WO2017033811A1 - 受信装置、放送システム、受信方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2015年8月24日に、日本に出願された特願2015-164794号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態に係る放送システム1の概要について説明する。
図1は、本実施形態に係る放送システム1の構成を示す概略ブロック図である。
放送システム1は、送信装置20と受信装置10とを含んで構成される。
送信装置20は、放送番組を表す放送番組データを、放送伝送路BTを介して受信装置に送信する。放送伝送路BTは、放送番組データを不特定多数の受信装置10に一方的かつ一斉に送信する伝送路である。放送伝送路BTは、例えば、所定の周波数帯域を有する放送波である。放送伝送路BTは、放送波を中継する放送衛星BSを含んで構成されてもよい。放送伝送路BTには、その一部にネットワーク、例えば、専用回線、VPN(Virtual Private Network)が含まれてもよい。受信装置10は、放送伝送路BTを介して伝送された放送番組データを受信する。受信装置10は、受信した放送番組データを構成する映像データに基づく映像を表示する。受信装置10は、例えば、テレビジョン受信装置など、放送番組データを受信し、受信した放送番組データに係る映像を表示することができる電子機器である。送信装置20、受信装置10の数は、一般には複数であるが、以下では、それぞれの数が1個であると仮定して説明する。また、放送システム1は、メディアトランスポート方式としてMMT(MPEG Media Transport)方式を用いる場合を例にする。
輝度には、光学輝度と画像輝度との2種類がある。光学輝度とは、光源の明るさを表す物理量の1つである。光学輝度は、例えば、ディスプレイの明るさを表すときに用いられる。本実施形態では、一例として、0~6000cd/m2の輝度範囲をHDRと称し、0~300cd/m2の輝度範囲をSDRと称する。つまり、HDRは、SDRによりも広い光学輝度のダイナミックレンジを示す。なお、HDR、SDRの輝度範囲は上述したものに限定されず、例えば、放送システムに応じて任意に定められてよい。以下では、光学輝度のダイナミックレンジを単にダイナミックレンジと呼ぶことがある。画像輝度とは、映像の明るさを表す信号レベル又はその相対値で表される輝度を意味する。以下、光学輝度、画像輝度を、それぞれ単に輝度と呼ぶことがある。
以下の説明では、主にHDR映像の画像輝度の範囲のうち0~50%の範囲に対応する光学輝度が、SDR映像の画像輝度の範囲(0~100%)に対応する光学輝度の範囲(0~300cd/m2)である場合を例にする。
次に、放送番組用の映像データの撮像から、映像が表示部15に表示されるまでの処理の概要を説明する。ここで、映像データの撮像装置(図示せず)は、被写体SU1、SU2を撮像し、被写体SU1、SU2の光学輝度が、それぞれ200、2000[cd/m2]であることを例にする。被写体SU1の光学輝度は、SDRの範囲内であるが、被写体SU2の光学輝度は、SDRの上限を超える。送信装置20は、撮像された映像データを、SDR映像データ又はHDR映像データとして放送番組データの構成要素として受信装置10に送信する。受信装置10は、送信装置20から受信した放送番組データから映像データを取得し、取得した映像データを表示部15に出力する。
映像ソースが、HDR映像データである場合、被写体SU1、SU2の信号レベルは、0~50%、50~100%の範囲内である。そのため、表示部15は、被写体SU1、SU2をそれぞれ、撮像により得られた光学輝度に等しい200、2000[cd/m2]の光学輝度で表示する。
このように、HDRディスプレイで表示されるHDR映像は、撮像により得られた光学輝度が画像輝度の信号レベルに対応する輝度範囲がSDR映像よりも広い。そのため、被写体SU1と被写体SU2は異なる光学輝度で表現される。
そこで、本実施形態に係る受信装置10は、放送番組のサービス情報から、放送番組に含まれる映像の輝度情報を取得し、輝度情報が示す輝度範囲が変化し、かつ放送番組が変更されるとき、輝度範囲の設定を変更前の輝度範囲から変更後の輝度範囲に即座に変更する。そして、受信装置10は、輝度情報が示す輝度範囲が変化し、かつ番組が変更しないとき、変更前の前輝度範囲から変更後の輝度範囲に輝度範囲の設定を漸次変更する。受信装置10は、定めた輝度範囲で映像を表示部15に表示させる。
