JPH06294651A - 移動体方位検出装置 - Google Patents

移動体方位検出装置

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Publication number
JPH06294651A
JPH06294651A JP7995593A JP7995593A JPH06294651A JP H06294651 A JPH06294651 A JP H06294651A JP 7995593 A JP7995593 A JP 7995593A JP 7995593 A JP7995593 A JP 7995593A JP H06294651 A JPH06294651 A JP H06294651A
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JP
Japan
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time
azimuth
moving body
value
mobile
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Pending
Application number
JP7995593A
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English (en)
Inventor
Koichi Eguchi
光一 江口
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Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
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Publication date
Application filed by Japan Radio Co Ltd filed Critical Japan Radio Co Ltd
Priority to JP7995593A priority Critical patent/JPH06294651A/ja
Publication of JPH06294651A publication Critical patent/JPH06294651A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 移動体を旋回させることなく着磁補正でき、
かつリアルタイムに移動体方位データが得られるように
する。 【構成】 着磁補正量演算回路20は、感度推定値α^
若しくはβ^、地磁気強度推定値r^及び偏角推定値φ
mn^を用い、航法装置からの移動体方位データφg i
びFGCデータ(x,y)に基づき、着磁補正量(e
^,f^)を演算する。移動体磁気方位演算回路22
は、(e^,f^)を用いて(x,y)に着磁補正を加
え、移動体磁気方位φm をリアルタイムで求める。移動
体真方位演算回路24は、φm 及びφmn^に基づき、移
動体真方位φfnを求める。α^若しくはβ^、r^及び
φmn^は、φfn及びφg i から方位誤差演算回路26に
より求められる方位誤差Δφgf^に基づき、対応する演
算回路28、30及び32により更新される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動体方位を検出しア
ンテナ制御装置や表示機に出力する移動体方位検出装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】NAVSTAR/GPS(navigation s
atellite/Global Positioning System)又はGLONA
SS(以下、これらを単にGPSという)受信機を用い
ることにより、GPS衛星から送信される電波(GPS
信号)を受信して当該受信機が搭載されている移動体
(自動車、船舶等)の位置を求めることができる。すな
わち、移動体から見通せる位置にある所定個数の衛星の
軌道情報を用いて当該移動体の位置を求めることができ
る。
【0003】また、さらに移動体の速度や方位を求める
ことが可能である。すなわち、GPS信号のドップラ効
果を利用し、移動体の速度及び方位を求めることができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ブロッ
キング(山、樹木、建物等によるGPS信号の遮蔽)が
生じている場合や、移動体が停止している場合には、G
PS受信機からは正しい移動体方位データを得ることが
できない。また、ある速度以上で走行しておりブロッキ
ングも生じていない場合であっても、GPS受信機から
の方位データが間欠的であることから、指向性アンテナ
の制御等、リアルタイムで方位データが欲しい用途には
適さない。通常、GPS受信機からの方位データ出力
は、1秒乃至はそれ以上の間隔で出力されるものであ
る。
【0005】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、ブロッキングや移
動体の停止によりGPS受信機等の航法装置から移動体
方位データが得られない場合であっても、移動体の真方
位を求めることができ、アンテナ制御等リアルタイムに
移動体方位データを求める用途に適する移動体方位検出
装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の請求項1及び2は、着磁補正量演算
回路、移動体磁気方位演算回路、移動体真方位演算回
路、方位誤差演算回路、感度補正量演算回路、地磁気強
度演算回路及び偏角演算回路を備え、これらの構成部材
がそれぞれ以下のような演算を行うことを特徴とする。
【0007】まず、請求項1における着磁補正量演算回
路は、時刻t(t:連続値)における水平面内地磁気ベ
クトル(x(t),y(t))を示すデータを移動体に
固定されたフラックスゲートコンパスから入力し、時刻
i (i:整数,ti :離散値)における移動体方位デ
ータφg i を移動体に搭載された航法装置から入力し、
時刻ti における水平面内地磁気ベクトル(x
(ti ),y(ti ))及び移動体方位データφg i
基づき、かつ初期設定又は設定更新された最新のy方向
感度推定値α^若しくはx方向感度推定値β^、地磁気
強度推定値r^及び偏角推定値φmn^を用いて ei =x(ti )−r^・cos(φg i −φmn^) fi =y(ti )/α^−r^・sin(φg i −φmn
^) 又は ei =x(ti )/β^−r^・cos(φg i −φmn
^) fi =y(ti )−r^・sin(φg i −φmn^) の演算を実行することにより、時刻ti における着磁ベ
クトル(ei ,fi )を求め、さらに時系列的処理によ
