WO2017104114A1 - 小便器 - Google Patents

Abstract

本発明の課題は、受け部の後部において汚れやすい左右方向の中央部を広範囲に亘って洗浄できる小便器を提供することである。小便器（１）は、小便を受ける受け部（３）と、洗浄水を受け部（３）の内面に流下させる吐水部（６）とを具備する。受け部（３）は、利用者に対向する対向面（３０）を備える。対向面（３０）は、対向面（３０）に少なくとも一つ形成され、吐水部（６）から吐出された洗浄水をガイドする上向きのガイド面（３５）を有する。ガイド面（３５）は、対向面（３０）の左右方向の中央部に位置し、対向面（３０）の左右方向の一端部に向かって下り傾斜する。

Description

小便器

　本発明は小便器に関する。

　特許文献１には小便器が開示されている。この小便器の便器ボウルの上部には、洗浄水を吐出する複数個の小穴が設けられている。

　ところで、特許文献１に開示された小便器は、洗浄水が、便器ボウルの背面の左右方向の中央部において左右に広がり難い。このため、便器ボウルの背面において、小便が直接掛かって汚れやすい左右方向の中央部の広い範囲を洗浄することが難しい。

特開２００１－１１５５３３号公報

　前記目的を達成するために本発明に係る一態様の小便器は、受け部と、洗浄水を前記受け部の内面に流下させる吐水部とを具備する。前記受け部は、利用者に対向する対向面を備える。前記対向面は、少なくとも一つのガイド面を有する。前記少なくとも一つのガイド面は、前記対向面に形成され、前記吐水部から吐出された洗浄水をガイドする上向きの面である。前記少なくとも一つのガイド面は、前記対向面の左右方向の中央部に位置する。前記少なくとも一つのガイド面は、前記対向面の左右方向の一端部に向かって下り傾斜する。

図１は、本発明に係る一実施形態の小便器の斜視図である。 図２は、同上の小便器を右側から見たときの斜視図である。 図３は、同上の小便器の概略図である。 図４は、同上の小便器の縦断面図である。 図５は、本発明に係る一実施形態の他例の小便器の概略図である。

　以下に示す実施形態及び変形例は、小便器に関し、詳しくは、洗浄水によって受け部の内面を洗浄可能な小便器に関する。

　（実施形態）
　図１及び図２には、本実施形態の小便器１が示されている。小便器１は床９０（図３及び図４参照）に設置される便器本体２を具備している。便器本体２は合成樹脂製である。

　便器本体２は、受け部３を備えている。受け部３は便器本体２の一部である。受け部（ボウル）３は、床９０に立った男性利用者の小便を受ける部分（小便受け部）である。受け部３は開口縁を有している。

　以下、小便器１について設置状態における便器本体２の方向を基準として説明する。具体的には、受け部３の開口縁が小便器１の前方側を定める。すなわち、便器本体２から見て利用者が位置する側を前方、利用者とは反対側を後方とし、前方から便器本体２を見て左側を左方とする。

　受け部３は上方に向かって開口している。受け部３は後部３３が前部３４よりも上方に突出している。以下、受け部３の後部３３を受け部後部３３といい、受け部３の前部３４を受け部前部３４という。

　本実施形態の小便器１は、小便専用のストール小便器である。受け部３は、底部４０と、左右方向における両側の側壁部４１，４２と、後壁部４３と、前壁部４４（垂れ受け）とを備えている。以下、必要に応じて、両側壁部４１，４２のうちの一方の側壁部である右の側壁部４１を右側壁部（第１側壁部）４１といい、他方の側壁部である左の側壁部４２を左側壁部（第２側壁部）４２という。

　右側壁部４１、左側壁部４２、後壁部４３、及び前壁部４４は、底部４０の右端部、左端部、後端部、及び前端部からそれぞれ上方に突出している。

　後壁部４３は、右側壁部４１の後端部と、左側壁部４２の後端部とを繋いでいる。右側壁部４１は後壁部４３の右端部から前方に向かって突出している。左側壁部４２は後壁部４３の左端部から前方に向かって突出している。

　前壁部４４は、右側壁部４１の下端部の前端部と、左側壁部４２の下端部の前端部とを繋いでいる。つまり、両側壁部４１，４２の下端部の前端部同士は、前壁部４４を介して繋がっている。

