WO2019087366A1 - レドックスフロー電池 - Google Patents
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Abstract
Description
正極電解液を貯留する正極電解液タンクを収納した正極タンクコンテナと、
負極電解液を貯留する負極電解液タンクを収納した負極タンクコンテナと、
正極電極、負極電極、及び隔膜を有する電池セルと、前記正極電解液を前記電池セルに供給して循環させる正極循環機構と、前記負極電解液を前記電池セルに供給して循環させる負極循環機構とを収納した電池機器コンテナとを備える。
レドックスフロー電池(RF電池)は、通常、その設置場所でセルスタックと各極電解液タンクと各導管となどを接続して組立てている。設置場所では十分な作業スペースを確保できるとは限らず、組立て作業が煩雑になる場合がある。そこで、予め、作業スペースを十分に確保可能な工場などで、RF電池を一括して収納可能な1つの容器(例えば、コンテナ)内でRF電池を組立て、その容器ごと設置場所へ運搬することを検討した。しかし、設置後に電池容量や電池出力などの設計変更が生じた場合、1つの容器に纏めて収納しているため、容器の容量に制約されることで大容量の電解液タンクに交換したりセル数の多いセルスタックに交換したりすることが難しい。
本開示によれば、電池容量や電池出力の設計変更を容易に行える。
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
正極電解液を貯留する正極電解液タンクを収納した正極タンクコンテナと、
負極電解液を貯留する負極電解液タンクを収納した負極タンクコンテナと、
正極電極、負極電極、及び隔膜を有する電池セルと、前記正極電解液を前記電池セルに供給して循環させる正極循環機構と、前記負極電解液を前記電池セルに供給して循環させる負極循環機構とを収納した電池機器コンテナとを備える。
前記正極循環機構及び前記負極循環機構はそれぞれ、前記各極電解液を前記電池セルに供給する各極供給導管、及び前記各極電解液を前記電池セルから排出する各極排出導管を有し、
前記正極電解液タンク及び前記負極電解液タンクはそれぞれ、前記各極電解液を前記各極電解液タンクから前記各極供給導管に送る各極往路管、及び前記各極電解液を前記各極排出導管から前記各極電解液タンクに戻す各極復路管を有し、
更に、前記各極供給導管及び前記各極排出導管のそれぞれと、前記各極往路管及び前記各極復路管のそれぞれとを着脱自在に接続する接続構造を有することが挙げられる。
前記電池機器コンテナは、前記正極タンクコンテナ及び前記負極タンクコンテナの少なくとも一方の屋根上に載置されることが挙げられる。
前記電池機器コンテナは、前記正極タンクコンテナと前記負極タンクコンテナとの間を跨ぎ、前記正極タンクコンテナと前記負極タンクコンテナの両屋根上に均等に載置されていることが挙げられる。
前記正極タンクコンテナ及び前記負極タンクコンテナは、互いの間隔を空けると共に、互いに長手方向が平行となるように並列配置され、
前記電池機器コンテナは、その長手方向が前記正極タンクコンテナ及び前記負極タンクコンテナの長手方向と直交するように載置されることが挙げられる。
前記正極タンクコンテナ及び前記負極タンクコンテナは、互いに長手方向が平行で、かつ互いの側面同士が接するように並列配置され、
前記電池機器コンテナは、その長手方向が前記正極タンクコンテナ及び前記負極タンクコンテナの長手方向と平行となるように載置されることが挙げられる。
前記正極循環機構及び前記負極循環機構はそれぞれ、前記各極電解液を循環させる正極ポンプ及び負極ポンプを有し、
前記電池機器コンテナ内を側面視したとき、前記正極ポンプと前記負極ポンプとは、前記電池機器コンテナの左右方向の中央を挟んで対称の位置に配置されることが挙げられる。
本発明の実施形態に係るレドックスフロー(RF)電池の詳細を以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。実施形態に係るRF電池は、代表的には、交流/直流変換器を介して発電部(例えば、太陽光発電装置や風力発電装置、その他一般の発電所など)と負荷(需要家など)との間に接続され、発電部で発電した電力を充電して蓄え、蓄えた電力を放電して負荷に供給する。この充放電は、酸化還元により価数が変化するイオン(例えばバナジウムイオン、チタンイオン、マンガンイオンなど)を活物質として含有する電解液を正極電解液と負極電解液とに使用し、正極電解液に含まれるイオンの酸化還元電位と負極電解液に含まれるイオンの酸化還元電位との差を利用して行う。
