WO2019102639A1

WO2019102639A1 - 補助車輪、補助車輪発電システム、および移動体発電システム

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Publication number: WO2019102639A1
Application number: PCT/JP2018/025821
Authority: WO
Inventors: 正昭平井; 浩典加藤
Original assignee: 正昭平井
Priority date: 2017-11-27
Filing date: 2018-07-09
Publication date: 2019-05-31

Abstract

【課題】移動体に補助車輪を取り付けることにより、移動中に常時エネルギーを蓄積することが可能となる補助車輪を提供する。【解決手段】回転電機を設けた車輪と、移動体への取付ベース部材と、緩衝リンク部材と、衝撃吸収部材（ダンパー部材）とからなり、前記回転電機を内蔵する車輪と前記緩衝リンク部材の一部を接続し、前記緩衝リンク部材の一部と前記移動体への取付ベース部材の一部を接続し、前記衝撃吸収部材の一部と前記移動体への取付ベース部材の一部を接続し、前記衝撃吸収部材の一部と前記緩衝リンク部材の一部を接続してなる、移動体に取り付ける補助車輪。

Description

補助車輪、補助車輪発電システム、および移動体発電システム

本発明は、回転電機を設けた補助車輪、補助車輪などからなる補助車輪発電システム、およびこれらを搭載した移動体発電システムに関する。

近年の車両駆動用電動機を搭載したハイブリッド車や電気自動車等の電動車両等は、回生制動によるエネルギーを車載蓄電装置の充電電力として回収することによって、車両のエネルギー効率を改善（燃費向上）させる手法がとられている（例えば無線を使用した例として特許文献１）。

また、電動モータを内蔵する補助車輪と蓄電装置により発電機能を持つ車椅子に関する技術が開示されている（特許文献２）

特開２０１７－１１２７１３号公報特開２００６－８１８４９号公報

しかしながら、上記特許文献１に記載の内容では、車両が回生状態の時に発電を行うことを想定したものであり、車両体が駆動状態に常時発電し続けるものではない。また、上記特許文献２の内容では、走行中にも蓄電装置に充電できるため省エネになると共に作業負担を軽減することができるものの、特許文献１と同様に常に蓄電をし続けるものではない。

