WO2018012294A1 - 導波管フィルタ回路、導波管フィルタ用実装基板および導波管フィルタ - Google Patents

導波管フィルタ回路、導波管フィルタ用実装基板および導波管フィルタ Download PDF

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Abstract

導波管フィルタ(2)が実装基板(3)に実装された導波管フィルタ回路(1)であって、導波管フィルタ(2)は、実装面(2a)に形成された入出力電極(22)と、実装面(2a)に形成されたグランド電極(23)とを備え、実装基板(3)は、入出力パターン(32)と、グランドパターン(33)とを備える。入出力パターン(32)と入出力電極(22)とは、第1はんだ部(S1)を介して接続されている。入出力パターン(32)とグランドパターン(33)との間、および、入出力電極(22)とグランド電極(23)との間のうち少なくとも一方には、ダム部(D1)が設けられている。

Description

導波管フィルタ回路、導波管フィルタ用実装基板および導波管フィルタ
 本発明は、導波管フィルタが実装された実装基板を備える導波管フィルタ回路、導波管フィルタ用実装基板、および、導波管フィルタに関する。
 従来、TE(Transverse Electric)モードの導波管共振器を複数結合して、所望の周波数特性を得る導波管フィルタが知られている。
 特許文献1には、複数の誘電体共振器を有する導波管フィルタと、この導波管フィルタを実装する実装基板とを備える導波管フィルタ回路が開示されている。導波管フィルタは、実装基板側の主面である実装面に形成された一対の入出力電極と、実装面に形成されたグランド電極とを備えている。実装基板は、導波管フィルタの入出力電極に対応する形状を有する一対の入出力パターンと、グランドパターンとを備えている。
特開2003-110307号公報
 しかしながら、特許文献1に記載された導波管フィルタでは、はんだを用いて導波管フィルタを実装基板に実装した際に、はんだが、入出力電極をつたってグランド電極およびグランドパターンへ流れ込む場合がある。はんだの流れ込み量が多くなると、入出力電極と入出力パターンとの間のはんだ量が不足し、導波管フィルタ回路の特性が劣化するという問題が起こり得る。
 本発明は、上記問題を解決するものであり、導波管フィルタの入出力電極と実装基板の入出力パターンとの間のはんだ量不足を抑制し、導波管フィルタ回路の特性劣化を抑制することを目的とする。
 上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る導波管フィルタ回路は、導波管フィルタと、前記導波管フィルタが実装された実装基板とを備える導波管フィルタ回路であって、前記導波管フィルタは、前記実装基板側の主面である実装面に形成された入出力電極と、前記実装面に形成されたグランド電極と、を備え、前記実装基板は、前記入出力電極に対応する形状を有する入出力パターンと、グランドパターンと、を備え、前記入出力パターンと前記入出力電極とは、はんだ材料を含む第1はんだ部を介して接続され、前記入出力パターンと前記グランドパターンとの間、および、前記入出力電極と前記グランド電極との間のうち少なくとも一方には、ダム部が設けられている。
 このように、ダム部が、入出力パターンとグランドパターンとの間、および、入出力電極とグランド電極との間のうち少なくとも一方に設けられているので、第1はんだ部のはんだ材料が、グランドパターン側へ流れ込むことを抑制することができる。これにより、入出力電極と入出力パターンとの間のはんだ量不足を抑制し、導波管フィルタ回路の特性劣化を抑制することができる。
 また、前記ダム部は、前記第1はんだ部よりも、前記入出力パターン側から前記グランドパターン側へ向かう方角に位置し、前記第1はんだ部に接していてもよい。
 このように、ダム部が、第1はんだ部よりも、入出力パターンからグランドパターン側へ向かう方角に位置し、第1はんだ部に接しているので、第1はんだ部のはんだ材料が、グランドパターン側へ流れ込むことを抑制することができる。これにより、入出力電極と入出力パターンとの間のはんだ量不足を抑制し、導波管フィルタ回路の特性劣化を抑制することができる。
 また、前記ダム部は、前記入出力パターンと前記グランドパターンとの間であって、前記入出力パターンおよび前記グランドパターンの信号伝送経路上に配置されていてもよい。
 これによれば、第1はんだ部のはんだ材料が、信号伝送経路上をつたってグランドパターン側へ流れ込むことを抑制することができる。これにより、入出力電極と入出力パターンとの間のはんだ量不足を抑制し、導波管フィルタ回路の特性劣化を抑制することができる。
 また、前記ダム部は、前記実装基板に形成されるレジストパターンの一部であってもよい。
 このようにダム部をレジストで形成することで、実装時のはんだ材料の流れ込みを抑制することができる。また、実装基板へのレジストパターン形成と同時にダム部を形成することが可能となり、生産効率の低下を抑制することができる。
 また、前記ダム部は、前記はんだ材料よりも融点が高くてもよい。
 これにより、例えば、はんだリフローを行って、はんだ材料を溶融させた場合であっても、ダム部の固化状態を維持することができ、はんだの流れ込みを抑制することができる。
 また、前記入出力パターンの幅よりも、信号伝搬方向において前記入出力パターンに接続する前記グランドパターンの幅のほうが大きくてもよい。
 このように、入出力パターンよりも幅が大きいダム部を用いることで、はんだ材料の流れ込みをさらに抑制することができる。
 また、前記入出力パターンまたは前記グランドパターンは、信号を、TEMモードからTEモードまたはTEモードからTEMモードに変換するモード変換部を有し、前記ダム部は、前記モード変換部に設けられていてもよい。
 これによれば、モード変換部におけるはんだ量不足を抑制し、導波管フィルタ回路の特性劣化を抑制することができる。
 また、前記グランド電極は、前記グランドパターンに、はんだ材料を含む複数の第2はんだ部を介して接続されていてもよい。
 これによれば、導波管フィルタと実装基板との固着強度を向上することができる。
