WO2018235575A1 - ナトリウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
正極層と負極層とが短絡し難く、かつ充放電容量が低下し難いナトリウムイオン二次電池を提供する。 本発明のナトリウムイオン二次電池1は、ナトリウムイオン伝導性酸化物からなり、対向し合う第1の主面2a及び第2の主面2bを有する固体電解質2と、ナトリウムを吸蔵・放出可能であり、固体電解質2の第1の主面2a上に設けられている正極層3と、ナトリウムを吸蔵・放出可能であり、固体電解質2の第2の主面2b上に設けられている負極層4とを備え、第1の主面2a及び/または第2の主面2bが、正極層3及び/または負極層4に接していない露出部13及び/または露出部14が形成されていることを特徴とする。
Description
本発明は、ナトリウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、モバイル機器や電気自動車等に不可欠な、高容量で軽量な電源としての地位を確立している。しかし、現行のリチウムイオン二次電池には、電解質として可燃性の有機系電解液が主に用いられているため、発火等の危険性が懸念されている。この問題を解決する方法として、有機系電解液に代えて固体電解質を使用したリチウムイオン全固体電池の開発が進められている。しかしながら、リチウムは世界的な原材料の高騰の懸念がある。そこで、リチウムに代わる材料としてナトリウムが注目されており、ナトリウムイオン伝導性結晶を使用したナトリウムイオン全固体電池が提案されている。
下記の特許文献1においては、ナトリウムイオン二次電池の一例が開示されている。このナトリウムイオン二次電池は固体電解質を有し、固体電解質の一方主面上に正極層が形成されており、他方主面上に負極層が形成されている。正極層及び負極層の各電極層は、ナトリウムイオンの吸蔵・放出が可能な活物質を含む。電極層は、例えば活物質結晶前駆体粉末及びナトリウムイオン伝導性結晶粉末を含有するスラリーを固体電解質の一方主面上に塗布し、焼成することにより形成されている。
しかしながら、電極層の形成の際に、スラリーが固体電解質の一方主面から側面に垂れて、対極層と接触することがあった。そのため、形成した正極層と負極層とが短絡することがあった。また、電極層用のスラリーを焼成する際に、スラリーのバインダーや溶剤の成分が揮発して対極層側に回り込むことにより、対極層表面に付着することがあった。これにより、ナトリウムイオン二次電池の内部抵抗が増加し、充放電容量が低下するという問題があった。
また、電極層(特に負極層)や集電体層をスパッタリング法や蒸着法などにより形成する場合もあるが、その際にスパッタリングターゲットや蒸着源から発生した粒子が、固体電解質の一方主面から側面を迂回して対極層側に回り込むことにより、上記のような短絡や充放電容量の低下の問題が発生するおそれがあった。
本発明の目的は、正極層と負極層とが短絡し難く、かつ充放電容量が低下し難いナトリウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明のナトリウムイオン二次電池は、ナトリウムイオン伝導性酸化物からなり、対向し合う第1の主面及び第2の主面を有する固体電解質と、ナトリウムを吸蔵・放出可能であり、固体電解質の第1の主面上に設けられている正極層と、ナトリウムを吸蔵・放出可能であり、固体電解質の第2の主面上に設けられている負極層とを備え、第1の主面及び/または第2の主面が、正極層及び/または負極層に接していない露出部を有することを特徴としている。
露出部が第1の主面及び/または第2の主面の外周縁の全てを含むことが好ましい。
露出部の面積が、第1の主面及び/または第2の主面の面積の1%以上、50%以下であることが好ましい。
固体電解質がセラミックスであることが好ましい。この場合、固体電解質が、β-アルミナ、β”-アルミナまたはNASICON型結晶であることが好ましい。
リン酸塩、珪酸塩及びホウ酸塩のうち少なくとも一種を含み、ナトリウムを吸蔵・放出可能である活物質を、負極層及び正極層のうち少なくとも一方が含むことが好ましい。
正極層上及び/または負極層上に集電体が設けられていてもよい。この場合、集電体と接続するように、第1の主面及び/または第2の主面の露出部に外部接続端子が設けられていてもよい。
本発明によれば、正極層と負極層とが短絡し難く、かつ充放電容量が低下し難いナトリウムイオン二次電池を提供することができる。
以下、好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照する場合がある。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態のナトリウムイオン二次電池を示す模式的断面図である。図1に示すように、本実施形態のナトリウムイオン二次電池1は、固体電解質2と、固体電解質2を介して対向するように設けられている正極層3及び負極層4とを備えている。固体電解質2は、対向し合う第1の主面2a及び第2の主面2bを有する。正極層3は第1の主面2a上に設けられている。負極層4は第2の主面2b上に設けられている。
図1は、本発明の第1の実施形態のナトリウムイオン二次電池を示す模式的断面図である。図1に示すように、本実施形態のナトリウムイオン二次電池1は、固体電解質2と、固体電解質2を介して対向するように設けられている正極層3及び負極層4とを備えている。固体電解質2は、対向し合う第1の主面2a及び第2の主面2bを有する。正極層3は第1の主面2a上に設けられている。負極層4は第2の主面2b上に設けられている。
固体電解質2の第1の主面2aは、正極層3に接触していない露出部13を有する。第2の主面2bも同様に、負極層4と接触していない露出部14を有する。なお、第1の主面2a及び第2の主面2bのうち少なくとも一方が露出部を有していればよい。
図2は、本発明の第1の実施形態のナトリウムイオン二次電池を示す模式的平面図である。図2に示すように、露出部13は、第1の主面2aの外周縁の全てを含んでいる。また、図1に示す第2の主面2bにおける露出部14も同様に、第2の主面2bの外周縁の全てを含んでいる。
本実施形態の特徴は、固体電解質2の第1の主面2a及び第2の主面2bに露出部13及び露出部14が形成されていることにある。それによって、正極層と負極層とが短絡し難く、かつ充放電容量が低下し難い。これを以下において説明する。
正極層3は、正極活物質前駆体粉末、必要に応じて、固体電解質粉末及び/または導電助剤を含むスラリーを用いて作製することができる。スラリーには、必要に応じて、バインダー、可塑剤、溶剤等が添加される。固体電解質2の第1の主面2a上にスラリーを塗布した後、乾燥させ、これを焼成することにより、正極層3を作製することができる。
