によりコード９００がシャフト３００の軸方向（センサスラスト方向）に引き出されるので、ストロークセンサ１００を多車種に展開し、車両の仕様に合わせてコード９００をシャフト３００の軸方向に直交する（センサラジアル方向の）いずれの向きにも引き出さなければならない場合でも、コード引出部２１３によりシャフト３００の軸方向に引き出されたコード９００を緩やかな曲率で曲げれば対応することが可能で、別形状のハウジング又はその部品を用意する必要がなく、多車種への展開に要するコストの低廉化を図ることができる。

　そのコード引出部２１３は、凹状の基板収納部２０２から外側に向かって浅くなるように傾斜して形成され、コード９００を受ける底面２１３ａと、底面２１３ａが受けるコード９００を挟む一対の側面２１３ｂ，２１３ｂとを備えているので、封止部２０５の形成時に基板収納部２０２から充填材を流出させずにコード９００の位置を規定する（コード９００を仮止めする）ことができる。したがって、凹状の基板収納部の側面を切り欠いてコードを引き出す場合には、封止部の形成時に基板収納部から充填材の漏出を防止するために必要であったグロメットが不要となり、コストのさらなる低廉化を図ることができる。

　基板７００では、図５に示すように、端子７０１，７０２，７０３が基準直線Ｌ（端子７０１，７０２，７０３の配列方向に直交し、端子７０２を通る仮想的な直線）に対して対称に設けられているが、基板７００には、基準直線Ｌに対して非対称な位置に挿通孔７０５及び切欠７０６が設けられ、基板収納部２０２には、挿通孔７０５及び切欠７０６に対応するように基準直線Ｌに対して非対称な位置にピン２０６，２０７が設けられ、挿通孔７０５にピン２０６が挿通され、切欠７０６にピン２０７が挿通されることにより、基板７００が位置決めされるようにしてもよい。一般に、基板の裏表（下面と上面）の向きを間違えて組み付ける誤組が組立工程でみられるが、図５の構成によると、基板７００の裏表が誤っていれば、挿通孔７０５及び切欠７０６にピン２０６，２０７が挿通されず、基板７００をセットすることができないので、誤組を防止することができる。

　以上、本発明の実施の形態について例示したが、本発明の実施形態は上述したものに限られず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更等してもよい。

　例えば、基板収納部と収容空間を連通する連通部の位置や形状は、ねじ孔２０３のような形態に限られず任意であり、基板収容部の封止は、充填材のモールドによらず、パッキンや蓋等により行ってもよい。

１００　　ストロークセンサ
２００　　ハウジング
２０１　　収容空間
２０２　　基板収納部
２０３　　ねじ孔（連通部）
２０６　　ピン（位置決め突起）
２０７　　ピン（位置決め突起）
２１３　　コード引出部
２１３ａ底面
２１３ｂ側面
３００　　シャフト
５００　　磁石
６００　　磁気検出素子
７００　　基板
７０１　　端子
７０２　　端子
７０３　　端子
７０５　　挿通孔（挿通部）
７０６　　切欠（挿通部）
９００　　コード
Ｌ　　　　基準直線

Claims

　ハウジングと、
　前記ハウジングの内部に設けられた収容空間に少なくとも一部が収容され、被検出体の作動に伴い順方向と逆方向に往復移動するシャフトと、
　前記シャフトに設けられた磁石と、
　前記シャフトの移動に伴い変化する前記磁石による磁界を検出する磁気検出素子と、
　前記磁気検出素子が設けられた基板と、
　前記ハウジングにおいて前記収容空間の外部に形成され、前記基板が収納される基板収納部とを備え、
　前記ハウジングに、前記基板収納部と前記収容空間とを連通する連通部が形成されていることを特徴とするストロークセンサ。
　前記基板収納部に前記基板をねじ止めするためのねじ止め孔が形成され、
　前記連通部は、前記ねじ止め孔が前記収容空間まで連通することにより形成されていることを特徴とする請求項１に記載のストロークセンサ。
　前記ハウジングに、前記基板に接続されるコードを前記シャフトの軸方向に引き出すためのコード引出部が形成されていることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のストロークセンサ。
　前記基板収納部は、前記ハウジングの外周面の一部を凹状とすることにより形成され、
　前記コード引出部は、前記基板収納部から外側に向かって浅くなるように傾斜して形成され、前記コードを受ける底面と、前記底面が受ける前記コードを挟む一対の側面とを備えることを特徴とする請求項３に記載のストロークセンサ。
　前記基板収納部に、前記基板を位置決めするための複数の位置決め突起が形成され、
　前記基板に、前記位置決め突起が挿通する複数の挿通部が形成されるとともに、コードが接続される複数の端子が基準直線に対して対称に設けられ、
　前記複数の位置決め突起及び前記複数の挿通部は、前記基準直線に対して非対称に形成されていることを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれか１項に記載のストロークセンサ。