り誤差を排除して着磁補正量(e^,f^)を推定す
る。
【0008】次に、移動体磁気方位演算回路は、時刻t
における水平面内地磁気ベクトル(x(t),y
(t))及び時刻ti における着磁補正量(e^,f
^)に基づき φm (t)=tan-1{(y(t)−f^)/(x
(t)−e^)} の演算を実行することにより、時刻tにおける着磁補正
が施された移動体磁気方位φm (t)を求める。
【0009】さらに、移動体真方位演算回路は、時刻t
における移動体磁気方位φm (t)及び最新の偏角推定
値φmn^に基づき φfn(t)=φmn^+φm (t) の演算を実行することにより、時刻tにおける移動体真
方位φfn(t)を求める。
【0010】方位誤差演算回路は、時刻tにおける移動
体真方位φfn(t)及び時刻ti における移動体方位デ
ータφg i に基づき Δφgf i =φg i −φfn(t) の演算を実行することにより、時刻ti における方位誤
差Δφgf i を求め、さらに時系列的処理により誤差を排
除して時刻ti における方位誤差推定値Δφgf^を推定
する。
【0011】感度補正量演算回路は、時刻ti における
方位誤差推定値Δφgf^及び時刻ti-p における方位誤
差推定値Δφgf-p^(p:自然数)に基づき、方位誤差
推定値Δφgf^の変化が反映するよう、感度推定値α^
又はβ^を求め、地磁気強度演算回路は、時刻ti にお
ける方位誤差推定値Δφgf^及び時刻ti-p における方
位誤差推定値Δφgf-p^に基づき、方位誤差推定値Δφ
gf^の変化が反映するよう、地磁気強度推定値r^を求
め、偏角演算回路は、時刻ti における方位誤差推定値
Δφgf^及び時刻ti-p における方位誤差推定値Δφ
gf-p^に基づき、方位誤差推定値Δφgf^の変化が反映
するよう、偏角推定値φmn^を求める。
【0012】請求項1においては、着磁補正量演算回路
において用いる推定値α^、r^及びφmn^が方位誤差
推定値Δφgf^の変化に応じて更新される。
【0013】一方、請求項2における着磁補正量演算回
路は、時刻tにおける水平面内地磁気ベクトル(x
(t),y(t))を示すデータを移動体に固定された
フラックスゲートコンパスから入力し、時刻ti におけ
る移動体方位データφg i を移動体に搭載された航法装
置から入力し、時刻ti における水平面内地磁気ベクト
ル(x(ti ),y(ti ))及び移動体方位データφ
g i に基づき、かつ初期設定又は設定更新された最新の
y方向感度推定値α^若しくはx方向感度推定値β^、
地磁気強度推定値r^及び偏角推定値φmn^を用いて ei =x(ti )−r^・cos(φg i −φmn^) fi =y(ti )/α^−r^・sin(φg i −φmn
^) 又は ei =x(ti )/β^−r^・cos(φg i −φmn
^) fi =y(ti )−r^・sin(φg i −φmn^) の演算を実行することにより、時刻ti における着磁ベ
クトル(ei ,fi )を求め、さらに時系列的処理によ
り誤差を排除して時刻ti における着磁補正量中間推定
値(eint ^,fint ^)を求め、時刻ti-p (p:自
然数)における着磁補正量(e-p^,f-p^)に中間推
定値(eint ^,fint ^)よる補正を加えて着磁補正
量(e^,f^)を推定する。
【0014】また、移動体磁気方位演算回路は、時刻t
における水平面内地磁気ベクトル(x(t),y
(t))及び時刻ti における着磁補正量中間推定値
(eint ^,fint ^)に基づき φm int =tan-1{(y−fint ^)/(x−eint
^)} の演算を実行することにより、時刻tにおける移動体磁
気方位中間値φm int (t)を求め、時刻tにおける水
平面内地磁気ベクトル(x(t),y(t))及び時刻
i における着磁補正量(e^,f^)に基づき φm (t)=tan-1{(y(t)−f^)/(x
(t)−e^)} の演算を実行することにより、時刻tにおける着磁補正
が施された移動体磁気方位φm (t)を求める。
【0015】移動体真方位演算回路は、時刻tにおける
移動体磁気方位中間値φm int (t)及び最新の偏角推
定値φmn^に基づき φfn(t)=φmn^+φm int (t) の演算を実行することにより、時刻tにおける移動体真
方位中間値φfnint (t)を求め、時刻tにおける移動
体磁気方位φm (t)及び最新の偏角推定値φmn^に基
づき φfn(t)=φmn^+φm (t) の演算を実行することにより、時刻tにおける移動体真
方位φfn(t)を求める。
【0016】方位誤差演算回路は、時刻tにおける移動
体真方位移動体真方位中間値φfnin t (t)及び時刻t
i における移動体方位データφg i に基づき Δφgf i =φg i −φfnint (t) の演算を実行することにより、時刻ti における方位誤
差Δφgf i を求め、さらに時系列的処理により誤差を排
除して時刻ti における方位誤差推定値Δφgf^を推定
する。
【0017】感度補正量演算回路は、時刻ti における
方位誤差推定値Δφgf^及び時刻ti-p における方位誤
差推定値Δφgf-p^(p:自然数)に基づき、方位誤差
推定値Δφgf^の変化が反映するよう、感度推定値α^
又はβ^を求め、地磁気強度演算回路は、時刻ti にお
ける方位誤差推定値Δφgf^及び時刻ti-p における方
位誤差推定値Δφgf-p^に基づき、方位誤差推定値Δφ
gf^の変化が反映するよう、地磁気強度推定値r^を求
め、偏角演算回路は、時刻ti における方位誤差推定値
Δφgf^及び時刻ti-p における方位誤差推定値Δφ
gf-p^に基づき、方位誤差推定値Δφgf^の変化が反映
するよう、偏角推定値φmn^を求める。
【0018】請求項2においては、着磁補正量演算回路
において用いる推定値α^、r^及びφmn^が方位誤差
推定値Δφgf^の変化に応じて更新され、移動体真方位
演算回路により求められた移動体真方位φfn(t)が出
力される。
【0019】本発明の請求項3は、移動体真方位演算回
路からφfn(t)を、移動体に搭載された角速度センサ
から任意時刻tにおける当該移動体の旋回角速度dφv
(t)/dtを、それぞれ入力し、φfn(t)及びdφ
v (t)/dtを瀘波し合成して、補正された移動体真
方位φn (t)を出力する相補的合成フィルタを備え、
φfn(t)についての相補的合成フィルタの伝達関数
と、φv (t)についての角速度センサ及び相補的合成
フィルタの伝達関数と、の合計が、1であることを特徴
とする。
【0020】そして、請求項4は、移動体に搭載された
角速度センサから入力される任意時刻tにおける当該移
動体の旋回角速度dφv (t)/dtに不感帯を付与
し、不感帯が付与されたdφv (t)/dtを任意時刻
0 におけるφfn(t0 )を初期条件として積分し補正