図1~図11を参照して、実施形態に係るRF電池1を説明する。このRF電池1は、電池セル200(図10、図11)と、正極電解液タンク30(図9)と、負極電解液タンク40と、正極循環機構230と、負極循環機構240と、制御部260とを備える。各極電解液タンク30、40は、各極電解液を貯留する。各極循環機構230、240は、各極電解液を電池セル200に供給して循環させる。制御部260は、各極循環機構230、240における各極電解液の循環を制御する。RF電池1の特徴の一つは、電池セル200、各極循環機構230、240、及び制御部260を内部に収納する電池機器コンテナ2と、正極電解液タンク30を内部に収納する正極タンクコンテナ3と、負極電解液タンク40を内部に収納する負極タンクコンテナ4とを備え、これら3つのコンテナ2、3、4がそれぞれ別部材で構成されている点にある(図1~図6、図9)。以下、詳細に説明する。図7~図11における黒塗り矢印は、電解液の流れを示す。
電池機器コンテナ2は、上述のように電池セル200と各極循環機構230、240と制御部260とを内部に収納する。電池機器コンテナ2内の収納部材の詳細は、後述する。正極タンクコンテナ3は、正極電解液タンク30を内部に収納し、負極タンクコンテナ4は、負極電解液タンク40を内部に収納する。これら電池機器コンテナ2と正極タンクコンテナ3と負極タンクコンテナ4とは、互いに別部材で構成されている。そのため、電池容量や電池出力などの設計変更を容易に行える。電池セル200などと正極電解液タンク30と負極電解液タンク40とを互いに異なるコンテナに収納しているからである。そのため、詳しくは後述するが、電池機器コンテナ2やタンクコンテナ3、4自体をサイズの異なるコンテナに交換すれば、RF電池1の電池容量や電池出力を変えられる。コンテナ自体の交換は容易であり、設計変更の必要な部材(電池セル200や各極電解液タンク30、40)の交換は、その部材を収納するコンテナ自体を交換することで行える。
各コンテナ2、3、4の種類は、代表的には、ドライコンテナが挙げられる。各コンテナ2、3、4の形状は、代表的には、直方体状が挙げられる。各コンテナ2、3、4は、設置対象に設置される矩形状の底部と、底部と対向配置される矩形状の天井部と、底部と天井部の長辺同士を繋ぐ両側面部と、底部と天井部の短辺同士を繋ぐ両端面部とを備える。側面部と端面部とには、作業者がコンテナ内部にアクセス可能なように開閉自在な扉が設けられている(図示略)。各コンテナ2、3、4の材質は、例えば、鋼(例えば、一般構造用圧延鋼材 SS400)が挙げられる。
3つのコンテナ2、3、4の配置は、同一平面上に配置してもよいし、図1~図6に示すように、コンテナ同士を鉛直方向の上下に重ねるように配置してもよい。コンテナ同士を重ねれば、RF電池1の設置面積を小さくできる。また、3つのコンテナ2,3,4を互いに間隔を空けて同一平面上に配置する場合(以下、平面タイプということがある)に比較して、コンテナ同士の接触面積Aを大きくできる。そのため、平面タイプにおける3つのコンテナ2,3,4の合計表面積Sa(各コンテナ2,3,4の表面積の合計)に比較して、コンテナ同士を重ねたときの3つのコンテナ2,3,4の合計表面積Sbを接触面積Aの分だけ小さくできる。合計表面積Sbは、「上記合計表面積Sa-上記接触面積A」で求められる。そのため、「{1-(合計表面積Sb)/(合計表面積Sa)}×100」で求める表面積削減率Sc(%)を大きくし易い。それにより、外部環境による電解液の温度変化を抑制するために各タンクコンテナ3,4の外周の露出箇所を覆う断熱材を削減できる上に、断熱材を覆う作業を簡略化できてコストを低減できる。
