WO2019208389A1

WO2019208389A1 - 物品管理システム及び物品管理方法

Info

Publication number: WO2019208389A1
Application number: PCT/JP2019/016628
Authority: WO
Inventors: 小島　優
Original assignee: パナソニックＩｐマネジメント株式会社
Priority date: 2018-04-25
Filing date: 2019-04-18
Publication date: 2019-10-31
Also published as: US20210174328A1; US20230214812A1; CN112020733A

Abstract

【課題】ＲＦタグが添付された物品の移動を確実に判定することを可能とする。【解決手段】物品管理システム１は、第１の所定領域側に配置された少なくとも１つの第１のアンテナ１１、及び第１のアンテナとはＲＦタグの読取領域が少なくとも一部において重複しない第２の所定領域側に配置された少なくとも１つの第２のアンテナ１２を有し、第１及び第２のアンテナによって、物品６に添付されたＲＦタグ７から該タグに記憶されている物品情報を読み取るリーダライタ２と、リーダライタで読み取られたＲＦタグの物品情報を管理する管理装置３と、を備え、管理装置は、リーダライタで読み取られたＲＦタグの各々について、第１及び第２のアンテナでの読取状態の変化に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の第１の所定領域及び第２の所定領域間での移動を判定する構成とする。

Description

物品管理システム及び物品管理方法

　本発明は、ＲＦタグが添付された物品の移動を判定するための物品管理システム及び物品管理方法に関する。

　近年、小売店等では、買物客が購入した商品の金額をレジで精算するときに、バーコードの代わりにＲＦＩＤ（Radio Frequency Identifier）技術を用いることが検討されている。ＲＦＩＤ技術を用いると、各商品に添付された複数のＲＦタグを一括して読み取ることや離れた場所からの読み取りができるため、レジでの精算業務の効率化やスピードアップを実現することが可能となる。また、ＲＦＩＤ技術を用いることにより、人件費削減等を目的としたセルフレジ（無人レジ）の導入も可能となる。

　このような、ＲＦＩＤ技術を用いたレジシステムとして、商品識別情報を記憶した無線タグ（ＲＦタグ）の情報を読み取る無線タグ読み取り部と、商品識別情報を記載したコードシンボルを読み取る光学的読み取り部と、前記無線タグと前記コードシンボルから読み取った情報を登録する登録部と、商品登録する商品を移動させる軌跡上に前記無線タグ読み取り部の読み取り領域と、前記光学的読み取り部の読み取り領域を配置したことを特徴とする商品情報登録装置が知られている（特許文献１参照）。

　また、近年、ＲＦＩＤ技術を用いて物品を管理することが広く実用化されており、最近では、冷蔵庫型のセルフ販売サービスにも適用されている。このような冷蔵庫型のセルフ販売サービスでは、ＲＦタグが添付された商品が冷蔵庫型の保管庫内に保管されており、リーダライタのアンテナで商品に添付されたＲＦタグを読み取ることによって、その商品が保管庫から取り出されたか否かを判定する。そして、保管庫から取り出されたと判定された商品について、保管庫のドア等に設置された精算端末を使用して、買物客が自分でその商品の代金を精算するように構成されている。

　このような、ＲＦＩＤ技術を用いて保管庫からの物品の取り出しまたは保管庫への物品の収納を判定する従来技術として、保管キャビネット装置であって、少なくとも、当該保管キャビネットコンパートメントにアクセスするための開口部を有する保管キャビネットコンパートメントと、前記保管キャビネットコンパートメント内に配置され、第１の検出区域を有する第１のセンサと、前記保管キャビネットコンパートメント内に配置され、第２の検出区域を有する第２のセンサと、を備え、前記第２の検出区域よりも前記第１の検出区域のほうが前記保管キャビネットコンパートメントの前記開口部に近く、前記第１のセンサおよび前記第２のセンサは、前記第１の検出区域および前記第２の検出区域において、それぞれ在庫品目の検出を行う、保管装置が知られている（特許文献２参照）。

特許第３８３９８１７号公報特表２０１２－５３３１１８号公報

　上記の特許文献１に記載された従来技術では、登録前の商品を入れるカゴから登録後の商品を入れるカゴに商品を移動させるときに、その移動の軌跡上に配置した無線タグ読み取り部によって、商品に添付された無線タグ（ＲＦタグ）を読み取るように構成されている。

　しかしながら、上記の特許文献１の従来技術では、無線タグ読み取り部から放射される電波が無線タグ読み取り部の読み取り領域外まで放射されることにより、その読み取り領域外に位置する読み取りを所望しない商品に添付された無線タグを誤って読み取ってしまうという問題があった。例えば、無線タグ読み取り部からの直接波、または天井、床、壁、レジ本体等で反射された反射波により、精算中の買物客の後ろ、または隣のレジに並んでいる買物客の買物カゴに入っている商品や陳列棚に陳列されている商品等に添付された無線タグを誤って読み取ってしまう恐れがある。この問題は、無線タグの読取率を上げるために、無線タグ読み取り部の出力を上げた場合に顕著になる。したがって、上記の特許文献１の従来技術では、ＲＦタグが添付された商品（物品）の移動を確実に判定することができないという問題があった。

　また、上記の特許文献２の従来技術では、物品が第１の検出区域及び第２の検出区域を順番に通過することを検出することによって保管庫（保管キャビネットコンパートメント）からの物品の取り出しまたは保管庫への物品の収納を判定しているため、第１の検出区域及び第２の検出区域が物品の保管に利用できないデッドスペースとなるという問題があった。このため、上記の特許文献２の従来技術は、保管庫内に多数の商品を陳列することが望まれる冷蔵庫型のセルフ販売サービスへの適用には適していない。

　そこで、冷蔵庫型のセルフ販売サービスでは、保管庫内に陳列されている各商品に添付されたＲＦタグを、保管庫内の適所に配置されたリーダライタのアンテナによって一括して読み取り、アンテナで読み取れなくなったＲＦタグが発生した場合に、そのＲＦタグが添付された商品が保管庫から取り出されたと判定する判定方式を用いている。

　しかしながら、この判定方式では、保管庫内に陳列されている各商品のＲＦタグをアンテナで確実に読み取る必要があるため、各商品（特に、水分または金属を有する商品）は互いに所定の間隔を隔てて陳列する必要があった。また、ＲＦタグの背面側に金属が存在する場合においても、アンテナと通信できなくなったり、アンテナとの通信距離が短くなったりするため、各商品は、保管庫の内側面等の金属製部分から所定の間隔を隔てて陳列する必要があった。したがって、上記の特許文献２の従来技術では、保管庫内での商品の配置間隔や配置位置などの配置状態によっては、ＲＦタグが添付された商品（物品）の取り出し（移動）を確実に判定することができないという問題があった。

　本発明は、このような従来技術の課題を鑑みて案出されたものであり、ＲＦタグが添付された物品の移動を確実に判定することを可能にする物品管理システム及び物品管理方法を提供することを主目的とする。

　本発明の物品管理システムは、ＲＦタグが添付された物品の移動を判定するための物品管理システムであって、第１の所定領域側に配置された少なくとも１つの第１のアンテナ、及び前記第１のアンテナとは前記ＲＦタグの読取領域が少なくとも一部において重複しない第２の所定領域側に配置された少なくとも１つの第２のアンテナを有し、前記第１及び第２のアンテナによって、前記物品の前記ＲＦタグから該タグに記憶されている物品情報を読み取るリーダライタと、前記リーダライタで読み取られた前記ＲＦタグの前記物品情報を管理する管理装置と、を備え、前記管理装置は、前記リーダライタで読み取られた前記ＲＦタグの各々について、前記第１及び第２のアンテナでの読取状態の変化に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の前記第１の所定領域及び前記第２の所定領域間での移動を判定することを特徴とする。

　また、本発明の物品管理方法は、ＲＦタグが添付された物品の移動を判定するための物品管理方法であって、第１の所定領域側に配置された少なくとも１つの第１のアンテナによって、前記物品の前記ＲＦタグから該タグに記憶されている物品情報をリーダライタが読み取る第１の読取ステップと、前記第１のアンテナとは前記ＲＦタグの読取領域が少なくとも一部において重複しない第２の所定領域側に配置された少なくとも１つの第２のアンテナによって、前記物品の前記ＲＦタグから該タグに記憶されている物品情報をリーダライタが読み取る第２の読取ステップと、前記リーダライタで読み取られた前記ＲＦタグの各々について、前記第１及び第２のアンテナでの読取状態の変化に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の前記第１の所定領域及び前記第２の所定領域間での移動を判定する判定ステップと、を含むことを特徴とする。

　本発明の物品管理システム及び物品管理方法によれば、ＲＦタグが添付された物品の移動を確実に判定することが可能となる。

本発明の第１実施形態に係る物品管理システム（レジシステム）の概略構成図第１及び第２のアンテナが配置されるレジ台を示す斜視図本発明の第１実施形態における精算時の様子を示す図管理装置の概略構成を示すブロック図管理装置での物品（商品）の購入の判定処理を説明するためのフロー図図５で説明した処理の第１変形例を説明するためのフロー図図５で説明した処理の第２変形例を説明するためのフロー図図５で説明した処理の第３変形例を説明するためのフロー図図５で説明した処理の第４変形例を説明するためのフロー図本発明の第２実施形態を示す図であり、図３に対応する図本発明の第３実施形態を示す図であり、図３に対応する図本発明の第４実施形態を示す図であり、図３に対応する図第１実施形態において第１及び第２のアンテナを複数設けた場合を示す図第４実施形態において第１及び第２のアンテナを複数設けた場合を示す図本発明の第５実施形態に係る物品管理システムの概略構成図物品管理システムの保管庫を示す斜視図であり、（ａ）は保管庫のドアを開いた状態を示す図、（ｂ）は保管庫のドアを閉じた状態を示す図保管庫から商品を取り出すときのドアの開閉状態を示す上面図であり、（ａ）はドアを開いた状態を示す図、（ｂ）はドアを閉じた状態を示す図本発明の第５実施形態における判定処理を説明するためのフロー図図１８で説明した判定処理の変形例を説明するためのフロー図本発明の第６実施形態を示す図であり、図１６に対応する図本発明の第７実施形態を示す図であり、図１６に対応する図本発明の第８実施形態に係る物品管理システムの概略構成図本発明の第８実施形態における判定処理を説明するためのフロー図

　前記課題を解決するためになされた第１の発明は、ＲＦタグが添付された物品の移動を判定するための物品管理システムであって、第１の所定領域側に配置された少なくとも１つの第１のアンテナ、及び前記第１のアンテナとは前記ＲＦタグの読取領域が少なくとも一部において重複しない第２の所定領域側に配置された少なくとも１つの第２のアンテナを有し、前記第１及び第２のアンテナによって、前記物品の前記ＲＦタグから該タグに記憶されている物品情報を読み取るリーダライタと、前記リーダライタで読み取られた前記ＲＦタグの前記物品情報を管理する管理装置と、を備え、前記管理装置は、前記リーダライタで読み取られた前記ＲＦタグの各々について、前記第１及び第２のアンテナでの読取状態の変化に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の前記第１の所定領域及び前記第２の所定領域間での移動を判定することを特徴とする。

　これによると、リーダライタで読み取られたＲＦタグの各々について、第１のアンテナと第２のアンテナとでの読取状態の変化に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の第１の所定領域及び第２の所定領域間での移動を判定することができる。これにより、ＲＦタグが添付された物品の移動を確実に判定することが可能となる。

　また、第２の発明は、上記の第１の発明において、前記管理装置は、前記第１のアンテナ及び前記第２のアンテナが前記各ＲＦタグから受信した信号の受信信号強度について、前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも大きい状態から、前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも小さい状態に変化した場合に、そのＲＦタグが添付された物品が前記第１の所定領域から前記第２の所定領域へ移動したと判定することを特徴とする。

　これによると、第１及び第２のアンテナでのＲＦタグの読取状態の変化は、第１及び第２のアンテナが各ＲＦタグから受信した信号の受信信号強度に基づき判定することができる。そして、第１及び第２のアンテナが各ＲＦタグから受信した信号の受信信号強度に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の第１の所定領域から第２の所定領域への移動を判定することができる。

　また、第３の発明は、上記の第１の発明において、前記第１のアンテナと前記第２のアンテナとの間に、前記第１のアンテナ及び前記第２のアンテナから放射される電波を遮蔽する遮蔽板を設けたことを特徴とする。

　これによると、第１のアンテナによる第１の所定領域外への電波漏洩、及び第２のアンテナによる第２の所定領域外への電波漏洩を抑制することができるので、ＲＦタグの誤読率を低減することが可能となる。

　また、第４の発明は、上記の第１の発明において、前記物品は、買物客により購入される物品であり、前記第１の所定領域は、前記物品の購入時に精算前の物品が置かれる領域であり、前記第２の所定領域は、前記物品の購入時に精算後の物品が置かれる領域であり、前記管理装置は、前記リーダライタで読み取られた前記ＲＦタグの各々について、前記第１及び第２のアンテナでの読取状態の変化に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の購入を判定することを特徴とする。

