WO2018069996A1 - 双極板、セルフレーム、セルスタック、及びレドックスフロー電池 - Google Patents

双極板、セルフレーム、セルスタック、及びレドックスフロー電池 Download PDF

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Abstract

レドックスフロー電池の正極電極と負極電極との間に配置される双極板であって、前記双極板における前記正極電極及び前記負極電極の少なくとも一方の電極に対向する面に、電解液が流通する少なくとも1つの溝部を有し、前記溝部は、前記電解液の流通方向に直交する断面において、互いに対向する一対の側壁を有し、前記溝部の深さ方向の少なくとも一部に、前記側壁の間隔が深さ方向に狭くなる幅狭部を有する双極板。

Description

双極板、セルフレーム、セルスタック、及びレドックスフロー電池
 本発明は、双極板、セルフレーム、セルスタック、及びレドックスフロー電池に関する。
 大容量の蓄電池の一つとして、レドックスフロー電池(以下、「RF電池」と呼ぶ場合がある)が知られている(特許文献1~4を参照)。レドックスフロー電池には、セルフレーム、正極電極、隔膜、負極電極をそれぞれ複数積層してなるセルスタックが用いられている。セルフレームは、正極電極と負極電極との間に配置される双極板と、双極板の外周に設けられる枠体とを備えている。セルスタックでは、隣接するセルフレームの双極板の間に、隔膜を挟んで正負の電極が配置され、1つのセルが形成される。RF電池は、電極が配置されたセル内に電解液を循環流通させて充放電を行う。
 特許文献1~4には、RF電池の内部抵抗を低減する目的で、双極板の電極に対向する面に電解液の流路を構成する複数の溝部を形成することによって、セル内における電解液の流通抵抗による圧力損失を低減する技術が開示されている。
特開2015-122230号公報 特開2015-122231号公報 特開2015-138771号公報 特開2015-210849号公報
 本開示の双極板は、
 レドックスフロー電池の正極電極と負極電極との間に配置される双極板であって、
 前記双極板における前記正極電極及び前記負極電極の少なくとも一方の電極に対向する面に、電解液が流通する少なくとも1つの溝部を有し、
 前記溝部は、前記電解液の流通方向に直交する断面において、互いに対向する一対の側壁を有し、
 前記溝部の深さ方向の少なくとも一部に、前記側壁の間隔が深さ方向に狭くなる幅狭部を有する。
 本開示のセルフレームは、本開示の双極板と、前記双極板の外周に設けられる枠体とを備える。
 本開示のセルスタックは、本開示のセルフレームを備える。
 本開示のレドックスフロー電池は、本開示のセルスタックを備える。
実施形態に係るレドックスフロー電池の動作原理図である。 実施形態に係るレドックスフロー電池の概略構成図である。 実施形態に係るセルスタックの概略構成図である。 実施形態に係る双極板を備えるセルフレームを一面側から見た概略平面図である。 実施形態1に係る双極板における溝部の断面形状を示す概略断面図である。 実施形態2に係る双極板における溝部の断面形状を示す概略断面図である。 実施形態3に係る双極板における溝部の断面形状を示す概略断面図である。 実施形態4に係る双極板における溝部の断面形状を示す概略断面図である。 実施形態5に係る双極板における溝部の断面形状を示す概略断面図である。 溝部の断面形状の変形例を示す概略断面図である。 溝部の断面形状の別の変形例を示す概略断面図である。 溝部の断面形状の更に別の変形例を示す概略断面図である。 溝部の断面形状の他の変形例を示す概略断面図である。
 [本開示が解決しようとする課題]
 更なるレドックスフロー電池の電池性能の向上が望まれている。
 RF電池では、運転と待機を繰り返すことがあり、運転中はセル内に電解液を流通させて充放電を行い、待機中は電解液の流通を停止する。RF電池の待機時に電解液の流通を停止すると、充電された電解液がセル内で自己放電することによって電解液が発熱し、温度上昇に伴って電解液に析出物が生じることがあり、電解液が劣化するなど電池性能の低下を招く虞がある。また、電解液の温度上昇により、その熱によって双極板が軟化して変形するなど双極板(セルフレーム)にダメージを与える虞がある。したがって、セル内の電解液の温度上昇を抑制するため、電解液の放熱を改善することが望まれる。
 そこで、本開示は、セル内での電解液の圧力損失を低減できながら、電解液の温度上昇を抑制できる双極板、セルフレーム、及びセルスタックを提供することを目的の一つとする。また、本開示は、電池性能に優れるレドックスフロー電池を提供することを目的の一つとする。
