WO2018088060A1

WO2018088060A1 - コネクタ

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Publication number: WO2018088060A1
Application number: PCT/JP2017/035605
Authority: WO
Inventors: 浩三大石; 宮川　知之; 絢子馬場; 貴士松永; 知由深谷; 一英池谷
Original assignee: 矢崎総業株式会社
Priority date: 2016-11-10
Filing date: 2017-09-29
Publication date: 2018-05-17
Also published as: CN109792123B; JP6517774B2; JP2018078051A; CN109792123A

Abstract

コネクタ（１）は、内側筒体（１１）と外側筒体（１３）とを有するハウジング（３）と、内側筒体と外側筒体との間の隙間に配置される中間筒体（１５）を有するハウジング（９）と、を備える。外側筒体の筒壁に嵌合方向に沿って延びるように設けられたリブ受け（５５ａ）に対し、ハウジング（９）のリブ（５３ａ）が挿入される。リブ受けは、外側筒体の筒壁を厚さ方向に貫通したスリット形状を有する。外側筒体の筒壁は、リブの高さに対応する厚みを有する。

Description

コネクタ

　本発明は、コネクタに関する。

　従来から、メスハウジングの端子を収容する筒体と、オスハウジングの端子を収容する筒体と、を嵌め合わせ、端子同士を接続させるコネクタが知られている。この種のコネクタでは、メスハウジングの筒体の内周面とオスハウジングの筒体の外周面との間に、製造公差や組付公差を考慮したクリアランスが確保されている。しかし、そのクリアランスの大きさによっては、筒体間にガタ付きが大きくなり、端子同士の接続に影響を及ぼすおそれがある。

　特許文献１のコネクタは、メス端子を収容する内側筒体およびその内側筒体を覆う角筒の外側筒体を有するメスハウジングと、オス端子を収容し且つ内側筒体と外側筒体との間の隙間に配置される角筒の筒体を有するオスハウジングと、を備えている。このコネクタは、嵌合の際、メスハウジングの外側筒体の内面に嵌合方向に沿って延びる溝に、オスハウジングの筒体の外面に嵌合方向に沿って延びるリブを挿入するようになっている。これにより、オスハウジングとメスハウジングとがリブの突出方向と交差する方向に相対変位することによるガタ付きを抑制できる。

日本国特開２０１５－１０３３７２号公報

　特許文献１のコネクタは、外側筒体の内面に溝を設けるために外側筒体の筒壁の厚さを溝の深さよりも大きくすることになるため、外側筒体が大型化する傾向がある。しかし、コネクタのこのような大型化は、出来る限り避けることが望ましい。

　本発明の目的の一つは、コネクタの大型化を避けながらハウジング間のガタツキを抑制可能なコネクタを提供することにある。

　本発明に係る「コネクタ」は、下記（１）の特徴を有しており、更に下記（２）～（６）の特徴を有することが好ましい。

（１）
　端子を収容する内側筒体と前記内側筒体を覆う外側筒体とを有する一方のハウジングと、前記内側筒体と前記外側筒体との間の隙間に配置される中間筒体を有する他方のハウジングと、を備え、前記一方のハウジングの前記外側筒体の筒壁に嵌合方向に沿って延びるように設けられたリブ受けに対し、前記他方のハウジングの筒壁に嵌合方向に沿って延びるように設けられたリブが挿入される、コネクタにおいて、
　前記リブ受けは、
　前記外側筒体の筒壁を厚さ方向に貫通したスリット形状を有し、
　前記外側筒体の筒壁は、
　前記リブの高さに対応する厚みを有する、こと。

　上記（１）の特徴を有するコネクタによれば、外側筒体の筒壁を厚さ方向に貫通した（換言すると、筒壁の内外面に亘って切り込んだ）スリットと、スリットに挿入されるリブとにより、嵌合時にリブの突出方向と交差する方向に両ハウジングが相対変位したとき、リブの側面がスリットの対向する側面に当接され、上述した従来のコネクタと同様、ガタ付きを抑制できる。例えば、一方のハウジングの外側筒体と他方のハウジングの中間筒体が角筒である場合、一方のハウジングの外側筒体の少なくとも３つの面にそれぞれスリットを設け、他方のハウジングの中間筒体の外面の各スリットに対応する位置にリブを設ければ、両ハウジングの軸（嵌合方向）と交差するあらゆる方向のガタ付きを規制できることになる。

　また、外側筒体の筒壁は、リブの高さに対応する厚みを有する程度まで薄くできる（例えば、外側筒体の筒壁の外面とリブの高さ方向の端面とが面一となる程度まで薄くできる）ため、上述した従来のコネクタに比べ、外側筒体の筒壁の厚みを薄くできる。よって、外側筒体の外形寸法を小さくでき、コネクタの大型化を避けられる。

　したがって、上記特徴を有するコネクタは、コネクタの大型化を避けながらハウジング間のガタツキを抑制可能である。

（２）
　上記（１）に記載のコネクタにおいて、
　前記嵌合方向において、前記内側筒体の前記他方のハウジングへ向かう前方側の先端は、前記外側筒体の前記前方側の先端よりも前記前方側に突出している、こと。

　上記（２）の特徴を有するコネクタによれば、内側筒体の嵌合方向における前方側の先端が外側筒体の前方側の先端よりも突出しており、外側筒体の嵌合方向の長さを短くできるので、コネクタを軽量化できる。

（３）
　上記（１）又は上記（２）に記載のコネクタにおいて、
　前記一方のハウジングは、
　該一方のハウジングに設けられた弾性を有する支持部材に対して揺動可能に支持され且つ前記嵌合方向に沿って延びる片持ち梁状のロックアームを有し、
　前記ロックアームは、
　該ロックアームの自由端側に前記他方のハウジングに設けられた被係合部への係合のための係合部を有し、該ロックアームの固定端側に前記被係合部への前記係合部の前記係合を解除するための操作部を有し、
　前記他方のハウジングは、
　前記係合を解除する際に前記ロックアームが揺動する範囲を規制するストッパを有する、こと。

