WO2020012976A1 - 情報処理装置、情報処理システム、行動予測方法及びプログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理システム、行動予測方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

環境やその変化に対応した移動物体の追跡や行動予測をすることを可能にする。情報処理装置(10)は、対象物に影響を与える要因に関する環境情報に基づいて前記対象物の行動予測に使用する運動モデルを変更する変更部(16)と、前記変更部によって変更された運動モデルを用いて前記対象物の行動を予測する予測部(15)とを備える。

Description

情報処理装置、情報処理システム、行動予測方法及びプログラム
 本開示は、情報処理装置、情報処理システム、行動予測方法及びプログラムに関する。
 従来、移動物体の追跡や行動予測では、運動モデルを静的に決定しておき、この運動モデルに応じて移動物体の追跡や行動予測が実行されていた。移動物体の追跡・行動予測で使用される代表的な手法としては、カルマンフィルタ、拡張カルマンフィルタ、シグマポイントカルマンフィルタ、パーティクルフィルタなどが存在する。
特開2017-177923号公報 特開2016-71830号公報
 しかしながら、静的に決定された運動モデルに応じて移動物体の予測を行う場合、マップ形状からして存在するはずのない場所に移動物体が存在すると予測されたり、時間帯的にそのような行動をとるはずがないにも関わらず移動物体がそのような行動をとると予測されたりなど、環境やその変化に対応した移動物体の追跡や行動予測をすることができない場合が存在した。
 そこで本開示では、環境やその変化に対応した移動物体の追跡や行動予測をすることを可能にする情報処理装置、情報処理システム、行動予測方法及びプログラムを提案する。
 上記の課題を解決するために、本開示に係る一形態の情報処理装置は、対象物に影響を与える要因に関する環境情報に基づいて前記対象物の行動予測に使用する運動モデルを変更する変更部と、前記変更部によって変更された運動モデルを用いて前記対象物の行動を予測する予測部とを備える。
(作用)本開示に係る一形態の情報処理装置では、対象物の行動予測に使用する運動モデルが、対象物に影響を与える要因に関する環境情報に基づいて変更されるため、一般化された運動モデルを静的に利用する場合では考慮しきれない環境情報に対しても、運動モデルを動的に変更することで対応することが可能となる。それにより、環境やその変化に対応した移動物体の追跡や行動予測をすることが可能となる。
 本開示によれば、環境やその変化に対応した移動物体の追跡や行動予測をすることを可能にする情報処理装置、情報処理システム、行動予測方法及びプログラムを実現することができる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載された何れかの効果であってもよい。
移動物体の追跡・行動予測で使用される代表的な手法に共通する枠組みの処理の流れを示すフローチャートである。 図1に示す処理の流れの具体例を示す図である。 本開示の一実施形態に係る行動追跡・予測システムの概略構成例を示すブロック図である。 本開示の一実施形態に係る環境情報記憶部のデータ構造の一例を示す図である。 本開示の一実施形態に係る追跡・行動予測処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図5に示す処理の流れの具体例を示す図である。 本開示の一実施形態に係る運動モデルの変更を説明するための図である。 本開示の一実施形態に係るユースケースの第1の具体例を説明するための図である(時刻t)。 本開示の一実施形態に係るユースケースの第1の具体例を説明するための図である(時刻t+1)。 本開示の一実施形態に係るユースケースの第2の具体例に係る平日/休日での時間帯ごとの歩行者の行動目的の一例を示す図である。 本開示の一実施形態に係るユースケースの第2の具体例に係る平日/休日での時間帯ごとの歩行者の母集団の平均速度及びそのバラツキの一例を示す図である。 本開示の一実施形態に係るパーティクルフィルタを用いた追跡・行動予測処理の流れの第1例を示す図である。 本開示の一実施形態に係るパーティクルフィルタを用いた追跡・行動予測処理の流れの第2例を示す図である。 本開示の一実施形態に係るパーティクルフィルタを用いた追跡・行動予測処理の流れの第3例を示す図である。 本開示の一実施形態に係る行動追跡・予測システムを実現するハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
 以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
 また、以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
  1.用語の説明
  2.一実施形態
   2.1 はじめに
   2.2 システムの概要
    2.2.1 環境情報生成用センサ
    2.2.2 環境情報記憶部
    2.2.3 物体検出用センサ
    2.2.4 物体検出部
    2.2.5 時系列フィルタ
    2.2.6 運動モデル変更部
  2.3 動作例
   2.3.1 フローチャート
   2.3.2 具体例
  2.4 運動モデルの変更
  2.5 確率分布の正規化
  2.6 ユースケースの例
   2.6.1 ユースケースの第1の具体例
   2.6.2 ユースケースの第2の具体例
  2.7 行動予測の具体例
   2.7.1 パーティクルフィルタによる行動予測の第1例
   2.7.2 パーティクルフィルタによる行動予測の第2例
   2.7.3 パーティクルフィルタによる行動予測の第3例
  2.8 まとめ
  2.9 ハードウェア構成
 1.用語の説明
 まず、本開示において使用する用語について、以下に説明する。
 「移動物体」とは、人(歩行者等)やペットなどの動物や自転車や自動車などの乗り物等の他、家庭内ペットロボットなどの自律移動ロボットやロボット掃除機や無人航空機や追従運搬ロボットなど、移動することが可能であってその運動(本説明では主に移動)をモデル化することが可能な物体であってよい。本開示では、この移動物体を対象物と称する場合もある。
