WO2017090360A1 - センサ誤差算出装置、姿勢角算出装置、センサ誤差算出方法、姿勢角算出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気センサの誤差を高精度に且つ素早く算出する。 【解決手段】センサ誤差算出装置1は、GNSS姿勢角算出部20、GNSS地磁気算出部301、および、誤差推定部302を備える。GNSS姿勢角算出部20は、GNSSの測位信号からGNSS姿勢角を算出する。GNSS地磁気算出部301は、GNSS姿勢角からGNSS地磁気を算出する。誤差推定部302は、磁気センサによる磁気検出値とGNSS地磁気とを用いて、磁気センサの感度誤差、ミスアライメント誤差、および、バイアス誤差を推定する。
Description
本発明は、船舶等の移動体に設置された磁気センサの誤差を算出するセンサ誤差算出装置およびセンサ誤差算出方法と、磁気センサの磁気検出値を用いて船首方位等の方位を算出する姿勢角算出装置および姿勢角算出方法に関する。
磁気センサで地磁気を検出して、移動体の方位を算出する方位算出装置が各種実用化されている。磁気センサは、直交する二軸または三軸の磁界強度を電圧等によって検出する。方位算出装置は、この二軸もしくは三軸の検出値の関係から方位を算出する。
一般に汎用の磁気センサは、磁気検出値に誤差を含んでいることが知られている。したがって、方位算出装置は、この誤差を補正することによって、算出する方位の精度を向上させようとしている。
特許文献1では、磁気センサが装着された船舶を1周旋回させて、複数の磁気検出値を取得し、この複数の磁気検出値の軌跡から、磁気検出値に含まれる外乱磁場による誤差を算出している。
特許文献2では、外部からの標準地磁気データと、衛星信号を用いて算出した船首方位、位置、および、この位置に対応する地磁気データとを用いて、各方位の残留磁気値(磁気バイアス)を算出している。
特許文献3では、2回分のGPS方位と、磁気センサの出力値から算出される磁気方位とを用いて、磁気センサの感度誤差とバイアス誤差を算出している。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、磁気センサが装着された船舶(移動体)を1周旋回させなければならず、磁気センサの誤差の算出に時間を要する。
また、特許文献2,3に記載の方法では、誤差の一部しか算出されていないので、誤差を高精度に算出することができない。
したがって、本発明の目的は、磁気センサの誤差を高精度に且つ素早く算出することができるセンサ誤差算出装置、センサ誤差算出方法、このセンサ誤差を用いて高精度に方位を算出する姿勢角算出装置および姿勢角算出方法を提供することにある。
この発明のセンサ誤差算出装置は、GNSS姿勢角算出部、GNSS地磁気算出部、および、誤差推定部を備える。GNSS姿勢角算出部は、GNSSの測位信号からGNSS姿勢角を算出する。GNSS地磁気算出部は、GNSS姿勢角からGNSS地磁気を算出する。誤差推定部は、磁気センサによる磁気検出値とGNSS地磁気とを用いて、磁気センサの感度誤差、ミスアライメント誤差、および、バイアス誤差を推定する。
この構成では、感度誤差、ミスアライメント誤差、および、バイアス誤差の無いGNSS姿勢角を用いてGNSS地磁気が算出される。したがって、このGNSS地磁気を用いて誤差を推定することによって、磁気センサの各誤差(較正値)が高精度に推定される。
また、この発明の姿勢角算出装置は、上述のいずれかに記載のセンサ誤差算出装置の各構成部、誤差補正部、および、方位算出部を備える。誤差補正部は、磁気センサの感度誤差、ミスアライメント誤差、および、バイアス誤差を用いて、磁気検出値を補正する。方位算出部は、誤差補正後の磁気検出値を用いて方位を算出する。
この構成では、高精度に推定された誤差によって、磁気センサの磁気検出値の誤差が補正され、方位が高精度に算出される。
この発明によれば、磁気センサの誤差を高精度に且つ素早く算出することができる。したがって、この算出誤差を用いて磁気センサの誤差を補正することで、高精度な方位を素早く算出することができる。
本発明の第1の実施形態に係るセンサ誤差算出装置およびセンサ誤差算出方法と、姿勢角算出装置および姿勢角算出方法について、図を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る姿勢角算出装置の機能ブロック図である。
姿勢角算出装置10は、船舶等の移動体に装着されている。姿勢角算出装置10は、磁気センサ40のx軸方向(後述するGNSS地磁気のx軸方向と同じ)が移動体の前後方向(移動体の中心から先頭方向が+方向)となり、磁気センサ40のy軸方向(後述するGNSS地磁気のy軸方向と同じ)が移動体の左右方向(移動体の中心から右側を向く方向が+方向)となるように、移動体に装着されている。x軸方向が本発明の「第1方向」に対応し、y軸方向が本発明の「第2方向」に対応する。なお、移動体は、船舶等の水上を航行するものだけでなく、水中、陸上、空中を移動するものであってもよい。ただし、素早い旋回が容易でない船舶等の移動体に対して、本願発明はより有効である。
