JP2019121251A - 無線読取システム及びそれを備える買物支援システム - Google Patents

Abstract

【課題】商品の購入のための顧客の待ち時間の短縮を図ることができる無線読取システム及びそれを備える買物支援システムを提供する。【解決手段】無線読取システム１は、商品通路４１と、読取装置２と、を備える。商品通路４１は、顧客通路４２を通過する顧客９０が保持している商品９１を通過させる。読取装置２は、商品通路４１を商品９１が通過中に、商品９１に付された電子タグ９３と電波を媒体とする無線通信を行うことにより商品９１に関する商品情報を読み取る。【選択図】図１

Description

本開示は、一般に無線読取システム及びそれを備える買物支援システムに関し、より詳細には、電子タグと無線通信を行うことにより商品に関する情報を読み取る無線読取システム及びそれを備える買物支援システムに関する。

特許文献１には、少なくとも顧客が購入しようとする商品の精算（決済）処理を行うためのＰＯＳ（Point Of Sales）装置において、ＲＦ（Radio Frequency）タグ（電子タグ）の読取装置を用いることが記載されている。電子タグは、商品に付されており、電子タグが付された商品の価格情報又は識別情報を記憶している。

特許文献１において、読取装置は、筐体の６面で構成されている箱型形状の収容室に商品が収容された状態で、電子タグから情報を読み取る。筐体には、収容室内へとつながる開口部が形成されている。開口部は、蓋体によって開閉される。つまり、蓋体が開いている状態で、顧客は、開口部から収容室内へ商品を入れることができる。収容室の外部の電子タグから読取装置が情報を読み取らないよう、筐体及び蓋体は、電波を反射する材料又は電波を吸収する材料で構成されている。

特開２０１６−１６２１７７号公報

しかし、特許文献１に記載の構成では、顧客は、商品を収容室に収容して蓋体を閉じ、商品に関する情報の読み取り完了後に、蓋体を開けて収容室から商品を取り出す必要がある。そのため、例えば、不慣れな顧客等が上記読取装置を使用する場合には、１人の顧客が読取装置を使用する時間が長くなり、待ち行列の発生時において、商品の購入のための顧客の待ち時間が長くなる可能性がある。

本開示は上記事由に鑑みてなされており、商品の購入のための顧客の待ち時間の短縮を図ることができる無線読取システム及びそれを備える買物支援システムを提供することを目的とする。

本開示の一態様に係る無線読取システムは、商品通路と、読取装置と、を備える。前記商品通路は、顧客通路を通過する顧客が保持している商品を通過させる。前記読取装置は、前記商品通路を前記商品が通過中に、前記商品に付された電子タグと電波を媒体とする無線通信を行うことにより前記商品に関する商品情報を読み取る。

本開示の一態様に係る買物支援システムは、前記無線読取システムと、前記商品情報に基づいて精算処理を行う精算システムと、を備える。

本開示によれば、商品の購入のための顧客の待ち時間の短縮を図ることができる、という利点がある。

図１Ａは、実施形態１に係る買物支援システムの概略構成を示す正面図、図１Ｂは、同上の買物支援システムの概略構成を示す右側面図である。 図２は、同上の買物支援システムの概略構成を示す説明図である。 図３は、同上の買物支援システムを導入した店舗の見取り図である。 図４Ａ〜図４Ｄは、同上の買物支援システムを用いた顧客の買物に係る動作を模式的に表す説明図である。 図５は、同上の買物支援システムにおける時間経過に伴う受信信号強度の変化の一例を示す波形図である。 図６は、同上の買物支援システムの動作を示すフローチャートである。 図７は、参考例に係る無線読取システムの概略構成を示す斜視図である。 図８Ａ〜図８Ｄは、実施形態１の第１変形例に係る無線読取システムの概略構成を示す要部の正面図である。 図９Ａ及び図９Ｂは、実施形態１の第２変形例に係る無線読取システムの概略構成を示す要部の平面図である。 図１０Ａ及び図１０Ｂは、実施形態１の第３変形例に係る無線読取システムの概略構成を示す要部の側面図である。 図１１は、実施形態１の第４変形例に係る無線読取システムの概略構成を示す斜視図である。 図１２は、実施形態２に係る買物支援システムの概略構成を示す正面図である。

（実施形態１）
（１）概要
本実施形態に係る買物支援システムは、例えば、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店、ドラッグストア、衣料品店、家電量販店又はホームセンター等の小売店の店舗に導入され、顧客による商品の購入（つまり「買物」）を支援するシステムである。

買物支援システム１００は、図１Ａ〜図２に示すように、無線読取システム１と、精算システム３と、を備えている。無線読取システム１は、商品９１に付された電子タグ９３と無線通信を行うことにより、商品９１に関する商品情報を読み取る。精算システム３は、無線読取システム１で読み取られた商品情報に基づいて精算処理を行う。

無線読取システム１は、図１Ａ及び図１Ｂに示すように、商品通路４１と、読取装置２と、を備えている。商品通路４１は、顧客通路４２を通過する顧客９０が保持している商品９１を通過させるための通路である。読取装置２は、商品通路４１を商品９１が通過中に、この商品９１に付された電子タグ９３と電波を媒体とする無線通信を行うことにより商品９１に関する商品情報を読み取る。本開示でいう「通路」は、物体の「とおりみち」となる空間であって、例えば、壁、柱、紐若しくは網等の構造物、又は床面に描かれた線等によって、周囲の空間から区切られた空間を意味する。すなわち、本実施形態における商品通路４１は、少なくとも商品９１が通過できるだけの幅を有するように、周囲の空間から区切られた空間である。同様に、顧客通路４２は、少なくとも顧客９０が通過できるだけの幅を有するように、周囲の空間から区切られた空間である。

本開示でいう「商品情報」は、商品を識別するための情報であって、例えば、日本国で用いられているＪＡＮ（Japanese Article Number）コード等の商品識別コードである。この種の商品識別コードには、ＪＡＮコードの他、欧州等で用いられているＥＡＮ（European Article Number）コード、及び米国等で用いられているＵＰＣ（Universal Product Code）等がある。読取装置２で読み取られた商品情報は、例えば、精算システム３での精算処理に使用される。また、商品情報は、商品９１の品種（種類）を識別する情報に限らず、同一品種の商品９１を個別に識別するシリアル情報等の情報を含んでいてもよい。これにより、同一品種の商品９１が複数ある場合にも、これら同一品種の複数の商品９１の各々を商品情報にて特定可能である。電子タグ９３は、ＲＦ（Radio Frequency）タグであって、読取装置２は、商品９１から直接的に商品情報を読み取るのではなく、商品９１に付された電子タグ９３から非接触で商品情報を読み取ることになる。

買物支援システム１００によれば、例えば、店舗８（図３参照）に設置された読取装置２にて、購入対象の商品９１について、非接触で商品情報の読み取りが行われることにより、商品９１の精算が可能な状態になる。そのため、例えば、複数の商品９１について商品情報を一括して読取可能であり、また、容器９２に商品９１が収容されたままの状態でも商品情報の読み取りが可能である。したがって、バーコード等を用いて商品情報の読み取りが行われる場合に比較して、顧客９０の買物に掛かる店員及び顧客９０の手間を軽減することができる。

本開示でいう「容器」は、顧客９０が商品９１を持ち帰るために使用する入れ物であって、商品９１が入る大きさで、かつ商品９１を出し入れするための開口を有する入れ物であればよく、例えば、袋、かご、箱、バッグ（エコバッグ等を含む）等である。ここで、袋、かご、箱及びバッグの材質は特に限定されず、例えば、袋であれば、ポリエチレン製又はポリプロピレン製等の「ビニール袋」、及び紙製の「紙袋」等を含む。詳しくは後述するが、本実施形態では、顧客９０の入店時に容器９２が顧客９０に配布され、顧客９０は購入対象の商品９１をピックアップする度に容器９２に収容する。そのため、図１Ａ及び図１Ｂ等に示すように、無線読取システム１は容器９２に収容された状態の商品９１について商品情報の読み取りを実行する。

また、本開示でいう「購入対象」は、顧客９０による購入の対象となる商品９１を意味する。本開示でいう「購入」とは、売主（店舗）から買主（顧客）に商品９１の所有権を移転し、これに対する対価（代金）を買主が売主に支払う行為（売買）における買主（顧客）側の行為を意味する。つまり、購入対象の商品９１については、基本的に、精算処理が完了することで売主（店舗）から買主（顧客）へ所有権が移転し、顧客９０が持ち帰ることになる。

ところで、本実施形態に係る無線読取システム１では、上述のように、商品通路４１を商品９１が通過中に、読取装置２が、この商品９１に付された電子タグ９３と無線通信を行うことにより商品９１に関する商品情報を読み取る。そして、顧客９０が商品９１を保持した状態で顧客通路４２を通過することにより、顧客９０に保持されている商品９１は、顧客９０の移動に伴って商品通路４１を通過する。すなわち、商品９１を保持した顧客９０が、厳密には商品９１が収容された容器９２を保持した顧客９０が顧客通路４２を通過する際、商品９１が商品通路４１を通過することで、この商品９１に関する商品情報が読取装置２にて読み取られることになる。そのため、読取装置２にて商品９１の商品情報を読み取るに際し、顧客９０においては、商品９１を保持した状態で顧客通路４２を通過すればよい。したがって、顧客９０は、読取装置２の前で立ち止まる必要がなく、読取装置２の前を素通りするような動作で、読取装置２での商品情報の読み取りを実現することができる。

よって、顧客９０が買物をする際には、顧客９０は、店舗８に陳列されている複数の商品９１の中から購入対象の商品９１をピックアップし、商品９１を保持した状態で、顧客通路４２を素通りするように移動すればよい。このような顧客９０の一連の動作により、購入対象の商品９１に関する商品情報を読取装置２にて読み取ることが可能である。そして、買物支援システム１００では、読取装置２で読み取られた商品情報に従って精算システム３での精算処理が行われ、精算処理が完了すれば、顧客９０が商品９１を持ち帰ることで顧客９０による買物が完了する。このように、顧客９０は、少なくとも商品情報の読み取りのためだけに立ち止まる必要がなく、商品９１をピックアップして顧客通路４２を通過する、という一連の流れで、スムーズに精算処理まで到達することができる。結果的に、本実施形態に係る無線読取システム１及びそれを備える買物支援システム１００によれば、商品９１の購入のための顧客９０の待ち時間の短縮を図ることができる。

また、本実施形態に係る買物支援システム１００では、精算システム３での精算処理に係る顧客９０の負荷を時間的に分散させた方式（以下、「負荷分散方式」という）を採用することにより、従来とは異なるスタイルの買物を実現可能である。すなわち、従来の一般的な買物スタイルでは、商品情報に従って行われる精算処理において、顧客９０は、例えば、クレジットカード、プリペイドカード、電子マネー又は現金等で決済を行う。いずれの決済方法であっても、商品情報の読み取り後の精算処理において、顧客９０は、決済を実行する必要がある。

これに対して、本実施形態に係る買物支援システム１００を用いた場合、精算処理の開始前（例えば顧客９０の入店時）に、顧客９０がチェックイン処理を行うことにより、精算処理において決済が不要になる。本開示でいう「チェックイン処理」は、決済元と識別用タグ９４（図４Ａ参照）とを紐付けるための処理である。例えば、クレジットカードで決済する場合にはクレジットカードに固有の情報（名義人等）が決済元となり、プリペイドカードで決済する場合にはプリペイドカードに固有の情報が決済元となる。