次に、本実施形態に係る送信装置20の構成について説明する。
図4は、本実施形態に係る送信装置20の構成を示す概略ブロック図である。
送信装置20は、放送番組データとサービス情報とを多重化し、多重化した多重化データを放送波で送信する。送信装置20は、サービス情報取得部210、放送コンテンツ取得部220、多重化部230、変調部240、及び送信部250を含んで構成される。
変調部240は、多重化部230から入力された多重化データを変調して所定の放送周波数帯域を有する放送信号を生成し、生成した放送信号を送信部250に出力する。
送信部250は、変調部240から入力された送信信号を放送伝送路BTに出力する。
これにより、放送番組データとサービス情報を多重化した多重化データを搬送する放送信号が放送伝送路BTを介して伝送される。放送信号は、例えば、放送波として伝送される。
次に、MPTのデータ構造について説明する。
図5は、MPTのデータ構造の一例を示す図である。MPTは、アセットタイプ(asset_type)と、アセット記述子領域(asset_descriptors_byte)をアセット毎に含んで構成される。アセットタイプ(asset_type)は、アセットの種類を示す情報である。例えば、アセットタイプとして「hvc1」が記述されるアセットは映像を示し、アセットタイプとして「mp4a」が記述されるアセットは音声を示す。
アセット記述子領域は、アセットについての情報を記述する記述子を格納する領域である。アセット記述子領域には、例えば、映像コンポーネント記述子(Video_Component_Descriptor)が記述される。
次に、映像コンポーネント記述子について説明する。
図6は、映像コンポーネント記述子のデータ構造の一例を示す図である。映像コンポーネント記述子は、映像コンポーネント記述子は、映像コンポーネントに関するパラメータや説明を示す記述子。映像コンポーネント記述子には、未使用パラメータ(reserved)と、コンポーネント記述(text_char)とを含む。本実施形態では、未使用パラメータ(reserved)と、コンポーネント記述(text_char)のいずれかに輝度情報として輝度フラグが記述される。輝度フラグにより、放送される映像の輝度範囲がHDRであるかSDRであるかが指定される。
図7は、輝度フラグの値の設定例を示す図である。
輝度フラグ(video_hdr_flag)は、図7に例示されるように、1ビットの情報を有し、1又は0の値をとりうる。値が0であることは、輝度範囲がSDRであり、値が1であることは、輝度範囲がHDRであることを示す。輝度フラグで指定される輝度範囲は、放送番組、1つの放送番組を構成するセグメント(コーナーとも呼ばれる)、1つの放送番組に含まれるCM、などのそれぞれについて設定されることがある。
次に、MH-EITについて説明する。図8は、MH-EITのデータ構造の一例を示す図である。
図8に示す例では、MH-EIT(MH-Event_Information_Table())は、イベント識別(event_ID)、開始時刻(start_time)、継続時間(duration)を含む。イベント識別とは、イベントの識別番号を示す。具体的には、例えば、イベント識別は、番組の識別情報を示す。開始時刻は、イベントの開始時刻を示す。つまり、開始時刻は、番組の開始時刻(日時)を示す。継続時間は、イベントの継続時間を示す。つまり、継続時間は、番組の放送時間長を示す。
詳細情報には、出演者、制作者、などの他、番組の一部であるセグメント(コーナーとも呼ばれる)毎の情報、例えば、提供開始時刻、継続時間、輝度フラグなどが含まれてもよい。
次に、本実施形態に係る受信装置10の構成について説明する。
図9は、本実施形態に係る受信装置10の構成を示す概略ブロック図である。
受信装置10は、放送受信部11、入力部12、拡声部14、表示部15、記憶部16及び制御部17を含んで構成される。
放送受信部11は、放送伝送路BTを介して送信装置20から伝送された放送信号のうち、制御部17の選局部178からの選局信号で指定されるチャンネルで伝送された放送信号を受信する。放送受信部11は、例えば、放送波を受信するチューナーを含んで構成される。チューナーは、選局信号で指定されたチャンネルに対応した周波数帯域の放送波を受信する。放送受信部11は、受信した放送信号を制御部17の復調部171に出力する。
