WO2017057697A1 - リグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置及び製造方法 - Google Patents

リグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置及び製造方法 Download PDF

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    • C12P19/00Preparation of compounds containing saccharide radicals
    • C12P19/02Monosaccharides

Definitions

  • the lignocellulosic biomass to be treated by the production apparatus and production method of the present invention mainly contains cellulose, hemicellulose, and lignin, such as conifers, hardwoods, building waste, forest land residue, pruning waste, rice straw. , Rice husk, wheat straw, wood chips, wood fiber, chemical pulp, waste paper, plywood and other agricultural and forestry resources, sugarcane bagasse, sugarcane foliage, corn stover and other agricultural and forestry waste products, processed agricultural and forestry products and large algae, microalgae, etc. Plant tissue. These lignocellulosic biomasses may be used alone or as a mixture.

Abstract

本発明は、前処理済リグノセルロース系バイオマス及び酵素を含む第一の糖化装置と、前記第一の糖化装置で生成された第一の糖化液及びβ-グルコシダーゼ(BGL)が吸着されたリグニンを含む第一の糖化残渣を含む第二の糖化装置と、前記第二の糖化装置内の固形分濃度を前記第一の糖化装置内の固形分濃度よりも高濃度に保持する機構と、を備えるリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置である。

Description

リグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置及び製造方法
 本発明は、リグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置及び製造方法に関する。
 本願は、2015年10月1日に、日本に出願された特願2015-195918号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
 近年、地球温暖化対策や、廃棄物の有効活用の観点から、植物資源を原料とするバイオマスの利用が注目されている。一般に、バイオマスからエタノール等の化合物を製造するための原料としては、サトウキビ等の糖質やトウモロコシ等のデンプン質が多く用いられている。しかしながら、これらの原料はもともと食料又は飼料として用いられており、長期的に工業用利用資源として活用することは、食料又は飼料用途との競合を引き起こし、原料価格の高騰を招く危険性がある。
 従って、非食用バイオマスをエネルギー資源として活用する技術開発が進められている。非食用バイオマスとしては、地球上に最も多く存在するセルロースがあげられるが、その大部分は芳香族ポリマーのリグニンやヘミセルロースとの複合体であるリグノセルロースとして存在する。
 リグノセルロース系バイオマスから目的の化合物を製造する方法としては、まず、水熱処理等の前処理を行う。このとき、必要に応じて、適宜酸又はアルカリを混合させてもよい。前処理を行ったリグノセルロース系バイオマスに酵素と水を添加し、バイオマス内のセルロース及びヘミセルロースをそれぞれグルコース及びキシロースの単糖に加水分解(糖化)し糖液を得る。
 糖化反応で使用される酵素はセルラーゼ及びヘミセルラーゼである。セルラーゼとは、数種類の酵素群の総称であって、一般的にβ‐グルコシダーゼ(BGL)、エンドグルカナーゼ(EG)、及びセロビオハイドロラーゼ(CBH)を混ぜ合わせた状態で市販されている。前処理したリグノセルロース系バイオマスには、重合度が高いヘミセルロース、セルロース及びリグニン、並びに、単糖2個からなり重合度が低いため、液中に可溶化したセロビオースや、単糖のキシロース、グルコース等が含まれている。EG及びCBHの糖化対象は固形のセルロースであり、BGLの糖化対象は液中に可溶化しているセロビオースである。
 また、糖化反応において、リグニンに酵素が非特異的に吸着する現象がしばしば起きる。EG及びCBHは、セルロース結合モジュール(CBM)を有し、基質であるセルロースにも特異的に吸着するが、BGLはCBMを持たないため、リグニンへの非特異的吸着のみであり、上記3種の酵素はほとんど糖化残渣に吸着してしまう。従来では、糖化残渣に吸着した酵素はなかなか遊離しがたく、反応後の上清から回収し、再利用することは困難であると考えられている(非特許文献1参照)。
 BGLはリグニンに吸着した状態であっても活性部位は残っており、液中のセロビオースに対して糖化能力が維持されている。
 特許文献1には、酵素を再利用するために、酵素が付着した糖化残渣を糖化工程の最初から投入する方法が開示されている。
 特許文献2には、糖化液中の糖化酵素をリグノセルロースに吸着させて回収し、粗濾過により上清に分離した酵素とリグノセルロースに吸着したままの酵素とに分離し、ともに次回以降のバッチの糖化工程に再利用する方法が開示されている。
特開2010-98951号公報 特許第5431499号公報
小林良則「バイオマス糖化反応の網羅的解析」生物工学 第91巻、10号、556~560ページ(2014年1月25日)
  特許文献1は、BGLを再利用することができるが、糖化槽内のリグニン濃度が高まり、EG及びCBHが吸着され、固形成分であるセルロースの糖化反応効率が落ちる。
 特許文献2は、特許文献1と同様に、BGLを再利用することができるが、糖化槽内のリグニン濃度が高まり、EG及びCBHが吸着され、固形成分であるセルロースの糖化反応効率が落ちる。
 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、酵素使用量を抑えながら、糖化反応効率が高いリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置及び製造方法を提供する。
 すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
