WO2020036172A1

WO2020036172A1 - 吸収性物品

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Publication number: WO2020036172A1
Application number: PCT/JP2019/031823
Authority: WO
Inventors: 真衣香 ▲高▼橋; 坂口　智; 山中　康弘; 拓巳市原
Original assignee: ユニ・チャーム株式会社
Priority date: 2018-08-14
Filing date: 2019-08-13
Publication date: 2020-02-20
Also published as: CN112566594B; JP6775554B2; CN112566594A; CN114681211A; CN114681211B; JP2020025787A

Abstract

使い捨ておむつ（１０）では，股下域（Ｓ３）は前後方向（Ｌ）において幅方向（Ｗ）に延びる折り目（ＦＬ）を境界として分けられる第１領域（Ｒ１）と第２領域（Ｒ２）を有し，股下域において折り目を基点に，使い捨ておむつの肌面側どうしが向き合うように折り畳まれる。使い捨ておむつは，股下域の吸収コアと重なる領域において前後方向に伸縮する一対の股下伸縮部（４１）を備え，股下伸縮部は前後方向における一方の端縁である前端縁（４１Ｆ）と，他方の端縁である後端縁（４１Ｒ）を有する。前端縁及び後端縁は，折り目を跨がずに第１領域に配置され，前端縁は後端縁よりも折り目の近くに配置される。使い捨ておむつが折り畳まれた状態では，前端縁は脚回り開口部（２５）において折り目に最も近い股下側端縁（２５ｃ）と折り目との前後方向の間に配置される。

Description

吸収性物品

　本発明は、使い捨ておむつ等の吸収性物品に関する。

　従来、股下域において幅方向に延びる折り目を基点に、吸収性物品の肌面側どうしが向き合うように折り畳まれる吸収性物品が広く知られている（例えば、特許文献１参照）。このように構成された吸収性物品は、前後方向における長さを短く（約半分に）した状態で収容することができ、パッケージの大きさをコンパクトにすることができる。

特開２０１４－１５８９５９号公報

　装着者が、股下域における折り目を起点として吸収性物品を展開する場合、折り癖がついているため、折り目近傍の領域が十分に展開できないことがある。このように十分に展開されない状態で着用者に装着されると、折り目近傍の領域は、着用者の肌から遠くなり、着用者の排出口から離れてしまう。さらに、折り目近傍の領域では、着用者の肌に接し得る肌面どうしが向かい合った状態となって、折り目近傍の肌面が隠されることがある。このような状態では、着用者の体液が、折り目近傍の肌面にまで到達し難く、折り目近傍の肌面から体液が吸収され難い。その結果、吸収性物品が実際の吸収性能を発揮できない虞があった。そこで、股下域において幅方向に延びる折り目を基点に折り畳まれる吸収性物品において、実際の吸収性能を発揮できる吸収性物品が望まれている。

　一態様に係る吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、前胴回り域、後胴回り域、及び前記前胴回り域及び前記後胴回り域との間に配置された股下域と、少なくとも前記股下域に配置された吸収コアと、前記吸収性物品の着用時において着用者の脚回りに配置される脚回り開口部と、を備える。前記股下域は、前記前後方向において前記幅方向に延びる折り目を境界として分けられる第１領域と第２領域とを有する。前記股下域において前記折り目を基点に、前記吸収性物品の肌面側どうしが向き合うように折り畳まれている。吸収性物品は、前記股下域の前記吸収コアと重なる領域において前記前後方向に伸縮する一対の股下伸縮部を備える。前記股下伸縮部は、前記前後方向における一方の端縁である第１端縁と、前記前後方向における他方の端縁である第２端縁と、を有する。

実施形態に係る使い捨ておむつの肌面側から見た平面図である。実施形態に係る吸収コアの平面図である。図１に示す使い捨ておむつのＡ－Ａ断面に沿った模式断面図である。図１に示す使い捨ておむつのＢ－Ｂ断面に沿った模式断面図である。使い捨ておむつの伸長状態における股下伸縮部と中央高剛性部との前後方向Ｌの関係を模式的に示した図である。２つに折り畳まれた使い捨ておむつが折り畳まれた状態を模式的に示した断面図である。使い捨ておむつのＡ－Ａ断面における装着状態を模式的に示した図である。実施形態に係る使い捨ておむつの装着状態を模式的に示した図である。

　（１）実施形態の概要
　本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
　一態様に係る吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、前胴回り域、後胴回り域、及び前記前胴回り域及び前記後胴回り域との間に配置された股下域と、少なくとも前記股下域に配置された吸収コアと、前記吸収性物品の着用時において着用者の脚回りに配置される脚回り開口部と、を備える。前記股下域は、前記前後方向において前記幅方向に延びる折り目を境界として分けられる第１領域と第２領域とを有する。前記股下域において前記折り目を基点に、前記吸収性物品の肌面側どうしが向き合うように折り畳まれている。吸収性物品は、前記股下域の前記吸収コアと重なる領域において前記前後方向に伸縮する一対の股下伸縮部を備える。前記股下伸縮部は、前記前後方向における一方の端縁である第１端縁と、前記前後方向における他方の端縁である第２端縁と、を有する。前記第１端縁及び前記第２端縁は、前記折り目を跨がずに前記第１領域に配置されている。前記第２端縁は、前記第１端縁よりも前記折り目の近くに配置されている。前記吸収性物品が折り畳まれた状態では、前記第２端縁は、前記脚回り開口部において前記折り目に最も近い端縁と前記折り目との前記前後方向の間に配置されている。

　本態様によれば、前後方向において、第２端縁は、脚回り開口部の端縁よりも折り目側に配置されているため、第２端縁は、肌面側どうしが向かい合った状態になりやすい折り目近傍の領域に配置されている。ここで、股下伸縮部が折り目を跨がって配置されている場合には、股下伸縮部の収縮力によって、第２端縁が折り目側の方向へ収縮する。このため、第２端縁が配置されている折り目近傍の領域は、折り目側へ引き下げられ、着用者の排出口に近づけることができない。一方で、股下伸縮部が折り目を跨がないように配置されている場合には、第２端縁が折り目と反対側である胴回り域側（前胴回り域側又は後胴回り域側）の方向へ収縮するので、第２端縁が配置されている折り目近傍の領域は、股下伸縮部の収縮力によって、胴回り域側へ引き上げられる。折り目近傍の領域が胴回り域側へ引き上げられることにより、肌面側どうしが向かい合った状態から一方の肌面が露出し易い。加えて、着用された状態では、折り目近傍の領域を引き上げることで、着用者の排出口に折り目近傍の領域を近づけることができる。以上より、折り目近傍の肌面が露出し、着用者の排出口に近づくため、折り目近傍の肌面から体液を吸収し易くすることができる。その結果、股下域において幅方向に延びる折り目を基点に折り畳まれる吸収性物品であっても、実際の吸収性能を発揮できる。

　好ましい一態様によれば、前記吸収性物品の伸長状態において、前記前後方向において、前記第２端縁から前記折り目までの長さは、前記股下伸縮部の長さよりも短い。第２端縁から折り目までの長さが股下伸縮部の長さよりも短いため、第２端縁が、折り目のより近くに配置されている。折り目に近い領域ほど肌面がより露出し難いので、第２端縁が折り目のより近くから収縮することにより、肌面がより露出し難い折り目近傍の領域を胴回り域側へ引き上げることができる。従って、折り目近傍の肌面をより露出することができ、折り目近傍の肌面から体液を吸収し易くすることができる。

　好ましい一態様によれば、前記股下域の前記吸収コアには周囲の領域によりも剛性が高い高剛性部が設けられている。前記高剛性部は、前記前後方向における一方の端縁である第１剛性端縁と、前記前後方向における他方の端縁である第２剛性端縁と、を有する。前記第１剛性端縁は、前記第１領域に配置されている。前記第２剛性端縁は、前記第２領域、又は、前記第１領域のうち前記前後方向において前記第２端縁よりも前記折り目の近くの領域、に配置されている。第２剛性端縁は、第２領域又は、第１領域のうち第２端縁よりも折り目の近くの領域に配置されている。これにより、前後方向において、股下伸縮部と折り目との間に高剛性部（の少なくとも一部）が配置されている。高剛性部は、高剛性部が形成されていない領域と比較して剛性が高いため、股下伸縮部の収縮により高剛性部が胴回り域側へ引き上げられると、高剛性部と一緒に股下伸縮部と折り目との間の領域を引き上げることができる。従って、広範囲の折り目近傍の領域を引き上げることができるため、折り目近傍の肌面から体液を吸収し易くすることができる。

