WO2018110589A1

WO2018110589A1 - クリーナ

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Publication number: WO2018110589A1
Application number: PCT/JP2017/044677
Authority: WO
Inventors: 鈴木　正義; 後藤　誠
Original assignee: 株式会社巴川製紙所
Priority date: 2016-12-14
Filing date: 2017-12-13
Publication date: 2018-06-21
Also published as: JP2020024239A

Abstract

【課題】　清掃部材が別体に構成されているクリーナであって、清浄な清掃部材を簡便に準備できるクリーナを提供する。【解決手段】　コネクタの端面と対面可能な露出面を有する粘着剤層を保持する保持部と、保持部と一体に形成されかつ粘着剤層の露出面を被覆可能な被覆部とを、各々が有する少なくとも２つの単位構造体と、第１の単位構造体の保持部が第１の単位構造体とは異なる第２の単位構造体の被覆部と係合することができる係合部であって、第１の単位構造体の保持部によって保持された粘着剤層の露出面を第２の単位構造体の被覆部によって被覆する係合部と、を備える。

Description

クリーナ

　本発明は、粘着力によって塵埃を除去するクリーナに関する。特に、光コネクタなどのコネクタの接合端面に存在する塵埃を除去するクリーナに関する。

　テープ状の清掃体を用いて光コネクタの接合端面を清掃する清掃具が知られている。この清掃具は、テープ状の清掃部材をコネクタの接合端面に接触させつつ移動させることで、コネクタの接合端面に存在する塵埃を清掃部材によって除去するものである（例えば、特許文献１、特許文献２及び特許文献３参照）。

　また、光コネクタの接合端面に清掃部材を当接させて、清掃部材の自粘着性によってコネクタの接合端面に存在する塵埃を除去する清掃具が知られている。清掃部材は、パッド状のもので、清掃部材が塵埃で汚染されたときには、清掃部材を未使用のものに交換することで清浄に保つことができる（例えば、特許文献４参照）。

特許第４１０１４８６号特許第４０８０８４４号特許第４６３７７９７号特開２００２－２１９４２１号

　コネクタの接合端面を清掃作業することで清掃部材は塵埃によって汚染され、塵埃を適切に除去するためには、清掃部材を清浄な状態に保つ必要がある。清掃部材が連続体で形成されている場合には、連続体を移動させることで、清浄な面を直ちに出現させることができる。しかしながら、清掃部材が別体に形成されている場合には、交換作業を要するため、作業が煩雑にならざるを得なかった。また、交換作業によって未使用の清掃部材を汚染させてしまう可能性もあった。

　本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、清掃部材が別体に構成されているクリーナであって、清浄な清掃部材を簡便に準備できるクリーナを提供することにある。

　本発明によるクリーナの特徴は、
　コネクタの端面と対面可能な露出面を有する粘着剤層を保持する保持部と、前記保持部と一体に形成されかつ粘着剤層の露出面を被覆可能な被覆部とを、各々が有する少なくとも２つの単位構造体と、
　第１の単位構造体の保持部が前記第１の単位構造体とは異なる第２の単位構造体の被覆部と係合することができる係合部であって、前記第１の単位構造体の保持部によって保持された粘着剤層の露出面を前記第２の単位構造体の被覆部によって被覆する係合部と、を備えることである。

　清掃部材が別体に構成されているクリーナにおいて清浄な清掃部材を簡便に準備できる。

第１の実施の形態によるクリーナ１０の構造の概略を示す斜視図である。単位構造体３０の外観を前方から示す斜視図（Ａ）と、粘着剤層１００の外観を示す斜視図（Ｂ）とである。単位構造体３０の外観を後方から示す斜視図である。単位構造体３０の外観を示す平面図（Ａ）と、単位構造体３０の外観を示す側面図（Ｂ）とである。２つの単位構造体３０を直列状に配置する過程を示す斜視図である。２つの単位構造体３０が直列状に配置された状態を示す平面図（Ａ）と、２つの単位構造体３０が直列状に配置された状態を示す側面図（Ｂ）とである。粘着剤層１００の露出面１３０が、光コネクタの接合端面と対面する状態を示す断面図（Ａ）と、粘着剤層１００の露出面１３０が、光コネクタの接合端面と密着する状態を示す断面図（Ｂ）とである。単位構造体３０を交換する手順の概要を示す概略図である。第２の実施の形態による単位構造体３０の構造の概略を示す側面図である。第３の実施の形態による単位構造体３０の構造の概略を示す側面図である。第４の実施の形態による単位構造体３０の構造の概略を示す側面図である。第５の実施の形態による単位構造体３０の構造の概略を示す側面図である。第６の実施の形態による単位構造体３０の構造の概略を示す側面図である。第７の実施の形態による単位構造体３０の構造の概略を示す斜視図である。第８の実施の形態による単位構造体３０の構造を示す平面図（Ａ）と、単位構造体３０の外観を示す側面図（Ｂ）とである。第９の実施の形態による単位構造体３０の構造の概略を示す斜視図（Ａ）と、粘着剤層１００の外観を示す斜視図（Ｂ）とである。第９の実施の形態による単位構造体３０の構造を示す平面図（Ａ）と、単位構造体３０の外観を示す側面図（Ｂ）とである。第１０の実施の形態によるクリーナ１０－１０の構造の概略を示す斜視図である。第１０の実施の形態によるクリーナ１０－１０の構造の概略を示す斜視図である。第１０の実施の形態による単位構造体３０－１０の構造の概略を示す斜視図である。第１０の実施の形態による単位構造体３０－１０の構造の概略を示す斜視図である。２つの単位構造体３０－１０が直列状に配置された状態を示す平面図である。

＜＜＜＜本実施の形態の概要＞＞＞＞

＜＜第１の実施の態様＞＞
　第１の実施の態様によれば、
　コネクタの端面と対面可能な露出面を有する粘着剤層を保持する保持部（例えば、後述する保持部２００など）と、前記保持部と一体に形成されかつ粘着剤層の露出面を被覆可能な被覆部（例えば、後述する被覆部２５０など）とを、各々が有する少なくとも２つの単位構造体（例えば、後述する単位構造体３０、３０－５、３０－７、３０－１０など）と、
　第１の単位構造体の保持部が前記第１の単位構造体とは異なる第２の単位構造体の被覆部と係合することができる係合部であって、前記第１の単位構造体の保持部によって保持された粘着剤層の露出面を前記第２の単位構造体の被覆部によって被覆する係合部（例えば、後述する係合部３００、３００－２、３００－３、３００－４、３００－１０など）と、を備えるクリーナが提供される。

　第１の実施の態様によるクリーナは、少なくとも２つの単位構造体と係合部とを備える。

　さらに、少なくとも２つの単位構造体の各々は、保持部と被覆部とを有する。保持部は、粘着剤層を保持し、粘着剤層は、コネクタの端面と対面可能な露出面を有する。さらに、粘着剤層は、コネクタの端面に向かって突出するのが好ましい。粘着剤層を突出させることで、コネクタの端面と接触できる露出面を増やすことができ、粘着剤層を変形しやすくでき変形の自由度を高めて、コネクタの端面との密着性を高めることができる。なお、粘着剤層は、露出面を有していればよく、必ずしもコネクタの端面に向かって突出するように形成されている必要はない。

　露出面は、コネクタの端面と接触することで、粘着剤層の粘着力によってコネクタの端面に存在する塵埃を転着させるための面である。露出面は、単一の面に限られず、粘着剤層の複数の面によって構成されてもよい。複数の面のいずれかが、コネクタの端面と接触できればよい。また、露出面は、平面に限られず、曲面で構成されていてもよい。コネクタの端面の形状に応じて適宜に露出面の形状を定めればよい。例えば、露出面の形状を、長方形状や円状にしたり四角柱や円柱などの柱状にしたりすることができる。

　被覆部は、保持部と一体に形成されている。被覆部は、粘着剤層の露出面を被覆することができる。粘着剤層の露出面を覆うことで、露出面を清浄な状態に保つことができる。さらに、粘着剤層の露出面を覆うことによって、粘着剤層の露出面を乾燥させにくくすることもできる。被覆部は、露出面と接触せずに露出面を覆うのが好ましい。なお、被覆部は、露出面の少なくとも一部と接触するように構成してもよい。被覆部は、露出面の粘着力に影響を与えないように覆うことできればよい。

　被覆部を保持部と別体に形成し、使用時に一体化させることができればよい。被覆部を保持部と着脱可能にすることで、保持部に粘着剤層を配置したり形成したりする工程や保持部を洗浄する工程を別にすることができ、保持部の再利用をしやすくできる。

　少なくとも２つの単位構造体が、第１の単位構造体及び第２の単位構造体を含む場合に、第１の単位構造体と第２の単位構造体と係合させる係合部を有する。具体的は、係合部は、第１の単位構造体の保持部を第２の単位構造体の被覆部と係合させることができる。係合状態を形成することで、第１の単位構造体の保持部によって保持されている粘着剤層の露出面を、第２の単位構造体の被覆部によって被覆することができる。このようにすることで、第１の単位構造体の粘着剤層の露出面を清浄な状態に保つことができる。

　第２の単位構造体を第１の単位構造体から離すことで、第１の単位構造体と第２の単位構造体との係合状態を解消でき、第１の単位構造体の粘着剤層の露出面を使用できる状態になる。このようにすることで、清浄な露出面を有する第１の単位構造体を簡便に準備することができる。

＜＜第２の実施の態様＞＞
　第２の実施の態様は、第１の実施の態様において、
　前記第１の単位構造体の保持部が前記第２の単位構造体の被覆部と係合することで、前記第１の単位構造体の保持部に保持されている粘着剤層と、前記第２の単位構造体の保持部に保持されている粘着剤層とが直列状に配置されるのが好ましい。

　第１の単位構造体の保持部に保持されている粘着剤層と、第２の単位構造体の保持部に保持されている粘着剤層とを、直列状に配置できるので、少なくとも２つの単位構造体の筐体への収納作業を容易にしたり、筐体内で少なくとも２つの単位構造体の係合状態を維持して保管したりすることができる。

＜＜第３の実施の態様＞＞
　第３の実施の態様は、第１の実施の態様において、
　前記第１の単位構造体の保持部と前記第２の単位構造体の被覆部との係合を解除することで、前記第１の単位構造体の保持部に保持されている粘着剤層の露出面を開放状態にすることができるのが好ましい。

　第１の単位構造体の保持部と第２の単位構造体の被覆部との係合を解除することで、第１の単位構造体の保持部に保持されている粘着剤層の露出面を開放状態にできるので、第１の単位構造体の粘着剤層の露出面を使用可能な状態でき、清浄な露出面を有する第１の単位構造体を簡便に準備することができる。

＜＜第４の実施の態様＞＞
　第４の実施の態様は、第１の実施の態様において、
　前記第１の単位構造体と前記第２の単位構造体とは、互いに別体に形成され、前記第１の単位構造体の保持部が前記第２の単位構造体の被覆部と接触することで、前記係合部として係合状態を形成するのが好ましい。

　第１の単位構造体と第２の単位構造体とは、互いに別体に形成されているので、第２の単位構造体を第１の単位構造体から容易に離すことができ、直ちに第１の単位構造体の粘着剤層の露出面を使用できる状態にでき、清浄な露出面を有する第１の単位構造体を簡便に準備することができる。

＜＜第５の実施の態様＞＞
　第５の実施の態様は、第１の実施の態様において、
　前記第１の単位構造体（例えば、後述する単位構造体３０－１０など）及び前記第２の単位構造体（例えば、後述する単位構造体３０－１０など）が移動可能に収納される収納体（例えば、後述するホルダー２０－１０など）をさらに備え、少なくとも一つの単位構造体が前記収納体に係止される（例えば、後述する入口側係止スリット２８ｂ－１０や出口側係止スリット２８ｄ－１０など）のが好ましい。

　少なくとも一つの単位構造体が収納体に係止されるので、振動や衝撃などの外力が加えられた場合であっても、単位構造体を収納体に確実に保持することができ、粘着剤層が塵埃などで汚染されることを防止することができる。

　さらに、前記収納体は、長尺な形状を有し、長手方向の互いに異なる位置に第１の端部（例えば、後述する入口用開口２６ｂ－１０など）と第２の端部（例えば、後述する出口用開口２６ａ－１０など）とを有し、
　前記収納体は、前記第１の単位構造体及び前記第２の単位構造体を含む複数の単位構造体（例えば、後述する単位構造体３０－１０など）を移動可能に収納でき、
　前記収納体は、
　前記第１の端部で前記第１の単位構造体（例えば、後述する後尾の単位構造体３０－１０など）を前記収納体に係止する第１係止部（例えば、後述する入口側係止スリット２８ｂ－１０など）と、
　前記第２の端部で前記第２の単位構造体（例えば、後述する先頭の単位構造体３０－１０など）を前記収納体に係止する第２係止部（例えば、後述する出口側係止スリット２８ｄ－１０など）と、を有するのが好ましい。

　第１の端部及び第２の端部の２箇所で単位構造体を係止するので、収納体に収納されている全ての単位構造体を安定的に収納体に保持することができ、粘着剤層の汚染を防止することができる。