　これによると、リーダライタで読み取られたＲＦタグの各々について、第１のアンテナと第２のアンテナとでの読取状態の変化に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の購入を判定することができる。これにより、ＲＦＩＤ技術を用いた物品の代金の精算時にＲＦタグの誤読率を低減することが可能となる。

　また、第５の発明は、上記の第４の発明において、前記管理装置は、前記第１のアンテナ及び前記第２のアンテナが前記各ＲＦタグから受信した信号の受信信号強度について、前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも大きい状態から、前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも小さい状態に変化した場合に、そのＲＦタグが添付された物品が購入されたと判定することを特徴とする。

　これによると、第１及び第２のアンテナでのＲＦタグの読取状態の変化は、第１及び第２のアンテナが各ＲＦタグから受信した信号の受信信号強度に基づき判定することができる。そして、第１及び第２のアンテナが各ＲＦタグから受信した信号の受信信号強度に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の購入を容易に判定することができる。

　また、第６の発明は、上記の第４の発明において、前記リーダライタは、前記第１のアンテナと前記第２のアンテナとの間に配置され、かつ前記第１及び第２のアンテナとは前記ＲＦタグの読取領域が少なくとも一部において重複しない少なくとも１つの第３のアンテナをさらに有し、前記第３のアンテナによって、前記物品の前記ＲＦタグから該タグに記憶されている物品情報をさらに読み取り、前記管理装置は、前記リーダライタで読み取られた前記ＲＦタグの各々について、前記第１及び第２のアンテナでの読取状態の変化に加えて、前記第３のアンテナでの読取状態の変化に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の購入を判定することを特徴とする。

　これによると、リーダライタで読み取られたＲＦタグの各々について、第１及び第２のアンテナでの読取状態の変化に加えて、第１のアンテナ及び第２のアンテナ間に配置された第３のアンテナでの読取状態の変化に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の購入をより確実に判定することができる。これにより、ＲＦタグの誤読率をさらに低減することが可能となる。

　また、第７の発明は、上記の第６の発明において、前記管理装置は、前記第１のアンテナ、前記第２のアンテナ、及び前記第３のアンテナの各アンテナが前記各ＲＦタグから受信した信号の受信信号強度について、前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第３のアンテナの前記受信信号強度の値よりも大きい状態から、前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第３のアンテナの前記受信信号強度の値よりも小さい状態に変化し、その後に、前記第３のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも大きい状態から、前記第３のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも小さい状態に変化した場合に、そのＲＦタグが添付された物品が購入されたと判定することを特徴とする。

　これによると、第１、第２及び第３のアンテナの各アンテナでのＲＦタグの読取状態の変化は、第１、第２及び第３のアンテナの各アンテナが各ＲＦタグから受信した信号の受信信号強度に基づき判定することができる。そして、第１、第２及び第３のアンテナの各アンテナが各ＲＦタグから受信した信号の受信信号強度に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の購入を容易に判定することができる。

　また、第８の発明は、上記の第６の発明において、前記第１のアンテナ、前記第２のアンテナ、及び前記第３のアンテナの各アンテナ間に、前記各アンテナから放射される電波を遮蔽する遮蔽板を設けたことを特徴とする。

　これによると、第１のアンテナ、第２のアンテナ、及び第３のアンテナの各アンテナ間での電波漏洩を抑制することができるので、ＲＦタグの誤読率をさらに低減することが可能となる。

　また、第９の発明は、上記の第４の発明において、前記精算前の物品が前記第１の所定領域に置かれたこと、または前記精算前の物品が前記第１の所定領域から除去されたことを検出するセンサをさらに備え、前記管理装置は、前記センサによって前記精算前の物品が前記第１の所定領域に置かれたことが検出されたときに、前記リーダライタを起動し、前記センサによって前記精算前の物品が前記第１の所定領域から除去されたことが検出されたときに、前記リーダライタの動作を終了させることを特徴とする。

　これによると、リーダライタは精算時以外には読み取りを行わないので、ＲＦタグの誤読率をさらに低減することが可能となる。

　また、第１０の発明は、上記の第１の発明において、前記物品は、保管庫に収納される物品であり、前記第１の所定領域は、前記保管庫の内部の領域であり、前記第２の所定領域は、前記保管庫の外部の領域であり、前記管理装置は、前記リーダライタで読み取られた前記ＲＦタグの各々について、前記第１及び第２のアンテナでの読取状態の変化に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の前記保管庫からの取り出しまたは前記保管庫への収納を判定することを特徴とする。

　これによると、リーダライタで読み取られたＲＦタグの各々について、第１のアンテナと第２のアンテナとでの読取状態の変化に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の保管庫からの取り出しまたは保管庫への収納を判定することができる。これにより、保管庫内での物品の配置状態に制約されることなく、ＲＦＩＤ技術を用いて保管庫からの物品の取り出しまたは保管庫への物品の収納を確実に判定することが可能となる。

　また、第１１の発明は、上記の第１０の発明において、前記管理装置は、前記第１及び第２のアンテナが前記各ＲＦタグから受信した信号の受信信号強度について、前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも大きい状態から、前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも小さい状態に変化した場合に、そのＲＦタグが添付された物品が前記保管庫から取り出されたと判定し、前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値よりも大きい状態から、前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値よりも小さい状態に変化した場合に、そのＲＦタグが添付された物品が前記保管庫に収納されたと判定することを特徴とする。

　これによると、第１及び第２のアンテナでのＲＦタグの読取状態の変化は、第１及び第２のアンテナが各ＲＦタグから受信した信号の受信信号強度に基づき判定することができる。そして、第１及び第２のアンテナが各ＲＦタグから受信した信号の受信信号強度に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の保管庫からの取り出しまたは保管庫への収納を容易に判定することができる。

　また、第１２の発明は、上記の第１０の発明において、前記保管庫は、前記保管庫から前記物品を取り出すときまたは前記保管庫に前記物品を収納するときに使用される開き戸式のドアを有し、前記ドアの内側面に前記第１のアンテナが配置され、前記ドアの外側面に前記第２のアンテナが配置されたことを特徴とする。

　これによると、保管庫から物品を取り出すときまたは保管庫に物品を収納するときに、ドアの近傍を通過することとなる物品のＲＦタグを、ドアの内側面及び外側面に配置された第１及び第２のアンテナで確実に読み取ることができる。これにより、第１及び第２のアンテナでのＲＦタグの読取状態の変化に基づく判定をより正確に行うことが可能となる。

　また、第１３の発明は、上記の第１２の発明において、前記保管庫は、前記ドアを閉じたときには前記保管庫内に収容され、前記ドアを開いたときには該ドアと一体的に引き出されるように構成された引き出し部をさらに有し、前記引き出し部に少なくとも１つの前記第１のアンテナがさらに配置されたことを特徴とする。

　これによると、保管庫から取り出されるまたは保管庫に収納される物品のＲＦタグを、少なくとも２つの第１のアンテナによって互いに異なる角度で読み取ることができる。これにより、マルチパスやアンテナの向き等に起因するヌル点の発生を抑制し、ＲＦタグの読取精度の向上を図ることが可能となる。なお、ヌル点は、リーダライタのアンテナがＲＦタグと無線通信可能な状態にあるにもかかわらず、例えばリーダライタから放射された電波と、その電波が周囲環境の壁・床・天井や周囲に存在する他の物体などから反射して生成された反射波とが互いに打ち消し合うことなどが原因で、そのＲＦタグを読み取ることができない位置のことを指す。

　また、第１４の発明は、上記の第１２の発明において、前記ドアにおける、少なくとも前記第１及び第２のアンテナが配置される部分は電磁シールド材または電波吸収体から構成されることを特徴とする。

　これによると、第１のアンテナと第２のアンテナとの間のアイソレーションを確保することができるので、ＲＦタグの読取精度の向上を図ることが可能となる。

　また、第１５の発明は、上記の第１２の発明において、前記ドアにおける、少なくとも前記第１及び第２のアンテナが配置される部分は透明に構成され、かつ前記第１及び第２のアンテナは透明導電体から構成されることを特徴とする。

　これによると、保管庫内に保管されている物品を、ユーザが、ドアにおける第１及び第２のアンテナが配置される部分を通して外部から視認することが可能となる。

　また、第１６の発明は、上記の第１０の発明において、前記リーダライタは、前記第１のアンテナと前記第２のアンテナとの間に配置され、かつ前記第１及び第２のアンテナとは前記ＲＦタグの読取領域が少なくとも一部において重複しない少なくとも１つの第３のアンテナをさらに有し、前記第３のアンテナによって、前記物品の前記ＲＦタグから該タグに記憶されている物品情報をさらに読み取り、前記管理装置は、前記リーダライタで読み取られた前記ＲＦタグの各々について、前記第１及び第２のアンテナでの読取状態の変化に加えて、前記第３のアンテナでの読取状態の変化に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の前記保管庫からの取り出しまたは前記保管庫への収納を判定することを特徴とする。

　これによると、リーダライタで読み取られたＲＦタグの各々について、第１及び第２のアンテナでの読取状態の変化に加えて、第１のアンテナ及び第２のアンテナ間に配置された第３のアンテナでの読取状態の変化に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の保管庫からの取り出しまたは保管庫への収納を判定することができる。これにより、保管庫からの物品の取り出しまたは保管庫への物品の収納をより確実に判定することが可能となる。

　また、第１７の発明は、上記の第１６の発明において、前記管理装置は、前記第１及び第２のアンテナが前記各ＲＦタグから受信した信号の受信信号強度について、前記第１及び第３のアンテナの少なくとも一方の前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも大きい状態から、前記第２及び第３のアンテナの少なくとも一方の前記受信信号強度の値が前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値よりも小さい状態に変化した場合に、そのＲＦタグが添付された物品が前記保管庫から取り出されたと判定し、前記第２及び第３のアンテナの少なくとも一方のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値よりも大きい状態から、前記第１及び第３のアンテナの少なくとも一方の前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも小さい状態に変化した場合に、そのＲＦタグが添付された物品が前記保管庫に収納されたと判定することを特徴とする。

　これによると、第１、第２及び第３のアンテナの各アンテナでのＲＦタグの読取状態の変化は、第１、第２及び第３のアンテナの各アンテナが各ＲＦタグから受信した信号の受信信号強度に基づき判定することができる。そして、第１、第２及び第３のアンテナの各アンテナが各ＲＦタグから受信した信号の受信信号強度に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の保管庫からの取り出しまたは保管庫への収納を容易に判定することができる。

　また、第１８の発明は、上記の第１６の発明において、前記保管庫は、前記保管庫から前記物品を取り出すときまたは前記保管庫に前記物品を収納するときに使用される開き戸式のドアと、前記ドアの上方に位置する延出部とを有し、前記延出部の下側面に前記第３のアンテナが配置されたことを特徴とする。

　これによると、保管庫から物品を取り出すときまたは保管庫に物品を収納するときに、ドアの近傍を通過することとなる物品のＲＦタグを、第３のアンテナによって、第１のアンテナまたは第２のアンテナとは異なる角度で読み取ることができる。これにより、マルチパスやアンテナの向き等に起因するヌル点の発生を抑制し、ＲＦタグの読取精度の向上を図ることが可能となる。

　また、第１９の発明は、ＲＦタグが添付された物品の移動を判定するための物品管理方法であって、第１の所定領域側に配置された少なくとも１つの第１のアンテナによって、前記物品の前記ＲＦタグから該タグに記憶されている物品情報をリーダライタが読み取る第１の読取ステップと、前記第１のアンテナとは前記ＲＦタグの読取領域が少なくとも一部において重複しない第２の所定領域側に配置された少なくとも１つの第２のアンテナによって、前記物品の前記ＲＦタグから該タグに記憶されている物品情報をリーダライタが読み取る第２の読取ステップと、前記リーダライタで読み取られた前記ＲＦタグの各々について、前記第１及び第２のアンテナでの読取状態の変化に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の前記第１の所定領域及び前記第２の所定領域間での移動を判定する判定ステップと、を含むことを特徴とする。

　また、第２０の発明は、上記の第１９の発明において、前記判定ステップでは、前記第１のアンテナ及び前記第２のアンテナが前記各ＲＦタグから受信した信号の受信信号強度について、前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも大きい状態から、前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも小さい状態に変化した場合に、そのＲＦタグが添付された物品が前記第１の所定領域から前記第２の所定領域へ移動したと判定することを特徴とする。

　以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。

　まず、本発明の物品管理システム及び物品管理方法を、買物客が自分で会計するセルフレジ方式に適用した場合について説明する。なお、本実施形態では、セルフレジ方式を想定しているが、本発明の物品管理システム及び物品管理方法は、店員が会計するレジ方式や、店員が会計を補助するレジ方式に適用してもよい。

