WO2017179450A1

WO2017179450A1 - 情報通知方法及び移設判断装置

Info

Publication number: WO2017179450A1
Application number: PCT/JP2017/013897
Authority: WO
Inventors: 千絵子佐々木; 勇士大崎; 杉本　博子
Original assignee: パナソニックＩｐマネジメント株式会社
Priority date: 2016-04-12
Filing date: 2017-04-03
Publication date: 2017-10-19

Abstract

冷媒回路を有する空気調和装置と、情報通信装置とに接続する情報通知システムにおける情報通知方法であって、前記空気調和装置が前記ネットワークに接続しているか否かを示す接続状況を検知し、前記空気調和装置から受信した、当該空気調和装置の稼動履歴を示す稼動履歴情報に基づいて、前記空気調和装置が、前記冷媒回路における冷媒回収運転を行なったか否かを判断し、前記検知した接続状況、および前記空気調和装置が前記冷媒回収運転を行なったと判断されたか否かに基づいて、前記空気調和装置が移設されたか否かを判断し、前記空気調和装置が移設されたと判断された場合は、前記情報通信装置へ前記空調機器の試運転を促す内容を表す第１情報を通知する。

Description

情報通知方法及び移設判断装置

　本発明は、空気調和装置の移設を検出する方法、空気調和装置が移設されたことをユーザに通知するための情報通知方法及び移設判断装置に関する。

　空気調和装置は長期使用が想定されており、所有者の転居や利用者の変更などにより、当初の設置場所から移設することがある。室外機と室内機とが冷媒配管によって接続された空気調和装置を移設するときは、冷媒配管内の冷媒が大気に放出されないように、空気調和装置に関する知識を有するエンジニアが冷媒回収作業を行い、室外機と室内機を取り外し、新たな場所へ設置し直す。空気調和装置が正しく移設されなかった場合、空気調和装置の運転時に、冷媒不足による冷暖房の能力不足や、冷媒配管内の異常圧力による室外機圧縮機の起動失敗と再起動が何度も発生して装置部品の損傷が起こる。

　空気調和装置が正しく移設されない場合を想定し、移設されたことを検出して、空気調和装置の装置部品を保護する装置や、移設後の運転時に故障を検知して利用者に通知するシステムが検討されている。

特許第４０１３４７１号明細書

　しかしながら、空気調和装置の移設を検出する方法には、更なる改善が必要であった。

　情報通知方法の一態様は、ネットワークを介して、冷媒回路を有する空気調和装置と、情報通信装置とに接続する情報通知システムにおける情報通知方法であって、前記空気調和装置が前記ネットワークに接続しているか否かを示す接続状況を検知し、前記空気調和装置から、当該空気調和装置の稼働履歴を示す稼働履歴情報を受信し、前記稼働履歴情報に基づいて、前記空気調和装置が、前記冷媒回路における冷媒回収運転を行ったか否かを判断し、前記検知した接続状況、および前記空気調和装置が前記冷媒回収運転を行ったと判断されたか否かに基づいて、前記空気調和装置が移設されたか否かを判断し、前記空気調和装置が移設されたと判断された場合は、前記情報通信装置へ前記空調機器の試運転を促す内容を表す第１情報を通知する。

　上記態様により、さらなる改善を実現できた。

図１は、本開示の実施の形態におけるシステム全体構成の一例を示す図である。図２は、本開示の実施の形態における空気調和装置１の構成の一例を示すブロック図である。図３は、本開示の実施の形態における空気調和装置の移設判定システム６の構成を示すブロック図である。図４は、本開示の実施の形態１における空気調和装置の移設検出処理を示すフローチャートである。図５は、本開示の実施の形態１における空気調和装置から収集して記憶装置６４に記録した稼働履歴の一例を示す図である。図６は、本開示の実施の形態１における空気調和装置の冷媒回収運転検出処理を示すフローチャートである。図７は、本開示の実施の形態における端末への試運転通知処理を示すフローチャートである。図８は、本開示の実施の形態における端末の試運転通知画面の一例を示す図である。図９は、本開示の実施の形態２における空気調和装置の移設検出処理を示すフローチャートである。図１０は、本開示の実施の形態２における空気調和装置のメモリから収集して記憶装置６４に記録された稼働履歴の一例を示す図である。図１１は、本開示の実施の形態２における空気調和装置の冷媒回収運転検出処理を示すフローチャートである。図１２は、本開示の実施の形態３における空気調和装置の移設検出処理を示すフローチャートである。図１３は、本開示の実施の形態３における記憶装置６４に記録した空気調和装置１の通信不能後に収集した１日分のセンサー情報の一例を示す図である。図１４は、本開示の実施の形態３における記憶装置６４に記録した過去同時期のセンサー情報の一例を示す図である。図１５は、本開示の実施の形態３における相関有無判定処理の一例を示すフローチャートである。図１６は、本開示の実施の形態３における、図１３に例示した１日分のセンサー情報と、図１４に例示した過去同時期のセンサー情報のそれぞれの相間係数を示す図である。図１７は、本開示の実施の形態４における空気調和装置の移設検出処理を示すフローチャートである。図１８は、本開示の実施の形態４における空気調和装置のネットワーク離脱検出処理を示すフローチャートである。図１９は、記憶装置に記録されている空気調和装置のアダプタの接続情報の一例を示す図である。

　（本開示の基礎となった知見）
　空気調和装置を移設するとき、空気調和装置の室内機と室外機を繋ぐ冷媒配管内の冷媒を循環させずに室外機側へ回収するために、エンジニアは冷媒を室外機から室内機へ循環させる弁を閉じて冷媒回収運転を行い、冷媒を室内機から室外機へ循環させる弁を閉じる。前記冷媒回収運転とは、空気調和装置の運転状態を冷房にして短時間運転させることである。前記短時間とは、２～３分程度であり、エンジニアの作業手順や時間によっては多少長くなる場合もある。その後、配管内の冷媒を空気調和装置の電源を切断してから、空気調和装置の冷媒配管、室内機及び室外機を取り外す。

　特許文献１には、冷媒配管内の冷媒圧力から冷媒回収作業が行われたことを検出して、空気調和装置の移設があったことと判断し、その後の運転時に、冷媒配管内の高圧を検出した場合には、空気調和装置が正しく移設されなかったとして、圧縮機を停止させたままにする。これにより、室外機圧縮機の装置部品の損傷を防ぐことができる。