(1)前処理済リグノセルロース系バイオマス及び酵素を含む第一の糖化装置と、前記第一の糖化装置で生成された第一の糖化液及びβ-グルコシダーゼ(BGL)が吸着されたリグニンを含む第一の糖化残渣を含む第二の糖化装置と、前記第二の糖化装置内の固形分濃度を前記第一の糖化装置内の固形分濃度よりも高濃度に保持する機構と、を備えることを特徴とするリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置。
(2)前記第一の糖化液はセロオリゴ糖を含み、前記第二の糖化装置は前記BGLにより前記セロオリゴ糖から生成されたグルコースを含む(1)に記載のリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置。
(3)前記高濃度に保持する機構が前記第二の糖化装置からの第二の糖化残渣の排出量を調節する機構である(1)又は(2)に記載のリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置。
(4)さらに、前記第二の糖化装置で生成された第二の糖化液及び酵素が吸着した第二の糖化残渣、並びに微生物を含む発酵槽を備え、前記発酵槽で生成された発酵液及び酵素が吸着した発酵残渣を分離する固液分離装置と、前記分離された発酵残渣を前記固液分離装置から前記第二の糖化装置へ投入する配管と、を備え、前記高濃度に保持する機構が前記固液分離装置及び前記第二の糖化装置へ投入する配管である(1)又は(2)に記載のリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置。
(5)さらに、前記第一の糖化装置に酵素液を供給するための酵素生産菌及び前処理済リグノセルロース系バイオマスを含む酵素生産槽を備え、前記酵素生産槽で生成された酵素液及び酵素が吸着した酵素生産残渣を分離する固液分離装置と、前記分離された酵素液を前記固液分離装置から前記第一の糖化装置へ投入する配管と、前記分離された酵素生産残渣を前記固液分離装置から前記第二の糖化装置へ投入する配管と、を備える(1)~(4)にいずれか一つに記載のリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置。
(6)前記第二の糖化装置内の固形分濃度が前記第一の糖化装置内の固形分濃度の1.1倍以上6倍以下である(1)~(5)のいずれか一つに記載のリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置。
(7)前記第二の糖化残渣、前記発酵残渣及び前記酵素生産残渣から選ばれる少なくとも一つに吸着する酵素がβ-グルコシダーゼ(BGL)である(1)~(6)のいずれか一つに記載のリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置。
(8)前処理済リグノセルロース系バイオマス及び酵素を混合し、糖化する第一の糖化工程と、前記第一の糖化工程で生成された糖化液及びβ-グルコシダーゼ(BGL)が吸着されたリグニンを含む第一の糖化残渣を混合し、糖化する第二の糖化工程と、前記第二の糖化工程における固形分濃度を前記第一の糖化工程における固形分濃度よりも高濃度に保つように調節する固形分濃度調節工程と、を有し、前記固形分濃度調節工程が、前記第二の糖化工程で生成された第二の糖化残渣の排出量を調節する工程であることを特徴とするリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造方法。
(9)前処理済リグノセルロース系バイオマス及び酵素を混合し、糖化する第一の糖化工程と、前記第一の糖化工程で生成された糖化液及びβ-グルコシダーゼ(BGL)が吸着されたリグニンを含む第一の糖化残渣を混合し、糖化する第二の糖化工程と、前記第二の糖化工程における固形分濃度を前記第一の糖化工程における固形分濃度よりも高濃度に保つように調節する固形分濃度調節工程と、前記第二の糖化工程で生成された第二の糖化液及び酵素が吸着した第二の糖化残渣、並びに酵母を混合し、発酵する発酵工程と、前記発酵工程で生成された発酵液と酵素が吸着した発酵残渣とを分離する固液分離工程と、を有し、前記固形分濃度調節工程が、前記固液分離工程で分離された酵素が吸着した発酵残渣を第二の糖化装置へ投入する工程であることを特徴とするリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造方法。
(10)前処理済リグノセルロース系バイオマス及び酵素を混合し、糖化する第一の糖化工程と、前記第一の糖化工程で生成された糖化液及びβ-グルコシダーゼ(BGL)が吸着されたリグニンを含む第一の糖化残渣を混合し、糖化する第二の糖化工程と、前記第二の糖化工程における固形分濃度を前記第一の糖化工程における固形分濃度よりも高濃度に保つように調節する固形分濃度調節工程と、酵素生産菌及び前処理済リグノセルロース系バイオマスを混合し、酵素を生産する酵素生産工程と、前記酵素生産工程で生成された酵素液と酵素が吸着した酵素生産残渣とを分離する固液分離工程と、前記固液分離工程で分離された酵素液を前記第一の糖化装置へ投入する工程と、を有し、前記固形分濃度調節工程が、前記固液分離工程で分離された酵素が吸着した酵素生産残渣を第二の糖化装置へ投入する工程であることを特徴とするリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造方法。
(11)前記第二の糖化工程において、主にβ-グルコシダーゼ(BGL)により、第一の糖化工程において生成されたセロオリゴ糖からグルコースを生成する(8)~(10)のいずれか一つに記載のリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造方法。
(12)前記第二の糖化工程における固形分濃度が前記第一の糖化装置内の固形分濃度の1.1倍以上6倍以下である(8)~(11)のいずれか一つに記載のリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造方法。
(13)前記第二の糖化残渣、前記発酵残渣及び前記酵素生産残渣から選ばれる少なくとも一つに吸着する酵素がβ-グルコシダーゼ(BGL)である(8)~(12)のいずれか一つに記載のリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造方法。
 本発明のリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置及び製造方法によれば、酵素を固定化する必要がなく、また酵素の投入量を低減し、効率的に糖化反応を行うことができる。
本発明の第一実施形態に係るリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置の概略構成を示す図である。 本発明の第二実施形態に係るリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置の概略構成を示す図である。 本発明の第三実施形態に係るリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置の概略構成を示す図である。 本発明の第四実施形態に係るリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置の概略構成を示す図である。 本発明の第五実施形態に係るリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置の概略構成を示す図である。 本発明の第六実施形態に係るリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置の概略構成を示す図である。 試験例1において、BGL吸着残渣の添加量の異なるサンプルの、糖化反応初期のセロビオース濃度に対するセロビオース濃度の経時的な変化をプロットしたグラフである。 実施例1及び比較例1の経時的なグルコース濃度の変化をプロットしたグラフである。