姿勢角算出装置10は、GNSS姿勢角算出部20、較正値推定部30、磁気センサ40、記憶部50、誤差補正部60、および、方位算出部70を備える。較正値推定部30は、GNSS地磁気算出部301、誤差推定部302、および、較正値算出部303を備える。GNSS姿勢角算出部20、GNSS地磁気算出部301、および誤差推定部302が、センサ誤差算出装置1に対応する。GNSS姿勢角算出部20と較正値推定部30のGNSS地磁気算出部301および誤差推定部302とは、センサ誤差算出装置1が備えるハードウェアプロセッサ11によって実行される。なお、較正値算出部303もハードウェアプロセッサ11によって実行されていてもよい。GNSSは、Grobal Navigation Satellite Systemsの略語であり、GPS(Grobal Positioning System)、GLONASS、Galileo等の衛星測位システムを示す。
GNSS姿勢角算出部20には、GNSS受信部(図示せず)が接続されており、GNSS受信部にはGNSSアンテナ(図示せず)が接続されている。GNSS受信部およびGNSSアンテナは、複数である。複数のGNSSアンテナは、移動体に対して所定の位置関係で固定されている。複数のGNSSアンテナは、測位信号を受信してGNSS受信部に出力する。GNSS受信部は、測位信号を追尾して、搬送波位相を含む追尾による計測値を、GNSS姿勢角算出部20に出力する。また、GNSS受信部は、測位信号の追尾において、測位信号から航法メッセージを復調して、GNSS姿勢角算出部20に出力する。
GNSS姿勢角算出部20は、測位信号の追尾による計測値および航法メッセージを用いて、既知の方法によって姿勢角(GNSS姿勢角)を算出する。GNSS姿勢角は、ロール角φGNSS、ピッチ角θGNSS、および、方位角(ヨー角)ψGNSSの三成分からなる。GNSS姿勢角算出部20は、GNSS姿勢角を較正値推定部30に出力する。
磁気センサ40は、移動体に固定されている。磁気センサ40は、地磁気を含む外部磁気を検出し、直交二軸の成分である磁気検出値[mMAGx,mMAGy]を較正値推定部30および誤差補正部60に出力する。
較正値推定部30は、GNSS姿勢角[φGNSS,θGNSS,ψGNSS]、および、磁気検出値[mMAGx,mMAGy]を用いて、磁気センサ40の磁気検出値[mMAGx,mMAGy]に含まれる感度誤差、ミスアライメント誤差、および、バイアス誤差のそれぞれに対する較正値を推定する。較正値推定部30は、少なくとも三回のGNSS姿勢角および磁気検出値を用いて較正値を推定する。この三回は、それぞれに移動体の姿勢が異なる。
具体的には、図1(B)に示すように、較正値推定部30は、GNSS地磁気算出部301、誤差推定部302、および、較正値算出部303を備える。較正値推定部30は、次に示す処理を実行することによって較正値を推定する。較正値推定部30のGNSS地磁気算出部301は、次の(式1)、(式2)を用いて、GNSS姿勢角[φGNSS,θGNSS,ψGNSS]から、GNSS姿勢角によるGNSS地磁気[mGNSSx,mGNSSy]を算出する。
較正値推定部30の誤差算出部302は、次の(式3)を用いて、磁気センサの各誤差(感度誤差、ミスアライメント誤差、および、バイアス誤差)を推定する。
ここで、[αxx,αyy]は、磁気センサ40のx軸方向およびy軸方向の感度誤差とする。[αxy,αyx]は、磁気センサ40のx軸方向およびy軸方向のミスアライメント誤差とする。[Δmx,Δmy]は、磁気センサ40のx軸方向およびy軸方向のバイアス誤差とする。
(式3)に用いるGNSS姿勢角によるGNSS地磁気[mGNSSx,mGNSSy]は、観測値であるGNSS姿勢角[φGNSS,θGNSS,ψGNSS]を(式1)、(式2)に代入することによって算出される。
較正値推定部30の較正値算出部303は、(式3)によって推定された感度誤差およびミスアライメント誤差から、磁気センサ40に対する感度・ミスアライメント較正行列MMを、次の(式4)を用いて算出する。
この際、較正値推定部30の較正値算出部303は、大きさを「1」にする換算係数、および、磁気偏差を補正するための換算係数を含むように、感度・ミスアライメント較正行列MMを設定している。
較正値推定部30は、感度・ミスアライメント較正行列MMとバイアス誤差[Δmx,Δmy]とを較正値として、記憶部50に出力する。
記憶部50は、較正値、すなわち、感度・ミスアライメント較正行列MMとバイアス誤差[Δmx,Δmy]とを記憶している。記憶部50は、新たな較正値が入力される毎に、記憶されている較正値を新たな較正値によって上書きして記憶する。
誤差補正部60は、記憶部50から較正値を取得する。誤差補正部60は、次の(式5)を用い、磁気センサ40の磁気検出値[mMAGx,mMAGy]を較正値によって補正する。
[mb
MAGx,mb
MAGy]は、誤差補正後の磁気検出値である。
誤差補正部60は、誤差補正後の磁気検出値[mb
MAGx,mb
MAGy]を方位算出部70に出力する。
方位算出部70は、誤差補正後の磁気検出値[mb
MAGx,mb
MAGy]を用いて、既知の方法で方位ψMAGを算出する。概略的には、例えば、方位算出部70は、誤差補正後の検出値のx軸成分mb
MAGxとy軸成分mb
MAGyとの比、および、磁気センサ40のx軸、y軸と移動体の先端方位(例えば、船舶の船首方位)との関係を用いて、方位ψMAGを算出する。
具体的な一例として、磁気センサ40のy軸の+方向と船首方位とを一致させて磁気センサ40を船舶に設置した場合、方位ψMAGは、次の(式6)を用いて算出する。