具体的には、チェックイン処理では、例えば、クレジットカードをチェックイン端末５（図４Ａ参照）で読み取ることで決済元が特定され、決済元と対応する識別情報が記憶された識別用タグ９４が発行される。顧客９０は、入店時に配布された容器９２に識別用タグ９４を収容することにより、無線読取システム１では、購入対象の商品９１（に付された電子タグ９３）及び識別用タグ９４から、商品情報と識別情報とをまとめて読み取ることができる。商品情報及び識別情報が無線読取システム１から精算システム３に送信されることにより、精算システム３では、チェックイン処理で特定済みの決済元を使用して精算処理を実行することができる。

すなわち、本実施形態に係る買物支援システム１００を用いた場合、顧客９０は、精算処理において決済を行うことに代えて、精算処理の開始前にチェックイン処理を行う。このように、本実施形態に係る買物支援システム１００を用いることで、精算処理に係る顧客９０の負荷を時間的に分散させた負荷分散方式の買物スタイルを実現でき、精算処理における顧客９０の負荷を低減できる。したがって、無線読取システム１での商品情報の読み取りから精算システム３での精算処理の完了までの顧客９０の負荷が低減され、よりスムーズな顧客９０の買物を実現することができる。結果的に、本実施形態に係る買物支援システム１００によれば、商品９１の購入のための顧客９０の待ち時間の短縮を図ることができる。

言い換えれば、従来の買物スタイルでは、精算処理の開始後に、決済元の特定が行われるのに対し、本実施形態に係る買物支援システム１００によれば、精算処理の開始前に、予め決済元の特定（決済元と識別用タグ９４との紐付け）が行われる。このように、本実施形態に係る買物支援システム１００によれば、顧客９０が商品９１をピックアップしてから商品９１を持ち帰るまでの手順が、従来とは異なることになる。その結果、無線読取システム１での商品情報の読み取りが完了すると、顧客９０は、決済を行うことなく商品９１を持ち帰ることができ、買物の効率の向上を図ることが可能である。

（２）詳細
以下、本実施形態に係る無線読取システム１及びそれを備える買物支援システム１００について詳しく説明する。本実施形態では、買物支援システム１００が導入される店舗としてコンビニエンスストアを例に説明する。

（２．１）無線読取システム
ここではまず、本実施形態に係る無線読取システム１の構成について図１Ａ〜図２を参照して説明する。

無線読取システム１は、上述したように、商品通路４１と、読取装置２と、を備えている。また、本実施形態では、無線読取システム１は、メインコンピュータ１０を更に備えている。ただし、メインコンピュータ１０は、無線読取システム１に必須の構成ではない。

読取装置２は、商品９１に付された電子タグ９３と電波を媒体とする無線通信を行うことにより、この商品９１に関する商品情報を読み取る装置である。すなわち、読取装置２は、商品９１に付された電子タグ９３との間で無線通信を行うことにより、電子タグ９３に記憶されている商品情報を取得する。読取装置２は、アンテナ２１及び通信部２０を有しており、ＲＦＩＤ（Radio Frequency Identification）システムを構成するリーダである。読取装置２は、基本的には、商品通路４１を通過中の商品９１の電子タグ９３と無線通信を行う。本実施形態では、読取装置２は、電波を受信可能な複数（ここでは３つ）のアンテナ２１１，２１２，２１３（図１Ｂ参照）を有している。これら複数のアンテナ２１１，２１２，２１３を特に区別しない場合には、複数のアンテナ２１１，２１２，２１３の各々を「アンテナ２１」という。

電子タグ９３は、例えば、パッシブ型のＲＦタグであって、少なくとも商品情報を記憶するメモリを有している。ここにおいて、複数の商品９１には複数の電子タグ９３が一対一で対応付けられている。電子タグ９３には、対応する商品９１についての商品情報が記憶されており、電子タグ９３は、対応する商品９１に付されている。

電子タグ９３は商品９１と一体に取り扱い可能な状態で商品９１に付されていればよく、電子タグ９３が商品９１に付される具体的な態様としては、様々な態様がある。本実施形態では一例として、電子タグ９３はシール状であって商品９１に貼り付けられている。その他、電子タグ９３は、例えば、紐等で商品９１に繋がっていてもよいし、商品９１の梱包材に一体化されていてもよいし、商品９１に埋め込まれていてもよいし、商品９１に組み込まれていてもよい。さらに、例えば、塗布型半導体等の技術を用いることにより、電子タグ９３は、商品９１自体、又は商品９１の梱包材等の表面に、印刷にて直接的に形成されていてもよい。

アンテナ２１は、商品通路４１内に位置する電子タグ９３との間で、通信媒体となる電波を送受信し、無線通信を行う。すなわち、本実施形態では、アンテナ２１は、商品通路４１に対して電波を送受信可能となるように配置されている。アンテナ２１は、偏波面を考慮し、円偏波のアンテナにて構成されることが好ましい。アンテナ２１は、通信部２０と電気的に接続されている。アンテナ２１は、例えば、パッチアンテナ、モノポールアンテナ、逆Ｆ形アンテナ又はスロットアンテナ等で構成される。アンテナ２１は、筐体４の表面から露出していてもよいし、筐体４の内部に配置されていてもよい。

通信部２０は、アンテナ２１から電子タグ９３に電波を送信し、この電波によって起動された電子タグ９３からの商品情報をアンテナ２１にて受信する。通信部２０は、少なくとも商品情報の受信時に、無線信号（電波）の受信信号強度を計測する。通信部２０は、電子タグ９３から商品情報を受信すると、商品情報に加えて、受信信号強度をメインコンピュータ１０に送信する。

読取装置２は、図１Ａ及び図１Ｂに示すように、筐体４に設けられている。筐体４は、顧客通路４２を通過する顧客９０が保持している商品９１を通過させるための商品通路４１を有している。図１Ａ及び図１Ｂの例では、筐体４は、顧客９０が通過（通行）するための顧客通路４２の横（側方）に設置されている。本実施形態では、筐体４は、顧客通路４２を通過する顧客９０から見て右手側、つまり顧客通路４２の右側方に配置されている。そのため、顧客９０は、右手に持った商品９１を商品通路４１に通過させることになる。

筐体４は、第１側壁４０１と、第２側壁４０２と、連結部４０３と、を有している。第１側壁４０１及び第２側壁４０２は、それぞれ床面に対して垂直に立ち上がる形状であって、一定の間隔を空けて互いに対向するように配置されている。第１側壁４０１及び第２側壁４０２は、顧客通路４２側が第２側壁４０２となるように配置されている。ここで、第２側壁４０２の床面からの高さは第１側壁４０１の床面からの高さに比べて低く設定されている。さらに、顧客通路４２に沿った長手方向の寸法についても、第２側壁４０２の方が第１側壁４０１よりも小さく（短く）設定されている。連結部４０３は、第１側壁４０１の下端部と第２側壁４０２の下段部とを連結する。これら第１側壁４０１、第２側壁４０２及び連結部４０３で囲まれた空間が、商品通路４１となる。つまり、連結部４０３の上面が、商品通路４１の底面を構成する。第２側壁４０２は、顧客通路４２と商品通路４１との境界線上に位置する。

上述したような構成の商品通路４１は、顧客通路４２に沿って延びている。言い換えれば、商品通路４１は、顧客通路４２を通る顧客９０の進行方向に沿って延びるので、顧客９０は、顧客通路４２を通過する際に商品９１を略同じ姿勢で保持するだけで、商品通路４１に商品９１を通過させることができる。本実施形態では、顧客通路４２は直線状に延びている。そのため、商品通路４１は、顧客通路４２と略平行な直線状の通路からなる。本開示でいう「沿う」は、基準となる物に近い距離を保つことを意味しており、顧客通路４２に沿って延びた商品通路４１は顧客通路４２と平行でなくてもよい。

更に詳しく説明すると、商品通路４１は、導入口４１１と、排出口４１２と、中間部４１３と、を含んでいる（図５参照）。導入口４１１は、商品通路４１外から商品通路４１内に商品９１を導入するための開口部である。排出口４１２は、商品通路４１内から商品通路４１外に商品９１を排出するための開口部である。中間部４１３は、導入口４１１と排出口４１２とをつなぐ部位である。すなわち、商品通路４１には、顧客通路４２を顧客９０が移動する向きに沿って、導入口４１１、中間部４１３、排出口４１２がこの順で並ぶように配置されている。これにより、顧客通路４２を通過する顧客９０が保持している商品９１は、商品通路４１を導入口４１１、中間部４１３、排出口４１２の順で通過することになる。

また、読取装置２における複数のアンテナ２１１，２１２，２１３は、第１側壁４０１及び第２側壁４０２に取り付けられている。複数のアンテナ２１１，２１２，２１３は、商品通路４１の延長方向（商品９１が通過する方向）に並べて配置されている。具体的には、これら３つのアンテナ２１１、アンテナ２１２、アンテナ２１３は、商品通路４１の延長方向において、導入口４１１側からこの順で並ぶように配置されている。導入口４１１に最も近いアンテナ２１１、及び排出口４１２に最も近いアンテナ２１３は、第１側壁４０１における第２側壁４０２との対向面に配置されている（図５参照）。商品通路４１の延長方向においてアンテナ２１１とアンテナ２１３との中間に位置するアンテナ２１２は、第２側壁４０２における第１側壁４０１との対向面に配置されている（図５参照）。ここで、第１側壁４０１及び第２側壁４０２等は、商品通路４１からの電波の漏洩を低減するためのシールドとして機能することが好ましい。シールドとしての機能は、一例として、筐体４に対する金属蒸着、若しくは金属シートの貼り付け、又は電波を吸収する電波吸収体（金属等）で筐体４自体を構成すること等で実現される。

商品通路４１を商品９１が通過する際に、読取装置２は、この商品９１に付された電子タグ９３と無線通信し、商品情報の読み取りを実行する。商品通路４１は、基本的に、人（顧客９０を含む）の通過（通行）及び買物カート等の自走式の搬送装置の通過が禁止されており、人（顧客９０を含む）が手に持った荷物（商品９１を含む）のみを通過させる通路である。したがって、商品９１を手に持った顧客９０が顧客通路４２を通過する際には、商品９１が商品通路４１を通過することになり、その際に、読取装置２での商品情報の読み取りが実行される。ここで、例えば、買物カート等の自走式の搬送装置に商品９１が載っている場合には、顧客９０は、搬送装置から取り出した商品９１を手に持って顧客通路４２を通過する。

本実施形態では、読取装置２は、商品９１が容器９２に収容された状態で、商品９１に付された電子タグ９３から商品情報を読み取る。そのため、顧客９０は、店内でピックアップした商品９１について、先に、商品９１を容器９２に収容する作業を行い、その後、商品９１を容器９２ごと商品通路４１に通すことによって、読取装置２に商品情報の読み取りを行わせることができる。したがって、顧客９０においては、商品情報の読み取り後に、商品９１を容器９２に収容する作業（いわゆる袋詰めの作業）を行う必要がなく、容器９２に収容された状態の商品９１を、そのまま容器９２ごと持ち帰ることができる。その結果、買物支援システム１００によって顧客９０の買物の効率化を図ることができる。本実施形態では、容器９２がポリエチレン製又はポリプロピレン製の買物袋（いわゆるレジ袋）である場合を例として説明する。図１Ａ、図２及び図７以外の図面において、容器９２を示す場合には、容器９２に商品９１が収容されていることとして商品９１の図示を省略する。

