WO2017056245A1

WO2017056245A1 - 情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム

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Publication number: WO2017056245A1
Application number: PCT/JP2015/077779
Authority: WO
Inventors: 朋慶原
Original assignee: 楽天株式会社
Priority date: 2015-09-30
Filing date: 2015-09-30
Publication date: 2017-04-06
Also published as: JPWO2017056245A1; JP6389010B2

Abstract

一実施形態に係る情報処理装置は行動特定部、区画特定部、および出力部を備える。行動特定部は、ユーザ関連情報を記憶するユーザ関連データベースを参照して、複数の区画を有する施設を利用しようとする第１ユーザの行動パターンを特定する。区画特定部は、ユーザ関連データベースと、区画に既に割り当てられた第２ユーザを示す割当情報を記憶する割当データベースとを参照して、第１ユーザの行動パターンと類似する行動パターンを有する第２ユーザが割り当てられた区画を特定する。出力部は、特定された区画が第１ユーザに割り当てられる区画であることを示す割当情報を出力する。

Description

情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム

　本発明の一側面は、ユーザに施設の区画を割り当てる処理を実行する情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。

　従来から、施設を利用しようとするユーザに該施設の区画（より具体的には、部屋）を割り当てる情報処理装置が知られている。例えば下記特許文献１には、複数の熱交換機系統を備えたホテル等における部屋割当を支援する部屋割当支援装置が記載されている。この装置は、一つの熱交換機系統の受持ち部屋のすべてに対して部屋割当を行ってから、別の熱交換機系統の受持ち部屋に対する部屋割当を行うことで、省エネルギを図る。

特開２０１３－２４６４６１号公報

　特許文献１に記載の手法は、施設を利用しようとするユーザの属性を考慮することなく、施設の設備または構造のみを重視して個々のユーザに部屋を割り当てるので、ユーザの満足を得られない可能性がある。一般に、一つの熱交換器系統に属する部屋は隣接し合う。そのため、互いに行動パターンが全く異なる複数のユーザが一つの熱交換器系統下の部屋にそれぞれ割り当てられると、それぞれのユーザが相手に対して不快感を抱く可能性がある。例えば、互いに就寝時間または起床時間が大きく異なるユーザが隣り合うように部屋が割り当てられてしまうと、一方のユーザの睡眠が妨げられる可能性がある。そこで、施設のユーザに快適な環境を提供しつつ該施設の省資源化を実現することが望まれている。

　本発明の一側面に係る情報処理装置は、ユーザ関連情報を記憶するユーザ関連データベースを参照して、複数の区画を有する施設を利用しようとする第１ユーザの行動パターンを特定する行動特定部と、ユーザ関連データベースと、区画に既に割り当てられた第２ユーザを示す割当情報を記憶する割当データベースとを参照して、第１ユーザの行動パターンと類似する行動パターンを有する第２ユーザが割り当てられた区画を特定する区画特定部と、特定された区画が第１ユーザに割り当てられる区画であることを示す割当情報を出力する出力部とを備える。

　本発明の一側面に係る情報処理方法は、少なくとも一つのプロセッサにより実行される情報処理方法であって、ユーザ関連情報を記憶するユーザ関連データベースを参照して、複数の区画を有する施設を利用しようとする第１ユーザの行動パターンを特定する行動特定ステップと、ユーザ関連データベースと、区画に既に割り当てられた第２ユーザを示す割当情報を記憶する割当データベースとを参照して、第１ユーザの行動パターンと類似する行動パターンを有する第２ユーザが割り当てられた区画を特定する区画特定ステップと、特定された区画が第１ユーザに割り当てられる区画であることを示す割当情報を出力する出力ステップとを含む。

　本発明の一側面に係る情報処理プログラムは、ユーザ関連情報を記憶するユーザ関連データベースを参照して、複数の区画を有する施設を利用しようとする第１ユーザの行動パターンを特定する行動特定ステップと、ユーザ関連データベースと、区画に既に割り当てられた第２ユーザを示す割当情報を記憶する割当データベースとを参照して、第１ユーザの行動パターンと類似する行動パターンを有する第２ユーザが割り当てられた区画を特定する区画特定ステップと、特定された区画が第１ユーザに割り当てられる区画であることを示す割当情報を出力する出力ステップとをコンピュータに実行させる。

　このような側面においては、これから区画を割り当てようとする第１ユーザと類似する行動パターンを有する第２ユーザが特定され、その第２ユーザが既に割り当てられている区画に第１ユーザが割り当てられる。この処理により、行動パターンが似たユーザ同士が一つの区画にまとめられるので、その区画内において、あるユーザの行動が他のユーザに悪い印象を与える蓋然性が低くなる。加えて、行動パターンが似たユーザ同士を同じ区画にまとめることで、一つの区画内における施設の資源の消費傾向が似通う確率が高くなり、かつ利用される区画の個数を抑えることができる。そのため、施設全体における資源の消費量が下がる。以上の理由により、施設のユーザに快適な環境を提供しつつ該施設の省資源化を実現することができる。

　本発明の一側面によれば、施設のユーザに快適な環境を提供しつつ該施設の省資源化を実現することができる。

実施形態における区画または部屋の割当ての概念を示す図である。実施形態に係る情報処理システムの全体構成を示す図である。ユーザデータベースの例を示す図である。コメントデータベースの例を示す図である。予約データベースの例を示す図である。区画データベースの例を示す図である。割当データベースの例を示す図である。実施形態に係る情報処理装置に用いられるコンピュータのハードウェア構成を示す図である。実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示す図である。行動パターンの例を示す図である。行動パターンの比較の例を示す図である。行動パターンの比較の例を示す図である。実施形態に係る情報処理装置の動作を示すシーケンス図である。実施形態に係る情報処理プログラムの構成を示す図である。

　以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。

　図１～１２を参照しながら、実施形態に係る情報処理システム１の機能および構成を説明する。情報処理システム１は、施設を利用しようとするユーザに該施設の区画を割り当てるコンピュータ・システムである。本実施形態では、情報処理システム１は施設の部屋をユーザに割り当てる。ユーザへの区画または部屋の割当てとは、そのユーザが専有できる空間（例えば、区画の一部、または部屋）を指定することである。

　「施設」とは、複数の人を収容することができる建物であり、複数の区画を有する。施設の種類は限定されないが、例えば宿泊施設およびリゾート施設が挙げられる。「区画」とは、施設に関する物理的属性に基づいて分けられた領域である。区画を決める物理的属性とは施設の構造または設備に基づいて定まるが、その物理的属性の種類は限定されない。例えば、それぞれの階が一つの区画として定められてもよいし、一つの電気系統の下にある複数の部屋が一つの区画としてまとめられてもよい。あるいは、所定の範囲内に点在する複数のコテージまたはバンガローが一つの区画としてまとめられてもよい。本実施形態では個々の区画が１以上の部屋を有する。「部屋」とは、ユーザが施設利用期間において専有する部分であり、個々のコテージまたはバンガローも部屋の一種である。「ユーザ」とは、施設を利用しようとする人またはグループである。

　情報処理システム１は、ある一つの施設を利用しようとする各ユーザの行動パターンに基づいて、行動パターンが類似するユーザ同士を該施設内の同じ区画内にまとめることを特徴とする。「行動パターン」とは、ユーザの行動の傾向または予定を直接的にまたは間接的に示す指標である。すなわち、行動パターンはユーザがいつ何を行うかを直接的にまたは間接的に示す。行動パターンは日常生活での行動を示してもよいし、非日常的な行動を示してもよい。日常生活での行動を示す行動パターンは例えば、起床時刻、食事時間、入浴時間、就寝時刻、睡眠時間などで示すことができる。非日常的な行動を示す行動パターンは例えば、施設を利用する期間内における予定（例えば、アクティビティに参加する時間、チェックイン時刻、食事時間、入浴時間、およびチェックアウト時刻）で示すことができる。行動パターンはユーザの行動を間接的に示す指標であってもよいので、例えばユーザの生体情報や、ユーザによる家電の設定などのような様々な情報も行動パターンであり得る。例えば、ユーザの脈拍または血圧の履歴（時間軸に沿った変化）からそのユーザがいつ睡眠を取っているかを推定し得るから、脈拍および血圧は行動パターンの一態様である。

　図１は情報処理システム１の特徴を説明する図であり、７階建てのホテルＨを予約した１０人のユーザをホテルＨ内の部屋Ｒに割り当てる例を示す。この１０人のユーザは、一つの共通の期間内（例えば同じ日）にホテルＨに滞在するものとする。ホテルＨの各階には部屋Ｒが６個ずつあるものとし、各階が一つの区画として設定されたものとする。また、１０人のユーザが、行動パターンが類似する者同士でまとめられ、５人のユーザＵａから成る群と、３人のユーザＵｂから成る群と、２人のユーザＵｃから成る群とに分けられたとする。この場合、情報処理システム１は、５人のユーザＵａを一つの階（図１の例では３階）に割り当て、３人のユーザＵｂを別の階（図１の例では５階）に割り当て、２人のユーザＵｃをさらに別の階（図１の例では６階）に割り当てる。なお、各階において、どのユーザをどの部屋に割り当てるかは任意に決めてよい。

　行動パターンが類似する複数のユーザを一つの階にまとめると、その階のユーザはある時間帯に同じような行動をすることが期待される。例えば、その階のユーザが大体似た時間に起床、食事、外出、入浴、および就寝することが期待できる。そのため、その階の共用部分（例えば廊下）にユーザが存在する時間帯が限定される。その共用部分の電気設備（例えば照明）を、自動でオンおよびオフできるものにすれば、該電気設備の稼働時間を削減することができる。これは結果的に施設の省資源化につながる。また、図１の例において、階毎に一つの電気系統を設けた場合には、その電気系統が稼働しない（またはほとんど稼働しない）時間帯が生じ得るので、これも、施設の省資源化につながる。このように、行動パターンが類似する複数のユーザを一つの区画にまとめることで、施設の省資源化を実現することが可能になる。

　また、行動パターンが類似する複数のユーザを一つの階にまとめることで、誰も割り当てられない区画を可能な限り多く維持することが可能になる。図１の例では、１０人のユーザを三つの階にまとめることで、残りの四つの階を空けることができる。空いた区画の電気設備は使用されず、これも施設の省資源化につながる。

　ここで、「資源」とは、施設で利用される有用物であり、より具体的には、施設のユーザが利用可能な有用物である。資源の例として電気、ガス、および水が挙げられるが、資源の例は何ら限定されない。本実施形態では資源の例として電気を示す。「省資源化」とは、資源の節約を図ることである。

　加えて、行動パターンが類似する複数のユーザを一つの階にまとめると、その階において、あるユーザの行動が別のユーザに悪影響または不都合を及ぼす蓋然性が低くなる。例えば、あるユーザが隣の部屋がうるさいために眠ることができないというような事態を防ぐことができる。したがって、行動パターンが類似する複数のユーザを一つの区画にまとめることで、各ユーザが施設を快適に利用することができる。また、行動パターンが似通った複数のユーザを一つの区画内に割り当てることで、ユーザ間の好意的なコミュニケーションが促進されることも期待できる。