 本発明の製造装置及び製造方法で処理対象となるリグノセルロース系バイオマスは主に、セルロース、ヘミセルロース及びリグニンを含有するものであり、例えば針葉樹、広葉樹、建築廃材、林地残材、剪定廃材、稲藁、籾殻、麦藁、木材チップ、木材繊維、化学パルプ、古紙、合板等の農林産物資源、サトウキビバガス、サトウキビ茎葉、コーンスト―バー等の農林産物廃棄物、農林産物加工品及び大型藻類、微細藻類等の植物組織である。
これらのリグノセルロース系バイオマスは単独であってもよく、混合物であってもよい。
 本発明において、ヘミセルロースは、キシロースなどの5つの炭素を構成単位とする五炭糖とよばれるものやマンノース、アラビノース、ガラクツロン酸などの6つの炭素を構成単位とする六炭糖とよばれるもの、さらにグルコマンナンやグルクロノキシランなどのような複合多糖を有するので、加水分解を受けると、炭素5つからなる五炭糖の単糖やその単糖が複数個連結された五炭糖のオリゴ糖、炭素6つからなる六炭糖の単糖やその単糖が複数個連結された六炭糖のオリゴ糖、五炭糖の単糖と六炭糖の単糖が複数個連結されたオリゴ糖を生ずる。
 セルロースは、6つの炭素を構成単位として有するので、加水分解を受けると、炭素6つからなる六炭糖の単糖やその単糖が複数個連結された六炭糖のオリゴ糖を生ずる。一般に、単糖及びオリゴ糖のうち少なくともいずれかの構成比率や生成量は、前処理方法や原料として用いた農林産物資源、農林産物廃棄物及び農林産物加工品の種類によって異なる。
 以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する、なお、各図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
<第一実施形態>
 図1は、本発明の第一実施形態に係るリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置の概略構成を示す図である。
 本実施形態の製造装置10は、前処理済リグノセルロース系バイオマス及び酵素を含む第一の糖化装置1と、第一の糖化装置1で生成された第一の糖化液及び酵素が吸着した第一の糖化残渣を含む第二の糖化装置2と、が配管を介して配設されている。さらに、第二の糖化装置2内の固形分濃度を第一の糖化装置1内の固形分濃度よりも高濃度に保持する機構として、第二の糖化装置2で生成された第二の糖化液と酵素が吸着した第二の糖化残渣とを分離するための固液分離装置4と、固液分離装置4において分離された酵素が吸着した第二の糖化残渣を第二の糖化液へ返送するための返送管5とが配設されている。
 図1では、一例として、第二の糖化装置2に隣接して発酵槽3を配設しているが、糖化液の用途に応じて、第二の糖化装置2に続く設備は適宜選択することができる。
 第一の糖化装置1は、前処理済リグノセルロース系バイオマス及び酵素を混合し、糖化反応を行うための装置であり、特別な限定はない。例えば、撹拌型、通気撹拌型、気泡塔型、流動層型、充填層型などを挙げることができる。
 前処理済リグノセルロース系バイオマスとは、糖化反応を効率的に行うために事前処理を行ったリグノセルロース系バイオマスを意味する。事前処理方法としては、例えば、蒸気のみでの蒸煮法、イオン液体を用いる方法、ミルを用いる粉砕法などが挙げられる。また、事前処理において、必要に応じて、適宜酸又はアルカリを混合させてもよい。酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等の中から選ばれ、これらを単独で又は組み合わせて用いてもよい。中でも工業利用には安価で手に入りやすい硫酸が特に好ましい。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアの中から選ばれ、これらを単独で又は組み合わせて用いてもよい。水熱処理反応に用いる反応容器には特に限定はないが、耐酸性又は耐アルカリ性を有する加熱圧力容器、若しくは、耐酸性又は耐アルカリ性を有する容器をオートクレーブのような加熱圧力装置に入れて処理する形態が考えられる。
 本発明における酵素とは、リグノセルロース系バイオマスを単糖又はオリゴ糖単位に分解する酵素を意味し、リグノセルロース系バイオマスを単糖又はオリゴ糖にまで分解するものであればよく、セルラーゼ及びヘミセルラーゼの各活性を持つものであればよい。
 セルラーゼは、セルロースをグルコース等の単糖又はオリゴ糖に分解するものであればよく、エンドグルカナーゼ(EG)、セロビオヒドロラーゼ(CBH)及びβ-グルコシダーゼ(BGL)の各活性の少なくとも1つの活性を有するものを挙げることができ、これらの各活性を有する酵素混合物であることが、酵素活性の観点から好ましい。
 同じくヘミセルラーゼは、ヘミセルロースをキシロース等の単糖又はオリゴ糖に分解するものであればよく、キシラナーゼ、キシロシダーゼ、マンナナーゼ、ペクチナーゼ、ガラクトシダーゼ、グルクロニダーゼ及びアラビノフラノシダーゼの各活性の少なくとも1つの活性を有するものを挙げることができ、これらの各活性を有する酵素混合物であることが、酵素活性の観点から好ましい。
 本発明において「酵素活性成分」とは、酵素混合物とした場合にはこれらの糖化酵素のそれぞれを意味し、単独の糖化酵素を用いた場合には、用いられる糖化酵素そのものを意味する。
 これらセルラーゼ及びヘミセルラーゼの起源は限定されることはなく、糸状菌、担子菌、細菌類等のセルラーゼ及びヘミセルラーゼを用いることができる。
 第二の糖化装置2は、第一の糖化装置1で生成された第一の糖化液及び酵素が吸着した第一の糖化残渣を混合し、第一の糖化装置1内の固形分濃度よりも高濃度の固形分濃度にて糖化反応を行うための槽であり、特別な限定はない。例えば、通気撹拌型、気泡塔型、流動層型、充填層型などを挙げることができる。第一の糖化液には、前処理反応及び第一の糖化装置にて生成されたグルコース、キシロース、セロオリゴ糖などが可溶化している。セロオリゴ糖とは、セロビオース等の2~6個の単糖からなるオリゴ糖を意味し、BGLの基質となる。第一の糖化残渣には、未反応のセルロースやヘミセルロース、リグニン等の固形成分が含まれ、酵素がこれら固形成分に吸着している。
 本明細書中において、「高濃度に保持する機構」は、第一の糖化装置1内の固形分濃度よりも第二の糖化装置2内の固形分濃度を高く保つための機構を意味し、例えば、前処理済リグノセルロース系バイオマスの第一の糖化装置1への投入量を調節する機構や、第一の糖化装置1から送液される第一の糖化残渣の排出量を調節する機構、第二の糖化装置2からの第二の糖化残渣の排出量を調節する機構等が挙げられる。中でも、第二の糖化装置2からの残渣の排出量を調節する機構が好ましい。より具体的には、図1に示すような固液分離装置4、後述の実施形態(図2~5参照)において示すような、第二の糖化装置2から発酵槽3への第二の糖化液のみ又は第二の糖化残渣のみを送液するための配管、フィルター、堰、発酵槽3で生成された発酵液及び酵素が吸着した発酵残渣を分離するための固液分離装置13等が挙げられる。