　好ましい一態様によれば、前記前後方向において、前記第２端縁は、前記第１剛性端縁よりも前記折り目の近くに配置されている。股下伸縮部と高剛性部とが幅方向で重複する領域が存在するため、股下伸縮部の収縮により高剛性部を胴回り域側へより引き上げ易くなる。高剛性部と一緒に股下伸縮部と折り目との間の領域をより確実に引き上げることができる。従って、広範囲の折り目近傍の領域を引き上げることができるため、折り目近傍の肌面から体液を吸収し易くすることができる。

　好ましい一態様によれば、前記吸収性物品の伸長状態において、前記前後方向において、前記第１端縁から前記１剛性端縁までの長さは、前記１剛性端縁から前記第２端縁までの長さよりも長い。第１端縁から第１剛性端縁までの長さは、股下伸縮部と高剛性部とが幅方向に重複しない股下伸縮部の非重複領域に対応する。また、第１剛性端縁から前記第２端縁までの長さは、股下伸縮部と高剛性部とが幅方向に重複する重複領域に対応する。高剛性部は、高剛性部が設けられていない領域と比較して剛性が高いため、重複領域では、股下伸縮部による収縮力が低下し易い。一方、股下伸縮部が高剛性部と重なっていない股下伸縮部の非重複領域では、股下伸縮部による収縮力が低下し難い。股下伸縮部の非重複領域を、収縮力が低下し易い重複領域よりも大きくすることで、収縮力の低下を抑制でき、広範囲の折り目近傍の領域をより確実に引き上げることができる。

　好ましい一態様によれば、前記吸収性物品の伸長状態において、前記前後方向において、前記第１剛性端縁から前記第２端縁までの長さは、前記第２端縁から前記第２剛性端縁までの長さよりも短い。第１剛性端縁から第２端縁までの長さは、股下伸縮部と高剛性部とが幅方向に重複する重複領域に対応する。第２端縁から第２剛性端縁までの長さは、股下伸縮部と高剛性部とが幅方向に重複しない高剛性部の非重複領域に対応する。従って、前後方向において、重複領域の長さが、非重複領域の長さよりも短い。高剛性部は、高剛性部が設けられていない領域と比較して剛性が高いため、第２端縁から第２剛性端縁までの領域は、高剛性部と一緒に引き上げられる。この引き上げられる領域（すなわち、非重複領域）を、収縮力が低下する領域（すなわち、重複領域）よりも大きくなるため、広範囲の折り目近傍の領域をより確実に引き上げることができる。

　好ましい一態様によれば、前記第２剛性端縁は、前記第２領域に配置されている。第２剛性端縁が第２領域に配置されているため、高剛性部は、折り目を跨がって配置されている。これにより、第１領域側だけでなく、第２領域側の折り目近傍の肌面を胴回り域側へ引き上げることができる。従って、広範囲の折り目近傍の領域を引き上げることができるため、折り目近傍の肌面から体液を吸収し易くすることができる。

　好ましい一態様によれば、前記吸収性物品の伸長状態において、前記前後方向において、前記折り目から前記第２剛性端縁までの長さは、前記第２端縁から前記折り目までの長さよりも長い。折り目から第２剛性端縁までの長さは、第２領域の高剛性部に対応する。第２端縁から折り目までの長さは、第１領域の高剛性部のうち股下伸縮部と幅方向に重複しない高剛性部に対応する。第２領域の高剛性部の大きさを大きくすることで、より広範囲の第２領域側の折り目近傍の肌面を、胴回り域側へ引き上げることができる。

　好ましい一態様によれば、前記吸収性物品が折り畳まれた状態では、前記前後方向において、前記第２剛性端縁は、前記脚回り開口部において前記折り目に最も近い端縁と前記折り目との間に配置されている。肌面側どうしが向かい合った状態になり易い脚回り開口部の端縁と折り目との間に第２剛性端縁を配置することで、肌面側どうしが向かい合った領域を胴回り域側へ効率よく引き上げることができる。

　好ましい一態様によれば、前記吸収性物品が折り畳まれた状態では、前記前後方向において、前記折り目から前記第２剛性端縁までの長さは、前記第２剛性端縁から前記脚回り開口部において前記折り目に最も近い端縁までの長さよりも短い。高剛性部は剛性が高いため、高剛性部が形成されていない領域の方が着用者の肌触りがよい。折り目から第２剛性端縁までの長さを第２剛性端縁から脚回り開口部の端縁までの長さよりも短くすることで、着用者の肌触りを維持しつつも、より広範囲の第２領域側の折り目近傍の肌面を、胴回り域側へ引き上げることができる。

　好ましい一態様によれば、前記吸収性物品が折り畳まれた状態では、前記前後方向において、前記第２端縁は、着用時に肌面側に起立する防漏ギャザーの基点部と前記折り目との間に配置されている。防漏ギャザーの基点部と折り目との間は、防漏ギャザーの収縮力が働かないため、吸収性物品を展開する場合に、肌面どうしが向かい合った状態になりやすい。防漏ギャザーの基点部と折り目との間に第２端縁を配置することにより、肌面側どうしが向かい合った状態になり易い折り目近傍の領域を胴回り域側へ引き上げることができる。

　（２）使い捨ておむつの全体概略構成
　以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品としての使い捨ておむつについて説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。

　使い捨ておむつは、テープ型の使い捨ておむつであってもよいし、パンツ型の使い捨ておむつであってもよい。図１は、本実施形態に係る使い捨ておむつ１０の肌面側から見た平面図であり、図２は、実施形態に係る吸収コアを肌面側から見た平面図である。図１及び図２に示す平面図は、伸長状態の使い捨ておむつを示している。図３は、図１に示す使い捨ておむつのＡ－Ａ断面に沿った模式断面図である。図４は、図１に示す使い捨ておむつのＢ－Ｂ断面に沿った模式断面図である。なお、本発明における伸長状態とは、使い捨ておむつ１０を皺が形成されない状態まで伸長させた状態である。また、本発明における自然状態とは、パッケージに収容されている使い捨ておむつ１０にあっては、パッケージから使い捨ておむつ１０を取り出し、２０℃±２℃、相対湿度６０％±５％ＲＨの雰囲気下において２４時間放置した状態である。

　使い捨ておむつ１０は、互いに直交する前後方向Ｌ及び幅方向Ｗを有する。前後方向Ｌは、身体前側と身体後側とに延びる方向によって規定される。言い換えると、前後方向Ｌは、展開された使い捨ておむつ１０において前後に延びる方向である。また、使い捨ておむつ１０は、前後方向Ｌと幅方向Ｗの両方の直交する厚さ方向Ｔを有する。厚さ方向Ｔは、着用者側に向かう肌面側Ｔ１と、肌面側と反対側の非肌面側Ｔ２と、に延びる。

　使い捨ておむつ１０は、前胴回り域Ｓ１と、後胴回り域Ｓ２と、股下域Ｓ３と、を有する。前胴回り域Ｓ１は、着用者の前胴回り（腹部）に対向する領域である。後胴回り域Ｓ２は、着用者の後胴回り（背部）に対向する領域であり、装着時に身体（臀部）が載せられる領域を含む。股下域Ｓ３は、着用者の股下に位置し、前胴回り域Ｓ１と後胴回り域Ｓ２との間に配置された領域である。股下域Ｓ３は、着用者の脚回りに配置される脚回り開口部が設けられた領域である。脚回り開口部は、使い捨ておむつの外側縁から幅方向の内側に凹む部分である。

　使い捨ておむつ１０は、吸収材料を含む吸収コア３１を含む。吸収コア３１は、粉砕パルプもしくは高吸収性ポリマー（ＳＡＰ）、又はこれらの混合物等の吸収材料を含む。図３に示すように、吸収コア３１は、コアラップ３２によって覆われてよい。吸収コア３１とコアラップ３２によって吸収体３０が構成されてよい。コアラップ３２は、テッシュによって構成され、吸収コア３１の肌面側Ｔ１と吸収コア３１の非肌面側Ｔ２に配置されてよい。吸収コア３１は、少なくとも股下域Ｓ３に配置されている。