 また、前記複数の第2はんだ部のそれぞれは、前記導波管フィルタの側面の一部領域および前記実装面の一部領域の前記グランド電極に接続するフィレット部と、前記フィレット部よりも、前記導波管フィルタの前記実装面の内側に位置する領域の前記グランド電極に接続する内側底部とを有していてもよい。
 このように、第2はんだ部を、フィレット部および内側底部で構成することで、フィレット部における、実装面へのはんだの流れ込みを抑制しつつ、導波管フィルタを実装基板に固定することができる。また、内側底部をフィレット部と異なる箇所に設けることで、導波管フィルタと実装基板との固着強度をさらに向上させることができる。
 また、前記実装基板の前記グランドパターン上には、開口部を有するレジストパターンが形成され、前記開口部は、前記導波管フィルタが実装された前記実装基板を平面視した場合に、前記導波管フィルタの外縁と重なり、前記開口部には、前記第2はんだ部の前記フィレット部が形成されていてもよい。
 このように、開口部を有するレジストパターンを形成し、開口部にフィレット部を形成することで、フィレット部の水平方向の位置が固定されるので、はんだの流れ込みを抑制することができる。
 また、本発明の一態様に係る導波管フィルタ用実装基板は、入出力電極およびグランド電極を備える導波管フィルタを実装するための実装基板であって、前記導波管フィルタの前記入出力電極に対応する形状を有する入出力パターンと、グランドパターンと、前記入出力パターンと前記グランドパターンとの間であって、前記入出力パターンおよび前記グランドパターンの信号伝送経路上に配置されたダム部と、を備える。
 これによれば、導波管フィルタを、はんだを用いて実装基板に実装した場合に、はんだ材料が、グランドパターン側へ流れ込むことを抑制することができる。これにより、導波管フィルタの入出力電極と入出力パターンとの間のはんだ量不足を抑制することができ、導波管フィルタ回路の特性劣化を抑制することが可能となる。
 また、前記実装基板の前記入出力パターン上および前記グランドパターン上には、所定形状を有するレジストパターンが形成され、前記ダム部は、前記レジストパターンの一部であってもよい。
 このようにダム部をレジストで形成することで、実装時のはんだ材料の流れ込みを抑制することができる。また、実装基板のレジストパターンと同時にダム部を形成することができるので、生産効率の低下を抑制することができる。
 また、本発明の一態様に係る導波管フィルタは、実装面に形成された入出力電極と、前記実装面に形成されたグランド電極と、前記入出力電極と前記グランド電極との間であって、前記入出力電極および前記グランド電極の信号伝送経路上に配置されたダム部と、を備える。
 この構造により、導波管フィルタを、はんだを用いて実装基板に実装した場合に、はんだ材料が、グランド電極側へ流れ込むことを抑制することができる。これにより、入出力電極と実装基板の入出力パターンとの間のはんだ量不足を抑制することができ、導波管フィルタ回路の特性劣化を抑制することが可能となる。
 本発明によれば、導波管フィルタの入出力電極と実装基板の入出力パターンとの間のはんだ量不足を抑制し、導波管フィルタ回路の特性劣化を抑制することができる。
図1は、実施の形態1に係る導波管フィルタ回路を示す外観斜視図である。 図2の(a)は実施の形態1に係る導波管フィルタを裏面から見た外観斜視図であり、図2の(b)は実施の形態1に係る実装基板の外観斜視図である。 図3は、実施の形態1に係る導波管フィルタの底面図である。 図4は、実施の形態1に係る実装基板の平面図である。 図5Aは、実施の形態1に係る実装基板の平面図であって、基板本体に入出力パターンおよびグランドパターンが形成された状態を示す図である。 図5Bは、実施の形態1に係る実装基板の平面図であって、基板本体に、入出力パターン、グランドパターンおよびレジストが形成された状態を示す図である。 図5Cは、実施の形態1に係る実装基板の平面図であって、基板本体に、入出力パターン、グランドパターン、レジストおよびはんだが形成された状態を示す図である。 図6は、実施の形態1に係る導波管フィルタ回路の一部の断面を模式的に示す図であって、図4のVI-VI線の位置の断面を示す図である。 図7Aは、実施の形態1に係る実装基板の一部の断面を模式的に示す図である。 図7Bは、図7Aに示す実装基板に、導波管フィルタを搭載した直後の状態を示す図である。 図8Aは、実施の形態1の変形例1に係る実装基板の平面図である。 図8Bは、実施の形態1の変形例2に係る実装基板の平面図である。 図9は、実施の形態1の変形例3に係る実装基板の平面図である。 図10は、実施の形態2に係る導波管フィルタを裏面から見た斜視図である。 図11Aは、実施の形態3に係る高周波フロントエンド回路およびその周辺回路を示す回路図である。 図11Bは、実施の形態3の変形例に係る高周波フロントエンド回路を示す回路図である。 図11Cは、実施の形態3の他の変形例に係る高周波フロントエンド回路を示す回路図である。 図12Aは、実施の形態4に係るMassive MIMOシステムを示す回路図である。 図12Bは、実施の形態4に係るMassive MIMOシステムのアンテナ装置の平面図である。
 以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面に示される構成要素の大きさ、または大きさの比は、必ずしも厳密ではない。
 (実施の形態1)
 [1.1 導波管フィルタ回路の概要]
 まず、導波管フィルタ回路の概要について説明する。
 図1は、実施の形態1に係る導波管フィルタ回路1を示す外観斜視図である。図2の(a)は、導波管フィルタを裏面(実装面)から見た外観斜視図であり、図2の(b)は、実装基板の外観斜視図である。
 実施の形態1に係る導波管フィルタ回路1は、図1に示すように、導波管フィルタ2と、導波管フィルタ2が実装された実装基板3とにより構成される。導波管フィルタ2は、はんだ材料を含む複数のはんだ部を介して、実装基板3に固定されている。
 導波管フィルタ2は、図2の(a)に示すように、実装面2aに形成された一対の入出力電極22と、一対の入出力電極22それぞれの一端(内側端部)22bと接続するように、実装面2aを含む外表面に形成されたグランド電極23とを備えている。グランド電極23は、入出力電極22の信号の伝搬方向に配置され、入出力電極22に接続されている。