　しかしながら、空気調和装置は使用環境や設置状況によっては、冷媒配管内の冷媒が日々微小に漏れることがあり、空気調和装置が保有している冷媒量が少なくなっている場合には、冷媒配管内の冷媒の循環が少なくなり、冷媒回収作業が行われた時と同じ冷媒圧力になり、特許文献１に開示されている技術で誤検出される可能性がある。この場合、移設していないにも関わらず、圧縮機の再起動が抑制され、一度でも圧縮機の起動に失敗すると、空気調和装置が停止したまま稼働できなくなる。

　上記態様によると、空気調和装置のネットワークへの接続情報、および冷媒回収運転を行なったか否かに基づいて、空気調和装置が移設されたか否かが判断され、空気調和装置が移設されたと判断された場合に、ユーザへ空気調和器の試運転を促す通知がされる。これによって、空気調和装置が保有している冷媒量が少ない場合の冷媒配管内の冷媒圧力を検知する必要が無くなり、空気調和装置の移設の誤検出を防止できる。また、ユーザが短時間の冷房運転を行っただけで判断せず、ネットワーク接続しているか否かで判断することにより、例えば、ユーザが誤って冷房運転で稼働させて、すぐ停止させた場合の誤検出を防止できる。

　上記態様において、例えば、前記空気調和装置が前記冷媒回収運転を行なったと判断された場合に、前記空気調和装置が前記ネットワークに接続していないことを検知すると、前記空気調和装置が移設されたと判断するとしてもよい。上記態様によると、冷媒回路における冷媒回収運転に相当する運転が行なわれた場合であって、空気調和装置がネットワークに接続していないと検知された場合に、空気調和装置が移設されたと判断される。これによって、例えば、稼働履歴情報からエンジニアが冷媒回収運転に相当する運転を行った上で、前記空気調和装置を設置場所から取り外したことでネットワークへの接続が切断された場合に、空気調和装置を移設するための作業が行われたかを検出できる。

　上記態様において、例えば、前記稼動履歴情報は、前記空気調和装置の稼動時刻、運転モード、設定温度、稼働時間をそれぞれ示す情報を含むとしてもよい。これによって、正確に冷媒回収運転が行なわれたか否かを判断できる。

　上記態様において、例えば、前記稼動履歴情報に基づいて、第１日時における前記空気調和装置の稼動状態と同じ稼動状態で、前記第１日時の前年以前における同時期に前記空気調和装置が稼動していなかった場合に、前記第１日時において前記冷媒回収運転が行なわれたと判断するとしてもよい。冷媒回収運転は通常の冷房運転と動作が似ているため、例えば、気温の低い秋季から春季にかけて、通常は冷房運転が行なわれないことを考慮すると、前年以前における同時期に冷房運転が行なわれていないのにも関わらず、当年は冷房運転が行なわれていることを検知すると、当年の冷房運転は冷媒回収運転であると判断できる。

　上記態様において、例えば、前記稼動履歴情報に基づいて、第１日時における前記空気調和装置の連続稼働時間が所定時間の範囲内であるの場合に、前記第１日時において前記冷媒回収運転が行なわれたと判断するとしてもよい。これによって、通常の冷媒回収運転は、例えば、５分程度の短い時間で完了することが多いため、連続稼働時間が所定時間の範囲内であることに基づいて、冷媒回収運転が行なわれたことを判断できる。

　上記態様において、例えば、第１日時において前記空気調和装置が前記ネットワークに接続していないことを検知してから、第２日時において前記空気調和装置が再び前記ネットワークに接続したことを検知すると、前記稼動履歴情報に基づいて、前記第１日時から前記第２日時までの期間の前年以前における同期間に前記冷媒回収運転が行なわれたか否かを判断し、前記冷媒回収運転が行なわれたと判断された場合、前記空気調和装置が移設されたと判断するとしてもよい。これによって、エンジニアが空気調和装置を移設する時、冷媒回収作業を行う前に、空気調和装置のネットワークを切断した場合にも移設を検出することができる。

　上記態様において、例えば、前記稼動履歴情報は、前記空気調和装置の稼動時刻、運転モード、設定温度、稼動時間、ネットワークへの接続の有無をそれぞれ示す情報を含むとしてもよい。これによって、空気調和装置が移設されたか否かを正確に判断できる。

　上記態様において、例えば、前記空気調和装置は、室内機および室外機を有し、前記稼動履歴情報は、前記室内機の設置された室内の温度を示す第１温度情報と、前記室外機の設置された室外の温度を示す第２温度情報とを含むとしてもよい。これによって、例えば、空気調和装置が移設されたことで変化する室外機および室内機の設置環境を検知でき、設置環境の変化に基づいて空気調和装置が移設されたか否かを判断できる。

　第１日時において前記空気調和装置が前記ネットワークに接続していないことを検知してから、第２日時において前記空気調和装置が再び前記ネットワークに接続したことを検知すると、前記稼動履歴情報に基づいて、前記第２日時から所定期間以内である第１期間における前記空気調和装置の設置環境の温度変化傾向を示す第１情報を算出し、前記第１期間の前年以前の同時期における第２期間の前記空気調和装置の設置環境の温度変化傾向を示す第２情報を算出し、前記第１情報と前記第２情報を比較して、所定の相関が得られなかった場合に、前記空気調和装置が移設されたと判断するとしてもよい。

　これによって、ネットワークの切断前後における２つの所定期間内での空気調和装置の設置環境の温度変化傾向を比較するため、例えば、ネットワークの切断前後における一時点での設置環境の温度を比較するよりも、設置環境が変化しているか否かを精度よく判断できる。

　上記態様において、例えば、前記空気調和装置について、前記ネットワークへの接続状況を示す接続情報を取得し、第１日時において前記空気調和装置がネットワークに接続していないことを検知してから、第２日時において前記空気調和装置が再びネットワークに接続したことを検知すると、前記第１日時以前の前記接続情報である第１接続情報と、前記第２日時以降の前記接続情報である第２接続情報とを比較し、前記第１接続情報と前記第２接続情報とが一致しない場合、前記空気調和装置が移設されたと判断するとしてもよい。これによって、ユーザの転居に伴い、ネットワーク接続環境が変化した場合にも、前記空気調和装置が移設されたと検出でき、一早くユーザに試運転を促す通知ができる。