 固液分離装置4は、第二の糖化装置2において生成された第二の糖化液及び酵素が吸着した第二の糖化残渣を分離するための装置であり、特に限定はないが、固液の分離強度を調節できる装置であることが好ましい。例えば、加わる圧力を調節することで、分離強度を調節することができる装置や、篩目やフィルターの網目の大きさを変更することで分離強度を調節することができる装置、固液分離装置の運転条件は変更せずに固液分離後の固体の一部を、排出することで分離強度を下げることができる装置等が挙げられる。さらに具体的には、フィルタープレス、スクリュープレスや、100~2360μmの網目である振動篩が挙げられる。これは、糖化装置が通気撹拌型である場合、固形分濃度が高いと使用電力が多くなる恐れがある。そのため、まず、製造装置の立ち上げ時には、固液分離装置4の分離強度を高めて、第二の糖化装置2内に第二の糖化残渣を蓄積させる。そして、立ち上げ後は、固液分離装置4の分離強度を下げて、第二の糖化液及び第二の糖化残渣の一部を排出することで、第二の糖化装置2内の固形分濃度を第一の糖化装置1内の固形分濃度よりも高濃度に保つことができる。
返送管5は、固液分離装置4において分離された酵素が吸着した第二の糖化残渣を第二の糖化装置2へ投入するためのものであり、特別な限定はない。
 次に、図1に示すリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置10を用いた製造方法の一例について説明する。
 まず、蒸煮器において、リグノセルロース系バイオマスに酸又はアルカリを混合させ、水熱処理し、前処理済リグノセルロース系バイオマスを得る。このとき、蒸煮工程のみを行ってもよいし、加圧及び加湿状態での蒸煮工程後、一気に圧力を開放する等の方法によって、リグノセルロース系バイオマスを粉砕する爆砕工程を行ってもよい。次に、前処理済リグノセルロース系バイオマス及び酵素を、配管を介してポンプなどで第一の糖化装置1に投入し、糖化反応を行う。このとき第一の糖化装置1の温度は、45℃~70℃が好ましい。また、第一の糖化反応時間は12時間~120時間が好ましい。
 第一の糖化工程において生成された第一の糖化液及び酵素が吸着した第一の糖化残渣は、第二の糖化装置2へ投入される。このとき第二の糖化装置2の温度は、45℃~70℃が好ましい。また、第二の糖化反応時間は12時間~120時間が好ましい。
 さらに第二の糖化工程において生成された第二の糖化液及び酵素が吸着した第二の糖化残渣を固液分離装置4へ配管を介して投入し、第二の糖化液と第二の糖化残渣とに分離する。
 分離された糖化液は発酵槽3に送液される。一方、分離された第二の糖化残渣は、返送管5を介して第二の糖化装置2に投入され循環することで、第二の糖化装置2内の固形分濃度を第一の糖化装置1内の固形分濃度よりも高濃度に保つことができる。また、第二の糖化装置2内の固形分濃度は、上述の通り、固液分離装置4において分離強度を調節することによって、第二の糖化残渣の排出量が調節され、第二の糖化装置2内の固形分濃度を調節することができる。
本明細書中において、固形分濃度調節工程とは、前記第二の糖化工程における固形分濃度を前記第一の糖化工程における固形分濃度よりも高濃度に保つように調節する工程を意味する。固形分濃度を調節する方法としては、例えば、前処理済リグノセルロース系バイオマスの第一の糖化装置1への投入量を調節する方法や、第一の糖化装置1から送液される第一の糖化残渣の排出量を調節する方法、第二の糖化装置2からの第二の糖化残渣の排出量を調節する方法等が挙げられる。中でも、第二の糖化装置2からの残渣の排出量を調節する方法が好ましい。より具体的には、図1に示すような固液分離装置4を用いた方法、後述の実施形態(図2~5参照)において示すような、第二の糖化装置2から発酵槽3への第二の糖化液のみ又は第二の糖化残渣のみを送液するための配管を用いた方法、フィルター8を用いた方法、堰12を用いた方法、発酵槽3で生成された発酵液及び酵素が吸着した発酵残渣を分離するための固液分離装置13を用いた方法等が挙げられる。
 酵素は、上述の通り、セルラーゼとヘミセルラーゼを含み、セルラーゼは、セルロースを基質として単糖又はオリゴ糖を生成する酵素であって、エンドグルカナーゼ(EG)、セロビオヒドロラーゼ(CBH)及びβ-グルコシダーゼ(BGL)の混合物を含む。EGは、セルロース鎖に対しランダムに作用してセロオリゴ糖を生成し、CBHは、セルロース鎖の端から作用してセロビオースを生成する。さらに、BGLは、EG及びCBHにより生成されたセロオリゴ糖から単糖であるグルコースを生成する。
 BGLは、疎水性が強く、リグノセルロース系バイオマス中に含まれる疎水性の強いリグニンに吸着しやすい性質をもつ。しかしながら、BGLのリグニンへの吸着部位は活性部位以外であることが多く、リグニンに吸着したままでも液体中のセロビオース等のセロオリゴ糖と接触してグルコースを生成することが可能である。
 従来では、糖化工程後、BGLが吸着されたリグニンを含む糖化残渣を排出してしまう。しかしながら、本発明の糖化酵素活用方法によれば、第一の糖化工程において生成された第一の糖化液、BGLが吸着されたリグニンを含む第一の糖化残渣、及び酵素循環工程によるBGLが吸着された第二の糖化残渣を含み、第一の糖化装置よりも固形分濃度が高濃度である第二の糖化装置を設け、第二の糖化工程を行うことで、BGLとセロオリゴ糖との糖化反応を効率的に行う。
 従って、本実施形態において、第一の糖化残渣及び第二の糖化残渣に吸着している酵素のうち、β-グルコシダーゼ(BGL)を活用することで、第二の糖化装置において糖化反応を効率的に行うことができる。
 したがって、第一の糖化工程では、EG及びCBHによりセルロースからセロオリゴ糖を生成する糖化反応と、BGLによりセロオリゴ糖からグルコースを生成する糖化反応とが行われる。セルロースは固形分であることから、EG及びCBHとセルロースとの接触を効率的に行うために、第一の糖化装置1における固形分濃度は、低濃度にとどめる必要があり、5%以上20%以下が好ましく、10%以上15%以下がより好ましい。次に、第二の糖化工程では、主にBGLにより、第一の糖化工程において生成されたセロオリゴ糖からグルコースを生成する糖化反応が行われる。上述の通り、BGLは第一の糖化残渣に吸着したまま、第一の糖化液中に可溶化したセロオリゴ糖と接触して糖化反応を行うことが可能であるため、第二の糖化装置2における固形分濃度は第一の糖化装置1における固形分濃度を超えて高濃度にすることができ、前記第一の糖化装置内の固形分濃度の1.1倍以上6倍以下が好ましく、1.2倍以上5倍以下がより好ましい。
 本明細書において、「固形分濃度」とは、ある重量の固液混合物(A)を、絶対乾燥状態(材料を100~110℃の温度で定質量となるまで乾燥し、材料内部に蒸発する水が存在しなくなるまで乾燥した状態)にした時に残る固形分重量(B)の割合を意味し、下記式[1]で表される。
 (固形分濃度)[%]=(B)/(A)×100  [1]
 糖化工程後の工程については、糖化液の活用方法によって、適宜選択できる。例えば、エタノールを得ることを目的とした場合は、糖化液を用いて発酵工程を行い、続いて精製工程として蒸留工程を設けることができる。
<第二実施形態>