　上記（３）の特徴を有するコネクタによれば、他方のハウジングの被係合部に係合されたロックアームの係合部を被係合部から解除するとき、ロックアームの後端（固定端側）の操作部を操作してロックアームの先端（自由端側）の係合部を解除方向に動かすことになる。このとき、一方のハウジングにロックアームの揺動範囲を規制するストッパを設けているため、ロックアームの係合部が被係合部から解除方向に過度に移動して支持部材に過大な応力が発生するのを防ぐことができる。よって、支持部材の永久変形を抑制できる。

（４）
　上記（１）又は上記（２）に記載のコネクタにおいて、
　前記一方のハウジングは、
　該一方のハウジングに設けられた弾性を有する支持部材に対して揺動可能に支持され且つ前記嵌合方向に沿って延びる片持ち梁状のロックアームを有し、
　前記ロックアームは、
　該ロックアームの自由端側に前記他方のハウジングに設けられた被係合部への係合のための係合部を有し、該ロックアームの固定端側に前記被係合部への前記係合部の前記係合を解除するための操作部を有し、前記係合部と前記操作部との間の箇所から前記支持部材に向けて突出する支点部材であって前記支持部材から設定間隔だけ離れた位置にある支点部材を有し、
　前記支点部材は、
　前記支持部材に最も近接する該支点部材の先端部から前記ロックアームの前記操作部に向けて近付くにつれて前記支持部材との間隔が広くなる先細り形状を有する、こと。

　上記（４）の特徴を有するコネクタによれば、支点部材と支持部材との間に隙間が設けられ、その隙間の間隔が、支点部材の先端部から操作部に向かって近付くにつれて広くなる（即ち、支点部材が先細り形状を有する）ように構成されている。これにより、例えば、ロックアームが小型化されてその隙間が狭くなっても、その隙間を形成するための樹脂成形用金型の金型部品が過度に細くなることを避け、金型部品の強度を高めることができる。よって、金型の耐久性を向上させられる。

（５）
　上記（２）に記載のコネクタにおいて、
　前記他方のハウジングの前記中間筒体に前記一方のハウジングの前記端子と接続される相手端子が収容され、
　前記一方のハウジングは、
　前記リブが前記リブ受けに挿入不可となる位置ずれが生じている状態にて嵌合がなされたときに前記リブが当接することになる前記外側筒体の端面に、前記リブに干渉して嵌合方向への移動を規制する干渉部材が設定範囲に亘って有する、こと。

　上記（５）の特徴を有するコネクタによれば、例えば、他方のハウジングが一方のハウジングの軸線周りの回転方向において位相がずれた状態（位置ずれが生じている状態）で、他方のハウジングと一方のハウジングとの嵌合が行われた場合であっても、一方のハウジングの外側筒体の端面におけるリブが当接する位置に干渉部材が設けられているため、一方のハウジングの外側筒体の端面にリブが直接当接するまで、他方のハウジングが嵌合方向へ移動することがない。即ち、位置ずれが生じている状態での一方のハウジングへの他方のハウジングの挿入量が規制される。よって、位置ずれが生じたまま両ハウジングの端子同士が干渉することを抑制できる。

（６）
　上記（１）又は上記（２）に記載のコネクタにおいて、
　前記一方のハウジングの前記外側筒体は、
　角筒形状を有すると共に内面の角部に対応する箇所に嵌合方向に沿って延びる内向きリブを有し、
　前記他方のハウジングの前記中間筒体は、
　角筒形状を有すると共に外面の角部に対応する箇所に嵌合方向に沿って延びて前記内向きリブが挿入される溝を有する、こと。

　上記（６）の特徴を有するコネクタによれば、一方のハウジングの外側筒体と他方のハウジングの中間筒体は角筒形状を有し、一方のハウジングの外側筒体の内面の角部に対応する箇所（Ｒ面）に内向きリブが設けられ、他方のハウジングの中間筒体の外面の角部に対応する箇所に溝が設けられる。ここで、内向きリブが角部以外の箇所に設けられる場合に比べ、角部に対応する箇所（Ｒ面）に設けられた内向きリブは成形時の変形が生じにくいため、内向きリブと溝とのクリアランスを小さくしても、内向きリブと溝との摩擦による挿入抵抗が大きくなることを抑制できる。よって、嵌合時の挿入抵抗の増加を抑えつつ、ハウジング間のガタ付きを更に抑制できる。

　本発明によれば、コネクタの大型化を避けながらハウジング間のガタツキを抑制可能なコネクタを提供できる。

　以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態（以下、「実施形態」という。）を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。

図１は、本発明の第１の実施形態に係るコネクタの分解斜視図である。図２は、図１のコネクタの嵌合状態を示す外観斜視図である。図３は、図２のコネクタのＡ－Ａ矢視方向の断面図である。図４は、スリットにリブが挿入された状態を説明するコネクタの断面模式図である。図５は、本発明の第２の実施形態に係るコネクタにおいて、ロックアームの構成を示すメスハウジングの横断面図である。図６は、本発明の第２の実施形態に係るコネクタにおいて、ロックアームの構成を示すメスハウジングの上面図である。図７は、本発明の第３の実施形態に係るコネクタにおいて、ロックアームの後端部を示すメスハウジングの斜視図である。図８は、本発明の第３の実施形態に係るコネクタにおいて、ロックアームの後端部を示すメスハウジングの背面図である。図９は、本発明の第４の実施形態に係るコネクタにおいて、オスハウジングが上下反転した状態で組み付けられる様子を示す側面図である。図１０は、図９の状態の横断面図である。図１１は、本発明の第５の実施形態に係るコネクタのメスハウジングの正面図である。