交差タイプは、図1、図2に示すように、2つのタンクコンテナ3、4をその長手方向が互いに平行となるように左右に並列配置し、1つの電池機器コンテナ2を2つのタンクコンテナ3、4の屋根上に、電池機器コンテナ2の長手方向と2つのタンクコンテナ3、4の長手方向とが交差(ここでは直交)するように載置する重ね方である。詳しくは後述するが、この交差タイプは、上記平面タイプに比較して、3つのコンテナの接触面積Aを大きくし易いため、合計表面積Sb小さくし易く、表面積削減率Scを大きくし易い。このタイプの場合、2つのタンクコンテナ3、4の側面同士が互いに対向する。
平行タイプは、図3、図4に示すように、2つのタンクコンテナ3、4をその長手方向が互いに平行となるように並列配置し、1つの電池機器コンテナ2を2つのタンクコンテナ3、4の屋根上に、電池機器コンテナ2の長手方向と2つのタンクコンテナ3、4の長手方向とが互いに平行となるように載置(所謂、俵積み)する重ね方である。詳しくは後述するが、この平行タイプは、上記交差タイプに比較して、3つのコンテナの接触面積Aを大きくできるため、合計表面積Sbを小さくし易く、表面積削減率Scを大きくし易い。このタイプの場合、上述の交差タイプと同様、2つのタンクコンテナ3、4の側面同士が互いに対向する。
同一直線タイプは、図5、図6に示すように、2つのタンクコンテナ3、4をその長手方向が同一直線状に並ぶように直列に配置し、1つの電池機器コンテナ2を2つのタンクコンテナ3、4の屋根上に、電池機器コンテナ2の長手方向と両タンクコンテナ3、4の長手方向とが同一直線状に並ぶように載置する重ね方である。詳しくは後述するが、この同一直線タイプは、上記交差タイプに比較して、3つのコンテナの接触面積Aを大きくできるため、合計表面積Sbを小さくし易く、表面積削減率Scを大きくし易い。このタイプの場合、2つのタンクコンテナ3、4の端面同士が互いに対向する。3つのコンテナ2、3、4はその長手方向が全て同一直線状に並ぶ。
RF電池1は、電池機器コンテナ2と各タンクコンテナ3、4との間で各極電解液を循環させる各極循環路を備える。各極循環路は、図7、図8(適宜図9、図10)に示すように、各極供給導管231、241及び各極排出導管232、242と、各極往路管31、41及び各極復路管32、42と、接続構造5とを備える。本例では、電池機器コンテナ2の底部を構成する底板2bと各タンクコンテナ3、4の天井部を構成する天板3u、4uの互いに重なる箇所と、その重なる箇所に対応する各極電解液タンク30、40の天井部を構成する天板30u、40uとには、各循環路を挿通する貫通孔が形成されていて、両貫通孔同士は、互いに臨むように重複している(図7、図8)。
各極供給導管231、241は、各極電解液を各極セル202、203に供給し、各極排出導管232、242は、各極電解液を各極セル202、203から排出する。各極供給導管231、241及び各極排出導管232、242は、本例では、電池機器コンテナ2内に配置されている。各極供給導管231、241の一端は、各極往路管31、41に接続され、各極供給導管231、241の他端は、各極セル202、203に接続される。各極排出導管232、242の一端は、各極セル202、203に接続され、各極排出導管232、242の他端は、各極復路管32、42に接続される。
各極往路管31、41は、各極電解液を各極供給導管231、241に送り、各極復路管32、42は、各極電解液を各極排出導管232、242から各極電解液タンク30、40内に戻す。各極往路管31、41及び各極復路管32、42は、本例では、各極電解液タンク30、40内から各タンクコンテナ3,4外に突出して設けられており、上記貫通孔を通って電池機器コンテナ2内に亘って配置されている。各極往路管31、41及び各極復路管32、42と各極電解液タンク30、40の貫通孔との間には、その間から液漏れしないようにその間を埋める介在部材(例えば、ゴムノズル)が設けられている。この各極往路管31、41及び各極復路管32、42は、その長手方向に位置ずれしないように、各タンクコンテナ3、4の天板3u、4uに固定される。この固定は、例えば、各極往路管31、41及び各極復路管32、42に取り付けたフランジ(図示略)を、各タンクコンテナ3、4の天板3u、4uにおける貫通孔の周囲にネジ止めすることで行える。