　（第１実施形態）
　図１は、本発明の第１実施形態に係る物品管理システム１（以降、「レジシステム１」と称する）の概略構成図である。図１に示すように、レジシステム１は、リーダライタ２と、管理装置３と、ＰＯＳ端末４とを備えている。レジシステム１の各構成要素２－４は、ネットワーク５を介して相互に接続されている。

　このレジシステム１は、買物客が購入した物品６（以降、「商品６」とも称する）に添付されたＲＦタグ７からＲＦＩＤ技術を用いて読み取った物品情報（以降、「商品情報」とも称する）に基づき、その商品６の代金を精算する。ＲＦタグ７（以降、単に「タグ７」とも称する）には、固有のタグ識別コードが付与されており、そのタグ識別コードに紐付けて、商品名、価格、賞味期限等の商品情報が記憶されている。

　リーダライタ２は、第１のアンテナ１１と、第２のアンテナ１２とを有している。第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２は、商品６の代金の精算時に、商品６を入れたカゴが置かれるレジ台１０（図２参照）に配置されており、商品６の代金の精算時に、商品６に添付されたタグ７と無線通信してタグ７に記憶されている商品情報を読み取る。第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２がタグ７から読み取った情報は、ネットワーク５を介して、リーダライタ２から管理装置３へ送信される。

　図２は、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２が配置されるレジ台１０を示す斜視図である。図２に示すように、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２は、レジ台１０の上面１０ａに、互いに電波が干渉しないような所定の距離を隔てて配置されている。すなわち、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２は、タグ７の読取領域が互いに重複しないように配置される。本実施形態では、タグ７は、９２０ＭＨｚ帯の周波数（ＵＨＦ帯）を使用するパッシブ型のＲＦタグであり、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２は、９２０ＭＨｚ帯の周波数を使用して、タグ７から情報を読み取る。第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２は、指向性及び偏波特性の観点から円偏波パッチアンテナを使用することが望ましい。ただし、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２は、円偏波パッチアンテナに限定されるものではなく、直線偏波アンテナまたは他方式アンテナを使用してもよい。

　なお、リーダライタ２は、タグ７から情報を読み取る機能を有していればよく、タグ７に情報を書き込む機能は必須ではない。また、本実施形態では、１台のリーダライタ２が、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２を有する構成としているが、第１のアンテナ１１を有する第１のリーダライタ２と、第２のアンテナ１２を有する第２のリーダライタ２との２台のリーダライタ２を用いる構成としてもよい。このようにすると、第１のアンテナ１１と第２のアンテナ１２との切り替えが不要になり、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でタグ７の情報を継続して読み取ることが可能となる。

　図３は、図２に示したレジ台１０での精算時の様子を示す図である。図３に示すように、商品６の代金の精算時は、レジ台１０の上面１０ａにおける第１のアンテナ１１の上方の所定領域（以降、「第１の所定領域」と称する）に、精算前の商品を入れる精算前カゴ２１が置かれ、レジ台１０の上面１０ａにおける第２のアンテナ１２の上方の所定領域（以降、「第２の所定領域」と称する）に、精算後の商品を入れる精算後カゴ２２が置かれる。

　第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２は、互いに電波が干渉しないような所定の距離を隔てて配置されているので、商品６に添付されたタグ７は、商品６が精算前カゴ２１に入っているときは、第１のアンテナ１１では読み取れるが、第２のアンテナ１２では読み取れない。また、商品６に添付されたタグ７は、商品６が精算後カゴ２２に入っているときは、第２のアンテナ１２では読み取れるが、第１のアンテナ１１では読み取れない。

　そして、商品６の精算時には、買物客（または店員）が、精算前カゴ２１から精算後カゴ２２に商品６を移動させる。このとき、商品６の移動に伴い、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのその商品６のタグ７の商品情報の読取状態（以降、単に「タグ７の読取状態」と称する）は、第１のアンテナ１１では読み取れるが第２のアンテナ１２では読み取れない状態から、第２のアンテナ１２では読み取れるが第１のアンテナ１１では読み取れない状態に変化する。

　なお、説明を簡略化するために、図３では、１つの商品６を精算前カゴ２１から精算後カゴ２２へ移動させる場合について示しているが、複数の商品６を精算前カゴ２１から精算後カゴ２２へ移動させる場合も同様であり、その場合は、商品６毎に、その商品６に添付されたタグ７が、第１のアンテナ１１または第２のアンテナ１２で読み取られる。

　なお、本実施形態では、精算前カゴ２１及び精算後カゴ２２を使用することを想定しているが、精算前カゴ２１または精算後カゴ２２の代わりに、レジ袋、マイバッグ、エコバッグ等を用いてもよい。図３の例では、広げた状態のマイバッグが精算後カゴ２２に被せられている。また、商品６に添付されたタグ７は、精算前カゴ２１から出されたときに第１のアンテナ１１に読み取られ、精算後カゴ２２に入るときに第２のアンテナ１２に読み取られてもよい。また、精算前カゴ２１または精算後カゴ２２を使用せずに、商品６を直接、レジ台１０の第１の所定領域または第２の所定領域に置いてもよい。

　管理装置３は、公知の構成を有するサーバ（コンピュータ）から構成され、リーダライタ２から取得した商品情報を管理する。そして、詳細については後述するが、商品６の精算時には、第１のアンテナ１１または第２のアンテナ１２がタグ７を読み取れたか否を判定することにより、その商品が購入されたか否かを判定する。

　図４は、管理装置３の概略構成を示すブロック図である。管理装置３は、公知のハードウェア構成を備えており、所定の制御プログラムに基づきレジシステム１における各処理を統括的に実行するプロセッサ３１、このプロセッサ３１のワークエリア等として機能する揮発性メモリであるＲＡＭ３２、プロセッサ３１が実行する制御プログラムやデータを格納する不揮発性メモリであるＲＯＭ３３、管理装置３の動作に必要なプログラムやデータを記憶するストレジを有する記憶部３４、ユーザに必要な情報を表示するモニタを有する表示部３５、ユーザの入力操作を可能とするキーボードやマウス等の入力デバイスを有する入力部３６、ネットワーク５を介した通信を実行する通信モジュールを有する通信部３７等を備えている。

　管理装置３の各機能は、図４に示したハードウェア構成において、プロセッサ３１が所定の制御プログラムを実行することによって実現可能である。なお、管理装置３の機能の少なくとも一部を他の公知のハードウェアによる処理によって代替してもよい。

　ＰＯＳ端末４は、公知の精算機能を有するＰＯＳ（Point Of Sales System）端末装置であり、管理装置３で購入されたと判定された商品６について、その商品６の商品情報に基づき商品６の代金の精算処理を行う。

　図５は、管理装置３で実施される商品６の購入の判定処理を説明するためのフロー図である。以下、図５及び図３を参照して、商品６の購入の判定処理について説明する。この処理は、買物客が商品６の精算時に、レジ台１０の上面１０ａの第１の所定領域に精算前カゴ２１が置かれたときに開始される。第１の所定領域に精算前カゴ２１が置かれたことは、第１の所定領域の近傍または下方に配置された物体センサまたは重量センサ等により検出するとよい。なお、精算時には、精算後カゴ２２は、レジ台１０の上面１０ａの第２の所定領域に配置されているものとする。

　管理装置３は、物体センサまたは重量センサ等により第１の所定領域に精算前カゴ２１が置かれたことが検出されると、リーダライタ２を起動して、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２での商品６のタグ７の読み取りを開始する（ステップＳＴ１０１）。なお、リーダライタ２は、買物客または店員が、精算開始ボタンを押して起動するようにしてもよい。

　次に、管理装置３は、タグ７の読取状態について、第１のアンテナ１１では読み取れるが第２のアンテナ１２では読み取れない状態（ＡＮＴ１＝ＯＫ、ＡＮＴ２＝ＮＧ）から、第２のアンテナ１２では読み取れるが第１のアンテナ１１では読み取れない状態（ＡＮＴ１＝ＮＧ、ＡＮＴ２＝ＯＫ）に変化したか否かを判定する（ステップＳＴ１０２）。そのように変化したと判定された場合（ステップＳＴ１０２：Ｙｅｓ）にはステップＳＴ１０３に進み、そうではないと判定された場合（ステップＳＴ１０２：Ｎｏ）にはステップＳＴ１０４に進む。

　ステップＳＴ１０３では、管理装置３は、そのタグ７が添付された商品６が精算前カゴ２１から精算後カゴ２２へ移動した、すなわち購入されたと判定する。このとき、例えば、ＰＯＳ端末４の表示画面に買物客が購入した商品数を表示し、商品６が購入されたと判定されるたびに表示する商品数を更新するようにすると、買物客に対して、商品６が購入されたことを知らせることができる。

　図３を参照して説明したように、商品６の精算時には、買物客（または店員）が、精算前カゴ２１から精算後カゴ２２に商品６を移動させたときには、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのその商品６のタグ７の読取状態は、第１のアンテナ１１では読み取れるが第２のアンテナ１２では読み取れない状態から、第２のアンテナ１２では読み取れるが第１のアンテナ１１では読み取れない状態に変化する。したがって、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのタグ７の読取状態が、第１のアンテナ１１では読み取れるが第２のアンテナ１２では読み取れない状態（ＡＮＴ１＝ＯＫ、ＡＮＴ２＝ＮＧ）から、第２のアンテナ１２では読み取れるが第１のアンテナ１１では読み取れない状態（ＡＮＴ１＝ＮＧ、ＡＮＴ２＝ＯＫ）に変化した場合には、そのタグ７が添付された商品６が精算前カゴ２１から精算後カゴ２２へ移動した、すなわち購入されたと判定することができる。

　続くステップＳＴ１０４では、管理装置３は、第１の所定領域から精算前カゴ２１が除去されたか否かを判定する。第１の所定領域から精算前カゴ２１が除去されたことは、上記のステップＳＴ１０１と同様に、第１の所定領域の近傍または下方に配置された物体センサまたは重量センサ等により検出するとよい。第１の所定領域から精算前カゴ２１が除去されたと判定された場合（ステップＳＴ１０４：Ｙｅｓ）には、ステップＳＴ１０５に進み、第１の所定領域から精算前カゴ２１が除去されていないと判定された場合（ステップＳＴ１０４：Ｎｏ）には、先のステップＳＴ１０２に戻り、ステップＳＴ１０２以降の処理を繰り返す。

　ステップＳＴ１０５では、管理装置３は、リーダライタ２をオフにして（動作を終了させ）、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２での商品６のタグ７の読み取りを終了する。

　続くステップＳＴ１０６では、そのタグ７が添付された商品６が購入されたと判定する。これにより、買物客が購入した商品６が確定する。

　そして、ステップＳＴ１０７では、購入が確定した商品６の代金をＰＯＳ端末４で精算する。

　このように、本発明の第１実施形態によれば、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのタグ７の読取状態の変化に基づき、そのタグ７が添付された商品６が精算前カゴ２１から精算後カゴ２２へ移動したこと、すなわちその商品６が購入されたことを確実に判定することができる。これにより、ＲＦＩＤ技術を用いた商品の代金の精算時にＲＦタグの誤読率を低減することが可能となる。また、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのタグ７の読取状態の変化は、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのタグ７の読み取りの有無（ステップＳＴ１０２参照）に基づき容易に判定することができる。

　また、リーダライタ２は、精算前カゴ２１が第１の所定位置に置かれたときに起動し、精算時以外には読み取りを行わないので、タグ７の誤読率をさらに低減することが可能となる。

　なお、本実施形態では、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２は、レジ台１０の上面１０ａに、タグ７の読取領域が互いに重複しないように配置したが、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２は、タグ７の読取領域が一部において互いに重複するように配置してもよい。

　（第１実施形態の第１変形例）
　上記の第１実施形態では、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのタグ７の読取状態の変化は、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのタグ７の読み取りの有無に基づき判定したが、その代わりに、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２がタグ７から受信した信号の強度を示す受信信号強度（ＲＳＳＩ：Receive Signal strength Indication）に基づき判定してもよい。この場合は、図６に示すように、図５のステップＳＴ１０２の代わりに、ステップＳＴ２０１を設ける。

　ステップＳＴ２０１では、管理装置３は、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２がタグ７から受信した信号の受信信号強度（ＲＳＳＩ）について、第１のアンテナ１１（ＡＮＴ１）のＲＳＳＩの値が第２のアンテナ１２（ＡＮＴ２）のＲＳＳＩの値よりも大きい状態（ＲＳＳＩ：ＡＮＴ１＞ＡＮＴ２）から、第１のアンテナ１１（ＡＮＴ１）のＲＳＳＩの値が第２のアンテナ１２（ＡＮＴ２）のＲＳＳＩの値よりも小さい状態（ＲＳＳＩ：ＡＮＴ１＜ＡＮＴ２）に変化したか否かを判定する。そのように変化したと判定された場合（ステップＳＴ２０１：Ｙｅｓ）にはステップＳＴ１０３に進み、そうではないと判定された場合（ステップＳＴ２０１：Ｎｏ）にはステップＳＴ１０２に戻る。