このように、本実施形態の構成では、感度誤差、ミスアライメント誤差、およびバイアス誤差の影響を受けないGNSSの測位信号を用いたGNSS姿勢角から地磁気を算出し、このGNSS姿勢角による地磁気と磁気センサ40の磁気検出値とから、磁気センサ40の感度誤差、ミスアライメント誤差、および、バイアス誤差を推定する。したがって、磁気センサ40の感度誤差、ミスアライメント誤差、および、バイアス誤差、すなわち、磁気センサ40の誤差を構成する全ての誤差成分を、高精度に推定することができる。この際、三回の観測によるGNSS姿勢角と磁気センサの磁気検出値によって誤差を算出できるので、磁気センサ40の磁気検出値に含まれる誤差を素早く算出することができる。
また、このように高精度に算出された誤差を用いて補正された磁気検出値を用いることによって、方位を高精度に算出することができる。
なお、GNSS地磁気[mGNSSx,mGNSSy]を算出する際に、GNSS姿勢角のロール角φGNSSおよびピッチ角θGNSSが小さい場合に、一次近似が可能であり、(式1)、(式2)は、次の(式1')、(式2')に置き換えることが可能である。
上述の姿勢角算出装置10は、図1に示すように、それぞれ個別の機能ブロックで各処理を実行している。しかしながら、上述の誤差算出および方位算出の各処理をプログラム化して記憶媒体に記憶しておき、コンピュータ等の情報処理装置が記憶媒体からこのプログラムを読み出して実行してもよい。この場合、図2に示す処理を行えばよい。図2は、本発明の第1の実施形態に係る姿勢角算出方法のフローチャートである。
情報処理装置は、GNSSの測位信号の追尾による計測値を用いて、GNSS姿勢角を算出する(S101)。情報処理装置は、GNSS姿勢角から、上述の(式1)、(式2)を用いて、GNSS地磁気を算出する(S102)。情報処理装置は、磁気センサから磁気検出値を取得する(S103)。
情報処理装置は、三回分のGNSS地磁気と磁気検出値と(式3)とを用いて、磁気センサの較正値(感度・ミスアライメント較正行列とバイアス誤差)を推定する(S104)。ここまでの処理が、本発明の「センサ誤差算出方法」の処理に対応する。
情報処理装置は、較正値と(式5)を用いて、磁気検出値の誤差を補正する(S105)。情報処理装置は、誤差補正後の磁気検出値を用いて方位を算出する(S106)。
次に、本発明の第2の実施形態に係るセンサ誤差算出装置およびセンサ誤差算出方法と、姿勢角算出装置および姿勢角算出方法について、図を参照して説明する。図3は、本発明の第2の実施形態に係る姿勢角算出装置の機能ブロック図である。
本実施形態に係る姿勢角算出装置10Aは、第1の実施形態に係る姿勢角算出装置10に対して、GNSS位置算出部21が追加されたものであり、較正値推定部30Aの処理が較正値推定部30と異なるものである。
GNSS位置算出部21は、GNSS姿勢角算出部20が接続するGNSS受信部(図示せず)に接続されている。GNSS位置算出部21には、測位信号の追尾による計測値であるコード擬似距離、および、航法メッセージが入力されている。
GNSS位置算出部21は、コード擬似距離と、航法メッセージに含まれる測位衛星の位置情報を用いて、既知の方法でGNSS位置を算出する。GNSS位置算出部21は、GNSS位置を較正値推定部30Aに出力する。
較正値推定部30Aは、GNSS位置から緯度Latを算出する。較正値推定部30Aは、次の(式7)、(式8)を用いて、GNSS姿勢角[φGNSS,θGNSS,ψGNSS]から、GNSS姿勢角によるGNSS地磁気[mGNSSx,mGNSSy]を算出する。
ここで、fx(Lat,θGNSS)は、GNSS地磁気のx軸方向に対する動揺補正項であり、緯度Latおよびピッチ角θGNSSによって決定される関数値である。また、fy(Lat,θGNSS,φGNSS)は、GNSS地磁気のy軸方向に対する動揺補正項であり、緯度Lat、ピッチ角θGNSSおよびロール角φGNSSによって決定される関数値である。
較正値推定部30Aは、(式7)、(式8)から算出したGNSS地磁気[mGNSSx,mGNSSy]を、(式3)に適用することによって、感度誤差[αxx,αyy]、ミスアライメント誤差[αxy,αyx]、および、バイアス誤差[Δmx,Δmy]を推定し、較正値を算出する。
このような構成および処理によって、感度誤差[αxx,αyy]、ミスアライメント誤差[αxy,αyx]、および、バイアス誤差[Δmx,Δmy]に含まれる移動体(磁気センサ)の動揺の影響を抑圧することができる。これにより、感度誤差[αxx,αyy]、ミスアライメント誤差[αxy,αyx]、および、バイアス誤差[Δmx,Δmy]をさらに高精度に推定でき、高精度な較正値を算出することができる。そして、この高精度な較正値を用いることによって、方位を高精度に算出することができる。
上述の姿勢角算出装置10Aは、図3に示すように、それぞれ個別の機能ブロックで各処理を実行している。しかしながら、上述の誤差算出および方位算出の各処理をプログラム化して記憶媒体に記憶しておき、コンピュータ等の情報処理装置が記憶媒体からこのプログラムを読み出して実行してもよい。この場合、図4に示す処理を行えばよい。図4は、本発明の第2の実施形態に係るセンサ誤差算出方法のフローチャートである。
情報処理装置は、GNSSの測位信号の追尾による計測値を用いて、GNSS姿勢角を算出する(S101)。情報処理装置は、GNSSの測位信号の追尾による計測値を用いて、GNSS位置を算出する(S111)。情報処理装置は、GNSS姿勢角から、上述の(式7)、(式8)を用いて、動揺補正付きのGNSS地磁気を算出する(S112)。情報処理装置は、磁気センサから検出値(センサ値)を取得する(S103)。