＜第１の実施形態＞
　以下、本発明に係るコネクタの第１の実施形態を図面を参照して説明する。図１は本実施形態に係るコネクタの分解斜視図、図２はコネクタの外観斜視図、図３は図２のＡ－Ａ矢視方向の断面図である。本実施形態のコネクタ１は、一方のハウジングであるメスハウジング３と、環状のパッキン５と、フロントホルダ７と、メスハウジング３と嵌合する他方のハウジングであるオスハウジング９とを備えて構成されている。以下では、図１のＸ方向を前後方向（嵌合方向）、Ｙ方向を幅方向、Ｚ方向を高さ方向とし、図１の上側を上方として説明する。

　メスハウジング３は、合成樹脂で形成され、内部に複数（図１では６本）のメス端子（不図示）を収容する角筒の内側筒体１１と、内側筒体１１の外周面を覆う角筒の外側筒体１３とを有している。内側筒体１１と外側筒体１３は、メスハウジング３の後端部で一体化されている。内側筒体１１と外側筒体１３との間には、オスハウジング９のフード部１５が嵌め込まれる環状の嵌合空間１７が形成されている。メスハウジング３の内側筒体１１の外面には、ゴム製の環状のパッキン５が装着されている。パッキン５は、内側筒体１１の外面と嵌合空間１７に嵌め込まれたフード部１５の内面とに挟持され、メスハウジング３とオスハウジング９の相互間の防水性を確保するようになっている。内側筒体１１の先端部には、前方から角筒のフロントホルダ７が装着されている。フロントホルダ７は、内側筒体１１の先端部に装着されて、内側筒体１１に収容されたメス端子の先端部を位置決めすると共に、パッキン５が前方に抜け出すのを防止するようになっている。

　内側筒体１１は、その先端部が外側筒体１３の先端からオスハウジング９に近付く向き（以下「前方」という。）へ突出して露出されている。内側筒体１１の内部には、図３に示すように、メス端子を収容する複数の端子収容部１９が前方に開放されて形成されている。端子収容部１９には、前方に延びるランス２１が設けられ、このランス２１は、内側筒体１１の後方の電線引き出し口２３から端子収容部１９に挿入されたメス端子を係止して、各メス端子を端子収容部１９の設定位置に保持するようになっている。

　外側筒体１３は、上部を前後方向に切り欠いて、内側筒体１１の外周面を臨む設定幅の開口部２５を有している。開口部２５の幅方向の対向する１対の側壁２７ａ，２７ｂは、外側筒体１３から前方へ張り出した門型の保護壁２９の幅方向の対向する１対の内面３１ａ，３１ｂと連続して形成されている。開口部２５よりも後端寄りのメスハウジング３の上部の外面３３には、弾性を有する支持部材３５が突設され、この支持部材３５には、メスハウジング３の嵌合方向に沿って延びる片持ち梁状のロックアーム３７が揺動可能に支持されている。ロックアーム３７は、その前端（自由端側）の下部にオスハウジング９の外周面に形成された被係合部３９に係合される係合部４１が形成され、後端（固定端側）に被係合部３９から係合部を解除させる操作部４３が設けられている。操作部４３は、メスハウジング３の外面３３と間隔をあけて配置されている。

　オスハウジング９は、合成樹脂で形成され、メスハウジング３の嵌合空間に嵌め込まれる筒体である角筒のフード部１５と、フード部１５の後方の外周面を周方向に亘って膨出させた膨出部４５とを有している。フード部１５と膨出部４５は一体に形成されている。本実施形態のオスハウジング９は、後端が図示しない底板で封止された中空のキャップ構造をなし、メスハウジング３と嵌合してメスハウジング３との隙間を水密に封止するようになっている。

　フード部１５の外面の上部には、被係合部３９が突設されている。膨出部４５は、フード部１５の被係合部３９を幅方向の両側と後方からそれぞれ包囲するようにフード部１５の上面から起立する段部４７を有し、その段部４７が膨出部４５の幅方向の両側の外面と連続して形成されている。すなわち、膨出部４５は、フード部１５の外周面を全周に亘って段付き状に大きくした外周面４９を有している。この外周面４９は、図２に示すように、メスハウジング３の外側筒体１３の外周面５１に対応し、メスハウジング３とオスハウジング９との嵌合時に、メスハウジング３の外側筒体１３の外周面５１と略面一になるように外形寸法が設定されている。

　オスハウジング９のフード部１５は、幅方向の両側の外面と下部の外面からそれぞれ突出する合計３本のリブ５３ａ～５３ｃが形成されている。各リブ５３ａ～５３ｃは、フード部１５の前端からオスハウジング９（フード部１５）の外面の嵌合方向に沿って延在して膨出部４５まで延びている。フード部１５の幅方向の両側の外面に形成されたリブ５３ａ～５３ｃは、フード部１５の高さ方向の中央に位置しているが、中央から上下のいずれか一方にずらした位置に設けられていてもよい。フード部１５の下部の外面に形成されたリブ５３ｂは、フード部１５の幅方向の中央に位置しているが、中央から幅方向のいずれか一方にずらした位置に設けられていてもよい。各リブ５３ａ～５３ｃは、断面矩形に形成され、フード部１５の外面から突出する高さは、各リブ５３ａ～５３ｃの後端が連なる膨出部４５の高さと同じ高さに設定されている。