そこで、本発明の主たる課題は、補助車輪を移動体に設けることによって、移動中の多くの時間でエネルギーを蓄積することが可能な補助車輪を提供する。

すなわち本発明は、（１）～（１０）に関する。
（１）回転電機を設けた車輪と、移動体への取付ベース部材と、緩衝リンク部材と、衝撃吸収部材とからなり、前記回転電機を接続した車輪と前記緩衝リンク部材の一部を接続し、前記緩衝リンク部材の一部と前記移動体への取付ベース部材の一部を接続し、前記衝撃吸収部材の一部と前記移動体への取付ベース部材の一部を接続し、前記衝撃吸収部材の一部と前記緩衝リンク部材の一部を接続してなる、移動体に取り付ける補助車輪。
（２）回転電機を設けた車輪と、移動体への取付ベース部材と、緩衝リンク部材と、衝撃吸収部材とからなり、前記回転電機を接続した車輪は緩衝リンク部材の一方端部に接続し、前記緩衝リンク部材の他方端部を前記移動体への取付ベース部材の一方端部付近に接続し、前記衝撃吸収部材の一方端部を移動体への取付ベース部材の他方端部に接続し、前記衝撃吸収部材の他方端部を前記緩衝リンク部材に接続された車輪と前記移動体への取付ベース部材との接続部の間に接続してなる、移動体に取り付ける補助車輪。
（３）回転電機を設けた車輪と、移動体への取付ベース部材と、第１の緩衝リンク部材と、第２の緩衝リンク部材と、第１の衝撃吸収部材と、第２の衝撃吸収部材と、回転電機取付部材とからなり、前記取付ベース部材の一方端部と第１の緩衝リンク部材の一方端部を接続し、当該第１の緩衝リンク部材の他方端部を第２の緩衝リンク部材の一方端部に接続し、前記第１の衝撃吸収部材の一方端部を前記取付ベース部材の他方端部に接続し、第２の衝撃吸収部材の一方端部は前記取付ベース部材の両端部の間に接続し、当該第１の衝撃吸収部材の他方端部は第１の緩衝リンク部材の前記第２の緩衝リンク部材が接続されている端部近傍に接続し、第２の衝撃吸収部材の他方端部は前記第２の緩衝リンク部材の両端部の間に接続し、前記回転電機を接続した車輪と前記回転電機を回転電機取付部材に固定し、当該回転電機取付部材を第２の緩衝リンク部材に接続してなる、移動体に取り付ける補助車輪。
（４）回転電機を設けた車輪と、移動体への取付ベース部材と、第１の緩衝リンク部材と、第２の緩衝リンク部材と、第１の衝撃吸収部材と、第２の衝撃吸収部材と、回転電機取付部材とからなり、前記取付ベース部材の一方端部と第１の緩衝リンク部材の一方端部を接続し、当該第１の緩衝リンク部材の他方端部を第２の緩衝リンク部材の一方端部に接続し、当該第１の緩衝リンク部材は２つの部材からなり、前記取付ベース部材と前記第２の緩衝部材を側面から挟む態様で固定され、前記第１の衝撃吸収部材の１つは一方端部を前記取付ベース部材の他方端部に接続し、第２の衝撃吸収部材は一方端部を前記取付ベース部材の両端部の間に接続し、当該第１の衝撃吸収部材の他方端部は第１の緩衝リンク部材の前記第２の緩衝リンク部材が接続されている端部近傍に接続し、第２の衝撃吸収部材の他方端部は前記第２の緩衝リンク部材の両端部の間に接続し、前記回転電機を接続した車輪と前記回転電機を回転電機取付部材に固定し、当該回転電機取付部材を第２の緩衝リンク部材に接続してなる、移動体に取り付ける補助車輪。
（５）回転電機を設けた車輪と、移動体への取付ベース部材と、第１の緩衝リンク部材と、第２の緩衝リンク部材と、第１の衝撃吸収部材と、第２の衝撃吸収部材と、回転電機取付部材とからなり、前記取付ベース部材の一方端部と第１の緩衝リンク部材の一方端部を接続し、当該第１の緩衝リンク部材の他方端部を第２の緩衝リンク部材の一方端部に接続し、当該第１の緩衝リンク部材と第２の緩衝部材はそれぞれ２つの部材からなり、当該第１の緩衝リンク部材は、第１の緩衝リンク部材の前記取付ベース部材へ接続する側の端部は当該取付ベースを挟む態様で固定され、当該第２の緩衝リンク部材は、前記第１の緩衝リンク部材の取付ベース部材と接続した反対側の端部でと摺動可能となる状態で接続し、片方の第２の緩衝リンク部材３’は前記２つの第１の緩衝リンク部材３の一方の内側に接続し、もう片方の第２の緩衝リンク部材３’は前記２つの部材からなる第１の緩衝リンク部材３のもう一方の外側に接続し、前記第１の衝撃吸収部材は一方端部を前記取付ベース部材の他方端部に接続し、第２の衝撃吸収部材は一方端部を前記取付ベース部材の両端部の間に接続し、当該第１の衝撃吸収部材の他方端部はいずれか一方の前記第１の緩衝リンク部材の前記第２の緩衝リンク部材が接続されている端部近傍に接続し、当該第２の衝撃吸収部材の他方端部はいずれか一方の前記第２の緩衝リンク部材の両端部の間に接続し、前記回転電機を接続した車輪と前記回転電機を回転電機取付部材に固定し、当該回転電機取付部材を第２の緩衝リンク部材に接続してなる、移動体に取り付ける補助車輪。
（６）前記取付ベース部材に移動体への取付部材であるアタッチメントを取り付けることを特徴とする前記（１）～（５）のいずれか１項に記載の補助車輪。
（７）前記アタッチメントの少なくとも１部が永久磁石からなる前記（６）に記載の補助車輪。
（８）前記回転電機を設けた車輪を少なくとも２つ接続し、当該回転電機は車輪の回転軸が略並行になるように配置した状態で前記回転電機取付部材に取り付けられたこと、を特徴とする前記（３）～（７）のいずれか１つに記載の補助車輪。
（９）前記（１）～（８）のいずれか１つに記載の補助車輪、および、配線ケーブルと充電ユニットからなる補助車輪発電システム。
（１０）前記（９）に記載の補助車輪発電システムを移動体に搭載した移動体発電システム。