情報処理装置は、(式7)、(式8)によって算出された三回分のGNSS地磁気とセンサ値と(式3)とを用いて、磁気センサの較正値(感度・ミスアライメント較正行列とバイアス誤差)を推定する(S104)。なお、方位算出処理は、図2に示す第1の実施形態のステップS105,S106と同じである。
次に、本発明の第3の実施形態に係る姿勢角算出装置および姿勢角算出方法について、図を参照して説明する。図5は、本発明の第3の実施形態に係る姿勢角算出装置の機能ブロック図である。
本実施形態に係る姿勢角算出装置10Bは、第2の実施形態に係る姿勢角算出装置10Aに対して、動揺補正部61が追加されたものである。較正値推定部30Bは、第2の実施形態に係る較正値推定部30Aと同じである。
図5に示すように、動揺補正部61には、GNSS姿勢角算出部20からGNSS姿勢角が入力される。動揺補正部61には、GNSS位置算出部21からGNSS位置が入力される。動揺補正部61には、誤差補正部60から誤差補正後の磁気検出値[mb
MAGx,mb
MAGy]が入力される。
動揺補正部61は、GNSS位置から緯度Latを算出する。動揺補正部61は、次の(式9)と、GNSS姿勢角[φGNSS,θGNSS,ψGNSS]と、緯度Latとを用いて、誤差補正後の磁気検出値[mb
MAGx,mb
MAGy]を動揺補正する。
[mh
MAGx,mh
MAGy]は、動揺補正後の検出値である。
なお、GNSS姿勢角のロール角φGNSS、ピッチ角θGNSSが1次近似可能な角度範囲であった場合には、次の(式10)を用いて、動揺補正後の磁気検出値[mh
MAGx,mh
MAGy]を算出してもよい。
動揺補正部61は、動揺補正後の磁気検出値[mh
MAGx,mh
MAGy]を方位算出部70に出力する。
方位算出部70は、動揺補正後の磁気検出値[mh
MAGx,mh
MAGy]を用いて、第1の実施形態と同様の方法で方位を算出する。
このような構成を用いることによって、磁気センサ40の検出値に含まれる移動体(磁気センサ)の動揺の影響を抑圧することができる。したがって、この構成を用いることによって、さらに高精度な方位を算出することができる。
上述の姿勢角算出装置10Bは、図5に示すように、それぞれ個別の機能ブロックで各処理を実行している。しかしながら、上述の誤差算出および方位算出の各処理をプログラム化して記憶媒体に記憶しておき、コンピュータ等の情報処理装置が記憶媒体からこのプログラムを読み出して実行してもよい。この場合、図6に示す処理を行えばよい。図6は、本発明の第3の実施形態に係る姿勢角算出方法のフローチャートである。
情報処理装置は、GNSSの測位信号の追尾による計測値を用いて、GNSS姿勢角を算出する(S101)。情報処理装置は、GNSSの測位信号の追尾による計測値を用いて、GNSS位置を算出する(S111)。情報処理装置は、GNSS位置に基づく緯度とGNSS姿勢角とから、上述の(式7)、(式8)を用いて、動揺補正付きのGNSS地磁気を算出する(S112)。情報処理装置は、磁気センサから検出値(センサ値)を取得する(S103)。
情報処理装置は、(式7)、(式8)によって算出された三回分のGNSS地磁気とセンサ値と(式3)とを用いて、磁気センサの較正値(感度・ミスアライメント較正行列とバイアス誤差)を推定する(S104)。
情報処理装置は、較正値と(式5)を用いて、センサ値の誤差を補正する(S105)。情報処理装置は、GNSS姿勢角、緯度、および(式10)を用いて、誤差補正後のセンサ値に対する動揺補正を行う(S121)。情報処理装置は、動揺補正後のセンサ値を用いて方位を算出する(S122)。
次に、本発明の第4の実施形態に係る姿勢角算出装置および姿勢角算出方法について、図を参照して説明する。図7は、本発明の第4の実施形態に係る姿勢角算出装置の機能ブロック図である。
本実施形態に係る姿勢角算出装置10Cは、第3の実施形態に係る姿勢角算出装置10Bに対して、整数値バイアス決定部22、および、信頼性判定部80が追加されたものである。また、姿勢角算出装置10Cは、上述の各実施形態の姿勢角算出装置10,10A,10Bで図示しなかったGNSS受信部231,232を備える。較正値推定部30Cは、第3の実施形態に係る較正値推定部30Bと同じである。
GNSS受信部231,232は、それぞれに接続されたGNSSアンテナで受信した測位信号を追尾する。GNSS受信部231,232は、搬送波位相、コード擬似距離をGNSS位置算出部21に出力する。GNSS受信部231,232は、搬送波位相を整数値バイアス決定部22に出力する。
整数値バイアス決定部22は、後述の信頼性判定部80から出力される方位ψMAGを用いて、GNSS受信部231,232で受信する測位信号の搬送波位相の差(アンテナ間一重位相差)の整数値バイアスを決定する。このように、方位を用いることによって、整数値バイアスを容易に決定することができる。整数値バイアス決定部22は、整数値バイアスを、搬送波位相とともに、GNSS姿勢角算出部20に出力する。GNSS姿勢角算出部20は、この整数値バイアスと搬送波位相を用いて、GNSS姿勢角を算出する。
なお、整数値バイアス決定部22は、後述のように信頼性判定部80から方位ψMAGが入力されなければ(方位ψMAGの信頼性が無ければ)、既知のGNSSによる整数値バイアスの決定処理を実行する。