　メスハウジング３の外側筒体１３は、幅方向の両側の外面と下部の外面に、オスハウジング９の各リブ５３ａ～５３ｃに対応するリブ受けである３本のスリット５５ａ～５５ｃがそれぞれ外側筒体１３の嵌合方向に沿って形成されている。各スリット５５ａ～５５ｃは、外側筒体１３の内外面に亘って切り込んで形成されている。各スリット５５ａ～５５ｃの嵌合方向の長さは、リブ５３ａ～５３ｃの嵌合方向の長さ（膨出部４５からフード部１５の先端までの長さ）と略一致しており、図２に示すように、両ハウジング３，９の嵌合時に各リブ５３ａ～５３ｃが各スリット５５ａ～５５ｃの奥まで挿入されるようになっている。外側筒体１３の厚みは、スリット５５ａ～５５ｃに挿入されたリブ５３ａ～５３ｃの高さ（突出高さ）に対応する厚みに設定されている。ここで、リブ５３ａ～５３ｃの高さに対応する厚みとは、外側筒体１３の外周面５１が、リブ５３ａ～５３ｃの端面５７と略面一に設定されている場合を含むものとする。

　このような構成において、メスハウジング３とオスハウジング９を互いに組み付けるには、パッキン５とフロントホルダ７が装着されたメスハウジング３の嵌合空間１７にオスハウジング９のフード部１５を挿入し、同時にオスハウジング９のリブ５３ａ～５３ｃをそれぞれメスハウジング３のスリット５５ａ～５５ｃに挿入する。そして、オスハウジング９のフード部１５の前端が嵌合空間１７の設定位置まで挿入され、メスハウジング３のロックアーム３７の係合部４１がオスハウジング９の被係合部３９を乗り越えて被係合部３９と係合されると、両ハウジング３，９が嵌合状態となる（図２）。

　図４は、オスハウジング９のリブ５３ａ～５３ｃがメスハウジング３のスリット５５ａ～５５ｃに挿入された状態のコネクタ１の断面を示す模式図である。なお、図４では、外側筒体１３とフード部１５のみを表している。メスハウジング３の外側筒体１３の内周面とオスハウジング９のフード部１５の外周面との間には、製作公差や組付公差を考慮した所定のクリアランス（隙間）が設定されており、スリット５５ａ～５５ｃとそのスリット５５ａ～５５ｃに挿入されたリブ５３ａ～５３ｃとの間にも、所定のクリアランスが設定されている。この場合、外側筒体１３の内周面とフード部１５の外周面との間のクリアランスは、スリット５５ａ～５５ｃとリブ５３ａ～５３ｃとの間のクリアランスよりも大きく設定されている。

　上述したように、本実施形態のコネクタ１は、メスハウジング３とオスハウジング９が嵌合すると、メスハウジング３の外側筒体１３の嵌合方向に内外面に亘って切り込んだスリット５５ａ～５５ｃに、オスハウジング９のフード部１５の外面の嵌合方向に沿って形成されたリブ５３ａ～５３ｃが挿入された状態となる。そのため、両ハウジング３，９が嵌合時にリブ５３ａ～５３ｃの突出方向と交差する方向に相対変位したときは、そのリブ５３ａ～５３ｃの側面がスリット５５ａ～５５ｃの対向する側面と重なり合うように当接されるので、ハウジング３，９間のガタ付きを抑制できる。特に、本実施形態のコネクタ１は、幅方向の両側と下部の３箇所でリブ５３ａ～５３ｃがスリット５５ａ～５５ｃに挿入されているので、両ハウジング３，９の軸と交差するあらゆる方向のガタ付きを抑制できる。

　また、本実施形態では、外側筒体１３の内面の嵌合方向に沿って形成されたリブ受けが外側筒体１３を内外面に亘って切り込んだスリット５５ａ～５５ｃをなすように形成し、外側筒体１３の厚みがリブ５３ａ～５３ｃの高さに対応する厚みに設定されているので、外側筒体１３は、外周面５１をリブ５３ａ～５３ｃの高さ方向の端面５７の位置まで薄く形成できる。そのため、例えば、外側筒体１３の内面にリブ５３ａ～５３ｃが挿入される溝が形成されるよりも、外側筒体１３の厚みを薄くできるので、外側筒体１３の外形寸法を小さくすることができ、コネクタ１を小型化できる。

　また、本実施形態のように、内側筒体１１の先端を外側筒体１３の先端よりも突出させることで、内側筒体１１の先端を外側筒体１３で覆うコネクタよりも、外側筒体１３の長さを短くすることができ、その分、コネクタ１を軽量化できる。また、コネクタ１が軽量化することで、樹脂量の削減が可能になるので、部品コストを削減できる。更に外側筒体１３の長さを短くすると、外側筒体１３のスリット５５ａ～５５ｃに挿入されるリブ５３ａ～５３ｃの長さが短くなるので、成形時のリブ５３ａ～５３ｃの変形を抑制することができ、その結果、スリット５５ａ～５５ｃにリブ５３ａ～５３ｃを挿入したときのスリット５５ａ～５５ｃとリブ５３ａ～５３ｃ間の摩擦の増加を抑えることができる。なお、内側筒体１１の先端を外側筒体１３で覆っていても、外側筒体１３のスリット５５ａ～５５ｃにリブ５３ａ～５３ｃを挿入することで、ガタ付き防止効果を得ることができる。

　本実施形態では、コネクタ１の幅方向の両側と下部の３箇所にリブ５３ａ～５３ｃとスリット５５ａ～５５ｃを設けているが、これらを設ける位置は、特に限定されるものではなく、例えば、コネクタ１の幅方向の一方と下部の２箇所のみに設けられていても、両ハウジング３，９の軸と交差するあらゆる方向のガタ付きを抑制できる。なお、メスハウジング３の外側筒体１３の上部は、ロックアーム３７との干渉を避けるため、スリットを設けていないが、スペースが確保できれば、スリットを設けることもできる。加えて、本実施形態では、メスハウジング３の外側筒体１３にスリット５５ａ～５５ｃが設けられ、オスハウジング９のフード部１５に各スリット５５ａ～５５ｃに挿入されるリブ５３ａ～５３ｃが設けられる例を説明したが、要は、一方のハウジングの筒体にスリット５５ａ～５５ｃが設けられ、当該筒体に嵌め込まれる他方のハウジングの筒体外面にスリット５５ａ～５５ｃに挿入されるリブ５３ａ～５３ｃが設けられていればよい。