 実装基板3は、図2の(b)に示すように、導波管フィルタ2の一対の入出力電極22に対向し、一対の入出力電極22に対応する形状を有する一対の入出力パターン32と、一対の入出力パターン32それぞれの一端(内側端部)32bと接続するグランドパターン33とを備えている。グランドパターン33は、入出力パターン32の信号の伝搬方向に配置され、入出力パターン32に接続されている。
 実装基板3の入出力パターン32と導波管フィルタ2の入出力電極22とは、はんだ材料を含む第1はんだ部S1を介して接続される。
 実装基板3の入出力パターン32またはグランドパターン33と、導波管フィルタ2の入出力電極22またはグランド電極23と、の間には、はんだ材料よりも融点が高いダム部D1が設けられている。ダム部D1は、第1はんだ部S1よりも、入出力パターン32側からグランドパターン33側へ向かう方角に位置しており、第1はんだ部S1に接している。
 実施の形態1に係る導波管フィルタ回路1では、ダム部D1が、入出力パターン32とグランドパターン33との間、および、入出力電極22とグランド電極23との間のうち少なくとも一方に設けられているので、第1はんだ部S1のはんだ材料が、グランドパターン33側へ流れ込むことを抑制することができる。これにより、入出力電極22と入出力パターン32との間のはんだ量不足を抑制し、導波管フィルタ回路1の特性劣化を抑制することができる。
 [1.2 導波管フィルタ回路の各構成の説明]
 前述したように、導波管フィルタ回路1は、導波管フィルタ2と実装基板3とを備えている。
 まず、導波管フィルタ2について説明する。図3は、導波管フィルタ2の底面図である。
 導波管フィルタ2は、図1および図3に示すように、複数の共振器7a、7b、7c、7d、7e、7f、7g、7hを備えている。複数の共振器7a~7hは、図1に示す結合窓8を介して相互に結合されている。なお、本実施の形態における導波管フィルタ2は、4つの共振器7a~7dからなる第1共振部5と、4つの共振器7e~7hからなる第2共振部6とにより構成されている。第1共振部5および第2共振部6は、対向する側面電極(グランド電極)が、導電性接合材によって互いに接合されている。
 導波管フィルタ2は、フィルタ本体21と、一対の入出力電極22と、グランド電極23とを備えている。
 フィルタ本体21は、水晶またはセラミックなどの誘電体材料を含む。一対の入出力電極22およびグランド電極23は、Agを主成分とする導体材料を含む。
 一対の入出力電極22は、導波管フィルタ2の実装面2a(実装時において実装基板3の第1主面3aと対向する主面)に形成されている。一対の入出力電極22は、幅が一定であり、長手方向の一部分で屈曲している。一対の入出力電極22は、共振器7a、7hそれぞれの中心から見て、外側に位置する外側端部22aと、外側端部22aよりも内側に位置する内側端部22bとを有している。外側端部22aは開放端であり、内側端部22bはグランド電極23に接続されている。
 以下、一対の入出力電極22のうち、共振器7aの入出力電極22を代表例に挙げて説明する。なお、共振器7hの入出力電極22も、共振器7aの入出力電極22と同様の構成を有している。
 共振器7aの側面2bには、導体膜が形成されていない露出側面部29が設けられている。入出力電極22の外側端部22aは、露出側面部29と実装面2aとにより形成される稜線(下の角)、または、この稜線からわずかに内側に入った位置を起点としている。入出力電極22は、外側端部22aからX方向(露出側面部29と垂直な方向)に引き出され、途中で共振器7aの中心方向に折れ曲がり、内側端部22bまで延びるように形成されている。
 グランド電極23は、実装面2a、側面2b、天面2cからなる外表面のうちの、入出力電極22以外の所定領域を覆うように形成されている。入出力電極22とグランド電極23との間には、導体膜が形成されずにフィルタ本体21が露出している第1ギャップ部25aおよび第2ギャップ部25bが設けられている。
 第1ギャップ部25aおよび第2ギャップ部25bのそれぞれは、入出力電極22の外側端部22aから内側端部22bに沿って形成され、さらに、グランド電極23の一部に切れ込むように形成されている。第1ギャップ部25aおよび第2ギャップ部25bに挟まれたギャップ間のグランド電極23aは、長方形状であり、入出力電極22よりも幅が広い。具体的には、ギャップ間のグランド電極23aは、長方形形状をした角部が入出力電極22の内側端部22bに接続され、角部から長方形形状の中心に向かって、幅が徐々に広がっている。
 ここで、第1ギャップ部25aおよび第2ギャップ部25bに挟まれた領域に存在する入出力電極22およびギャップ間のグランド電極23aを、モード変換部26と呼ぶ。導波管フィルタ2では、このモード変換部26にて、伝送信号がTEMモードからTEモードまたはTEモードからTEMモードに変換される。入出力電極22のはんだ接合ばらつきを小さくすることで、モード変換部26における信号変換が安定化し、導波管フィルタ回路1の特性劣化を抑制することができる。
 次に、実装基板3について説明する。図4は、実装基板3の平面図である。
 実装基板3は、図2の(b)および図4に示すように、基板本体31と、一対の入出力パターン32と、グランドパターン33と、第1はんだ部S1と、ダム部D1とを備えている。
 基板本体31は、Q値が高い有機材料を含む。基板本体31は、有機材料に限られず、セラミック材料により形成されていてもよい。一対の入出力パターン32、グランドパターン33およびビア導体38は、Cuを主成分とする導体材料を含む。第1はんだ部S1は、Snなどを含むはんだ材料により形成されている。ダム部D1としては、例えばグリーンレジストのように、はんだ材料より融点が高い材料、また、はんだ材料に対する濡れ性が低い材料が用いられる。
 実装基板3は、コプレーナ構造を有し、第1主面3aに形成された入出力パターン32と、入出力パターン32を囲むグランドパターン33とにより構成される。また、実装基板3は、第1主面3aと背向する第2主面(裏面)3bにもグランドパターン37を有している。第1主面3aのグランドパターン33と第2主面3bのグランドパターン37は、複数のビア導体38により接続されている。
 図5Aは、実装基板3の平面図であって、基板本体31に入出力パターン32およびグランドパターン33が形成された状態を示す図である。