された移動体真方位φn (t)を出力する積分回路を備
えることを特徴とする。
【0021】
【作用】本発明においては、次のような演算が行われる
結果、航法装置(例えばGPS受信機)から得られる移
動体方位データφg i が間欠的であるにもかかわらず、
また、ブロッキングが生じている場合であっても、連続
的な移動体真方位φn (t)が得られる。さらに、着磁
補正は直進時により好適に実行され、従来のような移動
体の方向転換を必要としないため、利用者の負担が軽減
される。
【0022】ここでは、このような作用が生じる原理に
ついて、フラックスゲートコンパス(以下、FGCとい
う)の感度補正をy方向について行う場合を例にして説
明する。図1には、この場合の原理が方位関係として示
されている。
【0023】(1)着磁補正量演算の基礎となる式の導
出 図1に示されるように、真北をON、地磁気ベクトル
をOM、時刻ti (i=0,1,2,…)における移
動体の本体(自動車であれば車体)の着磁ベクトルをO
i →とすると、時刻ti におけるFGC出力の水平成
分(x(ti ),y(ti ))=(xi ,yi )は、地
磁気ベクトルOMと着磁ベクトルOQi →の合成磁気
ベクトルOPi →となる。なお、図においてはベクトル
を示す“→”及び線分の長さを示す“−”をOPi 等の
上部に記しているが、明細書中ではこれらをOPi →
OPi −等と表すこととする。また、推定値を示す
“^”についても同様に取り扱う。
【0024】いま、説明の単純化のため、移動体がx方
向に進行しているとする。なお、以下の説明は、移動体
の進行方向(移動体方位)とx方向がどのような角度を
なしていても、同様に成立する。
【0025】FGCのx方向とy方向の感度の相違を無
視できるとすると、FGCからx方向成分xi として得
られる量は、合成磁気ベクトルOPi →のx方向成分O
x i −である。同様に、FGCからy方向成分yi
して得られる量は、合成磁気ベクトルOPi →のy方向
成分OPy i −である。従って、地磁気ベクトルOM
i →のx方向成分OMx i −をui 、y方向成分OMy
i −をvi とおき、着磁ベクトルOQi →のx方向成分
OQx i −をei 、y方向成分OQy i −をfiとおく
と、時刻ti においてGPS受信機等の航法装置から得
られる移動体方位データφg i が真北基準であることか
ら、FGC出力(xi ,yi )は、それぞれ次のように
表すことができる。
【0026】 xi =ui +ei =ri ・cos(φg i −φmn i )+ei i =vi +fi =ri ・sin(φg i −φmn i )+fi ただし、ri :誤差を含む地磁気強度=r+Δri r:真の地磁気強度=|OM| Δri :rの測定誤差 φmn i :時刻ti における真北に対する磁北の偏角 … (1) しかし、実際にはFGCのx方向の感度とy方向の感度
が相違していることが知られている。従って、x方向の
感度を基準(すなわち1)とし、y方向の感度を未知数
αとすると、OPy i −はyi /αと表すことができる
から、式(1)は実際には次のような形となる。
【0027】 xi =ui +ei =ri ・cos(φg i −φmn i )+ei i =α・vi +α・fi =α・ri ・sin(φg i −φmn i )+α・fi … (2) この式(2)をei 及びfi について変形すると、次の
ようになる。
【0028】 ei =xi −ui =xi −ri ・cos(φg i −φmn i ) fi =yi /α−vi =yi /α−ri ・sin(φg i −φmn i ) … (3) この式(3)の右辺には、未知数であるy方向感度αが
含まれている。また、地磁気強度ri には測定誤差Δr
i が含まれている。さらに、偏角φmn i は移動体の移動
に伴い(緯度経度の変化等に伴い)変化する。
【0029】(2)請求項1における着磁補正演算 本発明の請求項1においては、式(3)におけるy方向
感度α、地磁気強度ri 及び偏角φmn i を最新の推定値
α^、r^及びφmn^に置き換えた式(4)に基づく演
算が、着磁補正量演算回路により実行される。これらの
推定値α^、r^及びφmn^としては、十分信頼できる
よう設定された値又は後述する手法により求められた値
が用いられる。なお、演算開始時には、予め設定されて
いる初期値α0 、r0 及びφmn 0 が、推定値α^、r^
及びφmn^に代えて使用される。初期値α0 、r0 及び
φmn 0 としては、予め内部のメモリに記憶させておいた
値や、キーボード等から入力される値や、所定の初期設
定演算により求めた値を用いることができる。
【0030】 ei =xi −r^・cos(φg i −φmn^) fi =yi /α^−r^・sin(φg i −φmn^) … (4) 着磁補正量演算回路は、さらに、このようにして求めた
着磁ベクトルOQi →=(ei ,fi )に基づき、着磁
補正量(e^,f^)を演算する。この演算は、着磁ベ
クトル(e,f)の誤差を排除するよう、実行す
る。着磁補正量(e^,f^)は、例えば次のような平
均演算により期待値として求めるのが好ましい。
【0031】
【数1】 着磁補正量演算回路により得られる着磁補正量(e^,
f^)は、移動体磁気方位演算回路に入力される。移動
体磁気方位演算回路は、リアルタイムで入力したFGC
出力(x(t),y(t))=(x,y)及び時刻ti
における着磁補正量(e^,f^)を用い、図1に示さ
れる関係に基づく次の式(6)による演算を実行し、磁
北を基準とした移動体の方位、すなわち移動体磁気方位
φm (t)=φm を求める。
【0032】 φm =tan-1{(y−f^)/(x−e^)} … (6) 移動体真方位演算回路は、このようにして求められた移
動体磁気方位φm と、前述の偏角の推定値φmn^を用
い、図1に示される関係に基づく次の式(7)による演
算を実行し、真北を基準とした移動体の方位、すなわち
移動体真方位φfn(t)=φfnを求める。
【0033】 φfn=φmn^+φm … (7) このように、本請求項においては、任意時刻tの地磁気
基準の移動体方位φmが求められ、真北基準の移動体方
位φfnが連続的に求められる。従って、アンテナ制御
等、リアルタイムに移動体方位φfnを要求する用途に適
用でき、有意性が高い。また、山、樹木、建物等による
ブロッキングが生じている場合であっても、方位をリア
ルタイムで知ることができる。
【0034】さらに、従来の着磁補正方法、例えばAB
法(特開昭56−6169号参照)においては、移動体
が360°以上旋回することが望ましいといわれてい
る。これに対し、本請求項の方法では、着磁補正量(e
^,f^)を求めるための旋回は必要でなく、GPS受
信機等の出力が安定している直進時に着磁補正を実行で
きる。
【0035】(3)請求項2における着磁補正演算 本発明の請求項2においては、請求項1と同様、着磁補