 図2は、本発明の第二実施形態に係るリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置の概略構成を示す図である。本実施形態の製造装置20は、第一の糖化装置1と、第二の糖化装置2と、が配管を介して配設されており、さらに、第二の糖化装置2の上部に配管6が、下部に配管7が発酵槽3に向かって配設されている。本実施形態の製造装置20は、固液分離装置4と配管5が配設されておらず、配管6と、配管7と、が配設されている点で、図1に示す製造装置10と相違し、その他の構成は製造装置10と同じである。
 なお、図2において、図1に示す構成要素と同一のものについては同じ符号を用いている。また、図2では、一例として、糖化装置2に隣接して発酵槽3を配設しているが、糖化液の用途に応じて、その後に続く設備は適宜選択することができる。
 配管6は、第二の糖化装置2からの第二の糖化残渣の排出量を調節する機構であり、第二の糖化装置2において、第二の糖化残渣が沈殿することにより生成された第二の糖化液を発酵槽3に投入するための配管であって、特に限定はない。
 配管7は、第二の糖化装置2からの第二の糖化残渣の排出量を調節する機構であり、第二の糖化装置2において、第二の糖化残渣が沈殿することにより生成された第二の糖化残渣を発酵槽3に投入するための配管であって、特に限定はない。
 次に、図2に示すリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置20を用いた製造方法の一例について説明する。
 第一の糖化工程及び第二の糖化工程が行われるところまでは第一実施形態と同様である。第二の糖化工程後、しばらく静置することで第二の糖化装置2内において、第二の糖化液と第二の糖化残渣とが分離される。静置する時間は、第二の糖化装置2内に含まれる固形分濃度によるが、24時間~120時間が好ましい。静置後、配管6を介して第二の糖化液を発酵槽3へ投入する。製造装置の立ち上げ時には、配管6から発酵槽へ第二の糖化液を投入するのみだが、立ち上げ後は、第一の糖化装置1からの第一の糖化残渣が蓄積するため、第一の糖化装置1から投入された量に対して、配管7から第二の糖化残渣を発酵槽3に投入する量を調節することで、第二の糖化装置2内の固形分濃度を第一の糖化装置1内の固形分濃度よりも高濃度に保つことができる。
 本実施形態では、第二の糖化装置2内部に、第二の糖化装置2からの第二の糖化残渣の排出量を調節する機構を有するため、特別な設備を必要としない点が優れている。
 糖化工程後の工程については、第一実施形態と同様に糖化液の活用方法によって、適宜選択できる。
<第三実施形態>
 図3は、本発明の第三実施形態に係るリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置の概略構成を示す図である。本実施形態の製造装置30は、第一の糖化装置1と、第二の糖化装置2と、が配管を介して配設されている。さらに、第二の糖化装置2内にフィルター8が配設され、第二の糖化装置2のフィルター8よりも第一の糖化装置1に近い位置に配管9が、フィルター8よりも発酵槽3に近い位置に配管11が発酵槽3に向かって配設されている。
 本実施形態の製造装置30は、配管6と、配管7とが配設されておらず、フィルター8と、配管9と、配管11と、が配設されている点で、図2に示す製造装置20と相違し、その他の構成は製造装置20と同じである。
 なお、図3において、図2に示す構成要素と同一のものについては同じ符号を用いている。また、図3では、一例として、糖化装置2に隣接して発酵槽3を配設しているが、糖化液の用途に応じて、その後に続く設備は適宜選択することができる。
 フィルター8は、第二の糖化装置2からの第二の糖化残渣の排出量を調節する機構であり、第二の糖化装置2内の酵素が吸着した第二の糖化残渣が排出されないように保持するための装置であって、特別な限定はないが、フィルター8の網目の細かさが細かすぎるとつまりの原因となるため、10μm以上が好ましく、100μm以上がさらに好ましい。
また、網目の細かさが荒すぎると残渣が保持できず排出されてしまうため、1cm以下が好ましく、5mm以下がさらに好ましい。
 配管9は、第二の糖化残渣の一部を発酵槽3へ投入するための配管であり、特別な限定はない。
 配管11は、第二の糖化装置2内で生成され、フィルター8によって分離された第二の糖化液を発酵槽3へ投入するための配管であり、特別な限定はない。
 次に、図3に示すリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置30を用いた製造方法の一例について説明する。
 第一の糖化工程及び第二の糖化工程が行われるところまでは第二実施形態と同様である。第二の糖化工程において生成された第二の糖化液及び酵素が吸着した第二の糖化残渣のうち、第二の糖化液についてはフィルター8により分離され、配管11を介して発酵槽5に投入される。一方、第二の糖化残渣については、製造装置の立ち上げ時には、フィルター8により第二の糖化装置2内に蓄積される。しかしながら、第一の糖化装置1より随時第一の糖化残渣1が投入されてくるため、立ち上げ後は、第一の糖化装置1から投入された量に対して第二の糖化残渣を発酵槽3に投入する量を調節することで、第二の糖化装置2内の固形分濃度を第一の糖化装置1内の固形分濃度よりも高濃度に保つことができる。
 本実施形態では、第二の糖化装置2内部に、第二の糖化装置2からの第二の糖化残渣の排出量を調節する機構を有するため、特別な設備を必要としない点が優れている。
 糖化工程後の工程については、第一実施形態と同様に糖化液の活用方法によって、適宜選択できる。
<第四実施形態>
 図4は、本発明の第四実施形態に係るリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置の概略構成を示す図である。本実施形態の製造装置40は、第一の糖化装置1と、第二の糖化装置2と、が配管を介して配設されている。さらに、第二の糖化装置2内に堰12が配設され、第二の糖化装置2の堰12よりも第一の糖化装置1に近い位置に配管9が、堰12よりも発酵槽3に近い位置に配管11が発酵槽3に向かって配設されている。
 本実施形態の製造装置40は、フィルター8が配設されておらず、堰12が配設されている点で、図3に示す製造装置30と相違し、その他の構成は製造装置30と同じである。
 なお、図4において、図3に示す構成要素と同一のものについては同じ符号を用いている。また、図4では、一例として、糖化装置2に隣接して発酵槽3を配設しているが、糖化液の用途に応じて、その後に続く設備は適宜選択することができる。
 堰12は、第二の糖化装置2からの第二の糖化残渣の排出量を調節する機構であり、第二の糖化装置2内の酵素が吸着した第二の糖化残渣が排出されないように保持するための装置であって、特別な限定はない。
 次に、図4に示すリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置40を用いた製造方法の一例について説明する。
 第一の糖化工程及び第二の糖化工程が行われるところまでは第三実施形態と同様である。第二の糖化工程において生成された第二の糖化液及び酵素が吸着した第二の糖化残渣のうち、第二の糖化液については堰12により分離され、配管11を介して発酵槽5に投入される。一方、第二の糖化残渣については、製造装置の立ち上げ時には、堰12により第二の糖化装置2内に蓄積される。しかしながら、第一の糖化装置1より随時第一の糖化残渣1が投入されてくるため、立ち上げ後は、第一の糖化装置1から投入された量に対して第二の糖化残渣を発酵槽3に投入する量を調節することで、第二の糖化装置2内の固形分濃度を第一の糖化装置1内の固形分濃度よりも高濃度に保つことができる。