 [本開示の効果]
 本開示によれば、セル内での電解液の圧力損失を低減できながら、電解液の温度上昇を抑制できる双極板、セルフレーム、及びセルスタックを提供できる。また、本開示によれば、電池性能に優れるレドックスフロー電池を提供できる。
 [本願発明の実施形態の説明]
 本発明者らは、レドックスフロー電池において、双極板の電極に対向する面に、電解液の流通方向に沿って溝部を形成して流路を構成することで、セル内での電解液の圧力損失を低減することを検討した。更に、本発明者らは、電解液が流通する溝部が形成された双極板において、セル内での電解液成分の析出を抑制するため、電解液の放熱を改善して電解液の温度上昇を抑制できる溝部の断面形状について検討を試みた。「溝部の断面形状」とは、電解液の流通方向に直交する断面の形状を意味し、当該断面において、溝部を構成する壁面と開口部とで囲まれる閉領域で表される。以下の説明において、特に断りがない限り、「溝部の断面」とは、電解液の流通方向に直交する断面を意味する。
 双極板に溝部を形成した場合、RF電池の運転時にセル内に電解液を流通させた際、電解液が溝部に流通し、RF電池の待機時に電解液の流通を停止した際、電解液が溝部に滞留する。自己放電により温度上昇した溝部内の電解液の熱は、電解液が接する溝部の壁面から放熱され、冷却される。そのため、溝部内の電解液において、溝部の壁面に接している部分では熱伝導によって電解液の温度が低くなり、温度差により電解液の対流が生じる。この対流を促進させることができれば、溝部内の電解液から溝部壁面への熱の移動が促進され、電解液の放熱効率が向上すると考えられる。そこで、本発明者らは、電解液の対流を促進できる溝部の断面形状について種々検討した。
 溝部の断面形状は通常、略正方形状であり、双極板の表面に平行な底壁と、双極板の表面から底壁に対して垂直方向に延び、互いに平行に対向する一対の側壁とを有する形状である。この場合、溝部は、溝部の深さ方向の全体に亘って側壁の間隔が実質的に一定であり、側壁と底壁とのなす角度が直角(90°)である。「溝部の深さ方向」とは、電解液の流通方向に直交する断面において、溝部の開口部から底部に向かって双極板の表面に対して垂直な方向(即ち、双極板の厚さ方向)を意味する。
 本発明者らは、電解液の対流を促進するため、溝部の断面形状を、側壁の間隔が深さ方向に狭くなる幅狭部を有する形状とすることを考えた。この溝部は、幅狭部において側壁の少なくとも一方が深さ方向に対して傾斜しており、溝部内の電解液に対流が生じた際に側壁に沿って移動する電解液の対流が促進されると考えられる。したがって、このような断面形状の溝部は、側壁が互いに対向し、且つ深さ方向に平行な溝部に比較して、電解液の対流が促進されるため、電解液の放熱を改善でき、電解液の温度上昇を抑制できると考えられる。
 本発明者らは、上述の考えに基づいて、本願発明を完成するに至った。最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
 (1)実施形態に係る双極板は、
 レドックスフロー電池の正極電極と負極電極との間に配置される双極板であって、
 前記双極板における前記正極電極及び前記負極電極の少なくとも一方の電極に対向する面に、電解液が流通する少なくとも1つの溝部を有し、
 前記溝部は、前記電解液の流通方向に直交する断面において、互いに対向する一対の側壁を有し、
 前記溝部の深さ方向の少なくとも一部に、前記側壁の間隔が深さ方向に狭くなる幅狭部を有する。
 上記双極板によれば、電極に対向する面に溝部を有することで、セル内の電極を流れる電解液の流通抵抗を小さくして、セル内での電解液の圧力損失を低減できる。よって、電解液の圧力損失に起因するポンプ損失を低減できる。また、溝部が、その断面において、側壁の間隔が深さ方向に狭くなる幅狭部を有することから、電解液の対流が促進される。具体的には、幅狭部において、側壁の少なくとも一方が深さ方向に対して傾斜しており、この側壁の傾斜面に沿って移動する電解液の対流を促進できる。その結果、対流による電解液の放熱効果が向上することから、電解液の放熱を改善でき、電解液の温度上昇を抑制できる。よって、電解液成分の析出を抑制でき、電解液の劣化を抑制できる。また、電解液の熱の影響による双極板の軟化、変形を抑制できる。したがって、上記双極板は、セル内での電解液の圧力損失を低減できながら、電解液の温度上昇を抑制でき、レドックスフロー電池の電池性能を向上させることができる。