以上のとおり、本発明によれば、車両等の移動中の多くの時間でエネルギーをバッテリーに蓄積することが可能となる。さらに、本実施形態の一つによれば、移動中に充電したバッテリーを家庭や会社、電力供給スペース等に設置することにより、日々の通勤等の移動によりエネルギーを充電したバッテリーで電気機器を駆動させることができる。これにより、電気を買って使う時代から、電気を自分で作って自分で使う新しい生活スタイルを構築することができ、省エネや環境改善にも繋がるといった効果が見込まれる。

本実施形態の補助車輪発電システムを車両に取り付けた概略図である。第１の実施形態の補助車輪を示す図である。第２の実施形態の補助車輪および補助車輪を車両に取り付けた図である。第２の実施形態の補助車輪を背面から見た透視図である。第３の実施形態の補助車輪および補助車輪を車両に取り付けた図である。第３の実施形態の補助車輪を背面から見た透視図である。

以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第１の実施形態の補助車輪１を車両１００に取り付けた際の概略図を示すものであり、本第１の実施形態では、補助車輪１を車両１００（普通乗用車）の後部のバンパーの下部に取り付けたものである。また、車両１００のトランクルームには充電ユニット（バッテリー）１０を設置しており、補助車輪１と充電ユニット１０とは、トランクルーム下部の貫通孔を通して（貫通孔がない車両の場合は貫通孔を加工して形成）配線ケーブル２０で接続する。これら、補助車輪１、充電ユニット１０、配線ケーブルで構成されたシステムが補助車輪発電システムである。車両に当該補助車輪発電システムを設置することにより、車両１００が移動する際に補助車輪１が回転し、そこで発電されたエネルギーが配線ケーブル２０を経由して充電ユニット１０を充電することにより移動体発電システムを実現する。

前記第１の実施形態では、補助車輪１と充電ユニット１０を１つ取り付けた例を示したが、いずれも２つ以上取り付けることが可能である。なお、配線ケーブル２０は補助車輪１と充電ユニット１０を接続するものであればよく、１台の補助車輪１から２台以上の充電ユニット１０に接続してもよいし、逆に２台以上の補助車輪１から１台の充電ユニット１０に接続しても良い。これにより、より大容量の発電エネルギーを充電することができ、十分な充電量を実現することが可能となる。

　前記充電ユニット１０は、市販もされているバッテリーや、家庭用ＡＣ電源機器が使用できるポータブル電源等が使用できる。バッテリーの容量としては１０万ｍＡｈの定格容量であると、よりエネルギーの充電量が増える点で好ましい。また、充電ユニット１０の入力端子も何ら限定されるものではないが、ジャック状の端子の方が女性やお年寄りの方でも脱着がし易いといった観点でより好ましい。さらに入力は交流電流や直流電流が入力できるものが様々な形態に対応できる点で好ましいが、充電ユニットと配線ケーブルの間にインバータやコンバータを設けることにより、交流電流と直流電流のいずれかの入力端子があれば本実施形態を実現することが可能である。

　また、充電ユニット１０には過充電防止機能や過放電警告機能等の異常検知機能が備えられていることが安全面でも好ましい。さらに、充電ユニット１０にはインターフェース部が設けられているものが、充電量を視覚的に判断できるため利便性や安全性の面でも好ましい。本第１の実施形態および後述する第２の実施形態においては、ＳＭＡＲＴＴａｐ社製のポータブル電源「ＰｏｗｅｒＡｒＱ」を使用した。

図２は本第１の実施形態の補助車輪１の構造を示す図である。本第１の実施形態の補助車輪１は、回転電機を設けた車輪６、移動体への取付ベース部材２、緩衝リンク部材３、衝撃吸収部材４、回転電機５を設けた車輪６から構成される。取付ベース部材２の一方端部と緩衝リンク部材３の一方端部を摺動可能な状態となるように接続し、取付ベース部材２の他方端部と衝撃吸収部材４の一方端部を摺動可能な状態となるように接続する。回転電機５と車輪６は、車輪６の中心部に回転電機５のシャフトを接続して車輪の回転が回転電機５に伝わるような状態で両部材を固定する。当該回転電機５を備えた車輪６を前記緩衝リンク部材３の他方端部に摺動可能な状態で固定する。衝撃吸収部材４の他方端は、緩衝リンク部材３の両端部の間であって、車輪６と干渉しない場所に、緩衝リンク部材３の一部に摺動可能な状態で接続する。本第１の実施形態では、衝撃吸収部材４としてはガスダンパーを使用した。