　情報処理システム１の全体構成を図２に示す。施設のユーザに快適な環境を提供しつつ該施設の省資源化を実現するために、情報処理システム１は情報処理装置１０を備え、この情報処理装置１０が、施設を利用しようとするユーザに対して区画（より具体的には、部屋）を割り当てる。情報処理システム１は情報処理装置１０の他にユーザ端末２０、予約受付装置３０、施設端末４１、電力制御装置４２、電気設備４３、およびデータベース群５０を備える。これらの装置はインターネットやイントラネットなどの通信ネットワークＮを通じて互いにデータを送受信することができる。例えば、情報処理装置１０は通信ネットワークＮを介してデータベース群５０にアクセスすることができる。通信ネットワークＮの具体的な構成、すなわち装置間の具体的な接続の態様は何ら限定されない。

　以下では情報処理システム１（情報処理装置１０）が一つの施設について区画（より具体的には、部屋）の割当てを実行することを前提とするが、情報処理システム１（情報処理装置１０）は複数の施設のそれぞれについてその割当処理を実行してもよい。

　情報処理装置１０の詳細を説明する前に他の装置について説明する。ユーザ端末２０は、ユーザが所有または利用するコンピュータまたは機器である。ユーザ端末２０の具体的な種類は限定されない。例えば、ユーザ端末２０は、高機能携帯電話機（スマートフォン）や携帯電話機、携帯情報端末（ＰＤＡ）などの携帯端末でもよいし、据置型または携帯型のパーソナルコンピュータでもよいし、メガネ型や腕時計型などのウェアラブル端末でもよい。あるいは、ユーザ端末２０はＩｏＴ（Ｉｎｔｅｒｎｅｔ　ｏｆ　Ｔｈｉｎｇｓ）端末（例えば、インターネットに接続する任意の家電）であってもよい。あるいは、ユーザ端末２０は複数の端末の組合せであってもよい。例えば、１台のスマートフォンと１台のウェアラブル端末との組合せが論理的に一つのユーザ端末２０として機能し得る。

　予約受付装置３０は、施設利用の予約をユーザから受け付けるコンピュータである。予約受付装置３０は、施設の予約を受け付けるためのウェブページ（施設予約サイト）を通信ネットワークＮ上に公開する。ユーザは自分の端末２０を操作してそのウェブページにアクセスし、施設を予約するために必要な情報（利用しようとする施設、利用予定日、人数など）を入力して予約を確定させる。予約受付装置３０はそれらの情報をユーザ端末２０から受信し、後述する予約データベース５１ｃに格納する。予約受付装置３０の運営者および設置場所は限定されない。例えば、予約受付装置３０は施設により運営されてもよいし、複数の施設の予約を受け付ける旅行サイトの運営者により運営されてもよい。

　本実施形態では、施設は施設端末４１、電力制御装置４２、および電気設備４３を備える。

　施設端末４１は、施設のスタッフが所有または利用するコンピュータである。施設端末４１の具体的な種類は限定されない。例えば、施設端末４１は、高機能携帯電話機（スマートフォン）や携帯電話機、携帯情報端末（ＰＤＡ）などの携帯端末でもよいし、据置型または携帯型のパーソナルコンピュータでもよい。施設端末４１は、データベース群５０内の特定のデータベースにアクセスしてデータを取得および表示する機能を有する。また、施設端末４１は情報処理装置１０からデータを受信してそのデータを表示することもできる。

　電力制御装置４２は、施設内の設備の消費電力を管理または制御する装置である。電力制御装置４２の例としてデマンド・コントローラおよびエネルギ・マネジメント・システム（ＥＭＳ）が挙げられるが、電力制御装置４２の種類は限定されない。

　電気設備４３は、電気で稼働する装置、機器、または設備である。電気設備４３の例として照明、給湯器、エレベータなどが挙げられるが、当然ながら電気設備４３の種類はこれらに限定されない。電気設備４３は電力制御装置４２により制御されてもよいし、電力制御装置４２から独立して稼働してもよい。

　データベース群５０は、１以上のデータベースの集合である。「データベース」とは、プロセッサまたは外部のコンピュータからの任意のデータ操作（例えば、抽出、追加、削除、上書きなど）に対応できるようにデータ集合を記憶する機能要素（記憶部）である。データベースの実装方法は限定されず、例えばデータベース管理システムでもよいし、テキストファイルでもよい。本実施形態では、データベース群５０はユーザ関連データベース５１、区画データベース５２、および割当データベース５３を含む。

　ユーザ関連データベース５１は、ユーザ関連情報を記憶する装置である。「ユーザ関連情報」とは個々のユーザについての情報であり、より具体的には、個々のユーザの行動パターンを直接的または間接的に特定し得る項目を含む情報である。ユーザ関連情報の具体的な内容は限定されない。本実施形態では、ユーザ関連データベース５１は、ユーザデータベース５１ａ、コメントデータベース５１ｂ、および予約データベース５１ｃを含む。しかし、これら三つのデータベースはいずれも必須ではない。また、他の種類のデータベースがユーザ関連データベースの少なくとも一部として用いられてもよい。

　ユーザデータベース５１ａは、ユーザの属性または日常的な行動を示すユーザ基本情報を記憶する装置である。ユーザ基本情報はユーザ関連情報の一種である。ユーザ基本情報の各レコードは、個々のユーザを一意に特定するための識別子であるユーザＩＤと、ユーザの様々な特徴を示すユーザ属性とを含む。ユーザを識別することができるのであれば何をユーザＩＤとして用いてもよい。例えば単なる連番または個人のアカウントをユーザＩＤとして用いてもよい。ユーザ属性は１以上の項目で表され、その個数および種類は何ら限定されない。

　図３に示す例では、ユーザ属性は名前、住所、電話番号、メールアドレス、性別、年齢、睡眠時間、活動時間、起床時刻、就寝時刻、食事時間、入浴時間、脈拍の履歴、血圧の履歴、および家電の設定を含む。ただし、これらの項目は必須のものではないし、他の項目がユーザ属性として登録されてもよい。なお、本明細書における睡眠時間、活動時間、食事時間、および入浴時間とは、それぞれの行動の長さのみを示す値ではなく、何時から何時までその行動を行うかを示す値（すなわち時間帯を示す値）である。ユーザ基本情報のうち時間帯または時刻で示される値は、平均値や中央値などの統計値であってもよいし、最新の値であってもよい。ユーザ属性のすべての項目に値が設定される必要はなく、一部の項目にのみ値が設定されてもよい。また、値が設定される項目がユーザごとに異なってもよい。

　ユーザ属性をユーザデータベース５１ａに格納する手法は何ら限定されない。例えば、ユーザ端末２０が、ユーザにより入力された値を所定の装置を介してユーザデータベース５１ａに格納してもよい。あるいは、ユーザ端末２０（例えばウェアラブル端末）が、自動的に測定または取得したデータを所定の装置を介してユーザデータベース５１ａに格納してもよい。例えば、ユーザ端末２０がユーザの生体情報（例えば脈拍および血圧）を測定し、その情報をユーザ属性としてユーザデータベース５１ａに向けて送信してもよい。あるいは、ユーザ端末２０が自端末内の任意の設定情報から別の値を推定し、その推定値をユーザ属性としてユーザデータベース５１ａに向けて送信してもよい。例えば、ユーザ端末２０は自端末内で設定されているアラームの時刻を起床時刻とみなして、その時刻をユーザ属性として送信してもよい。あるいは、ユーザ端末２０は測定した脈拍または血圧の履歴に基づいて睡眠時間、活動時間、起床時刻、または就寝時刻を推定し、その推定値をユーザ属性として送信してもよい。なお、ユーザ端末２０は、ユーザ属性の送信をユーザが許可している場合に限って上記の送信処理を実行してもよい。

　コメントデータベース５１ｂは、ユーザが通信ネットワークＮ（例えばインターネット）上にアップロードしたコメントを示すコメント情報を記憶する装置である。コメント情報はユーザ関連情報の一種である。図４に示すようにコメント情報の各レコードは、ユーザＩＤと、コメントの集合とを含む。個々のコメントには、該コメントがアップロードされた時刻が関連付けられてもよく、したがって、コメント情報が個々のコメントのアップロード時刻を含んでもよい。コメントの種類は何ら限定されない。例えば、コメントデータベース５１ｂは各ユーザの電子メールと、各ユーザがソーシャル・ネットワーキング・サービス（ＳＮＳ）、ブログ、または他の任意のウェブページに投稿した記事とのうちの少なくとも一種類をコメントとして記憶する。電子メールまたは投稿された記事を記憶するデータベースがコメントデータベース５１ｂとして機能してもよい。コメント情報は、ユーザの許可が得られている場合に限って利用されてもよい。本実施形態では、コメント情報の利用は、ユーザの許可が得られているか、またはユーザの許可を要しないことを前提とする。

　予約データベース５１ｃは、ユーザが施設の利用を予約したことを示す予約情報を記憶する装置である。予約情報はユーザ関連情報の一種である。予約情報の各レコードは、ユーザが施設を利用しようとする期間（利用期間）と、ユーザＩＤと、予約の詳細とを含む。予約詳細は１以上の項目で表され、その個数および種類は何ら限定されない。

　図５に示す例では、予約詳細は、施設を利用する人数、ユーザのグループ構成（例えば、家族、カップル、友人同士など）、施設を利用する目的（例えば、ビジネスや観光など）、利用プラン（例えば宿泊プラン）、チェックイン予定日時、チェックアウト予定日時、食事予定時間、入浴予定時間、外出予定時間、およびユーザが参加する予定のアクティビティ（例えばオプショナル・ツアーや宴会など）を含む。もちろん、これらの項目は必須のものではないし、他の項目が予約詳細に含まれてもよい。予約詳細のすべての項目に値が設定される必要はなく、一部の項目にのみ値が設定されてもよい。また、値が設定される項目がユーザごとに異なってもよい。食事予定時間、入浴予定時間、および外出予定時間の表現方法は、対応する行動の時間帯を特定できるのであれば何でもよい。

　本実施形態では、予約受付装置３０が予約情報を予約データベース５１ｃに格納する。予約受付装置３０は施設予約サイトにアクセスしたユーザ端末２０から施設予約に必要な情報を受信し、その情報を予約情報として予約データベース５１ｃに格納する。予約受付装置３０は予約詳細の一部の項目を他の項目に応じて自動的に設定してもよい。例えば、予約受付装置３０は食事予定時間、外出予定時間、およびアクティビティを、ユーザ端末２０で選択された利用プランに基づいて自動的に設定してもよい。

　区画データベース５２は、施設における区画と部屋との対応を示す区画情報を記憶する装置である。区画情報の各レコードは、区画を一意に特定するための識別子である区画ＩＤと、１以上の部屋番号（部屋番号の集合）と、区画属性とを少なくとも含む。一つの区画は１以上の部屋と対応し、一つの部屋は一つの区画のみと対応する。区画属性は区画の構造または設備に関する特徴を示す項目であり、例えば、「施設の２階の全体」や「電気系統Ｗに対応」などの値が区画属性として設定される。なお、区画情報は区画属性を含まなくてもよい。

　図６は例えば、部屋「２０１」「２０２」「２０３」「２０４」が区画「Ｐ００１」に属し、部屋「５０１」「５０２」「６０１」「６０２」が区画「Ｐ００４」に属することを示す。上述したように、区画を決定する方法は限定されない。区画情報は施設の運営者または管理者により予め決められて区画データベース５２に格納される。