 「幅狭部」とは、側壁の間隔が、溝部の深さ方向(開口部側から底部側)に向かって徐々に狭くなるように連続的に変化する部分である。幅狭部において、側壁の少なくとも一方が深さ方向に対して傾斜していればよく、一方の側壁が深さ方向に対して傾斜し、他方の側壁が深さ方向に沿っていてもよいし、両方の側壁が深さ方向に対して傾斜していてもよい。「深さ方向に沿って」とは、深さ方向に対して実質的に平行(つまり、開口部側から底部側に向かって双極板の表面に対して垂直)であることを意味する。「双極板の表面」とは、電極に対向して接する面である。また、幅狭部は、溝部の深さ方向の少なくとも一部にあればよく、深さ方向の一部に幅狭部が形成され、その他の部分は側壁の間隔が実質的に一定であってもよい。例えば、開口部から深さ方向の途中位置まで側壁の間隔が実質的に一定で、開口部の幅と同じ部分が存在してもよい。幅狭部の数は1つであってもよいし、複数であってもよい。深さ方向の全体に亘って幅狭部が形成されていることが好ましい。
 (2)上記双極板の一形態として、
 前記溝部は、底壁を有し、
 前記底壁は、前記双極板の表面に平行な平坦面を有することが挙げられる。
 底壁が双極板の表面に平行な平坦面を有することで、断面正方形状の溝部に比較して、溝部の断面積を同じとした場合、溝部の周長を長くできる。溝部の周長が長くなれば、その分、電解液との接触面積が大きくなり、電解液から溝部壁面への熱の移動が多くなることから、熱伝導による電解液の放熱効果が向上する。よって、電解液の放熱をより改善でき、電解液の温度上昇をより抑制できる。「溝部の周長」とは、電解液の流通方向に直交する断面における周長を意味し、当該断面において、溝部を構成する壁面の周長(側壁及び底壁の全長)と、開口部の幅とを合計した長さで表される。
 (3)上記(2)に記載の双極板の一形態として、
 少なくとも一方の上記側壁と上記底壁とのなす角度が91°以上120°以下であることが挙げられる。
 断面正方形状の溝部のように、側壁と底壁とのなす角度が直角(90°)であると、側壁と底壁との角部に沿った対流が生じ難く、角部近傍において、対流による電解液の放熱が促進され難い。側壁と底壁とのなす角度が91°以上であることで、側壁と底壁との角部において、側壁の傾斜面に沿って電解液が対流し易く、角部近傍での電解液の放熱が促進される。側壁と底壁とのなす角度が120°以下であることで、溝部の断面積を一定とした場合、溝部の周長が長くなり過ぎず、電解液が流通する際の圧力損失が過度に大きくなることを抑制できる。溝部の断面積が大きいほど、或いは溝部の周長が短いほど、圧力損失は小さくなるため、断面積を同じとした場合、周長が短い方が圧力損失を小さくできる。その他、側壁と底壁とのなす角度が120°以下であることで、溝部の深さが浅くなり過ぎず、溝部を形成し易い。溝部は、例えば、双極板の成形と同時に形成したり、切削加工により形成することが挙げられる。また、側壁と底壁とのなす角度が120°以下であれば、溝部の開口部の幅が広くなり過ぎず、双極板に複数の溝部を並列に形成する場合、より多くの溝部を形成することが可能である。側壁と底壁とのなす角度は、例えば95°以上110°以下であることが好ましい。
 (4)上記(2)又は(3)に記載の双極板の一形態として、
 少なくとも一方の前記側壁と前記底壁との角部が曲面状に形成されていることが挙げられる。
 側壁と底壁との角部が曲面状に形成されていることで、角部に沿って電解液が対流し易く、角部近傍での電解液の放熱が促進される。例えば、角部の曲率半径は0.1mm以上10mm以下、更に0.2mm以上5mm以下であることが挙げられる。
 (5)上記双極板の一形態として、
 前記幅狭部において、前記側壁の少なくとも一方は、深さ方向に対して傾斜する傾斜面を有し、前記傾斜面が平面であることが挙げられる。
 幅狭部における側壁の傾斜面が平面であることで、溝部を切削加工により形成する場合など、精度よく形成し易い。
 (6)上記双極板の一形態として、
 前記幅狭部において、前記側壁の少なくとも一方は、深さ方向に対して傾斜する傾斜面を有し、前記傾斜面が曲面であることが挙げられる。
 幅狭部における側壁の傾斜面が曲面であることで、傾斜面に沿って移動する電解液の対流がより促進され易く、対流による電解液の放熱効率がより向上する。
 (7)上記双極板の一形態として、
 前記溝部は、底壁を有し、
 前記底壁は、前記溝部の深さ方向に突出する曲面を有することが挙げられる。
 底壁が溝部の深さ方向に突出する曲面を有することで、底壁の曲面に沿って電解液が対流し易く、底壁近傍での電解液の放熱が促進される。
 (8)上記(7)に記載の双極板の一形態として、
 前記側壁と前記底壁の全面が曲面状に形成されていることが挙げられる。
 側壁と底壁の全面が曲面状、即ち溝部の壁面全体が曲面に形成されていることで、溝部の壁面(側壁及び底壁)に沿って電解液が対流し易く、対流による電解液の放熱効率がより向上する。