　前記単位構造体は、前記単位構造体から突出する係合部（例えば、後述する係合突出片３２－１０など）を有し、
　前記収納体は、前記係合部が係合される被係合部（例えば、後述する案内スリット２８－１０（入口案内スリット２８ａ－１０、入口側係止スリット２８ｂ－１０、直進案内スリット２８ｃ－１０、出口側係止スリット２８ｄ－１０、出口案内スリット２８ｅ－１０）など）を有し、
　前記単位構造体は、前記係合部が前記被係合部によって案内されて、前記被係合部に沿って移動可能であるのが好ましい。

　係合部が被係合部によって案内されることで、単位構造体は被係合部に沿って移動することができ、収納体に収納されている単位構造体を安定して収納体内で移動させることができる。

　前記被係合部は、
　前記収納体の長手方向に沿って形成された第１の被係合領域部と、
　前記第１の被係合領域部とは異なる方向に沿って形成された第２の被係合領域部と、を有することが好ましい。

　係合部を第１の被係合領域部によって案内させることで、収納体の長手方向に沿って単位構造体を安定的に移動させることができ、
　係合部を第２の被係合領域部によって案内させることで、収納体の長手方向とは異なる方向に沿って単位構造体を移動させることで、収納体の長手方向に沿った単位構造体の移動を禁止することができる。

＜＜＜＜＜実施の形態の詳細＞＞＞＞＞
　以下に、実施の形態の詳細について図面に基づいて説明する。

＜＜＜＜第１の実施の形態＞＞＞＞
＜＜＜クリーナ１０＞＞＞
　図１は、第１の実施の形態によるクリーナ１０の構造の概略を示す斜視図である。

　クリーナ１０は、図１に示すように、ホルダー２０と複数の単位構造体３０とを有する。また、単位構造体３０の各々は、粘着剤層１００を有する。

＜＜ホルダー２０＞＞
　ホルダー２０は、長尺な形状を有し、長手方向に沿って貫通孔２２が形成されている。図１に示すように、貫通孔２２には、長手方向に沿って複数の単位構造体３０を収容することができる。貫通孔２２の長手方向に沿った中心軸は直線状であり、貫通孔２２に収容された複数の単位構造体３０は、直列状に連なり、複数の単位構造体３０が隣接する状態が維持される。言い換えれば、貫通孔２２内では、複数の単位構造体３０が連装された状態となる。

　複数の単位構造体３０がホルダー２０に収容されている状態では、連装されている複数の単位構造体３０のうちの先頭の単位構造体３０が、ホルダー２０の先端部２４から突出して位置づけられる。このため、先頭の単位構造体３０に保持されている粘着剤層１００も、ホルダー２０の前方に向かって突出する。

　なお、後述するように、作業者は、ホルダー２０を保持し、ホルダー２０の前方に向かって突出した粘着剤層１００の露出面１３０を光コネクタの接合端面ＪＦに対面させて押し付ける。粘着剤層１００の露出面１３０が、光コネクタの接合端面ＪＦに押し付けられることで、光コネクタの接合端面ＪＦに存在する塵埃を、粘着剤層１００の露出面１３０に転着させて、取り除くことができる（後述する図７参照）。

　また、ホルダー２０に収容できる単位構造体３０の数は、５～２０個程度にすることができる。なお。ホルダー２０に収容する単位構造体３０の数は、これらに限られず、光コネクタの種類や、光コネクタの接合端面ＪＦの形状の他に、使用する環境や目的などに応じて適宜に決定することができる。

　なお、以下では、図１に示すように、単位構造体３０の縦方向（短手方向）を縦方向ＬＤと称し、単位構造体３０の横方向（長手方向）を横方向ＴＤと称し、単位構造体３０が光コネクタの接合端面ＪＦと対面する方向を対面方向ＯＤと称する。

＜＜単位構造体３０＞＞
　図２は、単位構造体３０の外観を前方から示す斜視図（Ａ）と、粘着剤層１００の外観を示す斜視図（Ｂ）とである。図３は、単位構造体３０の外観を後方から示す斜視図である。図４（Ａ）は、単位構造体３０の外観を示す平面図である。図４（Ｂ）は、単位構造体３０の外観を示す側面図である。

［単位構造体３０の材料］
　単位構造体３０は、粘着剤層１００を一定の位置に保持する。単位構造体３０は、粘着剤層１００よりも堅い材質によって形成されている。単位構造体３０は、粘着剤層１００を安定して保持できる材料で形成されていればよい。このような材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）の他、樹脂成形用材料として使用できるものであればいずれの樹脂も使用することが可能である。

　アクリル系樹脂を単位構造体３０の形成用材料として用いる場合には、アクリル酸エステル系、メタクリル酸エステル系の単独重合体や、共重合体が挙げられる。共重合体はランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。

　これらに使用される好適なアクリル酸エステル系モノマーとしては、加熱溶融時における流動性、耐熱分解性および他の添加成分との相溶性を高める観点から、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ｎ－プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ｎ－ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ｔｅｒｔ－ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸２－エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリルなどのアクリル酸アルキルエステルの他に、アクリル酸２－ヒドロキシエチル、アクリル酸２－ヒドロキシプロピル、アクリル酸４－ヒドロキシブチル等の水酸基含有アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸２－メトキシエチル、アクリル酸３－メトキシブチル、アクリル酸トリフルオロメチル、アクリル酸トリフルオロエチル、アクリル酸ペンタフルオロエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸アリル、アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸３－ジメチルアミノエチル等があげられる。

　前述したアクリル酸エステル系モノマーの中では、アクリル酸アルキルエステルが好ましく、エステル部分のアルキル基の炭素数が１～４であるアクリル酸アルキルエステルがより好ましい。

　好適なメタクリル酸エステル系モノマーとしては、上記と同様に加熱溶融時における流動性、耐熱分解性および他の添加成分との相溶性を高める観点から、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ｎ－ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ｔｅｒｔ－ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸２－エチルヘキシル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル等のエステル部分におけるアルキル基の炭素数が１～１８であるメタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル等があげられる。

　前述したメタクリル酸エステルのなかでは、入手が容易なことから、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ｎ－ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ｔｅｒｔ－ブチル、メタクリル酸２－エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸トリデシルおよびメタクリル酸ステアリルが好ましい。また、エステル部分におけるアルキル基の炭素数が１～４であるメタクリル酸アルキルエステルがより好ましく、メタクリル酸メチルがさらに好ましい。

　なお、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル系重合体には、本発明の目的を阻害しない範囲内で、他の重合体が含まれていてもよい。

　前述の他の共重合体モノマーとして、メタクリル酸、アクリル酸などの不飽和モノカルボン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、スチレン、α－メチルスチレン、ｐ－メチルスチレン、ｐ－メトキシスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル化合物、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、フマル酸ジエステルなどの不飽和ジカルボン酸化合物またはその誘導体、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド化合物、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン系化合物、塩化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、クロロプレンなどのハロゲン含有不飽和化合物、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのケイ素含有不飽和化合物等があげられるが、これらモノマーは、それぞれ単独でまたは２種類以上を混合して用いることができる。

　前述したモノマーの重合方法は特に限定されないが、その方法の例として、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法があげられる。

　また、単位構造体３０を構成する樹脂材料に帯電防止剤を添加することもできるし、対衝撃性を付与する目的でゴム成分を併用したり、耐熱性を向上させるために芳香族ジカルボン酸エステル、脂肪族ジカルボン酸エステルおよびリン酸エステル等の改質剤を導入することもできる。

＜＜粘着剤層１００＞＞
　前述したように、単位構造体３０は粘着剤層１００を有し、粘着剤層１００は、粘着力を有する。粘着剤層１００は、塵埃を粘着力によって粘着剤層に転着させる（移し着ける）ことで、光コネクタの接合端面ＪＦ（後述する図７参照）の表面に存在する塵埃を除去する。

＜粘着剤層１００の外形＞
　粘着剤層１００は、外力が加えられていない自然状態で、おおよそ略直方体状の形状を有する。図２に示すように、粘着剤層１００は、縦方向ＬＤに沿って縦方向長さＡＬを有し、横方向ＴＤに沿って横方向長さＡＴを有し、対面方向ＯＤに沿って対向方向長さＡＯを有する。

　粘着剤層１００は、上面部１２０、４つの側面部１１２ａ、１１２ｂ、１１４ａ、１１４ｂ及び底面部１１０を有する。上面部１２０及び底面部１１０は、互いに向かい合い略平行に形成されている。上面部１２０及び底面部１１０は、粘着剤層１００の横方向長さＡＴ及び縦方向長さＡＬによって画定される略長方形状の形状を有する。側面部１１２ａ及び１１２ｂは、互いに向かい合い略平行に形成されている。側面部１１２ａ及び１１２ｂは、横方向長さＡＴ及び対向方向長さＡＯによって画定される略長方形状の形状を有する。側面部１１４ａ及び１１４ｂは、互いに向かい合い略平行に形成されている。側面部１１４ａ及び１１４ｂは、縦方向長さＡＬ及び対向方向長さＡＯによって画定される略長方形状の形状を有する。

　粘着剤層１００が保持部２００に保持された状態のときには、上面部１２０が、保持部２００から露出するとともに、光コネクタの接合端面ＪＦと対向（対面）する露出対向面１３２として機能する。また、側面部１１２ａのうちの側壁部２２０ａから露出した面と、側面部１１２ｂのうちの側壁部２２０ｂから露出した面と、側面部１１４ａ及び１１４ｂとは、露出側面１３４として機能する。

　なお、便宜的に、上面部１２０、４つの側面部１１２ａ、１１２ｂ、１１４ａ、１１４ｂ及び底面部１１０は、略長方形状の形状を呈するものとして説明したが、全体として、おおよそ略長方形状として認識したり扱ったりできる形状であればよい。上面部１２０、４つの側面部１１２ａ、１１２ｂ、１１４ａ、１１４ｂ及び底面部１１０は、平坦な形状だけでなく、外側に向かって膨出したり内側に向かってへこんだりした湾曲した形状や、凹凸を有する形状などの形状を有していてもよい。全体として、おおよそ略長方形と認識して近似できる形状であればよい。

　また、粘着剤層１００は、略直方体の形状を呈するものとして説明したが、全体として、おおよそ略直方体として認識したり扱ったりできる形状であればよく、ある程度、歪んでいる形状でよい。粘着剤層１００の横方向長さＡＴ、縦方向長さＡＬ、対向方向長さＡＯは、粘着剤層１００が、おおよそ略長方形と近似することで定められる長さであればよい。

　さらに、粘着剤層１００は、後述するように、弾性変形することができ、常に一定の形状を保持するものではない。同様に、弾性変形によって、上面部１２０、４つの側面部１１２ａ、１１２ｂ、１１４ａ、１１４ｂ及び底面部１１０も、常に一定の略長方形状の形状を保持するものではない。

＜粘着剤層１００材料＞
　粘着剤層１００は、粘着剤のみで一体的に構成されており、表面も同じ材料で構成されている。粘着剤の材料として、以下のものが挙げられる。

　粘着剤層１００に使用される粘着剤としては、再剥離性があり、光コネクタの接合端面ＪＦにガイドピンが突設されたとしても破断せず、かつ、剥離時に糊残りがないこと、ヒートショック試験等で剥がれや泡の発生がないこと、ガイドピンに追従可能な弾力変形力及び、応力に対して復元力を有していることが望まれる。このような特性を有する粘着剤成分としては、アクリル系樹脂、ブチルゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム等に代表されるゴム系材料、ポリビニールエーテル系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂等から適宜選択使用できる。最も好ましいのはアクリル系粘着剤である。

　アクリル系粘着剤は、アルキル（メタ）アクリル酸エステルと重合性不飽和カルボン酸または水酸基含有エチレン性不飽和モノマー、またさらには共重合性ビニル系モノマーとを有機溶剤中又は水媒体中で共重合させて得られる。重合は、ラジカル重合による重合方法が好ましく採用される。好ましくは、溶液重合法、けん濁重合法、乳化重合法等である。上記共重合体の好ましい分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによる数平均分子量（ＪＩＳＫ　０１２４－８３に準じて行ない、分離カラムにＴＳＫ　ＧＥＬＧ４０００＋Ｇ３０００＋Ｇ２５００＋Ｇ２０００（東洋曹達（株）製）を用い４０℃で流速１．０ｍｌ／分、溶離液にＧＰＣ用テトラヒドロフランを用い、Ｒ１屈折計で得られたクロマトグラムとポリスチレンの検量線から計算により求めた。）が１０，０００～１，０００，０００、好ましくは５０，０００～５００，０００、さらに好ましくは１００，０００～４００，０００である。数平均分子量が１０，０００未満であると樹脂組成物層の均一形成が困難となる恐れがあり、又１，０００，０００を超えると弾性が高くなり、塗工量の調整が困難となる等の問題を生じる恐れがある。

　アルキル（メタ）アクリル酸エステルとしては、炭素原子数１～１２のアルキル基を有する、（メタ）アクリル酸メチル、（メタ）アクリル酸ブチル、（メタ）アクリル酸オクチル等があげられる。さらに具体的に述べると、メタクリレート系成分としては、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、ｎ－プロピルメタアクリレート、イソプロピルメタアクリレート、ｎ－ヘキシルメタアクリレート、シクロヘキシルメタアクリレート、２－エチルヘキシルメタアクリレート、ｎ－オクチルメタアクリレート、イソオクチルメタアクリレート、ラウリルメタアクリレート等が挙げられ、アクリレート成分としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ｎ－ヘキシルアクリレート、２－エチルヘキシルアクリレート、ｎ－オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート等があげられる。こられは単独又は２種以上混合して用いることもできる。