表示部15は、制御部17の映像処理部174から入力された映像データに基づく映像を再生する。表示部15は、上述したようにHDR映像データに基づくHDR映像と、SDR映像データに基づくSDR映像とを表示可能なディスプレイである。
記憶部16は、制御部17で用いられる設定データ、制御部17で取得されたデータなど各種のデータを記憶する。記憶部16は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-only Memory)などの各種の記憶媒体を含んで構成される。また、記憶部16は、受信した放送番組の映像データや、予め制作された映画などのコンテンツの映像データを記憶する記憶媒体(例えば、BD(Blu-ray(登録商標)Disc))を含んで構成されてもよい。記憶部16には、放送番組データと、当該放送番組データに多重化されたサービス情報とが対応付けて記憶されてもよい。
SI処理部176は、分離部172から入力されたサービス情報を解析する。具体的には、SI処理部176は、サービス情報からMPTの映像コンポーネント記述子を抽出し、輝度フラグに設定された値を参照することにより輝度情報を取得する。SI処理部176は、取得した輝度情報を、映像処理部174、表示制御部177及びレベル制御部179に出力する。SI処理部176は、サービス情報からMH-EITを抽出し、抽出したMH-EITが示す番組情報を表示制御部177とレベル制御部179に出力する。
他方、表示制御部177は、輝度情報が示す輝度範囲が変化し、かつ番組情報が示す番組が変更されないとき、変更前の輝度範囲から変更後の輝度範囲に輝度範囲の設定を漸次変更する。この場合、レベル制御部179は、フレーム毎に定めた輝度範囲の設定を逐次に映像処理部174に出力する。これにより、レベル制御部179は、映像処理部174に、放送映像の信号レベルの範囲を自部が定めた輝度範囲に応じた信号レベルの範囲に定めることができる。
次に、放送番組を構成する映像の輝度範囲の時間変化の例について説明する。
図10は、映像の輝度範囲の時間変化の例を示す図である。
図10に示す例では、時刻t0から時刻t1までSDR映像を含む番組Aが、時刻t1から時刻t6まで番組Bが、時刻t6からt7までSDR映像を含む番組Cが放送される。番組B内では、映像の輝度範囲が切り替わる。輝度範囲は、番組の一部であるコーナー(セグメントとも呼ばれる)の切り替わりに応じて変化することもある。図10に示す例では、輝度範囲は、時刻t2、t4、t6においてHDRからSDRに、時刻t3、t5においてSDRからHDRに切り替わる。
なお、輝度範囲の変化に応じたグラフィック画面(輝度変化警告画面の表示、映像設定画面)の切替については、表示制御部177は、番組の変更に伴うか否かに関わらず一律に行ってもよい。
次に、本実施形態に係るレベル制御部179による輝度範囲の制御について説明する。
図11は、本実施形態に係る輝度範囲の制御例を示す図である。図11に示す例では、時刻t3においてSI情報で指示される輝度範囲が番組の変更を伴わずにSDRからHDRに切り替わるときを例にする。この例において、レベル制御部179は、時刻t3から時刻t3+τにかけて輝度範囲をSDR(0~300cd/m2)からHDR(0~6000cd/m2)まで徐々に拡大する(参照:図11(a))。レベル制御部179は、例えば、映像データを構成する信号レベルの最大値を、SDRの信号レベルの最大値に相当する輝度(300cd/m2)に対応する信号レベル(図11(b)に示す例では、50%)からHDRの信号レベルの最大値に相当する輝度(6000cd/m2)に対応する信号レベル(図11(b)に示す例では、100%)まで徐々に変化させる。この変化は、時間変化に対して連続的、例えば、線形であればよい。連続的とは、必ずしも数学的に連続であることを意味するものではなく、輝度が連続的に変化すると知覚されれば足りる。例えば、信号レベルの最大値の変化率(つまり、互いに隣接するフレーム間での変化量)が、所定の変化率の閾値よりも低ければよい。レベル制御部179は、定めた最大値を逐次に映像処理部174に設定する。映像処理部174は、復号した画素毎の信号値のうち、設定された最大値を超える信号値が検出されるとき、その信号値を最大値と定めることによって(クリッピング)、所定の最小値から設定された最大値までの間に制限する。