　本実施形態では、オスハウジング９に端子が収容されていないが、オスハウジング９にメスハウジング３に収容されたメス端子と接続されるオス端子が収容されていても、本実施形態の効果に変わりはない。

　以下では、本発明に係るコネクタの他の実施形態について説明する。ただ、これらの実施形態はいずれも基本的には第１の実施形態と同様である。したがって、以下では、各実施形態に特徴的な構成についてだけ説明し、第１の実施形態と共通する構成については説明を省略する。

＜第２の実施形態＞
　ここで、本発明に係るコネクタの第２の実施形態について説明する。図５は本実施形態のコネクタのロックアーム３７の構成を示す横断面図であり、図６は本実施形態のコネクタのロックアーム３７の構成を示す上面図である。本実施形態では、ロックアーム３７の構成が、第１の実施形態と共通しているが、ロックアーム３７の係合部４１を被係合部３９から解除させる操作時（以下「解除操作時」という。）のロックアーム３７の揺動範囲を規制する点が、第１の実施形態と相違している。以下、ロックアーム３７の構成を具体的に説明しつつ、本実施形態の特徴構成について説明する。

　ロックアーム３７は、メスハウジング３の外面３３に突設された弾性を有する支持部材３５にメスハウジング３の外面に鉛直な面内で揺動可能に支持されている。このロックアーム３７は、支持部材３５からメスハウジング３の前端側へ延びる１対の第１アーム部５９と、１対の第１アーム部５９の前端部同士を連結させる連結部６１と、連結部６１から支持部材３５よりもメスハウジング３の後端側へ延びる第２アーム部６３とを有している。第２アーム部６３は、メスハウジング３を上方から見ると、１対の第１アーム部５９の内側に配置されている。

　第１アーム部５９の前端の連結部６１には、メスハウジング３とオスハウジング９との嵌合時に、オスハウジング９の被係合部３９に係合される係合部４１が下向きに突設され、第２アーム部６３の後端には、被係合部３９から係合部４１を解除する操作部４３が設けられる。第２アーム部６３の先端と操作部４３との間には、メスハウジング３の外面３３から設定間隔をあけて先端が位置された支点部材６５が設けられている。

　このような構成において、ロックアーム３７の解除操作時には、ロックアーム３７の後端の操作部４３をメスハウジング３の外面３３に向かって押し込み、第２アーム部６３の先端と操作部４３との間の支点部材６５をメスハウジング３の外面に当接させ、ここを支点としてロックアーム３７の先端の係合部４１をシーソ状に持ち上げる操作が行われる。この場合、操作部４３がメスハウジング３の外面３３に向かって深く押し込まれると、ロックアーム３７の支持部材３５に過大な応力が発生し、支持部材３５が永久変形するおそれがある。

　この点、本実施形態では、支持部材３５よりも係合部４１側のロックアーム３７を挟んだ両側に配置された保護壁２９の１対の内面３１ａ，３１ｂに、それぞれロックアーム３７側に突出するストッパ６７を設けている。このストッパ６７は、ロックアーム３７の解除操作時に、上方へ揺動するロックアーム３７（１対の第１アーム部５９）の上面と当接して、ロックアーム３７の揺動範囲の上限（最も高い位置）を規制するようになっている。ストッパ６７の設置高さは、ロックアーム３７の解除操作時の支持部材３５の変形許容量に応じて設定できる。なお、ストッパ６７は、保護壁２９の１対の内面３１ａ，３１ｂの片方だけに設けられていてもよい。

　本実施形態によれば、ロックアーム３７を挟んだ両側のメスハウジング３の保護壁２９の内面に、ロックアーム３７の揺動範囲の上限を規制するストッパ６７を設けているので、ロックアーム３７の解除操作時に、操作部４３を深く押し込んでも、ロックアーム３７の揺動上限が規制される。そのため、支持部材３５に過大な応力が発生するのを防ぐことができ、支持部材３５の永久変形を防ぐことができる。また、本実施形態では、ロックアーム３７と保護壁２９がメスハウジング３に設けられる例を説明したが、ロックアーム３７と保護壁２９は、メスハウジング３に代えて、オスハウジング９に設けられていてもよい。

＜第３の実施形態＞
　次に、本発明に係るコネクタの第３の実施形態について説明する。図７は本実施形態のコネクタのロックアーム３７の後端部分を示す斜視図であり、図８はロックアーム３７の後端部分を示す背面図である。本実施形態では、ロックアーム３７の構成が、第１及び第２の実施形態と共通しているが、ロックアーム３７の支点部材６５の形状が、以下の通り、第１及び第２の実施形態と相違している。

　ロックアーム３７は、第２アーム部６３の先端と操作部４３との間に、メスハウジング３の外面３３から設定間隔をあけて先端が位置する支点部材６５が設けられている。この支点部材６５は、図８に示すように、ロックアーム３７の操作部４３側から見ると、支持部材３５との間でメスコネクタ３の幅方向に隙間Ｓが設けられている。この隙間Ｓは、樹脂成形用の金型の部品によって形成される。そのため、例えば、ロックアーム３７が小型化されてその隙間が狭くなると、金型の部品が細くなり、強度不足による金型の耐久性の低下が懸念される。

　この点、本実施形態の支点部材６５は、ロックアーム３７の操作部４３側から見た支持部材３５との間隔が、メスハウジング３の外面３３に向かうにつれて広くなるように先細りに形成されている。すなわち、支点部材６５は、ロックアーム３７の操作部４３側から見たときの支持部材３５側の側面に、下端に向かって先細りとなる傾斜面６９を有している。これにより、隙間Ｓを大きくすることができ、隙間Ｓを形成する金型の部品を太くできるので、金型の強度を高めることができ、金型の耐久性を向上させることができる。

