WO2018117201A1

WO2018117201A1 - 蓄電装置

Info

Publication number: WO2018117201A1
Application number: PCT/JP2017/045844
Authority: WO
Inventors: 厚志南形; 雅人小笠原
Original assignee: 株式会社豊田自動織機
Priority date: 2016-12-21
Filing date: 2017-12-21
Publication date: 2018-06-28

Abstract

蓄電装置は複数の正極電極と複数の負極電極とが互いに絶縁された状態で交互に積層された電極組立体を有する。正極電極は、正極本体部の表面に正極活物質合剤を塗布して形成された正極塗工部を備える。正極塗工部の第１正極塗工縁部は、設計上、正極本体部の第１正極縁部と一致している。負極電極は、負極本体部の表面に負極活物質合剤を塗布して形成された負極塗工部を備えるとともに、負極タブを備える。負極塗工部の負極タブ塗工縁部は、設計上、負極タブ上にある。

Description

蓄電装置

　本発明は、電極組立体を備える蓄電装置に関する。

　従来から、蓄電装置の一種である二次電池としては、リチウムイオン二次電池や、ニッケル水素二次電池などが知られている。例えば、リチウムイオン二次電池では、シート状の正極電極及び負極電極を積層した電極組立体を備える（例えば、特許文献１）。

　特許文献１のように、正極電極は、矩形シート状の正極金属箔と、正極金属箔の両面に存在する正極塗工部とを備える。また、正極電極は、正極金属箔のうち正極塗工部の存在しない箇所に、金属箔の露出した未塗工部を備える。同様に、負極電極は、矩形シート状の負極金属箔と、負極金属箔の両面に存在する負極塗工部とを備える。また、負極電極は、負極金属箔のうち負極塗工部の存在しない箇所に、金属箔の露出した未塗工部を備える。

　そして、正極電極と負極電極とは、セパレータを介して交互に積層され、電極組立体が形成されている。このような積層型の電極組立体においては、一般に、負極電極よりも正極電極を小さく形成することにより、正極塗工部の全面を負極塗工部に対向させ、塗工部の大きさの不均衡に伴う電池容量の低下を抑制している。

　各極の塗工部は、活物質粒子、導電剤、及びバインダを混合したペースト状の活物質合剤を金属箔の表面に塗布して形成される。このため、各電極において、塗工部を常に一定の範囲で形成することが困難であり、塗工部の高さ方向への寸法に加工誤差が生じるのが通常である。また、負極電極と正極電極を積層して電極組立体を製造していく際に、正極電極と負極電極の位置が高さ方向にずれることもある。このようなずれが生じても、正極塗工部の全面を負極塗工部に対向させた位置関係を維持可能とするため、塗工部の高さ方向の寸法について、設計上の公差が設定されている。

特開２０１３－３０３７６号公報

　ところで、電極組立体は、正極塗工部の全面に負極塗工部を対向させるため、高さ方向一端側では、正極塗工部の縁部は負極塗工部の縁部よりも低い位置にある。しかし、負極電極において、負極塗工部の高さ方向一端側の縁部が公差分、高さ方向他端側へずれた場合には、正極塗工部の全面を負極塗工部に対向させる関係を成立させるために、正極塗工部の高さ方向への寸法が小さくなり、二次電池の電池容量が低下して好ましくない。

　また、特許文献１のように、正極電極及び負極電極が未塗工部を備えると、未塗工部同士が接触して好ましくない。
　本発明の目的は、電池容量の低下を抑制しつつ、正極電極と負極電極とが未塗工部で接触することを抑制できる蓄電装置を提供することにある。

　上記問題点を解決するための蓄電装置は、複数の正極電極と複数の負極電極とが互いに絶縁された状態で交互に積層された電極組立体を有する蓄電装置であって、前記正極電極は、正極集電体を備えるとともに、該正極集電体は矩形状の正極本体部と、該正極本体部の第１正極縁部の一部から突出した形状の正極タブと、を備え、かつ前記正極本体部の前記第１正極縁部の対辺となる第２正極縁部を有し、前記正極本体部の表面に正極活物質合剤を塗布して形成された正極塗工部を備え、前記正極電極について、前記第１正極縁部と前記第２正極縁部とを最短距離で結ぶ直線の延びる方向を高さ方向とし、前記正極塗工部の高さ方向一端に位置し、かつ前記第１正極縁部側の縁部を正極塗工縁部とした場合、前記正極塗工縁部は、設計上、前記第１正極縁部と一致又は正極タブ上にあり、前記負極電極は、負極集電体を備えるとともに、該負極集電体は矩形状の負極本体部と、該負極本体部の第１負極縁部の一部から突出した形状の負極タブと、を備え、かつ前記負極本体部の前記第１負極縁部の対辺となる第２負極縁部を有し、前記負極本体部の表面に負極活物質合剤を塗布して形成された負極塗工部を備え、前記負極電極について、前記第１負極縁部と前記第２負極縁部とを最短距離で結ぶ直線の延びる方向を高さ方向とし、前記負極塗工部の高さ方向一端に位置し、かつ前記第１負極縁部側の縁部を負極塗工縁部とした場合、前記負極塗工縁部は、設計上、前記負極タブ上にあり、かつ前記正極塗工縁部よりも前記高さ方向一端側にあることを要旨とする。

　これによれば、正極電極について、正極本体部の第１正極縁部側では、設計上、正極本体部の露出した未塗工部が形成されにくくなる。このため、電極組立体において正極電極の未塗工部と負極塗工部とが接触することを抑制できる。

　また、電極組立体は、正極塗工部の全面に負極塗工部を対向させるため、高さ方向一端側では、第１正極縁部は第１負極縁部よりも低い位置にある。第１正極縁部と第１負極縁部の高さのずれは、負極塗工部の設計上の公差分である。