　また、官能基としてカルボキシル基および／または水酸基を有する（メタ）アクリレート系モノマーを併用することもできる。このような官能基を有するモノマーとしては、カルボキシル基を有する（メタ）アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸等、ヒドロキシル基を有するアクリル酸－２－ヒドロキシエチルエステル、アクリル酸－２－ヒドロキシプロピルエステル、２－ヒドロキシビニルエーテルがあげられる。これらは、前記したアクリレート系成分および／またはメタアクリレート系成分と単独または２種以上混合して使用することができる。

　粘着剤には架橋剤を配合することもできる。配合量は通常粘着剤質量部に対し０．０１～１０質量部である。架橋剤としては、イソシアネート系化合物、アルミキレート、アジリジニル系化合物、エポキシ系化合物等があげられる。

　また、粘着剤層１００で使用される粘着剤成分は、塵埃が付着し難いという観点において帯電防止性を有することが好ましいため、帯電防止剤が添加されていても良い。帯電防止剤は、帯電防止性能がＡＳＴＭ　Ｄ２５７　Ｓｔａｎｄａｒｄ　Ｔｅｓｔ　Ｍｅｔｈｏｄｓ　ｆｏｒ　Ｄｃ　Ｒｅｓｉｓｔａｎｃｅ　ｏｒ　Ｃｏｎｄｕｃｔａｎｃｅ　ｏｆ　Ｉｎｓｕｌａｔｉｎｇ　Ｍａｔｅｒｉａｌｓ（印加電圧５００Ｖ、温度２３℃、湿度５０％）に基づく清掃治具表面抵抗率の値で、１×１０１０Ω／ｓｑ未満の性能であれば帯電防止性能あり、１×１０１０Ω／ｓｑ以上であれば帯電防止性能なしと判断できる。

　前記帯電防止剤としては、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸カリウム、ペンタフルオロエタンスルホン酸カリウム、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、ビス（フルオロスルホニル）イミドカリウム塩等のフッ素系導電性材料の他にアニリンおよび／またはその誘導体、ピロールおよび／またはその誘導体、イソチアナフテンおよび／またはその誘導体、アセチレンおよび／またはその誘導体、アルキルアミン誘導体、アルキルアミド誘導体、モノグリセリド誘導体、チオフェンおよび／またはその誘導体の繰り返し単位を有するπ電子共役系導電性高分子、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルミニウム、チタン、錫、金、銀、銅等の金属微粒子、カーボン、ＩＴＯ（酸化インジウム／酸化錫）、ＡＴＯ（酸化アンチモン／酸化錫）等の超微粒子、イミドリチウム塩、トリフレートリチウム塩等のリチウム塩の他にも、エチレンオキシド付加物、アミン塩型、第４級アンモニウム塩型等のカチオン系添加剤、ポリエチレンオキシド系およびポリエーテル系ブロックポリマー等があげられるが、本発明に係わる粘着剤に使用することのできる帯電防止剤は、これらに限定されるものではない。また微粒子については、表面処理されていてもよい。

　この中でも粘着剤層１００の再剥離性、粘着剤剥離時に光コネクタの接合端面ＪＦや光コネクタの接合端面ＪＦのガイドピンに糊残りがないこと、高温、高湿下での強制老化試験（クリーナを８０℃１０００時間と、６０℃９５％１０００時間の環境下で試験）、ヒートサイクル試験（クリーナを－４０℃１０ｍｉｎ～８０℃１０ｍｉｎを１００サイクル、１℃／ｍｉｎの環境下で試験）等で剥がれや泡の発生がないことに適した材料としては、フッ素系導電性材料とイミドリチウム塩が好ましい。配合量は粘着剤質量部に対し０．１質量部以上であり、好ましくは０．１～２０質量部、より好ましくは１～５質量部である。

　さらに必要に応じ、上記以外に着色剤、紫外線防止剤、老化防止剤等の添加剤を添加することができる。

　紫外線吸収剤には、２－ヒドロキシ－４－オクトキシベンゾフェノン、２－ヒドロキシ－４－メトキシ－５－スルフォベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、２－（２’－ヒドロキシ－５－メチルフェニル）ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、フェニルサルシレート、ｐ－ｔ－ブチルフェニルサルシレート等のヒンダートアミン系がある。老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、ビスフェニル系、ヒンダートアミン系があり、例えばジ－ｔ－ブチル－ｐ－クレゾール、ビス（２，２，６，６－テトラメチル－４－ピペラジル）セバケート等がある。

＜粘着剤層１００の特性＞
　粘着剤層１００は、少なくとも、弾性変形によって、圧縮変形、伸張変形、剪断変形をすることができる。弾性変形による具体的な圧縮変形、伸張変形、剪断変形については、後述する。

＜＜保持部２００及び被覆部２５０＞＞
　単位構造体３０は、保持部２００と被覆部２５０とを有する。第１の実施の形態では、保持部２００と被覆部２５０とは一体に形成されている。なお、保持部２００と被覆部２５０とが、着脱可能に別体に形成してもよい。

＜保持部２００＞
　保持部２００は、略凹溝状の形状を有する。保持部２００は、底部２１０と、側壁部２２０ａと、側壁部２２０ｂとを有する。側壁部２２０ａ及び側壁部２２０ｂは、底部２１０を挟んで、底部２１０から略垂直方向に離れるように底部２１０に設けられている。底部２１０と、側壁部２２０ａと、側壁部２２０ｂとによって、略凹溝状の形状が画定される。なお、側壁部２２０ａと側壁部２２０ｂとの両端は、閉塞されておらず、開放側部ＯＳが形成されている。

　底部２１０は、略長方形状の形状を有し、粘着剤層１００の底面部１１０と密着することができる。側壁部２２０ａ及び側壁部２２０ｂは、互いに向かい合い略平行に形成され、略長方形状の形状を有する。側壁部２２０ａは、粘着剤層１００の側面部１１２ａと密着することができる。側壁部２２０ｂは、粘着剤層１００の側面部１１２ｂと密着することができる。

　粘着剤層１００の粘着力によって、底部２１０は底面部１１０と密着し、側壁部２２０ａは側面部１１２ａと密着し、側壁部２２０ｂは側面部１１２ｂと密着することで、保持部２００は、粘着剤層１００を安定的に保持することができる。保持部２００に粘着剤層１００が配置されたり形成されたりしたときには、少なくとも上面部１２０が、保持部２００から露出するとともに、光コネクタの接合端面ＪＦと対向（対面）する露出対向面１３２となる。側壁部２２０ａの端には、端部２３０ａが形成され、側壁部２２０ｂの端には、端部２３０ｂが形成されている。

　粘着剤層１００の対向方向長さＡＯは、単位構造体３０の側壁部２２０ａ及び２２０ｂの対向方向の長さよりも長く、粘着剤層１００は、端部２３０ａ及び２３０ｂから一部が突出する。端部２３０ａ及び２３０ｂから粘着剤層１００を突出するように構成することで、粘着剤層１００を変形しやすくでき、粘着剤層１００の変形の自由度を高めることができる。端部２３０ａ及び２３０ｂから突出する粘着剤層１００の長さは、例えば、１～２ｍｍ程度にすることができる。端部２３０ａ及び２３０ｂから突出させる粘着剤層１００の長さは、粘着剤層１００の材料や光コネクタの接合端面ＪＦの形状などの構造に応じて適宜に定めることができる。このようにすることで、光コネクタの接合端面ＪＦの形状に応じて粘着剤層１００を変形させやすくし、上面部１２０を光コネクタの接合端面ＪＦに粘着剤層１００を密着させることができる。

　以下では、保持部２００から露出した粘着剤層１００の対向方向の長さを対向方向露出長さＥＯと称し、保持部２００から露出した粘着剤層１００の横方向の長さを横方向露出長さＥＴと称し、保持部２００から露出した粘着剤層１００の縦方向の長さを縦方向露出長さＥＬと称する。なお、横方向露出長さＥＴは、粘着剤層１００の横方向長さＡＴと同じであり、縦方向露出長さＥＬは、粘着剤層１００の縦方向長さＡＬと同じである。

＜被覆部２５０＞
　被覆部２５０は、保持部２００で露出する粘着剤層１００と接触することなく、粘着剤層１００を被覆する。

　被覆部２５０は、略槽型状の形状を有する。被覆部２５０は、天部２６０と、側壁部２７０ａ及び２７０ｂと、側壁部２８０ａ及び２８０ｂとを有する。天部２６０は、保持部２００の底部２１０と一体に形成されている。

　側壁部２７０ａ及び２７０ｂは、天部２６０を挟んで、天部２６０から略垂直方向に離れるように天部２６０に設けられている。側壁部２８０ａ及び２８０ｂは、側壁部２７０ａ及び２７０ｂに対して略垂直に形成され、天部２６０を挟んで、天部２６０から略垂直方向に離れるように天部２６０に設けられている。

　天部２６０は、略長方形状の形状を有する。側壁部２７０ａ及び２７０ｂは、互いに向かい合い略平行に形成され、略長方形状の形状を有する。側壁部２８０ａ及び２８０ｂは、互いに向かい合い略平行に形成され、略長方形状の形状を有する。天部２６０と、側壁部２７０ａ及び２７０ｂと、側壁部２８０ａ及び２８０ｂとによって、略直方体状の形状を有する収容部ＲＳが画定される。

　以下では、収容部ＲＳの対向方向の長さを対向方向収容長さＲＯと称し、収容部ＲＳの横方向の長さを横方向収容長さＲＴと称し、収容部ＲＳの縦方向の長さを縦方向収容長さＲＬと称する。対向方向収容長さＲＯは、粘着剤層１００の対向方向露出長さＥＯよりも長く、横方向収容長さＲＴは、粘着剤層１００の横方向露出長さＥＴよりも長く、縦方向収容長さＲＬは、粘着剤層１００の縦方向露出長さＥＬよりも長くなるように、収容部ＲＳは形成されている。

＜＜単位構造体３０同士の係合＞＞
　少なくとも２つの単位構造体３０は、直列状に配置させることができる。図５は、２つの単位構造体３０を直列状に配置する過程を示す斜視図である。図６（Ａ）は、２つの単位構造体３０が直列状に配置された状態を示す平面図である。図６（Ｂ）は、２つの単位構造体３０が直列状に配置された状態を示す側面図である。

　図６（Ｂ）に示すように、２つの単位構造体３０が直列状に配置すると、後側に配置される単位構造体３０の側壁部２２０ａの端部２３０ａは、前側に配置される単位構造体３０の側壁部２７０ａの端部２７２ａと係合し、後側に配置される単位構造体３０の側壁部２２０ｂの端部２３０ｂは、前側に配置される単位構造体３０の側壁部２７０ｂの端部２７２ｂと係合する。後側に配置される単位構造体３０の側壁部２２０ａの端部２３０ａ及び側壁部２２０ｂの端部２３０ｂは、保持係合部３１０として機能する。また、前側に配置される単位構造体３０の側壁部２７０ａの端部２７２ａ及び側壁部２７０ｂの端部２７２ｂは、被覆係合部３６０として機能する。保持係合部３１０及び被覆係合部３６０によって係合部３００が構成される。なお、図６において、前側に配置される単位構造体３０とは、２つの単位構造体３０のうちの＋ＯＤ側に配置される単位構造体３０をいい、前側に配置される単位構造体３０とは－ＯＤ側に配置される単位構造体３０をいう。

　２つの単位構造体３０を直列状に配置することで、後側に配置される単位構造体３０の保持部２００に保持された粘着剤層１００を、前側に配置される単位構造体３０の被覆部２５０の収容部ＲＳに収容することができる。

　上述したように、対向方向収容長さＲＯは、粘着剤層１００の対向方向露出長さＥＯよりも長く、横方向収容長さＲＴは、粘着剤層１００の横方向露出長さＥＴよりも長く、縦方向収容長さＲＬは、粘着剤層１００の縦方向露出長さＥＬよりも長い。このため、粘着剤層１００を収容部ＲＳに収容した状態で、粘着剤層１００の上面部１２０、側面部１１２ａ及び１１２ｂ、側面部１１４ａ及び１１４ｂは、被覆部２５０の天部２６０と、側壁部２７０ａ及び２７０ｂと、側壁部２８０ａ及び２８０ｂとのいずれにも接触することなく、粘着剤層１００を被覆部２５０の収容部ＲＳ内に収容することができる。

＜＜ホルダー２０における単位構造体３０の収容＞＞
　上述したように、２つの単位構造体３０は、直列状に配置させることができる。同様にして、３つ以上の単位構造体３０も直列状に配置させることができ、図１に示すように、ホルダー２０に収容することができる。前述したように、複数の単位構造体３０が、ホルダー２０に収容されたときには、先頭の単位構造体３０の粘着剤層１００の露出面１３０が、ホルダー２０の先端部２４から突出する。

＜＜光コネクタの接合端面ＪＦのクリーニング＞＞
　図７（Ａ）は、粘着剤層１００の露出面１３０が、光コネクタの接合端面ＪＦと対面する状態を示す断面図である。図７（Ｂ）は、粘着剤層１００の露出面１３０が、光コネクタの接合端面ＪＦと密着する状態を示す。