　割当データベース５３は、施設の部屋に既に割り当てられたユーザを示す割当情報を記憶する装置である。個々の部屋は一つの区画にのみ属するから、割当情報は、施設の区画に既に割り当てられたユーザを示す情報であるともいえる。割当情報の各レコードは、部屋番号、区画ＩＤ、利用期間（ユーザが施設を利用しようとする期間）、ユーザＩＤ、およびユーザの行動パターンを含む。

　図７は例えば、区画「Ｐ００１」に属する部屋番号「２０１」には、２０１５年８月２８日から２０１５年８月２９日の間、ユーザＣが割り当てられたことと、ユーザＣが家族と共に施設を利用し、活動時間が７時から２２時であることとを示す。また、２０１５年８月２８日から２０１５年８月２９日の間にユーザＣ，Ｄ，Ｅが区画「Ｐ００１」に割り当てられたことも示す。

　データベース群５０内の各データベースおよび各レコードの構成は上記のものに限定されず、各データベースに対して任意の正規化または冗長化を行ってよい。例えば、図７の例では割当情報が区画ＩＤを含むが、割当情報から区画ＩＤを除いてもよい。この場合には、部屋番号を基準に割当情報および区画情報を参照することで、ユーザと区画との対応関係を得ることができる。あるいは、ユーザ基本情報および予約情報とは別に、割当情報がユーザ属性および予約詳細をさらに（冗長に）含んでもよい。情報処理システム１（情報処理装置１０）が複数の施設のそれぞれについて区画（より具体的には、部屋）の割当てを実行するのであれば、予約情報、区画情報、および割当情報のそれぞれは、施設を一意に特定する識別子である施設ＩＤを更に含む。

　データベース群５０内の各データベースの運営者および管理者は限定されない。例えば、割当データベース５３は施設により運営および管理されてもよいし、施設とは異なる者により運営および管理されてもよい。

　以上を前提として情報処理装置１０の詳細を説明する。情報処理装置１０は、施設を利用しようとするユーザの行動パターンに基づいて、該ユーザに割り当てる区画を決定するコンピュータである。情報処理装置１０は１台のコンピュータで構成されていてもよいし、複数台のコンピュータで構成されていてもよい。複数台のコンピュータを用いる場合には、これらのコンピュータがインターネットやイントラネットなどの通信ネットワークを介して接続されることで、論理的に一つの情報処理装置１０が構築される。

　情報処理装置１０として機能するコンピュータ１００の一般的なハードウェア構成を図８に示す。コンピュータ１００は、オペレーティングシステムやアプリケーション・プログラムなどを実行するプロセッサ（例えばＣＰＵ）１０１と、ＲＯＭおよびＲＡＭで構成される主記憶部１０２と、ハードディスクやフラッシュメモリなどで構成される補助記憶部１０３と、ネットワークカードまたは無線通信モジュールで構成される通信制御部１０４と、キーボードやマウスなどの入力装置１０５と、モニタやプリンタなどの出力装置１０６とを備える。

　情報処理装置１０内の各機能要素は、プロセッサ１０１または主記憶部１０２の上に所定のソフトウェアを読み込ませ、プロセッサ１０１の制御の下で通信制御部１０４や、入力装置１０５、出力装置１０６などを動作させ、主記憶部１０２または補助記憶部１０３におけるデータの読み出しおよび書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータおよびデータベースは主記憶部１０２または補助記憶部１０３内に格納される。

　図９に示すように、情報処理装置１０は機能的構成要素として行動特定部１１、区画特定部１２、割当部１３、出力部１４、および指示部１５を備える。

　行動特定部１１は、施設を利用しようとするユーザであって、かつ該施設の区画が未だ割り当てられていないユーザの行動パターンを特定する機能要素である。行動特定部１１は、プロセッサ１０１が後述の情報処理プログラムＰ１の指示に従って、通信制御部１０４を動作させ主記憶部１０２または補助記憶部１０３におけるデータの読み出しおよび書き込みを行うことで実現される。

　本明細書では、部屋を割り当てる対象として処理されるユーザを「第１ユーザ」という。行動特定部１１は任意の手法で第１ユーザの行動パターンを特定してよい。

　まず、行動特定部１１は第１ユーザを特定する。この特定方法は限定されず、例えば行動特定部１１は施設端末４１などの他の装置から第１ユーザのユーザＩＤを受信することで第１ユーザを特定してもよい。あるいは、行動特定部１１は予約データベース５１ｃおよび割当データベース５３を参照することで、施設を予約したが未だ部屋が割り当てられていないユーザを第１ユーザとして特定してもよい。第１ユーザは、施設を予約した者であってもよいし、予約をすることなく施設を訪れた者であってもよい。

　続いて、行動特定部１１は第１ユーザの行動パターンを特定する。行動特定部１１は以下に示すような様々な手法を用いて第１ユーザの行動パターンを特定することができる。行動特定部１１は第１ユーザの行動パターンを１以上の行動時間帯により特定してもよい。「行動時間帯」とは、ユーザがある一つの行動（または一つのものとして把握することができる行動）を取った時間の幅であり、ある一つの時点から別の一つの時点までの間の時間幅で定義することができる。

　［第１の手法（ユーザデータベースの利用）］
　行動特定部１１はユーザデータベース５１ａにユーザ基本情報の一部として記憶されている少なくとも一つの値を読み出し、その値をそのまま行動パターンとして特定してもよい。

　例えば、行動特定部１１は第１ユーザの睡眠時間または活動時間を取得することで、第１ユーザが何時から何時まで睡眠を取り何時から何時まで起きているかを特定してもよい。ユーザデータベース５１ａに第１ユーザの睡眠時間が「２３：００～７：００」と記録されていれば、行動特定部１１は第１ユーザが７時から２３時までは活動し、２３時から翌日７時までは眠ると特定する。この処理は、活動時間および睡眠時間という二つの行動時間帯を特定することを意味する。

　あるいは、行動特定部１１は第１ユーザの起床時刻、就寝時刻、食事時間、および入浴時間を取得することで、第１ユーザの行動パターンをより詳細に特定してもよい。例えば、第１ユーザのユーザ基本情報が起床時刻「７：００」、就寝時刻「２３：００」、食事時間「朝食：７：３０～８：００、昼食：１２：００～１３：００、夕食：１９：００～２０：００」、および入浴時間「２１：００～２１：３０」を含むとする。この場合に行動特定部１１は、第１ユーザが７時から２３時までは活動し、２３時から翌日７時までは眠り、食事を取る時間が７：３０～８：００、１２：００～１３：００、および１９：００～２０：００であり、入浴時間が２１：００～２１：３０であると特定する。このことは、行動特定部１１が活動時間、睡眠時間、食事時間、および入浴時間という少なくとも４種類の行動時間帯を特定することを意味する。

　あるいは、行動特定部１１は第１ユーザの生体情報（例えば脈拍および血圧）の履歴から睡眠時間および活動時間を推定し、その推定結果を第１ユーザの行動パターンとして特定してもよい。この処理は、活動時間および睡眠時間という二つの行動時間帯を特定することを意味する。

　あるいは、行動特定部１１は第１ユーザの生体情報から起床時刻および就寝時刻（または睡眠時間および活動時間）を推定するとともに、ユーザデータベース５１ａから該第１ユーザの食事時間および入浴時間を取得することで、第１ユーザの行動パターンをより詳細に特定してもよい。例えば、行動特定部１１が第１ユーザの生体情報から起床時刻および就寝時刻をそれぞれ「６：４５」および「２３：３０」と推定したとする。また、行動特定部１１がユーザデータベース５１ａから第１ユーザのユーザ基本情報として食事時間「朝食：７：００～７：３０、昼食：１２：００～１３：００、夕食：１９：００～２０：００」、および入浴時間「２２：００～２２：３０」を読み出したとする。この場合に行動特定部１１は、第１ユーザが６時４５分から２３時３０分までは活動し、２３時３０分から翌日６時４５分までは眠り、食事を取る時間が７：００～７：３０、１２：００～１３：００、および１９：００～２０：００であり、入浴時間が２２：００～２２：３０であると特定する。このことは、行動特定部１１が活動時間、睡眠時間、食事時間、および入浴時間という少なくとも４種類の行動時間帯を特定することを意味する。

　［第２の手法（コメントデータベースの利用）］
　行動特定部１１は第１ユーザのコメント情報の少なくとも一部をコメントデータベース５１ｂから読み出し、そのコメント情報に基づいて第１ユーザの行動パターンを特定してもよい。上述したように、コメントの種類は様々であり得、行動特定部１１は１種類のコメント（例えば電子メール）のみに基づいて行動パターンを特定してもよいし、複数種類のコメント（例えば、電子メール、およびＳＮＳへの投稿記事）に基づいて行動パターンを特定してもよい。

　一つの方法として、行動特定部１１はコメントそのものを解析することで第１ユーザの行動パターンを特定してもよい。例えば、行動特定部１１はコメントデータベース５１ｂを参照して、第１ユーザの１日の記録または予定がタイムテーブルなどの態様で記載された一または複数のコメントを抽出し、そのコメントに基づいて第１ユーザの行動パターンを特定してもよい。

　あるいは、行動特定部１１はコメントがアップロードされた時刻（例えば、メールの送信時刻、または記事の投稿時刻）に基づいて第１ユーザの睡眠時間および活動時間を推定し、その推定結果を行動パターンとして特定してもよい。

　一つの手法として、行動特定部１１は、１日のうちの最初のコメントのアップロード時刻（またはその平均）と最後のコメントのアップロード時刻（またはその平均）を求め、それら二つのアップロード時刻に基づいて第１ユーザの睡眠時間および活動時間を推定してもよい。例えば、行動特定部１１は、最初のアップロード時刻を８：３０と求め、最後のコメントアップロード時刻を２３：３０と求めた場合には、第１ユーザが８：３０から２３：３０まで活動し、２３：３０から翌日８：３０までは眠ると特定してもよい。

　あるいは、行動特定部１１はコメントのアップロード時刻から得られる時間帯のすべてを含みかつ該時間帯よりも長い時間帯を活動時間として特定してもよい。最初のアップロード時刻を８：３０と求め、最後のコメントアップロード時刻を２３：３０と求めた場合には、行動特定部１１は例えば、第１ユーザが７：３０から２３：３０まで活動し、２３：３０から翌日７：３０までは眠ると特定してもよい。あるいは、行動特定部１１はその場合に、第１ユーザが８：００から２３：４０まで活動し、２３：４０から翌日８：００までは眠ると特定してもよい。

　このように、行動特定部１１はコメント情報に基づいて、第１ユーザの行動パターンを１以上の行動時間帯により特定することができる。

　［第３の手法（予約データベースの利用）］
　行動特定部１１は予約データベース５１ｃに予約情報の一部として記憶されている少なくとも一つの値を読み出し、その値をそのまま行動パターンとして特定してもよい。

　例えば、行動特定部１１は第１ユーザのチェックイン予定日時およびチェックアウト予定日時を取得することで、第１ユーザの施設利用期間を行動パターンとして特定してもよい。予約データベース５１ｃに第１ユーザのチェックインおよびチェックアウトの予定日時がそれぞれ「２０１５年８月２８日１８時」「２０１５年８月２９日１０時」と記録されていれば、行動特定部１１は第１ユーザが２０１５年８月２８日１８時から翌２９日１０時まで施設を利用すると特定する。この処理も、第１ユーザの行動パターンを行動時間帯により特定することに相当する。