 (9)上記双極板の一形態として、
 前記溝部の深さ方向の任意の位置における前記側壁の間隔が、その位置よりも開口部側における前記側壁の間隔に対して同等以下であることが挙げられる。
 この場合、側壁の間隔が、溝部の深さ方向の全体に亘って開口部の幅以下で、かつ、開口部で最も広く、底部で最も狭くなる。側壁の間隔が、開口部から底部に向かって狭くなり、深さ方向の途中で広くなる部分がないため、溝部を形成し易い。例えば、底部から溝部の深さの半分の位置における側壁の間隔が開口部より狭くなっていたり、底部から溝部の深さの1/4の位置より底部側の部分で側壁の間隔が徐々に狭くなっていることが挙げられる。
 (10)実施形態に係るセルフレームは、上記(1)から(9)のいずれか1つに記載の双極板と、前記双極板の外周に設けられる枠体とを備える。
 上記セルフレームによれば、上記した実施形態に係る双極板を備えることから、セル内での電解液の圧力損失を低減できながら、電解液の温度上昇を抑制でき、レドックスフロー電池の電池性能を向上させることができる。
 (11)実施形態に係るセルスタックは、上記(10)に記載のセルフレームを備える。
 上記セルスタックによれば、上記した実施形態に係るセルフレームを備えることから、セル内での電解液の圧力損失を低減できながら、電解液の温度上昇を抑制でき、レドックスフロー電池の電池性能を向上させることができる。
 (12)実施形態に係るレドックスフロー電池は、上記(11)に記載のセルスタックを備える。
 上記レドックスフロー電池によれば、上記したセルスタックを備えることから、セル内での電解液の圧力損失を低減できながら、電解液の温度上昇を抑制でき、電池性能に優れる。
 [本願発明の実施形態の詳細]
 本願発明の実施形態に係る双極板、セルフレーム、セルスタック、及びレドックスフロー電池(RF電池)の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は同一又は相当部分を示す。なお、本願発明はこれらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
 《RF電池》
 図1、図2を参照して、実施形態に係るレドックスフロー電池(以下、RF電池)の一例を説明する。RF電池1は、正極電解液及び負極電解液に酸化還元により価数が変化する金属イオンを活物質として含有する電解液を使用し、正極電解液に含まれるイオンの酸化還元電位と、負極電解液に含まれるイオンの酸化還元電位との差を利用して充放電を行う電池である。ここでは、RF電池1の一例として、正極電解液及び負極電解液に活物質となるVイオンを含有するバナジウム電解液を使用したバナジウム系RF電池の場合を示す。図1中のセル100内の実線矢印は充電反応を、破線矢印は放電反応をそれぞれ示している。RF電池1は、例えば、負荷平準化用途、瞬低補償や非常用電源などの用途、大量導入が進められている太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーの出力平滑化用途などに利用される。
 RF電池1は、水素イオンを透過させる隔膜101で正極セル102と負極セル103とに分離されたセル100を備える。正極セル102には正極電極104が内蔵され、かつ正極電解液を貯留する正極電解液用タンク106が導管108、110を介して接続されている。導管108には、正極電解液を正極セル102に圧送するポンプ112が設けられており、これらの部材106、108、110、112によって正極電解液を循環させる正極用循環機構100Pが構成されている。同様に、負極セル103には負極電極105が内蔵され、かつ負極電解液を貯留する負極電解液用タンク107が導管109、111を介して接続されている。導管109には、負極電解液を負極セル103に圧送するポンプ113が設けられており、これらの部材107、109、111、113によって負極電解液を循環させる負極用循環機構100Nが構成されている。各タンク106、107に貯留される各電解液は、充放電を行う運転時には、ポンプ112、113によりセル100(正極セル102及び負極セル103)内に循環され、充放電を行わない待機時には、ポンプ112、113が停止され、循環されない。
 《セルスタック》
 セル100は通常、図2、図3に示すような、セルスタック2と呼ばれる構造体の内部に形成される。セルスタック2は、サブスタック200(図3参照)と呼ばれる積層体をその両側から2枚のエンドプレート220で挟み込み、両側のエンドプレート220を締付機構230で締め付けることで構成されている(図3に例示する構成では、複数のサブスタック200を備える)。サブスタック200は、セルフレーム3、正極電極104、隔膜101、及び負極電極105を複数積層してなり、その積層体の両端に給排板210(図3の下図参照、図2では省略)が配置された構成である。