正量演算回路により式(4)に基づく演算が実行され
る。着磁補正量演算回路は、さらに、このようにして求
めた着磁ベクトルOQi →=(ei ,fi )に基づき着
磁補正量の中間推定値(eint ^,fint ^)を求め
る。
【0036】中間推定値(eint ^,fint ^)は、請
求項1における着磁補正量(e^,f^)に対応する量
であり、例えば次のような平均演算により期待値として
求めるのが好ましい。
【0037】
【数2】 着磁補正量演算回路により得られる中間推定値(eint
^,fint ^)は、移動体磁気方位演算回路に供給され
る。移動体磁気方位演算回路は、リアルタイムのFGC
出力(x,y)及び時刻ti における中間推定値(e
int ^,fint ^)を用い、図1に示される関係に基づ
く次の式(9)による演算を実行し、移動体磁気方位中
間値φm を求める。
【0038】 φm int =tan-1{(y−fint ^)/(x−eint ^)} … (9) 移動体真方位演算回路は、次の式(10)の演算により
移動体真方位中間値φfnint を求める。
【0039】 φfnint =φmn^+φm int … (10) このようにして得られる移動体真方位中間値φ
fnint は、後述の方位誤差演算回路において使用され
る。
【0040】着磁補正量演算回路は、一方で、求められ
た中間推定値(eint ^,fint ^)及びp時点前の着
磁補正量(e-p^,f-p^)に基づき着磁補正量(e
^,f^)を求める。ただし、pは自然数であり、好ま
しくは1である。着磁補正量(e^,f^)は例えば次
のような加重加算演算により求めるのが好ましい。
【0041】 e^=Ke1*e-p^+Ke2*eint ^ f^=Kf1*f-p^+Kf2*fint ^ ただし、Ke1,Ke2,Kf1,Kf2:定数 … (11) 着磁補正量(e^,f^)は、従って、p時点前の着磁
補正量(e-p^,f-p^)に対し中間推定値(e
int ^,fint ^)による補正を加えた量となる。ま
た、今回求めた着磁補正量(e^,f^)は次回以後の
着磁補正量演算に用いられる。
【0042】このようにして求められた着磁補正量(e
^,f^)は、請求項1と同様、移動体磁気方位演算回
路における移動体磁気方位演算に使用される。すなわ
ち、移動体磁気方位演算回路は、リアルタイムのFGC
出力(x,y)及び時刻ti における着磁補正量(e
^,f^)を用い、図1に示される関係に基づく次の式
(12)による演算を実行し、移動体磁気方位φm を求
める。
【0043】 φm =tan-1{(y−f^)/(x−e^)} … (12) 移動体真方位演算回路は、次の式(13)の演算により
移動体真方位φfnを求める。
【0044】 φfn=φmn^+φm … (13) このようにして得られる移動体真方位φfnは、例えば表
示装置等に出力される。
【0045】従って、本請求項においても、任意時刻の
真北基準の移動体方位φfnが求められるため、リアルタ
イムに移動体真方位φfnを要求する用途に適用でき、か
つ、ブロッキングに対しても強くなる。さらに、この請
求項においても、例えばAB法と異なり原理的に旋回な
しに着磁補正量(e^,f^)を求めることができる。
加えて、請求項1のように平均化演算等により求めた値
をただちに着磁補正量(e^,f^)として使用するの
ではなく、当該値を専ら推定値更新(後述)に使用し、
外部に出力する移動体真方位φfnはp時点前の着磁補正
量(e-p^,f-p^)を勘案して求めるようにしたた
め、出力する移動体真方位φfnが小刻みに変動すること
が防止される。
【0046】(4)推定値更新演算 前述のように、着磁補正量演算回路においては、着磁補
正量(e^,f^)又は中間推定値(eint ^,fint
^)の演算に当たって推定値α^、r^及びφmn^が用
いられている。FGCの感度、地磁気強度及び偏角の実
際の値は急激に変化することが少ないから、推定値α
^、r^及びφmn^として同一の値を用いることも、限
られた状況下では可能である。例えば、演算開始直後
は、初期値α0 、r0 及びφmn 0 等、予め設定された値
を用いることができる。しかし、移動体の移動に伴い、
FGCの感度、地磁気強度及び偏角の実際の値が変化す
るから、推定値α^、r^及びφmn^は適当な頻度で更
新する必要がある。方位誤差演算回路、感度補正量演算
回路、地磁気強度演算回路及び偏角演算回路は、このよ
うな推定値更新の手段である。
【0047】まず、方位誤差演算回路は、航法装置から
入力される移動体方位データφg iが移動体真方位演算
回路により求められる移動体真方位φfn又は移動体真方
位中間値φfnint に対しどの程度の誤差を有しているか
を求める。すなわち、次の式(14)(請求項1)又は
式(15)(請求項2)により、方位誤差Δφgf i を求
める。
【0048】 Δφgf i =φg i −φfn … (14) Δφgf i =φg i −φfnint … (15) この方位誤差Δφgf i は時間の経過に伴いあるいは移動
体の移動に伴い変動する成分を含んでいる。方位誤差演
算回路は、この成分を除去した値として、方位誤差Δφ
gf i を用いて方位誤差の推定値Δφgf^を求める。方位
誤差推定値Δφgf^は、感度補正量演算回路、地磁気強
度演算回路及び偏角演算回路において推定値α^、r^
及びφmn^の演算に使用する量である。方位誤差推定値
Δφgf^は例えば次のような平均演算により期待値とし
て求める。
【0049】
【数3】 感度補正量演算回路は、方位誤差演算回路により求めら
れた方位誤差推定値Δφgf^と、p時点前の方位誤差推
定値Δφgf-p^(p:自然数、好ましくは1)とを用い
て、感度推定値α^を求める。地磁気強度演算回路は、
方位誤差演算回路により求められた方位誤差推定値Δφ
gf^と、p時点前の方位誤差推定値Δφgf-p^とを用い
て、地磁気強度推定値r^を求める。偏角演算回路は、
方位誤差演算回路により求められた方位誤差推定値Δφ
gf^と、p時点前の方位誤差推定値Δφgf-p^とを用い
て、偏角推定値φmn^を求める。その際、例えば次のよ
うな演算を用いる。
【0050】 α^=α-p^+Δα Δα=−Kα*sign(Δα-p) *sign(|Δφgf^|−|Δφgf-p^|) … (17) r^=r-p^+Δr Δr=−K*sign(Δr-p) *sign(|Δφgf^|−|Δφgf-p^|) … (18) φmn^=φmn-p^+Δφmn Δφmn=−Kd *sign(Δφmn-p) *sign(|Δφgf^|−|Δφgf-p^|) … (19) ただし、α-p^,r-p^,φmn-p^ :p時点前の推定値α^,r^,φmn^ Kα,K,Kd :定数 sign(引数):引数>0のとき1、引数<0のとき
−1 Δα-p,Δr-p,Δφmn-p:p時点前のΔα,Δr,Δ