　上記態様において、例えば、前記情報通信装置は、タッチディスプレイを備え、前記第１情報は、アイコンを有するグラフィカルユーザインタフェースを前記タッチディスプレイに表示させるプログラムを含み、前記タッチディスプレイを介した前記アイコンへの操作によって、ネットワークを介して、前記情報通信装置から、前記空調機器に試運転を実行させる制御情報が送信されるとしてもよい。これによって、例えば、試運転が必要である旨の情報をユーザへ通知すると同時に、試運転を実行させるためのアイコンを含むグラフィカルユーザインタフェースがタッチディスプレイへ提示されるので、ユーザは空調機器に対して試運転を実行させる方法を調べることなく、提示されたアイコンを操作するだけで空調機器に対して試運転を実行させられる。

　また、他の態様は、ネットワークを介して、冷媒回路を有する空気調和装置と、情報通信装置とに接続し、前記空気調和装置の移設の有無を判断する移設判断装置であって、前記空気調和装置および前記情報通信装置との通信を行う通信部と、前記空気調和装置が前記ネットワークに接続しているか否かを示す接続状況を検知する接続状況検知部と、前記空気調和装置から受信した、当該空気調和装置の稼動履歴を示す稼動履歴情報を格納する記憶部と、前記稼動履歴情報に基づいて、前記空気調和装置が、前記冷媒回路における冷媒回収運転を行なったか否かを判断する冷媒回収運転判断部と、前記検知した接続状況、および前記空気調和装置が前記冷媒回収運転を行なったと判断されたか否かに基づいて、前記空気調和装置が移設されたか否かを判断する移設判断部と、を備え、前記空気調和装置が移設されたと判断された場合は、前記情報通信装置へ前記空調機器の試運転を促す内容を表す第１情報を通知する。

　上記態様によると、空気調和装置の稼働履歴情報を受信し、前記稼働履歴情報から前記冷媒回路における冷媒回収運転に相当する運転を行ったと判断され、空気調和装置のネットワーク接続してない場合に、空気調和装置が移設されたと判断され、ユーザへ空気調和器の試運転を促す通知がされる。稼働履歴情報からエンジニアが冷媒回収運転に相当する運転を行ったかどうかを、運転状態と運転時間に基づいて判断し、更に前記空気調和装置がネットワーク接続していないことから空気調和装置の電源が切断されたかどうかを判断することで、空気調和装置を移設するための作業が行われたかを検出できる。これによって、空気調和装置が保有している冷媒量が少ない場合の冷媒配管内の冷媒圧力を検知する必要が無くなり、空気調和装置の移設の誤検出を防止できる。また、ユーザが短時間の冷房運転を行っただけで判断せず、ネットワーク接続しているか否かで判断することにより、ユーザが誤って冷房運転で稼働させて、すぐ停止させた場合の誤検出を防止できる。

　なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることも出来る。

　以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることも出来る。

　（実施の形態１）
　まず、本実施の形態における、ネットワークを介して、冷媒回路を有する空気調和装置と、情報通信装置とに接続する情報通知システムの構成について説明する。図１は、本開示の実施の形態における空気調和装置１とグローバルネットワーク４を介して接続する移設判定システム６の構成の一例を示す図である。システムはネットワークを介して、遠隔で空気調和装置１の稼働履歴を監視する。稼働履歴とは、例えば、空気調和装置１の電源ＯＮまたは電源ＯＦＦの状態や、冷房や暖房などの運転モードの状態、設定されている温度、空気調和装置１に搭載された温度センサーの値などである。空気調和装置１は、リモコン２でユーザからの電源ＯＮや設定温度の変更などの要求を受け付ける。空気調和装置１はリモコン２と、例えば赤外線通信を介して通信される。また、空気調和装置１はアダプタ３を介してグローバルネットワーク４に接続している。アダプタ３は空気調和装置１と、例えば有線を介して接続され、グローバルネットワーク４と空気調和装置１を接続する機能を有する。アダプタ３は空気調和装置１の内部に搭載されてもよいし、無線を介して空気調和装置１と接続されてもよい。また、アダプタ３はゲートウェイのように、プロトコルの変換および、パケット送受信機能を有しており、モデムのように異種の伝送路媒体へ変換する機能を有している。アダプタ３は一つの装置で構成されてもよいし、複数の装置間を有線、あるいは無線で接続することで、上記の機能を有してもよい。ユーザは、例えば携帯電話やスマートフォンなどの通信機能と表示画面を保有する端末５をグローバルネットワーク４に接続している時、端末５からも空気調和装置１へ電源ＯＮや設定温度の変更などの要求を送信でき、空気調和装置１はアダプタ３とグローバルネットワーク４を介して前記要求を受け付ける。移設判定システム６は、グローバルネットワーク４を介して、端末５の表示画面に空気調和装置１の稼働履歴の情報や、ユーザからの要求を受け付けるための画面を表示するなどの、情報のやり取りを行うことができる。なお、グローバルネットワーク４は一般公衆回線のため、図１には示していない他の空気調和装置やその他の接続機器も接続されており、移設判定システム６は複数台の空気調和装置の監視や複数台の端末と情報のやりとりを行なうことが可能である。

　図２は空気調和装置１の構成図である。空気調和装置１は室内に設置する室内機１１と室外に設置する室外機１２を冷媒配管と通信線で接続している。

　室内機１１は、操作指示受信装置１１１、運転制御装置１１３、ファンモーター１１５、温度センサー１１４、メモリ１１７、通信装置１１２、室内外機通信装置１１６で構成される。

　操作指示受信装置１１１は、ユーザからの操作指示要求を赤外線等で受信する。運転制御装置１１３は、操作指示受信装置１１１で受信したユーザからの指示に合わせて室内機１１と室外機１２の内部装置を駆動させる。ファンモーター１１５は、室外機１２から冷媒配管を通って流れる温風または冷風を室内に送り出す。温度センサー１１４は、室内機１１が設置されている室内の温度を計測する。メモリ１１７は、ユーザからの操作指示要求や空気調和装置１内のセンサー情報や稼働履歴などの情報を複数個保持する。通信装置１１２は、アダプタ３とグローバルネットワーク４を介した通信を処理する。室内外機通信装置１１６は、室外機１２と通信線経由で情報を送受信する。

