WO2019239784A1 - ノボラック型フェノール樹脂、その製造方法、感光性組成物、レジスト材及びレジスト膜 - Google Patents
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Abstract
本発明は、優れた感度、優れた解像度、優れた耐熱性を兼備するレジスト材として好適に用いることができるノボラック型フェノール樹脂及びその製造方法、当該樹脂を含む感光性組成物、レジスト材及びレジスト膜を提供することを目的とする。具体的には、下記式(1)で表される芳香族化合物と脂肪族アルデヒドとの縮合物であることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂とその製造方法、並びに当該樹脂を含有する感光性組成物、レジスト材、これらの硬化膜であるレジスト膜を提供する。 (R1、R2、R4は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン原子の何れか、R3、Rは水素原子、炭化水素基、炭化水素基上にアルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基を一つ乃至複数有する構造部位の何れか、m、n、pは0又は1~4の整数。)
Description
本発明は、レジスト材として好適に用いることができるノボラック型フェノール樹脂及びこれを用いたレジスト材料に関する。
IC、LSI等の半導体製造、LCD等の表示装置の製造、印刷原版の製造などに用いられるレジストとして、アルカリ可溶性樹脂及び1,2-ナフトキノンジアジド化合物等の感光剤を用いたポジ型フォトレジストが知られている。前記アルカリ可溶性樹脂として、m-クレゾールノボラック樹脂及びp-クレゾールノボラック樹脂からなる混合物をアルカリ可溶性樹脂として用いたポジ型フォトレジスト組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)
特許文献1記載のポジ型フォトレジスト組成物は、感度等の現像性の向上を目的に開発されたものであるが、近年、半導体の高集積化が高まり、よりパターンが細線化する傾向にあり、より優れた感度が求められてきている。しかしながら、特許文献1記載のポジ型フォトレジスト組成物では、細線化に対応する十分な感度は得られない問題があった。さらに、半導体等の製造工程において様々な熱処理が施されることから、より高い耐熱性も求められているが、特許文献1記載のポジ型フォトレジスト組成物は、十分な耐熱性を有していない問題があった。
また、優れた感度を有し、かつ高い耐熱性を有するものとして、p-クレゾール等と芳香族アルデヒドとを反応させた後、続けてフェノール類とホルムアルデヒドとを加えて酸性触媒下で反応させて得られるフォトレジスト用フェノール樹脂が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。このフォトレジスト用フェノール樹脂は、従来に比べ、耐熱性は向上するものの、近年の高い耐熱性の要求レベルには十分対応できるものではなかった。
特許文献3には、m-クレゾール、p-クレゾール、キシレノール/トリメチルフェノール混合物とホルムアルデヒド、芳香族アルデヒド混合物を用いたノボラック樹脂を含有するレジスト組成物が提案されている。
特許文献4には、2,3-キシレノールとクレゾールの混合物とホルムアルデヒド、OH基を2つ以上含む芳香族アルデヒド混合物を用いたノボラック樹脂を含有するレジスト組成物が提案されている。しかしながら、特許文献4に記載されたポジ型フォトレジスト組成物でも近年の高い耐熱性の要求レベルには十分対応できるものではなかった
ノボラック樹脂は、従来より種々の方法により製造されており、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを、酸触媒の存在下にエタノール中で反応させる方法が知られている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、前記特許文献5に記載された方法では、高分子量のノボラック型フェノール樹脂が得られず、その為、より高い耐熱性を有する塗膜となるフォトレジスト組成物を得ることが困難であった。
特許文献6には、o-クレゾール、2,5-ジメチルフェノール、3,5-ジメチルフェノールの混合物とアルデヒド類との生成物を含有するレジスト組成物が提案されている。
特許文献7には、酸乖離性基導入ノボラック樹脂と有機カルボン酸を含有するレジスト組成物が提案されている。
一方、パターン化された構造体の製造、例えばウェハレベルパッケージングでは、配線密度が高まるにつれて、電子配線の電子化学的堆積法が使用されている(例えば、非特許文献1参照。)。ウェハレベルパッケージングにおける再配置のための金バンプ、銅ポスト及び銅ワイヤは、先端配線技術において最終の金属構造体を形成するために後で電気メッキされるレジストの型(mold)を必要とする。このレジスト層は、クリティカル層(critical layers)のIC製造で使用されるフォトレジストと比べると非常に厚い。図形の大きさ及びレジスト厚さの両方は、典型的には、2μm~100μmであり、そのため高いアスペクト比(ラインサイズに対するレジスト厚さ)をフォトレジストにパターン化する必要がある。
この一つの解がノボラック樹脂を合成する際にメタクレゾールあるいはパラクレゾールの結節剤として脂肪族ポリアルデヒドを使用するというものであるが、厚膜レジストとして重要な特性である耐熱性とアルカリ溶解速度の両立の達成が困難であった。
Gary Solomon, Electrochemically deposited solder bumps for wafer-level packaging, PACKAGING/ASSEMBLY, Solid State Technology, pages 83,84,86,88 April 2001
本発明は、優れた感度、優れた解像度、優れた耐熱性を兼備するレジスト材として好適に用いることができるノボラック型フェノール樹脂及びその製造方法、当該樹脂を含む感光性組成物、レジスト材及びレジスト膜を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、特定のカルボン酸含有フェノール系化合物と、脂肪族アルデヒドとの縮合物であるノボラック型フェノール樹脂を用いることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記式(1)で表される芳香族化合物(A)と脂肪族アルデヒド(B)との縮合物であることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂とその製造方法、並びに当該樹脂を含有する感光性組成物、レジスト材、これらの硬化膜であるレジスト膜を提供するものである。
本発明によれば、優れた感度、優れた解像度、優れた耐熱性を兼備する感光性組成物、レジスト材として好適に用いることができるノボラック型フェノール樹脂を提供することができる。当該樹脂を含むレジスト材は、高コントラスト特性(感光剤添加前後のADR(Alkali Dissolution Rate、アルカリ溶解速度)差が大)でありながら、一般的なレジスト用ノボラック樹脂(m-、p-クレゾール、ホルマリン共重合)を用いた場合に比して耐熱性が飛躍的に高い。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜変更を加えて実施することができる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂は、下記式(1)で表される芳香族化合物(A)と脂肪族アルデヒド(B)との縮合物であることを特徴とする。
本発明のノボラック型フェノール樹脂は、典型的にはトリアリールメタン構造を有する。当該トリアリールメタン構造を有することで芳香環を高密度で含むことになることから、本発明のノボラック型フェノール樹脂は、非常に高い耐熱性を有する。さらに前記式(1)のトリアリールメタン構造においては、2つのヒドロキシ基とカルボキシル基が互いに異なる芳香環に置換しており、強い水素結合が形成されない。これにより本発明のノボラック型フェノール樹脂は良好なプロトン解離性を保持でき、優れたアルカリ現像性を示すことができると考えられる。