　ここで、製造された負極塗工部の高さ方向の寸法が、高さ方向他端側（第２負極縁部側）へ公差分ずれたとしても、設計上は、第１負極縁部上に負極塗工縁部が位置し、高さ方向一端側では、第１正極縁部は負極塗工縁部よりも低い位置にあり、正極塗工部の全面に負極塗工部を対向させることはできる。したがって、正極塗工部の高さ方向への寸法を大きくすることができる。その結果、正極塗工部の面積を増やして蓄電装置の電気的な容量を増大させることができる。

　また、蓄電装置について、前記正極塗工縁部は、設計上、前記第１正極縁部と一致していてもよい。
　また、蓄電装置について、前記正極塗工縁部は、設計上、前記正極タブ上にあり、前記高さ方向への前記正極塗工縁部から前記第１正極縁部までの寸法は、前記正極塗工部の公差よりも大きくてもよい。

　これによれば、正極塗工部の高さ方向の寸法が、高さ方向他端側（第２正極縁部側）へ公差分ずれたとしても、設計上は、正極塗工縁部を正極タブ上に位置させることができる。このため、正極電極には正極本体部の露出した未塗工部が形成されない。よって、電極組立体に積層方向への荷重を加えて拘束した際、未塗工部があることを原因とした拘束力の低下を回避できる。また、正極電極の製造に際し、電極材料を正極電極の外形形状に切断するとき、第１正極縁部に沿う部分の切断は、正極集電体と、その両面の正極塗工部の３層の切断になる。よって、例えば、製造される正極電極にばらつきが生じ、未塗工部のある正極電極や、未塗工部のない正極電極の切断が行われる場合と比べると、切断装置に加わる負荷のばらつきを抑えることができる。

　また、蓄電装置について、前記高さ方向への前記負極塗工縁部から前記第１負極縁部までの寸法は、前記負極塗工部の設計上の公差以上でもよい。
　これによれば、負極塗工部の高さ方向の寸法が、高さ方向他端側（第２負極縁部側）へ公差分ずれたとしても、設計上は、負極塗工縁部を負極タブ上に位置させることができる。このため、負極電極には負極本体部の露出した未塗工部が形成されない。負極電極の製造に際し、電極材料を負極電極の外形形状に切断するとき、第１負極縁部に沿う部分の切断は、負極集電体を形成する部分と、その両面の負極塗工部を形成する部分とを含む３層の切断になる。よって、例えば、製造される負極電極にばらつきが生じ、未塗工部のある負極電極や、未塗工部のない負極電極の切断が行われる場合と比べると、切断装置に加わる負荷のばらつきを抑えることができる。

　また、蓄電装置について、前記高さ方向への前記正極塗工縁部から前記第１正極縁部までの寸法について、前記正極塗工部の前記公差よりも大きくする範囲は１．０ｍｍ以下であるのが好ましい。

　これによれば、公差が最大１ｍｍとなるように設定された場合であっても、正極塗工部の高さ方向の寸法が、高さ方向他端側（第２正極縁部側）へ公差分だけ最大ずれたとしても、公差より大きく設定された分が正極タブ上に存在し、正極塗工縁部を正極タブ上に位置させることができる。このため、正極電極には正極本体部の露出した未塗工部が形成されず、第１正極縁部上には正極塗工部が位置することとなる。

　そして、正極電極の製造の際、第１正極縁部に沿う部分の切断は、正極本体部と正極塗工部の切断になる。例えば、製造される正極電極にばらつきが生じ、未塗工部のある正極電極や、未塗工部のない正極電極の切断が行われる場合と比べると、打ち抜きを行う設備に加わる負荷のばらつきを抑えることができる。

　また、蓄電装置について、前記高さ方向への前記負極塗工縁部から前記第１負極縁部までの寸法について、前記負極塗工部の前記公差より大きくする範囲は１．０ｍｍ以下であるのが好ましい。

　これによれば、公差が最大１ｍｍとなるように設定された場合であっても、負極塗工部の高さ方向の寸法が、高さ方向他端側（第２負極縁部側）へ公差分だけ最大ずれたとしても、公差より大きく設定された分が負極タブ上に存在し、負極塗工縁部を負極タブ上に位置させることができる。このため、第１負極縁部上には負極塗工部が位置することとなる。

　負極電極の製造の際、第１負極縁部に沿う部分の切断は、負極本体部と負極塗工部の切断になる。例えば、製造される負極電極にばらつきが生じ、未塗工部のある負極電極や、未塗工部のない負極電極の切断が行われる場合と比べると、打ち抜きを行う設備に加わる負荷のばらつきを抑えることができる。

　また、蓄電装置について、前記正極塗工縁部は、前記正極タブ上にあり、前記高さ方向への前記正極塗工縁部から前記第１正極縁部までの寸法は、０．５～２．０ｍｍである。
　これによれば、正極タブに正極塗工部が位置するように正極活物質合剤を塗布するため、第１正極縁部上に正極塗工部が位置することとなる。正極電極の製造の際、第１正極縁部に沿う部分の切断は、正極本体部と正極塗工部の切断になる。例えば、製造される正極電極にばらつきが生じ、未塗工部のある正極電極や、未塗工部のない正極電極の切断が行われる場合と比べると、打ち抜きを行う設備に加わる負荷のばらつきを抑えることができる。

　また、蓄電装置について、前記高さ方向への前記正極塗工縁部から前記第１正極縁部までの寸法は、０．８～１．２ｍｍである。
　このように寸法を設定すれば、高さ方向への正極塗工縁部から第１正極縁部までの寸法を公差１ｍｍに近付けて製造することになる。

　また、蓄電装置について、前記高さ方向への前記負極塗工縁部から前記第１負極縁部までの寸法は、０．５～２．０ｍｍである。
　これによれば、負極タブに負極塗工部が位置するように負極活物質合剤を塗布するため、第１負極縁部上に負極塗工部が位置することとなる。負極電極の製造の際、第１負極縁部に沿う部分の切断は、負極本体部と負極塗工部の切断になる。例えば、製造される負極電極にばらつきが生じ、未塗工部のある負極電極や、未塗工部のない負極電極の切断が行われる場合と比べると、打ち抜きを行う設備に加わる負荷のばらつきを抑えることができる。