スラリーは特にその粘度が低い場合は塗布後に垂れが発生する場合がある。例えば正極層3を形成するために塗布したスラリーに垂れが発生すると、固体電解質2の側面、さらには負極層4に至るおそれがある。正極層3を形成するために塗布したスラリーが負極層4に接触すると、短絡の原因となる。一方、本実施形態においては、スラリーは、第1の主面2aに露出部13が形成されるように塗布されるため、スラリーは固体電解質2の側面に至り難く、第2の主面2b、さらには負極層4にも至り難い。従って、正極層3と負極層4とは短絡し難い。
スラリーを乾燥させる際及び焼成する際においては、バインダーや溶剤が揮発する。本実施形態においては、バインダーや溶剤の揮発物の第2の主面2b側への拡散が、露出部13により遮られる。よって、上記揮発物が負極層4に付着し難い。従って、ナトリウムイオン二次電池1の内部抵抗が大きくなることを抑制することができ、充放電容量が低下し難い。
一方で、負極層4は、負極活物質前駆体粉末、必要に応じて、固体電解質粉末及び/または導電助剤を含むスラリーを用いて作製することができる。スラリーには、必要に応じて、バインダー、可塑剤、溶剤等が添加される。固体電解質2の第2の主面2b上にスラリーを塗布した後、乾燥させ、これを焼成することにより、負極層4を作製することができる。また、負極層4はスパッタリング法や蒸着法により作製しても構わない。
本実施形態においては、第2の主面2bは、第1の主面2aと同様に、露出部14を有する。従って、正極層3の場合と同様に、負極層4の形成に際しても、正極層3と負極層4とが短絡し難い。加えて、ナトリウムイオン二次電池1の内部抵抗が大きくなることを抑制することができ、充放電容量が低下し難い。また、負極層4をスパッタリング法や蒸着法により作製する際にも、露出部14を有することにより、スパッタリングターゲットや蒸着源から発生した粒子が、第1の主面2a側に回り込むことが抑制され、結果として短絡や充放電容量の低下の発生を抑制することができる。
なお、複数のナトリウムイオン二次電池1を積層してスタックとする場合、ナトリウムイオン二次電池1の積層数が多いほど、スタックの内部抵抗は大きくなる。本実施形態では、各ナトリウムイオン二次電池1の内部抵抗が大きくなることを抑制することができる。従って、スタックの内部抵抗を小さくすることができ、スタックの充放電容量が低下し難い。
露出部13の面積は、第1の主面2aの面積の1%以上、5%以上、特に15%以上であることが好ましい。露出部14の面積は、第2の主面2bの面積の1%以上、3%以上、特に10%以上であることが好ましい。露出部13の面積は、第1の主面2aの面積の50%以下、40%以下、特に35%以下であることが好ましい。露出部14の面積は、第2の主面2bの面積の50%以下、40%以下、特に35%以下であることが好ましい。露出部13の第1の主面2aに対する面積比が大きすぎると、正極層3の面積が小さくなるため、充放電容量を十分に大きくすることができないおそれがある。露出部13の第1の主面2aに対する面積比が小さすぎると、製造工程において、正極形成用のスラリーが固体電解質2の側面に至りやすくなり、正極層3と負極層4とが短絡しやすくなるおそれがある。露出部14と第2の主面2bとの関係においても同様である。
以下において、ナトリウムイオン二次電池1に用いられる固体電解質2、正極層3及び負極層4の詳細について説明する。
(固体電解質)
本実施形態において、固体電解質2は、ナトリウムイオン伝導性酸化物から形成されている。ナトリウムイオン伝導性酸化物としては、Al、Y、Zr、Si及びPから選ばれる少なくとも1種、Na、並びにOを含有する化合物が挙げられ、その具体例としては、β-アルミナ、β”-アルミナ、及びNASICON型結晶が挙げられる。これらは、ナトリウムイオン伝導性に優れているため好ましく用いられる。
本実施形態において、固体電解質2は、ナトリウムイオン伝導性酸化物から形成されている。ナトリウムイオン伝導性酸化物としては、Al、Y、Zr、Si及びPから選ばれる少なくとも1種、Na、並びにOを含有する化合物が挙げられ、その具体例としては、β-アルミナ、β”-アルミナ、及びNASICON型結晶が挙げられる。これらは、ナトリウムイオン伝導性に優れているため好ましく用いられる。
β-アルミナやβ”-アルミナを含有する酸化物材料としては、モル%で、Al2O3 65%~98%、Na2O 2%~20%、MgO+Li2O 0.3%~15%を含有するものが挙げられる。組成をこのように限定した理由を以下に説明する。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「%」は「モル%」を意味する。また「○+○+・・・」は該当する各成分の合量を意味する。
Al2O3は、β-アルミナ及びβ”-アルミナを構成する主成分である。Al2O3の含有量は65%~98%、特に70%~95%であることが好ましい。Al2O3が少なすぎると、イオン伝導性が低下しやすくなる。一方、Al2O3が多すぎると、イオン伝導性を有さないα-アルミナが残存し、イオン伝導性が低下しやすくなる。
Na2Oは、固体電解質2にナトリウムイオン伝導性を付与する成分である。Na2Oの含有量は2%~20%、3%~18%、特に4%~16%であることが好ましい。Na2Oが少なすぎると、上記効果が得られにくくなる。一方、Na2Oが多すぎると、余剰のナトリウムがNaAlO2等のイオン伝導性に寄与しない化合物を形成するため、イオン伝導性が低下しやすくなる。
MgO及びLi2Oはβ-アルミナ及びβ”-アルミナの構造を安定化させる成分(安定化剤)である。MgO+Li2Oの含有量は0.3%~15%、0.5%~10%、特に0.8%~8%であることが好ましい。MgO+Li2Oが少なすぎると、固体電解質2にα-アルミナが残存してイオン伝導性が低下しやすくなる。一方、MgO+Li2Oが多すぎると、安定化剤として機能しなかったMgOまたはLi2Oが固体電解質2に残存して、イオン伝導性が低下しやすくなる。
固体電解質2は、上記成分以外にも、ZrO2やY2O3を含有することが好ましい。ZrO2及びY2O3は、原料を焼成して固体電解質2を作製する際のβ-アルミナ及び/またはβ”-アルミナの異常粒成長を抑制し、β-アルミナ及び/またはβ”-アルミナの各粒子の密着性を向上させる効果がある。ZrO2の含有量は0%~15%、1%~13%、特に2%~10%であることが好ましい。また、Y2O3の含有量は0%~5%、0.01%~4%、特に0.02%~3%であることが好ましい。ZrO2またはY2O3が多すぎると、β-アルミナ及び/またはβ”-アルミナの生成量が低下して、イオン伝導性が低下しやすくなる。