　本実施形態では、支点部材６５の側面に下端まで延びる傾斜面６９を設けた例を説明したが、支点部材６５の側面には、傾斜面６９に代えて、下端に向かって段階的に支持部材３５との間隔が広くなる１又は複数の段部を設けることもできる。なお、支点部材６５と支持部材３５との隙間Ｓを大きくするためには、支持部材３５に上端に向かって先細りとなる傾斜面を設けることも考えられるが、このような構成は、ロックアーム３７を支持する強度を低下させるので、好ましくない。また、本実施形態では、ロックアーム３７がメスハウジング３に設けられる例を説明したが、ロックアーム３７は、メスハウジング３に代えて、オスハウジング９に設けられていてもよい。

＜第４の実施形態＞
　次に、本発明に係るコネクタの第４の実施形態について説明する。本実施形態は、第１～第３の実施形態のコネクタにおいて、オスハウジング９に端子が収容され、かつ、メスハウジング３の内側筒体１１の先端が、外側筒体１３の先端よりも突出している場合、以下の構成を有する点が、第１～第３の実施形態と相違している。

　図９はオスハウジング９がメスハウジング３に対して上下反転して組み付けられる様子を示す図であり、図１０は図９の断面図である。図に示すように、オスハウジング９のフード部１５にメスハウジング３に収容されるメス端子７１と接続される相手端子（オス端子７３）が収容される構成において、オスハウジング９が、メスハウジング３の外側筒体１３に嵌入可能な回転方向の位相に対し、誤って、位相が１８０度ずれて上下反転した状態で、メスハウジング３に組み付けられることがある。

　このような場合、例えば、オスハウジング９のリブ５３ａ～５３ｃとメスハウジング３のスリット５５ａ～５５ｃが、フード部１５と外側筒体１３の高さ方向の中央から上下の一方にずらした位置に設けられていると、リブ５３ａ～５３ｃとスリット５５ａ～５５ｃは、互いに回転方向の位相が１８０度ずれているので、オスハウジング９は、メスハウジング３の外側筒体１３の先端面にリブ５３ａ～５３ｃが当接し、外側筒体１３に嵌め込まれることはない。また、オスハウジング９のリブ５３ａ～５３ｃとメスハウジング３のスリット５５ａ～５５ｃが、フード部１５と外側筒体１３の高さ方向の中央に設けられていても、オスハウジング９は、メスハウジング３の外側筒体１３の先端面にリブ５３ｂが当接するので、外側筒体１３に嵌め込まれることはない。

　しかし、メスハウジング３の内側筒体１１の先端が、外側筒体１３の先端よりも突出している場合、オスハウジング９のリブ５３ａ～５３ｃがメスハウジング３の外側筒体１３の先端面に当接したときには、オスハウジング９のフード部１５にメスハウジング３のフロントホルダ７が装着された内側筒体１１が挿入された状態となり、その結果、メス端子７１とオス端子７３が干渉するおそれがある。

　この点、本実施形態では、図９及び図１０に示すように、オスハウジング９が上下反転してオスハウジング９のリブ５３ａ～５３ｃとメスハウジング３のスリット５５ａ～５５ｃの回転方向の位相が１８０度ずれているときの、メスハウジング３の外側筒体１３の端面のオスハウジング９のリブ５３ａ～５３ｃが当接する位置に、干渉部材７５が設定角度範囲に亘って設けられている。干渉部材７５は、外側筒体１３と一体に形成され、直方体をなしているが、設定角度範囲を広くする場合、外側筒体１３の端面に沿って円弧状に形成することもできる。なお、干渉部材７５は、リブ５３ａ～５３ｃが当接する位置のいずれか一方に設けてもよく、全てのリブ５３ａ～５３ｃが当接する位置に設けてもよい。

　本実施形態によれば、オスハウジング９とメスハウジング３との組み付け時において、メスハウジング３のスリット５５ａ～５５ｃに対して、リブ５３ａ～５３ｃの位相がずれたオスハウジング９は、メスハウジング３の外側筒体１３の端面に設けられた干渉部材７５にそのリブ５３ａ～５３ｃが当接することで、メスハウジング３の内側筒体１１の挿入量が規制されるので、メス端子７１とオス端子７３の干渉を防止できる。

　本実施形態では、オスハウジング９が、メスハウジング３の外側筒体１３に嵌入可能な回転方向の位相に対し、位相が１８０度ずれている場合を想定しているが、例えば、両ハウジング３，９が円筒に形成されている場合、回転位相のずれは１８０度に限られない。この場合、回転位相のずれの角度範囲を予め設定しておき、メスハウジング３の外側筒体１３の端面の、回転位相がずれたオスハウジング９のリブ５３ａ～５３ｃが当接する位置に、干渉部材７５を設定角度範囲に亘って設けておくことで、本実施形態と同様の効果を得ることができる。

　なお、本実施形態では、メスハウジング３の外側筒体１３にスリット５５ａ～５５ｃが設けられ、オスハウジング９のフード部１５にリブ５３ａ～５３ｃが設けられる場合を想定して、メスハウジング３の外側筒体１３の端面に干渉部材７５が設けられる例を説明したが、要は、一方のハウジングの筒体にリブ５３ａ～５３ｃが設けられ、当該筒体に嵌め込まれる他方のハウジングの筒体にスリット５５ａ～５５ｃが設けられる場合、他方のハウジングの筒体の端面に干渉部材７５が設けられていればよい。

＜第５の実施形態＞
　次に、本発明に係るコネクタの第５の実施形態について説明する。図１１は本実施形態のコネクタのメスハウジング３の正面図であり、オスハウジング９のフード部１５を点線で表している。本実施形態では、第１～第４の実施形態のコネクタにおいて、オスハウジング９とメスハウジング３のガタ付き防止効果を高めるため、以下の構成を有する点が、第１～第４の実施形態と相違している。