　室外機１２は、コンプレッサー１２２、温度センサー１２３、室内外機通信装置１２１で構成される。

　コンプレッサー１２２は、冷媒を圧縮する。温度センサー１２３は室外機１２が設置されている室外の温度を計測する。室内外機通信装置１２１は、室内機１１と通信線経由で情報を送受信する。室内外機通信装置１１６と室内外機通信装置１２１の間で送受信される情報とは、例えば、室内機１１と室外機１２に搭載された温度センサーの値や、ユーザからの操作指示要求や、コンプレッサー１２２を稼働させる際の指示周波数などであり、受信した情報を基に室内機１１は運転制御を行い、室外機１２は指示周波数に従って搭載されているコンプレッサーを稼働させる。

　なお、図２の室内機１１と室外機１２にはそれぞれ室内と室外の温度を計測するセンサーのみが搭載されているが、冷媒配管回りや送風口など、複数の箇所に温度センサーを搭載してもよい。また、温度センサーに限らず、空気調和装置１の制御のために人感センサーや照度センサーなど他種のセンサーを搭載してもよい。なお、図２の室外機１２には運転制御装置が示されていないが、室外機１２にも運転制御装置を搭載しても良い。

　図３は移設判定システム６の内部構成図である。移設判定システム６は、通信装置６３、センサー値・稼働履歴収集装置６２、タイマー６１、移設判定装置６５、試運転通知装置６６、記憶装置６４で構成される。

　通信装置６３は、移設判定システム６がグローバルネットワーク４に接続するための機能を有しており、グローバルネットワーク４に接続している空気調和装置と情報を送受信するために、グローバルネットワーク４に接続する空気調和装置１のＩＰアドレスや識別情報を記憶装置６４に記録する。センサー値・稼働履歴収集装置６２は、タイマー６１が示す時間に従って定期的にグローバルネットワーク４に接続している空気調和装置１から、センサー値と稼働履歴などの情報を受信し、受信した時間と共に記憶装置６４に記録する。また、空気調和装置１から前記情報を受信できなかった場合には、空気調和装置１がネットワーク接続されていないことを記憶装置６４に受信した時間と共に記録する。移設判定装置６５は、記憶装置６４に記録された空気調和装置１の過去から現在までの稼働履歴やセンサー情報を取り出し、空気調和装置１が移設されていないかを判定し、判定結果を保持する。試運転通知装置６６は、移設判定装置６５で空気調和装置１が移設されたと判定された場合に、通信装置６３を用いて空気調和装置１へユーザに試運転を促す通知を送信する。

　なお、センサー値・稼働履歴収集装置６２は、タイマー６１が示す時間に従って定期的に情報を収集する代わりに、空気調和装置１の情報やネットワーク接続状態が変化した時に、空気調和装置１が移設判定システム６に情報を通知してもよい。なお、移設判定システム６の全般的または具体的な態様は、システム、サーバ、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なＣＤ－ＲＯＭなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、サーバ、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。

　図４及び図５を用いて、移設判定システム６の動作について説明する。

　図４は移設判定システム６の動作処理のフローチャートである。移設判定システム６は、空気調和装置１が移設されたか否かを検出するために、定期的、継続的にこの処理を行う。

　まず、センサー値・稼働履歴収集装置６２は空気調和装置１の稼働履歴とセンサー情報を収集し、記憶装置６４に記録する（Ｓ１０１）。移設判定装置６５は、前記の稼働履歴で空気調和装置１が停止しているか判定し、停止していない場合（Ｓ１０２でＮｏ）には、この処理を終了する。前記判定で空気調和装置１が停止している場合（Ｓ１０２でＹｅｓ）には、停止前に冷房運転していたかどうか判定し、冷房運転していない場合（Ｓ１０３でＮｏ）には、この処理を終了する。移設判定装置６５は、前記稼働履歴で停止前に冷房運転していた場合（Ｓ１０３でＹｅｓ）には、前記冷房運転が冷媒回収運転に相当するかどうか判定する冷媒回収運転判定処理（Ｓ１０４）を行い、冷媒回収運転の可能性がないと判定された場合（Ｓ１０５でＮｏ）には、この処理を終了する。移設判定装置６５は、冷媒回収運転判定処理（Ｓ１０４）で冷媒回収運転の可能性があると判定した場合（Ｓ１０５でＹｅｓ）には、空気調和装置１が移設のために電源ＯＦＦになったかどうかを、空気調和装置１がネットワークに接続しているかどうかで判定し、ネットワークに接続している場合（Ｓ１０６がＹｅｓ）には、この処理を終了する。前記判定処理でネットワークに接続していない場合（Ｓ１０６がＮｏ）には、試運転通知装置６６が空気調和装置１に試運転実施を促す通知を送信する試運転通知処理（Ｓ１０７）を行い、この処理を終了する。

　次に、図５及び図６を用いて、冷媒回収運転判定処理（Ｓ１０４）の詳細を説明する。

　図５は記憶装置６４に記録された稼働履歴の一例を示す図である。Ｒ１０４に記録された稼働履歴は、現在収集した稼働履歴である。Ｒ１０３に記録された稼働履歴は、前回収集した稼働履歴である。Ｒ１０１とＲ１０２は、過去の同時期に収集した稼働履歴である。

　なお、図５の例では１０分毎に空気調和装置１から稼働状況を収集しているが、収集時間は異なってもよい。なお、前記Ｒ１０３とＲ１０４の説明では、それぞれ現在と直前に収集した稼働履歴としているが、複数回の稼働履歴をまとめて収集し、記憶装置６４に記録して用いてもよい。

　図６は移設判定システム６の冷媒回収運転判定処理動作のフローチャートである。移設判定システム６は、空気調和装置１の稼働履歴にある冷房運転が、空気調和装置１を移設するためにエンジニアが行う冷媒回収運転に相当するかどうかを判定する。

　まず、移設判定装置６５は、記憶装置６４から現在の過去同時期に冷房運転したことがあるか判定し、ない場合（Ｓ１０４０１でＮｏ）には、冷媒回収運転の可能性があるという結果を保持して、この処理を終了する。前記判定で、過去同時期に冷房運転したことがある場合（Ｓ１０４０１でＹｅｓ）には、直前の冷房運転の運転時間が２分以上３０分以内であったか否かを判定し、該当しない場合（Ｓ１０４０２でＮｏ）には、この処理を終了する。前記判定で、直前の冷房運転の運転時間が２分以上３０分以内に該当する場合（Ｓ１０４０２でＹｅｓ）には、空気調和装置１の冷媒回収運転の可能性があるという結果を保持して、この処理を終了する。