また、読取装置２は、容器９２に収容された状態の複数の商品９１に付された複数の電子タグ９３から、複数の商品９１の商品情報をまとめて読み取ることが可能である。ここで、読取装置２は、複数の電子タグ９３から、複数の商品情報を一括で取得してもよいし、商品情報を１つずつ取得してもよい。これにより、顧客９０は、一旦、複数の商品９１を容器９２に収納すれば、その後、精算処理が完了してこれら複数の商品９１を持ち帰るまで、これら複数の商品９１をばらすことなく一まとめにして扱うことができる。

ところで、本実施形態に係る買物支援システム１００では、負荷分散方式の買物スタイルを実現するために、精算処理の開始前（例えば顧客９０の入店時）に、チェックイン処理にて顧客９０が識別用タグ９４（図４Ａ参照）を受け取る。詳しくは後述するが、顧客９０は、入店時に配布された容器９２に識別用タグ９４を収容する。そのため、顧客９０が顧客通路４２を通過する際には、商品９１が収容された容器９２には、商品９１と共に識別用タグ９４も収容されている。したがって、顧客９０が、商品９１を容器９２ごと商品通路４１に通す際には、識別用タグ９４も商品９１と共に顧客通路４２を通過する。これにより、読取装置２では、商品情報と共に、識別用タグ９４に記憶されている識別情報の読み取りを実行できる。

メインコンピュータ１０は、強度取得部１１と、判定部１２と、情報取得部１３と、識別部１４と、選択部１５と、を有している。本実施形態では、メインコンピュータ１０は、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とするコンピュータシステムである。このメインコンピュータ１０では、メモリに記録されたプログラムをプロセッサで実行することによって、強度取得部１１、判定部１２、情報取得部１３、識別部１４及び選択部１５の機能が実現される。プログラムは、メインコンピュータ１０のメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能な光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。本実施形態においては、メインコンピュータ１０は、読取装置２と共に１つの筐体４に設けられている。

メインコンピュータ１０は、読取装置２、並びに、後述する精算システム３、チェックイン端末５、ゲート装置６１、報知装置６２、顧客検知装置６３、トリガ検知装置６４及び表示灯６５に接続されている。さらに、メインコンピュータ１０は、例えば、ＰＯＳ端末からなる店舗端末と通信可能に構成されている。メインコンピュータ１０は、情報取得部１３にて読取装置２から受信した商品情報に基づいて、精算システム３での精算処理に必要な情報を精算システム３に送信する送信処理等、所定の処理を実行する。

強度取得部１１は、読取装置２における無線通信時の受信信号強度（ＲＳＳＩ：Received Signal Strength Indication）を取得する。強度取得部１１は、受信信号強度を読取装置２から取得する。ここで、読取装置２が複数の商品９１についての商品情報を同時に読み取った場合には、強度取得部１１は、商品９１ごとの受信信号強度を取得する。強度取得部１１は、読取装置２から受信信号強度を一定時間（例えば、１００ミリ秒）間隔で取得し、メインコンピュータ１０のメモリに記憶する。

判定部１２は、商品９１ごとに、受信信号強度の時間経過に伴う変化に基づいて、商品９１が購入対象であるか否かを判定する。ここでは、判定部１２は、判定期間における受信信号強度の変化を商品９１ごとに解析し、解析結果に基づいて、個々の商品９１が購入対象であるか否かを判定する。本実施形態では、判定部１２は、メインコンピュータ１０のメモリに記憶されている判定期間分の受信信号強度の変化パターンを解析することによって、商品９１が購入対象であるか否かを判定する。本開示でいう「判定期間」は、後述するトリガ検知装置６４にてトリガが検知された時点を始点とする所定長さ（例えば、１０秒間）の期間である。

すなわち、無線読取システム１では、上述のように、商品通路４１を商品９１が通過中に、読取装置２が、この商品９１に付された電子タグ９３と無線通信を行うことにより商品情報を読み取る。そのため、購入対象の商品９１においては、商品通路４１を通過（移動）中の商品９１に特有の受信信号強度の変化が生じることになる。そこで、判定部１２は、このような受信信号強度の変化の有無により、商品９１が購入対象であるか否かを判定する。

情報取得部１３は、複数の商品９１についての複数の商品情報を読取装置２から取得する。詳しくは後述するが、読取装置２は、商品９１に付された電子タグ９３との無線通信が確立した際に、電子タグ９３が付された商品９１についての商品情報を、電子タグ９３から受信する。情報取得部１３は、このようにして読取装置２が電子タグ９３から読み出した（受信した）商品情報を、読取装置２から取得する。ここで、読取装置２が複数の商品９１についての商品情報を同時に読み取った場合には、情報取得部１３は、商品９１ごとの商品情報を取得する。情報取得部１３は、読取装置２から商品情報を一定時間（例えば、１００ミリ秒）間隔で取得し、メインコンピュータ１０のメモリに記憶する。

識別部１４は、複数のアンテナ２１のうちの２以上のアンテナ２１が電波を受信した場合に、これら２以上のアンテナ２１の中での電波を受信した順序を識別する。例えば、読取装置２において、アンテナ２１１、アンテナ２１２、アンテナ２１３の順で電波を受信した場合には、識別部１４は、この順序（アンテナ２１１、アンテナ２１２、アンテナ２１３の順）を識別する。識別部１４の識別結果は、例えば、判定部１２にて、商品９１が購入対象であるか否かの判定に利用される。識別部１４での識別処理について詳しくは、「（２．３）動作」の欄で説明する。

選択部１５は、判定部１２の判定結果を基に、複数の商品情報の中から購入対象の商品情報を選択する。すなわち、情報取得部１３が複数の商品９１についての複数の商品情報を読取装置２から取得した場合に、選択部１５は、これら複数の商品情報の中から購入対象の商品９１の商品情報を選択する。選択部１５は、２つ以上の商品情報を、購入対象の商品情報として選択してもよい。ここで、同一品種の商品９１についても、個別の商品情報が付されており、同一品種の商品９１が複数ある場合にも、これら同一品種の複数の商品９１の各々を商品情報にて特定可能である。

さらに、選択部１５は、商品９１についての精算処理を行う精算システム３に、購入対象の商品情報を出力するように構成されている。つまり、精算システム３には、選択部１５にて選択された購入対象の商品情報がメインコンピュータ１０から出力されることになる。その結果、購入対象と判定された商品９１についてのみ、精算システム３での精算処理の対象とすることが可能である。

具体的には、メインコンピュータ１０は、情報取得部１３にて読取装置２から商品情報を受信する際、商品情報と併せて受信信号強度を強度取得部１１にて読取装置２から取得する。つまり、メインコンピュータ１０は、読取装置２から、商品情報及び受信信号強度の組み合わせを一定時間（例えば、１００ミリ秒）間隔で受信する。そして、メインコンピュータ１０は、商品情報及び受信信号強度の組み合わせを受信すると、商品情報ごとに、保存時間（例えば、１分間）分の受信信号強度をメインコンピュータ１０のメモリに記憶する。その結果、メインコンピュータ１０のメモリには、商品９１ごと、つまり商品情報ごとに受信信号強度が記憶されることになる。このようにメインコンピュータ１０のメモリに記憶される受信信号強度は、保存時間が経過した場合だけでなく、商品情報を受信できなくなった場合等にも削除されてもよい。

メインコンピュータ１０は、商品情報ごとにメモリに記憶された保存時間分の受信信号強度を用いて、判定部１２にて、判定期間における受信信号強度の変化を商品９１ごとに解析する。判定部１２は、この解析結果を、所定の判定条件に照らして、商品９１が購入対象であるか否かを判定する。本開示でいう「判定条件」とは、判定部１２において、商品９１が購入対象であると判定するための条件を意味する。判定部１２での判定条件を用いた判定処理の詳細については、「（２．３）動作」の欄で説明する。

ところで、本実施形態に係る買物支援システム１００では、負荷分散方式の買物スタイルを実現するために、読取装置２にて、商品情報と共に、識別用タグ９４に記憶されている識別情報の読み取りが行われる。そのため、識別情報についても商品情報と同様に、情報取得部１３にて読取装置２から取得され、選択部１５にて判定部１２の判定結果を基に選択され、精算システム３に出力される。その結果、識別情報についても、購入対象の商品情報と併せて、メインコンピュータ１０から精算システム３に出力されることになり、精算システム３では、チェックイン処理時に特定した決済元を使用して精算処理を実行することができる。

さらに、メインコンピュータ１０は、後述する精算システム３、チェックイン端末５、ゲート装置６１、報知装置６２、顧客検知装置６３、トリガ検知装置６４及び表示灯６５とも通信を行うことにより、これらの装置を制御可能に構成されている。

（２．２）買物支援システム
次に、本実施形態に係る買物支援システム１００の全体構成について図１Ａ〜図２を参照して説明する。

買物支援システム１００は、上述した無線読取システム１と、精算システム３と、を備えている。また、本実施形態では、買物支援システム１００は、チェックイン端末５、ゲート装置６１、報知装置６２、顧客検知装置６３、トリガ検知装置６４及び表示灯６５を更に備えている。本実施形態においては、顧客検知装置６３、トリガ検知装置６４及び表示灯６５は、無線読取システム１と共に１つの筐体４に設けられている。ただし、これらチェックイン端末５、ゲート装置６１、報知装置６２、顧客検知装置６３、トリガ検知装置６４及び表示灯６５は、買物支援システム１００に必須の構成ではない。

精算システム３は、表示装置３１、入力装置３２及び音声出力部３３を有している。表示装置３１、入力装置３２及び音声出力部３３は、いずれもメインコンピュータ１０の周辺装置であって、メインコンピュータ１０に接続されている。

表示装置３１は、顧客９０に向けて各種の表示を行う装置である。入力装置３２は、例えば、タッチ入力又はジェスチャ検出等により、顧客９０の操作を受け付ける装置である。また、入力装置３２は、例えば、近距離無線通信により、ＩＣ（Integrated Circuit）カード若しくは携帯情報端末（スマートフォン又はウェアラブル端末等）を入力装置３２に近づける操作を受け付けてもよい。さらに、入力装置３２は、マイクロホンを含み、マイクロホンに入力された音声信号に対して音声認識及び意味解析の処理を施す機能を有している。そのため、顧客９０においては音声による操作（音声入力）も可能である。音声出力部３３は、スピーカを含み、音声によって顧客９０に向けて各種の情報を提示する装置である。

また、入力装置３２は、例えば、後述する顧客検知装置６３と連動して、顧客９０が顧客通路４２を通過し終えたことを、顧客９０の操作として受け付けてもよい。すなわち、顧客９０が顧客通路４２を通過し顧客通路４２から出たことを、顧客検知装置６３が検知すると、入力装置３２が、顧客検知装置６３の検知結果に基づいて、顧客９０の操作が有ったことと判断する。

本実施形態では、少なくとも無線読取システム１の読取装置２と精算システム３の入力装置３２とは、１つの筐体４に設けられている。具体的には、筐体４における第１側壁４０１上に、精算システム３における表示装置３１及び入力装置３２が設置されている。図１Ａ及び図１Ｂの例では、表示装置３１及び入力装置３２はタッチパネルディスプレイとして一体化されている。表示装置３１及び入力装置３２は、顧客通路４２を通過する顧客９０から見て商品通路４１の前方、つまり商品通路４１の排出口４１２より先に配置されている。これにより、商品通路４１を商品９１が通過し終わってから、顧客９０が表示装置３１及び入力装置３２の正面に到達することになる。また、本実施形態では、音声出力部３３（図２参照）も筐体４に設けられている。さらに、筐体４は、精算システム３にて精算処理を行う際に顧客９０の手荷物（商品９１を含む）を置くための荷置き台４０４を有している。荷置き台４０４は、第１側壁４０１における表示装置３１及び入力装置３２の下方に配置されている。