前記式(1)において、R1、R2、及びR4のアルキル基としては、炭素原子数1~9のアルキル基であることが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t-ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等の、炭素原子数1~9のアルキル基及び炭素原子数3~9のシクロアルキル基等が挙げられる。
前記式(1)において、R1、R2及びR4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
前記式(1)において、R1、R2及びR4のアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。
前記式(1)において、R1、R2及びR4のアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
前記式(1)において、R1、R2及びR4のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
前記式(1)において、R3、Rの炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基の何れであってもよく、特に前記アルキル基、アリール基であることが好ましい。
前記式(1)において、R3、Rの「アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基を一つ乃至複数有する構造部位」としては、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、2-メトキシエトキシ基、2-エトキシエトキシ基等のアルコキシアルコキシ基、ヒドロキシ基で置換されたアルキルアルコキシ基等が挙げられる。
前記式(1)において、m、n、pはそれぞれ独立して0又は1~4の整数であり、m及びnが水素原子以外の置換基の場合は、それぞれ好ましくは2又は3の整数である。この時、m及びnがそれぞれ2である場合、2つR1及び2つR2が、それぞれ独立に、炭素原子数1~3のアルキル基であると好ましい。さらに2つのR1及び2つのR2は、それぞれフェノール性水酸基の2,5-位に結合していることが好ましい。
前記式(1)において、pは、好ましくは0、1又は2の整数である。
前記式(1)で表される芳香族化合物(A)は、同一構造のものを単独で用いてもよいし、異なる分子構造を有する複数の化合物を用いてもよい。
前記芳香族化合物(A)は、例えば、置換基を有していてもよいフェノール(a1)と、カルボキシル基もしくはそのエステル誘導体を有する芳香族アルデヒド(a2)および/またはカルボキシル基もしくはそのエステル誘導体を有する芳香族ケトン(a3)とを重縮合することによって得ることができる。この時、前記芳香族アルデヒド(a2)、芳香族ケトン(a3)の芳香環上に置換基を有していてもよい。
前記置換基を有していてもよいフェノール(a1)は、フェノールの芳香環に結合している水素原子の一部又は全部がアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン原子の何れかに置換している化合物であり、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
前記アルキル基としては、炭素原子数1~9のアルキル基が挙げられ、特にメチル基が好ましい。前記アルキル置換フェノール(a1)としては、例えば、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、o-エチルフェノール、m-エチルフェノール、p-エチルフェノール、p-オクチルフェノール、p-t-ブチルフェノール、o-シクロヘキシルフェノール、m-シクロヘキシルフェノール、p-シクロヘキシルフェノール等のモノアルキルフェノール;2,5-キシレノール、3,5-キシレノール、3,4-キシレノール、2,4-キシレノール、2,6-キシレノール等のジアルキルフェノール;2,3,5-トリメチルフェノール、2,3,6-トリメチルフェノール等のトリアルキルフェノールなどが挙げられる。また、これらのアルキル置換フェノールの中でも、耐熱性とアルカリ溶解性のバランスに優れることから、フェノールの芳香環へのアルキル基の置換数2のものが好ましく、具体例としては、2,5-キシレノール、2,6-キシレノール等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、へキシルオキシ基、シクロへキシルオキシ基等が挙げられる。アルコキシ基を置換基として有する化合物としては、例えば、o-メトキシフェノール、m-メトキシフェノール、p-メトキシフェノール、o-エトキシフェノール、m-エトキシフェノール、p-エトキシフェノール、o-プロピルオキシフェノール、m-プロピルオキシフェノール、p-プロピルオキシフェノール、2-メチルプロピルオキシフェノール、o-ブトキシフェノール、m-ブトキシフェノール、p-ブトキシフェノール、ターシャリーブトキシフェノール、o-ペンチルオキシフェノール、m-ペンチルオキシフェノール、p-ペンチルオキシフェノール、o-へキシルオキシフェノール、m-へキシルオキシフェノール、p-ヘキシルオキシフェノール、o-シクロヘキシルオキシフェノール、m-シクロヘキシルオキシフェノール、p-シクロヘキシルオキシフェノール等のモノアルコキシフェノール、2,5-ジメトキシフェノール、3,5-ジメトキシフェノール、3,4-ジメトキシフェノール、2,4-ジメトキシフェノール2,6-ジメトキシフェノール等のジアルコキシフェノール、3,4,5-トリメトキシフェノール、2,4,6-トリメトキシフェノール等のトリメトキシフェノールが挙げられる。
前記アリール基としては、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、ヒドロキシアルコキシフェニル基、アルコキシフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ヒドロキシナフチル基、ジヒドロキシナフチル基等が挙げられる。アリール基を置換基として有する化合物としては、例えば、o-フェニルフェノール、m-フェニルフェノール、p-フェニルフェノール、2,6-ジフェニルフェノール、メトキシフェニルフェノール、トリルフェノール等が挙げられる。
前記アラルキル基としては、フェニルメチル基、ヒドロキシフェニルメチル基、ジヒドロキシフェニルメチル基、トリルメチル基、キシリルメチル基、ナフチルメチル基、ヒドロキシナフチルメチル基、ジヒドロキシナフチルメチル基、フェニルエチル基、ヒドロキシフェニルエチル基、ジヒドロキシフェニルエチル基、トリルエチル基、キシリルエチル基、ナフチルエチル基、ヒドロキシナフチルエチル基、ジヒドロキシナフチルエチル基等が挙げられる。アラルキルを有するフェノール化合物としては、例えば、フェニルメチルフェノール、ヒドロキシフェニルメチルフェノール、ジヒドロキシフェニルメチルフェノール、フェニルエチルフェノール、ヒドロキシフェニルエチルフェノール等が挙げられる。
前記ハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。前記ハロゲン原子を置換基として有する化合物としては、例えば、フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノール等のモノハロゲン化フェノール、ジフルオロフェノール、ジクロロフェノール、ジブロモフェノール、ジヨードフェノール等のジハロゲン化フェノール、トリフルオロフェノール、トリクロロフェノール、トリブロモフェノール、トリヨードフェノール等のトリハロゲン化フェノール等が挙げられる。
前記芳香族アルデヒド(a2)は、芳香環に少なくとも1つのカルボキシル基またはそのエステル誘導体とアルデヒド基とを有する化合物であり、さらにアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等を芳香環上の置換基として有していてもよい。前記芳香族アルデヒド(a2)としては、例えば、4-ホルミル安息香酸、2-ホルミル安息香酸、3-ホルミル安息香酸、および4-ホルミル安息香酸メチル、4-ホルミル安息香酸エチル、4-ホルミル安息香酸プロピル、4-ホルミル安息香酸イソプロピル、4-ホルミル安息香酸ブチル、4-ホルミル安息香酸イソブチル、4-ホルミル安息香酸ターシャリーブチル、4-ホルミル安息香酸シクロヘキシル、4-ホルミル安息香酸ターシャリーオクチル等に代表されるそれらのエステル誘導体が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、これらの芳香族アルデヒド(a2)の中でも、工業的入手の容易さ、得られるノボラック型フェノール樹脂を用いたレジスト材から得られる硬化物の耐熱性と、レジスト材としてのアルカリ溶解性のバランスに優れることから、4-ホルミル安息香酸が好ましい。これらの芳香族アルデヒド(a2)は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