 本実施形態では、第二の糖化装置2内部に、第二の糖化装置2からの第二の糖化残渣の排出量を調節する機構を有するため、特別な設備を必要としない点が優れている。
 糖化工程後の工程については、第一実施形態と同様に糖化液の活用方法によって、適宜選択できる。
<第五実施形態>
 図5は、本発明の第五実施形態に係るリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置の概略構成を示す図である。本実施形態の製造装置50は、第一の糖化装置1と、第二の糖化装置2と、が配管を介して配設されている。さらに、配管6’を介して、第二の糖化装置2で生成された第二の糖化液及び酵素が吸着した第二の糖化残渣、並びに微生物を含む発酵槽3が配設されている。また、発酵槽3で生成された発酵液及び酵素が吸着した発酵残渣を分離する固液分離装置13と、分離された発酵残渣を固液分離装置13から第二の糖化装置2へ投入する配管14と、が配設されている。
 本実施形態の製造装置50は、配管6、7の代わりに配管6’と、固液分離装置13と、配管14と、が配設されている点で、図2に示す製造装置20と相違し、その他の構成は製造装置20と同じである。
 なお、図5において、図2に示す構成要素と同一のものについては同じ符号を用いている。
 また、本実施形態において、固液分離装置13及び配管14を第二の糖化装置2内の固形分濃度を第一の糖化装置1内の固形分濃度よりも高濃度に保持する機構として利用することができる。
 発酵槽3は、固液分離装置4において分離された第二の糖化液と、第二の糖化残渣の一部と、微生物とを含み、発酵を行うための槽であり、特別な限定はない。第二の糖化液には、前処理反応、第一の糖化装置及び第二の糖化装置にて生成されたグルコース、キシロース、セロオリゴ糖などが可溶化している。第二の糖化残渣には、セルロース、ヘミセルロース、リグニン等の固形成分が含まれ、酵素がこれら固形成分に吸着している。
 発酵工程で用いられる微生物は、目的のリグノセルロース系バイオマス由来化合物を生成できるものであれば、特別な限定はない。具体的には、酵母や細菌等が挙げられ、遺伝子組換え微生物も好ましく用いられる。遺伝子組換え微生物とは、アルコール等の目的のリグノセルロース系バイオマス由来化合物への変換に必要な酵素遺伝子を有していない微生物に、遺伝子工学技術によりこれら遺伝子を導入し、アルコール等の目的のリグノセルロース系バイオマス由来化合物の生成を可能にしたものである。遺伝子組換え微生物としては、例えば、アルコール発酵性を有する遺伝子組換え大腸菌等が挙げられる。
 本発明において、リグノセルロース系バイオマス由来化合物とは、リグノセルロース系バイオマスを分解して得られた単糖及びオリゴ糖を、微生物が摂取することにより生成されたリグノセルロース系バイオマス由来化合物を意味する。例えば、エタノール、ブタノール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、グリセロールなどのアルコール、ピルビン酸、コハク酸、リンゴ酸、イタコン酸、クエン酸、乳酸など有機酸、イノシン、グアノシンなどのヌクレオシド、イノシン酸、グアニル酸などのヌクレオチド、カダベリンなどのジアミン化合物などが挙げられる。発酵によって得られた化合物が乳酸などのモノマーである場合は、重合によりポリマーに変換することもある。
固液分離装置13は、第二の糖化装置2からの第二の糖化残渣の排出量を調節する機構であり、発酵槽3で生成された発酵液及び酵素が吸着した発酵残渣を分離するための装置であり、特に限定はないが、上述の固液分離装置4と同様に固液の分離強度を調節できる装置であることが好ましい。
配管14は、固液分離装置13において分離された酵素が吸着した発酵残渣を第二の糖化装置2へ投入するためのものであり、特に限定はない。
次に、図5に示すリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置50を用いた製造方法の一例について説明する。
 第一の糖化工程及び第二の糖化工程が行われるところまでは第二実施形態と同様である。前記第二の糖化工程で生成された第二の糖化液及び第二の糖化残渣の全量は、発酵槽3に投入され、発酵工程に用いられる。このとき発酵槽3の温度は、25℃~50℃が好ましい。また、発酵時間は24時間~120時間が好ましい。発酵工程において生成された発酵液及び発酵残渣を、配管を介して固液分離装置13に投入し、発酵液と発酵残渣とに分離する。分離された発酵液は、リグノセルロース系バイオマス由来化合物を含み、後に続く工程において精製される。一方、分離された発酵残渣は、配管14を介して第二の糖化装置2に投入され、第二の糖化工程において再利用される。また、第二の糖化装置2内の固形分濃度は、上述の通り、固液分離装置13において分離強度を調節することによって、第一の糖化装置1内の固形分濃度よりも高濃度に保つことができる。
本発明において、発酵残渣とは、発酵工程後に残った固形成分を意味し、セルロース、ヘミセルロース、リグニン等の固形物や、それら固形物に吸着した酵素が含まれる。
本実施形態において、発酵残渣に吸着している酵素のうち、β-グルコシダーゼ(BGL)を活用することで、第二の糖化装置2において糖化反応を効率的に行うことができる。
<第六実施形態>
 図6は、本発明の第六実施形態に係るリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置の概略構成を示す図である。本実施形態の製造装置60は、第一の糖化装置1と、第二の糖化装置2と、発酵槽3と、が配管を介して配設されており、第二の糖化装置2の上部に配管6が、下部に配管7が発酵槽3に向かって配設されている。発酵槽3には、固液分離装置13と、分離された発酵残渣を固液分離装置13から第二の糖化装置2へ投入する配管14と、が配設されている。さらに、第一の糖化装置1に酵素液を供給するための酵素生産菌及び前処理済リグノセルロース系バイオマスを含む酵素生産槽15と、酵素生産槽15で生成された酵素液及び酵素が吸着した酵素生産残渣を分離する固液分離装置16と、分離された酵素液を固液分離装置16から第一の糖化装置1へ投入する配管17と、分離された酵素生産残渣を固液分離装置16から第二の糖化装置2へ投入する配管18と、が配設されている。
 本実施形態の製造装置60は、酵素生産槽15と、固液分離装置16と、配管17と、配管18と、が配設されている点で、図5に示す製造装置50と相違し、その他の構成は製造装置50と同じである。
 なお、図6において、図5に示す構成要素と同一のものについては同じ符号を用いている。
 また、第二の糖化装置2内の固形分濃度を第一の糖化装置1内の固形分濃度よりも高濃度に保持する機構の構成は、第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態、及び第四実施形態で示したものでもよい。
 また、図6では、一例として、糖化装置2に隣接して発酵槽3を配設しているが、糖化液の用途に応じて、その後に続く設備は適宜選択することができる。
酵素生産槽15は、酵素生産菌及び前処理済リグノセルロース系バイオマスを含み、酵素生産菌が前処理済リグノセルロース系バイオマスを基質として酵素を生産するための槽であり、特別な限定はない。酵素生産槽15の温度は、25℃~55℃が好ましい。また、時間は2日~14日が好ましい。