取付ベース部材２は補助車輪を取り付ける場所（本実施形態では車両底部のシャシー）にボルトを締め込んで固定することにより車両１００に補助車輪を装着する。本第１の実施形態では車両の底面に補助車輪を取り付けたが、それに限定されず取付ベース部材が取り付けられる場所であれば良く、その他の車両の底面やシャシ、前後部のバンパーの内側や、左右のサイドステップに取り付けることも可能である。

　本実施形態で使用した前記取付ベース部材２は略直方体状のものを使用したが、その形状に限定されるものではない。また、素材は特に限定するものではなく、カーボンやウレタン樹脂製のものが使用できる。また、取付ベース部材２の全体または一部に永久磁石または永久磁石の磁力引き付けられる鉄等の金属類を設けることにより、車両１００のシャシー等に直接簡単に取り付けることができ、段差や落石等の障害物に補助車輪が引っかかった際に簡単に補助車輪１が外れるような構造とできる。

　前記緩衝リンク部材３の素材は特に限定するものではないが、鉄等の金属類や、カーボンやウレタン等の樹脂製のものを使用することができる。

前記衝撃吸収部材４としては、振動エネルギーを消散させて衝撃・振動の振幅を軽減する装置であれば特に限定するものではなく、一般的に市販されているものが使用できる。本実施形態では、ガスダンパーを使用したが、オイルダンパーや、コイルスプリング・リーフスプリング（板バネ）等の弾性体が使用できる。

前記回転電機５は、モーター、発電機、オルタネーター等の一般的に市販されている回転電機が使用でき、本実施形態ではオルタネーターを使用した。また、特にそれに限定するものではないが、１００ｗ～２ｋｗの容量のものが好適に使用できる。その中でも、雨天時の走行や水たまり等の走行でも安定して使用できるといった観点で防水性に優れる回転電機が好ましい。また、本実施形態においては、回転電機５のシャフトを車輪に直接接続したが、間に変速機を設けたり、変速機付き回転電機、チェーン駆動、ベルト駆動等の変則方法を使用したりすることも可能である。モータシャフトと車輪の間にギアを挿入して回転数を上げる調整を行うことが、街乗り等の低速度領域においても効率的にエネルギーを構築するといった観点で好ましい。

前記車輪６としては、一般的に市販されているタイヤが使用できる。エネルギーを効率的に充電するためには摩擦抵抗が少ない素材が好適である。また、車輪６の直径としては１００～４００ｍｍφ、より好ましくは１５０～２５０ｍｍφ程度とすることが、街乗り等の低速度領域においても効率的にエネルギーを構築するといった観点や、走行時の衝撃による回転電機の接触防止といった観点から好ましい。また、タイヤの種類としては特に限定はないが、静音性や振動抑制といった観点からチューブタイヤやチューブレスタイヤ等のエアタイヤを用いることがより好ましい。

図３は本発明の第２の実施形態を示す図、図４は本第２の実施形態の補助車輪を背面から見た透視図で示したものである。本第２の実施形態の補助車輪１は、回転電機５を設けた車輪６、移動体への取付ベース部材２、第１の緩衝リンク部材３と第２の緩衝リンク部材３’、２つの衝撃吸収部材４と４’、回転電機５を設けた車輪６から構成される。取付ベース部材２の一方端部と第１の緩衝リンク部材３の一方端部を摺動可能な状態となるように接続する。当該第１の緩衝リンク部材３の他方端部は、第２の緩衝リンク部材３’の一方端部が衝動可能となる状態で接続する。また、第１の緩衝リンク部材３は２つの部材からなり、上記取付ベース部材２と第２の緩衝部材３’を側面から挟む態様でそれぞれ固定する。

衝撃吸収部材４は、一方端部を摺動可能な状態となるように前記取付ベース部材２の他方端部に接続し、もう一つの衝撃吸収部材４’は一方端部を前記取付ベース部材２の中央部に摺動可能な状態となるように接続する。また、当該衝撃吸収部材４および４’の他方端部は、衝撃吸収部材４は第１の緩衝リンク部材３の１つであって、前記第２の緩衝リンク部材３’が接続されている付近、衝撃吸収部材４’は前記第２の緩衝リンク部材３’の中央付近に摺動可能な状態で接続する。