前記芳香族ケトン(a3)は芳香環に少なくとも1つのカルボキシル基またはそのエステル誘導体とカルボニル基とを有する化合物であり、さらにアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等を芳香環上の置換基として有していてもよい。前記芳香族ケトン(a3)としては、例えば、2-アセチル安息香酸、3-アセチル安息香酸、4-アセチル安息香酸、および2-アセチル安息香酸メチル、2-アセチル安息香酸エチル、2-アセチル安息香酸プロピル、2-アセチル安息香酸イソプロピル、2-アセチル安息香酸ブチル、2-アセチル安息香酸イソブチル、2-アセチル安息香酸ターシャリーブチル、2-アセチル安息香酸シクロヘキシル、2-アセチル安息香酸ターシャリーオクチル等に代表されるそれらのエステル誘導体が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、これらの芳香族ケトン(a3)の中でも、工業的入手の容易さ、ノボラック型フェノール樹脂を用いたレジスト材から得られる硬化物の耐熱性と、レジスト材としてのバランスに優れることから、2-アセチル安息香酸や4-アセチル安息香酸が好ましい。これらの芳香族ケトン(a3)は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
前記脂肪族アルデヒド(B)としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、1,3,5-トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、テトラオキシメチレン、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、グリオキザール、n-ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン等が挙げられる。これらのアルデヒド化合物(B)は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。また、前記脂肪族アルデヒド(B)として、ホルムアルデヒドを用いることが好ましく、ホルムアルデヒドとその他の脂肪族アルデヒドを併用しても構わない。ホルムアルデヒドとその他の脂肪族アルデヒドを併用する場合、その他の脂肪族アルデヒドの使用量は、ホルムアルデヒド1モルに対して、0.05~1モルの範囲とすることが好ましい。
本発明のノボラック型フェノール樹脂(C)の製造方法としては、下記の3つの工程を経る方法が挙げられる。
(工程1)
前記フェノール化合物(a1)と前記芳香族アルデヒド(a2)及び/又は前記芳香族ケトン(a3)とを酸触媒存在下で、必要に応じて溶媒を用いて、60~140℃の範囲で加熱し、重縮合することにより、前記芳香族化合物(A)を得る。
前記フェノール化合物(a1)と前記芳香族アルデヒド(a2)及び/又は前記芳香族ケトン(a3)とを酸触媒存在下で、必要に応じて溶媒を用いて、60~140℃の範囲で加熱し、重縮合することにより、前記芳香族化合物(A)を得る。
(工程2)
工程1で得られた前記芳香族化合物(A)を反応溶液中から単離する。
工程1で得られた前記芳香族化合物(A)を反応溶液中から単離する。
(工程3)
工程2で単離した前記芳香族化合物(A)と前記脂肪族アルデヒド(B)とを酸触媒存在下で、必要に応じて溶媒を用いて、60~140℃の範囲で加熱し、重縮合することにより、本発明のノボラック型フェノール樹脂(C)を得る。
工程2で単離した前記芳香族化合物(A)と前記脂肪族アルデヒド(B)とを酸触媒存在下で、必要に応じて溶媒を用いて、60~140℃の範囲で加熱し、重縮合することにより、本発明のノボラック型フェノール樹脂(C)を得る。
上記工程1及び工程3で用いる酸触媒としては、例えば、酢酸、シュウ酸、硫酸、塩酸、フェノールスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸亜鉛、酢酸マンガン等が挙げられる。これらの酸触媒は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。また、これらの酸触媒の中でも、活性に優れる点から、工程1では硫酸、パラトルエンスルホン酸が好ましく、工程3では硫酸、シュウ酸、酢酸亜鉛が好ましい。なお、酸触媒は、反応前に加えても、反応途中で加えても構わない。
上記工程1及び工程3において必要に応じて用いる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のモノアルコール;エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等のポリオール;2-エトキシエタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコールエーテル;1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコールアセテート等のグリコールエステル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。これらの溶媒は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。また、これらの溶媒の中でも、得られる化合物の溶解性に優れる点から、2-エトキシエタノールが好ましい。
工程1における前記フェノール化合物(a1)と前記芳香族アルデヒド(a2)及び/又は前記芳香族ケトン(a3)との仕込み比率[(a1)/〔(a2)+(a3)〕]は、未反応の前記フェノール化合物(a1)の除去性、生成物の収率及び反応生成物の純度に優れることから、モル比で1/0.2~1/0.5の範囲が好ましく、1/0.25~1/0.45の範囲がより好ましい。
工程3における前記芳香族化合物(A)と前記脂肪族アルデヒド(B)との仕込み比率[(A)/(B)]は、過剰な高分子量化(ゲル化)を抑制でき、ノボラック型フェノール樹脂として適正な分子量のものが得られることから、モル比で1/0.5~1/1.2の範囲が好ましく、1/0.6~1/0.9の範囲がより好ましい。
工程2における前記芳香族化合物(A)の反応溶液中からの単離方法としては、例えば、反応溶液を反応生成物が不溶又は難溶である貧溶媒(S1)に投入して得られた沈殿物を濾別した後、反応生成物を溶解し貧溶媒(S1)にも混和する溶媒(S2)に溶解し、再度貧溶媒(S1)に投入して生じた沈殿物を濾別する方法が挙げられる。この際に用いる前記貧溶媒(S1)としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール等のモノアルコール;n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、シクロヒキサン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が挙げられる。これらの貧溶媒(S1)の中でも、効率よく酸触媒の除去も同時に行えることから、水、メタノールが好ましい。一方、前記溶媒(S2)としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のモノアルコール;エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等のポリオール;2-エトキシエタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコールエーテル;1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコールアセテート等のグリコールエステル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトンなどが挙げられる。また、前記貧溶媒(S1)として水を用いた場合には、前記(S2)としては、アセトンが好ましい。なお、前記貧溶媒(S1)及び溶媒(S2)は、それぞれ1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