 《セルフレーム》
 セルフレーム3は、図2、図3に示すように、正極電極と負極電極との間に配置される双極板31と、双極板31の外周に設けられる枠体32とを備える。双極板31の一面側には、正極電極104が接触するように配置され、双極板31の他面側には、負極電極105が接触するように配置される。サブスタック200(セルスタック2)では、隣接する各セルフレーム3の双極板31の間にそれぞれ1つのセル100が形成されることになる。
 双極板31は、例えば、プラスチックカーボンなどで形成され、枠体32は、例えば、塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素樹脂、エポキシ樹脂などのプラスチックで形成されている。双極板31は、例えば、射出成型、プレス成型、真空成型などの公知の方法によって成形されている。セルフレーム3は、双極板31の外周に枠体32が射出成型などにより一体化されている。
 セル100への電解液の流通は、給排板210(図3の下図参照)を介して、図3に示すセルフレーム3の枠体32に貫通して設けられた給液マニホールド33、34及び排液マニホールド35、36と、枠体32に形成された給液スリット33s、34s及び排液スリット35s、36sにより行われる(図4も合わせて参照)。この例では、正極電解液は、給液マニホールド33から枠体32の一面側(紙面表側)に形成された給液スリット33sを介して正極電極104に供給され、枠体32の上部に形成された排液スリット35sを介して排液マニホールド35に排出される。同様に、負極電解液は、給液マニホールド34から枠体32の他面側(紙面裏側)に形成された給液スリット34sを介して負極電極105に供給され、枠体32の上部に形成された排液スリット36sを介して排液マニホールド36に排出される。各セルフレーム3の枠体32の間には、電解液の漏洩を抑制するため、Oリングや平パッキンなどの環状のシール部材37(図2、図3参照)が配置されている。枠体32には、シール部材37を配置するためのシール溝38(図4参照)が形成されている。
 《双極板》
 図4を主に参照して、実施形態に係る双極板31の一例を説明する。双極板31は、平面形状が略矩形状であり、図4に示す双極板31の一面側(紙面表側)は、正極電極104(図3参照)に対向する面であり、他面側(紙面裏側)は、負極電極105(図3参照)に対向する面である。また、図4に示す双極板31において、給液スリット33sにつながる下側の縁部が正極電解液の供給側であり、排液スリット35sにつながる上側の縁部が正極電解液の排出側である。つまり、双極板31の下側から電解液が供給され、双極板31の上側から電解液が排出されるようになっており、双極板31の下側縁部から上側縁部に向かって電解液が流れる。図4中、紙面左側の矢印は、双極板31における電解液の全体的な電解液の流通方向を示す。
 双極板31は、図4に示すように、その一面側に、複数の溝部400を有する流路40を備える。図4では、分かり易くするため、流路40(溝部400)が形成されていない部分にハッチングを付している。各溝部400は、電解液の流通方向に沿って形成され、等間隔に並列されている。この例では、溝部400として、一端が双極板31の下側縁部に連通し、他端が上側縁部まで一定長さを残して形成された導入側溝部410と、一端が双極板31の上側縁部に連通し、他端が下側縁部まで一定長さを残して形成された排出側溝部420とが交互に並んで設けられている。そして、流路40として、導入側溝部410を有する導入路41と、排出側溝部420を有する排出路42とが設けられている。また、この例では、導入路41は、双極板31の下側縁部に沿って形成された導入側整流溝部411を有し、各導入側溝部410の一端が導入側整流溝部411に連通している。排出路42は、双極板31の上側縁部に沿って形成された排出側整流溝部421を有し、各排出側溝部420の一端が排出側整流溝部421に連通している。導入側整流溝部411は、給液スリット33sから供給された電解液を各導入側溝部410に分配し、排出側整流溝部421は、各排出側溝部420から排出される電解液を排液スリット35sに集約する。この例では、導入側整流溝部411と排出側整流溝部421とを双極板31に設けているが、導入側整流溝部411と排出側整流溝部421は、枠体32に設けることも可能である。