回転電機取付部材９は、車輪６と回転電機５を固定しつつ、前記第２の緩衝部材３’にこれらを接続させるための部材である。本第２の実施形態で使用する回転電機取付部材９は２つの板状部材からなり、１つは車輪６と第２の緩衝部材３’をねじで固定し、もう一つは回転電機５と第２の緩衝部材３’をねじで固定するものである。

車輪６は、車輪６の中心部に回転電機５のシャフトを接続して車輪の回転が回転電機５に伝わるような状態で両部材を固定する。当該接続固定された回転電機５と車輪６に、前記回転電機取付部材９の一方端部をそれぞれネジで固定し、回転電機取付部材９の他方端部を前記第２の緩衝リンク部材３’にそれぞれ固定する。

本発明の実施形態における各部材を摺動可能な状態で接続して固定させる手法としては、一般的に市販されているボールベアリングやゴムブッシュ等の摺動部品を組み込んで接続させることにより摺動可能な状態を実現させる。

本実施形態の取付ベース部材２、第１の緩衝リンク部材３および第２の緩衝リンク部材３’、は略直方体状のものを使用した。略直方体の端部の形状は、また、第１の緩衝リンク部材３と３’は、取付ベース部材２と第２の緩衝リンク部材３’の端部をそれぞれの両端部で挟んで固定するため、その他の部材と比較して厚みのないものがよく、好ましくは板状のものが良い。

アタッチメント７は、車両１００に補助車輪を取り付けるための部材である。本第２の実施形態においては図３に示す通り、補助車輪１の取付ベース部材２とアタッチメント７を結合し、アタッチメント７を車両に取り付けることにより、補助車輪１を車両１００に取り付けるものである。取付ベース部材２とアタッチメント７の結合は市販のネジを使用して１点、好ましくは２点以上で接続させ、アタッチメント７も同様に市販のネジを使用して車両１００の後部バンパーの裏側のリアパネルに固定する。なお、本実施形態２ではアタッチメント７を使用したが、実施形態１と同様にアタッチメントを使用せずに移動体に取り付けることも可能である。

カバー８は、回転電機を飛石や障害物、耐水性や異物混入の防止など、周囲の環境から保護するための部材である。本第２の実施形態においては、プラスチック素材を用いて第２の緩衝リンク部材と回転電機と車輪を覆う形状として第１の緩衝リンク部材に取り付けた。

第３の実施形態として、本発明の実施形態のうち回転電機を２つ使用した例を説明する。

図５は本発明の第３の実施形態を示す図、図６は本第３の実施形態の補助車輪を背面から見た透視図で示したものである。本第３の実施形態の補助車輪１は、回転電機５を設けた車輪６が２つ、回転電機取付部材９、移動体への取付ベース部材２、第１の緩衝リンク部材３と第２の緩衝リンク部材３’、第１の衝撃吸収部材４と第２の衝撃吸収部材４’から構成される。取付ベース部材２の一方端部と第１の緩衝リンク部材３の一方端部を摺動可能な状態となるように接続する。当該第１の緩衝リンク部材３の他方端部は、第２の緩衝リンク部材３’の一方端部が衝動可能となる状態で接続する。また、第１の緩衝リンク部材３は２つの部材からなり、上記取付ベース部材２の側面を両側から挟む態様でそれぞれ固定する。
また、第２の緩衝リンク部材３’も２つの部材からなり、前記第１の緩衝リンク部材３の取付ベース部材と接続した反対側の端部でと摺動可能となる状態で接続し、一つの第２の緩衝リンク部材３’は前記２つの第１の緩衝リンク部材３の一方の内側に接続し、もう一つの第２の緩衝リンク部材３’は前記２つの部材からなる第１の緩衝リンク部材３のもう一方の外側に接続する。
当該第１の緩衝リンク部材３と第２の緩衝リンク部材３’の各２つの部材は穴を設け、この穴を貫通させる態様でボルトを用いて固定することにより接続させる。これにより強度を高めることが可能となる。なお、本第３の実施形態では、第１の緩衝リンク部材３には１箇所、第２の緩衝リンク部材３’については後述の回転電機取付部材９との取り付け箇所も含めて３箇所固定した。