また、上記工程1及び工程3において溶媒として、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素を用いた場合、80℃以上で加熱すれば、反応により生成した前記芳香族化合物(A)は溶媒中に溶解するので、そのまま冷却することで、前記芳香族化合物(A)の結晶が析出するため、これを濾別することで前記芳香族化合物(A)を単離することができる。この場合は、前記貧溶媒(S1)及び溶媒(S2)を使用しなくてもよい。
上記の工程2の単離方法により、下記一般式(1)で表される前記芳香族化合物(A)を得ることができる。
上記の製造方法で得られる前記ノボラック型フェノール樹脂(C)の重量平均分子量(Mw)は、2,000~35,000の範囲が好ましく、2,000~25,000の範囲がより好ましい。この重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略記する。)を用いて、下記の測定条件で測定したものである。
(GPCの測定条件)
測定装置:東ソー株式会社製「HLC-8220 GPC」
カラム:昭和電工株式会社製「Shodex KF802」(8.0mmФ×300mm)
+昭和電工株式会社製「Shodex KF802」(8.0mmФ×300mm)
+昭和電工株式会社製「Shodex KF803」(8.0mmФ×300mm)
+昭和電工株式会社製「Shodex KF804」(8.0mmФ×300mm)
カラム温度:40℃
検出器: RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC-8020モデルIIバージョン4.30」
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
試料:樹脂固形分換算で0.5質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
標準試料:下記単分散ポリスチレン
測定装置:東ソー株式会社製「HLC-8220 GPC」
カラム:昭和電工株式会社製「Shodex KF802」(8.0mmФ×300mm)
+昭和電工株式会社製「Shodex KF802」(8.0mmФ×300mm)
+昭和電工株式会社製「Shodex KF803」(8.0mmФ×300mm)
+昭和電工株式会社製「Shodex KF804」(8.0mmФ×300mm)
カラム温度:40℃
検出器: RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC-8020モデルIIバージョン4.30」
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
試料:樹脂固形分換算で0.5質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
標準試料:下記単分散ポリスチレン
(標準試料:単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A-500」
東ソー株式会社製「A-2500」
東ソー株式会社製「A-5000」
東ソー株式会社製「F-1」
東ソー株式会社製「F-2」
東ソー株式会社製「F-4」
東ソー株式会社製「F-10」
東ソー株式会社製「F-20」
東ソー株式会社製「A-500」
東ソー株式会社製「A-2500」
東ソー株式会社製「A-5000」
東ソー株式会社製「F-1」
東ソー株式会社製「F-2」
東ソー株式会社製「F-4」
東ソー株式会社製「F-10」
東ソー株式会社製「F-20」
本発明の感光性組成物、レジスト材では、上記の製造方法で得られるノボラック型フェノール樹脂(C)がアルカリ可溶性樹脂として構成成分となるが、他のアルカリ可溶性樹脂(D)を併用しても構わない。
前記他のアルカリ可溶性樹脂(D)としては、アルカリ水溶液に可溶な樹脂であれば良いが、中でもクレゾールノボラック樹脂が好ましい。前記クレゾールノボラック樹脂は、フェノール系化合物及びアルデヒド化合物を原料として、これらを縮合させたノボラック型フェノール樹脂であり、o-クレゾール、m-クレゾール及びp-クレゾールからなる群から選ばれる少なくとも1つのフェノール系化合物を必須原料として製造されたものである。
前記クレゾールノボラック樹脂の原料となるフェノール系化合物としては、o-クレゾール、m-クレゾール又はp-クレゾールが必須であるが、その他のフェノール又はその誘導体を併用しても構わない。このようなフェノール又はその誘導体としては、例えば、フェノール;2,3-キシレノール、2,4-キシレノール、2,5-キシレノール、2,6-キシレノール、3,4-キシレノール、3,5-キシレノール等のキシレノール;o-エチルフェノール、m-エチルフェノール、p-エチルフェノール等のエチルフェノール;イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p-t-ブチルフェノール等のブチルフェノール;p-ペンチルフェノール、p-オクチルフェノール、p-ノニルフェノール、p-クミルフェノール等のアルキルフェノール;フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノール等のハロゲン化フェノール;p-フェニルフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノール等の1置換フェノール;1-ナフトール、2-ナフトール等の縮合多環式フェノール;レゾルシン、アルキルレゾルシン、ピロガロール、カテコール、アルキルカテコール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタリン等の多価フェノール等が挙げられる。これらその他のフェノール又はその誘導体は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。また、その他のフェノール又はその誘導体を併用する場合、その他のフェノール又はその誘導体の使用量は、o-クレゾール、m-クレゾール及びp-クレゾールのクレゾール合計1モルに対して、0.05~1モルの範囲とすることが好ましい。
また、前記クレゾールノボラック樹脂の原料となるアルデヒド化合物としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n-ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o-トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒド化合物は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。また、前記クレゾールノボラック樹脂の原料として、ホルムアルデヒドを用いることが好ましく、ホルムアルデヒドとその他のアルデヒド化合物を併用しても構わない。ホルムアルデヒドとその他のアルデヒド化合物を併用する場合、その他のアルデヒド化合物の使用量は、ホルムアルデヒド1モルに対して、0.05~1モルの範囲とすることが好ましい。
前記のフェノール系化合物及びアルデヒド化合物の縮合反応は、酸触媒存在下で行うことが好ましい。前記酸触媒としては、例えば、シュウ酸、硫酸、塩酸、フェノールスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸亜鉛、酢酸マンガン等が挙げられる。これらの酸触媒は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。また、これらの酸触媒の中でも、触媒活性に優れる点から、シュウ酸が好ましい。なお、酸触媒は、反応前に加えても、反応途中で加えても構わない。
また、前記クレゾールノボラック樹脂を製造する際のフェノール系化合物(P)とアルデヒド化合物(F)とのモル比[(F)/(P)]は、優れた感度と耐熱性が得られることから、0.3~1.6の範囲が好ましく、0.5~1.3の範囲がより好ましい。