 この例では、各溝部400(導入側溝部410及び排出側溝部420)の幅や深さが同じであり、その断面形状が実質的に等しく長さ方向に一様である。溝部400の幅や深さ、隣り合う溝部400の間隔は、双極板31のサイズや厚さなどに応じて適宜選択することができ、特に限定されない。例えば、隣り合う溝部400の間隔は、0.5mm以上30mm以下、更に1mm以上5mm以下であることが挙げられる。溝部400の幅(開口幅)や深さ、断面形状については、後述する。
 導入路41は、正極電極(図3参照)に正極電解液を供給するための流路で、排出路42は、正極電解液を排出するための流路であり、このような導入路41と排出路42とを備えることで、供給された正極電解液を正極電極(図3参照)の全面に均一に行き渡らせ易い。給液スリット33sから双極板31の一面側に供給された正極電解液は、導入路41の導入側整流溝部411を介して導入側溝部410を流れ、双極板31の全面に行き渡る。導入側溝部410に流れる正極電解液は、双極板31の表面に配置される正極電極(図3参照)に染み込み、双極板31の表面を跨いで、導入側溝部410に隣り合う排出側溝部420に流れる。排出路42の排出側溝部420に流れる正極電解液は、排出側整流溝部421を介して排液スリット35sから排出される。
 ここでは、双極板31の一面側しか図示していないが、双極板31の他面側には、負極電極105(図3参照)に負極電解液を供給する導入路と負極電解液を排出する排出路が形成されている。双極板31の他面側の負極電解液用の導入路と排出路の構成は、図4で説明した正極電解液用の導入路41と排出路42と同様であるため、その説明を省略する。
 [実施形態1]
 (溝部の断面形状)
 実施形態に係る双極板31の特徴の一つは、溝部400の断面形状にある。図5は、実施形態1に係る双極板31における溝部400の断面形状を示している。溝部400は、電解液の流通方向に直交する断面において、互いに対向する一対の側壁51を有し、溝部400の深さ方向の少なくとも一部に、側壁51の間隔が深さ方向に狭くなる幅狭部510を有する。以下、実施形態1の溝部400の断面形状について、より詳しく説明する。
 実施形態1の溝部400は、一対の側壁51の下端(底部側)同士を繋ぐ底壁52を有する。この底壁52は、双極板31の表面に平行な平坦面を有する。一対の側壁51は、深さ方向に対して傾斜しており、側壁51の間隔が深さ方向(開口部53から底壁52)に向かって徐々に狭くなっている。各側壁51は、開口部53から底壁52にかけて全面が傾斜面となっており、傾斜面が平面である。各側壁51(傾斜面)の深さ方向に対する傾斜角度βは略等しい。したがって、実施形態1の溝部400では、深さ方向の全体に亘って幅狭部510が形成されており、溝部400の断面形状が、開口部53を長辺、底壁52を短辺とする台形状(具体的には等脚台形状)である。
 この溝部400は、深さ方向の任意の位置における側壁51の間隔が、その位置よりも開口部53側における側壁51の間隔に対して同等以下である。つまり、側壁51の間隔が、深さ方向の全体に亘って開口部53の幅以下で、かつ、開口部53で最も広く、底壁52側で最も狭くなる。
 溝部400において、側壁51と底壁52とがなす角部54の角度αは、90°超180°未満であり、例えば91°以上120°以下、好ましくは95°以上110°以下であることが挙げられる。側壁51(傾斜面)の深さ方向に対する傾斜角度βは、例えば1°以上45°以下、更に30°以下、好ましくは5°以上20°以下であることが挙げられる。開口部53の幅wは、例えば0.5mm以上10mm以下、更に1mm以上5mm以下であることが挙げられる。深さh(開口部53から底壁52までの深さ方向の長さ)は、例えば0.5mm以上10mm以下、更に1mm以上5mm以下であることが挙げられる。
 {作用効果}
 実施形態1に係る双極板31は、溝部400を有することで、溝部400に沿って電解液を流通させることができるので、電解液の流通抵抗を小さくして、電解液の圧力損失を低減できる。また、溝部400の深さ方向の少なくとも一部に幅狭部510を有しており、側壁51の傾斜面に沿って移動する電解液の対流を促進できる。対流による電解液の放熱効率が向上するため、溝部400内の電解液の放熱を改善でき、電解液の温度上昇を抑制できる。その結果、電解液成分の析出を抑制できる。特に、側壁51が深さ方向に対して傾斜し、側壁51の全面が傾斜面となっており、深さ方向の全体に亘って幅狭部510が形成されていることから、側壁51に沿って電解液が対流し易く、対流による電解液の放熱効果が高い。更に、側壁51と底壁52とのなす角度αが91°以上120°以下であることで、角部54において、側壁51の傾斜面に沿って電解液が対流し易く、角部54近傍での電解液からの放熱を促進できる。