NASICON型結晶としては、一般式NasA1tA2uOv(A1はAl、Y、Yb、Nd、Nb、Ti、Hf及びZrから選択される少なくとも1種、A2はSi及びPから選択される少なくとも1種、s=1.4~5.2、t=1~2.9、u=2.8~4.1、v=9~14)で表される結晶を含有するものが挙げられる。なお上記結晶の好ましい形態としては、A1はY、Nb、Ti及びZrから選択される少なくとも1種、s=2.5~3.5、t=1~2.5、u=2.8~4、v=9.5~12である。このようにすることでイオン伝導性に優れた結晶を得ることができる。特に、単斜晶系または三方晶系のNASICON型結晶であればイオン伝導性に優れるため好ましい。
上記一般式NasA1tA2uOvで表される結晶の具体例としては、Na3Zr2Si2PO12、Na3.2Zr1.3Si2.2P0.8O10.5、Na3Zr1.6Ti0.4Si2PO12、Na3Hf2Si2PO12、Na3.4Zr0.9Hf1.4Al0.6Si1.2P1.8O12、Na3Zr1.7Nb0.24Si2PO12、Na3.6Ti0.2Y0.8Si2.8O9、Na3Zr1.88Y0.12Si2PO12、Na3.12Zr1.88Y0.12Si2PO12、Na3.6Zr0.13Yb1.67Si0.11P2.9O12等が挙げられる。
固体電解質2の厚みは、10μm~2000μmの範囲であることが好ましく、50μm~200μmの範囲であることがさらに好ましい。固体電解質2の厚みが薄すぎると、機械的強度が低下して破損しやすくなる。また、内部短絡が起こりやすくなる。固体電解質2の厚みが厚すぎると、充放電に伴うイオン伝導距離が長くなるため内部抵抗が大きくなり、放電容量及び作動電圧が低下しやすくなる。また、ナトリウムイオン二次電池1の単位体積当たりのエネルギー密度も低下する傾向にある。
固体電解質2は、原料粉末を混合し、混合した原料粉末を成形した後、焼成することにより製造することができる。例えば、原料粉末をスラリー化してグリーンシートを作製した後、グリーンシートを焼成することにより製造することができる。また、ゾルゲル法により製造してもよい。
(正極層)
本実施形態における正極層3は、ナトリウムを吸蔵・放出可能な正極活物質を含み、正極層3として機能するものであれば特に限定されない。例えば、ガラス粉末等の活物質前駆体粉末を焼成して形成してもよい。活物質前駆体粉末を焼成することにより、活物質結晶が析出し、この活物質結晶が正極活物質として作用する。
本実施形態における正極層3は、ナトリウムを吸蔵・放出可能な正極活物質を含み、正極層3として機能するものであれば特に限定されない。例えば、ガラス粉末等の活物質前駆体粉末を焼成して形成してもよい。活物質前駆体粉末を焼成することにより、活物質結晶が析出し、この活物質結晶が正極活物質として作用する。
正極活物質として作用する活物質結晶としては、Na、M(MはCr、Fe、Mn、Co、V及びNiから選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素)、P及びOを含むナトリウム遷移金属リン酸塩結晶が挙げられる。具体例としては、Na2FeP2O7、NaFePO4、Na3V2(PO4)3、Na2NiP2O7、Na3.64Ni2.18(P2O7)2、Na3Ni3(PO4)2(P2O7)、Na2CoP2O7、Na3.64Co2.18(P2O7)2等が挙げられる。当該ナトリウム遷移金属リン酸塩結晶は、高容量で化学的安定性に優れるため好ましい。なかでも空間群P1またはP-1に属する三斜晶系結晶、特に一般式NaxMyP2Oz(1.2≦x≦2.8、0.95≦y≦1.6、6.5≦z≦8)で表される結晶がサイクル特性に優れるため好ましい。その他に正極活物質として作用する活物質結晶としては、NaCrO2、Na0.7MnO2、NaFe0.2Mn0.4Ni0.4O2等の層状ナトリウム遷移金属酸化物結晶が挙げられる。なお、正極層に含まれる正極活物質結晶は、1種類の結晶のみが析出した単相であってもよく、複数種類の結晶が析出した混相であってもよい。
活物質前駆体粉末としては、(i)Cr、Fe、Mn、Co、Ni、Ti及びNbから選択される少なくとも1種の遷移金属元素、(ii)P、Si及びBから選択される少なくとも1種の元素、並びに(iii)Oを含むものが挙げられる。
正極活物質前駆体粉末としては、特にリン酸塩、珪酸塩及びホウ酸塩のうち少なくとも一種を含み、ナトリウムを吸蔵・放出可能であるもの、具体的には酸化物換算のモル%で、Na2O 8%~55%、CrO+FeO+MnO+CoO+NiO 10%~70%、P2O5+SiO2+B2O3 15%~70%を含有するものが挙げられる。各成分をこのように限定した理由を以下に説明する。なお、以下の各成分の含有量に関する説明において、特に断りのない限り、「%」は「モル%」を意味する。
Na2Oは、充放電の際に正極活物質と負極活物質との間を移動するナトリウムイオンの供給源となる。Na2Oの含有量は8%~55%、15%~45%、特に25%~35%であることが好ましい。Na2Oが少なすぎると、吸蔵及び放出に寄与するナトリウムイオンが少なくなるため、放電容量が低下する傾向にある。一方、Na2Oが多すぎると、Na3PO4等の充放電に寄与しない異種結晶が析出しやすくなるため、放電容量が低下する傾向にある。
CrO、FeO、MnO、CoO、NiOは、充放電の際に各遷移元素の価数が変化してレドックス反応を起こすことにより、ナトリウムイオンの吸蔵及び放出の駆動力として作用する成分である。なかでも、NiO及びMnOは酸化還元電位を高める効果が大きい。また、FeOは充放電において特に構造を安定化させやすく、サイクル特性を向上させやすい。CrO+FeO+MnO+CoO+NiOの含有量は10%~70%、15%~60%、20%~55%、23%~50%、25%~40%、特に26%~36%であることが好ましい。CrO+FeO+MnO+CoO+NiOが少なすぎると、充放電に伴うレドックス反応が起こりにくくなり、吸蔵及び放出されるナトリウムイオンが少なくなるため放電容量が低下する傾向にある。一方、CrO+FeO+MnO+CoO+NiOが多すぎると、異種結晶が析出して放電容量が低下する傾向にある。
P2O5、SiO2及びB2O3は3次元網目構造を形成するため、正極活物質の構造を安定化させる効果を有する。特に、P2O5、SiO2がイオン伝導性に優れるために好ましく、P2O5が最も好ましい。P2O5+SiO2+B2O3の含有量は15%~70%であり、20%~60%、特に25%~45%であることが好ましい。P2O5+SiO2+B2O3が少なすぎると、繰り返し充放電した際に放電容量が低下しやすくなる傾向にある。一方、P2O5+SiO2+B2O3が多すぎると、P2O5等の充放電に寄与しない異種結晶が析出する傾向にある。なお、P2O5、SiO2及びB2O3の各成分の含有量は各々0%~70%、15%~70%、20%~60%、特に25%~45%であることが好ましい。