　作業者は、ホルダー２０を手で支持し、図７（Ａ）に示すように、粘着剤層１００の露出対向面１３２が、光コネクタの接合端面ＪＦと対面するように近づけ、さらに、粘着剤層１００の露出対向面１３２を光コネクタの接合端面ＪＦに押し付ける。粘着剤層１００の露出対向面１３２を含む露出面１３０は、光コネクタの接合端面ＪＦに押し付けられることで、図７（Ｂ）に示すように、光コネクタの接合端面ＪＦの形状に合わせて変形する。光コネクタの接合端面ＪＦは、凹部ＲＰを有し、凹部ＲＰの底面に沿って集光のための複数のレンズＬＺが配置されている。このように、光コネクタの接合端面ＪＦは、様々な凹凸形状を有する場合がある。

　前述したように、粘着剤層１００は、弾性変形によって、圧縮変形、伸張変形、剪断変形をすることでき、光コネクタの接合端面の形状に応じて適宜に変形することで、光コネクタの接合端面との間に間隙が生ずることなくあらゆる箇所で密着することができる。このため、光コネクタの接合端面に様々な凹凸形状が形成されている場合であっても、光コネクタの接合端面に存在する塵埃を、粘着力によって粘着剤層に転着させて、塵埃を取り除くことができる。

＜＜単位構造体３０の交換＞＞
　前述したように、複数の単位構造体３０がホルダー２０に収容されている状態では、先頭の単位構造体３０が、ホルダー２０の先端部２４に位置づけられる（図８（Ａ）参照）。この先頭の単位構造体３０の粘着剤層１００の露出面１３０が、ホルダー２０の先端部２４から突出して位置づけられている。この先頭の単位構造体３０の露出面１３０は、クリーニング作業によって光コネクタの接合端面に存在する塵埃を取り除くに従って塵埃が転着され、徐々に汚染されていく。このため、単位構造体３０の露出面１３０が、塵埃によって汚染されたときには、先頭の単位構造体３０を交換する必要がある。

　まず、作業者は、露出面１３０が塵埃で汚染された単位構造体３０をホルダー２０の先端部２４から手動で引き抜く（図８（Ｂ）参照）。次に、作業者は、引き抜いた単位構造体３０をホルダー２０の後端部２６に移動させる（図８（Ｃ）参照）。この単位構造体３０の向きを、ホルダー２０に収容されている残りの単位構造体３０と同じ向きにし、ホルダー２０の後端部２６からホルダー２０の貫通孔２２に押し込む。汚染されてホルダー２０から一旦引き抜かれた単位構造体３０を、再びホルダー２０の後端部２６から貫通孔２２に押し込むことで、ホルダー２０の貫通孔２２に収容されている残りの全ての単位構造体３０は、押し込まれた単位構造体３０とともに、貫通孔２２内を後端部２６から先端部２４に向かって移動する（図８（Ｄ）参照）。

　このようにして、全ての単位構造体３０を後端部２６から先端部２４に向かって移動させることで、その時点で先頭に位置している単位構造体３０が、ホルダー２０の先端部２４から突出して位置づけられる。このようにして、先頭の単位構造体３０に保持されている粘着剤層１００の露出面１３０を、ホルダー２０から突出させることができ、汚染されていない清浄な露出面１３０を有する単位構造体３０を使用できる状態にすることができる。

　このように、使用済みの単位構造体３０をホルダー２０の後端部２６から貫通孔２２に押し込むことで、未使用の単位構造体３０をホルダー２０から突出させ、清浄な露出面１３０を有する単位構造体３０を使用できる状態にでき、このような簡便な作業で、未使用の単位構造体３０に交換することができる。さらに、交換作業の際に、作業者は、未使用の単位構造体３０に一切触れることなくホルダー２０から突出させることができ、未使用の単位構造体３０の粘着剤層１００を交換作業で汚染させることなく未使用の単位構造体３０に交換することができる。

　さらにまた、ホルダー２０に収容されている未使用の複数の単位構造体３０は、常に、連装された状態にある。このため、未使用の単位構造体３０がホルダー２０に収容されている状態では、一の単位構造体３０の保持部２００によって保持されている粘着剤層１００は、常に、その一の単位構造体３０の手前に位置する別の単位構造体３０の被覆部２５０によって覆われる。このため、粘着剤層１００の汚染や乾燥を防ぐための蓋体を別個に用意する必要がなくなり、粘着剤層１００の保管も簡便にすることができる。

＜＜＜＜第２の実施の形態＞＞＞＞
　第１の実施の形態によるクリーナの係合部３００は、保持係合部３１０及び被覆係合部３６０によって構成され、保持係合部３１０は、単位構造体３０の側壁部２２０ａの端部２３０ａ及び側壁部２２０ｂの端部２３０ｂであり、被覆係合部３６０は、単位構造体３０の側壁部２７０ａの端部２７２ａ及び側壁部２７０ｂの端部２７２ｂであった。これらの端部２３０ａ及び２３０ｂと、端部２７２ａ及び端部２７２ｂとは、いずれも平面状に形成されており、端部２３０ａと端部２７２ａと密着させ、端部２３０ｂと端部２７２ｂとを密着させることができる。

　図９は、第２の実施の形態によるクリーナの係合部３００－２の概略を示す側面図である。なお、第１の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付した。

　第２の実施の形態によるクリーナの係合部３００－２は、保持係合部３２０と被覆係合部３７０とを有する。保持係合部３２０は、保持係合凸部３２２によって構成され、被覆係合部３７０は、被覆係合凹部３７２によって構成される。

　保持係合凸部３２２は、単位構造体３０の側壁部２２０ａの端部２３０ａからＯＤ方向に沿って突出する保持係合凸部３２２ａと、単位構造体３０の側壁部２２０ｂの端部２３０ｂからＯＤ方向に沿って突出する保持係合凸部３２２ｂと、を有する。被覆係合凹部３７２は、単位構造体３０の側壁部２７０ａの端部２７２ａからＯＤ方向に沿ってくぼむ被覆係合凹部３７２ａと、単位構造体３０の側壁部２７０ｂの端部２７２ｂからＯＤ方向に沿ってくぼむ被覆係合凹部３７２ｂと、を有する。

　図９に示すように、後側の単位構造体３０の側壁部２２０ａに形成された保持係合凸部３２２ａは、前側の単位構造体３０の側壁部２７０ａに形成された被覆係合凹部３７２ａと係合し、側壁部２２０ａは側壁部２７０ａによって係止される。同様に、後側の単位構造体３０の側壁部２２０ｂに形成された保持係合凸部３２２ｂは、前側の単位構造体３０の側壁部２７０ｂに形成された被覆係合凹部３７２ｂと係合し、側壁部２２０ｂは側壁部２７０ｂによって係止される。

　このように、後側の単位構造体３０の側壁部２２０ａを前側の単位構造体３０の側壁部２７０ａによって係止し、後側の単位構造体３０の側壁部２２０ｂを前側の単位構造体３０の側壁部２７０ｂによって係止することで、後側の単位構造体３０を前側の単位構造体３０によって保持することができる。

　なお、図９に示した例は、縦方向ＬＤに沿って単位構造体３０を係止するものであるが、横方向ＴＤに対しても、保持係合凸部及び被覆係合凹部を形成して、単位構造体３０を係止することができる。

　また、図９において、前側に配置される単位構造体３０とは、２つの単位構造体３０のうちの＋ＯＤ側に配置される単位構造体３０をいい、前側に配置される単位構造体３０とは－ＯＤ側に配置される単位構造体３０をいう。

＜＜＜＜第３の実施の形態＞＞＞＞
　第２の実施の形態によるクリーナの係合部３００は、保持係合凸部３２２によって構成される保持係合部３２０と、被覆係合凹部３７２によって構成される被覆係合部３７０とを有するものであった。これらは、互いに凹凸形状を補うようにして係合するものであった。

　図１０は、第３の実施の形態によるクリーナの係合部３００－３の概略を示す側面図である。なお、第１の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付した。

　第３の実施の形態によるクリーナの係合部３００－３は、保持係合部３３０と被覆係合部３８０とを有する。保持係合部３３０は、保持係合斜面部３３２によって構成され、被覆係合部３８０は、被覆係合斜面部３８２によって構成される。

　保持係合斜面部３３２は、単位構造体３０の側壁部２２０ａの端部２３０ａからＯＤ方向に沿って離れるに従って膨らみつつ粘着剤層１００に近づく保持係合斜面部３３２ａと、単位構造体３０の側壁部２２０ｂの端部２３０ｂからＯＤ方向に沿って離れるに従って膨らみつつ粘着剤層１００に近づく保持係合斜面部３３２ｂと、を有する。被覆係合斜面部３８２は、単位構造体３０の側壁部２７０ａの端部２７２ａからＯＤ方向に沿って離れるに従って凹みつつ粘着剤層１００に近づく被覆係合斜面部３８２ａと、単位構造体３０の側壁部２７０ｂの端部２７２ｂからＯＤ方向に沿って離れるに従って凹みつつ粘着剤層１００に近づく被覆係合斜面部３８２ｂと、を有する。

　図１０に示すように、後側の単位構造体３０の側壁部２２０ａに形成された保持係合斜面部３３２ａは、前側の単位構造体３０の側壁部２７０ａに形成された被覆係合斜面部３８２ａと係合し、側壁部２２０ａは側壁部２７０ａによって係止される。同様に、後側の単位構造体３０の側壁部２２０ｂに形成された保持係合斜面部３３２ｂは、前側の単位構造体３０の側壁部２７０ｂに形成された被覆係合斜面部３８２ｂと係合し、側壁部２２０ｂは側壁部２７０ｂによって係止される。

　なお、図１０に示した例は、縦方向ＬＤに沿って単位構造体３０を係止するものであるが、横方向ＴＤに対しても、保持係合斜面部及び被覆係合斜面部を形成して、単位構造体３０を係止することができる。

　また、図１０においても、前側に配置される単位構造体３０とは、２つの単位構造体３０のうちの＋ＯＤ側に配置される単位構造体３０をいい、前側に配置される単位構造体３０とは－ＯＤ側に配置される単位構造体３０をいう。

＜＜＜＜第４の実施の形態＞＞＞＞
　前述した第２の実施の形態や第３の実施の形態によるクリーナの係合部３００は、互いに凹凸形状を補うようにして係合したり、互いに斜面部を補うようにして係合したりするものであった。

　図１１は、第４の実施の形態によるクリーナの係合部３００－４の概略を示す側面図である。なお、第１の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付した。

　第４の実施の形態によるクリーナの係合部３００－４は、保持係合部３４０と被覆係合部３９０とを有する。保持係合部３４０は、保持係合突起部３４２によって構成され、被覆係合部３９０は、被覆係合谷部３９２によって構成される。

　保持係合突起部３４２は、単位構造体３０の側壁部２２０ａの端部２３０ａに粘着剤層１００から離れる方向に突出するように形成された保持係合突起部３４２ａと、単位構造体３０の側壁部２２０ｂの端部２３０ｂに粘着剤層１００から離れる方向に突出するように形成された保持係合突起部３４２ｂと、を有する。被覆係合谷部３９２は、単位構造体３０の側壁部２７０ａの端部２７２ａに収容部ＲＳから離れる方向に凹むように形成された被覆係合谷部３９２ａと、単位構造体３０の側壁部２７０ｂの端部２７２ｂに収容部ＲＳから離れる方向に凹むように形成された被覆係合谷部３９２ｂと、を有する。

　図１１に示すように、後側の単位構造体３０の側壁部２２０ａに形成された保持係合突起部３４２ａは、前側の単位構造体３０の側壁部２７０ａに形成された被覆係合谷部３９２ａと嵌合し、側壁部２２０ａは側壁部２７０ａによって係止される。同様に、後側の単位構造体３０の側壁部２２０ｂに形成された保持係合突起部３４２ｂは、前側の単位構造体３０の側壁部２７０ｂに形成された被覆係合谷部３９２ｂと嵌合し、側壁部２２０ｂは側壁部２７０ｂによって係止される。

　なお、図１１に示した例は、縦方向ＬＤに沿って単位構造体３０を係止するものであるが、横方向ＴＤに対しても、保持係合突起部及び被覆係合谷部を形成して、単位構造体３０を係止することができる。

　また、図１１においても、前側に配置される単位構造体３０とは、２つの単位構造体３０のうちの＋ＯＤ側に配置される単位構造体３０をいい、前側に配置される単位構造体３０とは－ＯＤ側に配置される単位構造体３０をいう。

＜＜＜＜第５の実施の形態＞＞＞＞
　第１の実施の形態によるクリーナの単位構造体３０の保持部２００の側壁部２２０ａ及び２２０ｂは、粘着剤層１００と接触する面が平坦な形状に形成され、粘着剤層１００の粘着力によって粘着剤層１００を保持するものであった。

　図１２は、第５の実施の形態によるクリーナの単位構造体３０－５の保持部２００の側壁部２２０ａ及び２２０ｂの概略を示す側面図である。なお、第１の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付した。

　図１２に示すように、第５の実施の形態によるクリーナの単位構造体３０－５の保持部２００の側壁部２２０ａ及び２２０ｂでは、粘着剤層１００と接触する面に複数の側壁突条部２２２が横方向ＴＤに沿って形成されている。側壁突条部２２２を形成したことにより、側壁部２２０ａと側壁部２２０ｂとの間に粘着剤層１００を掛止することができ、粘着剤層１００をより安定して保持することができる。