　なお、図５に例示した稼働履歴では、過去同時期を昨年の同日時として比較しているが、昨年同月内、昨年同週内、昨年同日内など、同時期及び同季節と扱える期間の稼働履歴と比較してもよい。なお、ステップＳ２０６０２で２分以上３０分以内としているが、短時間であっても冷媒回収は可能であるので、この時間より短くてもよい。

　図５に例示した稼働状況に冷媒回収運転判定処理（Ｓ１０４）を適用した場合、過去同時期の稼働履歴Ｒ１０１とＲ１０２は、暖房運転しており、冷房運転した記録がないので、冷媒回収運転の可能性があるという結果を保持して、この処理を終了する。

　次に、図７及び図８を用いて、試運転通知処理（Ｓ１０７）の詳細を説明する。

　図７は移設判定システム６の試運転通知処理動作のフローチャートである。移設判定システム６は、空気調和装置１が移設されたことを検出すると、ユーザに試運転実施を促す通知を送信する。

　まず、移設判定システム６は、空気調和装置１のネットワーク接続状態を定期的、継続的に確認する（Ｓ１０７０１）。エンジニアが空気調和装置１の移設を行った場合、移設作業中は室内機１１と室外機１２を取り外すために電源ＯＦＦにするので、空気調和装置１はネットワークに接続していない。移設作業が完了し、ユーザ宅内でグローバルネットワーク４が使用できる状態にあるときに、空気調和装置１もネットワーク接続に復帰する。空気調和装置１がネットワーク接続している場合（Ｓ１０７０２）には、試運転通知装置６６は、通信装置６３を用いて端末５に試運転実施を促す通知を送信（Ｓ１０７０３）し、この処理を終了する。

　なお、試運転通知装置６６が試運転実施を促す通知を送信する先は、端末５の代わりに、空気調和装置１としてもよい。通知を受け取った空気調和装置１は、空気調和装置１に音源を備えて報知音を鳴らしたり、ＬＥＤを備えて点灯させたり、液晶画面を備えてメッセージ表示するなどしてユーザに報知してもよい。更に、空気調和装置１とリモコン２で双方向に通信を行えるようにして、通知を受け取った空気調和装置１が、リモコン２に試運転実施を促すメッセージを送信し、リモコン２に表示させることでユーザに報知してもよい。

　図８は端末５の試運転通知画面の一例である。図８に示すように、例えば、移設したことによって空気調和装置１の周辺環境が変わり、確認のために試運転するべきであることを文言で画面表示し、通知を受け取ったユーザがすぐ試運転を実施または保留できるように、試運転するボタンとキャンセルボタンを表示する。ユーザが試運転するボタンを選択した場合には、端末５は空気調和装置１に試運転実施の操作指示要求を送信し、空気調和装置１は試運転を実施する。

　以上、移設判定システム６の動作について説明した。

　（実施の形態２）
　次に実施の形態２を詳細に説明する。上記の実施の形態１では、空気調和装置１がネットワーク接続した状態で冷媒回収運転を行い、空気調和装置１を電源ＯＦＦにするという順で行われた移設作業を検出し、ユーザに試運転実施を促す通知をした。本実施の形態では、空気調和装置１がネットワークから切断された状態で冷媒回収運転を行い、空気調和装置１を電源ＯＦＦにするという順で行われる移設作業を検出し、ユーザに試運転実施を促す通知をする動作について説明する。

　なお、本実施の形態における空気調和装置１の構成の概要、移設判定システム６の構成の概要、試運転通知処理（Ｓ１０７）と端末５の試運転通知画面の一例は、図１から図３及び図７と図８で説明した実施の形態１と同じであり、説明は省略する。

　以下、本実施の形態における移設判定システム６の動作について図９を用いて説明する。

　図９は移設判定システム６の動作処理のフローチャートである。移設判定システム６は、空気調和装置１が移設されたか否かを検出するために、定期的、継続的にこの処理を行う。なお、以下の図では、既に説明した処理と同様の処理には同一の符号を付しており、重複する説明を省略する場合がある。

　ステップＳ１０７の処理は実施の形態１で説明した処理と同じであり、説明は省略する。

　移設判定装置６５は、空気調和装置１がネットワーク接続しているか定期的、継続的に判定し（Ｓ２０１）、ネットワーク接続状況を記憶装置６４に記録する。前記判定で、空気調和装置１がネットワーク接続していない場合（Ｓ２０１でＮｏ）は、この処理を終了する。前記判定で、空気調和装置１がネットワーク接続している場合（Ｓ２０１でＹｅｓ）は、センサー値・稼働履歴収集装置６２が定期的、継続的に空気調和装置１の稼働履歴を収集して記憶装置６４に記録するので、記憶装置６４からネットワーク接続していなかった期間の稼働履歴を取得する（Ｓ２０４）。前記稼働履歴に冷房運転がない場合（Ｓ２０５でＮｏ）には、この処理を終了する。前記稼働履歴に冷房運転がある場合（Ｓ２０５でＹｅｓ）には、前記冷房運転が冷媒回収運転に相当するかどうか判定する冷媒回収運転判定処理（Ｓ２０６）を行い、冷媒回収運転の可能性がないと判定された場合（Ｓ２０７でＮｏ）には、この処理を終了する。移設判定装置６５は、冷媒回収運転判定処理（Ｓ２０６）で冷媒回収運転の可能性があると判定した場合（Ｓ２０７でＹｅｓ）には、試運転通知装置６６が空気調和装置１に試運転実施を促す通知を送信する試運転通知処理（Ｓ１０７）を行い、この処理を終了する。

　次に、図１０及び図１１を用いて、冷媒回収運転判定処理（Ｓ２０６）の詳細を説明する。

　図１０は記憶装置６４に記録された稼働履歴の一例を示す図である。Ｒ２０３は移設判定装置６５が、空気調和装置１がネットワーク接続していないことを検出し、記録したものである。空気調和装置１のＲ２０４、Ｒ２０５、Ｒ２０６に記録された稼働履歴は、空気調和装置１がネットワーク接続に復帰した時に、センサー値・稼働履歴収集装置６２が収集した稼働履歴である。前記稼働履歴は、ネットワーク接続していなかった期間の稼働履歴であり、空気調和装置１が室内機１１のメモリ１１７に保持している複数回分の稼働履歴である。Ｒ２０１とＲ２０２は、過去の同時期に収集した稼働履歴である。