また、正極活物質としての効果を損なわない範囲で、上記成分に加えて種々の成分を含有させることでガラス化を容易にすることができる。このような成分としては、酸化物表記でMgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、CuO、Al2O3、GeO2、Nb2O5、TiO2、ZrO2、V2O5、Sb2O5が挙げられ、特に網目形成酸化物として働くAl2O3や活物質成分となるV2O5が好ましい。上記成分の含有量は、合量で0%~30%、0.1%~20%、特に0.5%~10%であることが好ましい。
正極活物質前駆体粉末は、焼成により、正極活物質結晶とともに非晶質相が形成されるものであることが好ましい。非晶質相が形成されることにより、正極層3内及び正極層3と固体電解質2との界面におけるナトリウムイオン伝導性を向上させることができる。
活物質前駆体粉末の平均粒子径は0.01μm~15μm、0.05μm~12μm、特に0.1μm~10μmであることが好ましい。活物質前駆体粉末の平均粒子径が小さすぎると、活物質前駆体粉末同士の凝集力が強くなり、ペースト化した際に分散性に劣る傾向がある。その結果、電池の内部抵抗が大きくなり作動電圧が低下しやすくなる。また、電極密度が低下して電池の単位体積あたりの容量が低下する傾向がある。一方、活物質前駆体粉末の平均粒子径が大きすぎると、ナトリウムイオンが拡散しにくくなるとともに、内部抵抗が大きくなる傾向がある。また、電極の表面平滑性に劣る傾向がある。
なお、本発明において、平均粒子径はD50(体積基準の平均粒子径)を意味し、レーザー回折散乱法により測定された値を指すものとする。
正極層3の厚みは、3μm~300μmの範囲であることが好ましく、10μm~150μmの範囲であることがさらに好ましい。正極層3の厚みが薄すぎると、ナトリウムイオン二次電池1自体の容量が小さくなるためエネルギー密度が低下する傾向にある。正極層3の厚みが厚すぎると、電子伝導に対する抵抗が大きくなるため放電容量及び作動電圧が低下する傾向にある。
正極層3には、必要に応じて、固体電解質粉末が含まれていてもよい。固体電解質粉末としては、上述の固体電解質2と同様の材料の粉末を用いることができる。固体電解質粉末を含むことにより、正極層3内及び正極層3と固体電解質2との界面におけるナトリウムイオン伝導性を向上させることができる。固体電解質粉末の平均粒子径は、好ましくは0.01μm~15μm、より好ましくは0.05μm~10μm、さらに好ましくは0.1μm~5μmである。
固体電解質粉末の平均粒子径が大きすぎると、ナトリウムイオン伝導に要する距離が長くなりナトリウムイオン伝導性が低下する傾向がある。また、正極活物質粉末と固体電解質粉末との間のナトリウムイオン伝導パスが減少する傾向がある。結果として、放電容量が低下しやすくなる。一方、固体電解質粉末の平均粒子径が小さすぎると、ナトリウムイオンの溶出や炭酸ガスとの反応による劣化が起こってナトリウムイオン伝導性が低下しやすくなる。また、空隙が形成されやすくなるため電極密度も低下しやすくなる。結果として、放電容量が低下する傾向がある。
活物質前駆体粉末と固体電解質粉末の体積比は20:80~95:5、30:70~90:10、特に35:65~88:12であることが好ましい。
また、正極層3には、必要に応じて、カーボン粉末等の導電助剤が含まれていてもよい。導電助剤が含まれることにより、正極層3の内部抵抗を小さくすることができる。導電助剤は、正極層3中に0質量%~20質量%で含有させることが好ましく、1質量%~10質量%の割合で含有させることがより好ましい。
(負極層)
負極層4は、ナトリウムを吸蔵・放出可能な負極活物質を含み、負極層として機能するものであれば特に限定されない。負極活物質は、例えば、ガラス粉末等の負極活物質前駆体粉末を焼成して形成してもよい。負極活物質前駆体粉末を焼成することにより、負極活物質結晶が析出し、この負極活物質結晶が負極活物質として作用する。あるいは、負極層4はスパッタリング法や蒸着法等により形成してもよい。
負極層4は、ナトリウムを吸蔵・放出可能な負極活物質を含み、負極層として機能するものであれば特に限定されない。負極活物質は、例えば、ガラス粉末等の負極活物質前駆体粉末を焼成して形成してもよい。負極活物質前駆体粉末を焼成することにより、負極活物質結晶が析出し、この負極活物質結晶が負極活物質として作用する。あるいは、負極層4はスパッタリング法や蒸着法等により形成してもよい。
負極活物質として作用する負極活物質結晶としては、例えば、Nb及びTiから選ばれる少なくとも1種及びOを含む結晶、Sn、Bi及びSbから選ばれる少なくとも1種の金属結晶、またはSn、Bi及びSbから選ばれる少なくとも1種を含む合金結晶を挙げることができる。
Nb及びTiから選ばれる少なくとも1種及びOを含む結晶は、サイクル特性に優れるため好ましい。さらに、Nb及びTiから選ばれる少なくとも1種及びOを含む結晶が、Na及び/またはLiを含むと、充放電効率(充電容量に対する放電容量の比率)が高まり、高い充放電容量を維持することができるため好ましい。なかでも、Nb及びTiから選ばれる少なくとも1種及びOを含む結晶が、斜方晶系結晶、六方晶系結晶、立方晶系結晶または単斜晶系結晶、特に空間群P21/mに属する単斜晶系結晶であれば、大電流で充放電しても容量の低下が起こりにくいため、より好ましい。
斜方晶系結晶としては、NaTi2O4等が挙げられる。六方晶系結晶としては、Na2TiO3、NaTi8O13、NaTiO2、LiNbO3、LiNbO2、Li7NbO6、Li2Ti3O7等が挙げられる。立方晶系結晶としては、Na2TiO3、NaNbO3、Li4Ti5O12、Li3NbO4等が挙げられる。単斜晶系結晶としては、Na2Ti6O13、NaTi2O4、Na2TiO3、Na4Ti5O12、Na2Ti4O9、Na2Ti9O19、Na2Ti3O7、Li1.7Nb2O5、Li1.9Nb2O5、Li12Nb13O33、LiNb3O8等が挙げられる。空間群P21/mに属する単斜晶系結晶としては、Na2Ti3O7等が挙げられる。
Nb及びTiから選ばれる少なくとも1種及びOを含む結晶は、さらに、B、Si、P及びGeから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。これらの成分は、負極活物質結晶とともに非晶質相を形成させやすくし、ナトリウムイオン伝導性をより一層向上させる効果を有する。
その他に、Na金属結晶、または少なくともNaを含む合金結晶(例えばNa-Sn合金、Na-In合金)や、Sn、Bi及びSbから選ばれる少なくとも1種の金属結晶、Sn、Bi及びSbから選ばれる少なくとも1種を含む合金結晶(例えばSn-Cu合金、Bi-Cu合金、Bi-Zn合金)、Sn、Bi及びSbから選ばれる少なくとも1種を含有するガラスを用いることができる。これらは、高容量であり、大電流で充放電しても容量の低下が起こりにくいため好ましい。