　なお、図１２に示した例は、複数の側壁突条部２２２を側壁部２２０ａ及び２２０ｂに横方向ＴＤに沿って形成する例を示したが、突条ではなく、溝や突起や孔やへこみを形成しても、側壁部２２０ａと側壁部２２０ｂとの間に粘着剤層１００を掛止でき、粘着剤層１００をより安定して保持することができる。

＜＜＜＜第６の実施の形態＞＞＞＞
　第１の実施の形態～第５の実施の形態によるクリーナでは、単位構造体３０は、別個に形成され、２つの単位構造体３０を係合させたり、係合させた２つの単位構造体３０の係合を解除したりすることができる構成であった。

　図１３は、第６の実施の形態によるクリーナの単位構造体３０同士を連結する連結係合体４００の概略を示す側面図である。なお、第１の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付した。

　図１３に示すように、隣り合う２つの単位構造体３０は連結係合体４００によって接続されている。連結係合体４００は、いわゆるゲートとして機能し、容易に切断できるように構成されている。

　後側の単位構造体３０の側壁部２２０ａの端部２３０ａと、前側の単位構造体３０の側壁部２７０ａの端部２７２ａとの間に、連結係合体４００ａが形成され、後側の単位構造体３０の側壁部２２０ｂの端部２３０ｂと、前側の単位構造体３０の側壁部２７０ｂの端部２７２ｂとの間に、連結係合体４００ｂが形成されている。このように、連結係合体４００ａ及び４００ｂによって、後側の単位構造体３０と前側の単位構造体３０とを切断容易に接続することができる。

　このようにすることで、前側の単位構造体３０の粘着剤層１００の露出面１３０が汚染された場合には、連結係合体４００ａ及び４００ｂを切断することで、前側の単位構造体３０を取り除き、後側の単位構造体３０を使用することができる状態にできる。

　また、図１３においても、前側に配置される単位構造体３０とは、２つの単位構造体３０のうちの＋ＯＤ側に配置される単位構造体３０をいい、前側に配置される単位構造体３０とは－ＯＤ側に配置される単位構造体３０をいう。

＜＜＜＜第７の実施の形態＞＞＞＞
　前述したように、複数の単位構造体３０はホルダー２０に収容される。ホルダー２０内では、隣り合う単位構造体３０が係合して収容されている。

　図１４は、第７の実施の形態によるクリーナの単位構造体３０－７の概略を示す斜視図である。なお、第１の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付した。

　図１４に示すように、単位構造体３０－７の被覆部２５０の側面には、対面方向ＯＤに沿って、摺動溝５００が形成されている。ホルダー２０の貫通孔２２には、摺動溝５００に対応する長尺な突条が、ホルダー２０の長手方向に沿って形成されている（図示せず）。複数の単位構造体３０－７が、ホルダー２０に収容されたときには、複数の単位構造体３０－７の各々の摺動溝５００は、ホルダー２０の貫通孔２２に形成された突条と係合し、複数の単位構造体３０－７を一定の位置に保持することができる。また、突条によって複数の単位構造体３０－７を案内しつつ貫通孔２２を移動させることができるので、円滑に複数の単位構造体３０－７を移動させることができる。

＜＜＜＜第８の実施の形態＞＞＞＞
　前述したように、粘着剤層１００の対向方向長さＡＯは、単位構造体３０の側壁部２２０ａ及び２２０ｂの対向方向の長さよりも長く、粘着剤層１００は、端部２３０ａ及び２３０ｂから一部が露出する。

　図１５（Ａ）は、第８の実施の形態による単位構造体３０の構造を示す平面図であり、図１５（Ｂ）は、第８の実施の形態による単位構造体３０の外観を示す側面図である。なお、第１の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付した。

　図１５に示すように、粘着剤層１００の対向方向長さＡＯは、単位構造体３０の側壁部２２０ａ及び２２０ｂの対面方向ＯＤの長さよりも短く、粘着剤層１００が、端部２３０ａ及び２３０ｂから突出することはない。このように形成した場合であっても、側壁部２２０ａと側壁部２２０ｂとの間に開放側部ＯＳを形成したことにより、粘着剤層１００の露出対向面１３２及び露出側面１３４を存在させて、粘着剤層１００の変形の自由度を確保し、光コネクタの接合端面ＪＦの形状に応じて粘着剤層１００を変形させやすくし、上面部１２０を光コネクタの接合端面ＪＦに粘着剤層１００を密着させることができる。

　また、粘着剤層１００の対向方向長さＡＯを、単位構造体３０の側壁部２２０ａ及び２２０ｂの対面方向ＯＤの長さと略同じにしてもよい。粘着剤層１００の対向方向長さＡＯの長短は、光コネクタの接合端面ＪＦの形状や、粘着剤層１００の材料などに応じて適宜に定めることができる。

　上述したように、第８の実施の形態の場合では、粘着剤層１００は、端部２３０ａ及び２３０ｂから突出することはない。したがって、複数の単位構造体３０が直列状に配置された場合であっても、後側に配置される単位構造体３０の粘着剤層１００が、前側に配置される単位構造体３０の収容部ＲＳに収容されることはない。後側に配置される単位構造体３０の粘着剤層１００の露出対向面１３２及び露出側面１３４は、前側に配置される単位構造体３０の被覆部２５０によって覆われ、前側に配置される単位構造体３０の収容部ＲＳによって画定される空間は、後側に配置される単位構造体３０の粘着剤層１００の被覆状態を確保するための緩衝空間として機能する。

＜＜＜＜第９の実施の形態＞＞＞＞
　前述した第８の実施の形態では、粘着剤層１００の対向方向長さＡＯを、単位構造体３０の側壁部２２０ａ及び２２０ｂの対面方向ＯＤの長さよりも短くすることで、粘着剤層１００が、端部２３０ａ及び２３０ｂから突出しないように構成した。さらに、粘着剤層１００を、端部２３０ａ及び２３０ｂから突出させない構成として、粘着剤層１００の対向方向長さＡＯを、単位構造体３０の側壁部２２０ａ及び２２０ｂの対面方向ＯＤの長さと同じにしてもよい。

　図１６（Ａ）は、第９の実施の形態によるクリーナの単位構造体３０の概略を示す斜視図であり、図１６（Ｂ）は、第９の実施の形態によるクリーナの単位構造体３０に用いる粘着剤層１００の概略を示す斜視図である。図１７は、第９の実施の形態によるクリーナの単位構造体３０の概略を示す側面図である。なお、第１の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付した。

　図１６に示すように、粘着剤層１００の対向方向長さＡＯは、単位構造体３０の側壁部２２０ａ及び２２０ｂの対面方向ＯＤの長さと同じである。すなわち、露出対向面１３２が、単位構造体３０の端部２３０ａ及び２３０ｂと段差がなく形成され、露出対向面１３２と、単位構造体３０の端部２３０ａ及び２３０ｂとが、同一の平面内に位置する状態、いわゆる面一の状態となっている。

　第８の実施の形態と同様に、側壁部２２０ａと側壁部２２０ｂとの間に開放側部ＯＳを形成したことにより、粘着剤層１００の露出対向面１３２及び露出側面１３４を存在させ、粘着剤層１００の変形の自由度を確保することで、光コネクタの接合端面ＪＦの形状に応じて粘着剤層１００を変形させやすくし、上面部１２０を光コネクタの接合端面ＪＦに粘着剤層１００を密着させることができる。

　第８の実施の形態に比べると、粘着剤層１００の側面部１１２ａが側壁部２２０ａと接する面積と、粘着剤層１００の側面部１１２ｂが側壁部２２０ｂと接する面積とを増やすことができ、粘着剤層１００をより安定させて保持することができる。さらに、粘着剤層１００の量も増やすことができ、粘着剤層１００を光コネクタの接合端面ＪＦに密着させやすくできる。

　なお、粘着剤層１００の対向方向長さＡＯと、単位構造体３０の側壁部２２０ａ及び２２０ｂの対面方向ＯＤの長さとが同じであるとは、おおよそ同じ長さであると視認できる範囲であればよく、例えば、プラスマイナス１ｍｍ程度の相違であれば、同一の範囲に含まれる。また、製造上生じ得る公差などは、同一の範囲に含めることができる。例えば、粘着剤層１００を形成する工程で生ずる対向方向長さＡＯの差は、同一の範囲に含めることができる。プラスの場合とは、粘着剤層１００が端部２３０ａ及び２３０ｂから若干突出した状態をいい、マイナスの場合とは、粘着剤層１００が端部２３０ａ及び２３０ｂより若干凹んだ状態をいう。

　この第９の実施の形態も、第８の実施の形態と同様に、粘着剤層１００は、端部２３０ａ及び２３０ｂから突出することはない。したがって、複数の単位構造体３０が直列状に配置された場合であっても、後側に配置される単位構造体３０の粘着剤層１００が、前側に配置される単位構造体３０の収容部ＲＳに収容されることはない。後側に配置される単位構造体３０の粘着剤層１００の露出対向面１３２及び露出側面１３４は、前側に配置される単位構造体３０の被覆部２５０によって覆われ、前側に配置される単位構造体３０の収容部ＲＳによって画定される空間は、後側に配置される単位構造体３０の粘着剤層１００の被覆状態を確保するための緩衝空間として機能する。

＜＜＜＜粘着剤層１００の変形し易さと変形し難さのバランス＞＞＞＞
　第１の実施の形態～第９の実施の形態で説明したように、単位構造体３０の大きさ及び形状と、粘着剤層１００の大きさ及び形状とを、多様にすることができる。単位構造体３０及び粘着剤層１００の大きさ及び形状については、粘着剤層１００の変形し易さと変形し難さのバランスによって適宜に決めることができる。

　粘着剤層１００が変形し易い場合には、粘着剤層１００は、加えられた外力によって逃げ易くなり、形状を保ちにくく、粘着剤層１００を光コネクタの接合端面ＪＦに接触させたときに、粘着剤層１００を接合端面ＪＦに十分に密着させることが困難になる。一方、粘着剤層１００が変形し難い場合には、粘着剤層１００は、加えられた外力によって十分に変形せず、粘着剤層１００を光コネクタの接合端面ＪＦに接触させたときに、接合端面ＪＦの形状に応じた変形をせず、この場合も、粘着剤層１００を接合端面ＪＦに十分に密着させることが困難になる。

　このように、粘着剤層１００を光コネクタの接合端面ＪＦに密着させるためには、粘着剤層１００の変形し易さと変形し難さとのバランスを図る必要がある。前述した第１の実施の形態～第９の実施の形態のいずれもが、単位構造体３０の側壁部２２０ａ及び２２０ｂによって粘着剤層１００を挟み込んで保持することで、主に、変形し難さを調整することができる。例えば、単位構造体３０の側壁部２２０ａ及び２２０ｂとの接触面積や形状などによって、変形し難さを定めることができる。一方、単位構造体３０の側壁部２２０ａ及び２２０ｂとの接触していない非接触の面積や非接触の形状などによって、変形し易さを定めることができる。

　例えば、単位構造体３０の縦方向ＬＤについては、側壁部２２０ａ及び２２０ｂによって粘着剤層１００を挟み込んで保持することで変形しにくくできる。一方、単位構造体３０の横方向ＴＤについては、粘着剤層１００は、単位構造体３０と接触しておらず、変形しやすくできる。このように、単位構造体３０との接触により粘着剤層１００を変形させ難くくでき、単位構造体３０との非接触により粘着剤層１００を変形させ易くできる。

　このように、粘着剤層１００の変形し易さと変形し難さとを、側壁部２２０ａ及び２２０ｂによって調整することで、接合端面ＪＦの形状に応じて粘着剤層１００を変形させやすく、かつ、変形した状態を維持させて、接合端面ＪＦの形状に応じて粘着剤層１００を十分に変形させ、粘着剤層１００を接合端面ＪＦに密着させた状態を保つことができる。粘着剤層１００の変形し易さと変形し難さとのバランスは、接合端面ＪＦの形状に応じて定めればよい。

＜＜＜＜変形例＞＞＞＞
　図８に示したように、露出面１３０が塵埃で汚染された単位構造体３０をホルダー２０の先端部２４から引き抜き、ホルダー２０の後端部２６に移動させて、貫通孔２２に押し込む例を示した。塵埃で汚染された単位構造体３０を使用せずに、ホルダー２０に収容されている残りの単位構造体３０を移動させてもよい。例えば、治具やレバーなどによって、残りの単位構造体３０を移動させるように構成してもよい。単位構造体３０と同じ形状を有する治具（ダミー部材等）を貫通孔２２に押し込んだり、ホルダー２０の長手方向沿って移動できるレバーを設け、レバーを移動させたりすることで残りの単位構造体３０を移動させる機構を設けてもよい。

＜＜＜＜第１０の実施の形態＞＞＞＞
＜＜＜クリーナ１０－１０＞＞＞
　図１８及び図１９は、第１０の実施の形態によるクリーナ１０－１０の構造の概略を示す斜視図である。

　クリーナ１０－１０は、図１８及び図１９に示すように、ホルダー２０－１０と複数の単位構造体３０－１０とを有する。また、単位構造体３０－１０の各々は、粘着剤層１００を有する（図２０（Ｂ）及び図２１（Ｂ）参照）。なお、粘着剤層１００の形状、材料及び機能などは、第１の実施の形態と同様であり、粘着剤層１００に関する符号は、第１の実施の形態で説明したものを用いた（図２（Ｂ）参考）。粘着剤層１００については、一部、第１の実施の形態の図面（図２（Ｂ）など）を参照して説明する。さらに、保持部２００については、第１の実施の形態の図面（図２（Ａ）など）を参照して説明する。また、光コネクタの接合端面ＪＦの塵埃を除去する説明などについも、第１の実施の形態の図面（図７など）を参照して説明する。

