WO2017195501A1 - 動力伝達装置 - Google Patents

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陽介 中村
浩一 橋長
雅文 中島
陽平 櫛田
有剛 山田
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株式会社デンソー
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    • F16D27/112Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor with an electromagnet not rotating with a clutching member, i.e. without collecting rings with axially movable clutching members with flat friction surfaces, e.g. discs

Abstract

動力伝達装置では、第2回転体(200)に形成された雌螺子(213)と、回転軸(520)に形成された雄螺子(521)とが螺号しており、前記回転軸の中心軸(AX)に沿った力である軸力が前記回転軸に加えられている状態で、前記第2回転体と前記回転軸とが共に回転するように構成されている。動力伝達装置には、前記回転軸に対する前記第2回転体の相対的な回転を妨げることにより、前記軸力が大きくなり過ぎてしまうことを防止する軸力抑制部(S1,S2,S3)、が設けられている。

Description

動力伝達装置 関連出願の相互参照
 本出願は、2016年5月10日に出願された日本国特許出願2016-094723号に基づくものであって、その優先権の利益を主張するものであり、その特許出願の全ての内容が、参照により本明細書に組み込まれる。
 本開示は、駆動対象装置の回転軸に駆動力を伝達する動力伝達装置に関する。
 例えば車両用の空調装置には、冷凍サイクルにおいて冷媒を圧縮し送り出すための圧縮機が設けられる。当該圧縮機は、車両の内燃機関の駆動力を用いて駆動される。具体的には、内燃機関の駆動力がベルトを介して圧縮機の回転軸に伝達され、回転軸が回転することによって、圧縮機における冷媒の圧縮が行われる。このような構成においては、内燃機関が動作している際において一時的に圧縮機を停止させることができるように、圧縮機と内燃機関との間に動力伝達装置が設けられることが多い(例えば下記特許文献1を参照)。
 動力伝達装置は、所謂「電磁クラッチ」とも称されるものである。動力伝達装置は、内燃機関の駆動力によって回転する第1回転体と、圧縮機(駆動対象装置)の回転軸に固定される第2回転体と、第1回転体と第2回転体との間に電磁力を発生させる電磁石と、を備える。
 電磁石による電磁力が発生しているときには、第1回転体と第2回転体とが電磁力によって連結された状態となる。このため、第1回転体、第2回転体、及び回転軸の全体が一体となり、これらが内燃機関の駆動力によって回転する。つまり、内燃機関の駆動力が圧縮機の回転軸に伝達され、これにより圧縮機が駆動される。
 一方、電磁石による電磁力が発生していないときには、第1回転体と第2回転体との連結が解除される。このため、第1回転体は内燃機関の駆動力によって引き続き回転するのであるが、当該駆動力は第2回転体には伝達されない。第2回転体及び回転軸は回転しないので、圧縮機はその動作を停止させた状態となる。
 多くの場合、第2回転体と回転軸との間の連結は、第2回転体の内周面に形成された雌螺子と、回転軸の外周面に形成された雄螺子と、の螺号によって実現されている。第2回転体の回転力が回転軸に伝達され、これにより圧縮機が駆動されているときには、上記の螺号に起因して、回転軸にはその中心軸に沿った方向の軸力が加えられた状態となっている。
特開2011-158003号公報
 ところで、冷凍サイクルの圧縮機では、異物の咬み込みや潤滑油の不足等に起因して、回転軸がロックされた状態となってしまうことがある。電磁石による電磁力が生じている状態、すなわち第1回転体と第2回転体とが連結され共に回転している状態において回転軸がロックされてしまうと、第2回転体と回転軸との間には大きな回転力が働くこととなる。このような状態になると、回転軸に加えられる上記軸力も大きくなってしまう。回転軸は軸方向に大きな力で引っ張られてしまい、場合によっては回転軸が破損してしまう可能性もある。