　あるいは、行動特定部１１は第１ユーザのチェックイン予定日時、チェックアウト予定日時、食事予定時間、外出予定時間、および入浴予定時間を取得することで、第１ユーザの行動パターンをより詳細に特定してもよい。例えば、第１ユーザの予約情報がチェックイン予定日時「２０１５年８月２８日１５時」、チェックイン予定日時「２０１５年８月２９日１０時」、食事予定時間「夕食：１８：００～１９：３０、朝食：７：３０～８：３０」、外出予定時間「１６：００～１７：００」、および入浴時間「２１：００～２２：００」を含むとする。この場合に行動特定部１１は、第１ユーザが２０１５年８月２８日１５時から２９日１０時まで施設に滞在し、２８日の１６：００～１７：００に外出し、２８日の１８：００～１９：３０および２９日の７：３０～８：３０に食事を取り、２８日の２１：００～２２：００に入浴すると特定する。

　このように、行動特定部１１は予約情報に基づいて、第１ユーザの行動パターンを１以上の行動時間帯により特定することができる。

　行動特定部１１は、予約情報のアクティビティから、施設を利用する期間内における第１ユーザの行動（例えば外出時間）を特定してもよい。あるいは、行動特定部１１は少なくともグループ構成に基づいて第１ユーザの行動パターンを特定してもよい。例えば、第１ユーザのグループ構成が「家族」であれば、行動特定部１１は第１ユーザが施設内で家族と共に行動すると推定し、その推定結果を行動パターンとして特定してもよい。このように、行動特定部１１は行動時間帯を用いることなく第１ユーザのグループ構成により行動パターンを特定してもよい。もちろん、行動特定部１１はグループ構成および１以上の行動時間帯の双方により行動パターンを特定してもよい。

　［第４の手法（複数のデータベースの利用）］
　行動特定部１１は、ユーザデータベース５１ａ、コメントデータベース５１ｂ、および予約データベース５１ｃから選択される任意の複数のデータベースの情報に基づいて第１ユーザの行動パターンを特定してもよい。すなわち、行動特定部１１はユーザ基本情報、コメント情報、および予約情報から任意に選択される２種類または３種類の情報に基づいて第１ユーザの行動パターンを特定してもよい。この手法においても、行動特定部１１は第１ユーザの行動パターンを１以上の行動時間帯により特定してもよい。あるいは、行動特定部１１はグループ構成および１以上の行動時間帯の双方により行動パターンを特定してもよい。

　例えば、行動特定部１１はユーザ基本情報に基づいて第１ユーザの起床時刻および就寝時刻を特定し、予約情報から第１ユーザのチェックイン予定日時およびチェックアウト予定日時を取得する。そして、行動特定部１１は、これらの情報に基づいて、第１ユーザが施設を利用する期間と、その期間において第１ユーザが起きている時間帯および眠っている時間帯とを推定し、その推定結果を第１ユーザの行動パターンとして特定する。

　別の例として、行動特定部１１はコメント情報に基づいて第１ユーザの起床時刻および就寝時刻を特定し、予約情報から第１ユーザのチェックイン予定日時およびチェックアウト予定日時を取得する。そして、行動特定部１１は、これらの情報に基づいて、第１ユーザが施設を利用する期間と、その期間において第１ユーザが起きている時間帯および眠っている時間帯とを推定し、その推定結果を第１ユーザの行動パターンとして特定する。

　さらに別の例として、行動特定部１１はユーザ基本情報に基づいて第１ユーザの食事時間および入浴時間を特定し、コメント情報に基づいて第１ユーザの起床時刻および就寝時刻を特定し、予約情報から第１ユーザのチェックイン予定日時、チェックアウト予定日時、およびグループ構成を取得する。そして、行動特定部１１は、これらの情報に基づいて、第１ユーザの施設利用期間と、その期間におおける活動時間、睡眠時間、食事時間、および入浴時間と、グループ構成とを推定し、その推定結果を第１ユーザの行動パターンとして特定する。

　このように、行動特定部１１はユーザ関連情報に基づいて、第１ユーザの行動パターンを１以上の行動時間帯により、またはグループ構成および１以上の行動時間帯の双方により、行動パターンを特定してもよい。

　［第５の手法（他の装置から取得するデータの利用）］
　行動特定部１１は、ユーザ関連データベース５１に記憶されるものに相当する情報を他の装置（例えば、ユーザ端末２０または施設端末４１）から受信してもよい。したがって、ユーザ端末２０および施設端末４１などの他の装置もユーザ関連データベースとして機能し得る。この手法は、例えば、予約をすることなく施設に来たユーザに区画（より具体的には、部屋）を提供する場合に用いられ得る。行動特定部１１は他の装置から受信したユーザＩＤを第１ユーザのユーザＩＤとして特定すると共に、その装置から受信した情報に基づいて第１ユーザの行動パターンを特定する。他の装置から受信する情報の例として、ユーザ基本情報の少なくとも一部に相当する情報、コメント情報の少なくとも一部に相当する情報、および予約情報の少なくとも一部に相当する情報が挙げられる。例えば、行動特定部１１はユーザ基本情報またはコメント情報に相当する情報を第１ユーザのユーザ端末２０から受信してもよいし、予約情報に相当する情報を施設端末４１から受信してもよい。

　他の装置から必要な情報を受信した後に、行動特定部１１はその情報から第１ユーザの行動パターンを特定する。行動特定部１１は、他の装置から受信した情報から行動パターンを特定するために、上記の第１～第４の手法のいずれかを用いることができる。

　要するに、第１ユーザの行動パターンを特定できるのであれば、行動特定部１１が参照する情報の種類および参照する記憶部は何ら限定されない。すなわち、ユーザ関連データベースとして機能する装置は限定されない。

　行動特定部１１は、第１ユーザの行動パターンを特定するとその行動パターンを示す情報を区画特定部１２に出力する。特定される行動パターンの形式、および詳しさの程度は限定されない。

　例えば図１０に示すように、行動特定部１１はある一人の第１ユーザについて様々な形式の行動パターンを特定し得る。行動パターン２０１は第１ユーザが施設を利用する期間（すなわち、チェックインからチェックアウトまでの間の期間）のみを示す。行動パターン２０２はその利用期間に加えて第１ユーザの睡眠時間を示す。行動パターン２０３はその利用期間および睡眠時間に加えて第１ユーザの食事時間および外出時間を示す。行動パターン２０４は、その利用期間において第１ユーザが部屋にいる時間（これを「在室時間」という）を示す。この行動パターン２０４は、第１ユーザが部屋とは別の場所（例えば施設内のレストラン）で食事を取ることを前提とする。行動特定部１１は、第１ユーザが施設を利用する期間と、その期間において第１ユーザが部屋を空ける時間（例えば外出予定時間、食事予定時間、入浴予定時間、またはアクティビティに参加する時間）とを特定することで、第１ユーザの在室時間を行動パターンとして特定することができる。行動パターン２０１は一つの行動時間帯で示されるのに対して、行動パターン２０２～２０４は複数の行動時間帯で表現され得る。

　図１０の例は行動パターンを１以上の行動時間帯で示すものであるが、上述したように、行動特定部１１は行動パターンを行動時間帯以外の要素を用いて特定してもよい。

　区画特定部１２は、第１ユーザの行動パターンと類似する行動パターンを有する他のユーザが割り当てられた区画を特定する機能要素である。本明細書では、行動パターンを第１ユーザと比較する対象となるユーザを「第２ユーザ」という。「第１ユーザと類似する行動パターンを有する第２ユーザが割り当てられた区画を特定する」とは、そのような第２ユーザが割り当てられた１以上の区画を抽出することを意味し、かつ、そのような複数の区画から一つの区画を選択する処理を含む概念である。区画特定部１２は、プロセッサ１０１が後述の情報処理プログラムＰ１の指示に従って、通信制御部１０４を動作させ主記憶部１０２または補助記憶部１０３におけるデータの読み出しおよび書き込みを行うことで実現される。

　第２ユーザは、第１ユーザと同じ施設を予約し、かつ既に該施設の区画が割り当てられたユーザである。なお、連泊する第２ユーザには宿泊期間の間同じ部屋（したがって、同じ区画）が割り当てられ、情報処理システム１による区画の割当てのために第２ユーザが強制的に区画（より具体的には、部屋）を変更させられることはない。第１ユーザと第２ユーザとの間では、施設を利用しようとする期間の少なくとも一部が重なる。「第１ユーザの行動パターンと第２ユーザの行動パターンとが類似する」とは、これら２ユーザの行動パターンが一致する度合いが所定の閾値以上であることを意味する。本明細書では、その度合いを「類似度」という。なお、その閾値の具体的な値は任意に定めてよい。また、本明細書では、「第１ユーザの行動パターンと類似する行動パターンを有する第２ユーザ」を単に「第１ユーザと類似する行動パターンを有する第２ユーザ」ともいう。

　区画特定部１２は第１ユーザおよび第２ユーザの行動パターンを任意の手法で比較してよい。したがって、第２ユーザが割り当てられた区画の特定についても様々な手法が考えられる。区画特定部１２は必要に応じて（例えば第２ユーザの行動パターンを特定するために）データベース群５０を参照するが、具体的にどのデータベースを参照するかは、行動パターンを比較する手法によって変わる。

　まず、区画特定部１２は、予約データベース５１ｃを参照して、施設利用期間の少なくとも一部が第１ユーザと重なる１以上の第２ユーザを特定する。もし、そのような第２のユーザが存在しない場合には、区画特定部１２は任意に一つの区画を特定する。ただし、その区画は、第１ユーザが施設を利用する条件に合致する必要がある。例えば、区画特定部１２は、指定された人数を収容できる部屋が属する区画を特定する必要がある。任意に特定される一つの区画は予め定められてもよい（例えば、最下階に対応する区画が選択されてもよい）。あるいは、区画特定部１２は、ユーザの属性（例えば、ユーザが団体客か否か）または好み（例えば、ユーザがオーシャンビューの部屋を希望したりバリアフリーの部屋を希望したりするなど）に応じて一つの区画を特定してもよい。

　一方、第１ユーザの利用期間において１以上の第２ユーザが施設を予約している場合には、区画特定部１２は該第２ユーザのそれぞれについて、第１ユーザと類似する行動パターンを有するか否かを判定する。第１ユーザと第２ユーザとの間の行動パターンの類似度を判定する手法は限定されず、区画特定部１２は様々な手法を用いて第２ユーザを特定することができる。

　［第１の手法（一つの要素に基づく判定）］
　区画特定部１２は、行動パターンの１以上の要素のうちの一つのみに基づいて２ユーザ間の行動パターンの類似度を判定してもよい。行動パターンの要素とは、行動パターンを構成する成分である。例えば、図１１に示す行動パターン２０５，２０６は要素として、施設利用期間（チェックインからチェックアウトまでの期間）、睡眠時間、ユーザが施設内にいる時間帯、ユーザが部屋にいる時間帯（在室時間）、およびグループ構成を含む。区画特定部１２はこれらの要素のうちのいずれか一つに基づいて第１ユーザと第２ユーザとの間で行動パターンを比較してもよい。類似度はどの要素を基準に二つの行動パターンを比較するかにより変わり得る。