精算システム３は、表示装置３１、入力装置３２及び音声出力部３３をユーザインタフェースとして用いることにより、表示又は音声によって各種の情報を顧客９０に提示したり、顧客９０の操作（音声入力を含む）を受け付けたりすることができる。ただし、精算システム３による情報の提示は、表示と音声との少なくとも一方で実現されればよく、表示と音声とのいずれか一方で実現されてもよいし、表示と音声との組み合わせで実現されてもよい。

一例として、精算システム３は、来客検知時及び精算処理の完了時に、「いらっしゃいませ。」、「ありがとうございました。」等のメッセージを顧客９０に提示することができる。これにより、顧客９０に対して、店員が接客するのに近い親近感を与えることができる。また、顧客９０は、例えば、表示装置３１に表示される購入対象の商品９１の一覧、及び精算金額等を確認し、確認後に入力装置３２を操作して承諾の意思表示を行うことにより、精算システム３での精算処理を行う。ここで、精算システム３は、プリンタを有していてもよく、その場合、精算処理が完了すれば、プリンタにてレシート（receipt）等を発行（印刷）可能である。ただし、精算処理において入力装置３２にて顧客９０の操作を受け付けること、及びレシートを発行することは、買物支援システム１００において必須の構成ではない。精算処理において顧客９０の操作の受け付け、及びレシートの発行のいずれも行わない場合、無線読取システム１での商品情報の読み取りが完了すると、顧客９０は、立ち止まることなく（つまりノンストップで）商品９１を持ち帰ることができる。

さらに、上述したように、顧客９０が顧客通路４２を通過し終えたことを、入力装置３２が、顧客９０の操作として受け付ける場合には、顧客９０は、別途、承諾の意思表示のための操作を行う必要がない。これにより、顧客９０は、顧客通路４２を通過し終えた後、タッチ入力等の操作のために、入力装置３２前で立ち止まる必要がなく、より素通りに近い形で精算処理を終えることができる。

また、購入対象の商品９１の一覧、及び精算金額等の情報（以下、「購入情報」という）は、精算システム３からメインコンピュータ１０又は店舗端末等に送信されてもよい。これにより、店舗８に設置されている精算システム３とは別の情報端末、又は顧客９０が所有する携帯情報端末（スマートフォン又はタブレット端末等）にて、購入情報の閲覧又はレシートの発行等が可能になる。さらに、メインコンピュータ１０又は店舗端末等からサーバに購入情報が送信されることで、退店後においても、顧客９０は、顧客９０が所有する携帯情報端末にて、購入情報の閲覧又はレシートの発行等が可能になる。

チェックイン端末５は、チェックイン処理を行うための端末である。チェックイン端末５は、例えば、店舗８（図３参照）の入口８１（図３参照）付近に設置されている。チェックイン端末５は、電波を媒体とする無線通信により、メインコンピュータ１０との間で双方向の通信が可能である。チェックイン端末５は、入口８１から店舗８に入った（入店した）顧客９０を対象に、チェックイン処理を行う。上述したように、チェックイン処理では、例えば、クレジットカードをチェックイン端末５で読み取ることで決済元が特定され、決済元と対応する識別情報が記憶された識別用タグ９４（図４Ａ参照）が発行される。決済元（例えば、クレジットカードに固有の情報）を表すデータは、例えば、対応する識別情報と共に、チェックイン端末５からメインコンピュータ１０に送信され、メインコンピュータ１０のメモリに記憶される。識別用タグ９４は、例えば、電子タグ９３と同様に、パッシブ型のＲＦタグであって、少なくとも識別情報を記憶するメモリを有している。識別用タグ９４は、一例として、カード状である。

ここで、例えば、識別用タグ９４を使用可能な時間には制限が設けられる。一例として、決済元を表すデータ及び識別情報をチェックイン端末５からメインコンピュータ１０に送信されてからの経過時間が所定時間に達すると、メインコンピュータ１０のメモリに記憶された決済元を表すデータ及び識別情報が削除される。これにより、識別用タグ９４の発行から所定時間が経過すると、識別用タグ９４は無効化されることになり、この識別用タグ９４を用いての精算処理ができなくなる。また、識別用タグ９４を使用可能な時間と共に、又は識別用タグ９４を使用可能な時間に代えて、識別用タグ９４を精算処理に使用可能な回数に制限が設けられてもよい。この場合、一例として、識別用タグ９４が発行されてからの精算処理での識別用タグ９４の使用回数が所定回数に達すると、メインコンピュータ１０のメモリに記憶された決済元を表すデータ及び識別情報が削除される。これにより、識別用タグ９４の不正使用又は誤認識等の抑制を図ることができる。

ゲート装置６１は、読取装置２と同様に、商品９１に付された電子タグ９３と、電波を媒体とする無線通信を行うことにより商品情報を読み取るように構成されている。ゲート装置６１は、例えば、店舗８（図３参照）の出口８２（図３参照）に設置されている。ゲート装置６１は、電波を媒体とする無線通信により、メインコンピュータ１０との間で双方向の通信が可能である。ゲート装置６１は、顧客９０が出口８２を通って店舗８から出る（退店する）際に、顧客９０が持つ容器９２内の商品９１に付された電子タグ９３と、非接触で通信を行う。このとき、ゲート装置６１が電子タグ９３から読み取った商品情報について、精算処理が実行されているか否かを判断する。本実施形態では、商品９１についての精算処理が完了しているか否かは、例えば、メインコンピュータ１０のメモリに商品情報に対応付けて記憶される精算済みフラグの値によって判断される。例えば、商品９１についての精算処理が完了している場合には、この商品９１についての精算済みフラグの値が「１」になる。そのため、ゲート装置６１が電子タグ９３から読み取った商品情報に対応する精算済みフラグが「０」であれば精算処理が未完了、商品情報に対応する精算済みフラグが「１」であれば精算処理が完了している、と判断される。

報知装置６２は、ゲート装置６１で読み取られた商品情報について精算処理が実行されていない場合に報知処理を実行する。すなわち、ゲート装置６１及び報知装置６２によれば、店舗から持ち出される商品９１について、精算処理が正常に完了していることを確認することができる。報知装置６２は、例えば、ゲート装置６１と一体に構成される。報知装置６２が行う報知の態様は、特に限定しないが、例えば、報知装置６２自体が表示又は音声によって報知してもよいし、報知装置６２がメインコンピュータ１０に報知信号を送信することで、店舗端末等にて報知を行ってもよい。

顧客検知装置６３は、顧客９０の動きを検知する。顧客検知装置６３の検知結果は、メインコンピュータ１０に送信され、無線読取システム１での商品情報の読み取りの処理に利用される。つまり、詳しくは後述するが、無線読取システム１では、顧客検知装置６３の検知結果に応じて商品情報の読み取りを実行する。そのため、顧客検知装置６３は、少なくとも顧客通路４２を通過中の顧客９０の動き（一例として、移動の向き及び移動速度等）を検知すればよい。顧客検知装置６３は、例えば、顧客通路４２を通過する人の位置を検知する人感センサ（一例として、焦電型センサ又はイメージセンサ等）で実現される。

トリガ検知装置６４は、商品９１が商品通路４１内に導入されたことを検知する。詳しくは後述するが、トリガ検知装置６４にて商品９１が商品通路４１内に導入されたことが「トリガ」として検知された場合、メインコンピュータ１０は、判定部１２での判定処理を開始する。トリガ検知装置６４は、例えば、商品通路４１における物体（商品９１）の存在の有無を検知する対物センサ（一例として、光学式センサ、超音波式センサ又はイメージセンサ等）で実現される。また、トリガ検知装置６４は、例えば、顧客通路４２への顧客９０の進入を検知する人感センサ（一例として、焦電型センサ又はイメージセンサ等）で実現されてもよい。顧客検知装置６３のセンサが、トリガ検知装置６４として兼用されてもよい。

表示灯６５は、例えば、エラー表示等の買物支援システム１００の状態を表す各種の表示を行う。一例として、表示灯６５は、発光状態（点灯／消灯、及び発光色等）によって買物支援システム１００の状態を表示する。例えば、先の顧客９０が使用中である場合には表示灯６５は消灯し、商品通路４１を商品９１が通過可能な状態である場合には表示灯６５は緑色に発光する。また、電子マネーの残高不足等、精算処理時のエラーが発生すると表示灯６５は赤色に発光する。店員の呼び出し時には、表示灯６５は黄色に発光する。本実施形態では一例として、図１Ｂに示すように、表示灯６５は、第１側壁４０１における商品通路４１の導入口４１１側の上端部に配置されている。

以上説明したような買物支援システム１００は、例えば、１つの店舗８に対して複数設置されていてもよい。また、本実施形態における買物支援システム１００の各部の位置関係及び形状等は、一例に過ぎず、適宜変更が可能である。

（２．３）動作
以下、本実施形態に係る買物支援システム１００の動作、つまり買物支援システム１００を用いた買物支援方法について、図３〜図６を参照して説明する。図３は、買物支援システム１００を導入した店舗８の見取り図であって、図４Ａ〜図４Ｄは、図３中に「Ａ」〜「Ｄ」で示す各位置における顧客９０の買物に係る動作を表す説明図である。図５は、商品９１が商品通路４１を通過するのに伴う、受信信号強度の変化の一例を示す波形図である。図６は、買物支援システム１００の動作を示すフローチャートである。

ここでは一例として、図３に示すように、顧客９０が、入口８１から入店し、冷蔵庫から購入対象の商品９１をピックアップし、顧客通路４２を通過し、さらに一対のゲート装置６１の間を通って出口８２から退店する場合を想定する。つまり、図３の例では、顧客９０は、「Ａ」で示す位置より入店し、その後「Ｂ」で示す位置で商品９１をピックアップし、その後「Ｃ」で示す位置に移動し、その後「Ｄ」で示す位置に移動する。図３に示す店舗８では、有人のレジ８３も設置されている。

まず、入店直後には、図３に「Ａ」で示す位置において、顧客９０は、図４Ａに示すように、チェックイン端末５でチェックイン処理を行う。このとき、チェックイン端末５は、例えば、顧客９０のクレジットカードを読み取ることで決済元を特定し、決済元と対応する識別情報が記憶された識別用タグ９４を発行する。ここで、チェックイン端末５は、例えば、会員情報等の直接的には決済元が特定されない非決済情報を会員カード等から読み取ることで、決済元を特定してもよい。会員情報等の非決済情報が、予め決済元と対応付けて登録される。これにより、チェックイン端末５では、非決済情報から間接的に決済元を特定可能である。

ここにおいて、容器９２に商品９１が収容されたままの状態でも商品情報の読み取りが可能である、という無線読取システム１の利点をいかすためには、商品情報の読み取りが行われる前から、予め商品９１が容器９２に収容されていることが好ましい。そこで、本実施形態では、顧客９０の入店時に容器９２が顧客９０に配布されることとする。容器９２の配布手段は特に限定されず、例えば、店舗８の入口８１付近に設置された袋ストッカから顧客９０が容器９２を取得してもよいし、店員が顧客９０に手渡してもよい。これにより、顧客９０は、チェックイン処理にて発行された識別用タグ９４を、入店時に配布された容器９２にすぐさま収容することができる。