　前壁部４４は左右方向において中央に近い部分ほど前方に位置するように湾曲している。前壁部４４の上端は、後壁部４３の上端、右側壁部４１の上端、及び左側壁部４２の上端よりも下方に位置している。すなわち、前壁部４４は、後壁部４３、右側壁部４１、及び左側壁部４２よりも、背が低い。後壁部４３と両側壁部４１，４２は、前壁部４４よりも上方に大きく突出している。

　底部４０の上面と、後壁部４３の前面と、左右の側壁部４１，４２の内面と、前壁部４４の後面とで、受け部３の連続した内面が構成されている。底部４０の前部と前壁部４４とで受け部前部３４が構成されている。底部４０の後部と、後壁部４３と、両側壁部４１，４２とで、受け部後部３３が構成されている。

　受け部３は、便器本体２の前方に立つ利用者に対向して、利用者の小便を受ける対向面３０を備えている。本実施形態の対向面３０は、後壁部４３の前面で構成されている。対向面３０は上下方向に延びた面である。対向面３０の長手方向は上下方向と平行である。対向面３０の幅方向は左右方向と平行である。

　便器本体２は洗浄水を受け部３の内面に流下させる吐水部６を備えている。吐水部６は、対向面３０の右端部の上端部に設けられており、対向面３０と右側壁部４１の内面とに跨っている。

　本実施形態の小便器１は、図３に示す給水管８０を具備している。給水管８０は図示しない水源に接続されている。給水管８０には水源から洗浄水として用いられる水が供給される。給水管８０の下流端部は、吐水部６に接続されている。吐水部６には給水管８０から洗浄水が供給される。吐水部６は、給水管８０から供給された洗浄水を下方に向けて吐出する。本実施形態の吐水部６は、洗浄水を下方ほど左右方向に広がるように吐出するスプレッダーである。

　本実施形態の小便器１は、受け部３の内面を自動洗浄する小便器である。小便器１は、開閉弁８１と、人体検知センサー８２と、制御装置８３とを具備している。

　開閉弁８１は給水管８０に設けられている。開閉弁８１は電磁弁である。

　人体検知センサー８２は便器本体２に設けられている。具体的に人体検知センサー８２は、対向面３０（後壁部４３）の上端部の左右方向の中央部に設けられており、吐水部６と左右方向に並んでいる。人体検知センサー８２は赤外線センサーである。人体検知センサー８２は、便器本体２の前方に利用者が存在するか否かを検知する。

　開閉弁８１と人体検知センサー８２は、制御装置８３に電気的に接続されている。制御装置８３は人体検知センサー８２で検知した検知情報に基づいて開閉弁８１を制御する。

　利用者が小便器１を利用するにあたって便器本体２の前方に立ったとき、人体検知センサー８２により、便器本体２の前方に利用者が存在することが検知される。また、利用者が小便器１で用を足した後、便器本体２の前方から立ち去ったとき、人体検知センサー８２により、便器本体２の前方に利用者が存在しないことが検知される。

　制御装置８３は、上述のように人体検知センサー８２によって利用者が存在することを検知した後に利用者が存在しないことを検知した場合、開閉弁８１を開く。これにより、小便器１の吐水部６に給水管８０から洗浄水が供給され、吐水部６から利用者が用を足した後の受け部３内に洗浄水が吐出されて受け部３の内面が洗浄される。

　制御装置８３は、開閉弁８１を開いてから所定時間が経過した時点で、開閉弁８１を閉じる。このように開閉弁８１が閉じると、給水管８０から吐水部６への洗浄水の供給が止まり、吐水部６からの洗浄水の吐出が止まる。

　図４に示すように、受け部３の底部４０は、上方に開口した椀状に形成されている。底部４０の下端部には、排出口４５が形成されている。排出口４５は吐水部６から吐出された洗浄水及び小便を受け部３から排出する。

　本実施形態の排出口４５は、上方に向かって開口した凹部４６と、凹部４６の底部中央に形成された排水筒部４７とで構成されている。

　排水筒部４７は上下に貫通した筒状である。排水筒部４７は、凹部４６の底部から上方に突出した筒状の突出部４８と、凹部４６の底部から下方に突出した筒状の接続部４９とを有している。接続部４９の内側は、突出部４８の内側に通じている。