　また、蓄電装置について、前記高さ方向への前記負極塗工縁部から前記第１負極縁部までの寸法は、０．８～１．２ｍｍである。
　このように寸法を設定すれば、負極塗工部の高さ方向の寸法が、高さ方向他端側に１．０ｍｍずれたとしても、負極未塗工部が形成されにくくなる。よって、高さ方向への負極塗工縁部から第１負極縁部までの寸法を公差１ｍｍに近付けて製造することになる。

　また、蓄電装置について、前記正極タブは、前記第１正極縁部寄りの基端側から折り曲げられるとともに、折り曲げ部から先端に向かう方向が前記正極電極と前記負極電極の積層方向である。

　これによれば、正極塗工縁部から第１正極縁部までの寸法を抑える方向に規定することで、正極タブの折り曲げ部に正極塗工部が重なりにくくなる。その結果、正極タブが折り曲げられても、正極塗工部が正極タブの折り曲げの障害にならず、しかも折り曲げに伴う正極活物質の脱落を抑制できる。

　また、蓄電装置について、前記負極タブは、前記第１負極縁部寄りの基端側から折り曲げられるとともに、折り曲げ部から先端に向かう方向が前記正極電極と前記負極電極の積層方向である。

　これによれば、負極塗工縁部から第１負極縁部までの寸法を抑える方向に規定することで、負極タブの折り曲げ部に負極塗工部が重なりにくくなる。その結果、負極タブが折り曲げられても、負極塗工部が負極タブの折り曲げの障害にならず、しかも折り曲げに伴う負極活物質の脱落を抑制できる。

　前記蓄電装置は二次電池である。

　本発明によれば、電池容量の低下を抑制しつつ、正極電極と負極電極とが未塗工部で接触することを抑制できる。

実施形態の二次電池を示す分解斜視図。電極組立体の構成要素を示す分解斜視図。第１の実施形態の正極電極と負極電極を示す平面図。第１の実施形態における正極電極の製造を示す図。（ａ）は電極組立体を示す部分断面側面図、（ｂ）は正極電極が未塗工部を備える場合を示す部分断面側面図。第２の実施形態の正極電極と負極電極を示す平面図。第２の実施形態における正極電極の製造を示す図。

　（第１の実施形態）
　以下、蓄電装置を二次電池に具体化した第１の実施形態を図１～図５にしたがって説明する。

　図１に示すように、二次電池１０は、外郭を構成する金属製のケース１１を備えている。ケース１１は、一面に開口部１２ａを備える有底直方体状のケース本体１２と、開口部１２ａを塞ぐ蓋体１３とを備えている。ケース１１には、電極組立体１４及び電解質としての電解液（図示略）が収容されている。二次電池１０はリチウムイオン電池である。

　図１又は図２に示すように、電極組立体１４は、複数の正極電極２１と、複数の負極電極２４とが、両者の間に樹脂製のセパレータ２７が介在する状態で交互に積層された積層型の構成である。正極電極２１は、正極集電体としてのシート状の正極金属箔（本実施形態ではアルミニウム箔）２２を備える。正極金属箔２２は矩形状の正極本体部２２ａと、正極本体部２２ａの長辺に沿う第１正極縁部２２ｂの一部から突出した形状の正極タブ３１と、を備える。正極電極２１は、正極本体部２２ａの両面全面に設けられた正極塗工部２３を有する。

　正極電極２１において、正極タブ３１は、正極本体部２２ａの第１正極縁部２２ｂからの突出方向に沿って一定幅である。正極本体部２２ａは、第１正極縁部２２ｂの対辺となる長辺に沿って第２正極縁部２２ｃを有し、第１正極縁部２２ｂと第２正極縁部２２ｃを繋ぐ一対の短辺に沿って第３正極縁部２２ｄを有する。

　図３に示すように、正極電極２１において、第１正極縁部２２ｂと第２正極縁部２２ｃとを最短距離で繋ぐ直線Ｌ１の延びる方向を高さ方向とする。また、第１正極縁部２２ｂ及び第２正極縁部２２ｃの延びる方向を幅方向とする。

　正極塗工部２３は、正極本体部２２ａの第１正極縁部２２ｂ、第２正極縁部２２ｃ、及び一対の第３正極縁部２２ｄを含むように、正極塗工部２３は正極本体部２２ａの全面に正極活物質合剤を塗布して形成されている。

　正極塗工部２３は、高さ方向において最も正極タブ３１に近い縁部に第１正極塗工縁部２３ａを有する。第１正極塗工縁部２３ａは、正極塗工部２３の高さ方向一端に位置し、第１正極縁部２２ｂ側に位置する。よって、本実施形態では、第１正極塗工縁部２３ａが正極塗工部２３の正極塗工縁部に相当する。

　第１正極塗工縁部２３ａは、正極本体部２２ａの第１正極縁部２２ｂに沿い、第１正極塗工縁部２３ａと第１正極縁部２２ｂは面一である。このため、正極電極２１について、第１正極縁部２２ｂに沿って正極本体部２２ａが露出した未塗工部は存在しない。なお、正極電極２１において、高さ方向に沿う第１正極塗工縁部２３ａから第２正極塗工縁部２３ｂまでの寸法を正極塗工部２３の高さＨ１とする。

　また、正極塗工部２３は、第１正極塗工縁部２３ａの対辺に第２正極塗工縁部２３ｂを有し、第２正極塗工縁部２３ｂは正極本体部２２ａの第２正極縁部２２ｃに沿い、第２正極塗工縁部２３ｂと第２正極縁部２２ｃは面一である。正極塗工部２３は、第１正極塗工縁部２３ａと第２正極塗工縁部２３ｂを繋ぐ一対の端縁に第３正極塗工縁部２３ｃを有する。第３正極塗工縁部２３ｃは正極本体部２２ａの第３正極縁部２２ｄに沿い、第３正極塗工縁部２３ｃと第３正極縁部２２ｄは面一である。したがって、正極電極２１について、第２正極縁部２２ｃ、及び第３正極縁部２２ｄに沿って正極本体部２２ａが露出した未塗工部は存在せず、正極本体部２２ａの四辺全てに未塗工部は存在しない。