φmn 着磁補正量演算回路は、それまで用いられていた推定値
α^、r^及びφmn^に代え、このようにして求められ
る推定値α^、r^及びφmn^を用いて、以後の演算を
実行する。すなわち、推定値α^、r^及びφmn^は方
位誤差推定値Δφgf^に応じて更新される。また、更新
の際、p時点前の方位誤差推定値Δφgf -p^を用いてい
るため、方位誤差の変化動向も、更新に反映される。な
お、感度補正量、地磁気強度及び偏角の三者すべてにつ
いて同時に更新を行う必要はなく、例えば、推定値α
^、r^及びφmn^のうちΔα、Δr、Δφmnが所定値
以上に大きくなったもののみについて更新を行うように
しても構わない。
【0051】(5)請求項3及び4の作用 請求項3においては、相補的合成フィルタによりφfn
dφv /dtが相補的に合成される。すなわち、φfn
ついての相補的合成フィルタの伝達関数と、移動体の旋
回角φv (t)=φv についての角速度センサ及び相補
的合成フィルタの伝達関数と、の合計が1であるため、
例えばφfnの精度が低下する領域においてdφv /dt
によりこれを補うことが可能になり、方位検出精度が向
上する。
【0052】そして、請求項4においては、dφv /d
tに不感帯が付与される。ここにいう不感帯付与とは、
dφv /dtが0近傍である場合においてdφv /dt
を0に修正することである。この処理が施されたdφv
/dtは、積分回路により積分される。この積分に当た
って、任意時刻t0 におけるφfn(t0 )による初期設
定が行われる結果、やはり精度が向上した方位検出が実
現される。
【0053】(6)その他 なお、上述の作用は、x方向感度補正量αにかえy方向
感度補正量βを用いた場合でも同様に生じる。この場
合、先に述べた式(4)及び(17)に代え式(20)
及び(21)を用いればよい。
【0054】 ei =xi /β^−r^・cos(φg i −φmn^) fi =yi −r^・sin(φg i −φmn^) … (20) β^=β-p^+Δβ ただし、β-p^:p時点前の推定値β^ Δβ=−Kβ*sign(Δβ-p) *sign(|Δφgf^|−|Δφgf-p^|) Kβ:定数 Δβ-p:p時点前のΔβ … (21)
【0055】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。
【0056】図2には、本発明の第1実施例に係る装置
の構成が示されている。この装置は自動車等の移動体に
搭載される装置であり、次のような構成を備えている。
【0057】まず、アンテナ10によりGPS信号を受
信し、時刻ti (i:整数、ti :離散値)における真
北基準の移動体方位データφg i を出力するGPS受信
機12を備えている。すなわち、時刻t0 においてはφ
g 0 、次の時刻t1 においてはφg 1 、…というよう
に、GPS受信機12は、移動体方位データを間欠的に
出力する。
【0058】次に、本実施例は、地磁気の水平成分
(x,y)を検出するFGC14を備えている。FGC
14は、このFGCデータ(x,y)をアナログ出力す
る。なお、ここでは、xを移動体の進行方向の成分、y
を進行方向に直交する方向の成分とする。FGCデータ
(x,y)は、ADコンバータ16によりディジタル値
に変換される。このようにして得られるFGCデータ
(x,y)は、GPS受信機12の出力と異なり、時間
的に連続したデータである。
【0059】移動体方位演算回路18は、これら移動体
方位データφg i 及びディジタルのFGCデータ(x,
y)に基づき真北基準の移動体方位(移動体真方位)φ
fn(t)を求め出力する。
【0060】図3には、移動体方位演算回路18の一例
構成が示されている。この図に示されている構成は、着
磁補正量演算回路20、移動体磁気方位演算回路22、
移動体真方位演算回路24、方位誤差演算回路26、感
度補正量演算回路28、地磁気強度演算回路30及び偏
角演算回路32を備えている。
【0061】着磁補正量演算回路20は、GPS受信機
12により得られる移動体方位データφg i 及びこれと
ほぼ同期したFGCデータ(x(ti ),y(ti ))
=(xi ,yi )に基づき、着磁補正量(e^,f^)
を演算する。着磁補正量(e^,f^)は、時刻ti
おける着磁ベクトルの水平成分の推定値である。
【0062】着磁補正量(e^,f^)は、地磁気ベク
トル、着磁ベクトル及びFGC14の出力の幾何学的関
係並びにFGC14の方向別感度差に基づき時刻ti
おける着磁ベクトルを推定し、さらにこれを平均化する
ことにより、求められる。着磁ベクトルの推定演算式と
しては、先に述べた式(4)又は(20)を用い、推定
した着磁ベクトル(ei ,fi )を平均化して着磁補正
量(e^,f^)を求める演算式としては、先に述べた
式(5)を用いる。
【0063】式(4)又は(20)の演算を実行するた
めには、最新のy方向感度推定値α^若しくはx方向感
度推定値β^、地磁気強度推定値r^及び偏角推定値φ
mn^が必要である。y方向感度推定値α^又はx方向感
度推定値β^は感度補正量演算回路28から、地磁気強
度推定値r^は地磁気強度演算回路30から、そして偏
角推定値φmn^は偏角演算回路32から、それぞれ着磁
補正量演算回路20に入力される。着磁補正量演算回路
20は、これらの回路28、30及び32から逐次入力
する推定値α^若しくはβ^、r^及びφmn^により、
それまで使用していた推定値α^若しくはβ^、r^及
びφmn^を更新する。その際、推定値α^若しくはβ
^、r^及びφmn^の変化量(後述のΔα、Δβ、Δr
及びΔφmn)又はその累計値が小さければ、更新を行わ
ず従前の値を使用するよう、着磁補正量演算回路20を
構成することもできる。
【0064】さらに、電源投入直後等、演算を開始した
直後においては、感度補正量演算回路28、地磁気強度
演算回路30及び偏角演算回路32の演算(後述)によ
る推定値α^若しくはβ^、r^及びφmn^は得られて
いないから、推定値α^、r^及びφmn^に代えて何等
かの値を初期設定する必要がある。この初期値α0 、r
0 及びφmn 0 としては、予め着磁補正量演算回路20内
部のメモリに記憶させておいた値や、図示しないキーボ
ード等から入力される値や、着磁補正量演算回路20の
所定の初期設定演算により求めた値を用いることができ
る。
【0065】移動体磁気方位演算回路22は、時刻ti
における着磁補正量(e^,f^)及び時刻tにおける
FGCデータ(x,y)を入力し、これらに基づき、時
刻tにおける着磁補正された移動体磁気方位φm を演算
する。演算式としては、地磁気ベクトル、着磁ベクトル
及びFGC14の出力の方位関係から導出した式(6)
を用いる。移動体真方位演算回路24は、移動体磁気方
位φm 及び偏角推定値φmn^に基づき移動体真方位φfn