負極活物質前駆体粉末としては、特にリン酸塩、珪酸塩及びホウ酸塩のうち少なくとも一種を含み、ナトリウムを吸蔵・放出可能であるもの、具体的には酸化物換算のモル%で、SnO 0%~90%、Bi2O3 0%~90%、TiO2 0%~90%、Fe2O3 0%~90%、Nb2O5 0%~90%、SiO2+B2O3+P2O5 5%~75%、Na2O 0%~80%を含有することが好ましい。上記構成にすることにより、負極活物質成分であるSnイオン、Biイオン、Tiイオン、FeイオンまたはNbイオンが、Si、BまたはPを含有する酸化物マトリクス中により均一に分散した構造が形成される。また、Na2Oを含有することにより、ナトリウムイオン伝導性により一層優れた材料となる。結果として、ナトリウムイオンを吸蔵及び放出する際の体積変化を抑制でき、サイクル特性により一層優れた負極活物質を得ることが可能となる。
負極活物質前駆体粉末の組成を上記の通り限定した理由を以下に説明する。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「%」は「モル%」を意味する。また、「○+○+・・・」は該当する各成分の合量を意味する。
SnO、Bi2O3、TiO2、Fe2O3及びNb2O5は、アルカリイオンを吸蔵及び放出するサイトとなる負極活物質成分である。これらの成分を含有させることにより、負極活物質の単位質量当たりの放電容量がより大きくなり、かつ、初回充放電時の充放電効率(充電容量に対する放電容量の比率)がより向上しやすくなる。但し、これらの成分の含有量が多すぎると、充放電時のナトリウムイオンの吸蔵及び放出に伴う体積変化を緩和できずに、サイクル特性が低下する傾向がある。以上に鑑み、各成分の含有量範囲は以下の通りとすることが好ましい。
SnOの含有量は、0%~90%、45%~85%、55%~75%、特に60%~72%であることが好ましい。
Bi2O3の含有量は、0%~90%、10%~70%、15%~65%、特に25%~55%であることが好ましい。
TiO2の含有量は、0%~90%、5%~72%、10%~68%、12%~58%、15%~49%、特に15%~39%であることが好ましい。
Fe2O3の含有量は、0%~90%、15%~85%、20%~80%、特に25%~75%であることが好ましい。
Nb2O5の含有量は、0%~90%、7%~79%、9%~69%、11%~59%、13%~49%、特に15%~39%であることが好ましい。なお、SnO+Bi2O3+TiO2+Fe2O3+Nb2O5は、0%~90%、5%~85%、特に10%~80%であることが好ましい。
また、SiO2、B2O3及びP2O5は、網目形成酸化物であり、上記負活物質成分におけるナトリウムイオンの吸蔵及び放出サイトを取り囲み、サイクル特性をより一層向上させる作用がある。なかでも、SiO2及びP2O5は、サイクル特性をより一層向上させるだけでなく、ナトリウムイオン伝導性に優れるため、レート特性をより一層向上させる効果がある。
SiO2+B2O3+P2O5は、5%~85%、6%~79%、7%~69%、8%~59%、9%~49%、特に10%~39%であることが好ましい。SiO2+B2O3+P2O5が少なすぎると、充放電時のナトリウムイオンの吸蔵及び放出に伴う負極活物質成分の体積変化を緩和できず構造破壊を起こすため、サイクル特性が低下しやすくなる。一方、SiO2+B2O3+P2O5が多すぎると、相対的に負極活物質成分の含有量が少なくなり、負極活物質の単位質量当たりの充放電容量が小さくなる傾向がある。
なお、SiO2、B2O3及びP2O5の各々の含有量の好ましい範囲は以下の通りである。
SiO2の含有量は、0%~75%、5%~75%、7%~60%、10%~50%、12%~40%、特に20%~35%であることが好ましい。SiO2の含有量が多すぎると、放電容量が低下しやすくなる。
P2O5の含有量は、5%~75%、7%~60%、10%~50%、12%~40%、特に20%~35%であることが好ましい。P2O5の含有量が少なすぎると、上記の効果が得られにくくなる。一方、P2O5の含有量が多すぎると、放電容量が低下しやすくなるとともに、耐水性が低下しやすくなる。また、水系電極ペーストを作製した際に、望まない異種結晶が生じてP2O5ネットワークが切断されるため、サイクル特性が低下しやすくなる。
B2O3の含有量は、0%~75%、5%~75%、7%~60%、10%~50%、12%~40%、特に20%~35%であることが好ましい。B2O3の含有量が多すぎると、放電容量が低下しやすくなるとともに、化学的耐久性が低下しやすくなる。
負極活物質前駆体粉末は、焼成により、負極活物質結晶とともに非晶質相が形成されるものであることが好ましい。非晶質相が形成されることにより、負極層4内及び負極層4と固体電解質2との界面におけるナトリウムイオン伝導性を向上させることができる。
負極活物質前駆体粉末の平均粒子径は、0.01μm~15μm、0.05μm~12μm、特に0.1μm~10μmであることが好ましい。負極活物質前駆体粉末の平均粒子径が小さすぎると、負極活物質前駆体粉末同士の凝集力が強くなり、ペースト化した際に分散性に劣る傾向がある。その結果、電池の内部抵抗が高くなり作動電圧が低下しやすくなる。また、電極密度が低下して電池の単位体積あたりの容量が低下する傾向がある。一方、負極活物質前駆体粉末の平均粒子径が大きすぎると、ナトリウムイオンが拡散しにくくなるとともに、内部抵抗が大きくなる傾向がある。また、電極の表面平滑性に劣る傾向がある。
なお、本発明において、平均粒子径は、D50(体積基準の平均粒子径)を意味し、レーザー回折散乱法により測定された値を指すものとする。
負極層4の厚みは、0.3μm~300μmの範囲であることが好ましく、3μm~150μmの範囲であることがより好ましい。負極層4の厚みが薄すぎると、負極の絶対容量(mAh)が低下する傾向にある。負極層4の厚みが厚すぎると、抵抗が大きくなるため容量(mAh/g)が低下する傾向にある。
負極層4には、固体電解質粉末、導電助剤等が含有されていてもよい。固体電解質粉末を含有させ負極合材とすることにより、負極活物質と固体電解質粉末の接触界面が増加し、充放電に伴うナトリウムイオンの吸蔵・放出が行いやすくなり、その結果レート特性をより一層向上させることができる。
固体電解質粉末としては、上述の固体電解質2と同様の材料の粉末を用いることができる。固体電解質粉末の平均粒子径は、0.01μm~15μm、0.05μm~10μm、特に0.1μm~5μmであることが好ましい。
固体電解質粉末の平均粒子径が大きすぎると、ナトリウムイオン伝導に要する距離が長くなりナトリウムイオン伝導性が低下する傾向がある。また、負極活物質粉末と固体電解質粉末との間のナトリウムイオン伝導パスが減少する傾向がある。結果として、放電容量が低下しやすくなる。一方、固体電解質粉末の平均粒子径が小さすぎると、ナトリウムイオンの溶出や炭酸ガスとの反応による劣化が起こってナトリウムイオン伝導性が低下しやすくなる。また、空隙が形成されやすくなるため電極密度も低下しやすくなる。結果として、放電容量が低下する傾向がある。