　次に、負極電極２４について説明する。
　図２に示すように、負極電極２４は、負極集電体としてのシート状の負極金属箔（本実施形態では銅箔）２５を備える。負極金属箔２５は矩形状の負極本体部２５ａと、負極本体部２５ａの長辺に沿う第１負極縁部２５ｂの一部から突出した形状の負極タブ３２と、を備える。

　また、負極電極２４は、負極本体部２５ａの両面及び負極タブ３２における第１負極縁部２５ｂ寄りの一部に設けられた負極塗工部２６を有する。負極本体部２５ａ及び負極タブ３２の両面の負極塗工部２６は、同じ平面形状及び同じ厚みである。

　負極本体部２５ａは、第１負極縁部２５ｂの対辺となる長辺に沿う第２負極縁部２５ｃを有し、第１負極縁部２５ｂと第２負極縁部２５ｃを繋ぐ一対の短辺に沿う第３負極縁部２５ｄを有する。

　負極塗工部２６は、負極タブ３２の根本に存在する部分にタブ側塗工部２９を備える。負極塗工部２６は、負極タブ塗工縁部２６ｔを有する。負極タブ塗工縁部２６ｔは、負極タブ３２の幅方向に延びる端縁であり、負極タブ３２の先端寄りの端縁である。そして、負極タブ塗工縁部２６ｔは、負極塗工部２６の高さ方向一端に位置し、第１負極縁部２５ｂ側に位置する。よって、本実施形態では、負極タブ塗工縁部２６ｔが負極塗工縁部に相当する。なお、タブ側塗工部２９は、負極塗工部２６の平面視において、負極タブ塗工縁部２６ｔと第１負極縁部２５ｂに挟まれた領域に存在する部分である。

　負極塗工部２６は、負極本体部２５ａの第１負極縁部２５ｂに沿う第１負極塗工縁部２６ａを備える。負極電極２４について、第１負極塗工縁部２６ａは、第１負極縁部２５ｂを含み、負極電極２４には、負極本体部２５ａが露出した未塗工部は存在しない。

　図３に示すように、負極電極２４において、第１負極縁部２５ｂと第２負極縁部２５ｃとを最短距離で繋ぐ直線Ｌ２の延びる方向を高さ方向とする。高さ方向へのタブ側塗工部２９の寸法は「ｄ」である。タブ側塗工部２９の寸法ｄは、高さ方向への負極タブ塗工縁部２６ｔと第１負極塗工縁部２６ａとの間の距離である。本実施形態では、タブ側塗工部２９の寸法ｄは、０より大きく、かつ５ｍｍ以下に設定されるのが好ましく、２～４ｍｍに設定されるのがより好ましい。本実施形態では、寸法ｄは３ｍｍである。

　また、負極塗工部２６は、第１負極塗工縁部２６ａの対辺に第２負極塗工縁部２６ｂを有し、第２負極塗工縁部２６ｂは負極本体部２５ａの第２負極縁部２５ｃに沿って設けられている。同様に、負極塗工部２６は、第１負極塗工縁部２６ａと第２負極塗工縁部２６ｂを繋ぐ一対の端縁に第３負極塗工縁部２６ｃを有し、第３負極塗工縁部２６ｃは負極本体部２５ａの第３負極縁部２５ｄに沿って設けられている。したがって、負極電極２４について、第２負極縁部２５ｃ、及び第３負極縁部２５ｄに沿って負極本体部２５ａが露出した未塗工部は存在せず、負極本体部２５ａの四辺全てに未塗工部は存在しない。

　また、高さ方向において負極タブ塗工縁部２６ｔと第２負極塗工縁部２６ｂとの間の距離を、負極塗工部２６の高さＨｔとする。また、高さ方向に沿う第１負極塗工縁部２６ａと第２負極塗工縁部２６ｂの間の距離を塗工部高さＨ２とする。タブ側塗工部２９での負極塗工部２６の高さＨｔは、タブ側塗工部２９以外の部分での負極塗工部２６の塗工部高さＨ２より長い。なお、正極塗工部２３の幅方向への寸法は、負極塗工部２６の幅方向への寸法より短い。

　図４に示すように、正極電極２１は、長尺帯状の電極材料３３を切断装置としての打ち抜き型３６により打ち抜いて製造される。なお、切断装置としては、レーザ加工装置等、別の切断装置であってもよい。電極材料３３は、正極電極２１の正極金属箔２２を形成する長尺金属箔３４と、長尺金属箔３４の両面に設けられ、正極塗工部２３を形成する正極活物質合剤の塗工部３５とを備える。正極活物質合剤は、正極活物質、導電剤、及びバインダを混合したペースト状である。

　正極活物質合剤は、長尺金属箔３４の短手方向両端には塗布されない。電極材料３３の短手方向への寸法は、正極タブ３１の先端から第２正極縁部２２ｃまでの正極電極２１の寸法の２倍である。電極材料３３の短手方向に正極電極２１の高さ方向が沿う状態で、２つの正極電極２１が電極材料３３から打ち抜き可能である。なお、電極材料３３から１つの正極電極２１を形成するように、電極材料３３は、短手方向の一端側のみに正極活物質合剤の塗布されていない部分が形成されていてもよい。そして、塗工部３５から正極塗工部２３が形成され、塗工部３５の存在しない長尺金属箔３４の部分から正極タブ３１が形成される。同様に、本実施形態の負極電極２４は、長尺帯状の電極材料３３を打ち抜き型３６により打ち抜いて製造される。なお、負極電極２４の製造に用いられる負極活物質合剤は、負極活物質、導電剤、及びバインダを混合したペースト状である。