　例えば、区画特定部１２は、第１ユーザと第２ユーザとの間における一つの行動時間帯の始点および終点の近接度（近さの程度）を求める。そして、これら二つの近接度のすべてが所定の閾値以上である場合には、区画特定部１２は２ユーザの行動パターンが類似すると判定し、割当データベース５３を参照して、第２ユーザが割り当てられている区画を特定する。少なくとも一つの近接度が所定の閾値未満である場合には、区画特定部１２は２ユーザの行動パターンが類似しないと判定し、第２ユーザが割り当てられている区画を特定しない。

　図１１の例において、区画特定部１２が施設利用期間に基づいて行動パターンの類似度を判定すると仮定する。図１１の例では、２ユーザ間でチェックアウト時刻はほぼ同じであるがチェックイン時刻が大きく異なる。すなわち、施設利用期間の始点の近接度が低い。したがって、区画特定部１２は、２ユーザの行動パターンが類似しない（行動パターンの類似度が所定の閾値未満である）と判定し、第２ユーザが割り当てられている区画を特定しない。なお、類似度に関する閾値の大きさは何ら限定されず、任意に定めてよい。例えば、類似度を０から１の間で定義したのであれば、所定の閾値は０．６、０．７、０．８、または０．８５でもよい。

　次に、区画特定部１２が睡眠時間に基づいて行動パターンの類似度を判定すると仮定する。図１１の例では、それら２ユーザ間で睡眠時間の始点および終点が近接する。したがって、区画特定部１２は、２ユーザの行動パターンが類似する（行動パターンの類似度が所定の閾値以上である）と判定する。この場合には区画特定部１２は第２ユーザが割り当てられている区画を割当データベース５３から取得する。

　区画特定部１２は、第１ユーザおよび第２ユーザの行動時間帯のうち長い方の時間帯が短い方の時間帯に重なる割合を求め、その割合が所定の閾値以上である場合に、２ユーザの行動パターンが類似する（行動パターンの類似度が所定の閾値以上である）と判定してもよい。

　図１１の例において、区画特定部１２が、ユーザが施設内にいる時間帯に基づいて行動パターンの類似度を判定すると仮定する。第２ユーザは第１ユーザよりかなり早くチェックインするが、その後しばらくの間外出し、第１ユーザのチェックイン時刻の少し前に施設に戻ってくる。すなわち、第１ユーザがチェックインする前の時点において、第２ユーザはほとんど施設内にいない。したがって、ユーザが施設内にいる時間帯は第１ユーザと第２ユーザとでほとんど同じであるということができる。この場合、区画特定部１２は、長い方の時間帯（第２ユーザが施設内にいる時間帯）が短い方の時間帯（第１ユーザが施設内にいる時間帯）に重なる部分２０７の割合を求める。図１１の例でその割合が９０％であり、閾値が７５％であれば、区画特定部１２は２ユーザの行動パターンが類似すると判定し、第２ユーザが割り当てられている区画を割当データベース５３から取得する。

　次に、区画特定部１２が、在室時間に基づいて行動パターンの類似度を判定すると仮定する。この場合も、区画特定部１２は、第１ユーザおよび第２ユーザの行動時間帯のうち長い方の時間帯が短い方の時間帯に重なる部分の割合を求めることで類似度を求める。図１１の例において、在室時間が、ユーザが施設内にいる時間帯と同じであるとみなすのであれば、区画特定部１２は、２ユーザの行動パターンが類似すると判定し、第２ユーザが割り当てられている区画を割当データベース５３から取得する。

　次に、区画特定部１２が、グループ構成に基づいて行動パターンの類似度を判定すると仮定する。図１１の例では、第１ユーザは一人で施設を利用しようとしているのに対し、第２ユーザは家族で利用している。このように、グループ構成が第１ユーザと第２ユーザとで異なるので、区画特定部１２は、２ユーザの行動パターンが類似しないと判定する。この場合には区画特定部１２は第２ユーザが割り当てられている区画を特定しない。もし第１ユーザと第２ユーザとでグループ構成が同じであれば、区画特定部１２は２ユーザの行動パターンが類似すると判定し、第２ユーザが割り当てられている区画を割当データベース５３から取得する。

　区画特定部１２は、施設利用期間における最初の行動時間帯および最後の行動時間帯が第１ユーザと類似する第２ユーザを特定してもよい。図１２を参照しながらこの処理について説明する。

　第１ユーザの行動パターンと第２ユーザＹ，Ｚの行動パターンとが図１２に示す通りであったとする。図１２に示すように、第１ユーザと第２ユーザＹとの間では、最初の在室時間（行動時間帯）および最後の在室時間（行動時間帯）は類似するが、途中の在室時間はあまり類似しない。この場合に、区画特定部１２は最初および最後の在室時間の類似度のみに基づいて、第２ユーザＹの行動パターン２０９が第１ユーザの行動パターン２０８と類似すると判定し、第２ユーザＹが割り当てられている区画を割当データベース５３から取得してもよい。一方、第１ユーザと第２ユーザＺとの間では、最後の在室時間が全く異なるが、他の在室時間は類似する。この場合に、区画特定部１２は２ユーザの最初および最後の在室時間（行動時間帯）に基づいて２ユーザの行動パターン２０８，２１０が類似しないと判定する。したがって、区画特定部１２は第２ユーザＺが割り当てられている区画を特定しない。

　区画特定部１２は、第１ユーザのすべての行動時間帯と第２ユーザのすべての行動時間帯との間の類似度に基づいて、第１ユーザと類似する行動パターンを有する第２ユーザを特定してもよい。この処理を図１２の例に適用すると、第１ユーザと第２ユーザＺとの間では、第１ユーザの最後の在室時間以外の在室時間は類似する。したがって、区画特定部１２がそれら２ユーザの行動パターン２０８，２１０が類似すると判定し、第２ユーザＺが割り当てられている区画を割当データベース５３から取得することもあり得る。また、区画特定部１２が、第１ユーザの行動パターン２０８と第２ユーザＹの行動パターン２０９とが類似しないと判定し、第２ユーザＹが割り当てられている区画を特定しないこともあり得る。

　当然ながら、一つの要素に基づく判定において、区画特定部１２は上述した項目（施設利用期間、睡眠時間、ユーザが施設内にいる時間帯、在室時間、およびグループ構成）以外の他の項目に基づいて行動パターンの類似度を判定してもよい。

　［第２の手法（複数の要素に基づく判定）］
　区画特定部１２は、行動パターンの複数の要素に基づいてユーザ間の行動パターンの類似度を判定してもよい。例えば、区画特定部１２は、行動パターンの複数の要素をそれぞれ軸とする座標空間上で各ユーザの行動パターンをベクトル化し、複数の行動パターンをクラスタリングする。そして、区画特定部１２は第１ユーザと同じクラスタに属する第２ユーザを特定し、該第２ユーザが、第１ユーザと類似する行動パターンを有すると判定する。そして、区画特定部１２はその判定された第２ユーザが割り当てられている区画を割当データベース５３から取得する。一例として、区画特定部１２は、施設利用期間、睡眠時間、ユーザが施設内にいる時間帯、在室時間、およびグループ構成から選択される２以上の要素を軸とする座標空間上で各ユーザの行動パターンをクラスタリングすることで、第１ユーザと同じクラスタに属する第２ユーザを特定してもよい。複数の要素を考慮したクラスタリングにより行動パターンの類似度を求めることで、全体として行動パターンが類似すると推定される第２ユーザと同じ区画に第１ユーザを割り当てることができる。

　複数の要素を用いる際に、区画特定部１２は行動パターンの複数の要素のそれぞれに優先度を設定し、その優先度を考慮したクラスタリングを実行してもよい。具体的には、区画特定部１２は優先度が高い要素の類似度には高い重みを乗じ、その要素よりも優先度が低い要素の類似度にはより低い重みを乗ずることで、行動パターンの各要素の優先度に応じたクラスタリングを実行する。例えば、第１ユーザがアクティビティに参加している場合には、区画特定部１２は、予約情報から得られる要素に乗ずる重みを、ユーザ基本情報から得られる要素に乗ずる重みよりも大きくしてもよい。このように重みを設定することで、第１ユーザの日常的な行動よりも、施設利用期間における第１ユーザの行動の方を重視して、該第１ユーザに区画を割り当てることができる。

　区画特定部１２は、行動パターンの複数の要素のそれぞれについて、第１ユーザの行動パターンと類似する行動パターンを有する第２ユーザが割り当てられた区画を特定してもよい。この場合に区画特定部１２は複数の区画を特定し得る。

　例えば、行動パターンが、施設利用時間、睡眠時間、在室時間、グループ構成という４個の要素を含むとする。また、施設が区画Ｐ_０１～Ｐ_０５を有し、５人の第２ユーザＵ_０１～Ｕ_０５に対して以下のように区画が割り当てられているとする。
・第２ユーザＵ_０１…区画Ｐ_０１
・第２ユーザＵ_０２…区画Ｐ_０２
・第２ユーザＵ_０３…区画Ｐ_０１
・第２ユーザＵ_０４…区画Ｐ_０５
・第２ユーザＵ_０５…区画Ｐ_０２

　区画特定部１２が施設利用時間に基づいて第１ユーザと第２ユーザＵ_０１～Ｕ_０５との間で行動パターンを比較し、第１ユーザと第２ユーザＵ_０１または第２ユーザＵ_０３との間で行動パターンが類似すると判定したとする。この場合には、区画特定部１２は区画Ｐ_０１を特定する。また、区画特定部１２が睡眠時間に基づいて第１ユーザと第２ユーザＵ_０１～Ｕ_０５との間で行動パターンを比較し、第１ユーザと第２ユーザＵ_０１または第２ユーザＵ_０３との間で行動パターンが類似すると判定したとする。この場合も、区画特定部１２は区画Ｐ_０１を特定する。さらに、区画特定部１２が在室時間に基づいて第１ユーザと第２ユーザＵ_０１～Ｕ_０５との間で行動パターンを比較し、第１ユーザと第２ユーザＵ_０４との間で行動パターンが類似すると判定したとする。この場合には、区画特定部１２は区画Ｐ_０５を特定する。最後に、区画特定部１２はグループ構成に基づいて第１ユーザと第２ユーザＵ_０１～Ｕ_０５との間で行動パターンを比較し、第１ユーザと行動パターンが類似する第２ユーザが存在しないと判定したとする。この場合には、区画特定部１２は区画を特定しない。これら一連の処理により、区画特定部１２は最終的に区画Ｐ_０１および区画Ｐ_０５を特定する。

　このように複数の区画を特定した場合、区画特定部１２は行動パターンの類似度が最も高かった区画を選択してもよい。例えば、類似度を０から１の間で定義するとして、施設利用時間に基づいて区画Ｐ_０１を特定した際に第１ユーザと第２ユーザＵ_０１または第２ユーザＵ_０３との間で行動パターンの類似度の最大値が０．７５であったとする。また、睡眠時間に基づいて区画Ｐ_０１を特定した際に第１ユーザと第２ユーザＵ_０１または第２ユーザＵ_０３との間で行動パターンの類似度の最大値が０．８５であったとする。また、在室時間に基づいて区画Ｐ_０５を特定した際に第１ユーザと第２ユーザＵ_０４との間で行動パターンの類似度の最大値が０．９であったとする。この場合には、区画特定部１２は、第１ユーザの行動パターンとの類似度が最も高い第２ユーザＵ_０４に対応する区画Ｐ_０５を選択する。