 実施形態1の溝部400は、断面形状が台形状(具体的には等脚台形状)であり、断面形状が正方形状の溝部400に比較して、断面積を同じとした場合、溝部400の周長が長くなる。そのため、電解液との接触面積が大きくなり、熱伝導による電解液の放熱効率が向上する。
 また、側壁51の間隔が、開口部53から底壁52に向かって狭くなっていることから、深さ方向の途中で広くなる部分がないため、溝部400を形成し易い。
 [変形例]
 実施形態1では、溝部400の断面形状が等脚台形状であり、幅狭部510を構成する一対の側壁51が深さ方向に対して互いに傾斜し、側壁51の間隔が深さ方向に向かって狭くなる形態を説明した。実施形態1の変形例として、一対の側壁51のうち、一方の側壁51が深さ方向に対して傾斜し、他方の側壁51が深さ方向に沿っていてもよい。また、各側壁51の傾斜角度βが異なっていてもよい。
 次に、図6~図9に基づいて、溝部400の断面形状の他の形態例を説明する。以下では、溝部400について、上述の実施形態1と同様の構成には同一符号を付してその説明を省略し、実施形態1との相違点を中心に説明する。
 [実施形態2]
 図6に示す実施形態2では、側壁51と底壁52との角部54が曲面状に形成されている。
 実施形態2の溝部400は、角部54が曲面状に形成されていることで、角部54に沿って電解液が対流し易く、角部54近傍での電解液の放熱が促進される。角部54の曲率半径rは、例えば0.1mm以上10mm以下、更に0.2mm以上5mm以下であることが挙げられる。
 [実施形態3]
 図7に示す実施形態3では、幅狭部510を構成する側壁51の傾斜面が曲面である。
 実施形態3の溝部400は、側壁51の傾斜面が曲面であることで、傾斜面に沿って移動する電解液の対流をより促進でき、対流による電解液の放熱効率がより向上する。曲面の形状としては、例えば、円弧形状、楕円弧形状などが挙げられる。
 [実施形態4]
 図8に示す実施形態4では、底壁52が深さ方向に突出する曲面を有する。
 実施形態4の溝部400は、底壁52が曲面を有することで、底壁52の曲面に沿って電解液が対流し易く、底壁52近傍での電解液の放熱が促進される。
 [実施形態5]
 図9に示す実施形態5では、側壁51と底壁52の全面が曲面状に形成されている。
 側壁51と底壁52の全面が曲面状、即ち溝部400の壁面全体が曲面に形成されていることで、壁面(側壁51及び底壁52)に沿って電解液が対流し易く、対流による電解液の放熱効率がより向上する。溝部400の断面形状としては、半円形状、半楕円形状などが挙げられ、図9に示す溝部400の場合、半楕円形状である。
 (その他)
 上述の実施形態では、底壁52を有する形態を説明したが、底壁を有さない形態、例えば、溝部の断面形状が、底部を頂点とし、開口部を底辺とする三角形状(具体例、二等辺三角形状)であってもよい。
 上述の実施形態では、側壁51の全面が傾斜面であり、深さ方向の全体に亘って幅狭部510を有する形態を説明したが、側壁51の一部が傾斜面であり、深さ方向の一部に幅狭部510が形成され、その他の部分は側壁51の間隔が実質的に一定であってもよい。例えば、図10(a)に示すように、側壁51の上端(開口部53側)が傾斜し、開口部53側に幅狭部510を有する形態や、図10(b)に示すように、側壁51の下端(底壁52側)が傾斜し、底壁52側に幅狭部510を有する形態が挙げられる。図10(a)の場合、幅狭部510より底壁52側の部分で側壁51の間隔が一定であり、図10(b)の場合、開口部53から幅狭部510までの部分では、側壁51の間隔が開口部53の幅と同等である。また、図10(c)に示すように、側壁51の中央が傾斜し、深さ方向の途中に幅狭部510が形成されていてもよい。
 更に、幅狭部510の数は1つに限らず、複数であってもよい。例えば、図11に示すように、開口部53側と底壁52側にそれぞれ幅狭部510を有する形態が挙げられる。この場合、各幅狭部510における側壁51(傾斜面)の傾斜角度は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
 [試験例1]