　図１及び図３に示すように、吸収コア３１を含む吸収体３０の肌面側Ｔ１には、表面シート２１及びサイドシート２２が設けられてよい。表面シート２１は、吸収体３０の幅方向Ｗの中心を跨いで配置されてよい。サイドシート２２は、表面シート２１の外側部を覆うように配置されてよい。表面シート２１及びサイドシート２２は、例えば不織布や開孔プラスチックフィルムのような透液性シートによって構成されていてよい。サイドシート２２の内側部は、折り返されて重なってよい。重なったサイドシート２２間には、前後方向Ｌに伸縮する防漏伸縮部４３が設けられてよい。防漏伸縮部４３は、前後方向Ｌに伸縮する糸ゴムによって構成されてよい。サイドシート２２と防漏伸縮部４３は、着用時に肌面側Ｔ１に起立する防漏ギャザー６０（図６参照）を構成する。吸収体３０の非肌面側Ｔ２には、裏面シート２３及び外装シート２４が設けられてよい。外装シート２４は、裏面シート２３の非肌面側Ｔ２に設けられてよい。裏面シート２３の幅方向Ｗの長さは、外装シート２４の幅方向Ｗの長さよりも短く、裏面シート２３の前後方向Ｌの長さは、外装シート２４の前後方向Ｌの長さよりも短くてよい。裏面シート２３は、液不透過性のフィルムによって構成されてよい。外装シート２４は、液透過性の不織布によって構成されてよい。

　後胴回り域Ｓ２の外側部には、ファスニングテープ９１が設けられている。ファスニングテープ９１は、ベース部９２と係合部９３を有する。ベース部９２は、厚さ方向Ｔにおいて外装シート２４及びサイドシート２２の間に配置され、幅方向Ｗにおいて外装シート２４及びサイドシート２２から外側に延出している。係合部９３は、ベース部９２上に配置されており、ターゲット部９５に係合する。ターゲット部９５は、前胴回り域Ｓ１において幅方向に間隔を空けて配置されており、ファスニングテープ９１がそれぞれ止着するように構成されている。

　裏面シート２３と吸収体３０の間には、インジケータ５１が配置されてよい。インジケータ５１は、吸収コア３１よりも非肌面側Ｔ２に配置されてよい。インジケータ５１は、前後方向Ｌに延び、かつ幅方向Ｗに間隔を空けて配置されてよい。インジケータ５１は、後述する低坪量部３３の間に配置されている。インジケータ５１は、吸収体３０が体液を吸収することによって変色し、使い捨ておむつ１０の非肌面側Ｔ２から体液の吸収状態を把握できるように構成されている。

　使い捨ておむつ１０は、使い捨ておむつ１０の着用時において着用者の脚回りに配置される脚回り開口部２５を備える。使い捨ておむつ１０が折り畳まれた状態において、脚回り開口部２５は、後述する折り目ＦＬに最も近い端縁である股下側端縁２５Ｃを有する。股下側端縁２５Ｃは、使い捨ておむつ１０の伸長状態において、折り目ＦＬ上に位置する脚回り開口部２５の端縁であってよい。なお、脚回り開口部２５は、少なくとも使い捨ておむつ１０の非肌面側Ｔ２から幅方向Ｗに延びる部材（本実施の形態では、外装シート２４）の幅方向Ｗの端部により少なくとも構成される。脚回り開口部２５は、後述する防漏ギャザー６０の収縮部６１の頂部ではないことに留意すべきである。

　使い捨ておむつ１０は、脚回り開口部２５に沿って前後方向Lに延びる脚回り伸縮部４２を有してよい。脚回り伸縮部４２は、吸収コア３１よりも幅方向の外側において前後方向に伸縮する。脚回り伸縮部４２は、サイドシート２２と裏面シート２３の間、及びサイドシート２２と外装シート２４の間に設けられてよい。脚回り伸縮部４２は、前後方向Ｌに伸縮する帯状の伸縮シートによって構成されている。脚回り伸縮部４２の収縮によって、着用時に使い捨ておむつ１０の脚回り開口部２５が脚回りにフィットする。使い捨ておむつ１０は、使い捨ておむつの後端縁に沿って幅方向Ｗに延びる腰回り伸縮部４５を有してよい。腰回り伸縮部４５は、裏面シート２３と外装シート２４の間、表面シート２１と外装シート２４の間、及びサイドシート２２と外装シート２４の間に設けられてよい。腰回り伸縮部４５の後端縁は、使い捨ておむつの後端縁よりも前側に位置し、腰回り伸縮部４５の前端縁は、吸収コア３１の後端縁よりも前側に位置してよい。腰回り伸縮部４５は、吸収コア３１よりも幅方向Ｗの外側に延出してよい。腰回り伸縮部４５は、幅方向Ｗに伸縮する帯状の伸縮シートによって構成されている。

　使い捨ておむつ１０は、使用前の状態において、股下域Ｓ３において幅方向Ｗに延びる折り目ＦＬを基点に、使い捨ておむつ１０の肌面側どうしが向き合うように折り畳まれている。本実施の形態の使い捨ておむつ１０の折り目ＦＬは、使い捨ておむつ１０の前後方向の中心１０ＬＣに位置している。折り目ＦＬは、使い捨ておむつの前後方向の中心１０ＬＣからずれていてもよい。使い捨ておむつの折り目ＦＬは、使い捨ておむつを２つに折り畳むための折り線である。股下域Ｓ３は、前後方向Ｌにおいて折り目ＦＬを境界として分けられる。股下域Ｓ３の折り目ＦＬよりも後側の領域は、第１領域Ｒ１である。股下域Ｓ３の折り目ＦＬよりも前側の領域は、第２領域Ｒ２である。

　使い捨ておむつ１０は、股下域Ｓ３の吸収コア３１に重なる領域において前後方向Ｌに伸縮する一対の股下伸縮部４１を有してよい。股下伸縮部４１は、吸収コア３１よりも非肌面側Ｔ２に配置されてよく、吸収体３０よりも非肌面側Ｔ２に配置されてよい。股下伸縮部４１は、吸収コア３１と裏面シート２３の間に配置されていてもよいし、吸収コア３１よりも非肌面側Ｔ２に配置されたコアラップ３２と裏面シート２３の間に設けられていてもよいし、吸収コア３１よりも非肌面側Ｔ２に配置されたコアラップ３２と吸収コア３１の間に設けられていてもよいし、裏面シート２３と外装シート２４の間に設けられてもよい。本実施の形態の股下伸縮部４１は、裏面シート２３と外装シート２４の間に配置されている。股下伸縮部４１は、前後方向Ｌに延び、かつ幅方向Ｗに間隔を空けて配置されてよい。本実施の形態において、股下伸縮部４１は、吸収コア３１の幅方向Ｗの中心に配置されてなく、吸収コア３１の幅方向Ｗの中心に対する両側にそれぞれ２本ずつ配置されている。よって、股下伸縮部４１の収縮によって、股下伸縮部４１と重なる領域の吸収コアが、吸収コアの幅方向の中心よりも身体側に引き上げられる。一対の股下伸縮部４１は、吸収コア３１の外側縁よりも幅方向の内側に位置してよい。一対の股下伸縮部４１間に位置する領域は、一対の股下伸縮部４１よりも幅方向の外側の領域に対して身体側に引き上げられる。よって、吸収コアの幅方向の中心が側部を基点として凸状に変形し、身体の股間に対するフィット性を確保できる。股下伸縮部４１は、前後方向Ｌに沿って配置された糸ゴムによって構成されている。なお、他の形態において、股下伸縮部４１は、前後方向に伸縮する帯状の伸縮シートによって構成されてよいし、１本の糸ゴムによって構成されていてもよいし、３本以上の糸ゴムによって構成されてもよい。また、本発明において重なっている状態とは、平面視にて一方の部材と他方の部材が重なっている状態であり、一方の部材の肌面側又は非肌面側に他方の部材が配置されている状態である。重なっている状態では、一方の部材と他方の部材が互いに接している状態のみならず、一方の部材と他方の部材の間に他の部材が介在している構成も含む。

　股下伸縮部４１は、前後方向Ｌにおける一方の端縁であり、かつ前側の端縁である前端縁４１Ｆと、前後方向Ｌにおける他方の端縁であり、後側の端縁である後端縁４１Ｒと、を有する。前端縁４１Ｆ及び後端縁４１Ｒは、折り目ＦＬを跨がずに、第１領域Ｒ１に配置されている。従って、股下伸縮部４１は、折り目ＦＬを跨がずに、第１領域Ｒ１に配置されている。本実施の形態では、折り目ＦＬと使い捨ておむつ１０の前後方向の中心１０ＬＣとが一致しているため、股下伸縮部４１は、中心１０ＬＣを跨がない。他の実施形態において、折り目ＦＬが、使い捨ておむつ１０の前後方向の中心１０ＬＣよりも前側にある場合には、股下伸縮部４１は、中心１０ＬＣを跨いでもよい。