前記クレゾールノボラック樹脂のより具体的な製造方法としては、フェノール系化合物、アルデヒド化合物及び酸触媒を60~140℃に加熱して、重縮合反応を進行させ、次いで減圧条件下で脱水、脱モノマーを行う方法が挙げられる。
本発明の感光性組成物、レジスト材は、上記のノボラック型フェノール樹脂(C)及び任意に配合するアルカリ可溶性樹脂(D)以外に、通常、感光剤(E)を用い、さらに粘度調整等のために溶剤(F)を含有する。
前記感光剤(E)としては、キノンジアジド基を有する化合物を用いることができる。このキノンジアジド基を有する化合物としては、例えば、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,6-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4-トリヒドロキシ-2’-メチルベンゾフェノン、2,3,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,6-ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,4’-ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,5-ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,5’,6-ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3’,4,4’,5’-ヘキサヒドロキシベンゾフェノン等のポリヒドロキシベンゾフェノン系化合物;ビス(2,4-ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4-トリヒドロキシフェニル)メタン、2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(4’-ヒドロキシフェニル)プロパン、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-2-(2’,4’-ジヒドロキシフェニル)プロパン、2-(2,3,4-トリヒドロキシフェニル)-2-(2’,3’,4’-トリヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’-{1-[4-〔2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール,3,3’-ジメチル-{1-[4-〔2-(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール等のビス[(ポリ)ヒドロキシフェニル]アルカン系化合物;トリス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシ-3、5-ジメチルフェニル)-4-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシ-2,5-ジメチルフェニル)-4-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-2-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシ-2,5-ジメチルフェニル)-2-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシ-2,5-ジメチルフェニル)-3,4-ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,4-ジヒドロキシフェニルメタン等のトリス(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体;ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシフェニルメタン,ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシフェニルメタン,ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシフェニルメタン,ビス(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシフェニルメタン,ビス(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-3-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-4-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3-シクロヘキシル-2-ヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-4-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-3-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-2-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3-シクロヘキシル-2-ヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3-シクロヘキシル-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5-シクロヘキシル-2-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)-2-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5-シクロヘキシル-2-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)-4-ヒドロキシフェニルメタンなどの、ビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体などとナフトキノン-1,2-ジアジド-5-スルホン酸又はナフトキノン-1,2-ジアジド-4-スルホン酸、オルトアントラキノンジアジドスルホン酸等のキノンジアジド基を有するスルホン酸との完全エステル化合物、部分エステル化合物、アミド化物又は部分アミド化物などが挙げられる。これらの感光剤(E)は1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
本発明の感光性組成物、レジスト材における前記感光剤(E)の配合量は、良好な感度が得られ、所望のパターンが得られることから、前記ノボラック型フェノール樹脂(C)及び前記アルカリ可溶性樹脂(D)の合計100質量部に対して、3~50質量部の範囲が好ましく、5~30質量部の範囲がより好ましい。
前記溶剤(F)としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールアルキルエーテル;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン;ジオキサン等の環式エーテル;2-ヒドロキシプロピオン酸メチル、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、オキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチル、3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステルなどが挙げられる。これらの溶剤(F)は1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
本発明の感光性組成物、レジスト材における前記溶剤(F)の配合量は、組成物の流動性をスピンコート法等の塗布法により均一な塗膜を得られることから、該組成物中の固形分濃度が15~65質量%となる量とすることが好ましい。
本発明の感光性組成物、レジスト材には、前記ノボラック型フェノール樹脂(C)、任意に配合する他のアルカリ可溶性樹脂(D)、感光剤(E)及び溶剤(F)の他、本発明の効果を阻害しない範囲で各種添加剤を配合しても構わない。このような添加剤としては、充填材、顔料、レベリング剤等の界面活性剤、密着性向上剤、溶解促進剤などが挙げられる。