 「運動モデル」とは、例えば状態方程式などの、移動物体の動作や振る舞い等を数式として記述したものであり、所定時間経過後のタイミングでの移動物体の状態の確率分布を推定するために利用される計算モデルであってよい。なお、本開示における確率分布の「推定」は、確率分布の「生成」と同義であってもよい。また、以下の説明において、所定時間経過後のタイミングは、例えば、「次の時刻」と記述される場合もあれば、時刻t+1や時刻t+2など、ある特定のタイミングによって表現される場合もある。
 「確率分布」とは、移動物体が存在する可能性がある範囲や移動物体がとる可能性のある姿勢の範囲等を確率の分布で表現したものである。本開示では、説明の簡略化のため、移動物体の状態の確率分布と記述する。
 「環境情報」とは、対象となる移動物体に何らかの影響を与える要因に関する情報であってよい。この環境情報は、例えば、内的要因と外的要因との2種類に大別することができる。内的要因となる環境情報とは、対象物が内的に保持している情報であり、例えば、対象となる移動物体の性別、年齢、職業、家族構成、感情、出勤(通学)や帰宅や食事などの移動している目的(行動目的ともいう)、ライフログ(雨の日は電車で出勤、晴れの日は歩いて出勤など)など、個々の移動物体をプロファイリングすることで得られる情報等であってよい。外的要因となる環境情報は、対象となる移動物体に影響を与える情報であり、例えば、マップの形状(道路の幅や高低差等を含む)、場所、混雑状況、時間(時間帯を含む)、曜日(平日/休日を含む)、天気、気温、湿度、季節などの情報であってよい。
 2.一実施形態
 つぎに、本開示の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、行動予測方法及びプログラムについて、図面を参照して詳細に説明する。
 2.1 はじめに
 まず初めに、上述において、移動物体の追跡・行動予測で使用される代表的な手法として例示した、カルマンフィルタ、拡張カルマンフィルタ、シグマポイントカルマンフィルタ及びパーティクルフィルタに共通する枠組みを、図1及び図2を用いて説明する。図1は、これらの手法の処理の流れを示すフローチャートである。図2は、図1に示す処理の流れの具体例を示す図である。
 図1に示すように、上述した手法では、まず、確率分布として表現される移動物体の初期状態が推定される(ステップS101)。つぎに、センサなどで移動物体の状態が観測され(ステップS102)、その観測結果を基に、移動物体の状態の確率が推定されて更新される(ステップS103)。つづいて、運動モデルを用いることで、推定された移動物体の現在の状態の確率から次の時刻t+1における移動物体の状態の確率が予測される(ステップS104)。そして、ステップS102~S104に示す動作は、外部からの割り込み等により終了が命令されるまで(ステップS105のYES)、繰り返し実行される(ステップS105のNO)。
 この流れを図2を用いて説明すると、例えば、ステップS101に示す時刻t=0における初期状態では、通路L1上における移動物体Mが存在する可能性を確率の分布で表した確率分布P0の分散が大きいが、ステップS102-1で対象となる移動物体Mが確率分布P0の中心に観測されたことにより、ステップS103-1で推定及び更新された確率分布P1-1の分散が確率分布P0の分散よりも小さくなっている。そして、ステップS104-1において、運動モデルを用いることで、時刻tでの移動物体Mの確率分布P1-1から次の時刻t+1における移動物体Mの確率分布P2-1が予測される。以降、例えば、外部からの割り込み等により終了が命令されるまで(ステップS105のYES)、本動作が次のループへ移行して(ステップS105のNO)、ステップS102-n~S104A-nの動作が実行される(nは正の整数)。
 図2に例示するステップS104-1では、時刻t=0から時刻tまでの間に移動物体Mが移動していないことから(ステップS102-1参照)、運動モデルに基づいて、時刻tにおける移動物体Mは移動していないと推定される(ステップS103-1参照)。そのため、時刻tから時刻t+1までの間も、移動物体Mは大きく移動しないと予測されている(ステップS104-1参照)。一方、時刻t+1で実際に観測された移動物体Mの位置は、時刻tでの位置(ステップS102-1参照)から通路L1に沿って移動している(ステップS102-2参照)。そのため、ステップS103-2では、時刻tでの移動物体Mの位置及び時刻t+1での移動物体Mの位置や、時刻tから時刻t+1までの移動物体Mの移動量及びその移動方向等を考慮して、時刻t+1での移動物体Mの確率分布P1-2が推定されて更新される。その際、ステップS102で使用するセンサの種類等や観測状況等に基づいて、観測結果にノイズが含まれていることが加味されてもよい。そして、ステップS104-2では、運動モデルに基づくことで、時刻t+1での確率分布P1-2や、時刻tから時刻t+1までの移動物体Mの移動量及びその移動方向等から、時刻t+2での移動物体Mの確率分布P2-2が予測される。図2に示す例では、移動物体Mが通路L1に沿って図面中上方向へ移動していると推定されているため(ステップS103-2参照)、ステップS104-2では、移動物体Mが時刻t+2において上方向に移動していると予測されている。
 このような流れにおいて、確率分布Pの推定(ステップS104)に使用する運動モデルが静的に決定された運動モデルであると、上述したように、マップ形状からして存在するはずのない場所(図2に示す例では例えば通路L1外の場所)に移動物体Mが存在すると予測されたり、時間帯的にそのような行動をとるはずがないにも関わらず移動物体Mがそのような行動をとると予測されたりなど、環境やその変化に対応した移動物体Mの追跡や行動予測をすることができない場合がある。
 そこで本実施形態では、環境やその変化に対応した移動物体の追跡や行動予測をすることを可能にする情報処理装置、情報処理システム、行動予測方法及びプログラムを提案する。本実施形態によれば、移動物体の追跡・行動予測において、一般化された運動モデルを静的に利用する場合では考慮しきれない環境情報に対しても、運動モデルを動的に変更することで対応することが可能となる。なお、本実施形態では、環境情報の具体例として、マップ、天気、時間、目的などの環境情報を例示するが、これらの環境情報に限定されず、種々の環境情報に対して運動モデルを動的に変更するように構成することが可能である。