 このため、一部の部品が動力伝達装置や駆動対象装置から脱落してしまうことの無いように、例えば上記特許文献1に記載されているようなストッパを設ける等、追加の安全対策を施す必要があった。しかしながらその場合は、製造コストの上昇や装置の複雑化という問題が生じてしまう。
 本開示の目的は、駆動対象装置の回転軸がロックされてしまった場合であっても、回転軸に加えられる軸力が大きくなり過ぎてしまうことの無い動力伝達装置を提供することにある。
 本開示に係る動力伝達装置は、駆動対象装置の回転軸に駆動力を伝達する動力伝達装置であって、外部からの駆動力を受けて回転する第1回転体と、第1回転体に対して電磁力によって連結されることにより、第1回転体と共に回転する第2回転体と、電磁力を発生させる電磁石と、を備える。また、この動力伝達装置は、第2回転体に形成された雌螺子と、回転軸に形成された雄螺子とが螺号しており、回転軸の中心軸に沿った力である軸力が回転軸に加えられている状態で、第2回転体と回転軸とが共に回転するように構成されている。更に、この動力伝達装置には、回転軸に対する第2回転体の相対的な回転を妨げることにより、軸力が大きくなり過ぎてしまうことを防止する軸力抑制部、が設けられている。
 このような構成の動力伝達装置では、回転軸がロックされてしまっても、回転軸に対する第2回転体の相対的な回転が軸力抑制部によって妨げられる。その結果、回転に伴う軸力の増加が防止されるので、回転軸に加えられる軸力が大きくなり過ぎてしまうことが無い。
 本開示によれば、駆動対象装置の回転軸がロックされてしまった場合であっても、回転軸に加えられる軸力が大きくなり過ぎてしまうことの無い動力伝達装置が提供される。
図1は、第1実施形態に係る動力伝達装置、及び当該動力伝達装置が設けられた車両用空調装置の構成を模式的に示す図である。 図2は、動力伝達装置の内部構成を示す断面図である。 図3は、圧縮機の回転軸に接続される部分の構成を示す図である。 図4は、第2実施形態に係る動力伝達装置のうち、圧縮機の回転軸に接続される部分の構成を示す図である。 図5は、第3実施形態に係る動力伝達装置のうち、圧縮機の回転軸に接続される部分の構成を示す図である。
 以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
 第1実施形態に係る動力伝達装置10は、車両用空調装置ASの一部に設けられている。図1を参照しながら、車両用空調装置ASの構成について先ず説明する。車両用空調装置ASは、車両(全体は不図示)の内燃機関20から駆動力を得て動作する冷凍サイクルとして構成されている。車両用空調装置ASは、循環配管90と、圧縮機50と、凝縮器60と、膨張弁70と、蒸発器80と、を備えている。
 循環配管90は、冷凍サイクルの冷媒が循環して流れる配管である。図1においては、循環配管90において冷媒の流れる方向が複数の矢印で示されている。
 圧縮機50は、循環配管90を冷媒が循環するように、冷媒を圧縮して送り出す装置(コンプレッサ)である。圧縮機50は、ケース510と回転軸520とを有している。ケース510の内部には、不図示の固定スクロールと可動スクロールとが収容されている。圧縮機50は、固定スクロールに対して可動スクロールを相対的に動作させることにより、両者の間に形成された空間の容積を変化させ、冷媒の圧縮及び送り出しを行うように構成されている。尚、このような圧縮機50の構成としては周知のものを採用し得るので、その具体的な図示や説明については省略する。
 回転軸520は略円柱形状の部材であり、ケース510から外方に向けて突出している。本実施形態では、回転軸520は機械構造用炭素鋼(S55C)により形成されている。回転軸520は、圧縮機50が上記の動作を行うために必要となる駆動力を、外部から受け入れるための軸となっている。外部からの駆動力により、回転軸520がその中心軸周りに回転させられると、圧縮機50による冷媒の圧縮及び送り出しが行われる。回転軸520に駆動力を伝達し回転させるための構成については、後に説明する。
 凝縮器60は、循環配管90のうち圧縮機50よりも下流側となる位置に設けられている。凝縮器60は、圧縮機50から送り出された高温且つ高圧の冷媒を受け入れて、当該冷媒を空気との熱交換によって凝縮させるための熱交換器である。冷媒は、凝縮器60を通過する際において空気から熱を奪われる。その結果、冷媒は凝縮して気相から液相へと変化した後、膨張弁70に向かって流れる。
 膨張弁70は、循環配管90のうち凝縮器60よりも下流側となる位置に設けられている。膨張弁70は、凝縮器60から排出された冷媒を、内部に設けられた絞りを通過させることによってその温度及び圧力を低下させるためのものである。膨張弁70を通過して低温且つ低圧となった冷媒は、蒸発器80に向かって流れる。