を演算する。演算式としては、x方向若しくはy方向と
真北及び磁北との関係から導出した式(7)を用いる。
得られた真北基準の移動体方位φfnは外部に出力され、
例えば表示やアンテナ制御に用いられる。
【0066】ここに、FGCデータ(x,y)は時間的
に連続して(リアルタイムに)得られるデータであるか
ら、移動体磁気方位φm 、ひいては移動体真方位φfn
時間的に連続して得られる。従って、本実施例によれ
ば、移動体真方位φfnがリアルタイムで得られる。この
様なリアルタイムのデータは、アンテナ制御等に有効で
ある。さらに、このような処理により、ブロッキングに
対しても強くなる。また、着磁補正量(e^,f^)を
求めるために必要な旋回は原理的には必要でないから、
AB法のように移動体が360°以上旋回することを求
める着磁補正方法に比べ、使用性の高い方法となる。
【0067】ところで、着磁補正量演算回路20におい
て使用する推定値α^若しくはβ^、r^及びφmn
は、適当な頻度で更新する必要がある。感度補正量演算
回路28は感度推定値α^又はβ^の、地磁気強度演算
回路30は地磁気強度推定値r^の、偏角演算回路32
は偏角推定値φmn^の、更新演算を実行する。これらの
回路28、30及び32がその演算に使用する量は、方
位誤差演算回路26により得られる方位誤差推定値Δφ
gf^である。
【0068】方位誤差演算回路26は、時刻ti におけ
る移動体方位データφg i が時刻tにおける移動体真方
位φfnとどの程度の差Δφgf i を有しているかを式(1
4)により求め、得られた方位誤差Δφgf i を式(1
6)により平均化して方位誤差推定値Δφgf^を求め
る。この演算により、時間の経過乃至は移動体の移動に
伴う変動が排除される。
【0069】感度補正量演算回路28、地磁気強度演算
回路30及び偏角演算回路32は、それぞれ、方位誤差
推定値Δφgf^を用いて感度推定値α^若しくはβ^、
地磁気強度推定値r^及び偏角推定値φmn^を求める。
演算式は、式(17)若しくは(21)、(18)及び
(19)である。これらの演算式においてはp時点前の
方位誤差推定値Δφgf-p^を用いて、p時点前の推定値
α-p^若しくはβ-p^、r-p^及びφmn-p^を新たな推
定値α^若しくはβ^、r^及びφmn^に更新してい
る。pとしては1を採用するのが好ましい。
【0070】このように、本実施例によれば、方位誤差
推定値Δφgf^に応じて推定値α^若しくはβ^、r^
及びφmn^が更新される。
【0071】図4には、移動体方位演算回路18の他の
構成例が示されている。この構成が図3の構成と相違す
る点は、特に着磁補正量演算回路34の演算内容であ
る。また、これに伴い、移動体磁気方位演算回路35、
移動体真方位演算回路36及び方位誤差演算回路37の
演算対象も変化している。
【0072】着磁補正量演算回路34は、着磁補正量演
算回路20と同様に着磁ベクトル(ei ,fi )を求め
た上で、式(8)により着磁補正量中間推定値(eint
^,fint ^)を求める。移動体磁気方位演算回路35
は、中間推定値(eint ^,fint ^)を用いて式
(9)による演算を実行し、移動体磁気方位中間値φ
m in t を求める。移動体真方位演算回路36は、移動体
磁気方位中間値φm int 及び変革推定値φmn^に基づき
式(10)の演算を実行し、移動体真方位中間値φfn
int を求める。移動体真方位中間値φfnint は、方位誤
差演算回路37に供給される。方位誤差演算回路37
は、移動体真方位中間値φfnint を用いて式(15)の
演算を実行する。前述のように、図3の構成に係る式
(5)と着磁補正量演算回路34に係る式(8)は同様
の形式を有しているから、推定値α^若しくはβ^、r
^及びφmn^の更新は、図3と同様にして実行される。
【0073】一方で、着磁補正量演算回路34は、中間
推定値(eint ^,fint ^)及びp時点前の着磁補正
量(e-p^,f-p^)に基づき式(11)により着磁補
正量(e^,f^)を求める。pは好ましくは1であ
る。移動体磁気方位演算回路35は、この着磁補正量
(e^,f^)を用いて式(12)による演算を実行
し、移動体磁気方位φm を求める。移動体真方位演算回
路36は、移動体磁気方位φm 及び変革推定値φmn^に
基づき式(13)の演算を実行し、移動体真方位φfn
求める。移動体真方位φfnは、図示しない表示装置等に
出力される。
【0074】従って、図4の構成においては、図3の構
成における着磁補正量(e^,f^)と同じく平均化さ
れた中間推定値(eint ^,fint ^)により移動体磁
気方位中間値φm int が演算される一方で、p時点前の
着磁補正量(e-p^,f-p^)を中間推定値(e
int ^,fint ^)により加重更新(補正)することに
より着磁補正量(e^,f^)が得られるため、FGC
データ(x,y)や移動体方位データφg i の変動が出
力される移動体磁気方位φm に反映されにくくなり、よ
り正確な演算が可能になる。
【0075】図5には、本発明の第2実施例に係る装置
の構成が示されている。この実施例は、第1実施例に角
速度センサ28、ADコンバータ40及び相補的合成フ
ィルタ42を付加した構成である。角速度センサ38は
移動体の旋回角速度を検出するセンサであり、検出値は
ADコンバータ40によりディジタル値に変換され角速
度dφv /dtとして相補的合成フィルタ42に出力さ
れる。
【0076】この角速度dφv /dtは、移動体方位の
時間変化率を表している。従って、これを積分すれば、
積分開始時点の移動体方位を基準とした移動体方位の変
化量となる。相補的合成フィルタ42は、角速度dφv
/dtを積分するとともに、移動体方位演算回路18に
より求められる真北基準の移動体方位φfnと加算し、真
北基準の移動体方位φn (t)として出力する。相補的
合成フィルタ42の移動体方位演算回路18側から見た
伝達関数をG1 、ADコンバータ40側から見た伝達関
数をG2 (角度センサ38の伝達関数sを含める)とし
た場合、相補的合成フィルタ42の特性は、移動体方位
演算回路18の出力の精度が低下する周波数領域で|G
1 |が小さくかつ|G2 |が大きく、所要の周波数領域
においてG1 +G2 =1が成り立つように設定されてい
る(特願平2−240413号、特願平3−3297号
参照)。
【0077】このような相補的な特性により、移動体方
位演算回路18による真北基準の移動体方位φfnの精度
が低下する周波数領域においても、角速度センサ38に
よる角速度dφv /dtにより補って、より高精度に真
北基準の移動体方位を求めることができる。
【0078】図6には、本発明の第3実施例に係る装置
の構成が示されている。この実施例においては、第2実
施例における相補的合成フィルタ42に代え積分回路4
4を設けている。
【0079】積分回路44は、角速度dφv /dtに不