接続構造5は、各極供給導管231、241及び各極排出導管232、242のそれぞれと、各極往路管31、41及び各極復路管32、42のそれぞれとを接続する。正極側の各導管231,232と往復管31,32との両接続構造5の配置箇所と、負極側の各導管241,242と往復管41,42との両接続構造5の配置箇所とは、本例では、上述のように電池機器コンテナ2内としているが、特に限定されず、後述する変形例に示すように適宜選択できる。
電池機器コンテナ2の内部には、上述したように、電池セル200、正極循環機構230、及び負極循環機構240が収納される(図9)。
電池セル200は、水素イオンを透過させる隔膜201で正極セル202と負極セル203とに分離されている(図10、図11)。正極セル202には、正極電極204が内蔵され、正極循環機構230により正極電解液が循環し、負極セル203には、負極電極205が内蔵され、負極循環機構240により負極電解液が循環する。
電池セル200は、通常、図9、図10、及び図11の下図に示すセルスタック250と呼ばれる構造体の内部に形成される。セルスタック250の数は、単数でもよいし複数でもよい。本例では、セルスタック250の数が2つの場合を例示している(図9)。セルスタック250の数を単数とする場合、セルスタック250の配置箇所は、電池機器コンテナ2の長手方向の中央が好ましい。セルスタック250の数を複数とする場合、複数のセルスタック250は、電池機器コンテナ2の長手方向の中央を挟んで対称の位置に配置することが好ましい。そうすれば、電池機器コンテナ2の重心が偏ることを抑制できる。
正極循環機構230及び負極循環機構240はそれぞれ、正極供給導管231及び負極供給導管241と、正極排出導管232及び負極排出導管242と、正極ポンプ233及び負極ポンプ243とを備える(図9)。各極供給導管231、241及び各極排出導管232、242は上述した通りである。
各極ポンプ233、243は、各極電解液を循環させる。具体的には、充放電を行う運転時、各極ポンプ233、243により、各極電解液は、各極電解液タンク30、40から各極往路管31、41と各極供給導管231、241とを流通して各極セル202、203に供給され、各極セル202、203から各極排出導管232、242と各極復路管32、42とを流通して各極電解液タンク30、40に排出されることで各極セル202、203に循環される。充放電を行わない待機時、各極ポンプ233、243が停止され、各極電解液は循環されない。各極ポンプ233、243の種類は、適宜選択でき、例えば自吸式ポンプが利用できる。各極ポンプ233、243は、本例では各極供給導管231、241の途中に設けられている。この正極ポンプ233と負極ポンプ243とは、電池機器コンテナ2の長手方向の中央を挟んで対称の位置に配置することが好ましい。そうすれば、電池機器コンテナ2の重心が偏ることを抑制できる。
電池機器コンテナ2の内部には、更に、制御部260、熱交換器270などを収納できる。
制御部260は、正極循環機構230、及び負極循環機構240における各極電解液の循環を制御する。この制御部260は、具体的には、各極循環機構に備わる各極ポンプを制御するポンプ制御部を有する。制御部260は、例えば、コンピュータなどが利用できる。なお、制御部260は、3つのコンテナ2~4の外に配置してもよい。
熱交換器270は、各極電解液を冷却する。各極電解液の冷却は、自然放冷による冷却でもよいし、別途設けられたファンなどの冷却機構(図示略)による強制冷却でもよい。本例では、熱交換器270の数を複数(2つ)とし、各極電解液を個々に冷却する。各熱交換器270の配置箇所は、本例では各極排出導管232、242の途中としているが、各極供給導管231、241の途中としてもよい。各極電解液は、電池反応に伴い発熱するため、各熱交換器270の配置箇所を各極排出導管232、242の途中とすることで、各極電解液を良好に冷却できる。正極電解液を冷却する熱交換器270と負極電解液を冷却する熱交換器270とは、電池機器コンテナ2の長手方向の中央を挟んで対称の位置に配置することが好ましい。そうすれば、電池機器コンテナ2の重心が偏ることを抑制できる。
正極タンクコンテナ3及び負極タンクコンテナ4の内部にはそれぞれ、正極電解液タンク30及び負極電解液タンク40と、正極往路管31及び負極往路管41と、正極復路管32及び負極復路管42とが収納される。各極往路管31、41及び各極復路管32、42は上述した通りである。