　ステップＳＴ１０３では、管理装置３は、そのタグ７が添付された商品６が精算前カゴ２１から精算後カゴ２２へ移動した、すなわち購入されたと判定する。

　図３に示したように、商品６が精算前カゴ２１に入っているときには、商品６は第１のアンテナ１１（ＡＮＴ１）の上方に位置するので、第１のアンテナ１１（ＡＮＴ１）のＲＳＳＩの値は、第２のアンテナ１２（ＡＮＴ２）のＲＳＳＩの値よりも大きくなる。そして、商品６が精算後カゴ２２に入っているときには、商品６は第２のアンテナ１２（ＡＮＴ１）の上方に位置するので、第２のアンテナ１２（ＡＮＴ２）のＲＳＳＩの値は、第１のアンテナ１１（ＡＮＴ１）のＲＳＳＩの値よりも大きくなる。

　したがって、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２がタグ７から受信した信号の受信信号強度（ＲＳＳＩ）について、第１のアンテナ１１（ＡＮＴ１）のＲＳＳＩの値が第２のアンテナ１２（ＡＮＴ２）のＲＳＳＩの値よりも大きい状態（ＲＳＳＩ：ＡＮＴ１＞ＡＮＴ２）から、第１のアンテナ１１（ＡＮＴ１）のＲＳＳＩの値が第２のアンテナ１２（ＡＮＴ２）のＲＳＳＩの値よりも小さい状態（ＲＳＳＩ：ＡＮＴ１＜ＡＮＴ２）に変化した場合には、そのタグ７が添付された商品６が精算前カゴ２１から精算後カゴ２２へ移動した、すなわち購入されたと判定することができる。

　（第１実施形態の第２変形例）
　また、タグ７に記憶されている商品情報を第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２が読み取った後に、商品６が精算前カゴ２１から精算後カゴ２２へ移動したことを確認するようにしてもよい。この場合は、図７に示すように、ステップＳＴ１０２とステップＳＴ１０３との間に、ステップＳＴ２０２を設ける。

　ステップＳＴ２０２では、管理装置３は、精算前カゴ２１の重量変化分（重量の減少分）と、精算後カゴ２２の重量変化分（重量の増加分）とが一致するか否かを判定する。精算前カゴ２１の重量変化分は、精算前カゴ２１が置かれる第１の所定位置の下方に配置した第１の重量センサで測定し、精算後カゴ２２の重量変化分は、精算後カゴ２２が置かれる第２の所定位置の下方に配置した第２の重量センサで測定するとよい。

　このステップＳＴ２０２において、精算前カゴ２１と精算後カゴ２２の重量変化分が一致すると判定された場合には（ステップＳＴ２０２：Ｙｅｓ）には、ステップＳＴ１０３に進み、一致しないと判定された場合（ステップＳＴ２０２：Ｎｏ）には、先のステップＳＴ１０２に戻る。

　つまり、精算前カゴ２１において、１つの商品が取り出される前の重量と取り出された後の重量とを比較することによって、精算前カゴ２１の重量の減少分（精算前カゴ２１から取り出された商品の重さ）がわかる。また、精算後カゴ２２において、商品が入れられる前の重量と入れられた後の重量とを比較することによって、精算後カゴ２２の重量の増加分（精算後カゴ２２に入れられた商品の重さ）がわかる。精算前カゴ２１から取り出された商品の重量と、精算後カゴ２２に入れられた商品の重量が一致した場合に、その商品が購入された（精算前カゴ２１から精算後カゴ２２へ移動した）と判定することができる。

　このようにすると、精算前カゴ２１から精算後カゴ２２に商品６が移動したことが確認された場合にのみ、商品６が購入されたと判定することができるので、タグ７の誤読率をさらに低減することが可能となる。

　（第１実施形態の第３変形例）
　また、精算前カゴ２１から精算後カゴ２２に商品６が移動したことを確認するときに、タグ７に予め記憶させておいた商品６の重量を用いてもよい。この場合は、図８に示すように、ステップＳＴ１０２とステップＳＴ１０３との間に、ステップＳＴ２０３を設ける。また、この場合は、タグ７に記憶されている商品情報には、その商品６の重量が含まれているものとする。したがって、第１のアンテナ１１または第２のアンテナ１２は、タグ７から商品情報を読み取ったときに、その商品６の重量も読み取ることができる。

　ステップＳＴ２０３では、管理装置３は、精算前カゴ２１の重量変化分（重量の減少分）と、第１のアンテナ１１または第２のアンテナ１２でタグ７から読み取った商品６の重量とが一致するか否かを判定する。精算前カゴ２１の重量変化分は、精算前カゴ２１が置かれる第１の所定位置の下方に配置した重量センサで測定するとよい。

　このステップＳＴ２０３において、精算前カゴ２１の重量変化分が、商品６の重量と一致すると判定された場合には（ステップＳＴ２０３：Ｙｅｓ）には、ステップＳＴ１０３に進み、一致しないと判定された場合（ステップＳＴ２０３：Ｎｏ）には、先のステップＳＴ１０２に戻る。

　このようにすると、精算前カゴ２１の重量変化分とタグ７に記憶させておいた商品６の重量とに基づき、精算前カゴ２１から精算後カゴ２２に商品６が移動したことを確認することができる。また、この場合は、使用する重量センサは、精算前カゴ２１が置かれる第１の所定位置に配置する１台だけでよいので、重量センサを２台使用する上記の第２変形例と比べて構成を簡略化することができる。

　（第１実施形態の第４変形例）
　また、上記の第３変形例のステップ２０３において、精算前カゴ２１の重量変化分（重量の減少分）の代わりに、精算後カゴ２２の重量変化分（重量の増加分）を用いてもよい。精算後カゴ２２の重量変化分は、精算後カゴ２２が置かれる第２の所定位置の下方に配置した重量センサで測定するとよい。

　この場合は、図９に示すように、ステップＳＴ２０３の代わりにステップＳＴ２０４を設ける。ステップＳＴ２０４では、管理装置３は、精算後カゴ２２の重量変化分（重量の増加分）と、第１のアンテナ１１または第２のアンテナ１２でタグ７から読み取った商品６の重量とが一致するか否かを判定する。

　このステップＳＴ２０４において、精算後カゴ２２の重量変化分が商品６の重量と一致すると判定された場合には（ステップＳＴ２０４：Ｙｅｓ）には、ステップＳＴ１０３に進み、一致しないと判定された場合（ステップＳＴ２０４：Ｎｏ）には、先のステップＳＴ１０２に戻る。

　このようにすると、精算後カゴ２２の重量変化分とタグ７に記憶させておいた商品６の重量とに基づき、精算前カゴ２１から精算後カゴ２２に商品６が移動したことを確認することができる。また、この場合は、使用する重量センサは、精算後カゴ２２が置かれる第２の所定位置に配置する１台だけでよいので、上記の第３変形例と同様に、重量センサを２台使用する上記の第２変形例と比べて構成を簡略化することができる。

　（第２実施形態）
　図１０は、本発明の第２実施形態を示す図であり、図３に対応する図である。なお、この第２実施形態では、以下で特に言及しない事項については、上記の第１実施形態の場合と同様として詳細な説明を省略する。また、図１０において、上記の第１実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。

　この第２実施形態では、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２は、精算前カゴ２１が置かれる第１の所定位置と、精算後カゴ２２が置かれる第２の所定位置との間の位置に配置されている。図１０の例では、第１のアンテナ１１は、第１の所定位置に隣接する位置に配置され、第２のアンテナ１２は、第２の所定位置に隣接する位置に配置されている。

　この第２実施形態では、商品６のタグ７は、商品６が精算前カゴ２１または精算後カゴ２２に入っているときではなく、商品６を精算前カゴ２１から精算後カゴ２２へ移動させるときに読み取られる。具体的には、商品６のタグ７は、商品６を精算前カゴ２１から出した直後に第１のアンテナ１１で読み取られ、その後、商品６を精算後カゴ２２に入れる直前に第２のアンテナ１２で読み取られる。なお、第１のアンテナ１１と第２のアンテナ１２の間に遮蔽板を設けるようにしてもよい。

　このようにすると、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２を第１の所定位置と第２の所定位置との間に配置した場合でも、上記の第１実施形態と同様に、精算前カゴ２１から精算後カゴ２２へ移動させた商品６のタグ７を第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２で読み取ることができる。したがって、上記の第１実施形態と同様の効果を得ることができる。

　（第３実施形態）
　図１１は、第３実施形態を示す図であり、図３に対応する図である。なお、この第２実施形態では、以下で特に言及しない事項については、上記の第１実施形態及び第２実施形態の場合と同様として詳細な説明を省略する。また、図１１において、上記の第１実施形態及び第２実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。

　この第３実施形態では、第１のアンテナ１１と第２のアンテナ１２との間に、第３のアンテナ１３がさらに配置されている。第３のアンテナ１３は、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２とはタグ７の読取領域が少なくとも一部において重複しないように配置される。この第３のアンテナ１３は、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２と同様のリーダライタ２のアンテナであり、タグ７に記憶されている商品情報を読み取ることができる。なお、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２は、上記の第２実施形態のように、第１の所定位置と第２の所定位置との間に配置してもよい。

　この第３実施形態では、商品６のタグ７は、精算前カゴ２１に入っているとき及び精算後カゴ２２に入っているときに加えて、商品６を精算前カゴ２１から精算前カゴ２１へ移動させる途中で、第３のアンテナ１３によってさらに読み取られる。

　この第３実施形態では、管理装置３は、タグ７の読取状態について、第１のアンテナ１１では読み取れるが第３のアンテナ１３では読み取れない状態（精算前カゴ２１に商品６が入っている状態）から、第１のアンテナ１１では読み取れないが第３のアンテナ１３では読み取れる状態（精算前カゴ２１から商品６が取り出されて第３のアンテナ１３に近付いている状態）に変化し、その後に、第３のアンテナ１３では読み取れるが第２のアンテナ１２では読み取れない状態（商品６が第３のアンテナ１３の近くにあって精算後カゴ２２へ移動していない状態）から、第３のアンテナ１３では読み取れないが第２のアンテナ１２では読み取れる状態（商品６が精算後カゴ２２へ移動した状態）に変化した場合にのみ、そのタグ７が添付された商品６が購入されたと判定する。

　このようにすると、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのタグ７の読取状態の変化に加えて、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２間に配置された第３のアンテナ１３でのタグ７の読取状態の変化に基づき、そのタグ７が添付された商品６が購入されたか否か（すなわち、その商品６が精算前カゴ２１から精算後カゴ２２へ移動したか否か）をより確実に判定することができる。

　また、上記の第１実施形態の第１変形例と同様に、第１のアンテナ１１、第２のアンテナ１２、及び第３のアンテナ１３の各アンテナでのタグ７の読取状態の変化は、第１のアンテナ１１、第２のアンテナ１２、及び第３のアンテナ１３の各アンテナがタグ７から受信した信号の強度を示す受信信号強度（ＲＳＳＩ）に基づいて判定するようにしてもよい。

　この場合は、第１のアンテナ１１、第２のアンテナ１２、及び第３のアンテナ１３の各アンテナがタグ７から受信した信号の受信信号強度（ＲＳＳＩ）について、第１のアンテナ１１のＲＳＳＩの値が第３のアンテナ１３のＲＳＳＩの値よりも大きい状態から、第１のアンテナ１１のＲＳＳＩの値が第３のアンテナ１３のＲＳＳＩの値よりも小さい状態に変化し、その後に、第３のアンテナ１３のＲＳＳＩの値が第２のアンテナ１２のＲＳＳＩの値よりも大きい状態から、第３のアンテナ１３のＲＳＳＩの値が第２のアンテナ１２のＲＳＳＩの値よりも小さい状態に変化した場合にのみ、そのタグ７が添付された商品６が購入されたと判定する。

　このようにすると、第１のアンテナ１１、第２のアンテナ１２、及び第３のアンテナ１３の各アンテナがタグ７から受信した信号の受信信号強度に基づき、そのタグ７が添付された商品６が購入されたか否かをより確実に判定することができる。

　（第４実施形態）
　図１２は、第４実施形態を示す図であり、図３に対応する図である。なお、この第４実施形態では、以下で特に言及しない事項については、上記の第１実施形態ないし第３実施形態の場合と同様として詳細な説明を省略する。また、図１２において、上記の第１実施形態ないし第３実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。

　この第４実施形態では、第１のアンテナ１１と第２のアンテナ１２との間に、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２から放射される電波を遮蔽する遮蔽板１４が設けられている。遮蔽板１４は金属板または電波吸収体のいずれかまたは両方から構成されている。金属板の両面に電波吸収体を配置した構成にすると、電波吸収体で電波の反射を抑制し、金属板で電波の透過を防止することができる、すなわちＲＦタグからタグ情報を読み取る所定領域からの電波漏洩を抑制することができるので好ましい。

　このようにすると、遮蔽板１４により、第１のアンテナ１１による第２の所定領域にある商品の読み取り、及び第２のアンテナ１２による第１の所定領域にある商品の読み取りをしづらくさせることができる。これにより、タグ７の誤読率をさらに低減することが可能となる。