＜＜粘着剤層１００＞＞
　第１の実施の形態で説明したように、単位構造体３０－１０は粘着剤層１００を有し、粘着剤層１００は、粘着力を有する。粘着剤層１００は、塵埃を粘着力によって粘着剤層に転着させる（移し着ける）ことで、光コネクタの接合端面ＪＦ（図７参考）の表面に存在する塵埃を除去する。

＜粘着剤層１００の外形＞
　図２（Ｂ）に示したように、粘着剤層１００は、外力が加えられていない自然状態で、おおよそ略直方体状の形状を有する。粘着剤層１００は、縦方向ＬＤに沿って縦方向長さＡＬを有し、横方向ＴＤに沿って横方向長さＡＴを有し、対面方向ＯＤに沿って対向方向長さＡＯを有する。

　なお、図２０及び図２１に示すように、粘着剤層１００の縦方向（短手方向）を縦方向ＬＤと称し、粘着剤層１００の横方向（長手方向）を横方向ＴＤと称し、粘着剤層１００が光コネクタの接合端面ＪＦと対面する方向を対面方向ＯＤと称する。

　粘着剤層１００は、上面部１２０、４つの側面部１１２ａ、１１２ｂ、１１４ａ、１１４ｂ及び底面部１１０を有する。上面部１２０及び底面部１１０は、互いに向かい合い略平行に形成されている。側面部１１２ａ及び１１２ｂは、互いに向かい合い略平行に形成されている。側面部１１４ａ及び１１４ｂは、互いに向かい合い略平行に形成されている。

　粘着剤層１００は、略直方体の形状を呈するが、全体として、おおよそ略直方体として認識したり扱ったりできる形状であればよく、ある程度、歪んでいる形状でもよい。粘着剤層１００の横方向長さＡＴ、縦方向長さＡＬ、対向方向長さＡＯは、粘着剤層１００が、おおよそ略長方形と近似することで定められる長さであればよい。

＜粘着剤層１００材料＞
　第１の実施の形態で説明したように、粘着剤層１００は、粘着剤のみで一体的に構成されており、表面も同じ材料で構成されている。粘着剤層１００に使用される粘着剤としては、再剥離性があり、光コネクタの接合端面ＪＦにガイドピンが突設されたとしても破断せず、かつ、剥離時に糊残りがないこと、ヒートショック試験等で剥がれや泡の発生がないこと、ガイドピンに追従可能な弾力変形力及び、応力に対して復元力を有していることが望まれる。このような特性を有する粘着剤成分は、第１の実施の形態で説明したものが挙げられる。

　なお、粘着剤層１００は、前述したように、粘着剤のみで一体的に構成されていることが好ましいが、一部のみに粘着剤を有する構造、例えば、粘着剤を保持するための保持体（図示せず）に粘着剤が設けられた構造としてもよい。

＜＜ホルダー２０－１０＞＞
　図１８及び図１９に示すように、ホルダー２０－１０は、略円筒状で長尺な形状を有し、長手方向の異なる位置に第１の端部と第２の端部との２つの端部を有する。第１の端部には、単位構造体３０－１０を取り出すための出口用開口２６ａ－１０が形成されている。第２の端部には、単位構造体３０－１０を入れるための入口用開口２６ｂ－１０が形成されている。なお、図１８及び図１９は、明瞭のため、粘着剤層１００を省略し、単位構造体３０－１０に粘着剤層１００が取り付けられていない状態を示す。

＜貫通孔２２－１０＞
　前述したように、ホルダー２０－１０は、略円筒状の形状を有し、長手方向に沿って貫通孔２２－１０が形成されている。図１８及び図１９に示すように、貫通孔２２－１０には、長手方向に沿って重なった複数の単位構造体３０－１０を収容することができる。貫通孔２２－１０の長手方向に沿った中心軸Ｏは直線であり、貫通孔２２－１０に収容された複数の単位構造体３０－１０は、直列状に連なり、複数の単位構造体３０－１０が長手方向に沿って互いに隣接する状態が維持される。言い換えれば、貫通孔２２－１０内では、複数の単位構造体３０－１０の全ての保持部２００（後述）が出口用開口２６ａ－１０を向いた状態となって、複数の単位構造体３０－１０が連なっている。

　貫通孔２２－１０の内側表面（内側側面）は、長尺な円筒状の形状を有する。貫通孔２２－１０に収容された複数の単位構造体３０－１０は、貫通孔２２－１０の内側表面に支持されて長手方向に沿って貫通孔２２－１０内を円滑に移動することができる。

＜案内スリット２８－１０＞
　ホルダー２０－１０の側面には、案内スリット２８－１０が形成されている。案内スリット２８－１０は、後述する単位構造体３０－１０に形成されている係合突出片３２－１０を移動可能に案内したり、係合突出片３２－１０によって単位構造体３０－１０をホルダー２０－１０の一定の位置に保持したりする。

　案内スリット２８－１０は、入口案内スリット２８ａ－１０と、入口側係止スリット２８ｂ－１０と、直進案内スリット２８ｃ－１０と、出口側係止スリット２８ｄ－１０と、出口案内スリット２８ｅ－１０とが、連続的に形成されている。言い換えれば、入口用開口２６ｂ－１０から出口用開口２６ａ－１０に至るまでに、入口案内スリット２８ａ－１０、入口側係止スリット２８ｂ－１０、直進案内スリット２８ｃ－１０、出口側係止スリット２８ｄ－１０、出口案内スリット２８ｅ－１０が連なって形成されている。

　単位構造体３０－１０の係合突出片３２－１０が、入口案内スリット２８ａ－１０、入口側係止スリット２８ｂ－１０、直進案内スリット２８ｃ－１０、出口側係止スリット２８ｄ－１０、出口案内スリット２８ｅ－１０の順に案内されることで、入口用開口２６ｂ－１０から出口用開口２６ａ－１０に向かって、単位構造体３０－１０を貫通孔２２－１０内で移動させることができる。

＜入口案内スリット２８ａ－１０＞
　入口案内スリット２８ａ－１０は、入口用開口２６ｂ－１０から略長手方向に沿って形成されている。入口案内スリット２８ａ－１０は、入口側係止スリット２８ｂ－１０の入口端部２７ａ－１０に連結して形成されている。入口案内スリット２８ａ－１０は、単位構造体３０－１０を入口用開口２６ｂ－１０から貫通孔２２－１０に挿入する際に係合突出片３２－１０を案内するためのスリットである。

＜入口側係止スリット２８ｂ－１０＞
　入口側係止スリット２８ｂ－１０は、ホルダー２０－１０の側面の円周方向に沿って形成されている。図１８及び図１９に示す例では、入口側係止スリット２８ｂ－１０は、中心軸Ｏを中心に約９０度に亘ってホルダー２０－１０に形成されている。入口側係止スリット２８ｂ－１０は、円周方向の異なる位置に入口端部（開放端部）２７ａ－１０と固定端部（係止端部）２７ｂ－１０との２つの端部を有する。前述したように、入口端部（開放端部）２７ａ－１０は、入口案内スリット２８ａ－１０と連結して形成されており、単位構造体３０－１０の係合突出片３２－１０を入口用開口２６ｂ－１０から入口案内スリット２８ａ－１０を介して入口側係止スリット２８ｂ－１０に案内することができる。

　貫通孔２２－１０の中心軸Ｏを中心に円周方向に沿って単位構造体３０－１０を回転させることで（図１８及び図１９の矢印Ｒ２）、単位構造体３０－１０の係合突出片３２－１０を固定端部（係止端部）２７ｂ－１０に至るまで入口側係止スリット２８ｂ－１０に沿って移動させて係止することができる。入口側係止スリット２８ｂ－１０には、貫通孔２２－１０に収容された複数の単位構造体３０－１０のうちの入口用開口２６ｂ－１０に最も近い位置に配置される単位構造体３０－１０の係合突出片３２－１０が係止される。

　入口側係止スリット２８ｂ－１０は、入口用開口２６ｂ－１０に最も近い位置に配置される単位構造体３０－１０（後尾の単位構造体３０－１０）を、ホルダー２０－１０の長手方向の一定の位置に保持するためのスリットである。入口側係止スリット２８ｂ－１０は、後述する直進案内スリット２８ｃ－１０に対して略垂直方向（ホルダー２０－１０の側面の円周方向）に沿って延在しており、ホルダー２０－１０の長手方向の一定の位置に形成されている。

　上述した例では、入口側係止スリット２８ｂ－１０の全てが、直進案内スリット２８ｃ－１０に対して略垂直方向（ホルダー２０－１０の側面の円周方向）に沿って形成される場合を示したが、ホルダー２０－１０の長手方向の一定の位置に単位構造体３０－１０を保持できればよく、入口側係止スリット２８ｂ－１０の全てが、ホルダー２０－１０の側面の円周方向に沿って形成されている必要はない。例えば、入口側係止スリット２８ｂ－１０が、ホルダー２０－１０の側面に螺旋状（の一部）に形成されていてもよい。

＜直進案内スリット２８ｃ－１０＞
　直進案内スリット２８ｃ－１０は、入口側係止スリット２８ｂ－１０の略中央部からホルダー２０－１０の長手方向に沿って直線状に形成されている。直進案内スリット２８ｃ－１０は、入口側係止スリット２８ｂ－１０から出口側係止スリット２８ｄ－１０に至るまで形成されている。

　貫通孔２２－１０に収容された複数の単位構造体３０－１０の係合突出片３２－１０は、直進案内スリット２８ｃ－１０によって案内されて移動することができる。直進案内スリット２８ｃ－１０によって係合突出片３２－１０を案内することで、複数の単位構造体３０－１０が連なった状態を維持しつつ、全体として貫通孔２２－１０を直線移動することができる。

　上述して例では、直進案内スリット２８ｃ－１０がホルダー２０－１０の長手方向に沿って直線状のみのスリットで形成されている場合を示したが、入口用開口２６ｂ－１０から出口用開口２６ａ－１０に向かって単位構造体３０－１０を貫通孔２２－１０内で移動させることができればよく、直進案内スリット２８ｃ－１０が、Ｓ字状など曲線状に形成されたり、Ｚ字状など直線の組み合わせで形成されたり、蛇行する形状（ジグザグ形状、湾曲した形状など）で形成することもできる。長手方向とは異なる方向成分を一部に設けることで、係合突出片３２－１０が直進案内スリット２８ｃ－１０と接触する部分を増やして安定的に複数の単位構造体３０－１０をホルダー２０－１０に保持することができる。

＜出口側係止スリット２８ｄ－１０＞
　直進案内スリット２８ｃ－１０は、出口側係止スリット２８ｄ－１０の略中央部から出口側係止スリット２８ｄ－１０に対して垂直に連結して形成されている。

　出口側係止スリット２８ｄ－１０は、ホルダー２０－１０の側面の円周方向に沿って形成されている。図１８及び図１９に示す例では、出口側係止スリット２８ｄ－１０は、中心軸Ｏの周りを約９０度に亘ってホルダー２０－１０の側面に形成されている。出口側係止スリット２８ｄ－１０は、円周方向の異なる位置に出口端部（開放端部）２９ａ－１０と固定端部（係止端部）２９ｂ－１０との２つの端部を有する。後述するように、入口端部（開放端部）２９ａ－１０は、出口案内スリット２８ｅ－１０と連結して形成されており、単位構造体３０－１０の係合突出片３２－１０を出口側係止スリット２８ｄ－１０から出口用開口２８ｅ－１０に案内することができる。

　貫通孔２２－１０の中心軸Ｏを中心に円周方向に沿って単位構造体３０－１０を回転させることで（図１８及び図１９の矢印Ｒ１）、単位構造体３０－１０の係合突出片３２－１０を固定端部（係止端部）２９ｂ－１０に至るまで出口側係止スリット２８ｄ－１０に沿って移動させて係止することができる。出口側係止スリット２８ｄ－１０には、貫通孔２２－１０に収容された複数の単位構造体３０－１０のうちの出口用開口２６ａ－１０に最も近い位置に配置される単位構造体３０－１０の係合突出片３２－１０が係止される。

　出口側係止スリット２８ｄ－１０は、出口用開口２６ａ－１０に最も近い位置に配置される単位構造体３０－１０（先頭の単位構造体３０－１０）を、ホルダー２０－１０の長手方向の一定の位置に保持するためのスリットである。出口側係止スリット２８ｄ－１０は、前述した直進案内スリット２８ｃ－１０に対して略垂直方向（ホルダー２０－１０の側面の円周方向）に沿って延在しており、ホルダー２０－１０の長手方向の一定の位置に形成されている。

　上述した例では、出口側係止スリット２８ｄ－１０の全てが、直進案内スリット２８ｃ－１０に対して略垂直方向（ホルダー２０－１０の側面の円周方向）に沿って形成される場合を示したが、ホルダー２０－１０の長手方向の一定の位置に単位構造体３０－１０を保持できればよく、出口側係止スリット２８ｄ－１０の全てが、ホルダー２０－１０の側面の円周方向に沿って形成されている必要はない。例えば、出口側係止スリット２８ｄ－１０が、ホルダー２０－１０の側面に螺旋状（の一部）に形成されていてもよい。