 一対の入出力パターン32は、導波管フィルタ2の入出力電極22に対応する形状を有している。すなわち、一対の入出力パターン32は、幅が一定であり、長手方向の一部分で屈曲している。一対の入出力パターン32は、導波管フィルタ2が実装される実装領域MAの中心から見て外側に位置する外側端部32aと、外側端部32aよりも内側に位置する内側端部32bとを有している。外側端部32aは外部機器と接続される伝送線路39に繋がっており、内側端部32bはグランドパターン33に接続されている。入出力パターン32の長さは、例えば、導波管フィルタ回路1の使用周波数において、0.1λ程度である。
 以下、一対の入出力パターン32のうち、共振器7aの入出力電極22に対応する入出力パターン32を代表例に挙げて説明する。なお、共振器7hの入出力電極22に対応する入出力パターン32も、同様の構成を有している。
 入出力パターン32の外側端部32aは、伝送線路39と交差する実装領域MAの外縁部分MA1、または、この外縁部分MA1からわずかに内側に入った位置を起点としている。入出力パターン32は、外側端部32aからX方向(伝送線路39の長手方向と同じ方向)に引き出され、途中で実装領域MAの内部に向けて折れ曲がり、内側端部32bまで延びるように形成されている。
 グランドパターン33は、第1主面3aのうちの、入出力パターン32以外の所定領域を覆うように形成されている。入出力パターン32とグランドパターン33との間には、導体パターンが形成されずに基板本体31が露出している第1ギャップ部35aおよび第2ギャップ部35bが設けられている。
 第1ギャップ部35aおよび第2ギャップ部35bのそれぞれは、入出力パターン32の外側端部32aから内側端部32bに沿って形成され、さらに、グランドパターン33の一部に切れ込むように形成されている。第1ギャップ部35aおよび第2ギャップ部35bに挟まれたギャップ間のグランドパターン33aは、長方形状であり、入出力パターン32よりも幅が広い。具体的には、ギャップ間のグランドパターン33aは、長方形形状をした角部が入出力パターン32の内側端部32bに接続され、角部から長方形形状の中心に向かって、幅が徐々に広がっている。ギャップ間のグランドパターン33aには、ビア導体38が直接接続されておらず、ギャップ間以外の領域のグランドパターン33にビア導体38が接続されている。
 ここで、第1ギャップ部35aおよび第2ギャップ部35bに挟まれた領域に存在する入出力パターン32およびギャップ間のグランドパターン33aを、モード変換部36と呼ぶ。実装基板3では、このモード変換部36にて、伝送信号がTEMモードからTEモードまたはTEモードからTEMモードに変換される。入出力パターン32のはんだ接合ばらつきを小さくすることで、モード変換部36における信号変換が安定化し、導波管フィルタ回路1の特性劣化を抑制することができる。
 図5Bは、基板本体31に、はんだを除く、入出力パターン32、グランドパターン33およびレジスト(45°傾斜ハッチングで示す部分)が形成された状態を示す図である。図5Cは、図5Bに示す基板本体31に、さらに、はんだ(-45°傾斜ハッチングで示す部分)が形成された状態を示す図である。図6は、導波管フィルタ回路1の一部の断面を模式的に示す図であって、図4のVI-VI線の位置の断面を示す図である。
 前述したように、本実施の形態に係る実装基板3は、第1はんだ部S1とダム部D1とを備えている。
 ダム部D1は、図6に示すように、高さ方向(Z方向)において、実装基板3の入出力パターン32またはグランドパターン33と、導波管フィルタ2との間に設けられている。また、ダム部D1は、図5Bに示すように、水平方向(XY面に平行な方向)において、入出力パターン32の内側端部32b上に設けられている。
 なお、ダム部D1が設けられる位置は、内側端部32b上に限られず、実装基板3の入出力パターン32とグランドパターン33との間であって、入出力パターン32およびグランドパターン33の信号伝送経路上であればよい。ここで、入出力パターン32とグランドパターン33との間とは、入出力パターン32およびグランドパターン33(ギャップ間のグランドパターン33a)を含み、入出力パターン32の外側端部32aを含まない領域であることを意味する。すなわち、ダム部D1は、外側端部32aを除くモード変換部36に設けられていればよい。
 ダム部D1は、実装基板3に形成されるレジストパターンR1の一部である。ダム部D1の幅は、入出力パターン32の幅と同じ、または、入出力パターン32の幅よりも大きいことが望ましい。ダム部D1の高さ寸法は、実装基板3および導波管フィルタ2の間隔と同じであることが望ましい。ただし、ダム部D1の高さ寸法は上記の間隔に限られない。ダム部D1は、入出力パターン32上またはグランドパターン33上から導波管フィルタ2に向けて突出していればよい。また、ダム部D1は、上記のように実装基板3側に配置される場合に限られず、入出力電極22上またはグランド電極23上に設けられ、実装基板3に向けて突出していてもよい。
 第1はんだ部S1は、図5Cおよび図6に示すように、入出力パターン32と入出力電極22との間に位置し、入出力パターン32と入出力電極22とを接続する。本実施の形態において、第1はんだ部S1は、内側端部32bを除き、外側端部32aを含む入出力パターン32上に形成されている。すなわち、第1はんだ部S1は、ダム部D1よりも、グランドパターン33側から入出力パターン32側へ向かう方角に位置し、ダム部D1に接している。換言すれば、ダム部D1は、第1はんだ部S1よりも、入出力パターン32側からグランドパターン33側へ向かう方角に位置し、第1はんだ部S1に接している。
 [1.3 導波管フィルタ回路の製造方法]
 次に、導波管フィルタ回路1の製造方法について説明する。図7Aは、実装基板3の一部の断面を模式的に示す図である。図7Bは、図7Aに示す実装基板3に、導波管フィルタ2を搭載した直後の状態を示す図である。
 まず、図7Aに示すように、実装基板3の入出力パターン32とグランドパターン33との間に、ダム部D1を形成する。本実施の形態では、ダム部D1は、入出力パターン32の内側端部32b上に形成される。ダム部D1は、実装基板3に形成されるレジストパターンR1の一部であり、所定パターンを有するマスクを用いて印刷形成される。
