WO2019186773A1

WO2019186773A1 - 熱交換器の固定構造および空気調和機の室内機

Info

Publication number: WO2019186773A1
Application number: PCT/JP2018/012774
Authority: WO
Inventors: 悠太相羽
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2018-03-28
Filing date: 2018-03-28
Publication date: 2019-10-03

Abstract

熱交換器の固定構造は、熱交換器と熱交換器固定板とを固定する差込固定部材を備える。熱交換器固定板は、熱交換器の端部に対向するベース板と、差込固定部材が差し込まれる入口穴が形成された入口壁と、差込固定部材が差し込まれる出口穴が形成された出口壁とを備え、入口壁と出口壁とは、互いに間隔を空けてベース板に立設されており、入口壁と出口壁との間に位置するベース板の部分に、Ｕ字管が挿入される貫通穴を有する。そして、差込固定部材が、入口穴と、貫通穴に挿入されたＵ字管の内側の空間と、出口穴とに差し込まれることによって熱交換器と熱交換器固定板とが固定される。

Description

熱交換器の固定構造および空気調和機の室内機

　この発明は、空気調和機の室内機に備えられた熱交換器を熱交換器固定板に固定する熱交換器の固定構造および空気調和機の室内機に関するものである。

　従来より、熱交換器は、熱交換器の左右端部の少なくとも一方に配置された熱交換器固定板に固定され、熱交換器固定板が室内機の筐体に固定されることで、室内機内に保持されている（例えば、特許文献１参照）。そして、特許文献１では、熱交換器を結束バンドで熱交換器固定板に締め付けて固定している。

特開２０１７－９６５２６号公報

　特許文献１において、結束バンドの締め付け作業は作業者によって行われる。このため、締め付け力にばらつきが多く、締め付け力が弱い場合には熱交換器が熱交換器固定板に対してがたつくなど、信頼性の面で改善が必要であった。

　本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、信頼性の高い固定を実現できる熱交換器の固定構造および空気調和機の室内機を得ることを目的とする。

　この発明に係る熱交換器の固定構造は、互いに間隔を空けて配置された複数のフィンと、複数のフィンを貫通する複数の伝熱管と、隣接する伝熱管の端部を相互に接続している複数のＵ字管とを有する熱交換器を、熱交換器の端部に配置される熱交換器固定板に固定する熱交換器の固定構造であって、熱交換器と熱交換器固定板とを固定する差込固定部材を備え、熱交換器固定板は、熱交換器の端部に対向するベース板と、差込固定部材が差し込まれる入口穴が形成された入口壁と、差込固定部材が差し込まれる出口穴が形成された出口壁とを備え、入口壁と出口壁とは、互いに間隔を空けてベース板に立設されており、入口壁と出口壁との間に位置するベース板の部分に、Ｕ字管が挿入される貫通穴を有し、差込固定部材が、入口穴と、貫通穴に挿入されたＵ字管の内側の空間と、出口穴とに差し込まれることによって熱交換器と熱交換器固定板とが固定されるものである。

　この発明によれば、差込固定部材を熱交換器固定板の入口穴、Ｕ字管の内側の空間および熱交換器固定板の出口穴に差し込むだけで熱交換器と熱交換器固定板とを固定できるため、個人差なく適切に固定でき、信頼性の高い固定を実現できる。

この発明の実施の形態１に係る空気調和機の室内機の分解斜視図である。この発明の実施の形態１に係る空気調和機の室内機の室内機全体の断面図である。この発明の実施の形態１に係る空気調和機の室内機の熱交換器と熱交換器固定板との固定部分を左側方から見た図である。図３の左側面図である。この発明の実施の形態１に係る空気調和機の室内機において、熱交換器と熱交換器固定板との固定に用いられる差込固定部材の斜視図である。この発明の実施の形態１に係る空気調和機の室内機の熱交換器固定板を表面側から見た斜視図である。この発明の実施の形態１に係る空気調和機の室内機の熱交換器固定板を裏面側から見た斜視図である。この発明の実施の形態１に係る空気調和機の室内機において、差込固定部材の固定部分の縦断面図である。図４のＡ－Ａ断面図である。図４のＢ－Ｂ断面図である。この発明の実施の形態１に係る空気調和機の室内機において、差込固定部材の固定部分を出口穴の出口側から見た図である。

　以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略または簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさおよび配置等は、この発明の範囲内で適宜変更することができる。