第１の衝撃吸収部材４は、一方端部を摺動可能な状態となるように前記取付ベース部材２の他方端部に接続し、第２の衝撃吸収部材４’は一方端部を前記取付ベース部材の両端部の中央部に摺動可能な状態となるように接続する。また、当該第１の衝撃吸収部材の他方端部は２つの部材からなる前記第１の緩衝リンク部材３のいずれか一方の前記第２の緩衝リンク部材が接続されている端部近傍に接続し、当該第２の衝撃吸収部材４’の他方端部は２つの部材からなる前記第２の緩衝リンク部材３’のいずれか一方の両端部の間に摺動可能な状態で接続する。

車輪６は、車輪６の中心部に回転電機５のシャフトを接続して車輪の回転が回転電機５に伝わるような状態で両部材を固定する。回転電機取付部材９は、２つの回転電機５を設けた車輪６を固定しつつ、前記第２の緩衝部材３’にこれらを接続させるための部材である。本第３の実施形態で使用する回転電機取付部材９は板状部材からなり、一方の回転電機５の回転軸がある側と反対側の面を当該回転電機取付部材９にボルトで固定し、もう一方の回転電機５も同様に回転軸が略並行になるように回転軸がある側と反対側の面を当該回転電機取付部材にボルトで固定する。また、当該回転電機取付部材９の一部を前記第２の緩衝部材３’とねじで固定するものである。第２の緩衝部材３’との接続方法としては、当該回転電機取付部材９の回転電機５の外周から一部はみ出す程度の余剰スペースと、第２の緩衝部材３’に２つの穴を設け、この２つの穴を貫通させる態様でボルトを用いて固定することにより接続させる。

本実施形態の取付ベース部材２、第１の緩衝リンク部材３および第２の緩衝リンク部材３’、は略直方体状のものを使用した。略直方体の端部の形状は、また、第１の緩衝リンク部材３と第２の緩衝リンク部材３’は、取付ベース部材２と第１の緩衝リンク部材３’の端部をそれぞれの両端部で挟んで固定するため、その他の部材と比較して厚みのないものがよく、好ましくは板状のものが良い。

アタッチメント７は、車両１００に補助車輪を取り付けるための部材であり本実施形態では略Ｌ字型の板状の部材を使用した。本第３の実施形態においては図５と６に示す通り、補助車輪１の取付ベース部材２とアタッチメント７を結合し、アタッチメント７を車両に取り付けることにより、補助車輪１を車両１００に取り付けるものである。取付ベース部材２とアタッチメント７の結合は市販のネジを使用して２点で接続させ、アタッチメント７も同様に市販のネジを使用して車両１００の後部バンパーの裏側のリアパネルにネジを使用して２点で固定する。なお、本実施形態３ではアタッチメント７を使用したが、実施形態１と同様にアタッチメントを使用せずに移動体に取り付けることも可能である。

カバー８は、本第３の実施形態においては、プラスチック素材を用いて回転電機と車輪を覆う形状として第２の緩衝リンク部材に取り付けた。

本第３の実施形態においては、２口以上の入力端子（給電端子）と整流機能が付いている充電器（ＧｏａｌＺｅｒｏ社製、ＹｅｔｉＬｉｔｈｉｕｍ１４００（１００Ｖ）ＰｏｒｔａｂｌｅＰｏｗｅｒＳｔａｔｉｏｎ）をトランクルームに配置して使用した。図示しない回転電機５から配線をトランクルームまで補助車輪の各部材をつたわせて配置し、当該充電器に接続させた。

本発明のアタッチメント７は、補助車輪１と車両１００を連結できる構造であれば良く、特に限定されるものではない。カーボンやウレタン樹脂製のものや、鉄などの金属類を使用することができる。また、車両毎にアタッチメント７を取り付けることができるスペースは異なるため、アタッチメント７の形状は略直方体で長さや幅が変更できる形状であることにより、様々なスペースに取り付けることが可能となる。また、アタッチメント７の全体または一部に永久磁石または永久磁石の磁力引き付けられる鉄等の金属類を設けることにより、車両１００のシャシー等に直接簡単に取り付けることができ、段差や落石等の障害物に補助車輪が引っかかった際に簡単に補助車輪１が外れるような構造とできる。

本発明のカバー８の素材や形状は特に限定するものではないが、路面干渉・落下物接触など、材破される要因が少ないものが好ましい。環境の観点からはリサイクル材を採用するのが好ましく、耐久性の観点からガラス繊維混入の構造であることが好ましく、安全性の観点から発泡剤等の樹脂構造であることが好ましい。