記憶部50Cには、較正値とともに、GNSS位置、GNSS姿勢角が記憶されている。なお、記憶部50Cには、較正値とともに、少なくともGNSS姿勢角の方位ψGNSSが記憶されていればよい。この記憶部50Cに記憶された方位が本実施形態におけるバックアップ方位である。
信頼性判定部80は、記憶部50Cからバックアップ方位を取得する。信頼性判定部80は、方位算出部70が算出した方位ψMAGとバックアップ方位(GNSS姿勢角の方位ψGNSS)とが一致していると判定すると、方位ψMAGおよびバックアップ方位は信頼性が有ると判定する。一方、信頼性判定部80は、方位算出部70が算出した方位ψMAGとバックアップ方位(GNSS姿勢角の方位ψGNSS)とが一致していないと判定すると、方位ψMAGおよびバックアップ方位は信頼性が無いと判定する。
具体的な判定方法として、信頼性判定部80は、方位ψMAGとバックアップ方位(GNSS姿勢角の方位ψGNSS)との差Δψを算出し、この差Δψが閾値ψTH以下であれば、方位ψMAGとバックアップ方位(GNSS姿勢角の方位ψGNSS)とが一致していると判定する。一方、信頼性判定部80は、この差Δψが閾値ψTHよりも大きければ、方位ψMAGとバックアップ方位(GNSS姿勢角の方位ψGNSS)とが一致していないと判定する。なお、閾値ψTHは、15°から30°程度であればよい。
信頼性判定部80は、信頼性有りと判定すると、方位ψMAGを外部および整数値バイアス決定部22に出力する。一方、信頼性判定部80は、信頼性無しと判定すると、方位ψMAGを出力しない。この際、信頼性判定部80は、通知部(図示しない表示部、放音部等)を介して信頼性の有無を外部に通知してもよい。
このような構成を用いることによって、信頼性の高い方位のみを利用者に提供することができる。また、信頼性の高い方位のみを用いて整数値バイアスが決定されるので、GNSS姿勢角の初期演算を、正確且つ高速に行うことができる。
上述の姿勢角算出装置10Cの信頼性判定部80は、具体的な処理の一例として図8、図9に示す処理を行っている。図8は、本発明の第4の実施形態に係る姿勢角算出方法における信頼性判定に関連する処理のフローチャートである。
図8に示すように、方位算出部70は、動揺補正後のセンサ値を用いて方位ψMAGを算出する(S201)。信頼性判定部80は、方位ψMAGの信頼性を判定する(S202)。信頼性判定部80は、信頼性有りと判定すると(S203:YES)、方位ψMAGを整数値バイアスの決定に利用するとともに(S204)、当該方位ψMAGを外部に出力する(S205)。信頼性判定部80は、信頼性無しと判定すると(S203:NO)、当該方位ψMAGを出力しない(S206)。
図9は、本発明の第4の実施形態に係る姿勢角算出処理の信頼性判定の具体的な処理のフローチャートである。
図9に示すように、信頼性判定部80は、記憶部50Cからバックアップ方位を取得する(S302)。信頼性判定部80は、方位算出部70で算出した方位ψMAGとバックアップ方位とを比較する(S303)。
信頼性判定部80は、方位ψMAGとバックアップ方位とが一致していれば(S304:YES)、方位ψMAGとバックアップ方位とは信頼性が有ると判定する(S305)。ここで、方位ψMAGとバックアップ方位とが一致している状態とは、上述の方位ψMAGとバックアップ方位との差Δψが閾値ψTH以下であることを示す。
信頼性判定部80は、方位ψMAGとバックアップ方位とが一致していなければ(S304:NO)、方位ψMAGとバックアップ方位とは信頼性が無いと判定する(S306)。
次に、本発明の第5の実施形態に係る姿勢角算出装置および姿勢角算出方法について、図を参照して説明する。図10は、本発明の第5の実施形態に係る姿勢角算出装置の機能ブロック図である。
本実施形態に係る姿勢角算出装置10Dは、記憶部50Dおよび信頼性判定部80Dにおいて、第4の実施形態に係る姿勢角算出装置10Cと異なる。較正値推定部30Dは、第4の実施形態に係る較正値推定部30Cと同じである。
記憶部50Dは、較正値とともに、信頼性判定部80Dから出力された方位ψMAGをバックアップ方位として記憶している。信頼性判定部80Dは、方位算出部70で算出された方位ψMAGとバックアップ方位とを比較して、信頼性の判定を行う。ここで用いるバックアップ方位は、記憶部50Dに記憶されている過去に算出された方位ψMAGである。
このような構成を用いることによって、GNSS姿勢角が算出できないような環境になっても、方位の信頼性を判定することができる。
次に、本発明の第6の実施形態に係る姿勢角算出装置および姿勢角算出方法について、図を参照して説明する。図11は、本発明の第6の実施形態に係る姿勢角算出装置の機能ブロック図である。
本実施形態に係る姿勢角算出装置10Eは、信頼性判定部80Eにおいて、第5の実施形態に係る姿勢角算出装置10Dと異なる。較正値推定部30Eは、第5の実施形態に係る較正値推定部30Dと同じであり、記憶部50Eは、第5の実施形態に係る記憶部50Dに対して、GNSS位置をバックアップ位置としてさらに記憶する機能を有する。
信頼性判定部80Eは、次の処理を実行することによって信頼性を判定する。図12は、本発明の第6の実施形態に係る姿勢角算出処理の信頼性判定のフローチャートである。