＜実施の形態１．＞
　図１は、この発明の実施の形態１に係る空気調和機の室内機の分解斜視図である。図２は、この発明の実施の形態１に係る空気調和機の室内機の室内機全体の断面図である。図３は、この発明の実施の形態１に係る空気調和機の室内機の熱交換器と熱交換器固定板との固定部分を左側方から見た図である。図４は、図３の左側面図である。なお、以下の説明で用いる、前面、上面、左右側面は、室内機を図１の意匠パネル３側から見た方向を意味している。

　この室内機は、冷媒を循環させる冷凍サイクルを利用することで、室内等の空調対象域に空調空気を供給するものである。室内機の筐体１は、壁面に取り付けられる基台２と、基台２の前面に取り付けられる意匠パネル３とを備えている。筐体１内には、熱交換器４、送風ファン５および電気品６を備えている。筐体１内にはさらに、熱交換器４の下部に、熱交換器４の結露水を回収するドレンパン組立体７を備えている。

　図２に示すように、意匠パネル３の上面には、送風ファン５の回転で生じる空気流の室内機への入口となる吸込口３ａが形成され、意匠パネル３の下部には、その空気流の出口となる吹出口３ｂが形成されている。吹出口３ｂには、吹き出し風の風向を制御する上下風向調整板８が設けられている。そして、吸込口３ａから吹出口３ｂに至る風路の途中に、空気流でいうと上流側に熱交換器４、下流側に送風ファン５が配置されている。送風ファン５は、クロスフローファンの回転軸線が室内機１本体の左右方向となるように水平に設置され、その送風ファン５の上流側を囲うように熱交換器４が設置される。

　熱交換器４は、吸込口３ａから吸い込まれた室内空気と冷媒との熱交換を行い、室内空気を冷気または暖気とするものである。熱交換器４は、フィンアンドチューブ型であり、互いに間隔を空けて配置された複数のフィン４０と、複数のフィン４０を貫通する複数の伝熱管４１と、隣接する伝熱管４１の端部を相互に接続するＵ字管４２（図３参照）とを備えている。熱交換器４は、この例では図１に示すように熱交換器４の左側面部が熱交換器固定板９に固定されて基台２に固定され、右側面部は、ネジ留め等により基台２に固定される。熱交換器４と熱交換器固定板９との固定構造については後で詳述する。

　以上のように構成された室内機において、送風ファン５が回転すると、吸込口３ａより室内空気が吸込まれ、吸込まれた室内空気が熱交換器４を通過して冷気または暖気とされる。そして、その冷気または暖気とされた空気は、上下風向調整板８により風向の調整がされて室内に吹き出されるようになっている。

　この実施の形態１の特徴とする構成としては、熱交換器４と熱交換器固定板９とを固定するにあたり、差込固定部材２０（図３参照）を用いたことにある。以下、差込固定部材２０を用いた、熱交換器４の固定構造について詳細に説明する。まず、差込固定部材２０の構造について次の図５を用いて説明する。

　図５は、この発明の実施の形態１に係る空気調和機の室内機において、熱交換器と熱交換器固定板との固定に用いられる差込固定部材の斜視図である。
　差込固定部材２０は、棒状の軸部２１と、一対の係止片２２と、ストッパー部２３とから構成されている。軸部２１は、Ｕ字管４２の内側に沿うように断面形状が半円形状に形成されている。「半円形状」には、円弧の両端を直線で繋いだ形状、およびＵ字状の曲線の両端を直線で繋いだ形状を含んでいる。以下に詳述するが、軸部２１はＵ字管４２の内側の空間４２ａ（後述の図１０参照）に差し込まれるため、軸部２１の断面形状は、要するにＵ字管４２の内側の形状に沿う形状に形成されていればよい。

　ストッパー部２３は、軸部２１の一端に設けられており、差込固定部材２０の差し込み完了位置を定めるものである。ストッパー部２３は、熱交換器固定板９の入口穴９３ａ（図３参照）を通り抜けない大きさの長方形の板状に形成されている。ストッパー部２３の形状は、入口穴９３ａを通り抜けない形状または大きさになっていればよく、その形状は図示のものに限定されない。

　一対の係止片２２は、軸部２１の他端に設けられており、軸方向に延びて先端部に互いに反対側を向いた傾斜形状の一対の爪２２ａが形成された構成を有する。図５では一対の係止片２２が１組形成されているが、必要に応じて複数組形成してもよい。ストッパー部２３は、熱交換器固定板９の入口穴９３ａ（図３参照）を通り抜けない大きさの長方形の板状に形成されており、差込固定部材２０の差し込み完了位置を定めるものである。ストッパー部２３は、入口穴９３ａを通り抜けない形状または大きさになっていればよく、その形状は図示のものに限定されない。