各極電解液タンク30、40は、箱状の容器で、その形状は、各タンクコンテナ3、4と同形状、ここでは直方体状である。各極電解液タンク30、40の大きさは、各タンクコンテナ3、4よりも少し小さい。各極電解液タンク30、40の構成材料は、上述の正極供給導管231などのコーティング層と同様の樹脂やゴムが挙げられる。各電解液タンク30、40への各極往路管31、41及び各極復路管32、42の接続は、各極往路管31、41及び各極復路管32、42と各極電解液タンク30、40の貫通孔との間を埋める上述の介在部材により行う。介在部材は、各極往路管31、41及び各極復路管32、42の長手方向に位置ずれしないように、各極往路管31、41及び各極復路管32、42に取り付けられる。
各極タンクコンテナ3,4の内部には、更に、各極電解液タンク30、40の気相同士を連通する気相連通管(正極気相挿通管及び負極気相挿通管)や、各極電解液タンク30、40の気相の圧力を調整する圧力調整機構を収納できる(いずれも図示略)。正極気相挿通管の一端は、正極電解液タンク30の気相部分に開口し、負極気相挿通管の一端は、負極電解液タンク30の気相部分に開口している。正極気相挿通管の他端と負極気相挿通管の他端とは、一方のタンクコンテナ内、又は両タンクコンテナ3、4外で接続されている。この接続には、上述した接続構造5と同様の着脱自在な接続構造、更には伸縮自在な接続構造を採用できる。圧力調整機構は、各極電解液タンク30,40の気相の圧力変化に追従して膨張及び収縮する公知の圧力調整バッグが利用できる。圧力調整機構は、各極電解液タンク30、40の内外のいずれに設けられていてもよい。
RF電池1の設計変更は、例えば、次のようにして行える。
電池容量を増加(減少)させる場合、図1(図2)、図3(図4)、図5(図6)のそれぞれのRF電池1の両タンクコンテナ3、4のみを、図2(図1)、図4(図3)、図6(図5)に示すように、より大きな(小さな)タンクコンテナ3、4に交換する。まず、設置箇所に設置されているタンクコンテナ3、4の上の電池機器コンテナ2を、両タンクコンテナ3、4の上から両タンクコンテナ3、4と重ならない所定の位置に移動させる。次に、設置箇所を空けるために、設置されている両タンクコンテナ3、4を設置箇所から移動させる。次に、空いた設置箇所に、以前よりも大きな(小さな)両タンクコンテナ3、4を移動させる。そして、所定の位置に移動させた電池機器コンテナ2を、新たに設置した両タンクコンテナ3、4の上に載置する。各コンテナ自体の移動は、適当なクレーンなどを用いて行える。そして、各導管231、232、241、242と各極往路管31、41、及び各極復路管32、42とを電池機器コンテナ2内で接続構造5により接続して電解液の循環路を構築する(図7、図8)。
電池出力を増加(減少)させる場合、図1~図6のRF電池1の電池機器コンテナ2を、図示は省略するが、より大きな(小さな)電池機器コンテナ2に交換することが挙げられる。図1、図2に示すRF電池1の電池出力を増加(減少)させる場合、より大きな(小さな)電池機器コンテナ2を両タンクコンテナ3、4の上に載置する前に、両タンクコンテナ3、4同士の間の間隔を広げる(狭める)とよい。両タンクコンテナ3、4同士の間の間隔を広げる場合、両タンクコンテナ3、4の間における電池機器コンテナ2の下側には、電池機器コンテナ2を下から支持するために別途空のコンテナやコンテナと同様の支持強度を持つ適宜な架台を配置してもよい。図5、図6に示すRF電池1の場合には、両タンクコンテナ3、4の上に載置されている電池機器コンテナ2のみを交換するため、両タンクコンテナ3、4は移動させることなくそのまま使用可能である。その後の各管同士の接続は電池容量の変更と同様である。また、電池出力を増加は、電池機器コンテナ2のサイズを変更せず数を増加することで行える。更に、電池出力を増加は、3つのコンテナ2、3、4を一つの電池モジュールとし、電池モジュールの数を増加(増設)することで行える。
上記交差タイプの電池モジュールを複数有する場合、その配置形態は、例えば、以下の(a)~(c)の3つの形態が挙げられる。
(a)各電池モジュールを、タンクコンテナ3,4の並列方向に沿って配置する。