　前端縁４１Ｆは、後端縁４１Ｒよりも折り目ＦＬの近くに配置されている。使い捨ておむつ１０が折り畳まれた状態では、前端縁４１Ｆは、脚回り開口部２５において折り目ＦＬに最も近い端縁である股下側端縁２５Ｃと折り目ＦＬとの前後方向Ｌの間に配置されている（図６参照）。前端縁４１Ｆは、脚回り開口部２５の股下側端縁２５Ｃよりも折り目ＦＬ側に配置されているため、使い捨ておむつ１０の肌面側どうしが向かい合った状態になりやすい折り目ＦＬ近傍の領域に配置されている。

　ここで、股下伸縮部４１が折り目ＦＬを跨がって配置されている場合には、股下伸縮部４１の収縮力によって、が折り目ＦＬ側の方向へ収縮する。このため、前端縁４１Ｆが配置されている折り目ＦＬ近傍の領域は、折り目ＦＬ側へ引き下げられ、着用者の排出口に近づけることができない。一方で、本実施の形態のように、股下伸縮部４１が折り目ＦＬを跨がないように配置されている場合には、前端縁４１Ｆが折り目ＦＬと反対側である胴回り域側（具体的には、後胴回り域Ｓ２側）の方向へ収縮するので、前端縁４１Ｆが配置されている折り目ＦＬ近傍の領域は、股下伸縮部４１の収縮力によって、後胴回り域Ｓ２側へ引き上げられる。折り目ＦＬ近傍の領域が後胴回り域Ｓ２側へ引き上げられることにより、使い捨ておむつ１０の肌面側どうしが向かい合った状態から一方の肌面が露出し易い。従って、折り畳による折り癖を引き上げることができる。加えて、使い捨ておむつ１０が着用された状態では、折り目ＦＬ近傍の領域を引き上げることで、着用者の排出口に折り目ＦＬ近傍の領域を近づけることができる。以上より、折り目ＦＬ近傍の肌面が露出し、着用者の排出口に近づくため、折り目ＦＬ近傍の肌面から体液を吸収し易くすることができる。その結果、股下域Ｓ３において折り目ＦＬを基点に折り畳まれる使い捨ておむつ１０であっても、実際の吸収性能を発揮できる。

　股下伸縮部４１は、吸収コア３１の外側縁よりも幅方向Ｗの内側に位置する。吸収コア３１の股下伸縮部４１よりも幅方向Ｗの外側には、股下伸縮部４１の収縮力が作用し難い領域が設けられる。図３において、吸収コア３１において股下伸縮部４１よりも外側に位置するサイド領域Ｒ３１と、サイド領域Ｒ３１の間の中央領域Ｒ３２と、を示す。サイド領域Ｒ３１は、最も幅方向Ｗの外側に位置する股下伸縮部４１よりも幅方向Ｗの外側に位置する領域である。中央領域Ｒ３２は、股下伸縮部４１と重なる領域及び股下伸縮部４１よりも幅方向Ｗの内側に位置する領域を合わせた領域である。中央領域Ｒ３２は、股下伸縮部４１の収縮によって、サイド領域Ｒ３１に対して身体側に引き上げられる。

　また、本発明における防漏伸縮部４３、脚回り伸縮部４２、腰回り伸縮部４５、及び股下伸縮部４１を含む伸縮部は、糸ゴムや伸縮性シートなどの弾性部材が伸縮可能な状態で配置された部分であり、伸縮しない状態で弾性部材が配置された部分を含まない。すなわち、伸縮部は、伸縮部を構成する弾性部材の有効長部分である。

　（３）吸収コアの構成
　次いで、図２を参照し、吸収コア３１の構成について詳細に説明する。吸収コア３１は、吸収コア３１の最大幅３１Ｍよりも幅方向の長さが短い幅狭部３５と、幅狭部３５の前後方向の外側に配置された幅広部と、を有する。幅狭部３５は、前後に配置された幅広部の間に配置されている。幅狭部３５の幅方向の長さは、前後方向Ｌの外側に向かって長くなっている。吸収コア３１の平面視の形状は、砂時計形状である。なお、吸収コア３１のみならず、コアラップを含んだ吸収体の形状が、砂時計形状であってもよい。

　吸収コア３１は、周囲の領域よりも吸収材料の坪量が低い低坪量部３３を有する。低坪量部３３は、前後方向Ｌに沿って設けられている。低坪量部３３は、前後方向Ｌに延びていればよく、前後方向Ｌに対して平行であってもよいし、前後方向Ｌに対して９０度未満の角度で傾斜してもよい。低坪量部３３は、周囲の吸収コア３１よりも吸収材料の坪量が低い部分であり、周囲の吸収コア３１よりも厚さが薄く、かつ剛性が低い。よって、低坪量部３３は、装着状態で変形基点となり易い。吸収コア３１には、着用状態で前後方向Ｌに延びる変形基点が形成され易い。低坪量部３３は、吸収材料の坪量が実質的に零の部分（設計上の坪量が０であるが、周囲の吸収材料が混入した部分を含む）であってもよいし、周囲よりも少ない坪量の吸収材料が配置された部分であってもよい。低坪量部３３は、幅方向Ｗに一定の長さを有するスリットであってもよいし、幅方向Ｗの長さが実施的に零である切り込みであってもよい。各低坪量部３３の幅方向Ｗの長さは、２ｍｍ以上１０ｍｍ以下であってよく、より好適には、吸収コア３１の厚さ以上、８ｍｍ以下でよい。低坪量部３３の幅方向の長さが吸収コア３１の厚さ以上であることにより、低坪量部３３を基点に吸収コア３１が厚さ方向に変形し易くなる。また、低坪量部３３の幅方向の長さが８ｍｍ以下であることにより、低坪量部の幅方向の長さが長いことによる吸収性能に対する不安感を抑制できる。低坪量部３３の前後方向Ｌの長さは、３０ｍｍ以上１８０ｍｍ以下であってよい。

　低坪量部３３は、幅方向Ｗに間隔を空けて一対で配置されている。低坪量部３３は、使い捨ておむつの幅方向の中心１０ＷＣの両側に、幅方向Ｗに間隔を空けて配置されてよい。低坪量部３３の前後方向Ｌの中心は、使い捨ておむつの前後方向Ｌの中心１０ＬＣよりも後側に配置されてよい。低坪量部３３の前端縁３３Ｆは、股下伸縮部４１の前端縁４１Ｆよりも前側に位置してよく、低坪量部３３の後端縁３３Ｒは、股下伸縮部４１の後端縁４１Ｒと一致又は後端縁４１Ｒよりも前側に位置してよい。低坪量部３３の外側縁は、股下伸縮部４１を構成する糸ゴムのうち幅方向の外側に位置する糸ゴムと幅方向において一致していてよく、低坪量部３３の内側縁は、股下伸縮部４１を構成する糸ゴムのうち幅方向の内側に位置する糸ゴムと幅方向において一致していてよい。

　吸収コア３１は、周囲の領域よりも剛性が高い高剛性部７０を有してよい。高剛性部７０は、一対の股下伸縮部４１の間に配置された中央高剛性部７１と、股下伸縮部４１よりも後側に配置された後高剛性部７２と、股下伸縮部４１よりも前側に配置された前高剛性部７３と、を有してよい。中央高剛性部７１、後高剛性部７２及び前高剛性部７３は、それぞれ前後方向Ｌにおいて離間している。高剛性部７０は、周囲の領域よりも曲げ剛性が高い領域である。高剛性部７０は、周囲の領域よりも目付が高い部分であってもよいし、吸収コア３１が厚さ方向に圧縮された部分であってもよい。本実施の形態の高剛性部７０は、吸収コア３１が圧縮された圧搾部が設けられた部分である。圧搾部は、少なくとも吸収コア３１を厚さ方向Ｔに圧搾することによって形成されていればよく、コアラップ３２等の他の部材と吸収コア３１とが圧搾されることによって形成されてもよい。