　図６は、この発明の実施の形態１に係る空気調和機の室内機の熱交換器固定板を表面側から見た斜視図である。図７は、この発明の実施の形態１に係る空気調和機の室内機の熱交換器固定板を裏面側から見た斜視図である。なお、熱交換器固定板９において裏面側とは、熱交換器４の左側面部と対向する側であり、表面側とは、その反対側である。

　熱交換器固定板９は樹脂製であり、熱交換器４の左側面部に裏面が対向するベース板９１と、入口壁９３と、出口壁９４とを有する。入口壁９３と出口壁９４とは、互いに間隔を空けてベース板９１に立設されている。なお、差込固定部材２０の差し込み方向の手前側が入口壁９３であり、奥側が出口壁９４である。そして、入口壁９３と出口壁９４との間に位置するベース板９１の部分に、Ｕ字管４２が挿入される貫通穴９２が形成されている。出口壁９４は、互いに間隔を空けてベース板９１に立設された、第１壁９４ａと第２壁９４ｂとから構成されている。なお、出口壁９４は、第１壁９４ａと第２壁９４ｂとの２つに限られたものではなく、１つでもよい。

　入口壁９３および出口壁９４にはそれぞれ、差込固定部材２０が差し込まれる穴が形成されている。具体的には、入口壁９３には入口穴９３ａが形成されている。入口穴９３ａは、差込固定部材２０の軸部２１の外形に沿う半円形状に形成されている。出口壁９４を構成する第１壁９４ａおよび第２壁９４ｂのそれぞれには、差込固定部材２０の一対の係止片２２が挿入される出口穴９５が形成されている。

　以下、差込固定部材２０を用いた固定部分の詳細を図８～図１０に示す。図８は、この発明の実施の形態１に係る空気調和機の室内機において、差込固定部材の固定部分の縦断面図である。図９は、図４のＡ－Ａ断面図である。図１０は、図４のＢ－Ｂ断面図である。図１１は、この発明の実施の形態１に係る空気調和機の室内機において、差込固定部材の固定部分を出口穴の出口側から見た図である。

　熱交換器固定板９に熱交換器４を固定する際には、差込固定部材２０を熱交換器固定板９の入口壁９３に形成された入口穴９３ａから差し込む。そして、ストッパー部２３が入口壁９３の外面に当接するまで差込固定部材２０が差し込まれると、軸部２１がＵ字管４２の内側の空間４２ａに差し込まれる。また、一対の係止片２２の爪２２ａが出口壁９４の出口穴９５を通り抜け、出口穴９５の出口側の縁に引っ掛かる。この状態では、差込固定部材２０の軸部２１がＵ字管４２の内側の空間４２ａに嵌合する。このため、Ｕ字管４２が上下に移動することを阻止でき、安定した固定状態とすることができる。また、一対の係止片２２の爪２２ａが出口穴９５の出口側の縁に引っ掛かるため、差し込み方向と逆方向に差込固定部材２０が抜けることを防止でき、固定状態を安定して維持できる。

　以上説明したように、この実施の形態１によれば差込固定部材２０を用いて入口穴９３ａ、Ｕ字管４２の内側の空間４２ａおよび出口穴９５に差し込むだけで熱交換器４と熱交換器固定板９とを固定できる。このため、熱交換器４と熱交換器固定板９との固定作業を個人差なく適切且つ確実に行うことが可能となり、信頼性の高い固定を実現できる。つまり、固定する力のばらつきを抑えることができ、熱交換器４が熱交換器固定板９に対してがたつくといった不都合を防止できる。

　また、従来の結束バンドを用いた固定構造では、締め付け後の不要な結束バンド部分を工具で切断する作業が必要であり、手間を要する。しかし、この実施の形態１では切断作業は不要であり、固定作業を簡略化でき、作業性に優れた固定構造を得ることができる。また、結束バンドの切断作業は作業者による作業となるため、作業時に工具で伝熱管などの周辺部品を傷つけるなど、信頼性および作業性の点で問題がある。しかし、この実施の形態１では工具を必要としない。このため、周辺部品を傷つける心配もない。よって、信頼性に優れた固定構造を得ることができる。

　また、差込固定部材２０を差し込む際には、ストッパー部２３が入口壁９３の外面に当接するまで差し込めばよいため、差し込み量に個人差が生じることを防止できる。よって、熱交換器４と熱交換器固定板９との固定作業を個人差なく適切且つ確実に行うことができる。