本発明の回転電機取部材９は、素材、構造とも特に限定されるものではなく、回転電機を緩衝リンク部材３に取り付けられる形態であれば良い。

本実施形態では、充電ユニット１０として充電量などが視認できるインターフェースが本体に設けられたものを用いたが、インターフェース部を充電ユニット１０とは別に設けて有線や無線などで充電ユニットと接続しつつ、別体のインターフェース部を運転席の見えやすい箇所に設置することも可能である。これにより、運転しつつ充電量の確認もできることが可能である。また、同様の観点からＡＣ家庭用機器などが使用できるＡＣ出力部も別体とすることができ、運転席・助手席や後部座席に設置することも可能となる。インターフェイス部としては、表示器等に電流値や電力値、車両の速度や距離、センサーの動作様態（水滴センサ、障害物センサなど）、過電流や過電圧などのエラーなどを表示することができる。

本実施形態１～３の補助車輪、補助車輪発電システム、および移動体発電システムを用いて車両を走行させることにより、バッテリーに約０．８～１２５Ａｈの範囲で充電が可能となった。また、充電されたバッテリーから、スマートフォンの充電やパーソナルコンピュータの起動、テレビや冷蔵庫といった家電製品の稼働が可能となった。

〔他の形態例〕
（１）上記実施形態の例では、移動体の車両１００として普通乗用車を用いたが、それに限定される訳ではなく、移動により補助車輪が回転することにより発電できるものであれば軽自動車、バスやトラック等の大型車両や、バイクや自転車などにも用いることが可能である。また、この様な車両で牽引可能なカーゴカーや荷台車等に取り付けても良い。
（２）本第１の実施形態においては、配線ケーブル２０をトランクルームの貫通孔に通したが、何ら限定されるものではなくその他の方法で接続することができる。
（３）上記実施形態の例では充電ユニットを車両のトランク内に設けたが、特に限定され
るものではなく、後部座席や助手席の周辺に設置してもよい。
（４）本実施形態としては、２つの回転電機を同軸になるように直線状に配置したが、軸がずれるようにオフセットで配置しても良いし、２つの発電機を上下に重ねる構造としても良い。
（５）本実施形態としては、２つの回転電機を使用したが、それに限定されるものではなく、２以上の回転電機を使用することも可能である。

１　補助車輪
２　取付ベース部材
３　第１の緩衝リンク部材
３’第２の緩衝リンク部材
４、４’　衝撃吸収部材
５　回転電機
６　車輪
７　アタッチメント
８　カバー
９　回転電機取付部材
１０　充電ユニット
２０　配線ケーブル
１００　車両