　なお、上記の各実施形態において、第１のアンテナ１１、第２のアンテナ１２、及び第３のアンテナ１３の各アンテナは複数設けてもよい。各アンテナを複数設けると、タグ７をより確実に読み取ることができるので、タグ７の誤読率を低減しつつ、読取率を向上させることが可能となる。また、第１のアンテナ１１、第２のアンテナ１２、及び第３のアンテナ１３の各アンテナ間に遮蔽板を設けるようにしてもよい。このようにすると、各アンテナ間での電波漏洩を抑制することができるので、タグ７の誤読率をさらに低減することが可能となる。

　図１３は、第１実施形態において、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２の各アンテナを複数設けた場合を示す図であり、レジ台１０の斜視図を示す。図１３の例では、レジ台１０は、上面１０ａ及び側面１０ｂを有している。

　第１実施形態において、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２の各アンテナを複数設ける場合は、図１３に示すように、各アンテナはレジ台１０の上面１０ａと側面１０ｂに設けるとよい。図１３の例では、第１のアンテナ１１は２台設けられおり、レジ台１０の上面１０ａに１１－１が、側面１０ｂに１１－２がそれぞれ配置されている。同様に、第２のアンテナ１２も２台設けられおり、レジ台１０の上面１０ａに１２－１が、側面１０ｂに１２－２がそれぞれ配置されている。

　図１４は、第４実施形態において第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２の各アンテナをさらに複数設ける場合を示す図であり、レジ台１０の上面図を示す。図１４の例では、レジ台１０は、上面１０ａと、上面１０ａの周縁部を取り囲む枠状の４つの側面１０ｂとを有している。なお、側面１０ｂは、遮蔽板１４と同様に、金属板または電波吸収体のいずれかまたは両方から構成することが好ましい。金属板の表面に電波吸収体を配置した構成にすると、電波吸収体で電波の反射を抑制し、金属板で電波の透過を防止することができる、すなわちタグ情報を読み取る所定領域からの電波漏洩を抑制することができるのでより好ましい。

　第４実施形態において、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２の各アンテナは複数設ける場合は、図１４に示すように、各アンテナは、レジ台１０の上面１０ａ、側面１０ｂ、及び遮蔽板１４に設けるとよい。図１４の例では、第１のアンテナ１１は５台設けられおり、レジ台１０の上面１０ａに１１－１が、各側面１０ｂに１１－２、１１－３、１１－４が、遮蔽板１４に１１－５がそれぞれ配置されている。同様に、第２のアンテナ１２も５台設けられおり、レジ台１０の上面１０ａに１２－１が、各側面１０ｂに１２－２、１２－３、１２－４が、遮蔽板１４に１２－５がそれぞれ配置されている。

　図示しないが、第２実施形態、第３実施形態の場合も同様であり、各アンテナを複数設ける場合は、各アンテナはレジ台１０の上面１０ａ、側面１０ｂまたは遮蔽板１４に設けるようにするとよい。

　次に、本発明の物品管理システム及び物品管理方法を、冷蔵庫型のセルフ販売サービスにおける、冷蔵庫型の保管庫からの商品（物品）の取り出しの管理に適用した場合について説明する。なお、本実施形態では、保管庫は冷蔵庫型のものを想定しているが、保管庫は冷蔵庫型以外のものであってもよい。本実施形態で想定される冷蔵庫型のセルフ販売サービスでは、ＲＦタグが添付された食品や日用品等の様々な商品が冷蔵庫型の保管庫内に保管されており、買物客は保管庫から所望の商品を取り出して購入する。買物客により保管庫から取り出された商品は、その商品に添付されたＲＦタグをリーダライタのアンテナで読み取ることによって判定される。そして、買物客は、保管庫のドア等に設置された精算端末を使用して、保管庫から取り出した商品の代金を自分で精算する。

　（第５実施形態）
　図１５は、本発明の第５実施形態を示す図であり、上記の第１実施形態の図１に対応する図である。なお、この第５実施形態では、以下で特に言及しない事項については、上記の第１実施形態の場合と同様として詳細な説明を省略する。また、図１５において、上記の第１実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。

　図１５は、本発明の第５実施形態に係る物品管理システム１００の概略構成図である。図１５に示すように、本発明の物品管理システム１００は、リーダライタ２と、管理装置３と、精算端末８とを備えている。物品管理システム１００の各構成要素２、３、８は、ネットワーク５を介して相互に接続されている。

　リーダライタ２は、商品６に添付されたタグ７と無線通信してタグ７に記憶されている商品情報（物品情報）を読み取る第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２を有している。タグ７には、固有のタグ識別コードが付与されており、そのタグ識別コードに紐付けて、商品名、価格、賞味期限等の商品情報が記憶されている。リーダライタ２がタグ７から読み取った情報は、ネットワーク５を介して、リーダライタ２から管理装置３へ送信される。

　また、本発明の物品管理システム１００は、タグ７が添付された商品６を保管するための冷蔵庫型の保管庫４０を備えている。図１６は、物品管理システム１００の保管庫４０を示す斜視図であり、（ａ）は、保管庫４０のドア４１を開いた状態を示し、（ｂ）は保管庫４０のドア４１を閉じた状態を示す。本実施形態では、保管庫４０の内部の領域が第１の所定領域に相当し、保管庫４０の外部の領域が第２の所定領域に相当する。

　図１６に示すように、保管庫４０は、保管庫４０から商品６を取り出すときに使用される開き戸式のドア４１を有している。そして、ドア４１の内側面には、リーダライタ２の第１のアンテナ１１（ＡＮＴ１）が配置されており、ドア４１の外側面には、リーダライタ２の第２のアンテナ１２（ＡＮＴ２）が配置されている。ドア４１の内側面は、ドア４１における、ドア４１を閉めたときに保管庫４０の内側を向く面を指し、ドア４１の外側面は、ドア４１における、ドア４１を閉めたときに保管庫４０の外側を向く面を指す。したがって、第１のアンテナ１１は、第２のアンテナ１２よりも保管庫側に配置されている。

　なお、図１６では、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２はドア４１の高さ方向において互いに位置をずらして配置されているが、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２の配置位置はこれに限定されるものではなく、ドア４１の高さ方向及び幅方向において、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２の少なくとも一部が互いに重なるように配置してもよい。

　保管庫４０のドア４１は、透明な電磁シールド材または電波吸収体から構成されてもよい。ドア４１を電磁シールド材または電波吸収体から構成すると、第１のアンテナ１１と第２のアンテナ１２との間のアイソレーションを確保することができる。すなわち、ドア４１の内側面に配置された第１のアンテナ１１は、保管庫４０の外側に存在するタグ７の情報を読み取りづらくなり、ドア４１の外側面に配置された第２のアンテナ１２は、保管庫４０の内側に存在するタグ７の情報を読み取りづらくなる。これにより、タグ７の読取精度の向上を図ることが可能となる。また、ドア４１を透明に構成すると、保管庫４０内に保管されている商品６を、買物客がドア４１を通して外部から視認することが可能となる。

　また、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２は、例えば透明導電性フィルムなどの透明導電体から構成されてもよい。このようにすると、保管庫４０内に保管されている商品６を、ドア４１を通して外部からより見やすくすることができる。

　また、保管庫４０の筐体のドア４１以外の部分は、金属体から構成されてもよい。金属体は電波を通さないので、このようにすると、ドア４１を閉じたときの第１のアンテナ１１と第２のアンテナ１２との間のアイソレーションをより確実に確保することができる。これにより、タグ７の読取精度をさらに高めることが可能となる。

　保管庫４０のドア４１は、図示しないロック機構を備えており、閉じたときに自動的にロックされるように構成されている。ドア４１のロック機構は、ネットワーク５を介して精算端末８に接続されており、買物客は、保管庫４０内に保管されている商品６を購入するときには、後述する精算端末８のロック解除機能を操作してドア４１のロックを解除してドア４１を開く。そして、買物客が購入（買物）を終了してドア４１を閉じると、ドア４１は自動的に再びロックされる。また、ドア４１のロック機構は、ネットワーク５を介して管理装置３にも接続されており、ドア４１のロックが解除されたときにはロック解除信号を管理装置３に送信し、ドア４１が再びロックされたときにはドアロック信号を管理装置３に送信するように構成されている。

　管理装置３は、公知の構成を有するサーバ（コンピュータ）から構成され、リーダライタ２から受信した商品情報を管理するとともに、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのタグ７の読取状態の変化に基づき、そのタグ７が添付された商品６の保管庫４０の内部から外部への移動、すなわちその商品６の保管庫からの取り出しを判定する。

　精算端末８は、公知の精算機能を有する端末装置であり、これに限定されないが、例えば保管庫４０のドア４１等に設置されている。買物客は、保管庫４０から商品６を取り出した後、精算端末８の精算機能を使用してその商品６の代金を自分で精算する。商品６の代金の精算処理は、その商品６の商品情報に基づき、これに限定されないが、例えば、ＩＣカード、クレジットカード、スマートフォンの電子マネー機能等を使用して行われる。

　また、精算端末８は、上記の精算機能に加えて、買物客がＩＣカード等を使用して操作して保管庫４０のドア４１のロックを解除するためのロック解除機能と、保管庫４０から取り出された商品６の商品情報（商品名、価格、賞味期限等）を表示するための表示機能と、その商品６の購入を買物客に確認するための確認機能とを備えている。表示機能及び確認機能は、例えば、タッチパネル型ディスプレイから構成するとよい。また、精算端末８の精算機能での精算処理は、確認機能によってその商品６の購入が確認されたときに自動的に行われるようにするとよい。

　図１７は、買物客が保管庫４０から商品６を取り出すときのドア４１の開閉状態を示す上面図であり、（ａ）は、保管庫４０から商品６を取り出すためにドア４１を開いた状態を示し、（ｂ）は、保管庫４０から商品６を取り出した後にドア４１を閉じた状態を示す。

　図１７（ａ）に示すように、買物客による保管庫４０からの商品６の取り出しが開始されたときには、保管庫４０のドア４１は開かれ、保管庫４０から取り出された商品６は、開かれたドア４１の内側面の正面を通過することとなる。このとき、商品６に添付されたタグ７は、ドア４１の内側面に配置された第１のアンテナ１１（ＡＮＴ１）によって読み取られる（ＡＮＴ１＝ＯＫ）。ドア４１は電磁シールド材または電波吸収体から構成されており電波を通さないので、このとき、商品６に添付されたタグ７は、ドア４１の外側面に配置された第２のアンテナ１２（ＡＮＴ２）では読み取られない（ＡＮＴ２＝ＮＧ）。

　そして、図１７（ｂ）に示すように、買物客による保管庫４０からの商品６の取り出しが完了したときには、保管庫４０のドア４１は閉じられ、保管庫４０から取り出された商品６は、閉じられたドア４１の外側面の正面に位置することとなる。このとき、商品６に添付されたタグ７は、ドア４１の外側面に配置された第２のアンテナ１２（ＡＮＴ２）によって読み取られる（ＡＮＴ２＝ＯＫ）。ドア４１は電磁シールド材または電波吸収体から構成されており電波を通さないので、このとき、商品６に添付されたタグ７は、ドア４１の内側面に配置された第１のアンテナ１１（ＡＮＴ１）では読み取られない（ＡＮＴ１＝ＮＧ）。

　このように、買物客が保管庫４０から商品６を取り出したときには、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのその商品６のタグ７の読取状態は、図１７（ａ）に示す、第１のアンテナ１１では読み取れるが第２のアンテナ１２では読み取れない状態（ＡＮＴ１＝ＯＫ、ＡＮＴ２＝ＮＧ）から、図１７（ｂ）に示す、第２のアンテナ１２では読み取れるが第１のアンテナ１１では読み取れない状態（ＡＮＴ１＝ＮＧ、ＡＮＴ２＝ＯＫ）に変化する。

　なお、説明を簡略化するために、図１７では、保管庫４０から１つの商品６を取り出す場合について示しているが、保管庫４０から複数の商品６を取り出す場合についても同様であり、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２での各商品６のタグ７の読取状態は、図１７（ａ）に示す状態から、図１７（ｂ）に示す状態に変化する。

　図１８は、管理装置３で実施される保管庫４０からの商品６の取り出しの判定処理を説明するためのフロー図である。以下、図１８及び図１７を参照して、保管庫４０からの商品６の取り出しの判定処理について説明する。この処理は、買物客が精算端末８のロック解除機能を操作して、保管庫４０のドア４１のロックを解除したときに開始される。上述したように、保管庫４０のドア４１のロックが解除されると、ドア４１のロック機構から管理装置３にロック解除信号が送信される。

　管理装置３は、ドア４１のロック機構からロック解除信号を受信すると、リーダライタ２を起動して、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２による商品６のタグ７の読み取りを開始する（ステップＳＴ３０１）。