　排水筒部４７の接続部４９には、排水管９１が接続されている。受け部３の底部４０に流れ込んだ小便及び洗浄水は、排水筒部４７を通して排水管９１に排出される。

　凹部４６の内側領域のうち、突出部４８の外側に位置する領域は、洗浄水が溜まる溜水領域５０となる。

　本実施形態の小便器１は、排出口４５に着脱可能に設けられた目皿７を具備している。目皿７は、蓋部７０と筒部７１とを備えている。蓋部７０は凹部４６の上端部に配置されており、凹部４６の上開口部を覆っている。

　筒部７１は蓋部７０の中央部から下方に向かって突出し、溜水領域５０に挿入されている。溜水領域５０の下端部を除く領域は、筒部７１により筒部７１外側の外側領域５３と筒部７１内側の内側領域５４とに仕切られている。

　蓋部７０において筒部７１よりも外側に突出した部分には、上下に貫通した目皿孔７２が複数形成されている。受け部３の内側において蓋部７０よりも上方の領域は、複数の目皿孔７２を介して外側領域５３に通じている。

　受け部３の底部４０に流れ込んだ洗浄水及び小便は、複数の目皿孔７２から外側領域５３に流入し、この後、内側領域５４及び排水筒部４７を順に通って排水管９１に排出される。

　溜水領域５０に溜まった洗浄水は、目皿孔７２と排水筒部４７との間の空気の流通を遮断する封水となる。この封水により、排水筒部４７側から臭気や虫等が受け部３内に入ることが抑制される。すなわち、本実施形態では排出口４５と目皿７とで、排水トラップが構成されている。

　図１及び図２に示すように、受け部３は、少なくとも一つのガイド面３５を有している。少なくとも一つのガイド面３５は、対向面３０に形成されている。少なくとも一つのガイド面３５は、吐水部６から吐出された洗浄水をガイドする上向きの面である。ここで、「上向き」とは、鉛直上向きの成分を含んだ方向を意味し、鉛直上向き以外の上方も含まれる。以下、同様に鉛直上向きの成分を含んだ方向を「上向き」という。

　ガイド面３５は対向面３０の左右方向の中央部に位置している。ここで、「中央部」とは、対向面３０の左右方向の中心を少なくとも含み、かつ左右方向に広がりのある領域である。すなわち、対向面３０の左右方向の中央部とは、対向面３０の左右方向における中間部であって、対向面３０において左右両端部を除いた部分（対向面３０の左右両端部間に位置する部分）である。

　本実施形態の対向面３０には、少なくとも一つの段差面５１として、上下方向に並んだ複数の段差面５１が形成されている。複数の段差面５１の各々は、吐水部６よりも下方に位置している。各段差面５１は受け部後部３３の内面に沿って対向面３０の右端部から左端部にまで亘っている。

　各段差面５１は上向きの面である。各段差面５１は、当該段差面５１の上下に互いに隣接する対向面３０の上側部分と下側部分との間にあり、その上側部分はその下側部分よりも後方にセットバックされている。

　各段差面５１は、吐水部６から吐出された洗浄水をガイドする。本実施形態の各段差面５１は、対向面３０から左側壁部４２の内面まで延びている。より具体的には、各段差面５１は、対向面３０の右端よりやや左寄りの箇所から、左側壁部４２の内面の前端まで連続して延びている。

　本実施形態では各段差面５１において、対向面３０の左右方向の中央部に位置する部分（長さ方向の一部）がガイド面３５となっている。すなわち、本実施形態の受け部３は、上下方向に並んだ複数のガイド面３５を備えている。

　吐水部６から下方に吐出されて受け部後部３３の内面に沿って流下する洗浄水が通過する位置に、複数の段差面５１は形成されている。このため、複数の段差面５１は、吐水部６から下方に吐出された洗浄水の大半を受ける。ここで、各段差面５１で受けられる洗浄水の量は、吐水部６に近い右側ほど多い。

　対向面３０の左右の端部のうちの一方を第１端部３１とすると共に、第１端部３１とは反対側の端部を第２端部３２としたとき、各段差面５１は第１端部３１から第２端部３２に向かって下り傾斜している。

　本実施形態では、対向面３０の右端部が第１端部３１であり、対向面３０の左端部が第２端部３２である。すなわち、各段差面５１は、左方に向かって下り傾斜している。このため、各段差面５１で受けられた洗浄水は、当該段差面５１に沿って第２端部３２側に流れる。