　そして、図２に示すように、電極組立体１４は、正極電極２１及び負極電極２４の間にセパレータ２７を挟んだ状態で、正極電極２１及び負極電極２４を前後方向（厚さ方向）に積層して形成されている。

　各正極電極２１は、それぞれの正極タブ３１が積層方向に沿って列状に配置されるように積層される。積層された状態の各正極タブ３１は、第１正極縁部２２ｂ寄りの基端側から折り曲げられるとともに、折り曲げ部から先端に向かう方向が積層方向である。

　同様に、各負極電極２４は、それぞれの負極タブ３２が、正極タブ３１と重ならないように積層方向に沿って列状に配置されるように積層される。積層された状態の各負極タブ３２は、第１負極縁部２５ｂ寄りの基端側から折り曲げられるとともに、折り曲げ部から先端に向かう方向が積層方向である。正極電極２１と負極電極２４は、正極タブ３１と負極タブ３２とが電極組立体１４の同じ端面から同じ方向に突出している。そして、各正極電極２１の正極タブ３１は、図１に示すように、正極端子１５と電気的に接続される。また、各負極電極２４の負極タブ３２も同様に、図１に示すように、負極端子１６と電気的に接続される。

　次に、正極電極２１及び負極電極２４について詳細に説明する。
　図５（ａ）に示すように、電極組立体１４は、正極塗工部２３の全面に対し、セパレータ２７を介して負極塗工部２６が対向するように積層される必要がある。このため、負極塗工部２６における塗工部高さＨ２は、正極塗工部２３の高さＨ１より長く設定されている。また、電極組立体１４について、正極電極２１及び負極電極２４は、第１正極塗工縁部２３ａが第１負極塗工縁部２６ａよりも高さ方向下側に位置するように積層される。すなわち、第１負極塗工縁部２６ａは、第１正極塗工縁部２３ａよりも高さ方向一端側（上側）に位置している。言い換えると、正極電極２１及び負極電極２４は、第１正極縁部２２ｂが第１負極縁部２５ｂの下側に位置するように積層される。図示しないが、電極組立体１４の底側では、正極電極２１及び負極電極２４は、第２正極塗工縁部２３ｂが第２負極塗工縁部２６ｂよりも高さ方向上側に位置するように積層される。言い換えると、正極電極２１及び負極電極２４は、第２正極縁部２２ｃが第２負極縁部２５ｃの上側に位置するように積層される。

　ところで、正極塗工部２３及び負極塗工部２６は、高さＨ１，Ｈｔについて設計時に設定された値（以下、中央値とする）を狙って製造される。しかし、様々な要因により、高さＨ１，Ｈｔの実寸が中央値からずれる場合がある。要因としては、活物質合剤の塗工時のずれ（±０．５ｍｍ）、打ち抜き型３６の公差、打ち抜き場所のずれ等を原因とした打ち抜き時のずれ（±０．５ｍｍ）、活物質合剤が長尺金属箔３４に対し片面ずつ別々に塗布されることを原因としたずれ（±０．５ｍｍ）がある。また、正極電極２１、セパレータ２７及び負極電極２４を複数枚積層していく際、それらが高さ方向にずれることがある。このようなずれは、上記のずれの中でも、打ち抜き場所のずれ等を原因とした打ち抜き時のずれと、活物質合剤が長尺金属箔３４に対し片面ずつ別々に塗布されることを原因としたずれの２つのずれが発生しやすく、それらのずれが生じた結果として、中央値に対し１．０ｍｍのずれが生じやすい。このため、本実施形態では、公差として最大１．０ｍｍ設定されている。

　これらのずれが生じたとしても、正極塗工部２３の全面に対し負極塗工部２６が対向するように、正極塗工部２３及び負極塗工部２６の高さＨ１，Ｈｔには、設計上の公差（最大１．０ｍｍ）が存在する。図３に示すように、正極塗工部２３の高さＨ１についての公差を「ａ」とし、負極塗工部２６の高さＨｔについての公差を「ｂ」とする。本実施形態では、この公差ｂは、上述のタブ側塗工部２９の寸法ｄと同じである。また、電極組立体１４について、上述した、第１負極塗工縁部２６ａから第１正極塗工縁部２３ａまでのずれ量は、公差ａに設定されている。

　そして、正極塗工部２３が中央値で製造されると、設計上、第１正極塗工縁部２３ａは第１正極縁部２２ｂに一致する。また、負極塗工部２６が中央値で製造されると、設計上、負極タブ塗工縁部２６ｔは負極タブ３２上に位置し、第１負極塗工縁部２６ａは第１負極縁部２５ｂに一致する。

　次に、二次電池１０の作用効果を記載する。
　（１）例えば、図３の２点鎖線に示すように、負極塗工部２６の中央値が、設計上、第１負極縁部２５ｂ上にあると仮定した場合、その場合の負極塗工縁部を２６ｗで表す。公差ｂだけ負極塗工縁部２６ｗの位置が第２負極塗工縁部２６ｂ側にずれると、負極塗工縁部２６ｗは２点鎖線Ｔ１に示す場所に位置する。この場合、正極塗工部２３の第１正極塗工縁部２３ａを負極塗工部２６に対向させるためには、正極塗工部２３は、公差ａを考慮して、設計上の中央値を２点鎖線Ｔ２に設定することとなる。その結果、正極塗工部２３の面積が本実施形態と比べて小さくなってしまう。

　しかし、本実施形態では、負極タブ塗工縁部２６ｔを、設計上、負極タブ３２上に位置させた。このため、製造誤差等により、公差ｂだけ負極タブ塗工縁部２６ｔの位置が高さ方向他端側（第２負極縁部２５ｃ側）である第１負極塗工縁部２６ａ側にずれても、負極タブ塗工縁部２６ｔは、第１負極塗工縁部２６ａと同じ位置になり、ずれ量が小さい場合には、負極タブ塗工縁部２６ｔは負極タブ３２上に位置する。