次に、図３に「Ｂ」で示す位置において、顧客９０は、図４Ｂに示すように、電子タグ９３が付された商品９１を冷蔵庫からピックアップする。このとき、顧客９０は、既に識別用タグ９４が収容されている容器９２に、ピックアップした商品９１を収容する。これにより、容器９２には、商品９１と識別用タグ９４とがまとめて収容される。図４Ｂの例では、顧客９０は、１つの商品９１のみをピックアップしているが、複数の商品９１を購入する場合には同様の動作を他の商品９１についても行うことで、購入対象の商品９１をピックアップする度に容器９２に収容する。

その後、図３に「Ｃ」で示す位置において、顧客９０は、図４Ｃに示すように、顧客通路４２を通過する。このとき、顧客９０は商品９１を容器９２に収容した状態で保持する。つまり、顧客９０は、商品９１を収容した容器９２を手に持つことで、商品９１を間接的に保持することになる。そして、顧客９０は、商品９１を容器９２ごと商品通路４１に通すことによって、読取装置２に商品情報の読み取りを行わせる。容器９２には、１ないし複数の商品９１、及び識別用タグ９４が収容されており、読取装置２は、１ないし複数の商品情報と共に、識別用タグ９４に記憶されている識別情報の読み取りを実行する。

このように商品９１を容器９２に収容したままの状態で商品情報の読み取りを行うことで、精算処理のために容器９２から商品９１を取り出す手間を省略できる。つまり、商品９１が容器９２に収容されたままの状態で無線読取システム１が商品情報の読み取りを行い、この商品情報に基づいて精算システム３が精算処理を行うことで、顧客９０は、既に容器９２に収容された状態の商品９１を、そのまま持ち帰ることができる。よって、顧客９０においては、精算処理の後、商品９１を容器９２に収容する作業（いわゆる袋詰めの作業）が不要である。そのため、顧客９０は、商品９１のピックアップから精算処理まで、更に精算処理後に商品９１を持ち帰るまでの一連の動作を、スムーズにこなすことができ、買物の効率の向上を図ることが可能である。

しかも、本実施形態では、負荷分散方式の買物スタイルを適用しているため、読取装置２で読み取られた識別情報が精算システム３に送信されることにより、精算システム３では、チェックイン処理で特定済みの決済元を使用して精算処理を実行することができる。その結果、精算処理において、顧客９０が改めて、クレジットカード等を取り出して決済を実行する必要がなく、精算処理における顧客９０の負荷が低減される。要するに、顧客９０は、例えば、表示装置３１に表示される購入対象の商品９１の一覧、及び精算金額等を確認し、確認後に入力装置３２を操作して承諾の意思表示を行うだけで、精算処理を完了することができる。

ここにおいて、無線読取システム１は、例えば、以下に説明するような判定条件を用いた判定処理により、商品９１が購入対象であるか否かの判定を行う。

本実施形態において、判定条件は、少なくとも第１条件及び第２条件の２つの条件が含まれており、判定部１２での解析結果が第１条件及び第２条件の両方を満たす場合に、商品９１が購入対象であると判定される。第１条件は、商品通路４１を通過（移動）中の商品９１に特有の受信信号強度の変化が生じていることである。第２条件は、顧客検知装置６３の検知結果である顧客９０の動きと、商品９１の動きと、の間に相関を持つことである。

第１条件については、図５に例示するような受信信号強度の変化パターンより判定される。図５は、上段に商品通路４１の平面図を示し、下段に横軸を時間軸、縦軸を受信信号強度とした受信信号強度の変化を示している。ここで、図５の上段の平面図には、商品通路４１を移動するときの商品９１の位置Ｐ１〜Ｐ３を想像線（２点鎖線）で表し、図５の下段の波形図には、アンテナ２１１，２１２，２１３での受信信号強度を「Ｘ１」，「Ｘ２」，「Ｘ３」でそれぞれ表す。さらに、図５の例では、商品９１は商品通路４１を等速で通過することと仮定しており、図５の上段の平面図中の位置Ｐ１〜Ｐ３と、図５の下段の波形図中の時点ｔ１〜ｔ３は一対一に対応する。

この場合においては、顧客９０が持っている購入対象の商品９１については、読取装置２での商品情報の受信信号強度は、例えば、図５に示すように変化する。すなわち、顧客９０が商品通路４１に商品９１を導入する動作に伴って、この商品９１についてのアンテナ２１１，２１２，２１３での受信信号強度は、アンテナ２１１、アンテナ２１２、アンテナ２１３の順で立ち上がることになる。本開示でいう「立ち上がり」とは、受信信号強度が所定値以上の傾きを持って増加し、受信信号強度が閾値Ｖｔｈ未満の状態から、閾値Ｖｔｈ以上の状態へと変化することを意味する。図５の例では、アンテナ２１１の正面となる位置Ｐ１に商品９１が位置するときに、アンテナ２１１での受信信号強度Ｘ１が最大となる。同様に、アンテナ２１２の正面となる位置Ｐ２に商品９１が位置するときに、アンテナ２１２での受信信号強度Ｘ２が最大となり、アンテナ２１３の正面となる位置Ｐ３に商品９１が位置するときに、アンテナ２１３での受信信号強度Ｘ３が最大となる。

本実施形態では、識別部１４は、受信信号強度が閾値Ｖｔｈ以上であることをもって、アンテナ２１が電波を受信していると判断する。そのため、図５の例では、識別部１４は、時点ｔ１を含む期間Ｔ１にはアンテナ２１１が電波を受信したと判断し、時点ｔ２を含む期間Ｔ２にはアンテナ２１２が電波を受信したと判断し、時点ｔ３を含む期間Ｔ３にはアンテナ２１３が電波を受信したと判断する。これにより、識別部１４では、アンテナ２１１、アンテナ２１２、アンテナ２１３の順で電波を受信したことを識別する。一例として、識別部１４は、まずアンテナ２１１のみが電波を受信し、次にアンテナ２１１及びアンテナ２１２が電波を受信し、次にアンテナ２１２のみが電波を受信したこともって、アンテナ２１１、アンテナ２１２がこの順で電波を受信したと判断する。同様に、識別部１４は、アンテナ２１２のみが電波を受信し、次にアンテナ２１２及びアンテナ２１３が電波を受信し、次にアンテナ２１３のみが電波を受信したこともって、アンテナ２１２、アンテナ２１３がこの順で電波を受信したと判断する。判定部１２は、このような識別部１４の識別結果（アンテナ２１１、アンテナ２１２、アンテナ２１３の順）を受けて、第１条件の判定を行う。

要するに、商品通路４１を通過（移動）中の商品９１においては、アンテナ２１１、アンテナ２１２、アンテナ２１３がこの順で電波を受信するよう、特有の受信信号強度の変化が生じることになる。よって、判定部１２は、識別部１４の識別結果から、アンテナ２１１，２１２，２１３が電波を受信した順を特定し、アンテナ２１１、アンテナ２１２、アンテナ２１３の順で電波を受信している場合には、第１条件を満たすと判定する。

一方、第２条件については、例えば、顧客検知装置６３にて検知される顧客９０の移動の向き及び移動速度等と、図５に例示するような受信信号強度の変化パターンから特定される商品９１の動きと、の間の相関により判定される。すなわち、受信信号強度の変化パターンからは、上述したような識別部１４の識別結果を用いて商品９１の移動の向きを特定でき、さらに商品の移動速度についても特定可能である。このように特定される商品９１の動き（一例として、移動の向き及び移動速度等）と、顧客検知装置６３にて検知される顧客９０の動きと、の間に所定の相関があれば、判定部１２は、第２条件を満たすと判定する。例えば、商品９１の移動の向きと顧客９０の移動の向きとが一致し、かつ商品９１の移動速度と顧客９０の移動速度とのずれが所定の許容範囲内であれば、両者の動きに相関があると判定される。言い換えれば、無線読取システム１は、顧客９０の動きを検知する顧客検知装置６３の検知結果に応じて商品情報の読み取りを実行する。

上記より、判定部１２は、判定条件（第１条件及び第２条件の両方）を満たすと判定した場合に、この商品９１が購入対象であると判定する。

その結果、買物支援システム１００によれば、例えば、読取装置２付近に陳列されている商品９１等、購入対象でない商品９１についての商品情報を読取装置２が読み取ることがあっても、これらの商品９１と購入対象の商品９１とを区別可能となる。そして、買物支援システム１００は、購入対象と判定された商品９１についてのみ、例えば、精算システム３での精算処理の対象とすることで、購入対象でない商品９１が精算処理の対象とされることを抑制できる。よって、買物支援システム１００では、購入対象の誤検出が生じにくい、という利点がある。

また、上述した判定のアルゴリズムは一例に過ぎず、例えば、判定部１２は、以下に説明するように、上記判定条件とは別の判定条件を満たすと判定した場合に、商品９１が購入対象であると判定してもよい。すなわち、例えば、判定部１２は、複数のアンテナ２１１，２１２，２１３の全てが同時に電波を受信したことを条件として、判定条件を満たすと判定してもよい。要するに、各アンテナ２１１，２１２，２１３の指向性が低くなると、図５に例示したような各アンテナ２１１，２１２，２１３での受信信号強度の波形はなだらかな波形となる。その結果、商品通路４１を商品９１が通過する際、アンテナ２１１が電波を受信する期間Ｔ１と、アンテナ２１２が電波を受信する期間Ｔ２と、アンテナ２１３が電波を受信する期間Ｔ３と、の時間差が比較的小さくなる。一方で、商品通路４１を商品９１が通過する際、期間Ｔ１〜Ｔ３の全てが重なる期間は比較的長くなる。そこで、判定部１２は、複数のアンテナ２１１，２１２，２１３の全てが同時に電波を受信したこと、具体的には、期間Ｔ１〜Ｔ３の全てが重なる期間が所定時間以上継続したことをもって、判定条件を満たすと判定する。この場合でも、買物支援システム１００は、商品通路４１を通過する購入対象の商品９１と、例えば、読取装置２付近に陳列されている商品９１等、購入対象でない商品９１とを区別可能である。

次に、本実施形態に係る買物支援システム１００の全体的な動作について図６を参照して説明する。

買物支援システム１００は、まずは顧客９０の入店時に、チェックイン端末５にてチェックイン処理を実行する（Ｓ１）。チェックイン処理においては、チェックイン端末５は、例えば、クレジットカード等の認証を行う（Ｓ２）。認証に成功して決済元が特定されれば（Ｓ２：Ｙｅｓ）、決済元と対応する識別情報が記憶された識別用タグ９４がチェックイン端末５にて発行される（Ｓ３）。認証に失敗すると（Ｓ２：Ｎｏ）、処理Ｓ１に戻る。

顧客９０が、顧客通路４２を通過する際には、商品９１を商品通路４１に通すことによって、無線読取システム１では商品情報の読み取りが行われる。このとき、買物支援システム１００は、まずは強度取得部１１にて受信信号強度（ＲＳＳＩ）を取得する（Ｓ４）。そして、買物支援システム１００は、トリガの有無を判断する（Ｓ５）。すなわち、商品９１が商品通路４１に導入されるまでは、トリガ検知装置６４にてトリガが検知されないため、買物支援システム１００は、トリガ無し、と判断し（Ｓ５：Ｎｏ）、処理Ｓ４に戻る。一方、商品９１が商品通路４１に導入されると、トリガ検知装置６４にてトリガが検知されるため、買物支援システム１００は、トリガ有り、と判断し（Ｓ５：Ｙｅｓ）、判定処理を実行する（Ｓ６）。