　各段差面５１において、左側壁部４２に対応する部分は、前方に向かって下り傾斜している。さらに各段差面５１の下り勾配は、後壁部４３に対応する部分よりも左側壁部４２に対応する部分の方が大きい。すなわち、各段差面５１にあっては、左側壁部４２に対応する部分における前方への下り勾配は、後壁部４３に対応する部分における左方への下り勾配よりも大きい。このため、各段差面５１上を流下する洗浄水の流れ方向は、後壁部４３に対応する部分よりも、左側壁部４２に対応する部分の方が鉛直下向きに近づく。したがって、各段差面５１上を流れる洗浄水は、受け部３から左方に飛散し難い。

　図４に示すように、各段差面５１は、当該段差面５１の長さ方向に直交する断面で見たとき、受け部３の内側に向かって下り傾斜している。このため、各段差面５１上を流れる洗浄水の一部は、当該段差面５１から受け部３の内側に零れ落ちやすい。このように各段差面５１から受け部３の内側に零れ落ちた洗浄水は、当該段差面５１の内縁から下方に延びた受け部３内面を流下する。つまり、吐水部６から吐出された洗浄水は、各段差面５１によって左方に広げられつつ零れ落ちる。このため、受け部後部３３の内面は、洗浄水によって、右端部から左端部までの広範囲に亘って洗浄される。

　図１及び図２に示すように、本実施形態の受け部３は、受け部前部３４の内面に形成された延長段差面３６をさらに有している。本実施形態の受け部３は、複数の延長段差面３６を備えている。これら複数の延長段差面３６は、前壁部４４の後面（内面）に形成されており、上下に並んでいる。

　各延長段差面３６は、後壁部４３から左側壁部４２まで延びた複数の段差面５１の各々を、前壁部４４の後面（受け部前部３４の内面）まで延長した上向きの面である。各延長段差面３６は、対応する段差面５１と連続している。このため、各段差面５１に沿って左側壁部４２まで流れた洗浄水は、対応する延長段差面３６に流れやすい。

　各延長段差面３６は、受け部３の前壁部４４の左端から前壁部４４の内面に沿って右方に向かって連続して延びている。

　各延長段差面３６は右方に向かって下り傾斜している。このため、各延長段差面３６上の洗浄水は、当該延長段差面３６に沿って右方に向かって流れ、この後、受け部３の底部４０に流れ落ちて排出口４５から排出される。

　図４に示すように、各延長段差面３６は、当該延長段差面３６の長さ方向と直交する断面で見たとき受け部３の内側に向かって下り傾斜している。このため、各延長段差面３６上を右方に向かって流れる洗浄水の一部は、当該延長段差面３６から受け部３の内側に零れ落ち、当該延長段差面３６の内縁から下方に延びた前壁部４４の後面（内面）を流下して受け部３の底部４０に至り、この後、排出口４５から排出される。

　また、図１及び図２に示す吐水部６から吐出された洗浄水は、受け部後部３３においては複数の段差面５１によって左方に向かって流れ、受け部前部３４においては複数の延長段差面３６によって右方に向かって流れる。このため、吐水部６から吐出された洗浄水の大半は、平面視で同一方向に旋回するように流れ、受け部３の底部４０では、洗浄水の旋回流が生じる。したがって、受け部３の底部４０の内面に付着した汚れは、旋回する洗浄水によって落ちやすい。

　本実施形態の受け部３は、図１に示すように段差面５１とは異なる段差面５２をさらに備えている。以下、段差面５２を第２段差面５２という。第２段差面５２は吐水部６から吐出された洗浄水をガイドする。

　第２段差面５２は受け部３の右端部の内面に形成された上向きの面である。第２段差面５２は受け部３の右側壁部４１の上部から下部を経て前壁部４４の内面まで連続して延びている。第２段差面５２は、吐水部６から下方に吐出されて受け部後部３３の第１端部３１の内面（詳しくは右側壁部４１の内面）に沿って流下する洗浄水を受ける。

　第２段差面５２は前方に向かって下り傾斜している。このため、第２段差面５２で受けられた洗浄水は、第２段差面５２に沿って前方に向かって流れ、受け部３の前壁部４４まで導かれる。