 蒸発器80は、循環配管90のうち膨張弁70よりも下流側となる位置に設けられている。蒸発器80は、膨張弁70を通過し低温且つ低圧となった冷媒を受け入れて、当該冷媒を空気との熱交換によって蒸発させるための熱交換器である。冷媒は、蒸発器80を通過する際において空気から熱を奪う。その結果、冷媒は蒸発して液相から気相へと変化した後、圧縮機50に向かって流れる。その後、圧縮機50によって再び圧縮され、凝縮器60に向かって送り出される。また、蒸発器80における上記熱交換により、空気は冷媒から熱を奪われてその温度を低下させる。その後、空調風として車室内に吹き出される。
 図1に示される内燃機関20は、車両の走行に必要な駆動力を発生させるエンジンである。内燃機関20は出力軸21を有している。出力軸21は略円柱形状の軸であって、内燃機関20の駆動力によってその中心軸周りに回転する。出力軸21の回転力は、不図示のトランスミッション等を介して車輪の回転力に変換され、車両を走行させる。
 出力軸21にはプーリー30が設けられている。内燃機関20が動作しているときには、出力軸21とプーリー30とが一体となって回転する。プーリー30と動力伝達装置10との間にはベルト40が掛けられている。これにより、内燃機関20の駆動力は、ベルト40及び動力伝達装置10を介して回転軸520に伝達され、回転軸520をその中心軸周りに回転させる。
 動力伝達装置10の構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、回転軸520の中心軸AXを含む面により、動力伝達装置10を切断した状態を示す断面図となっている。尚、ケース510や回転軸520等、圧縮機50の一部については、断面ではなく外観が示されている。
 動力伝達装置10は、第1回転体100と、第2回転体200と、電磁石300と、を備えている。
 第1回転体100は、ベルト40からの駆動力を直接受けて回転する部材である。第1回転体100は、全体の外形が概ね円柱形状に形成されており、その中心軸を回転軸520の中心軸AXと一致させた状態で設けられている。第1回転体100は、外筒部110と、内筒部120と、連結部130と、を有している。
 外筒部110は、第1回転体100のうち最も外周側に位置する部分であって、その形状は略円筒形状となっている。また、外筒部110の中心軸は中心軸AXと一致している。外筒部110の外側面には、その周方向に沿って複数の溝が形成されており、当該溝にベルト40(図2では不図示)が掛けられる。このため、内燃機関20の駆動力は、ベルト40を介して外筒部110の外周面に伝達され、第1回転体100を中心軸AXの周りに回転させる。
 内筒部120は、第1回転体100のうち外筒部110よりも内側に位置する部分であって、その形状は略円筒形状となっている。外筒部110と同様に、内筒部120の中心軸も中心軸AXと一致している。内筒部120の外周面と、外筒部110の内周面との間には空間が形成されており、当該空間に後述の電磁石300が配置されている。
 また、内筒部120の内周面よりも更に内側となる位置には、ケース510の一部である支持部512が設けられている。支持部512は、ケース510のうち動力伝達装置10と対向する面から、中心軸AXに沿って伸びるように形成されている。また、支持部512は、回転軸520の周囲を囲むような円筒形状に形成されている。支持部512の外周面と、内筒部120の外周面との間には、軸受け410が設けられている。軸受け410により、第1回転体100は、中心軸AXの周りに回転自在な状態で支持されている。
 連結部130は、内筒部120と外筒部110とを繋ぐ部分である。連結部130は概ね平板状に形成されており、後述のアーマチュア230と電磁石300との間に介在している。連結部130のうち、ケース510とは反対側の面は、アーマチュア230と対向する摩擦面131となっている。
 第2回転体200は、回転軸520と共に回転するように、回転軸520に対して固定された部材である。後述の電磁石300で生じる電磁力により、第2回転体200が第1回転体100に対して連結されると、第2回転体200は第1回転体100と共に回転するようになる。つまり、内燃機関20からベルト40を介して第1回転体100に伝達された駆動力が、第2回転体200及び回転軸520にも伝達され、圧縮機50による冷媒の圧縮及び送り出しが行われる状態となる。