判定処理では、買物支援システム１００は、判定部１２にて、商品９１ごとに、受信信号強度の時間経過に伴う変化に基づいて、商品９１が購入対象であるか否かを判定する。買物支援システム１００は、判定処理の結果、購入対象となる商品９１が有るか否かを判断する（Ｓ７）。このとき、購入対象が無いと判断されれば（Ｓ７：Ｎｏ）、買物支援システム１００は、処理Ｓ４に戻る。一方、購入対象が有ると判断されれば（Ｓ７：Ｙｅｓ）、買物支援システム１００は、選択部１５にて、購入対象である商品９１についての商品情報を、識別用タグ９４から読み取られた識別情報と共に精算システム３に出力する（Ｓ８）。

商品情報及び識別情報を受信した精算システム３は、精算処理を実行する（Ｓ９）。買物支援システム１００は、精算システム３での精算処理が完了したか否かを判断する（Ｓ１０）。精算処理が完了していなければ（Ｓ１０：Ｎｏ）、買物支援システム１００は、処理Ｓ９に戻る。一方、商品９１の精算が完了すると、精算システム３はメインコンピュータ１０に対して精算処理の完了の通知を行う。メインコンピュータ１０は、精算処理の完了の通知を受け付けると、精算処理が完了したと判断し（Ｓ１０：Ｙｅｓ）、メインコンピュータ１０のメモリに商品情報に対応付けて記憶される精算済みフラグの値を「１」に変更する（Ｓ１１）。

精算済みフラグは、ゲート装置６１が電子タグ９３から読み取った商品情報について、精算処理が実行されているか否かを判断する際に利用される。すなわち、図４Ｃに示すように、ゲート装置６１は、顧客９０が出口８２を通って店舗８から出る（退店する）際に、顧客９０が持つ容器９２内の商品９１に付された電子タグ９３と、非接触で通信を行う。このとき、ゲート装置６１が電子タグ９３から読み取った商品情報について、精算処理が完了しているか否かは、メインコンピュータ１０のメモリに商品情報に対応付けて記憶される精算済みフラグの値によって判断される。つまり、ゲート装置６１が電子タグ９３から読み取った商品情報に対応する精算済みフラグの値が「１」であれば、この商品９１についての精算処理が完了していると判断されるので、報知装置６２での報知処理は実行されない。一方、ゲート装置６１が電子タグ９３から読み取った商品情報に対応する精算済みフラグの値が「０」であれば、この商品９１についての精算処理が未完了と判断されるので、報知装置６２での報知処理が実行される。

ここで、精算済みフラグの値は、メインコンピュータ１０のメモリに限らず、例えば、ネットワークを介して買物支援システム１００に接続されるサーバ装置又はクラウド（クラウドコンピューティング）上に構築されたデータベースに記憶されてもよい。この場合、ゲート装置６１が電子タグ９３から読み取った商品情報について、精算処理が完了しているか否かは、買物支援システム１００が、例えば、ネットワークを介してデータベースに問い合わせを行うことにより判断される。

さらに、買物支援システム１００は、ゲート装置６１が電子タグ９３から読み取った商品情報について、精算処理が完了していない場合、出口８２の自動扉が開かないように、ゲート装置６１と出口８２の自動扉とを連動させてもよい。

上記より、顧客９０が顧客通路４２を通過する際に商品９１を商品通路４１に通すだけで、買物支援システム１００は購入対象の商品９１を識別することができる。したがって、買物支援システム１００によって買物を効率よく行うことができる。

（３）参考例
図７は、参考例に係る無線読取システム１Ｘを示している。この無線読取システム１Ｘでは、読取装置２Ｘは、一対のゲート型のアンテナ２１Ｘを備えている。読取装置２Ｘでは、商品９１を保持した顧客９０が一対のアンテナ２１Ｘの間を通過する際に、顧客９０が保持している商品９１の商品情報の読み取りを実行する。つまり、参考例に係る無線読取システム１Ｘでは、顧客９０が通過する顧客通路４２と商品９１が通過する商品通路４１とが別々に設けられておらず、一対のアンテナ２１Ｘの間を商品９１が顧客９０ごと通過することになる。本実施形態に係る買物支援システム１００は、このような無線読取システム１Ｘを採用した場合でも、負荷分散方式の買物スタイルを適用可能である。

ただし、参考例に係る無線読取システム１Ｘと、本実施形態に係る無線読取システム１と、の間には以下に説明する相違点がある。

すなわち、参考例に係る無線読取システム１Ｘでは、商品９１と一緒に一対のアンテナ２１Ｘの間を通過する遮蔽物が、商品情報の読み取りを阻害する可能性がある。本開示でいう「遮蔽物」は、読取装置２Ｘにおける電子タグ９３からの受信信号強度を低下させる物体（人体を含む）であればよく、電波を完全に遮断しなくてもよい。遮蔽物の具体例としては、アンテナ２１Ｘと商品９１（電子タグ９３）との間を通過する人（顧客９０を含む）及びその所持品（一例として、鞄、財布及び携帯電話等）がある。図７の例では、アンテナ２１Ｘからの電波の一部が顧客９０に当たって遮蔽される様子を模式的に表している。

また、参考例に係る無線読取システム１Ｘでは、一対のアンテナ２１Ｘの間には少なくとも人（顧客９０）が通過可能なだけの空間を確保する必要がある。そのため、一対のアンテナ２１Ｘの間の空間の全域に一対のアンテナ２１Ｘからの電波を行き届かせるためには、一対のアンテナ２１Ｘからの電波の送信強度を比較的高く設定する必要がある。しかし、電波の送信強度が高くなると、無線読取システム１Ｘの通信可能エリアが拡大されることになる。その結果、例えば、一対のアンテナ２１Ｘの間を通過する商品９１以外の商品９１Ｘについても、読取装置２Ｘにて商品情報を読み取ることがある。そのため、購入対象ではない商品９１Ｘについても、誤って購入対象として検出される可能性がある。図７の例では、読取装置２Ｘ付近に陳列されている商品９１Ｘについて読取装置２Ｘで商品情報が読み取られる様子を模式的に表している。

これに対して、本実施形態に係る無線読取システム１では、商品９１が通過する商品通路４１とは別の顧客通路４２を顧客９０が通過するので、遮蔽物により商品情報の読み取りが阻害される可能性を低減できる。しかも、商品通路４１は商品９１が通過できるだけの空間を確保すればよく、商品通路４１の延長方向に直交する断面の面積は、顧客９０が通過する顧客通路４２に比べて十分に小さくて済む。したがって、アンテナ２１からの電波の送信強度を比較的低く設定することができ、商品通路４１を通過する商品９１以外の商品について、誤って購入対象として検出される可能性を低減できる。

（４）変形例
実施形態１は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態１は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、買物支援システム１００と同様の機能は、買物支援方法、（コンピュータ）プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。

（４．１）第１変形例
本変形例に係る無線読取システムは、図８Ａ〜図８Ｄに例示するように、筐体の形状が実施形態１に係る無線読取システム１と相違する。

図８Ａに示す無線読取システム１Ａでは、筐体４Ａは、商品通路４１の延長方向（商品９１が通過する方向）に直交する断面形状が、上方に開放された略Ｖ字状に形成されている。つまり、筐体４Ａにおいては、商品通路４１を介して互いに対向する一対の側壁は、商品通路４１に面した内側面を斜め上方に向けるように、鉛直方向に対して傾斜している。

図８Ｂに示す無線読取システム１Ｂでは、筐体４Ｂは、商品通路４１の延長方向に直交する断面形状が、上方に開放された略Ｕ字状に形成されている。つまり、筐体４Ｂにおいては、商品通路４１の底面が曲面状に形成されている。

図８Ｃに示す無線読取システム１Ｃでは、筐体４Ｃは、商品通路４１の延長方向に直交する断面形状が、上方に開放された略Ｊ字状に形成されている。つまり、筐体４Ｃにおいては、商品通路４１を介して互いに対向する一対の側壁において、床面から上端部までの高さが異なっている。ここで、低い方の側壁が、商品通路４１と顧客通路４２との境界線上に位置することが好ましい。この構成では、高い方の側壁が、電波を遮蔽するシールドとして機能することで、商品通路４１からの電波の漏洩を抑制することも可能である。

図８Ｄに示す無線読取システム１Ｄでは、筐体４Ｄは、商品通路４１の延長方向に直交する断面形状が、顧客通路４２側に開放された略Ｃ字状に形成されている。つまり、筐体４Ｄにおいては、商品通路４１を介して互いに対向する一対の側壁は、鉛直方向において対向する。

図８Ａ〜図８Ｄに示す筐体の形状は一例に過ぎず、無線読取システムは更に別の形状の筐体を採用してもよい。

（４．２）第２変形例
本変形例に係る無線読取システムは、図９Ａ及び図９Ｂに例示するように、平面視における商品通路４１の形状が実施形態１に係る無線読取システム１と相違する。図９Ａ及び図９Ｂでは、顧客９０及び商品９１の移動経路を矢印で示しているが、これらの矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。

図９Ａに示す無線読取システム１Ｅでは、筐体４Ｅは、平面視において、顧客通路４２の延長方向（顧客９０が通過する方向）に対して蛇行した形状の商品通路４１を有している。具体的には、筐体４Ｅは、商品通路４１の内側面から突出するクッション材４０５Ｅを有している。クッション材４０５Ｅは、第１側壁４０１Ｅにおけるアンテナ２１２との対向部位から突出し、かつ第２側壁４０２Ｅにおけるアンテナ２１１，２１３との対向部位から突出する。この構成によれば、商品通路４１を通過する際に商品９１を収容した容器９２がクッション材４０５Ｅに当たることで、容器９２内で商品９１を移動させることができる。これにより、複数の商品９１の電子タグ９３同士、ある商品９１の電子タグ９３が別の商品９１の金属部分、又は電子タグ９３と識別用タグ９４とが重なっている状態を解消できる。これにより、電子タグ９３からの商品情報の読み取りの確実性が向上する。

図９Ｂに示す無線読取システム１Ｆでは、筐体４Ｆは、平面視において、顧客通路４２から離れる向きに凸となる湾曲形状の商品通路４１を有している。具体的には、第１側壁４０１Ｆ及び第２側壁４０２Ｆの各々が、顧客通路４２から離れる向きに凸となるように湾曲した曲面状に形成されている。この構成によれば、顧客９０は、商品通路４１を通過する容器９２に対して顧客９０を中心とする回転力を与えることで、遠心力を利用して容器９２を浮かせることができ、商品９１の重量が比較的大きい場合でも、容易に商品９１を持ち上げることができる。

（４．３）第３変形例
本変形例に係る無線読取システムは、図１０Ａ及び図１０Ｂに例示するように、商品通路４１の底面の構成が実施形態１に係る無線読取システム１と相違する。図１０Ａ及び図１０Ｂでは、商品９１の移動経路を矢印で示しているが、これらの矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。

図１０Ａに示す無線読取システム１Ｇでは、筐体４Ｇにおける商品通路４１の底面が複数のローラ４０６Ｇにて形成されている。複数のローラ４０６Ｇは水平面に沿って並べて配置されることにより、商品通路４１の底面を構成する。複数のローラ４０６Ｇは、商品通路４１の延長方向に並べて配置され、各々、回転自在な状態で連結部４０３Ｇに保持されている。この例では、商品通路４１の底面の実体はなく、ローラ滑り台の滑走面のように複数のローラ４０６Ｇ上の仮想面が商品通路４１の底面となる。これにより、顧客９０においては、商品９１を商品通路４１の底面上を滑走させながら移動させることができ、商品９１の重量が比較的大きい場合でも、容易に商品９１を移動させることができる。