　このような負極電極２４であれば、公差ａだけ第１負極塗工縁部２６ａから下がった位置にある正極電極２１であっても、正極塗工部２３の全面を負極塗工部２６に対向させることができる。したがって、正極電極２１について、正極塗工部２３が小さくならず、逆に、第１負極塗工縁部２６ａに近付ける方向へ正極塗工部２３を大きくでき、正極塗工部２３の面積を増やして二次電池１０の電池容量を増大させることができる。

　また、正極電極２１について、正極塗工部２３が中央値で製造されると、設計上、第１正極塗工縁部２３ａは第１正極縁部２２ｂに一致する。このため、設計上、正極電極２１には正極本体部２２ａの露出した未塗工部が形成されにくくなる。このため、電極組立体１４において正極電極２１の未塗工部と負極塗工部２６の接触が抑制され、短絡が発生しにくくなる。

　（２）二次電池１０には、必要な電池容量が決まっており、電池容量に応じて正極塗工部２３の面積は決まる。このため、正極電極２１においては、活物質の存在しない無駄な領域は作らず、正極本体部２２ａの全面を正極塗工部２３とすることが望ましい。よって、正極塗工部２３が中央値で製造されると、設計上は第１正極塗工縁部２３ａを第１正極縁部２２ｂ上に位置させ、未塗工部が形成されないようにできる。

　（３）負極電極２４について、負極塗工部２６が中央値で製造されると、設計上は負極タブ塗工縁部２６ｔを負極タブ３２上に位置させることができる。すると、負極塗工部２６のタブ側塗工部２９により負極タブ３２の根本を覆うことができる。よって、負極タブ３２の根本を剛性の高い負極塗工部２６で補強することができ、負極タブ３２と負極本体部２５ａとの交差点に亀裂等が入ることを抑制できる。

　（４）二次電池１０には、必要な電池容量が決まっており、正極塗工部２３の必要な面積は二次電池１０の要求使用によって決まるものであり、正極本体部２２ａの全てを正極塗工部２３とすることが最も無駄が少ない。一方、負極塗工部２６の面積は、正極塗工部２３の面積より必ず大きくしなければならないが、必要以上に負極塗工部２６の面積を大きくすると、発電に寄与しない部分が生じ、ケース１１内に無駄なスペースが生じることとなるため、負極塗工部２６を大きくする量は必要最低限とするのが望ましい。

　このような状況において、負極塗工部２６の中央値を第１負極縁部２５ｂに一致させた場合、公差によって負極塗工縁部がずれて、負極本体部２５ａが露出した未塗工部が形成されてしまう可能性がある。そして、負極電極２４の未塗工部が大きくなると、負極塗工部２６が小さくなり、正極塗工部２３の第１正極塗工縁部２３ａの一部に負極塗工部２６と対向しない部分が生じてしまうことになる。このような場合は、短絡や、リチウム析出の虞がある。

　そこで、負極電極２４について、負極塗工部２６の負極タブ塗工縁部２６ｔが負極タブ３２上に位置するようにした。このため、公差ｂだけ負極タブ塗工縁部２６ｔの位置が高さ方向他端側（第２負極縁部２５ｃ側）となる第１負極塗工縁部２６ａ側にずれても負極塗工部２６を負極本体部２５ａに形成して未塗工部が形成されることを抑制できる。その結果、正極塗工部２３の第１正極塗工縁部２３ａの一部に負極塗工部２６を対向させ、短絡や、リチウム析出を抑制できる。また、負極電極２４の未塗工部が正極塗工部２３に接触することを抑制できる。

　（５）正極電極２１について、正極塗工部２３の中央値を第１正極縁部２２ｂに一致させた。このため、設計上、正極電極２１には正極本体部２２ａの露出した未塗工部が形成されにくくなる。このため、電極組立体１４において正極電極２１の未塗工部と負極塗工部２６の接触を抑制でき、短絡が発生しにくくなる。

　（第２の実施形態）
　次に、蓄電装置を二次電池に具体化した第２の実施形態を図６及び図７にしたがって説明する。なお、第２の実施形態は、第１の実施形態と同様な部分についてはその詳細な説明を省略する。

　図６に示すように、第２の実施形態では、正極塗工部２３が中央値で製造されると、設計上、正極タブ３１の根本にタブ側塗工部２８が形成される。よって、正極塗工部２３は、正極タブ３１上に正極タブ塗工縁部２８ｔを有する。正極タブ塗工縁部２８ｔは、正極タブ３１の幅方向に延びる端縁であり、正極タブ３１の先端に最も近い端縁である。そして、正極タブ塗工縁部２８ｔは、正極塗工部２３の高さ方向一端に位置し、第１正極縁部２２ｂ側に位置する。よって、第２の実施形態では、正極タブ塗工縁部２８ｔが正極塗工縁部に相当する。なお、タブ側塗工部２８は、正極塗工部２３の平面視において、正極タブ塗工縁部２８ｔと第１正極塗工縁部２３ａに挟まれた領域に存在する部分である。

　高さ方向への正極タブ塗工縁部２８ｔから第１正極塗工縁部２３ａまでの寸法ｆは、中央値に公差ａを加味した値であり、公差ａよりも大きく（寸法ｆ＞公差ａ）設定されている。本実施形態では、寸法ｆは、０より大きく、かつ３ｍｍ以下に設定されるのが好ましい。寸法ｆは、中央値に、公差ａよりも１．０ｍｍ以下の範囲で大きくした値を加えて設定されている。この１．０ｍｍは公差として設定される最大値である。

　より具体的には、寸法ｆは０．５～２．０ｍｍに設定されるのが好ましく、０．８～１．２ｍｍに設定されるのがより好ましい。このように構成すると寸法ｆを公差１．０ｍｍに近付けることができ、本実施形態では、寸法ｆは１ｍｍである。

　また、負極電極２４について、タブ側塗工部２９における負極タブ塗工縁部２６ｔから第１負極塗工縁部２６ａまでの高さ方向への寸法ｄは、負極塗工部２６の公差ｂ（寸法ｄ≧公差ｂ）以上である。