本発明の感光性組成物、レジスト材は、前記ノボラック型フェノール樹脂(C)、任意に配合する他のアルカリ可溶性樹脂(D)、感光剤(E)及び溶剤(F)、さらに必要に応じて加えた各種添加剤を通常の方法で、撹拌混合して均一な液とすることで調製できる。
また、本発明の感光性組成物、レジスト材に充填材、顔料等の固形のものを配合する際には、ディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミル等の分散装置を用いて分散、混合させることが好ましい。また、粗粒や不純物を除去するため、メッシュフィルター、メンブレンフィルター等を用いて該組成物をろ過することもできる。
本発明の感光性組成物、レジスト材は、マスクを介して露光を行うことで、露光部においては樹脂組成物に構造変化が生じてアルカリ現像液に対しての溶解性が促進される。一方、非露光部においてはアルカリ現像液に対する低い溶解性を保持しているため、この溶解性の差により、アルカリ現像によりパターニングが可能となりレジスト材料として用いることができる。
本発明の感光性組成物、レジスト材を露光する光源としては、例えば、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、X線、電子線等が挙げられる。これらの光源の中でも紫外光が好ましく、高圧水銀灯のg線(波長436nm)、i線(波長365nm)、EUVレーザー(波長13.5nm)が好適である。
また、露光後の現像に用いるアルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ性物質;エチルアミン、n-プロピルアミン等の1級アミン類;ジエチルアミン、ジ-n-ブチルアミン等の2級アミン類;トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の3級アミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩;ピロール、ピヘリジン等の環状アミンなどのアルカリ性水溶液を使用することができる。これらのアルカリ現像液には、必要に応じてアルコール、界面活性剤等を適宜添加して用いることもできる。アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常2~5質量%の範囲が好ましく、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が一般的に用いられる。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<組成物の調製>
合成したノボラック型フェノール樹脂と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を20/75(質量部)で混合、溶解し、0.1μmのPTFE製ディスクフィルタで精密濾過を行い、組成物とした。
合成したノボラック型フェノール樹脂と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を20/75(質量部)で混合、溶解し、0.1μmのPTFE製ディスクフィルタで精密濾過を行い、組成物とした。
<アルカリ現像性の評価>
前記で調整した組成物を5インチシリコンウェハー上に約1μmの厚さになるようにスピンコーターで塗布し、110℃のホットプレート上で60秒乾燥させた。得られたウェハーを現像液(2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)に60秒間浸漬後、110℃のホットプレート上で60秒乾燥させた。現像液浸漬前後の膜厚を測定し、その差分を60で除した値をアルカリ現像性(ADR1(Å/s))とした。また、フォトレジストとして用いる場合に使用される感光剤(東洋合成工業製 P-200)をノボラック型フェノール樹脂/P-200/PGMEA=20/5/75(質量部)として調製した感光性組成物を用いて同様に測定した値を(ADR2(Å/s))とした。同様に、現像液として15%炭酸ナトリウム水溶液を用いて感光剤無と有で測定した値をアルカリ現像性(ADR3(Å/s))、アルカリ現像性(ADR4(Å/s))とした。
前記で調整した組成物を5インチシリコンウェハー上に約1μmの厚さになるようにスピンコーターで塗布し、110℃のホットプレート上で60秒乾燥させた。得られたウェハーを現像液(2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)に60秒間浸漬後、110℃のホットプレート上で60秒乾燥させた。現像液浸漬前後の膜厚を測定し、その差分を60で除した値をアルカリ現像性(ADR1(Å/s))とした。また、フォトレジストとして用いる場合に使用される感光剤(東洋合成工業製 P-200)をノボラック型フェノール樹脂/P-200/PGMEA=20/5/75(質量部)として調製した感光性組成物を用いて同様に測定した値を(ADR2(Å/s))とした。同様に、現像液として15%炭酸ナトリウム水溶液を用いて感光剤無と有で測定した値をアルカリ現像性(ADR3(Å/s))、アルカリ現像性(ADR4(Å/s))とした。
<耐熱性評価>
前記で調整した組成物(感光材無)を直径5インチのシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布後、110℃で60秒乾燥し、1μmの厚さの薄膜を得た。この薄膜をかき取り、ガラス転移点温度(以下、「Tg」と略記する。)を測定した。なお、Tgの測定は、示差熱走査熱量計(株式会社ティー・エイ・インスツルメント製「示差熱走査熱量計(DSC)Q100」)を用いて、窒素雰囲気下、温度範囲-100~200℃、昇温速度10℃/分の条件で行った。評価基準は以下の通りである。
○:Tgが150℃以上
×:Tgが150℃以下
前記で調整した組成物(感光材無)を直径5インチのシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布後、110℃で60秒乾燥し、1μmの厚さの薄膜を得た。この薄膜をかき取り、ガラス転移点温度(以下、「Tg」と略記する。)を測定した。なお、Tgの測定は、示差熱走査熱量計(株式会社ティー・エイ・インスツルメント製「示差熱走査熱量計(DSC)Q100」)を用いて、窒素雰囲気下、温度範囲-100~200℃、昇温速度10℃/分の条件で行った。評価基準は以下の通りである。
○:Tgが150℃以上
×:Tgが150℃以下
<前駆体化合物(1)の合成>
製造例1
冷却管を設置した2000ml 4口フラスコに2,5-キシレノール293.2g(2.4mol)、4-ホルミル安息香酸150g(1mol)を仕込み、2-エトキシエタノール500mlに溶解させた。氷浴中で冷却しながら硫酸10mlを添加した後、マントルヒーターで100℃、2時間加熱、攪拌し反応させた。反応後、得られた溶液に対し水で再沈殿操作を行い、粗生成物を得た。粗生成物をアセトンに再溶解し、さらに水で再沈殿操作を行った後、得られた生成物を濾別し、真空乾燥を行い、淡桃色結晶の前駆体化合物(1)292gを得た。GPC純度は95.3%で、1H-NMRより目的化合物であることを確認した。前駆体化合物(1)のGPCチャートを図1に、1H-NMRチャートを図2に示す。
製造例1
冷却管を設置した2000ml 4口フラスコに2,5-キシレノール293.2g(2.4mol)、4-ホルミル安息香酸150g(1mol)を仕込み、2-エトキシエタノール500mlに溶解させた。氷浴中で冷却しながら硫酸10mlを添加した後、マントルヒーターで100℃、2時間加熱、攪拌し反応させた。反応後、得られた溶液に対し水で再沈殿操作を行い、粗生成物を得た。粗生成物をアセトンに再溶解し、さらに水で再沈殿操作を行った後、得られた生成物を濾別し、真空乾燥を行い、淡桃色結晶の前駆体化合物(1)292gを得た。GPC純度は95.3%で、1H-NMRより目的化合物であることを確認した。前駆体化合物(1)のGPCチャートを図1に、1H-NMRチャートを図2に示す。
<前駆体化合物(2)の合成>
製造例2