　中央高剛性部７１は、股下域Ｓ３の吸収コア３１に設けられ、周囲の領域によりも剛性が高い部分である。中央高剛性部７１は、一対の低坪量部３３間の領域に設けられてよい。高剛性部は、前後方向Ｌにおける一方の端縁であり、前側の端縁である前端縁７１Ｆと、前後方向Ｌにおける他方の端縁であり、後側の端縁である後端縁７１Ｒと、を有する。中央高剛性部７１の前端縁７１Ｆは、低坪量部３３の前端縁と一致又は低坪量部３３の前端縁よりも後側に位置してよい。中央高剛性部７１の後端縁７１Ｒは、低坪量部３３の後端縁よりも前側に位置してよい。中央高剛性部７１の前後方向Ｌの中心は、低坪量部３３の前後方向Ｌの中心よりも前側に配置されてよい。中央高剛性部７１は、幅方向Ｗにおいて、低坪量部３３と間隔を空けて配置されてよい。中央高剛性部７１は、使い捨ておむつの中心１０ＬＣ及び使い捨ておむつの幅方向Ｗの中心１０ＷＣを跨がってよい。中央高剛性部７１は、本発明の「高剛性部」を構成する。図２に示すように、中央高剛性部７１の幅方向Ｗの長さをＡ、中央高剛性部７１と低坪量部３３との距離をＢとすると、Ａ＋Ｂ×２＞Ａを満たし、Ｂ×２＜Ａを満たしてよい。

　股下伸縮部４１は、中央高剛性部７１の幅方向の中心よりも両側に位置し、中央高剛性部７１よりも後側に延出してよい。吸収コア３１は、中央高剛性部７１よりも後側において股下伸縮部４１が配置された第１股下領域Ｒ４１と、中央高剛性部７１と股下伸縮部４１が厚さ方向又は幅方向において重なった第２股下領域Ｒ４２と、股下伸縮部４１よりも前側において中央高剛性部７１が配置された第３股下領域Ｒ４３と、を有してよい。第１股下領域Ｒ４１と第２股下領域Ｒ４２は、前後方向Ｌにおいて隣接しており、第２股下領域Ｒ４２と第３股下領域Ｒ４３は、前後方向Ｌにおいて隣接している。第１股下領域Ｒ４１の後端縁は、股下伸縮部４１の後端縁４１Ｒと一致し、第１股下領域Ｒ４１の前端縁は、中央高剛性部７１の後端縁７１Ｒと一致する。第２股下領域Ｒ４２の後端縁は、第１股下領域Ｒ４１の前端縁と一致し、第２股下領域Ｒ４２の前端縁は、股下伸縮部４１の前端縁４１Ｆと一致する。第３股下領域Ｒ４３の後端縁は、第２股下領域Ｒ４２の前端縁と一致し、第３股下領域Ｒ４３の前端縁は、中央高剛性部７１の前端縁７１Ｆと一致する。

　中央高剛性部７１は、折り目ＦＬを跨がずに配置されていてもよい。また、中央高剛性部７１の前端縁７１Ｆは、低坪量部３３の前端縁３３Ｆよりも前側に延出していてもよい。中央高剛性部７１は、前後方向に分離した複数の高剛性部の集合体であってもよい。複数の高剛性部の集合体が一体化して、中央高剛性部７１として機能してよい。複数の高剛性部の集合体からなる中央高剛性部７１は、集合体を構成する高剛性部が折り目を跨がずに配置されていてもよい。

　後高剛性部７２は、低坪量部３３よりも後側に配置されてよい。後高剛性部７２の外側縁は、後側に向かって幅方向Ｗの外側に延びてよい。後高剛性部７２の前端縁の幅方向Ｗの長さは、中央高剛性部７１の幅方向Ｗの長さよりも長くてよい。後高剛性部７２は、使い捨ておむつの幅方向Ｗの中心１０ＷＣを跨がってよい。前高剛性部７３は、低坪量部３３よりも前側に配置されてよい。前高剛性部７３は、使い捨ておむつの幅方向Ｗの中心１０ＷＣの両側に、幅方向Ｗに間隔を空けて配置されてよい。前高剛性部７３の前端縁は、幅方向Ｗの外側に向かって前側に延びてよい。

　ここで、本発明における外側部とは、幅方向Ｗにおける外側の縁を含む幅方向Ｗに一定の範囲を占める部分であり、外側縁とは、幅方向Ｗにおける外側の縁である。また、内側部とは、幅方向Ｗにおける内側の縁を含む幅方向Ｗに一定の範囲を占める部分であり、内側縁とは、幅方向Ｗにおける内側の縁である。

　（４）各部材の前後方向Ｌの関係
　次に、各部材の前後方向Ｌの関係について、図５及び図６を用いて説明する。図５は、使い捨ておむつの伸長状態における股下伸縮部と中央高剛性部との前後方向Ｌの関係を模式的に示した図である。図６は、２つに折り畳まれた使い捨ておむつが折り畳まれた状態を模式的に示した断面図である。

　以下において、使い捨ておむつ１０の伸長状態において、前後方向Ｌにおいて、股下伸縮部４１の後端縁４１Ｒから中央高剛性部７１の後端縁７１Ｒまでの長さをＬ１と称し、中央高剛性部７１の後端縁７１Ｒから股下伸縮部４１の前端縁４１Ｆまでの長さをＬ２と称する。股下伸縮部４１の前端縁４１Ｆから中央高剛性部７１の前端縁７１Ｆまでの長さをＬ３と称する。股下伸縮部４１の前端縁４１Ｆから折り目ＦＬまでの長さをＬ３１と称し、折り目ＦＬから中央高剛性部７１の前端縁７１Ｆまでの長さをＬ３２と称する。また、自然状態の使い捨ておむつ１０が折り畳まれた状態において、前後方向Ｌにおいて、折り目ＦＬから中央高剛性部７１の前端縁７１Ｆまでの長さをＬ４と称し、中央高剛性部７１の前端縁７１Ｆから脚回り開口部２５の股下側端縁２５Ｃまでの長さをＬ５と称する。折り目ＦＬから中央高剛性部７１の前端縁７１Ｆまでの長さをＬ３２と称する。

　図５に示すように、中央高剛性部７１の前端縁７１Ｆは、第２領域Ｒ２、又は、第１領域のうち前後方向Ｌにおいて股下伸縮部４１の前端縁４１Ｆよりも折り目ＦＬ近くの領域に配置されてよい。また、中央高剛性部７１の後端縁７１Ｒは、第１領域Ｒ１に配置されてよい。このような配置の場合、前後方向Ｌにおいて、股下伸縮部４１と折り目ＦＬとの間に中央高剛性部７１（の少なくとも一部）が配置されている。中央高剛性部７１は、中央高剛性部７１が形成されていない周囲の領域と比較して剛性が高いため、股下伸縮部４１の収縮により中央高剛性部７１が後胴回り域Ｓ２側へ引き上げられると、中央高剛性部７１と一緒に股下伸縮部４１と折り目ＦＬとの間の領域を引き上げることができる。従って、広範囲の折り目ＦＬ近傍の領域を引き上げることができるため、折り目ＦＬ近傍の肌面から体液を吸収し易くすることができる。

　本実施の形態では、中央高剛性部７１の前端縁７１Ｆは、第２領域Ｒ２に配置されている。これにより、中央高剛性部７１は、折り目ＦＬを跨がって配置されている。従って、第１領域Ｒ１側だけでなく、第２領域Ｒ２側の折り目近傍の肌面を後胴回り域Ｓ２側へ引き上げることができる。従って、広範囲の折り目ＦＬ近傍の領域を引き上げることができるため、折り目ＦＬ近傍の肌面から体液を吸収し易くすることができる。

　前後方向Ｌにおいて、股下伸縮部４１の前端縁４１Ｆは、中央高剛性部７１の後端縁７１Ｒよりも折り目ＦＬの近くに配置されてよい。股下伸縮部４１と中央高剛性部７１とが幅方向Ｗで重複する領域（すなわち、第２股下領域Ｒ４２）が存在するため、股下伸縮部４１の収縮により中央高剛性部７１を後胴回り域Ｓ２側へより引き上げ易くなる。中央高剛性部７１と一緒に股下伸縮部４１と折り目ＦＬとの間の領域をより確実に引き上げることができる。従って、広範囲の折り目ＦＬ近傍の領域を引き上げることができるため、折り目ＦＬ近傍の肌面から体液を吸収し易くすることができる。