　次に、管理装置３は、タグ７の読取状態について、第１のアンテナ１１では読み取れるが第２のアンテナ１２では読み取れない状態（ＡＮＴ１＝ＯＫ、ＡＮＴ２＝ＮＧ）から、第２のアンテナ１２では読み取れるが第１のアンテナ１１では読み取れない状態（ＡＮＴ１＝ＮＧ、ＡＮＴ２＝ＯＫ）に変化したか否かを判定する（ステップＳＴ３０２）。そのように変化したと判定された場合（ステップＳＴ３０２：Ｙｅｓ）にはステップＳＴ３０３に進み、そうではないと判定された場合（ステップＳＴ３０２：Ｎｏ）にはステップＳＴ３０４に進む。

　ステップＳＴ３０３では、管理装置３は、そのタグ７が添付された商品６が、保管庫４０から取り出されたと判定する。

　図１７を参照して説明したように、買物客が保管庫４０から商品６を取り出したときには、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのその商品６のタグ７の読取状態は、第１のアンテナ１１では読み取れるが第２のアンテナ１２では読み取れない状態（図１７（ａ）に示す状態）から、第２のアンテナ１２では読み取れるが第１のアンテナ１１では読み取れない状態（図１７（ｂ）に示す状態）に変化する。したがって、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのタグ７の読取状態が、図１７（ａ）に示す状態（ＡＮＴ１＝ＯＫ、ＡＮＴ２＝ＮＧ）から、図１７（ｂ）に示す状態（ＡＮＴ１＝ＮＧ、ＡＮＴ２＝ＯＫ）に変化した場合には、そのタグ７が添付された商品６が保管庫４０から取り出されたと判定することができる。

　続くステップＳＴ３０４では、管理装置３は、ドア４１のロック機構からドアロック信号を受信したか否かを判定する。ドアロック信号を受信したと判定された場合（ステップＳＴ３０４：Ｙｅｓ）には、ステップＳＴ３０５に進み、ドアロック信号を受信していないと判定された場合（ステップＳＴ３０４：Ｎｏ）には、先のステップＳＴ３０２に戻り、ステップＳＴ３０２以降の処理を繰り返す。

　ステップＳＴ３０５では、管理装置３は、リーダライタ２をオフにして（動作を終了させ）、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２による商品６のタグ７の読み取りを終了する。これにより、買物客が購入した商品６が確定する。その後、精算端末８は、確認機能によってその商品６の購入を買物客に確認し、購入が確認された商品６の代金を精算機能によって精算する。そして、その後、処理を終了する。

　このように、本発明の第５実施形態によれば、保管庫４０のドア４１の内側面に配置された第１のアンテナ１１と、ドア４１の外側面に配置された第２のアンテナ１２とでのタグ７の読取状態の変化に基づき、そのタグ７が添付された商品６の保管庫４０の内部から外部への移動、すなわちその商品６の保管庫４０からの取り出しを判定することができる。第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのタグ７の読取状態の変化は、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのタグ７の読み取りの有無（ステップＳＴ３０２参照）に基づき容易に判定することができる。これにより、保管庫４０内での商品６の配置状態が制約されることなく、ＲＦＩＤ技術を用いて保管庫４０からの商品６の取り出しを確実に判定することが可能となる。

　また、リーダライタ２は、ドア４１のロックが解除されたときにのみ起動し、ドア４１がロックされているときには読み取り動作を行わないので、保管庫内に陳列されている各商品のタグをリーダライタのアンテナで一括して読み取るように構成した場合と比べて、大幅な省電力化を実現することができる。

　なお、本実施形態では、第１のアンテナ１１は、保管庫４０のドア４１の内側面に配置したが、第１のアンテナ１１の配置位置は、第２のアンテナ１２よりも保管庫４０に近い側にあり、保管庫４０から商品６を取り出すときにその商品６のタグ７を読み取り可能な、かつ第２のアンテナ１２とは読取領域が少なくとも一部において重複しない位置である限りは、これに限定されるものではない。例えば、第１のアンテナ１１は、保管庫４０の内側の側面、底面、上面などにおけるドア４１に近い部分に配置してもよい。同様に、本実施形態では、第２のアンテナ１２は保管庫４０のドア４１の外側面に配置したが、第２のアンテナ１２の配置位置は、第１のアンテナ１１よりも保管庫４０から離れた側にあり、保管庫４０から商品６を取り出すときにその商品６のタグ７を読み取り可能な、かつ第１のアンテナ１１とは読取領域が少なくとも一部において重複しない位置である限りは、これに限定されるものではない。例えば、第２のアンテナ１２は、保管庫４０の近傍の天井や床等に配置してもよい。

　また、本実施形態では、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２はそれぞれ１台ずつ設けたが、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２はそれぞれ複数台設けてもよい。第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２をそれぞれ複数台設けると、ヌル点の発生を抑制することができるため、保管庫４０から取り出される商品６のタグ７をより確実に読み取ることが可能となる。

　（第５実施形態の変形例）
　上記の第５実施形態では、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのタグ７の読取状態の変化は、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのタグ７の読み取りの有無に基づき判定したが、その代わりに、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２がタグ７から受信した信号の強度を示す受信信号強度（ＲＳＳＩ：Receive Signal strength Indication）に基づき判定してもよい。この場合は、図１９に示すように、図１８のステップＳＴ３０２の代わりに、ステップＳＴ４０１を設ける。

　ステップＳＴ４０１では、管理装置３は、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２がタグ７から受信した信号の受信信号強度（ＲＳＳＩ）について、第１のアンテナ１１（ＡＮＴ１）のＲＳＳＩの値が第２のアンテナ１２（ＡＮＴ２）のＲＳＳＩの値よりも大きい状態（ＲＳＳＩ：ＡＮＴ１＞ＡＮＴ２）から、第１のアンテナ１１（ＡＮＴ１）のＲＳＳＩの値が第２のアンテナ１２（ＡＮＴ２）のＲＳＳＩの値よりも小さい状態（ＲＳＳＩ：ＡＮＴ１＜ＡＮＴ２）に変化したか否かを判定する。そのように変化したと判定された場合（ステップＳＴ４０１：Ｙｅｓ）にはステップＳＴ５０３に進み、そうではないと判定された場合（ステップＳＴ４０１：Ｎｏ）にはステップＳＴ５０２に戻る。

　ステップＳＴ５０３では、管理装置３は、そのタグ７が添付された商品６が、保管庫４０から取り出されたと判定する。

　図１７（ａ）に示したように、保管庫４０からの商品６の取り出しが開始されたときには、商品６に添付されたタグ７は、ドア４１の内側面に配置された第１のアンテナ１１の正面を通過することとなるので、このとき、第１のアンテナ１１（ＡＮＴ１）のＲＳＳＩの値は、ドア４１の外側面に配置された第２のアンテナ１２（ＡＮＴ２）のＲＳＳＩの値よりも大きくなる。

　そして、図１７（ｂ）に示したように、保管庫４０からの商品６の取り出しが完了したときには、商品６に添付されたタグ７は、ドア４１の外側面に配置された第２のアンテナ１２の正面に位置することとなるので、このとき、第１のアンテナ１１（ＡＮＴ１）のＲＳＳＩの値は、第２のアンテナ１２（ＡＮＴ２）のＲＳＳＩの値よりも小さくなる。

　したがって、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２がタグ７から受信した信号の受信信号強度（ＲＳＳＩ）について、第１のアンテナ１１（ＡＮＴ１）のＲＳＳＩの値が第２のアンテナ１２（ＡＮＴ２）のＲＳＳＩの値よりも大きい状態（ＲＳＳＩ：ＡＮＴ１＞ＡＮＴ２）から、第１のアンテナ１１（ＡＮＴ１）のＲＳＳＩの値が第２のアンテナ１２（ＡＮＴ２）のＲＳＳＩの値よりも小さい状態（ＲＳＳＩ：ＡＮＴ１＜ＡＮＴ２）に変化した場合には、そのタグ７が添付された商品６が保管庫４０から取り出されたと判定することができる。

　（第６実施形態）
　図２０は、本発明の第６実施形態を示す図であり、図１６に対応する図である。なお、この第６実施形態では、以下で特に言及しない事項については、上記の第５実施形態の場合と同様として詳細な説明を省略する。また、図２０において、上記の第５実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。

　この第６実施形態では、保管庫４０は、ドア４１を閉じたときには保管庫４０内に収容され、ドア４１を開いたときにはドア４１と一体的に引き出されるように構成された引き出し部４２をさらに有している。引き出し部４２は、扇形の板状に形成されており、その一側部がドア４１の下側部分に一体的に連結されるように構成されている。

　また、この第６実施形態では、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２は、それぞれ２台ずつ設けられている。

　第１のアンテナ１１は、第１のアンテナ１１Ａ（ＡＮＴ１－１）と、第１のアンテナ１１Ｂ（ＡＮＴ１－２）との２台が設けられている。第１のアンテナ１１Ａ（ＡＮＴ１－１）は、上記の第５実施形態と同様に、保管庫４０のドア４１の内側面に配置されており、第１のアンテナ１１Ｂ（ＡＮＴ１－２）は、保管庫４０の引き出し部４２の上面に配置されている。したがって、引き出し部４２の上面に配置された第１のアンテナ１１Ｂ（ＡＮＴ１－２）は、保管庫４０から取り出される商品６のタグ７を、ドア４１の内側面に配置された第１のアンテナ１１Ａ（ＡＮＴ１－１）とは異なる角度で読み取ることができる。

　なお、引き出し部４２に配置された第１のアンテナ１１Ｂ（ＡＮＴ１－２）は、保管庫４０に収容されているときには、遮蔽板等によって保管庫４０内の商品６とは隔てられ、保管庫４０内の商品６のタグ７を読み取れないようにすることが好ましい。このようにすると、引き出し部４２の第１のアンテナ１１Ｂ（ＡＮＴ１－２）は、ドア４１が開かれて引き出し部４２が保管庫４０から引き出されたときにのみ、商品６のタグ７を読み取ることが可能となる。すなわち、引き出し部４２の第１のアンテナ１１Ｂ（ＡＮＴ１－２）を、保管庫４０からの商品６の取り出しの判定にのみ使用することが可能となる。

　第２のアンテナ１２は、第２のアンテナ１２Ａ（ＡＮＴ２－１）と、第２のアンテナ１２Ｂ（ＡＮＴ２－２）との２台が設けられている。第２のアンテナ１２Ａ（ＡＮＴ２－１）及び第２のアンテナ１２Ｂ（ＡＮＴ２－２）は、上記の第５実施形態と同様に、保管庫４０のドア４１の外側面に配置されている。この２台の第２のアンテナ１２Ａ、１２Ｂは、互いに電波が干渉しないような所定の距離を隔てて配置されている。

　この第６実施形態では、保管庫４０から取り出される商品６のタグ７を、２台の第１のアンテナ１１Ａ、１１Ｂによって互いに異なる角度で読み取ることができる。これにより、マルチパスやアンテナの向き等に起因するヌル点の発生を抑制し、タグ７の読取精度の向上を図ることが可能となる。

　また、この第６実施形態では、第２のアンテナ１２も２台設けられるので、この２台の第２のアンテナ１２Ａ、１２Ｂによって、保管庫４０から取り出される商品６のタグ７をより確実に読み取ることができる。これにより、タグ７の読取精度をさらに高めることが可能となる。

　なお、この第６実施形態では、保管庫４０の引き出し部４２は、ドア４１の下側部分に一体的に連結されるように構成したが、ドア４１の上側部分に一体的に連結されるように構成してもよい。この場合は、第１のアンテナ１１Ｂは、引き出し部４２の下面に配置される。また、引き出し部４２の形状や配置位置はこれらに限定されるものではなく、他の形状や配置位置であってもよい。

　また、この第６実施形態では、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２はそれぞれ２台ずつ設けたが、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２の台数は２台に限定されるものではなく、それぞれ３台以上であってもよい。なお、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２の台数は、互いに別々の台数であってもよい。

　（第７実施形態）
　図２１は、本発明の第７実施形態を示す図であり、図１６に対応する図である。なお、この第７実施形態では、以下で特に言及しない事項については、上記の第５実施形態の場合と同様として詳細な説明を省略する。また、図２１において、上記の第５実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。

　この第７実施形態では、保管庫４０は、ドア４１の上方に位置する延出部４３をさらに有している。延出部４３は、薄板状に形成されており、保管庫４０の筐体の上面からドア４１の上方に延出するように構成されている。

　また、この第７実施形態では、リーダライタ２は、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２に加えて、第３のアンテナ１３を有している。第３のアンテナ１３は、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２とは読取領域が少なくとも一部において互いに重複しないように配置される。この第３のアンテナ１３は、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２と同様のアンテナであり、タグ７に記憶されている商品情報を読み取ることができる。この第３のアンテナ１３は、延出部４３の下面に配置されている。したがって、第３のアンテナ１３は、ドア４１を開いたときでも閉じたときでも、保管庫４０から取り出される商品６のタグ７を第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２とは異なる角度で読み取ることができる。