　第１の実施形態のように、オスハウジング９のフード部１５の外面に形成されたリブ５３ａ～５３ｃは、嵌合方向の長さが長くなると、成形による変形が生じやすくなる。そのため、リブ５３ａ～５３ｃとスリット５５ａ～５５ｃとの間のクリアランスによっては、メスハウジング３の外側筒体１３にオスハウジング９のフード部１５を挿入する際、リブ５３ａ～５３ｃとスリット５５ａ～５５ｃとの摩擦が大きくなり、挿入抵抗が大きくなるおそれがある。

　本実施形態では、第１の実施形態と同様に、メスハウジング３の外側筒体１３とオスハウジング９のフード部１５が角筒に形成されている。そして、メスハウジング３の外側筒体１３は、内面の角部を形成する４箇所のＲ面７７に嵌合方向に沿って内向きリブ７９ａ～７９ｄを設けている。また、外側筒体１３に嵌め込まれるオスハウジング９のフード部１５（図１１の点線）は、外面の角部に嵌合方向に沿って内向きリブ７９ａ～７９ｄが挿入される溝８１ａ～８１ｄが形成されている。内向きリブ７９ａ～７９ｄは、Ｒ面７７から立ち上がる２面を略直角に公差させて形成され、溝８１ａ～８１ｄは、内向きリブ７９ａ～７９ｄに対応する断面を有しているが、内向きリブ７９ａ～７９ｄの断面形状は、これに限られるものではない。

　本実施形態のように、メスハウジング３の外側筒体１３の内面の角部を形成するＲ面７７に設けられた内向きリブ７９ａ～７９ｄは、成形による変形が生じにくいので、内向きリブ７９ａ～７９ｄと溝８１ａ～８１ｄとのクリアランスを小さくしても、内向きリブ７９ａ～７９ｄと溝８１ａ～８１ｄとの摩擦を抑制できる。そのため、メスハウジング３の外側筒体１３にオスハウジング９のフード部１５を挿入する際の挿入抵抗の増加を抑えつつ、ハウジング３，９間のガタ付きを一層抑制できる。

　本実施形態では、メスハウジング３の外側筒体１３の内面の角部を形成する４箇所のＲ面７７にそれぞれ内向きリブ７９ａ～７９ｄを設けているが、内向きリブ７９ａ～７９ｄは、少なくとも、外側筒体１３の軸を中心に互いに反対側に位置する２箇所のＲ面７７に設けられていればよい。

　なお、本実施形態では、メスハウジング３の外側筒体１３の内周のＲ面に沿って内向きリブ７９ａ～７９ｄが設けられ、オスハウジング９のフード部１５の外面の角部にリブ７９ａ～７９ｄが挿入される溝８１ａ～８１ｄが形成される例を説明したが、要は、一方のハウジングの筒体の内面の角部を形成するＲ面に沿って内向きリブ７９ａ～７９ｄが設けられ、当該筒体に嵌め込まれる他方のハウジングの筒体外面の角部にリブ７９ａ～７９ｄが挿入される溝８１ａ～８１ｄが形成されていればよい。

　以上、特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。

　ここで、上述した本発明に係るコネクタの実施形態の特徴を、それぞれ以下（１）～（６）に簡潔に纏めて列記する。
（１）
　端子を収容する内側筒体（１１）と前記内側筒体を覆う外側筒体（１３）とを有する一方のハウジング（３）と、前記内側筒体と前記外側筒体との間の隙間に配置される中間筒体（１５）を有する他方のハウジング（９）と、を備え、前記一方のハウジングの前記外側筒体の筒壁に嵌合方向に沿って延びるように設けられたリブ受け（５５ａ～５５ｃ）に対し、前記他方のハウジングの筒壁に嵌合方向に沿って延びるように設けられたリブ（５３ａ～５３ｃ）が挿入される、コネクタ（１）において、
　前記リブ受けは、
　前記外側筒体の筒壁を厚さ方向に貫通したスリット形状を有し、
　前記外側筒体の筒壁は、
　前記リブの高さに対応する厚みを有する、
　コネクタ。
（２）
　上記（１）に記載のコネクタにおいて、
　前記嵌合方向において、前記内側筒体（１１）の前記他方のハウジングへ向かう前方側の先端は、前記外側筒体（１３）の前記前方側の先端よりも前記前方側に突出している、
　コネクタ。
（３）
　上記（１）又は上記（２）に記載のコネクタにおいて、
　前記一方のハウジング（３）は、
　該一方のハウジングに設けられた弾性を有する支持部材（３５）に対して揺動可能に支持され且つ前記嵌合方向に沿って延びる片持ち梁状のロックアーム（３７）を有し、
　前記ロックアームは、
　該ロックアームの自由端側に前記他方のハウジング（９）に設けられた被係合部（３９）への係合のための係合部（４１）を有し、該ロックアームの固定端側に前記被係合部への前記係合部の前記係合を解除するための操作部（４３）を有し、
　前記一方のハウジング（３）は、
　前記係合を解除する際に前記ロックアームが揺動する範囲を規制するストッパ（６７）を有する、
　コネクタ。
（４）
　上記（１）又は上記（２）に記載のコネクタにおいて、
　前記一方のハウジング（３）は、
　該一方のハウジングに設けられた弾性を有する支持部材（３５）に対して揺動可能に支持され且つ前記嵌合方向に沿って延びる片持ち梁状のロックアーム（３７）を有し、
　前記ロックアームは、
　該ロックアームの自由端側に前記他方のハウジング（９）に設けられた被係合部（３９）への係合のための係合部（４１）を有し、該ロックアームの固定端側に前記被係合部への前記係合部の前記係合を解除するための操作部（４３）を有し、前記係合部と前記操作部との間の箇所から前記支持部材に向けて突出する支点部材（６５）であって前記支持部材から設定間隔だけ離れた位置にある支点部材を有し、
　前記支点部材（６５）は、
　前記支持部材に最も近接する該支点部材の先端部から前記ロックアームの前記操作部に向けて近付くにつれて前記支持部材（３５）との間隔が広くなる先細り形状を有する、
　コネクタ。
（５）
　上記（２）に記載のコネクタにおいて、
　前記他方のハウジング（９）の前記中間筒体（１５）に前記一方のハウジング（３）の前記端子と接続される相手端子が収容され、
　前記一方のハウジングは、
　前記リブ（５３ａ～５３ｃ）が前記リブ受け（５５ａ～５５ｃ）に挿入不可となる位置ずれが生じている状態にて嵌合がなされたときに前記リブが当接することになる前記外側筒体（１３）の端面に、前記リブに干渉して嵌合方向への移動を規制する干渉部材（７５）を設定範囲に亘って有する、
　コネクタ。
（６）
　上記（１）又は上記（２）に記載のコネクタにおいて、
　前記一方のハウジングの前記外側筒体（１３）は、
　角筒形状を有すると共に内面の角部に対応する箇所（７７）に嵌合方向に沿って延びる内向きリブ（７９ａ～７９ｄ）を有し、
　前記他方のハウジングの前記中間筒体（１５）は、
　角筒形状を有すると共に外面の角部に対応する箇所に嵌合方向に沿って延びて前記内向きリブが挿入される溝（８１ａ～８１ｄ）を有する、
　コネクタ。