　さらに、股下伸縮部４１の収縮により、折り目ＦＬ近傍の肌面を引き上げる際に、支点が、中央高剛性部７１の前端縁７１Ｆに位置し、力点が、股下伸縮部４１の伸縮により中央高剛性部７１を持ち上げる力であるため、股下伸縮部４１と中央高剛性部７１との重複領域の前後方向Ｌの中心に位置し、作用点が、中央高剛性部７１の前後方向Ｌの中心に位置する、第２種のてこの原理が働く。これにより、股下伸縮部４１の収縮力が大きくなくても、折り目ＦＬ近傍の領域を引き上げることができる。

　使い捨ておむつ１０の伸長状態において、前後方向Ｌにおいて、股下伸縮部４１の後端縁４１Ｒから中央高剛性部７１の後端縁７１Ｒまでの長さＬ１は、中央高剛性部７１の後端縁７１Ｒから股下伸縮部４１の前端縁４１Ｆまでの長さＬ２よりも長くてよい。長さＬ１は、股下伸縮部４１と中央高剛性部７１とが幅方向Ｗに重複しない股下伸縮部４１の非重複領域（すなわち、第１股下領域Ｒ４１）に対応する。また、長さＬ２は、股下伸縮部４１と中央高剛性部７１とが幅方向Ｗに重複する重複領域（すなわち、第２股下領域Ｒ４２）に対応する。中央高剛性部７１は、中央高剛性部７１が設けられていない周囲の領域と比較して剛性が高いため、第２股下領域Ｒ４２では、股下伸縮部４１による収縮力が低下し易い。一方、第１股下領域Ｒ４１では、股下伸縮部４１による収縮力が低下し難い。第１股下領域Ｒ４１を、収縮力が低下し易い第２股下領域Ｒ４２よりも大きくすることで、収縮力の低下を抑制でき、広範囲の折り目ＦＬ近傍の領域をより確実に引き上げることができる。

　使い捨ておむつ１０の伸長状態において、前後方向Ｌにおいて、中央高剛性部７１の後端縁７１Ｒから股下伸縮部４１の前端縁４１Ｆまでの長さＬ２は、股下伸縮部４１の前端縁４１Ｆから中央高剛性部７１の前端縁７１Ｆまでの長さＬ３よりも短くてよい。長さＬ３は、股下伸縮部４１と中央高剛性部７１とが幅方向Ｗに重複しない中央高剛性部７１の非重複領域（すなわち、第３股下領域Ｒ４３）に対応する。従って、前後方向Ｌにおいて、第２股下領域Ｒ４２の長さが、第３股下領域Ｒ４３の長さよりも短い。中央高剛性部７１は、中央高剛性部７１が設けられていない周囲の領域と比較して剛性が高いため、長さＬ３に対応する領域は、中央高剛性部７１と一緒に引き上げられる。この引き上げられる領域（すなわち、第３股下領域Ｒ４３）を、収縮力が低下する領域（すなわち、第２股下領域Ｒ４２）よりも大きくなるため、広範囲の折り目ＦＬ近傍の領域をより確実に引き上げることができる。また、力点となる第２股下領域Ｒ４２の前後方向Ｌの中心から、支点となる中央高剛性部７１の前端縁７１Ｆまでの距離も長くなり、股下伸縮部４１の収縮力が大きくなくても、折り目ＦＬ近傍の領域を引き上げることができる。

　使い捨ておむつ１０の伸長状態において、前後方向Ｌにおいて、前端縁４１Ｆから折り目ＦＬまでの長さＬ３１は、股下伸縮部４１の前後方向Ｌの長さ（Ｌ１＋Ｌ２）よりも短くてよい。これにより、前端縁４１Ｆが折り目ＦＬのより近くに配置されている。折り目ＦＬに近い領域ほど肌面がより露出し難いので、前端縁４１Ｆが折り目ＦＬのより近くから収縮することにより、肌面がより露出し難い折り目ＦＬ近傍の領域を後胴回り域Ｓ２側へ引き上げることができる。従って、折り目ＦＬ近傍の肌面をより露出することができ、折り目ＦＬ近傍の肌面から体液を吸収し易くすることができる。

　使い捨ておむつ１０の伸長状態において、前後方向Ｌにおいて、折り目ＦＬから中央高剛性部７１の前端縁７１Ｆまでの長さＬ３２は、股下伸縮部４１の前端縁４１Ｆから折り目ＦＬまでの長さＬ３１よりも長くてよい。長さＬ３２は、第２領域Ｒ２の中央高剛性部７１に対応する。長さＬ３１は、第１領域Ｒ１の中央高剛性部７１のうち股下伸縮部４１と幅方向Ｗに重複しない中央高剛性部７１に対応する。第２領域Ｒ２の中央高剛性部７１の大きさを大きくすることで、より広範囲の第２領域Ｒ２側の折り目ＦＬ近傍の肌面を、後胴回り域Ｓ２側へ引き上げることができる。また、力点となる第２股下領域Ｒ４２の前後方向Ｌの中心から、支点となる中央高剛性部７１の前端縁７１Ｆまでの距離が長くなり、股下伸縮部４１の収縮力が大きくなくても、折り目ＦＬ近傍の領域を引き上げることができる。

　図６に示すように、使い捨ておむつ１０が折り畳まれた状態では、前後方向Ｌにおいて、中央高剛性部７１の前端縁７１Ｆは、脚回り開口部２５の股下側端縁２５Ｃと折り目ＦＬとの間に配置されてよい。肌面側どうしが向かい合った状態になり易い脚回り開口部２５の股下側端縁２５Ｃと折り目ＦＬとの間に中央高剛性部７１の前端縁７１Ｆを配置することで、肌面側どうしが向かい合った領域を後胴回り域Ｓ２側へ効率よく引き上げることができる。なお、図６に示すように、使い捨ておむつ１０が折り畳まれた状態では、折り目ＦＬは、表面シート２１の肌面側Ｔ１の折り目である。

　使い捨ておむつ１０が折り畳まれた状態では、前後方向Ｌにおいて、折り目ＦＬから中央高剛性部７１の前端縁７１Ｆまでの長さＬ４は、中央高剛性部７１の前端縁７１Ｆから脚回り開口部２５の股下側端縁２５Ｃまでの長さＬ５よりも短くてよい。中央高剛性部７１は剛性が高いため、中央高剛性部７１が形成されていない周囲の領域の方が着用者の肌触りがよい。長さＬ４を長さＬ５よりも短くすることで、着用者の肌触りを維持しつつも、より広範囲の第２領域Ｒ２側の折り目ＦＬ近傍の肌面を、後胴回り域Ｓ２側へ引き上げることができる。

　図６に示すように、使い捨ておむつ１０は、起立性の防漏ギャザー６０を有してよい。防漏ギャザー６０は、表面シート２１の肌面側Ｔ１に位置し、表面シート２１に対して起立可能である。防漏ギャザー６０は、防漏伸縮部４３の収縮によって起立する収縮部６１と、収縮部６１の立ち上がりの基点となる基点部６２と、を有する。防漏伸縮部４３は、サイドシート２２の内側縁に配置されており、サイドシート２２の内側縁を着用者側に起立させる。

　使い捨ておむつ１０が折り畳まれた状態では、前後方向Ｌにおいて、股下伸縮部４１の前端縁４１Ｆは、着用時に肌面側Ｔ１に起立する防漏ギャザー６０の基点部６２と折り目ＦＬとの間に配置されている。防漏ギャザー６０の基点部６２と折り目ＦＬとの間は、防漏ギャザー６０の収縮力が働かないため、使い捨ておむつ１０を展開する場合に、肌面どうしが向かい合った状態になりやすい。防漏ギャザー６０の基点部６２と折り目ＦＬとの間に股下伸縮部４１の前端縁４１Ｆを配置することにより、肌面側どうしが向かい合った状態になり易い折り目近傍の領域を後胴回り域Ｓ２側へ引き上げることができる。

　（５）使い捨ておむつの着用状態
　次いで、図７及び図８に基づいて、使い捨ておむつ１０の着用状態について説明する。図７は、使い捨ておむつのＡ－Ａ断面における着用状態を模式的に示した図である。図８は、実施形態に係る使い捨ておむつの装着状態を模式的に示した図であり、寝た状態の着用者を正面側から視認した図である。図７に示すラインＢＬは、着用者の身体のラインを示している。