レベル制御部179は、最大値を制限した信号値に対応する補正係数を用いて信号値を補正する。
図12は、本実施形態に係る輝度範囲の制御を示すフローチャートである。
(ステップS101)分離部172は、受信した放送信号で搬送された多重化データからサービス情報を分離する。SI処理部176は、分離されたサービス情報を解析して輝度情報と番組情報を取得する。その後、ステップS102の処理に進む。
(ステップS102)レベル制御部179は、輝度情報が示す輝度範囲がHDRからSDRに、またはSDRからHDRに変化したか否かを判定する。変化したと判定されたとき(ステップS102 YES)、ステップS103の処理に進む。変化していないと判定されたとき(ステップS102 NO)、ステップS101の処理に戻る。
(ステップS104)レベル制御部179は、映像の輝度範囲の設定を変化前の輝度範囲の設定から変化後の輝度範囲の設定に即座に切り替える。その後、ステップS101の処理に戻る。
(ステップS105)レベル制御部179は、映像の輝度範囲の設定を変化前の輝度範囲の設定から変化後の輝度範囲の設定に所定の輝度遷移時間τをかけて徐々に変化させる。その後、ステップS101の処理に戻る。
本実施形態に係る輝度範囲の制御は、以下に説明するように行われてもよい。
(I)SI情報で指示される輝度範囲がHDRからSDRに縮小する場合における輝度遷移時間τHSは、SDRからHDRに拡大する場合における輝度遷移時間τSHよりも短くてもよい。例えば、輝度遷移時間τSHが2秒である場合、輝度遷移時間τHSが0.5秒以下であってもよい。また、SI情報で指示される輝度範囲がHDRからSDRに縮小する場合には、レベル制御部179は、輝度範囲の設定を即座に切り替えてもよい。
これは、輝度やコントラストが急激に増加する原因である輝度範囲のSDRからHDRへの輝度範囲の拡大の方が、安全設計として設定を徐々に変化させる必要性が高いためである。一般に、人間の視覚特性によれば輝度やコントラストの増加の方が、減少よりも視聴者に対する印象が強いので、視聴者に対する違和感や体調不良の原因としてより著しいためである。また、輝度範囲がHDRからSDRに縮小する場合には、その処理の開始を、輝度範囲をHDRからSDRに変化する時刻(例えば、時刻t4)よりも輝度遷移時間τHSだけ早い時刻(例えば、時刻t4-τHS)に受信した映像データについて適用する必要があるので、少なくとも輝度遷移時間τHSだけ処理の開始を遅延させる必要がある。輝度遷移時間τHSを短縮もしくは解消することで、放送信号の受信から映像の表示までにかかる遅延時間が短縮される。
その際、輝度範囲がHDRからSDRに縮小することを判定するための判定回数よりも、輝度範囲がSDRからHDRに拡大することを判定するための判定回数の方が多くてもよい。判定回数を多くすることで輝度範囲の縮小よりも拡大に係る判定がより困難になるので、視聴者に対する違和感や体調不良を回避するための安全設計として、より効果的となる。
この構成によれば、コンテンツの切替に伴う輝度範囲の変更よりも、コンテンツの途中における指示に伴う輝度範囲の変化が緩和される。そのため、コンテンツ視聴中における輝度の急激な変化や、エラー等による無用な輝度範囲の変更による輝度の急激な変化を原因とする視聴者の違和感や体調不良を防止又は緩和することができる。
この構成によれば、さらにコンテンツの切替による輝度範囲の変更に即応することで、視聴者に対する印象が強いコンテンツの冒頭部分において放送事業者やコンテンツ制作者が意図した輝度範囲でコンテンツを視聴させることができる。
この構成によれば、視聴者の違和感や体調不良の主な原因となる輝度の急激な増加を緩和するとともに、視聴者の違和感や体調不良への輝度範囲の縮小にかかる処理時間を短縮することができる。処理時間の短縮により、極力放送事業者やコンテンツ製作者が意図した輝度範囲で視聴者にコンテンツを視聴させることができる。
この構成によれば、輝度情報の設定誤りや伝送誤りなどによる無用な輝度範囲の変化を抑制することができる。そのため、無用な輝度の急激な変化による視聴者の違和感や対象不良の発生を抑制することができる。