 第2回転体200は、ハブ210と、板バネ220と、アーマチュア230とを有している。ハブ210は、回転軸520に固定される部分である。ハブ210は、円柱部212と鍔部211とを有している。円柱部212は略円柱形状となっており、その中心軸は中心軸AXと一致している。また、円柱部212の中央には、中心軸AXに沿って円柱部212を貫くように貫通穴215が形成されている。また、貫通穴215の内面の一部には雌螺子213が形成されている。本実施形態では、ハブ210は機械構造用炭素鋼(S35C)により形成されている。
 回転軸520の外周面には雄螺子521が形成されている。回転軸520は貫通穴215に挿通されており、雄螺子521と雌螺子213とが螺号した状態となっている。
 鍔部211は、円柱部212のうち圧縮機50側とは反対側の端部から、外周側(中心軸AXから遠ざかる側)に向かって伸びるように形成された部分である。
 板バネ220は、アーマチュア230を支持するための部材である。板バネ220は円板状に形成されており、その中央には貫通穴221が形成されている。貫通穴221には、ハブ210の円柱部212が挿通されている。板バネ220のうち中央部分(貫通穴221の近傍部分)は、鍔部211の表面に当接した状態となっており、鍔部211に対して固定されている。
 板バネ220のうち、鍔部211に固定された部分よりも外周側の部分には、アーマチュア230が固定されている。アーマチュア230は、板バネ220のうち圧縮機50側の面に当接した状態となっており、板バネ220に対してリベット461により固定されている。
 板バネ220のうちアーマチュア230を保持している部分は、板バネ220の弾性変形により、中心軸AXに沿う方向に移動することが可能となっている。電磁石300の電磁力が生じていないときには、図2に示されるように、アーマチュア230と連結部130との間には隙間が形成されている。一方、電磁石300の電磁力が生じているときには、当該電磁力によってアーマチュア230が圧縮機50側に移動して、アーマチュア230が連結部130に当接した状態となる。
 アーマチュア230は、磁性体によって形成された円板形状の部材であって、その中央には貫通穴235が形成されている。アーマチュア230は、第1回転体100の連結部130と対向する位置において、上記のように板バネ220によって支持されている。アーマチュア230のうち連結部130と対向する面は、摩擦面231となっている。電磁石300の電磁力が生じているときには、アーマチュア230の摩擦面231と、連結部130の摩擦面131とが当接した状態となり、両者の間に摩擦力が働く。当該摩擦力により、第1回転体100と第2回転体200とが連結された状態となり、これらが一体となって回転するようになる。
 電磁石300は、コイル310と、コア320とを有している。コイル310は、電流の供給を受けて磁束を発生させるものである。コア320は、コイル310の外側を囲むように配置された磁性体であって、コイル310で生じる磁束が通る磁気回路、の一部を成す部材となっている。コア320は、コイル310と外筒部110との間、コイル310とケース510との間、及びコイル310と内筒部120との間、に亘るように設けられている。
 コイル310に電流が流れると磁束が発生し、コア320、外筒部110、連結部130、アーマチュア230、及び内筒部120からなる磁気回路を磁束が通る状態となる。その結果、アーマチュア230を連結部130に向かわせるような電磁力が生じ、アーマチュア230の摩擦面231と、連結部130の摩擦面131とが当接した状態となる。つまり、第1回転体100と第2回転体200とが互いに連結された状態となる。回転軸520には内燃機関20からの駆動力が伝達され、回転軸520による冷媒の圧縮及び送り出しが行われる。
 コイル310に電流が流れなくなると、上記の電磁力は生じなくなる。その結果、板バネ220の復元力によって、アーマチュア230と連結部130との間に隙間が形成された状態となる。これにより、第1回転体100と第2回転体200との連結が解除され、回転軸520には内燃機関20からの駆動力が伝達されなくなるので、圧縮機50はその動作を停止させる。
 その他の構成について説明する。ケース510のうち、支持部512の根元となる部分には、保持リング511が形成されている。保持リング511は、ケース510の表面から僅かに突出するように形成された円柱形状の部分である。保持リング511の中心軸は、中心軸AXと一致している。保持リング511の外径は、支持部512の外径よりも大きい。保持リング511の端面は、軸受け410のうちケース510側の端面に当接しており、これにより軸受け410を支持している。