　第２段差面５２も段差面５１及び延長段差面３６と同様、第２段差面５２の長さ方向と直交する断面で見たとき、受け部３の内側に向かって下り傾斜している。このため、第２段差面５２上を前方に向かって流れる洗浄水の一部は、第２段差面５２から受け部３の内側に零れ落ち、第２段差面５２の内縁から下方に延びた受け部３内面を流下して受け部３の底部４０に至る。すなわち、吐水部６から吐出された洗浄水の一部は、第２段差面５２によって前方に広げられつつ零れ落ちる。このため、受け部３の右端部の内面は、洗浄水によって前後方向の広範囲に亘って洗浄される。

　なお、本実施形態の段差面５１の右端は、後壁部４３の右端よりも左側に位置しているが、後壁部４３の右端や右側壁部４１に位置してもよい。また、本実施形態の段差面５１は、左方に向かって下り傾斜しているが、右方に向かって下り傾斜してもよい。

　また、受け部３は複数の段差面５１を備えているが、段差面５１を一つだけ備えてもよい。すなわち、受け部３は少なくとも一つの段差面５１を備えていればよい。

　また、本実施形態のガイド面３５は、受け部後部３３の左右の両端部間に亘る段差面５１の長さ方向の一部によって構成されているが、対向面３０の左右方向の中央部にだけ形成された段差面によって構成されてもよい。

　（変形例）
　次に、小便器１の変形例について説明する。なお、以下の変形例の説明では、前記実施形態と共通の構成については同一の符号を付し、共通する点については説明を省略する。

　図５に示す本変形例の小便器１は、吐水部６が対向面３０の左右方向の中央部に設けられている。

　対向面３０の左右方向の中央部には、左右一対のガイド面３５が上下方向に複数組形成されている。

　本変形例の対向面３０には、左右一対の段差面５１が上下方向に複数組形成されている。各段差面５１は、吐水部６よりも下方に位置している。各組の左右の段差面５１のうち、右側の段差面５１は、対向面３０の左右方向の中央部から第１端部３１まで亘っており、左側の段差面５１は、対向面３０の左右方向の中央部から第２端部３２まで亘っている。

　本変形例では、各段差面５１において、対向面３０の左右方向の中央部に位置する部分がガイド面３５となっている。すなわち、右側のガイド面３５は、右側の段差面５１の左端部で構成され、対向面３０の右端部に向かって下り傾斜している。また、左側のガイド面３５は、左側の段差面５１の右端部で構成され、対向面３０の左端部に向かって下り傾斜している。

　本変形例の小便器１にあっては、吐水部６から吐出された洗浄水が、複数組の段差面５１で受けられ、この後、複数組の段差面５１に沿って左右方向に広げられる。このため、対向面３０は、洗浄水によって左右方向の広い範囲に亘って洗浄される。

　なお、本変形例の小便器１は、左右の段差面５１が左右対称に形成されているが、左右非対称であってもよい。

　以上説明した実施形態及び変形例の小便器１は、以下の特徴を有している。小便器１は、受け部３と、洗浄水を受け部３の内面に流下させる吐水部６とを具備する。受け部３は、利用者に対向する対向面３０を備える。対向面３０は、少なくとも一つのガイド面３５を有する。少なくとも一つのガイド面３５は、対向面３０に形成され、吐水部６から吐出された洗浄水をガイドする上向きの面である。少なくとも一つのガイド面３５は、対向面３０の左右方向の中央部に位置し、対向面３０の左右方向の一端部（本実施形態では第２端部３２）に向かって下り傾斜する。以下、この特徴を有する小便器を第１の態様の小便器という。

　第１の態様の小便器は、吐水部６から吐出された洗浄水が、対向面３０の左右方向における中央部に形成されたガイド面３５に沿って左右方向に広がりやすい。このため、対向面３０において汚れやすい左右方向の中央部が広範囲に亘って洗浄される。

　また、前記実施形態及び変形例の小便器１は、第１の態様の小便器において、以下の付加的な特徴を有している。受け部３は、底部４０、右側壁部４１、左側壁部４２、後壁部４３、及び前壁部４４を備える。右側壁部４１は、底部４０の右端部から上方に突出する。左側壁部４２は、底部４０の左端部から上方に突出する。後壁部４３は、底部４０の後端部から上方に突出する。後壁部４３は、右側壁部４１の後端部と、左側壁部４２の後端部とを繋ぐ。前壁部４４は、底部４０の前端部から上方に突出する。前壁部４４は、後壁部４３、右側壁部４１、及び左側壁部４２よりも背が低い。前壁部４４は、右側壁部４１の下端部の前端部と、左側壁部４２の下端部の前端部とを繋ぐ。後壁部４３の前面により、対向面３０が構成される。以下、この特徴を有する小便器を第２の態様の小便器という。