 2.2 システムの概要
 図3は、本実施形態に係る行動追跡・予測システム(情報処理装置又は情報処理システム)の概略構成例を示すブロック図である。図3に示すように、行動追跡・予測システム10は、環境情報生成用センサ11と、環境情報記憶部12と、物体検出用センサ13と、物体検出部14と、時系列フィルタ(予測部)15とを備える。
 2.2.1 環境情報生成用センサ
 環境情報生成用センサ11は、センサ周囲の地形や存在する物体までの距離や方向などの情報を取得するセンサ(以下、外界センサという)であり、外部の状況を撮像するCCD(Charge Coupled Device)カメラや、周囲に存在する物体までの距離やその性質を測定するLIDAR(Light Detection and Ranging又はLaser Imaging Detection and Ranging)センサなどの他、ToF(Time of Flight)センサやGPS(Global Positioning System)センサ等を用いることができる。
 2.2.2 環境情報記憶部
 環境情報記憶部12は、静的マップ情報12A、動的マップ情報12B、時間依存情報12Cなどの外的要因となる環境情報の他、移動物体ごとの内的要因となる環境情報等を記憶する記憶部である。なお、外的要因となる環境情報とは、上述したように、対象となる移動物体に影響を与える情報であり、例えば、マップの形状(道路の幅や高低差等を含む)、混雑状況、時間(時間帯を含む)、曜日、天気、季節などの情報であってよい。また、内的要因となる環境情報も同様に、対象物が内的に保持している情報であり、例えば、対象となる移動物体の性別、年齢、職業、家族構成、感情、移動している目的、ライフログなど、個々の移動物体をプロファイリングすることで得られる情報等であってよい。
 図4に、本実施形態に係る環境情報記憶部のデータ構造の一例を示す。図4に示すように、環境情報記憶部12は、エリアごとに、静的マップ情報12A、動的マップ情報12B、時間依存情報12C等の環境情報が対応付けられたテーブル構造を有している。
 静的マップ情報12Aとは、例えば、エリアごとに区切られた各エリアの地図データなどのマップ形状等に関する情報である。動的マップ情報12Bは、例えば、静的マップ情報12Aと組み合わされる情報であって、交通規制や道路工事、事故や渋滞といった動的に変化する情報である。この動的マップ情報は、ダイナミックマップ情報とも呼ばれる。時間依存情報12Cは、例えば、時間帯に応じた人や自動車等の行動(移動)パターンなど、時間又は時間帯に応じて変化する外的要因となる環境情報である。
 これらの他にも、環境情報記憶部12は、上述したように、例えば、対象となる移動物体の性別、年齢、職業、家族構成、感情、出勤(通学)や帰宅や食事などの移動している目的(行動目的ともいう)、ライフログ(雨の日は電車で出勤、晴れの日は歩いて出勤など)などの内的要因となる環境情報や、曜日(平日/休日を含む)、天気、気温、湿度、季節などの外的要因となる環境情報を記憶していてよい。
 2.2.3 物体検出用センサ
 図3に戻り説明する。物体検出用センサ13は、センサ周囲に存在する物体までの距離や方向などの情報を取得するセンサ(以下、外界センサという)であり、外部の状況を撮像するCCD(Charge Coupled Device)カメラや、周囲に存在する物体までの距離やその性質を測定するLIDAR(Light Detection and Ranging又はLaser Imaging Detection and Ranging)センサなどの他、ToF(Time of Flight)センサやGPS(Global Positioning System)センサ等を用いることができる。この物体検出用センサ13は、上述した環境情報生成用センサ11と同一であってもよいし、別々であってもよい。
 2.2.4 物体検出部
 物体検出部14は、物体検出用センサ13で取得された検出結果を処理することで、物体の位置を検出する。その際、物体検出部14は、検出した物体の個体認識や属性認識等を実行してもよい。例えば、個体認識を実行することで、検出した物体が人であればその性別、年齢、職業、家族構成、ライフログなどの内的要因による属性情報を環境情報記憶部12等から特定することが可能となる。また、属性認識を実行することで、検出した物体が人であればその性別や年齢や現在の感情や移動している目的などの内的要因による属性情報を推定又は環境情報記憶部12等から特定することが可能となる。
 2.2.5 時系列フィルタ
 時系列フィルタ15は、運動モデルを用いることで、物体検出部14で検出された物体の位置等の情報から、この物体に対する追跡や行動予測を実行する。また、時系列フィルタ15は、運動モデル変更部(変更部)16を備え、物体に対する追跡や行動予測を実行する際に、環境情報記憶部12から環境情報を取得し、取得した環境情報を用いて運動モデルを変更する。それにより、環境やその変化に応じて運動モデルを動的に変更することが可能となるため、環境やその変化に対応した移動物体の追跡や行動予測をすることを可能になる。
 なお、図3では、運動モデル変更部16が時系列フィルタ15内に設けられている場合が例示されているが、これに限定されるものではなく、例えば、物体検出部14の出力と時系列フィルタ15の入力との間に運動モデル変更部16が設けられた構成など、種々変形されてよい。
 2.2.6 運動モデル変更部
 運動モデル変更部16は、例えば、物体検出用センサ13の設置位置や、物体検出部14で検出された移動物体Mの位置及び属性(性別や年齢や個体識別結果等)や、現在時刻などの情報に基づくことで、適切な環境情報を環境情報記憶部12から取得する。そして運動モデル変更部16は、取得した環境情報を用いることで、移動物体の追跡や行動予測に使用する運動モデルを、現在の状況やその場の状況等に適合した運動モデルに変更する。
 2.3 動作例