 支持部512の先端部近傍における外側面には、その周方向に沿って溝514が形成されている。溝514にはサークリップ432が嵌め込まれている。サークリップ432は、軸受け410のうちケース510とは反対側の端面に当接している。溝514の内面はテーパー状となっている。このため、サークリップ432が中心軸AX側に向かおうとする弾性力は、サークリップ432を軸受け410に押し付ける力、すなわち、軸受け410を保持リング511側に付勢する力に変換される。その結果、軸受け410は、サークリップ432と保持リング511との間に挟まれた状態で保持されている。
 電磁石300のうちケース510側の面には、アームサポート420が固定されている。アームサポート420は円板状の部材であって、その中央には貫通穴421が形成されている。貫通穴421に、ケース510の保持リング511が挿通されている。
 保持リング511の側面には、その周方向に沿って溝513が形成されている。溝513にはサークリップ431が嵌め込まれている。サークリップ431は、アームサポート420のうちケース510とは反対側の面に当接している。溝513の内面はテーパー状となっている。このため、サークリップ431が中心軸AX側に向かおうとする弾性力は、サークリップ431をアームサポート420に押し付ける力、すなわち、アームサポート420をケース510側に付勢する力に変換される。その結果、アームサポート420は、サークリップ431とケース510との間に挟まれた状態で保持されている。
 回転軸520とハブ210との連結について更に説明する。回転軸520のうち、雄螺子521よりもケース510側の部分には、他の部分よりも径の大きな拡径部522が設けられている。また、円柱部212のうちケース510側の端面と、拡径部522の端面との間には、シム440及びワッシャ450が挟み込まれている。シム440及びワッシャ450は、いずれも円環状に形成された金属製の部材である。
 電磁石300による電磁力が生じており、第2回転体200が第1回転体100と共に回転しているときには、ハブ210は回転軸520に対して相対的に回転する方向の力を受ける。換言すれば、螺号している雄螺子521及び雌螺子213を締め付ける方向の力を受ける。その結果、ハブ210は、中心軸AXに沿ってケース510に近づく方向に移動しようとするので、ハブ210の端面がシム440に押し付けられた状態となる。ハブ210、シム440、ワッシャ450、及び拡径部522、のそれぞれが互いに隣り合う部分では、強い摩擦力が生じる。この摩擦力によって、ハブ210の回転力が回転軸520に伝達され、回転軸520が回転する。
 このとき、ハブ210がシム440側に押し付けられる力の反力として、回転軸520には、中心軸AXに沿ってケース510から遠ざかる方向の力、すなわち軸力が加えられた状態となる。当該軸力の大きさは、ハブ210が回転し始めるとともに大きくなって行くのであるが、ハブ210と共に回転軸520が回転し始めた後においては、概ね一定の大きさに維持される。このときにおける軸力の大きさは、回転軸520の破壊強度に比べて十分に小さい。
 ところで、一般的な冷凍サイクルの圧縮機と同様に、圧縮機50では、異物の咬み込みや潤滑油の不足等に起因して、回転軸520がロックされた状態(回転し得ない状態)となってしまうことがある。電磁石300による電磁力が生じている状態、すなわち第1回転体100と第2回転体200とが連結された状態において回転軸520がロックされてしまうと、ハブ210と回転軸520との間には大きな回転力が働き、雄螺子521及び雌螺子213が強い力で締め付けられることとなる。その結果、回転軸520に加えられる上記軸力も大きくなってしまう。回転軸520は中心軸AXに沿って大きな力で引っ張られてしまうので、場合によっては回転軸520が破損してしまう可能性もある。
 そこで、本実施形態に係る動力伝達装置10では、上記のような事態を防止するための工夫がなされている。当該工夫について、図3を参照しながら説明する。
 図3では、貫通穴215の内周面のうち雌螺子213よりも鍔部211側の部分が、点線S1で囲まれている。以下では、当該部分のことを「干渉部S1」と表記する。干渉部S1は、ハブ210のうち雌螺子213に隣接する部分となっている。つまり、干渉部S1は、貫通穴215の内周面のうち、中心軸AXに沿って雌螺子213と隣り合っている部分のことである。
 本実施形態では、干渉部S1における貫通穴215の内径が、雄螺子521の外径よりも小さくなっている。つまり、干渉部S1の内周面から中心軸AXまでの距離が、雄螺子521の山の頂点から中心軸AXまでの距離よりも小さくなっている。