　なお、図１０の例では１０分毎に空気調和装置１から稼働状況を収集しているが、収集時間は異なってもよい。なお、Ｒ２０４、Ｒ２０５、Ｒ２０６の記稼働履歴は、室内機１１が制御のタイミングに合わせてメモリ１１７に保持されるものとし、そのタイミングは定期的でなく、異なってもよい。

　図１１は移設判定システム６の冷媒回収運転判定処理動作のフローチャートである。移設判定システム６は、空気調和装置１の稼働履歴にある冷房運転が、空気調和装置１を移設するためにエンジニアが行う冷媒回収運転に相当するかどうかを判定する。

　まず、移設判定装置６５は、記憶装置６４からネットワーク切断中に冷房運転した時期の過去同時期に冷房運転したことがあるか判定し、ない場合（Ｓ２０６０１でＮｏ）には、冷媒回収運転の可能性があるという結果を保持して、この処理を終了する。前記判定で、過去同時期に冷房運転したことがある場合（Ｓ２０６０１でＹｅｓ）には、直前の冷房運転の運転時間が２分以上３０分以内であったか否かを判定し、該当しない場合（Ｓ２０６０２でＮｏ）には、この処理を終了する。前記判定で、直前の冷房運転の運転時間が２分以上３０分以内に該当する場合（Ｓ２０６０２でＹｅｓ）には、空気調和装置１の冷媒回収運転の可能性があるという結果を保持して、この処理を終了する。

　図１０に例示した稼働状況に冷媒回収運転判定処理（Ｓ１０４）を適用した場合、ネットワーク切断中に冷房運転した稼働履歴Ｒ２０５と過去同時期の稼働履歴Ｒ２０１とＲ２０２は、暖房運転しており、冷房運転した記録がないので、冷媒回収運転の可能性があるという結果を保持して、この処理を終了する。

　以上、移設判定システム６の動作について説明した。

　（実施の形態３）
　次に実施の形態３を詳細に説明する。上記の実施の形態１、実施の形態２では、空気調和装置１が冷媒回収運転を行い、電源ＯＦＦにするという移設作業を検出し、ユーザに試運転実施を促す通知をした。本実施の形態では、空気調和装置１に搭載されたセンサー値を記録し、空気調和装置１の周辺環境の変化から、移設されたことを検出し、ユーザに試運転実施を促す通知をする動作について説明する。

　以下、本実施の形態における移設判定システム６の動作について図１２を用いて説明する。

　図１２は移設判定システム６の動作処理のフローチャートである。移設判定システム６は、空気調和装置１が移設されたか否かを検出するために、定期的、継続的にこの処理を行う。なお、以下の図では、既に説明した処理と同様の処理には同一の符号を付しており、重複する説明を省略する場合がある。

　移設判定装置６５は、空気調和装置１がネットワーク接続しているか定期的、継続的に確認し、ネットワーク接続なしの記録が１日以内にあるか判定し（Ｓ３０１）、ネットワーク接続状況を記憶装置６４に記録する。前記判定で、空気調和装置１がネットワーク接続していない記録が１日以内にない場合（Ｓ３０１でＮｏ）は、この処理を終了する。前記判定で、空気調和装置１がネットワーク接続していない記録が１日以内にある場合（Ｓ３０１でＹｅｓ）は、ネットワーク接続が復帰してからセンサー値・稼働履歴収集装置６２が定期的、継続的に空気調和装置１のセンサー値を収集して記憶装置６４に記録した情報が１日分溜まっているかどうか判定し、溜まっていない場合（Ｓ３０２でＮｏ）には、この処理を終了する。前記判定処理で、ネットワーク接続が復帰してから記録した情報が１日分溜まっている場合（Ｓ３０２でＹｅｓ）には、相関有無判定処理（Ｓ３０３）を行い、今日のデータと過去のデータに相関があるか判定する（Ｓ３０４）。前記判定で、相関がある場合（Ｓ３０４でＹｅｓ）には、この処理を終了する。前記判定で、相関がない場合（Ｓ３０４でＮｏ）には、移設されたと判定し、試運転通知装置６６が空気調和装置１に試運転実施を促す通知を送信する試運転通知処理（Ｓ１０７）を行い、この処理を終了する。

　次に、図１３、図１４、図１５及び図１６を用いて、相関有無判定処理（Ｓ３０３）の詳細を説明する。

　図１３は記憶装置６４に記録されている、ネットワーク接続が復帰した後に収集した、１日センサー値の一例を示す図である。図１３の室内気温は、室内機１１の温度センサー１１４が計測した値である。図１３の室外気温は、室外機１２の温度センサー１２３が計測した値である。

　図１４は記憶装置６４に記録されている、図１３のセンサー値を収集した時期の過去同時期に収集したセンサー値の一例を示す図である。

　図１５は移設判定システム６の相関有無判定処理動作のフローチャートである。移設判定システム６は、空気調和装置１がネットワーク接続していない状態から復帰した後に、収集したセンサー値と過去同時期に収集したセンサー値に相関関係があるかどうかを判定する。

　まず、移設判定装置６５は、記憶装置６４からネットワーク接続していない状態から復帰した後に収集したセンサー値（以降、今日のセンサー値とする）の１年前同時期に収集したセンサー値を１日分取り出す（Ｓ３０３０１）。１年前同時期のセンサー値と今日のセンサー値とで相関係数ｒ１を算出し、移設判定装置６５はその結果を保持する（Ｓ３０３０２）。前記相関係数ｒ１は以下の数式（１）で算出することができる。数式（１）において、ｘ_ｉは今日のセンサー値の１番目からｎ番目の値を示し、ｘ￣（ｘの上にバー）は今日のセンサー値の平均値を示す。図１３において、１番目のセンサー値とはＲ３０１のセンサー値であり、ｎ番目のセンサー値とは、Ｒ３０２のセンサー値である。ｙ_ｉは１年前同時期のセンサー値の１番目からｎ番目の値を示し、ｙ￣（ｙの上にバー）は１年前同時期のセンサー値の平均値を示す。図１４において、１番目のセンサー値とはＲ４０３、ｎ番目のセンサー値とはＲ４０４である。図１３と図１４に示した値で１年前同時期のセンサー値と今日のセンサー値について、室内気温と室外気温それぞれの相関係数ｒ１を算出した結果は、図１６のＲ５０１である。