Claims

回転電機を設けた車輪と、
移動体への取付ベース部材と、
緩衝リンク部材と、
衝撃吸収部材とからなり、
前記回転電機を接続した車輪と前記緩衝リンク部材の一部を接続し、
前記緩衝リンク部材の一部と前記移動体への取付ベース部材の一部を接続し、
前記衝撃吸収部材の一部と前記移動体への取付ベース部材の一部を接続し、
前記衝撃吸収部材の一部と前記緩衝リンク部材の一部を接続してなる、
移動体に取り付ける補助車輪。
回転電機を設けた車輪と、
移動体への取付ベース部材と、
緩衝リンク部材と、
衝撃吸収部材とからなり、
前記回転電機を接続した車輪は緩衝リンク部材の一方端部に接続し、
前記緩衝リンク部材の他方端部を前記移動体への取付ベース部材の一方端部付近に接続し、
前記衝撃吸収部材の一方端部を移動体への取付ベース部材の他方端部に接続し、
前記衝撃吸収部材の他方端部を前記緩衝リンク部材に接続された車輪と前記移動体への取付ベース部材との接続部の間に接続してなる、
移動体に取り付ける補助車輪。
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回転電機を設けた車輪と、
移動体への取付ベース部材と、
第１の緩衝リンク部材と、
第２の緩衝リンク部材と、
第１の衝撃吸収部材と
第２の衝撃吸収部材と
回転電機取付部材とからなり、
前記取付ベース部材の一方端部と第１の緩衝リンク部材の一方端部を接続し、
当該第１の緩衝リンク部材の他方端部を第２の緩衝リンク部材の一方端部に接続し、
前記第１の衝撃吸収部材の一方端部を前記取付ベース部材の他方端部に接続し、第２の衝撃吸収部材の一方端部は前記取付ベース部材の両端部の間に接続し、
当該第１の衝撃吸収部材の他方端部は第１の緩衝リンク部材の前記第２の緩衝リンク部材が接続されている端部近傍に接続し、第２の衝撃吸収部材の他方端部は前記第２の緩衝リンク部材の両端部の間に接続し、
前記回転電機を接続した車輪と前記回転電機を回転電機取付部材に固定し、当該回転電機取付部材を第２の緩衝リンク部材に接続してなる、
移動体に取り付ける補助車輪。
回転電機を設けた車輪と、
移動体への取付ベース部材と、
第１の緩衝リンク部材と、
第２の緩衝リンク部材と、
第１の衝撃吸収部材と
第２の衝撃吸収部材と
回転電機取付部材とからなり、
前記取付ベース部材の一方端部と第１の緩衝リンク部材の一方端部を接続し、
当該第１の緩衝リンク部材の他方端部を第２の緩衝リンク部材の一方端部に接続し、
当該第１の緩衝リンク部材は２つの部材からなり、前記取付ベース部材と前記第２の緩衝部材を側面から挟む態様で固定され、
前記第１の衝撃吸収部材の１つは一方端部を前記取付ベース部材の他方端部に接続し、第２の衝撃吸収部材は一方端部を前記取付ベース部材の両端部の間に接続し、
当該第１の衝撃吸収部材の他方端部は第１の緩衝リンク部材の前記第２の緩衝リンク部材が接続されている端部近傍に接続し、第２の衝撃吸収部材の他方端部は前記第２の緩衝リンク部材の両端部の間に接続し、
前記回転電機を接続した車輪と前記回転電機を回転電機取付部材に固定し、当該回転電機取付部材を第２の緩衝リンク部材に接続してなる、
移動体に取り付ける補助車輪。
回転電機を設けた車輪と、
移動体への取付ベース部材と、
第１の緩衝リンク部材と、
第２の緩衝リンク部材と、
第１の衝撃吸収部材と
第２の衝撃吸収部材と
回転電機取付部材とからなり、
前記取付ベース部材の一方端部と第１の緩衝リンク部材の一方端部を接続し、
当該第１の緩衝リンク部材の他方端部を第２の緩衝リンク部材の一方端部に接続し、
当該第１の緩衝リンク部材と第２の緩衝部材はそれぞれ２つの部材からなり、
当該第１の緩衝リンク部材は、第１の緩衝リンク部材の前記取付ベース部材へ接続する側の端部は当該取付ベースを挟む態様で固定され、
当該第２の緩衝リンク部材は、前記第１の緩衝リンク部材の取付ベース部材と接続した反対側の端部でと摺動可能となる状態で接続し、片方の第２の緩衝リンク部材３’は前記２つの第１の緩衝リンク部材３の一方の内側に接続し、もう片方の第２の緩衝リンク部材３’は前記２つの部材からなる第１の緩衝リンク部材３のもう一方の外側に接続し、
前記第１の衝撃吸収部材は一方端部を前記取付ベース部材の他方端部に接続し、第２の衝撃吸収部材は一方端部を前記取付ベース部材の両端部の間に接続し、
当該第１の衝撃吸収部材の他方端部はいずれか一方の前記第１の緩衝リンク部材の前記第２の緩衝リンク部材が接続されている端部近傍に接続し、
当該第２の衝撃吸収部材の他方端部はいずれか一方の前記第２の緩衝リンク部材の両端部の間に接続し、
前記回転電機を接続した車輪と前記回転電機を回転電機取付部材に固定し、当該回転電機取付部材を第２の緩衝リンク部材に接続してなる、
移動体に取り付ける補助車輪。
前記取付ベース部材に移動体への取付部材であるアタッチメントを取り付けることを特徴とする請求項１～５のいずれか１項に記載の補助車輪。
前記アタッチメントの少なくとも１部が永久磁石からなる請求項６に記載の補助車輪。
前記回転電機を設けた車輪を少なくとも２つ接続し、
当該回転電機は車輪が略並行になるように配置した状態で前記回転電機取付部材に取り付けられたこと、
を特徴とする請求項３～７のいずれか１項に記載の補助車輪。
請求項１～８のいずれか１項に記載の補助車輪、および、配線ケーブルと充電ユニットからなる補助車輪発電システム。
請求項９に記載の補助車輪発電システムを移動体に搭載した移動体発電システム。