感帯付与処理を施した上で積分し、真北基準の移動体方
位φn (t)として出力する。不感帯付与処理とは、角
速度dφv /dtが0近傍の値であった場合にこれを0
として取り扱う処理であり、これにより、角速度検出に
係る誤差が低減される(特願平2−175014号参
照)。また、角速度dφv /dtを積分した値は、積分
開始時点の移動体方位を基準とした移動体方位の変化量
となるため、積分回路44の積分出力を真北基準の移動
体方位φn (t)とするためには適当な初期値を与えて
やらねばならない。本実施例においては、初期設定は、
移動体方位演算回路18から出力される方位φfnにより
行われる。このような構成により、角速度積分型の方位
検出を安定に行うことが可能になる。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
によれば、FGCから得られる地磁気の水平成分
(xi ,yi )及び航法装置からの移動体方位φg i
基づき着磁補正量(e^,f^)を求め、これにより着
磁補正を行うようにしたため、従来のAB法のように移
動体を旋回させることなく、着磁補正を行うことができ
る。また、FGCから得られる地磁気の水平成分(x,
y)を時間的に連続的に用いて移動体磁気方位φm を求
めているため、航法装置からの移動体方位φg i が離散
的であるにもかかわらず、移動体真方位φfnがリアルタ
イムで得られ、例えばブロッキングにより航法装置から
の移動体方位φg i が得られなくなった場合に対応で
き、アンテナ制御等リアルタイムにデータが要求される
用途にも好適な装置が実現される。さらに、感度推定値
α^若しくはβ^、地磁気強度推定値r^及び偏角推定
値φmn^を方位誤差推定値Δφgf^に基づき更新するよ
うにしたため、移動体の移動や時間の経過等に起因した
誤差の発生を防止できる。
【0081】また、請求項2によれば、請求項1と同様
の効果を得ることができる。さらに、請求項1の着磁補
正量(e^,f^)と同様にして求めた中間推定値(e
int^,fint ^)を推定値α^若しくはβ^、r^及
びφmn^の更新に用いる一方で、p時点前の着磁補正量
(e-p^,f-p^)をこの中間推定値(eint ^,f
int ^)により補正することにより着磁補正量(e^,
f^)を求めているため、FGCから得られる地磁気の
水平成分(x,y)や航法装置からの移動体方位φg i
の誤差の影響を排除できる。
【0082】請求項3によれば、相補的合成フィルタを
用いて角速度センサの出力を相補的に用いるようにした
ため、精度がより向上する。
【0083】そして、請求項4によれば、不感帯付与機
能を有する積分回路を用い、さらに移動体真方位演算回
路の出力により初期設定を行うようにしたため、より精
度良く好適に方位を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の演算原理を示す方位図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図3】移動体方位演算回路の構成の一例を示すブロッ
ク図である。
【図4】移動体方位演算回路の構成の他の例を示すブロ
ック図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図6】本発明の第3実施例に係る装置の構成を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
10 アンテナ 12 GPS受信機 14 フラックスゲートコンパス(FGC) 18 移動体方位演算回路 20,34 着磁補正量演算回路 22,35 移動体磁気方位演算回路 24,36 移動体真方位演算回路 26,37 方位誤差演算回路 28 感度補正量演算回路 30 地磁気強度演算回路 32 偏角演算回路 38 角速度センサ 42 相補的合成フィルタ 44 積分回路 φg GPS受信機による移動体方位データ (x,y) FGCデータ (e^,f^) 着磁補正量 φm 移動体磁気方位 φfn 移動体真方位 Δφgf^ 方位誤差 α^ y方向感度推定値 β^ x方向感度推定値 r^ 地磁気強度推定値 φmn^ 偏角推定値 (eint ^,fint ^) 着磁補正量中間推定値 φm int 移動体磁気方位中間値 φfnint 移動体真方位中間値 φv 角速度 φn 相補的合成又は積分後の移動体真方位

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時刻t(t:連続値)における水平面内
    地磁気ベクトル(x(t),y(t))を示すデータを
    移動体に固定されたフラックスゲートコンパスから入力
    し、時刻ti (i:整数,ti :離散値)における移動
    体方位データφg i を移動体に搭載された航法装置から
    入力し、時刻ti における水平面内地磁気ベクトル(x
    (ti ),y(ti ))及び移動体方位データφg i
    基づき、かつ初期設定又は設定更新された最新のy方向
    感度推定値α^若しくはx方向感度推定値β^、地磁気
    強度推定値r^及び偏角推定値φmn^を用いて ei =x(ti )−r^・cos(φg i −φmn^) fi =y(ti )/α^−r^・sin(φg i −φmn
    ^) 又は ei =x(ti )/β^−r^・cos(φg i −φmn
    ^) fi =y(ti )−r^・sin(φg i −φmn^) の演算を実行することにより、時刻ti における着磁ベ
    クトル(ei ,fi )を求め、さらに時系列的処理によ
    り誤差を排除して着磁補正量(e^,f^)を推定する
    着磁補正量演算回路と、 時刻tにおける水平面内地磁気ベクトル(x(t),y
    (t))及び時刻tiにおける着磁補正量(e^,f
    ^)に基づき φm (t)=tan-1{(y(t)−f^)/(x
    (t)−e^)} の演算を実行することにより、時刻tにおける着磁補正
    が施された移動体磁気方位φm (t)を求める移動体磁
    気方位演算回路と、 時刻tにおける移動体磁気方位φm (t)及び最新の偏
    角推定値φmn^に基づき φfn(t)=φmn^+φm (t) の演算を実行することにより、時刻tにおける移動体真
    方位φfn(t)を求める移動体真方位演算回路と、 時刻tにおける移動体真方位φfn(t)及び時刻ti
    おける移動体方位データφg i に基づき Δφgf i =φg i −φfn(t) の演算を実行することにより、時刻ti における方位誤
    差Δφgf i を求め、さらに時系列的処理により誤差を排
    除して時刻ti における方位誤差推定値Δφgf^を推定
    する方位誤差演算回路と、 時刻ti における方位誤差推定値Δφgf^及び時刻t