酵素生産菌は、第一の糖化装置及び第二の糖化装置における糖化反応で用いられる糖化酵素を生産する菌であり、特別な限定はなく、糸状菌、担子菌、細菌類等を用いることができる。
固液分離装置16は、酵素生産槽15で生成された酵素液及び酵素が吸着した酵素生産残渣を分離するための装置であり、特に限定はないが、上述の固液分離装置4及び13と同様に固液の分離強度を調節できる装置であることが好ましい。
配管17は、固液分離装置16において分離された酵素液を第一の糖化装置1へ投入するためのものであり、特に限定はない。
 また、配管18は、固液分離装置16において分離された酵素が吸着した酵素生産残渣を第二の糖化装置2へ投入するためのものであり、特に限定はない。
 次に、図6に示すリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置60を用いた製造方法の一例について説明する。
 まず、酵素生産槽15に酵素生産菌及び前処理済リグノセルロース系バイオマスを投入し、前処理済リグノセルロース系バイオマスを基質として、酵素生産を行う。このとき、基質としては酵素生産菌の基質となるものであれば特別な限定はないが、前処理済リグノセルロース系バイオマスを基質とすることで、残渣を第二の糖化装置2において再利用することができる。
酵素生産工程において生成された酵素液及び酵素生産残渣を、配管を介して固液分離装置16に投入し、酵素液と酵素生産残渣とに分離する。分離された酵素液は、配管17を介して第一の糖化装置1に投入され、第一の糖化工程において利用される。一方、分離された酵素生産残渣は、配管18を介して第二の糖化装置2に投入され、第二の糖化工程において再利用される。また、第二の糖化装置2内の固形分濃度は、上述の通り、固液分離装置16において分離強度を調節することによって、第一の糖化装置1内の固形分濃度よりも高濃度に保つことができる。
酵素液とは、酵素生産菌により生産された酵素を含む溶液を意味し、セルラーゼ、ヘミセルラーゼが含まれ、上述の通り、セルラーゼ中のCBH及びEGが主に第一の糖化装置1において糖化反応に活用される。
酵素生産残渣とは、酵素生産工程後に残った固形成分を意味し、セルロース、ヘミセルロース、リグニン等の固形物や、それら固形物に吸着した酵素が含まれる。
本実施形態において、酵素生産残渣に吸着している酵素のうち、β-グルコシダーゼ(BGL)を活用することで、第二の糖化装置2において糖化反応を効率的に行うことができる。
 以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
[試験例1]BGL吸着残渣を用いたセロビオース溶液糖化試験
<BGL吸着残渣の作製>
 酵素の基質として前処理済リグノセルロース系バイオマス10g-dry(10g-dryとは、乾燥状態で10gであること意味する。)を使用して、水に10質量%となるように希釈した。この10質量%濃度の基質溶液にTrichoderma reesei由来酵素を15FPU(Filter Paper Unit)/g-dryBMとなるように投入した。15FPU/g-dryBMとは、1gの乾燥バイオマスに対して、フィルターペーパー分解活性量が15となるような酵素量を示している。50℃で96時間糖化反応を行い、篩による固液分離で粒子が大きな残渣を得て、さらに篩にかけた後の溶液を、3500rpmで20分間遠心分離による固液分離で粒子の小さな残渣を得た。それぞれ、50mM クエン酸バッファーをかけて洗浄し、再度篩または3500rpmで20分間の遠心分離により固液分離を行った。洗浄した粒子の大きな残渣と粒子の小さな残渣を合わせて、BGL吸着残渣を得た。BGL吸着残渣中の固形分濃度は29%であり、含水率は71%であった。
<セロビオース溶液糖化試験>
 8.5質量%のセロビオース溶液を用意し、BGL吸着残渣の固形分濃度が、0%、5%、10%、15%となるように300mlフラスコ内にそれぞれ添加した。8.5質量%のセロビオース溶液とBGL吸着残渣との総量が50gとなるように添加しており、具体的な数値は下記の表1に示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 それぞれ振盪撹拌しながら、144時間糖化反応を行った。0時間後、4時間後、24時間後、48時間後、72時間後、144時間後に1.0gずつサンプルを採取し、高速液体クロマトグラフィー(SHIMADZU社製、HPLC還元糖システム)およびAsahipak MH2p-50 4Eカラム(shodex社製)を用いて、セロビオース濃度を計測した。結果を図7に示した。
<結果及び考察>
 図7の縦軸は、初期(0時間後)のセロビオース濃度に対する経時でのセロビオース濃度の比率を示しており、横軸は時間を示している。BGL吸着残渣が0%のものに対して、BGL吸着残渣が5%、10%、15%のものは経時的にセロビオース濃度が減少している。BGL吸着残渣に含まれるBGLによりセロビオースが分解され、グルコースに変化することが明らかとなった。
[実施例1]
 酵素の基質としてリグノセルロース系バイオマス10g-dryを使用して、水に10質量%となるように希釈し、100gの基質溶液を300mlフラスコに作成した。基質溶液にTrichoderma reesei由来酵素を4FPU/g-dryBMとなるように投入した。50℃で24時間振盪撹拌し第一の糖化反応を行った、24時間後に、糖化溶液に試験例1と同様にして作成したBGL吸着残渣(固形分濃度:23%)を27.5g添加し、第二の糖化反応を行った。糖化溶液中のBGL吸着残渣の固形分濃度が5%となるように添加した。第一の糖化反応開始から0時間後、24時間後(第二の糖化反応開始点)、48時間後、72時間後にサンプルを1.0gずつ採取し、高速液体クロマトグラフィー(SHIMADZU社製、HPLC還元糖システム)およびAsahipak MH2p-50 4Eカラム(shodex社製)を用いて、グルコース濃度を計測した。結果を図8に示した。
[比較例1]
 実施例1と同様にして、第一の糖化反応を行い、BGL吸着残渣を添加せずにそのままさらに糖化反応を行った。第一の糖化反応開始から0時間後、24時間後、48時間後、72時間後にサンプルを1.0gずつ採取し、高速液体クロマトグラフィー(SHIMADZU社製、HPLC還元糖システム)およびAsahipak MH2p-50 4Eカラム(shodex社製)を用いて、グルコース濃度を計測した。結果を図8に示した。
 図8は、実施例1及び比較例1の経時的なグルコース濃度の変化をプロットしたグラフである。BGL吸着残渣を添加する24時間後まではプロットがほぼ重なっているが、実施例1では24時間後以降において、比較例1に比べて、グルコース濃度が高くなっている。よって、BGL吸着残渣を添加したことで、液中に含まれているセロビオース等のセロオリゴ糖がBGLにより分解されてグルコースが生成することが明らかとなった。
 以上のことから、本発明に係るリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置において、残渣に吸着した酵素を再利用することで酵素を固定化する必要がなく、また酵素の投入量を低減し、効率的に糖化反応を行うことができることが明らかとなった。
 本発明のリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置及び製造方法によれば、酵素を固定化する必要がなく、また酵素の投入量を低減し、効率的に糖化反応を行うことができる。