 双極板の一面側と他面側のそれぞれに双極板の下側縁部から上側縁部に亘って連通する複数の溝部を形成して、縦溝構造の流路を備える双極板を作製した。ここでは、表1に示すように、溝部の断面形状(開口部の幅w、深さh、側壁と底壁とのなす角度α、角部の曲率半径r)が異なる複数の双極板(図5、図6参照)を作製した。各双極板を用いてセルフレームを作製し、これを用いて複数のRF電池(試験体A~I)を組み立てた。そして、各試験体のRF電池を充電した後、ポンプを停止して電解液を自己放電させた。その後、RF電池を解体して双極板(セルフレーム)を取り出し、各試験体について電解液の析出状態を確認し評価した。その結果を表1に示す。表1に示す「析出有無」の評価は、析出が確認できなかった場合を「A」、微小な析出はあるが、溝部が閉塞していない場合を「B」、析出がやや多いが、溝部の閉塞には至っていない場合を「C」、析出が多く、溝部が閉塞している場合を「D」とした。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1に示す結果から、幅wが1~5mm、深さhが1~5mm、角度αが95~110°、曲率半径rが0.2~5mmの範囲内である試験体A、Bでは、析出がなく、良好な結果であることが確認できた。また、幅hが0.5~10mm、深さhが0.5~10mm、角度αが91~120°、曲率半径rが0.1~10mmの範囲内である試験体C~Fでは、微小な析出があるものの、溝部の閉塞がなく、十分に使用可能な結果であった。角度αが91°以上の試験体G、Hでは、析出がやや多いが、溝部の閉塞には至っておらず、実用上問題ない結果であった。
 1 レドックスフロー電池(RF電池)
 2 セルスタック
 3 セルフレーム
 31 双極板
 32 枠体
 33、34 給液マニホールド
 35、36 排液マニホールド
 33s、34s 給液スリット
 35s、36s 排液スリット
 37 シール部材
 38 シール溝
 40 流路
  41 導入路
  42 排出路
 400 溝部
  410 導入側溝部
  411 導入側整流溝部
  420 排出側溝部
  421 排出側整流溝部
 51 側壁
  510幅狭部
 52 底壁
 53 開口部
 54 角部
 100 セル
 101 隔膜
 102 正極セル
 103 負極セル
 100P 正極用循環機構
 100N 負極用循環機構
 104 正極電極
 105 負極電極
 106 正極電解液用タンク
 107 負極電解液用タンク
 108、109、110、111 導管
 112、113 ポンプ
 200 サブスタック
 210 給排板
 220 エンドプレート
 230 締付機構

Claims (12)

  1.  レドックスフロー電池の正極電極と負極電極との間に配置される双極板であって、
     前記双極板における前記正極電極及び前記負極電極の少なくとも一方の電極に対向する面に、電解液が流通する少なくとも1つの溝部を有し、
     前記溝部は、前記電解液の流通方向に直交する断面において、互いに対向する一対の側壁を有し、
     前記溝部の深さ方向の少なくとも一部に、前記側壁の間隔が深さ方向に狭くなる幅狭部を有する双極板。
  2.  前記溝部は、底壁を有し、
     前記底壁は、前記双極板の表面に平行な平坦面を有する請求項1に記載の双極板。
  3.  少なくとも一方の前記側壁と前記底壁とのなす角度が91°以上120°以下である請求項2に記載の双極板。
  4.  少なくとも一方の前記側壁と前記底壁との角部が曲面状に形成されている請求項2又は請求項3に記載の双極板。
  5.  前記幅狭部において、前記側壁の少なくとも一方は、深さ方向に対して傾斜する傾斜面を有し、前記傾斜面が平面である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の双極板。
  6.  前記幅狭部において、前記側壁の少なくとも一方は、深さ方向に対して傾斜する傾斜面を有し、前記傾斜面が曲面である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の双極板。
  7.  前記溝部は、底壁を有し、
     前記底壁は、前記溝部の深さ方向に突出する曲面を有する請求項1に記載の双極板。
  8.  前記側壁と前記底壁の全面が曲面状に形成されている請求項7に記載の双極板。
  9.  前記溝部の深さ方向の任意の位置における前記側壁の間隔が、その位置よりも開口部側における前記側壁の間隔に対して同等以下である請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の双極板。
  10.  請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の双極板と、前記双極板の外周に設けられる枠体とを備えるセルフレーム。
  11.  請求項10に記載のセルフレームを備えるセルスタック。
  12.  請求項11に記載のセルスタックを備えるレドックスフロー電池。
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