　使い捨ておむつが着用されると、装着時の引き上げや着用者の脚によって挟まれたりすることにより、股下域Ｓ３の吸収コア３１には肌面側Ｔ１及び幅方向Ｗの内側に向かう力がかかり、股下域Ｓ３の吸収コア３１は、着用時に前後方向Ｌに延びる低坪量部３３を基点に変形し、低坪量部３３が身体側に凸状になるように変形し易い。このとき、一対の低坪量部３３間の領域は、中央高剛性部７１によって剛性が高められ、身体に沿った状態を維持し易い。このとき、中央高剛性部７１の幅方向Ｗの長さＡ＋（中央高剛性部７１と低坪量部３３との距離Ｂ×２）＞中央高剛性部７１の幅方向Ｗの長さＡを満たしており、中央高剛性部７１と低坪量部３３の間に距離Ｂが設けられている。距離Ｂの領域は、中央高剛性部７１よりも変形し易い。低坪量部間の領域が股間に収まらない場合に、距離Ｂの領域が変形する。低坪量部３３を基点とした凸状の変形状態及び中央高剛性部７１が身体に沿った状態を維持し易くなり、身体に対する隙間を低減できる。

　加えて、低坪量部３３と中央高剛性部７１は、幅方向Ｗに間隔を空けており、連なっていない。そのため、低坪量部３３の内側縁及び中央高剛性部７１の外側縁７１Ｅでは、幅方向に隣接する領域に対する剛性差が生じる。低坪量部３３の内側縁及び中央高剛性部７１の外側縁も変形基点となり、複数の基点で変形することで、吸収コアがより身体にフィットし易い。より詳細には、図７に示すように、吸収コア３１は、低坪量部３３を基点に変形し、サイド領域Ｒ３１に対して中央領域Ｒ３２が身体側に凸状となる。更に、中央領域Ｒ３２においても、中央高剛性部７１の外側縁７１Ｅを境界として剛性が変化するため、中央高剛性部７１の外側縁７１Ｅを基点に変形し、距離Ｂの領域に対して中央高剛性部７１が配置された領域が身体側に凸状となる。加えて、Ｂ×２＜Ａを満たすため、低坪量部３３間の領域において中央高剛性部７１が占める割合は、距離Ｂが占める割合よりも高い。よって、低坪量部３３間において、身体に沿うように吸収コア３１を配置し、身体に対する隙間を低減できる。身体の股間に沿うように吸収コア３１が変形することによって漏れを低減できる。

　中央高剛性部７１は、使い捨ておむつ１０の肌面側どうしが向き合うように折り畳まれる折り目ＦＬを跨いでよい。使い捨ておむつ１０の折り目ＦＬの近傍では、折り癖によって非肌面側に向かって凸状に変形し易い。中央高剛性部７１が折り目ＦＬを跨っていることにより、当該折り癖による変形を抑制し、身体側に対して凸状の変形を維持し易い。

　股下伸縮部４１は、中央高剛性部７１に対する幅方向Ｗの両方の外側に配置されてよい。股下伸縮部４１の収縮によって、中央高剛性部７１よりも幅方向Ｗの外側の領域を身体側に引き上げることができる。よって、低坪量部３３近傍が身体側に凸状に変形し易い。また、中央高剛性部７１は、股下伸縮部４１によって収縮し難い。よって、吸収面積を確保するとともに、股間に沿った凸形状を維持し、漏れを低減できる。

　股下伸縮部４１の少なくとも一部は、低坪量部３３と重なる領域に配置されてよい。低坪量部３３は、周囲よりも剛性が低いため、股下伸縮部が低坪量部と重なることにより、股下伸縮部が収縮し易くなり、凸変形をより維持し易くなる。

　股下伸縮部４１から幅方向Ｗに延びる領域内において、中央高剛性部７１が配置された領域を有し、重複領域の前後方向Ｌの長さは、中央高剛性部７１の前後方向の長さＬ７１に対する１／２以下であってよい。股下伸縮部４１の収縮によって中央高剛性部７１全体が収縮し難くなる。よって、吸収面積を確保するとともに、中央高剛性部７１が股間に沿った凸形状を維持し易く、漏れを低減できる。

　低坪量部３３と吸収コア３１の外側縁３１Ｅとの距離をＤとし、吸収コア３１の外側縁３１Ｅ間の長さをＥとすると、Ｄ＞Ｅ／４を満たしてよい。ここでいう吸収コア３１の外側縁３１Ｅとは、低坪量部３３から幅方向Ｗに延びる領域内における外側縁である。すなわち、低坪量部３３を通り、かつ幅方向Ｗに延びる直線上において、Ｄ＞Ｅ／４を満たしていればよい。

　低坪量部３３を基点として身体側に凸状に変形すると、低坪量部３３よりも幅方向Ｗの外側の領域（距離Ｄの領域）は、凸状の変形を支持する領域となる。低坪量部３３よりも幅方向Ｗの外側の領域（距離Ｄの領域）は、吸収コア３１の幅方向Ｗの全域に対する１／４よりも長いため、凸状の変形を安定して支持し、凸形状を維持し易くなる。

　一対の低坪量部３３のうち一方である第１低坪量部３３１と中央高剛性部７１との距離をＢ１とし、一対の低坪量部３３のうち他方である第２低坪量部３３２と中央高剛性部７１との距離をＢ２とすると、Ｂ１≠Ｂ２を満たしてよい。第１低坪量部３３１と中央高剛性部７１の距離Ｂ１と、第２低坪量部３３２と中央高剛性部７１の距離Ｂ２と、が異なるため、左右両側から力が掛かった際に、距離Ｂ１の領域又は距離Ｂ２の領域の一方が先に変形する。そのため、左右両側から均等に中央高剛性部に力がかかり、中央高剛性部自体が折り曲がる不具合を抑制できる。よって、股間に沿うような凸形状を維持し、吸収面積を確保するとともに、漏れを低減できる。

　中央高剛性部７１は、低坪量部３３によって挟まれた領域のみに配置されてよい。すなわち、中央高剛性部７１の前端縁７１Ｆは、低坪量部３３の前端縁３３Ｆと一致又は低坪量部３３の前端縁３３Ｆよりも後側に位置し、中央高剛性部７１の後端縁７１Ｒは、低坪量部３３の後端縁３３Ｒと一致又は低坪量部３３の後端縁３３Ｒよりも前側に位置してよい。低坪量部３３によって挟まれた領域のみに中央高剛性部７１が設けられているため、中央高剛性部７１は、身体側に凸状に変形した領域のみに配置される。中央高剛性部７１を股間に沿わせて面状に配置でき、股間に対するフィット性をより向上できる。

　中央高剛性部７１は、折り目ＦＬを跨いでよい。使い捨ておむつの折り目ＦＬの近傍では、折り癖によって非肌面側に向かって凸状に変形し易い。中央高剛性部７１が折り目ＦＬを跨ることにより、当該折り癖による変形を抑制し、身体側に対して凸状の変形を維持し易い。また、変形例において、中央高剛性部７１は、折り目ＦＬを跨いでいなくてもよい。中央高剛性部７１が折り目ＦＬを跨がないことにより、比較的剛性の高い中央高剛性部７１によって折り目による折り癖が付くことを抑制できる。よって、当該折り癖による変形を抑制し、身体側に対して凸状の変形を維持できる。

　低坪量部３３の前後方向Ｌの中心は、使い捨ておむつ１０の前後方向Ｌの中心１０ＬＣよりも後側に配置されてよい。低坪量部３３が後側に偏倚しているため、低坪量部３３を基点とした変形を臀部側に設けることができる。

　股下伸縮部４１から幅方向Ｗの外側に延びる延長線上に脚回り伸縮部４２配置されてもよい。脚回り伸縮部が身体にフィットした状態で吸収コア３１が変形することにより、中央領域Ｒ３２がサイド領域Ｒ３１に対してより立ち上がり易くなる。股下伸縮部４１の収縮によって吸収コア３１がより着用者側に引き上げられ易くなる。

　脚回り伸縮部４２は、後側に向かって幅方向Ｗの外側に向かって延びてよい。後側に向かって幅方向Ｗの外側に向かって延びる脚回り伸縮部が身体に密着することにより、着用者の臀部を使い捨ておむつで覆うことができる。後側に向かって広い範囲で臀部を覆った状態で、股下域に向けて吸収コア３１の幅方向Ｗの長さが短くなるように吸収コア３１を変形できる。着用者の股間に吸収コア３１を適切に収めつつ、使い捨ておむつによって身体全体を覆い、漏れを抑制できる。