 つぎに、本実施形態に係る移動物体の追跡・行動予測の動作について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明では、時系列フィルタ15の動作に着目する。また、以下の説明において、上述した図1及び図2と同様の工程については、同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
 2.3.1 フローチャート
 図5は、本実施形態に係る追跡・行動予測処理の流れの一例を示すフローチャートである。図5に示すように、本実施形態に係る追跡・行動予測処理では、時系列フィルタ15は、図1に示すステップS101~S103と同様の流れに従うことで、時刻tにおける物体の状態の確率を推定して更新する。つぎに、時系列フィルタ15は、時刻tに物体検出用センサ13で取得された検出結果を物体検出部14が処理することで得られた物体の状態等の情報に基づき、必要な環境情報を環境情報記憶部12から取得する(ステップS201)。つづいて、時系列フィルタ15は、取得した情報を運動モデル変更部16に入力することで、運動モデルを現在の状況やその場の状況等に適合した運動モデルに変更する(ステップS202)。つぎに、時系列フィルタ15は、変更された運動モデルを用いることで、ステップS103で推定された時刻tにおける物体の状態の確率から次の時刻t+1における物体の状態の確率を予測する(ステップS104A)。そして、時系列フィルタ15は、外部からの割り込み等により終了が命令されるまで(ステップS105のYES)、ステップS102~S104に示す動作を繰り返し実行する(ステップS105のNO)。
 2.3.2 具体例
 つづいて、図5に示す処理の流れの具体例を、図2に示す具体例と対比しつつ説明する。図6は、図5に示す処理の流れの具体例を示す図である。なお、図6では、説明の都合上、図5におけるステップS201~S202が省略されている。
 図6と図2とを比較すると分かるように、図6に示す具体例では、図2に示す具体例と同様にして、通路L1における時刻tでの移動物体Mの確率分布P1-1が推定されて更新される(ステップS101~S103-1)。そして本実施形態では、ステップS104A-1において、環境情報に基づいて変更された運動モデルを用いることで、時刻tでの移動物体Mの確率分布P1-1から次の時刻t+1における移動物体Mの確率分布P2A-1が予測される。図6に示す例では、通路L1のマップ形状に基づいて運動モデルが変更されているため、ステップS104A-1で予測された確率分布P2A-1は、通路L1からはみ出さないように、通路L1のマップ形状に沿って伸びた略楕円形となっている。以降、例えば、外部からの割り込み等により終了が命令されるまで(ステップS105のYES)、本動作が次のループへ移行して(ステップS105のNO)、ステップS102-n~S104-nの動作が実行される。
 このように本実施形態によれば、マップ形状等の環境情報に基づいて運動モデルが変更されるため、この運動モデルを用いて予測される確率分布を環境やその変化等に対応した適切な確率分布とすることが可能となる。例えば、図6に示す例では、ステップS104A-1及びS104A-2で予測される確率分布P2A-1及びP2A-2、及び、ステップS103-2で確率分布P2A-1に基づいて推定される確率分布P1A-1が、マップ形状からして存在するはずのない場所(例えば通路L1外)に移動物体Mが存在するような確率分布となることが回避されている。それにより、環境やその変化に対応した移動物体の追跡や行動予測をすることが可能になる。
 2.4 運動モデルの変更
 つぎに、本実施形態に係る運動モデルの変更について、図7に示す例を用いて説明する。図7に示す例では、移動物体Mを歩行者M1としている。また、静的マップ情報12Aが、T字路L2のマップ形状と、T字路L2を左折した先の店舗Aと、T字路L2を右折した先の店舗Bとの外的要因による環境情報を含んでいるとする。さらに、その他の外的要因による環境情報として、「天気:雨、曜日:月曜日、時間:お昼」があり、加えて、内的要因による環境情報として、「目的:食事」があるとする。さらにまた、このようなシーンにおいては、T字路L2の交差点に向かった歩行者のうち、店舗Aへ向かうために左折する歩行者と、店舗Bへ向かうために右折する歩行者とでは、店舗Aへ向かうために左折する歩行者の方が多いという統計情報が得られているとする。
 図7に例示するようなシーンでは、時刻tで得られた観測結果(図7のステップS202-1参照。例えば図6のステップS102-1に相当)、及び、時刻t+1で得られた観測結果(図7のステップS202-2参照。例えば図6のステップS102-2に相当)を利用して、時刻t+2における歩行者M1の行動が予測される。
 ここで、環境情報の考慮がない場合、すなわち、環境情報に基づいた運動モデルの変更がない場合(図7のステップS204参照。例えば図2のステップS104-2に相当)、静的に設定されている運動モデルを用いることで時刻t+2での歩行者M1の行動が予測されるため、線形的な予測になってしまう。そのため、直進方向には道路が存在しないにも関わらず、道路が存在しない方向への存在確率が高くなり、その結果、道路が存在しない直進方向へ進むとする確率が高い分布P02-2が生成される。
 一方、環境情報を考慮する場合、すなわち、環境情報に基づいて運動モデルを変更する場合(図7のステップS204A参照。例えば図6のステップS104A-2に相当)、マップ形状、店舗Aの場所、天気、曜日、時間、移動している人の目的などの環境情報に加え、店舗Aの方向に向かう確率や店舗Bの方向に向かう確率が統計量などから算出され、これらに基づいて変更された運動モデルを用いることで時刻t+2での歩行者M1の行動が予測されるため、その時々の状況等に適した運動モデルを使った予測が可能となり、予測の精度を向上することが可能となる。
 図7のステップS204Aに示す例では、マップ形状、店舗Aの場所、天気、曜日、時間、移動している人の目的などの環境情報に加え、店舗Bへ向かう確率よりも店舗Aへ向かう確率が高いという統計量に基づいて変更された運動モデルを用いて歩行者M1の確率分布を計算することで、店舗Bへ向かう確率(確率分布P02A-2bに相当)よりも店舗Aへ向かう確率(確率分布P02A-2aに相当)の方が高いという、環境やその変化に応じて的確な確率分布が予測されている。そして、移動物体の追跡は行動予測の精度に応じて性能が向上する比例関係にあるため、このようにして行動予測の性能を向上することで、追跡の性能を向上することが可能となる。