 なお、図7Aに示す工程では、ダム部D1と同時に、外側レジストR2も形成している。外側レジストR2は、導波管フィルタ2の実装領域MAの外縁の外側であって、入出力パターン32に繋がっている伝送線路39上に形成される。
 次に、実装基板3の入出力パターン32上に、第1はんだ部S1となるはんだペーストS1aを形成する。本実施の形態では、第1はんだ部S1は、内側端部32bを除き、外側端部32aを含む入出力パターン32上に形成される。はんだペーストS1aは、所定パターンを有するマスクを用いて印刷形成される。
 次に、図7Bに示すように、実装基板3上に導波管フィルタ2を搭載する。その際、実装基板3の入出力パターン32が、導波管フィルタ2の入出力電極22に接続するように配置される。その後、導波管フィルタ2が搭載された実装基板3をリフローする。
 リフロー後、図6に示すように、入出力パターン32と入出力電極22とが、第1はんだ部S1を介して接合される。その際、加熱されたはんだペーストS1aは一旦溶融するが、隣接するダム部D1に堰きとめられ、ダム部D1よりもグランドパターン33側に移動しないようになっている。これにより、入出力電極22と入出力パターン32との間のはんだ量不足を抑制し、導波管フィルタ回路1の特性劣化を抑制することができる。
 [1.4 効果等]
 本実施の形態に係る導波管フィルタ回路1は、導波管フィルタ2と、導波管フィルタ2が実装された実装基板3とを備え、導波管フィルタ2は、実装基板3側の主面である実装面2aに形成された入出力電極22と、実装面2aに形成されたグランド電極23と、を備えている。実装基板3は、入出力電極22に対向し、入出力電極22に対応する形状を有する入出力パターン32と、入出力パターン32の一端32bと接続するグランドパターン33と、を備えている。入出力パターン32と入出力電極22とは、はんだ材料を含む第1はんだ部S1を介して接続される。入出力パターン32とグランドパターン33との間、および、入出力電極22とグランド電極23との間の少なくとも一方には、ダム部D1が設けられている。また、ダム部D1は、高さ方向において入出力パターン32またはグランドパターン33と、入出力電極22またはグランド電極23と、の間に設けられ、水平方向において第1はんだ部S1よりも、入出力パターン32側からグランドパターン33側へ向かう方角に位置し、第1はんだ部S1に接している。
 この構造により、第1はんだ部S1のはんだ材料が、グランドパターン33側またはグランド電極23側へ流れ込むことを抑制することができる。例えば、入出力電極22とグランド電極23とが繋がって接続されている場合、または、入出力パターン32とグランドパターン33とが繋がって接続されている場合のように、はんだの流出経路が存在する場合であっても、導波管フィルタ回路1がダム部D1を有することで、はんだの流れ込みを抑制することができる。これにより、入出力電極22と入出力パターン32との間のはんだ量不足を抑制することができる。入出力電極22と入出力パターン32との間のはんだ量を確保することで、例えば、入出力電極22の外側端部22aがオープンスタブとなるような不具合を解消することができる。これにより、導波管フィルタ回路1の特性劣化を抑制することができる。
 また、本実施の形態に係る導波管フィルタ用実装基板3は、導波管フィルタ2の入出力電極22に対応する形状を有する入出力パターン32と、グランドパターン33と、入出力パターン32とグランドパターン33との間であって、入出力パターン32およびグランドパターン33の信号伝送経路上に配置されたダム部D1とを備える。
 この構造により、導波管フィルタ2を、はんだを用いて実装基板3に実装した場合に、はんだ材料が、グランドパターン33側へ流れ込むことを抑制することができる。これにより、導波管フィルタ2の入出力電極22と入出力パターン32との間のはんだ量不足を抑制することができ、導波管フィルタ回路1の特性劣化を抑制することが可能となる。
 [1.5 実施の形態1の変形例1]
 図8Aは、実施の形態1の変形例1に係る実装基板3Aの平面図である。
 ダム部D1は、図8Aに示すように、入出力パターン32上の外側端部32aと内側端部32bとの中間位置に設けられている。すなわち、ダム部D1は、入出力パターン32とグランドパターン33との間であって、入出力パターン32およびグランドパターン33の信号伝送経路上に設けられている。この場合、第1はんだ部S1は、ダム部D1よりも外側に位置する入出力パターン32上に設けられる。
 変形例1に係る導波管フィルタ回路1においても、ダム部D1により、はんだの流れ込みを抑制することができ、実施の形態1に準ずる効果を得ることができる。
 [1.6 実施の形態1の変形例2]
 図8Bは、実施の形態1の変形例2に係る実装基板3Bの平面図である。
 ダム部D1、図8Bに示すように、ギャップ間のグランドパターン33a上に設けられている。すなわち、ダム部D1は、入出力パターン32とグランドパターン33との間であって、入出力パターン32およびグランドパターン33の信号伝送経路上に設けられている。この場合、第1はんだ部S1は、ダム部D1よりも外側に位置するギャップ間のグランドパターン33a上および入出力パターン32上に設けられる。
 変形例2に係る導波管フィルタ回路1においても、ダム部D1により、はんだの流れ込みを抑制することができ、実施の形態1に準ずる効果を得ることができる。
 [1.7 実施の形態1の変形例3]
 図9は、実施の形態1の変形例3に係る実装基板3Cの平面図である。
 導波管フィルタ2は、複数の第2はんだ部S2によって実装基板3に固定されるが、変形例3に係る実装基板3では、第2はんだ部S2の配置位置を以下の構成とすることで、固着強度を向上させている。
 変形例3に係る複数の第2はんだ部S2のそれぞれは、フィレット部S2aと内側底部S2bという1組のはんだ部により構成されている。フィレット部S2aは、導波管フィルタ2の側面2bの一部領域および実装面2aの一部領域のグランド電極23に接続する部分である。内側底部S2bは、フィレット部S2aよりも、導波管フィルタ2の実装面2aの内側に位置する領域のグランド電極23に接続する部分である。
 この第2はんだ部S2のフィレット部S2aおよび内側底部S2bは、レジストパターンR1の開口に、はんだペーストを印刷することで形成される。