　次に、二次電池１０の作用効果を記載する。
　（６）第２の実施形態によれば、正極塗工部２３の高さ方向の寸法が、第２正極塗工縁部２３ｂ側へ公差ａ分ずれたとしても、寸法ｆ＞公差ａから、設計上は、正極タブ塗工縁部２８ｔを正極タブ３１上に位置させることができる。特に、公差ａが最大１ｍｍとなるように設定された場合であっても、正極塗工部２３の高さ方向の寸法が、第２正極塗工縁部２３ｂ側へ公差ａ分だけ最大ずれたとしても、公差ａより大きく設定された分が正極タブ３１上に存在し、正極タブ塗工縁部２８ｔを正極タブ３１上に位置させることができる。

　このため、正極電極２１には正極本体部２２ａの露出した未塗工部が形成されない。例えば、図５（ｂ）に示すように、未塗工部のある正極電極２１と未塗工部の無い正極電極２１が混在する電極組立体１４においては、未塗工部２１ａのある正極電極２１Ａの部分で積層方向への荷重が加わりにくく、積層方向への拘束力が低下してしまう。しかし、図５（ａ）に示すように、全ての正極電極２１に未塗工部が無いため、積層方向に適正な荷重が加わり、拘束力の低下が抑制される。

　（７）タブ側塗工部２８の寸法ｆは、中央値に、公差ａよりも１ｍｍ以下の範囲で大きくした値を加えて設定され、より具体的に寸法ｆは０．５～２．０ｍｍに設定される。このようにすると、図７に示すように、正極電極２１の製造に際し、電極材料３３を正極電極２１の外形形状に切断するとき、第１正極縁部２２ｂに沿う部分の切断は、正極本体部２２ａとなる長尺金属箔３４と、その両面の正極塗工部２３となる塗工部３５とを含めた３層の切断になる。例えば、製造される正極電極２１にばらつきが生じ、未塗工部のある正極電極や、未塗工部のない正極電極の切断が行われる場合と比べると、打ち抜き型３６に加わる負荷のばらつきを抑えることができる。

　（８）負極電極２４について、負極タブ３２上にタブ側塗工部２９があり、タブ側塗工部２９について寸法ｄ≧公差ｂである。このため、製造誤差等により、公差ｂだけ負極タブ塗工縁部２６ｔの位置が第１負極塗工縁部２６ａ側に位置しても、負極タブ３２上に負極タブ塗工縁部２６ｔが位置することとなり、負極塗工部２６に未塗工部は形成されない。

　よって、負極電極２４の製造に際し、電極材料３３を負極電極２４の外形形状に切断するとき、第１負極縁部２５ｂに沿う部分の切断は、負極本体部２５ａとなる長尺金属箔３４と、その両面の負極塗工部２６となる塗工部３５とを含む３層の切断になる。例えば、製造される負極電極２４にばらつきが生じ、未塗工部のある負極電極や、未塗工部のない負極電極の切断が行われる場合と比べると、打ち抜き型３６に加わる負荷のばらつきを抑えることができる。

　（９）正極のタブ側塗工部２８の寸法ｆは、０．８～１．２ｍｍに設定される。このように構成すると寸法ｆを公差１．０ｍｍに近付けることができる。また、負極のタブ側塗工部２９の寸法ｄは、０．８～１．２ｍｍに設定される。このように構成すると寸法ｄを公差１．０ｍｍに近付けることができる。

　（１０）正極タブ３１は、第１正極縁部２２ｂ寄りの基端側から折り曲げられるとともに、折り曲げ部から先端に向かう方向が正極電極２１と負極電極２４の積層方向である。そして、寸法ｆについて、公差ａより大きくしつつ、大きくなりすぎないように、タブ側塗工部２８の高さ方向への寸法を抑えている。このため、正極タブ３１の高さ方向への寸法が長くなり、正極タブ３１が長いほど、折り曲げ部に発生する応力を抑え、正極タブ３１に亀裂等が入ることを抑制しやすくなる。

　なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
　○　上記構成を有する正極電極２１と負極電極２４であれば、正極タブ３１の突出する向きと、負極タブ３２が突出する向きが異なるように積層されていても、実施形態と同様の作用効果を奏する。

　○　負極電極２４の製造のために行う電極材料３３の切断は、レーザでなく、打ち抜きでもよい。
　○　正極電極２１は、正極本体部２２ａの第２正極縁部２２ｃ側に、正極塗工部２３が形成されず、正極金属箔２２の露出した未塗工部を備えていてもよい。また、負極電極２４は、負極本体部２５ａの第２負極縁部２５ｃ側に、負極塗工部２６が形成されず、負極金属箔２５の露出した未塗工部を備えていてもよい。

　○　負極塗工部２６が備えるタブ側塗工部２９の寸法ｄの値を、負極塗工部２６の公差ｂより大きい値としてもよい。この場合、寸法ｄは、タブ側塗工部２９の中央値に公差ｂを加味した値であり、公差ｂよりも１ｍｍ以下の範囲で大きくした値を加えて設定されている。この１．０ｍｍは公差として設定される最大値である。

　より具体的には、寸法ｄは、０．５～２．０ｍｍの範囲に設定されるのがより好ましく、０．８～１．２ｍｍに設定されるのが特に好ましい。このように構成すると寸法ｄを公差１．０ｍｍに近付けることができる。

　このように構成した場合、負極電極２４について、負極タブ３２上にタブ側塗工部２９があり、タブ側塗工部２９について寸法ｄ＞公差ｂである。そして、寸法ｄは、中央値に、公差ｂよりも１ｍｍ以下の範囲で大きくした値を加えて設定され、より具体的に寸法ｄは０．５～２．０ｍｍに設定される。このため、公差ｂが最大１ｍｍとなるように設定された場合、製造誤差等により、公差ｂだけ負極タブ塗工縁部２６ｔの位置が第１負極塗工縁部２６ａ側に位置しても、公差ｂより大きく設定された分として、負極タブ３２上に負極タブ塗工縁部２６ｔが位置することとなり、負極塗工部２６に未塗工部は形成されない。