 2.5 確率分布の正規化
 なお、特定される環境情報が複数存在する場合、運動モデル変更部16は、それぞれの環境情報を用いて運動モデルを変更することで、複数の変更された運動モデルを生成してもよい。若しくは、運動モデル変更部16は、全ての環境情報に基づいて1つの運動モデルを変更することで、1つの変更された運動モデルを生成してもよい。なお、それぞれの環境情報を用いて複数の変更された運動モデルを生成する場合には、使用する環境モデルの数と生成された運動モデルの数と同じでなくてもよい。すなわち、複数の環境モデルのうちのいくつかを組み合わせて1つの変更された環境モデルが生成されることが含まれてもよい。
 そして、このように複数の変更された運動モデルが生成された場合、時系列フィルタ15は、それぞれの環境モデルを用いることで、移動物体Mの状態に関する複数の確率分布を生成し、その後、複数の確率分布を正規化することで、最終的な1つの確率分布を生成してもよい。
 2.6 ユースケースの例
 本実施形態に係る行動追跡・予測システム10のユースケースとしては、以下のようなケースを例示することができる。ただし、以下で例示するケースに限定されることなく、種々の目的で本実施形態に係る行動追跡・予測システム10を応用することが可能であることは言うまでもない。
・自律移動体の回避性能の向上、及び、これを応用した自律移動体の運動性能向上や移動物体追従性能の向上等
・道路の車両通行帯の情報を利用した自動車の運動モデルの変更、及び、これを応用した自動運転の実現や先行車両追従によるクルーズコントロールの実現等
・マップ情報やその他の環境情報(天気、曜日、時間、目的等)を利用した歩行者の運動モデルの変更等
・歩行者の追跡性能の向上による人流解析、及び、これを応用したマーケティング、災害非難時の誘導、オフィスのエレベータの効率化、都市の交通網の最適化等
 2.6.1 ユースケースの第1の具体例
 ここで、道路の車両通行帯の情報を利用して自動車の運動モデルを変更する場合のユースケースについて、以下に第1の具体例を用いて説明する。図8及び図9は、本実施形態に係るユースケースの第1の具体例を説明するための図である。図8及び図9に示す第1の具体例では、白線L11L及びL11Rで挟まれた車両通行帯L10を走行中の自動車M2が横断歩道L12に差しかかる際のシーンが示されている。
 図8に示す状況では、自動車M2は一定の速度を維持している。そのため、次の時刻である時刻tでの自動車M2の確率分布P03は、自動車M2の進行方向前方に車両通行帯L10に沿って伸びた形状となる。このような状況において、自動車M2の追跡を行う場合、次の時刻t+1(図9参照)での自動車M2の行動をどの程度正確に予測することができるかが、追跡性能に影響する。
 そこで、このような場合には、図9に示すように、自動車M2が横断歩道L12の手前で停止するか若しくは現在の速度を維持して横断歩道L12を通過する可能性が高いことを示す確率分布P04の運動モデルに変更する。これにより、状況等に応じた自動車M2の行動予測ができるため、追跡性能を向上させることが可能となる。
 2.6.2 ユースケースの第2の具体例
 つづいて、平日/休日と時間帯とによって歩行者の速度推定の運動モデルを変更する場合のユースケースについて、以下に第2の具体例を用いて説明する。図10及び図11は、本実施形態に係るユースケースの第2の具体例を説明するための図であり、図10は、平日/休日での時間帯ごとの歩行者の行動目的の一例を示す図であり、図11は、平日/休日での時間帯ごとの歩行者の母集団の平均速度及びそのバラツキの一例を示す図である。
 図10に示すように、平日であるか休日であるかと、時間帯とによって、歩行者の行動目的がそれぞれ変化するとする。そして、その変化に応じて、図11に示すように、歩行者の母集団の平均速度やバラツキが変化することが、統計データから得られたとする。そこで、図10及び図11に示されるこれらの情報を環境情報(時間依存情報12C)として用い、運動モデルに予測される速度やバラつきや行動目的を反映させることで、歩行者の行動予測の確率分布を、平日/休日と時間帯とに応じたより的確な確率分布とすることが可能となる。
 2.7 行動予測の具体例
 つぎに、本実施形態に係る行動予測について、具体例を用いて詳細に説明する。
 2.7.1 パーティクルフィルタによる行動予測の第1例
 図12は、図5に示す処理の具体例においてパーティクルフィルタを用いた場合の処理の流れの第1例を示す図である。なお、図12では、説明の都合上、図5におけるステップS201~S202及びステップS105が省略されている。
 第1例では、環境情報として通路L1のマップ形状の静的マップ情報12A-1を用い、このマップ形状をコストとして扱い、このコストを反力とするように運動モデルを変更する。
 図12に示す第1例では、図6と同様に、ステップS101で時刻t=0における移動物体Mの初期状態における確率分布P0が推定され、ステップS102-1で移動物体Mの位置が観測される。つづいて本第1例では、パーティクルフィルタを用いることで、移動物体Mの初期状態における確率分布P0と、時刻tに観測された移動物体Mの位置とから、時刻tにおける移動物体Mの確率分布P11-1が推定されて更新される(ステップS103B-1)。
 つぎに、第1例では、図5のステップS201において、通路L1のマップ形状を含む静的マップ情報12A-1が取得され、同図のステップS202において、運動モデルが通路L1のマップ形状から求まるコストを反力とする運動モデルに変更される。そして、図12のステップS104B-1において、コストを反力とするように変更された運動モデルに対してパーティクルフィルタを用いることで、時刻tでの移動物体Mの確率分布P11-1から次の時刻t+1における移動物体Mの確率分布P12-1が予測される。図12に示す例では、通路L1の中央から両脇の壁に近づくにつれて徐々にコストが高くなり、壁を越えた位置ではコストが大幅に高くなるように設定されるため、ステップS104B-1で予測された確率分布P12-1は、通路L1からはみ出さないように、通路L1のマップ形状に沿って伸びた略楕円形となっている。