 図3に示される状態から、回転軸520がロックされた状態になると、既に述べたように雄螺子521及び雌螺子213が強い力で締め付けられる。これにより、回転軸520は矢印AR1の方向に移動しようとし、ハブ210の円柱部212は矢印AR2で示される方向に移動しようとする。
 しかしながら、その直後において、雄螺子521と干渉部S1とが緩衝した状態になるので、回転軸520に対するハブ210(第2回転体200)の相対的な回転は直ちに妨げられることとなる。その結果、回転軸520にかかる軸力はそれ以上増加しなくなるので、軸力が回転軸520の破壊強度を上回ってしまうことは無い。干渉部S1は、本実施形態における「軸力抑制部」として機能する。
 本実施形態においては、軸力抑制部である干渉部S1が、雌螺子213が形成されている部材であるハブ210と一体に形成されている。ハブ210は、既に述べたようにS35Cによって形成されており、その硬度は回転軸520の硬度よりも低くなっている。このため、回転軸520のロックが生じた直後においては、雄螺子521が干渉部S1を変形させながら(つまり、螺子を切りながら)僅かに進角することとなる。
 つまり、ハブ210は、雄螺子521と干渉部S1との干渉によって大きな抵抗力を受けて停止するのであるが、停止の際には干渉部S1がクッションとなるので、その減速度が僅かではあるが緩やかとなっている。これにより、雄螺子521と干渉部S1との干渉により生じる衝撃音が抑制され、車両の乗員に不快な思いをさせてしまうことが防止される。
 第2実施形態について、図4を参照しながら説明する。本実施形態では、ハブ210の構成においてのみ第1実施形態と異なっており、その他の構成については第1実施形態と同じである。以下では、第1実施形態と異なる点についてのみ説明し、第1実施形態と共通する点についてはその説明を適宜省略する。
 本実施形態では、第1実施形態における干渉部S1を、ハブ210とは別部材であるリングS2に置き換えた構成となっている。リングS2は円環状の部材であって、貫通穴215のうち、中心軸AXに沿って雌螺子213と隣り合う位置に嵌め込まれている。リングS2は、第2回転体200のうち雌螺子213が形成されている部材(つまりハブ210)の材料とは異なる材料で形成されている。このようなリングS2の材料としては、雌螺子213及び雄螺子521のいずれよりも硬度の低い材料が用いられることが好ましい。本実施形態では、リングS2の材料としてゴムが用いられている。ゴムに替えて樹脂が用いられてもよい。
 本実施形態でも、回転軸520のロックが生じた際には雄螺子521とリングS2とが緩衝し、回転軸520にかかる軸力の増加が抑制される。リングS2は、本実施形態における「軸力抑制部」として機能する。
 本実施形態では、軸力抑制部であるリングS2の硬度が更に小さいので、ハブ210の減速は更に緩やかなものとなる。このため、雄螺子521とリングS2との干渉により生じる衝撃音は更に抑制される。
 第3実施形態について、図5を参照しながら説明する。本実施形態では、ハブ210及び回転軸520の構成においてのみ第1実施形態と異なっており、その他の構成については第1実施形態と同じである。以下では、第1実施形態と異なる点についてのみ説明し、第1実施形態と共通する点についてはその説明を適宜省略する。
 本実施形態では、貫通穴215の内周面のうち雌螺子213よりも鍔部211側の部分、すなわち、第1実施形態における干渉部S1に相当する部分における内径が、雄螺子521の外径よりも大きくなっている。
 図5では、回転軸520の外周面のうち雄螺子521よりも拡径部522側の部分が、点線S3で囲まれている。以下では、当該部分のことを「干渉部S3」と表記する。干渉部S3は、回転軸520のうち雄螺子521に隣接する部分となっている。つまり、干渉部S3は、回転軸520の外周面のうち、中心軸AXに沿って雄螺子521と隣り合っている部分のことである。
 本実施形態では、回転軸520のうち干渉部S3における外径が、雌螺子213の内径よりも大きくなっている。つまり、干渉部S3の外周面から中心軸AXまでの距離が、雌螺子213の山の頂点から中心軸AXまでの距離よりも大きくなっている。
 図5に示される状態から、回転軸520がロックされた状態になると、既に述べたように雄螺子521及び雌螺子213が強い力で締め付けられる。これにより、回転軸520は矢印AR1の方向に移動しようとし、ハブ210の円柱部212は矢印AR2で示される方向に移動しようとする。