　この第７実施形態では、保管庫４０から取り出される商品６のタグ７は、図２１（ａ）に示すように保管庫４０のドア４１を開いたときには、第１のアンテナ１１及び第３のアンテナ１３の一方または両方によって読み取られ、図２１（ｂ）に示すように保管庫４０のドア４１を閉じたときには、第２のアンテナ１２及び第３のアンテナ１３の一方または両方によって読み取られることとなる。このように、保管庫４０から取り出される商品６のタグ７を、第１のアンテナ１１及び第３のアンテナ１３によって、または、第２のアンテナ１２及び第３のアンテナ１３によって、互いに異なる角度で読み取ることにより、マルチパスやアンテナの向き等に起因するヌル点の発生を抑制し、タグ７の読取精度の向上を図ることができる。

　そして、この第７実施形態では、保管庫４０のドア４１のロックの解除後、保管庫４０から取り出される商品６のタグ７について、ドア４１を開いた状態において、第１のアンテナ１１及び第３のアンテナ１３の少なくとも一方では読み取れるが第２のアンテナ１２では読み取れない状態から、ドア４１を閉じた状態において、第２のアンテナ１２及び第３のアンテナ１３の少なくとも一方では読み取れるが第１のアンテナ１１では読み取れない状態に変化した場合にのみ、そのタグ７が添付された商品６が保管庫４０から取り出されたと判定する。

　このように、この第７実施形態では、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのタグ７の読取状態の変化に加えて、ドア４１を開いた状態またはドア４１を閉じた状態における第３のアンテナ１３でのタグ７の読取状態の変化に基づき、そのタグ７が添付された商品６の保管庫４０からの取り出しを判定することができる。具体的には、第３のアンテナ１３を、ドア４１の開いたときのタグ７の読み取りの判定処理と、ドア４１を閉じたときのタグ７の読み取りの判定処理との両方に兼用することによって、保管庫４０からの商品６の取り出しをより確実に判定することが可能となる。

　なお、この第７実施形態では、ドア４１を閉じた後にも、第１、第２及び第３のアンテナ１１、１２、１３の各アンテナでタグ７の読み取りを行う。このため、図１８及び図１９を参照して説明した商品６の取り出しの判定処理において、ステップＳＴ５０４でドアロック信号を受信したと判定された場合（ステップＳＴ５０４：Ｙｅｓ）の後に、ステップＳＴ５０２（またはステップＳＴ４０１）及びステップＳＴ５０３のようなタグ７の読み取りの判定処理が行われる。

　また、第１、第２及び第３のアンテナ１１、１２、１３の各アンテナでのタグ７の読取状態の変化は、第１、第２及び第３のアンテナ１１、１２、１３の各アンテナがタグ７から受信した信号の受信信号強度（ＲＳＳＩ）に基づき判定してもよい。この場合は、第１のアンテナ１１及び第３のアンテナ１３の少なくとも一方のＲＳＳＩの値が第２のアンテナ１２のＲＳＳＩの値よりも大きい状態から、第２のアンテナ１２及び第３のアンテナ１３の少なくとも一方のＲＳＳＩの値が第１のアンテナ１１のＲＳＳＩの値よりも大きい状態に変化した場合にのみ、そのタグ７が添付された商品６が保管庫４０から取り出されたと判定するとよい。

　なお、この第７実施形態では、第３のアンテナ１３は保管庫４０の延出部４３に配置したが、第３のアンテナ１３の配置位置は、第１のアンテナ１１の配置位置と第２のアンテナ１２の配置位置との間にあり、保管庫４０から商品６を取り出すときにその商品６のタグ７を読み取り可能な、かつ第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２とは読取領域が少なくとも一部において互いに重複しない位置である限りは、これに限定されるものではない。例えば、第３のアンテナ１３は、保管庫４０の近傍の天井や床等に配置してもよい。また、第３のアンテナ１３を複数台設けると、第３のアンテナ１３によって、保管庫４０から取り出される商品６のタグ７をより確実に読み取ることが可能となる。また、この第７実施形態では、延出部４３は薄板状に形成したが、延出部４３の形状はこれに限定されるものではなく、他の形状であってもよい。

　（第８実施形態）
　この第８実施形態では、本発明の物品管理システム１００を、例えばキャビネットや収納棚などの保管庫における、保管庫からの物品の持ち出しまたは保管庫への物品の返却（収納）の管理に適用した場合について説明する。この第８実施形態では、物品にタグが添付されており、物品に添付されたタグをリーダライタのアンテナで読み取ることによって、その物品の保管庫からの持ち出しまたは保管庫への返却を判定する。

　図２２は、本発明の第８実施形態に係る物品管理システム１００の概略構成図であり、図１５に対応する図である。なお、この第８実施形態では、以下で特に言及しない事項については、上記の第５実施形態の場合と同様として詳細な説明を省略する。また、図２２において、上記の第５実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。

　図２２に示すように、この第８実施形態では、第５実施形態の場合の精算端末８（図１５参照）の代わりに、公知の認証機能を有する認証端末９を備えている。認証端末９は、これに限定されないが、例えば保管庫４０のドア４１等に設置されている。

　この認証端末９は、ユーザがＩＣカード等の使用や暗証番号の入力などによって操作してドア４１のロックを解除するためのロック解除機能を有している。ユーザは、保管庫４０から物品６を持ち出すときまたは保管庫４０に物品６を返却するときは、このロック解除機能を操作して保管庫４０のドア４１のロックを解除して、ドア４１を開く。なお、上記の第５実施形態の場合と同様に、ドア４１のロックが解除されたときには、ドア４１のロック機構から管理装置３にロック解除信号が送信され、ドア４１を閉じてドア４１が再びロックされたときには、ドア４１のロック機構から管理装置３にドアロック信号が送信される。

　この第８実施形態では、物品６には、その物品の物品情報を記憶したタグ７が添付されており、リーダライタ２の第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２は、物品６に添付されたタグ７と無線通信してタグ７に記憶されている物品情報を読み取る。リーダライタ２がタグ７から読み取った情報は、ネットワーク５を介して、リーダライタ２から管理装置３へ送信される。

　そして、管理装置３は、リーダライタ２から受信した物品情報を管理するとともに、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのタグ７の物品情報の読取状態（以降、単に「タグ７の読取状態」と称する）の変化に基づき、その物品６の保管庫４０からの持ち出しまたは保管庫４０への返却を判定する。第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのタグ７の読取状態の変化は、保管庫４０から物品６を持ち出すときと、保管庫４０に物品６を返却するときとでは互いに異なる。

　ユーザが保管庫４０から物品６を持ち出したときには、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのその物品６のタグ７の読取状態は、第１のアンテナ１１では読み取れるが第２のアンテナ１２では読み取れない状態（図１７（ａ）に示す状態）から、第２のアンテナ１２では読み取れるが第１のアンテナ１１では読み取れない状態（図１７（ｂ）に示す状態）に変化する。

　一方、ユーザが保管庫４０に物品６を返却したときには、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのその物品６のタグ７の読取状態は、第２のアンテナ１２では読み取れるが第１のアンテナ１１では読み取れない状態（図１７（ｂ）に示す状態）から、第１のアンテナ１１では読み取れるが第２のアンテナ１２では読み取れない状態（図１７（ａ）に示す状態）に変化する。

　図２３は、管理装置３で実施される保管庫４０からの物品６の持ち出しまたは保管庫４０への物品６の返却の判定処理を説明するためのフロー図である。以下、図２３及び図１７を参照して、物品６の持ち出しまたは返却の判定処理について説明する。この判定処理は、ユーザが認証端末９のロック解除機能を操作して、保管庫４０のドア４１のロックを解除したときに開始される。上述したように、保管庫４０のドア４１のロックが解除されると、ドア４１のロック機構から管理装置３にロック解除信号が送信される。

　管理装置３は、ドア４１のロック機構からロック解除信号を受信すると、リーダライタ２を起動して、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２による物品６のタグ７の読み取りを開始する（ステップＳＴ５０１）。

　次に、管理装置３は、タグ７の読取状態について、第１のアンテナ１１では読み取れるが第２のアンテナ１２では読み取れない状態（ＡＮＴ１＝ＯＫ、ＡＮＴ２＝ＮＧ）から、第２のアンテナ１２では読み取れるが第１のアンテナ１１では読み取れない状態（ＡＮＴ１＝ＮＧ、ＡＮＴ２＝ＯＫ）に変化したか否かを判定する（ステップＳＴ５０２）。そのように変化したと判定された場合（ステップＳＴ５０２：Ｙｅｓ）にはステップＳＴ５０３に進み、そうではないと判定された場合（ステップＳＴ５０２：Ｎｏ）にはステップＳＴ５０４に進む。

　ステップＳＴ５０３では、管理装置３は、そのタグ７が添付された物品６が、保管庫４０から持ち出されたと判定する。そして、その後、ステップＳＴ５０６に進む。

　上述したように、保管庫４０から物品６を持ち出したときには、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのその物品６のタグ７の読取状態は、第１のアンテナ１１では読み取れるが第２のアンテナ１２では読み取れない状態（図１７（ａ）に示す状態）から、第２のアンテナ１２では読み取れるが第１のアンテナ１１では読み取れない状態（図１７（ｂ）に示す状態）に変化する。したがって、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのタグ７の読取状態が、図１７（ａ）に示す状態（ＡＮＴ１＝ＯＫ、ＡＮＴ２＝ＮＧ）から図１７（ｂ）に示す状態（ＡＮＴ１＝ＮＧ、ＡＮＴ２＝ＯＫ）に変化した場合には、そのタグ７が添付された物品６が保管庫４０から持ち出されたと判定することができる。

　ステップＳＴ５０４では、管理装置３は、タグ７の読取状態について、第２のアンテナ１２では読み取れるが第１のアンテナ１１では読み取れない状態（ＡＮＴ１＝ＮＧ、ＡＮＴ２＝ＯＫ）から、第１のアンテナ１１では読み取れるが第２のアンテナ１２では読み取れない状態（ＡＮＴ１＝ＯＫ、ＡＮＴ２＝ＮＧ）に変化したか否かを判定する。そのように変化したと判定された場合（ステップＳＴ５０４：Ｙｅｓ）にはステップＳＴ５０５に進み、そうではないと判定された場合（ステップＳＴ５０４：Ｎｏ）にはステップＳＴ５０６に進む。

　ステップＳＴ５０５では、管理装置３は、そのタグ７が添付された物品６が、保管庫４０へ返却されたと判定する。そして、その後、ステップＳＴ５０６に進む。

　上述したように、保管庫４０に物品６を返却したときには、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのその物品６のタグ７の読取状態は、第２のアンテナ１２では読み取れるが第１のアンテナ１１では読み取れない状態（図１７（ｂ）に示す状態）から、第１のアンテナ１１では読み取れるが第２のアンテナ１２では読み取れない状態（図１７（ａ）に示す状態）に変化する。したがって、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのタグ７の読取状態が、図１７（ｂ）に示す状態（ＡＮＴ１＝ＮＧ、ＡＮＴ２＝ＯＫ）から図１７（ａ）に示す状態（ＡＮＴ１＝ＯＫ、ＡＮＴ２＝ＮＧ）に変化した場合には、そのタグ７が添付された物品６が保管庫４０へ返却されたと判定することができる。

　ステップＳＴ５０６では、管理装置３は、ドア４１のロック機構からドアロック信号を受信したか否かを判定する。ドアロック信号を受信したと判定された場合（ステップＳＴ５０６：Ｙｅｓ）には、ステップＳＴ５０７に進み、ドアロック信号を受信していないと判定された場合（ステップＳＴ５０６：Ｎｏ）には、先のステップＳＴ５０２に戻り、ステップＳＴ５０２以降の処理を繰り返す。

　ステップＳＴ５０７では、管理装置３は、リーダライタ２をオフにして（動作を終了させ）、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２による物品６のタグ７の読み取りを終了する。そして、その後、処理を終了する。

　このように、本発明の第８実施形態によれば、保管庫４０のドア４１の内側面に配置された第１のアンテナ１１と、ドア４１の外側面に配置された第２のアンテナ１２とでのタグ７の読取状態の変化に基づき、そのタグ７が添付された物品６の保管庫４０からの持ち出しまたは保管庫４０への返却を判定することができる。これにより、保管庫４０内での物品６の配置状態が制約されることなく、ＲＦＩＤ技術を用いて保管庫４０からの物品６の持ち出しまたは保管庫４０への物品６の返却を確実に判定することが可能となる。

　第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのタグ７の読取状態の変化は、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのタグ７の読み取りの有無に基づき容易に判定することができる。また、上記の第５実施形態の変形例と同様に、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２でのタグ７の読取状態の変化は、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２がタグ７から受信した信号の受信信号強度（ＲＳＳＩ）に基づき判定してもよい。

　また、リーダライタ２は、ドア４１のロックが解除されたときにのみ起動し、ドア４１がロックされているときには読み取り動作を行わないので、保管庫内に保管されている各物品のタグをリーダライタのアンテナで一括して読み取るように構成した場合と比べて、大幅な省電力化を実現することができる。