信頼性判定部80Eは、方位算出部70で算出された方位ψMAGと、GNSS位置算出部21で算出されたGNSS位置を取得する(S311)。信頼性判定部80Eは、記憶部50Eからバックアップ方位とバックアップ位置を取得する(S312)。
信頼性判定部80Eは、GNSS位置とバックアップ位置を比較する(S313)。信頼性判定部80Eは、GNSS位置とバックアップ位置とが一致すれば(S314:YES)、ステップS315の処理に進む。例えば、信頼性判定部80Eは、GNSS位置とバックアップ位置との差(各軸方向における座標の差)が閾値以内であれば、GNSS位置とバックアップ位置が一致すると判定する。信頼性判定部80Eは、GNSS位置とバックアップ位置とが一致しなければ(S314:NO)、算出された方位ψMAGは信頼性無しと判定する(S318)。例えば、信頼性判定部80Eは、GNSS位置とバックアップ位置との差(各軸方向における座標の差)が閾値より大きければ、GNSS位置とバックアップ位置が一致しないと判定する。
信頼性判定部80Eは、方位ψMAGとバックアップ方位とを比較する(S315)。信頼性判定部80Eは、方位ψMAGとバックアップ方位とが一致すれば(S316:YES)、算出された方位ψMAGは信頼性有りと判定する(S317)。信頼性判定部80Eは、方位ψMAGとバックアップ方位とが一致しなければ(S316:NO)、算出された方位ψMAGは信頼性無しと判定する(S318)。方位ψMAGとバックアップ方位とが一致するか否かの判定は、上述の実施形態と同様の方法を用いればよい。
このような構成および処理を用いることによって、位置も含めて、方位ψMAGの信頼性を判定することができる。例えば、GNSS位置(現在の位置に対応)とバックアップ位置(過去の位置に対応)が大きく異なる場合、略同一経度上でなければ当然に方位も異なる。したがって、このような場合には、方位の比較を行わなくても、方位の信頼性は高いとは言えず、方位の信頼性を容易に判定することができる。
次に、本発明の第7の実施形態に係る姿勢角算出装置および姿勢角算出方法について、図を参照して説明する。図13は、本発明の第7の実施形態に係る姿勢角算出装置の機能ブロック図である。
本実施形態に係る姿勢角算出装置10Fは、方位を整数値バイアスの算出に利用する処理が第6の実施形態に係る姿勢角算出装置10Eと異なる。較正値推定部30Fおよび記憶部50Fは、第6の実施形態に係る姿勢角算出装置10Eの較正値推定部30Eおよび記憶部50Eと同じである。
信頼性判定部80Fは、方位ψMAGを出力するとともに、方位ψMAGの信頼性の有無を出力する。整数値バイアス決定部22Fは、方位ψMAGに信頼性が有れば、方位ψMAGを整数値バイアスの決定に利用する。整数値バイアス決定部22Fは、方位ψMAGに信頼性が無ければ、既知のGNSSによる整数値バイアスの決定処理を実行する。
これにより、方位を常時出力する態様であっても、信頼性の有る方位のみを用いて整数値バイアスを決定するので、整数値バイアスを正確に且つ素早く決定することができる。
次に、本発明の第8の実施形態に係る姿勢角算出装置および姿勢角算出方法について、図を参照して説明する。図14は、本発明の第8の実施形態に係る姿勢角算出装置の機能ブロック図である。
本実施形態に係る姿勢角算出装置10Gは、本発明の第4の実施形態に係る姿勢角算出装置10Cに対して、GNSS姿勢角に替えて統合姿勢角を用いる点で異なる。姿勢角算出装置10Gの基本的な処理は、本発明の第4の実施形態に係る姿勢角算出装置10Cと同じであり、以下では異なる箇所を詳細に説明する。
統合姿勢角とは、測位信号によって得られる搬送波位相等の計測値と、IMUセンサ41が計測するIMUセンサ計測値とを用いて算出される姿勢角である。
姿勢角算出装置10Gは、統合算出部100、GNSS受信部231,232、較正値推定部30G、磁気センサ40、IMUセンサ41、記憶部50G、誤差補正部60、動揺補正部61G、方位算出部70、および、信頼性判定部80Gを備える。
GNSS受信部231,232は、測位信号を追尾して、搬送波位相等の追尾による計測値を取得し、統合算出部100に出力する。
IMUセンサ41は、加速度センサおよび角速度センサ等の慣性センサの少なくとも1つを備えている。IMUセンサ41は、計測したセンサ値(IMUセンサ値)を統合算出部100に出力する。
統合算出部100は、追尾による計測値とIMUセンサ値とを用いて、既知の方法によって、統合姿勢角を算出する。統合算出部100は、較正値推定部30Gおよび信頼性判定部80Gに統合姿勢角を出力する。統合算出部100は、追尾による計測値を用いて、既知の方法によって、統合位置を算出する。統合算出部100は、統合位置を、記憶部50Gおよび信頼性判定部80Gに出力する。記憶部50Gは、統合位置をバックアップ位置として記憶する。
磁気センサ40は、磁気検出値を、較正値推定部30Gおよび誤差補正部60に出力する。
較正値推定部30Gは、統合姿勢角から地磁気を算出し、この統合姿勢角による地磁気と磁気センサの検出値を用いて、磁気センサ40の感度誤差、ミスアライメント誤差、バイアス誤差を推定し、較正値を算出する。較正値推定部30Gは、較正値を記憶部50Gに出力する。
誤差補正部60は、記憶部50Gから較正値を取得して、当該較正値を用いて磁気センサの検出値を補正する。動揺補正部61Gは、誤差補正後の磁気センサの検出値を、統合姿勢角を用いて動揺補正する。方位算出部70は、動揺補正後の磁気センサの検出値を用いて方位を算出する。