　あるいは、区画特定部１２は特定された回数が最も多い区画を選択してもよい。上記の例では、区画特定部１２は区画Ｐ_０１を２回特定し区画Ｐ_０５を１回特定したので、区画Ｐ_０１を選択する。

　あるいは、区画特定部１２は、第１ユーザに区画を割り当てた場合に、１以上のユーザが割り当てられた区画の個数が最も少なくなる区画を選択してもよい。例えば、施設が区画Ｐ_０１～Ｐ_０５を有し、各区画が２部屋を有し、５人の第２ユーザＵ_０１～Ｕ_０５に対して以下のように区画が割り当てられているとする。
・第２ユーザＵ_０１…区画Ｐ_０１
・第２ユーザＵ_０２…区画Ｐ_０２
・第２ユーザＵ_０３…区画Ｐ_０１
・第２ユーザＵ_０４…区画Ｐ_０５
・第２ユーザＵ_０５…区画Ｐ_０２

　上記の例では、区画特定部１２は区画Ｐ_０１および区画Ｐ_０５を特定する。しかし、区画Ｐ_０１の２部屋は既に第２ユーザＵ_０１および第２ユーザＵ_０３に割り当てられているので、区画Ｐ_０１には空き部屋がない。したがって、区画特定部１２は、未だ誰も割り当てられていない区画Ｐ_０３または区画Ｐ_０４を第１ユーザに割り当てる必要がある。したがって、第１ユーザに部屋を割り当てると、１以上のユーザが割り当てられた区画の個数は４になる。一方、区画Ｐ_０５については空き部屋が一つ残っているので、第１ユーザをその区画Ｐ_０５に割り当てることができる。したがって、第１ユーザに部屋を割り当てると、１以上のユーザが割り当てられた区画の個数は３のままで変わらない。したがって、区画特定部１２は区画Ｐ_０５を選択する。

　あるいは、区画特定部１２は複数の区画を特定した場合に、ユーザにその複数の区画から一つの区画を選択させることで、最終的に一つの区画を特定してもよい。具体的には、区画特定部１２は複数の区画を特定したことを示す結果を問合せ情報として他の装置（例えば施設端末４１）に送信する。問い合わせを受けたユーザ（例えば、施設端末４１を操作する施設のスタッフ）が複数の区画から一つの区画を選択する操作を行うと、該他の装置（例えば施設端末４１）は選択された一つの区画を示す回答情報を情報処理装置１０に送信する。区画特定部１２はその回答情報を受信することで一つの区画を最終的に特定する。

　このように、複数の要素に基づく判定方法も様々である。当然ながら、複数の要素に基づく判定において、区画特定部１２は上述した項目（施設利用期間、睡眠時間、ユーザが施設内にいる時間帯、在室時間、およびグループ構成）以外の他の項目に基づいて行動パターンの類似度を判定してもよい。

　［第３の手法（比較の基準とする要素の選択）］
　第１ユーザと第２ユーザとを比較する際に行動パターンの一つの要素のみを用いるか複数の要素を用いるかにかかわらず、区画特定部１２は類似度の基準となる要素（比較要素）を動的に決定してもよい。この第３の手法は、上記第１の手法（一つの要素に基づく判定）または第２の手法（複数の要素に基づく判定）と組み合わせて用いることができる。一例として、区画特定部１２は他の装置からの指示に基づいて比較要素を決定してもよい。あるいは、区画特定部１２は、複数の要素のうちの少なくとも一つの要素（第１要素）に基づいて、第１ユーザおよび第２ユーザの間で行動パターンを比較するために用いる比較要素（該複数の要素のうちの第２要素）を選択してもよい。

　例えば、区画特定部１２は少なくとも予約情報を第１要素として参照して、第１ユーザが施設利用期間において日常の行動パターン（施設を利用しない時の行動パターン）とは異なる行動（非日常的な行動）を取るか否かを判定する。そして、第１ユーザが非日常的な行動を取ると判定した場合には、区画特定部１２はユーザ基本情報およびコメント情報を用いることなく、予約情報を第２要素として参照して第１ユーザと第２ユーザとの行動パターンを比較する。もし第１ユーザが施設でも日常の行動パターンを取ると判定した場合には、区画特定部１２はユーザ基本情報、コメント情報、および予約情報のいずれかを第２要素として参照して、第１ユーザと第２ユーザとの行動パターンを比較してもよい。

　［特定した区画に空き部屋が無い場合］
　なお、特定した区画に空き部屋がない場合には、区画特定部１２は未だ誰も割り当てられていない一つの区画を任意の基準で選択してもよい。例えば、区画特定部１２は、特定した区画に物理的に隣接する別の区画を選択してもよい。一例として、特定した区画が４階であり、それに隣接する階（すなわち、３階または５階）に誰も割り当てられていなければ、区画特定部１２はその階を選択する。

　区画特定部１２は、第２ユーザが割り当てられた区画を特定するとその区画ＩＤを割当部１３に出力する。

　割当部１３は、区画特定部１２により特定された区画内の空き部屋を第１ユーザに割り当てる機能要素である。空き部屋とは、未だどのユーザにも割り当てられていない部屋のことである。割当部１３は、プロセッサ１０１が後述の情報処理プログラムＰ１の指示に従って、通信制御部１０４を動作させ主記憶部１０２または補助記憶部１０３におけるデータの読み出しおよび書き込みを行うことで実現される。

　割当部１３は入力された区画ＩＤに対応するレコード（区画情報）を区画データベース５２から読み出す。また、割当部１３はその区画ＩＤに対応し、かつ利用期間が第１ユーザの利用期間に対応する１以上のレコード（割当情報）を割当データベース５３から読み出す。そして、割当部１３はこれらのレコードを参照することで、区画特定部１２により特定された区画内の、必要な数の空き部屋を抽出する。割当部１３は部屋を施設または第１ユーザに選択させるために空き部屋の複数の候補を抽出してもよい。割当部１３はその空き部屋の情報を区画ＩＤと共に出力部１４に出力する。

　出力部１４は、区画特定部１２により特定された区画が、第１ユーザに割り当てられる区画であることを示す割当情報を出力する機能要素である。出力部１４は、プロセッサ１０１が後述の情報処理プログラムＰ１の指示に従って、通信制御部１０４または出力装置１０６を動作させ、主記憶部１０２または補助記憶部１０３におけるデータの読み出しおよび書き込みを行うことで実現される。

　出力部１４により出力される割当情報は、第１ユーザがどの区画に割り当てられるかを直接的または間接的に示す情報である。その割当情報で示される区画は、第１ユーザおよび第２ユーザの双方が割り当てられる区画である。割当情報の表現形式は何ら限定されるものではなく、出力部１４は任意の手法で割当情報を出力してよい。例えば、割当情報は割り当てられた区画ＩＤを含んでもよい。あるいは、割当情報は割り当てられた空き部屋の番号を含んでもよい。一つの部屋は一つの区画のみに属するから、部屋番号は、その部屋番号に対応する唯一の区画を間接的に示す。したがって、区画ＩＤを明示せずに部屋番号のみを出力する処理は、第１ユーザがどの区画に割り当てられるかを間接的に示すことに相当する。もちろん、出力部１４は区画ＩＤおよび部屋番号の双方を含む割当情報を出力してもよい。あるいは、出力部１４は区画ＩＤおよび部屋番号の少なくとも一方に加えて、他の情報（例えば、第１ユーザの特定された行動パターン）を含んでもよい。

　割当情報の出力先も限定されない。例えば、出力部１４は割当情報を他の装置に送信してもよい。出力部１４が割当情報を施設端末４１に送信すれば、施設のスタッフはその情報に基づいて第１ユーザに部屋を案内することができる。この場合には、施設端末４１は第１ユーザの部屋を確定する処理をすることでその割当情報を割当データベース５３に向けて送信する。この結果、割当情報が割当データベース５３に格納される。あるいは、出力部１４は他の装置の処理を介することなく割当情報を割当データベース５３に格納することで、第１ユーザの区画（より具体的には、部屋）を確定させてもよい。出力部１４が出力装置１０６を用いて実現される場合には、割当情報が出力装置１０６（例えばモニタまたはプリンタ）から出力されてもよい。

　指示部１５は、割当データベース５３内の割当情報に基づいて、施設の設備を制御するための指示信号を該施設の装置に送信する機能要素である。本実施形態では施設の設備の例として電気設備４３を示すが、上述したように資源の種類は限定されないので、指示部が制御しようとする施設の設備も限定されない。例えば、指示部１５は、ガスや水などの他の資源を消費する設備を制御してもよい。指示部１５は、プロセッサ１０１が後述の情報処理プログラムＰ１の指示に従って、通信制御部１０４を動作させ主記憶部１０２または補助記憶部１０３におけるデータの読み出しおよび書き込みを行うことで実現される。

　指示部１５は、割当情報で示される個々の区画ＩＤについて以下の処理を実行する。まず、指示部１５は一つの区画ＩＤおよび一つの日にちの組合せに対応する１以上のレコードを割当データベース５３から読み出す。続いて、指示部１５は読み出した１以上のレコードで示される各ユーザの行動パターンから、代表的な行動パターンを任意の手法で求める。例えば、指示部１５は各ユーザの行動パターンの統計値（平均値や中央値など）を代表的な行動パターンとして求める。そして、指示部１５は代表的な行動パターンに従って指示信号を生成し、その指示信号を施設の装置（例えば電力制御装置４２または電気設備４３）に送信する。指示信号の内容は限定されない。

　割当情報が図７に示すものであるとして、区画「Ｐ００１」および「２０１５年８月２９日」の組合せに対応する指示情報を生成する例を説明する。まず、指示部１５はユーザＣ～Ｅの行動パターンから、代表的な行動パターンを例えば「グループ構成：家族、活動時間７：００～２２：３０」であると決定する。そして、指示部１５は例えば、「７時にエレベータを２階で待機させる」ことを示す指示信号を生成し、その指示信号を電力制御装置４２または対応する電気設備４３に送信する。これにより、起床したユーザが即時にエレベータに乗ることができる。あるいは、指示部１５は「２階の共用部分の空調を２２：３０に停止させる」ことを示す指示信号を生成および送信してもよい。

　次に、図１３を参照しながら、情報処理装置１０の動作を説明するとともに本実施形態に係る情報処理方法について説明する。

　まず、行動特定部１１が、施設の区画（より具体的には、部屋）を割り当てる対象である一人の第１ユーザを特定する（ステップＳ１１）。行動特定部１１はデータベース群５０を参照することで第１ユーザを特定してもよいし、ユーザ端末２０や施設端末４１などの他の装置から受信したユーザＩＤを第１ユーザとして特定してもよい。