(b)各電池モジュールを、タンクコンテナ3,4の並列方向及び上下方向の両方向に直交する方向に沿って配置する。
(c)上記(a)及び上記(b)の両方とする。
上記平行タイプの電池モジュールを複数有する場合、その配置形態は、例えば、上記交差タイプと同様、以下の(a)~(c)の3つの形態が挙げられる。
(a)各電池モジュールを、タンクコンテナ3,4の並列方向に沿って配置する。
(b)各電池モジュールを、タンクコンテナ3,4の並列方向及び上下方向の両方向に直交する方向に沿って配置する。
(c)上記(a)及び上記(b)の両方とする。
上記同一直線タイプの電池モジュールを複数有する場合、その配置形態は、例えば、以下の(a)~(c)の3つの形態が挙げられる。
(a)各電池モジュールを、タンクコンテナ3,4の直列方向及び上下方向の両方向に直交する方向に沿って配置する。
(b)各電池モジュールを、タンクコンテナ3,4の直列方向に沿って配置する。
(c)上記(a)及び上記(b)の両方とする。
実施形態1のRF電池1は、太陽光発電、風力発電などの自然エネルギーの発電に対して、発電出力の変動の安定化、発電電力の余剰時の蓄電、負荷平準化などを目的とした蓄電池に利用できる。また、実施形態1のRF電池1は、一般的な発電所に併設されて、瞬低・停電対策や負荷平準化を目的とした蓄電池として利用できる。
実施形態1に係るRF電池1によれば、電池容量や電池出力などの設計変更を容易に行える。電池セル200などと正極電解液タンク30と負極電解液タンク40とを互いに異なるコンテナ2、3、4に収納しているからである。コンテナ自体の交換は容易であり、設計変更の必要な部材(電池セル200や各極電解液タンク30、40)の交換は、その部材を収納するコンテナ2、3、4自体を交換することで行える。タンクコンテナ3、4や電池機器コンテナ2自体をサイズの異なるコンテナ2、3、4に交換すれば、内部に収納される電解液量や電池セル数を変えられてRF電池1の電池容量や電池出力を変えられる。また、電池セル200などと正極電解液タンク30と負極電解液タンク40とを互いに異なるコンテナ2、3、4に収納していることで、設置レイアウトの自由度が高い。設計変更ではなく、経年劣化などにより電池セル200のみや各極電解液タンク30、40のみを交換する必要が生じた場合でも、その交換をコンテナ2、3、4自体を同じサイズのコンテナに交換することで容易に行える。
変形例のRF電池は、正極側の各導管231,232と往復管31,32との両接続構造5の配置箇所と、負極側の各導管241,242と往復管41,42との両接続構造5の配置箇所とを、電池機器コンテナ2内とせず、以下の(1)~(4)に示す位置とする点が、実施形態に係るRF電池1と相違する。変形例では、実施形態1との相違点を中心に説明し、同様の構成は説明を省略する。以下の説明では、正極側の上記両接続構造5の配置箇所を説明するが、負極側の上記両接続構造5の配置箇所は、正極側の上記両接続構造5の配置箇所と同様の位置とすることができる。
電池モジュール数を1つとし、上記交差タイプ、上記平行タイプ、及び上記同一直線タイプのそれぞれの場合におけるコンテナ同士の接触面積A、合計表面積Sb、表面積削減率Scを算出した。ここでは、各タイプにおける3つのコンテナの組み合わせは、以下の7パターン(P1~P7)とした。積層する段数は2段であり、下側には2つのタンクコンテナを配置し、上側には1つの電池機器コンテナを、下側の両タンクコンテナの間を跨ぎ、両タンクコンテナの屋根上に均等に載置した。合計表面積Sbは、「上記平面タイプの合計表面積Sa-接触面積A」で求めた。表面積削減率Sc(%)は、「{1-(合計表面積Sb)/(合計表面積Sa)}×100」で求めた。その算出結果を表1に示す。
P2:3つのコンテナが全て20フィートハイキューブコンテナ
P3:電池機器コンテナが20フィートコンテナ、2つのタンクコンテナが40フィートコンテナ
P4:電池機器コンテナが20フィートハイキューブコンテナ、2つのタンクコンテナが40フィートハイキューブコンテナ
P5:3つのコンテナが全て40フィートコンテナ
P6:3つのコンテナが全て40フィートハイキューブコンテナ
P7:電池機器コンテナが20フィートハイキューブコンテナ、2つのタンクコンテナが45フィートハイキューブコンテナ