 レジストパターンR1の開口部R3aは、導波管フィルタ2が実装された実装基板3を平面視した場合に、導波管フィルタ2の外縁と重なっている。一方の開口部R3aには、フィレット部S2aが形成され、もう一方の開口部R3bには内側底部S2bが形成される。
 変形例3では、第2はんだ部S2を、フィレット部S2aおよび内側底部S2bで構成することで、フィレット部S2aにおける、実装面2aへのはんだの流れ込みを抑制しつつ、導波管フィルタ2を実装基板3に固定することができる。また、内側底部S2bをフィレット部S2aと異なる箇所に設けることで、導波管フィルタ2と実装基板3との固着強度をさらに向上させることができる。また、開口部R3aを有するレジストパターンR1を形成し、開口部R3aにフィレット部S2aを形成することで、フィレット部S2aの位置が固定されるので、はんだの流れ込みを抑制することができる。
 (実施の形態2)
 図10は、実施の形態2に係る導波管フィルタ2Aを裏面(実装面)から見た斜視図である。
 実施の形態2に係る導波管フィルタ2Aは、ダム部D2が、実装基板3でなく、導波管フィルタ2に設けられている。
 導波管フィルタ2Aは、実装面2aに形成された入出力電極22と、入出力電極22の一端22bと接続するように、実装面2aを含む外表面に形成されたグランド電極23とを備えている。そして、ダム部D2が、入出力電極22の内側端部22b上に設けられている。
 なお、ダム部D2が設けられる位置は、入出力電極22の内側端部22b上に限られず、入出力電極22とグランド電極23との間であって、入出力電極22およびグランド電極23の信号伝送経路上であればよい。ここで、入出力電極22とグランド電極23との間とは、入出力電極22およびグランド電極23(ギャップ間のグランド電極23a)を含み、入出力電極22の外側端部22aを含まない領域であることを意味する。すなわち、ダム部D2は、外側端部22aを除くモード変換部26に設けられていればよい。
 ダム部D2としては、実装基板3に形成されるレジストパターンR1と同じ材料が用いられる。ダム部D2の幅は、入出力電極22の幅と同じ、または、入出力電極22の幅よりも大きいことが望ましい。ダム部D2の高さ寸法は、実装基板3および導波管フィルタ2Aの間隔と同じであることが望ましい。ただし、ダム部D2の高さ寸法は上記の間隔に限られない。
 実施の形態2では、導波管フィルタ2Aを、はんだを用いて実装基板3に実装した場合に、はんだ材料が、グランド電極23側(またはグランドパターン33側)へ流れ込むことを抑制することができる。これにより、入出力電極22と実装基板3の入出力パターン32との間のはんだ量不足を抑制することができ、導波管フィルタ回路1の特性劣化を抑制することが可能となる。
 なお、導波管フィルタ2Aには、ダム部D2に加え、はんだ部が形成されていてもよい。すなわち、導波管フィルタ2Aのはんだ部が、ダム部D2よりも、グランド電極23側から入出力電極22側へ向かう方角に位置し、ダム部D2に接して形成されていてもよい。
 (実施の形態3)
 本実施の形態では、実施の形態1および2に係る導波管フィルタを備える高周波フロントエンド回路50A等について説明する。
 [3.1 高周波フロントエンド回路の構成]
 図11Aは、実施の形態3に係る高周波フロントエンド回路50Aおよびその周辺回路を示す回路図である。同図には、高周波フロントエンド回路50Aと、アンテナ素子53と、RF信号処理回路91と、ベースバンド信号処理回路92とが示されている。
 高周波フロントエンド回路50Aは、フィルタ61、62および63と、スイッチ回路70と、パワーアンプ回路81と、ローノイズアンプ回路82とを備える。
 パワーアンプ回路81は、RF信号処理回路91から出力された高周波送信信号を増幅し、スイッチ回路70およびフィルタ61を経由してアンテナ素子53に出力する送信増幅回路である。
 ローノイズアンプ回路82は、アンテナ素子53、フィルタ61およびスイッチ回路70を経由した高周波信号を増幅し、RF信号処理回路91へ出力する受信増幅回路である。
 フィルタ61は、アンテナ素子53に接続され、例えば、送信帯域および受信帯域の高周波信号を選択的に通過させるアンテナフィルタである。フィルタ62は、パワーアンプ回路81とRF信号処理回路91との間に配置され、送信帯域の高周波信号を選択的に通過させる段間フィルタである。フィルタ63は、ローノイズアンプ回路82とRF信号処理回路91との間に配置され、受信帯域の高周波信号を選択的に通過させる段間フィルタである。
 スイッチ回路70は、アンテナ素子53と送信信号経路および受信信号経路との接続を切り替えるスイッチである。
 RF信号処理回路91は、アンテナ素子53から受信信号経路を介して入力された高周波受信信号を、ダウンコンバートなどにより信号処理し、当該信号処理して生成された受信信号をベースバンド信号処理回路92へ出力する。RF信号処理回路91は、例えば、RFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)である。また、RF信号処理回路91は、ベースバンド信号処理回路92から入力された送信信号をアップコンバートなどにより信号処理し、当該信号処理して生成された高周波送信信号をパワーアンプ回路81へ出力する。
 ベースバンド信号処理回路92で処理された信号は、例えば、画像信号として画像表示のために、または、音声信号として通話のために使用される。
 なお、高周波フロントエンド回路50Aは、フィルタ61、62および63、スイッチ回路70、パワーアンプ回路81、ならびにローノイズアンプ回路82の間に、他の回路素子を備えていてもよい。
 図11Bは、変形例に係る高周波フロントエンド回路50Bを示す回路図である。例えば、TDD(Time Division Duplex)方式で通信を行う場合、高周波フロントエンド回路50Bは、サーキュレータ71を有し、送信時にスイッチ回路72が50オームに終端され、受信時にスイッチ回路72がローノイズアンプ回路82側に接続される回路構成であってもよい。
 図11Cは、他の変形例に係る高周波フロントエンド回路50Cを示す回路図である。例えば、TDD方式で通信を行う場合、高周波フロントエンド回路50Cは、サーキュレータ73の第3ポートを終端してアイソレータとする回路構成であってもよい。
 ここで、本実施の形態に係る高周波フロントエンド回路50A、50B、50Cでは、フィルタ61、62および63として、実施の形態1および2ならびにその変形例に示された導波管フィルタを用いることができる。