 ステップS102-2以降も同様に、ステップS102-2で移動物体Mの位置が観測され、ステップS103B-2で、パーティクルフィルタを用いることで、移動物体Mの時刻tにおける確率分布P11-1と、時刻t+1に観測された移動物体Mの位置とから、時刻t+1における移動物体Mの確率分布P11-2が推定されて更新される。そして、ステップS104B-2において、コストを反力とするように変更された運動モデルに対してパーティクルフィルタを用いることで、時刻t+1での移動物体Mの確率分布P11-2から次の時刻t+2における移動物体Mの確率分布P12-2が予測される。
 以降、例えば、外部からの割り込み等により終了が命令されるまで(図5のステップS105のYES)、本動作が次のループへ移行して(ステップS105のNO)、ステップS102-n~S104B-nの動作が実行される。
 このように本実施形態によれば、マップ形状から求まるコストを反力とするように運動モデルが変更され、この運動モデルに対してパーティクルフィルタを用いて移動物体Mの状態の確率分布を予測するため、マップ形状からして存在するはずのない場所(例えば通路L1外)に移動物体Mが存在するような確率分布となることを回避することができる。それにより、環境やその変化に対応した移動物体の追跡や行動予測をすることが可能になる。
 2.7.2 パーティクルフィルタによる行動予測の第2例
 図13は、図5に示す処理の具体例においてパーティクルフィルタを用いた場合の処理の流れの第2例を示す図である。なお、図13では、図7に示す説明の流れと同様の流れにて説明する。
 第2例では、環境情報として、店舗A及びBを含むT字路L2のマップ形状の静的マップ情報12A-2に加え、天気、曜日、時間(帯)及び行動目的に関する時間依存情報12Cを用いる。そして、静的マップ情報12A-2のマップ形状をコストとして扱い、このコストを反力とするように運動モデルを変更する。加えて、第2例では、静的マップ情報12A-2のマップ形状と、天気、曜日、時間(帯)及び行動目的の時間依存情報12Cとから求まる「T字路L2の交差点に向かった歩行者のうち、店舗Aへ向かうために左折する歩行者と、店舗Bへ向かうために右折する歩行者とでは、店舗Aへ向かうために左折する歩行者の方が多い」という情報12C-2をコストとして扱い、このコストを反力とするように運動モデルを変更する。
 図13に例示するようなシーンでは、時刻tで得られた観測結果(図13のステップS202-1参照。例えば図6のステップS102-1に相当)、及び、時刻t+1で得られた観測結果(図13のステップS202-2参照。例えば図6のステップS102-2に相当)を利用して、時刻t+2における歩行者M1の行動が予測される。
 その際、上述したように、静的マップ情報12A-2のマップ形状をコストとして扱い、このコストを反力とするように運動モデルを変更する。この変更された運動モデルでは、T字路L2の道路の中央から道路脇に近づくにつれて徐々にコストが高くなり、道路脇を越えた位置ではコストがより高くなるように設定されるため、ステップS204A-2で予測された確率分布P22A-2a及びP22A-2bは、T字路L2の各道路に沿って伸びた形状となっている。
 加えて、第2例では、静的マップ情報12A-2のマップ形状と、天気、曜日、時間(帯)及び行動目的の時間依存情報12Cとから求まる「T字路L2の交差点に向かった歩行者のうち、店舗Aへ向かうために左折する歩行者と、店舗Bへ向かうために右折する歩行者とでは、店舗Aへ向かうために左折する歩行者の方が多い」という情報12C-2をコストとして扱い、このコストを反力とするように運動モデルを変更する。この変更された運動モデルでは、T字路L2の交差点から店舗Aへ向かう確率12Caの方が、店舗Bへ向かう確率12Cbよりも高くなるように設定されるため、ステップS204A-2で予測された確率分布P22A-2a及びP22A-2bは、T字路L2の交差点から店舗Aへ向かう確率分布P22A-2aの方が、店舗Bへ向かう確率分布P22A-2bよりも高い確率分布となっている。
 なお、上記の説明では、静的マップ情報12A-2のマップ形状から求まるコストと、情報12C-2から求まるコストとの両方を用いて1つの運動モデルを変更する場合を例示したが、これに限らず、静的マップ情報12A-2のマップ形状から求まるコストを反力とする運動モデルと、情報12C-2から求まるコストを反力とする運動モデルとを別々に求め、それぞれの運動モデルを用いて生成した確率分布を正規化することで、最終的な確率分布P22A-2a及びP22A-2bを生成するようにしてもよい。
 2.7.3 パーティクルフィルタによる行動予測の第3例
 図14は、図5に示す処理の具体例においてパーティクルフィルタを用いた場合の処理の流れの第3例を示す図である。なお、図14では、図7及び図13に示す説明の流れと同様の流れにて説明する。
 第3例では、上述した第2例で使用した環境情報に加え、「昼時の速度のバラツキは大きい」という時間依存情報12C-3をさらに用いて運動モデルを変更する場合を例示する。
 図13のステップS204A-2と図14のステップS204B-2とを比較すると分かるように、速度のバラツキに関する時間依存情報12C-3をさらに用いて運動モデルを変更することで、時刻t+2での歩行者M1の確率分布P22B-2a及びP22B-2bが広くブロードな確率分布になっている。これは、速度のバラツキが大きいことが運動モデルに反映された結果、歩行者M1が存在する可能性のあると予測された範囲が広がったことを示している。
 2.8 まとめ
 以上のように、本実施形態によれば、移動物体Mの行動予測に使用する運動モデルが、移動物体に影響を与えるマップ形状やその他の要因に関する環境情報に基づいて変更されるため、一般化された運動モデルを静的に利用する場合では考慮しきれない環境情報に対しても、運動モデルを動的に変更することで対応することが可能となる。それにより、環境やその変化に対応した移動物体の追跡や行動予測をすることを可能にする情報処理装置、情報処理システム、行動予測方法及びプログラムを実現することができる。
 2.9 ハードウェア構成