　次に、記憶装置６４から今日のセンサー値の２年前同時期に収集したセンサー値を１日分取り出す（Ｓ３０３０３）。１年前同時期のセンサー値と２年前同時期に収集したセンサー値についても、相関係数ｒ２を算出し、移設判定装置６５はその結果を保持する（Ｓ３０３０４）。前記相関係数ｒ２は、上記の数式（１）で算出することができる。図１４において、１番目のセンサー値とはＲ４０１、ｎ番目のセンサー値とはＲ４０２である。図１４に示した値で２年前同時期のセンサー値と１年前のセンサー値について、室内気温と室外気温それぞれの相関係数ｒ２を算出した結果は、図１６のＲ５０２である。前記ステップＳ３０３０２とＳ３０３０４で算出した相関係数の差が±０．２以上でない場合（Ｓ３０３０５でＮｏ）には、相関ありと判定し、移設判定装置６５はその結果を保持して（Ｓ３０３０７）、この処理を終了する。前記判定で、相関係数の差が±０．２以上である場合（Ｓ３０３０５でＹｅｓ）には、相関なしと判定し、移設判定装置６５はその結果を保持して（Ｓ３０３０６）、この処理を終了する。

　図１６に例示した相関係数の場合、Ｒ５０１とＲ５０２の室内機温の相関係数の差が０．２以上であるので、前記ステップＳ５０３の相関有無判定処理は、相関なしと判定する。

　なお、図１３、図１４の例では、センサー値・稼働履歴収集装置６２が１時間毎に定期的に収集しているが、収集する間隔は異なってもよい。なお、図１３、図１４に例示したセンサー値では、過去同時期を昨年の同日１日分として比較しているが、昨年同月内、昨年同週内、昨年同時内など、同時期及び同季節と扱える期間の任意の期間のセンサー値と比較してもよい。なお、図１３、図１４の例では、センサー値として室内気温と室外気温を例示しているが、他の場所に設置した温度センサーや、照度センサーなどの他のセンサーを用いも良い。

　以上、移設判定システム６の動作について説明した。

　（実施の形態４）
　次に実施の形態４を詳細に説明する。上記の実施の形態１、実施の形態２では、空気調和装置１が冷媒回収運転を行い、電源ＯＦＦにするという移設作業を検出し、ユーザに試運転実施を促す通知をした。上記の実施の形態３では、空気調和装置１に搭載されたセンサー値を記録し、空気調和装置１の周辺環境の変化から、移設されたことを検出し、ユーザに試運転実施を促す通知をした。本実施の形態では、空気調和装置１がネットワーク接続されていない状態から復帰したときに、以前接続していたネットワーク接続環境から離脱し、別の接続環境に変化しているか否か判定して、移設されたことを検出し、ユーザに試運転実施を促す通知をする動作について説明する。

　以下、本実施の形態における移設判定システム６の動作について図１７を用いて説明する。

　図１７は移設判定システム６の動作処理のフローチャートである。移設判定システム６は、空気調和装置１が移設されたか否かを検出するために、定期的、継続的にこの処理を行う。なお、以下の図では、既に説明した処理と同様の処理には同一の符号を付しており、重複する説明を省略する場合がある。

　移設判定装置６５は、空気調和装置１がネットワーク接続しているか定期的、継続的に確認し、ネットワーク接続なしから復帰して接続しているか判定し、接続していない場合（Ｓ４０１でＮｏ）には、この処理を終了する。前記判定処理で、接続している場合（Ｓ４０１でＹｅｓ）には、ネットワーク離脱検出処理（Ｓ４０２）を行い、空気調和装置１が以前接続していたネットワーク接続環境から離脱し、別の接続環境に変化しているか否か判定する。前記判定で、ネットワーク離脱していない場合（Ｓ４０３でＮｏ）には、この処理を終了する。前記判定で、ネットワーク離脱している場合（Ｓ４０３でＹｅｓ）には、試運転通知装置６６が空気調和装置１に試運転実施を促す通知を送信する試運転通知処理（Ｓ１０７）を行い、この処理を終了する。

　次に、図１８及び図１９を用いて、ネットワーク離脱検出処理（Ｓ４０２）の詳細を説明する。

　移設判定装置６５は、記憶装置６４の空気調和装置１のアダプタ３の接続情報を確認する。前記接続情報とは、例えば、ＩＰアドレスや識別情報である。前記接続情報がこれまでの接続情報と異なるかどうか判定し（Ｓ４０２０２）、同じ場合（Ｓ４０２０２でＮｏ）には、ネットワーク離脱なしと判定し、移設判定装置６５は結果を保持して（Ｓ４０２０４）、この処理を終了する。前記判定処理で、これまでの接続情報と異なる場合（Ｓ４０２０２でＹｅｓ）には、ネットワーク離脱ありと判定し、移設判定装置６５は結果を保持して（Ｓ４０２０３）、この処理を終了する。

　図１９は記憶装置６４に記録されている空気調和装置１のアダプタ３の接続情報の一例を示している。図１９の空気調和装置識別番号とは空気調和装置を識別するための情報であり、図１９のＲ６０１行の識別番号が、本実施の形態の空気調和装置１であるとする。接続情報が変化しない限り、図１９の更新日時の列の値は変化せず、接続情報が変化した場合、該当する空気調和装置の更新日時の値が、変化を検出した日時に上書きされ、ＩＰアドレスの値も上書きされる。

　なお、図１８の例では、アダプタ３の接続情報を確認しているが、空気調和装置１にアダプタ３の機能が内蔵されている場合は、空気調和装置１の接続情報を確認してもよい。なお、図１９の例では、空気調和装置１の最新の接続情報を保持していたが、空気調和装置１の接続情報の変化を複数行に渡って履歴を保持してもよい。

　図１８の接続情報について、２０１５／３／４　１１：００にステップＳ４０２のネットワーク離脱検出処理を行うと、空気調和装置１の接続情報が更新されているので、ステップＳ４０２０２でこれまでの接続情報と異なると判定され、ステップＳ４０２０３でネットワーク離脱ありと判定され、移設判定装置６５はこの結果を保持して処理を終了する。