　本明細書における「吸収コアの坪量」の測定は、以下の測定方法によって行われるものとする。使い捨ておむつ１０がパッケージなどに封入されている場合には、パッケージから取り出し、その状態にて20℃±2℃、相対湿度60％±5％RHの雰囲気下において12時間放置したサンプルを用いる。包装シート等によって包装された使い捨ておむつにおいては包装シートを開封し、折り畳まれた使い捨ておむつを展開する。次いで、坪量を測定する部分を使い捨ておむつから切り出し、切り出した部分から表面シート等、吸収コア以外の部分を取り除く。そして、吸収コアの坪量を測定する部分の面積及び重量を測定する。重量と面積とに基づいて坪量を算出する。

　本明細書における「曲げ剛性」は、ガーレー剛軟度によって測定された値であってもよい。ガーレー剛軟度の測定は、(株)安田精機製作所製のＮｏ３１１のガーレー式柔軟度試験機を用いて、ＪＩＳ－Ｌ１０９６に準拠して測定することが可能である。ガーレー剛軟度の測定のサンプルの幅方向Ｗの長さは、30ｍｍ、前後方向の長さは、25ｍｍとすることができる。

　（６）その他実施形態
　上述の実施形態では、股下伸縮部４１は、折り目ＦＬを跨がずに、第１領域Ｒ１に配置されていたが、これに限られない。股下伸縮部４１は、折り目ＦＬを跨がずに第２領域Ｒ２に配置されてよい。この場合、後端縁４１Ｒが、股下側端縁２５Ｃと折り目ＦＬとの前後方向Ｌの間に配置されてよい。これにより、股下伸縮部４１は、前胴回り域Ｓ１側の方向へ伸縮するので、折り目ＦＬ近傍の領域は、股下伸縮部４１の収縮力によって、前胴回り域Ｓ１側へ引き上げられる。これにより、着用者の排出口に折り目近傍の領域を近づけることができる。従って、股下伸縮部４１は、折り目ＦＬを跨がずに、第２領域Ｒ２に配置されている場合、上述の説明において、前後方向Ｌにおける股下伸縮部４１の前端縁４１Ｆと後端縁４１Ｒとが逆であってもよく、前後方向Ｌにおける中央高剛性部７１の前端縁７１Ｆと後端縁７１Ｒとが逆であってもよい。

　股下伸縮部４１は、折り目ＦＬを跨がずに、第１領域Ｒ１と第２領域Ｒ２とのそれぞれに配置してもよい。これにより、第１領域Ｒ１に配置された股下伸縮部４１が、折り目ＦＬ近傍の領域を後胴回り域Ｓ２側へ引き上げ、第２領域Ｒ２に配置された股下伸縮部４１が、折り目ＦＬ近傍の領域を前胴回り域Ｓ１側へ引き上げることができる。これにより、着用者の排出口に折り目近傍の領域をさらに近づけることができる。

　上述の実施形態では、股下伸縮部４１は、第１領域Ｒ１のみに配置されていたが、股下伸縮部４１は、第２領域Ｒ２のみに配置されてもよい。これにより、折り目ＦＬ近傍の領域を前胴回り域Ｓ１側へ引き上げつつも、後胴回り域Ｓ２において着用者の肌と使い捨ておむつ１０との間の空間を確保することができ、便の収容空間を確保することができる。

　上述において、使い捨ておむつ１０を一例として説明したが、吸収性物品に本明細書に記載の内容を適用してもよい。
　以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。

　なお、２０１８年８月１４日に出願された日本国特許出願第２０１８－１５２７７９号の全内容が、参照により、本明細書に組み込まれる。

　本発明によれば、股下域において幅方向に延びる折り目を基点に折り畳まれる吸収性物品において、実際の吸収性能を発揮できる使い捨ておむつを提供できる。

１０　使い捨ておむつ、１０ＬＣ　おむつの前後方向の中心、１０ＷＣ　おむつの幅方向の中心、２１　表面シート、２２　サイドシート、２３　　裏面シート、２４　外装シート、２７　サイドフラップ部、３０　吸収体、３１　吸収コア、３２　コアラップ、３３　低坪量部、３５　幅狭部、４１　股下伸縮部、４２　脚回り伸縮部、４３　防漏伸縮部、４５　腰回り伸縮部、５１　インジケータ、７１　中央高剛性部（高剛性部）、７２　後高剛性部（高剛性部）、７３　前高剛性部（高剛性部）、９１　ファスニングテープ、９２　ベース部、９３　係合部、９５　ターゲット部、Ｌ　前後方向、Ｗ　幅方向、Ｔ　厚さ方向、Ｔ１　肌面側、Ｔ２　非肌面側、Ｓ１　前胴回り域、Ｓ２　後胴回り域、Ｓ３　中間域

Claims

　吸収性物品であって、
　互いに直交する前後方向及び幅方向と、
　前胴回り域、後胴回り域、及び前記前胴回り域及び前記後胴回り域との間に配置された股下域と、
　少なくとも前記股下域に配置された吸収コアと、
　前記吸収性物品の着用時において着用者の脚回りに配置される脚回り開口部と、を備え、
　前記股下域は、前記前後方向において前記幅方向に延びる折り目を境界として分けられる第１領域と第２領域とを有し、
　前記股下域において前記折り目を基点に、前記吸収性物品の肌面側どうしが向き合うように折り畳まれており、
　前記股下域の前記吸収コアと重なる領域において前記前後方向に伸縮する一対の股下伸縮部を備え、
　前記股下伸縮部は、前記前後方向における一方の端縁である第１端縁と、前記前後方向における他方の端縁である第２端縁と、を有し、
　前記第１端縁及び前記第２端縁は、前記折り目を跨がずに前記第１領域に配置されており、
　前記第２端縁は、前記第１端縁よりも前記折り目の近くに配置されており、
　前記吸収性物品が折り畳まれた状態では、前記第２端縁は、前記脚回り開口部において前記折り目に最も近い端縁と前記折り目との前記前後方向の間に配置されている、吸収性物品。
　前記吸収性物品の伸長状態において、前記前後方向において、前記第２端縁から前記折り目までの長さは、前記股下伸縮部の長さよりも短い請求項１に記載の吸収性物品。
　前記股下域の前記吸収コアには周囲の領域によりも剛性が高い高剛性部が設けられており、
　前記高剛性部は、前記前後方向における一方の端縁である第１剛性端縁と、前記前後方向における他方の端縁である第２剛性端縁と、を有し、
　前記第１剛性端縁は、前記第１領域に配置されており、
　前記第２剛性端縁は、前記第２領域、又は、前記第１領域のうち前記前後方向において前記第２端縁よりも前記折り目の近くの領域、に配置されている請求項１又は２に記載の吸収性物品。
　前記前後方向において、前記第２端縁は、前記第１剛性端縁よりも前記折り目の近くに配置されている請求項３に記載の吸収性物品。
　前記吸収性物品の伸長状態において、前記前後方向において、前記第１端縁から前記第１剛性端縁までの長さは、前記第１剛性端縁から前記第２端縁までの長さよりも長い請求項４に記載の吸収性物品。
　前記吸収性物品の伸長状態において、前記前後方向において、前記第１剛性端縁から前記第２端縁までの長さは、前記第２端縁から前記第２剛性端縁までの長さよりも短い請求項４又は５に記載の吸収性物品。
　前記第２剛性端縁は、前記第２領域に配置されている請求項３から６のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　前記吸収性物品の伸長状態において、前記前後方向において、前記折り目から前記第２剛性端縁までの長さは、前記第２端縁から前記折り目までの長さよりも長い請求項７に記載の吸収性物品。
　前記吸収性物品が折り畳まれた状態では、前記前後方向において、前記第２剛性端縁は、前記脚回り開口部において前記折り目に最も近い端縁と前記折り目との間に配置されている請求項７又は８に記載の吸収性物品。
　前記吸収性物品が折り畳まれた状態では、前記前後方向において、前記折り目から前記第２剛性端縁までの長さは、前記第２剛性端縁から前記脚回り開口部において前記折り目に最も近い端縁までの長さよりも短い請求項９に記載の吸収性物品。
　前記吸収性物品が折り畳まれた状態では、前記前後方向において、前記第２端縁は、着用時に肌面側に起立する防漏ギャザーの基点部と前記折り目との間に配置されている請求項１から１０のいずれか１項に記載の吸収性物品。