負極活物質前駆体粉末と固体電解質粉末の体積比は、20:80~95:5、30:70~90:10、特に35:65~88:12であることが好ましい。
導電助剤としては、例えば、カーボン粉末等が挙げられる。導電助剤が含まれることにより、負極層4の内部抵抗を小さくすることができる。導電助剤は、負極層4中に0質量%~20質量%で含有させることが好ましく、1質量%~10質量%の割合で含有させることがより好ましい。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態のナトリウムイオン二次電池を示す模式的断面図である。図3に示すように、本実施形態は、正極層3上に第1の集電体25が設けられており、負極層4上に第2の集電体26が設けられている点において、第1の実施形態と異なる。これにより、集電を好適に行うことができる。
図3は、本発明の第2の実施形態のナトリウムイオン二次電池を示す模式的断面図である。図3に示すように、本実施形態は、正極層3上に第1の集電体25が設けられており、負極層4上に第2の集電体26が設けられている点において、第1の実施形態と異なる。これにより、集電を好適に行うことができる。
第1の集電体25及び第2の集電体26の厚みは、特に限定されないが、例えば、それぞれ10nm以上、30μm以下である。本実施形態においては、第1の集電体25及び第2の集電体26は金からなるものである。なお、第1の集電体25及び第2の集電体26は、例えば、アルミニウム、チタン、銀、銅、ステンレス鋼等や、これらの合金からなるものであってもよい。第1の集電体25及び第2の集電体26は、例えば、スパッタリング法や蒸着法等により形成することができる。
本実施形態においても、固体電解質2の第1,第2の主面2a,2bは露出部13,14を有する。従って、第1の実施形態と同様に、ナトリウムイオン二次電池21において、正極層3と負極層4とが短絡し難く、かつ充放電容量が低下し難い。
(第3の実施形態)
図4は、本発明の第3の実施形態のナトリウムイオン二次電池を示す模式的断面図である。また図5は、本発明の第3の実施形態のナトリウムイオン二次電池を示す模式的平面図である。本実施形態は、固体電解質2の第1の主面2aの露出部13に、第1の集電体25と接続する第1の外部接続端子37を有し、さらに、固体電解質2の第2の主面2bの露出部14に、第2の集電体26と接続する第2の外部接続端子38を有する点において、第2の実施形態と異なる。なお、ナトリウムイオン二次電池31は、第1の外部接続端子37及び第2の外部接続端子38のうち少なくとも一方を有していればよい。
図4は、本発明の第3の実施形態のナトリウムイオン二次電池を示す模式的断面図である。また図5は、本発明の第3の実施形態のナトリウムイオン二次電池を示す模式的平面図である。本実施形態は、固体電解質2の第1の主面2aの露出部13に、第1の集電体25と接続する第1の外部接続端子37を有し、さらに、固体電解質2の第2の主面2bの露出部14に、第2の集電体26と接続する第2の外部接続端子38を有する点において、第2の実施形態と異なる。なお、ナトリウムイオン二次電池31は、第1の外部接続端子37及び第2の外部接続端子38のうち少なくとも一方を有していればよい。
本実施形態においても、固体電解質2の第1,第2の主面2a,2bは露出部13,14を有する。従って、第1の実施形態と同様に、ナトリウムイオン二次電池31において、正極層3と負極層4とが短絡し難く、かつ充放電容量が低下し難い。
正極層3及び負極層4の面積がそれぞれ固体電解質2の第1,第2の主面2a,2bと同じ場合、平面視において外部接続端子は正極層3、固体電解質2及び負極層4の積層体の外側に形成する必要がある。一方、本実施形態では、第1の外部接続端子37及び第2の外部接続端子38は、露出部13及び露出部14にそれぞれ設けられている。よって、ナトリウムイオン二次電池31の平面視における面積は、第1,第2の外部接続端子37,38を含めて、固体電解質2の平面視における面積と同じとすることができる。従って、ナトリウムイオン二次電池31の小型化を図ることができる。
また、平面視において正極層3、固体電解質2及び負極層4の積層体の外側に外部接続端子を形成した場合、外部接続端子は宙に浮いた状態となる。この場合、例えばナトリウムイオン二次電池を他の電子機器に実装した際に、外部接続端子が折れ曲がり対極層に接触することによって、正極層3及び負極層4が短絡する等の不具合が生じるおそれがある。一方、本実施形態では、第1の外部接続端子37は露出部13に接しており、浮いた状態とはなっていないため、そのような不具合が生じ難い。第2の外部接続端子38においても同様である。
なお、第1の外部接続端子37は第1の集電体25と一体的に設けられていてもよい。このようにすれば、第1の外部接続端子37は第1の集電体25と同時に、例えばスパッタリング法や蒸着法などにより形成することができるため、生産性を高めることができる。第2の外部接続端子38においても同様である。
<実施例>
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(a)固体電解質の作製
(a-1)固体電解質粉末の作製
炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化イットリウム(Y2O3)を用いて、モル%で、Na2O 14.2%、MgO 5.5%、Al2O3 75.4%、ZrO2 4.7%、Y2O3 0.2%の組成となるように原料粉末を調合した。原料粉末をφ20mmの金型を用いて40MPaで一軸プレスにより成型し、1600℃で30分間焼成してβ”-アルミナを得た。なお、焼成後のβ”-アルミナの取り扱いは露点-40℃以下の雰囲気下で行った。
(a)固体電解質の作製
(a-1)固体電解質粉末の作製
炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化イットリウム(Y2O3)を用いて、モル%で、Na2O 14.2%、MgO 5.5%、Al2O3 75.4%、ZrO2 4.7%、Y2O3 0.2%の組成となるように原料粉末を調合した。原料粉末をφ20mmの金型を用いて40MPaで一軸プレスにより成型し、1600℃で30分間焼成してβ”-アルミナを得た。なお、焼成後のβ”-アルミナの取り扱いは露点-40℃以下の雰囲気下で行った。