　本出願は、２０１６年１１月１０日出願の日本特許出願（特願２０１６－２２００１４）に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

　本発明のコネクタによれば、コネクタの大型化を避けながらハウジング間のガタツキを抑制可能である。この効果を奏する本発明は、コネクタに関して有用である。

　　１　コネクタ
　　３　メスハウジング（一方のハウジング）
　　９　オスハウジング（他方のハウジング）
　１１　内側筒体
　１３　外側筒体
　１５　フード部（中間筒体）
　３３　外面
　３５　支持部材
　３７　ロックアーム
　３９　被係合部
　４１　係合部
　４３　操作部
　５３ａ～５３ｃ　リブ
　５５ａ～５５ｃ　スリット（リブ受け）
　６５　支点部材
　６７　ストッパ
　６９　傾斜面
　７５　干渉部材
　７７　Ｒ面（角部に対応する箇所）
　７９ａ～７９ｄ　内向きリブ
　８１ａ～８１ｄ　溝

Claims

　端子を収容する内側筒体と前記内側筒体を覆う外側筒体とを有する一方のハウジングと、前記内側筒体と前記外側筒体との間の隙間に配置される中間筒体を有する他方のハウジングと、を備え、前記一方のハウジングの前記外側筒体の筒壁に嵌合方向に沿って延びるように設けられたリブ受けに対し、前記他方のハウジングの筒壁に前記嵌合方向に沿って延びるように設けられたリブが挿入される、コネクタにおいて、
　前記リブ受けは、
　前記外側筒体の筒壁を厚さ方向に貫通したスリット形状を有し、
　前記外側筒体の筒壁は、
　前記リブの高さに対応する厚みを有する、
　コネクタ。
　請求項１に記載のコネクタにおいて、
　前記嵌合方向において、前記内側筒体の前記他方のハウジングへ向かう前方側の先端は、前記外側筒体の前記前方側の先端よりも前記前方側に突出している、
　コネクタ。
　請求項１又は請求項２に記載のコネクタにおいて、
　前記一方のハウジングは、
　該一方のハウジングに設けられた弾性を有する支持部材に対して揺動可能に支持され且つ前記嵌合方向に沿って延びる片持ち梁状のロックアームを有し、
　前記ロックアームは、
　該ロックアームの自由端側に前記他方のハウジングに設けられた被係合部への係合のための係合部を有し、該ロックアームの固定端側に前記被係合部への前記係合部の前記係合を解除するための操作部を有し、
　前記一方のハウジングは、
　前記係合を解除する際に前記ロックアームが揺動する範囲を規制するストッパを有する、
　コネクタ。
　請求項１又は請求項２に記載のコネクタにおいて、
　前記一方のハウジングは、
　該一方のハウジングに設けられた弾性を有する支持部材に対して揺動可能に支持され且つ前記嵌合方向に沿って延びる片持ち梁状のロックアームを有し、
　前記ロックアームは、
　該ロックアームの自由端側に前記他方のハウジングに設けられた被係合部への係合のための係合部を有し、該ロックアームの固定端側に前記被係合部への前記係合部の前記係合を解除するための操作部を有し、前記係合部と前記操作部との間の箇所から前記支持部材に向けて突出する支点部材であって前記支持部材から設定間隔だけ離れた位置にある支点部材を有し、
　前記支点部材は、
　前記支持部材に最も近接する該支点部材の先端部から前記ロックアームの前記操作部に向けて近付くにつれて前記支持部材との間隔が広くなる先細り形状を有する、
　コネクタ。
　請求項２に記載のコネクタにおいて、
　前記他方のハウジングの前記中間筒体に前記一方のハウジングの前記端子と接続される相手端子が収容され、
　前記一方のハウジングは、
　前記リブが前記リブ受けに挿入不可となる位置ずれが生じている状態にて嵌合がなされたときに前記リブが当接することになる前記外側筒体の端面に、前記リブに干渉して前記嵌合方向への移動を規制する干渉部材が設定範囲に亘って有する、
　コネクタ。
　請求項１又は請求項２に記載のコネクタにおいて、
　前記一方のハウジングの前記外側筒体は、
　角筒形状を有すると共に内面の角部に対応する箇所に前記嵌合方向に沿って延びる内向きリブを有し、
　前記他方のハウジングの前記中間筒体は、
　角筒形状を有すると共に外面の角部に対応する箇所に前記嵌合方向に沿って延びて前記内向きリブが挿入される溝を有する、
　コネクタ。