 しかしながら、その直後において、雌螺子213と干渉部S3とが緩衝した状態になるので、回転軸520に対するハブ210(第2回転体200)の相対的な回転は直ちに妨げられることとなる。その結果、回転軸520にかかる軸力はそれ以上増加しなくなるので、軸力が回転軸520の破壊強度を上回ってしまうことは無い。干渉部S3は、本実施形態における「軸力抑制部」として機能する。
 このように、回転軸520の方に軸力抑制部を形成した場合であっても、第1実施形態と同様の効果を奏する。ただしこの場合には、高度の低い材料である雌螺子213が、硬度の高い材料である回転軸520(干渉部S3)にねじを切っていくことは無い。このため、回転軸520のロックが生じた際には、ハブ210は、第1実施形態の場合に比べて急激に停止し、それに伴って大きな衝撃音が生じることとなる。衝撃音を緩和するという観点においては、本実施形態よりも第1実施形態の方が好ましい。
 以上においては、動力伝達装置10によって駆動力が伝達される駆動対象装置が、冷凍サイクルの圧縮機50である例について説明した。このような態様に替えて、駆動対象装置として圧縮機50以外の装置が用いられる態様であっても、これまでに説明したものと同様の効果を奏することは言うまでもない。
 以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。

Claims (11)

  1.  駆動対象装置(50)の回転軸(520)に駆動力を伝達する動力伝達装置(10)であって、
     外部からの駆動力を受けて回転する第1回転体(100)と、
     前記第1回転体に対して電磁力によって連結されることにより、前記第1回転体と共に回転する第2回転体(200)と、
     前記電磁力を発生させる電磁石(300)と、を備え、
     前記第2回転体に形成された雌螺子(213)と、前記回転軸に形成された雄螺子(521)とが螺号しており、前記回転軸の中心軸に沿った力である軸力が前記回転軸に加えられている状態で、前記第2回転体と前記回転軸とが共に回転するように構成されており、
     前記回転軸に対する前記第2回転体の相対的な回転を妨げることにより、前記軸力が大きくなり過ぎてしまうことを防止する軸力抑制部(S1,S2,S3)、が設けられている動力伝達装置。
  2.  前記軸力抑制部(S1)は、前記第2回転体のうち前記雌螺子に隣接する部分に設けられており、
     前記雄螺子と前記軸力抑制部との干渉により、前記回転軸に対する前記第2回転体の相対的な回転が妨げられる、請求項1に記載の動力伝達装置。
  3.  前記軸力抑制部は、前記第2回転体のうち前記雌螺子が形成されている部材と一体に形成されている、請求項2に記載の動力伝達装置。
  4.  前記雌螺子は、前記第2回転体を貫くように形成された貫通穴(215)の内周面の一部に形成されており、
     前記軸力抑制部は、前記内周面のうち、前記中心軸に沿って前記雌螺子と隣り合っている部分であって、
     前記軸力抑制部における前記貫通穴の内径が、前記雄螺子の外径よりも小さくなっている、請求項3に記載の動力伝達装置。
  5.  前記軸力抑制部及び前記第2回転体は、前記雄螺子よりも硬度の低い材料で形成されている、請求項3に記載の動力伝達装置。
  6.  前記軸力抑制部(S2)は、前記第2回転体のうち前記雌螺子が形成されている部材の材料とは異なる材料で形成されている、請求項2に記載の動力伝達装置。
  7.  前記軸力抑制部は、前記雌螺子及び前記雄螺子のいずれよりも硬度の低い材料で形成されている、請求項6に記載の動力伝達装置。
  8.  前記雌螺子は、前記第2回転体を貫くように形成された貫通穴(215)の内周面の一部に形成されており、
     前記軸力抑制部は、前記貫通穴のうち、前記中心軸に沿って前記雌螺子と隣り合う位置に嵌め込まれた円環状の部材である、請求項7に記載の動力伝達装置。
  9.  前記軸力抑制部はゴムにより形成されている、請求項8に記載の動力伝達装置。
  10.  前記軸力抑制部(S3)は、前記回転軸の外周面のうち、前記前記中心軸に沿って前記雄螺子と隣り合っている部分であって、
     前記雌螺子と前記軸力抑制部との干渉により、前記回転軸に対する前記第2回転体の相対的な回転が妨げられる、請求項1に記載の動力伝達装置。
  11.  前記軸力抑制部における前記回転軸の外径が、前記雌螺子の内径よりも大きくなっている、請求項10に記載の動力伝達装置。
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