この構成によれば、視聴者の違和感や体調不良の主な原因となる無用な輝度の急激な増加を抑制することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。上述した実施形態と同一の構成、処理については、同一の符号を付してその説明を援用する。
本実施形態に係る放送システム1は、図1に示すように受信装置10と送信装置20とを含んで構成される。本実施形態に係る送信装置20は、放送される映像の輝度情報を示す輝度フラグとして、その時点の映像の輝度情報を示す現状フラグと、その時点から所定の時間後における映像の輝度情報を示す予告フラグとをサービス情報に含めて放送伝送路BTに送出する。受信装置10は、放送伝送路BTを介して受信したサービス情報から現状フラグと予告フラグとを取得する。受信装置10は、現状フラグが示す輝度範囲から予告フラグが示す輝度範囲が異なるとき、輝度範囲の設定を現状フラグが示す輝度範囲の設定から所定の時間後までの間に予告フラグが示す輝度範囲の設定まで漸次に変化させる。
受信装置10は、変化させた輝度範囲の設定に基づいて定めた輝度で、放送信号で搬送された映像データに係る映像を表示させる。
次に、予告フラグについて説明する。予告フラグは、その時点から所定の時間ΔT(例えば、5秒)後における輝度範囲の変化を示す輝度情報である。これに対し、現状フラグは、上述した輝度フラグに相当する。図13は、時刻t12から時刻t13までの間、SDR映像で構成されるCMが放送され、時刻t13からHDR映像で構成される番組が放送される場合を例示する。この例では、時刻t13-ΔTにおいて予告フラグが提供される。この予告フラグは、時刻t13-ΔTから所定の時間ΔT後の時刻t13において、映像の輝度範囲がSDRからHDRに変化することを示す情報である。レベル制御部179は、予告フラグを参照して後述する輝度範囲の制御を行うことで輝度範囲の変化に伴う輝度の急激な変化を緩和する。
表示制御部177(図9)は、SI処理部176から予告フラグが入力されるとき、予告フラグで変更が指示される輝度範囲への変更に係る輝度変化警告画面を表示部15に表示させてもよい。ここで、表示制御部177は、変更後の輝度範囲に係る輝度変化警告画面データを記憶部16から読み出し、読み出した輝度変化警告画面データを映像処理部174に出力する。これにより、その時点における輝度範囲からの輝度範囲の変更が視聴者に通知される。
また、表示制御部177は、予告フラグが入力された後、映像設定画面の表示を指示する操作信号が入力されるとき、予告フラグが示す変更後の輝度範囲に係る映像設定画面を表示部15に表示させてもよい。ここで、表示制御部177は、変更後の輝度範囲に係る映像設定画面データを表示部15から読み出し、読み出した映像設定画面データを映像処理部174に出力する。これにより、輝度範囲の変更により無用となる輝度範囲での設定操作を回避し、新たな輝度範囲での設定操作を促すことができる。
次に、本実施形態に係るレベル制御部179(図9)による輝度範囲の制御について説明する。図14は、本実施形態に係る輝度範囲の制御例を示す図である。図14に示す例では、時刻t13においてコンテンツがCMから所定の番組に変更されることに伴い、SI情報で指示される輝度範囲がSDRからHDRに拡大され、時刻t14においてコンテンツが当該番組から他の所定の番組に変更されることに伴い、SI情報で指示される輝度範囲がHDRからSDRに縮小される。他方、時刻t13におけるHDRからSDRへの輝度範囲の変化を示す予告フラグが時刻t13-ΔTにおいて設定され、時刻t14におけるSDRからHDRへの輝度範囲の変化を示す予告フラグが時刻t14-ΔTにおいて設定される。
図16は、映像の輝度範囲の時間変化の例を示す図である。
図16に示す例では、時刻t20からt21まで番組Aが放送され、時刻t21からt24まで番組Bが放送され、時刻t24からt27まで番組Cがそれぞれ放送される。番組Aでは、時刻t20からt21までの全区間についてSDR映像が放送される。番組Bでは、時刻t21からt22までの区間と、時刻t23からt24までの区間においてHDR映像が放送される。時刻t22からt23までの区間においてSDR映像で構成されるCMが挿入される。番組Cでは、時刻t24からt25までの区間と、時刻t26からt27までの区間においてSDR映像が放送される。時刻t25からt26までの区間においてHDR映像で構成されるCMが挿入される。時刻t25からt26までの時間は、30秒である。