信頼性判定部80Gは、記憶部50Gから取得したバックアップ方位を用いて、磁気センサの検出値を用いて算出した方位の信頼性判定を行う。この際、上述の実施形態に示すGNSS位置を用いた場合のように、統合位置を用いてもよい。さらには、統合位置に基づく統合速度を用いてもよい。信頼性判定部80Gは、方位の信頼性が有れば、当該方位を外部に出力するとともに、記憶部50Gおよび統合算出部100に出力する。記憶部50Gは、この方位をバックアップ方位として記憶する。統合算出部100は、この方位を用いて整数値バイアスを決定する。
図15は、本発明の第8の実施形態に係る姿勢角算出方法における信頼性判定のフローチャートである。
信頼性判定部80Gは、統合算出部100で算出された統合位置と、記憶部50Gに記憶されたバックアップ位置およびバックアップ方位を取得する(S321)。
信頼性判定部80Gは、統合位置とバックアップ位置を比較する(S322)。信頼性判定部80Gは、統合位置とバックアップ位置とが一致すれば(S323:YES)、ステップS324の処理に進む。信頼性判定部80Gは、統合位置とバックアップ位置とが一致しなければ(S323:NO)、算出された方位ψMAGは信頼性無しと判定する(S329)。
信頼性判定部80Gは、方位ψMAGとバックアップ方位とを比較する(S324)。信頼性判定部80Gは、方位ψMAGとバックアップ方位とが一致すれば(S325:YES)、ステップS326の処理に進む。信頼性判定部80Gは、方位ψMAGとバックアップ方位とが一致しなければ(S325:NO)、算出された方位ψMAGは信頼性無しと判定する(S329)。
信頼性判定部80Gは、複数時刻のGNSS位置からGNSS速度を算出し、GNSS速度による停泊判定を行う(S326)。信頼性判定部80Gは、GNSS速度が略「0」であれば停泊中であると判定し、GNSS速度が略「0」でなければ停泊中でないと判定する。なお、速度は他の方法で取得してもよい。例えば、加速度の積算値等を用いることも可能である。
信頼性判定部80Gは、停泊中であれば(S327:YES)、算出された方位ψMAGは信頼性有りと判定する(S328)。信頼性判定部80Gは、停泊中でなければ(S327:NO)、算出された方位ψMAGは信頼性無しと判定する(S318)。
なお、本実施形態で示す統合姿勢角および統合位置は、他の実施形態におけるGNSS姿勢角およびGNSS位置に置き換えて利用することも可能である。
次に、本発明の第9の実施形態に係る姿勢角算出装置および姿勢角算出方法について、図を参照して説明する。図16は、本発明の第9の実施形態に係る姿勢角算出装置の機能ブロック図である。
本実施形態に係る姿勢角算出装置10Hは、上述の各実施形態に示す較正値の推定を行わずに、信頼性判定のみを行うものである。また、姿勢角算出装置10Hは、磁気センサによる方位を統合姿勢角に用いている。
姿勢角算出装置10Hは、統合算出部100H、GNSS受信部231,232、磁気センサ40、IMUセンサ41、記憶部50H、方位算出部70、信頼性判定部80Hを備える。
GNSS受信部231,232は、測位信号を追尾して、搬送波位相等の追尾による計測値を取得し、統合算出部100Hに出力する。GNSS受信部232は、追尾による計測値を信頼性判定部80Gに出力する。
IMUセンサ41は、加速度センサ411および角速度センサ412を備えている。加速度センサ411および角速度センサ412は、計測したセンサ値(加速度センサ値および角速度センサ値)を統合算出部100に出力する。加速度センサ411は、加速度センサ値を信頼性判定部80Hに出力する。
統合算出部100Hは、追尾による計測値と、加速度センサ値および角速度センサ値と、磁気センサの検出値による方位とを用いて、既知の方法によって、統合姿勢角を算出する。統合算出部100Hは、追尾による計測値を用いて、既知の方法によって、統合位置を算出する。統合算出部100Hは、統合姿勢角および統合位置を、記憶部50Hに出力する。記憶部50Hは、統合位置および統合姿勢角をバックアップ位置およびバックアップ姿勢角として記憶する。
磁気センサ40は、磁気センサの検出値を方位算出部70に出力する。方位算出部70は、磁気センサの検出値を用いて方位を算出する。
信頼性判定部80Hは、記憶部50Hから取得したバックアップ方位を用いて、磁気センサの検出値を用いて算出した方位の信頼性判定を行う。この際、信頼性判定部80Hは、GNSS受信部232から得られる追尾による計測値を用いてGNSS位置を算出し、このGNSS位置を信頼性の判定に用いてもよい。信頼性の判定方法は、上述の実施形態に示した方法を用いればよい。信頼性判定部80Hは、算出した方位の信頼性があれば、当該方位を統合算出部100Hに出力する。統合算出部100Hは、この磁気検出値による方位を、整数値バイアスを決定するための初期方位等に利用する。これにより、統合姿勢角をより速く算出することができる。
1:センサ誤差算出装置
10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H:姿勢角算出装置
11:ハードウェアプロセッサ
20:GNSS姿勢角算出部
21:GNSS位置算出部
22,22F:整数値バイアス決定部
30,30A,30B,30C,30D,30E,30F,30G:較正値推定部
40:磁気センサ
41:IMUセンサ
50,50C,50D,50E,50F,50G,50H:記憶部
60:誤差補正部
61,61G:動揺補正部