冷却管を設置した2000ml 4口フラスコに2,5-キシレノール293.2g(2.4mol)、2-ヒドロキシベンズアルデヒド122g(1mol)を仕込み、2-エトキシエタノール500mlに溶解させた。氷浴中で冷却しながら硫酸10mlを添加した後、マントルヒーターで100℃、2時間加熱、攪拌し反応させた。反応後、得られた溶液に対し水で再沈殿操作を行い、粗生成物を得た。粗生成物をアセトンに再溶解し、さらに水で再沈殿操作を行った後、得られた生成物を濾別し、真空乾燥を行い、白色結晶の前駆体化合物(2)213gを得た。GPC純度は98.2%で、13C-NMRより目的化合物であることを確認した。前駆体化合物(2)のGPCチャートを図3に、13C-NMRチャートを図4に示す。
製造例2
冷却管を設置した2000ml 4口フラスコに2,5-キシレノール293.2g(2.4mol)、2-ヒドロキシベンズアルデヒド122g(1mol)を仕込み、2-エトキシエタノール500mlに溶解させた。氷浴中で冷却しながら硫酸10mlを添加した後、マントルヒーターで100℃、2時間加熱、攪拌し反応させた。反応後、得られた溶液に対し水で再沈殿操作を行い、粗生成物を得た。粗生成物をアセトンに再溶解し、さらに水で再沈殿操作を行った後、得られた生成物を濾別し、真空乾燥を行い、白色結晶の前駆体化合物(2)213gを得た。GPC純度は98.2%で、13C-NMRより目的化合物であることを確認した。前駆体化合物(2)のGPCチャートを図3に、13C-NMRチャートを図4に示す。
実施例1(製造例3:ノボラック型フェノール樹脂樹脂(A-1)の合成)
冷却管を設置した300ml 4口フラスコに前駆体化合物(1)18.8g(0.05mol)、92%パラホルムアルデヒド1.6g(0.05mol)を仕込み、2-エトキシエタノール15ml、酢酸15mlに溶解させた。氷浴中で冷却しながら硫酸10mlを添加した後、オイルバスで80℃に昇温し、4時間加熱、攪拌を継続し、反応させた。反応後、得られた溶液に対し水で再沈殿操作を行い、粗生成物を得た。粗生成物をアセトンに再溶解し、さらに水で再沈殿操作を行った後、得られた生成物を濾別し、真空乾燥を行い、淡赤色粉末のノボラック樹脂(A)16.9gを得た。ノボラック樹脂(A)のGPCは数平均分子量(Mn)=3331、重量平均分子量(Mw)=6738、多分散度(Mw/Mn)=2.02であった。ノボラック型フェノール樹脂(A)のGPCチャートを図5に示す。
冷却管を設置した300ml 4口フラスコに前駆体化合物(1)18.8g(0.05mol)、92%パラホルムアルデヒド1.6g(0.05mol)を仕込み、2-エトキシエタノール15ml、酢酸15mlに溶解させた。氷浴中で冷却しながら硫酸10mlを添加した後、オイルバスで80℃に昇温し、4時間加熱、攪拌を継続し、反応させた。反応後、得られた溶液に対し水で再沈殿操作を行い、粗生成物を得た。粗生成物をアセトンに再溶解し、さらに水で再沈殿操作を行った後、得られた生成物を濾別し、真空乾燥を行い、淡赤色粉末のノボラック樹脂(A)16.9gを得た。ノボラック樹脂(A)のGPCは数平均分子量(Mn)=3331、重量平均分子量(Mw)=6738、多分散度(Mw/Mn)=2.02であった。ノボラック型フェノール樹脂(A)のGPCチャートを図5に示す。
実施例2(製造例4:ノボラック型フェノール樹脂(A-2)の合成、前駆体化合物(1)と前駆体化合物(2)のモル比 25:75)
冷却管を設置した300ml 4口フラスコに前駆体化合物(1)4.5g(0.012mol)、前駆体化合物(2)13.2g(0.038mol)、92%パラホルムアルデヒド1.6g(0.05mol)を仕込み、2-エトキシエタノール15ml、酢酸15mlに溶解させた。氷浴中で冷却しながら硫酸10mlを添加した後、オイルバスで80℃に昇温し、4時間加熱、攪拌を継続し、反応させた。反応後、得られた溶液に対し水で再沈殿操作を行い、粗生成物を得た。粗生成物をアセトンに再溶解し、さらに水で再沈殿操作を行った後、得られた生成物を濾別、真空乾燥を行い淡赤色粉末のノボラック型フェノール樹脂(A-2)17.3gを得た。ノボラック型フェノール樹脂(A-2)のGPCは数平均分子量(Mn)=2089、重量平均分子量(Mw)=7289、多分散度(Mw/Mn)=3.49であった。ノボラック型フェノール樹脂(A-2)のGPCチャートを図6に示す。
冷却管を設置した300ml 4口フラスコに前駆体化合物(1)4.5g(0.012mol)、前駆体化合物(2)13.2g(0.038mol)、92%パラホルムアルデヒド1.6g(0.05mol)を仕込み、2-エトキシエタノール15ml、酢酸15mlに溶解させた。氷浴中で冷却しながら硫酸10mlを添加した後、オイルバスで80℃に昇温し、4時間加熱、攪拌を継続し、反応させた。反応後、得られた溶液に対し水で再沈殿操作を行い、粗生成物を得た。粗生成物をアセトンに再溶解し、さらに水で再沈殿操作を行った後、得られた生成物を濾別、真空乾燥を行い淡赤色粉末のノボラック型フェノール樹脂(A-2)17.3gを得た。ノボラック型フェノール樹脂(A-2)のGPCは数平均分子量(Mn)=2089、重量平均分子量(Mw)=7289、多分散度(Mw/Mn)=3.49であった。ノボラック型フェノール樹脂(A-2)のGPCチャートを図6に示す。
実施例3(製造例5:ノボラック型フェノール樹脂(A-3)の合成、前駆体化合物(1)と前駆体化合物(2)のモル比 50:50)
前駆体化合物(1)9.4g(0.025mol)、前駆体化合物(2)8.7g(0.025mol)を使用した以外は実施例2(製造例4)と同様にして淡赤色粉末のノボラック型フェノール樹脂(A-3)16.8gを得た。ノボラック型フェノール樹脂(A-3)のGPCは数平均分子量(Mn)=2253、重量平均分子量(Mw)=7259、多分散度(Mw/Mn)=3.22であった。ノボラック型フェノール樹脂(A-3)のGPCチャートを図7に示す。
前駆体化合物(1)9.4g(0.025mol)、前駆体化合物(2)8.7g(0.025mol)を使用した以外は実施例2(製造例4)と同様にして淡赤色粉末のノボラック型フェノール樹脂(A-3)16.8gを得た。ノボラック型フェノール樹脂(A-3)のGPCは数平均分子量(Mn)=2253、重量平均分子量(Mw)=7259、多分散度(Mw/Mn)=3.22であった。ノボラック型フェノール樹脂(A-3)のGPCチャートを図7に示す。
実施例4(製造例6:ノボラック型フェノール樹脂(A-4)の合成、前駆体化合物(1)と前駆体化合物(2)のモル比 75:25)
前駆体化合物(1)14.3g(0.038mol)、前駆体化合物(2)4.2g(0.012mol)を使用した以外は実施例2(製造例4)と同様にして淡赤色粉末のノボラック型フェノール樹脂(A-4)18.1gを得た。ノボラック型フェノール樹脂(A-4)のGPCは数平均分子量(Mn)=2438、重量平均分子量(Mw)=5613、多分散度(Mw/Mn)=2.30であった。ノボラック型フェノール樹脂(A-4)のGPCチャートを図8に示す。
前駆体化合物(1)14.3g(0.038mol)、前駆体化合物(2)4.2g(0.012mol)を使用した以外は実施例2(製造例4)と同様にして淡赤色粉末のノボラック型フェノール樹脂(A-4)18.1gを得た。ノボラック型フェノール樹脂(A-4)のGPCは数平均分子量(Mn)=2438、重量平均分子量(Mw)=5613、多分散度(Mw/Mn)=2.30であった。ノボラック型フェノール樹脂(A-4)のGPCチャートを図8に示す。
比較例1(合成比較例1)
攪拌機、温度計を備えた2L 4つ口フラスコに、2-ヒドロキシ安息香酸552g(4mol)、1,4-ビス(メトキシメチル)ベンゼン498g(3mol)、p-トルエンスルホン酸2.5g、トルエン500gを仕込み、120℃まで昇温し、脱メタノール反応を行った。減圧下で昇温、蒸留し、230℃、6時間減圧留去を行い、淡黄色固形のノボラック型フェノール樹脂(A’-1)882gを得た。ノボラック型フェノール樹脂(A’-1)のGPCは数平均分子量(Mn)=1016、重量平均分子量(Mw)=2782、多分散度(Mw/Mn)=2.74であった。ノボラック型フェノール樹脂(A’-1)のGPCチャートを図9に示す。
攪拌機、温度計を備えた2L 4つ口フラスコに、2-ヒドロキシ安息香酸552g(4mol)、1,4-ビス(メトキシメチル)ベンゼン498g(3mol)、p-トルエンスルホン酸2.5g、トルエン500gを仕込み、120℃まで昇温し、脱メタノール反応を行った。減圧下で昇温、蒸留し、230℃、6時間減圧留去を行い、淡黄色固形のノボラック型フェノール樹脂(A’-1)882gを得た。ノボラック型フェノール樹脂(A’-1)のGPCは数平均分子量(Mn)=1016、重量平均分子量(Mw)=2782、多分散度(Mw/Mn)=2.74であった。ノボラック型フェノール樹脂(A’-1)のGPCチャートを図9に示す。