 1…第一の糖化装置、2…第二の糖化装置、3…発酵槽,4,13,16…固液分離装置、5…返送管、6,6’,7,9,11,14,17,18…配管、8…フィルター、10,20,30,40,50,51,60…リグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置、12…堰、15…酵素生産槽。

Claims (13)

  1.  前処理済リグノセルロース系バイオマス及び酵素を含む第一の糖化装置と、
     前記第一の糖化装置で生成された第一の糖化液及びβ-グルコシダーゼ(BGL)が吸着されたリグニンを含む第一の糖化残渣を含む第二の糖化装置と、
     前記第二の糖化装置内の固形分濃度を前記第一の糖化装置内の固形分濃度よりも高濃度に保持する機構と、
    を備えることを特徴とするリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置。
  2.  前記第一の糖化液はセロオリゴ糖を含み、
     前記第二の糖化装置は前記BGLにより前記セロオリゴ糖から生成されたグルコースを含む請求項1に記載のリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置。
  3.  前記高濃度に保持する機構が前記第二の糖化装置からの第二の糖化残渣の排出量を調節する機構である請求項1又は2に記載のリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置。
  4.  さらに、前記第二の糖化装置で生成された第二の糖化液及び酵素が吸着した第二の糖化残渣、並びに微生物を含む発酵槽を備え、
     前記発酵槽で生成された発酵液及び酵素が吸着した発酵残渣を分離する固液分離装置と、
     前記分離された発酵残渣を前記固液分離装置から前記第二の糖化装置へ投入する配管と、
    を備え、
     前記高濃度に保持する機構が前記固液分離装置及び前記第二の糖化装置へ投入する配管である請求項1又は2に記載のリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置。
  5.  さらに、前記第一の糖化装置に酵素液を供給するための酵素生産菌及び前処理済リグノセルロース系バイオマスを含む酵素生産槽を備え、
     前記酵素生産槽で生成された酵素液及び酵素が吸着した酵素生産残渣を分離する固液分離装置と、
     前記分離された酵素液を前記固液分離装置から前記第一の糖化装置へ投入する配管と、
     前記分離された酵素生産残渣を前記固液分離装置から前記第二の糖化装置へ投入する配管と、
    を備える請求項1~4のいずれか一項に記載のリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置。
  6.  前記第二の糖化装置内の固形分濃度が前記第一の糖化装置内の固形分濃度の1.1倍以上6倍以下である請求項1~5のいずれか一項に記載のリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置。
  7.  前記第二の糖化残渣、前記発酵残渣及び前記酵素生産残渣から選ばれる少なくとも一つに吸着する酵素がβ-グルコシダーゼ(BGL)である請求項1~6のいずれか一項に記載のリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造装置。
  8.  前処理済リグノセルロース系バイオマス及び酵素を混合し、糖化する第一の糖化工程と、
     前記第一の糖化工程で生成された糖化液及びβ-グルコシダーゼ(BGL)が吸着されたリグニンを含む第一の糖化残渣を混合し、糖化する第二の糖化工程と、
     前記第二の糖化工程における固形分濃度を前記第一の糖化工程における固形分濃度よりも高濃度に保つように調節する固形分濃度調節工程と、
    を有し、
     前記固形分濃度調節工程が、前記第二の糖化工程で生成された第二の糖化残渣の排出量を調節する工程であることを特徴とするリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造方法。
  9.  前処理済リグノセルロース系バイオマス及び酵素を混合し、糖化する第一の糖化工程と、
     前記第一の糖化工程で生成された糖化液及びβ-グルコシダーゼ(BGL)が吸着されたリグニンを含む第一の糖化残渣を混合し、糖化する第二の糖化工程と、
     前記第二の糖化工程における固形分濃度を前記第一の糖化工程における固形分濃度よりも高濃度に保つように調節する固形分濃度調節工程と、
     前記第二の糖化工程で生成された第二の糖化液及び酵素が吸着した第二の糖化残渣、並びに酵母を混合し、発酵する発酵工程と、
     前記発酵工程で生成された発酵液と酵素が吸着した発酵残渣とを分離する固液分離工程と、を有し、
     前記固形分濃度調節工程が、前記固液分離工程で分離された酵素が吸着した発酵残渣を第二の糖化装置へ投入する工程であることを特徴とするリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造方法。
  10.  前処理済リグノセルロース系バイオマス及び酵素を混合し、糖化する第一の糖化工程と、
     前記第一の糖化工程で生成された糖化液及びβ-グルコシダーゼ(BGL)が吸着されたリグニンを含む第一の糖化残渣を混合し、糖化する第二の糖化工程と、
     前記第二の糖化工程における固形分濃度を前記第一の糖化工程における固形分濃度よりも高濃度に保つように調節する固形分濃度調節工程と、
     酵素生産菌及び前処理済リグノセルロース系バイオマスを混合し、酵素を生産する酵素生産工程と、
     前記酵素生産工程で生成された酵素液と酵素が吸着した酵素生産残渣とを分離する固液分離工程と、
     前記固液分離工程で分離された酵素液を前記第一の糖化装置へ投入する工程と、
    を有し、
     前記固形分濃度調節工程が、前記固液分離工程で分離された酵素が吸着した酵素生産残渣を第二の糖化装置へ投入する工程であることを特徴とするリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造方法。
  11.  前記第二の糖化工程において、主にβ-グルコシダーゼ(BGL)により、第一の糖化工程において生成されたセロオリゴ糖からグルコースを生成する請求項8~10のいずれか一項に記載のリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造方法。
  12.  前記第二の糖化工程における固形分濃度が前記第一の糖化装置内の固形分濃度の1.1倍以上6倍以下である請求項8~11のいずれか一項に記載のリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造方法。
  13.  前記第二の糖化残渣、前記発酵残渣及び前記酵素生産残渣から選ばれる少なくとも一つに吸着する酵素がβ-グルコシダーゼ(BGL)である請求項8~12のいずれか一項に記載のリグノセルロース系バイオマス由来化合物の製造方法。
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