 上述してきた実施形態に係る行動追跡・予測システム10は、例えば図15に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図15は、行動追跡・予測システム10の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM(Read Only Memory)1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス1500、及び入出力インターフェイス1600を有する。コンピュータ1000の各部は、バス1050によって接続される。
 CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。例えば、CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムをRAM1200に展開し、各種プログラムに対応した処理を実行する。
 ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるBIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
 HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を非一時的に記録する、コンピュータが読み取り可能な記録媒体である。具体的には、HDD1400は、プログラムデータ1450の一例である本開示に係る画像処理プログラムを記録する記録媒体である。
 通信インターフェイス1500は、コンピュータ1000が外部ネットワーク1550(例えばインターネット)と接続するためのインターフェイスである。例えば、CPU1100は、通信インターフェイス1500を介して、他の機器からデータを受信したり、CPU1100が生成したデータを他の機器へ送信したりする。
 入出力インターフェイス1600は、入出力デバイス1650とコンピュータ1000とを接続するためのインターフェイスである。例えば、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、キーボードやマウス等の入力デバイス、及び、環境情報生成用センサ11や物体検出用センサ13からデータを受信する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやスピーカーやプリンタ等の出力デバイスにデータを送信する。また、入出力インターフェイス1600は、所定の記録媒体(メディア)に記録されたプログラム等を読み取るメディアインターフェイスとして機能してもよい。メディアとは、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
 例えば、コンピュータ1000が上述の実施形態に係る行動追跡・予測システム10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、物体検出部14及び運動モデル変更部16を含む時系列フィルタ15等の機能を実現する。また、HDD1400には、本開示に係るプログラムや、環境情報記憶部12内の環境情報等が格納される。なお、CPU1100は、プログラムデータ1450をHDD1400から読み取って実行するが、他の例として、外部ネットワーク1550を介して、他の装置からこれらのプログラムを取得してもよい。
 以上、本開示の各実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述の各実施形態そのままに限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、異なる実施形態及び変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
 また、本明細書に記載された各実施形態における効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
 なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
 対象物に影響を与える要因に関する環境情報に基づいて前記対象物の行動予測に使用する運動モデルを変更する変更部と、
 前記変更部によって変更された運動モデルを用いて前記対象物の行動を予測する予測部と、
 を備える情報処理装置。
(2)
 前記対象物に関する情報を取得する取得部をさらに備え、
 前記変更部は、前記取得部によって取得された対象物に関する情報に対応する環境情報に基づいて前記運動モデルを変更する
 前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
 前記取得部は、前記対象物の位置を取得し、
 前記変更部は、前記取得部によって取得された対象物の位置に対応する環境情報に基づいて前記運動モデルを変更する
 前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
 前記変更部は、領域毎に定められた環境情報のうち、前記取得部によって取得された対象物の位置を含む領域に対応する環境情報に基づいて前記運動モデルを変更する
 前記(3)に記載の情報処理装置。
(5)
 前記変更部は、前記取得部によって取得された対象物の位置と現在時刻とに対応する環境情報に基づいて前記運動モデルを変更する
 前記(3)又は(4)に記載の情報処理装置。
(6)
 前記変更部は、前記環境情報から求まるコストを反力とするように運動モデルを変更し、
 前記予測部は、前記変更された運動モデルに対してパーティクルフィルタを用いることで、前記対象物の行動を予測する
 前記(1)~(5)の何れか1項に記載の情報処理装置。
(7)
 前記予測部は、前記変更された運動モデルを用いて所定時間経過後のタイミングでの前記対象物の状態の確率分布を生成することで、前記対象物の行動を予測する前記(1)~(6)の何れか1項に記載の情報処理装置。
(8)
 前記変更部は、環境情報毎に当該環境情報を用いて前記運動モデルを変更し、
 前記予測部は、前記環境情報毎に変更された複数の前記運動モデルを用いて前記所定時間経過後のタイミングでの複数の前記対象物の状態の確率分布を生成することで、前記対象物の行動を予測する前記(7)に記載の情報処理装置。