　続いて、行動特定部１１は第１ユーザの行動パターンを特定する（ステップＳ１２、行動特定ステップ）。上述したように、行動特定部１１は様々な手法によりその行動パターンを特定することができる。例えば、行動特定部１１はユーザ基本情報、コメント情報、予約情報、および他の装置から受信した情報のうちの少なくとも一種類の情報に基づいて第１ユーザの行動パターンを特定してもよい。

　続いて、処理は区画特定部１２に移る（区画特定ステップ）。区画特定部１２はまず、第１ユーザの施設利用期間において１以上の第２ユーザが施設を予約しているか否かを判定する（ステップＳ１３）。もしその期間に誰も施設を予約していないのであれば（ステップＳ１３においてＮＯ）、区画特定部１２は任意に一つの区画を特定する（ステップＳ１４）。一方、その期間に１以上の第２ユーザが施設を予約している場合には（ステップＳ１３においてＹＥＳ）、行動特定部１１は第１ユーザと１以上の第２ユーザとの間で行動パターンを比較する（ステップＳ１５）。上述したように、区画特定部１２は様々な手法により第１ユーザと第２ユーザとの間で行動パターンを比較することができる。例えば、区画特定部１２は行動パターンで示される１以上の要素（例えば睡眠時間や在室時間など）のうちの一つのみに基づいてその比較を実行してもよい。あるいは、区画特定部１２は行動パターンで示される１以上の要素のうちの複数の要素に基づいてその比較を実行してもよい。

　上記の比較により、第１ユーザと類似する行動パターンを有する第２ユーザを特定できなかった場合には（ステップＳ１６においてＮＯ）、区画特定部１２は誰も割り当てられていない一つの区画を特定する（ステップＳ１７）。

　一方、第１ユーザと類似する行動パターンを有する第２ユーザを特定できた場合には（ステップＳ１６においてＹＥＳ）、区画特定部１２はその第２ユーザが割り当てられている区画を特定する（ステップＳ１８）。もし複数の区画を特定できた場合には（ステップＳ１９においてＹＥＳ）、区画特定部１２は該複数の区画から一つの区画を選択する（ステップＳ２０）。区画特定部１２は他の装置に問い合わせることなく任意の手法で一つの区画を選択してもよいし、施設端末４１などの他の装置に一つの区画を選択させてもよい。

　続いて、割当部１３が特定された区画内の空き部屋を抽出し（ステップＳ２１）、出力部１４が、処理結果である割当情報を出力する（ステップＳ２２、出力ステップ）。上述した通り、割当情報の形式および出力先は限定されない。

　これら一連の処理により、情報処理装置１０は、第１ユーザがどの区画に割り当てられるかを直接的または間接的に出力する。区画（および部屋）が割り当てられた第１ユーザは、その後に別の第１ユーザに区画（および部屋）を割り当てる処理において、第２ユーザとして取り扱われる。

　情報処理装置１０は図１３に示す一連の処理を、部屋を割り当てようとする第１ユーザの人数に応じて繰返し実行し得る。情報処理装置１０はその一連の処理を任意のタイミングで実行してもよい。例えば、情報処理装置１０は予約情報で示される利用期間の初日の１日前にバッチ処理により一連の処理を実行してもよい。一般的にバッチ処理では、情報処理装置１０が、１以上の第１ユーザについて図１３に示す一連の処理を実行してすべての第１ユーザに区画を割り当てることで割当データベース５３を更新し、コミット命令によりその更新を確定させる。本明細書における「区画に既に割り当てられた第２ユーザを示す割当情報を記憶する割当データベース」とは、コミット命令が発行される前の（すなわち、バッチ処理の途中における）割当データベース５３の状態を含む概念である。あるいは、情報処理装置１０はユーザ（施設を事前に予約したか否かは問わない）がチェックインをしようとする時点で施設端末４１の指示により一連の処理を実行してもよい。あるいは、情報処理装置１０は、予約受付装置３０がユーザから施設利用の予約を受け付ける度にそのユーザを第１ユーザとして一連の処理を実行してもよい。

　なお、処理の対象となる施設が複数存在する場合には、情報処理装置１０は図１３に示す処理を各施設について実行する。

　上記のように情報処理装置１０が部屋割りを支援することで、行動パターンが似たユーザ同士が同じ区画内に割り当てられる。そのため、１以上のユーザが割り当てられる区画の個数を抑えることができる。１以上のユーザが割り当てられる区画ではユーザが共用部分の電気設備（例えば照明や自動販売機など）を利用するので、その区画ではある程度の量の電力が消費される。一方、一人もユーザが割り当てられない区画では共用部分の電気設備は利用されないので、その区画では電力の消費量がかなり低くなり得る。例えば、その区画では自動照明は作動せず、自動販売機は節電モードを維持し続けるので、電力消費を大きく抑えることができる。したがって、１以上のユーザが割り当てられる区画の個数を抑えることで、施設の電力使用量を低減することができる。また、一つの区画に割り当てられた複数のユーザの行動パターンが類似するので、あるユーザの行動が他のユーザに不快感を与える状態を回避することができる。

　例えば、１０階建てのホテルがあり、各階に４人部屋が５個ずつあり、一つの階が一つの区画に対応するものとする。ある日このホテルに１５組のグループ（ただし、各組の人数は４人以下とする）が予約を入れたとする。本実施形態において、１５組のグループは１５の第１ユーザと言い換えることができる。

　上述したように、情報処理装置１０が行動パターンをどのように比較するかにより（すなわち、行動パターンのどの要素を基準に比較するかにより）、割当ての結果が異なり得る。例えば、情報処理装置１０は１５組を８組、２組、５組に分け得る。各階に５部屋あるので、８組のグループは二つの階にわたって割り当てられる。この場合には四つの階にユーザが割り当てられ、六つの階を空けることができるので、空いた階の共用部分の電力消費を抑えることができる。また、同じ区画に割り当てられたユーザは行動パターンが似ると期待されるので、ユーザが割り当てられた区画でも、ある時間帯（例えばユーザが眠っている時間帯）における共用部分の電力消費を抑えることができる。あるいは、情報処理装置１０は１５組を５組ずつに分け得る。この場合には三つの階にユーザが割り当てられ、七つの階を空けることができる。この場合でも上記の例と同様に施設の電力消費を抑えることができる。

　次に、図１４を参照しながら、コンピュータを情報処理装置１０として機能させるための情報処理プログラムＰ１を説明する。

　情報処理プログラムＰ１は、メインモジュールＰ１０、行動特定モジュールＰ１１、区画特定モジュールＰ１２、割当モジュールＰ１３、出力モジュールＰ１４、および指示モジュールＰ１５を備える。

　メインモジュールＰ１０は、ユーザへの区画の割当を統括的に実行する部分である。行動特定モジュールＰ１１、区画特定モジュールＰ１２、割当モジュールＰ１３、出力モジュールＰ１４、および指示モジュールＰ１５を実行することにより実現される機能はそれぞれ、上記の行動特定部１１、区画特定部１２、割当部１３、出力部１４、および指示部１５の機能と同様である。

　情報処理プログラムＰ１は、例えば、ＣＤ－ＲＯＭやＤＶＤ－ＲＯＭ、半導体メモリなどの有形の記録媒体に固定的に記録された上で提供されてもよい。あるいは、情報処理プログラムＰ１は、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。

　以上説明したように、本発明の一側面に係る情報処理装置は、ユーザ関連情報を記憶するユーザ関連データベースを参照して、複数の区画を有する施設を利用しようとする第１ユーザの行動パターンを特定する行動特定部と、ユーザ関連データベースと、区画に既に割り当てられた第２ユーザを示す割当情報を記憶する割当データベースとを参照して、第１ユーザの行動パターンと類似する行動パターンを有する第２ユーザが割り当てられた区画を特定する区画特定部と、特定された区画が第１ユーザに割り当てられる区画であることを示す割当情報を出力する出力部とを備える。

　このような側面においては、これから区画を割り当てようとする第１ユーザと類似する行動パターンを有する第２ユーザが特定され、その第２ユーザが既に割り当てられている区画に第１ユーザが割り当てられる。

　この処理により、行動パターンが似たユーザ同士が一つの区画にまとめられるので、その区画内において、あるユーザの行動が他のユーザに悪い印象を与える蓋然性が低くなる。例えば、あるユーザの行動に伴う音を他のユーザが雑音または騒音として感じる状況を防ぐことが期待できる。また、行動パターンが似通った複数のユーザを一つの区画内に割り当てることで、ユーザ間の好意的なコミュニケーションが促進されることも期待できる。

　加えて、行動パターンが似たユーザ同士を同じ区画にまとめることで、一つの区画内における施設の資源の消費傾向が似通う確率が高くなり、かつ利用される区画の個数を抑えることができる。そのため、施設全体における資源の消費量が下がる。具体的には、ユーザが割り当てられない区画内の電気設備を稼働させる必要がないので資源を節約できる。また、ユーザが割り当てられた区画でも、そのユーザの行動が似通うので、特定の時間において共用部分の電気機器（例えば照明や自動販売機など）をオフ状態または節電モードにし続けることが可能になる。

　以上の理由により、施設のユーザに快適な環境を提供しつつ該施設の省資源化を実現することができる。これは、施設を予約した順番にユーザをランダムにまたは特定の区画から順番に割り当てる従来の手法では成し得ない技術的効果である。

　他の側面に係る情報処理装置では、行動特定部が第１ユーザの行動パターンを少なくとも１以上の行動時間帯により特定し、区画特定部が、第１ユーザの１以上の行動時間帯と第２ユーザの１以上の行動時間帯を比較し、該１以上の行動時間帯の類似度が閾値以上である第２ユーザが割り当てられた区画を特定してもよい。１以上の行動時間帯を考慮することで、ユーザの行動パターンを正確に特定して行動パターンの類似度もより正確に求めることができる。また、行動時間帯が似通うユーザ同士が一つの区画にまとめられるので、その区画における共用部分の電力消費を抑えることができる。

　他の側面に係る情報処理装置では、区画特定部が、第１ユーザの最初の行動時間帯および最後の行動時間帯と、第２ユーザの最初の行動時間帯および最後の行動時間帯とを比較し、最初の行動時間帯および最後の行動時間帯の類似度が閾値以上である第２ユーザが割り当てられた区画を特定してもよい。最初および最後の行動時間帯のみを比較することで、行動時間帯の比較を高速に実行することができる。

　他の側面に係る情報処理装置では、行動特定部が、施設利用時間、在室時間、睡眠時間、食事時間、および入浴時間のうちの少なくとも一つにより第１ユーザの１以上の行動時間帯を特定してもよい。施設利用時間、在室時間、睡眠時間、食事時間、および入浴時間は、施設を利用するユーザの典型的な行動時間帯であるといえる。したがって、これらの時間帯を参照することで、ユーザの行動パターンを正確に特定して行動パターンの類似度もより正確に求めることができる。

　他の側面に係る情報処理装置では、ユーザ関連情報が、第１ユーザの端末から得られる該第１ユーザの生体情報と、第１ユーザの端末の設定情報と、第１ユーザが通信ネットワーク上にアップロードしたコメントと、第１ユーザが施設を予約したことを示す予約情報とのうちの少なくとも一つを含んでもよい。この場合には、施設利用のためにユーザに自身の行動をデータベースに登録させることなくユーザの行動パターンを得ることができる。したがって、ユーザ端末での処理を省略したり、ユーザ端末とデータベース群との間の通信トラフィックを低減したりすることができる。