比較例2(合成比較例2)
攪拌機、温度計を備えた2L 4つ口フラスコに、m-クレゾール648g(6mol)、p-クレゾール432g(4mol)、シュウ酸2.5g(0.2mol)、42%ホルムアルデヒド492gを仕込み、100℃まで昇温、反応させた。常圧で200℃まで脱水、蒸留し、230℃、6時間減圧蒸留を行い、淡黄色固形のノボラック型フェノール樹脂(A’-2)736gを得た。ノボラック型フェノール樹脂(A’-2)736gのGPCは数平均分子量(Mn)=1450、重量平均分子量(Mw)=10316、多分散度(Mw/Mn)=7.116であった。ノボラック型フェノール樹脂(A’-2)736g)のGPCチャートを図10に示す。
攪拌機、温度計を備えた2L 4つ口フラスコに、m-クレゾール648g(6mol)、p-クレゾール432g(4mol)、シュウ酸2.5g(0.2mol)、42%ホルムアルデヒド492gを仕込み、100℃まで昇温、反応させた。常圧で200℃まで脱水、蒸留し、230℃、6時間減圧蒸留を行い、淡黄色固形のノボラック型フェノール樹脂(A’-2)736gを得た。ノボラック型フェノール樹脂(A’-2)736gのGPCは数平均分子量(Mn)=1450、重量平均分子量(Mw)=10316、多分散度(Mw/Mn)=7.116であった。ノボラック型フェノール樹脂(A’-2)736g)のGPCチャートを図10に示す。
実施例1~4及び比較例1、2のノボラック型フェノール樹脂からそれぞれ調製された組成物を用いた各測定及び評価の結果を表1に示す。
表1に示した評価結果から、実施例1で得られたノボラック型フェノール樹脂(A-1)から調製された組成物について、現像液を2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液とした場合、露光部分に相当する感光剤を配合していない組成物は、15,000Å/秒と非常に速いアルカリ溶解速度を有しており、優れた感度を有することが分かった(ADR1)。また、未露光部分に相当する感光剤を配合した組成物のアルカリ溶解速度は、80Å/秒と非常に低く、アルカリ現像後もパターンが問題なく残ることが分かった(ADR2)。
また、現像液を15%炭酸ナトリウム水溶液とした場合、露光部分に相当する感光剤を配合していない組成物は、820Å/秒と非常に速いアルカリ溶解速度を有しており、優れた感度を有することが分かった(ADR3)。また、未露光部分に相当する感光剤を配合した組成物のアルカリ溶解速度は、1Å/秒未満と非常に低く、アルカリ現像後もパターンが問題なく残ることが分かった(ADR4)。さらに、硬化物のTgも213℃と非常に高く、耐熱性にも優れることが分かった。
また表1に示した評価結果から、実施例2で得られたノボラック型フェノール樹脂(A-2)から調製された本発明の組成物について、現像液を2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液とした場合、露光部分に相当する感光剤を配合していない組成物は、6,500Å/秒と非常に速いアルカリ溶解速度を有しており、優れた感度を有することが分かった(ADR1)。また、未露光部分に相当する感光剤を配合した組成物のアルカリ溶解速度は、42Å/秒と非常に低く、アルカリ現像後もパターンが問題なく残ることが分かった(ADR2)。
また、現像液を15%炭酸ナトリウム水溶液とした場合、露光部分に相当する感光剤を配合していない組成物は、410Å/秒と非常に速いアルカリ溶解速度を有しており、優れた感度を有することが分かった(ADR3)。また、未露光部分に相当する感光剤を配合した組成物のアルカリ溶解速度は、1Å/秒未満と非常に低く、アルカリ現像後もパターンが問題なく残ることが分かった(ADR4)。さらに、硬化物のTgも186℃と非常に高く、耐熱性にも優れることが分かった。
同様に表1に示す通り、実施例3でノボラック型フェノール樹脂(A-3)から調製された組成物について、ADR1~4はそれぞれ7,200Å/秒、53Å/秒、480Å/秒、1Å/秒未満であり、優れた結果を示していた。さらに、硬化物のTgも191℃と非常に高く、耐熱性にも優れることが分かった。
また同様に表1に示す通り、実施例4でノボラック型フェノール樹脂(A-4)から調製された本発明の組成物について、ADR1~4はそれぞれ8,000Å/秒、56Å/秒、540Å/秒、1Å/秒未満であり、優れた結果を示していた。さらに、硬化物のTgも196℃と非常に高く、耐熱性にも優れることが分かった。
一方、比較例1は、2-ヒドロキシ安息香酸と3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒドとを縮合反応させた公知のフェノール型ノボラック樹脂をアルカリ可溶性樹脂として用いた組成物の例である。この比較例1で調製した組成物については、現像液を2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液とした場合、露光部分に相当する感光剤を配合していない組成物は、3,500Å/秒とアルカリ溶解速度が遅く、感度が不十分であることが分かった(ADR1)。また現像液を15%炭酸ナトリウム水溶液とした場合とした場合、露光部分に相当する感光剤を配合していない組成物は、1Å/秒未満とアルカリ溶解速度が遅く、感度が不十分であることが分かった(ADR3)。さらに、硬化物のTgは、52℃と低く、耐熱性も不十分であることが分かった。
また、比較例2は、m-クレゾールとp-クレゾールをホルムアルデヒドで縮合した公知のフェノール型ノボラック樹脂をアルカリ可溶性樹脂として用いた組成物の例である。この比較例2で調製した組成物については、現像液を2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液とした場合、露光部分に相当する感光剤を配合していない組成物は、110Å/秒とアルカリ溶解速度が遅く、感度が不十分であることが分かった(ADR1)。また現像液を15%炭酸ナトリウム水溶液とした場合とした場合、露光部分に相当する感光剤を配合していない組成物は、1Å/秒未満とアルカリ溶解速度が遅く、感度が不十分であることが分かった(ADR3)。さらに、硬化物のTgは、110℃と低く、耐熱性も不十分であることが分かった。
Claims (12)
- 前記脂肪族アルデヒド(B)が、ホルムアルデヒド及び/またはパラホルムアルデヒドである、請求項1に記載のノボラック型フェノール樹脂。
- 前記芳香族化合物(A)が、フェノール化合物と、カルボキシル基もしくはそのエステル誘導体を有する芳香族アルデヒドおよび/またはカルボキシル基もしくはそのエステル誘導体を有する芳香族ケトンとの重縮合物である、請求項1または2に記載のノボラック型フェノール樹脂。
- 前記カルボキシル基を有する芳香族アルデヒドが、ホルミル安息香酸である、請求項3に記載のノボラック型フェノール樹脂。
- 前記芳香族化合物(A)が、単離精製された後に脂肪族アルデヒド(B)との縮合に用いられたものである、請求項1から4のいずれか一項に記載のノボラック型フェノール樹脂。
- 前記脂肪族アルデヒド(B)が、ホルムアルデヒド及び/またはパラホルムアルデヒドである、請求項6に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- 前記芳香族化合物(A)が、フェノール化合物と、カルボキシル基もしくはそのエステル誘導体を有する芳香族アルデヒドおよび/またはカルボキシル基もしくはそのエステル誘導体を有する芳香族ケトンとを重縮合したものである、請求項6または7に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- 前記カルボキシル基を有する芳香族アルデヒドが、ホルミル安息香酸である、請求項8に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- 請求項1~5の何れか1項記載のノボラック型フェノール樹脂と感光剤とを含有する感光性組成物。
- 請求項1~5の何れか1項記載のノボラック型フェノール樹脂を含有するレジスト材。
- 請求項11記載のレジスト材からなるレジスト膜。
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