図１０Ｂに示す無線読取システム１Ｈでは、筐体４Ｈにおける商品通路４１の底面が複数のローラ４０６Ｈにて形成され、かつ商品通路４１の底面が勾配を有している。ここで、商品通路４１の底面は、導入口４１１（図５参照）から排出口４１２（図５参照）に向けて低くなるような勾配を有している。言い換えれば、連結部４０３Ｈの上面は水平面に対して傾斜する傾斜面を含んでいる。これにより、顧客９０においては、商品９１を商品通路４１の底面上を滑走させながら移動させる際に、商品９１の自重を利用して、容易に商品９１を移動させることができる。

（４．４）第４変形例
第４変形例に係る無線読取システム１Ｉは、図１１に示すように、補助機構４０７Ｉを更に備えている。補助機構４０７Ｉは、顧客９０による商品９１の保持を補助する機構であって、図１１の例では、スライド式のフックを有している。図１１では、補助機構４０７Ｉ（フック）の移動経路を矢印で示しているが、この矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。

この補助機構４０７Ｉによれば、商品９１が収容された容器９２をフックに引っ掛けることにより、フックに吊り下げられた状態の商品９１が商品通路４１内に支持される。この状態で、顧客９０がフックのグリップを握り、フック（グリップ）をスライドさせながら顧客通路４２を移動することにより、商品９１が商品通路４１を導入口４１１（図５参照）から排出口４１２（図５参照）に向けて移動する。補助機構４０７Ｉは、第１側壁４０１Ｉ及び第２側壁４０２Ｉのいずれか一方（図１１の例では第２側壁４０２Ｉ）に設けられている。

したがって、顧客通路４２を通過する顧客９０により、フックを介して間接的に保持されている商品９１が、商品通路４１を通過する。このように、補助機構４０７Ｉを設けることにより、商品９１の荷重を補助機構にて受けることができるので、顧客９０の負担を低減することができる。そのため、例えば、歩行が困難で車いすを使用している顧客９０等においても、無線読取システム１Ｉを容易に利用可能となる。補助機構４０７Ｉは、スライド式のフックに限らず、例えば、商品９１を載せるスライド式のステージ等を有してもよい。さらに、補助機構４０７Ｉは、駆動力を発生する駆動源（一例として、電動機等）を有し、駆動力にて商品９１を搬送する構成であってもよい。

（４．５）その他の変形例
以下、第１〜４変形例以外の実施形態１の変形例を列挙する。

本開示における買物支援システム１００は、例えば、メインコンピュータ１０等に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における買物支援システム１００としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路（ＩＣ）又は大規模集積回路（ＬＳＩ）を含む１ないし複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、１つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、１つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。

また、買物支援システム１００における複数の機能が、１つの筐体内に集約されていることは買物支援システム１００に必須の構成ではなく、買物支援システム１００の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、買物支援システム１００の少なくとも一部の機能は、例えば、サーバ装置及びクラウド（クラウドコンピューティング）等によって実現されてもよい。反対に、実施形態１において、複数の装置に分散されている買物支援システム１００の少なくとも一部の機能が、１つの筐体内に集約されていてもよい。

また、買物支援システム１００の用途はコンビニエンスストアに限らず、コンビニエンスストア以外の店舗に買物支援システム１００が設置されていてもよい。

また、電子タグ９３は、パッシブ型のＲＦタグに限らず、アクティブ型のＲＦタグであってもよい。

また、商品９１を収容する容器９２は、袋（レジ袋）に限らず、例えば、かご、バッグ又は箱等であってもよい。

また、顧客９０が商品９１のピックアップと商品９１を容器９２に収容する作業（袋詰めの作業）と、を同時に行うことは、買物支援システム１００に必須の事項でない。例えば、顧客９０は、商品９１のピックアップ後、精算処理の開始までの間に、商品９１を容器９２に収容してもよいし、精算処理後に、商品９１を容器９２に収容してもよい。この場合、商品９１を容器９２に収納する作業は、顧客９０が行わなくてもよく、例えば、商品９１が容器９２に収納された状態で店舗８に陳列されていてもよいし、袋詰装置等を用いて自動的に行われてもよい。

また、読取装置２が複数のアンテナ２１を有することは無線読取システム１に必須の構成ではなく、読取装置２はアンテナ２１を１つのみ有していてもよい。さらに、読取装置２が複数のアンテナ２１を有する場合でも、アンテナ２１の数は３つに限らず、２つ、又は４つ以上であってもよい。また、アンテナ２１の配置についても、実施形態１で示した構成に限らず、例えば、第１側壁４０１及び第２側壁４０２の各々に、アンテナ２１が２つ以上ずつ配置されていてもよい。第１側壁４０１及び第２側壁４０２の一方にのみ、アンテナ２１が配置されていてもよい。さらに、商品通路４１の底面（連結部４０３の上面）にアンテナ２１が配置されていてもよい。

また、筐体４におけるアンテナ２１との対向面は、アンテナ２１からの電波を反射する反射面を含んでいてもよい。これにより、アンテナ２１からの電波を反射して、商品通路４１内の商品９１に付された電子タグ９３に対し、効率的に電波を放射することができる。反射面は、商品通路４１の開口面（実施形態１では上面）とは反対側（実施形態１では下方）に向けて、電波を反射することが好ましい。

また、実施形態１では、顧客通路４２を通過する顧客９０から見て右手側に商品通路４１が位置するが、この構成に限らず、例えば、顧客通路４２を通過する顧客９０から見て左手側に商品通路４１が位置してもよい。

また、チェックイン処理にて識別用タグ９４が発行されることは、買物支援システム１００に必須の構成ではなく、例えば、チェックイン処理にて識別用タグ９４のアクティベート（activate）、つまり有効化が行われてもよい。本開示でいう「アクティベート（有効化）」は、精算処理に使用できない状態の識別用タグ９４を、精算処理に使用可能な状態とすることを意味する。例えば、識別情報が記憶されている識別用タグ９４について無線読取システム１での識別情報の読み取りを許可すること、識別情報について精算処理での使用を許可すること、又は識別用タグ９４に識別情報を書き込むこと等によってアクティベートが実現される。この場合、識別用タグ９４は、例えば、顧客９０が所有する携帯情報端末（スマートフォン又はタブレット端末等）、又はＩＣカード等で代替することが可能である。

また、無線読取システム１及び精算システム３を備える買物支援システム１００が、負荷分散方式の買物スタイルを適用することは、買物支援システム１００に必須の構成ではない。すなわち、買物支援システム１００は、商品情報の読み取り後の精算処理において、顧客９０が決済を実行する「負荷集中方式」の買物スタイルを適用してもよい。負荷集中方式の買物スタイルを適用する場合、買物支援システム１００からチェックイン端末５が省略される。この場合、商品情報の読み取り後に決済が行われるため、例えば、クレジットカード、プリペイドカード又は電子マネー等の読み取り機能（カードリーダ）が、無線読取システム１に設けられていてもよい。特に、カードリーダは、筐体４において顧客通路４２と商品通路４１との境界線上に位置する第２側壁４０２等、顧客通路４２に面した位置に配置されていることが好ましい。

また、第１側壁４０１及び第２側壁４０２がそれぞれ床面に対して垂直に立ち上がる形状であることは、無線読取システム１に必須の構成ではない。例えば、第１側壁４０１及び第２側壁４０２は、垂直面（床面に対して垂直な平面）に対して傾斜していてもよい。

また、読取装置２は、商品９１が容器９２に収容された状態で、商品９１に付された電子タグ９３から商品情報を読み取る構成に限らず、容器９２に収容されていない状態の商品９１の電子タグ９３から商品情報を読み取ってもよい。この場合、読取装置２で商品情報が読み取られた後、商品９１は容器９２に収容されてもよいし、容器９２に収容されなくてもよい。

また、メインコンピュータ１０が精算システム３と通信可能であることは、買物支援システム１００に必須の構成ではなく、メインコンピュータ１０が精算システム３と通信可能でなくてもよい。例えば、メインコンピュータ１０自体に、商品情報に基づいて商品９１についての精算処理を行う機能があってもよい。

また、買物支援システム１００は、商品９１に付された電子タグ９３に対して書込情報の書き込みを行う書込装置を更に備えていてもよい。具体的には、電子タグ９３を対象にしてデータ（情報）の読み取り及び書き込みが可能なリーダライタからなる読取装置２が、書込装置に兼用されてもよい。書込装置は、一例として、電子タグ９３が付された商品９１について精算処理が完了していることを表す清算済み情報を電子タグ９３に書き込む。この場合に、ゲート装置６１にて精算済み情報が電子タグ９３に書き込まれているか否かを判断し、精算済み情報が書き込まれていなければ報知装置６２にて報知を行うことが可能である。すなわち、書込装置にて、いわゆる「キルタグ」の機能を実現する場合には、メインコンピュータ１０にて精算済みフラグの値を「１」にする処理を実行しなくても、店舗から持ち出される商品９１について、精算処理が正常に完了していることを確認可能である。

また、トリガ検知装置６４は買物支援システム１００に必須の構成ではなく、メインコンピュータ１０は、例えば、入力装置３２が顧客９０の特定の操作を受け付けたことをトリガにして、判定部１２での判定処理を開始してもよい。つまり、判定処理の開始タイミングは、対物センサ等によって自動で決定される構成に限らず、顧客９０の操作にて決定されてもよい。

また、アンテナ２１は、円偏波に限らず、例えば、楕円偏波又は直線偏波等のアンテナであってもよい。

（実施形態２）
本実施形態に係る買物支援システム１００Ｊは、図１２に示すように、精算システム３Ｊの入力装置３２の配置が実施形態１に係る買物支援システム１００と相違する。以下、実施形態１と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。

すなわち、本実施形態に係る精算システム３Ｊは、顧客９０の操作を受け付ける入力装置３２を有する。入力装置３２は、顧客通路４２を挟んで、商品通路４１の反対側に配置されている。言い換えれば、入力装置３２は、無線読取システム１Ｊの筐体４上に設けられるのではなく、顧客通路４２を挟んで、無線読取システム１Ｊの筐体４側に向けて配置されている。つまり、商品通路４１と入力装置３２との間に顧客通路４２が位置する。具体的には、精算システム３Ｊにおける表示装置３１及び入力装置３２はタッチパネルディスプレイとして一体化され、顧客通路４２を通過する顧客９０から見て商品通路４１の前方、つまり商品通路４１の排出口４１２より先に配置されている。表示装置３１及び入力装置３２は、顧客通路４２側に向けて設置されている。

これにより、商品通路４１を商品９１が通過し終わってから、顧客９０が表示装置３１及び入力装置３２の正面に到達することになる。しかも、精算システム３Ｊにおける表示装置３１及び入力装置３２は、顧客通路４２を通過する顧客９０から見て商品通路４１とは反対側に位置する。図１２の例では、顧客通路４２を通過する顧客９０から見て右手側に商品通路４１が位置し、左手側に精算システム３Ｊが位置する。したがって、顧客９０は、一方の手（図１２では右手）で商品９１を持った状態で、他方の手（図１２では左手）で入力装置３２を操作することができる。その結果、顧客９０は商品９１を持ち替えることなく、入力装置３２を操作することができ、より素通りに近い形で精算処理を終えることができる。

実施形態２で説明した構成は、実施形態１で説明した種々の構成（変形例を含む）と適宜組み合わせて適用可能である。

（実施形態３）
本実施形態に係る買物支援システム１００は、識別用タグ９４が容器９２と一体化されている点で、実施形態１に係る買物支援システム１００と相違する。以下、実施形態１と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。