　また、負極タブ３２は、第１負極縁部２５ｂ寄りの基端側から折り曲げられるとともに、折り曲げ部から先端に向かう方向が正極電極２１と負極電極２４の積層方向である。そして、寸法ｄについて、公差ｂより大きくしつつ、大きくなりすぎないように、タブ側塗工部２９の高さ方向への寸法を抑えている。このため、負極タブ３２の高さ方向への寸法が長くなり、負極タブ３２が長いほど、折り曲げ部に発生する応力を抑え、負極タブ３２に亀裂等が入ることを抑制しやすくなる。

　○　二次電池１０は、リチウムイオン二次電池であったが、これに限らず、他の二次電池であってもよい。要するに、正極活物質と負極活物質との間をイオンが移動するとともに電荷の授受を行うものであればよい。

　○　正極集電体として正極金属箔２２に具体化し、負極集電体として負極金属箔２５に具体化したが、塗工部を保持できれば集電体は金属箔以外のシート体であってもよい。
　○　電気二重層キャパシタ等の蓄電装置に具体化してもよい。

　１０…蓄電装置としての二次電池、１４…電極組立体、２１…正極電極、２２…正極集電体としての正極金属箔、２２ａ…正極本体部、２２ｂ…第１正極縁部、２２ｃ…第２正極縁部、２３…正極塗工部、２３ａ…第１正極塗工縁部、２４…負極電極、２５…負極集電体としての負極金属箔、２５ａ…負極本体部、２５ｂ…第１負極縁部、２５ｃ…第２負極縁部、２６…負極塗工部、２６ｔ…負極塗工縁部としての負極タブ塗工縁部、３１…正極タブ、３２…負極タブ。

Claims

　複数の正極電極と複数の負極電極とが互いに絶縁された状態で交互に積層された電極組立体を有する蓄電装置であって、
　前記正極電極は、正極集電体を備えるとともに、該正極集電体は矩形状の正極本体部と、該正極本体部の第１正極縁部の一部から突出した形状の正極タブと、を備え、かつ前記正極本体部の前記第１正極縁部の対辺となる第２正極縁部を有し、前記正極本体部の表面に正極活物質合剤を塗布して形成された正極塗工部を備え、
　前記正極電極について、前記第１正極縁部と前記第２正極縁部とを最短距離で結ぶ直線の延びる方向を高さ方向とし、前記正極塗工部の高さ方向一端に位置し、かつ前記第１正極縁部側の縁部を正極塗工縁部とした場合、
　前記正極塗工縁部は、設計上、前記第１正極縁部と一致又は正極タブ上にあり、
　前記負極電極は、負極集電体を備えるとともに、該負極集電体は矩形状の負極本体部と、該負極本体部の第１負極縁部の一部から突出した形状の負極タブと、を備え、かつ前記負極本体部の前記第１負極縁部の対辺となる第２負極縁部を有し、前記負極本体部の表面に負極活物質合剤を塗布して形成された負極塗工部を備え、
　前記負極電極について、前記第１負極縁部と前記第２負極縁部とを最短距離で結ぶ直線の延びる方向を高さ方向とし、前記負極塗工部の高さ方向一端に位置し、かつ前記第１負極縁部側の縁部を負極塗工縁部とした場合、
　前記負極塗工縁部は、設計上、前記負極タブ上にあり、かつ前記正極塗工縁部よりも前記高さ方向一端側にあることを特徴とする蓄電装置。
　前記正極塗工縁部は、設計上、前記第１正極縁部と一致している請求項１に記載の蓄電装置。
　前記正極塗工縁部は、設計上、前記正極タブ上にあり、前記高さ方向への前記正極塗工縁部から前記第１正極縁部までの寸法は、前記正極塗工部の公差よりも大きい請求項１に記載の蓄電装置。
　前記高さ方向への前記負極塗工縁部から前記第１負極縁部までの寸法は、前記負極塗工部の設計上の公差以上である請求項１～請求項３のうちいずれか一項に記載の蓄電装置。
　前記高さ方向への前記正極塗工縁部から前記第１正極縁部までの寸法について、前記正極塗工部の前記公差よりも大きくする範囲は１．０ｍｍ以下である請求項３に記載の蓄電装置。
　前記高さ方向への前記負極塗工縁部から前記第１負極縁部までの寸法について、前記負極塗工部の前記公差よりも大きくする範囲は１．０ｍｍ以下である請求項４に記載の蓄電装置。
　前記正極塗工縁部は、前記正極タブ上にあり、前記高さ方向への前記正極塗工縁部から前記第１正極縁部までの寸法は、０．５～２．０ｍｍである請求項１に記載の蓄電装置。
　前記高さ方向への前記正極塗工縁部から前記第１正極縁部までの寸法は、０．８～１．２ｍｍである請求項７に記載の蓄電装置。
　前記高さ方向への前記負極塗工縁部から前記第１負極縁部までの寸法は、０．５～２．０ｍｍである請求項１～請求項３のうちいずれか一項に記載の蓄電装置。
　前記負極塗工縁部は、前記負極タブ上にあり、前記高さ方向への前記負極塗工縁部から前記第１負極縁部までの寸法は、０．８～１．２ｍｍである請求項９に記載の蓄電装置。
　前記正極タブは、前記第１正極縁部寄りの基端側から折り曲げられるとともに、折り曲げ部から先端に向かう方向が前記正極電極と前記負極電極の積層方向である請求項５、請求項７、及び請求項８のうちのいずれか一項に記載の蓄電装置。
　前記負極タブは、前記第１負極縁部寄りの基端側から折り曲げられるとともに、折り曲げ部から先端に向かう方向が前記正極電極と前記負極電極の積層方向である請求項６、請求項９、及び請求項１０のうちのいずれか一項に記載の蓄電装置。