　第２の態様の小便器は、前壁部４４よりも背の高い後壁部４３の前面により対向面３０が構成されるため、対向面３０により利用者の小便をしっかりと受けることができる。

　また、前記実施形態の小便器１は、第１又は第２の態様の小便器において、以下の付加的な特徴を有している。受け部３は、少なくとも一つの段差面５１を有する。対向面３０の左右の端部のうちの一方を第１端部３１とすると共に他方を第２端部３２としたとき、少なくとも一つの段差面５１は、第１端部３１から第２端部３２に亘るように対向面３０に形成される。少なくとも一つの段差面５１は、第１端部３１から第２端部３２に向かって下り傾斜する。少なくとも一つの段差面５１の長さ方向の一部により、少なくとも一つのガイド面３５が構成される。以下、この特徴を有する小便器を第３の態様の小便器という。

　第３の態様の小便器は、吐水部６から吐出された洗浄水が、対向面３０の第１端部３１から第２端部３２に亘る段差面５１に沿って左右方向に広がりやすい。このため、対向面３０の広い範囲が洗浄される。

　また、前記実施形態の小便器１は、第３の態様の小便器において、以下の付加的な特徴を有している。吐水部６は第１端部３１に設けられる。以下、この特徴を有する小便器を第４の態様の小便器という。

　第４の態様の小便器は、吐水部６が第１端部３１に設けられるため、吐水部６から吐出された洗浄水が、段差面５１の上部（第１端部３１側の部分）で受けられやすい。そして、このように段差面５１の上部で受けられた洗浄水は、段差面５１に沿って下方に流れる。このため、吐水部６から吐出された洗浄水は、対向面３０の左右方向の広い範囲により一層広がりやすい。

　また、前記実施形態の小便器１は、第３又は第４の態様の小便器において、以下の付加的な特徴を有している。少なくとも一つの段差面５１が、右側壁部４１及び左側壁部４２のうち、第２端部３２側に位置する側壁部（前記実施形態では左側壁部４２）まで延びる。以下、この特徴を有する小便器を第５の態様の小便器という。

　また、前記実施形態の小便器１は、第５の態様の小便器において、以下の付加的な特徴を有している。受け部３は、少なくとも一つの延長段差面３６を有する。少なくとも一つの延長段差面３６は、段差面５１を前壁部４４まで延長した面である。以下、この特徴を有する小便器を第６の態様の小便器という。

　第６の態様の小便器は、段差面５１に沿って流れた洗浄水が延長段差面３６に至り、延長段差面３６に沿って第１端部３１側（段差面５１とは反対側）に流れる。このため、洗浄水は受け部３の前部３４まで広がりやすくなり、受け部３の前部３４が広範囲に亘って洗浄される。

　また、前記実施形態の小便器１は、第３～第６のいずれか一つの態様の小便器において、以下の付加的な特徴を有している。受け部３は、少なくとも一つの段差面５１として、上下に並んだ複数の段差面５１を有する。複数の段差面５１の全てが、第１端部３１から第２端部３２に向かって下り傾斜する。以下、この特徴を有する小便器を、第７の態様の小便器という。

　第７の態様の小便器は、吐水部６から吐出された洗浄水が、複数のガイド面３５に沿って左右方向に広がる。このため、受け部３の後部３３において汚れやすい左右方向の中央部はより広範囲に亘って洗浄されやすい。

　また、前記実施形態の小便器１は、第３～第７のいずれか一つの態様の小便器において、以下の付加的な特徴を有している。少なくとも一つの段差面５１は、受け部３の内側に向かって下り傾斜する。以下、この特徴を有する小便器を第８の態様の小便器という。

　第８の態様の小便器は、少なくとも一つの段差面５１を流れる洗浄水の一部が、当該段差面５１から受け部３の内側に零れ落ちやすい。すなわち、この場合、当該段差面５１を流れる洗浄水は、段差面５１に沿って流下しながら受け部３の内側に零れ落ちるため、対向面３０のより広い範囲を洗浄できる。

　また、前記実施形態及び変形例の小便器１は、第１～第８のいずれか一つの態様の小便器において、以下の付加的な特徴を有している。受け部３は合成樹脂製である。以下、この特徴を有する小便器を、第９の態様の小便器という。