(9)
 前記予測部は、前記所定時間経過後のタイミングでの複数の前記対象物の状態の確率分布を正規化して、前記対象物の行動を予測する前記(8)に記載の情報処理装置。
(10)
 前記運動モデルは、対象物の動作又は振る舞いを数式として記述した状態方程式である前記(1)~(9)の何れか1項に記載の情報処理装置。
(11)
 前記環境情報は、対象物が内的に保持している内的要因となる環境情報と、対象物に影響を与える外的要因となる環境情報とのうち、少なくとも1つを含む前記(1)~(10)の何れか1項に記載の情報処理装置。
(12)
 前記内的要因となる環境情報は、対象物の性別、年齢、職業、家族構成、感情、行動目的及びライフログに関する情報のうち少なくとも1つを含む前記(11)に記載の情報処理装置。
(13)
 前記外的要因となる環境情報は、マップの形状、場所、混雑状況、時間、曜日、天気、気温、湿度及び季節に関する情報のうち少なくとも1つを含む前記(11)又は(12)に記載の情報処理装置。
(14)
 対象物に影響を与える要因に関する環境情報に基づいて前記対象物の行動予測に使用する運動モデルを変更する変更部と、
 前記変更部によって変更された運動モデルを用いて前記対象物の行動を予測する予測部と、
 を備える情報処理システム。
(15)
 対象物に影響を与える要因に関する環境情報に基づいて前記対象物の行動予測に使用する運動モデルを変更し、
 前記変更された運動モデルを用いて前記対象物の行動を予測する
 ことを含む行動予測方法。
(16)
 対象物に影響を与える要因に関する環境情報に基づいて前記対象物の行動予測に使用する運動モデルを変更する処理と、
 前記変更された運動モデルを用いて前記対象物の行動を予測する処理と、
 をコンピュータに実行させるためのプログラム。
 10 行動追跡・予測システム
 11 環境情報生成用センサ
 12 環境情報記憶部
 12A 静的マップ情報
 12B 動的マップ情報
 12C 時間依存情報
 13 物体検出用センサ
 14 物体検出部
 15 時系列フィルタ
 16 運動モデル変更部

Claims (16)

  1.  対象物に影響を与える要因に関する環境情報に基づいて前記対象物の行動予測に使用する運動モデルを変更する変更部と、
     前記変更部によって変更された運動モデルを用いて前記対象物の行動を予測する予測部と、
     を備える情報処理装置。
  2.  前記対象物に関する情報を取得する取得部をさらに備え、
     前記変更部は、前記取得部によって取得された対象物に関する情報に対応する環境情報に基づいて前記運動モデルを変更する
     請求項1に記載の情報処理装置。
  3.  前記取得部は、前記対象物の位置を取得し、
     前記変更部は、前記取得部によって取得された対象物の位置に対応する環境情報に基づいて前記運動モデルを変更する
     請求項2に記載の情報処理装置。
  4.  前記変更部は、領域毎に定められた環境情報のうち、前記取得部によって取得された対象物の位置を含む領域に対応する環境情報に基づいて前記運動モデルを変更する
     請求項3に記載の情報処理装置。
  5.  前記変更部は、前記取得部によって取得された対象物の位置と現在時刻とに対応する環境情報に基づいて前記運動モデルを変更する
     請求項3に記載の情報処理装置。
  6.  前記変更部は、前記環境情報から求まるコストを反力とするように運動モデルを変更し、
     前記予測部は、前記変更された運動モデルに対してパーティクルフィルタを用いることで、前記対象物の行動を予測する
     請求項1に記載の情報処理装置。
  7.  前記予測部は、前記変更された運動モデルを用いて所定時間経過後のタイミングでの前記対象物の状態の確率分布を生成することで、前記対象物の行動を予測する請求項1に記載の情報処理装置。
  8.  前記変更部は、環境情報毎に当該環境情報を用いて前記運動モデルを変更し、
     前記予測部は、前記環境情報毎に変更された複数の前記運動モデルを用いて前記所定時間経過後のタイミングでの複数の前記対象物の状態の確率分布を生成することで、前記対象物の行動を予測する請求項7に記載の情報処理装置。
  9.  前記予測部は、前記所定時間経過後のタイミングでの複数の前記対象物の状態の確率分布を正規化して、前記対象物の行動を予測する請求項8に記載の情報処理装置。
  10.  前記運動モデルは、対象物の動作又は振る舞いを数式として記述した状態方程式である請求項1に記載の情報処理装置。
  11.  前記環境情報は、対象物が内的に保持している内的要因となる環境情報と、対象物に影響を与える外的要因となる環境情報とのうち、少なくとも1つを含む請求項1に記載の情報処理装置。
  12.  前記内的要因となる環境情報は、対象物の性別、年齢、職業、家族構成、感情、行動目的及びライフログに関する情報のうち少なくとも1つを含む請求項11に記載の情報処理装置。
  13.  前記外的要因となる環境情報は、マップの形状、場所、混雑状況、時間、曜日、天気、気温、湿度及び季節に関する情報のうち少なくとも1つを含む請求項11に記載の情報処理装置。
  14.  対象物に影響を与える要因に関する環境情報に基づいて前記対象物の行動予測に使用する運動モデルを変更する変更部と、
     前記変更部によって変更された運動モデルを用いて前記対象物の行動を予測する予測部と、
     を備える情報処理システム。
  15.  対象物に影響を与える要因に関する環境情報に基づいて前記対象物の行動予測に使用する運動モデルを変更し、
     前記変更された運動モデルを用いて前記対象物の行動を予測する
     ことを含む行動予測方法。
  16.  対象物に影響を与える要因に関する環境情報に基づいて前記対象物の行動予測に使用する運動モデルを変更する処理と、
     前記変更された運動モデルを用いて前記対象物の行動を予測する処理と、
     をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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