＜出口案内スリット２８ｅ－１０＞
　前述したように、出口案内スリット２８ｅ－１０は、出口側係止スリット出口案内スリット２８ｅ－１０の出口端部２９ａ－１０に連結して形成されている。出口案内スリット２８ｅ－１０は、出口側係止スリット２８ｄ－１０の出口端部２９ａ－１０から出口用開口２６ａ－１０に向かって略長手方向に沿って形成されている。出口案内スリット２８ｅ－１０は、単位構造体３０－１０を出口用開口２６ａ－１０から取り出す際に係合突出片３２－１０を案内するためのスリットである。

＜先頭の単位構造体３０－１０による塵埃の除去＞
　複数の単位構造体３０－１０がホルダー２０－１０に収容されている状態では、連なっている複数の単位構造体３０－１０のうちの先頭の単位構造体３０－１０が、ホルダー２０－１０の出口用開口２６ａ－１０から突出して位置づけられる。このため、先頭の単位構造体３０－１０に保持されている粘着剤層１００も、ホルダー２０－１０の前方に向かって突出する。作業者は、ホルダー２０－１０を保持して、ホルダー２０－１０の前方に向かって突出した粘着剤層１００の露出面１３０を光コネクタの接合端面ＪＦ（図７参考）に対面させて押し付ける。粘着剤層１００の露出面１３０が、光コネクタの接合端面ＪＦに押し付けられることで、光コネクタの接合端面ＪＦに存在する塵埃を、粘着剤層１００の露出面１３０に転着させて、取り除くことができる。

＜単位構造体３０－１０の数＞
　また、ホルダー２０－１０に収容できる単位構造体３０－１０の数は、５～２０個程度にすることができる。なお。ホルダー２０－１０に収容する単位構造体３０－１０の数は、これらに限られず、光コネクタの種類や、光コネクタの接合端面ＪＦの形状の他に、使用する環境や目的などに応じて適宜に決定することができる。例えば、ホルダー２０－１０に収容できる単位構造体３０－１０の数を１にして、クリーニング作業の度に交換するようにしてもよい。

＜先頭の単位構造体３０－１０及び後尾の単位構造体３０－１０＞
　前述したように、第１０の実施の形態では、出口用開口２６ａ－１０に最も近い位置に配置される単位構造体３０－１０を先頭の単位構造体３０－１０と称し、入口用開口２６ｂ－１０に最も近い位置に配置される単位構造体３０－１０を後尾の単位構造体３０－１０と称する。

＜ホルダー２０－１０の材料＞
　ホルダー２０－１０は、案内スリット２８－１０が形成された状態で一定の形状を保つことができる材料で形成されていればよい。このような材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）の他、樹脂成形用材料として使用できるものであればいずれの樹脂も使用することが可能である。

＜＜単位構造体３０－１０＞＞
　図２０及び図２１は、単位構造体３０－１０の外観を示す斜視図である。図２０（Ａ）は、単位構造体３０－１０の外観を上方から示す斜視図である。図２０（Ｂ）は、粘着剤層１００が取り付けられた単位構造体３０－１０の外観を上方から示す斜視図である。図２１（Ａ）は、単位構造体３０－１０の外観を下方から示す斜視図である。図２１（Ｂ）は、粘着剤層１００が取り付けられた単位構造体３０－１０の外観を下方から示す斜視図である。なお、第１の実施の形態の単位構造体３０と同様の構成については、同一の符号を付した。

＜単位構造体３０－１０の構成＞
　単位構造体３０－１０は、保持部２００と被覆部２５０－１０と有する。第１０の実施の形態では、保持部２００と被覆部２５０－１０とは一体に形成されている。なお、保持部２００と被覆部２５０－１０とが、着脱可能に別体に形成してもよい。別体に形成することによって、粘着剤層１００を保持部２００に取り付ける作業を容易にしたり、単位構造体３０－１０の全体を洗浄する作業を簡便にしたりすることができる。

＜保持部２００＞
　保持部２００は、第１の実施の形態と同様の形状及び機能を有し（図２（Ａ）参考）、図２０及び図２１では、同様の要素については、第１の実施の形態と同一の符号を付した。

　保持部２００は、略凹溝状の形状を有する。保持部２００は、底部２１０と、側壁部２２０ａと、側壁部２２０ｂとを有する。側壁部２２０ａ及び側壁部２２０ｂは、底部２１０を挟んで、底部２１０から略垂直方向に離れるように底部２１０に設けられている。底部２１０と、側壁部２２０ａと、側壁部２２０ｂとによって、略凹溝状の形状が画定される。なお、側壁部２２０ａと側壁部２２０ｂとの両端は、閉塞されておらず、開放側部ＯＳが形成されている。

　底部２１０は、略長方形状の形状を有し、粘着剤層１００の底面部１１０と密着することができる。側壁部２２０ａ及び側壁部２２０ｂは、互いに向かい合い略平行に形成され、略長方形状の形状を有する。側壁部２２０ａは、粘着剤層１００の側面部１１２ａ（図２（Ａ）参考）と密着することができる。側壁部２２０ｂは、粘着剤層１００の側面部１１２ｂ（図２（Ａ）参考）と密着することができる。

　第１の実施の形態と同様に、粘着剤層１００の粘着力によって、底部２１０は粘着剤層１００の底面部１１０と密着し、側壁部２２０ａは粘着剤層１００の側面部１１２ａと密着し、側壁部２２０ｂは粘着剤層１００の側面部１１２ｂと密着することで、保持部２００は、粘着剤層１００を安定的に保持することができる。保持部２００に粘着剤層１００が配置されたり形成されたりしたときには、少なくとも上面部１２０が、保持部２００から露出するとともに、光コネクタの接合端面ＪＦと対向（対面）する露出対向面１３２となる。側壁部２２０ａの端には、端部２３０ａが形成され、側壁部２２０ｂの端には、端部２３０ｂが形成されている。

　粘着剤層１００の対向方向長さＡＯ（図２（Ｂ）参考）は、単位構造体３０－１０の側壁部２２０ａ及び２２０ｂの対向方向の長さよりも長く、粘着剤層１００は、端部２３０ａ及び２３０ｂから一部が突出する。端部２３０ａ及び２３０ｂから粘着剤層１００を突出するように構成することで、粘着剤層１００を変形しやすくでき、粘着剤層１００の変形の自由度を高めることができる。端部２３０ａ及び２３０ｂから突出する粘着剤層１００の長さは、例えば、１～２ｍｍ程度にすることができる。端部２３０ａ及び２３０ｂから突出させる粘着剤層１００の長さは、粘着剤層１００の材料や光コネクタの接合端面ＪＦの形状などの構造に応じて適宜に定めることができる。このようにすることで、光コネクタの接合端面ＪＦの形状に応じて粘着剤層１００を変形させやすくし、上面部１２０を光コネクタの接合端面ＪＦに粘着剤層１００を密着させることができる。

　第１の実施の形態と同様に、保持部２００から露出した粘着剤層１００の対向方向の長さを対向方向露出長さＥＯと称し、保持部２００から露出した粘着剤層１００の横方向の長さを横方向露出長さＥＴと称し、保持部２００から露出した粘着剤層１００の縦方向の長さを縦方向露出長さＥＬと称する。なお、横方向露出長さＥＴは、粘着剤層１００の横方向長さＡＴと同じであり、縦方向露出長さＥＬは、粘着剤層１００の縦方向長さＡＬと同じである。

＜被覆部２５０－１０＞
　被覆部２５０－１０は、上下に重なり合う２つの単位構造体３０－１０において、保持部２００で露出する粘着剤層１００と接触することなく、粘着剤層１００を被覆することができる。

　被覆部２５０－１０は、天部２６０－１０と側壁部２７０－１０と底部２８０－１０とを有する。天部２６０－１０は、略円状の形状を有し、保持部２００の底部２１０と一体に形成されている。

　前述したように、被覆部２５０－１０（側壁部２７０－１０）は、略円筒状の形状を有する。側壁部２７０－１０の直径（外径）は、ホルダー２０－１０の貫通孔２２－１０の直径（内径）よりも若干小さく、単位構造体３０－１０を貫通孔２２－１０内で円滑に移動させることができる。

　側壁部２７０－１０は、略円筒状の形状を有し、軸方向の異なる位置に第１の端部と第２の端部との２つの端部を有する。第１の端部には、天部２６０－１０が形成されており、側壁部２７０－１０の第１の端部は、天部２６０－１０によって塞がれている。なお、天部２６０－１０の形状を略円状とせずに、側壁部２７０－１０の第１の端部の一部が開放されるように構成してもよい。側壁部２７０－１０の第２の端部は、開放されており、側壁部２７０－１０によって略環状の底部２８０－１０が形成されている。天部２６０－１０及び側壁部２７０－１０によって、略円筒状の形状を有する収容部ＲＳ－１０が画定される。

　以下では、収容部ＲＳ－１０の直径を収容直径ＲＤと称し、収容部ＲＳ－１０の軸方向の長さ（高さ又は深さ）方向の長さを収容高さＲＨと称する。収容直径ＲＤは、粘着剤層１００の横方向長さＡＴよりも長く、収容高さＲＨは、粘着剤層１００の対向方向長さＡＯよりも長くなるように、収容部ＲＳ－１０は形成されている。

＜係合突出片３２－１０＞
　係合突出片３２－１０が、側壁部２７０－１０の外側の側面に、側壁部２７０－１０から離隔する方向に突出して形成されている。図２０及び図２１に示すように、係合突出片３２－１０は、縦方向ＬＤに沿って側壁部２７０－１０から離隔する向きに突出する。

　係合突出片３２－１０は、略直方体状の形状を有し、側壁部２７０－１０から突出する突出長さと、直進案内スリット２８ｃ－１０の長手方向の長手長さと、直進案内スリット２８ｃ－１０の幅方向の幅長さとを有する。図２０及び図２１に示すように、突出長さは、縦方向ＬＤに沿った長さであり、長手長さは、対面方向ＯＤに沿った長さであり、幅長さは、横方向ＴＤに沿った長さである。

　側壁部２７０－１０から突出する突出長さは、案内スリット２８－１０の深さ（ホルダー２０－１０の円筒体の厚み）より長く、係合突出片３２－１０は、単位構造体３０－１０がホルダー２０－１０に収容された状態で、案内スリット２８－１０（入口案内スリット２８ａ－１０、入口側係止スリット２８ｂ－１０、直進案内スリット２８ｃ－１０、出口側係止スリット２８ｄ－１０、出口案内スリット２８ｅ－１０）から突出することができる。

　直進案内スリット２８ｃ－１０の長手方向の長手長さは、直進案内スリット２８ｃ－１０の幅方向の幅長さよりも長く、係合突出片３２－１０が直進案内スリット２８ｃ－１０によって案内されつつ移動することができ、単位構造体３０－１０を貫通孔２２－１０に沿って安定的に移動させることができる。

　前述したように、単位構造体３０－１０において、係合突出片３２－１０は、縦方向ＬＤに沿って突出し、また、保持部２００の側壁部２２０ａ及び側壁部２２０ｂは、横方向ＴＤに沿って形成されている。このため、係合突出片３２－１０と、保持部２００に保持される粘着剤層１００との相対的な配置は、常に一定である。このように相対的な配置を一定にすることで、先頭の単位構造体３０－１０の粘着剤層１００の向きを、ホルダー２０－１０に対して常に一定に位置づけることができ、光コネクタの接合端面ＪＦ（図７参考）に一定の向きで近づけて接触させやすくでき、作業を容易にかつ適格にすることができる。

＜単位構造体３０－１０の材料＞
　単位構造体３０－１０は、第１の実施の形態の単位構造体３０と同様に、粘着剤層１００を一定の位置に保持する。単位構造体３０－１０は、粘着剤層１００よりも堅い材質によって形成されている。単位構造体３０－１０は、粘着剤層１００を安定して保持できる材料で形成されていればよい。このような材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）の他、樹脂成形用材料として使用できるものであればいずれの樹脂も使用することが可能である。

＜＜単位構造体３０－１０同士の係合＞＞
　少なくとも２つの単位構造体３０－１０は、ホルダー２０－１０の貫通孔２２－１０の長手方向に沿って直列状に配置させることができる。図２２は、２つの単位構造体３０－１０が直列状に配置された状態を示す平面図である。

　図２２に示すように、２つの単位構造体３０－１０が直列状に配置すると、後側に配置される単位構造体３０－１０の天部２６０－１０が、前側に配置される単位構造体３０－１０の底部２８０－１０と係合して接触した状態となって、後側に配置される単位構造体３０－１０と前側に配置される単位構造体３０－１０とが連なる。

　後側に配置される単位構造体３０－１０の天部２６０－１０が、保持係合部３１０－１０として機能する。また、前側に配置される単位構造体３０－１０の底部２８０－１０が、被覆係合部３６０－１０として機能する。保持係合部３１０－１０及び被覆係合部３６０－１０によって係合部３００－１０が構成される。なお、図２２において、前側に配置される単位構造体３０－１０とは、２つの単位構造体３０－１０のうちの＋ＯＤ側に配置される単位構造体３０－１０をいい、前側に配置される単位構造体３０－１０とは－ＯＤ側に配置される単位構造体３０－１０をいう。

　２つの単位構造体３０－１０を直列状に配置することで、後側に配置される単位構造体３０－１０の保持部２００に保持された粘着剤層１００を、前側に配置される単位構造体３０－１０の被覆部２５０－１０の収容部ＲＳ－１０に収容することができる。