得られたβ”-アルミナをアルミナ乳鉢及び乳棒で粉砕し、目開き300μmのメッシュを通過させた。通過した粉末を、φ5mmのYTZ(イットリア安定化ジルコニア)玉石を投入したFritsch社製、「遊星ボールミルP6」を用いて300rpmで30分間(15分毎に15分間休止)粉砕し、さらに目開き20μmのメッシュを通過させた。その後、空気分級機(日本ニューマチック工業株式会社製、「MDS-1型」)を使用して空気分級することにより、β”-アルミナからなる固体電解質粉末を得た。なお、いずれの作業も露点-40℃以下の雰囲気下で行った。
(a-2)固体電解質の作製
炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化イットリウム(Y2O3)を用いて、モル%で、Na2O 14.2%、MgO 5.5%、Al2O3 75.4%、ZrO2 4.7%、Y2O3 0.2%の組成となるように原料粉末を調合した。その後、エタノールを媒体として原料粉末を4時間湿式混合した。エタノールを蒸発させた後、バインダーとしてアクリル酸エステル系共重合体(共栄社化学製、「オリコックス1700」)、可塑剤としてフタル酸ベンジルブチルを用い、原料粉末:バインダー:可塑剤=83.5:15:1.5(質量比)となるように秤量し、これらをN-メチルピロリドン中に分散させ、自転・公転ミキサーで十分に撹拌してスラリー化した。
炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化イットリウム(Y2O3)を用いて、モル%で、Na2O 14.2%、MgO 5.5%、Al2O3 75.4%、ZrO2 4.7%、Y2O3 0.2%の組成となるように原料粉末を調合した。その後、エタノールを媒体として原料粉末を4時間湿式混合した。エタノールを蒸発させた後、バインダーとしてアクリル酸エステル系共重合体(共栄社化学製、「オリコックス1700」)、可塑剤としてフタル酸ベンジルブチルを用い、原料粉末:バインダー:可塑剤=83.5:15:1.5(質量比)となるように秤量し、これらをN-メチルピロリドン中に分散させ、自転・公転ミキサーで十分に撹拌してスラリー化した。
PETフィルム上に、間隙250μmのドクターブレードを用いて上記で得られたスラリーを塗布し、70℃で乾燥することによりグリーンシートを得た。その後、得られたグリーンシートを、等方圧プレス装置を用いて、90℃、40MPaで5分間プレスした。
プレス後のグリーンシートを1600℃で30分間焼成することにより、12mm角、厚さ50μmのβ”-アルミナからなる固体電解質を得た。なお、焼成後の固体電解質の取り扱いは露点-40℃以下の雰囲気下で行った。
(b)正極活物質前駆体粉末の作製
原料としてメタリン酸ソーダ(NaPO3)、酸化ニッケル(NiO)、炭酸ソーダ(Na2CO3)、オルトリン酸(H3PO4)を用いて、モル%で、Na2O 33.3%、NiO 33.3%、及びP2O5 33.3%の組成となるように原料粉末を調製した。原料粉末を白金ルツボに投入し、電気炉を用いて大気中にて1200℃で90分間の溶融を行った。次いで、溶融ガラスを一対の回転ローラー間に流し出し、急冷しながら成形し、厚み0.1mm~2mmのフィルム状のガラス体を得た。
原料としてメタリン酸ソーダ(NaPO3)、酸化ニッケル(NiO)、炭酸ソーダ(Na2CO3)、オルトリン酸(H3PO4)を用いて、モル%で、Na2O 33.3%、NiO 33.3%、及びP2O5 33.3%の組成となるように原料粉末を調製した。原料粉末を白金ルツボに投入し、電気炉を用いて大気中にて1200℃で90分間の溶融を行った。次いで、溶融ガラスを一対の回転ローラー間に流し出し、急冷しながら成形し、厚み0.1mm~2mmのフィルム状のガラス体を得た。
得られたフィルム状のガラス体について、φ20mmのZrO2玉石を使用したボールミル粉砕を5時間行い、目開き120μmの樹脂製篩に通過させ、平均粒子径3μm~15μmのガラス粗粉末を得た。次いで、このガラス粗粉末に対し、粉砕助剤にエタノールを用い、φ3mmのZrO2玉石を使用したボールミル粉砕を80時間行うことで、平均粒子径0.7μmのガラス粉末(正極活物質前駆体粉末)を得た。
(c)正極合材層(正極層)の作製
質量%で、正極活物質前駆体粉末 72%、(a-1)で作製した固体電解質粉末 25%、アセチレンブラック 3%(正極活物質前駆体粉末と固体電解質粉末の体積比は76:24)となるように秤量し、メノウ製の乳鉢及び乳棒を用いて2時間混合した。得られた混合粉末100質量部に対し、N-メチルピロリドンを20質量部(10質量%のポリプロピレンカーボネート(住友精化株式会社製)を含有)添加して、自転・公転ミキサーを用いて十分に撹拌し、スラリー化した。なお、上記の操作はすべて露点-40℃以下の雰囲気下で行った。
質量%で、正極活物質前駆体粉末 72%、(a-1)で作製した固体電解質粉末 25%、アセチレンブラック 3%(正極活物質前駆体粉末と固体電解質粉末の体積比は76:24)となるように秤量し、メノウ製の乳鉢及び乳棒を用いて2時間混合した。得られた混合粉末100質量部に対し、N-メチルピロリドンを20質量部(10質量%のポリプロピレンカーボネート(住友精化株式会社製)を含有)添加して、自転・公転ミキサーを用いて十分に撹拌し、スラリー化した。なお、上記の操作はすべて露点-40℃以下の雰囲気下で行った。
得られたスラリーを、(a-2)で作製した固体電解質の一方の主面の中央に、10mm角、100μmの厚さで塗布し、70℃で3時間乾燥させた。次に、窒素ガス雰囲気中575℃にて30分間焼成した。これにより、固体電解質の一方の主面に正極合材層を形成した。固体電解質の正極合材層が形成された主面における露出部の面積は、正極合材層が形成された主面の面積の30.6%である。得られた正極合材層を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察した結果、一部の領域において結晶構造に相当する格子像は見られず、非晶質相の存在が確認された。正極合材層を構成する材料について粉末X線回折パターンを確認したところ、Na2NiP2O7結晶及びNa3.64Ni2.18(P2O7)2結晶由来の回折線が確認された。なお、いずれの正極においても、使用した各固体電解質粉末に由来する結晶性回折線が確認された。
(d)全固体電池の作製
(c)で得られた固体電解質と正極層との積層体における正極層上に、スパッタ装置(サンユー電子株式会社製、「SC-701AT」)を用いて、金からなる第1の集電体を形成した。その後、露点-60℃以下のアルゴン雰囲気中にて、固体電解質の正極層とは反対側の主面の中央に、対極となる10mm角の金属ナトリウムを圧着し、コインセルの下蓋の上に載置した後、上蓋を被せてCR2032型試験電池を作製した。
(c)で得られた固体電解質と正極層との積層体における正極層上に、スパッタ装置(サンユー電子株式会社製、「SC-701AT」)を用いて、金からなる第1の集電体を形成した。その後、露点-60℃以下のアルゴン雰囲気中にて、固体電解質の正極層とは反対側の主面の中央に、対極となる10mm角の金属ナトリウムを圧着し、コインセルの下蓋の上に載置した後、上蓋を被せてCR2032型試験電池を作製した。