　なお、本実施形態では、第１のアンテナ１１は保管庫４０のドア４１の内側面に配置し、第２のアンテナ１２は保管庫４０のドア４１の外側面に配置したが、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２の配置位置は、保管庫４０から物品６を取り出すときにその物品６のタグ７を読み取り可能であり、かつ読取領域が少なくとも一部において互いに重複しない位置である限りは、これに限定されるものではない。例えば、第１のアンテナ１１はドア４１の近傍に配置し、第２のアンテナ１２は保管庫４０の近傍の天井や床等に配置してもよい。

　また、上記の第６実施形態と同様に、第１のアンテナ１１及び第２のアンテナ１２を複数台設けたり、上記の第７実施形態と同様に第３のアンテナ１３を設けたりすることにより、タグ７の読取精度の向上を図ることができる。

　第３のアンテナ１３を設けた場合、タグ７が添付された物品６の保管庫４０からの持ち出しの判定は、上記の第７実施形態と同様に行うとよい。そして、タグ７が添付された物品６の保管庫４０への返却の判定は、第１、第２及び第３のアンテナ１１、１２、１３の各アンテナでのタグ７の読み取りの有無に基づき判定する場合は、第２のアンテナ１２及び第３のアンテナ１３の少なくとも一方では読み取れるが第１のアンテナ１１では読み取れない状態から、第１のアンテナ１１及び第３のアンテナ１３の少なくとも一方では読み取れるが第２のアンテナ１２では読み取れない状態に変化した場合に、そのタグ７が添付された物品６が保管庫４０へ返却されたと判定するとよい。また、第１、第２及び第３のアンテナ１１、１２、１３の各アンテナがタグ７から受信した信号の受信信号強度（ＲＳＳＩ）に基づき判定する場合は、第２のアンテナ１２及び第３のアンテナ１３の少なくとも一方のＲＳＳＩの値が第１のアンテナ１１のＲＳＳＩの値よりも大きい状態から、第１のアンテナ１１及び第３のアンテナ１３の少なくとも一方のＲＳＳＩの値が第２のアンテナ１２のＲＳＳＩの値よりも大きい状態に変化した場合にのみ、そのタグ７が添付された商品６が保管庫４０へ返却されたと判定するとよい。

　以上、本発明を特定の実施形態に基づいて説明したが、これらの実施形態はあくまでも例示であって、本発明はこれらの実施形態によって限定されるものではない。また、上記実施形態に示した本発明に係る物品管理システム及び物品管理方法の各構成要素は、必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。

　例えば、本発明の物品管理システム及び物品管理方法は、保管庫に陳列される物品（商品）の在庫を管理するシステムに適用してもよい。この場合は、保管庫からの物品の取り出しや保管庫への物品の収納を判定することによって保管庫の実在庫数を管理することができ、これにより、在庫の抱えすぎや在庫不足を未然に防ぐことが可能となる。

　本発明に係る物品管理システム及び物品管理方法は、ＲＦタグが添付された物品の移動を確実に判定することを可能とする物品管理システム及び物品管理方法等として有用である。

　１　　物品管理システム（レジシステム）
　２　　リーダライタ
　３　　管理装置
　４　　ＰＯＳ端末
　５　　ネットワーク
　６　　物品（商品）
　７　　ＲＦタグ（タグ）
　８　　精算端末
　９　　認証端末
　１０　レジ台
　１１　第１のアンテナ
　１２　第２のアンテナ
　１３　第３のアンテナ
　１４　遮蔽板
　２１　精算前カゴ
　２２　精算後カゴ
　４０　保管庫
　４１　ドア
　４２　引き出し部
　４３　延出部
　１００　物品管理システム

Claims

　ＲＦタグが添付された物品の移動を判定するための物品管理システムであって、
　第１の所定領域側に配置された少なくとも１つの第１のアンテナ、及び前記第１のアンテナとは前記ＲＦタグの読取領域が少なくとも一部において重複しない第２の所定領域側に配置された少なくとも１つの第２のアンテナを有し、前記第１及び第２のアンテナによって、前記物品の前記ＲＦタグから該タグに記憶されている物品情報を読み取るリーダライタと、
　前記リーダライタで読み取られた前記ＲＦタグの前記物品情報を管理する管理装置と、
を備え、
　前記管理装置は、
　前記リーダライタで読み取られた前記ＲＦタグの各々について、
　前記第１及び第２のアンテナでの読取状態の変化に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の前記第１の所定領域及び前記第２の所定領域間での移動を判定することを特徴とする物品管理システム。
　前記管理装置は、
　前記第１のアンテナ及び前記第２のアンテナが前記各ＲＦタグから受信した信号の受信信号強度について、
　前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも大きい状態から、前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも小さい状態に変化した場合に、そのＲＦタグが添付された物品が前記第１の所定領域から前記第２の所定領域へ移動したと判定することを特徴とする請求項１に記載の物品管理システム。
　前記第１のアンテナと前記第２のアンテナとの間に、前記第１のアンテナ及び前記第２のアンテナから放射される電波を遮蔽する遮蔽板を設けたことを特徴とする請求項１に記載の物品管理システム。
　前記物品は、買物客により購入される物品であり、
　前記第１の所定領域は、前記物品の購入時に精算前の物品が置かれる領域であり、
　前記第２の所定領域は、前記物品の購入時に精算後の物品が置かれる領域であり、
　前記管理装置は、
　前記リーダライタで読み取られた前記ＲＦタグの各々について、
　前記第１及び第２のアンテナでの読取状態の変化に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の購入を判定することを特徴とする請求項１に記載の物品管理システム。
　前記管理装置は、
　前記第１のアンテナ及び前記第２のアンテナが前記各ＲＦタグから受信した信号の受信信号強度について、
　前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも大きい状態から、前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも小さい状態に変化した場合に、そのＲＦタグが添付された物品が購入されたと判定することを特徴とする請求項４に記載の物品管理システム。
　前記リーダライタは、前記第１のアンテナと前記第２のアンテナとの間に配置され、かつ前記第１及び第２のアンテナとは前記ＲＦタグの読取領域が少なくとも一部において重複しない少なくとも１つの第３のアンテナをさらに有し、前記第３のアンテナによって、前記物品の前記ＲＦタグから該タグに記憶されている物品情報をさらに読み取り、
　前記管理装置は、
　前記リーダライタで読み取られた前記ＲＦタグの各々について、
　前記第１及び第２のアンテナでの読取状態の変化に加えて、前記第３のアンテナでの読取状態の変化に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の購入を判定することを特徴とする請求項４に記載の物品管理システム。
　前記管理装置は、
　前記第１のアンテナ、前記第２のアンテナ、及び前記第３のアンテナの各アンテナが前記各ＲＦタグから受信した信号の受信信号強度について、
　前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第３のアンテナの前記受信信号強度の値よりも大きい状態から、前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第３のアンテナの前記受信信号強度の値よりも小さい状態に変化し、その後に、
　前記第３のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも大きい状態から、前記第３のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも小さい状態に変化した場合に、
　そのＲＦタグが添付された物品が購入されたと判定することを特徴とする請求項６に記載の物品管理システム。
　前記第１のアンテナ、前記第２のアンテナ、及び前記第３のアンテナの各アンテナ間に、前記各アンテナから放射される電波を遮蔽する遮蔽板を設けたことを特徴とする請求項６に記載の物品管理システム。
　前記精算前の物品が前記第１の所定領域に置かれたこと、または前記精算前の物品が前記第１の所定領域から除去されたことを検出するセンサをさらに備え、
　前記管理装置は、
　前記センサによって前記精算前の物品が前記第１の所定領域に置かれたことが検出されたときに、前記リーダライタを起動し、
　前記センサによって前記精算前の物品が前記第１の所定領域から除去されたことが検出されたときに、前記リーダライタの動作を終了させることを特徴とする請求項４に記載の物品管理システム。
　前記物品は、保管庫に収納される物品であり、
　前記第１の所定領域は、前記保管庫の内部の領域であり、
　前記第２の所定領域は、前記保管庫の外部の領域であり、
　前記管理装置は、
　前記リーダライタで読み取られた前記ＲＦタグの各々について、
　前記第１及び第２のアンテナでの読取状態の変化に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の前記保管庫からの取り出しまたは前記保管庫への収納を判定することを特徴とする請求項１に記載の物品管理システム。
　前記管理装置は、
前記第１及び第２のアンテナが前記各ＲＦタグから受信した信号の受信信号強度について、
　前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも大きい状態から、前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも小さい状態に変化した場合に、そのＲＦタグが添付された物品が前記保管庫から取り出されたと判定し、
　前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値よりも大きい状態から、前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値よりも小さい状態に変化した場合に、そのＲＦタグが添付された物品が前記保管庫に収納されたと判定することを特徴とする請求項１０に記載の物品管理システム。
　前記保管庫は、前記保管庫から前記物品を取り出すときまたは前記保管庫に前記物品を収納するときに使用される開き戸式のドアを有し、
　前記ドアの内側面に前記第１のアンテナが配置され、
　前記ドアの外側面に前記第２のアンテナが配置されたことを特徴とする請求項１０に記載の物品管理システム。
　前記保管庫は、前記ドアを閉じたときには前記保管庫内に収容され、前記ドアを開いたときには該ドアと一体的に引き出されるように構成された引き出し部をさらに有し、
　前記引き出し部に少なくとも１つの前記第１のアンテナがさらに配置されたことを特徴とする請求項１２に記載の物品管理システム。
　前記ドアにおける、少なくとも前記第１及び第２のアンテナが配置される部分は電磁シールド材または電波吸収体から構成されることを特徴とする請求項１２に記載の物品管理システム。
　前記ドアにおける、少なくとも前記第１及び第２のアンテナが配置される部分は透明に構成され、かつ
　前記第１及び第２のアンテナは透明導電体から構成されることを特徴とする請求項１２に記載の物品管理システム。
　前記リーダライタは、前記第１のアンテナと前記第２のアンテナとの間に配置され、かつ前記第１及び第２のアンテナとは前記ＲＦタグの読取領域が少なくとも一部において重複しない少なくとも１つの第３のアンテナをさらに有し、前記第３のアンテナによって、前記物品の前記ＲＦタグから該タグに記憶されている物品情報をさらに読み取り、
　前記管理装置は、
　前記リーダライタで読み取られた前記ＲＦタグの各々について、
　前記第１及び第２のアンテナでの読取状態の変化に加えて、前記第３のアンテナでの読取状態の変化に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の前記保管庫からの取り出しまたは前記保管庫への収納を判定することを特徴とする請求項１０に記載の物品管理システム。
　前記管理装置は、
前記第１及び第２のアンテナが前記各ＲＦタグから受信した信号の受信信号強度について、
　前記第１及び第３のアンテナの少なくとも一方の前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも大きい状態から、前記第２及び第３のアンテナの少なくとも一方の前記受信信号強度の値が前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値よりも小さい状態に変化した場合に、そのＲＦタグが添付された物品が前記保管庫から取り出されたと判定し、
　前記第２及び第３のアンテナの少なくとも一方のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値よりも大きい状態から、前記第１及び第３のアンテナの少なくとも一方の前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも小さい状態に変化した場合に、そのＲＦタグが添付された物品が前記保管庫に収納されたと判定することを特徴とする請求項１６に記載の物品管理システム。
　前記保管庫は、前記保管庫から前記物品を取り出すときまたは前記保管庫に前記物品を収納するときに使用される開き戸式のドアと、前記ドアの上方に位置する延出部とを有し、
　前記延出部の下側面に前記第３のアンテナが配置されたことを特徴とする請求項１６に記載の物品管理システム。
　ＲＦタグが添付された物品の移動を判定するための物品管理方法であって、
　第１の所定領域側に配置された少なくとも１つの第１のアンテナによって、前記物品の前記ＲＦタグから該タグに記憶されている物品情報をリーダライタが読み取る第１の読取ステップと、
　前記第１のアンテナとは前記ＲＦタグの読取領域が少なくとも一部において重複しない第２の所定領域側に配置された少なくとも１つの第２のアンテナによって、前記物品の前記ＲＦタグから該タグに記憶されている物品情報をリーダライタが読み取る第２の読取ステップと、
　前記リーダライタで読み取られた前記ＲＦタグの各々について、前記第１及び第２のアンテナでの読取状態の変化に基づき、そのＲＦタグが添付された物品の前記第１の所定領域及び前記第２の所定領域間での移動を判定する判定ステップと、を含むことを特徴とする物品管理方法。
　前記判定ステップでは、
　前記第１のアンテナ及び前記第２のアンテナが前記各ＲＦタグから受信した信号の受信信号強度について、
　前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも大きい状態から、前記第１のアンテナの前記受信信号強度の値が前記第２のアンテナの前記受信信号強度の値よりも小さい状態に変化した場合に、そのＲＦタグが添付された物品が前記第１の所定領域から前記第２の所定領域へ移動したと判定することを特徴とする請求項１９に記載の物品管理方法。