図17は、本実施形態に係る輝度範囲の制御を示すフローチャートである。
図17に示す処理において、ステップS101(図12)の終了後、ステップS111の処理に進む。
(ステップS111)表示処理部175は、輝度情報に予告フラグが含まれているか否かを判定する。予告フラグが含まれていると判定されたとき(ステップS111 YES)、ステップS112の処理に進む。含まれていないと判定されたとき(ステップS111 NO)、ステップS101の処理に戻る。
(ステップS112)表示制御部177は、予告フラグで変更が指示される輝度範囲への変更に係る輝度変化警告画面(コーション画面)を表示部15に表示させる。表示制御部177は、映像設定画面の表示を指示する操作信号が入力されるとき、予告フラグが示す変更後の輝度範囲に係る映像設定画面(メニュー切替)を表示部15に表示させる。その後、ステップS113に進む。
(ステップS114)レベル制御部179は、取得した予告フラグに映像継続時間の情報が含まれていたが否かを判定する。含まれていると判定されたとき(ステップS114 YES)、ステップS115に進む。含まれていないと判定されたとき(ステップS114 NO)、ステップS101に戻る。
(ステップS115)レベル制御部179は、輝度情報の変更時刻から予告フラグで変更が指示された継続時間の経過後(次の輝度情報の変更時刻)までに所定の時間をかけて輝度範囲を縮小する設定に漸次変更する。但し、ステップS113において輝度範囲を拡大する設定に変更する処理が行わない場合には、この処理は省略される。レベル制御部179は、輝度情報の変更時刻から予告フラグで変更が指示された継続時間の経過後において、所定の時間をかけて輝度範囲を拡大する設定(元の設定)に漸次変更する。その後、ステップS101に戻る。
また、輝度範囲の設定を変更する時間において、輝度範囲がSDRからHDRに変化する場合の方が、輝度範囲がHDRからSDRに変化する場合よりも長くてもよい。上述したように、輝度やコントラストの急激に増加する原因となる輝度範囲の拡大の方が、輝度範囲の縮小よりも安全設計として設定を徐々に変化させる必要性が高いためである。
この構成によれば、予定されている輝度範囲の変化前に、輝度範囲の変化を緩和するための処理を開始することができる。そのため、処理の遅延を生じずに輝度の変化を緩和することで、視聴者の違和感や体調不良を防止又は緩和することができる。
この構成によれば、視聴者の違和感や体調不良の主な原因となる輝度範囲の拡大を緩和するとともに、視聴者の違和感や体調不良への輝度範囲の縮小において、その処理時間を短縮することができる。処理時間の短縮により、極力放送事業者やコンテンツ製作者が意図した輝度範囲でコンテンツを視聴させることができる。
この構成によれば、予告情報で指示される所定時間後における輝度の急激な増加を緩和することができる。そのため、視聴者の違和感や体調不良が防止又は緩和される。
この構成によれば、輝度の増加に伴う再度の視聴者の違和感や体調不良を防止又は緩和するとともに、極力放送事業者やコンテンツ製作者が意図した輝度範囲でコンテンツを視聴させることができる。
この構成によれば、予告情報をさらに設定する必要がなくなるので、予告情報の設定が簡素になる。そのため、番組の編成に応じたサービス情報の設定に係る処理や作業が軽減される。
この構成によれば、輝度範囲の変化が視聴者に予告されるので、視聴者において輝度の急激な変化を回避する行動、例えば、視聴を避けることが促される。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。上述した実施形態と同一の構成、処理については、同一の符号を付してその説明を援用する。
本実施形態に係る放送システム1は、図1に示すように受信装置10と送信装置20とを含んで構成される。受信装置10は、放送番組に関するサービス情報から、各チャンネルで提供される放送番組に含まれる映像の輝度情報を取得する。受信装置10は、取得した輝度情報を参照して、現時点で受信するコンテンツの輝度範囲から、選局されるチャンネルで受信するコンテンツの映像の輝度範囲が変更されるか否かを判定する。変更されると判定されるとき、受信装置10は、輝度範囲の設定を変更後の輝度範囲の設定に漸次変更し、変更した設定を用いて映像を表示する。