(実施例2)
正極合材層を11mm角とし、対極となる金属ナトリウムを11mm角とした以外は、実施例1と同様に全固体電池を作製した。固体電解質の正極合材層が形成された主面における露出部の面積は、正極合材層が形成された主面の面積の16.0%であった。
正極合材層を11mm角とし、対極となる金属ナトリウムを11mm角とした以外は、実施例1と同様に全固体電池を作製した。固体電解質の正極合材層が形成された主面における露出部の面積は、正極合材層が形成された主面の面積の16.0%であった。
(実施例3)
正極合材層を11.75mm角とし、対極となる金属ナトリウムを11.75mm角とした以外は、実施例1と同様に全固体電池を作製した。固体電解質の正極合材層が形成された主面における露出部の面積は、正極合材層が形成された主面の面積の4.1%であった。
正極合材層を11.75mm角とし、対極となる金属ナトリウムを11.75mm角とした以外は、実施例1と同様に全固体電池を作製した。固体電解質の正極合材層が形成された主面における露出部の面積は、正極合材層が形成された主面の面積の4.1%であった。
(比較例1)
正極合材層を12mm角とし、対極となる金属ナトリウムを12mm角とした以外は、実施例1と同様に全固体電池を作製した。なお、比較例1における固体電解質は、両主面において露出部を有しない。
正極合材層を12mm角とし、対極となる金属ナトリウムを12mm角とした以外は、実施例1と同様に全固体電池を作製した。なお、比較例1における固体電解質は、両主面において露出部を有しない。
(実施例4)
(a-2)で作製した固体電解質の一方の主面の中央に、正極合材層を形成する代わりに、10mm角の金属Bi膜をマグネトロンスパッタリング法により形成した以外は、実施例1と同様に全固体電池を作製した。固体電解質の金属Bi膜が形成された主面における露出部の面積は、金属Bi膜が形成された主面の面積の30.6%であった。なお、本実施例において金属Bi膜は負極層としての機能を果たす。
(a-2)で作製した固体電解質の一方の主面の中央に、正極合材層を形成する代わりに、10mm角の金属Bi膜をマグネトロンスパッタリング法により形成した以外は、実施例1と同様に全固体電池を作製した。固体電解質の金属Bi膜が形成された主面における露出部の面積は、金属Bi膜が形成された主面の面積の30.6%であった。なお、本実施例において金属Bi膜は負極層としての機能を果たす。
(比較例2)
(a-2)で作製した固体電解質の一方の主面の中央に、正極合材層を形成する代わりに、12mm角の金属Bi膜をマグネトロンスパッタリング法により形成した以外は、比較例1と同様に全固体電池を作製した。比較例2における固体電解質は、両主面において露出部を有していない。
(a-2)で作製した固体電解質の一方の主面の中央に、正極合材層を形成する代わりに、12mm角の金属Bi膜をマグネトロンスパッタリング法により形成した以外は、比較例1と同様に全固体電池を作製した。比較例2における固体電解質は、両主面において露出部を有していない。
(充放電試験)
作製した実施例1~4及び比較例1,2の評価用電池について充放電試験を行い、充放電が可能であるか否かを確認した。この結果、実施例1~4においては、充放電が可能であった。一方で、比較例1,2においては、正極合材層とその対極とが短絡し、動作しなかった。このように、実施例1~4においては、正極合材層とその対極とが短絡し難いことがわかる。
作製した実施例1~4及び比較例1,2の評価用電池について充放電試験を行い、充放電が可能であるか否かを確認した。この結果、実施例1~4においては、充放電が可能であった。一方で、比較例1,2においては、正極合材層とその対極とが短絡し、動作しなかった。このように、実施例1~4においては、正極合材層とその対極とが短絡し難いことがわかる。
1…ナトリウムイオン二次電池
2…固体電解質
2a,2b…第1,第2の主面
3…正極層
4…負極層
13,14…露出部
21…ナトリウムイオン二次電池
25,26…第1,第2の集電体
31…ナトリウムイオン二次電池
37,38…第1,第2の外部接続端子
2…固体電解質
2a,2b…第1,第2の主面
3…正極層
4…負極層
13,14…露出部
21…ナトリウムイオン二次電池
25,26…第1,第2の集電体
31…ナトリウムイオン二次電池
37,38…第1,第2の外部接続端子
Claims (8)
- ナトリウムイオン伝導性酸化物からなり、対向し合う第1の主面及び第2の主面を有する固体電解質と、
ナトリウムを吸蔵・放出可能であり、前記固体電解質の前記第1の主面上に設けられている正極層と、
ナトリウムを吸蔵・放出可能であり、前記固体電解質の前記第2の主面上に設けられている負極層とを備え、
前記第1の主面及び/または前記第2の主面が、前記正極層及び/または前記負極層に接していない露出部を有する、ナトリウムイオン二次電池。 - 前記露出部が前記第1の主面及び/または前記第2の主面の外周縁の全てを含む、請求項1に記載のナトリウムイオン二次電池。
- 前記露出部の面積が、前記第1の主面及び/または前記第2の主面の面積の1%以上、50%以下である、請求項1または2に記載のナトリウムイオン二次電池。
- 前記固体電解質がセラミックスである、請求項1~3のいずれか一項に記載のナトリウムイオン二次電池。
- 前記固体電解質が、β-アルミナ、β”-アルミナまたはNASICON型結晶である、請求項4に記載のナトリウムイオン二次電池。
- リン酸塩、珪酸塩及びホウ酸塩のうち少なくとも一種を含み、ナトリウムを吸蔵・放出可能である活物質を、前記負極層及び前記正極層のうち少なくとも一方が含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のナトリウムイオン二次電池。
- 前記正極層上及び/または前記負極層上に集電体が設けられている、請求項1~6のいずれか一項に記載のナトリウムイオン二次電池。
- 前記集電体と接続するように、前記第1の主面及び/または前記第2の主面の前記露出部に外部接続端子が設けられている、請求項7に記載のナトリウムイオン二次電池。
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Cited By (1)
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- 2018-06-04 WO PCT/JP2018/021339 patent/WO2018235575A1/ja active Application Filing
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