70:方位算出部
80,80D,80E,80F,80G,80H:信頼性判定部
100,100H:統合算出部
231,232:GNSS受信部
301:GNSS地磁気算出部
302:誤差推定部
303:較正値算出部
411:加速度センサ
412:角速度センサ
10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H:姿勢角算出装置
11:ハードウェアプロセッサ
20:GNSS姿勢角算出部
21:GNSS位置算出部
22,22F:整数値バイアス決定部
30,30A,30B,30C,30D,30E,30F,30G:較正値推定部
40:磁気センサ
41:IMUセンサ
50,50C,50D,50E,50F,50G,50H:記憶部
60:誤差補正部
61,61G:動揺補正部
70:方位算出部
80,80D,80E,80F,80G,80H:信頼性判定部
100,100H:統合算出部
231,232:GNSS受信部
301:GNSS地磁気算出部
302:誤差推定部
303:較正値算出部
411:加速度センサ
412:角速度センサ
Claims (12)
- GNSSの測位信号からGNSS姿勢角を算出するGNSS姿勢角算出部と、
前記GNSS姿勢角からGNSS地磁気を算出するGNSS地磁気算出部と、
磁気センサによる磁気検出値と前記GNSS地磁気とを用いて、前記磁気センサの感度誤差、ミスアライメント誤差、および、バイアス誤差を推定する誤差推定部と、
を備える、センサ誤差算出装置。 - 請求項1に記載のセンサ誤差算出装置であって、
前記誤差推定部は、
三つの異なる姿勢において得られた前記磁気検出値と前記GNSS姿勢角を用いて、前記磁気センサの感度誤差、ミスアライメント誤差、および、バイアス誤差を推定する、
センサ誤差算出装置。 - 請求項1または請求項2に記載のセンサ誤差算出装置であって、
前記GNSS地磁気は、直交する第1方向成分と第2方向成分によって表され、
前記GNSS地磁気算出部は、
前記GNSS姿勢角の少なくとも方位角の余弦から、前記GNSS地磁気の第1方向成分を算出し、
前記GNSS姿勢角の少なくとも方位角の正弦から、前記GNSS地磁気の第2方向成分を算出する、
センサ誤差算出装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のセンサ誤差算出装置と、
前記磁気センサの感度誤差、ミスアライメント誤差、および、バイアス誤差を用いて、前記磁気検出値を補正する誤差補正部と、
誤差補正後の磁気検出値を用いて方位を算出する方位算出部と、
を備える、姿勢角算出装置。 - 請求項4に記載の姿勢角算出装置であって、
前記GNSS姿勢角を用いてバックアップ方位を算出するバックアップ方位算出部と、
前記方位算出部で算出された方位と前記バックアップ方位とを用いて、前記方位算出部で算出された方位の信頼性を判定する信頼性判定部と、
を備えた姿勢角算出装置。 - 請求項4に記載の姿勢角算出装置であって、
前記方位算出部で算出された方位と、前記方位算出部によって過去に算出された方位であるバックアップ方位とを用いて、前記方位算出部で算出された方位の信頼性を判定する信頼性判定部と、
を備えた姿勢角算出装置。 - 請求項5または請求項6に記載の姿勢角算出装置であって、
前記信頼性判定部は、
前記方位算出部で算出された方位と前記バックアップ方位とが略同じであるときに方位の信頼性が有ると判定し、
該方位の信頼性が有ると判定した時に該方位を出力する、
姿勢角算出装置。 - 請求項7に記載の姿勢角算出装置であって、
前記GNSS姿勢角算出部で用いる整数値バイアスを決定する整数値バイアス決定部を備え、
前記整数値バイアス決定部は、前記信頼性判定部から出力された方位を用いて、前記整数値バイアスを決定する、
姿勢角算出装置。 - GNSSの測位信号からGNSS姿勢角を算出するGNSS姿勢角算出工程と、
前記GNSS姿勢角からGNSS地磁気を算出するGNSS地磁気算出工程と、
磁気センサによる磁気検出値と前記GNSS地磁気とを用いて、前記磁気センサの感度誤差、ミスアライメント誤差、および、バイアス誤差を推定する誤差推定工程と、
を有する、センサ誤差算出方法。 - 請求項9に記載のセンサ誤差算出方法であって、
前記誤差推定工程は、
三つの姿勢において得られた前記磁気検出値と前記GNSS姿勢角を用いて、前記磁気センサの感度誤差、ミスアライメント誤差、および、バイアス誤差を推定する、
センサ誤差算出方法。 - 請求項9または請求項10に記載のセンサ誤差算出方法であって、
前記GNSS地磁気は、直交する第1方向成分と第2方向成分によって表され、
前記GNSS地磁気算出工程は、
前記GNSS姿勢角の少なくとも方位角の余弦から、前記GNSS地磁気の第1方向成分を算出し、
前記GNSS姿勢角の少なくとも方位角の正弦から、前記GNSS地磁気の第2方向成分を算出する、
センサ誤差算出方法。 - 請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載のセンサ誤差算出方法の各工程と、
前記磁気センサの感度誤差、ミスアライメント誤差、および、バイアス誤差を用いて、前記磁気検出値を補正する誤差補正工程と、
誤差補正後の磁気検出値を用いて方位を算出する方位算出工程と、
を有する、姿勢角算出方法。
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