　以上、移設判定システム６の動作について説明した。

　以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。

　本開示は、移設を実施した空気調和装置に対して、移設されたことを検出する方法、ユーザへ試運転実施を促す通知を行う情報通知システムとして有用である。

　１　　空気調和装置
　２　　リモコン
　３　　アダプタ
　４　　グローバルネットワーク
　５　　端末
　６　　移設判定システム
　６１　　タイマー
　６２　　センサー値・稼働履歴収集装置
　６３　　通信装置
　６４　　記憶装置
　６５　　移設判定装置
　６６　　試運転通知装置
　１１　　室内機
　１２　　室外機
　１１１　　操作指示受信装置
　１１２　　通信装置
　１１３　　運転制御装置
　１１４　　温度センサー
　１１５　　ファンモーター
　１１６　　室内外機通信装置
　１１７　　メモリ
　１２１　　室内外機通信装置
　１２２　　コンプレッサー
　１２３　　温度センサー

Claims

　ネットワークを介して、冷媒回路を有する空気調和装置と、情報通信装置とに接続する情報通知システムにおける情報通知方法であって、
　前記空気調和装置が前記ネットワークに接続しているか否かを示す接続状況を検知し、
　前記空気調和装置から、当該空気調和装置の稼動履歴を示す稼動履歴情報を受信し、
　前記稼動履歴情報に基づいて、前記空気調和装置が、前記冷媒回路における冷媒回収運転を行なったか否かを判断し、
　前記検知した接続状況、および前記空気調和装置が前記冷媒回収運転を行なったと判断されたか否かに基づいて、前記空気調和装置が移設されたか否かを判断し、
　前記空気調和装置が移設されたと判断された場合は、前記情報通信装置へ前記空調機器の試運転を促す内容を表す第１情報を通知する、
　情報通知方法。
　前記空気調和装置が前記冷媒回収運転を行なったと判断された場合に、前記空気調和装置が前記ネットワークに接続していないことを検知すると、前記空気調和装置が移設されたと判断する、
　請求項１に記載の情報通知方法。
　前記稼動履歴情報は、前記空気調和装置の稼動時刻、運転モード、設定温度、稼働時間をそれぞれ示す情報を含む、
　請求項１に記載の情報通知方法。
　前記稼動履歴情報に基づいて、第１日時における前記空気調和装置の稼動状態と同じ稼動状態で、前記第１日時の前年以前における同時期に前記空気調和装置が稼動していなかった場合に、前記第１日時において前記冷媒回収運転が行なわれたと判断する、
　請求項１に記載の情報通知方法。
　前記稼動履歴情報に基づいて、第１日時における前記空気調和装置の連続稼働時間が所定時間の範囲内であるの場合に、前記第１日時において前記冷媒回収運転が行なわれたと判断する、
　請求項１に記載の情報通知方法。
　第１日時において前記空気調和装置が前記ネットワークに接続していないことを検知してから、第２日時において前記空気調和装置が再び前記ネットワークに接続したことを検知すると、前記稼動履歴情報に基づいて、前記第１日時から前記第２日時までの期間の前年以前における同期間に前記冷媒回収運転が行なわれたか否かを判断し、
　前記冷媒回収運転が行なわれたと判断された場合、前記空気調和装置が移設されたと判断する、
　請求項１に記載の情報通知方法。
　前記稼動履歴情報は、前記空気調和装置の稼動時刻、運転モード、設定温度、稼動時間、ネットワークへの接続の有無をそれぞれ示す情報を含む、
　請求項１に記載の情報通知方法。
　前記空気調和装置は、室内機および室外機を有し、
　前記稼動履歴情報は、前記室内機の設置された室内の温度を示す第１温度情報と、前記室外機の設置された室外の温度を示す第２温度情報とを含む、
　請求項１に記載の情報通知方法。
　第１日時において前記空気調和装置が前記ネットワークに接続していないことを検知してから、第２日時において前記空気調和装置が再び前記ネットワークに接続したことを検知すると、前記稼動履歴情報に基づいて、前記第２日時から所定期間以内である第１期間における前記空気調和装置の設置環境の温度変化傾向を示す第１情報を算出し、前記第１期間の前年以前の同時期における第２期間の前記空気調和装置の設置環境の温度変化傾向を示す第２情報を算出し、
　前記第１情報と前記第２情報を比較して、所定の相関が得られなかった場合に、前記空気調和装置が移設されたと判断する、
　請求項７に記載の情報通知方法。
　前記空気調和装置について、前記ネットワークへの接続状況を示す接続情報を取得し、
　第１日時において前記空気調和装置がネットワークに接続していないことを検知してから、第２日時において前記空気調和装置が再びネットワークに接続したことを検知すると、前記第１日時以前の前記接続情報である第１接続情報と、前記第２日時以降の前記接続情報である第２接続情報とを比較し、前記第１接続情報と前記第２接続情報とが一致しない場合、前記空気調和装置が移設されたと判断する、
　請求項１に記載の情報通知方法。
　前記情報通信装置は、タッチディスプレイを備え、
　前記第１情報は、アイコンを有するグラフィカルユーザインタフェースを前記タッチディスプレイに表示させるプログラムを含み、
　前記タッチディスプレイを介した前記アイコンへの操作によって、ネットワークを介して、前記情報通信装置から、前記空調機器に試運転を実行させる制御情報が送信される、
　請求項１に記載の情報通知方法。
　ネットワークを介して、冷媒回路を有する空気調和装置と、情報通信装置とに接続し、前記空気調和装置の移設の有無を判断する移設判断装置であって、
　前記空気調和装置および前記情報通信装置との通信を行う通信部と、
　前記空気調和装置が前記ネットワークに接続しているか否かを示す接続状況を検知する接続状況検知部と、
　前記空気調和装置から受信した、当該空気調和装置の稼動履歴を示す稼動履歴情報を格納する記憶部と、
　前記稼動履歴情報に基づいて、前記空気調和装置が、前記冷媒回路における冷媒回収運転を行なったか否かを判断する冷媒回収運転判断部と、
　前記検知した接続状況、および前記空気調和装置が前記冷媒回収運転を行なったと判断されたか否かに基づいて、前記空気調和装置が移設されたか否かを判断する移設判断部と、を備え、
　前記空気調和装置が移設されたと判断された場合は、前記情報通信装置へ前記空調機器の試運転を促す内容を表す第１情報を通知する、
　移設判断装置。