すなわち、本実施形態に係る買物支援システム１００では、決済元と対応する識別情報が記憶された識別用タグ９４が、商品９１を収容する容器９２と一体化されている。本実施形態では、容器９２は、入店時に配布されるのではなく、一例として、エコバッグ等の顧客９０の所有物である。識別用タグ９４は、この容器９２に、例えば、縫い付けられることにより一体化されている。そのため、チェックイン処理では、識別用タグ９４の発行に代えて、容器９２と一体化されている識別用タグ９４のアクティベート、つまり有効化が行われる。

この構成によれば、チェックイン端末５での識別用タグ９４の発行が不要になるので、チェックイン端末５の簡略化を図ることができる。さらに、識別用タグ９４は容器９２と共に再利用可能となる。

実施形態３で説明した構成は、実施形態１又は実施形態２で説明した種々の構成（変形例を含む）と適宜組み合わせて適用可能である。

（まとめ）
以上説明したように、第１の態様に係る無線読取システム（１，１Ａ〜１Ｊ）は、商品通路（４１）と、読取装置（２）と、を備える。商品通路（４１）は、顧客通路（４２）を通過する顧客（９０）が保持している商品（９１）を通過させる。読取装置（２）は、商品通路（４１）を商品（９１）が通過中に、商品（９１）に付された電子タグ（９３）と電波を媒体とする無線通信を行うことにより商品（９１）に関する商品情報を読み取る。

この態様によれば、商品（９１）を保持した顧客（９０）が顧客通路（４２）を通過する際、商品（９１）が商品通路（４１）を通過することで、この商品（９１）に関する商品情報が読取装置（２）にて読み取られることになる。そのため、読取装置（２）にて商品（９１）の商品情報を読み取るに際し、顧客（９０）においては、商品（９１）を保持した状態で顧客通路（４２）を通過すればよい。したがって、顧客（９０）は、読取装置（２）の前で立ち止まる必要がなく、読取装置（２）の前を素通りするような動作で、読取装置（２）での商品情報の読み取りを実現することができる。結果的に、無線読取システム（１，１Ａ〜１Ｊ）によれば、商品（９１）の購入のための顧客（９０）の待ち時間の短縮を図ることができる。

第２の態様に係る無線読取システム（１，１Ａ〜１Ｊ）は、第１の態様において、商品通路（４１）は、顧客通路（４２）に沿って延びている。

この態様によれば、顧客通路（４２）に沿って延びた商品通路（４１）に商品（９１）を通過させればよいので、顧客（９０）が顧客通路（４２）を通過する際、顧客（９０）と商品（９１）との距離を大きく変える必要がない。したがって、商品（９１）を保持する顧客（９０）の姿勢に無理が生じにくい。

第３の態様に係る無線読取システム（１，１Ａ〜１Ｊ）は、第１又は２の態様において、顧客（９０）の動きを検知する顧客検知装置（６３）の検知結果に応じて商品情報の読み取りを実行する。

この態様によれば、例えば、商品（９１）の動きに、顧客（９０）の動きと相関がある場合に、商品情報の読み取りを実行することで、購入対象以外の商品から誤って商品情報が読み取られることを低減できる。

第４の態様に係る無線読取システム（１，１Ａ〜１Ｊ）は、第１〜３のいずれかの態様において、読取装置（２）は、電波を受信可能な複数のアンテナ（２１１，２１２，２１３）を有する。

この態様によれば、複数のアンテナ（２１１，２１２，２１３）で電波を受信することで、商品情報の読み取りの失敗の低減を図ることができる。

第５の態様に係る無線読取システム（１，１Ａ〜１Ｊ）は、第４の態様において、識別部（１４）を更に備える。識別部（１４）は、複数のアンテナ（２１１，２１２，２１３）のうちの２以上のアンテナ（２１）が電波を受信した場合に、２以上のアンテナ（２１）の中での電波を受信した順序を識別する。複数のアンテナ（２１１，２１２，２１３）は、商品通路（４１）を商品（９１）が通過する方向に並べて配置されている。

この態様によれば、例えば、識別部（１４）の識別結果から商品（９１）の移動の向きを特定することができ、購入対象以外の商品から誤って商品情報が読み取られることを低減できる。

第６の態様に係る買物支援システム（１００，１００Ｊ）は、第１〜５のいずれかの態様に係る無線読取システム（１，１Ａ〜１Ｊ）と、商品情報に基づいて精算処理を行う精算システム（３，３Ｊ）と、を備える。

この態様によれば、商品（９１）を保持した顧客（９０）が顧客通路（４２）を通過する際、商品（９１）が商品通路（４１）を通過することで、この商品（９１）に関する商品情報が読取装置（２）にて読み取られることになる。そのため、読取装置（２）にて商品（９１）の商品情報を読み取るに際し、顧客（９０）においては、商品（９１）を保持した状態で顧客通路（４２）を通過すればよい。したがって、顧客（９０）は、読取装置（２）の前で立ち止まる必要がなく、読取装置（２）の前を素通りするような動作で、読取装置（２）での商品情報の読み取りを実現することができる。結果的に、買物支援システム（１００，１００Ｊ）によれば、商品（９１）の購入のための顧客（９０）の待ち時間の短縮を図ることができる。

第７の態様に係る買物支援システム（１００，１００Ｊ）は、第６の態様において、精算システム（３，３Ｊ）は、顧客（９０）の操作を受け付ける入力装置（３２）を有する。読取装置（２）と入力装置（３２）とは１つの筐体（４，４Ａ〜４Ｉ）に設けられている。

この態様によれば、精算システム（３，３Ｊ）の入力装置（３２）と無線読取システム（１，１Ａ〜１Ｊ）の読取装置（２）との対応関係が明確になる。したがって、例えば、買物支援システム（１００，１００Ｊ）が複数並んでいる場合に、顧客（９０）においては、いずれの買物支援システム（１００，１００Ｊ）の精算システム（３，３Ｊ）で精算処理をすべきか容易に理解できる。

第８の態様に係る買物支援システム（１００，１００Ｊ）は、第６の態様において、精算システム（３，３Ｊ）は、顧客（９０）の操作を受け付ける入力装置（３２）を有する。入力装置（３２）は、顧客通路（４２）を挟んで、商品通路（４１）の反対側に配置されている。

この態様によれば、顧客（９０）は、一方の手で商品（９１）を持った状態で、他方の手で入力装置（３２）を操作することができる。その結果、顧客（９０）は商品（９１）を持ち替えることなく、入力装置（３２）を操作することができ、より素通りに近い形で精算処理を終えることができる。

また、第９の態様に係る買物支援システム（１００，１００Ｊ）は、商品（９１）に付された電子タグ（９３）から商品情報を読み取る無線読取システム（１，１Ａ〜１Ｊ，１Ｘ）と、商品情報に基づいて精算処理を行う精算システム（３，３Ｊ）と、を備える。買物支援システム（１００，１００Ｊ）は、無線読取システム（１，１Ａ〜１Ｊ，１Ｘ）にて、購入対象の商品（９１）に付された電子タグ（９３）、及び決済元と対応する識別情報が記憶された識別用タグ（９４）から、商品情報と識別情報とをまとめて読み取る。精算システム（３，３Ｊ）は、商品情報及び識別情報を無線読取システム（１，１Ａ〜１Ｊ，１Ｘ）から取得して精算処理を実行する。

この態様によれば、精算処理に係る顧客（９０）の負荷を時間的に分散させた負荷分散方式の買物スタイルを実現できる。これにより、無線読取システム（１，１Ａ〜１Ｊ，１Ｘ）での商品情報の読み取りから精算システム（３，３Ｊ）での精算処理の完了までの顧客（９０）の負荷が低減され、よりスムーズな顧客（９０）の買物を支援することができる。結果的に、商品（９１）の購入のための顧客（９０）の待ち時間の短縮を図ることができる。

第１０の態様に係る買物支援システム（１００，１００Ｊ）は、第９の態様において、識別用タグ（９４）を使用可能な時間と、識別用タグ（９４）を精算処理に使用可能な回数と、の少なくとも一方に制限を設ける。

第１１の態様に係る買物支援システム（１００，１００Ｊ）は、第９又は１０の態様において、精算処理の開始前のチェックイン処理にて、識別用タグ（９４）を発行する。

第１２の態様に係る買物支援システム（１００，１００Ｊ）は、第９又は１０の態様において、精算処理の開始前のチェックイン処理にて、識別用タグ（９４）を有効化する。

第９〜１２の態様については、それ単独でも実施し得る態様であって、第１〜８のいずれかの態様を前提とすることは必須ではない。すなわち、第９の態様に係る買物支援システム（１００，１００Ｊ）では、例えば、図７に参考例として示したように、読取装置２Ｘが一対のゲート型のアンテナ２１Ｘを備える無線読取システム１Ｘも適用可能である。

また、第１〜８の態様についても、それ単独でも実施し得る態様であって、第９〜１２のいずれかの態様を前提とすることは必須ではない。すなわち、第６の態様に係る買物支援システム（１００，１００Ｊ）では、負荷分散方式の買物スタイルを適用することは必須ではない。

第２〜５の態様に係る構成については、第１の態様に係る無線読取システム（１，１Ａ〜１Ｊ）に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。

第７及び８の態様に係る構成については、第６の態様に係る買物支援システム（１００，１００Ｊ）に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。

第１０〜１２の態様に係る構成については、第９の態様に係る買物支援システム（１００，１００Ｊ）に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。

第９〜１２の態様に係る構成については、第６〜８の態様に係る買物支援システム（１００，１００Ｊ）と適宜組み合わせ可能である。

１，１Ａ〜１Ｊ，１Ｘ 無線読取システム
２，２Ｘ 読取装置
３，３Ｊ 精算システム
１４ 識別部
２１，２１１，２１２，２１３ アンテナ
４１ 商品通路
４２ 顧客通路
６３ 顧客検知装置
９１ 商品
９０ 顧客
９３ 電子タグ

Claims (8)

1. 顧客通路を通過する顧客が保持している商品を通過させる商品通路と、
   前記商品通路を前記商品が通過中に、前記商品に付された電子タグと電波を媒体とする無線通信を行うことにより前記商品に関する商品情報を読み取る読取装置と、を備える
   無線読取システム。
2. 前記商品通路は、前記顧客通路に沿って延びている
   請求項１に記載の無線読取システム。
3. 前記顧客の動きを検知する顧客検知装置の検知結果に応じて前記商品情報の読み取りを実行する
   請求項１又は２に記載の無線読取システム。
4. 前記読取装置は、前記電波を受信可能な複数のアンテナを有する
   請求項１〜３のいずれか１項に記載の無線読取システム。
5. 前記複数のアンテナのうちの２以上のアンテナが前記電波を受信した場合に、前記２以上のアンテナの中での前記電波を受信した順序を識別する識別部を更に備え、
   前記複数のアンテナは、前記商品通路を前記商品が通過する方向に並べて配置されている
   請求項４に記載の無線読取システム。
6. 請求項１〜５のいずれか１項に記載の無線読取システムと、
   前記商品情報に基づいて精算処理を行う精算システムと、を備える
   買物支援システム。
7. 前記精算システムは、前記顧客の操作を受け付ける入力装置を有し、
   前記読取装置と前記入力装置とは１つの筐体に設けられている
   請求項６に記載の買物支援システム。
8. 前記精算システムは、前記顧客の操作を受け付ける入力装置を有し、
   前記入力装置は、前記顧客通路を挟んで、前記商品通路の反対側に配置されている
   請求項６に記載の買物支援システム。

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