　第９の態様の小便器は、受け部３が複雑な形状を作りやすい合成樹脂から形成される。このため、ガイド面３５を有する受け部３を容易に製造できる。

　以上説明した実施形態及び変形例の便器本体２は、床９０に設置されず、例えば壁に掛けられて床９０から上方に離間した状態で設けられてもよい。

　また、便器本体２は少なくとも受け部３が合成樹脂製であればよく、便器本体２の受け部３以外の部分は合成樹脂以外の他の材料から形成されてもよい。また、便器本体２は合成樹脂製に限られず、例えば陶器製であってもよい。

　また、前記実施形態及び変形例の便器本体２は、排出口４５と目皿７とで構成された排水トラップを有しているが、受け部３より下流側に排水トラップが設けられる場合には、便器本体２の排水トラップは省略可能である。

　また、人体検知センサー８２は、赤外線センサーに限られず、マイクロ波等を用いて人体を検出するセンサーであってもよい。また、開閉弁８１は手動で開閉を切り替える切替弁であってもよい。

　また、この他、前記実施形態及び変形例の小便器１は、適宜設計変更可能である。

　１　小便器
　３　受け部
　３０　対向面
　３１　第１端部
　３２　第２端部
　３３　受け部後部
　３４　受け部前部
　３５　ガイド面
　３６　延長段差面
　５１　段差面
　６　吐水部

Claims (9)

1. 受け部と、
   洗浄水を前記受け部の内面に流下させる吐水部とを具備し、
   前記受け部は、
   利用者に対向する対向面を備え、
   前記対向面は、
   少なくとも一つのガイド面を有し、
   前記少なくとも一つのガイド面は、前記対向面に形成され、前記吐水部から吐出された洗浄水をガイドする上向きの面であり、
   前記少なくとも一つのガイド面は、前記対向面の左右方向の中央部に位置し、前記対向面の左右方向の一端部に向かって下り傾斜したことを特徴とする小便器。
2. 前記受け部は、
   底部と、
   前記底部の右端部から上方に突出した右側壁部と、
   前記底部の左端部から上方に突出した左側壁部と、
   前記底部の後端部から上方に突出し、前記右側壁部の後端部と前記左側壁部の後端部とを繋ぐ後壁部と、
   前記底部の前端部から上方に突出し、前記後壁部、前記右側壁部、及び前記左側壁部よりも背が低く、前記右側壁部の下端部の前端部と前記左側壁部の下端部の前端部とを繋ぐ前壁部とを備え、
   前記後壁部の前面により、前記対向面が構成されたことを特徴とする請求項１に記載の小便器。
3. 前記受け部は、
   少なくとも一つの段差面を有し、
   前記対向面の左右の端部のうちの一方を第１端部とすると共に他方を第２端部としたとき、前記少なくとも一つの段差面は、前記第１端部から前記第２端部に亘るように、前記対向面に形成され、前記少なくとも一つの段差面は、前記第１端部から前記第２端部に向かって下り傾斜し、前記少なくとも一つの段差面の長さ方向の一部により、前記少なくとも一つのガイド面が構成されたことを特徴とする請求項２に記載の小便器。
4. 前記吐水部は前記第１端部に設けられたことを特徴とする請求項３に記載の小便器。
5. 前記少なくとも一つの段差面が、前記右側壁部及び前記左側壁部のうち、前記第２端部側に位置する側壁部まで延びたことを特徴とする請求項３又は請求項４に記載の小便器。
6. 前記受け部は、
   少なくとも一つの延長段差面を有し、
   前記少なくとも一つの延長段差面は、前記前壁部に形成され、前記少なくとも一つの段差面を前記前壁部まで延長した面であることを特徴とする請求項５に記載の小便器。
7. 前記ボウルは、
   前記少なくとも一つの段差面として、上下に並んだ複数の段差面を有し、
   前記複数の段差面の全てが、前記第１端部から前記第２端部に向かって下り傾斜したことを特徴とする請求項３～６のいずれか１項に記載の小便器。
8. 前記少なくとも一つの段差面は、前記受け部の内側に向かって下り傾斜したことを特徴とする請求項３～７のいずれか１項に記載の小便器。
9. 前記受け部は合成樹脂製であることを特徴とする請求項１～８のいずれか１項に記載の小便器。

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