　上述したように、収容直径ＲＤは、粘着剤層１００の横方向長さＡＴよりも長く、収容高さＲＨは、粘着剤層１００の対向方向長さＡＯよりも長くなるように、収容部ＲＳ－１０は形成されている。このため、粘着剤層１００を収容部ＲＳ－１０に収容した状態で、粘着剤層１００の上面部１２０、側面部１１２ａ及び１１２ｂ、側面部１１４ａ及び１１４ｂは、被覆部２５０－１０の天部２６０－１０と側壁部２７０－１０とのいずれにも接触することなく、粘着剤層１００を被覆部２５０－１０の収容部ＲＳ－１０内に収容することができる。

＜＜ホルダー２０－１０における単位構造体３０－１０の収容＞＞
　上述したように、２つの単位構造体３０－１０は、直列状に配置させることができる。同様にして、３つ以上の単位構造体３０－１０も直列状に配置させることができ、図１８及び図１９に示すように、ホルダー２０－１０に収容することができる。前述したように、複数の単位構造体３０－１０が、ホルダー２０－１０に収容されたときには、先頭の単位構造体３０－１０の粘着剤層１００の露出面１３０が、ホルダー２０－１０の出口用開口２６ａ－１０から突出する。

＜＜単位構造体３０－１０の交換＞＞
　図１８及び図１９に示すように、複数の単位構造体３０－１０がホルダー２０－１０に収容されている状態では、先頭の単位構造体３０－１０が、ホルダー２０－１０の出口用開口２６ａ－１０に位置づけられる。この先頭の単位構造体３０－１０の粘着剤層１００の露出面１３０が、ホルダー２０－１０の出口用開口２６ａ－１０から突出して位置づけられている。なお、前述したように、図１８及び図１９は、単位構造体３０－１０に粘着剤層１００が取り付けられていない状態を示す。この先頭の単位構造体３０－１０の露出面１３０は、クリーニング作業によって光コネクタの接合端面に存在する塵埃を取り除くに従って塵埃が転着され、徐々に汚染されていく。このため、単位構造体３０－１０の露出面１３０が、塵埃によって汚染されたときには、先頭の単位構造体３０－１０を交換する必要がある。

　まず、作業者がクリーニング作業をしている段階では、先頭の単位構造体３０－１０の係合突出片３２－１０は、固定端部（係止端部）２９ｂ－１０と係合している。クリーニング作業によって、単位構造体３０－１０の露出面１３０が塵埃で汚染された場合には、作業者は、露出面１３０が塵埃で汚染された単位構造体３０－１０を手動で回転させることで、汚染された単位構造体３０－１０の係合突出片３２－１０を、固定端部（係止端部）２９ｂ－１０から離隔させ、出口端部（開放端部）２９ａ－１０と係合するように移動させる。なお、作業者は、単位構造体３０－１０の係合突出片３２－１０に指を掛止することで、単位構造体３０－１０を回転させやすくすることができる。

　次に、汚染された単位構造体３０－１０の係合突出片３２－１０が出口案内スリット２８ｅ－１０を通過するように、汚染された単位構造体３０－１０を手動で移動させて、ホルダー２０－１０の出口用開口２６ａ－１０から取り出す（図１８及び図１９の矢印Ａ参照）。なお、作業者は、単位構造体３０－１０の係合突出片３２－１０に指を掛止することで、単位構造体３０－１０を移動させやすくすることができる。

　次に、作業者は、引き抜いた単位構造体３０－１０をホルダー２０－１０の入口用開口２６ｂ－１０に手動で移動させ（図１８及び図１９の矢印Ｃ参照）、この単位構造体３０－１０の係合突出片３２－１０が入口案内スリット２８ａ－１０を通過するように、単位構造体３０－１０を移動させて、ホルダー２０－１０の入口用開口２６ｂ－１０から貫通孔２２－１０に押し込む。構造体３０－１０を貫通孔２２－１０に押し込んだ状態では、押し込まれた単位構造体３０－１０の係合突出片３２－１０は、入口端部（開放端部）２７ａ－１０と係合する。なお、作業者は、単位構造体３０－１０の係合突出片３２－１０に指を掛止することで、単位構造体３０－１０を貫通孔２２－１０に押し込みやすくできる。

　単位構造体３０－１０を入口用開口２６ｂ－１０から貫通孔２２－１０に押し込むことで、貫通孔２２－１０に収容されている残りの複数の単位構造体３０－１０に力が加えられ、これらの残りの複数の単位構造体３０－１０は、各々の係合突出片３２－１０が直進案内スリット２８ｃ－１０によって案内されることで、入口用開口２６ｂ－１０から出口用開口２６ａ－１０に向かって直線移動する。

　次に、貫通孔２２－１０に押し込れた単位構造体３０－１０を手動で回転させることで、汚染された単位構造体３０－１０の係合突出片３２－１０を、入口端部（開放端部）２７ａ－１０から離隔させ、固定端部（係止端部）２７ｂ－１０と係合するように移動させる。なお、作業者は、単位構造体３０－１０の係合突出片３２－１０に指を掛止することで、単位構造体３０－１０を回転させやすくすることができる。

　このように、汚染されてホルダー２０－１０から引き抜かれた単位構造体３０－１０を、再びホルダー２０－１０の入口用開口２６ｂ－１０から貫通孔２２－１０に押し込むことで、ホルダー２０－１０の貫通孔２２－１０に収容されている残りの全ての単位構造体３０－１０は、押し込まれた単位構造体３０－１０とともに、貫通孔２２－１０内を入口用開口２６ｂ－１０から出口用開口２６ａ－１０に向かって移動する。

　全ての単位構造体３０－１０を入口用開口２６ｂ－１０から出口用開口２６ａ－１０に向かって移動させることで、その時点で先頭に位置している単位構造体３０－１０が、ホルダー２０－１０の出口用開口２６ａ－１０から突出して位置づけられる。このようにして、先頭の単位構造体３０－１０に保持されている粘着剤層１００の露出面１３０を、ホルダー２０－１０から突出させることができ、汚染されていない清浄な露出面１３０を有する単位構造体３０－１０をクリーニングに使用できる状態にすることができる。

　このように、使用済みの単位構造体３０－１０をホルダー２０－１０の入口用開口２６ｂ－１０から貫通孔２２－１０に押し込むことで、未使用の単位構造体３０－１０をホルダー２０－１０の出口用開口２６ａ－１０から突出させ、清浄な露出面１３０を有する単位構造体３０－１０を使用できる状態にでき、簡便な作業で、未使用の単位構造体３０－１０に交換することができる。さらに、交換作業の際に、作業者は、未使用の単位構造体３０－１０に一切触れることなくホルダー２０－１０から突出させることができ、未使用の単位構造体３０－１０の粘着剤層１００を交換作業で汚染させることなく未使用の単位構造体３０－１０に交換することができる。

　さらにまた、ホルダー２０－１０に収容されている未使用の複数の単位構造体３０－１０は、常に、連なった状態にある。このため、未使用の単位構造体３０－１０がホルダー２０－１０に収容されている状態では、一の単位構造体３０－１０の保持部２００によって保持されている粘着剤層１００は、常に、その一の単位構造体３０－１０の手前に位置する別の単位構造体３０－１０の被覆部２５０－１０によって覆われる。このため、粘着剤層１００の汚染や乾燥を防ぐための蓋体を別個に用意する必要がなくなり、粘着剤層１００の保管も簡便にすることができる。

＜先頭の単位構造体３０－１０の係止及び後尾の単位構造体３０－１０の係止＞
　第１０の実施の形態によるクリーナ１０－１０では、先頭の単位構造体３０－１０は、出口用開口２６ａ－１０に最も近い位置で保持され、後尾の単位構造体３０－１０は、入口用開口２６ｂ－１０に最も近い位置で保持される。このように構成することで、入口用開口２６ｂ－１０及び出口用開口２６ａ－１０から単位構造体３０－１０が意図せず排出されることを防止できる。

　例えば、クリーニング作業で先頭の単位構造体３０－１０の粘着剤層１００の露出面１３０を光コネクタの接合端面ＪＦに押圧させたときに、露出面１３０が光コネクタの接合端面ＪＦと粘着してしまった場合には、先頭の単位構造体３０－１０は、接合端面ＪＦに牽引されることがある。このような状況で、先頭の単位構造体３０－１０を係止していない場合には、先頭の単位構造体３０－１０が出口用開口２６ａ－１０から離脱する可能性が生ずるが、先頭の単位構造体３０－１０を係止することで、先頭の単位構造体３０－１０が出口用開口２６ａ－１０から離脱することを防止することができる。

　また、クリーニング作業で先頭の単位構造体３０－１０を光コネクタの接合端面ＪＦに押圧したときの力が強過ぎた場合に、後尾の単位構造体３０－１０が入口用開口２６ｂ－１０から排出されることを防止できる。さらに、クリーナ１０－１０に振動や衝撃が加えられたような場合に、入口用開口２６ｂ－１０及び出口用開口２６ａ－１０から単位構造体３０－１０が排出されることも防止できる。さらに、先頭の単位構造体３０－１０と後尾の単位構造体３０－１０とが保持されることで、ホルダー２０－１０に収容されている単位構造体３０－１０をホルダー２０－１０の内部で安定的に保持することができ、粘着剤層１００が単位構造体３０－１０や貫通孔２２－１０と接触して汚染されることを防止することができる。

　前述した例では、先頭の単位構造体３０－１０と後尾の単位構造体３０－１０との２つの単位構造体３０－１０を係止する例を示したが、いずれか一方のみを係止する構成としてもよい。例えば、後尾の単位構造体３０－１０のみを係止することで、後尾の単位構造体３０－１０がクリーニング作業で排出されることを防止することができる。

　さらに、先頭の単位構造体３０－１０と後尾の単位構造体３０－１０との２つの単位構造体３０－１０を係止するだけでなく、入口用開口２６ｂ－１０と出口用開口２６ａ－１０との間に位置する単位構造体３０－１０を係止する構成としてもよい。複数の単位構造体３０－１０をホルダー２０－１０の内部でより的確に係止することができる。

＜＜その他の構成＞＞
　前述した例では、入口用開口２６ｂ－１０から出口用開口２６ａ－１０に向かって単位構造体３０－１０を挿入して移動させる場合を示したが、入口用開口２６ｂ－１０から出口用開口２６ａ－１０に向かって単位構造体３０－１０を挿入して移動させてもよい。

　また、前述した例では、係合突出片３２－１０が、略直方体状の一定の形状を有する例を示したが、伸縮可能など変形可能に構成してもよい。例えば、バネやゴムなどの弾性部材を設けて、係合突出片が、押し込まれたときには、非突出状態となり、解放されたときには、突出状態となるように構成し、非突出状態のときには、単位構造体３０－１０を移動可能にし、突出状態のときに、単位構造体３０－１０を係止孔など（図示せず）に係止して移動不可に構成してもよい。

＜＜＜＜本実施の形態の概略＞＞＞＞
　上述したように、本発明は、第１～第１０の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記載及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきでない。このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことはもちろんである。

　特に、第１の実施の形態における係合部３００と、第２の実施の形態における係合部３００－２と、第３の実施の形態における係合部３００－３と、第４の実施の形態における係合部３００－４とは、適宜に選択することができ、例えば、横方向ＴＤについては、係合部３００－４を採用し、横方向ＬＤについては、係合部３００－２を採用するなどのように、適宜に選択することができる。同様に、第１～第９の実施の形態の特徴は、別個のものではなく、光コネクタの接合端面ＪＦの形状などの構造に応じて、互いに適宜に組み合わせることができる。

　１０　クリーナ
　２０　ホルダー
　２０－１０　ホルダー
　３０、３０－５、３０－７、３０－１０　単位構造体
　１００　単粘着剤層
　２００　保持部
　２５０　被覆部
　３００、３００－２、３００－３、３００－４、３００－１０　係合部

Claims

　コネクタの端面と対面可能な露出面を有する粘着剤層を保持する保持部と、前記保持部と一体に形成されかつ粘着剤層の露出面を被覆可能な被覆部とを、各々が有する少なくとも２つの単位構造体と、
　第１の単位構造体の保持部が前記第１の単位構造体とは異なる第２の単位構造体の被覆部と係合することができる係合部であって、前記第１の単位構造体の保持部によって保持された粘着剤層の露出面を前記第２の単位構造体の被覆部によって被覆する係合部と、を備えるクリーナ。
　前記第１の単位構造体の保持部が前記第２の単位構造体の被覆部と係合することで、前記第１の単位構造体の保持部に保持されている粘着剤層と、前記第２の単位構造体の保持部に保持されている粘着剤層とが直列状に配置される請求項１に記載のクリーナ。
　前記第１の単位構造体の保持部と前記第２の単位構造体の被覆部との係合を解除することで、前記第１の単位構造体の保持部に保持されている粘着剤層の露出面を開放状態にすることができる請求項１に記載のクリーナ。
　前記第１の単位構造体と前記第２の単位構造体とは、互いに別体に形成され、前記第１の単位構造体の保持部が前記第２の単位構造体の被覆部と接触することで、前記係合部として係合状態を形成する請求項１に記載のクリーナ。
　前記第１の単位構造体及び前記第２の単位構造体が移動可能に収納される収納体をさらに備え、少なくとも一つの単位構造体が前記収納体に係止される請求項１に記載のクリーナ。