    i-p における方位誤差推定値Δφgf-p^(p:自然数)
    に基づき、方位誤差推定値Δφgf^の変化が反映するよ
    う、感度推定値α^又はβ^を求める感度補正量演算回
    路と、 時刻ti における方位誤差推定値Δφgf^及び時刻t
    i-p における方位誤差推定値Δφgf-p^に基づき、方位
    誤差推定値Δφgf^の変化が反映するよう、地磁気強度
    推定値r^を求める地磁気強度演算回路と、 時刻ti における方位誤差推定値Δφgf^及び時刻t
    i-p における方位誤差推定値Δφgf-p^に基づき、方位
    誤差推定値Δφgf^の変化が反映するよう、偏角推定値
    φmn^を求める偏角演算回路と、 を備え、 着磁補正量演算回路において用いる推定値α^若しくは
    β^、r^及びφmn^が方位誤差推定値Δφgf^の変化
    に応じて更新されることを特徴とする移動体方位検出装
    置。
  2. 【請求項2】 時刻t(t:連続値)における水平面内
    地磁気ベクトル(x(t),y(t))を示すデータを
    移動体に固定されたフラックスゲートコンパスから入力
    し、時刻ti (i:整数,ti :離散値)における移動
    体方位データφg i を移動体に搭載された航法装置から
    入力し、時刻ti における水平面内地磁気ベクトル(x
    (ti ),y(ti ))及び移動体方位データφg i
    基づき、かつ初期設定又は設定更新された最新のy方向
    感度推定値α^若しくはx方向感度推定値β^、地磁気
    強度推定値r^及び偏角推定値φmn^を用いて ei =x(ti )−r^・cos(φg i −φmn^) fi =y(ti )/α^−r^・sin(φg i −φmn
    ^) 又は ei =x(ti )/β^−r^・cos(φg i −φmn
    ^) fi =y(ti )−r^・sin(φg i −φmn^) の演算を実行することにより、時刻ti における着磁ベ
    クトル(ei ,fi )を求め、さらに時系列的処理によ
    り誤差を排除して時刻ti における着磁補正量中間推定
    値(eint ^,fint ^)を求め、時刻ti-p (p:自
    然数)における着磁補正量(e-p^,f-p^)に中間推
    定値(eint ^,fint ^)よる補正を加えて着磁補正
    量(e^,f^)を推定する着磁補正量演算回路と、 時刻tにおける水平面内地磁気ベクトル(x(t),y
    (t))及び時刻tiにおける着磁補正量中間推定値
    (eint ^,fint ^)に基づき φm int =tan-1{(y−fint ^)/(x−eint
    ^)} の演算を実行することにより、時刻tにおける移動体磁
    気方位中間値φm int (t)を求め、時刻tにおける水
    平面内地磁気ベクトル(x(t),y(t))及び時刻
    i における着磁補正量(e^,f^)に基づき φm (t)=tan-1{(y(t)−f^)/(x
    (t)−e^)} の演算を実行することにより、時刻tにおける着磁補正
    が施された移動体磁気方位φm (t)を求める移動体磁
    気方位演算回路と、 時刻tにおける移動体磁気方位中間値φm int (t)及
    び最新の偏角推定値φmn^に基づき φfnint (t)=φmn^+φm int (t) の演算を実行することにより、時刻tにおける移動体真
    方位中間値φfnint (t)を求め、時刻tにおける移動
    体磁気方位φm (t)及び最新の偏角推定値φmn^に基
    づき φfn(t)=φmn^+φm (t) の演算を実行することにより、時刻tにおける移動体真
    方位φfn(t)を求める移動体真方位演算回路と、 時刻tにおける移動体真方位移動体真方位中間値φ
    fnint (t)及び時刻tiにおける移動体方位データφ
    g i に基づき Δφgf i =φg i −φfnint (t) の演算を実行することにより、時刻ti における方位誤
    差Δφgf i を求め、さらに時系列的処理により誤差を排
    除して時刻ti における方位誤差推定値Δφgf^を推定
    する方位誤差演算回路と、 時刻ti における方位誤差推定値Δφgf^及び時刻t
    i-p における方位誤差推定値Δφgf-p^(p:自然数)
    に基づき、方位誤差推定値Δφgf^の変化が反映するよ
    う、感度推定値α^又はβ^を求める感度補正量演算回
    路と、 時刻ti における方位誤差推定値Δφgf^及び時刻t
    i-p における方位誤差推定値Δφgf-p^に基づき、方位
    誤差推定値Δφgf^の変化が反映するよう、地磁気強度
    推定値r^を求める地磁気強度演算回路と、 時刻ti における方位誤差推定値Δφgf^及び時刻t
    i-p における方位誤差推定値Δφgf-p^に基づき、方位
    誤差推定値Δφgf^の変化が反映するよう、偏角推定値
    φmn^を求める偏角演算回路と、 を備え、 着磁補正量演算回路において用いる推定値α^若しくは
    β^、r^及びφmn^が方位誤差推定値Δφgf^の変化
    に応じて更新され、移動体真方位演算回路により求めら
    れた移動体真方位φfn(t)を出力することを特徴とす
    る移動体方位検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の移動体方位検出装
    置において、 移動体真方位演算回路からφfn(t)を、移動体に搭載
    された角速度センサから任意時刻tにおける当該移動体
    の旋回角速度dφv (t)/dtを、それぞれ入力し、
    φfn(t)及びdφv (t)/dtを瀘波し合成して、
    補正された移動体真方位φn (t)を出力する相補的合
    成フィルタを備え、 φfn(t)についての相補的合成フィルタの伝達関数
    と、φv (t)についての角速度センサ及び相補的合成
    フィルタの伝達関数と、の合計が、1であることを特徴
    とする移動体方位検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の移動体方位検出装
    置において、 移動体に搭載された角速度センサから入力される任意時
    刻tにおける当該移動体の旋回角速度dφv (t)/d
    tに不感帯を付与し、不感帯が付与されたdφv (t)
    /dtを任意時刻t0 におけるφfn(t0 )を初期条件
    として積分し補正された移動体真方位φn (t)を出力
    する積分回路を備えることを特徴とする移動体方位検出
    装置。
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