映像コンポーネント記述子には、上述したように輝度フラグが設定される。MH-EITでは、番組またはセグメント毎に、その構成要素である映像の開始時間、継続時間と対応付けて映像コンポーネント記述子が記述される。従って、MH-EITでは、番組またはセグメント毎に、その映像の輝度範囲を示す輝度情報として輝度フラグが対応付けられる。
放送受信部11は、複数チャンネルの放送信号を並列に受信することができるチューナーを備える。放送受信部11は、受信した放送信号のうち選局部178からの選局信号で指定されるチャンネルに対応する放送信号を復調部171に出力する。
また、映像処理部174は、映像データを復号する復号部として、分離部172から入力されるSDR映像データを復号して復号されたSDR映像データを取得するSDR復号部と、HDR映像データを復号して復号されたHDR映像データを取得するHDR復号部を備えてもよい。そして、映像処理部174は、復号されたHDR映像データ、SDR映像のそれぞれについて、HDR、SDRに対応した補正係数を用いてガンマ補正を行ってもよい。
この構成により、1チャンネルの放送信号のみしか受信できないことにより、チャンネルの切り替え直後に生じる映像の中断や、輝度範囲の変更によって生じる映像の中断を解消することができる。
図18は、映像の輝度範囲の時間変化の例を示す図である。
図18に示す例では、チャンネルCH-1において、時刻t30からt33まで番組1-Aが放送され、時刻t33からt35まで番組1-Bが放送される。チャンネルCH-2において、時刻t30からt31まで番組2-Aが放送され、時刻t31からt33まで番組2-Bが放送され、時刻t33からt34まで番組2-Cが放送され、時刻t34からt35まで番組2-Dが放送される。チャンネルCH-3において、時刻t30からt32まで番組3-Aが放送され、時刻t32からt34まで番組3-Bが放送され、時刻t34からt35まで番組3-Cが放送される。これらの番組のうち、番組1-A、1-B、2-A、2-B、2-D及び番組3-AにおいてSDR映像が放送される。番組2-C、3-B、3-CにおいてHDR映像が放送される。
○印で示す時刻t32において、輝度情報テーブルを参照してチャンネルCH-3について得られる輝度情報によれば、映像の輝度範囲がSDRからHDRに拡大する。このとき、レベル制御部179は、輝度範囲がSDRからHDRに変更されると判定する。レベル制御部179は、輝度範囲の設定としてSDRの設定からHDRの設定まで所定の輝度遷移時間τをかけて漸次変更する。表示制御部177は、輝度範囲がHDRに変更されることを示す輝度変化警告画面を表示部15に表示させる。また、映像設定画面の表示を指示する操作信号が入力される場合には、表示制御部177は、輝度範囲がHDRである場合の映像設定画面を表示部15に表示させる。
図19は、本実施形態に係る輝度範囲の制御を示すフローチャートである。
図19に示す処理において、ステップS101(図13)の終了後、ステップS121に進む。
(ステップS121)SI処理部176は、分離部172から入力されたMH-EITから抽出したチャンネル毎の番組もしくはセグメントと、開始時間、継続時間及び輝度フラグ(HDR/SDR情報)のセットを抽出する。SI処理部176は、抽出したセットをチャンネル毎に開始時間の順に記憶することにより、輝度情報テーブルを更新する。その後、ステップS121の処理に進む。
(ステップS123)レベル制御部179は、選局部178から入力された選局信号が示すチャンネルが、その時点まで選局されていたチャンネルから切り替わるか否かを判定する。切り替わったと判定された場合(ステップS123 YES)、ステップS124に進む。切り替わっていないと判定された場合(ステップS123 NO)、ステップS122に戻る。
(ステップS126)レベル制御部179は、映像の輝度範囲の設定を変化前の輝度範囲に係る設定から変化後の輝度範囲の設定に所定の輝度遷移時間τをかけて徐々に変化させる。その後、ステップS101の処理に戻る。
この構成により、予め取得した映像の輝度情報に基づいてチャンネルの変更に応じて生じる輝度範囲の変更の有無を判定することができる。そのため、チャンネルの変更に伴う輝度範囲の変更に係る処理の遅延を解消又は軽減するとともに、視聴者の違和感や体調不良を防止又は緩和することができる。