　また、差込固定部材２０の一対の係止片２２の爪２２ａが出口穴９５の出口側の縁に引っ掛かるため、差し込み方向と逆方向に差込固定部材２０の抜けることを防止でき、固定状態を安定して維持できる。

　また、出口壁９４は、互いに間隔を空けてベース板９１に立設した、第１壁９４ａと第２壁９４ｂとから構成されているため、壁１枚で構成するよりも、固定を強固にできる。

　なお、差込固定部材２０の本数を、この実施の形態１では１本としているが、室内機の製品重量および作業性などに応じてさらに複数本としてもよい。入口穴９３ａおよび出口穴９５は、差込固定部材２０が１本に対し、１つずつ必要であるため、差込固定部材２０の本数を増やす場合は、その本数に応じて入口穴９３ａおよび出口穴９５の数も増やすことになる。

　また、ここでは、伝熱管４１が１列の構成であるが、２列以上の構成であっても本実施の形態１の固定構造を適用できる。すなわち、差込固定部材２０の軸部２１の長さを長くして２列の伝熱管４１のそれぞれのＵ字管４２の内側の空間に順次、軸部２１を通し、１本の差込固定部材２０でまとめて固定するようにすればよい。

　また、上記したこの発明の構成は、上記実施の形態に限るものではない。例えば、熱交換器固定板の外型形状などは熱交換器４の側壁部の形状に応じて適宣設定すればよい。

　１　筐体、２　基台、３　意匠パネル、３ａ　吸込口、３ｂ　吹出口、４　熱交換器、５　送風ファン、６　電気品、７　ドレンパン組立体、８　上下風向調整板、９　熱交換器固定板、２０　差込固定部材、２１　軸部、２２　係止片、２２ａ　爪、２３　ストッパー部、４０　フィン、４１　伝熱管、４２　Ｕ字管、４２ａ　空間、９１　ベース板、９２　貫通穴、９３　入口壁、９３ａ　入口穴、９４　出口壁、９４ａ　第１壁、９４ｂ　第２壁、９５　出口穴。

Claims

　互いに間隔を空けて配置された複数のフィンと、前記複数のフィンを貫通する複数の伝熱管と、隣接する前記伝熱管の端部を相互に接続している複数のＵ字管とを有する熱交換器を、前記熱交換器の端部に配置される熱交換器固定板に固定する熱交換器の固定構造であって、
　前記熱交換器と前記熱交換器固定板とを固定する差込固定部材を備え、
　前記熱交換器固定板は、
　前記熱交換器の端部に対向するベース板と、
　前記差込固定部材が差し込まれる入口穴が形成された入口壁と、
　前記差込固定部材が差し込まれる出口穴が形成された出口壁とを備え、
　前記入口壁と前記出口壁とは、互いに間隔を空けて前記ベース板に立設されており、前記入口壁と前記出口壁との間に位置する前記ベース板の部分に、前記Ｕ字管が挿入される貫通穴を有し、
　前記差込固定部材が、前記入口穴と、前記貫通穴に挿入された前記Ｕ字管の内側の空間と、前記出口穴とに差し込まれることによって前記熱交換器と前記熱交換器固定板とが固定される熱交換器の固定構造。
　前記差込固定部材は、
　半円形状の断面形状を有する軸部と、
　前記軸部の一端に設けられ、前記入口穴を通り抜けない形状または大きさに構成されたストッパー部とを有し、
　前記差込固定部材を、前記入口穴と、前記空間と、前記出口穴とに差し込んだ際に前記ストッパー部が前記入口壁の外面に当接して差し込み完了位置が定まる請求項１記載の熱交換器の固定構造。
　前記差込固定部材は、前記軸部の他端に設けられ、前記軸部の軸方向に延びる一対の係止片を備え、前記一対の係止片の先端部には、前記出口穴の出口側の縁に引っ掛かる爪が形成されており、前記一対の係止片が前記出口穴を通り抜けて前記出口穴の出口側の縁に前記爪が引っ掛かることにより前記差込固定部材の差し込み方向と逆方向の抜けが防止される請求項２記載の熱交換器の固定構造。
　前記出口壁は、互いに間隔を空けて前記ベース板に立設した、第１壁と第２壁とから構成されている請求項１～請求項３のいずれか一項に記載の熱交換器の固定構造。
　請求項１～請求項４のいずれか一項に記載の熱交換器の固定構造を備えた空気調和機の室内機。