 上記構成によれば、フィルタ61、62および63のいずれかにおいてフィルタ特性のばらつきが抑制されるので、高周波特性のばらつきが低減された高周波フロントエンド回路を実現することが可能となる。
 (実施の形態4)
 本実施の形態では、実施の形態1および2に係る導波管フィルタを備えるMassive MIMOシステムを例示する。
 5G(第5世代移動通信システム)で有望な無線伝送技術の1つは、ファントムセルとMassive MIMOシステムとの組み合わせである。ファントムセルは、低い周波数帯のマクロセルと高い周波数帯のスモールセルとの間で通信の安定性を確保するための制御信号と、高速データ通信の対象であるデータ信号とを分離するネットワーク構成である。各ファントムセルにMassive MIMOのアンテナ装置が設けられる。Massive MIMOシステムは、ミリ波帯等において伝送品質を向上させるための技術であり、各アンテナ素子から送信される信号を制御することで、当該アンテナ素子の指向性を制御する。また、Massive MIMOシステムは、多数のアンテナ素子を用いるため、鋭い指向性のビームを生成することができる。ビームの指向性を高めることで高い周波数帯でも電波をある程度遠くまで飛ばすことができるとともに、セル間の干渉を減らして周波数利用効率を高めることができる。
 図12Aは、実施の形態4に係るMassive MIMOシステムを示す回路図である。また、図12Bは、実施の形態4に係るMassive MIMOシステムのアンテナ装置の平面図である。
 図12Bに示されたアンテナ装置51は、図12Aに示されたMassive MIMOシステムで用いられる。アンテナ装置51は、行列状に配列された複数のパッチアンテナ52を備える。図12Aは、アンテナ装置51を含む高周波フロントエンド回路50Dの構成を示す図である。この高周波フロントエンド回路50Dは、本実施の形態に係るMassive MIMOシステムである。パッチアンテナ52には、帯域通過型のフィルタ61a、61bおよび61cが接続されている。フィルタ61aとパワーアンプ回路81aおよびローノイズアンプ回路82aとの間には、スイッチ回路70aが接続されている。フィルタ61bとパワーアンプ回路81bおよびローノイズアンプ回路82bとの間には、スイッチ回路70bが接続されている。フィルタ61cとパワーアンプ回路81cおよびローノイズアンプ回路82cとの間には、スイッチ回路70cが接続されている。ローノイズアンプ回路82a、82bおよび82cは、ベースバンド信号処理回路92に接続されている。ベースバンド信号処理回路92とパワーアンプ回路81aとの間には、帯域通過型のフィルタ62aおよびミキサ94aが接続されている。ベースバンド信号処理回路92とパワーアンプ回路81bとの間には、帯域通過型のフィルタ62bよびミキサ94bが接続されている。ベースバンド信号処理回路92とパワーアンプ回路81cとの間には、帯域通過型のフィルタ62cおよびミキサ94cが接続されている。ミキサ94a、94bおよび94cには、ローカルオシレータ93が接続されている。ローカルオシレータ93は、ミキサ94a~94cにおいて高い周波数へアップコンバート、低い周波数へダウンコンバートするための基準周波数を、ミキサ94a~94cへ出力する。アンテナフィルタのみで事足りて、段間フィルタが必要ない場合、Switch以下はRFICの中に取り込んで1つとしてもかまわない。或いは、図11Aのようにミキサ以下をRFICに取り込んでも構わない。
 フィルタ61a~61cは、送受信周波数帯域を通過させ、その他の周波数成分を除去する。スイッチ回路70a~70cは、送信信号と受信信号とを切り替える。フィルタ62a~62cは、送信信号の周波数帯域を通過させ、その他の周波数成分を除去する。
 フィルタ61a~61cおよび62a~62cとして、実施の形態1、2およびその変形例に係る導波管フィルタを用いることができる。
 パッチアンテナ52に接続されるフィルタ61a~61cを、パッチアンテナ52が形成される基板の裏面に配置してもよい。これにより、フィルタ61a~61c付きのパッチアンテナ52を備えるアンテナ装置51が構成される。
 本実施の形態に係る高周波フロントエンド回路50A~50Dによれば、フィルタ61a~61cおよび62a~62cにおいてフィルタ特性のばらつきが抑制されるので、高周波特性のばらつきが低減されたMassive MIMOシステムを実現することが可能となる。
 (その他の実施の形態など)
 以上、本発明の実施の形態に係る導波管フィルタ回路等について、実施の形態および変形例を挙げて説明したが、本発明の導波管フィルタ回路等は、上記実施の形態および変形例に限定されるものではない。上記実施の形態および変形例における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、上記実施の形態に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本開示の導波管フィルタ回路等を内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
 実施の形態1では、入出力電極22とグランド電極23とが連続的に繋がっている導波管フィルタ2、および、入出力パターン32とグランドパターン33とが連続的に繋がっている実装基板3を示したが、必ずしも連続的に繋がっていることに限られない。例えば、入出力電極22とグランド電極23とが連続的に繋がっており、入出力パターン32とグランドパターン33とが分断されていてもよい。また、入出力電極22とグランド電極23とが分断されており、入出力パターン32とグランドパターン33とが連続的に繋がっていてもよい。すなわち、本実施の形態の導波管フィルタ2は、入出力電極22と、入出力電極22の一端と接続または近接するグランド電極23とを備えていてもよいし、実装基板3は、入出力パターン32と、入出力パターン32の一端と接続または近接するグランドパターン33とを備えていてもよい。
 なお、実施の形態およびその変形例に係る導波管フィルタは、誘電体導波管デュプレクサまたは誘電体導波管マルチプレクサとしても適用可能である。
 本発明の導波管フィルタ回路は、ミリ波帯移動体通信システムおよびMassive MIMOシステムなどの通信機器に広く利用できる。