　他の側面に係る情報処理装置では、行動特定部が、第１ユーザの行動パターンを、少なくとも、第１ユーザのグループ構成により特定し、区画特定部が、第１ユーザと同じグループ構成を有する第２ユーザが割り当てられた区画を特定してもよい。この場合には、グループ構成が同じユーザ同士を一つの区画にまとめることができる。

　他の側面に係る情報処理装置では、行動特定部が、第１ユーザの行動パターンを複数の要素により特定し、区画特定部が、第１ユーザおよび第２ユーザの間で行動パターンを比較する処理を複数の要素のそれぞれについて実行することで、第１ユーザの行動パターンと類似する行動パターンを有する第２ユーザが割り当てられた区画を複数特定し、特定した複数の区画から一の区画を選択してもよい。行動パターンの複数の基準（要素）のそれぞれに基づいて、第１ユーザに割り当てる区画の候補を複数特定し、その複数の候補から一の区画を選択することで、第１ユーザに割り当てられるべき適切な区画を特定することができる。

　他の側面に係る情報処理装置では、区画特定部が、第１ユーザの行動パターンとの類似度が最も高い第２ユーザに対応する区画を選択してもよい。この場合には、最も行動パターンが類似すると推定される第２ユーザと同じ区画に第１ユーザを割り当てることができる。

　他の側面に係る情報処理装置では、区画特定部が、特定された回数が最も多い区画を選択してもよい。この場合には、全体として行動パターンが類似すると推定される第２ユーザと同じ区画に第１ユーザを割り当てることができる。

　他の側面に係る情報処理装置では、区画特定部が、第１ユーザに区画を割り当てた場合に、１以上のユーザが割り当てられた区画の個数が最も少なくなる区画を選択してもよい。この処理により、利用される区画の個数を抑えることができる。

　他の側面に係る情報処理装置では、行動特定部が、第１ユーザの行動パターンを複数の要素により特定し、区画特定部が、複数の要素のうちの第１要素に基づいて、第１ユーザおよび第２ユーザの間で行動パターンを比較するために用いる、複数の要素のうちの第２要素を選択してもよい。この場合には、行動パターンを比較する基準（第２要素）を、その行動パターンの内容（第１要素）に応じて動的に設定することができる。したがって、ユーザへの区画の割当を柔軟に実行することができる。

　他の側面に係る情報処理装置では、割当データベース内の割当情報に基づいて、施設の設備を制御するための指示信号を施設の装置に送信する指示部を更に備えてもよい。この場合には、施設の設備をより直接的に制御することができるので、施設の省資源化をより確実に実現することができる。

　以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。

　上記実施形態では情報処理装置１０が割当部１３および指示部１５を備えたが、これらの機能要素のうちの少なくとも一方を省略してもよい。第１ユーザが割り当てられる区画を特定しさえすれば、施設のユーザに快適な環境を提供しつつ該施設の省資源化を実現することが可能である。したがって、特定した区画内の部屋をさらに特定する処理（すなわち割当部１３）も、施設内の設備を制御するための指示信号を送信する処理（すなわち指示部１５）も省略することができる。割当部１３を省略する場合には、区画情報が部屋番号を含まなくてもよい。指示部１５を省略する場合には、割当データベース５３内の割当情報がユーザの行動パターンを含まなくてもよい。指示部に関連して、施設の設備（例えば、電力制御装置および電気設備）が情報処理システムの一部でなくてもよい。

　行動特定部１１は任意のデータベースから気象情報を読み出し、その気象情報に基づいてユーザの行動を推定してもよい。例えば、日の出および日の入りの時刻に基づいてユーザの睡眠時間または活動時間を推定してもよい。この場合には、個々のユーザ端末と通信をすることなく各ユーザの行動を推定することができるので、ユーザ端末２０に起因する通信トラフィックを低減することができる。

　少なくとも一つのプロセッサにより実行される情報処理方法の処理手順は図１３の例に限定されない。例えば、情報処理装置１０はその図におけるステップ（処理）の一部を省略してもよいし、別の順序で各ステップを実行してもよい。また、その図に示されるステップの任意の２以上のステップが組み合わされてもよいし、ステップの一部が修正または削除されてもよい。あるいは、情報処理装置１０は図１３に示される各ステップに加えて他のステップを実行してもよい。図１３で示される各ステップは、情報処理装置１０内に存在する少なくとも一つのプロセッサのうちの一つまたは複数のプロセッサにより実行される。稼働するプロセッサは個々のステップ（処理）毎に変わり得る。

　情報処理装置１０内で二つの数値の大小関係を比較する際には、「以上」および「よりも大きい」という二つの基準のどちらを用いてもよく、「以下」および「未満」の二つの基準のうちのどちらを用いてもよい。このような基準の選択は、二つの数値の大小関係を比較する処理についての技術的意義を変更するものではない。

　上記実施形態では施設の個々の区画が１以上の部屋を有したが、施設および個々の区画が部屋を有しなくてもよい。施設は、所定の領域を複数有し、かつ各ユーザがそのうちの一つの領域を利用可能な建物であってもよい。宿泊施設およびリゾート施設以外の施設の例として、体育館、屋内フットサルコート、スカッシュコート、個室形式のトレーニングジム、カラオケボックス、個室形式のゴルフバー、個室形式のマンガ喫茶、および貸会議室が挙げられる。

　１…情報処理システム、１０…情報処理装置、１１…行動特定部、１２…区画特定部、１３…割当部、１４…出力部、１５…指示部、２０…ユーザ端末、２０…ユーザ端末、３０…予約受付装置、４１…施設端末、４２…電力制御装置、４３…電気設備、５０…データベース群、５１…ユーザ関連データベース、５１ａ…ユーザデータベース、５１ｂ…コメントデータベース、５１ｃ…予約データベース、５２…区画データベース、５３…割当データベース、Ｐ１…情報処理プログラム、Ｐ１０…メインモジュール、Ｐ１１…行動特定モジュール、Ｐ１２…区画特定モジュール、Ｐ１３…割当モジュール、Ｐ１４…出力モジュール、Ｐ１５…指示モジュール。

Claims

　ユーザ関連情報を記憶するユーザ関連データベースを参照して、複数の区画を有する施設を利用しようとする第１ユーザの行動パターンを特定する行動特定部と、
　前記ユーザ関連データベースと、前記区画に既に割り当てられた第２ユーザを示す割当情報を記憶する割当データベースとを参照して、前記第１ユーザの行動パターンと類似する行動パターンを有する前記第２ユーザが割り当てられた前記区画を特定する区画特定部と、
　特定された前記区画が前記第１ユーザに割り当てられる区画であることを示す割当情報を出力する出力部と
を備える情報処理装置。
　前記行動特定部が前記第１ユーザの前記行動パターンを少なくとも１以上の行動時間帯により特定し、
　前記区画特定部が、前記第１ユーザの前記１以上の行動時間帯と前記第２ユーザの１以上の行動時間帯を比較し、該１以上の行動時間帯の類似度が閾値以上である前記第２ユーザが割り当てられた前記区画を特定する、
請求項１に記載の情報処理装置。
　前記区画特定部が、前記第１ユーザの最初の行動時間帯および最後の行動時間帯と、前記第２ユーザの最初の行動時間帯および最後の行動時間帯とを比較し、前記最初の行動時間帯および前記最後の行動時間帯の類似度が閾値以上である前記第２ユーザが割り当てられた前記区画を特定する、
請求項２に記載の情報処理装置。
　前記行動特定部が、施設利用時間、在室時間、睡眠時間、食事時間、および入浴時間のうちの少なくとも一つにより前記第１ユーザの前記１以上の行動時間帯を特定する、
請求項２または３に記載の情報処理装置。
　前記ユーザ関連情報が、前記第１ユーザの端末から得られる該第１ユーザの生体情報と、前記第１ユーザの端末の設定情報と、前記第１ユーザが通信ネットワーク上にアップロードしたコメントと、前記第１ユーザが前記施設を予約したことを示す予約情報とのうちの少なくとも一つを含む、
請求項１～４のいずれか一項に記載の情報処理装置。
　前記行動特定部が、前記第１ユーザの行動パターンを、少なくとも、前記第１ユーザのグループ構成により特定し、
　前記区画特定部が、前記第１ユーザと同じ前記グループ構成を有する前記第２ユーザが割り当てられた区画を特定する、
請求項１～５のいずれか一項に記載の情報処理装置。
　前記行動特定部が、前記第１ユーザの行動パターンを複数の要素により特定し、
　前記区画特定部が、
　　前記第１ユーザおよび前記第２ユーザの間で前記行動パターンを比較する処理を前記複数の要素のそれぞれについて実行することで、前記第１ユーザの行動パターンと類似する行動パターンを有する前記第２ユーザが割り当てられた前記区画を複数特定し、
　　特定した前記複数の区画から一の区画を選択する、
請求項１～６のいずれか一項に記載の情報処理装置。
　前記区画特定部が、前記第１ユーザの行動パターンとの類似度が最も高い前記第２ユーザに対応する前記区画を選択する、
請求項７に記載の情報処理装置。
　前記区画特定部が、特定された回数が最も多い前記区画を選択する、
請求項７に記載の情報処理装置。
　前記区画特定部が、前記第１ユーザに前記区画を割り当てた場合に、１以上のユーザが割り当てられた区画の個数が最も少なくなる前記区画を選択する、
請求項７に記載の情報処理装置。
　前記行動特定部が、前記第１ユーザの行動パターンを複数の要素により特定し、
　前記区画特定部が、前記複数の要素のうちの第１要素に基づいて、前記第１ユーザおよび前記第２ユーザの間で前記行動パターンを比較するために用いる、前記複数の要素のうちの第２要素を選択する、
請求項１～１０のいずれか一項に記載の情報処理装置。
　前記割当データベース内の前記割当情報に基づいて、前記施設の設備を制御するための指示信号を前記施設の装置に送信する指示部
を更に備える請求項１～１１のいずれか一項に記載の情報処理装置。
　少なくとも一つのプロセッサにより実行される情報処理方法であって、
　ユーザ関連情報を記憶するユーザ関連データベースを参照して、複数の区画を有する施設を利用しようとする第１ユーザの行動パターンを特定する行動特定ステップと、
　前記ユーザ関連データベースと、前記区画に既に割り当てられた第２ユーザを示す割当情報を記憶する割当データベースとを参照して、前記第１ユーザの行動パターンと類似する行動パターンを有する前記第２ユーザが割り当てられた前記区画を特定する区画特定ステップと、
　特定された前記区画が前記第１ユーザに割り当てられる区画であることを示す割当情報を出力する出力ステップと
を含む情報処理方法。
　ユーザ関連情報を記憶するユーザ関連データベースを参照して、複数の区画を有する施設を利用しようとする第１ユーザの行動パターンを特定する行動特定ステップと、
　前記ユーザ関連データベースと、前記区画に既に割り当てられた第２ユーザを示す割当情報を記憶する割当データベースとを参照して、前記第１ユーザの行動パターンと類似する行動パターンを有する前記第２ユーザが割り当てられた前記区画を特定する区画特定ステップと、
　特定された前記区画が前記第１ユーザに割り当てられる区画であることを示す割当情報を出力する出力ステップと
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。