この構成により、チャンネルの切替に伴う映像の中断、再開を回避し、輝度範囲の変化が緩和された映像の表示を継続することができる。そのため、映像の中断、再開に伴う輝度の急激な変化による視聴者の違和感や体調不良を防止又は緩和することができる。
この構成により、チャンネルの切替に伴う輝度範囲の変化が視聴者に予告されるので、視聴者において輝度の急激な変化を回避する行動、例えば、視聴を避けることが促される。
例えば、受信装置10は、図12に示す処理又は図17に示す処理と、図19のステップS121、S123-S126を実行してもよい。図17に示す処理において、受信装置10は、予告フラグとして輝度情報テーブルに放送開始時刻と対応付けて記憶した輝度情報を用いてもよい。
(1)コンテンツのサービス情報から、現時点の映像の輝度情報を示す現状情報と、現時点から所定時間後の映像の輝度情報を示す予告情報とを取得するサービス情報処理部と、前記現時点の映像の輝度範囲から前記予告情報が示す輝度範囲が変化するとき、前記輝度範囲の変化よりも緩やかに輝度範囲を変化させるレベル制御部と、前記レベル制御部が定めた輝度範囲で前記映像を表示する表示部と、を備える受信装置。
Claims (9)
- コンテンツのサービス情報から、現時点の映像の輝度情報を示す現状情報と、現時点から所定時間後の映像の輝度情報を示す予告情報とを取得するサービス情報処理部と、
前記現時点の映像の輝度範囲から前記予告情報が示す輝度範囲が変化するとき、前記輝度範囲の変化よりも緩やかに輝度範囲を変化させるレベル制御部と、
前記レベル制御部が定めた輝度範囲で前記映像を表示する表示部と、
を備える受信装置。 - 前記レベル制御部は、前記現時点の映像の輝度範囲から前記予告情報で指示される輝度範囲が拡大するとき、前記予告情報で指示される輝度範囲が縮小するときよりも長い時間をかけて前記輝度範囲を変更する請求項1に記載の受信装置。
- 前記レベル制御部は、現時点の映像の輝度範囲よりも前記予告情報が示す輝度範囲が広いとき、前記映像の最大輝度を前記所定時間後までに、所定の輝度まで漸次低下させる
請求項1または請求項2に記載の受信装置。 - 前記レベル制御部は、所定の輝度までの輝度の低下を、前記所定時間後から漸次解除する請求項3に記載の受信装置。
- 前記予告情報が示す輝度情報に有効な継続時間がさらに設定されているとき、前記レベル制御部は、所定の輝度までの輝度の低下を、前記所定時間後のさらに前記継続時間後から漸次解除する請求項3または請求項4に記載の受信装置。
- 前記予告情報が示す輝度範囲が変化するとき、前記輝度範囲の変化を通知させる表示制御部、をさらに備える請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の受信装置。
- 送信装置と受信装置を備える放送システムであって、
前記送信装置は、
コンテンツと、現時点の映像の輝度情報を示す現状情報と、現時点から所定時間後の映像の輝度情報を示す予告情報を含む前記コンテンツのサービス情報を送信し、
前記受信装置は、
前記サービス情報から、前記現状情報と、前記予告情報とを取得するサービス情報処理部と、
前記現時点の映像の輝度範囲から前記予告情報が示す輝度範囲が変化するとき、前記輝度範囲の変化よりも緩やかに輝度範囲を変化させるレベル制御部と、
前記レベル制御部が定めた輝度範囲で前記映像を表示する表示部と、
を備える放送システム。 - 受信装置における受信方法であって、
コンテンツのサービス情報から、現時点の映像の輝度情報を示す現状情報と、現時点から所定時間後の映像の輝度情報を示す予告情報とを取得するサービス情報処理ステップと、
前記現時点の映像の輝度範囲から前記予告情報が示す輝度範囲が変化するとき、前記輝度範囲の変化よりも緩やかに前記映像を表示させる輝度範囲を変化させるレベル制御ステップと、
を有する受信方法。 - 受信装置のコンピュータに、
コンテンツのサービス情報から、現時点の映像の輝度情報を示す現状情報と、現時点から所定時間後の映像の輝度情報を示す予告情報とを取得するサービス情報処理ステップと、
前記現時点の映像の輝度範囲から前記予告情報が示す輝度範囲が変化するとき、前記輝度範囲の変化よりも緩やかに前記映像を表示させる輝度範囲を変化させるレベル制御ステップと、
を実行させるためのプログラム。
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