電池モジュール数を2~20の範囲で種々変更し、各電池モジュールが上記交差タイプ、上記平行タイプ、上記同一直線タイプのそれぞれの場合におけるコンテナ同士の接触面積A、合計表面積Sb、表面積削減率Scを算出した。各電池モジュールにおける3つのコンテナの組み合わせは、計算例1における上記P2と上記P4の2種類とした。各電池モジュールにおける3つのコンテナの組み合わせが上記P2の場合の算出結果を表2に示し、上記P4の場合の算出結果を表3に示す。
2 電池機器コンテナ
2b 底板
200 電池セル
201 隔膜
202 正極セル
204 正極電極
203 負極セル
205 負極電極
210 セルフレーム
211 双極板
212 枠体
213 給液マニホールド
214 給液スリット
215 排液マニホールド
216 排液スリット
220 シール部材
230 正極循環機構
231 正極供給導管
232 正極排出導管
233 正極ポンプ
240 負極循環機構
241 負極供給導管
242 負極排出導管
243 負極ポンプ
250 セルスタック
251 サブスタック
252 給排板
253 エンドプレート
254 締付機構
260 制御部
270 熱交換器
3 正極タンクコンテナ
3u 天板
3b 補強梁
30 正極電解液タンク
30u 天板
31 正極往路管
32 正極復路管
4 負極タンクコンテナ
4u 天板
4b 補強梁
4c 補強柱
40 負正極電解液タンク
40u 天板
41 正極往路管
42 正極復路管
5 接続構造
6バルブ
Claims (7)
- 正極電解液を貯留する正極電解液タンクを収納した正極タンクコンテナと、
負極電解液を貯留する負極電解液タンクを収納した負極タンクコンテナと、
正極電極、負極電極、及び隔膜を有する電池セルと、前記正極電解液を前記電池セルに供給して循環させる正極循環機構と、前記負極電解液を前記電池セルに供給して循環させる負極循環機構とを収納した電池機器コンテナとを備えるレドックスフロー電池。 - 前記正極循環機構及び前記負極循環機構はそれぞれ、前記各極電解液を前記電池セルに供給する各極供給導管、及び前記各極電解液を前記電池セルから排出する各極排出導管を有し、
前記正極電解液タンク及び前記負極電解液タンクはそれぞれ、前記各極電解液を前記各極電解液タンクから前記各極供給導管に送る各極往路管、及び前記各極電解液を前記各極排出導管から前記各極電解液タンクに戻す各極復路管を有し、
更に、前記各極供給導管及び前記各極排出導管のそれぞれと、前記各極往路管及び前記各極復路管のそれぞれとを着脱自在に接続する接続構造を有する請求項1に記載のレドックスフロー電池。 - 前記電池機器コンテナは、前記正極タンクコンテナ及び前記負極タンクコンテナの少なくとも一方の屋根上に載置される請求項1又は請求項2に記載のレドックスフロー電池。
- 前記電池機器コンテナは、前記正極タンクコンテナと前記負極タンクコンテナとの間を跨ぎ、前記正極タンクコンテナと前記負極タンクコンテナの両屋根上に均等に載置されている請求項3に記載のレドックスフロー電池。
- 前記正極タンクコンテナ及び前記負極タンクコンテナは、互いの間隔を空けると共に、互いに長手方向が平行となるように並列配置され、
前記電池機器コンテナは、その長手方向が前記正極タンクコンテナ及び前記負極タンクコンテナの長手方向と直交するように載置される請求項4に記載のレドックスフロー電池。 - 前記正極タンクコンテナ及び前記負極タンクコンテナは、互いに長手方向が平行で、かつ互いの側面同士が接するように並列配置され、
前記電池機器コンテナは、その長手方向が前記正極タンクコンテナ及び前記負極タンクコンテナの長手方向と平行となるように載置される請求項4に記載のレドックスフロー電池。 - 前記正極循環機構及び前記負極循環機構はそれぞれ、前記各極電解液を循環させる正極ポンプ及び負極ポンプを有し、
前記電池機器コンテナ内を側面視したとき、前記正極ポンプと前記負極ポンプとは、前記電池機器コンテナの左右方向の中央を挟んで対称の位置に配置される請求項4から請求項6のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池。
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