 1   導波管フィルタ回路
 2、2A 導波管フィルタ
 2a  実装面
 2b  側面
 2c  天面
 3、3A、3B、3C 実装基板
 3a  第1主面
 3b  第2主面
 5   第1共振部
 6   第2共振部
 7a、7b、7c、7d、7e、7f、7g、7h  共振器
 8   結合窓
 21  フィルタ本体
 22  入出力電極
 22a 入出力電極の外側端部
 22b 入出力電極の内側端部(一端)
 23  グランド電極
 23a ギャップ間のグランド電極
 25a 第1ギャップ部
 25b 第2ギャップ部
 26  モード変換部
 29  露出側面部
 31  基板本体
 32  入出力パターン
 32a 入出力パターンの外側端部
 32b 入出力パターンの内側端部(一端)
 33、37  グランドパターン
 33a ギャップ間のグランドパターン
 35a 第1ギャップ部
 35b 第2ギャップ部
 36  モード変換部
 38  ビア導体
 39  伝送線路
 50A、50B、50C、50D 高周波フロントエンド回路
 51  アンテナ装置
 52  パッチアンテナ
 53  アンテナ素子
 D1、D2 ダム部
 MA  実装領域
 MA1 実装領域の外縁部分
 R1  レジストパターン
 R2  外側レジスト
 R3a、R3b  開口部
 S1  第1はんだ部
 S1a はんだペースト
 S2  第2はんだ部
 S2a フィレット部
 S2b 内側底部
 61、61a、61b、61c、62、62a、62b、62c、63  フィルタ
 70、70a、70b、70c、72  スイッチ回路
 71、73  サーキュレータ
 81、81a、81b、81c  パワーアンプ回路
 82、82a、82b、82c  ローノイズアンプ回路
 91  RF信号処理回路
 92  ベースバンド信号処理回路
 93  ローカルオシレータ
 94a、94b、94c  ミキサ

Claims (13)

  1.  導波管フィルタと、前記導波管フィルタが実装された実装基板とを備える導波管フィルタ回路であって、
     前記導波管フィルタは、
      前記実装基板側の主面である実装面に形成された入出力電極と、
      前記実装面に形成されたグランド電極と、
     を備え、
     前記実装基板は、
      前記入出力電極に対応する形状を有する入出力パターンと、
      グランドパターンと、
     を備え、
     前記入出力パターンと前記入出力電極とは、はんだ材料を含む第1はんだ部を介して接続され、
     前記入出力パターンと前記グランドパターンとの間、および、前記入出力電極と前記グランド電極との間のうち少なくとも一方には、ダム部が設けられている、
     導波管フィルタ回路。
  2.  前記ダム部は、前記第1はんだ部よりも、前記入出力パターン側から前記グランドパターン側へ向かう方角に位置し、前記第1はんだ部に接している、
     請求項1に記載の導波管フィルタ回路。
  3.  前記ダム部は、前記入出力パターンと前記グランドパターンとの間であって、前記入出力パターンおよび前記グランドパターンの信号伝送経路上に配置されている、
     請求項1または2に記載の導波管フィルタ回路。
  4.  前記ダム部は、前記実装基板に形成されるレジストパターンの一部である、
     請求項1~3のいずれか1項に記載の導波管フィルタ回路。
  5.  前記ダム部は、前記はんだ材料よりも融点が高い、
     請求項1~4のいずれか1項に記載の導波管フィルタ回路。
  6.  前記入出力パターンの幅よりも、信号伝搬方向において前記入出力パターンに接続する前記グランドパターンの幅のほうが大きい、
     請求項1~5のいずれか1項に記載の導波管フィルタ回路。
  7.  前記入出力パターンまたは前記グランドパターンは、信号を、TEMモードからTEモードまたはTEモードからTEMモードに変換するモード変換部を有し、
     前記ダム部は、前記モード変換部に設けられている、
     請求項1~6のいずれか1項に記載の導波管フィルタ回路。
  8.  前記グランド電極は、前記グランドパターンに、はんだ材料を含む複数の第2はんだ部を介して接続されている、
     請求項1~7のいずれか1項に記載の導波管フィルタ回路。
  9.  前記複数の第2はんだ部のそれぞれは、
      前記導波管フィルタの側面の一部領域および前記実装面の一部領域の前記グランド電極に接続するフィレット部と、
      前記フィレット部よりも、前記導波管フィルタの前記実装面の内側に位置する領域の前記グランド電極に接続する内側底部と、
     を有する請求項8に記載の導波管フィルタ回路。
  10.  前記実装基板の前記グランドパターン上には、開口部を有するレジストパターンが形成され、
     前記開口部は、前記導波管フィルタが実装された前記実装基板を平面視した場合に、前記導波管フィルタの外縁と重なり、
     前記開口部には、前記第2はんだ部の前記フィレット部が形成される、
     請求項9に記載の導波管フィルタ回路。
  11.  入出力電極およびグランド電極を備える導波管フィルタを実装するための実装基板であって、
     前記導波管フィルタの前記入出力電極に対応する形状を有する入出力パターンと、
     グランドパターンと、
     前記入出力パターンと前記グランドパターンとの間であって、前記入出力パターンおよび前記グランドパターンの信号伝送経路上に配置されたダム部と、
     を備える導波管フィルタ用実装基板。
  12.  前記実装基板の前記入出力パターン上および前記グランドパターン上には、所定形状を有するレジストパターンが形成され、
     前記ダム部は、前記レジストパターンの一部である、
     請求項11に記載の導波管フィルタ用実装基板。
  13.  実装面に形成された入出力電極と、
     前記実装面に形成されたグランド電極と、
     前記入出力電極と前記グランド電極との間であって、前記入出力電極および前記グランド電極の信号伝送経路上に配置されたダム部と、
     を備える導波管フィルタ。
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